資源調査分科会(第41回) 議事録

1.日時

平成29年11月24日(金曜日)14時00分~15時00分

2.場所

文部科学省15階科学技術・学術政策局会議室1

3.議題

  1. 日本食品標準成分表2015年版(七訂)追補2017年について
  2. 平成30年度食品分析について
  3. その他

4.出席者

委員

宮浦千里会長、小長谷有紀会長代理、白波瀬佐和子委員
石見佳子臨時委員、安井明美臨時委員、渡邊智子臨時委員

文部科学省

中川総括審議官、太田資源室長

5.議事録

【宮浦分科会長】  それでは、ただいまから第41回科学技術・学術審議会資源調査分科会を開催いたします。
 委員の皆様には御多忙のところ御出席いただきまして、誠にありがとうございます。
 本日は、平成28年度における分析食品等の成分値を取りまとめた「日本食品標準成分表2015年版(七訂)追補2017年(案)」について、御報告を頂くこととしております。
 今回の公表に当たりまして、まずは御尽力いただきました食品成分委員会の委員の皆様に深謝申し上げます。ありがとうございます。
 それでは、本日の委員の出欠状況等について、事務局からお願いをいたします。
【太田室長】  本日でございますけれども、6人の委員の先生方、皆様方御出席いただいております。
 本省から、中川統括審議官が出席しております。
【中川総括審議官】  お願いします。
【宮浦分科会長】  ありがとうございます。
 ここで、中川統括審議官から、御挨拶を頂戴いたします。よろしくお願いいたします。
【中川総括審議官】  ただいま御紹介された中川でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 第41回科学技術・学術審議会資源調査分科会の開催に当たりまして、一言御挨拶を申し上げます。委員の皆様におかれましては、御多忙のところにも関わらず御出席を賜りまして、厚く御礼を申し上げます。
 本日、この資源調査分科会におきまして、この日本食品標準成分表2015年版(七訂)追補2017年、これを御審議いただく運びとなりました。
 本日御出席の安井委員、渡邊委員を初め、食品成分委員会各委員におかれましては、膨大なデータ、各種データの検討から原稿の作成に至るまで、細部にわたり御丁寧な対応、本当にありがとうございました。この日を迎えることができたのも、ひとえに関係された委員の皆様の、これまでの真摯(しんし)な御議論、そして数々の貴重な御所見の賜物(たまもの)であると考えております。改めて皆様の多大なる御尽力に対し、御礼を申し上げる次第でございます。
 改めまして一言、私、1985年から役人業をやっておりますが、当時はまだ科学技術庁であった時代、資源調査会の時代であったかと思います。四訂の成分表が出来上がった頃で、その頃から、この資源調査会の成分表というのが、じわじわといろいろなところで役に立って、非常に浸透していることを今改めて思い出し、今七訂の追補2017年に至るということで、これだけのものがずっと歴史の中で築かれ、また現代のニーズに応えていること、思いを深くしてございます。この出来上がるものということでございまして、この分析に当たりまして、御苦労、御尽力いただきました数々の皆様、関係法人の皆様、貴重な資料を御提供いただいた関係団体の皆様にも、この場をお借りいたしまして、感謝を申し上げる次第でございます。
 この本成分表を更なる充実に向けて、忌憚(きたん)のない御意見を賜って御審議いただきますことをお願い申し上げ、簡単でございますが、私の御挨拶とさせていただきます。
この後国会答弁で呼ばれておりまして、申し訳ございませんが中座させていただきますが、きょうも熱い御審議となりますよう、どうぞよろしくお願いいたします。
【宮浦分科会長】  ありがとうございました。
 それでは、議事に入りたいと思いますが、まず事務局から配付資料の確認をお願いいたします。
【太田室長】  それでは、お手元の議事次第に、配付資料の一覧を付けておりますので、これをまず見ていただけないかと思っております。それを見ながら、資料の御確認をお願いしたいと思っております。
 最初でございます。資料1として、「日本食品標準成分表2015年版(七訂)追補2017年(案)」があります。要は、こういう冊子でございます。非常に厚いものでございます。非常に厚いものですから、傍聴の方々には抜粋という形で配付させていただいておりますので、その旨よろしくお願いします。
 それから、資料2として、印刷冊子「日本食品標準成分表2015年版(七訂)追補2017年の公表について(案)」でございます。
 資料3-1と3-2がありまして、これは、資料3-1が「平成30年度食品分析について」、それから、3-2が「H30年度分析食品候補(案)」を配付させていただいております。
 何か不備があれば、お伝え願えればと思います。以上でございます。
【宮浦分科会長】  ありがとうございました。
 それでは、議事に入らせていただきます。日本食品標準成分表2015年版(七訂)追補2017年につきまして、食品成分委員会主査の安井臨時委員から御報告をお願いいたします。
【安井臨時委員】  安井です。よろしくお願いいたします。座って説明させていただきます。
 このたびの日本食品標準成分表2015年版(七訂)追補2017年の案について御報告いたします。
 既に御案内のとおり、日本食品標準成分表は、食品成分に関する唯一の公的なデータベースでございます。学校や病院などの給食、調理現場での栄養管理はもとより、教育、研究、行政分野での基礎資料として、幅広く活用されております。
 成分表は、近年5年おきに作成されてきましたが、実際には毎年度分析を行ってきております。各分野の利用者の皆様の一層の便に供するため、平成28年度、昨年度から、新たな取組として、成分表の収載が決定した食品について毎年度公表することとしております。具体的には、現行の食品標準成分表2015年版(七訂)の追補として公表してきております。昨年は追補2016年を公表し、今年の場合は追補2017年となります。
 なお今後、毎年度追補として公表していく成分表などは、従前のように5年目に集大成して、次の改訂の予定である2020年版(八訂)として公表していくこととしております。
 追補2017年の内容ですが、食品成分委員会において、現代型食生活の状況や食に関する社会ニーズなどを考慮しながら、検討して、新たに148食品について分析を行って追補として、成分表の充実を図ったものでございます。
 本委員会として、一般成分、ミネラル類、ビタミン類等の収載値を取りまとめました日本食品成分表2015年版(七訂)追補2017年と、一般成分のたんぱく質、脂質、炭水化物の組成を収載した、それぞれアミノ酸成分表編、脂肪酸成分表編、炭水化物成分表編を、お手元の配付資料1のとおり取りまとめましたので、御報告いたします。
 なお、炭水化物成分表ですが、構成は、利用可能炭水化物及び糖アルコールの組成、それから、有機酸の組成になっております。
