研究環境基盤部会(第111回) 議事録

1.日時

令和5年1月26日(木曜日)16時~18時

2.場所

オンライン会議にて開催

3.議題

  1. 「大学共同利用研究教育アライアンス」の進捗について
  2. 令和4年度補正予算及び令和5年度予算案について
  3. 第11期における各作業部会等の審議状況について
  4. その他

4.出席者

委員

観山正見部会長、小長谷有紀委員、勝悦子委員、井上邦雄委員、小林良彰委員、中野貴志委員、長谷部光泰委員、長谷山美紀委員、松岡彩子委員、山本佳世子委員、森初果委員、龍有二委員

文部科学省

森研究振興局長、木村大臣官房審議官(研究振興局及び高等教育政策連携担当)、黒沼大学研究基盤整備課長、山本大学研究基盤整備課課長補佐、吉田大学研究基盤整備課連携推進専門官、その他関係者
 

一般社団法人大学共同利用研究教育アライアンス ※議題1のみ

山内高エネルギー加速器研究機構長、木部人間文化研究機構長、藤井情報・システム機構長、宮崎人間文化研究機構理事、井本自然科学研究機構理事、岡田高エネルギー加速器研究機構理事、渡邊情報・システム研究機構理事・事務局長、永田総合研究大学院大学理事・副学長、荒木情報・システム研究機構データサイエンス共同利用基盤施設施設長

