第七期食品成分委員会(第10回) 議事録

1.日時

平成27年1月27日(火曜日)16時00分~18時00分

2.場所

科学技術・学術政策局会議室1

3.議題

  1. 改訂に向けた現状の整理
  2. 今後の予定
  3. その他

4.出席者

委員

安井(明)主査、渡邊主査代理、東委員、生駒委員、石見委員、大坪委員、小河原委員、岡崎委員、久保田委員、齋藤委員、佐々木(啓)委員、佐々木(敏)委員、関谷委員、長尾委員、野村委員、村田委員、安井(健)委員

文部科学省

河合資源室長、中村補佐、他

5.議事録

科学技術・学術審議会 資源調査分科会 食品成分委員会(第10回)


平成27年1月27日


【安井(明)主査】  では、定刻になりましたので、ただいまから第10回食品成分委員会を開催いたします。本日は、お忙しいところお集まりいただき、ありがとうございます。
 本日の委員会は、食品成分委員会ですので、議事は全て公開になります。後日、議事録がホームページに掲載されますので、あらかじめ御了承いただきたいと思います。
 それでは、議事に入る前に、事務局から委員の出欠状況と配付資料の確認の御連絡をお願いいたします。
【中村室長補佐】  本日は、まだ佐々木啓介委員と佐々木敏委員が来られていませんが、委員皆様、全員参加いただくという御連絡を頂いております。
 続いて、資料の確認です。まず、議事次第がございまして、資料1として、横置きの「成分表改訂までの主な作業」という2枚紙。資料2として、「食品の名称、英訳、備考欄について」というA4、1枚紙、両面です。それと、「食品名マスターファイル」、資料2の別紙ということで、A4で厚い両面で書いてある横置きの紙があります。資料3は、「食品の原料となる生物種の英名・学名」で、これもA4、横置き、両面で書いてあるものがあるかと思います。続きまして、資料4ですが、こちらはダブルクリップで留めてあります。資料4として、A4の1枚紙。資料4の別紙1、「アミノ酸整理表」、資料4の別紙2、「脂肪酸整理表」、資料4-3として、「利用可能炭水化物等整理表」というのが付いているかと思います。資料5として、「次期改訂日本食品標準成分表の名称について」ということで、A4の1枚紙がございます。最後に参考資料として、参考資料1、2、3として、「日本人の食品別、たんぱく質・脂質・炭水化物の摂取量」という資料が付いているかと思います。
 お手元にない資料がございましたらお申し付けください。以上です。
【安井(明)主査】  ありがとうございます。よろしいでしょうか。
 それでは、議事に入りたいと思います。議事の1番目、成分表改訂までの主な作業についてですが、改訂までの全体的な流れのお話、資料1です。それと、具体的に食品の名称備考欄などの話、そして、アミノ酸等、3組成の推計についての話の大きく三つに分けて議論を進めたいと思っております。
 それでは、事務局より資料1の説明をお願いいたします。
【中村室長補佐】  はい。資料1でございます。A4の横書きで、「成分表改訂までの主な作業」ということで、お示ししております。
 今までいろいろデータの確定作業等を行ってまいりました。そろそろ全体的な形を作っていきたいと考えております。そこで、それぞれの成分表について、どういうことを今後委員の皆様にお願いしていくのかを、簡単にまとめさせていただきました。
 まず、成分表の本表です。こちらは1章、2章、3章とございます。1章も当然、修正、追加等がございますので、こちらを事務局で修正案、項目等、付け足しながら、安井主査を中心に執筆を進めていただきたいと考えております。
 スケジュール的には、2月、3月中には執筆の依頼をして、3月、5月に原稿の執筆、5月から7月にかけて全体的な意見を皆様から頂きながら、夏ぐらいまでには第1章を作っていきたいと思っております。
 第2章の本表ですけれども、食品名・備考の修正案ということで、事務局で資料2を作成しております。こちらを各委員で確認をお願いしたいと思います。
 また、データですけれども、今までもやってきました分析データの確定を、各作業部会で今年の夏までには全て済ませたいと考えています。
 また、計算食品は、レシピの作成を渡邊委員にお願いしております。それを基に事務局で計算して、各作業部会で収載値を確定していくという形になるかと思います。
 3章の食品群別留意点ですが、これは事務局で新規収載食品を加えた上で様式という形で作成していきたいと思っております。これを各食品群の担当の委員の皆様にお配りしますので、執筆を進めていただきたいと考えています。第3章も、先ほどの第1章と同じ流れで進めていき、食品群ごとに各委員に執筆いただいたものを最後にまとめ、最終チェックを夏ぐらいまでには終わらしたいと考えております。
 資料にはそのほか、調理方法の概要というのもございます。こちらは渡邊委員を中心に確認をお願いしたいと思っております。また、原材料的食品の基となる生物の学名ということもございます。こちらは今回、資料3として出させていただいておりますので、各委員で確認をお願いしたいと思います。
 さらに、今回追加されるそう菜については、まだ章とするか、あるいは参考、別冊とするか、決まっていませんが、一応、ここでは第4章ということで書いています。こちらも調理加工作業部会を中心に検討していただいた上で進めていきたいと思っています。
 また、成分表には、ほかに索引として食品別名、部位別名、調理方法別の一覧や、目次、付記等がありますので、こちらも事務局で案を作成しながら、各委員に確認していただくことになりますので、よろしくお願いします。
 1枚めくっていただいて、今回、成分表本表のほかに、アミノ酸、脂肪酸の成分表の改訂並びに炭水化物成分表を新しく作るということで、こちらも作業を進めていく必要があります。アミノ酸、脂肪酸、炭水化物ということで、同じ流れでいきたいと思っています。
 本表と同じように、第1章で説明があります。これはアミノ酸、脂肪酸は修正するだけで良いのですが、炭水化物は最初から作らなければならないので、簡単な案ではありますが、事務局で案を作り、安井主査を中心に執筆をお願いしたいと思います。こちらのスケジュールも、本表と同じような形で進めていきたいと思います。
 また、各組成の本表ですけれども、分析食品については、今まで各作業部会で収載値を確定していますので、この作業を続けます。
 計算食品については、本表と同様に、レシピの作成を渡邊委員にお願いしています。これができたところで計算をして、各作業部会で収載値を確定していきます。
 あと、推計食品があります。これは、推計の案として資料4を事務局で作成しています。これを確認していただいて、またそれを基に事務局で推計して、各作業部会で収載値を確定していきます。夏までには、推計値も確定していきたいと考えています。
 3章は、基本的には食品群別留意点というのは本表に書いてありますので、載せない予定ですが、特に必要があるものについては、その時々で検討していきたいと思います。
 食品別名も事務局で作成し、各委員に確認して頂きます。
 目次も改めて確認しながら進めていきたいと思います。
 以上が3組成についてです。
 あと、分析マニュアルについてですが、これについても修正案を作りながら、マニュアルも直していきたいと考えています。
 データベース・英訳については、来年の事業で行っていくことになりますので、事務局と委託先で作業を進めながら、適宜、各委員に確認をお願いすることになると思います。
 以上が成分表改訂までの主な作業でございます。
【安井(明)主査】  はい。ありがとうございます。
 御意見等ありましたらお願いいたします。これから皆さんに原稿の依頼が行くことになると思いますので、夏までは大変忙しくなると思いますが、よろしくお願いします。
 どうぞ、御意見がありましたらお願いします。よろしいですか。
 それでは、収載値の確定作業は、各作業部会で今までどおり進めて、これも8月ぐらいまでに決める。それから、今お話がありました原稿は、今後、事務局より食品別留意事項の執筆などの依頼があると思いますので、その際にはよろしくお願いいたします。
 続いて、議題1の具体的なところについて進めたいと思います。
 まず、食品の名称、英訳、備考欄について、資料2と3ですが、説明をお願いいたします。
【河合室長】  では、私から資料2と3をまとめて御説明させていただきます。
 まず、資料2ですが、縦書きの説明紙の後ろに、「食品名マスターファイル」ということで、横置きの大変分厚い資料が付いております。これが、まず、皆様に作業していただくものの第1弾ということで、本日の宿題のその1でございます。
 皆様のお手元に食品成分表があると思いますので、この48ページを開けていただけますでしょうか。「いも類」、「でん粉類」のページになります。今、ここに「食品名マスターファイル」としてお示しした横の紙は、成分表の第2表の一番左側の端っこと右側の端っこを、このエクセルにまとめて「マスターファイル」として出されているものだとお考えください。
 これから、どういった成分表を作る計画しているかというと、まず、次回の成分表については、本の形のほかに、エクセルバージョン、若しくはアクセスファイルのようなデータベースのバージョンで、電子版を作ろうと思っております。
 今、この本を見ていただくと、日本語と英語が入り乱れたような形になって、大変小さな字になっており、この先、成分項目が、また増えますので、このままの状態にしておくと、非常に字も小さくなって、誰も幸せにならないということで、思い切って、日本語と英語の混載方式はやめて、本は日本語で作ります。その代わり、電子版の方は、日本語版と英語版とそれぞれを作って、特に英語版は海外の方が使われますので、ネットに載せて、世界に向けて発信していくという形を考えているところです。