 これらの追補2017年の各成分表の内容については、事務局より御説明いたします。よろしくお願いします。
【宮浦分科会長】  ありがとうございました。
 それでは、各成分表の追補2017年の内容につきまして、事務局から説明をお願いします。
【太田室長】  それでは、私から、資料1を基にしまして説明させていただきます。
 非常に大部な資料でございまして、かいつまんで説明させていただければと思います。
 まず、冊子1枚めくっていただきまして、これが表紙でございます。「日本食品成分表2015年版(七訂)追補2017(案)」でございます。
 1ページめくっていただけないでしょうか。「第1部」があります。「日本食品標準成分表2015年版(七訂)追補2017年目次」と書いてあります。
 御案内のとおり、成分表自体は、各成分表、全部で四つあります。本表と呼ばれるもの、ここで言うと第1部でございます。それから、先ほど主査からお話がありました、アミノ酸、脂肪酸、炭水化物、それぞれ付けておりますが、構成は基本的には同じでございます。第1章としまして説明がありまして、第2章としまして、成分表と言われる数字が載っているものでございますが、あります。第3章として資料というものの構成で、こういう3部構成をそれぞれ行っております。
 それでは、第1部の、普通で言う成分表について、違い等を含めながら説明したいと思います。
 第1章、説明でございます。これは、従来と変わりません。
 1ページめくっていただきまして、ここも従来と変わりませんが、表のところを、従来と違って多少付けておりますので、これは後から、また御説明させていただけないかと思っております。
 それから、第2章として日本食品標準成分表本表。それから、第3章として資料編、これは留意分でございます。留意分と申しますのは、収載している食品について、それぞれコメントをして細かく説明するものという位置付けでございます。
 以下、第2部、第3部、第4部とありますので、そこは中で説明していきたいと思います。
 それから、第5部として、1枚めくっていただいて、資料目次があります。これも後から御説明しますけれども、この中で特に2、「食品成分表における食品の収載データ由来一覧」が、今年の一つの大きな、大きいと言っては、かもしれませんけれども、新味があるところでございまして、これにつきましても後から説明していきたいと思っております。
 それでは、本体からでございますが、次をめくっていただきますと、第1部として、「日本食品標準成分表2015年版(七訂)追補2017年 第1章 説明」とあります。最初は、従来どおりでございます。3ページ、従来どおりでございます。
 1ページめくっていただければと思います。4ページ、5ページの開きがあります。ここは、4ページ、5ページ目は、これまでの経緯が書いてございます。
 5ページ目の頭ございます。「平成29年度においても」というところでございますが、ここが追補2017年を説明しているところでございます。「平成29年においても同様に食品成分表として、日本食品標準成分表2015年版(七訂)追補2017年を公表することとし、たんぱく質、脂質及び炭水化物の組成においても、それぞれ日本食品標準成分表2015年版(七訂)追補2017アミノ酸成分表編、脂肪酸成分表編、炭水化物表編として公表することにした。なお、追補2017年全体で148食品(うち新規16食品)を収載した」と書いてあります。
 その下に、沿革が載っております。成分表自体、初版ができたのが昭和25年でございまして、以来このような形で変遷をたどってございますが、最新の、今の2015年版(七訂)追補2017年と書いてあるのは、そこに書いてあるとおり、全部で2,236食品を収載することを予定しております。
 次のページをめくっていただけないでしょうか。見開き、六、七でございます。ここは、先ほど2,236食品と収載する食品を申し上げて、今年の追補2017年につきましては148食品収載すると申し上げたのですが、その概要が書いてあるところでございます。
 左の下に見えます表1でございます。これは、成分表自体、18の食品群になっておりますが、その18群の食品群の中で、どこが増えましたかというものを端的に示したものでございまして、「増加数」を見ていただければと思いますけれども、全部で16増加しております。次のページに掛かっておりますが、一番増えたのは魚介類の9でございます。
 それから、表2でございます。「追補2017年の収載状況」で、148食品の収載状況について分かるペーパーでございます。数枚にわたっております。
 このペーパーの御説明だけしたいと思います。上に解説が載っております。二重丸が「新規収載」、一重丸が「追加・改訂」、黒丸が「収載済み」と書いてあります。
 例えば、その表の上から二つ目に、黒砂糖があります。「本表」が丸で、「アミノ酸」は二重丸になっております。これの言っていることは、本表は丸でございますので、追加ないし改訂でございますが、これは、本表の場合、黒砂糖の場合、マンガンとβカロテンと、αカロテン、β、αファカロテンと、それから、β-クリプトキサンチンを追加いたしましたという意味で丸でございます。アミノ酸は二重丸になっておりますが、これはアミノ酸に初めて黒砂糖が収載されましたということで、新規で二重丸になっております。
 二つ、三つ下に、「ざらめ糖 グラニュー糖」とあります。これについて申しますと、本表が白抜き、丸でございます。これは、マンガンを追加したので丸ということでございますが、他方で、炭水化物は黒丸になっております。これは、従来から、七訂のことでございますが、収載しているという意味で黒塗りという位置付けになっています。追補2017には載っておりませんが、七訂に載っているという意味で、黒塗りとなっています。
 このような形で、148の収載について、数ページにわたって書かせていただいております。
 続きまして、14ページをお開きください。14ページ以降は、各組成の各栄養成分について書いてございます。
 例えば、15ページにつきましては、エネルギー換算係数。それから、窒素-たんぱく質換算係数等の、各種係数が載っている、各栄養成分についての分析方法が詳しく載ってございまして、これについても、従来のものに加えるとさせていただいております。
 新しいところとしましては、23ページお開きください。23ページに、「脂肪酸、コレステロール及び食物繊維の測定法」と書いてあります。この中で、脂肪酸のところでございます。「試料調製法」でございますが、新しいやり方を、我々、今年から、今年と言うか今回の分析から導入しております。そこに書いてあるところの「又は」以降でございます。「又は魚介類はヘキサン-イソプロパノール抽出法(ただし脂質5%以下の甲殻類、軟体動物はフォルチ法)」、こういった形を新しい形として、今回から分析を追加させていただいております。