5.議事録

【観山部会長】  それでは、ただいまより科学技術・学術審議会学術分科会研究環境基盤部会の第111回を開催いたします。委員の先生方におかれましては、本日御多忙のところ御出席いただきまして誠にありがとうございます。
 本日はウェブ会議により開催することと致します。音声などに不具合はありませんでしょうか。大丈夫ですか。委員の皆様におかれましては円滑な会議運営に御協力いただければと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。また、本日の会議は文部科学省のユーチューブチャンネルでの配信という形で公開しておりますので、よろしくお願いいたします。
 まず、事務局より本日の委員の出欠、配付資料の確認をお願いいたします。
【山本大学研究基盤整備課課長補佐】  大学研究基盤整備課、山本でございます。平素よりお世話になっております。
 まず、本日は井野瀬委員が御欠席となっております。また、龍委員が途中出席予定と伺っております。
 配付資料の確認をさせていただきます。議事次第に記載のとおり、資料1から資料3までと、参考資料といたしまして参考資料1、2-1から2-7の各資料を配付しております。
 また、本日、ウェブ会議により開催することとしております。委員の皆様におかれましては、まず御発言に当たりましてはZoomの挙手ボタンを押していただき、主査からの指名の後、御発言をお願いします。御発言の都度、まずお名前をお願いします。御発言は聞き取りやすいようにはっきりとお願いします。発言なさらないときはマイクをミュートにお願いします。資料を参照いただく際には資料番号、ページ番号など該当箇所をお示しいただくよう、よろしくお願いします。
 事務局からは以上でございます。
【観山部会長】  ありがとうございます。
 それでは議題に早速移りたいと思いますが、よろしいでしょうか。まず議題1番として、「大学共同利用研究教育アライアンス」の進捗についてお諮りしたいと思います。それでは、本日は連合体を構成する5法人から、代表として高エネルギー加速器研究機構の山内機構長より、現在の進捗について御説明いただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
【山内高エネルギー加速器研究機構機構長】  どうもありがとうございます。一般社団法人大学共同利用研究教育アライアンスの代表理事を務めております、KEKの山内でございます。
 このたびは研究環境基盤部会におきまして、当アライアンスの活動状況について御報告の機会を頂きましてありがとうございます。私から資料を共有させていただいて、御説明したいと思います。皆さんにお送りしているものと同じものでございます。
 もう3年ほど前になりますが、研究環境基盤部会におきまして、大学共同利用機関法人あるいは大学共同利用機関の機能をさらに強化して、大学の研究力や機能強化により貢献できるためには、組織などをどうするのがいいのかという議論をいただきました。その結論の一つとして、大学共同利用機関法人4機構の一部の機能を一体化しまして、事業の効率化を図るとともに研究力強化を図り、それが大学における研究教育により幅広く貢献できる仕組みをつくろうということになりまして、それがこのアライアンスの発足につながったものでございます。これはかつては連合体と呼んでいることが多かったのですが、このアライアンスは全く同じものでございます。
 また、4機構法人だけではなくて総合研究大学院大学にも御参加いただくことによって、大学院教育の面でも効果的に強化を図ることが可能になるということで、4機構プラス総研大でこのようなアライアンスを構成することになったものでございます。
 まず、資料の3ページを御覧いただきたいと思います。このアライアンスは昨年3月1日に発足しておりまして、その目的はここにありますように、5つの法人が、一体的な研究教育活動を通じてその機能を十分に発揮するための事業を推進し、我が国の学術研究の発展に寄与するとしております。さらに、研究教育・共同利用の両面から広く大学や研究機関等との機能強化に貢献できるものにしたいというのが、私どもが掲げた目標でございます。
 次に簡単な組織図を挙げておりますが、このアライアンスは5法人が社員となります一般社団法人でして、機構長・学長5名が理事を務めております。事業を推進するために、研究力強化部会、大学院教育部会、業務運営部会という3つの部会を設置しておりまして、それぞれについて5法人の連携を推進する各種事業を企画・推進しております。また、アライアンスの運営や事業の方向性について外部有識者の意見を適切に取り入れる目的で、アドバイザリーボードを置いております。昨年第1回の会議を開催しまして御意見を頂いたところですが、先日、提言をまとめていただいておりますので、本日お配りしております。後ほど触れたいと思います。
 次に4ページに行っていただきますと、ここではアライアンス・法人・機関のそれぞれが担う役割をこのページのように整理しております。アライアンスは既にあります機関・機構法人の上に屋上屋を重ねるものではなく、5法人の連携によって効果が上がる事業について、よく相談しながら企画・推進するという機能を持つものでございます。各機関や各機構法人の担う役割の基本的な部分はこれまでと変わるものではございません。
 次の5ページからは各事業の進捗状況を御説明したいと思います。まず、研究力強化事業です。この事業は大きく2つに分類されまして、一つは、これまで各機構が主導して実施してきた異分野融合関係の研究事業を、アライアンスの企画・調整の下で5法人に対象を拡大・展開するものでございます。もう一つは、5法人が連携いたしまして、アライアンス独自の企画として新たな異分野融合研究事業を企画・推進するものです。
 後者につきましては、現在、ここにあります(1)から(4)までの4つの事業を進めております。さらに(5)と(6)について、実施に向けて具体化を検討しているところでございます。なお、これらの事業は4機構のみに閉じたものではなく、全国の大学や研究機関、共同利用・共同研究拠点への拡大や連携も、将来に向けての視野に入れております。
 令和4年度に具体的な取組として進捗のあった事業例といたしまして、異分野融合・新分野創出に向けたプログラムについて6ページに御説明しています。この事業は、1番といたしまして、分野の枠を超えた新たな研究者間の連携・共同研究のきっかけをつくるために、4機構に所属する研究者の意見交換の場を提供するプログラム、IU-REAL異分野間交流プログラムと呼んでいます。
 2番目といたしまして、IU-REAL異分野融合・新分野創出プログラムというもの。これは異分野の研究者の協働による新たな研究領域の開拓に資する研究活動を財政的に支援するものでございます。この丸2番におきましては令和4年度は研究の公募を実施しまして、共同研究及び共同研究を見据えたスタートアップという2種類の提案を受け付けました。これらは法人の枠を超えた異分野の研究者による共同研究を促進する狙いがありまして、公募した申請課題につきましては、今年度中に審査を完了し、本年4月からの研究開始を予定しております。
 このページの左側にオレンジ色のびっくりマークの印がございますが、これはほかにも何か所かあるのですが、これは昨年の研究環境基盤部会で御質問、御指摘いただいた点について、今年はこうなっておりますということを示しております。ちょっと資料作成が追いつかなかったものですからお手元の資料にはマークがないと思いますが、御参考にしていただければと思います。
 次の7ページに参りますと、(2)といたしまして、大学法人との意見交換の場の構築を挙げています。これまで自然科学研究機構が中心となりまして、大学との意見交換の場としました自然科学大学間連携推進機構、NICAという仕組みを運営してまいりましたが、これを発展させまして、研究大学コンソーシアムとの融合を図る新たな組織の形成を目指した協議を進めているところでございます。ここでは人文社会科学分野を含めた新たな意見交換の場を今年度内に構築すべく、調整を進めているところでございます。
 そのほか3番と4番になりますが、IRやデータサイエンスの推進に関する事業についても、IR検討チームを立ち上げること、それから情報・システム研究機構のデータサイエンス施設がありますが、ここにデータサイエンス事業担当となる推進室を設けることなど、実施のための体制整備を進めているところでございます。来年度になろうかと思いますが、具体的な取組を実施していくことにしております。
 これらに加え、次の9ページになりますが、研究力強化活動をサポートする人材に対する顕彰制度や産学官連携についても検討を進めているところでございます。
 以上が研究力強化に関する事業ですが、続いて10ページに参りまして、大学院教育に関する事業についてです。ここでは大学共同利用機関特別研究員という制度を設けまして、博士研究員人材育成を格段に強化する事業を進めています。これは博士後期課程に相当する3年間にわたって研究専念支援金という奨学金及び研究費を支給いたしまして、優れた成果を上げることを支援するとともに、優れた学位論文研究を行って課程を修了した者に対して、大学共同利用機関において2年間の研究員ポストを提供して雇用するものです。
 本制度の実施に向けて総合研究大学院大学におきまして外部資金を獲得しまして、既に2つのプログラムによって学生を採択しております。これにつきましては11ページを御覧ください。それぞれ、JSTの「科学技術イノベーション創出に向けた大学フェローシップ創設事業」と「次世代研究者挑戦的研究プログラム」の採択事業として実施していますが、今後は国などの補助事業の活用による財源の確保に努めるとともに、プログラムの維持・拡充に向けた検討を進めてまいりたいと考えております。
 また、国内外の大学・研究機関で主体的に2年間の研究を実施することができるポータビリティーといいますか、こういったものを含めた担保したようなポストを提供することができるような制度設計も進めてまいりたいと思っております。
 なお、総合研究大学院大学はこの4月より、現在の6研究科20専攻の体制から、1研究科1専攻20コースという新たな体制に移行することになっておりまして、また、これまで総合研究大学院大学に参加していなかった人間文化研究機構の国立国語研究所及び総合地球環境学研究所が加わりまして、全ての大学共同利用機関が総合研究大学院大学の教育を担うことになりますことから、異分野融合研究、新分野の創生などに取り組む人材を大学院の段階から教育する環境がさらに充実いたします。このことを受けまして、アライアンスの様々な取組と連携していきたいと考えているところでございます。
 続きましてアライアンスの事業の3つ目のカテゴリーになりますが、業務運営の効率化事業について12ページを御覧ください。こちらは主に2つの事業に取り組んでおります。まず、共通業務の集約によってスケールメリットや業務の効率化が期待できるものを進めること。それから職員の人材育成を進めることによりまして、共同によるスキル・知見の共有や高度化、経費・業務負担軽減を目指すものであります。
