第四期食品成分委員会(第1回) 議事録

1.日時

平成18年10月20日(金曜日) 10時~12時

2.場所

三菱ビル 地下1階 M1会議室

3.出席者

委員

 石見委員、大坪委員、岡崎委員、神部委員、久保田委員、齋藤委員、関谷委員、田中委員、長尾委員、野口委員、野村委員、東尾委員、村田委員、安井(明)委員、安井(健)委員、渡邊委員

文部科学省

 小田科学技術・学術政策局長、戸渡政策課長、大山資源室長 ほか関係官

4.議事録

(1)主査代理の選任について

 野口主査の指名により、安井(明)委員が主査代理に選任された。

(2)食品成分委員会運営規則等の決定について

 委員会運営規則及び公開手続きについて、それぞれの案を資料3及び資料4に基づき事務局より説明後、案のとおり決定された。

(3)作業部会について

 作業部会の設置について、資料5に基き事務局より説明後、案のとおり決定された。また、それぞれの作業部会に所属すべき委員について、案のとおり主査から指名があり、全部会の主査として、一括して安井(明)委員が主査から指名された。

(4)公開審議

 以下のとおり。

【委員】
 それでは、ごあいさつをさせていただきます。
 このたび、科学技術・学術審議会資源調査分科会の議によりまして、食品成分委員会が設置され、本日がその第1回の委員会でございます。私が資源調査分科会長より主査に指名されました。何分、不慣れでございますので、どうぞよろしくご指導のほどお願いいたします。
 この委員会は、日本食品標準成分表なる関連資料を整備するという任務を負っておりまして、食品標準成分表は、ご存じのとおり子どもが母親の胎内にいるときから、天寿を全うして生涯を終えるまで、生涯を通じての食設計をしていく上で、基盤となる非常に重要なデータを集めたものであるというふうに私は了解しております。そのような重要な資料を整備することは、常に重要な課題として捉えていいのではないかと思います。このような重要な使命を担当することになりましたことは、本委員会の大変大きな任務でございまして、またそれのお手伝いをさせていただくことを、私大変光栄に存じております。
 皆様のご指導、ご鞭撻をいただきまして、職責を果たしていければというふうに考えております。どうぞよろしくご協力、ご支援のほどをお願い申し上げます。
 簡単でございますが、本委員会の発足に当たりまして、一言ごあいさつをさせていただきました。どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、引き続きまして、科学技術・学術政策局の事務局からごあいさつをいただきたいと思います。

【事務局】
 皆さん、おはようございます。第1回のこの資源調査分科会の食品成分委員会開催に当たりまして、一言ごあいさつさせていただきます。
 委員の皆様には、ご多忙中のところ、委員をお引き受けいただき、また今日この会議へご出席賜りまして、心から感謝申し上げたいと思います。
 今お話がありましたとおり、この食品成分表というのは戦後の国民の栄養改善の見地から、食品に含まれる栄養成分の基礎的データ集として、昭和25年に取りまとめられてから、もう56年がたって、改訂、拡充が重ねられてきたということでございます。実は私もこれには思い出がございまして、私役所に入った年の昭和51年に、当時の資源調査会でこの三訂版の改訂という話が持ち上がって、私も直接ではないんですが、全体を取りまとめる総括的なところで関与させていただきました。大変なこの取り組みをされてきたなという思いがございます。その後四訂、この五訂、さらにこの五訂の増補というような形でここまで来たわけですが、そのとき、30年以上前の話でございますが、当時は戦後の高度成長がもう既に終盤に差しかかったころで、食品の海外からの輸入などが増えたりして、多様な食品が出てきたとか、それから成分、その内容が従来の我々がたんぱく質、脂質などとかそういう基本的なもののほか、微量元素だとか、無機質など、対象も広がったりしていたころで、とても多くの皆さんの力が合わさって、三訂版といったようなものができ、また、今ここまで至ったと思っております。
 この食品成分表というのは、学校給食をはじめとしました各種の給食とか、調理現場などでの栄養管理、指導面ということはもとより、一般家庭における日常生活面でも利用されておるということで、国民健康・栄養調査とか、食料需給表策定などの行政内、あるいは教育、研究面、食育基本法といったようなこともできておりますが、そういったところで幅広く活用されております。これは昭和25年というと、科学技術庁ができたのは昭和31年で、それ以前のGHQの資源の関係の、そこのとき以来からの取り組みであるわけでございます。私も科学技術の関係を担当、科学技術施策というのもとても幅広い中でありますが、これは非常にそういう意味では特異でございまして、非常に国民生活、人の、まさに今我々の研究開発が大学などでも第三の社会の貢献ということがとても言われておりますが、まさに社会貢献そのものをこの当時からずっとやっていまして、研究の成果、分析の成果、そういったようなものが直接見えるということで、私も書店などに行って、当時の科学技術庁というか、文部科学省のこの成果が書店で見られるのはこれぐらいで、すごくうれしかった覚えがございます。そういった思いがございますが、特に幅広く活用されているということで、この今まさに新しい安倍内閣での安心、安全な社会といったところでも、また、国民の健康志向というのが高まってくる中で、このニーズというのは非常に大きいと思いますので、一層の拡充を図っていくということがとても大事ではないかなと思っております。
 具体的に今言いますと、アミノ酸組成表の改訂だとか、ビオチン等の成分表の策定ということで、取り組んでいただきたいということでございます。余りビオチンというと、ちょっと私ピンとこないんですが、アミノ酸組成ということで、アミノサプリとかで、いろいろアミノ酸が話題になっておりますが、こういった点についてとても大事なことではないかなと思っております。
 そういったことからぜひ委員各位から忌憚のないご意見を賜りまして、活発なご議論を頂きたいと思います。我々の健康は、ある意味でこれが支えていると、本当に食品というのは医食同源ではないですが、とても大事な要素でありますので、ぜひ皆さんの忌憚のないご意見で、いい食品標準成分表となるようお願い申し上げまして、私のあいさつとさせていただきます。
 どうぞよろしくお願いいたします。

【委員】
 どうもありがとうございました。
 それでは、引き続きまして、食品成分委員会での調査審議の進め方について、事務局からご説明をお願いしますとともに、委員の皆様のご意見を承っていきたいと思います。
 それでは、室長さん、よろしくお願いします。