 また何枚か、恐縮でございます、めくっていただいて、次に33ページをお開きください。栄養成分の分析方法が終わりまして、次33ページは「食品の調理条件」と書いてあります。片括弧の5でございます。今回収載した141のうち調理をしたもの、例えば焼いたとか蒸したとか、茹(ゆ)でたとか、蒸してはないですね、そういったものについて書いてございます。どういったものを茹(ゆ)でましたか、焼きましたかというものについて書いてございます。具体的には、表13を見ていただければと思っております。
 それと、次のページ、34でございます。34は、食品調理の先ほどの続きでございますが、特にこの中で真ん中ぐらいに、調理による成分変化率という式が書いてあります。これは従来になかったものでございますけれども、やり方として我々こうやってきたということでございますが、それを明確にしたという意味で、調理済みの成分値で求め方について、明確な式をここに書かせていただいたということでございます。
 また時間の都合で恐縮でございますけれども、40、41ページをめくっていただけないでしょうか。これは、フォルチ法とヘキサン-イソプロパノール法の手順書が書いてあります。先ほど新しいやり方として導入しましたと言わせていただいたのですが、それについての手順書を、ここに簡潔に、40、41ページ、次のページにわたりますが、書かせていただいてございます。
 続きまして、第2章でございます。次の、何枚かめくっていただきまして、第2章というペーパーが書いてあります。これは、本体成分表の表が書いてございますが、細かい数字等々が並んでおりますので省略いたしますけれども、見方としましては、特に太いところが、各成分の中でも、今年、今回の追補2017で数字として入れ替えたないしは追加したものになっておりますので、見方としてはそういうものと理解していただければと思っております。
 あと、飛びまして63ページは、先ほど言わしていただいた第3章として、各食品について詳しく書いてある、留意分と言われるペーパーでございまして、148食品の説明等となっております。これは一応枚数もありますので、割愛させていただけないかと思っております。
 ずっとそれから飛びますと、第2部で、アミノ酸成分表になります。何枚かずっとめくっていただいて、100ページを超えますが、101ページ目、ページ数、そこは打っていないのですけれども、アミノ酸成分表という形になっています。
 アミノ酸成分表も、最初申し上げたとおり、構成としては一緒でございまして、最初説明があってというところでございます。ページ数申しますと、104ページでございます。
 第1表を見ていただけないでしょうか。アミノ酸成分表の沿革というところがあります。先ほど本表の沿革について話させていただいたのですが、これは、第1表として、アミノ酸成分表の沿革が、104ページにあります。
 このところ、公表年度を見ていただければと思います。アミノ酸、脂肪酸、炭水化物についてきましたのが、公表年度がバラバラでございまして、七訂以降は同調して、本表に同調しているようになっております。
 この場合、アミノ酸成分表の最新の2017年追補で申し上げますと、食品の収載数は1,627といった形にならしていただいております。
 第2章、第3章は同じでございますので、割愛させていただきます。
 続きまして、脂肪酸成分表に行きたいと思います。ページ数は、一挙飛びまして165ページでございます。
 165ページは脂肪酸成分表でございます。構成は繰り返しになりますが、一緒でございます。最初説明があります。
 次のページをめくっていただきますと、156ページでございますけれども、脂肪酸成分表の沿革と、同じような表が載っています。これも、組成成分表の類にたがわず、従来、本体表とはなかなかリンケージしていないのですが、七訂から、本体成分表と組成成分表は、公表年度が合っている形になっております。
 脂肪酸成分表の最新の数字は、収載数1,817という形になっております。
 脂肪酸成分表につきましては、第2章、第3章とありますので、そこは割愛させていただきまして、ページ数が187ページでございます。炭水化物成分表でございます。
 炭水化物成分表も、繰り返しになりますが、同じ構成で一として説明になっています。ページ数188ページでございます。炭水化物成分表の沿革と言われているものでございます。ここでございますけれども、第1表としてありますが、炭水化物成分表自体七訂から作っている比較的新しいものでございますので、本体と成分表と軌を一にしております。
 収載食品数は、七訂追補2017年で945という食品数でございます。
 以降、第2章、第3章と同じでございますので割愛させていただきまして、続いては、第5部が最後に出てきます。第5部、1ページめくっていただきまして、ページ数は書いていないのですが、上のところ、1、2というのがあります。
 1と申しますと、日本食品標準成分表2015年版(七訂)追補2017年に収載された全食品のエネルギー換算係数、窒素-たんぱく係数、ナイアシン当量と言われるものでございます。
 これ自体は第1章を見れば分かるのでございますが、実は、昨年2016年七訂では、収載している、当時収載していた2,222について、こういったエネルギー換算係数、窒素-たんぱく係数、ナイアシン当量について一覧表にまとめております。こういった継続性を踏まえまして、改めて、この追補、第5部では、同じ形で表を付けさせていただいております。
 ドキュメンテーションと言われる中の一環としてやらせていただいたのですが、その流れを更に強化するという位置付けで、2でございますけれども、日本食品成分表収載データ一覧を、今年新しく作らせていただいております。
 これはどのようなものかでございますが、数ページめくっていただきまして、縦書きと言うか横書きのもの、2というのがありますので、それを見ていただければと思います。ページ数を打っていなくて恐縮ですが、「食品成分表における食品の収載データの由来一覧」でございます。
 これ自体はドキュメンテーションの一環として、昨年、ナイアシン当量、エネルギー換算係数、窒素-たんぱく係数等々の続きとして、ドキュメントとして一環でやらせていただいたのですが、見方だけ説明したいと思います。
 一番頭、字が小さくて恐縮でございます。アマランサスというのがあります。玄穀と書いてあるものでございます。これを右に目を移させていただきますと、例えば、「分析値(2010)」に丸、「分析値(五訂・五訂増補)」に丸が付いています。これは、言っていることというのは、アマランサスの成分値は、分析値(2010)と分析値(五訂・五訂増補)の二つからの分析値から成り立っていますといったことを言っております。
 それから、次に、あわがあります。精白粒と書いているところでございますが、これだと三つの成分項目で、それぞれ分析値を書いております。例えば、あわの場合、「水分」があります。水分につきましては、分析値(七訂)、分析値(五訂・五訂増補)、四訂収載値の3つから水分値を求めております。というので、これがそれを示してございます。
 下に書いてあります、「たんぱく質、脂質、ヨウ素、セレン、クロム、モリブデン、ビタミンB1、ビタミンB2、ナイアシン、ビオチン」でございますが、これは七訂に丸を付けておりますが、七訂の値からとっていますというところでございます。
