研究開発基盤部会(第18回)議事録

1.日時

令和5年6月23日(金曜日)16時00分~18時00分

2.場所

オンライン開催

3.議題

  1. 部会長及び部会長代理の選任について【非公開】
  2. 運営規則等について【非公開】
  3. 部会での審議事項について
  4. 先端研究基盤共用促進事業中間評価について
  5. その他

4.出席者

委員

網塚部会長、雨宮委員、飯田委員、伊藤委員、江端委員、岡田委員、岡部委員、上西委員、上村委員、田中委員、鳴瀧委員、宮下委員

文部科学省

(事務局)科学技術・学術政策局 研究環境課 課長 古田裕志、課長補佐 林周平、専門職 田邉彩乃

5.議事録

【網塚部会長】 第12期第1回目の研究開発部会について、これより公開の議題に入ります。
 委員の皆様におかれましては、これから2年間、御審議のほどどうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、議題に入る前に、事務局を代表して科学技術・学術政策局研究環境課の古田課長より御挨拶をまずいただきたいと思います。古田課長、よろしくお願いいたします。
【古田課長】  御紹介いただきました研究環境課長の古田と申します。2年前に研究開発基盤課長ということでこのポストに入りまして、約2年間担当させていただいております。2年前の10月に組織の改編がありまして、この部会の担当は変わらなかったのですが、少しほかの業務が変わって、研究環境課ということで2年弱進めてきたところでございます。
 ただ、部会の所掌は変わりませんし、先ほど部会長から冒頭ありましたとおり、研究機器の共用とか研究基盤の整備というのは、本当にこの数年で様々な取組がされていて、それは文部科学省が主導する部分もありますが、それよりは各大学や各先生方がいろいろな知恵を絞って独自の例、ないしはそういったベストプラクティスを生み出していただいていると。今日も少し江端委員からも紹介があると思いますが、本当に前向きな動きがさまざまな形で動いているというところで、私としてはありがたいなと思っております。
 この研究開発基盤部会は、第12期が今日からということで、これまでどちらかというとオンラインでの開催が多かったのですが、あえてできるだけ対面という形でお集まりいただいたところでございます。
 今後は、少し様子を見ながら、社会的な状況もあると思いますので、そこはハイブリッドに変えていくのかどうか、また判断させていただきますが、今日はこのような形で、私も初めて対面でお会いする方が大変多い状況ですが、今日は良い議論をさせていただければと思います。どうぞよろしくお願いします。
【網塚部会長】  古田課長、どうもありがとうございました。
 それでは、議題3、部会での審議事項について進めてまいりますが、まず事務局から御説明をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
【林課長補佐】  それでは、研究環境課の林より議題の3、部会での審議事項につきまして、1課題・検討事項及び2研究基盤に係る現状と課題という2部構成で資料に基づき説明させていただきます。
 では、9ページ以降から御覧ください。こちら、第12期部会における課題・検討事項ということで、第11期からの引継ぎ事項というものを次のページに示しております。
 10ページ目を御覧ください。こちら、大きく4つの構成に分かれてございまして、上の水色部分が大学等における戦略的な研究基盤の整備・共用ということで、コアファシリティ構築支援プログラムや研究設備・機器の共用推進に向けたガイドラインということで、また後ほど説明もございますが、これまで取り組まれてきましたこういった取組を基に、各大学における戦略的な研究基盤の整備・共用についての検討を進めていく。
 また、緑の部分、国内有数の先端的な研究基盤の利用環境整備ということで、こちらもまた説明がございますが、先端研究設備プラットフォームプログラム等の取組を基に、課題のコンサルティング機能の確立ですとか、遠隔地からの利用・実験の自動化等の取組について検討を進めいく。
 また、紫の部分、研究設備の共用の推進に係る人材の活用ということで、こちらもコアファシリティ構築支援プログラムやガイドラインの取組を基に推進を進めていることについての議論。
 また、最後、橙色の部分について、新たなイノベーション創出を支える基盤技術開発ということで、JST未来事業や戦略事業の下に取り組まれている研究開発につながる基盤技術ですとか、日本の計測・分析技術の強みを生かした政策の在り方についての検討といったところが第11期から残していただいたもの、引継ぎ事項としてございます。
 こちらの第12期において2年間を通して検討していく事項として、不足している部分ですとか、こういった視点があるといったことをこの後、御議論いただければと考えてございます。
 次のページでございまして、こちら、御議論いただくに当たりまして、研究基盤に係る現状と課題について、簡単に御説明させていただきます。
 12ページを御覧ください。研究基盤に係る文部科学省の取組といたしましては、大きく1の研究施設・設備・機器の整備・共用、及び2の研究機器・共通基盤技術の開発といったところで分けさせていただいております。
 1の研究施設・設備・機器の整備・共用につきましては、主に施設の規模や施策の目的に応じて、こちら、左側に3Cという3つのCが並んだような絵のことを3Cと呼んだりもしますが、こういった形でフェーズ分けをして支援を行っているようなところでございます。
 まず、中央のピンク色の部分につきましては、特定先端大型研究施設ということで、こういった施設を共用促進法に位置づけて全国的な共用を実施しているところでございます。
 こちら、トピックスとして後ろの76ページを御覧いただければと思いますが、前期の部会におきましても御視察いただきましたNanoTerasuに関連いたしまして、2023年5月25日に国会のほうで、特定先端大型研究施設の共用の促進に関する法律の一部を改正する法律が全会一致で成立しているところでございまして、NanoTerasuも特定放射光施設として位置づけられ、法律に基づく運用が2024年4月1日より可能となっているところでございます。
 また、次のページも御覧いただければと思いますが、ほかにもこちらの共用法に基づく施設として例えばSPring-8、1997年より共用開始されてございますけれども、世界の中で見ると第4世代の放射光施設の整備が進んでいることから、こちらSPring-8、第3世代でございますので、その中の蓄積リング、偏光磁石、電源系等の構成要素を第4世代のものに置き換える高度化開発が今後必要になってくると考えられているようなところでございます。
 こういった部分についても別途、議論が行われているようなところということでトピックスの紹介をさせていただきました。
 では、12ページに戻っていただきます。また続きまして、3Cの真ん中の緑の部分でございますけれども、こちらは国内有数の大型研究施設ということで、こういったものはプラットフォーム化し、円滑化、自動化を図りつつ、全国からの共用を促進するような事業に取り組んでいるところでございます。
 また、青い部分につきましては、各研究室で分散管理されてきた研究設備・機器につきましては、機関全体として戦略的に整備・運営をするような仕組みに向かっているようなところでございます。