【事務局】
 それでは、資料につきまして一括してご説明をさせていただきたいと存じます。まず、本題に入ります前に、手続の関係でございますけれども、資料3をご覧いただきたいと思いますが、委員会の運営規則の案、これは先ほどご議論いただきまして、案がとれまして運営規則になっております。そこで資料5にありますとおり、作業部会を構成するということをお決めいただいたわけでございますけれども、資料3の第4条に、会議の公開の規定がございます。委員会等の会議及び会議資料は、次に掲げる場合を除き公開をするという規定がございまして、その第3号、4号でございますけれども、調査の途中段階の情報で、一定の期日前に公にすることにより、成果を適正に広く国民に提供する目的を損ね、特定の者に不当な利益や不利益を及ぼすおそれがあると認められる案件でありますとか、あるいは個別利害に直結する事項に係る案件、または審議の実施に影響が生じるものとして委員会等において非公開とすることが適当であると認める案件については、非公開とすることができるという規定になっております。
 それで、前回の食品成分委員会のときもそうだったんですけれども、作業部会におきましては、途中段階でのデータというようなものがいろいろと出てまいります。それをそのまま公開をし、またそれについてのご議論というものが外に出ていくということについて、非常に混乱を招くおそれがあるのではないかということで、前回も作業部会については非公開ということでさせていただいているところでございます。そういう関係で、今回も作業部会については非公開でとり行うということとしてはいかがかなというふうに、事務局といたしては考えているところでございます。
 続きまして本題に入らせていただきますけれども、資料6をご覧いただきたいと存じます。先ごろ9月6日でございますけれども、資源調査分科会の方で食品成分委員会を設置するということをお決めいただいた文書でございます。これに基づきまして、今回第1回の会合が開かれておるわけでございますけれども、その調査審議事項が2にございます。大きく3点ございまして、1点目が改訂日本食品アミノ酸組成表の改訂、2点目がビオチン、クロム、モリブデン、セレン、ヨウ素の成分表の策定、その他新規成分の収載について。3点目が将来の成分表の抜本改訂の調査審議に必要となる基礎的な事項についてということでございます。この3点についてご審議をいただきたいというのが資源調査分科会のご決定でございます。
 この1番目、2番目については、別の資料7、8でご説明を申し上げたいと思いますけれども、この決定に至ります背景など含めまして、参考資料でご説明を申し上げます。参考資料2-1、2-2をご覧いただきたいと思います。参考資料2-1、プレス発表資料となっておりますけれども、日本食品標準成分表改訂の進め方についての食品成分に関するデータ整備のあり方等に関する検討会の報告ということでございまして、3月14日に出された、専門の先生方にご議論をいただきました報告書の内容でございます。この先生方のリストは、資料2-2の一番最後についておりますけれども、前回の食品成分委員会で中心的な役割を担っていただいた先生方にご議論をいただきまして、これから改訂のポイントというものにはこんなところがあるだろうというところをおまとめいただいたものでございます。
 そこで、先ほど資料6で申し上げましたような3点をやるべきではないかというご意見がありまして、資源調査分科会でご議論をいただき、これから今回この成分委員会で審議をしていただいてはどうかというふうに考えておるわけでございますけれども、参考資料2-2でございますが、ごくかいつまんでご説明申し上げます。その1ページ目の下の方に2とありまして、五訂増補日本食品成分表の枠組みの中で早急に改訂すべき事項ということで、大幅に見直すのではなくて、枠組みとしては五訂増補成分表の中で、マイナーチェンジをしようというものでございまして、1つがそのアミノ酸成分表の改訂、もう1つが次のページ(2)でございますけれども、ビオチン等の成分表の策定でございます。
 あわせて3でございますけれども、六訂日本食品成分表の策定に向けての検討事項というところございまして、「中長期的にその一層の充実を図る必要がある。このような観点から、五訂増補成分表の枠組みの中での改訂作業と並行して、現行の成分表を全面的に改訂し、六訂成分表を策定するための検討を開始すべきである」という提言の内容となっております。実際、四訂から五訂までの間といいますのは、20年以上あるわけでございまして、そういう意味では、五訂成分表ができて、今直ちにその抜本的な改訂をしなければならないかどうかということには、いろいろご議論があろうかと思いますけれども、例えば、次のページの3番のデータの収集方法というようなご提言もいただいておりますけれども、なかなかまとめて大きな分析にかかる予算を取りにくいといったところもある中で、なるべくお金のかからないといいますか、そういうデータの収集方法というのはないのかというようなご検討なども含めまして、早い段階からいろいろとその検討をしていただいたらいいのではないかというご指摘というふうに理解をいたしております。
 それから、あわせて4ページ目(4)、(5)というのがございますけれども、たんぱく質、脂肪、炭水化物の成分量の算出方法の見直しでありますとか、あるいはエネルギー値の算出方法の見直しにつきましては、FAOでありますとか、そういう国際機関でのいろいろな提言といいますか、検討というものが進んでいるところでございまして、各国が必ずしもそれを採用しているというわけではないようですけれども、やはりそういうその国際機関の動きというものをよくウォッチをして、そういうものとの整合性というものを十分に配慮しながら、見直しを行っていくべきではないかというようなご提言をいただいているところでございます。
 雑駁でございますが、参考資料の説明は以上でございまして、続きまして、資料7をご覧いただきたいと思います。「改訂日本アミノ酸組成表」の改訂について、その改訂作業をこんなふうに進めたらいいのではないかといいますか、その改訂のポイントについて事務局で整理をさせていただいたものでございます。その目的でございますけれども、アミノ酸組成表ですが、机上に置かせていただいておりますけれども、昭和61年に策定をされております。このベースとなっておりますのは四訂成分表でございまして、この後五訂成分表という大改正が行われております。そういう関係で、1にございますけれども、これが四訂に準拠しているということ、それからアミノ酸組成表では分析した窒素1グラム当たりというような形のデータを最初にとっているわけですけれども、こちらの窒素というのがたんぱく質由来でない窒素を含むものになっておりますが、五訂成分表では、非たんぱく質由来の窒素を差し引いた上で、たんぱく質を算出しているといった違いが五訂増補と比べるとあるということ。それから、第1表の可食部100グラム当たりのアミノ酸組成というものの作成に当たっては、四訂のたんぱく質量を使っており、また食品名も四訂をベースにしています。このため、五訂増補成分表というのが今ベースとして使われているわけですけれども、アミノ酸組成がどうかということを知る上では、食品名の突合をしなければいけない、さらには、データ自体も一定の計算式を使いまして算出しなければいけないといったようなことで、利用者の方から非常に不便であるという声があるということで、できることならば、なるべく利用者の便利になるような形で改正をしてはどうかということでございます。この際、分析もいろいろやって、充実させるという考え方もないわけではないんですが、この改訂につきましては、基本的にこの旧来のアミノ酸組成表を使いやすくするという観点で、新たに食品の分析をするというところまでは想定をせずに、改訂を進めていってはいかがかなというふうに考えております。