 それから、もう一つ、電子版をつくる際の問題点として、現在の本表は一見データのように見えるんですが、例えば48ページを見ていただくと、「きくいも」があって、その英語名があって、「塊茎 生」とあって、その英語名があるということで、実は一つの食品で4行使っているんですね。1行1データという形式になっていないんです。このまま、これをデータとして扱って、例えば並び替えると、残りの3行がどこかに行ってしまいます。
 備考欄についても、表層と暫定値ということで、2行書きになっていますので、これも並び替えるとどこかに行ってしまうということなので、まず、エクセル版では、1行1データという形で作ろうと考えています。例えば、ちょうど1ページ目は穀物のところですけれども、「アマランサス 玄穀」とか、「あわ 精白粒」という形で、まず一つの名前にして、その英語名を作って、備考は、今、幾つかに分かれて書いてありますけれども、最後は1行にまとめて書くという形で整理しています。
 また、「マスターファイル」には、紫色の字で「うるち、もちを含む」と2行書いてあります。今までは本だったので、「あわ」のところに「うるち、もちを含む」と1個書いておけばよかったんですけれども、これからはデータで、例えば「精白粒」のところだけ見る人もいるので、一応、全ての食品について、備考は埋めていくこととします。本にしたときに見づらければ、それはまた編集をしていこうかと思っているところです。
 日本語版と英語版を作ると言いましたけれども、同時に作業をして、英語のところを非表示にすれば、日本語版になりますし、英語のところだけ見れば英語版になるという形で、できるだけ似た体裁で作って、後で皆さんが、どうしても二つくっつけたいわということであれば、くっつけられるようにもできるような形で作っていきたいと思います。
 一応、英訳については、事務局でやってみました。今、緑色の字で書いてあるところは、2010から変えたところですので、特にそこをよく見ていただければと思います。色の変わっているところは、注目するところです。
 また、今はまだ分析結果が出ていないので書けないといったところは赤字になっていますので、そこは後ほど埋めさせていただきます。
 英語名については、日本人だったら分かることでも、外国の方には分かりにくいこともありますので、必ずしも直訳にはなっていません。並べて対比するようなものでもないので、そこは意味が分かることを優先して書かせていただきました。
 また、いろいろな英語名がある場合がありますが、正しい英語名を決めるのが文部科学省の仕事ではありませんので、そういう場合は二つの英語名をシノニムという形で併記するように書いています。
 例えば、この「マスターファイル」で言うと、真ん中のあたりに「きび 精白粒」というのがありますが、この「Proso millet」というもののほかに、「Common millet」という呼び方もありますので、それをシノニムで括弧書きで追記をさせていただきました。
 本表の英語のほかに、第1章や第3章がございますが、これは皆様の執筆作業が終わらないと英訳ができませんので、やや遅れて英語版ができていくと思っていただければと思います。これは、かなりの作業になりますので、委託なり、外注をして、皆様に確認をしていただきながら進めていこうと思います。
 それから、備考欄について御説明しますが、先ほど、48ページを見てくださいと申し上げたんですけれども、例えば、「きくいも」の備考欄を見ると、米印が付いていて、「表層」と書いてあって、米印が二つ付いていて、「暫定値」と書いてあります。お恥ずかしいことに、私はしばらくこの米印の意味が分からなかったのですが、よく見ると本表の廃棄率のところに米印が付いているので、廃棄率に含まれている30%の中の廃棄した部位が表層ですという意味となります。
 これからデータになって1行になりますと、この米印が違う行になりますので、どこかに行ってしまうといけませんので、今後はこういう米印方式はやめて、例えば「マスターファイル」の7ページの「きくいも」のところであれば、「廃棄部位:表層」、「エネルギー:暫定値」というように、言葉を足して、米印なしでわかるようにしてみました。英語版も同じように直してあります。
 できれば、米印というのは、編集作業上、やりにくいのでなくしていきたいんですけれども、例えば、どうしてもこの成分に注目してほしいから米印を付けたいんだというものが、もし特別にあれば、データベース形式では難しいと思いますが、書籍のときには検討しますので、それは別途お知らせいただければと思います。
 あと、備考欄の変更点については、今まで未同定脂肪酸を含まないというのが幾つか書いてありましたが、栄養計算に殆ど使わないということなので、削除しました。
 今まで成分値も備考欄に並べて書いてありましたが、それも使いにくいということなので、食品を細分化して、できるだけ成分値は備考欄に書かないようにしてあります。ただ、一部残っている成分値がありまして、例えば、硝酸イオンですとか、しょ糖、酢酸量、アルコール量、植物油量といったものは、なかなか表の中に組み込みづらかったので、今はまだ備考欄に残っています。これについても何かございましたら、御意見をお願いしたいと思います。
 それから、現在の成分表の中には「輸入品を含む」とか、「市販品」といった備考があります。これも過去の重要な情報のうちなので、今はまだ残す案にしてありますけれども、正直申しますと、輸入品を含んでいても、備考に書いていない食品があります。この先、付けるのであれば、ちゃんと調べて全部付けないといけないですし、外すのでしたら、全部外した方がよいので、これについてはどうしたらいいかという御意見を頂戴できればと思っています。
 以上が、「食品名マスターファイル」についてです。
 非常に大部になっておりますけれども、各食品群の担当の委員の方、それから、そうでない方も、一度これを見ていただいて、御指摘があればお知らせください。一応、締切を2月末までとさせていただきましたが、年度末、ちょうど皆さんお忙しい時期ですので、どうしてもということがあれば、それは御相談に乗らせていただきます。ただし、意見がない場合も含めて、必ずお答えを頂ければと思います。後ほど、エクセルファイルで皆様に改めてお送りしたいと思います。
 関連する事項ですので、資料3についても、併せて御説明します。
 資料3は、この成分表で言うと、463ページに当たります。食品のもととなる生物の種類と、その学名をまとめた表になっています。既に担当の委員の方には、一度目を通していただいておりまして、それを基に事務局で再整理をしました。
 資料3は横長の表になっていますが、本に収載するのは、食品番号から学名というところまでです。横に「LanguaL」と書いてあって、見なれないコードがいっぱい書いてありますが、これは各国共通で、例えば「アマランサス」だったら、「B1717」と呼びましょうというコーディングをする作業が国際的に進められているので、もしできれば、電子版の方にはこれを含められるといいなと思って、試みに事務局で付けたものです。これも見ていただければと思います。この表も、緑の字のところが変更になっているところです。
 また、学名についても、学者さんによって違う学名を使われているとか、まだ分類が定まっていないといったものもあり、そういったものは併記になっていますので、御承知おきください。
 これについても、先ほどの「マスターファイル」と併せて見ていただいて、何か御意見がありましたら、2月末までに事務局にお寄せいただければと思います。
 この「マスターファイル」が出来上がると、この間にデータが入ると、なんと成分表が出来てしまうということで、大分ゴールに近付いた感がありますので、是非御協力していただければと思います。
 以上でございます。
【安井(明)主査】  ありがとうございます。
 2月いっぱいで確認作業があるわけですけれども、御意見等ありましたら、お願いいたします。
【安井(健)委員】  学名に関してですけれども、今回、学名を変えた食品が私の担当食品群にあるんですが、どうして変えたかというのは、例えば食品群別留意点の中に書く必要はありますか。
【河合室長】  学名までは考えていなかったんですけれども、よろしいですか。
【安井(健)委員】  要らないということですね。
【河合室長】  要らないと思います。
【安井(健)委員】  はい。分かりました。
【石見委員】  よろしいでしょうか。食品名の英語名なんですけれども、USDAのものを参考にしたとか、ヨーロッパのものを参考にしたとか、何か参考にしたものがありますか。
【河合室長】  はい。参考にしているのは、できるだけUSDAとUKを見てやっています。今はどちらかというと米国表記で合わせて書いてありますが、例えば「なす」なんかですと、米国名の「Eggplant」を主にし、英国名の方を併記にしています。
【渡邊主査代理】  先ほど、硝酸イオンとか、しょ糖とかは備考欄でとおっしゃっていたんですけれども、できればエクセル版は、ほかの空欄が多くても、表の中に入れていただいた方が使い勝手がいいかなと思うんです。
【河合室長】  電子版の方は、その方がよろしければそういたしますが、どうしましょう。植物油や、しょ糖も表になっていた方がいいといいでしょうか。
【渡邊主査代理】  「油いため」のところですか。
【河合室長】  「油いため」の植物油です。
【安井(明)主査】  エクセル版ですから入れておいてもらって、最後に消すということができますから。
【渡邊主査代理】  そうですね。では、一応そうしておいていただければ有り難いと思います。
【河合室長】  分かりました。では、できるだけ数値的なものはエクセル版は表にも入れると。書籍版の備考欄をどうするかということは、また別のことなので、そこはちょっと考えさせていただければと思います。了解いたしました。
【渡邊主査代理】  はい。ありがとうございます。
【安井(明)主査】  硝酸イオンは、野菜だけですけれども、全体に対して硝酸イオンを測っているのは、量的に少なかったですかね。