 これ以外にも、大学共同利用機関及び共同利用・共同研究拠点におきましては、研究者コミュニティの要請に基づき、研究設備を共同で利用し、共同研究を実施するといった取組が灰色の部分でございますけれども、行われているところでございます。
 また、2の部分では研究機器・共通基盤技術の開発というところで、例えば未来社会創造事業においては、革新的な知や製品を創出する共通基盤システム・装置の実現といったテーマでしたり、また戦略的創造研究推進事業においても、社会課題解決を志向した革新的計測・解析システムの創出といった形での支援が行われているところでございます。
 本部会においては、主にこういった赤い四角の部分を中心に御議論いただくような形になるのかなと考えているところでございます。
 次の13ページでございます。これまでの研究基盤政策の変遷というところで、まず大型のものにつきましては、1994年から共用法による先端大型施設の共用ということで、法律に基づく支援が行われているところでございます。
 また、各機関が保有しております研究施設や設備の共用につきましても、幾つか転換点がございますが、例えば2016年からは、国内有数の施設・設備についてプラットフォーム化するプログラム、緑色の部分が行われて、また2021年からは、遠隔化・自動化、ワンストップサービスという部分に特に注目されて支援が行われているところでございます。
 また、青い部分、2016年から機関内組織の共用体制構築というものを新たな共有システムの導入という形で行われておりまして、また機関内組織ということで、研究科の単位などだったものが、2020年からは機関全体の共用体制構築ということで、コアファシリティ構築という形での支援が行われているところでございます。
 次の14ページでございますけれども、これまでの科学技術政策全体の中で眺めますと、現在は第6期基本計画の期間に位置づけられているところでございまして、こうした中で研究組織から機関全体のマネジメントとなる中、共用ガイドラインの作成が令和3年度に行われ、また令和4年度から各大学において共用方針策定・公表が行われるといった期間になっているところでございます。
 次のページからは、科学技術・イノベーション基本計画ですとか、研究基盤関係の記載がございますので、御参照いただければと思います。
 少し飛ばしていただきまして22ページにつきまして、先端研究基盤共用促進事業ということで、予算のポンチ絵を載せさせていただいております。
 こちら、先ほど申し上げた3Cの真ん中と外の部分について、国内有数の研究基盤をプラットフォーム化するプログラムや、大学研究機関全体の統括部局の機能を強化し、設備等を共用する仕組みを構築するプログラムにつきまして、令和5年度におきましても11億7,900万円ということで継続的に実施する予算を確保しているというところでございます。
 次のページからがこれらのプログラムの詳細となってございまして、先端研究設備プラットフォームプログラムにつきましては、事業期間5年間で事業規模最大1億円というところで、こちら、次のスライドにございますとおり、4プラットフォームを支援しているところでございます。
 こちらの効果等につきましては、25ページに参考に載せてございますけれども、参画機関1機関当たりの共用設備利用件数が前身のプログラム、共用プラットフォーム形成支援プログラムに比べて約10%増加しているといったデータが出ているところであり、これは遠隔化・自動化への対応による部分もあると考えているところでございます。
 また、次のページ、コアファシリティ構築支援プログラムにつきまして、こちらも同様に、事業期間、原則5年間というところで実施をしているところでございまして、その次のページにございますとおり、令和2年度採択5機関、令和3年度採択10機関というところで支援が行われているところでございます。
 こちらのプログラムの効果等につきましても28ページに記載がございまして、インプット部分としては、統括部局が関わる共用機器数が約10%増加ですとか、全学的な共用システムに参画する技術職員数が8%増という、またアウトプットへの効果として、対象となる設備の利用件数が増加している部分ですとか、また利用料収入が増加しているという部分が数字として現れているというところでございます。
 続いて29ページは、議題4にも少し関係するところでございますけれども、これらのプログラムにつきまして、事業3年目をめどに中間評価が行われるということになっているところでございます。
 そして、令和4年度は、コアファシリティ構築支援プログラムの令和2年度採択機関5機関を対象として中間評価を行ってございます。
 30ページに、その際に確認された観点を記載させていただいておりまして、共通して達成が進んでいる事項といたしましては、経営層のリーダーシップの下、全学的な体制が整備され、研究設備・機器の戦略的な整備・運用に向けた仕組みやルールの構築が行われており、コアファシリティ化を先導する機関としての取組が進んでいるといったコメントをいただいているところでございます。
 また、これらの展開につきまして、人材育成や外部連携など非常に進んでいるよい点については、共有・展開していくための検討も重要であるということですとか、また優れた取組をシェアするためのネットワーク形成等に関する検討も重要という指摘をいただいているところでございます。
 また、プログラム終了後に構築された体制をどのように維持・発展させるか、資金面の自立性なども共通した課題として挙げられているところでございます。
 この次のスライドから具体によい点として挙げられていた各大学等の取組についての資料を載せてございますので、御参照いただければと思います。
 また少し飛びまして40ページを御覧ください。こちら、研究設備・機器の共用推進に向けたガイドラインというところで、2022年3月に策定をしているところでございます。
 41ページに、検討会に御参加いただいた委員の方々等を記載させていただいておりまして、御協力ありがとうございました。
 42ページの部分がガイドラインの内容を簡単にまとめたものとなってございまして、こちら、大学等の研究現場において共用推進を図る際の手引となるように策定しているものでございます。
 基本的な考え方としては、経営戦略に共用推進を明確に位置づけることや、チーム共用を推進すること、また多様な状況を把握・分析して戦略的設備整備・運用計画を策定することといったことが示されているところでございます。
 また、共用の意義とメリットとして、限りある資源の効果的な活用、外部連携の発展、効率的な管理・運用というところも示させていただいているところでございます。
 次のスライドにポイントについて記載させていただいておりまして、今しがた述べました基本的な考え方を踏まえて、体制としては経営戦略への位置づけということで、例えば設備・機器は重要な経営資源であるということを位置づけることの重要性ですとか、また統括部局を確立することの重要性といったものが示されております。
 また、共用の範囲・共用化のプロセス、共用の対象とする設備・機器の選定などについても書かれており、特に基盤的経費については、共用化の検討を行うことが原則と記載させていただいております。また、具体的な運用方法についても、例えば設備・機器の提供に関するインセンティブ設計が重要といったことなどを記載させていただいております。