 2の改訂作業のポイントでございますけれども、1つは、アミノ酸組成表には3表ございますけれども、脂肪酸組成表のときも、可食部100グラム当たりのものだけあればいいではないかというご議論もあったんですけれども、やはり3表すべてこの際改訂してはどうかということでございます。
 それから2番目は、まず食品名でありますとか食品の配列、番号というようなものを、五訂成分表に整合するように直しましょうということ。それからアミノ酸組成表の窒素のデータですけれども、五訂増補成分表のたんぱく質の算出方法が、成分表の第1章の表6というのが11ページにあるんですけれども、その五訂のそのたんぱく質の算出方法というようなものを考慮して、非たんぱく質由来の窒素というのを、例えば野菜類でありますと、硝酸態窒素といったものというのを差し引いたものと同等のものになるように補正をするということとしてはどうかということでございます。
 それから、4番目は第1表のデータを一定の計算式で修正をして、一々ユーザーが計算をしないでも使えるというようにしてはどうかということでございます。五訂成分表でいいますと、28ページに計算式がありまして、この食品の可食部100グラム当たりのアミノ酸量については、次のような計算式を使って、改訂アミノ酸組成表のデータを換算することができますよというふうに書いてあるわけでございますけれども、これによって一々算出をしなくても、もう既にこれで計算がしてあって、そのデータそのものが五訂に沿った形のアミノ酸組成のデータになっているというものにしたいということでございます。
 次のページ、5でございますけれども、ちょっと参考資料をごらんをいただきたいと思います。別添としてお配りをいたしておりますアミノ酸組成表の様式案でございます。別添1でございますけれども、まず表頭でございますが、現在との違いを申し上げますと、一番左に水分が加わっているということ、それから一番右の方でありますけれども、アミノ酸総量、それからアンモニアというものを加えてはどうかということでございます。これはかつての、先ほどご説明しました検討会でも出ていたアイデアでございまして、利用者の便宜など考えた観点からいいますと、こういうものがあるといいのではないかというご議論もあり、事務局といたしまして、加えてはどうだろうかというご提案をさせていただいているものでございます。
 それから、具体的なデータをちょっとごらんいただきたいと思いますけれども、例えば、あわもちというのがございますが、アミノ酸組成表にデータは載っておりません。ただ、これは一番右の備考欄にありますように、五訂増補のデータは、原材料の配合割合、もちあわともち米が50、50というものについて計算で出しているわけですけれども、それであれば同様に、アミノ酸の組成についても、もちアワともち米の組成を用いて算出するということは可能かもしれない。であれば、ここに載せるということもあり得るのではないかということでございます。
 それから、押し麦でございますけれども、これはアミノ酸組成表では強化押し麦を含むということになっております。そういう意味で、現在のアミノ酸組成表と五訂増補成分表の押し麦というものは物が違うということになります。ただ、アミノ酸組成が強化押し麦もそうでない普通の押し麦も同じだと認めていいだろうというということであれば、これもデータとして載せるということは可能かもしれないということで、こういうところもご検討いただかなければならないかなと考えております。
 それから、ベーシックなところで申し上げますと、例えばオートミールのたんぱく質量は、13.7となっております。現在のアミノ酸組成表では、こちらのたんぱく質量は13.5でございます。これは四訂のアミノ酸組成表をつくったときの成分を計ったときは13.5だったわけですけれども、今五訂増補成分表では13.7となっているわけでございます。これを13.5分の13.7倍するなどいたしまして、その組成を出していくということがアミノ酸組成表改訂の基本的な作業でございます。
 それから、2ページ目でございますけれども、うどんにつきましては、五訂増補成分表では、生とゆでたもの、それぞれのデータが載っております。一方、アミノ酸組成表には、生のデータしか出しておりません。このような、ゆでたものの成分表を生のデータをベースにして出してよいかどうかといったようなことも、論点の1つになり得るのではないかというふうに思います。
 さらに、次のページでございますけれども、おからというものがございます。五訂増補成分表では、おからにつきまして、旧来製法と新製法、これは搾り方の違いですけれども、分けて掲載をされております。一方、四訂、アミノ酸組成表をつくった当時は、おからということで製法の区別はないわけでございます。恐らく旧製法だというふうに見られますけれども、この場合、新製法のデータを載せるのかどうかというようなこともご議論いただく必要があろうかと思います。また、まだいでございますけれども、五訂では天然と養殖と分けてございますが、アミノ酸組成表では天然か養殖かの区別がつかないというようになっております。
 さらに、すけとうだらとまだらでございますけれども、アミノ酸組成表ではたらとなっておりまして、これは詳しく資料のもとデータを見ますと、一応すけとうだらとまだらとに分けて出すことは可能なんですけれども、サンプルがそうしますと結構限られてくるということもございまして、そういった場合に、それぞれまだらとそのすけとうだらに分けてデータを出すのが、データの信頼性上どうなのかとか、そういったようなこともございます。
 このように、食品が必ずしもアミノ酸組成表当時のものと五訂増補成分表は一致していないというところにつきまして、それぞれデータをどういうふうにしたらいいかといったようなことをご検討いただけなければいけないかなと考えております。
