機関リポジトリによるオープンアクセス
→機関リポジトリには、発信環境の整備、研究環境の整備、学習環境・教育環境の整備の三つの要素がある。
<学術図書(教科書)、学位論文、各種報告書などの電子的提供>
→機関リポジトリは、これまで関係者がある種の使命感を持って対応したものであり、その上に何ができるかを考えていく時期になっている。機関リポジトリの構築は、それほど予算を使わずに、各大学が自らの努力で(実際には図書館が仕事をして)進めてきたものである。
→機関リポジトリには、長期的に見たときには、オープンアクセスの話だけではなく、大学の資産をどのような形で活用するかという問題もある。機関リポジトリは、大学が持っているデータセンターのようなものであり、何を保存し管理するかが問題ではないか。
→研究者のセルフアーカイブに任せているだけでは、網羅的に収集することは困難ではないか。
大学等の教育研究成果の迅速かつ積極的な情報発信
社会対する大学の教育研究活動の説明責任の保証
大学で生み出された知的生産物の長期保存
商業出版社が独占する現行の学術出版システムに対する代替システムの構築
→機関リポジトリは、大学等の機関が自らの教育研究活動の成果を発信するためのツールとして活用することとした場合、大学等が全学的な位置付けを明確にした上で、自主的に整備を進めることが望ましいのではないか。
→大学等は、情報戦略・整備方針等に基づき、どのようなコンテンツを重点的かつ網羅的に整備するか各大学が自ら判断して整備を進めるべきではないか。
→機関リポジトリに網羅的に登載すべきコンテンツ例。(重点整備すべきコンテンツを、大学等が適切に組み合わせて取組むことが重要。)
-研究紀要
(例えば、大学等において紀要論文の電子化を行い、原則として全て機関リポジトリに登載等)
-博士論文
(例えば、大学等として博士論文の電子媒体での提出を義務付け、原則として全て機関リポジトリに登載等)
-大学等が主体的に実施しているプロジェクトの成果
(例えば、大学等として推進するプロジェクトの研究成果報告書を原則としてオープンアクセスとする。又は、大学として推進するプロジェクトの研究成果としての論文を原則としてオープンアクセスにする等)
-学協会等における口頭発表資料
(例えば、大学等に所属する研究者が所属する学会や国際会議等で発表した資料・レジュメ等を原則として全てオープンアクセスにする等)
-学協会等で顕彰を受けた論文
(例えば、学会等で顕彰を受けた論文を大学として全てオープンアクセスにする等)
-教材
(例えば、大学等に所属する教官が作成し、授業において使用した教材等を原則として全て機関リポジトリに登載。又は、大学等に所属する教官が作成したe-learningの教材を全て機関リポジトリに登載等)
-その他
→大学等においては、学術関連のコンテンツに関する教育面あるいは研究面での電子化・アーカイブ化・オンラインでの情報流通・発信の取組の強化として、様々な取組が考えられる。そうした機能・サービス・システムと機関リポジトリとの連携や役割分担もしくは統合化について、さらなる議論が必要ではないか。
→機関リポジトリの構築をさらに促進するために、共用リポジトリで提供するサービスの充実が必要ではないか。(機関リポジトリのソフトウエアの高度化、電子刊行への対応など情報発信機能の強化、運用体制の強化等)
→ユーザーの視点から、コンテンツに多様な軸でアクセスできるように機能を高度化することが重要ではないか。(NIIが提供する学術コンテンツポータルの高度化等)
第4期科学技術基本計画(平成23年8月、閣議決定) 4.国際水準の研究環境及び研究開発基盤の整備 (3)研究情報基盤の整備 <推進方策>
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