 また、利用料金の設定につきましても、継続的な整備等が重要であることから、そういった財務の観点ですとか、あるいは技術職員の活躍といった人材の観点の重要性についても記載があるところでございます。
 また、少し飛ばさせていただきまして47ページでございますが、共用ガイドラインのフォローアップ調査等の実施についてというところでございまして、科学技術・イノベーション基本計画においては、2022年度から大学等が研究設備・機器の組織内外への共用方針を策定・公表するとされているところでございます。
 また、先ほど申し上げたとおり、文部科学省においてもガイドラインを策定し、大学に周知を行ったところでございますので、その状況を踏まえまして、大学等において共用方針の策定・公表がどれだけ実施されているか、また今後の政策検討に向けて研究設備・機器の整備や共用に係る状況を把握するという観点から、こちらの調査を実施させていただいたところでございます。
 この後ろにつけているのは、対象の中でも国立大学の部分につきまして、主な質問事項へどういった回答があったというところをまとめたデータとして示させていただいているところでございます。
 48ページ、共用方針につきましては約76.3%、戦略的設備整備・運用計画については約68.8%が令和5年度末までに策定予定というところですとか、経営戦略において共用の推進を位置づけているのが72.5%という数字となっているというところ。一方で、未着手のところもございまして、そうしたところの理由についても書かれているというところでございます。
 また、次のページは、統括部局を位置づけている機関がどの程度あるかというところについては73.5%、またその形態は、横断的な部門を中心に組織している機関が半分というところで、右下のイメージ図の例1、2、3のどれに該当しているかというところを示しているようなところになっております。
 また、今後の政策検討に資する調査結果として、推進体制として経営層は約80%、また技術職員も80%が統括部局に関わっているという一方で、URAについては48%にとどまっている点ですとか、また人事部との連携が46%、財務部との連携は64%にとどまっているといった数字が示されているところでございます。
 残りの部分もちょっと細かくなってございますので割愛させていただきますが、こういった部分も参考にしていただきながら、この後、御議論いただけますと幸いでございます。
 以上でございます。
【網塚部会長】  ありがとうございました。
 それでは、ただいまの現状と課題の説明に関連しまして、江端委員から話題提供として研究基盤協議会の取組状況について御説明いただけると伺っております。よろしいでしょうか。
 それでは、続きまして江端委員から御説明をお願いいたします。
【江端委員】  貴重なお時間をいただきありがとうございます。89ページの参考資料2ということで一般社団法人研究基盤協議会と書いてあります資料を御覧ください。
 科学技術・学術審議会学術分科会研究環境基盤部会という研究振興局の会議において一般社団法人研究基盤協議会としてヒアリングがありました。その際に作成させていただいた「研究設備・機器の共用推進に向けたガイドラインを通じた大学における研究基盤マネジメントのあり方」というタイトルの資料を基に、今回、簡単に御紹介させていただきたいと思います。
 一般社団法人研究基盤協議会は、本部会の前期、第11期の委員の皆様にも多大なる御協力をいただきまして、また文科省の方々にも様々なフォローをいただいて立ち上がった協議会です。
 左側の赤枠に書いてありますとおり、本協議会は、「研究基盤に関する知見を我が国全体で蓄積、共用、展開することによって、自立したサステナブルな研究基盤システムの構築、そしてその発展に貢献する」ということを大きな目的としてこの1月に設立されました。
 本協議会に参画していただく団体は、設備サポートセンター整備事業という文部科学省の事業、また新共用事業、先端研究基盤共用促進事業という、研究環境課さんが実施されている事業のネットワーク、そしてコアファシリティ構築支援プログラムの採択校第1期採択校5機関の、合わせて60機関を超えるような方々とのネットワークをベースとしています。
 これまでの活動実績としましては、この後の資料で詳細が記載されておりますので、ぜひ御覧いただければと思いますが、先ほど林補佐から御紹介いただきました研究設備・機器の共用推進に向けたガイドラインへの提言、そして関係する25機関のヒアリング対応に関する調整等もさせていただきました。
 さらに、内閣府における研究者の研究時間の確保に関する政策の企画立案、実態調査への貢献だけでなく、内閣府のCSTI議員による木曜会合でのヒアリングにも呼んでいただき、現場における現状、課題を共有させていただきました。
 そして、毎年、文部科学省さんと共催させていただいている「研究基盤EXPO」という、おおよそ1,500名ほど参加者が集う研究基盤に関する我が国で最も大きなイベントも開催させていただきました。こういった活動実績を基に、今後さらにそれを発展させていくための事業を展開していきたいと考えております。今後は、グローバル(グローカル)に活躍できる「研究基盤を最大限生かせる人財」の育成と社会の輩出、および我が国の研究基盤に関するエビデンスを国と協力しながら調査研究して共有できるデータプラットフォームの構築等を具体的に展開していきたいと考えております。
 資料右上には、今回理事になっていただいた10名のメンバーが並んでおります。教員、それも現場あるいは執行部にいらっしゃる方、技術職員、URAの方、公認会計士、行政書士などから構成されている多彩でかつ、多くのステークホルダーをカバーできるようなメンバー構成となっております。
 これに加えてアドバイザリーボードには、本部会の委員でもいらっしゃいます上西先生にも御協力いただきながら、研究基盤に関する最先端の取り組みを行っている各大学の研究担当理事の先生方にもご参加をしていただいております。
 次に資料の96ページをご覧ください。
 林補佐のガイドラインの御説明にもありました「戦略的設備整備・運用計画」に関して、早速多くの大学でいろいろと対応されているということは、フォローアップ調査の結果から分かったところですが、最も大きな課題は、各大学における研究基盤に関する現況の把握、分析ができていなかったところが問題点として挙げられております。
 これに加えて、設備機器の導入には財務系の視点も非常に重要で、事務職員の方々も含め、これまでのプレーヤーに加えさらにステークホルダーの範囲を広げた大きな改革になるということで、「戦略的設備整備・運用計画」を大学全体として執行部が認識して構築をしていかなければいけないというところを特に強調させていただいております。
 98ページに、一般社団法人研究基盤協議会として出させていただいた提言がまとめられております。大学の規模の視点、戦略的な設備整備・運用の視点、財務の視点、人財の視点、機関間の連携の視点という5つの視点でまとめさせていただきましたので、こちらもぜひ御参考までに御覧いただければと思います。
 最後のページになりますが、100ページです。出典の研究基盤協議会シンポジウム、文科省林補佐から御説明いただいた資料になります。