 それから、別添2、別添3、それぞれ第2表という全窒素1グラム当たりのアミノ酸組成の様式案、それからたんぱく質1グラム当たりのアミノ酸組成の様式案ですが、当然のことながら水分はございませんが、同様の表頭になっておるわけでございます。
 最後にスケジュールでございますけれども、特にいつまでにやらなければならないというおしりがあるわけではないんですけれども、データ等もワーキンググループで詳細を議論をいただきまして、実はもう一つのビオチン等の方の成分委員会を3月末ぐらいに開催しなければいけないかなと思っておりますが、そういう意味で3月末にもう一回本委員会を開きまして、中間的なご報告をしていただき、さらにそこでご議論いただいたご意見等を踏まえまして、検討いただきまして、夏ぐらいまでには一定の成果をこのアミノ酸組成表については出していただけたらいいのではないかなというふうに、事務局としては考えているところでございます。
 続きまして、資料8でビオチン、クロム、モリブデン、セレン及びヨウ素の成分表の策定について、ご説明を申し上げます。先生方ご案内のとおりでございますけれども、日本人の食事摂取基準2005というものが出ております。そちらにおきましては、各種栄養成分についての推奨量でありますとか、上限量でありますとかが定められておるわけでございますけれども、これに基づきまして、栄養指導等がなされておるわけでございます。そういった中で、ビオチン、クロム、モリブデン、セレン、ヨウ素という5つの成分につきましては、そちらの方で推奨量等定まっておるわけですが、成分表の方にデータがないということで、果たして日本人がどれぐらいこういう成分をとっているのか定かでないということもございますし、いざその栄養指導をしようという段階で、どのぐらいどういう物を食べたらいいかということもなかなか難しいというような事態でございます。そういう意味で、これらの成分についての成分表を策定するということは、非常に重要なのではないかというふうに考えておるわけでございます。
 策定作業のポイントでございますけれども、1番、ここで五訂増補日本食品標準成分表の別冊とするといいますのは、物理的に別冊とするという意味もございますけれども、その性格といたしまして五訂、あるいはこれまでの食品成分表皆そうでございますけれども、年間を通じて普通に摂取する場合の全国的な平均値をあらわすという基本的な考え方に立ちまして、1食品1成分ということでできております。そういう考え方に立って、これらの成分についても分析をし、成分表として整えていくこととしてはどうかということでございます。
 それから収載する食品でございますけれども、これは多ければ多いほどいいというのは一方でございますけれども、いろいろとやはりその分析の費用等の問題もございます。そういう観点から、まずは、余り品目を今ここで申し上げるのは適当でございませんけれども、例えば、お米でありますとか、そういう一般に消費量なり摂取量が多い食品、もう一つはビオチンならビオチン、それからクロムならクロムを取り上げてみまして、そんなに日本人がたくさん食べてはいないかもしれないけれども、その食品について見ると、多く含まれているだろうと思われるような食品を選定いたしまして、そういうものを中心に成分を分析をし、成分表として整えていくということとしてはいかがかということでございます。
 それから、分析方法でございますけれども、食品摂取基準での推奨量等の単位、マイクログラムとか、そういうものも考慮しながら、適切な性能特性を有する分析方法というものを決定していかなくてはいけないだろうということでございます。
 それから、サンプリング方法でございますけれども、やはりこういうデータを整える場合に、一番重要なのが分析方法とサンプリング方法でございます。成分値の代表性を確保できるように、サンプリング方法を決定して、事前にどういうふうにやるかということを決めておく必要がございます。
 最後にその分析・定量でございますけれども、今、若干私どもは予算の要求もさせていただいておりますけれども、1から4番までに基づきまして、実際にその食品を分析・定量いたしまして、そのデータについて精査をし、整理をするという必要がございます。概ね次に食品摂取基準が改訂をされるのが3年ぐらい先かなと思っております。必ずしもそのときまでにやらなければどうにもならないというわけではございませんけれども、大体同じぐらいの時期にこれらの成分についての成分表ができるということを念頭に置きまして、3年ぐらいに分けてその分析を実施していくということにしてはどうかと思っております。
 その際、どういう順番でやるかといったときに、初年度に例えばビオチンをやって、その次にクロム、モリブデンをやって、その次にセレン、ヨウ素をやってということではなくて、やはり1つの食品について必要な成分については一緒に分析をしていくということが適当ではないかと思われますので、例えば、初年度については穀類について、必要なすべての成分について分析をするといったようなやり方をする必要があるのではないかなというふうに考えております。
 スケジュールでございますけれども、一応現在その予算の手当てなども要求をしておるわけでございますけれども、来年度実際にその分析・定量に取りかかるという観点から、本年度中に分析方法、それからサンプリング方法、どういう食品をやるかということについて、少なくともその大枠を決定して、来年度その分析をするということにいたしたいというふうに考えております。そういう観点で申し上げまして、本年度中を目途に4までの大枠を決定すると、すなわち3月末ぐらいにもう一度食品成分委員会を開きまして、そのたたき台についてご意見を伺い、決定をするということにしてはどうかと考えております。その後3年分析をし、もちろんその間3年間、分析だけやっているわけではなくて、中間的なご報告なりご検討なりを食品成分委員会を開いてやらなければなりませんけれども、最終的にすべてのその成分表ができるのは、21年度ぐらいというものを1つの目標としてはいかがかなというのが事務局の考えでございます。
 まとめてご説明いたしましたので、あっち行ったりこっち行ったりで恐縮でございますが、そういうことでございます。なお、調査審議事項、大きく3点あるということで、最後に、将来の成分表の抜本改訂の調査審議に必要となる基礎的事項というのがございます。先ほど参考資料でざっくりご説明を申し上げましたけれども、その具体的なご審議につきましては、今このアミノ酸組成表の検討というのが、大体夏までにはあらあら終わるのではないかということを考えておりますし、またビオチン等の成分表の方につきましても、夏ぐらいを過ぎますと、少し時間もできるのかなという感じもいたしますので、アミノ酸組成表のめどが立ってから、本委員会なり、あるいは作業部会なり開いてご検討を進めていただくというようなスケジュールかなというふうに考えておるところでございます。
 長々恐縮でございます。以上でございます。