 それから、「上記以外」、30か40ぐらいの成分数になると思いますが、それにつきましては、分析値(五訂・五訂増補)及び四訂収載値からとっているところでございます。
 とりあえず、今のところ以上でございますが、簡単でございますけれども説明させていただきました。以上でございます。
【宮浦分科会長】  ありがとうございました。
 追補2017年につきまして、安井主査から、本年度の公表に至る経緯、御報告いただき、また、ただいま太田室長から、追補2017年の内容のポイントについて御説明いただきました。
 それでは続きまして、渡邊臨時委員から補足説明をお願いできますでしょうか。
【渡邊臨時委員】  よろしくお願いします。
 私が、ここの中で一般の方が興味深いのではないかと思うのは、前の成分表ではとんかつが載りましたが、ほかのフライが余りなかったのです。今回、かきフライが収載されて、割と身近な食べ物で。さっきの重量変化率の表を見ると、揚げると100グラムが120グラムになる。だから、お皿に盛ったときに大きくなるのだとかといったことが理解できるかと思います。
 成分値は、表を見ていただければ分かるということと、皆さん、普通、でんぶはさくらでんぶが収載されているかと思いますね。でも、実は、おしょうゆが入っている、茶色のでんぶが載っていたということなのです。それを明確に示した方が、一般の方にも分かるのではないかと、今回は食品名が変わっています。そうすると、さくらでんぶの場合は、ほとんど作るときに食塩を使わないので、栄養計算をそのまましていると、食塩も余計に計算されてしまっていたのです。では、さくらでんぶはどうするかということで、今年度分析をしているのです。だから、次の2018追補で収載することができるかと思います。
 あと、収載する、した食品を見ていただくと、マヨネーズとか加工食品のソーセージ類とか、割と身近な加工食品がたくさん載っていて、それらについて、ほかのアミノ酸成分表とか、いろいろな食品、別表になっている、別表と言うのはおかしいですね、2部、3部といったところが充実したのが興味深いところかと。
 それから、先ほど、調理変化率の計算式を表に出したということで、生の食材で栄養計算をすると、食材の栄養量であって、食べたときの食品ではないですね。調理後の栄養計算をするようにと、成分表ではいつも書いてあるのですけれども、なかなかそれが周知されていないところもあって、今回は、この調理による成分変化率ということで、その数値が変わることを更に分かりやすくしてあるところが、大きな特徴かと思っています。
 以上です。
【宮浦分科会長】  ありがとうございました。追加説明を頂戴いたしました。
 それでは、この追補2017年(案)につきまして、委員の皆様の御意見を頂戴したいと思います。いかがでしょうか。
 はい、お願いいたします。
【白波瀬委員】  大変ありがとうございました。とても興味深くて、一般に何も考えないで頂いているものですけれども、勉強になりました。
 すごく基本的なことですが、これについて時系列的なところというのは、基本的に余り考慮しないで、年度の新しい値で対応することが先に書いてあると思うのですけれども、今渡邊先生からも御説明いただいたみたいに、そもそもは、つまり、それは間違いだとは思わないのですが、取扱いが基本的にすごく厳密化している印象を受けたのですけれども、そういう、何か説明と言うか、それを遡及(そきゅう)するわけにはいかないと思うのですが、それまではそういうことが明示されてなかったものと、値自体は変わりますね、いろいろな取扱いとか。その辺りは、どういう対応というか。
【渡邊臨時委員】  何成分表は、常用と書いてありますよね。だから、その時代に常用している食べ物が変わってきたりしていて、例えば、さけ・ます類は、成分表に九つの品種が載っているのですね。でも、私たちはさけとか、ますとか簡単に呼んでいますけれども、そうすると、九つの品種の中で、たんぱく質はほぼ一定ですが、脂質の量が5パーセントから十五、六パーセントまで幅があるのです。そうすると、エネルギー量がすごく違いますね。
 だから、消費者も買うときに、それを分けて買うことができたりということになれば、食品が細分化されているけれども、昔は多分、ただでんぶと言ったときに、それほどさくらでんぶかおしょうゆが入っている方のでんぶかを考えてなかったかもしれない。
 それから、使う人も、書いてあれば、自分はピンクだと思っているし、茶色を食べている人は自分は茶色だと思っているしと、特に今まで全然問合せがあったわけではないのですね。でも、こちらで精査してよく見ると、あ、そうだったということが分かったりと、いろいろな意味で、こちらが気付く場合もあるし、利用者が気付く場合もあるので、できるだけ利用者のために細分化したいとは、皆で心がけていることです。今回のことも、解説にそれは書いてあるのですね。こういうことだったので、「おしょうゆでんぶ」という名前にしましたと。
【白波瀬委員】  ありがとうございます。
【宮浦分科会長】  ほか、いかがでしょうか。
 石見先生。
【石見臨時委員】  先ほど、脂肪酸、コレステロールの分析のところで、軟体……。
【太田室長】  23ページですね。
【石見臨時委員】  23ページですね。
 「5パーセント以下の甲殻類、軟体動物はフォルチ法で」ということですが、フォルチ法は、クロロフォルムを使うということで、全体的に今クロロフォルムについては、なるべく使用しない方向かっているのですけれども、この辺りの議論はあったのでしょうか。
【安井臨時委員】  ええ、十分ありまして、基本的には、クロロフォルムを使わない方法に変えていこうというのが趣旨ですけれども、それでヘキサン-イソプロパノール抽出法を導入して、変えられるものは変えたのですが、今回例外的になっている甲殻類とかは、ヘキサン-イソプロパノールで十分な良い値が出ない。ですから、限定的にフォルチ法、クロロフォルムを使わざるを得ないのですが、限定的に使うということで使用しております。
【石見臨時委員】  そうすると、分析法の全体としては、クロロフォルムを使わない方に向かっているという理解でよろしいですか。
【安井臨時委員】  はい、そうです。結構でございます。
【石見臨時委員】  ありがとうございます。
【太田室長】  事務局から追加させていただきます。
 今、安井主査からおっしゃるとおりでございまして、数字の変異が、43ページに載っておりますので見ていただければと思います。
 我々は、通常ソックスレー法で脂質を抽出しますが、今回、ヘキサン-イソプロパノール法とフォルチ法で、三つでやっております。主査からお話があったとおり、ヘキサンよりフォルチの方が数字的にはよく出たという形で、今回フォルチ法でございます。
 ただ一方で、石見先生のお話にあるとおり、クロロフォルムについては使わない方向となっていまして、今回、今予算要求の中、脂肪酸においてクロロフォルムはできるだけ使わない方の検討を、来年度要求のためにしておりまして、うまくできれば、予算要求が通れば、来年検証していきたいと思っているところです。