 こちらの資料では、「研究基盤協議会を通じた連携強化について」と題して、現場の声の重要性と研究基盤協議会が現場と政策の双方向のコミュニケーションを取る場として、特にコアファシリティ事業実施機関をはじめ、共用の推進に取り組む機関の連携を強化し、更なる課題の抽出や、好事例の展開・発展を進めることにご期待をいただいているとお話しいただきました。我々と文部科学省が協働しながら、機関を超えて議論の必要なテーマについて課題解決を実践してまいりたいと考えております。
 本日、御参加の委員の先生方にはお手元にこちらのパンフレットをお渡ししておりますので、ぜひこちらも御覧いただければと思います。本協議会には、ここに集う全国の技術職員、あるいはURAの方々を含めた「研究支援人財の若手のネットワーク」が設置されており、若手視点での問題提起が見える化されているというのも大きな特徴です。これまで我々の活動をフォローいただいておりました研究開発基盤部会での議論をベースに、一般社団法人研究基盤としてもさらなる発展的な活動を積極的に行っていきたいということで今回御紹介させていただきました。ありがとうございます。
 以上です。
【網塚部会長】  江端委員、どうもありがとうございました。
 ただいま研究基盤に係る現状と課題、それから研究基盤協議会の取組の状況について詳しく御説明いただきました。これまでの状況と課題がほぼ網羅されていたと思います。
 それでは、ここまで御説明いただきました内容について、委員の皆様から一言ずつ御意見をいただきたいと思います。1回目ということで、対面でもございますし、御発言の際に、冒頭に簡単な自己紹介と、現在、取り組まれていることなどの御紹介も簡単に加えていただけたらと思います。時間はたっぷりありますので、お1人5分ぐらい話していただいて結構です。
 いつも名簿順にお願いしておりますが、私が最初になってしまいます。そのほうがよろしいでしょうか。それとも、雨宮委員からお願いしたほうがよろしいでしょうか。どちらの方が話しやすいかなと。では、私は最後ということで、雨宮委員からお願いいたします。
【雨宮委員】  改めまして、高エネルギー加速器研究機構物質構造科学研究所の雨宮と申します。サイエンスとしては表面科学を専門としておりますが、物質構造科学研究所のことをお話ししますと、大学共同利用機関ですので、いわゆる量子ビームです。放射光、中性子、ミュオン、低速陽電子、この4種類を使って大学共同利用を展開しています。
 私はその中で放射光を個人的には担当していますけれども、それとは別に、最近取り組んでいるのは、複数の量子ビームを使いこなしていただこうということで、例えばふだん放射光しか使ってない方にぜひ中性子も使ってより深い研究をしていただく、そのためのコンサルティングであったり、そのための設備の整備であったりといったことを進めるということが最近私の取り組んでいるところになります。
 そのぐらいで私の紹介はいいとして、これについてお話をすればよろしいのでしょうか。
【網塚部会長】  そうですね。それぞれのお立場から何でも思いつくこと、あるいは質問でも結構ですので、おっしゃっていただけたらと思います。よろしくお願いします。
【雨宮委員】  研究基盤の整備に関して言えば、2年間この委員を務めさせていただきましたので、特に機器・設備の共用というのが進んでくる様子を目の当たりにしてきました。
 それは本当にすばらしいことで、多分、この次のある意味ステップとして、それを活かしていく、共用したことによって、それをどう活かしていけるかということがきっと課題になってくるのだと思いますが、そこには恐らく様々な問題が出てくると思います。
 当然、装置は維持管理していかなければならないし、老朽化もするでしょうし故障もする、事故もあるといったことがどんどん起こってくると思いますが、そういったことを解決していくには、共用化は必ずメリットになると思いますね。そのメリットをどれだけ活かしていけるか、そのために我々としてどんなサポートができるかといったことを議論していくのは本当に大切なことだなと感じております。
 あともう一つ、物、設備はあるだけでは駄目ですよね。それを使う人がいるわけで、実は私もおとといぐらいに、我々の研究所内で共用になっている小さな装置を使おうとしたのですが、パソコンが立ち上がらないために使えないというとても残念な状態になりまして、そういったことは少しスキルのある人だったら解決できますが、そのとき近くにいなかったわけです。
 そういった、技術を持つ人材を確保していく、あるいは育てていくといったことが、物だけではなくて重要になってくると改めて感じた次第です。
 私からはこのくらいにしたいと思います。
【網塚部会長】  ありがとうございます。
 それでは、引き続きまして飯田委員、お願いしてよろしいでしょうか。
【飯田委員】  島津製作所の飯田と申します。今回から参加させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
 最初に、自己紹介させていただきます。私は島津製作所に入社以来、質量分析という、今は大学、研究機関でのライフサイエンス研究をはじめ非常に様々な分野で使われ、応用が拡大している手法の研究と製品企画・開発、マーケティングなどに関わってまいりました。質量分析は現在、島津製作所の最も重要な事業の1つになっております。世界トップクラスの研究の場を見たいと米国に留学し、大学の研究室が企業と密接に連携して、最先端の機器の開発をしているというのを実際に目の当たりにしたということもございました。
 このたび委員にさせていただきまして、分析機器メーカーの立場から日本の研究開発力、先ほどお話がございましたけれども、いろいろ課題も指摘される中、とにかくトップクラスで輝かせ続けることを目指して、審議のお役に立てるような意見を述べさせていただけるように勉強もしたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 また、その際に、当然ですけれども、分析計測機器全体の業界としての声にも十分に耳を傾けて、業界のエゴではないように、そこは十分に留意しながら発言させていただくように努めたいとも思っております。
 また、私は島津製作所が大阪大学に置いています研究所という位置づけの島津分析イノベーション協働研究所という組織の所長も務めておりまして、産学共創に取り組んでおります。その協働研究所のラボに装置をいろいろ置いています。主には大阪大学の学生、研究者、教員が多いのですが、それ以外の大学や企業の方に来ていただいて、ラボの装置を使い共同研究を進めることもしております。
 この関係で、社会人の博士課程の学生の育成ということに取り組んでおり、その辺りのところでも貢献できればと思っています。
 第12期部会における課題・検討事項というのを御説明いただきまして、10ページにまとめていただいている課題はいずれも極めて重要で、しっかり勉強したいと思っております。先ほど江端委員からご説明いただきました大学等に向け戦略的な研究基盤の整備・共用での人の重要性というのは私も非常に思うところでございます。
 分析機器メーカーとしても、それを使っていいデータをどんどん出していただくことが大変重要になります。
 国内有数の先端的な研究基盤の利用環境整備というところでは、遠隔地間の利用ですとか実験の自動化、さらに加えますと属人性の排除、また、測定データの共有・利活用の推進というのは、企業として事業の面からも非常に関心のある部分でございます。