【委員】
 ありがとうございました。
 意見交換をしていただくわけですが、その前に今大山室長さんのご説明で、ご質問がありましたらどうぞ、伺っておいてはいかがと思いますが、いかがでしょうか。
 どうぞ。

【委員】
 アミノ酸組成表の改訂について教えていただきたいんですけれども、あくまで改訂アミノ酸組成表について、計算に基づいて改訂を行って、新たに食品を分析してやるという話ではないということなんでしょうか。

【事務局】
 基本的に、分析をして新たに加えていくということはしないということでいかがかなというふうに考えております。

【委員】
 例えばアンモニアを入れるとか、それは画期的なことだと思うんですけれども。非たんぱくとおっしゃったのは、遊離アミノ酸は非たんぱくではなくて、たんぱくの方に入れているということですね、きっと。たんぱくではないけれども、そういうことですね。

【委員】
 遊離アミノ酸はたんぱくに入っています。

【委員】
 たんぱくに入れているということですけれども、非たんぱくというのは、アンモニアとか硝酸とか。

【委員】
 そうです。硝酸態とかテオブロミンとか含窒素化合物で、五訂でたんぱく質を計算するときに全窒素から差し引いて計算しているものがありますが、そういったものを非たんぱくとしています。

【委員】
 それを引いたわけですね。そうですね。いい呼び名があるといいですけれどもね。なかなかないから、アミノ酸を量であらわすよということですね。
 よろしいですか。それから進め方ですけれども、アミノ酸の表なんかで、これは作業部会が食品群別のようになっていますけれども、こういう例えば今みたいな計算をして表をつくり直すというようなことに当たって、これは企画部会が中心となって動いてくださるということですか。

【事務局】
 そこは、どういう先生方がいていただけるとその議論ができるかという観点でございまして、例えば穀物について、先ほど申し上げましたような食品が違うものについて、このデータを載せたらいいかどうかということをご検討いただくといったときには、やはり穀物の部会でご議論いただいた方がいいと思いますし、食品群に共通してご検討いただければ足りるという場合には、必ずしも全員の先生方にお集まりいただく必要もないわけでございまして、そういう意味では企画と書いてありますけれども、共通作業部会というような観点でございます。

【委員】
 それではアミノ酸のことについては、後ほどアミノ酸についてのご討論をいただくということにして、ご質問はここまででよろしいですか。
 それでは、進めさせていただいて、最初に作業部会の公開、非公開について、作業部会は非公開にしてはというご提案がございましたが、これについてはいかがでしょうか。これはよろしければ議論いただいて決めてしまいたいと思いますが。作業途中ですので、非公開ということでいかがでしょう。よろしいですか。
 それでは、作業部会は非公開ということにさせていただきます。ありがとうございます。
 それでは、最初に今ご説明のありました3つの事項、特に抜本改訂については後ほどになるかと思いますが、アミノ酸組成表の改訂について、ご議論をいただきたいと思います。どうぞ、忌憚なくいろいろご意見を出していただいて、いい方向に持っていければと思いますがいかがでしょうか。データというのは載せるだけ十分もう準備はありますか。

【委員】
 実は、現在あります改訂アミノ酸組成表をつくるときに、既にアンモニアを計っておりますので、そのデータはあります。ただ、アンモニア自体の測定の不確かさみたいなものは残っていますけれども、結局アスパラギン、グルタミン酸関係のアミドについてのデータが全くアミノ酸組成表を見てもわからないということで、入れる価値が十分あるということで入れた方がいいと考えています。
 それから、今までは水分の項目がなくて、いきなりたんぱく質だったんですね。そうすると、水分を考えて換算することができないというのがありましたんで、水分を入れるということで整理しております。

【委員】
 アミド窒素はアンモニアに入れようということではないでしょう。アンモニアとして蒸発か蒸留かなんかして取り出したデータですか。

【委員】
 アンモニアは、液クロの中にアンモニアとして出てくるものを計算しているはずです。

【委員】
 そうですか。では本当のアンモニアですね。ではそれが載っていても、必ずしもアミド体の窒素がどうかということはわからない。

【委員】
 わからないけれども、ないよりはいいということです。

【委員】
 生鮮の食品なんかでどんどん変わりませんか。

【委員】
 その辺のデータは私の方で押さえてはいないんですけれども、分析センターさんの方でその辺わかりますか。

【委員】
 今すぐとはいかないので、ではそれは調べておきます。私の方で調べてみます。

【委員】
 どうぞ、私ばかり言っているんで、すみません。委員の先生方から積極的にどうぞご意見をいただきたい。
 どうぞ。

【委員】
 アンモニアのデータが入ることに意味があると思うんですけれども、本表に入るとなんていうんですか、同等のような価値というんですか、数値の信頼性とか出てくるので、備考欄の取扱いの方が自然という感じが私はしました。

【委員】
 その点は、企画部会で十分ご検討いただきましょうかね。よろしいですか。

【委員】
 はい。

【委員】
 それからもう一つ、3つの表を作ることについて、何かご意見をいただけそうな気がしますけれども、いかがでしょうか。1日のアミノ酸の摂取量を計算しようと思うと、100グラム当たりが一番便利ですし、それからたんぱく質の栄養価なんかを計算しようとすると、たんぱく質1グラム当たりのアミノ酸組成が出ていると便利ということで、窒素1グラム当たりというのはなかなか、簡単には使いやすいものではないかもしれませんが、でもあるにこしたことはないような気もいたしますが、いかがでしょう。これは窒素換算係数というのは、もともとアミノ酸組成から決めているものですから、こういうことでいいんだと思うんですけれども。アミノ酸組成表も20年ぶりぐらいの、計算のし直しといっても使いやすくなるということですが、新しい五訂増補に従って、対応して使えるということになるということです。分析するとなると膨大なお金のかかることですので。新食品について、新しく掲載された食品について追加するというようなご計画もないですか。

【事務局】
 まずは、そういう分析をしないで、できることをやってはいかがかなというふうに考えております。そのご議論の中で、例えばやっぱり全体見渡してくると、この食品がないとやっぱりなんかすごく変だよねとか、そういうものが仮にあれば、たくさんの分析というのはお金のこともあってどうしようもないと思いますけれども、全くできないということでもないとは思います。そこはご議論の過程で是非必要ということであれば、新しいものを全く排除するつもりも事務局としてはございません。

【委員】
 ありがとうございます。
 どうぞ。

【委員】
 私は、アミノ酸含有量がは新たに分析されるものと思っていましたが、経費の関係から、事務局としては新たな分析の実施を避けたいとの考えのようですが。例えば加工方法によって、アミノ酸の総量がそれほど変わらなくても、組成自体が変わっていることもあるかと思います。従って、加工方法が違っても、総量がそれほど変わらないから、換算して数字を出すというやり方は、私は適しているときとそうでないときがあるように思います。今、主査からもご発言がありましたように、そのような操作によって、計算的に出すことがどの程度の意味があるかを一度確認されてから作業に取りかかることが、大切ではないかなと思いますが。

【委員】
 ありがとうございます。検討課題としましょう。

【事務局】
 ご指摘はよくわかります。

【委員】
 皆さんもご専門でよくご存じのように、たんぱく質の消化率というのは、全般的に90パーセントということでエネルギーを出しているんですね。ですから、残りの10パーセントというのは、それがちょうど塩酸で加水分解したのと一致するかどうかというのは、本当に消化率の問題、だんだんたんぱくの所要量なんていうのは、消化率に基づいてというような動きがありますから、いつかはそう遠くない将来に、かなり抜本的に見直さなければいけないときが来るかもしれませんですね。先ほどご説明がありましたエネルギーもそんなような様子になってきていますし。
 今回は予算その他の関係、それから時間的な関係ということで、今大変貴重なご提案とか、ご意見をいただきましたけれども、ほぼ事務局の提示された改訂作業のポイントに従って作業を進めていってよろしいでしょうか。長く関与してこられた委員の方、このタイムスケジュールはそんなご無理ではないですか。作業部会その他。