 令和4年度は5法人が連携しまして6つの研修を共同で実施いたしました。令和5年度には初任者研修を他大学も含めた形で実施する計画を持っております。今後は人材育成のための事業の体系化や、技術職員などの専門職向け研修の展開を考えておりまして、また、共通業務とすることで効率化につながる取組は継続的に検討し、実践していくことにしております。
 もう一つは次の13ページにございます広報事業でございます。アライアンスのプレゼンスを高めることを目的として、広報事業に取り組んでいきたいと考えておりますが、ここでは各大学共同利用機関法人あるいは大学共同利用機関が既に行っている広報活動、これは各機関が相当力を入れてやっておりますが、これとの重複を避け、効果的な広報活動を進めるべく、現在その方向性を整理しているところであります。
 もう一つ、3つの部会による事業に加えまして、国際関係に関する検討も進めておりまして、14ページを御覧ください。アライアンスではその目的に照らして必要な事業につきましては、部会の役割を超えたものについても幅広く検討することにしておりますが、ここにある国際関係に関する検討もその一つです。各大学共同利用機関法人や大学共同利用機関がそれぞれの研究分野におきまして国際的中核拠点となっている場合も多くありますが、この強みを生かしまして、アライアンスのスキームで組み合わせることによって、多面的な国際展開のプラットフォームをつくることを進めています。
 具体的にはシンポジウム等海外イベントの合同実施、それから国際的な研究推進人材育成プログラム。これは研究人材ではなくて、技術職、事務職、URAなどの研究を支援する人材のことでございますが、こういった育成を進めていくこと。それから国際業務ノウハウ、国際法務顧問等リソースの共有といった事業を考えています。これは先日の理事会でこの方向で実施することを決めまして、実施の委員会を設けることも決めましたので、具体化に向けて事業計画・財源の検討、国内外機関との調整に着手することになっています。
 次に15ページになりますが、アドバイザリーボードについて少し御説明します。アライアンスとして今御説明した事業を進めておりますが、並行しましてアドバイザリーボードを開催しまして、外部有識者により、事業についての期待や事業を実施する上で想定される課題、そのほかアライアンスの事業や運営について御意見を頂きまして、この御意見を踏まえてアライアンスとしての方策を検討し、運営や事業の方向性に反映していくことにしております。
 メンバーは学識経験者をはじめ、産業界経験者、行政経験者、ジャーナリスト、法曹関係など非常に幅広い方々9名で、昨年10月17日に開催した第1回の委員会では非常に活発な御意見を頂きまして、今後アライアンスが進むべき方向性を私どもが議論する上で非常に有益になるといいますか、参考になる御意見を頂いております。数日前に提言書を頂いておりますので、本日席上配付とさせていただいておりますが、ぜひとも目を通していただければと思います。事業内容、大学院教育、若手育成に関すること、認知度の向上に至るまで、大変幅広く御意見を頂いております。
 最後になりますが、16ページにアライアンスの事業展開について、第4期中期目標・中期計画期間中のロードマップを参考資料としてお示ししています。アライアンスを設立いたしまして1年弱となりますが、これまでの取組を経まして、これから各事業が本格化する段階に入ったものと考えております。今後とも研究環境基盤部会の御意見、御指導を賜りたいと考えておりますので、引き続きよろしくお願いします。
 私からの御説明は以上ですが、本日は部会長も陪席しておりますので、御不明の点等ございましたら、部会長からも御説明したいと思います。どうもありがとうございました。
【観山部会長】  ありがとうございました。
 それでは、委員の皆様から御意見、御質問などありましたらよろしくお願いします。まず小林委員、お願いします。
【小林委員】  小林です。御説明ありがとうございます。
 企業などとの契約の関係から、5法人それぞれが法人格を持つ必要性があると思いますが、その上でアライアンスをつくり、特別研究員制度などを創設されたことはすばらしいと思います。私からは2点お尋ねしたいと思います。
 第1点は、4機構に共通していることとして、施設・設備が老朽化して故障が生じるたびに文科省の補正予算などで対応していると思いますが、そのために稼働時間が削られるなどのロスも生じていると思います。今後故障などが発生する前に、計画的な保守・メンテナンスを行って事前防止するほうが合理的だと思いますが、1機構の予算では限度がありますので、4機構が保守・メンテナンス予算を持ち寄って、ホールディングスのようにアライアンス全体として緊急性に応じて順次対応していくようなことは考えられないでしょうか。これが第1点です。
 お尋ねしたい第2点は法令遵守や研究不正についてですが、残念ながら人間文化研究機構国立国語研究所の研究報告における研究不正とか、情報・システム研究機構国立極地研究所の麻薬及び向精神薬取締法違反などが起きています。法令遵守は言うまでもないこととはいえ、4機構及び総合研究大学院大学がそれぞれに該当する法令や施行細則が何であるかについて、全員に周知することは限界があると思います。そこで、関係法令に抵触しているかどうか、アライアンス全体で法令遵守や研究不正に詳しい有識者を監事などにして、事前防止を徹底するようなことが考えられないでしょうか。
 以上です。よろしくお願いいたします。
【観山部会長】  いかがでしょうか。
【山内高エネルギー加速器研究機構機構長】  では、この件2点に関しまして私から御説明したいと思います。
 施設・設備の老朽化等に対する対応といたしまして、これは様々な方策が考えられると思います。これは私どもの検討対象に挙がっておりますが、現在まだ具体化して何かを進めるところには至っておりません。今後さらに検討を進めたいと思います。
 それから第2点に御指摘いただきました法令遵守に関する対応ということですが、これは各機構・各機関でかなり特殊性を持っているところもございますので、現在のところは各機構単位でもって進めております。ただし、これに関わる研修がありまして、これは機構の職員に広く教育を進めまして、おかしなことが起こらないようにということを徹底するための教育でございますが、これに関しては共通に開催することによって効率化を図ることは既に始めております。
 以上が現状でございます。ありがとうございました。
【小林委員】  ありがとうございます。
【観山部会長】  山本委員、お願いします。
【山本委員】  山本佳世子です。
 12ページで御説明のあった業務運営のところですけれども、事務系の初任者研修、このびっくりマークのところです。アライアンスでされる、総合研究大学院大学が入っているのは当然なのですけれども、プラス3大学と書かれているので、これはどんなふうにやっていらっしゃるのかなと気になりました。
 大学共同利用機関がサポートしている大学の研究力強化に横断的に支援する活動、URAの力を集めたりといった活動をされていると思うのですけれども、そういうものと関係あるのかなとちょっと気になりました。お願いいたします。
【山内高エネルギー加速器研究機構機構長】  ありがとうございます。では、この件につきましては業務運営部会の宮崎先生からお答えいただけますか。
【宮崎人間文化研究機構理事】  業務運営部会の人間文化研究機構、宮崎でございます。
 お尋ねになりました5法人が連携しての研修ということで、3大学とともにやっていると。アライアンスプラス3大学、具体的に申しますと、これは東京藝術大学、東京海洋大学、お茶の水女子大学、いずれも東京にある大学であります。これらの大学と既に情報・システム研究機構が初任者研修を行っておりました。それにアライアンスが加わる形で、令和5年には実現の運びになりました。
 なお、全てをアライアンスの中で完結させて、あるいはアライアンスの中の機関が全て参加してということは無理やりやろうとは考えておりません。実質的にやはり効果のあるものを考えていくというところで考えております。
 さらに技術職員の研修については、今、高エネルギー加速器研究機構から御提案がありましたので、将来に向けて考えていきたいと思っております。人材養成、研修も含めて、大学共同利用機関は大学の機能強化に役立てることを考えております。
【山本委員】  ありがとうございました。
【観山部会長】  中野委員、お願いします。
【中野委員】  アライアンスと大学との意見交換の場を設定されることについて御質問したいと思います。それぞれの法人は既に大学共同利用機関法人ですので、大学との対話は常日頃からされていると思うのですけれども、アライアンスを窓口として意見交換することによる期待される効果であるとか、新しいサービスであるとか、そういうものがあれば御説明いただきたいと思います。
【山内高エネルギー加速器研究機構機構長】  ありがとうございます。では、この件に関しまして、研究力強化部会の井本先生からお答えいただけますか。
【井本自然科学研究機構理事】  研究力強化部会の井本です。
 大学との連携の場の形成は、正しくは研究大学コンソーシアムというものです。それはアライアンスとはこれまで直接関係はありませんでしたが、来年度からこれまでの3機構に加えて4機構、人間文化研究機構が加わっていただくということで、4機構全体にわたって大学との意見の場が形成できるということです。
 ここで主に話をすることは、大学のマネジメントという立場で研究力をどういうふうに強化していくかという、かなり高度な議論をしていただけることを期待しております。これまでも大学が入っていましたから、人文社会系が欠けていたというわけではないわけですけれども、これまでの研究力強化というと自然科学系が主だったわけですけれども、来年度から人間文化研究機構に加わっていただき、また、一橋大学のような人文社会系の大学にも加わっていただけるということで、総合知を目指した議論をしていただくことができると思っております。
 アライアンスとの関係は、これまでは直接関係がなかったわけですけれども、アライアンスの理事会でも研究大学コンソーシアムをサポートしていただく方向で御意見を頂いていますので、かなりこのアライアンスの後援の下に実施していくことになると思っております。
 以上です。
【中野委員】  分かりました。どうもありがとうございます。
【観山部会長】  ありがとうございました。では、私から一つ伺いますが。
