用語解説

DOI
 コンテンツの個々の電子データに付与される国際的な識別子(Digital Object Identifier)であり、各機関固有のDOI-prefixと個々のコンテンツを特定するDOI-suffixとを/(スラッシュ記号)で並べる形式で示される。冊子や論文単位だけでなく、任意の図表やページ等、より細分化したレベルでの付与が可能となっている。

DRF
 Digital Repository Federation(デジタルリポジトリ連合)。大学・研究機関における機関リポジトリに関する情報共有を促進することを目的とした広域コミュニティ組織である。国立情報学研究所(NII)の委託を受け、機関リポジトリ構築及びオープンアクセス思潮に係る情報共有や国際連携活動を実施している。

JAIRO(学術機関リポジトリポータル)
 国立情報学研究所(NII)が運用する機関リポジトリポータル。日本の機関リポジトリに蓄積された教育研究成果情報のメタデータを収集し、検索システムや統計情報を提供している。

JAIRO Cloud(共用リポジトリサービス)
 独自で機関リポジトリの構築・運用が難しい機関に対して、NIIがシステム環境を提供し、機関リポジトリの運用を支援する共用リポジトリサービス。

J-GLOBAL(科学技術総合リンクセンター)
 科学技術振興機構(JST)が構築・運営している科学技術情報に関する統合検索サイト。専門データベースとの連携により、研究者、文献、特許、大学・研究所等の基本情報を相互に関連づけた検索機能を提供している。

J-STAGE(科学技術情報発信・流通総合システム)
 科学技術振興機構(JST)が構築・運営している学協会の電子ジャーナル出版支援及び公開のシステム。平成11(1999)年度から学協会の情報発信機能を支援するため、電子ジャーナル出版に必要なシステムをJST内に用意しており、学協会はそのシステムを利用してジャーナルを公開できる。

KAKEN(科学研究費助成事業データベース)
 国立情報学研究所(NII)が運営している科学研究費助成事業データベース。文部科学省および日本学術振興会が交付する、科学研究費助成事業により実施された研究の採択課題と研究成果情報を提供している。

OAIster
 米国OCLC(Online Computer Library Center)が構築・運営している機関リポジトリポータル。世界中のオープンアクセス電子リソースのメタデータを収集して検索できるシステムを提供している。

OpenDOAR
 英国ノッティンガム大学CRC(Centre for Research Communication)が運営している機関リポジトリのディレクトリーサイト。世界各国の機関リポジトリの構築状況や各機関リポジトリの基本情報等を提供している。

ROAT(機関リポジトリアウトプット評価システム)
 国立情報学研究所(NII)の委託を受け、千葉大学が代表機関となって実施している機関リポジトリのアウトプット評価のプロジェクト。機関リポジトリに登録されたコンテンツのアクセス統計を統一的な基準で取得し、アウトプット指標の標準化を行っている。

SPARC Japan(国際学術情報流通基盤整備事業)
 国立情報学研究所(NII)が実施する国内の英文ジャーナルを主たる対象とした支援事業。平成15(2003)年度から平成20(2008)年度にかけて国内英文誌の電子ジャーナル化を支援してきた。国際的視点から学術情報流通の改善を目指しており、米国のARL(米国研究図書館協会)が実施しているSPARC USやヨーロッパのSPARC Europeとも連携し、安定的なビジネスモデルの創出、国際的な事業展開能力向上のためのセミナー開催等のコンサルティング活動を行っている。

XML
 eXtensible Markup Language(拡張可能なマーク付け言語)の略であり、Webの標準化団体であるW3C(World Wide Web Consortium)によって規定されている文書あるいはデータの記述の仕様のことをいう。世界の電子ジャーナル作成やメタデータ流通において汎用的に利用されている。XMLでは論文内の文書あるいはデータの意味付けや関連付けが容易であり、学術誌においては検索やリンクなど電子ジャーナルのサービス向上に役立つ。

アーカイブ
 本まとめでは、電子的な文書(印刷物の版面を電子的ファイルに保存したもの及び文書作成時点で電子的なもの)を恒久的に保存する機能をもつ計算機システム、またはそこに収められている電子的ファイルをいう。