【委員】
 アミノ酸組成については、追加の分析をしないということを前提でやっておりますので、時間的には大丈夫だと思います。先ほどあった委員のお話のところについては、各作業部会の中で検討して、どうするかということは検討していきたいと思います。

【委員】
 参考のために幾つか分析してみてということでしたら、実際の基本的なスケジュールには大きな影響なく、それが出なければ進められないということとは違いますから、どんどん進めていただいていいかと思いますけれども。
 よろしいですか。それでは、アミノ酸組成表についてはそういうことで進めさせていただくということにさせていただきたいと思います。
 それから第2番目の課題でありますビオチン等の5成分、これについてご意見ございましたら、どうぞおっしゃっていただきたいと思います。これは今まで全くなかった項目ですので、またなかなか探しても我が国でまとまったデータというのが、私はないと思うんですが、いかがでしょうか。大変現場では困っておられると思いますが、食品摂取基準の方も早々と5年前の答申から載ってしまっていて、成分表の方はまだで、実際食設計したときに足りているのかということを計算できないというような状況にあると思います。今回の仕事で、非常に有意義なデータが得られると思いますけれども、ご意見がありましたら、どうぞおっしゃっていただきたいと思います。
 セレンなんかは、たとえ結果が出ても植物性の食品と動物性の食品とで有効性が全然違うということで、どの程度参考になるかというのは問題があるんですけれども、でもデータがないというのが一番困りますよね。それを論ずることもできないということですので。
 ヨウ素なんかは、随分、日本の海産物に多いということがあるので、個別にデータ持っておられる方はいらっしゃるかもしれないですけれども。恐らく、今のスケジュールですと、平成17年度から20年度ぐらいまでの3年から4年の間に、ご説明にもありましたように、データを逐次出していって、21年度には公表するというご予定のようですから、余りゆっくりもしていられないでしょう。きっと5成分の分析法をこれでいこうということを決めて、それで実際にそれを適用してやっていくということですので、そうするとちょっと時間の感覚がありませんけれども、直感としては余りゆっくりしていられないスケジュールかなとも思いますけれども。てきぱきといかないと、21年度には公表できないんではないかなと心配します。食品、数は絞るとしましても。
 どうぞ、自由にご発言いただいて。

【委員】
 ちょっと教えてもらいたいんですけれども、その分析自体は来年度から3カ年ぐらいを予定にされているんでしょうか。19、20、21の。何食品ぐらいを想定されるんですか。

【事務局】
 一応3カ年、21年度まで、19、20、21の3カ年に分けて分析をしたいと考えております。
 品目数ですけれども、ちょっと今の段階ではこれぐらいということはちょっと申し上げられない段階です。といいますのは、分析費等の関係というのもございますので、そちらをにらみつつということでございます。ただ、この3月ぐらいまでに大体の食品数を、またこんな食品を分析するというのを決める必要はございますが、この年末ぐらいにはあらあら年間にこれぐらいのお金が使えるかなというのは、見えてくるのではないかなというふうに思っておりますので、それを踏まえまして、大体これぐらいの品目数をというようなことをご提示申し上げてご検討いただきたいというふうに考えております。

【委員】
 ありがとうございます。いかがでしょう。
 どうぞ。

【委員】
 分析法については、今年度中に固めておかないと、来年度からお金がおりたときに使えないということで、作業部会の企画のところで、実際に分析機関に依頼したときに使える方法ということで、今まで出ているいろいろな方法の中で一番信頼性が高くて、妥当性が確認されている方法を選ぶという作業をしなくてはいけないと思います。それから、もう一つ各食品群で、どのくらい実際に件数ができるかというのは、予算の関係でわからないということがありますので、各食品群の先生には優先順位をつけてもらって、何点か出していただくということをして、そこで食品群でどこをどういうふうに選ぶかというのはまた別にありますけれども、とにかく予算が使える範囲で優先順位の上からやっていくということを基本にしていったらどうかなと思っています。

【委員】
 ありがとうございます。よろしいですか。
 それでは、貴重なご意見をいただきましてありがとうございます。特に大きな異議はないかと思いますので、概ねご説明のあったスケジュールと方針で作業部会を進めていただいて、また次回の委員会で具体的な分析方法のご提案など、来年に入ると出てきますね。

【委員】
 3月の末の委員会には出す予定にしております。

【委員】
 ありがとうございます。よろしいでしょうかね。そういうことでまいりましょうか。ありがとうございました。
 それでは、3つ目の課題、食品標準成分表の抜本改訂に向けた基礎事項についてということに移りたいと思います。これは議論いただいてすぐに実現というわけにはいきませんけれども、少しずつこの委員会の意見を固めていって、大きな、より充実した改訂につなげていくということだと思います。きょうはその第一歩ということですので、フリートーキングで、こんなことはどうだというようなことを言っていただいていいように思いますが、いかがでしょう。
 どうぞ。

【委員】
 昨今、機能性食品に国民の注目が集まっていると思うのですけれども、特にポリフェノールとかフラボノイドとか、最近ではイソフラボンなんかも注目されています。あと、カテキンとかですね。そういうフラボノイド類、あるいはポリフェノール類について、野菜類を中心にというような、そういうような成分表をつくるというお考えはあるのでしょうかというところをお聞きしたいのですけれども。

【委員】
 どうぞ、では事務局の方から。

【事務局】
 一言で言えば、先生方のご議論によるということになるかと思いますけれども、前回の資源調査分科会、親委員会の方でも同様のご意見といいますか、やったらいいのではないかというご意見が出ておりまして、また、資料の2-2の日本食品標準成分表改訂の進め方についてという資料でいいますと、2ページ目の下の方でございますけれども、機能性成分を含む新たな健康の維持増進にかかわる成分に関する成分表の策定というのがございますけれども、六訂というのは随分時間がかかる先の話だけれども、それのタイミングがいつになるか、割りと早ければそれと一緒でもいいし、そうではなくて、もっと早くそういう機能性食品とかの成分表をつくるという必要があるというのであれば、それの前に策定するということもあり得るでしょうとされています。私どもといたしましては、まず行政ニーズといいますか、非常に高いと思われるビオチンその他5成分をやったらどうかというふうに考えておりますけれども、ポリフェノールその他につきましても、この食品成分委員会でもご議論いただき、また関係省庁の方のご意向がどうかというのもあろうかと思いますけれども、そういうところも踏まえながら、やるべきだということであれば、またご議論をいただいてということになろうかと思います。