 14ページの今日の資料で、アライアンスでの国際関係に関する検討と。これは非常にいいことだと思います。ただ、前回の研究環境基盤部会ではちょっと出てこなかったかと思うのですが、こういうことを見ると、日本の学術に関する研究所が基本的に集まってアライアンスをつくったと。4機構それから総合研究大学院大学が集まったとなると、一種の知名度のアピールとかということは国際的に必要と思います。こういう機関が国際的にあり得るかというのはなかなか難しいですけれども、例えばマックス・プランクだとかNSFだとかあると思います。NSFはちょっと違いますけれども、そういう機関との何か、それぞれの機構なりそれぞれの機関は協定を各関連で結ばれていると思いますけれども、そういう国際的な対応をするようなところと包括協定とかそういうことを一つの実績にすることも、この6年後の一つの在り方かなと思いました。感想ですけれども。
【山内高エネルギー加速器研究機構機構長】  どうもありがとうございます。では、この件に関して国際ワーキンググループの岡田座長からコメントは何かありますか。
【岡田高エネルギー加速器研究機構理事】  どうもありがとうございます。
 まさに我々の中で話し合っていたときも、そういうことが大切だということが出てきました。実は、例えばシンポジウムをやるとしても、それぞれの機構ごとではあまりその知名度もないかもしれないけれども、見てみますと、別の機構が同じファンディングエージェンシーと既に協定を持っている、協力関係を持っているようなことが見られました。そうしますと、相手側の国の同じファンディングエージェンシーと協力することによって、5法人が協力するような形の、ある種もっと大きなアピール力があるようなイベントができるのではないかということも出てきましたので、その辺は、我々それぞれが持っているこれまでのノウハウでありますとかコネクションを使って、全体をアピールできるような形を考えております。
 これがひいては日本の大学のコミュニティーのための研究力強化にもつながるのではないかと思っております。
【観山部会長】  そうですね。だから、様々な形で海外の機関と提携し、シンポジウムをするとか、それから包括協定を結ぶだとか、そのような形でやっぱり実績を積み上げて行くことが重要と思います。さて、こういうアライアンスをつくったのだったら、6年後には必ずどういう成果があったのかとか、どういう進展があったのかという評価がどうしても問われるので、そういうことも考えながら進めていただければと思います。
 そうなったときに、最初の組織の体制で言うと、これはアライアンスの代表みたいなものは何かお決めにならなかったのですか。
【山内高エネルギー加速器研究機構機構長】  すいません。アライアンスの代表とおっしゃいますと、どういうことを想定されていますか。
【観山部会長】  だから例えば海外の機関といろいろな包括協定を結ぶときに誰がサインするかとか、そういう感じで。アライアンスを向こうから見た場合に、誰がヘッドなのかというのは、何かこれではないような感じがしたのですが。
【山内高エネルギー加速器研究機構機構長】  ああ、これに書いてありませんから。今、私が代表理事を務めております。代表理事が代表をしております。
【観山部会長】  ああ、そうですか。それが分かればよいです。分かりました。それはそれでよろしいです。
 ほかにいかがでしょうか。中野さん。
【中野委員】  中野です。
 いろんな事業をされていて、幾つかは手弁当でというか、各法人で話し合うだけで進めることができるものがあるのですが、実際、研究者支援であったり、それから異分野融合のための新分野創出プログラムとか、予算が必要になってくるものがございますが、こういう予算については、つまり活動費についてはどのように工面されているんでしょうか。それは今後拡大するとか、さらには発展するとか、そういう見込みもあるのでしょうか。
【山内高エネルギー加速器研究機構機構長】  ではお答えします。現在のところ、別の予算というものはございませんので、各機構あるいは総合研究大学院大学の裁量経費的な部分を持ち出してやる格好で進めておりますが、これは必ずしも十分ではないことから、様々な制約になっていることは確かです。今後これをさらに大きく展開するためには、文部科学省にぜひともこの点を御配慮いただければと思っております。
 また、先日伺ったところによりますと、共同利用・共同研究拠点と大学共同利用機関の体制を発展させるための予算も確保したと伺っておりますので、そういったものに対してもぜひとも申請いたしまして、獲得といいますか、頂けるように努力してまいりたいと思っています。
【中野委員】  分かりました。どうもありがとうございます。
【観山部会長】  今、山内先生が言われた部分の予算規模は随分限られたという感じがしますので、どれぐらいできるか、それが使えるかということはあります。
 ほかによろしいですか。勝委員、お願いいたします。
【勝委員】  御説明ありがとうございました。
 アライアンスが順調に進んでいるということで、非常にすばらしいと思うのですけれども、先ほどの国際化の部分もそうですし、あるいは産学官連携でもアライアンスで機能させていくというところは非常にやはり重要な部分だと思います。
 その際、このアライアンスだけで閉じるのではなくて、大学や企業との連携であるとか、そういったものが非常に重要になってくるのではないかと。特に企業との産学連携ですとかなり大学では進んでいる部分もありますが、このアライアンス全体として、他の研究分野との新たな知、企業との連携というところはどのように考えていらっしゃるのか、教えていただければと思います。
 以上です。
【山内高エネルギー加速器研究機構機構長】  ありがとうございます。これは私からお答えしていいかと思いますが。
 産学官連携につきましてはそれぞれの機構でもって若干ニュアンスが違うところもございますので、まだ方向性をそろえてこのようにやりましょうというところまでは来ておりませんが、非常に重要な方向性だと思いますので、今後とも力を入れて検討を進めたいと思っています。
 あとは何だっけ。
【勝委員】  国際化についても、やはり先ほども少し議論がありましたけれども、この辺はいかがでしょうか。
【山内高エネルギー加速器研究機構機構長】  では国際化につきましては岡田座長、もう一回コメントを頂けますか。
【岡田高エネルギー加速器研究機構理事】  ここで提案しているものは既にそれぞれの法人で大学とともにやっているようなこともありますので、これを一緒にやるときは、ぜひ大学の皆さんとも協力して連携してやれるような形を取っていきたいと思っております。
【勝委員】  分かりました。ありがとうございます。
【観山部会長】  ほかにいかがでしょうか。
【山内高エネルギー加速器研究機構機構長】  特に大学だけではなくて、共同利用・共同研究拠点というものが大学にありますが、こういったところとの連携は非常に有効だと思いますので、これからぜひ検討を進めたいと思っています。
【観山部会長】  適切な形でより知名度を上げていただいて、国際的、それから産学連携、大学間の連携とかということで有効にやっていければ、せっかくいろいろ議論してつくったものですから、努力していただいて良い形にしていただければと思いました。期待しております。
 よろしければこれぐらいで議論を終わりたいと思いますが、よろしいですか。
 ありがとうございます。先ほどの御説明のとおり、連合体の活動が開始され、間もなく1年が経とうということでございますので、当部会では適宜状況の確認をしてまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、本議題のために参加いただきました山内機構長並びに4機構の方々、出席ありがとうございました。これで御退席いただいて結構でございますので、お忙しい中どうもありがとうございました。
【山内高エネルギー加速器研究機構機構長】  どうもありがとうございました。失礼いたします。
【観山部会長】  それでは続きまして、龍委員が参加されておりますね。議題2、令和4年度第2次補正予算及び令和5年度予算案について、事務局より関係の資料について説明をお願いいたします。
【山本大学研究基盤整備課課長補佐】  それでは資料2に基づきまして、ページ番号は右下に付しておりますので、ページに沿って御説明させていただきます。
 まず、昨年12月2日に成立いたしました令和4年度第2次補正予算、及び12月23日に閣議決定いたしました令和5年度当初予算案につきまして、当課で担当いたします大学及び大学共同利用機関法人の研究基盤、研究組織、共同利用・共同研究の推進に関する部分を中核といたしまして、概要を報告させていただきます。
 まず、資料2の2ページでございますが、国立大学法人等の予算全体のポンチ絵になってございます。運営費交付金総額につきましては右上にありますとおり、対前年度、三角、3億円減となっておりますけれども、特殊要因経費の当然減等を踏まえますと、実質的に対前年度プラス4億円の増額となってございます。
 具体的には、各大学・大学共同利用機関のミッション実現を加速するため、中核にありますけれども、教育研究組織の改革や教育研究の基盤的設備の整備に対する支援を大幅に拡充いたしております。
 中央上部に、教育研究組織の改革に対する支援といたしまして新規77億円、昨年度の継続分も合わせますと160億円の規模になってございます。中央下部には、教育研究基盤設備の整備等といたしまして36億円増の105億円となってございます。右側には大学の枠を超えました知の結集による研究力の向上といたしまして、共同利用・共同研究拠点の強化1億円増の47億円、世界の学術フロンティアを先導する大規模プロジェクトの推進といたしまして同額の209億円を計上したほか、補助金に関しまして合わせますとプラス3億円の131億円の計上をしているところでございます。
 資料の3になります。こちらからは個別の項目になりますけれども、教育研究組織改革に対する支援について説明した資料でございます。デジタル、グリーンなど政府全体の方針に沿った取組を推進する中、各大学におきましては様々な取組を要望いただいているところでございます。
 中段にありますように、支援内容につきましては、主に教員人件費を核として支援するところでございますけれども、令和5年度から、こちらの下線にございますとおり、教育研究に携わる教員の中でも、各大学におきましては大学のビジョンに基づく全学的な研究マネジメントを担う者といった専門人材についての御要望を多々頂いておりまして、こういったところも継続的な大学の機能といたしまして、URAをはじめとするマネジメント人材に対しての支援も強化しているところでございます。
 特に学術研究につきましては、下段にありますけれども、組織改革の例といたしまして、デジタル、グリーンやポストコロナ、SDGsなど研究関係も多々ありますけれども、下の研究力強化にございますとおり、既存の研究組織や研究支援組織を核といたしまして、全学の研究力強化を目指す戦略的な取組のみならず、大学の枠を超えた組織的な連携・融合により、研究分野の展開を目指す先導的な取組など、大学個別のミッションの実現はもとより、全国的または国際的な観点から、我が国の研究力の底上げを志向する組織の改革を進めているところでございます。
 次、資料の4ページにつきましては、先ほど申しました基盤的な設備ということで、各大学が設備整備計画に基づきまして要望いただきました設備について、ポストコロナでありますとかデジタル、グリーン等を中心に、当初の予算で整備しているところでございます。
