資料3 有機酸の分析について(案)

1有機酸の測定の目的について

炭水化物の成分値を直接分析により求め、エネルギー計算を行うこととする場合、一部の食品については、有機酸の含有が、差引き法による値と直接分析による値の乖離に影響を与えることが示唆された。

このため、成分表2015年版においては、有機酸の成分値の収載が充実しているドイツの成分表と、野菜のシュウ酸に関する米国農務省資料等を参考に、有機酸の分析を行う食品・成分を選定し、分析・収載を行った。

コーデックス委員会では、有機酸のエネルギーは13キロジュールパーグラム(kJ/g)(3キロカロリーパーグラム(kcal/g))としており、FAO/INFOODSの指針(2012)でもこの係数を用いている。

【論点】

今後も、エネルギー計算に影響を与えるような一定量以上(例えば0.1グラムパー100グラム(g/100g)以上)の有機酸の量を把握することを目的に、分析を進めて良いか?

(研究では、有機酸が食品の呈味成分であることや、抗酸化作用等への注目から、ミリグラム単位での測定も行われているが、有機酸の摂取基準がないことや、微量レベルでは品種・季節等での変動が大きく標準値を求めがたいことから、成分表では対象外としてよいか)

2有機酸を測定する食品と項目について

各食品群別の、有機酸の含有レベルについて、これまでの成分表事業での実績、分析機関での経験、文献をまとめると別紙のとおり。

1)多くの食品で0.1グラムパー100グラム(g/100g)以上:乳酸、リンゴ酸、クエン酸

2)特定の食品で0.1グラムパー100グラム(g/100g)以上:酢酸、グリコール酸、グルコン酸、シュウ酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クロロゲン酸、キナ酸

3)特定の食品で0.1 グラムパー100グラム(g/100g)以上の報告があるが未収載のもの:ピログルタミン酸、プロピオン酸、イソクエン酸*、シキミ酸*(*イソクエン酸とシキミ酸は、分析困難な成分として過去に除外。)

4)どの食品でも0.1グラムパー100グラム(g/100g)未満:ギ酸、マロン酸、p-クマル酸、コーヒー酸、フェルラ酸、オロト酸、イソ酪酸、オキザル酢酸、ピルビン酸

【論点】

今後、1)、2)の成分を中心に、食品の特性に応じて分析項目を担当委員が指定することでよいか?

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