【河合室長】  はい。あとは「お茶」のところに出てくるぐらいですね。野菜全体の中では、硝酸イオンは測られているので、かなり埋まる感じになります。
【安井(明)主査】  そうでしたら、逆に野菜の群については、そこだけ一つ表の項目を増やして、印刷版の中に入れたらいかがかなと思うんですけれども、どうでしょう。
【渡邊主査代理】  印刷版もですね。
【安井(明)主査】  印刷版にです。
【河合室長】  本の方でしょうか。
【安井(明)主査】  本の方です。
【河合室長】  一応、本に入れるか、入れないかについては、事務局としては栄養計算に使うのか、使わないのかで、切ってみました。硝酸イオン自体は、どちらかというと研究者向けのものなので、本で1行入れるかどうかは迷ったんですけれども、皆さんの御意見はいかがでしょうか。
【安井(明)主査】  いかがでしょうか。
【渡邊主査代理】  いや、あった方が便利だと思います。ないと、すっかり忘れる場合もありますし、栄養計算のシステムからは除外されていきますよね。あれば、考えると思います。
【河合室長】  では、本でも、硝酸イオンの欄があった方がよいということでしょうか。
【渡邊主査代理】  あった方がいいと思う。
【河合室長】  一度、最終形を作ってみて、これは字が細かいということになれば、消すのは簡単ですので、今はそういう整理にさせていただきますね。
【安井(明)主査】  はい。お願いいたします。
【河合室長】  硝酸イオンだけでよろしいですか。カフェインとか、テオブロミンとかは。
【安井(明)主査】  それは、本当に一部になってしまうので、よろしいと思います。
【河合室長】  それはよろしいですね。分かりました。
 では、野菜類については、硝酸イオンの欄を作ったものを、一度作ってみるということで了解いたしました。
【齋藤委員】  よろしいですか。
【安井(明)主査】  はい、どうぞ。
【齋藤委員】  本の方で、英語を全て落とすと、僕はちょっと聞き間違ったかもしれないんですけれども。
【河合室長】  はい。本は日本語で作るつもりです。
【齋藤委員】  例えば、この上の項目の部分も、全部英語はなくなると考えればいいんですか。
【河合室長】  どこでしょうか。
【齋藤委員】  ここの上のナトリウム、カリウム、そういうのは。
【河合室長】  成分名でしょうか。
【齋藤委員】  ええ、成分の。
【河合室長】  成分名も日本語のみにしようと思っていたんですが。
【齋藤委員】  分かりました。
【河合室長】  もし必要であれば、成分については英語名と日本語名を対比できるような表を追加します。
【齋藤委員】  1枚増やすと。索引の方ですね。
【河合室長】  あとはタグネームみたいなものが対比できるようなものをどこかに付けるという形でどうでしょうか。
【齋藤委員】  それと、食品名も全部落としてしまう。何かあったら、最後の表を見ろという話になるわけですか。
【河合室長】  食品名の日英対応の表は、本に収載した方がよければしますし、要らないのであれば、なしにしてしまおうと思います。
【齋藤委員】  いやいや、それは、もうないと困ると思うんですよ。ただ、本文の中から落とすのであれば、当然それがないと困る。学名と英名と、今までどおり並んでいるような。
【河合室長】  学名と英名の表は、資料3ですね。
【齋藤委員】  いやいや、本の中で、後ろの方にありますよね。入っていますよね。
【河合室長】  はい。
【齋藤委員】  それは、当然なければ困るということです。
【河合室長】  今申し上げた、463ページの生物の種類と英名と学名の表は残るんですけれども、細かい食品名の、例えば「さんま」だと、「raw」と「baked」があるんですけれども、そういう英語名はやめてしまおうかと思っていたんです。
【齋藤委員】  食品名ぐらいは入れておいてもいいのかなという気もしたものですから。今回は、それは入れないんですよね。
【河合室長】  今回は、一応、本から英語は除く。もしも必要な人があれば、ネットで見ていただくという形を考えていたんですけれども、そこはいかようにでもなるので、御希望次第です。
【齋藤委員】  今までのいきさつから言えば、食品名ぐらいは残しておいてもいいのかなという気もしたものですから、縦に並べるのが大変であれば、横、後ろに付けるぐらいであれば。
【河合室長】  そうなると、例えば「マスターファイル」にあるところの、食品番号の欄と英名という欄が一つの表になりますので、それを巻末に載せるとか、そういうことになろうかと思います。
【齋藤委員】  今までのいきさつから言えば、そういうものがあっても親切とも思うんです。本だから、ネットを見ればいいではないかという話もあるでしょうけれども、とりあえずは本で見る方もいる。
【河合室長】  そうですね。その場合は、すごくよく英語を見ていただく必要があります。ネットだといつでも直せるんですけれども、本になると二度と直せないんですね。今の成分表の英語は、正直すごく間違いが多いんです。なので、今、皆様がきちんと見ていただけるのであれば、本に載せることもやぶさかではございません。
【齋藤委員】  これは、間違いもあるけれども、時代によって変わるものももちろんありますよね。
【河合室長】  そうですね。御意見があったことは分かりましたので、食品名の英名は、できれば本にもあった方がいいということですね。了解いたしました。
【安井(明)主査】  ほか、いかがでしょうか。
 はい、どうぞ。
【佐々木(敏)委員】  電子版ができるというのは、ユーザーから見てとても有り難いことで、どんどん活用が進むだろうと期待をしています。
 そこで質問なんですが、これは、ダウンロードは可能にするのですか。
【河合室長】  エクセルファイルですので、そのまま落としていただけます。
【佐々木(敏)委員】  落とせる。
【河合室長】  はい。
【佐々木(敏)委員】  形式は、エクセルを考えていますか。
【河合室長】  今はそれを考えていますが、御要望があれば。
【佐々木(敏)委員】  というのは、そういう商業のものは、アプリケーションサービスが止まると、読めなくなってしまうわけですよ。したがって、それを超えるような、一般形式のファイルの形式でも、サービスというか、同時にアップしておくと、いつでも読める。要するにテキストファイルとか、CSVの形ですね。
【河合室長】  CSV、はい。
【佐々木(敏)委員】  一応、そういうことも念頭に置いておいた方がよいかなと思います。
【河合室長】  了解いたしました。どうやってやるのか、後ほどご教示下さい。
【佐々木(敏)委員】  はい。後で個別に御相談で。
【河合室長】  また御相談させていただきます。汎用性のあるタイプだと、逆に皆さんが使いづらかったりすることもあるので、今は一番よく使われているものとしてエクセルを考えていますが、おっしゃることは分かりました。
【安井(明)主査】  はい、どうぞ。
【関谷委員】  その関係なんですけれども、書籍のものをPDFファイルにして、ネットか何かに載せるという考え方はないんでしょうか。
【河合室長】  実は今、PDFファイルで載っております。
【関谷委員】  そうなんですか。
【河合室長】  はい。
【関谷委員】  そうしたら、それは同じだということですね。
【河合室長】  それもあった方がよいということでしょうか。
【関谷委員】  いいと思います。
【河合室長】  なるほど。印刷のしやすさとか、そういうことの関係ということですね。
【関谷委員】  そうですね。はい。必要な箇所だけ印刷すればいいと思います。
【河合室長】  なるほど。分かりました。では、エクセル版のほかに、書籍のPDF版もあった方がよろしいということですね。はい。
 今は1類、2類と、類別に分けてPDFになっていますので、その形式は踏襲した形にしたいと思います。
【関谷委員】  そうですね。
【安井(明)主査】  はい、どうぞ。
【久保田委員】  そのままだと、数字とかは変えられないようになっているんですね。私もちょっとその辺が分かっていない。
【安井(明)主査】  いや、エクセルとのことですから……。
【久保田委員】  エクセルでそのままだったら、ダウンロードできていいんですけれども、数字を変えることは。
【河合室長】  アップされているものの数字は改ざんできないんですけれども、落とした後に、例えば皆さんが10を掛けたり、100を掛けたりして変えることは、もちろんできます。
【久保田委員】  そういうのはできるという形ですね。
【河合室長】  はい。
【佐々木(敏)委員】  恐らく、読み取りだけにしておいて、ダウンロードさせる方がよいでしょう。ダウンロードした後で、ユーザー側が数字を変えてしまって、変えたことに気付かなかったりして、こちらも責任になるという事故が起こるのかなと思ったんですけれども。
【河合室長】  編集できない形ということですか。
【佐々木(敏)委員】  そう。編集できない形にしてしまえばいいんです。
【河合室長】  エクセルでもですか。
【佐々木(敏)委員】  ええ。そこからコピーして取り出すことはできても、それ自身のセルの中の数字は変えることができないとしてしまえばいいんです。
【河合室長】  そういうことができるんですね。
【佐々木(敏)委員】  できます。はい。
【河合室長】  分かりました。また勉強に行かせてください。了解しました。
【安井(明)主査】  ほか、いかがでしょうか。
 はい、どうぞ。
【石見委員】  先ほど備考欄の硝酸イオンは載せて、カフェインとかテオブロミンは載せないということだったんですけれども、例えばアルコールのところはアルコールの量とか、パーセントとかが書いてあるんです。ほかの備考欄はどうなるんですか。
【渡邊主査代理】  エクセル上では、先ほど、ここで説明があったものは載せましょうということで、本の場合は食品群ごとに重要なものだけ追加するという。
【石見委員】  ええ。そうすると、硝酸イオンと……。