 次の5ページでは、先ほど申しました共同利用・共同研究拠点ということで、各共同利用拠点におきます基盤的な経費を確保するとともに、特色ある研究活動を支える経費として1億円の増を図っているところでございます。
 6ページでございます。世界の学術フロンティアを先導する大規模プロジェクトの推進におきましては、先ほど申したとおり、補助金を合わせますと対前年度3億円の増となってございます。人類未踏の課題に挑み、世界の学術研究を先導するプロジェクトとしての大規模フロンティア促進事業、研究基盤を支える性質が強く、長期的なマネジメントが必要なプロジェクトといたしまして学術研究基盤事業をそれぞれ推進することとしております。
 また、右にございますとおり、令和5年度から学術フロンティア事業の新規事業といたしまして、ロードマップ2020の掲載計画として優先度の高かったヒューマングライコームプロジェクトを開始いたしまして、現在我が国の糖鎖研究が持つ国際的な優位性を確固たるものといたしまして、世界の健康医療に貢献することを目指すということで、事業を新規として開始する予定でございます。
 続きまして、令和4年度の補正予算に関しまして、7ページでございますが、国立大学等における教育研究基盤の強化等といたしまして158億円、資料8ページ、大学等における最先端研究基盤の整備として81億円という形で、各国立大学・大学共同利用機関におきます設備・装備等に対しまして総額239億円を支援しているところでございます。
 具体的には、グリーン社会の実現やデジタル化等を進めるための教育研究基盤設備の整備とともに、幅広い分野にデータ科学手法を提供する先進的な演算解析基盤の拡張といった、国内外の共通研究基盤となる、右下にありますmdxのような最先端研究設備の整備を始めているところでございます。また、高騰化が進む光熱費につきましては、研究活動の継続や設備の省エネ対策などといたしまして、令和4年度における教育研究への影響に係る7割程度相当の支援を実施したところでございます。
 資料9ページ、令和4年度第2次補正予算及び令和5年度予算案において、今度は地域中核・特色ある研究大学総合振興パッケージを拡充しておりまして、個々の大学が持つ研究の強みを最大化するとともに、大学を超えた連携を拡大・促進するための拡充を図っているところでございます。
 資料10ページでございます。まず、地域中核・特色ある研究大学の振興といたしまして2,000億円を計上いたしまして、研究力の飛躍的向上に向けて、強みや特色ある研究力を核といたしました経営戦略の下、大学間での連携を図りつつ、研究活動の国際展開や社会実装の加速、レベルアップの実現に必要なハードとソフトが一体となった環境構築の取組を支援することになってございます。
 資料11ページ、こちらにつきまして、先ほどありましたけれども、これまでの公私立大学の共同利用・共同研究拠点を支援するための補助事業に、新たに学際領域展開ハブ形成プログラムを追加いたしました。令和5年度の当初予算案に、共同利用・共同研究システム形成事業として対前年度4億円増の約6.6億円を計上しているところでございます。
 資料12ページにございます特色ある共同利用・共同研究拠点支援プログラムでは、公私立大学の共同利用・共同研究拠点につきまして引き続き新規公募を実施し、スタートアップ支援を行うとともに、共同利用・共同研究拠点機能の強化を推進してまいります。
 さらに、今申し上げました学際領域展開ハブ形成プログラムでは、全国の研究者が集まる共同利用・共同研究機能を持つ大学共同利用機関や、国公私立大学の共同利用・共同研究拠点等がハブになって行います、異分野の研究を行う大学の研究所や研究機関と連携した学際共同研究、組織・分野を超えました研究ネットワークの構築・強化・拡大を推進する所存でございます。
 学際領域展開ハブ形成プログラムは4月をめどに公募する予定としております。これまで本研究環境基盤部会において御指摘いただいてきました共同利用・共同研究体制に係る課題・期待等も踏まえまして、具体的な制度設計を進めてまいりたいと考えております。本日も、要件の設定や審査時に注視すべき点など御意見等を頂戴できれば幸いでございます。
 最後になりますけれども、令和5年度は大学ファンドによる国際卓越研究大学制度や地域中核・特色ある研究大学の公募等により、大学の研究力強化に向けた取組が本格化いたします。これらの動きを踏まえつつ、大学及び大学共同利用機関法人が我が国全体の研究力向上を加速させるべく、しっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
 13ページ以降は文科省全体の予算案のポイント資料になりますので、適宜御参考いただければ幸いでございます。
 事務局からの報告は以上となります。ありがとうございました。
【観山部会長】  どうもありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明について御質問や御意見がありましたらお願いします。また、事務局より御説明のあった大学共同利用機関や共同利用・共同研究拠点等をハブとした学際領域展開ハブ形成プログラムについては、今後事業の制度設計をなさることになりますので、これらについてもお気づきの点がありましたら御意見を頂戴できればと思います。長谷部さん。
【長谷部委員】  補正予算による大学基金ですとか共同利用・共同研究拠点の強化などで大学に対する支援がすごく充実してきて、非常にすばらしい御活躍だと思います。
 一方で、先ほども話題になりましたが、アライアンス、大学共同利用機関に対する手当てがちょっと抜け落ちてしまったような感じがいたしまして、文科省として大学共同利用機関に対してどのように予算措置をしていくのかというお考えを伺いたいです。
 あともう一つ関連して、組織改革、教育基盤整備、3ページと4ページですね。これは皆、国立大学になっていましたが、大学共同利用機関は含めないのかどうかということ。2点よろしくお願いします。
【山本大学研究基盤整備課課長補佐】  まず1点目の御質問、学際ハブ事業につきましては、今御説明いたしました11ページになりますけれども、こちらについては共同利用・共同研究拠点のみならず、当然大学共同利用機関という共同利用・共同研究体制を担う機関でございますので、その下にありますけれども、「共同利用・共同研究体制を中核とした」としております。当然、大学共同利用機関におきましても従来の全国的なネットワークとかいろんな環境・研究基盤もありますので、そういったところを十分に生かしていただく形で、当然対象に含めた上での事業設計を考えているところでございます。
【長谷部委員】  すいません。これについては大幅予算減になって、それで今、5,000万円ですよね。なので、予算規模としては人件費ぐらいが妥当な額で、支援としてはかなり弱いものかなという感じがするのですが、それに対するお考えをお聞かせいただけますか。どうするかも含めて。
【黒沼大学研究基盤整備課長】  大学研究基盤整備課長、黒沼でございます。
 今の点でございますけれども、予算が要求よりも随分減っているではないかという御指摘、先ほどのKEKの山内機構長とのやりとりでも御指摘がありました。経緯といたしましては、当初概算要求の時はネットワークの拡大に加えて、併せてネットワーク拡大に必要な新たな研究分野に踏み出していくときの設備ですとか、そういった整備もこの事業の中でやったらどうかなと予算を積んでいたわけです。けれども、直前に、補正予算で10ページの研究大学強化促進事業のほうで複数機関が連携して設備を整備する予算がつきましたので、それと重複する予算が認められなかったということでございます。なので、ネットワークを拡大していくときには、こちらの研究大学強化促進事業のほうも視野に入れて設備を整備していくことが、今回の予算案では予定されているところでございます。
 その時に、御指摘のとおり大学共同利用機関は、10ページの資料では、見た目上、入っていないように書かれているところでございます。これをどうするかということで、御指摘のとおり抜け落ちないように、制度設計の中で大学共同利用機関も連携機関として入っていって必要な体制強化に取り組めるように、今、関係局と制度設計を協議しているところでございます。
 補足でございました。
【観山部会長】  今の点ですけれども、確かに複数の機関が共同で計画して、それが補正予算で認められた部分と重複するのではないかということは、気になります。次回に向けてぜひ説明していただきたいのは、補正予算のほうは、割と似たような分野の方が他大学でも共同して獲得して、共同して使う点が多いと思います。一方、ハブのほうは、それぞれの研究所なり大学共同利用機関が新しい学際的なものを目指して提案すると思っています。ハブになっていくということなので、いろんな議論の中で新しい分野をつくるためにコーディネートする人たちはその5,000万ぐらいでできると思いますが、新しい分野を構築するためにはやっぱり新しい設備とか施設が必要になってくると思うので、そこにも研究費がないと活動が促進できないのではと思います。まあ、それは議論と検討の結果新たにできる分野もないことはないかと思いますけれども、新しい方向性をするためにはそれなりの研究費なり研究施設が必要だということは、ぜひ訴えていただければと思いますけれども。よろしくお願いします。
【黒沼大学研究基盤整備課長】  ありがとうございます。こちら、5,000万円を基準にと書いていますけれども、もちろん学際的なところで既存の設備について多少形を変えなければいけない、スペックを変えなければいけないようなときには、その分の経費はかかると思いますので、この5,000万が上限ということはなくて、内容に応じて柔軟に1拠点当たりの額を設定できるように、その分採択できる拠点数が減ってしまうのですけれども、そこは制度設計の中で議論していきたいと思っております。指摘を踏まえて検討いたします。
【観山部会長】  今までの中でやることもありますし、財務省にぜひそういう重要性を訴えていただければと思いますけれども。中野さん、どうぞよろしくお願いいたします。
【中野委員】  今の一連の議論というか御説明に関することですけれども。設備に関しては地域中核・特色ある研究大学総合振興パッケージのほうで手当てしていくというふうに伺ったのですが、その場合に、連携機関として入る例えば大学所属の共同利用・共同研究拠点ですけれども、大学ファンドのほう、国際卓越研究大学を目指している大学に所属する共同利用・共同研究拠点もこちらのほうに連携機関として入ることはできるのかどうかという点を御質問したいです。
 大学単位としては2つの事業に同時に申請することはできないと了解しておりますので、連携機関としては両方入ることができるのかということについてお答えいただきたいと思います。
【黒沼大学研究基盤整備課長】  ありがとうございます。