 以上でございます。
【宮浦分科会長】  はい。
【石見臨時委員】  もう一つ、3章ですけれども、内容としましては、今回新しく分析したものについては追加されているという理解でよろしいでしょうか。
【太田室長】  そのとおりです。
【石見臨時委員】  あと、そう菜については、特に増やしたということはないということで、よろしいですか。
【太田室長】  はい。
【石見臨時委員】  ありがとうございます。
【宮浦分科会長】  よろしいでしょうか。はい。
 ほか、御意見ございますでしょうか。いかがでしょうか。
 はい、どうぞ。
【白波瀬委員】  もう一つだけいいですか。
 すごく、これはユニバーサルと言うか、グローバルに、これは日本の中だけでこれだけ厳密にされていると言うか、今食材が本当に輸入品も増えていて、その辺りを、このように厳密に、本当に多分日本が一番厳密ではないかと思うのですけれども、その辺りはどうですか。
【太田室長】  厳密かどうかは分からないのですが、実を申しますと、例えばアメリカの成分表は、大体日本の成分表と、性格が違うのかもしれませんけれども、4倍ぐらいの食品数を占めております。国によっては、日本の2,230とか2,200レベルは、必ずしも多い方ではございません。ヨーロッパの国を見ると4,000ぐらいあったり、カナダでも六千、七千とかあったりしますので、性格が違うので言えません。が、食品の収載にはなっています。
 ただ、加工食品等々、かなり向こうは載せておりまして、生をすごくいっぱい食べているとかそういう訳ではなくて、収載の考え方が違うのかなと思っております。
 あと、分析方法でございますが、我が国の場合は、例えば、多くの場合、AOACという国際的な基準に従って分析しておりまして、外国でも、多くの国は多分AOACという国際的な基準の下に分析していると思いますので、それほどほかの国が悪いという訳ではないのですが、少なくともうちは、世界的に見て、かなり高いレベルの分析をしているのではないかと思っております。
【白波瀬委員】  ありがとうございます。
【安井臨時委員】  補足しますと、AOAC法は、共同試験で再現性、室間再現性が良い方法を採用されているのですけれども、それをコーデックス食品委員会で、それを採用しますということで、要するにコーデックス食品委員会で採用して、公定法のようになったものを、最終的にこちらでは使っております。
【白波瀬委員】  ありがとうございます。
【宮浦分科会長】  今お話がございましたグローバル化の問題ですね、英語版とか、中国語版……。
【太田室長】  そうですね。済みません、忘れました。
 英語版につきましては、今白波瀬先生のおっしゃるとおりでございまして、英語につきましては、実は数か月、2か月ぐらい前ですね、この七訂の完訳を終わりまして、それを従来のExcel表とかも合わせまして、ホームページに載せております。各国からいろいろな御反響を頂いているみたいで、今までこうやった完訳をしたことなかったので、一部だけだったのですが、これを完全に英訳をしております。
 英語につきましては、国際化の基準の中でやっていかなければいけないと思っていまして、追補バージョンにつきましても、徐々に徐々に進める計画をしていまして、うまくいけば、来年、今年の終わりぐらいまで、もうちょっと今よりも英語版ができるのかもしれません。そこは、予算等々今折衝しておりますので分かりませんが、少なくとも追補も含めまして、英語化を考えていきたいかと思っております。
【宮浦分科会長】  よろしいでしょうか。ありがとうございます。
 いかがでしょうか。よろしいですか。
【小長谷分科会長代理】  はい、大丈夫です。
【宮浦分科会長】  それでは、御意見いただきまして、ありがとうございます。
 今回、追補2017年につきまして、お手元にございます、それぞれの追補2017年(案)のとおり、日本食品標準成分表2015年版(七訂)追補2017年、同アミノ酸成分表編、同脂肪酸成分表編、同炭水化物成分表編、こちらにつきまして、資源調査分科会報告として了承することとしてよろしいでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
【宮浦分科会長】  ありがとうございます。
 また、なお今後若干の修正の必要が出た場合には、こちらにつきましては、安井主査に一任してお願いしたいと考えておりますが、よろしいでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
【安井臨時委員】  ありがとうございます。
【宮浦分科会長】  どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、追補2017年(案)につきまして、資源調査分科会報告として了承をすることといたします。
 追補2017年の今後の公表予定等について、事務局から説明をお願いいたします。
【太田室長】  それでは、ありがとうございます。
 その前に、先ほど資料1で、第5部を説明させていただいたのですけれども、抜粋部分については載せておりませんので、傍聴者の方につきましては、後ほどホームページ等々で掲載するようにいたしますので、それを御覧になっていただければと思います。
 それでは、資料2を見ていただけないでしょうか。今御了承いただきました追補2017年についてなのですが、今後所要の手続を進めまして、今年の12月22日金曜日でございますけれども、公表を予定しております。具体的には、この公表内容としては、資料2を予定してございます。
 それでは、かいつまんで、資料2を説明させていただければと思います。「日本食品標準成分表2015年版(七訂)追補2017年の公表について」というペーパーでございます。
 頭の方に四角があります。文部科学省科学技術・学術審議会資源調査分科会は、日本食品標準成分表2015年版(七訂)追補2017年を作成しましたので公表します。日本食品標準成分表は、平成27年に公表した七訂に対して、昨年は追補2016年を公表しました。追補2017年につきましては、食品成分表の一層の充実のため、新規を含めまして148食品を収載しておりますといったことが書かれております。
 1番としましては、先ほど申し上げた表が縷々(るる)書いてございます。
 公表日は、繰り返しになりますが、12月22日金曜日に予定しておりまして、ウェブと書籍で、この日に出す予定をしております。
 公表概要は、次のページをお開きください。「公表について(案)」が載っております。概要につきましては、これまでと説明と全く同じでございますので、簡単に述べさせていただきます。
 本年も、文部科学省科学技術・学術審議会資源調査分科会食品成分委員会において、日本食品標準成分表について更に検討を行いまして、148の食品について新規追加及び成分項目の充実を行ったところ、追補として以下を公表する形で、四つの成分表が書かれております。
