資源調査分科会(第48回) 議事録

1.日時

令和5年4月26日(水曜日)10時00分~11時30分

2.場所

Web会議にて開催

3.議題

  1. 分科会長の選任及び分科会長代理の指名について (非公開)
  2. 運営規則の確認等について(非公開)
  3. 食品成分委員会の設置について (非公開)
  4. 日本食品標準成分表(八訂)増補2023年について
  5. 第12期資源調査分科会の検討課題について
  6. その他

4.出席者

委員

門間分科会長、白波瀬分科会長代理、上田臨時委員、佐々木臨時委員、瀧本臨時委員

文部科学省

柿田局長、一関資源室長、松下室長補佐

5.議事録

分科会長の選任及び分科会長代理の指名、運営規則の確認等、食品成分委員会の設置、委員会の主査の選任及び主査代理の指名を行った。
 
【一関室長】  傍聴にお越しの皆様、大変お待たせしました。これより第48回科学技術・学術審議会資源調査分科会を公開にて行います。
 これまでの議事におきまして、本分科会の分科会長には門間委員が選出されました。門間分科会長におかれましては、引き続き議事のほうをよろしくお願いいたします。
【門間分科会長】  分科会長の門間です。よろしくお願いいたします。引き続き進行を務めさせていただきます。
 まず初めに、柿田科学技術・学術政策局長から御挨拶を頂戴したいと思います。よろしくお願いします。
【柿田局長】  ありがとうございます。文部科学省の科学技術・学術政策局長の柿田でございます。第12期科学技術・学術審議会資源調査分科会の開催に当たりまして、一言、御挨拶を申し上げます。
 先生方におかれましては、御多忙中にもかかわらず、委員をお引き受けいただきまして、誠にありがとうございます。
 資源調査分科会の歴史は大変古うございまして、昭和22年に資源委員会として発足し、そして平成13年の省庁再編によって科学技術・学術審議会資源調査分科会に改組され、現在に至っております。この間、時代の要請にかなった資源の総合的利用に関する重要事項として日本食品標準成分表を位置づけて、調査審議が行われてまいりました。
 この成分表は、現在、幅広く提供されている食品の成分を示す基礎データとして、学校、病院等の給食での栄養管理や、教育分野、研究分野、医療分野での栄養指導等において利用されておりまして、国民の生涯にわたる食生活に深く関わっております。
 日本食品標準成分表2020年版(八訂)が公開されてから2年がたちましたが、近年の健康志向の高まりや食品の栄養表示義務化の動きなどもありまして、食品の標準的な成分値を示す成分表の果たす役割はさらに大きくなってきております。文部科学省が公開しております食品成分データベースへのアクセス数は今では年間約2,800万件、5年前の約1.5倍に増加しておりまして、社会からの関心の高さがうかがえます。
 本日の分科会では、新たに策定された「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」についても議題としております。これまでの御検討に改めて感謝を申し上げます。
 この第12期におきましては、社会のニーズにより一層適切に対応するため、成分表の充実・利活用を含めた在り方の御議論を踏まえて、引き続き、科学的見地からの成分表の次期改訂に向けた検討をお願いしたいと考えております。
 門間分科会長をはじめ委員の皆様からの忌憚のない御意見、また御提言を賜りますようお願い申し上げまして、簡単ではございますが、私の挨拶とさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
【門間分科会長】  ありがとうございました。
 それでは、議事の4番、日本食品標準成分表(八訂)増補2023年についてです。
 まず、事務局から説明をお願いいたします。
【一関室長】  それでは、事務局から御説明させていただきます。画面を共有させていただきます。資料の8でございます。
 食品成分表につきましては、令和2年12月に大きな改訂を行いまして、現在の食品成分表2020年版(八訂)というものを公表したところでございます。その後、昨年までの11期の本資源調査分科会におきまして、食品成分委員会を設置し、収載食品の更新・充実のための調査検討を行っていただいたところでございます。その検討結果につきましては、昨年12月の第47回の本分科会に御報告いたしまして、本年2月には更新・追加したデータにつきまして更新理由をつけて収載値の案ということで公表を行ったところでございます。その追加したものにつきましては、このURLのところに公表してございます。
 このたび、これら追加・更新しました107食品(うち新規60食品)でございますけども、これらを現行の2020年版(八訂)の食品成分表に追加いたしまして、「日本食品成分表(八訂)増補2023年」として公表させていただきたいと考えてございます。
 公表方法でございますが、ウェブサイトでの公表とさせていただきまして、別途食品成分データベースのデータにつきましても更新してまいりたいと考えてございます。
 次に、公表します八訂増補2023年の概要について、ポイントを御説明させていただきます。