アカデミッククラウド
 全国の大学等の研究者が、サイエンスに活用できる多分野にわたるデータ、情報、研究資料等を、オンラインにより、手軽に利用でき、最新の「データ科学」の手法を用いて、科学的あるいは社会的意義のある研究成果を得ることのできるクラウド環境をいう。

インパクトファクター(IF)
 ジャーナル同士を掲載論文の被引用数を用いて比較する尺度。あるジャーナルPのX年のインパクトファクターは、(X-2年とX-1年にジャーナルPに掲載された論文がX年に引用された回数)/(X-2年とX-1年にジャーナルPに掲載された論文数)で計算される。インパクトファクターはジャーナルを評価する指標としては一つの目安であるが、論文や著者の評価を直接行う指標としては不適切である。

エンバーゴ
 本まとめでは、ジャーナルが刊行されてから掲載論文の全文(フルテキスト)が無料でアクセス可能となるまでの一定の期間をいう。ジャーナルには、エンバーゴを経てオープンアクセスとするものがある。

オープンアクセス
 学術情報をインターネットから無料で入手でき、技術的、法的にできるだけ制約なくアクセスできるようにすること。1990年代、ジャーナルが高騰し、研究成果の生産者である研究者にとって、学術情報の入手が困難になった状況への対処とインターネットや電子化資料の普及を受けて生まれたとされる発想である。

メガジャーナル
 自然科学分野等において広範な分野・領域を対象とし、年間発行論文数が数千から1万件以上にもなる巨大なオープンアクセスジャーナル。PLoS(Public Library of Science)のPLoS ONEなどがその例。論文を速く効率的に流通させるため、従来のジャーナルに比べて、査読のプロセスの簡素化、掲載基準の緩和等が図られており、利用等に基づく事後的な評価が重視される。

機関リポジトリ
 大学及び研究機関等において生産された電子的な知的生産物を保存し、原則的に無料で発信するためのインターネット上のサイト。研究者自らが論文等を掲載していくことによる学術情報流通の変革と同時に大学等における教育研究成果の発信、それぞれの機関や個々の研究者の自己アピール、社会に対する教育研究活動に関する説明責任の保証、知的生産物の長期保存の上で、大きな役割を果たしている。

クラウド
 クラウド・コンピューティングの略語。共用のコンピューティングリソース(ネットワーク、サーバー、ストレージ、アプリケーションやサービス)の集積に、どこからでも簡便にアクセスできるようにする技術の総称。ユーザーはコンピューティングリソースを意識することなく、ネットワークから直接サービスを享受できる。

ジャーナル
 研究者が研究成果を発表する媒体として同一タイトルのもとに継続して発行され、査読制度のもとに質が保証された刊行物。

タイムスタンプ
 電子文書の作成日又は更新日を証明する情報。文書と日時から作成した値を第三者に知らせることにより、後日、情報の優先性等を確認することができる。

知識インフラ
 第4期科学技術基本計画(平成23年8月閣議決定)において、研究情報基盤の整備に関して記載されている概念。「デジタル情報資源のネットワーク化、データの標準化、コンテンツの所在を示す基本的な情報整備、更に情報を関連付ける機能の強化を進め、領域横断的な統合検索、構造化、知識抽出の自動化を推進する」ことにより、「研究情報全体を統合して検索、抽出することが可能な「知識インフラ」としてのシステムを構築、展開する」こととされている。

ビッグデータ
 情報化社会の進展に伴い爆発的に増加している、膨大な量のデジタルデータ全体を示す総称。大量のデータを効果的・効率的に収集・集約し、革新的な科学的手法により、新たな価値を創造することの重要性が国際的にも認識されている。また、欧米を中心に関連の研究開発やビジネスへの活用が活発化している。

メタデータ
 情報を組織化するためにその情報の属性を定型的に記述したもののことであり、「データに関する構造化されたデータ」と定義される広義の概念。図書やジャーナルの書誌情報は典型的なものである。ジャーナルの論文を網羅的検索するようにするためにはメタデータの標準化が不可欠である。

お問合せ先

研究振興局情報課学術基盤整備室

(研究振興局情報課学術基盤整備室)