【渡邊主査代理】  アルコールの場合は、アルコールは入りますよね。今の先生のお話を聞いて思いました。
【石見委員】  それは入ります。はい。
【河合室長】  アルコールは、表の中に入っていた方がいいですか。
【渡邊主査代理】  今、備考欄に……。
【河合室長】  今、備考欄ですよね。備考欄のままだと思っていたんですけれども。
【渡邊主査代理】  でも、表の中に入れた方が、栄養計算にも使えますよね。
【石見委員】  そうなんです。
【河合室長】  その場合は、嗜好飲料類のアルコールは、アルコールの欄を作った方がいいということでよろしいでしょうか。
【渡邊主査代理】  はい。そう私は今、理解しました。
【河合室長】  了解しました。では、嗜好飲料類については、アルコールの欄を作ってみます。本の形でも、入れたバージョンも作ってみますので、見ていただいて、やはり字が小さすぎるということになれば、備考欄に戻します。了解しました。
【佐々木(敏)委員】  これは是非入れていただきたいです。ユーザーから見て、すごく要望が高いと思います。
【河合室長】  調味料もあった方がいいですか。
【渡邊主査代理】  みりん風調味料がありますので。
【河合室長】  分かりました。では、空欄が多くなりますけれども、16類、17類については、アルコールの欄を作るということで検討したいと思います。また出来た形で見ていただければと思います。
【安井(明)主査】  ほか、いかがでしょうか。
【安井(健)委員】  先ほど、輸入品と市販品について意見をということがありましたので、私の意見としては、食品成分表自体が一般に流通している食品ということでくくりが掛かっていますので、輸入品、市販品については区別する必要はないと思います。ですから、備考欄にこれを書く必要はないと考えています。
【河合室長】  いかがでしょうか。
【安井(明)主査】  ほかに御意見ありますか。
【河合室長】  例えば、市販品というのは、家庭で調理したものなのか、つくだ煮のように、お店でつくだ煮を買ったものなのかという区別のために載っているようですけれども、それも落としてしまってよろしいですか。
【渡邊主査代理】  でも今度は、手作りの場合はレシピも載りますよね。
【河合室長】  必ずしもそうではありません。例えば微妙なところですと、食肉の内臓系などは、「ゆで」と書いてあるのが市販品の調理済みのホルモンを買ってきたのか、自分で料理したのかというのかという違いで、市販品という備考が載っているようです。それも落としてしまって大丈夫ですか。
【渡邊主査代理】  内臓のときには、その状態でしか流通していないということで、その製品は生ではなくて、原料としてはゆでたものが売られているというか、そういうものしかみんなが入手しませんよという説明を受けていたんですね。だから、そこには、内臓「ゆで」だけれども、調理したわけではなくて、そこからさらに料理をするもので、原材料なんですよね。だから、食品名として、それが流通していることが分かるような食品名に変更すればいいのではないかなと思います。
 だから、私も、ここで一々、市販品、輸入品と書かなくてもいいのではないかと思います。
【河合室長】  分かりました。
 外国の成分表だと、逆に「ホームメード」という言葉が入っており、メーカーが調理したのか、自分で料理したのかというのを分けて書くようなこともあったので、残さなくてもいいのかなと、迷ったんですけれども、もしも取ってよろしいということであれば、その分スペースができますので、事務局としては大丈夫です。
 ただ、食品群別留意事項のところに、「市販品を分析した」とか、そういうことで残していただくというやり方はあろうかと思います。長年載ってきましたけれども、これは落とすということで、皆さん、よろしいですか。
【安井(明)主査】  よろしいようです。
【河合室長】  分かりました。
【安井(明)主査】  ほか、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 はい。ありがとうございます。
 それでは、続いて、アミノ酸、脂肪酸、それから利用可能炭水化物の3組成の成分表の推計値について、資料4で説明をお願いいたします。
【河合室長】  はい。資料4に入る前に、皆さんにお配りした資料の一番最後に、参考1、2、3という形で三つ、「日本人の食品別、たんぱく質の摂取量」と「脂質の摂取量」、「炭水化物の摂取量」と書いたものがございますので、それを見ていただけますでしょうか。
 これは、実は今回初めてお出しする資料ですが、厚生労働省の実施している「食事しらべ」が、平成24年度の調査から、食品番号別に摂取量のデータを使えることになりました。なので、早速それを頂いてきて、組み替えて計算をしてみたところです。
 参考1は、たんぱく質の摂取量の表です。例えば、一番上に、順位1位で「めし」と書いてあります。これは、一番右に「食品の摂取量(食事しらべデータを食品別に集計)」とありますが、この「食事しらべ」の調査期間の全調査対象が、この期間中に食べた飯の量の合計が一番右の欄に書いてあります。ここでは10,260,000グラムと書いてあります。
 「めし」は、たんぱく質が2.5%含まれておりますので、256,505グラムというのが、この中のたんぱく質になります。こういうふうに全調査客体のそれぞれの食品番号別の摂取量と、そこからどれぐらいたんぱく質を取ったのかというのを計算して、それを多い順に並べて、例えば「めし」ですと、全たんぱく質摂取量の10.4%が「めし」から来ています。次の「鶏卵」からは5.4%来ているんです。それを累計していって、全部足して90%になるところまでで、足切りをしてまとめたのが、この参考1の表になっています。
 つまり、たんぱく質の摂取に当たって、寄与度の高い食品が上から並んでいると見ていただければと思います。
 この表には、網掛けの部分があり、例えば「豚もも」というところに網掛けあります。これは、残念ながら、まだアミノ酸の成分表に収載もされていなければ、分析もしていないという食品でございまして、実はたんぱく質については、網が掛かっている食品が、まだまだたくさんあります。どこまでの食品を量ればいいのかという議論はあるかと思いますけれども、この網掛けは、できるだけ、特に寄与度の高い食品についてはなくしていった方がいいのではないかなと思っているところです。
 次の参考2が脂質について、同じ作業をしたものです。脂質については、かなり脂肪酸成分表が充実していますので、重要な食品については、ほとんど収載がされているか、分析が終わっております。ですから、網の掛かっている食品も、余りたくさんはございません。
 次の参考3は、同じことを炭水化物でやっているんですけれども、炭水化物については、まだ作業が始まったばかりということで、網の掛かっている食品が多いということです。網の掛かっている部分については、もしも何らかの推計で仮の数字を入れられるのであれば、埋めておいた方が、成分表がますます使われるだろうということで、こういうものは、できるだけ推計ができるのであれば、した方がいいのではないかと考えています。
 もちろん、この先、計画的に分析をして数字を埋めていった方がいいものもありますし、非常によいデータが手に入りましたので、まず御紹介させていただきます。
 では、資料4に戻っていただきまして、アミノ酸、脂肪酸の推計についてということで、栄養摂取上重要なものについては、できるだけ推計をしたいということでやってきました。
 昨年のこの委員会でも、御紹介しましたが、佐々木敏先生の研究室で、アミノ酸、脂肪酸の推計方法について、詳細な論文を出されていますので、その手法に従って推計作業をしていくことを考えております。生の分析値やレシピなどから加熱調理品を推計するとか、あるいは類似食品や海外のデータベースから推計するといったことでやっていきたいと思います。
 具体的に御説明しますので、資料4の別紙1をごらんください。これは、アミノ酸整理表です。
 これは、それぞれのアミノ酸の成分値を、窒素ベースのオーソドックスなたんぱく質1グラム当たりに換算して並べたものです。窒素1グラム当たりのアミノ酸素数は類似の食品であれば似ているはずだということで、それぞれ推計に使えるということで、整理表を作りました。
 例えば、1行目「アマランサス、玄穀」というものがあるんですけれども、これは、日本はまだデータを取っておりません。しかしながら、幸いにして、下のグレーのラインで、「AMARANTH、GRAIN、UNCKD」と書いてあるように、USDAでアマランサスを収載しておりますので、このデータをお借りしようと思います。
 例えば、イソロイシンは、USDAではたんぱく質1グラム当たり43ミリグラム入っております。これを換算するのであれば、日本のたんぱく質は12.7ミリグラムですから、43掛ける12.7ミリグラムで560.1ミリグラムが、可食部100グラム当たりイソロイシンとして、計算できるということになります。
 今、この表のアミノ酸の推計方法案というところに、青い字でUSDAから推計するとか、あるいは「おおむぎ」でしたら、1006番の「押麦」から推計するとか、そういう案を事務局で仮に埋めてみました。食品群担当の先生は、是非この欄を見ていただいて、この推計方法でいいのか、悪いのか。あと、事務局は推計しないと書いてあるけれども、こういうことをすれば推計できるのではないかということを見てくださいというのが、この表のお願いでございます。
 個別に注意するべきところをお話ししますと、別紙1の28ページからが魚になっています。魚というのは、先ほどお見せした表でも、たんぱく質の摂取源としては非常に重要な食品になるんですが、実はアミノ酸組成が未測定の食品が多く、空欄がたくさんございます。このままだと、一番大事な食品が抜けてしまうということになるので、魚については事務局の浅知恵で、ちょっと似た魚同士でまとめて書いてあります。例えば、カサゴの仲間とか、タイの仲間ということで書いてあります。本当は、こんなに雑な分類ではいけないんですけれども、データを見ると、意外と白身魚だったらアミノ酸組成は似ているとか、赤身の魚なら似ているということで、そんなに大きな違いがないので、思い切って、この仲間同士でグルーピングして、推計をしてはどうかというのが事務局の提案です。ただ、これはあんまりだというものがあればお知らせください。この魚とこの魚は似ているのではないかというのは、あくまで事務局の私見ですので、そんなことはないよということがあれば、直していただければと思っております。