 1)でございますけども、2020年の八訂の公表以降に整理しました収載食品、成分値、これらを追加・更新するとともに、既に収載されている食品に成分値の追加や更新があった場合には、アミノ酸組成などの産生成分、エネルギー値などを再計算しております。
 2)でございますけども、現行の食品成分表である2020年版(八訂)の目的や性格、収載している成分などの項目あるいはエネルギーの計算方法といった考え方は、変更してございません。このため、2020年の八訂の増補という形であること、また、公表した年が分かるようにということを考慮いたしまして、「食品成分表(八訂)増補2023年」という名称で公表させていただきたいと考えてございます。
 次の①から③には、追加・更新しました食品について代表的なものを挙げさせていただいております。
 少し紹介いたしますと、①の「新たに追加した食品」としましては、穀類であります「バンズ」、嗜好飲料類の「缶コーヒー」、あるいは調理済み流通食品類の「とりから揚げ」といったものを収載してございます。
 ②の「調理形態を追加した食品」としましては、野菜類の「だいずもやし」、「りょくとうもやし」のそれぞれの「油いため」といったようなもの。
 ③の「生産や流通の実態に合わせ再分析や細分化した食品」としましては、野菜類のカット野菜であります「キャベツカット」、「にんじんカット」の次亜塩素酸洗浄したもの、果実類のブドウでございますけども、「シャインマスカット」というものを収載してございます。
 次に、2番の公表内容でございます。委員の皆様にはあらかじめ公表予定の資料をお送りさせていただいてございますけども、基本的に八訂と同様の形で公表したいと考えてございます。(1)としまして、増補2023年の本表のほか、(2)から(3)、アミノ酸成分表編の第1表から第4表、脂肪酸成分表編の第1表から第3表、炭水化物成分表編の本表、別表の1と2という合計4種類のものを公表したいと考えてございます。
 3番でこれまでの調査検討の経緯でございますけども、令和3年8月の第46回の資源調査分科会を皮切りに、本日の分科会を含めまして、分科会、委員会合わせて計7回にわたり調査検討をしていただきました。これまでの御検討に改めて感謝を申し上げます。
 次のページでございますが、こちらは参考ということで、これまでに公表した食品成分表一覧にしてございます。一番下でございますけども、「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」という形で、2,538の食品を収載したものを公表したいと考えてございます。
 最後に、公表日でございますけども、明後日の4月28日を今のところ予定してございます。
 公表する形をちょっと御紹介させていただきますと、こちら、文部科学省の食品成分表のホームページのトップページでございますけども、こちらが現在のホームページになってございます。一番最初のところに2020年版(八訂)というものが掲載されてございまして、ここをクリックすると各成分表が載っているページに移動するというところでございます。
 トップページに戻りまして、これがあさって公表予定のページ、現在作成中のものでございますが、トップのところを八訂の増補2023年という形にさせていただきまして、2020年の八訂はその下の関連資料というところに掲載してございます。この増補2023年のところを押していただくと、まだデータは入ってないんですが、八訂と同じように各データのところに移動するというところになってございます。下のほうには、追加したもののみのデータ、更新理由をつけたものもこちらのほうに載せてございます。このような形で公表させていただきたいと考えてございます。
 御審議のほどよろしくお願いいたします。
【門間分科会長】  ただいま事務局から「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」を公表することについて説明があったところですが、何か御意見ございますでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、先ほど御説明あったような形で公表することにしたいと思います。
 次に、議事の5のほうですね、第12期の検討課題について、事務局からまず御説明をお願いします。
【一関室長】  御説明させていただきます。資料共有いたします。資料の9でございます。
 本日が第12期の資源調査分科会のキックオフということですので、これから検討していただく検討課題の案について御提案をさせていただきたいと考えております。
 まずは背景でございますけども、科学技術・イノベーション基本計画、令和3年に閣議決定されたものでございますけども、こちらにおきまして、様々な社会課題を解決するための研究開発・社会実装の推進と総合知の活用というものが示されてございます。また、その価値創造の源泉として、「知」の創造というものが求められているところでございます。
 そのようなものに資するため、本分科会では、資源の総合的利用に関する重要事項といたしまして食品成分表というものを位置づけまして、食品に含まれる栄養成分の基礎的なデータというものを取りまとめて公表してまいったところでございます。