 新たなイノベーション創出を支える基盤技術開発に関連しまして、企業で装置開発のプロジェクトを率い、海外装置企業との競争にさらされてきたという立場から、海外、主に欧米企業が欧米の研究者のニーズ、インプットに基づいて開発した装置を、日本の研究者がタイムラグや価格など一種のハンディを伴うような立場になるというのを何とか変えていきたいなと考えておりまして、ぜひともそういうところに貢献したいと考えている立場でございます。
 長くなりましたが、どうぞよろしくお願いいたします。
【網塚部会長】  どうもありがとうございました。
 それでは、続きまして伊藤委員、お願いいたします。
【伊藤委員】  株式会社デンソー先端技術研究所所長をしております伊藤と申します。
 私も今回から初めての参加ということでやや緊張しておりますけれども、いろいろと勉強させていただきながら、企業のユーザーという立場で意見を述べさせていただけることがあればいいかなと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
 私は、当社に入社後、セラミックスや電池関連の材料研究を担当して参りました。当社は自動車部品というイメージが強いかと思いますが、自動車部品そのものは、構成要素を最後まで分解しますと素材、材料でございまして、材料の研究からしっかりとやるということが重要であるということで、入社以来、一貫して材料を中心とした研究開発の立場におります。
 現在は先端技術研究所の所長ということでございまして、当社のビジョンである人が幸せを感じられる持続可能な社会の実現に向けて必要な技術開発を担当しています。例えば、車の電動化や自動化、あとはサーキュラーエコノミー、カーボンニュートラルなど、様々な社会課題がございますので、そういった課題を解決するために必要な要素技術を開発するということで、当研究所では、材料はもちろんのことでございますけれども、AIあるいは量子といったようなソフト系の研究、そして人と機械が協調することが最後は重要になると思いますので、人間工学、人間特性といったような研究もしておりまして、それらに必要な技術を構築し、0から1を生み出して事業につなげていくといった非常にチャレンジングな部分を担っている部隊でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 コメント及び質問という形になりますけれども、先端研究プラットフォームプログラムの中で、遠隔化、自動化、ワンストップサービスというものが普及し始めていて利用率が上がっているというようなデータがあったかと思いますが、最終的には、例えば大型分析装置の遠隔化あるいは自動化はどの辺りまでを目指されてみえるのでしょうか?すでに前期までの活動で明確になっているのでしょうか。
また、ロボットなどを当社は開発・製造・販売しており、自動化が進む社会というのは高齢化社会という観点でも、ロボットによる遠隔操作は非常に重要な観点だと思いますけれども、リアルで見るといった観点も非常に重要だと考えており、リアルとバーチャルの使い分けについて、どのようにお考えになられているのか意見をお伺いできればと思った次第です。
 あと、自動化が進んでまいりますと、データがたくさん取得・生成できる世界になってくると思いますが、サイバーフィジカルシステムというのが一般的になってくる中で、リアルワールドのデータをどういうふうにサイバー空間に上げて、それをどう解析してまたリアルワールドにフィードバックしてくるかということが今まで以上に重要になってきます。そういう中で、セキュアな形でデータを保障しなくてはいけないとなってくると思います。この辺りについてももう既に十分取り組まれてみえるかとは思うのですが、この部会としての御意見等があれば伺いたいと思った次第です。
 以上でございます。
【網塚部会長】  ありがとうございました。せっかく御質問をいただきましたので、私からまずお答えしますと、遠隔化、自動化は、もともとはそれぞれの大学機関等で共用設備を整えましたよね。そうすると、自分の大学だけではなくて、他大学など遠方からわざわざそこに研究者が来なくても実験できるような環境を整えてユーザーを拡充すれば、より効果的な設備共用が実現することから、遠隔化、自動化の事業がここで話し合われて、それが走ったという経緯があります。
 しかしながら、その後にコロナパンデミックが起きたため、遠隔化、自動化に別の意義が生まれました。つまり、大学に行かなくても自宅から設備を操作する、また、大学がBCPレベル3で通勤、登校しては駄目というような状況になると、例えば、液体窒素やヘリウムの補充をするができずに装置を止めなければいけない事態が発生しました。そのようなパンデミックのリスクを回避するためのニーズから、遠隔化、自動化の対応が一気に加速しました。
今は非常に便利な状況になっていて、24時間装置を監視しながら遠隔で実験できるようになっている装置も多いと思われます。でも、その先のゴールがどこにあるかという点は、まさにおっしゃったとおり、これからAIの活用も進むでしょうし、これから議論していくべきことだと思います。まだ走り始めたところなので、まさにここで理想像や将来の課題を議論して、よい政策を作り出せればよろしいのではないかと思います。
 また、データの活用に関しては、現在、大学でも議論が進められており、各大学ではデータポリシーが作られていると思います。そこではデータに対するセキュリティーと、データをいかにオープンにして、多くの人に活用してもらい成果を最大化していくかという二つの論点があると思いますが、これは特定の分野では以前から行われていることではあります。
 物理学の分野ですと、素粒子実験等、加速器の衝突実験等で得られたデータは世界に公開されて多くの研究者が解析しますし、天体望遠鏡からのデータもそのような活用されます。生物のDNA、遺伝子情報などもそうだと思いますが、バイオ関連分社でもそのようなオープンサイエンスが進んでいると思います。が、全体としてはこれから大いに進展の余地があるので、オープンサイエンスの基盤整備も非常に重要課題になるのではないかと思います。御質問いただきましたけど、まさにタイムリーな課題を御提供いただいたように思いますが、ほかの皆さんから何か補足の御説明があれば、あるいは事務局、文科省として進められていることがもしあればコメントお願いいたします。
【林課長補佐】  ありがとうございます。遠隔化、自動化の部分は、網塚部会長が御説明いただいたとおりのお話でして、コロナ禍で、ある意味、位置づけが若干違うものとして広がっていった。
 ただ、現在、また状況が変っていく中で、どういったところを目指していくべきか。完全に無人であればいいかというと必ずしもそうではなく、逆に手間が増えてしまう部分もあったりするなど、様々な分野の方から御参画いただいている本部会の中でも御議論をいただけると大変ありがたいと思いますし、また、研究データにつきましても、昨今、注目を集めている中で、どのような取組みが必要か。さらに、大学と産業界の間でのギャップのような部分は様々なところで指摘もございますので、そういった点も踏まえながら、ぜひ御議論をいただけるとありがたいなと思います。
【網塚部会長】  よろしいでしょうか。