 もう一つ悩ましいのは、肉でございます。肉は37ページぐらいから記載がありますが、非常に重要なたんぱく源であるにも関わらず、まだまだ空欄が多いです。データを見ると、部位で違うというよりは、赤身と脂身のアミノ酸組成が違うので、脂身が近いもの同士をグループにして推計するか、あるいは赤身と脂身の配合を変えて、似たような脂身のパーセントにして推計するとうまくいくように思えましたので、そういう案で書いています。
 実際、どういう計算をするのかというのは、佐々木啓介先生と御相談しながら進めていければと思っています。
 残りのところについても、事務局も迷いながら作っているので、余り考え方が統一されていなかったり、間違えていたりすることがたくさんありますので、よく見ていただければと思います。これも、2月の末までに見ていただけると助かりますので、よろしくお願いします。
 基本的には、たんぱく質量の多くないものについては、無理に推計しない、逆にたんぱく質の多いものについては、多少無理でも推計をするという考え方にしているつもりです。
 資料4の別紙2は、同じことを脂肪酸でやったものです。これは、脂質1グラム当たりの各脂肪酸を出しており、空欄のところは少ないんですけれども、似た食品から脂質量を基に推計しようというものです。
 字を見ると、緑色になっていたり、青くなっていたりしている部分がありますが、実は、既に脂肪酸はかなりの部分、推計でデータを収載していまして、緑の字は推計値、青い字は計算値で、既にそういう何らかの推計作業をしているものが、かなりたくさんありましたので、一応分かるように色分けをしておきました。残っている部分について、可能なものは日本のデータ、若しくはUSDAのデータを使って推計作業をしていきたいと思っていますので、これも脂肪酸の推計方法というところを見ていただいて、御意見を頂戴できればと思います。
 悩ましいのは、USDAの場合は、日本ほどきちんと脂肪酸を分けて分析していないものが多くて、特に多価不飽和脂肪酸については、n-3とn-6が分かれていないものも幾つかございます。例えば、18.3のαとγのリノレン酸は分けて量っていないのがUSDAはほとんどですけれども、そういうときは思い切ってn-3の方に寄せてしまうとか、割と雑なことを事務局でしておりますので、そういう問題点があるということは御注意ください。これが脂肪酸です。
 最後の別紙3が炭水化物です。これは、ちょっと表の形式が違うんですけれども、基本的にはやっていることは同じです。黄色いラインは、もう既に分析が終わっているもの。緑のラインは、これから分析するものということで、要は白く残ってしまっているところは、データが抜けているというものです。表が一部切れていて申し訳ありません。上欄の水分の隣は「炭水化物-食物繊維」です。次が「食物繊維」で、その隣が、炭水化物から食物繊維を引いた、いわゆる糖質と呼ばれているものを乾物換算した値です。
 これは、USDAだけではなくて、英国成分表もかなりデータが充実しているので、UKと書いてあるのが英国成分表、USDAが米国ですけれども、そのデータがあるものは、できるだけここにたくさん載せてみました。
 USDAとUKと両方あるときには、正直、どっちを取っていいのか、かなり迷うんですけれども、一応、データがそろっている方とか、炭水化物の量が似ているとか、何となく決めています。これはUKの方がいいのではないかといったご意見があれば、事務局には深いこだわりはございませんので、教えていただければと思います。
 また、UKのデータを使うけれども、ガラクトースだけはゼロとUSDAが言っている場合は、USDAのゼロをガラクトースだけは借りるということも一部している案になっています。
 これについては、今までのやり方とは違って、水分で補正をした値を使うというやり方にさせていただければと思います。
 1点注意事項があるのが、バラ科の果物でございまして、20ページ、21ページぐらいにソルビトールだけピンク色になって書いてあるところが幾つかございます。バラ科の果物については、ソルビトールが含まれる一方で、日本で分析していないものが多いので、これについては文献からソルビトールの値を借りています。これは残念ながら水分値のない文献だったんですけれども、この値をそのまま推計値として使わせていただければどうかと考えています。
 炭水化物についても、この推計方法や参照食品でいいのかどうかということについて、御意見を2月の末までに頂戴できれば、大変ありがたいです。
 以上です。
【安井(明)主査】  はい。ありがとうございます。
 それでは、御意見等ありましたら、お願いいたします。
【安井(健)委員】  最初に質問なんですが、私は分野が違うもので、「食事しらべ」のデータというのは、国民健康栄養調査のデータとどういう関係にあるんでしょうか。
【河合室長】  「食事しらべ」の調査が、国民健康栄養調査のデータに使われていると理解しています。
【安井(健)委員】  そうすると、これは11月のある時点の食事を基にしたものですよね。
【河合室長】  そうです。
【安井(健)委員】  そうすると、例えば、イチゴなんかは出ていないデータということですよね。
【河合室長】  季節的な偏りはあるはずです。
【安井(健)委員】  はい、分かりました。このデータがあると、すごく仕事がやりやすいものですから。
【河合室長】  そうですね。まだ、これはたった1年分のデータですし、この先、積み重ねていければと思います。また、そのほかの似たような調査があれば、そういったものも同じように集計して参考にしていけるかなと思います。
【安井(健)委員】  それで、今回の組成の成分表に関する参考資料なので、三つの成分ですけれども、ほかの成分、ビタミンとか、無機質、ミネラルについても同じような表を作っておいていただけると、今後、この委員会で使える場面が出てくると思います。
【河合室長】  はい。
【安井(健)委員】  お願いします。
 それで、いろいろ質問と意見があるんですけれども、まず、アミノ酸の関係ですけれども、加熱調理をした食品で、例えば、アミノカルボニル反応で、炭水化物が反応して、アミノ酸がロスをするとか、ゆでた場合には、煮汁の方に逃げてしまうとか、いろいろな調理中の変化が考えられると思うんです。今回の中では、加熱調理しても変わらないという推定に立っていますよね。
【河合室長】  はい。
【安井(健)委員】  世の中にはと言っては何ですけれども、ドイツあたりには、加熱調理したときに、成分がこの程度変わるという実測のデータに基づいた論文が出ていて、それも利用できると思うんですけれども、今回はいろいろな制約があると思いますから使わないとしても、今後は、例えばそのデータの妥当性を検証した上で、日本でも成分変化率を使っていくということを考えたらいかがでしょうか。
【河合室長】  そうですね。私もそのデータを一部事前に見せていただいたので、実際のデータでどうなっているのかということについて、USDAはどうやっているのかなとか、日本の肉を焼いたときにどうなるのかなというのを見たんですが、そんなに明確な傾向は、ぱっと見ではわかりませんでした。今回は、佐々木敏先生の手法を使うということで、その中では、一応の検証はされているように思ったので、このような整理をさせていただきました。ただ、おっしゃったように、アミノ酸でも脂肪酸でも調理で溶出しやすい成分はあるでしょうし、もうちょっとデータを積み重ねていく中で、見ていければと思っています。
【佐々木(敏)委員】  少し補足で、あくまでも、これはたんぱく質の中でのアミノ酸の相対的割合。総脂質の中における各脂肪酸の相対的割合というものを使って推計するというのが基本です。その場合に、調理したことによって、ある特定のアミノ酸や、ある特定の脂肪酸が他のアミノ酸や脂肪酸よりも溶出しやすいということが顕著であれば、ゆがみが生じます。
 しかしながら、脂肪酸に関しては、既存の食品成分表の中で、「焼き」とか「生」というのがありまして、それを使って、既存の脂肪酸の総体的な成分率が変わるかどうかということを、既存のデータを使って確認をしました。その結果、それほど大きなゆがみは生じないということが分かりました。
 その一方で、むしろ、サンプリングの数の少なさとか、そのときの数字、いろいろな揺れの中に、そういうものが埋もれてしまうであろうと。そして、あくまでも推計であって、特定のものが溶出するということが、他よりも大きなゆがみを生じさせるという根拠はつかめないということで、まずそれは横に置きました。
 そして、同時に、そのことをできるだけ理論的に、それによるゆがみを少なくするために、「生」からは「生」、「ゆで」があるものは、「ゆで」から「ゆで」ということができればしたいということは、一応、念頭に置きました。しかし、事実上、技術的には、それほどうまくできるほどのデータがなかったということがあります。
 それからもう一つ、そういう調理損失、調理損耗における論文が使えるものが、我が国はとても乏しくて、あちこちの市販本には書いてあるのですけれども、たどっていくとペーパーが見つからないということが、実はほとんどでございました。そのために、科学的にそういうものが使いにくいという事情がございました。それで、科学的に使いにくいものは使わない方がよかろう。少なくとも食品成分表のようにオーソライズされたものの情報のみを使うという基本に立って、この推計の方法を作りました。この推計の作り方は、諸外国でも推計に使われているものを参考として、日本で使えるように、我々の研究室がやや改編をしたというものであります。