 引き続きこの食品成分表というものを本分科会に位置づけまして、分科会の下に先ほど御承認いただきました食品成分委員会というものを設置しまして、次に記載するような観点から検討を行ってはどうかと考えてございます。
 特に今年度から始まる12期というものは、次の改訂を見据えての検討という意味合いが強うございますので、そこの1に書いてありますような成分表の目的ですとか性格、どのような食品や成分情報を収載すべきか、改訂に当たっての主旨や公表する年度をどうするか、公表の方法をどうするかというような観点から検討を行ってはどうか、と考えているところでございます。
 次に、具体的な検討事項でございますけども、その下に大きく3つに分けて整理させていただいております。
 まずは1点目、収載食品の更新・充実でございますけども、これまでの検討におきましても収載食品の更新・充実というものを行ってきていただいておりまして、2020年の八訂では2,478食品、先ほど御承認いただきました八訂の増補2023年では2,538食品というものを収載しているところでございます。今後も、次期の改訂を見据えまして、既に収載されている食品の再分析あるいは新規の食品や未調査の成分の分析、こういったものを進めてまいりたいと考えてございます。また、進めるに当たっては、素材系の食品につきましては、摂取量や流通している食品の変遷等からも優先度を考慮して検討することが必要かと考えております。また、収載食品の更新・充実に当たりましては、予算の限度もございますので、例えば、七訂から八訂になる際に分析方法が変わって、エネルギーの算出基礎となる部分についてまだ分析し切れていないものがございますので、そのような食品を優先してはどうか、あるいは、類似食品からの推計といった手法も併用してはどうか、また、分析方法を見直しました食物繊維の分析値が収載されていないものを優先してはどうかと考えているところでございます。
 次に、(2)デジタル社会での多様な利用を見据えた食品成分データ利活用推進、精度・信頼性の向上でございます。食品成分表につきましては、まさにオープンデータということで皆様に非常に多く利用していただいておりまして、今後もより使いやすくしていくことがデジタル社会への対応ということで必要かなと考えているところでございます。また、エネルギーの計算につきましては、組成成分からの積み上げとなっておりますので、それを計算していく手順などのシステム化というものが重要かと考えております。どのようなシステムを構築するか現在も検討しているところでございますけども、これにつきましても引き続き進めてまいりたいと考えております。加えまして、食品成分表は、国民健康栄養調査ですとか食品の成分表示あるいは食品に関する様々な目標値、計画等々の基礎データとしても活用されておりますので、それら関係省庁での利用も踏まえまして、データの利用ですとか、あるいは連携方法を検討してはどうかということを考えてございます。それから、データの精度・信頼性の向上でございますけども、こちらにつきましては、次に御説明する(3)とも関連しますが、分析方法等の調査を行いまして、分析方法の検証ですとか、あるいは見直しの検討に生かしてはどうかということ、また、多様な利用者のために、英語版ですとか翻訳機能の活用といったものも検討してはどうかということを考えてございます。
 次に、(3)の国内外の動向調査でございます。食品成分表につきましては、食品表示法が施行されて以降、特に民間の食料事業者の皆様での利用が進んでいるところでございます。このような食品の事業者様にはいろいろな団体等々もございますので、そのような団体の動向も踏まえまして、まだ収載していない食品について、どのような食品を収載していくのかというものも検討してはどうかと考えております。また、その検討に当たりましては、当方が分析するものではなく、関係団体で分析したデータ、その妥当性等も考慮しながら食品成分委員会のほうで検討いたしまして、受け入れていくような方法も取ってまいりたいと考えているところでございます。それから、国外で公表しているような食品分析データですとかそういったものの利用についても考えていく、または国際的なワークショップ等での発信、国際的な枠組みとの連携というものも検討してはどうかと考えてございます。
 次に、2番の今後の検討の予定でございますけども、この後、本年6月を目途に第12期の食品成分委員会というのを設置いたしまして、先ほど御説明いたしましたような収載食品の更新・充実などにつきまして委員会のほうで検討を進めてまいりたいと考えてございます。その後、12月、年内を目途に委員会のほうで一定の整理を行いまして、来年には本分科会を開催いたしまして結果の報告を受けたい、というようなスケジュールを考えているところでございます。
 説明については以上になります。御検討のほうをよろしくお願いいたします。
【門間分科会長】  事務局から第12期の検討課題について説明があったところですが、何か御意見等ございますでしょうか。白波瀬先生、お願いします。
