資料1-1 日本食品標準成分表の改訂方向について

日本食品標準成分表の改訂方向について

 

1 昨年9月の資源調査分科会における中間報告の概要

 (1) アミノ酸組成表の見直しに併せ、成分表記載のたんぱく質量について、正確なアミノ酸組成から求めた値を記載することとする。

 (2) 差引き法で算定されている炭水化物量についても、これに併せて改定する。

 (3) 改定されたたんぱく質量、炭水化物量に基づき、エネルギー量も再計算する。

2 同分科会での有識者の意見

 (1) 栄養素を構成する要素の積上げで表示するならば、全栄養素についてそうした算定方法とすべきであり、たんぱく質に限ってこの方法を採用することは、混乱を来す。

 (2) 炭水化物量も単糖、でんぷん等を直接定量して示すべきで、差引き法では炭水化物ではない成分の数値も含めてすべて炭水化物量に押し込まれることとなる。

3 食品成分委員会での検討経過等

 (1) たんぱく質量をアミノ酸組成から求める方式はFAOの推奨方式に則ったものであり、昨年度の委託調査でアミノ酸成分表の信頼性も確認できたことから、こうして求めた値を成分表に記載。

 (2) 同様に脂肪についても、FAOの推奨方式に則り、脂肪酸組成(5訂準拠の組成表が存在)からトリアシルグリセロール当量として算定し、成分表に記載。

 (3) ただし、(1)及び(2)のたんぱく質・脂肪の量を前提として炭水化物量を差引き法で算定することについては、2で指摘された課題もあるため、現行のたんぱく質・脂肪の量はそのまま記載し、(1)・(2)の成分量は追加的な情報として成分表に記載(よって炭水化物量も変更しないこととなり、栄養素間の算定方法の混在という混乱も生じない)。

 (4) (1)・(2)の成分量は追加的な情報であり、また、現行の成分値と今回追加する成分値との差に適用すべきエネルギー量に関する情報もないため、エネルギー量の再計算は行わない(すなわち、現行の成分値に基づくエネルギー量を変更しない)。

 (5) 炭水化物量を直接定量して求める場合と差引き法による場合の差については、サンプル調査を本年度委託調査で実施。

 (6) 上記に従い改訂される成分表及び同時に改訂されるアミノ酸成分表の呼称については、それぞれ、「日本食品標準成分表2010」及び「日本食品標準成分表準拠 アミノ酸成分表2010」で仮置。「日本食品標準成分表2010(仮称)」には、別途分析作業を進めてきたビオチン等5つの微量栄養素の成分値も収載。

 (7) 今後作業部会で改訂作業を続行。

お問合せ先

科学技術・学術政策局 政策課 資源室

(科学技術・学術政策局 政策課 資源室)

-- 登録:平成22年05月 --