資料6 学術情報の流通発進力強化に関する関連機関の実施する施策について

学術情報の流通・発信を一層促進するため、関連機関(JSPS、NII、JST、NDL等)の実施する主要な事業について、連携、役割分担を含めて検討し、今後の施策充実の方向性を検討する。

実施主体

具体的施策

関係機関等

概要

事業の特徴

統合検索の提供

NII

GeNii

JST、NDL、大学等

・大学等の教育研究に必要な学術情報について、大学図書館等との協力の下に、NIIの5つのサービス(CiNii:論文情報、WebcatPlus:図書情報、KAKEN:科研費情報、NII-DBR:研究情報、JAIRO:機関リポジトリ情報)の統合検索を提供。

・統合検索については、各機関が目的に沿った情報にアクセスするためのサイトを有している。各機関は、主な対象として想定している利用者が異なることから、利用者のニーズや利便性に配慮しつつ充実を図っている。
・一部コンテンツに重複はあるが、NII、JST、NDL等の各機関がそれぞれの持つ学術情報を相互に共通利用できるように取り組むことなどの連携を進めている。
・各機関が利用者のニーズを踏まえて、統合検索や検索機能の高度化、統計情報の提供など、さらに必要な連携を深めつつ、効果的な情報提供の仕組みを整備することが望まれる。

JST

J-GLOBAL

NII、NDL等

・イノベーション創出の源泉としての科学技術情報について、専門データベースとの連携により、研究者、文献、特許、大学・研究所等の基本情報を相互に関連づけた統合検索を提供。
・平成23年12月に、論文情報、特許情報などをつなぎ、国の政策立案や企業の戦略立案等の意思決定に役立たせる分析可視化データやツールを提供するサイトであるJ-GLOBAL foresightをリリース。

NDL

国立国会図書館サーチ

JST、NII、図書館(大学、公共、専門)、博物館、美術館等

・NDLが所蔵する全資料、NDL作成の各種データベースに加え、NII、JST、公共図書館、博物館、美術館等の冊子体及びデジタル化された情報を横断的に探索できる統合検索を提供。

電子ジャーナルによる情報発信強化のための施策

JSPS

科研費 研究成果公開促進費(学術定期刊行物)

学協会等

・学術の国際交流に資するため、我が国の学協会が発行する学術誌の出版経費を助成。

・平成25年度から、種目名を「学術定期刊行物」から、「国際情報発信強化」に変更し、学術誌に対する直接的な刊行経費助成から、国際情報発信力を強化する取組助成へ改善する予定。

JST

J-STAGE

学協会等

・我が国の学協会が電子ジャーナルを発行を支援するため共同のシステム環境(プラットフォーム)を提供。

・利用者のニーズを反映させ、平成24年5月からユーザーインタフェースを一新し、データ形式の国際標準(XML)へ移行するとともに、投稿査読システムを改善したJ-STAGE3の運用を開始した。

NII

SPARC Japan

学協会、大学等

・我が国の学術誌の国際情報流通に係る活動を支援するため、国際連携の推進やセミナー開催等の活動を実施。海外の同様の活動と連携。    

・平成20年度までは、我が国の英文誌の電子ジャーナル化支援を実施していたが、現在は、学協会、大学図書館、研究者等に対するオープンアクセス等の啓発活動による学術誌の電子的な流通促進を支援する取組みに移行。

関連機関等のデータ流通促進のための標準化

JST

ジャパンリンクセンター

NII、NDL等

・我が国の学術情報に関する国際的流通を促進するため、関連機関との連携により、日本国内の学術情報コンテンツに書誌情報、所在情報、引用情報の一元管理するための国際識別子(DOI)を付与する。

・我が国の学術情報に関しては、論文識別方法等の標準化が進んでいないため、国際的に使われている国際識別子(DOI)付与へ関連機関が連携して対応を進めることが不可欠。そのため、平成24年度から、関係機関等とともに共同運営により事業を開始する予定。

図書館の総合目録の整備

NII

NACSIS-CAT/ILL

大学図書館

・全国の大学図書館に、どのような図書・雑誌が所蔵されているか分かるようにするため、図書・雑誌の総合目録データベースを構築し、図書館間相互協力(ILL)により利用者に資料を提供。

 

・引き続き、図書・雑誌情報等の総合目録データを充実するとともに、NIIとNDLとの間で連携を図る。

NDL

総合目録ネットワーク(ゆにかねっと)

公共図書館

・全国の都道府県立・政令指定都市立図書館及びNDLに、どのような図書が所蔵されているか分かるようにするため、図書の総合目録データベースを構築。公共図書館間の相互貸借を支援。

学術誌論文の電子化

JST

J-STAGE/Journal@rchive

学協会等

・重要な学協会誌を創刊号に遡って電子化し公開する。

・平成20年度から、学協会誌の電子化支援は、JSTのJ-STAGE/Journal@rchiveが行うこととし、そこに登載が困難な学協会誌に限り、NIIのNII-ELSで対応することとして整理。
・現在、重複した電子化は行われていない。
・J-STAGE/Journal@rchiveでは、本文テキストを持つが、NII-ELSは画像イメージとなっている。

 

NII

NII-ELS

大学、学協会等

・大学の紀要論文や学協会誌に発表された論文を電子化し、公開する。

機関リポジトリによる情報発信強化のための施策

NII

学術機関リポジトリ構築連携支援事業

大学等

・大学等の提案する機関リポジトリ構築や連携に関するプロジェクト経費を支援。

・委託事業として、1コンテンツ作成支援、2先導的プロジェクト支援、3学術情報流通コミュニティ支援を実施。
・大学等と連携して機関リポジトリの課題解決につながる機能高度化のための研究開発や機関間連携に係るプロジェクトを支援。

NII

共用リポジトリ(JAIRO Cloud)

大学等

・機関リポジトリの形成を促進するため、独自の構築・運用が難しい機関に対して、NIIが開発したシステムを基に共同利用できるようにする共用リポジトリサービスの提供を平成23年度より開始。 

・機関リポジトリを持っていない機関を対象としており、既に、機関リポジトリを構築している機関に対するサービスの提供が検討課題。

電子図書館サービス

NDL

国立国会図書館デジタル化資料
インターネット資料収集保存事業

JST、NII、大学、学協会、試験研究機関等

・所蔵資料を電子化し、著作権または許諾の範囲内で公開する。

・国、地方公共団体、独立行政法人等のウェブサイトを収集し、著作権または許諾の範囲内で公開する。
・「知識インフラ」の構築に向けて、所蔵資料のデジタル化、電子情報資源の収集・管理・保存を推進。

 

お問合せ先

研究振興局情報課学術基盤整備室

井上、堀下
電話番号:03-6734-4080
ファクシミリ番号:03-6734-4077
メールアドレス:jyogaku@mext.go.jp(コピーして利用する際は、全角@マークを半角@マークに変えてください)

(研究振興局情報課学術基盤整備室)