第四期食品成分委員会(第2回) 議事録

1.日時

平成19年3月20日(火曜日) 15時~17時

2.場所

三菱ビル 地下1階 M9会議室

3.議題

  1. アミノ酸組成表の改訂について
  2. ビオチン等5成分の成分表の策定について
  3. その他

4.出席者

委員

 鈴木委員、石見委員、大坪委員、岡崎委員、神部委員、齋藤委員、佐々木委員、千國委員、野口委員、野村委員、東尾委員、安井(明)委員、安井(健)委員、渡邊委員

文部科学省

 戸渡政策課長、大山資源室長 ほか関係官

5.議事録

審議内容以下のとおり

午後3時開会

【主査】
 定刻になりましたので、ただいまから科学技術・学術審議会資源調査分科会食品成分委員会の第2回目の会合を開催させていただきます。
 皆様には、本日、大変ご多忙の中をご出席をいただきまして、まことにありがとうございます。
 それから、前回の第1回の委員会から本日までの間に、作業部会の先生方には大変ご努力をいただきました。まことにありがとうございました。厚く御礼を申し上げます。
 それでは、初めに事務局から委員の出欠と配付資料のご確認をお願いいたします。

【資源室長】
 それでは資料1をごらんいただきたいと思います。委員の名簿でございますけれども、このうち、本日久保田委員、関谷委員、田中委員、長尾委員、村田委員、ご都合によりご欠席と承っております。大坪委員はちょっと遅れていらっしゃるか、ひょっとすると都合がつかないということかもしれません。
 事務局の方からは戸渡政策課長が出席しております。
 続きまして、資料の確認をさせていただきます。
 資料1、委員名簿、それから資料2、これまでの作業部会の開催状況についての資料、資料3‐1、アミノ酸組成表の改訂についてという2枚紙、それからその具体的な収載食品案が資料3‐2でございます。それから資料3‐3、様式の案でございます。それから資料4‐1、ビオチン等5つの成分表についての1枚紙のペーパー、それから資料の4‐2、こちらはビオチン等の5成分の19年度におきます分析対象食品の案でございます。それから資料4‐3、分析方法についての資料でございます。それから資料4‐4、分析の具体的な分析発注に当たっての仕様書の案でございます。それから資料5、前回の議事録の案でございます。
 それから、参考資料ですが、この前の研究会の報告書が参考資料1と2、それから参考資料3は、親委員会であります資源調査分科会の名簿でございます。
 なお、申し忘れましたけれども、2月1日付で科学技術・学術審議会第4期に移行したという関係で、資源調査分科会のメンバーもかわっております。また、本委員会でも改めて任命関係の手続をとらせていただきました。お手元にその関係の書類をご用意させていただいております。
 また、引き続き野口委員に主査、それから安井明美委員に主査代理をお願いをしております。
 以上でございます。

【主査】
 ありがとうございました。
 それでは議事の1に移ってよろしいでしょうか。「アミノ酸組成表の改訂について」について事務局より資料の説明をお願いいたします。

【資源室長】
 それでは、まず資料の2をごらんをいただきたいと思います。作業部会で先生方に大変ご尽力をいただきまして、本日の資料の取りまとめまでに4回開催をしております。第1回目が合同部会ということで、具体的にどういうふうにアミノ酸成分組成表、それからビオチン等の5成分の成分表の改訂をするかという、具体的な作業の段取りについてご議論いただきまして、第2回目につきましては、その第1回目の議論の結果を踏まえて、メールベースでいろいろと先生方に作業のお願いをして、それを取りまとめた形で、ビオチン等5成分の分析対象食品の選定、それから分析の手順等についてご議論をいただいたところです。
 また、安井明美先生を中心として、分析・サンプリング方法についてのご提案をいただきまして議論をいただいたところでございます。
 それから第3回目でございますけれども、引き続きビオチン等5成分の食品の選定等につきましてご議論をいただき、またアミノ酸成分表の収載食品をどうするかという細かい点についてご議論をいただいたところでございます。
 そういうご議論を踏まえまして、まず初めにアミノ酸組成表の改訂の関係でございますけれども、資料3‐1をごらんいただきたいと思います。
 まず名称でございますが、これはこれまで明確に議論はしていないところでございます。仮に事務局の案といたしまして、「五訂増補日本食品標準成分表アミノ酸成分表編」というタイトルでいかがかということでございます。ただし、具体的には五訂増補というタイトルのものにしていいかどうかというような詳細なご議論をいただく必要があるかもしれません。本日あるいはワーキンググループで今後ご議論いただければと思っております。
 それから、構成につきましてですけれども、まず第1章として、その成分表の目的なり性格なり、どういう食品を載せて分析方法はどういうことでやっているか、あるいはその利用に当たっての注意事項等々を記載をしていく、こちらの作業はこれからまた先生方にいろいろとお知恵をかりながらやっていかなければならないというふうに考えております。
 それから、アミノ酸成分表につきましては引き続きこれまでどおり、3つの表を作成する。100グラム当たりのアミノ酸成分表、それから2表、3表は全窒素1グラム当たり、あるいはたんぱく質1グラム当たりの組成表というものでございます。
 それから、載せる食品でございますけれども、これにつきましては別途資料3‐2というものを用意をさせていただいておりますけれども、基本的には現行のアミノ酸組成表の収載食品に載っております食品の番号、配列、食品名を五訂増補日本食品成分表に整合するように改訂をして載せていくということでございます。
 ただし、現在のアミノ酸組成表のデータというものを可能な限り活用をして、利用者の便宜を図るという観点から、そのアミノ酸成分表に収載されております食品が五訂増補成分表で細分化されているといった場合で全く同じ食品ではないという場合でも、試料来歴などを精査をした上で、現在のデータを活用して収載をしていく。
 ただし、全く同じということでも必ずしもないということで、データの数字を斜体にするとか、あるいは注をつける、それから備考欄に記載をするといったことで注意を促すという必要があるというふうに考えております。
 それから、五訂増補成分表に収載されてない食品でも、その五訂増補成分表で類似の食品が収載されているような場合、すなわち調理方法が五訂増補をつくるに際して変わったりしたことによって似たような食品だけれども違う食品が載っていて、アミノ酸組成成分表に載っている食品が五訂増補成分表には存在しないという場合でも、新たな番号をつけまして載せていくというものもございます。
 また、五訂増補成分表において原材料割合から計算で成分値を算出している食品で、アミノ酸の成分についても同様に計算で成分値を算出することが可能というふうに認められるものについては、これを載せていくということにしようではないかということでございます。こちらは具体的にどのような食品について載せるということについては、まだ十分に議論が尽くされておらないところでございまして、資料3‐2におきましても、その食品については名前を挙げておりません。今後ご議論をお願いをしたいというふうに考えております。
 それから、成分項目でございますけれども、第1表、これは資料3‐3をごらんをいただければと思いますけれども、第1回の食品成分委員会でもお示ししておりますけれども、第1表に水分を加えますほか、すべての表にアミノ酸総量とアンモニアの成分値を収載していこうということでございます。
 それから、成分値でございますけれども、第2表が、分析値をベースにしたもととなりますデータでございますけれども、これにつきまして、非たんぱく質由来の窒素を含まないように補正をして示すという考え方もあるわけでございますけれども、ワーキンググループでのご議論では、現行のとおり分析値そのものを収載していくということにした方がいいのではないかということでございました。
 それから、第1表、第3表も同様の考え方になりますけれども、窒素のデータについて、非たんぱく質由来の窒素を差し引いたものと同等のものになるように補正した上で、一定の計算式によって算出をして、データを整理をしていくということにしようということでございます。
 なお、特にたんぱく質の含有量が高く、またその消費量が多い牛肉、豚肉、鶏肉、大豆、それからご飯といったものについて、最新のデータを得るという観点から、新規に分析を行っているところでございます。
 今後、5のところにありますような計算方法によって算出されたデータを具体的に入力をしていくという作業、それから冒頭申し上げましたような説明の部分の文章をつくるといったような作業がまた必要になってまいります。その具体的な段取りにつきましてはまたご相談をさせていただきたいと思いますが、早いうちに一度ワーキンググループなりでご議論をいただけたらというふうに考えております。
 それから、資料3‐2でございますが、現在のところ、先ほどちょっと申し上げましたように、計算で算出するのが適当という食品は載せておりませんけれども、全体として収載する食品というものはこんなところになろうという資料でございます。
 特に、備考欄に記載のある食品をご覧頂きたいと思います。例えば1ページ目の4029「だいず」は現在「だいず、きな粉」として載っている食品でございますけれども、これは当時の試料の来歴表を調べてみましても、全粒大豆なのか脱皮大豆なのかどうもはっきりしないものがあるということなので、これにつきましては一応現在のデータを利用して脱皮大豆、全粒大豆のアミノ酸のデータを示すことにする。ただしその場合に、きちんとその注をつけて載せるということにしてはどうかということでございます。詳細につきましてはまたごらんをいただければと存じます。
 資料の3‐3は先ほど申し上げましたとおりでございまして、データを入れておりませんけれども、第1表をごらんいただきますと、一番左のところに水分、一番右の方にアミノ酸の合計量、それからアンモニアというものを入れてはどうかというものでございます。
 雑駁でございますが、私の方から説明は以上でございます。