 成分表の充実のポイントとして、三つを下に挙げております。まず第1としましては、今回の追補2017年でございますけれども、消費量が多い食品だとか、国民の関心の高い食品の主要成分の項目を充実させましたところでございます。先ほど安井主査から話がありましたものでございますが、例えば、かつお(春獲り)、にしまあじ、みなみまぐろ、赤身も脂身も含めました、そういった例えば魚介類。各種のハム類、ベーコン類、ソーセージ、かなり多くのものでございますが、そういった加工肉類。例えば、そのほか上白糖、お砂糖でございますが、お砂糖等の砂糖類といったものの重要な食品について、要素等の値を、初めて確定することをやらせていただいております。
 それから、日常食べられている食品、調味料のうち、例えばお好み焼きソース、マヨネーズ、全卵型・卵黄型、両方でございますが、こういったものについて、成分値を全面的に改訂しているといったことをやらせていただいております。
 それから、先ほど石見先生から御指摘いただきました、新しい分析、脂質の分析でございますが、脂質を、新しい分析を再分析しまして、こういか、かき、たらばがにといった、魚介類のうち軟体動物、甲殻類等々につきまして、脂質の値をより信頼度の高い値にしているといったことをしております。
 丸2番としましては、組成成分でございます。たんぱく質、脂質、炭水化物についての組成を充実させたといったところ。
 丸3につきましては、新しい食品ということで、一定の観点として、例えば消費量の多いものとして、渡邊先生から指摘がありましたかきフライを含めまして、冷凍ほうれんそう、さくらえび、みずだこ、料理酒といったものを収載させていただいております。
 それから、国民の関心が高まっている食品として、にほんじか、これはジビエという観点でございますが、ほんしゅうじか、きゅうしゅうじか、今までえぞじかというのを収載しておりますが、今回あわせて、ほんしゅうじか、きゅうしゅうじか、別ラインで収載させていただいております。
 それから、消費形態に合わせて細分化したものとして、例えば、めばちまぐろをめばちまぐろの赤身と脂身、それから、あわびとしてくろあわび、まだかあわび、めがいあわびといった細分化もしまして、国民のニーズにできるだけ合うことをしております。
 以上のことでございまして、次のページでございます。今までの沿革、公表の内容につきまして、冊子、ウェブサイトの状況について、予定数を書かせていただいております。
 次のページ以降は、収載のこれまでの状況を書かせていただいております。
 以上、本日御了承いただきました報告につきましてでございます。来年1月頃でございますが、日にちはまだ決まっておりませんけれども、次回の科学技術・学術審議会の総会第59回を予定しておりますが、そこで報告させていただければと思っております。
 以上でございます。
【宮浦分科会長】  ありがとうございます。
 事務局におかれましては、本案にて、公表に向けて所要の手続を進めていただければと思います。
 それでは、議題2に移らせていただきます。資料3について、事務局より御説明をお願いします。
【太田室長】  引き続きまして、座って説明させていただければと思います。
 資料3-1、3-2をお開きください。来年度、平成30年度の食品分析についてのペーパーでございます。
 まず資料3-1でございます。食品分析についての基本的な考え方が書いてあるものでございます。一番頭のところでございます。「考え方」があります。平成30年度は、2020年度八訂に収載できる分析を行う最終年度になりますというところが、今までと違うところでございます。つまり、分析1年掛けて、検討に1年掛かりますので、八訂に載せるのは、今回の平成30年度の分析が最後ということが、基本的には考えられております。なので、そこについて留意しなければいけないと思っております。
 それと、下に1から5番までの基本的な考え方が書いてあります。これにつきましては、これまでの基本的方針を2年前に作っておりますが、それに従っているものでございます。簡単に説明させていただければと思います。
 1番でございます。新規の食品、それから、調理後食品と言われる焼きとか茹(ゆ)でだというのについて、充実する必要があるのではないかという点が、1番目でございます。
 2番目、炭水化物の組成、アミノ酸組成、脂肪酸組成の収載数の増大。これにつきましては、今年、特に追補2017年では、炭水化物をかなり充実して分析してある、収載した点については、今年はこれにかなり力を入れた項目であったということでございます。
 3番でございます。既収載食品の再分析でございまして、これにつきましては1番から5番まで書いてありますが、例えば1番、成分値に疑義のあるものだとか、四訂等の古いデータにつきましては、できるだけ新しいものに載せていきたいと思っております。
 それから、丸3でございます。新たな妥当性確認された分析方法につきましては、例えば、ここには脂肪酸だとか、ヨウ素あるいは食物繊維等と書いてありますが、そういったものにつきましては、できるだけ新しい分析方法で分析していきたいと思っております。
 4番でございますが、既収載食品の追加分析でございます。微量成分、5成分、我々「微量5成分」と言っていますが、ヨウ素、セレン、クロム、モリブデン、ビオチンにつきましては、未測定の食品はまだかなり多いといったところでございます。これは、今年の追補2017年の中では、100食品ぐらいかなりやられたものでございますけれども、ただやっていない食品がまだ数百というか、かなり残っておりますので、それにつきましては、引き続き考慮する必要があると思っております。
 5番目でございます。「地域食品とアイヌ民族食品」と書いてあります。地域の特色のある食品等から、約20食品、新規に追加分析と書かれておりますが、従来も地域食品等々についてやってきたわけでございますけれども、今回ある程度組織立ってと申しますか、新しく、かなり力を入れて分析を予定していきたいと思っております。
 それを踏まえまして、資料3-2を見ていただけないでしょうか。平成30年度分析候補食品でございます。
 これにつきましては、もともと分析候補として、各地方自治体の方、民間の方々、もちろんのこと食品成分委員会の方から御要望を受けておったものを、我々、先生と相談しながら詰めてきたものでございます。ただ、来月だと思いますが、予算出るので、そのときの状況次第で、また再調整させていただきたいと思いますが、現在の姿としてはこうなっていますといったものでございます。
 この中で、例えば1ページ目でございます。幾つか書いてありますが、真ん中より下、「かやきせんべい」というのがあります。「備考」に「地域食品」と書いてありますが、これは、先ほど申し上げた地域食品等々の中で、我々が今回選んで、これはどうかと思ったものでございます。かやきせんべい、それから下に、「あぶらふ」と読みますが、油麩でございます。かやきせんべい、油麩、両方とも東北でよく食べられている食品でございます。