【委員】
 ありがとうございました。基本的には、食品成分表というのは栄養素を中心にやっていますけれども、コレステロールのようなものも載っていますので、分析していますから、これは厳密に言えば栄養素ではないわけですけれども、そういうご提案も十分、本委員会では受けとめて考えていこうということだと思います。
 どうぞ。

【委員】
 遠い将来のお話かもしれませんけれども、私どもいろいろ一般の方々のご要望等を聞いていますと、新しいいわゆる輸入食品のような物については、もう本当にいろいろな国から入ってきている物もありますし、ある限定の国からもあると思うんですが、そういった特に輸入食品としていろいろある野菜類、果実類、魚類は、国別というんでしょうか、地域別でも、なんかそんな分類で使いやすい、一般消費者が使いやすいようなものができてくると、使いやすくていいなと、みんながわかりやすいんではないかなと、そんなことを思っております。

【委員】
 ありがとうございます。このごろは食品の起源、トレーサビリティーですか、注目されていますね。特に我が国はエネルギーベースでも40パーセントしか自給していないわけですから、それが現在の食品成分表では、割と上手に取り込んで、主に入手しやすい、入手している物についての分析ということで、外国のことも十分考慮はされているんでしょうけれども、今、安全の方からもすっかりトレーサビリティーが変わりましたので、委員のおっしゃることは非常に大きな貴重なご意見だと思います。
 どうぞ、ほかにありましたら。

【委員】
 先ほど機能性成分の話が出ましたけれども、六訂成分表にそのような成分を入れる場合に、今までの成分表は、すべての食品についてすべての項目を埋めるという原則がありましたけれども、そうではなくてもいいではないかと考えます。それが1つ目です。
 2つ目は、先ほどの資料の中の4ページ目に、炭水化物の成分量算出方法の考え方が出ていまして、単糖、二糖、オリゴ糖、多糖それぞれを定量してというのでありましたが、オリゴ糖までは恐らくは高速液クロで単純なものは定量できるのでしょうけれども、例えば豆などでいいますと、サイクリトールを含んでいるようなオリゴ糖がありまして、それは液クロではよく分離できないという現状にありますので、分析方法を含めた検討が必要になってくるのではないかと思います。
 以上です。

【委員】
 ありがとうございます。おっしゃるとおりだと思いますが、大変難しい問題で、表の中に入れるか、それとも食品番号を指定して別添の資料をつくるというようなことにもなるかもしれませんし、今後検討課題として取り上げていきたいと思いますが。
 なかなか大変ですね。これはいろいろな糖がありますし、単糖、二糖といっても単純にいきませんから、企画部会なんかで申しわけないけれども十分にご検討いただかないと、きっと対処していけないように思います。
 貴重なご意見をいろいろいただいておりますが、どうぞ。

【委員】
 機能性の方の測定もしていたと思うんですけれども、今最も必要なのは機能性成分の定量法が本当に正しいのかということが、僕は非常に思っているんですね。例えば、世界的にいろいろな報告出ていますけれども、抽出包含メタノール、何パーセントメタノールなのかということで全然違ってきているんですね。ほとんどのやつが非常に低く出ている場合があるんです。海外でこれをやって権威だと言われているやつでも、もう一度分析し直すと全然抽出度が違ってきているので、ポリフェノールは非常に重要だというふうには思いますけれども、これを成分表というふうに出すためには相当分析法の検討をしないと、各成分を分析する前に分析方法の確立が必要なんではないかなというふうに思っているんですけれども。

【委員】
 おっしゃるとおりだと思います。機能性成分の測定法、それこそ、研究者ごとにいろいろな方法があって、このデータはみんな比べられないよねという話がいつも出てくるので、やっぱりそれはこちらからの希望ですけれども、機能性をやっている方のどなたかがその核になって、共通してどこでやっても同じ値が出る方法をつくっていただいて、妥当性確認していただいた方法が出てきて、ようやくでは成分表に載せましょうかというプロセスになるのだと思います。その仕事、この成分表をつくるところで始めると、それこそいつになったらできるのだという話になりますので、その辺はぜひとも機能性成分をやっている研究者の方にお願いしたいと思っています。

【委員】
 ありがとうございます。
 どうぞ。

【委員】
 たくさんフラボノイドがあるのだと思うんですけれども、たとえばカテキンとかイソフラボンが特定保健用食品の含有成分になっておりますので、一応厚生労働省の方で認められた方法がありますので、それについてはそれにのっとってやってはどうかと思うのですけれども。また、そのほかの成分については、まだまだ検討が必要かと考えております。

【委員】
 ありがとうございます。先ほどちょっと国際的な整合性や連携がでましたね。食品の名前の統一ということもありますね。国際的には、いろいろな成分表を持っていますので、国の間の横の連絡なんかについて、お詳しい方がいらしたら、ちょっとご意見を伺いたいと思いますが、いらっしゃいませんでしょうかね。
 農水関係はいかがですか。FAOなんかインフーズとかいろいろありますね。インフーズでも世界的な規模で分析をしていますけれども。コーデックスなんかについて詳しい方いらっしゃいませんか。
 コーデックス委員の方もいらっしゃると思いますし、少し頭の片隅に入れておいていただいて、今後の我が国の食品成分というものを進めていく上にご意見があればおいおい承っていきたいと思います。
 どうぞ、まだ若干時間は。どうぞ。

【委員】
 機能性に着目されて整理されるということは、新しい方向性が出されて興味深いものと受け止めていますが、例えばアントシアニン、先ほど話題になったフラボノイドもそうですけれども、かなりの種類の化合物が含まれており、その機能は化合物の種類によってかなり違っていると思います。また、その生理機能もまだ研究中の部分もあると思います。このため、どのように表示していくかというか、収録するか。そこが非常に難しいと思います。従って、総論は大変結構なことと存じますが、各論的には大変難しい仕事であるかと個人的には考えます。

【委員】
 ありがとうございます。実際に1つの批判に耐える分析法を、これでいきますというのを決めて、それを適用してさらにそれに分析上に障害が少ないと言える状況までもっていくのでしょう。委員のご意見では相当力を入れて時間をかけていかないと対応し切れないだろうということかと思います。
 どうぞ。