【主査】
 ありがとうございました。
 ただいま事務局からアミノ酸組成表の改訂等につきまして資料のご説明をいただきました。これからご質問、ご意見等をいただくわけですが、今の室長さんのご説明に何かとりあえず質問がありましたらお願いしてと思いますが、いかがでしょうか。よろしいですか。
 それではご議論をいただくわけですが、さて、どのようにいたしましょうか。まず3‐1からいきましょうか。3‐1の資料にあります内容につきましてご意見その他ありましたら、自由にご発言いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。特に問題となる点はありませんでしょうか。
 前回もちょっと心配したのですが、アンモニアについてなんですけれども、1つはアンモニアのデータの信頼性について調べていただいたかと思いますが、作業部会の先生方いかがですか。かなり信頼性が高いデータが得られますでしょうか。

【資源室長】
 その点につきましては、前回たしかにそういうご議論ございまして、またこの全体の表というよりは、注みたいなところに載せた方がいいのじゃないかというようなご意見もあったのですけれども、その信頼性についての確認はこれからでございます。そういう意味でここに載せるかどうかというのは、その検証が済みましてということにさせていただきたいと思っております。失礼しました。

【主査】
 ありがとうございました。
 データの信頼性と、もう1つ、載せる意味について若干検討してもいいのかもしれないと思うのですが、データの載っていることによるメリットと、何か食品の中にアンモニアが入っているような印象を与えかねないというところもあると思います。これは恐らく加水分解した後に出てくるアンモニアのピークを計算して出そうということだと思いますけれども、そうだとすると、ほとんどがアミド態の窒素か何かで、グルタミンとかアスパラギンが入っているものが出てくるのじゃないかと思います。そういうのを載せる意味があるのかどうか、逆に現場でアンモニアがこんなに入っているのかというような混乱も引き起こしかねないでしょう。、その辺の意味をちょっとご判断いただければと思います。お使いになる方はそういうことはご存じでお使いになると思いますけれども、分析表の使い方をよくご存じない方は、こんなにアンモニアが食品の中に入っているものかというようなことになりかねないかと、ちょっと心配をいたします。その点をちょっと皆さんにお考えいただいておいて、データの信頼性その他が出てきましたときに改めてご意見を承れればと思います。
 あと、掲載食品については資料3‐2を検討するときにご意見をいただくとして、基本的には食品可食部100グラム当たりのアミノ酸成分表、それから食品可食部全窒素1グラム当たりのアミノ酸組成表、食品可食部のたんぱく質1グラム当たりのアミノ酸組成表ということで原案が今進んでおりますが、ご意見がございましたらどうぞご自由にご発言いただきたいと思います。よろしいですか。どうぞ。

【委員】
 議論の一番最初の既に終わったところだと思うのですけれども、この収載食品についてなんですけれども、収載食品は、この日本食品アミノ酸組成表に準じてなされているわけですよね。