 同じページの一番下に、アイヌ民族食品として「おおうばゆりでん粉」とあります。アイヌの方々がでんぷん質をとるのに、こういったおおうばゆりでん粉というのを使ってきたので、今回の収載候補としてはどうかと思っております。
 同じような形で、次のペーパーから書いてありますので、見ていただければと思います。繰り返しになりますが、地域食品とアイヌ民族食品で、20弱の食品数を挙げております。
 ページ数、5ページ目をめくっていただけないでしょうか。一番頭のところでございます。「まだら 魚でんぶ ピンク色(さくらでんぶ)」と書いてあります。これは、先ほど渡邊先生から御指摘があった、でんぶを今分けておりまして、今まであったでんぶを2つに分けて、おしょうゆ入りとおしょうゆなしでやっていますが、これはおしょうゆなしの方、つまり、さくらでんぶを、来年分析するという形で、ここに告げさせていただいております。
 基本的には、以上でございます。
【宮浦分科会長】  ありがとうございます。
 ただいまの3-1、3-2の資料につきまして、御質問、御意見ございましたら、お願いいたします。
 いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 石見先生、はい。
【石見臨時委員】  まず、微量成分、5成分ですけれども、まだまだ未分析のものが多いという室長のお話だったのですが、成分表はいろいろなところで使われておりまして、例えば国民健康・栄養調査等では、全部微量成分がそろわないとなかなか分析できない、評価できないところがありますので、御苦労が大変多いと思うのですけれども、是非増やしていく方向でお願いしたいと思います。
 それから、そう菜についてです。30年度もそう菜は増やしていかないという方針でよろしいでしょうか。
【太田室長】  そう菜につきまして、今のところ考えているのは、実を申しますと、八訂の中で、そう菜につきましては、第18類というのがこの中でありますが、レトルト食品と冷凍食品等があるところでございますけれども、それと統合させていこうと思っております。総菜全体としましては、八訂の中では、食品の数は、レトルト食品等々含める形でございますけれども、新しい18類という中では増えていくのではないかと思っております。
【石見臨時委員】  そうすると、3章の方のそう菜の表はなくなるということでよろしいですか。
【太田室長】  そのとおりでございます。今のところは、そういう。
 ただ、いろいろな、総菜自体41ありますけれども、なかなか本体の成分表と分析値が違ったり、飽くまで計算値にそっていたりしますので、取扱いにつきましては、実は食品成分委員会の中でこれまで数回にわたって議論しておりまして、また引き続き議論をするのですが、方向性としましては、18類と総菜の食品数を統合いたしまして、新しい18類にしたいといったことを考えております。
【石見臨時委員】  ありがとうございました。
 それから、今、地方の食品を分析するということで挙げてあるのですけれども、この選び方といいますか、47都道府県ありまして、どのような基準で選んだかという。
【太田室長】  基本的には、これは実を言うと、今年各都道府県さんにアンケートとらせていただきまして、アンケートいただいた中で、例えば、自分の県だけで食べているというのは、我々、食品成分表、オールジャパンで使われるものですから、あるので、そういうものは厳しかったのですが、複数県にわたって作られているもの、かなり普遍的に食べられているものについて、我々で、事務局で選定させていただいているものでございます。
 この方法は、できれば来年も同じような形で、各県さんに継続的にアンケートをとらせていただければと思っております。
 それから、先生方から、これ以外についても御提案を頂いておりますので、それを含めまして、今回は食品収載案として作らせていただいたところでございます。
【石見臨時委員】  ありがとうございました。
【渡邊臨時委員】  そう菜のところで、一ついいですか、調味料が、地域によってかなり違いますよね、しょうゆとかみそとか。
 だから、同じ総菜でも、そこを変えるだけで、各地域に対応できるものができるので、そういった意味でも検討した方がいいのではないかと思っております。
【白波瀬委員】  そのそう菜ですけれども、今おっしゃったみたいに、逆に種類がすごく多くなってしまって、それよりも原点に戻ると言うか、そう菜は多くするという方向、今先生の御確認もあったのですが、私がもしあれだったら、そう菜はどんどん少なくなった方がいいかと言うか、もう原点のところで、余り動かないところでデータを出していて、それをどう読むかはユーザーの方に、という方が、ある意味でどんどん責任が遠くなってくると言うか、全ての網羅(もうら)できない感じだし、それは平均値でもとれないしとか、そう思うのですけれども……。
【渡邊臨時委員】  今の選び方は、日本メディカル給食協会とか栄養士会とか、いろいろなところに聞いて、あなたの会社が考える定番の総菜は何ですかというアンケートをとり、そういった研究をして、皆さんが分かるようなきんぴらごぼうとか豚汁とかといったものが収載されているのですね。
 今私が話したのは、地域によってみその種類が違いますよね、食べている。おしょうゆの種類とか。だから、同じきんぴらごぼうでも、地域によってそこが違えば、値が当然ずれてくるので、そういうふうに細分化すれば、各地域に合ったものが使えるのではないかということです。
【白波瀬委員】  なるほど。分かりました。
【宮浦分科会長】  そのほか、御意見、御質問いかがでしょうか。
 地域特有の食品、アンケートによって、都道府県から出ているのをどれぐらい拾い上げられるかですとか、御希望は、2種というのが、その背後に四十、六十あるのか、あるいは、おおむね拾えるのかという……。
【太田室長】  そうですね。実を申しますと、予算をどれぐらい取れるかという前提があって、その中で地域食品をどれぐらいとりたいかというのがありまして、そこは正直に申しまして、今回初めてなので迷ったのですが、先ほど3の1に書かせていただいているのですけれども、120から160ぐらい分析を毎年しております。今年は、140か50くらい多分あるのではないかと思っているのですが、その中で1割弱ぐらい、ないしは1割ぐらいかと我々考えていまして、もちろん食品の中で、かなり地域として、我々知らない食品を食べられているのであれば、その率を高めることもしていきたいかと。挙がってくる食品によるのかと、逃げの答弁でありますが、と思っております。
【宮浦分科会長】  分かりました。
 そのほか、御意見、御質問、来年度に向けてになりますので、いかがでしょうか。
 よろしいでしょうか。それでは、ありがとうございます。平成30年度食品分析のリストの作成につきましては、分析の予算もあると思いますので、そちらを考慮しつつ、最終的な調整をしていただいて、次期の改訂に向けて活用できるようにお願いできればと思います。
 それでは、最後の議題となります、その他についてですが、何かございますか。