【伊藤委員】  いろいろと質問してしまい失礼いたしました。ありがとうございます。
【網塚部会長】  ぜひ企業の取組も教えていただけたらと思います。今後ともよろしくお願いいたします。
 続きまして、それでは江端委員お願いいたします。
【江端委員】  先ほどは一般社団法人研究基盤協議会の代表理事・会長としての立場でお話をさせていただきましたが、ここからは東京工業大学の一教員としてお話をさせていただきます。改めまして、よろしくお願いいたします。
 私の専門は宇宙化学です。隕石等の宇宙由来の石をサンプルに二次イオン質量分析計、電子顕微鏡等を使って表面分析を行い、太陽系がどのように形成されたのか解明するために日夜研究をしておりました。様々な分析機器を組み合わせてサイエンスに取り組んでいくことは、それこそ新しい融合分野をつくることであり、イノベーションにつながるような取組ができるのではないかと考え、研究基盤の共用化が「英知を結集した創造の場」として重要な政策と位置付けております。研究者から理事補佐という立場で執行部へ入り、大学の研究基盤戦略あるいは経営戦略といったところに携わり、企画立案、また政策等につないでいく仕事もさせていただきました。現在は産官学、そして地域等を含め、様々なところで走り回って今本部会の委員をさせていただくことになりました。
 現在、東京工業大学のプロボストである総括理事・副学長の特別補佐として仕事をさせていただいています。
 また、共用化ガイドラインに関する検討会の座長を務めさせていただいた関係もありまして、そのガイドラインに「経営」という新たな視点を入れさせていただきました。検討会ではほかの委員の先生方からも様々なお話があって、今回のガイドラインは国公私を含め非常に多くの方に参考になるようなものになっていると思っております。先ほどのフォローアップ調査の中でも、私が思った以上に多くの大学でその意識が高まってきているような結果が出ていましたので、さらにそれを全国の大学に広めていくべく私なりの取組をさらに進めていきたいと考えております。
 第11期にも本部会の委員をやらせていただいて、こちらの課題、検討事項のまとめにも携わらせていただきましたので、ぜひこれを具体的に進めていただきたいと思っております。
 今回、新しく御参加いただいております委員の先生方からは、これまでの議論に新たな視点を加えていただきながら、これらの課題をどのように解決していくかぜひ議論させていただきたいと思っております。
 さらにこのまとめに加えて、どういった視点が必要かというところですが、私がここで特に強調したいのは、30ページのコアファシリティ構築支援プログラムの中間評価を通して確認された観点です。
 中段あたりに先導的な取組の展開についてと書いてありますが、一番下に、「事業の成果をオールジャパンの取組として横展開すると、そのために優れた取組をシェアするためのネットワーク形成等に関する検討も重要」というコメントが出てきております。
 こういった取組は、内閣府もそうですし、文部科学省もそうですし、オールジャパンというキーワードが最近、政策文書の中にも多く出てきておりまして、コアファシリティ事業をさらにオールジャパンの取組に発展させるためにどのような政策が必要なのかという議論は、実はあまりされていないところであります。
 各事業ベースの好事例はたくさん出てきておりますが、そういった事例を多くの方に共有していただくようなオールジャパンの仕組みというのはどういうものであるのか、それに対して政策的にどういうサポートが必要なのかといったところも、ぜひここで議論させていただいた上で、政策に展開していただきたいなと思っております。
 私としては大学を経営するという視点で設備、またそれに付随する施設、そういったリソースを最大限活用するために、共用というのは1つの手段として重要だなと考えておりますが、あくまでもこれは手段であって、そこのKPIやゴールが、共用した台数であったり、利用者数がどの程度かというような話は、これまでの議論の積み上げの中で終わっている話かなと思いますので、その結果、我が国の研究力向上、あるいはイノベーション創出にどうつながってきたのかというところを念頭に、この場でさらに議論をさせていただきたいと思っております。引き続きよろしくお願いします。
 以上です。
【網塚部会長】  ありがとうございました。
【網塚部会長】  岡田委員、いらっしゃいますか。どうもお世話になっています。今期もよろしくお願いいたします。
【岡田委員】  よろしくお願いします。
【網塚部会長】  それで、今事務局と江端委員から御説明いただいた後で、お1人ずつ自己紹介と、あと一言それぞれの御専門の立場から御意見をいただいていたところで、ちょうど岡田委員の番になったのですが、後にしましょうか。
【岡田委員】  そうしてください。
【網塚部会長】  それでは、岡田委員は後ほどということで、岡部委員、よろしいでしょうか。
【岡部委員】  東北大学の岡部と申します。どうぞよろしくお願いします。私も今期から参画させていただきました。
 私自身は航空機用の複合材料の研究を行っているものでございまして、最初はそれだけだったのですが、今はタイヤとかポリマーとか、かなり幅広いもののデジタルツインの研究をさせていただいています。
 私自身は工学部でして、特に産学連携に非常に力を入れておりまして、現在30社ほどと共同研究をしているということで、多分、こういうことで呼ばれたのかなと考えているところでございます。
 また、NanoTerasuとの連携も今加速しておりまして、来年の4月1日に光が通るということが予定されていますけれども、こういう施設を国としての産業競争力につなげていくというところが先ほどの議論ともリンクするのかなと考えているところでございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 私から質問というか、私自身がちょっと感じていることですけれども、特に今回、この内容というのは、多分、総合知という話はあまりなくて、文系という話もあまりないので、理科系に限ってお話しさせていただきたいと思います。
 もちろん、それも議論は今後入るのかもしれませんけれども、理系といったときに、研究力の低下と言われているときに、ざっぱくな整理になり過ぎてないかなと考えています。というのは、サイエンス、科学としての研究力の低下と工学としての研究力の低下はちょっと意味合いが違うのかなと思っていまして、サイエンスはトップ10%論文に代表されるような理学系を中心とされる部分の研究力低下、これも非常に大きな問題で、多分世界的なコミュニティから日本がちょっと孤立しているという問題はあるのかなと思っています。
 一方、私の分野では工学だと思っていて、工学は基本的に理学で見つけ出した原理をいかに社会実装するかというところが工学の大事な点かなと感じているところで、やはり工学の分野でも研究力が低下しているのかなと感じています。
 それは、最大の点は社会、今どんどん、デジタルツインだけじゃなくて、いろんなものがデジタル化して、IT化して、速いスピードで変遷を遂げている中に、日本はどうしてもレガシーといいますか、自分の専門に固執してしまうがために、移りゆくものにアジャストできていないという、この辺りが非常にあると思っていて、この辺りが共用というところとも多少関係しているかなとちょっと思っていて、なぜかというと、私、ワシントン大学の連携教授もしていますが、ワシントン大学ですと、彼らがまず日本の大学に来てびっくりするのは、隣の研究室にもこの研究室にも、この研究室にも同じ装置がありますと、何で全く同じ装置が隣り合う3つの研究室であるのですかと。だったら、2つを違う装置にして、どんどん新しい装置を入れて、どんどんファンディングを目指すべきじゃないですかと言われたのですね。