 まとめますと、あくまでも推計でありまして、いろいろな誤差の足し算になっているということで、その誤差要因を探索し、記述しておくことは大切であろうと考えます。
【河合室長】  はい。分かりました。
【安井(明)主査】  はい。ありがとうございます。
 ほか、いかがでしょうか。
 はい、どうぞ。
【安井(健)委員】  別件ですけれども、INFOODSの考え方でいきますと、分析値というのは、実際の成分表の分析データと、それから、食品を分析した科学技術論文の数値の両方を分析値としているんですけれども、ここで使っている用語の分析値というのは、科学論文に収載されている値という意味を含んでいる言葉でしょうか。
【河合室長】  科学論文の場合は、私は文献値と書いております。ここでの分析値は、文部科学省が測ったものだけです。
【安井(健)委員】  それで、次は推計という言葉なんですけれども、これもまた工夫されている言葉だなと、僕は思っています。INFOODSの用語において、推計値という言葉に含まれるデータというのは、類推値、これは、「生」から「ゆで」を推定するような、類似した食品から、ある数値を推測するような値を類推値という言葉を使っていますし、レシピから計算した値は、計算値という用語を使っています。それから、ほかの成分表から借りてきたデータ、今回もあるようですけれども、それを借用値という用語を使っているんですけれども、ここで使っている推計値というのは、先ほど言った文献に出ている成分値と、今言った三つの類推値、計算値、借用値を含んだ言葉だと考えてよろしいですね。
【河合室長】  文献に出ている言葉は、文献値と呼んでいます。それで、計算値は、推計値と呼ぶかどうかはちょっと置いておいて、今は推計値に入っています。あと、借用値というものが、どこまでが借用値なのか、ちょっと分からないんですけれども、この場合は、USDAのデータを基にして、日本のたんぱく質の量に掛けて計算をしてしまうので。
【安井(健)委員】  それは借用値です。
【河合室長】  一応、今は推計値の中に入れています。余り細かく分けても、結局、分析値か、そうではないかということだけが皆さんの御関心なのかなと思ったので、そうしたんですが、どうでしょうか。
【安井(健)委員】  今回は、起源をどこから拾ってきたかというのが分かるわけで、組成表の場合には、それがしやすいんですよね。同じ食品を分析して、同じデータから引っ張ってきてというのが分かっていますから、いっそのこと、INFOODSに従って、カテゴリーを幾つかに分けて、今回は最後の方に推計値と分析値が明確に区別できる形でということが書いてありますけれども、この中の推計値の部分をもっと細かく分けて、例えばこれは借用値です、これは計算値ですということが分かるように書いておいた方が、国際的な成分表との整合性が取れてくる面があると思いますけれども、どうでしょうか。最後についての意見になってしまいましたが。
【河合室長】  どうやって書いた方が分かりやすいかということなので、今のところは、備考欄に、どうやって計算しましたというのを書いて、数値を括弧書きにしようかと思っていたんです。例えば「USDAのAmaranthから推計」のように書けば、どうやって計算したかが、何よりもクリアになります。あるいは、「これこれの文献から計算」というのを、全部出典が分かるように入れてしまおうかと思っていたんですけれども、それではだめですか。
【安井(健)委員】  それでも、結局同じことですよね。類推値とか、計算値とか、借用値というのを、より詳しく書いたということですから。
【河合室長】  そうです。それで、計算値の定義とか、類推値の定義というものに頭を悩ませないという作戦なんですけれども。
【安井(健)委員】  別に頭を悩ませるようなことではなくて、そういう言葉を使って、成分表の中の収載値が整理されているという、INFOODSで、そういう用語を使っているということなんです。
【河合室長】  そうですね。英語にするときに、どう書くのかというのは、またちょっと別だと思うんですけれども、いずれにしても、推計方法というと言葉は悪いかもしれませんが、計算方法は分かるような整理をきちんとすると。それを備考欄、若しくは留意事項として書くということにします。推計値と呼ぶのか、借用値と呼ぶのかは、1回全部整理ができた時点で御相談をさせていただければと思います。
【安井(健)委員】  はい。最後の質問なんですけれども、この2番のところで、利用可能炭水化物等の推計についての等の中身は、有機酸の意味ですか。
【河合室長】  いいえ。
【安井(健)委員】  違いますか。
【河合室長】  オリゴ糖とかがどっちなのかが分からなかったので、等を付けました。有機酸については、要するにこの表にないものについては、今回はやらないつもりでおります。
【安井(健)委員】  そうすると、有機酸は出ない。
【河合室長】  出ないです。この推計値の中では出ないです。なぜならば、USDAとUKに載っていないからです。
【安井(明)主査】  有機酸については、分析値は載せるけれども、推計はしないということですよね。
【安井(健)委員】  いや、文献値も出ないんですよ。
【安井(明)主査】  いやいや、分析値。分析値のみということでしょう。
【河合室長】  分析値は載せるけれども、推計値は出さないつもりです。
【安井(明)主査】  推計の作業はしませんということ。
【河合室長】  というか、英語のデータがないということ。
【安井(健)委員】  データ自体が少ないんでしょう。
【河合室長】  多分、ドイツ語とかが読めればできるんでしょうけれども。
【安井(明)主査】  推計する基がないからということですよね。
【河合室長】  事務局では基を整理できないということです。
【安井(健)委員】  いや、それはちょっと違うと思いますよ。ドイツのSFK成分表には有機酸のデータが載っていて、ドイツの成分表というのは英語の記述の部分があるんです。英語と、ドイツ語と、フランス語が出ているんですよ。ですから、それは使えますよ。
【河合室長】  どうしても有機酸を載せなければいけない品目について、これを基に載せたいということがあれば、提案していただければと思います。そこまで手が回らなかったというのが、大変正直なところです。
【安井(明)主査】  ほか、いかがでしょうか。はい。
【齋藤委員】  炭水化物、僕のところだけ見ていたんですが、でん粉が入っているのは完全に間違いではないですか。でん粉で換算したということでしょうか。グリコーゲンは入っているけれども、でん粉は入っていないでしょう。
【河合室長】  アサリなどの貝類ですね。これは、USDAのところは、このように確かにスターチで載っているんです。何度も見たんですけれども、これは、さすがに当てにならないということであれば、もう推計しないということで見ていただければ。
【齋藤委員】  そっちで、でん粉に換算したか何かしたんじゃないの。僕は、その中身をよく読んでいないので分かりませんが、普通、直しはされていると思っていたけれども。
【安井(健)委員】  ちょっとよろしいですか。恐らく、これは分析法から来ているものだと思います。もし、数値が動物性食品とか、魚とかに数値が載っているとすれば、もしグリコーゲンがあるとすれば、これで引っ掛かってくる可能性があって。
【齋藤委員】  うん。だから、グリコーゲンをこれででん粉にしてしまったということでしょう。
【安井(健)委員】  でん粉にしてしまったというか、恐らく、それには、日本で言えば最初の前文に当たる部分に、でん粉の定量法はこれこれで、恐らく、これから日本で書くときに、そういう記述も必要だと思うんですけれども、分析法に由来して、でん粉と書いた中には、グリコーゲンとか、デキストリンも含むというような表現をUSDAの場合はしてあるのかもしれません。していないのか、僕は確認していないので分かりませんけれども、日本で出す場合には、そういう記述をすることが必要だと思います。
【河合室長】  分かりました。今おっしゃられているのは貝類のところですね。カニカマはでん粉ではないかと思うんですが。
【齋藤委員】  カニカマはあります。あれは、当然入れていますから。
【河合室長】  貝類のところのスターチに、そういう注が付いているのかというのは、原文を見てみます。
【齋藤委員】  うん。多分、何か書いてありますよ。
【河合室長】  それで、もし見つからないときには、ここは無理にしなくてもいいところなので、削除してもいいかもしれません。原文を確認した上で、御連絡を差し上げます。
【齋藤委員】  あと、ついでに自分のところだけで話しますと、脂質は分析値だけずっと取り上げているので、それはそれでいいのかなと思います。アミノ酸は、推計値で全部入れるつもりでいるんですか。
【河合室長】  はい。
【齋藤委員】  今、空欄のところ。
【河合室長】  はい。
【齋藤委員】  結構、大胆だな。
【河合室長】  はい。
【齋藤委員】  確かに、さっき言った赤身と白身で違うんです。教科書にも書いてある話だから、それは間違いない。ただ、いいのかなというのは、実際問題、ざっくり言えば、アミノ酸というのは、結構重要というか、そんなに変化がないのは分かります。
 ただ、よほど推計ということを強調しておかないと、そっちの数字だけ独り歩きすることがしばしばあると思うので、そこはちょっと気を付けないと、扱いに気を付けてほしいです。
【河合室長】  そうですね。そこで、私も最初はすごく迷ったんですけれども、データを眺めているうちに、何となく行けるような気がしました。割と数字が似ているんです。
【齋藤委員】  それは、確かに否定できないんです。ただ、あくまで推計ですから。
【河合室長】  もちろん、そこはすごく強調してやれればと思います。
【齋藤委員】  その扱いを気を付けていただかないと。