【安井臨時委員】  先ほど室長から、新たに分析、妥当性確認された分析法により、脂肪酸、ヨウ素、あるいは食物繊維の再分析が必要な食品という御紹介がありましたけれども、実は、成分表の関係の事業で、新規食品の分析と並行して、毎年度分析法の妥当性検証の調査事業を行っています。
 先ほどのフォルチ法とヘキサン-イソプロパノールを使った脂質の抽出法については、実は平成27年度の事業でやったものでありますし、その中で、もう1つヨウ素の測定ですけれども、魚類のヨウ素で脂溶性のヨウ素が推測される食品が出てきておりまして、従来の成分表の方法は、アルカリ抽出、有機性のアルカリでの抽出だったのですが、それだと抽出されないことが分かって、アルカリ灰化法を使って行う方法を導入しております。それを使って再分析ということですね。
 食物繊維につきましては、昨年度、28年度の調査事業で検討しまして、今食物繊維の定量法はプロスキー法かプロスキー変法ですけれども、前処理の酵素処理が非常に高温で行う、100 ℃とか沸騰水中とか、非常に高温で前処理をするのですが、それに代わって37 ℃で、長時間ですが前処理をして、重量法で測定して、ろ液については高速液体クロマトグラフで、オリゴ糖などを測定する方法、AOAC2011.25という方法が提案されていまして、それをコーデックス食品委員会で、Type1の方法として認定したのですね。そういう機会もあって、それについて昨年度は検討して、それを主軸にこれから対応していこうということにしております。
 今年度も同様に、今年度はアミノ酸の分析法について検討しておりまして、一般のアミノ酸の前処理は、24時間の塩酸での加水分解ですけれども、24時間ですが、実はこれだと、あるアミノ酸は減ってくる。ピーク(分析値の最大値)が、7~8 時間のところにあって、それ以後は減ってくる。あるものについては、24 時間ではまだ分解が足りないというのがあるので、最適の分解時間を幾つか選んで、最適な値を推定するものを得ようと、今事業をやっている最中でございます。
 引き続き、先ほど室長からありましたけれども、来年度はクロロフォルムを代替する方法として、脂質の抽出法を検討するということで、そういうこともやっておりますので、御紹介いたします。
【小長谷分科会長代理】  それに関連して、質問よろしいでしょうか。
 新しい技術を応用していくことになったら、全てのものにそれで置き換えて、全部できないですよね、資金の都合上。
 そうすると、昔のやり方でやったものと最新のやり方で分析したものとの、同じ表例が共載されることになると思うのですけれども、これは、そういう新しい方法ですという、そういう区別というのは……。
【安井臨時委員】  今回紹介しましたドキュメンテーションの最後で、どこのところはどういう方法を使ったとかが……。
【小長谷分科会長代理】  由来の……。
【安井臨時委員】  分かるようにしていきたいとやっています。
【小長谷分科会長代理】  すると、これからは、結局、表は見るだけではなくて、ドキュメンテーションに対して見てくださいということを一般の方々にお示ししなければなりませんね。ドキュメンテーションに対するいざないがあったらいいかなと思いました。
【太田室長】  それは、そうでございます。
 例えば、今、安井先生から話があったのですが、まずはビタミンDという問題もありまして。昔、例えばきのこなどでやっていたビタミンDの分析方法が、なかなかうまいこと出ないという形で、七訂のとき、ビタミンDの分析方法を、図面で書いています。
 それにつきまして、留意分にその旨を書いたのですが、書いてあって読めば分かるのですけれども、文章化しているとして、なかなか分かりにくいところにありまして、先生の御指摘のように、ドキュメンテーションに、できれば表化みたいな形、できればそうした方が分かりやすいのかと思っておりまして。
【小長谷分科会長代理】  きょうみたいに、聞いてらっしゃる方々には、是非そういう先鋒となっていただいて、ドキュメンテーションの部分に新しい情報のあれがあるということをお願いして。
【太田室長】  ドキュメンテーション、手間が掛かってあれですが、非常に時間も手間も掛かるのですけれども、徐々にやっておかないと、ドキュメンテーションで、例えば表化すると分かりやすいという点はありますので、そこについては、少しずつでも導入していきたいと思っております。
【小長谷分科会長代理】  ありがとうございました。
【宮浦分科会長】  貴重な御意見、ありがとうございます。
 分析法が、日進月歩のところと、あとは安全な分析法に変えていくべきところ、また、前処理とか抽出法、抽出効率ですとか、本質的に変えていく部分、いろいろな事情があると思うのですけれども、使い手にとって分かりやすいという御指摘もございましたので、予算の範囲内で変えつつ、よりよいものに変えつつ、いつどう変えたかが、見える化と言いますか、そういう気になったときに見ていただくような表ですとか、そういうものは、常に留意をしておく必要があるのではないかという委員の総意かと思いますので、そちらをお願いできればと思います。
 分析予算のこともあるとは思うのですが、次の、次期改訂に向けたラストチャンス的な部分もあると思いますので、よりよいものを目指して、来年度はまた御尽力いただければと思います。
 その他、一般的な御質問、御意見等はございますか。
【石見臨時委員】  現在、栄養成分表示が義務化になっておりまして、最終的には32年3月まで、栄養成分表示をできる限りすることとなっているのですけれども、成分表を使って表示をする場合も増えてくると思います。
 加工食品の辺りの充実も求められていると思うのですが、その辺りは、先ほど18群を充実させるということだったのですけれども、品目数をそこで増やしていくという観点については、いかがでしょうか。
【太田室長】  事務局でいいですか。
 そこは、先ほどの資料3-1の一番頭にあります、調理後食品のところでございまして、ここを、先ほど白波瀬先生のお話のようにですけれども、ある程度ほかのも使える形で汎用性を持たせつつ、調理後食品を充実していきたいかと思っております。
 先ほど申し上げたとおり、八訂の収載分析は今年が最後でございますので、今年は焼き、茹(ゆ)でといった調理後食品を、今年は力を入れていきたいかと。それが終わった後、ほかの分析にも、逆に言うと力が入れられるのかと思います。
 今年のは32年最後でございますが、これは、事務局としては、できればこの焼き、茹(ゆ)で等の調理後食品に力を入れたいかと思っております。
【石見臨時委員】  ありがとうございます。
【宮浦分科会長】  御指摘のように、表示に向けた唯一のデータになると思いますので、こちらの成分表の充実が、非常に社会的な位置付けとしても非常に重要なところであると思います。
 そのほか、何か、御意見はございますか。よろしいでしょうか。
 それでは、ありがとうございました。本日はこれで閉会させていただきます。御協力ありがとうございました。

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