資料2 アルマ計画評価作業部会(第1回)における意見・指摘等(主なもの)

1.計画の進捗状況について

  • 建設計画及び量産体制等は、達成できているのか。
  • 日米欧が対等とのことだが、日本のプレゼンスはどういう位置にあるのか。技術があってこそ発言力が増すという理解でよいか。
  • 計画への参画は遅れたけれども、世界に先駆けてアンテナを現地に据え、今はむしろリーディングカントリーになっていることは、大いなるプレゼンスを出したことになる。
  • 日米欧以外の国・地域がアルマ計画に参加しようとする場合の考え方はどうなっているのか。

2.アルマ計画の学術的・社会的意義について

  • 加速器は世界に幾つかしかなく、アルマ計画に似た状況である。高エネルギー実験では、機器稼働の間に、膨大なデータが蓄積され、それを分析することで、いろいろな論文をたくさん書けるという仕組みになっている。アルマを見ていると、段々それに近づいていると理解してよいか。
  • 成果を国民に還元していくためには、日本も投資に見合った観測を行い、学術的な成果を出すことが必要であるという主張を、外に対してもっと積極的に行っていくことが必要である。
  • これまでの技術開発に基づく波及効果や、運用段階後の装置の改良などを通じて想定される波及効果について、もっとアピールしていくことが必要である。

3.部分運用について

  • 本格運用後は、国際的で平等な仕組みの中で競争を行っていくとのことだが、これは部分運用の段階から始まるのか。
  • 本格運用の予算は国際的な評価システムで決定されるということだが、部分運用の予算はどう決められるのか。
  • 部分運用の時点から、研究者が共同できるようなシステムやそれを支援する体制を整備する必要がある。

4.本格運用について

  • 日本がしっかりと時間を確保し、科学的な成果を出せる仕組みを整備することが必要である。
  • 各国が平等に研究計画と研究結果を共有しながら進めていくように見受けられるが、その中で、日本が大きなプロジェクトをやる意義を示していくことが必要である。
  • 加速器の分野でも同様と思われるが、運用当初は当該分野の専門家が主として使用し、その後利用範囲が次第に広がっていく。例えば理研のSPring-8などでも、いろいろな努力を重ねることによってコミュニティーが広がり、また実際にコミュニティーが起こってもいる。
  • 小さなグループが小さな目的のために観測時間の取り合いをするようなことは、徐々に減ってくるという理解でよいか。

5.運用に当たって留意すべき点

  • 天文学の電波以外の分野、さらには惑星科学、地球科学、化学、分子化学といった他の分野に対するアプローチや周知が必要である。
  • アルマ計画は、一般的な社会インフラである橋や道路とは違い、作っただけでは国民にとっては何の価値も持たない。現在の日本の厳しい経済状況の中で、これだけの資金を投入するのだから、観測を行う建物を含む運用経費も必要である。
  • これだけ大きい施設を持つようになると、今度は後ろ側の利用、研究者が大型装置に対して関わっていく体制みたいなものを考える必要がある。また、コミュニティーによる評価の仕組みのようなものを、研究者自身が作っていくことも必要である。

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