【河合室長】  その上で、さらに、これはちょっと幾ら何でも資源室は大胆過ぎると思ったところは消してください。
【齋藤委員】  それは2月までに、もう一回見させてもらって。
【河合室長】  よく見てください。
【齋藤委員】  細かいところを、ちょっとまた。
【河合室長】  お願いします。
 ただ、本当に魚と肉が埋まらないと、ほかのところを推計で埋めたことが役に立たなくなってしまうんですね。結局、いつまでも疫学上使えないデータということになってしまいますので、そこはよろしくお願いします。
【佐々木(啓)委員】  ただ、数字を眺めていて似ているからという理由では無理なので、そこは考えないといけないかなという感じですね。
【河合室長】  どういう推計方法がいいのかとか、でも、やはり埋められないなら、もうそれはやむを得ないと思うんですけれども、そこは見ていただければと思います。
【佐々木(敏)委員】  よろしいですか。
【安井(明)主査】  どうぞ。
【佐々木(敏)委員】  この数字をリリースするのに、とても注意が必要でしょうね。数字が独り歩きをして、ここに数字があるから、もういいじゃないかという風潮が起こっては、非常に困る。むしろ、ここで利用者を広めて、食品成分表の社会的価値を高めて、もっと精度の高いものを作るべきだという世論に持っていきたいという意図だと思うんです。
 ですから、使う側の論理と、作る側の論理のバランスをよく取ることに尽きると思います。入れられる、入れられないというのと同じ重さで、使うか、使えないかという重さを双方見る。
 そして、考え方としては、ゼロか1か、白か黒かという精度を求めるのは無理で、十分に信頼できるとか、やや信頼できるとか、やや危ないとか、極めて危ないとか、絶対使うなというランクが、本来は付けられて、その定義が作ってあって、これは極めて危ないから触らないようにと。それが、ユーザー本意だと思うんですね。
 ですから、今回も、あくまでもこれは推計であるということをかなり強調した上で、でも、事務局がされたように、相当に大胆なことを利用の便を図り行いましたということを断った上で、こういう作業をして、利用者の便を図るということは、とても大切なことだと、僕は思います。作る側の精度、使う側の便の双方ということですね。
【河合室長】  自分でもかなりやってしまったなという感じの案にはなっているので、もしも、どうしてもということであれば、例えば別表にするということも、最後は可能なんですね。この推計方法自体が信用できないということであれば、本表としないというやり方もありますので、そこは皆さんで見ていただいて、特に魚と肉の方のたんぱく質は特に悩ましいと思いますので、よろしくお願いします。
【安井(明)主査】  ほか、いかがでしょうか。
【石見委員】  すみません。
【安井(明)主査】  はい、どうぞ。
【石見委員】  このアミノ酸の推計方法で、長寿研データからの推計とあるんですけれども、長寿研データも推計なんですか。
【河合室長】  すみません。説明を一つ飛ばしていました。実は、独立行政法人の長寿研でアミノ酸成分表というのを独自に作られていて、似たような手法で推計した成分表を公表されているんですね。
【石見委員】  そうですよね。これ自体が推計したものですよね。
【河合室長】  違うんです。その中で、長寿研さんが独自に分析をされたものが何食品かございまして、そのデータを提供していただけますかとお願いしたところ、快く幾つか提供していただけたので、それは分析値として頂いています。
【石見委員】  分析値を頂いて、それを入れる?・・・。
【河合室長】  分析方法とかも分かっているものを頂いており、ここで「長寿研データ」と書いてあるものは、長寿研が分析をしたデータです。だから、分析値だと思っていただければ大丈夫です。
【石見委員】  ありがとうございます。
【安井(健)委員】  今のことに関連してなんですけれども、長寿研のデータは、例えば我々が分析する場合には、コンポジットサンプルを使って分析するとか、そういう作業をしていますけれども、長寿研はそれをしていないと、僕は思います。例えば、一つの銘柄のサンプルを買ってきて、それを分析していると僕は感じています。ですから、私としては、それはさっきのカテゴリーで言えば、文献値ではなくて、借用値として記載すべきだと思います。
 先ほど言った言葉の順序で、どのぐらいの信用度が置けるというのが決まっていますので、借用値として記載しておけば、それなりに見る人が見れば見てくれると思います。文献値としては、使ってはいけないと思います。
【河合室長】  そうですね。
【安井(明)主査】  分析値ではなくてということでしょう。
【安井(健)委員】  そうですね。分析値ではなくて。
【河合室長】  私たちの成分表でやっている分析値に比べると、点数は少ないし、弱点はあるデータですので、それは分かるようにしておきます。
【安井(明)主査】  はい。ほか、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 食品群の委員の方には、2月いっぱいというお仕事になりますけれども、よろしくお願いいたします。
 続いて、二つ目の議題、次期成分表の名称について、事務局より提案をお願いいたします。
【恒岡】  資料5、「次期改訂日本食品標準成分表の名称について」の説明です。
 日本食品標準成分表の名称については、2010年改訂時、どの時点での最新の情報が収載されているかを明確にする観点から、『六訂日本食品標準成分表』とはせず、『日本食品標準成分表2010』としました。
 一方、長年『何々訂日本食品標準成分表』という名称が定着しており、現行の『成分表2010』は、文部科学省が公表しているものと認識されていないという問題が生じています。
 具体的には、一般のユーザーから資源室への問い合わせで、ほとんどの人が『五訂増補成分表』を文部科学省から公表された最新の成分表だと認識しているようです。
 なお、この問題については、ウエブで「成分表」と検索すると、先に『五訂増補成分表』が検索結果として上がってくるということも、一つの理由と考えられます。
 また、民間の出版社が『食品成分表2014』や『食品標準成分表2014』等の名称に出版年を加えた書籍を販売しているため、『成分表2010』もその一つと誤解されています。また、成分表が毎年改訂していると誤解されることが多くあります。
 このため、新たな成分表においては、出版年に加えて、『六訂』又は『七訂』と付記してはどうかと考えております。
 名称案としては、資料にございます丸1から丸4を考えております。
 丸1は、『成分表2015』を五訂再増補と位置付け、丸2から丸4は、『成分表2010』を六訂と位置付けております。『何々訂』と付記する場合は、六訂とするか、七訂とするかということについてですが、『成分表2010』改訂時、六訂とするには内容が不十分という認識があったことと、FAOのレポートの炭水化物への考慮ができていなかったということにより、『成分表2010』は五訂再増補という位置付けとしたので、2015改訂版を六訂とした方がよいのではないかという御意見を頂いております。
 事務局としては、『成分表2010』が余り知られていないため、2015年改訂版を六訂としてしまうと、『成分表2010』がなかったことになってしまうのではないかという懸念もあるかと考えております。
 先生方には、『何々訂』と付記することについてどうかということと、付記する場合は、六訂あるいは七訂のどちらがよいかということについて、御意見を頂きたいと思います。
 以上が資料5の説明です。
【安井(明)主査】  ありがとうございます。
 付則意見を出したのは私です。2010を決めたときに、なぜ六訂とできなかったかというと、不十分と一遍に言っていますけれども、その前の成分表の在り方懇のときに、FAOの参考情報を出しましょうということで、アミノ酸組成、脂肪酸組成、炭水化物の組成を反映させたいということがあったのですが、炭水化物については手付かずだったんですね。だから、六訂というにはどうだろうかという意見があったと思います。それで、どうしようかということで、では、年を入れましょうかという話で2010にしたのです。訂を入れるのだったら、今回は大手を振って六訂として、年度の2015も入れたらいいのではないかということを考えました。
 2010がかわいそうになってしまうという話は、成分表の歴史を本文の中に入れますので、そこに明確に2010というのを入れたらいいのかなと思っているのです。どうぞ皆さん、御意見をお願いいたします。
【久保田委員】  2010は、せっかくトリアシルグリセロールとか、アミノ酸によるたんぱく質の量とか、そういう新しいものを入れたので、これは足りないという方を強調しないで、新しくやったところで、そのときに五訂とかではなくて、いつ出したかが分かった方がいいということと、五訂とか、増補よりは、むしろ年号の方がいいのではないかということで決めたと思います。せっかく新しいものが入っているので、六訂を無視しないで、2010を増補にしないで、やはり今度のものは七訂にしていただきたいなと思います。
【安井(健)委員】  私は、また別の立場から言いますけれども、今回の食品成分表は、六訂とするのが適当だと思います。どうしてかと言いますと、この3ページを見ていただきたいんですけれども、食品数がどう推移しているかが書いてあります。そうしますと、三訂、四訂、五訂とありますけれども、それにしたがって食品数が増えています。ただ、五訂増補、あるいは2010では、食品数が増えずにむしろ減っています。
 それで、今回の成分表は、食品数が恐らく2,100を超えるような成分表になると思いますので、これはやはり新しい訂の番号を付けて六訂として、炭水化物の組成も別冊として出てきますので、今回のものは六訂の『日本食品標準成分表』とすべきだと思います。ただ、その場合に、2010年のときもそうでしたけれども、いつの時点の情報が入っているかということを示すために、『2015』は必要だと思います。