 基本的な考え方は今御指摘いただいたとおりでございますが、国際卓越研究大学に認定される大学が連携機関となっている場合にどういうふうにお金の配分をしていくか。制度設計の詳細を今、別途、科政局で議論していますので、その中で詳細は決まることにはなろうかと思っております。
 ただ、国際卓越研究大学は、研究環境整備全般を計画に盛り込むことができて、広範な予算の使い道を柔軟に認めていくことが予定されていますので、国際卓越研究大学に認定されている大学の中にある拠点で必要な経費は国際卓越研究大学の大学ファンドからの支援で出していくのが基本的な考え方になろうかなとは思っております。
【中野委員】  最終的に国際卓越研究大学のほうに巻き取っていただくのは全然構わないのですけれども、やはり、どういったらいいか、大学の中にある共同利用・共同研究拠点は大学の枠を超えたアクティビティーを担っているわけで、分野によってはそういう機関が入らないとネットワークが組めないことも生じてくると思いますので。計画段階では枠を超えて、もし国際卓越研究大学に認定されたら予算は御辞退すると、そういう形も可能かと思いますので。申請大学で大学の本体が国際卓越研究大学を狙っているのだったら、もうそういうネットワークが組めないようなことにはならないように工夫していただければ非常にありがたいかなと思います。
 以上です。
【黒沼大学研究基盤整備課長】  そうですね。すいません、先ほどの答えはずれていたかもしれません。御指摘のとおりに検討したいと思っております。
【中野委員】  よろしくお願いいたします。
【観山部会長】  だから申請段階では可能ですが、結果的に、国際卓越研究大学にホスト大学が採択された場合には辞退いただくという可能性もないことはないということですが。
 ただ、共同利用・共同研究拠点というのは、附置研というのは基本的にはたまたま大阪大学にあるけれども、それは全国のコミュニティーのためにつくられた研究所がその大学に附置されているということなので、附置研なわけです。大学に支援ということと全国の研究者組織のためにつくったということの精神をよくよく理解していただいて、今後の方向性を考えていただければと思いますが。よろしくお願いします。松岡先生、お願いします。
【松岡委員】  どうもありがとうございます。2点ほど聞かせてください。御説明どうもありがとうございます。
 一つが学際領域展開ハブ形成プログラムについてです。制度はこれからということですけれども、これの魂の部分をもう少し理解させていただければと思います。今示していただいているページの左上に背景・課題ということで、全国の大学に広く点在するポテンシャルとか、総合知による社会変革が求められる中、分野間の連携とか、そういうことを書いていただいていて、もちろんこの学際領域を盛り上げることで、こういうことはプラスに働くだろうということは分かるのですけれども、必ずしもこの学際領域、異分野の研究機関の連携だけでこれができるとも思えないので。
 異分野の研究機関の連携がどのように働いてこういうアカデミックのほうにいいことがあるのかという。その辺のこのプログラムが出てくるに至った、多分そういう議論があったのではないかと思うのですけれども、どういう形の異分野の連携があるとこの背景・課題にうまくいいことがあるのかというようなところの議論を、もしよろしければ御紹介いただけると、それはいいことなのだなと、もうちょっと納得がいくかなと思います。
 もう一点はちょっと違うのですけれども。3ページ目を御説明いただいたときに、教員人件費のところで、学内で代わりの人が難しい専属の教員ということで、全学的な研究マネジメントを担う者という文言があり、その後ろに例として外国人、実務家教員とあるのですけれども、ちょっとこれが私にとってはぴんとこないというか、すっとつながるものにイメージしづらいのです。全学的な研究マネジメントを担う者としてどういう方がいるといいと考えられているのか、その辺を補足で説明をお願いできればと思います。
 以上2点、よろしくお願いします。
【山本大学研究基盤整備課課長補佐】  それでは2点目のほうだけ先に。先ほど長谷部先生から御質問のあったところに答え切れていない部分がありますので。
 まず、教育研究組織改革につきましては、事例といたしましては国立大学を中心にしておりますけれども、教育研究組織改革は各大学・大学共同利用機関法人の資源再配分の下に、いろんな教育研究活動を改革するための組織に対しての支援となりますので、大学共同利用機関法人も各法人運営という観点もありますし、またコミュニティーを支える意味での共同利用機能の強化という観点からの組織整備に対しての支援は実績として今しているところでございます。
 今、松岡先生からあった中段のところでございますが、まず組織整備の理念といたしましては、概要にございますとおり、学内組織の不断の見直しとその資源の再配分ということでございます。例えば特定の研究をやるに当たって、まずは学内のリソースをきちっと再配分した上で、そういった組織をつくる前提のところをやっていただき、例えばその分野を核といたしまして新しい領域にチャレンジするときに、そういった新しい分野の先生が学内にいないので、こういった組織整備の支援を使って外部もしくは外国人の方も含めてそういったところから登用するというような、教育研究活動そのものに関する組織整備ということも考えられます。
 一方で、今、大学の御要望を聞きますと、例えばURAでありますとかそういった研究のマネジメントをする、もしくは技術職員のような研究環境基盤のマネジメントをきっちり入れていくことに、大学として問題意識を持っていただいているところがございます。そういったところの研究支援の組織であったり、研究の戦略的なマネジメントの中核になるような人材はなかなか今まで大学にもおられません。例えばIRの人とか、URAもそうです。そういったところは今までどちらかというといろんなプロジェクト支援の中での雇用が多くありましたが、やはり大学の意識としてはそういった機能は研究マネジメントとしても重要だということなので、こういった継続的な機能といたしまして、実務家教員という形も含めまして、こういった組織整備によって一定の継続的な教員配置の中にきちっと位置づけて進めていこうということで、今回新たにこういった示し方をさせていただいて、大学からも多数御要望を頂いている状況でございます。
 教育研究組織に関しては以上でございます。
【黒沼大学研究基盤整備課長】  それでは引き続き1点目、このページの出てきた背景と思想というところです。もともとこちらにつきましては、大学研究力強化委員会という別の委員会で、大学の研究力を強化するためのグッドプラクティスとかを紹介していただく中で、例えばWPIをつくるときに複数学部とか研究科・研究所で協力して新しい拠点をつくっていった事例ですとか、あるいはドイツの事例とか、研究所同士が連携している事例などを検討する中で出てきたものがございます。
 大学共同利用機関は、共同利用・共同研究拠点もそうですけれども、コミュニティーに支えられているということで、個人間で異分野の方が入ってくることはこれまでもあったかと思います。もとから異分野間の共同研究の計画を持っていて、プランを持ってから参画されることは今までもあったと思いますし、ほっておいてもそういったことで学際領域は出てくるわけでございます。
 大学研究力強化委員会で出てきた事例からの示唆は、拠点同士での話ということは、もともと異分野の研究者と組むというプランを持っていなかった研究者についても巻き込んでいく可能性があるということでございます。拠点同士が連携すると、じゃあ、僕らは今までプランを持っていなかったけれども、どういうことができるだろうかという話合いのきっかけになるということで、学際領域の研究計画が新たに出てくるきっかけになるだろうと。そういう加速装置として拠点同士の連携という発想が出てきたと理解しているところでございます。
 それによって、学際領域に共同利用の仕組みが発展していくことを加速できればいいなということで、そのための支援経費を積んでいるところでございます。考え方としては非常に粗い考え方かもしれませんけれども、そんなところでございます。
【松岡委員】  どうもありがとうございます。今の学際領域については、それで何か新しい分野の学問が出てくるというところまで狙っているという理解でよろしいでしょうか。
【黒沼大学研究基盤整備課長】  そうですね。文部科学省の競争的研究費ですとプランを持っているところにお金を投資していくものが多いですけれども、今回の場合は将来的に向かって新しくつくっていくための体制づくりというところで、今すぐにこういう新しい学問ができますということが保証されているものに限らず、投資をしていければと思っているところでございます。
【松岡委員】  どうもありがとうございました。
【観山部会長】  そのほかに御質問なり御意見はありますでしょうか。中野委員。
【中野委員】  この共同利用・共同研究システム形成事業について追加の質問ですけれども。これ、非常にうまくいった場合は新しい学際領域とか異分野融合とか、さらには産業界にも発展していくような動きが出てくると思うのですけれども。一方で、そういうシステムが回り始めると、実装化をどうするか、それを維持するのにどうするかという問題が出てくると思います。寄せ集めの所帯というかネットワークでそれを実現するのは、初めによく考えておかないとなかなか難しいのではないかと思うのですが、その辺りはどのようにお考えでしょうか。
【黒沼大学研究基盤整備課長】  ありがとうございます。
 最終的には新たな支援策というか、それをセットにしていくことを考えているわけでは必ずしもありません。拠点同士の連携をしていく中で、今まで共同利用の拠点でなかったところが共同利用の拠点に発展していけば、そこを新たに指定していくことによって、既存の予算で支援できていくでしょうし、というようなことを考えているところでございます。
【中野委員】  分かりました。だから、これは提案する側が将来どういうふうに実装化するか、維持していくかということも考えながらきちんと提案していくことを期待されていると、そう理解してよろしいでしょうか。
【黒沼大学研究基盤整備課長】  そうですね、できる限り長期間の支援をしていきたいと思っていますので、最長10年とここに書いていますけれども、最初の時から出口のゴールを見据えていく必要は必ずしも求めていかなくてもいいのかなと、個人的には思っているところでございます。これから制度設計の詳細は詰めますけれども、そのステージゲートを途中で五、六年後、恐らく今後どう発展していきますかということを議論させていただくことになろうかと思いますけれども、その時ぐらいまでに新たな方向性が見えていればいいのかなと考えているところでございます。
【中野臨時委員】  現場の研究者としては、将来のことをあまり心配せずに成果が最大化されるように、そこにまずは集中すべきと理解してよろしいでしょうか。