【主査】
 前回の委員会で、予算その他の関係で現在の組成表を生かして、五訂増補の食品標準成分表になるべく適合させていこうということで始めております。

【委員】
 そうすると、五訂増補の中に載っているもので代表的なもの、あるいはデータがあるものがこの収載食品になっているというふうに考えてよろしいのですね。

【主査】
 もともとは四訂のときにできているのですかね、成分表自身が。

【委員】
 魚のところを見ておりますと、えび類はいせえび、くるまえび、しばえび、こうなっているのですね。けれども、今現実に日本の中で一番食べられているえびは、例えばブラックタイガー、うしえびであるとか、こちらの五訂増補にはちゃんと載っていますね。くるまえびだとかいせえびなんて食べる人はお金持ちで、一般庶民なんかブラックタイガーを食べていると思うのです。あるいはまぐろも、今かなりの部分は養殖のくろまぐろを食べている。だから例えば消費者や何かが関心を持っているえび類のアミノ酸の組成はどうなんだろう、うまみと関係がありますから、そんなことを言うと、ブラックタイガーは一体どうなんだろうというようなことになるような気がするのですけれども。

【主査】
 ありがとうございました。
 収載品目は今作業部会で候補を挙げていただいておりまして、これは決定じゃなくて、今後この委員会でも検討していただいて、予算の許す範囲で、そういうご意見をいただいて補正していくということですね。

【資源室長】
 アミノ酸成分表の方の収載食品につきましては、基本的に今おっしゃられたように、四訂のころの食品がベースになっておりまして、現在の消費動向とのずれが出てきているところもございます。そういうこともあるのですけれども、そもそもこのアミノ酸組成表の改訂は、全面的に見直すというよりは、今のこのアミノ酸組成表のデータというのがそのままは使えない。何か計算で換算しないと使えないのが非常に不便だというご議論がありまして、そういう観点からとりあえず計算で換算しなければ使えないという部分をこちらで計算をしてあげて、しばえびならしばえびのデータはこれだというふうに、見ればそのままわかるようにしようというところから出発をしているわけでございます。
 今回年度末予算で若干たんぱく質の含有量の大きい豚肉でありますとか牛肉でありますとか、あるいはご飯とかを分析をしている最中でございますけれども、魚の場合、非常に品目が多くて、これをやりますと切りがないというようなところもございまして、また予算的な制約もあったものですから、今回できなかったところでございます。
 それで、今年度抜本的にさらにやれるかということについては、やり出すと切りがないというところがあります。委員現在のアミノ酸成分表で一番問題かなと思いますのは、委員にもご指摘いただきましたが、加工品といいますか、ゆでたものとか焼いたものとかのデータが全くないことです。実際上食べるに当たって魚は刺身でも食べますけれども、ゆでたり焼いたりして食べることが多いわけですけれども、そこのデータがない。かなりの温度で焼いたりした場合にはそのアミノ酸組成も変化をするだろうということが、現在のアミノ酸組成表の参考資料にも出ているわけで、本来だったらそれを分析するのとあわせて、消費量が違ってきているものについて分析をすべきだと思いますけれども、それをやりだすとかなりの規模のものになるということがあって、なかなか難しいかなというのが現在私どものいろいろ整理してみた感じでございます。
 そういう意味で、また何か折を見ましてといいますか、まとめて少し考えなければいけないのかなというふうに考えています。

【主査】
 ありがとうございました。
 どうぞ委員。

【委員】
 今まで成分表は研究所などから文献をいただいたりしていたのですね。だから今のブラックタイガーとかについては、多分いろいろな水産研究所が、基本的な大事な食品なので、アミノ酸の文献はお持ちではないかと思うので、そういったものの収集を少し図ったらいいのじゃないかなと思います。

【主査】
 ありがとうございます。
 1つは、今いただきましたご意見、さらに収載食品の検討をしますときにまた申し上げてもいいのですけれども、部会の方に一応ご検討をお願いするという形でお渡ししておいてよろしいですかね。今特にまぐろ類とブラックタイガーの話をいただきました。ご意見はもっともだと思いますので、一応部会の方でもう一度ご検討いただきまして、最終的な案になりますときに、予算との関係でご検討いただくということでよろしゅうございますか。

【委員】
 この五訂増補の標準成分表はかなりのものをきちっと網羅しているわけですね。だから今のご説明のような事情はわかりますけれども、そうなると、アミノ酸組成表自体の収載食品を検討していかねければいかぬなという形になるのじゃないかと思うのですけれども。
 つけたりで申し上げれば、委員会のときに予算、予算っていつもお話が出るわけですが、食品成分表をつくっていくための固定的な組織はやはりどうしても必要なのではないかなと。臨時的に専門委員の先生にお忙しい中皆さん集まっていただいて、各分野でやっていただくというような体制ではなくて、事務局的なものがきちっとあって、常にこういう見直しの作業なりデータの精度の問題なりをチェックをしていく、そういう組織が必要なのではないか。前々から出ている話の繰り返しで申しわけありませんけれども。

【主査】
 いろいろの制約がある中で、確かにおっしゃるとおりだと思いますけれども、主には予算の制約とか時間的な制約とかがあり、1点5万円とか7万円とかかかると、100点やるにしても大変な予算がかかるようなことがありまして、国としても、やりたいことでありながら、なかなか制約を受けてしまうということだと思います。しかも食品摂取基準が決まってきて、掲載されてない成分なんかが次々出てきましたので、どっちを先にするかみたいなことにもなりますし、優先順位をどうつけていくかということになると思いますが、当面はとりあえずこれで切り抜けるしかないのかなということでご検討いただいていると思いますが。
 いずれにしましても、かなりの予算でも、今の改訂の組成表ができてから現在までに大きく食事情によって変わった食品については、極力、しかもそれが国民の食生活の中で大きな地位を占めている食品については、積極的にご検討いただいて取り組んでいければ、委員会がその責任を持っているわけですから、積極的にご検討いただければいいかと思います。ありがとうございます。
 それでは3-2の方に移ってよろしいでしょうか。また戻っていただくことは一向に差し支えありませんので、3‐2の方、今お気づきの点をご意見いただきましたけれども、そのほかにあらかじめ委員の先生方にはメールとかでこれをお渡ししてありますね。見ていただいていると思いますが、随分一生懸命リストアップしていただきまして二千何百という食品の中から選んでいただいて、大変ご苦労だったと思いま。冬休みもかなり返上していただいたのではないかと思いますけれども、そういう中でもまだこういうことはいかがでしょうかというようなご意見がありましたら、本委員会の方で承っておきたいと思います。これはもとの標準成分表の方のたんぱく質の量なんかが変わっていますので、大変ご苦労があるのだと思います。これはぜひ入れておきたかったけれども入ってないというようなものがあれば承りたいと思います。私も拝見して、よく拾っていただいたとは思ってはおりますけれども、ぼんやりして気がつかないところもあるかもしれません。
 一番苦労されたのは、きっと新製法、旧製法が不明だとか、そういうのをどうしようかというようなことでご迷惑をおかけしたようで。よろしいですか。
 じゃ、あわせて資料3‐3にあります掲載表の様式案、これはいかがでしょうか。アンモニアはまだペンディングということでございますけれども。