 そういう考え方なのだというのがあって、結局、日本の今の研究力低下は、オープンイノベーションが成立してないことが最大の特徴で、みんなが垂直統合で1つの会社、それがどこの階層まで行ってもそうで、1つの産業、1つの会社、1つの研究所、1つの課、どこに行っても垂直統合になって隣と連携ができないというのが、まさに目に見える形で共用施設に出ちゃっているのかなと。
 もっと共用することで、ノレッジを共用指定という形にしていくと、共用施設というのは単にお金の無駄遣いというだけじゃなくて、知識の共有化にあって、特に工学という分野の研究力低下には効果的なんじゃないかなと思っているものですから、今日そういう話をさせていただきたいなと思いました。
 以上になります。
【網塚部会長】  ありがとうございました。
 それでは、続きまして上西委員、お願いしてよろしいでしょうか。
【上西委員】  山口大学の学術研究担当の理事・副学長をしております上西と申します。令和2年に今の理事に就任して、その年に幸いコアファシリティ事業に採択いただいて、私の理事のこの3年間は、コアファシリティ事業とともに私自身もいろいろ経験させていただいたと思っています。
 専門はMOT、技術経営で工学と経営を融合したようなところで、特に研究開発戦略論とかイノベーション論とかが専門で、まさにその専門性も生かしながらコアファシリティ事業をやっているところです。
 そういう中で、最初の3年、今までの令和4年ぐらいまでは、共用というのを手段として山口大学全体の研究開発効率を上げるというか、限られた予算の中でどうやって成果を最大、効率を上げるかというところにかなり重点を置いてずっとやってきたつもりですけれども、先ほども江端委員、それから岡部委員からも出てきましたけれども、効率化のための手段としての共用化というのはもちろんありますけれども、その先にあるのは新しい価値を生むということですよね。
 知識の共用という話もありましたし、共用化することによって異分野融合も進む部分がありますし、そういう共用化を通してイノベーションにつなげていくとか、そういう付加価値をつけるというフェーズに今度入ってくるのかなと。
 効率化からのフェーズから付加価値創出のフェーズに共用化というのも今後、向かっていくのではないかということで、第12期はぜひそういうところまで議論ができればいいなと思っております。
 以上です。
【網塚部会長】  どうもありがとうございました。
 それでは、続きまして上村委員、お願いいたします。
【上村委員】  CBI研究機構の上村と申します。先期、11期から続けてこの委員をさせていただきます。
 私の専門はX線結晶学でありまして、会社に入ってからいわゆるストラクチャー・ベースド・ドラッグ・デザインをやるラボを立ち上げるから勉強してこいということで米国のスクリプス研究所に送られて、構造生物学と、その頃は鍵と鍵穴と言っていたのですけど、そこにぴったり合うようなドラッグデザインをコンピューターでやるという仕事をやりました。
 先期は途中まで帝人という会社でずっと創薬の上流をやっておりまして、SPring-8も、もちろんフォトンファクトリーも使わせていただいたのですけど、SPring-8ができた当初から実験に行きまして、その頃は一晩で1つのデータでした。それが、今あっという間にデータが取れまして、月に100個とか200個とか解析できるようなスループットになったということで、もろに恩恵を受けたという形になります。
 私は未来社会創造事業の委員もさせていただいておりまして、どっぷりとこの領域に関わっています。また、AMEDの創薬等先端技術支援基盤プラットフォーム(BINDS)のPOもさせていただきまして、全国のクライオ電子顕微鏡が中国、アメリカに対して非常に遅れを取っていましたが、文部科学省とタッグを組むことによって全国各所に入れて、どうにかほかの国と遜色ない程度にできたのかと。文部科学省とタッグを組むということが非常に大事なのかなと思っております。
 SPring-8では、製薬企業の20社でコンソーシアムをつくりまして、そこで専用ビームラインを設置しました。競合他社のため今まで一緒にやることもなかったのですが、1つのビームラインをシェアして使うということで、私たち15分早く終わったから、15分使っていいよみたいな、そのような感じで本当にうまくできて、今もコンソーシアムが続いているのです。
 ビームラインは10年間で理研にお返ししたのですけれども、日本はなかなかコンソーシアムが続かないと言われている中で、20年以上も続いていて、それでお互いのレベルを上げていったというところがあって、非常に画期的なコンソーシアムを製薬企業の中でつくらせていただきました。
 その後、中性子のJ-PARCも、J-PARCは物理の殿堂でございまして、なかなか創薬に使っていただけなかったのですが、BINDSの第2期に新しく入れまして、中性子も入れた形で統合的な構造生物学という、integrated structural biologyと私は呼んでいるのですけど、そのようなシステムをつくり、BINDSで技術提供をするような形になっています。
 もちろんNMRもそうですし、先ほど申し上げましたクライオ電子顕微鏡も、BINDSに入ったようなところでも日本全体のクライオ電子顕微鏡をネットワーク化して、空いているところでみんなとにかく使うというようなシステムもつくらせていただいたりしています。
 NanoTerasuのときはどのビームラインをつくるかという選考委員もさせていただきまして、この間、時間がなくて視察には行けなかったのですけど、存じ上げている高田先生もいますので、動き出したらぜひ見に行きたいなと思っております。
 そういう観点からこの委員会に入って、私は大型放射光施設や、NMRも900MHzなどを使っていて、創薬の場合はもともと統合的な分野ですので、それらを使わないと話にならない。アカデミア創薬においても同様のことができるようにとにかく共用化の環境をつくってきたというところです。
 それで、岡田委員もいらっしゃいますけど、昔は先ほど申しましたように、酵素のように鍵と鍵穴みたいな話だったのですが、今はそうではなく、モレキュラーグルーなど非常に弱いところで、液-液相分離など、そういうところで創薬するような形になり、岡田委員がやっていらっしゃるイメージングや、それからQM/MMなどや中性子も併せて、とにかくトータルに使わないと本当の意味で生体内の状況に合った形での創薬というのができないのではないかと私は思っておりまして、ストラクチャー・ベースド・ドラッグ・デザインも、そういうものが全部できた上でやれば今までできなかったすごく効く薬が、創薬の種がないとか言っていますが、それはとんでもないことで、そのような状況ができていないから、生体内を反映した形でのドラッグデザインがいかに重要かというのを考えますと、このような共用システムは必須であると思っております。