【黒沼大学研究基盤整備課長】  はい。新しい拠点同士の連携ですので、何が出てくるか分からないような部分もあろうかと思います。いろんなデータベースを構築する事業とかも同じだと思いますけれども、集めてみたら実はこんな面白いことができそうだというものがあるかと思いますので、そういったところをまずつくっていただいて、そこから出口のゴールを、数年経って見えてくるところを目指していただくということでいいのかなと思っているところでございます。
【中野委員】  分かりました。ありがとうございます。
【観山部会長】  ほかにいかがでしょうか。龍委員、お願いします。
【龍委員】  基本的な質問ですけれども、この次のページに共同利用・共同研究システム形成事業と。ここに特色あるというのと、あとは新しい学際領域展開ハブ形成プログラム、この2つが書いてありますけれども。これまでの国立大学の60ぐらいの拠点があったと思いますけれどもそういった拠点、さらには国際共同利用・共同研究拠点ですね、こういったものはもうこれまでどおり継続ということでよろしいでしょうか。この中には特色あるものしか継続と書いていないので。それと国立大学の通常の共同利用・共同研究拠点は、どちらかというとネットワーク型ですとか連携型ですとか、広く学際的なそういう方向に動いていたと思うのですけれども、従来の国立大学の共同利用・共同研究拠点とこの学際領域展開ハブ形成プログラムの境界というか、その辺をお聞かせいただけますでしょうか。
【山本大学研究基盤整備課課長補佐】  ありがとうございます。
 まず予算的なところで御説明いたしますと、今御指摘いただきました特色ある共同利用・共同研究拠点支援プログラムにつきましては、国公私立大学の拠点認定に対応する形の基盤的な経費と位置づけております。国立大学の場合は先ほど御説明させていただいたとおり、ページで言いますと5ページになりますが、その下の運営費交付金の中の一部といたしまして、共同利用・共同研究拠点の強化の中の認定経費がございます。ですので、国立大学は運営費交付金、公私立大学につきましてはもともとの従来の、今お示ししておりました12ページの一番上の黒い部分、こちらが公私立大学に当たる基盤的な経費という位置づけでございます。
 それに比して、新しい学際領域展開ハブ形成プログラムにつきましては、今議論がありましたように、新しい分野を開拓するということでございますが、先ほど委員からも御議論がありましたけれども、従来の国立大学のネットワーク拠点につきましては、やはりある程度の類似性であったり、分野を新たに発展させるということで、それぞれの共同利用・共同研究拠点とかが認定された分野の部分の延長線の中で新しくそれを発展させる観点でのネットワーク融合を、まず認定の枠組みとして広げていこうということで、大学間の連携をさらに強化する観点からの拠点の御議論をいただいていたと認識しております。
 今回の議論は、先ほど議論がありましたように、そういったところのみならず、異分野のところから新しい、全く拠点に認定された分野とは異なるような分野を生み出していくようなシステムをつくっていくところに主眼を置いておりますので、当然ネットワーク拠点という取組をハブにして、そこでまた違う分野をつくって、組んでそこから新しく発展していくようなところの関係性は出てくると思いますけれども、分野の従来のミッションをどうやって考えていくかという取組の部分と、全く従来のミッションと異なる部分にチャレンジしていく部分としてすみ分けていければいいかなと考えているところでございます。
 以上でございます。
【龍委員】  ありがとうございます。よく分かりました。
【観山部会長】  小長谷委員、お願いします。
【小長谷部会長代理】  御説明ありがとうございました。
 まさに今の点ですけれども、新しい分野をつくっていくために、例えば大学共同利用機関のような少し大きめのところがハブになって、非常に類似の共同利用・共同研究拠点がアライアンス的に連携し、そしてそのハブが多分野のもの、異分野のものとつなげていく、こういう構造も可能ですね。
 もし一つ一つがそれぞれ競争していると共倒れしてしまいますので、大きくまとまって、そして異分野につながっていくという構造はいかがでしょうか。あり得るでしょうか。つまり、これは既存の特色ある研究内容の類似性をむしろ大事にしながら、それらをまとめてさらに集積の利益を図るために組織化していくというイメージなのですけれども。過去の遺産を捨てないで変身していくという仕組みです。
 全く新しいもののために、今までしてきているような支援を捨ててしまうと元も子もないと思うので、お聞きしている次第です。
【観山部会長】  今までの財産を捨てることはないと思いますが、異分野の研究というところをどれぐらい大きく光を当てるかということでしょうね。山本さん。
【山本大学研究基盤整備課課長補佐】  ありがとうございます。
 先ほど基盤的な認定に係る部分とか、国公私立通じて支援しているところでございますけれども、いろいろ現場の課題とかそういった事業設計に当たってはヒアリングをさせていただいてきたときに、やはりそれぞれの認定されている拠点は、それぞれ連携のネットワークの拠点もそうですけれども、自分たちの従来の分野のミッションに応じたちゃんとコミュニティーの支援を支えていかないといけないことが第一義的な認定された拠点のミッションでございますので、そういったところを主に支援している経費を使っているところが本来の意義でございまして。
 ただ、やはり学問の動向でありますとか、その拠点自身がコミュニティーの意見とか要望を聞きながら活動する部分を超えて、拠点自らが新しいコミュニティーをつくっていくとか、新しい研究にチャレンジしていくきっかけというところがなかなか難しいというお声も聞いておりましたので。先ほど課長からもありましたけれども、そういった点でこういうシステム形成の部分でそういうところにチャレンジしていくような枠組みを、初めからいろんなマネジメントとかそういう人材も入れながらシステムをどうつくって、いろんな研究者、全国の研究者を巻き込むみたいなところに焦点を当てて事業設計をすることで、先ほどの従来のミッションの部分もさらに生かしながら新しいところにチャレンジできるようなところで研究力強化に貢献できていくのではないかというところで、この事業があるのかなと考えております。
【黒沼大学研究基盤整備課長】  1点補足させていただきますと、もともと国立の共同利用・共同研究拠点、大学共同利用機関は運営費交付金で措置をしているところでございますけれども、今回の学際領域展開ハブ形成プログラムについては、運営費交付金の中でスクラップ・アンド・ビルドでつくった予算ではなくて、別途、科学技術関係の予算の中でそこから財源を分けていただいて、新しくプラスアルファということで要求していったものでございます。ですので、もともと持っている領域を大事にしていただくのは引き続きしっかりとやっていただいた上で、こういう取組に取り組んでいければと考えている予算でございます。
 補足でございました。
【小長谷部会長代理】  ありがとうございます。先生、まだ続けて聞いていいですか。
【観山部会長】  はい。ちょっと大体時間が来ていますので、手短にお願いします。
【小長谷部会長代理】  はい。ですから大事なことは、全く新しい分野をぱっぱとつなぐのではなくて、既存の類似をつなげながらつなぐともっと効果が上がりますよね。全く違うことをする前に類似の研究をつないで異分野とつなぐという、つなぎに2種類があってもありですよねということを確認しています。
【山本大学研究基盤整備課課長補佐】  先ほど御指摘いただいたように、共同利用・共同研究拠点の在り方の中でここの基盤部会でも議論いただいて、今、ネットワーク拠点というような類似の分野の拠点がきちっと枠組みとしてネットワークを組んで認定されることも推奨しておりますけれども、今、先生がおっしゃるように、そういったところを核として、ネットワーク拠点を核として新しいものにチャレンジしていくことも当然推奨されるべきですし、そういったほうが力を発揮できる分野が、当然今のネットワーク拠点の枠がございますので、そういったところも当然対象に入ってくると認識しておりますので、御指摘ありがとうございます。
【小長谷部会長代理】  ありがとうございました。
【森委員】  手短に質問をしてもよろしいでしょうか。
【観山部会長】  どうぞ。
【森委員】  規模感としてはどの程度を考えておられるのかというところを教えていただけますか。新しい学際分野創成のための、割と大きなネットワーク型拠点なのか、2拠点という小さな単位も含まれるのかということです。
【黒沼大学研究基盤整備課長】  すいません、まだ我々も具体に御提案を受けてみないと分からない、手探りで制度設計を考えている部分もあります。先ほどの1か所5,000万だと大したことはできないじゃないかという御指摘とも重なりますけれども、御提案を見ながら、大きなものにも対応できるように単価はある程度自由に動かせるような形でやりつつ、最小限の組合せでも対応できるように、ちょっと柔軟に考えていきたいと思っております。
【森委員】  ありがとうございます。
【観山部会長】  よろしいですか。どうもありがとうございました。新しい学際領域展開ハブ形成プログラムについていろいろ御意見を頂きまして、本当にありがとうございました。今後ともどうぞよろしくお願いします。
 それでは議題3、第11期における各作業部会等の審議状況について取り扱いたいと思います。まずは全体の審議状況について事務局より説明をお願いいたします。
【山本大学研究基盤整備課課長補佐】  それでは、資料3に基づきまして説明させていただきたいと思います。
 2ページでございます。まず、11期の主な審議状況といたしまして、研究環境基盤部会では、先ほど山内機構長からも御報告いただいておりますけれども、大学共同利用機関法人及び総合研究大学院大学による連合体の発足に向けた取組や、発足後の活動状況について聴取させていただいている状況でございます。
 また、共同利用・共同研究拠点等の作業部会に関しましては、第3期中期目標期間における期末評価及び第4期中期目標期間における認定に係る審議を行っていただき、結果を公表し、第4期の認定をしていただいているところでございます。公私立につきましては、拠点の中間評価及び期末評価を行うとともに、令和4年度からの認定に係る審議を行い、結果を公表し、また令和5年度からの認定についても審議を行っている状況でございます。
 学術研究の大型プロジェクトに関する作業部会につきましては、大型プロジェクトにつきまして、各プロジェクトの適切な進捗管理を行うとともに、所要の評価に係る審議を行っていただいているところでございます。評価結果につきましては別紙でございますが、また次期ロードマップの策定について議論を開始し、策定方針を取りまとめていただいております。
 また、国立大学法人運営費交付金等に関する作業部会につきましては、先ほど説明をさせていただいております教育研究組織整備の課題であるとか、そういったところを含めた運営費交付金について、配分等に係る審議を行っていただいているところでございます。