【委員】
 これはアミノ酸に限ったことじゃないのですけれども、水分の分という字は入れるのですか。水という方が栄養素としてはいいのじゃないかな。要するにたんぱく質と言ったら水という感じで。英語訳するときに個人的に困った覚えがあるのです。

【主査】
 英語ではモイスチャーですね。違いますか。

【委員】
 いや、成分表ではウオーター。

【主査】
 成分表の水はウオーター。

【委員】
 はい。

【主査】
 アメリカはモイスチャーじゃないかと思うのですけれども、違いますか。

【委員】
 分析法ではモイスチャーですね。

【主査】
 モイスチャーですね。これはもとの標準成分表が変わらないとちょっと変えられない。

【委員】
 ここで変えることじゃなくて、検討事項として挙げていただければと思っただけです。

【主査】
 こっちはウオーターで、英語ではモイスチャーという言葉を使うのじゃないのかと思うのですけれども、どうでしょう。
 わかりました、これは食品標準成分表が水分ですから、アミノ酸組成表を作るときに、水と変えてしまうわけにいかないので、将来の検討事項にさせていただくしかないかと思います。
 私はちょっと必須アミノ酸というのを表示する手もあるかと思ったのですけれども。それはいかがですか。余り意味はありませんでしょうか。必須アミノ酸と言っても、例えば含硫アミノ酸のようにシスチンをどう扱うとか、チロシンをどう扱うかというような問題が起こってしまいますけれども、一応これを除いて、フェニルアラニンとかメチオニンで必須アミノ酸というふうにしてしまう手もあるとは思うのですが。議論の多いところだと思いますからあえて無理はしない方がいいというご意見も当然あると思います。
 最近余り全アミノ酸に対する必須アミノ酸比というのを言わなくなりましたので、全体の意味があるかというような問題ですけれども、昔は一時はそういうこともあるという議論になったことがありまして、卵はたんぱく質はいいけれども、必須アミノ酸がとにかく全体の50パーセントぐらいを占めているなんという、かなりこれ自身が例なんだというようなことがありました。
 もう1つ、旧文部省の時代に学術用語集というのがあって、このたんぱく質というのは片仮名なんですよね、そこで示されているのは。それからリジンはリシンなんですね。それからスレオニンはトレオニンなんですね。これは学術資料じゃないからという理屈は成り立つのですが、同じ所管で違う使い方をしているというのが、検討事項として若干気になるといえば気になる。ですけれども、医学会なんかは違う使い方をしていますし、それから食事摂取基準なんかはたんぱく質は平仮名ですので、あえてまだここで急いで片仮名にすることはないという議論もあるのですけれども、あれが決まったのは大分昔のことなんで、今はどうなんだということもあります。そんなこともちらりと思いつきました。
 どうぞ、室長さん。

【資源室長】
 たんぱく質については、本体の五訂増補成分表で平仮名でたんぱく質となっていますので、ここはやはりそれでいった方がいいのだと思います。リシンとスレオニンにつきましては、先生方のご意見をいただいきながら、恐らくその学術用語というものが、ぎちぎちでそれじゃなければいかぬという世界ではないと思いますけれども、食品成分表として何が望ましいのかという観点からまたご相談させていただければと思います。

【主査】
 ありがとうございます。
 どうぞご自由に問題点を出していただきたいと思います。外へ出たときに、問題点が十分検討してある場合とうっかりしていたというのとは全然違いますので。はい、どうぞ。

【委員】
 含硫アミノ酸と芳香族酸のそれぞれの合計量を示しておく必要はありますか。

【主査】
 いかがでしょうか。アミノ酸の必要量からいうと合計量というのは比較的意味のある数値だとは思いますけれども。

【委員】
 いや、合計量は意味があるのですが、今はデータベースじゃないですか。そうすると、これ、簡単に計算できちゃうのです。しかも2つだしという感じで。

【主査】
 2行何かもったいない。

【委員】
 そうなんです。

【主査】
 ありがとうございます。どなたかご意見がありましたら。よろしいでしょうかね。

【資源室長】
 また別途ご検討いただければ結構だと思いますけれども、今回アミノ酸の総量を新たに項目として加えましょうという方向でご提案させていただいているのですけれども、そういう観点からいうと、やはりこれも邪魔なのかなといいますか、データベースで簡単に足し算はできるのだよということであれば、これも不要というようなことでもあろうと思います。そこは事務局としては、整合性がちょっととれないかなという感じもいたします。

【主査】
 ありがとうございます。
 2つですとすぐ足せるけれども、全部足すのは大変だということと、それから例えばきのこのようにたんぱく質の中でもアミノ酸が「たんぱく質」の半分ぐらいしかないというようなのは、足しておいていただけると非常にありがたいことはありがたいですね。どうでしょう。

【委員】
 すみません、データベースとして使っている場合もあるし、栄養教育とかでその場で相手と一緒に見ながら使うこともあるので、やはり合計はあった方が使う方としては用途に応じてということで便利じゃないかと思います。

【主査】
 ありがとうございます。
 確かに芳香族アミノ酸、含硫アミノ酸の合計量と全アミノ酸の総量とはちょっと、計算できるといってもイーブンじゃないように思いますね。それで載ってないと全部足すのはなかなか大変ですね。私は時々やりますが。よろしいでしょうか。
 それでは、また会議の最後にこっちへ戻っていただいてもいいということにしておきまして、次の議題に移らせていただいてよろしいでしょうか。ありがとうございました。
 次の議題は「ビオチン等5成分の成分表の策定について」。その前に一応確認しておきたいと思います。今ご議論いただきましたけれども、今ここで締めくくるとしますと、今のご意見、ご提案をいただきまして事務局が作業を進めていただくということにさせていただきたいと思いますが、よろしゅうございますか。ありがとうございます。それではそのように進めさせていただきます。
 それでは次の議題に移ります。最初に事務局から資料についてご説明をお願いいたします。