 結論としては、ここで名称案としてある中では、僕は丸1が一番適切ではないかなと考えています。
 以上です。
【安井(明)主査】  ほか、御意見がある方。
【佐々木(敏)委員】  よく分からなくなってくると思うんですね。何が分からなくなってくるかというと、データベースが縦に伸びたり、横に伸びたりしていくことによって、訂とは何かという定義が分からなくなってくる。したがって、将来も同じような悩みが生じるのではないか。ただ、食品数で決めるという、縦で決めると決めてしまえば、それは明確だと思います。
 参考情報としまして、厚生労働省の食事摂取基準が、かつて何訂と呼ばれていた時代がありました。それを、食事摂取基準に名前を変えたときから、訂の番号を破棄しまして、西暦年を入れるようにしました。しかしながら、厳密に言いますと、数字だけでは、その後の単位が分からないんです。「2010」と書いてあれば年と読むでしょうが、厚生労働省の食事摂取基準の場合は、「年版」と入れると。そこまで必ず書くということをして、先ほどの民間の出版社問題をあらかじめ避けるという手を、一応、そのときに取ったように記憶しています。
 そうすることにおいて、改訂とは何かという定義を考えなくて済む。小さな変更でも、大きな変更でも、とにかくリリースしたら新しいものとするという考え方で、「年版」を付けて、年でやっていこうとしました。
 しかしながら、食品成分表の方は、改訂の定義を余り厳密ではないにしても、ここでのコンセンサスとして作るのであれば、それに従うというのが、私はよいと思います。結局どちらか、私自身は意見がないというか、分かりません。
【安井(明)主査】  ほか、御意見ある方。はい。
【関谷委員】  今後をどう考えていくかが、それをしっかり決めて、今回決めたらいいのではないかなと思っているんです。一つは、今度、電子版が出たときに、書籍版は変えないかもしれないけれども、電子版を少しずつ変えていくのか。
【河合室長】  大変よい御指摘をいただきました。実は、来年の分析するもので、今度の本には間に合わないものもあるんですね。そうすると、データを5年間発表しないのかという問題も、実はあるんです。
 この間、スイスの方からお話を聞いたときには、あちらではバージョン3.1のような形で、いわゆる増補に当たるような改訂を入れていました。日本でも、本になるような大きな改訂は5年に一度でも、途中で中間報告的なものを出すということは、今後の可能性としてはあると思います。
 私は、2010の改訂が改訂に当たらないほどつまらない改訂だったとは思わないんですね。久保田先生がおっしゃったように、かなりの大改訂だったと思います。食品数は増えなかったとしても、別冊も1冊増えているような改訂だったので、それを「再増補」と言うのか、「六訂」と言うのかというのは、皆さんの御判断を仰ぎたいと思いますが、基本的には本が出るような大きな改訂というのは訂なのではないかと感じているところです。
 過去にうっかり『五訂増補』という名前を付けたばっかりに、10年に一度か、20年に一度の改訂だけが訂で、5年に一度程度のものは増補なんだみたいになってしまっても、この先の人たちがかわいそうなので、そうではなくて、やはり本を出すような大きな改訂は、訂なのではないだろうかというのは事務局の気持ちではあります。皆さんの御意見をお待ちしております。
【安井(明)主査】  はい、どうぞ。
【渡邊主査代理】  私は、訂は要らないと思うんですね。何年版にしていただいた方が、例えば、この後、分析した結果が出て、そのために、そのデータを使って推計した食品の成分値も変えなければいけないか、変えた方がいいという場合もありますよね。そうしたら、全体を変えなければいけないことが出てくるかもしれないから、何訂というよりは、何年版としていただいた方が、今後のことを考えるといいのではないかと思います。前は、そういう意図でこの名前になったと、私は理解しているんですね。
【河合室長】  その御意見も大変よく分かります。一方、皆さんも多分そうだと思うんですけれども、「成分表を作っています」と言うと、「今、何訂」と必ず聞かれませんか。本当に何訂という歴史が余りに長くて、文部科学省の成分表は何訂と付いているものだと。訂が付いていないと、改訂されていないんだと皆さんが思っていらっしゃるというのが、事務局の悩みなんです。
 もちろん、宣伝不足というのもあるんですけれども、最初にお送りしたときには、丸1の案がなくて、2、3、4だったのは、『食品標準成分表2015』というのが正式名称でいいでしょうと。ただ、あえて「何訂ですか」と聞かれたら、「七訂に当たります」という意味で、(七訂)という、通称七訂みたいな形を考えてみたというのが事務局の意見です。
 非常につまらないことにこだわっていると思われるかもしれませんが、例えば何か新聞の見出しになるにしても、「七訂いよいよ発行」というと、それは大変インパクトのあることで、「2015発行」というと、また出たのかという感じもして、できれば訂というのを付けてみたいなという気持ちがあるんです。
【渡邊主査代理】  でも、さっき先生がおっしゃったような「15」ではなくて、「15年版」にして、(七訂)だと思います。六ではないと思います。やはり大改訂していると、私は理解しているし、随分増補から見ると変わったと思うんです。だから、どうしてもというんだったら、(七訂)になるかと思うんですけれども、そこを強調するよりは、何年版というところが大きく出た方がいいのではないかなと思います。
【河合室長】  『日本食品標準成分表2015年版(七訂)』。
【佐々木(敏)委員】  「食事摂取基準」は、「栄養所要量」から変えたときに、やはり同じような問い合わせが担当課に入って、「次は、何訂版はいつ出るんですか」ということがたくさんあったそうです。そのようなことがどれくらい消えたかというと、御心配に当たりません。5年たったら消えます。10年たったんですけれども、もう誰も訂と呼ばなくなりました。すなわち10年掛かるということかな。それをどう考えるかです。
【河合室長】  実は、今検索すると、どうも、民間の出版社で『食品標準成分表2015』というのが、もう出ているらしい。それもあって……。
【佐々木(敏)委員】  知っています。なので、数字で止めるのは危ないなと、僕は感じ始めたんです。
【河合室長】  2015年版ということですか。
【佐々木(敏)委員】  ええ。
【河合室長】  なるほど。どういたしましょうか。
【安井(明)主査】  結論は出ませんので、これについては、もう少し時間を掛けましょう。
【河合室長】  了解いたしました。
【安井(明)主査】  ほかに御意見、よろしいですか。
 一通り、今回の議題、予定しているものは終わりましたけれども、皆さんの方から、何かほかでありますか。
 はい、どうぞ。
【安井(健)委員】  一つ、今回の最後の名前が決まってからと思ったんですけれども、利用可能炭水化物の成分表を別冊として出す。あの名前をどうするかというのを、まだ決めていないんですよね。
【安井(明)主査】  そうですね。
【河合室長】  「利用可能炭水化物等成分表」ではないんですか。
【安井(明)主査】  「利用可能炭水化物・有機酸成分表」だと私は思っているのですけれども。
【安井(健)委員】  それもまた今後の検討課題ということに。
【河合室長】  分かりました。テイクノートします。
【安井(明)主査】  はい。検討課題にしたいと思います。
【河合室長】  ありがとうございました。
【渡邊主査代理】  食事摂取基準は、公表されると、セミナーみたいなものを厚生労働省がされている企画がありますよね。成分表も、出したときに、例えば食品業界とか、栄養士界とか、何か対象にセミナーをしていただくと、とても周知が図れるのではないかなと思うんです。もしそういうことも考えていただければ、有り難いかなと思う。
【河合室長】  非常に周知が足りないのは了解しております。その場合、セミナーの先生は、是非、成分委員会の皆様になっていただくという前提をもって、了解いたしました。
【安井(明)主査】  はい。ほか、いかがですか。よろしいですか。
 はい、どうぞ。
【安井(健)委員】  一つ、今後なんですけれども、今、厚生労働省の国民健康栄養調査の話が出ていましたけれども、国民健康栄養調査のバックアップは、健康栄養研究所がやっているんですよね。
【石見委員】  バックアップというか、集計と解析です。
【安井(健)委員】  バックアップというか、基礎的な研究をやっているんですけれども、食品成分表の場合、それをやる部門が現在ないんですよね。
【河合室長】  はい。
【安井(健)委員】  何とかできないものかなと思う。どんなものでしょうか。かつては、栄養研究所と農水省の食品総合研究所がある意味ではバックアップをしていたんですけれども、今はそれがほとんどなくなってしまっているというか、全くなくなってしまっているような状況になっていると思います。皆さんで知恵を出し合って、何とかしたらいいのではないかなと思っています。感想ですね。
【安井(明)主査】  はい。
【石見委員】  アジアの国では、韓国でも、中国でも、恐らくインドでもそうなんですけれども、研究所が出しているというか、国の研究所が発行しているという場合が多いです。何かしら、そういう研究所が関わるというのは、国際的にも認められていることなのかなと思います。アメリカの場合は農務省がやっているということですけれども。
【安井(明)主査】  ありがとうございます。
 事務局の方から、その他ございましたら。よろしいですか。
【河合室長】  はい。
【安井(明)主査】  はい。それでは、ないということですので、本日の議事はこれで終了したいと思います。
 どうもお疲れさまでした。ありがとうございました。

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