【白波瀬分科会長代理】  ありがとうございました。どの提案もすごく重要だと思うんですけども、実はどの提案も結構本気でやろうと思ったら時間とお金がかかるんですね。この中でどれを優先順位としてこの期においてはやっていくのかというのはちょっとめり張りとしてはあったほうが、何かリストしただけということになったらちょっとよくないのかなという気がしています。そういう意味で、デジタル化とかという、このオープンサイエンスについてはかなり早めに着手をしたほうがいろんな分野での動きがありますので、そういう意味では結構完成までにというか、横並びの配慮も必要なので、この辺りはちょっと、これは問題としてすごくいいとは思うんです、提案として。少なくとも委員会では、今期はこれは外せないぞみたいなところは決めたほうがいいのかな、なんていう感想を持ちました。
 以上です。
【門間分科会長】  ありがとうございます。
 デジタル化については、システム化でこれまでいろいろ進めてきているところなんですが、事務局のほうとして何かありますでしょうか。
【一関室長】  御意見ありがとうございます。まさにおっしゃるとおりでして、めり張りつけて、大事なところに重点を置いて進めていきたいと考えてございます。
 御意見ありましたシステム化でございますけども、昨年度、令和4年度に、過去のデータですとか、あるいは計算方法を取り入れたシステムの試作といったものを行ってございます。今年度は、この試作を活用いたしまして、実際に回してみてちゃんと動くかどうかですとか、あるいはちゃんとした数値が出てくるかといったものを検証して、さらにシステムのバージョンアップといったものを図っていきたいと考えております。意欲的な目標としましては、来年度にある程度動かせるようなものができればなと考えているところでございますが、そこはシステムの検討の中でしっかりと詰めてまいりたいと考えてございます。
【門間分科会長】  よろしくお願いします。
 ほかに御意見ございますでしょうか。瀧本先生、お願いします。
【瀧本臨時委員】  ありがとうございます。国際的な枠組みとの連携ってすごく重要だと思うんですけれども、各先生方もいろんな学会等でいろんな方々と交流する機会がおありと思います。私もそういうところで成分表のことを聞かれたりすることがあるんですけど、何か一定の、こういうふうな問合せはこういうルールで対応みたいなのを整理していただけるとよいのではないかと思いました。
 以上です。
【一関室長】  御意見ありがとうございます。まさに国際機関との連携のところがこれまでちょっと弱い部分でございましたので、そのように御提案いただいたのは大変ありがたく感じております。我々としましても、どのような発信方法がいいのか、分科会の委員の皆様方あるいは委員会の委員の皆様方とよく御相談しながら整理してまいりたいと考えてございます。どうぞよろしくお願いいたします。
【瀧本臨時委員】  ありがとうございます。
【門間分科会長】  ほかに御意見ございますでしょうか。
 1)の先ほどの御説明にありましたエネルギーの産生成分とか食物繊維につきましては、これまでも優先的に分析してきたところですが、他省庁の調査との足並みもございまして、結構要望が大きいところかなと思うんですけれど、そちらの進捗状況というか、今後の展望については、事務局のほう、いかがですか。
【一関室長】  ありがとうございます。そちらにつきましても、今後の動向をより深くちゃんと調査いたしまして、委員の皆様方と相談しながら、予算の範囲内でできる限り多くのものを分析してまいりたいと考えてございます。どうぞよろしくお願いいたします。
【門間分科会長】  よろしくお願いします。
 御意見等ございますでしょうか。よろしいでしょうか。それでは、本日の議論を踏まえて検討を進めていくことにしたいと思います。
 次に、今後の予定についてお願いします。
【一関室長】  これまでの御検討ありがとうございます。
 今後でございますけども、本日設置していただきました食品成分委員会において、本日の議論を踏まえて調査検討を進めてまいりたいと思っております。
 今後の予定としましては、年内を目途に成分表の収載食品の更新・充実、あるいは御意見のありましたシステム化を含めて、御検討内容をまとめた上で、来年の本分科会の中で報告、御審議いただきたいと考えてございます。
【門間分科会長】  それでは、御議論いただきました第12期資源調査分科会の検討課題について整理していくことで食品成分委員会に示して、その結果をまた御報告したいと思います。
 本日の予定の議事につきましては以上ですが、そのほか何かございますでしょうか。よろしいでしょうか。ないようでしたら、本日の議論はこれまでにしたいと思います。
 再度の確認となりますが、本日の会議の議事録につきましては、本分科会の運営規則により、会長の選任等の人事に関する案件に係る部分を非公表としたいと考えております。よろしいでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
【門間分科会長】  それでは、これで閉会とさせていただきます。本日は、お忙しいところ、御協力いただき、ありがとうございました。
 
―― 了 ――

(科学技術・学術政策局政策課資源室)