【資源室長】
 それでは資料4‐1から4‐3まで一括してご説明を申し上げたいと思います。
 資料の4‐1をごらんいただきたいと思います。ビオチン、クロム、モリブデン、セレン、それからヨウ素の成分表の作成についてでございます。
 収載する食品につきましては、第1回の成分委員会でもご議論いただいたかと思いますが、基本的には摂取量(消費量)が多く、成分ごとに当該成分の含有量の多い食品を選定をするということを基本とするということでございまして、ワーキンググループの先生方にいろいろとご議論をいただきました。
 そういう中で、まず19年度、来年度におきましては、4‐2にございますような、それぞれの食品群の中でも特に基礎的な食品について、ビオチンほか5成分すべての成分の分析を行うということにしてはどうかということでございます。
 20年度以降の分析の対象の食品については、その19年度での分析の結果を踏まえまして、すなわち、大体こういう食品にはこういう成分が多く含まれているなとか、ばらつきがどうであるかといったような分析の結果を踏まえて、検討していくということにしたいということでございます。
 資料の4‐2をごらんいただきたいと思います。表の見方ですけれども、食品番号がございまして、初年度、19年度に分析をする食品を左側に掲載をさせていただいております。そのサンプリング方法、サンプリングをするに当たって留意する点といいますか、産地なり銘柄ごとに選ぶといったような留意点をサンプリング方法等の方に記載をしております。
 一番右のところ、調理変化分析食品でございますが、例えばさつまいも、02006ですけれども、ここに右側に「蒸し」とありまして、さつまいもの蒸したものという食品が五訂増補成分表にございます。これについても分析をするということでございますけれども、予算の関係等もございまして、この調理変化を分析する食品につきましては、基本的には例えばさつまいもでいいますと、さつまいもの生を分析した同じ試料を、基本的には生のサンプリングの点数は原則として5点程度というふうに考えておりますけれども、そのサンプルをコンポジットにいたしまして、1つの検体にまとめて分析をするということにしたいというふうに考えております。
 初年度はまず一番左側に掲げています生の食品については、コンポジットにしないで、ばらつきが見られるように5点程度分析をし、あるいはどういう成分が多いか少ないかということをチェックをしていく。あわせて、その主要な調理食品、ゆでたもの、焼いたものというものについてもコンポジットで調べるということにしたいということでございます。
 その結果を踏まえながら、20年度、21年度につきましては、生の食品も含めて可能な限り多くの食品を掲載していくという観点から、コンポジットによる分析を積極的に活用していきたいというふうに考えております。
 それから資料4‐3は、5つの成分の分析方法でございます。この5つの成分につきましては、栄養表示基準の方で分析方法が記載されているものがございます。そういうものにつきましてはその分析方法、あるいは4のところにございますけれども、分析法の妥当性が確認された方法というものを使用するということにしてはどうかということでございます。また、誘導結合プラズマ質量分析法というものも使用することができるということでございます。定量限界なり検出限界といった分析方法の性能を示して、それを満たす方法によるということにしてはどうかということでございます。
 それから、サンプリング、購入の指示等につきましては、従来同様できるだけ担当の委員から分析機関に指示をするということにしてはどうかという議論をワーキンググループでしたわけでございますけれども、入札で分析機関を決めていくという関係上、入札の際に、ある程度、最低限こういうものでなければだめだということが決まっていないといけないかなというところもございまして、その辺はまた資料4‐4の説明の際にご説明を申し上げたいと思います。

【主査】
 それではまず4‐3までの議論を致しましょうか。今、資料4‐1から4‐3までのご説明をいただきました。これにつきましてご意見ございましたらどうぞ遠慮なくおっしゃっていただきたいと思います。
 そうするとこれは大体100グラム当たりのマイクログラムの、そうすると数値は小さくなっちゃいますね。小さくなりませんか。なっちゃいますね。

【委員】
 ミネラルが1マイクログラムで、ビオチンが0.1マイクログラムが記載の範囲になりますから。

【主査】
 ちょっと数値が小さい形になりますけれども、ちょうどそのぐらいが適当ですか。

【委員】
 イギリスの成分表も参考にしたのですけれども、そのレベルでやっております。それに合わせてというわけでもありませんが、そのぐらいが適当と思います。また、結局栄養表示基準値がありますので、それに合うような形でつくらないといけませんので。

【主査】
 そうですね、こっちは1日あたりですね。ですから500ぐらいで割らないといけないことになるのかな。1日500グラムくらいが固形物の摂取量ですね。

【委員】
 ただ、そうするともう一桁足したくなる。

【主査】
 そうですね。

【委員】
 そうすると恐らく分析する方が普通にできなくなる。

【主査】
 いや、表示するとき。分析はいいとして。それからまた逆に有効数字の問題があるから、この単位がちょうどいいところにあるような気がしないでもない。

【委員】
 考えているのはミネラルについては桁数が整数表示で、100グラム当たりマイクログラムになりますので、そこを、定量限界にしています。検出限界にするとその3分の1ぐらいになりますので、四捨五入で対応できます。その下の位まで分析していただいて四捨五入して表示するという形になると思います。

【主査】
 クロムだと1日の摂取基準が30マイクログラムだとすると、食品100グラムあたりでは5で割って6.何マイクログラムとなりますね。100グラム当たり。そんな感じになりますかね。

【委員】
 クロムで小数第1位まで表示しているものはまだないですね。

【主査】
 ありがとうございます。また最終的に技術的な検討をやろうと思えばできますね。
 まぐろなんかを入れると、これはあじなんかもそうかもしれませんけれども、セレンなんかすごい大きな値が出る可能性も出てくるような気がしないでもないですね。どうでしょう。

【委員】
 これはまた収載する食品のあれなんですが、資料4‐1の摂取量が多く、成分ごとに当該成分の含有量が多い食品という基準で選定するとこういうことだ、そういうイメージでよろしいのですね。

【主査】
 まだこれは最初の年に、試しと言うと変ですけれども、これから始めようという食品なんですね。それで、それが決まりましたら、今度は収載食品を最終的に選んで、20年度以降分析するというように私は了解しておりますが、よろしいですかね。

【資源室長】
 はい、そのとおりでございます。本来その全体像をお示しできればということで最初作業を始めたわけでございますけれども、なるべく効率的にたくさんの食品を収載をしていくという観点からも、まず初年度に特に重要な食品と思われる食品といいますか、について少ししっかり分析をしてみて、その結果を踏まえて、例えばこの食品についてはこの成分はほとんど入ってないよということであればその分析はしないとかいう見極めをつけながらやっていこうということで、 3年間にわたっての全体像というものがきょうお示しできていないわけでございます。19年度の分析結果を踏まえて来年、再来年とやっていくということでございます。