【委員】
 1つ食品成分表に載せるときの規準として、1つの例えば摂取量が決められているときとか、例えばイソフラボンですとどのぐらいのガイドラインというのが出ましても、そういったものが出たものについては載せましょうという1つの規準を決めておいた方がよろしいと思います。前のあり方の委員会のときも、やはりそういった基準があるものについては載せることを考えましょうということに整理したことがあります。

【委員】
 そういう物差しがありますと、選択がいいですね。どうぞテイクノートしておいていただいて、よろしくお願いします。
 どうぞ。

【委員】
 機能性成分も大事だと思うんですが、炭水化物のところを分離して測定していただくと、とても栄養学的には意味があると思います。やっぱり果物は全部果糖かというような質問とか、でも果物によって、糖尿病の患者さんの影響が違うのでという質問もよく来るんで、その辺もぜひお願いしたいと思います。

【委員】
 それは実際に栄養士教育に当たっておられる委員、いかがですか。指名して申しわけないんですが。

【委員】
 最近は特にそういうご質問が多くなってきていますので、やはりできることだったら、そのような方向でお願いできればと思います。

【委員】
 ぜひこれもテイクノートして、将来の課題としておいていただきたいと思います。
 きょうは第1回目ですから、フリートーキングしていただいて、また次回の委員会まで考えて、これはなるべく早目にやった方がいいとか、これはなかなか難しいから少し慎重に対応していこうとか、いろいろなご意見が出ると思いますので、きょうはまず課題を大いに出し合って、考える素材をつくっていこうかなというようなことでいかがかと思います。
 どうぞ。

【委員】
 キノコを考えていきますと、例えばシイタケですと栽培方法が30年前に比べて今と大分少しずつ変わってきていたりしていますので、アミノ酸でも原木栽培のシイタケだったのが、このところ菌床栽培、オガコ栽培の、アミノ酸量が少し違ってきているんですね。それでちょっと確認の意味で聞いたんですけれども、フリートーキングのあれですと、要するに栽培方法なんて変わってきているんで、その辺もやっぱりこれはキノコなんですけれども、ほかでも違っていると思いますので、その辺も考えていく必要があるのかなというふうに思っております。

【委員】
 ありがとうございます。いろいろ新しいキノコが流通しているように思いますけれども、委員のお立場からカバーの状態はいかがでしょうか。大体カバーされている方でしょうか。

【委員】
 そうですね。五訂の方でもかなり入れていますんで、ただやっぱり気になったのは、この改訂アミノ酸ですと3種類のキノコしかないんで、それでもう少しふやすのはどうかというのを確認したかったんです。費用の関係で難しいと、しようがないとは思うんですけれども、おいおい考えていただきたいなというのはあります。

【委員】
 いかがでしょうか。キノコなんかだと、アミノ酸をはかっても消化率なんかもちょっと心配になってしまう。

【委員】
 確かにそうかもしれないですけれども、例えばブナシメジ、生産量でいくとやっぱりブナシメジはかなり多い生産量ですので、その辺があったらいいかなというのは思っております。

【委員】
 ではもし、幾つか試験的な分析をするというようなことになりましたら、今のご意見も配慮していただいて、試験分析でかなり使えそうだという分析値が出れば、新食品の分析結果の部類に入ってくるかと思います。
 時間もぼつぼつ来ておりますので、このチャンスに言っておいた方がいいというようなことがあれば、そろそろ言っていただいた方がいいかと。

【委員】
 言っておきたいことを言っておきます。
 炭水化物が差し引きになっていて、その中に有機酸も入ってきているんですね。いろいろなものを組成として出したいということなので、ぜひ有機酸の組成も糖の組成と一緒に考えていかなくてはいけないかなと思っております。

【委員】
 ありがとうございます。そうですね。今やっと分析が、大分前からですけれども、相当正確に出るようになっていますので。昔は難しかったからとても大変でしょうけれども。有機酸は非常に重要な項目になるとは思いますね。これも十分、今後の課題として検討するべくテイクノートしておいていただいたらと思います。
 ありがとうございます。よろしいですか。この際一言、言っておくという方、いらっしゃいませんか、よろしいですか。
 大変活発な貴重なご意見をいただいて、今後進めていく上で非常に有益なご教示をいただいたと思います。
 それではとりあえずここで議論をぼつぼつ収れんさせていただきたいと思いますが、よろしいですか。
 まだ若干時間はありますが、予定の時間も迫ってまいりましたから、審議はこれまでといたしまして、今後の日程等について、事務局からご説明をお願いしたいと思います。
 どうぞ、室長さん。

【事務局】
 今後の日程につきましては、作業部会の日程等も含めまして、改めてご相談をさせていただきたいと思います。なお、きょうの資料ですけれども、アミノ酸組成表の冊子ですけれども、オフィスにお持ちでない方、お持ち帰りいただいて結構でございます。ただ残部が余りありませんので、オフィスの方にお持ちであれば、毎回ご審議の際には座席に置かせていただきますので、置いておいていただけると助かります。
 以上です。

【委員】
 それでは、私の了解では作業部会に属しておられない方もご希望があれば陪席しても構わないんですね。

【事務局】
 はい。

【委員】
 むしろ歓迎されるぐらいですから、そのように。そうすると作業部会のこういうふうに開催されますというのは、全委員に連絡が来ますか。

【事務局】
 ご連絡するようにいたします。

【委員】
 作業部会は興味があると思って来ていただければ、それは歓迎されるそうですので、ぜひ必要があればご意見をいただければと思います。
 それでは、不慣れな司会で十分議論をしていただけたかどうか、若干不安が残りますが、どうぞ今後ともこんな調子でおりますので、叱咤激励していただいて、いい成分表、非常に有用な成分表ができる方向に、意欲だけは十分ございますので、多いに個人的にも会議でも大いに言っていただいて、私を督励していただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは本日はこれで閉会させていただきたいと思います。お忙しいところをまことにありがとうございました。次回もよろしくお願いいたします。また、作業部会の先生方、頻繁な会議があって、大変なご苦労をおかけすると思いますが、今後もよろしくどうぞお願いいたします。特に主査代理にはいろいろ多くの作業部会全部取り仕切っていただくので、非常なご苦労をおかけしますが、よろしくお願いいたします。また、事務局の方々、本日は大変行き届いたご配慮をいただきましてありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします。
 それでは散会いたします。どうもありがとうございました。

午前11時38分閉会

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