 3ページでございます。12期における主な論点や今後の方向性ということで、研究環境基盤部会としては、従来から「大学共同利用機関検証ガイドライン」や「大学共同利用機関外部検証実施要領」の見直し等、次期の大学共同利用機関の検証の在り方について御議論いただきたいと考えております。また、括弧で中段にございますけれども、科学技術・学術審議会会長の濵口会長からも所感を頂いておりますけれども、先ほど設備の話もございましたが、学術研究の進展や国際的な研究動向に応じた全国的な観点から推進すべき学術研究基盤の整備について、主に例えば中大規模設備の整備でありますとか、研究または技術の発展・継承に向けた、大学の枠を超えて取り組む組織・分野の連携・融合の話でありますとか、それを支えるマネジメントをする専門性の養成・確保といったところを新たな議題といたしまして、議論いただいてはどうかと考えているところでございます。
 各作業部会につきましては、共同利用・共同研究拠点につきましては中間評価、及び前回の実際4期の認定の際にも御議論いただきましたけれども、第4期の中間年度に新しく認定もしてはどうかということでございますので、令和5年度の新規認定について公募等を行っていくということでございます。次期ロードマップの策定方針に基づく公募、もしくは新たなロードマップの策定についてということで引き続き議論いただくことになってございます。また、マネジメントに基づく学術研究の大型プロジェクトに関する進捗管理及び所要の評価についても引き続き行っていただくことで考えているところでございます。
 以上でございます。
【観山部会長】  では次に、主に調査審議を行っていただきました学術研究の大型プロジェクトに関する作業部会について個別に御説明をいただき、その後、意見交換をしたいと思います。主査の小林委員、よろしくお願いいたします。
【小林委員】  小林です。
 本研究環境基盤部会に置かれている学術研究の大型プロジェクトに関する作業部会の審議状況について、資料3を御覧いただきたいと思いますが、資料3に基づいて御報告させていただきます。
 私は第10期から引き続き、今期第11期本作業部会の主査を務めておりますが、まず第11期においては、大規模学術フロンティア促進事業について、作業部会で決定した大規模学術フロンティア促進事業のマネジメントに沿って、令和4年度に年次計画が終期を迎える事業などについて審議を行いました。
 資料3の4ページを御覧ください。まず、令和4年度に年次計画が終期を迎えるアルマ、SuperKEKB、J-PARCの3事業については、事業移行評価を実施し、後継計画へ移行することは適当であると評価できることを踏まえて、後継計画に対する事前評価を実施しました。また、ロードマップ2020掲載計画から、ヒューマングライコームプロジェクトについて、新たに大規模学術フロンティア促進事業として着手するための事前評価を行い、着手が適当であると認められました。これらの具体的な評価結果については、参考資料2の各評価に関する報告書を御覧いただければと思います。さらにスーパーカミオカンデとKAGRAについては、御存じのとおり閉ざされた特殊な環境下での実験であることから、新型コロナウイルスの感染拡大等の影響により、予定していた作業等に大きく遅れが生じざるを得なかったことを踏まえて、年次計画を変更して、2年間の延長を行うこととしました。
 次に、令和4年度より新たに設けた学術研究基盤事業については、令和4年度よりSINETと南極地域観測事業をここに位置づけて実施することとしました。また、フロンティア事業として実施してきた核融合科学研究所の超高性能プラズマの定常運転の実証が令和4年度で終了することから、これまでの研究成果を学術研究基盤として最大限に活用して、当該分野の枠を超えた学際的な共同利用・共同研究を行うことや、政府方針等に沿った取組について特に意義や重要性が認められるため、令和5年度より新たに学術研究基盤事業として3年間の計画で実施することとしました。文部科学省では、これらを踏まえて概算要求を行っていただいたと伺っており、先日閣議決定された政府予算案の状況については先ほど事務局より説明を伺ったとおりです。予算案を踏まえ、作業部会としては各事業の年次計画の策定を行っております。
 次に、資料3の5ページ以降になりますが、学術研究の大型プロジェクトの推進に関する基本構想ロードマップについてです。ロードマップはおおむね3年ごとに作成することとしており、今年度、作業部会において次期ロードマップ2023に向けた検討を開始しました。来年度の策定に向けて、作業部会における議論と意見募集などを経て、資料のとおり策定方針を取りまとめました。
 ロードマップ2020からの大きな変更点としては、日本学術会議が従来のマスタープランを作成しなくなったことを踏まえ、ロードマップ2023では対象となる計画を文部科学省が直接公募することとしたほか、評価の観点については、科学目標と若手研究者等の人材育成を独立した項目として、計10の観点として再整理するなどの見直しを行いました。
 ロードマップについては、今後、審議の実施や公募に向けた議論を次期作業部会において行った上で、公募審査を経て、2023年中に新たなロードマップを策定する予定です。また、大型プロジェクトについても、マネジメントに基づく必要な評価、適切な進捗管理を行っていく予定です。
 以上、簡単ですが、今期の審議状況について報告させていただきました。ありがとうございました。
【観山部会長】  ありがとうございました。
 それでは、ただいまの御説明につきまして御質問や御意見がありましたらお願いします。また、本日は今期最後になりますので、各作業部会等における議論を振り返っていただいて、今後の大学共同利用機関法人、共同利用・共同研究拠点、大学附置の研究所・研究センター等に関する今後の在り方についても御意見を頂ければと思います。どうぞよろしくお願いします。
 よろしいですか。それでは私から小林委員に。マスタープランを学術会議がつくらなくなるということで、文科省が直接計画を公募してということで、作業量が大変になるのではないかと思いますけれども、それは大丈夫というか、大変なことだなと思いますが、そこら辺はどうなんでしょうか。
【小林委員】  これは私がお答えするほうがいいのか、事務局がお答えするのがいいのかよく分かりませんが。次期ロードマップについては、次期の作業部会で今後とも進めていくことになりますが、ただ一言申し上げますと、マスタープランの場合は見開き1ページ、わりと申請はそれほど負担なく行うことができます。一方で、従来参考にしていた重点計画のヒアリング対象となった計画についてその書面を求めるということですが、これはかなり膨大なものを求めることになります。したがって、マスタープランのヒアリング対象となったものが全て応募してきているわけではありません。
 したがいまして、実は詳細は次期作業部会で決めますが、今のところ、従来のロードマップの応募を下回ることを求めるわけではなくて、むしろそれを超えるようなものになる可能性もあります。そうなりますと必然的に、何もやっていないけれども取りあえず応募してみようというものは到底応募はできないと思います。御存じのとおり、マスタープランですと、つくる場所も決まっていないと、何も決まっていないという応募もかなりありますが、そういうものは当然ながら応募はできない書類になりますので、必然的にある程度限られてくるのではないかと思っておりますが、とはいえ、事務局にはそれなりの御苦労をおかけするのではないかと思います。
 以上です。
【観山部会長】  吉田さん、よろしくお願いします。
【吉田大学研究基盤整備課連携推進専門官】  すいません、事務局から補足させていただきます。
 まさに今、今後のロードマップの策定に向けました体制等を検討しておりまして、まず事務局の体制も重要ですし、あとはどれくらい公募が出てくるのかというのもなかなか推計ができないところでございます。
 今、工夫といたしましては、まず公募を開始した後に、1か月程度である程度意向確認という形でさせていただいて、ある程度数を推計した上で、その後の審査体制ですとか事務局の体制を検討しながら、より効果的な審査体制でやっていきたいと考えております。
 以上でございます。
【観山部会長】  ありがとうございます。そのほか御質問とか御意見はございませんでしょうか。2年間の振り返り、感想でもよろしいと思いますけれども。ちょっと時間が遅くなっていますので、皆さん、あまり発言がないようですけれども、よろしいでしょうか。
 それでは、本日の議論はこれで終了させていただきたいと思います。今回は第11期最後の研究環境基盤部会となりますので、森研究振興局長から一言御挨拶いただければと思います。森局長、よろしくお願いいたします。
【森研究振興局長】  研究振興局長の森でございます。
 観山部会長はじめ委員の皆様方におかれましては、この第11期2年間にわたりまして貴重な御意見、御議論をいただきまして誠にありがとうございました。今期、この研究環境基盤部会におかれましては、大学共同利用研究教育アライアンスの発足に向けた取組について、あるいはその後の進捗状況についての御意見も頂きました。また、各作業部会では共同利用・共同研究拠点に係る評価や新規の認定、それから学術研究の大型プロジェクトに係る進捗管理や評価、また次期ロードマップの策定方針等について御審議いただいたところでございます。委員の皆様には改めてこれに感謝を申し上げたいと思います。
 我が国の大学等における研究力の現状については、引き続き様々な課題があるところでございます。研究基盤の整備という観点からも、大学共同利用機関の今後の在り方や全国的な視野での学術研究基盤の整備に向けた方向性など、様々な検討課題が存在しております。皆様方から頂きました御意見をしっかり受け止めた上で、次期の部会の検討や対応にも生かしてまいりたいと思ってございます。委員の皆様方におかれましては、今後様々な形で私どもに対して御意見あるいは御指摘を賜れればと思ってございます。誠にありがとうございました。
【観山部会長】  ありがとうございました。
 最後に事務局より連絡事項がありましたらお願いします。
【山本大学研究基盤整備課課長補佐】  先生方、ありがとうございました。
 先ほど様々頂きました意見につきましては、事業の制度設計等に生かさせていただきたいと思います。ありがとうございます。
 議事録につきましては、委員の先生方に確認の上、公開を予定しておりますので、また確認のほどよろしくお願い申し上げます。
 以上でございます。
【観山部会長】  本日の会議はこれで終了したいと思います。委員の皆様、第11期2年間にわたり本当にありがとうございました。共同利用・共同研究は非常に重要な日本の特色であり、研究力を支えているシステムでございますので、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございました。
 
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