【主査】
 ありがとうございます。

【委員】
 水産品の種別でいきますと、甲殻類が全然入ってないなという感じでしたものですから、かにとかえびは何となく、特に成分が要るような感じがするのですけれども。

【主査】
 今のご意見は作業部会で検討していただいて、入れられる可能性は数点でしたら初年度ありますでしょうか。

【資源室長】
 これで絶対がちがちというつもりはございませんが、一方でスケシュールが非常にタイトになっているということでございまして、早急に作業させていただきたいと思います。

【主査】
 ありがとうございます。
 1点か2点は何かスタンダードの回帰直線じゃなくて、サンプルでの回帰直線を見てみたいという感じがしないでもないのですけれども、皆さんいかがでしょうか。特にバイオアッセーなんかありますのでね。スタンダードに対してやったのはきれいに出てくると思うのですけれども、サンプル自身の、半分サンプリングしたら半分になったかというようなのをちょっと見てみたい気がしないでもないのですけれども。95パーセント信頼限界はどのくらいに来るかも興味がありますすね。
 皆さんのお知りになりたいヨウ素なんかも、例えばよく食べるわかめなんかも入れていただいていますし、試験的にあまのりなんかも入れていただいていますから、ご配慮はかなり行き届いているかと思います。
 よろしいですか。ではまた後で戻っていただいても結構ですので、このように進めていくということでご了解をいただいたということで、議事を進めさせていただきます。
 それでは、引き続きまして資料4‐4、食品成分分析の仕様(案)について、事務局より説明をお願いいたします。

【資源室長】
 資料4‐4でございます。資料4‐2の品目なりにつきまして、これから実際に食品分析機関を選定をいたしまして、分析をしていただくという作業になっていくわけでございますけれども、その際に、従前、これは随意契約でやってきたところなんですが、来年度から競争入札で実施をするということが求められておりまして、そういう関係で分析機関といろいろなネゴシエーションをしながら決めていくということに制約があるということも出てくるのではないかなというふうに考えているところでございます。
 すなわち、どういう食品をどういうふうに、サンプルが幾つでどういったものを購入をして、どういう分析方法でやるということを、走りながら分析機関と相談しながらやるという部分が全くなくなるというわけではないと思いますけれども、最初にその選定をするに際して、そのようなことを示す必要があると考えられます。
 特に5月ぐらいにサンプリングをするのが望ましいような品目もございますので、そういう観点からしますと、5月というのは非常に厳しいかもしれないのですけれども、早急にこの作業をしなければならないということで、この4‐4の資料はちょっと全く煮詰まってないのですけれども、お示ししているものです。左側に食品について、資料4‐2の食品が掲げられることになりますけれども、それについて、次のページにございますけれども、こういう試料を購入しろという明細書みたいなもの、これはこれまでの購入指示明細書をそのまま載せていますけれども、こういう指示明細書にあるような食品を分析をしろということ、かつ分析方法につきましても、一定以上のものじゃなければだめだということは少なくとも明確に書かれている必要がある。どういう分析方法でもいい、どんなサンプルでもいいということだと、業者は幾らの値段で札を入れていいかわからないみたいなことになってちょっと困るということがあろうかと思います。
 そのようなことでございまして、今ここでこの細かい点についてご議論いただく必要は必ずしもないと思いますけれども、早急にこの分析の仕様書につきまして、関係の先生方とご相談をさせていただきたいという観点で、本日いわばたたき台のたたき台のようなものをお示しさせていただいているところでございます。
 以上でございます。

【主査】
 ありがとうございます。
 今のようなご事情だそうですが、この資料4‐4食品成分分析の仕様(案)ということについて、もしご意見がございましたらどうぞ。

【委員】
 仕様のときにそのようなことができるかどうかわかりませんけれども、あるデータを依頼分析をしてデータを出した。それで問題が起きてくるのは例えば数年後とか、場合によっては十数年後に問題が起きてくることもあると思うのですけれども、そのときに、その分析機関がそのデータを遡及的に、どういうデータを出したか、原データにさかのぼって調べられるようにしておくという仕様がもしできるものなら、しておいていただいた方がありがたいのですけれども、いかがなものでしょうか。

【主査】
 ありがとうございます。

【資源室長】
 御指摘よくわかります。具体的にどこまで分析機関にデータの保存をお願いするかというのはいろいろあろうと思います。むしろ役所でしっかり持っていろという話かもしれないのですが、いずれにいたしましてもそういう観点を踏まえまして検討させていただきます。

【主査】
 お願いするとすれば、特定の機関、独立行政法人とか、そういうところに冷凍庫でも買ってしまっておく以外にちょっと手はないですかね。そういうことでしょう。

【委員】
 いや、サンプルではなくて、その数値。

【主査】
 ああ数値ですか。報告書の原本をきちっとどこかに保存しておくという。

【委員】
 原データを含む。例えばチャートを含めてとっておいてもらえれば。

【主査】
 もう一回分析して間違っていたという、そういう意味じゃないのですか。はい、わかりました。ありがとうございます。まあ独法とか、しかるべき担当のところに保存しておいていただくということですね。

【資源室長】
 今具体的にある品目で、一体このデータは正しいのかどうかというところが疑問になっているものがございまして、それをチェックしたいのだけれどもその資料が一体どこにあるのだろうかというようなものがございます。そういう意味でも、きちんとデータを保存しておくというのは非常に重要なことだというふうに認識しております。

【主査】
 ありがとうございます。
 標準成分表の方は全部一応保存してあるのですか。新しく分析したものについても。

【資源室長】
 最新のものはそれなりにしっかりしていると思いますけれども、アミノ酸成分組成表のときのものとかになりますとなかなか…。

【主査】
 アミノ酸組成は古いですから恐らくちょっと難しいですね。

【委員】
 私はこの辺のことはわからないのですけれども、こういう外部研究機関に分析を依頼して、成果物はデータとして出てきますね。それの評価というようなことは普通はやらないものなんですか。クロスチェックをどこかで何点かをやるとか、そういうことは普通はないのですか。

【主査】
 その分析機関による……

【委員】
 ええ、分析機関にこういうスペックでオーダーしますね。それでそれの結果が出てきますね。それが正しいかどうかというのを何らかの評価をするという、そういうことは普通行わないのですかね。私どものところなんかだと全く抜けておりまして、外部の分析センターに出して、出てくると、それが正しいということで保健所に持っていったり消費者に説明したりしているのですけれども、これだけのこういう規模でやるとなると、データの信頼性の担保が何かないといけないのじゃないかというふうに思うのですけれども、どんなものでしょう、そういうものは。

【主査】
 恐らくそれが下の方に書いてある、こういうところでチェックしようということだと思うのですが。

【資源室長】
 おっしゃるとおりで、精度管理はきっちりとやらなければいけないといいますか、分析方法なりがちゃんとしているかどうかというものをチェックはしながらということになっていると思います。

【委員】
 まさにそれが一番重要なところでして、今回精度管理ということで項目を入れて、分析機関が内部精度管理、それから外部精度管理についてどういうふうにやっているかというデータを出してもらいます。応札するときの条件としてそれをちゃんとやっているということがない限りできないということです。データをいただいたときにそれをこちらでまたチェックもします。実は農水の方でサーベイランスとかモニタリングをするときの依頼分析をするときにどういう条件でやるかというものをホームページの方で、ウエブサイトで公表しています。そういう条件を、今回もこの成分表でデータを出してもらうについても、それに伴ってどういうデータの品質管理をやっているかというデータも一緒に出してくださいという形でやりますので、そういうことでデータそのものの信頼性は確保していこうと考えております。

【主査】
 ありがとうございます。
 食品の危害物質の場合には何か特別な検定法を採用しますね。どのぐらい信頼性があるのかという特別のチェックの仕方を、公開してチェックの仕方をしているようですけれども、これですからそこまでしなくても、これが保証されればとりあえずはいいかなということなんでしょうかね。どうぞ。

【委員】
 作業部会のときに、この分析方法なんですけれども、ある程度分析機関と相談しながら決めていくというようなお話だったと思うのですが、今のご説明ですと、発注するに当たり、ある程度決めてから、この方法でいくということで発注するということだったのですが、そのあたりの変化があったと思うのです。そのあたりご説明をお願いいたします。

【資源室長】
 分析機関と相談するといいますか、この資料4‐3にある分析方法をどうするかというのを決めるに当たりまして、幾つかの分析機関からアンケートをいたしまして、どういう分析方法でやっているかということを聴取をした上で、こういう分析方法にしてはどうかということは決めているところでございます。
 これまでの分析機関との付き合い方は、品目を分けて分析機関幾つかにお願いをしたりしたのですけれども、今回は恐らく1社にお願いをするようなことになっていくと思うのですが、決まってから後、いろいろな細かいところのご相談というのはあろうと思うのですけれども、入札に際しては、こういう条件で入札をするというところについて、最低限のところは決めておかないと入札できないというような部分はあるのだと思うのです。
 私もまだ、これから細かいところは勉強していかなければいけない部分がございますけれども、そんな趣旨で申し上げたことでございます。

【主査】
 ありがとうございます。どうぞ。

【委員】
 私は別紙1の試料購入指示明細書についてお尋ねしたいのですけれども、私自身が五訂の食品成分表改訂にかかわってないのでよくわからないのですが、五訂の場合はどこまで求められて出されたのか。それと今回はそのデータのっとってやるのか、全く別個にやるのか、考え方をお教え下さい。

【資源室長】
 大変失礼しました。五訂のときの購入指示明細書を今準備をしております。先生方にはきょう終わりまして、電子メールなりで五訂のときの具体的なものをお送りさせていただきます。
 それで、実際今度の分析に当たりましてどういうサンプルを取るかといったときに、やはりなるべく五訂増補成分表で使っているようなサンプルと同じようなものが望ましいといえば望ましいのだろうと思います。そういう意味で、そのお送りしたものを参考にしていただきながら作成をお願いするということになろうと思います。

【主査】
 よろしいですか。
 5月ごろサンプリングを始めたいというご意向のようでしたけれども、季節物はやはりもちろん時期をずらしてサンプリングするわけですね。

【資源室長】
 そこのあたりはご相談させていただかなければいけないなと思います。コンポジットにしないものはいいのですけれども、コンポジットサンプルをつくるものについては、例えば2月、5月、8月、10月というふうに時期が違いますと、それを冷凍して取っておいてコンポジットにするということができるものもあるかもしれないし、できないものもあるのかもしれないなという気もいたします。また冷凍して取っておくということでそもそもいいのかどうかという議論があるのかどうか私ちょっとよくわからないのですけれども、それができないという場合には、例えば1つの時期で産地が違うものを3つ取れるのであればそういうふうな取り方をするとか、あるいはもう1サンプルだけでしょうがないとか、そういう判断をしながらやっていかなければいけないということになるのじゃないかと思います。
 ここは、分析機関がどう考えるか、あるいは食品のそれぞれの特性を踏まえてどうなのかというところはご議論いただけたらいいのかなと思います。

【主査】
 ありがとうございます。金属、無機元素の場合には冷凍して取っておいても大丈夫だろうと思います。しかしビオチンでは、マイナス何度ぐらいにしておけば大丈夫なのかとか、そういう基本データがあるのかどうか、ちょっとよく知らないものですから、その辺も実際の分析を始めるときに十分ご検討いただければと思います。よろしいですか。
 それでは、いろいろご貴重な意見をいただきましてありがとうございました。現在までのご議論、ご提案を踏まえて、今後引き続き事務局の方に作業を続けていただくということでよろしゅうございましょうか。ありがとうございます。
 次は、そうするともうその他に移ってよろしいのですか。もう一回ご議論いただいて、全体を見渡して、アミノ酸も含めてご意見があれば伺いますが。一言言い忘れた、これを言っておかなければいけないというものがございましたらおっしゃっていただきたいと思います。
 この議事録の確認その他はもうよろしいのですね。既にお配りしてあるから。

【資源室長】
 議事録につきましては、一応お目通しいただいていますけれども、特にまた何かあれば、来週ぐらいに言ってきていただければと思います。その後、ネット上に公開という形になります。

【委員】
 アミノ酸の方のことなんですが、先ほど委員の方からお話があったように、魚介類、水産物に関して、私も勉強不足で申しわけなかったのですが、ちょっと見てみると余りポピュラーじゃないものも随分取り上げられているような気がしているのですが、今後それに関して少し手が入るという可能性はあるでしょうか。

【資源室長】
 先ほど申し上げましたとおり時間が余りないのですけれども、品目の数があまりふえるとちょっとまずいかもしれないのですが、例えば魚介類の中でこれをこれに差し替えるというような形であればできます。

【委員】
 ご質問は、アミノ酸のことではないでしょうか。

【委員】
 アミノ酸の方なんですが。

【資源室長】
 失礼しました。アミノ酸組成表の方は、そういう意味では今ないものを入れるというのはなかなか難しいかなという感じがございます。

【委員】
 先ほどのご意見で、うしえびとかも重要かなと思ったものですから、それとか、ちらっと見ると例えばやりいかが入ってするめいかが落ちているとか、かなりあれっという感じのところがいっぱいあるのです。例えばあと、いかなごでしたか、何か余り食品とはならないようなものが結構入ってきたり、食べられないことはないのですけれども、非常に特異的なもので、全体的な消費がさほど高くないというのも入っているもので、これは直す必要もあるのかなと思ったものですから、ただ作業的に無理な状態であればそれはしようがないかなという気がしたものですから、ちょっとその辺で確認したかったものですから。

【資源室長】
 そうですね、そこは、とりあえず現段階では全体を大規模にやるときにということでお願いできればなというふうに考えております。

【委員】
 冒頭で事務局よりご説明のあった名称、五訂増補という使い方が適切かどうかについて、この場でご検討いただければと思います。

【主査】
 資料3‐1をちょっとごらんいただくと、今の先生のご指摘は、この3‐1の1番、「五訂増補日本食品標準成分表アミノ酸成分表編」というのが適当かどうか、そういうことでよろしいのですか。

【委員】
 そうです。

【主査】
 いかがでしょうか。まだこれ仮称ですから変えられると思いますが、むしろ先生はその五訂増補という前の方が適当ではないのじゃないかという。

【委員】
 そうです。収載食品が大分違っていることは問題と思っています。また、利用者に便宜を図るために計算値を示される、これは五訂にはあたならないと考えます。

【資源室長】
 私どももまさに先生方のご議論を踏まえて決めて生きたいと考えているところです。ご指摘のとおり、今の作業でやろうとしていることというのは、四訂のベースのデータであり、またその食品であり、これを使いやすくするということですので、それを五訂増補のアミノ酸成分表編というのはちょっと身の丈に合ってないのじゃないかというか、そういうご議論はあろうと思います。そこはこの間の脂肪酸成分表編とは同列には扱えないといえば扱えないところというふうには思います。
 一方で、食品番号なりをそろえていくことで、五訂日本食品成分表と一応整合性のとれた形にはなるというところで、そういう名称でもうそではないということでもあろうと思いますし、その考え方をどうするかによって名前のつけ方は決まってくるのかなと思います。

【主査】
 対案としては日本食品アミノ酸組成表五訂増補日本食品成分表による、再計算というのは変ですけれども、準拠したというような感じになるのですかね。もちろん冒頭の説明部分には新たに分析した食品は少なくて、こうやってこういう基準で計算し直したということは、ここに書いてあるとおりのようなことは書くのでしょう。

【資源室長】
 冒頭の「説明」のところではもちろんしっかりと、どういう考え方で、基本的には新しく分析をしないで、使いやすくするために計算し直したというものだということは書かなければいけないというふうに考えています。

【主査】
 それでも対案としては以前の組成表であることがわかるようにしておいて、五訂増補食品成分表の使用に際して、準拠したというようにする手はあることはあるのですね。

【資源室長】
 おっしゃるとおりだと思います。

【主査】
 それはまだゆとりがありますから、今ご指摘いただいたことを頭に入れて、今後ひとつひとつ話を詰めていったときに最終的に合意を取ればいいでしょうかね。

【資源室長】
 そうですね。タイトル自体は今決めなければいけないということでございませんので、本日のご議論を踏まえまして、事務局でタイトルの案を幾つかつくらせていただいてご議論いただければと思います。

【主査】
 ご指摘いただかないと、私なんかもぼんやり、なるほどこれでいいのだろうと思っていましたけれども、確かにおっしゃるとおり、問題があることはありますね。今後引き続きそれぞれの先生方のお考えをいただいて、適当な表題をつけていければと思います。ありがとうございました。
 まだ若干時間がありますので、どうぞこの機会に承っておくことがありましたら。よろしいですか。
 それでは、ちょっと早目ですが、今後の日程につきまして事務局からご説明をいただいて。

【資源室長】
 今後の日程につきましては、また別途ご相談をさせていただきますけれども、とりあえずは、先ほどの仕様書の関係をまずメールベースでご相談をさせていただき、必要があればまた企画部会なり、品目別の、あるいは合同の部会を開催をさせていただくということにさせていただきたいと思います。
 それから、アミノ酸の方は、今のタイトルの問題もそうですけれども、説明書きのところの案とか、事務局の方であらあらのたたき台みたいなものを準備をいたしまして、また企画部会なり合同部会、あるいは品目別の部会を開催をさせていただきたい。さらにはデータの入力などの進捗状況にもよりますけれども、最終的に注とかそういうものを入れた姿もそれぞれチェックをいただかなければいけないと思っておりますので、そういうことも含めて、ワーキンググループをまずは1回開催させていただくということになろうかなというふうに思っております。
 その作業を踏まえまして、委員会自体の開催についてはまたご相談をさせていただきたいと思います。

【主査】
 ありがとうございます。
 それではそろそろ終わりになりますが、議事録はもう既にお届けして、あるいは本日もお手元にお届けしてありますが、これは公表することになりますので、その目安が再来週ぐらいに公表したいという事務局のご意向のようですので、ご注意点がありましたら来週中に事務局の方に何らかの手段でお伝えいただければと思います。よろしいですか。
 それでは特にご意見がなければ審議を終わりにいたしますが、よろしゅうございましょうか。
 それでは、本日、年度末のお忙しいところご出席いただきましてありがとうございました。大変実のあるご議論をいただいたと思いまして、今後また引き続き、作業部会の先生方にもご苦労いただくでしょうし、事務局にもご苦労いただくと思いますが、この食品成分委員会の仕事を続けさせていただきたいと思います。貴重なご意見をいただきどうもありがとうございました。
 それではこれにて閉会させていただきます。

午後4時30分閉会

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