 日本の中でベストなネットワークシステムをつくると岡田委員も大変御苦労されてやられていましたけど、先ほど岡部委員もおっしゃいましたように、隣の同じ機器を全部持っているというのは本当にもったいない話で、私もBINDSでサイトビジットに行きますと、どうしてこんな古い機械があるのか、本当に動くのかなと思うような機械をまだ使っているところもあるのですよね。
 だから、そういうところで効率的なアップデートを、日本を俯瞰した形で入れていけるとすごくいいかなと思いますし、金額的な面だけじゃなくてやっぱりアウトプットですよね。
 世界に日本のプレゼンスを示すためにはアウトプットがないと駄目なので、アウトプットにつながるようなシステムを構築するというのが非常に大事じゃないかと思っています。ですから、まさに上西委員がおっしゃったように、12期はそのフェーズにリンクしていくということが重要だと思います。
 次に、大型の放射光システムですけれども、NanoTerasuができたら次はSPring-8-Ⅱと思っていたのですけど、先ほどパーツを第4世代に変えるという話があったのですが、放射光を造る人も人材育成ですよ。そのため、連続的に施設をつくっていかないと、人材、造る人もいなくなります。だから、SPring-8以来、NanoTerasuまでこれだけ間があったというのは、いろんな人がその間にリタイアしていなくなってしまう。それは造るほうの人も人材育成をして、ちゃんとした放射光施設なりを造れるような状況にしていかなければいけない。
 だから、そこはぜひSPring-8-Ⅱ、8GeVは要らないので、もうちょっと小さいのでいいと思うのですけど、SPring-8-ⅡにNanoTerasuの次を続けていって、造れる人材が辛うじてまだいますから、そういう人たちの次につながる人材育成につなげていくことが大事なことじゃないかなと思っております。
 それで、あと運用に関してなんですけど、製薬会社におりますと、日本の放射光は1年の半分しか動いてないのですね。そうすると、結局、仕事ができないので、私は世界中の放射光を使っていました。ですから、どこかが地震とか災害で駄目になっても仕事を止めないように、結局全部やっていたのですね。
 ですから、そこがNanoTerasuもそういうふうな話だったのですけど、省エネで、結局、夏は冷やすのにお金がかかるからというので、やっぱり夏と冬は止めるということを聞いていて、ビームラインを造ったときは聞いていないというような感じで、1年間稼働するというから私も一生懸命選ぶようにしたのですけど。台湾も暑いですが、1年中で動いていますから、そこは文部科学省の方でぜひ1年の半分休むのではなくて、シークエンシャルにやれるような、どっちかが止まっているときはどっちかが動いているという形でも結構ですけど、そこを考えていただきたいなと心から思います。
 あと、よく産学連携といいますが、産学連携、難しいと思います。それぞれの会社の思惑も違うし、ただ、先ほどおっしゃっていましたけど、プロダクトにつなげるためにはマテリアルからやらないと駄目だというのはもう不文律というか、そういうことになってきますから、日本のプレゼンスを上げるのであれば、そこからやらないと駄目なので、それは決して他人事じゃないと思いますね、企業の方も。
 私も企業出身なのでよく言われたのは、計算機を使ったマテリアル設計というのは日本が遅れているからなかなかいろんな航空機の材料に選ばれなかった。マテリアルまで落とし込んでデザインできるような、どういう分子をつなげればそういう物性ができるかというところまでやらなくては駄目な時代になってきますから、それは会社のほうも産学連携をしないといけないですね。
 ですから、その辺はコンペティティブなところというか、世界で勝つためにはそれをやっていかなきゃいけないから、真の意味の産学連携をやっていくということが日本のプレゼンスを示すし、伍して、世界の中の一員としていられるという生き残りのための最後の手段になると思うので、企業の方が今回たくさん委員に入ってきていただいたので、ぜひそれらをこういう政策に生かして、お互いウィンウィンになると思いますので、日本のためにやっていけたらと思っております。
 江端委員のTCカレッジですか、本当にいいシステムで、モチベーションを高めて人材育成するというのは、企業のためにもいいですし、その人たちのハッピーな人生のためにもいいと思いますので、ぜひ全国に広めてやるような、委員会でやっていくような、そういう形が取れれば一番いいかなと思っています。微力ながら、コントリビューションしたいと思いますので。
【網塚部会長】  よろしくお願いいたします。ありがとうございました。
 続きまして、田中委員、お願いいたします。
【田中委員】  物質・材料研究機構の田中と申します。前期に引き続きまして委員を務めさせていただきます。
 私自身の専門は、マテリアルの中でもセラミックスや半導体、ナノマテリアルの電子顕微鏡をやってきていました。今、マテリアル先端リサーチインフラの仕事をしておりますが、これは別の課になると思いますが、文部科学省の委託事業で、ナノテクノロジー総合支援プロジェクト、ナノテクノロジーネットワーク事業、ナノテクノロジープラットフォーム事業と20年間続いてきたものです。
 20年前に大きな電子顕微鏡がそのプロジェクトに入ることになって、当時1,000キロボルトの電子顕微鏡がありましたので、それが入ったというところからお付き合いを始めて、気が付くとどっぷり運営につかっていたというようなところです。
 マテリアル先端リサーチインフラは、それまでの事業と違って少し変わった名前になったというのは、ナノテクノロジープラットフォーム事業というのは全国の幾つかの機関――現在は25機関ですけれども――の先端装置を全国の方、産学官の方に使っていただくという事業で、それぞれ連携しながら、機関ごとに特徴のある装置を出して使っていただくというものだったのですけれども、マテリアル先端リサーチインフラからは機器を利用していただく、または、こちらが代行することもありますが、そうやって得られたデータというのを一元的にためてきて、そのデータをどんどん蓄積して、それを利活用するところまで持っていこうというものになります。
 そのため、今までは装置の余った時間をほかの方に使っていただいていたのが、データを入れて、データを使った残りのデータも今度は使ってもらおうという次の段階といいますか、そういうところを目指しているのです。
 7つの重要技術領域という国策に沿った重要技術領域というのを設定していまして、それぞれ責任を持った機関ごとに分かれています。
 NIMSは、量子・電子のマテリアルというものと、それからマテリアルの循環のための技術というところをやっていまして、私はマテリアルの循環のほうをやっています。どちらかというとソフトのものも多くて、今までのハードなマテリアルをやってきた自分とはちょっと違うところですけれども、日々勉強しながらやっているところです。
 産学官の連携という話が何回か出てきましたけれども、この事業、私たちNIMSの中では利用者の3割ぐらいが企業の方で、どんどん使っていただいていて、企業の方からデータを出していただけるかなと思っていましたところ、意外に出していただける方もありまして、ここでどんどん集めていってぜひ使いたいという方も増えているところです。あるメーカーでありますとか、あるIT系の会社の方ですとか、どんどんデータを入れましょうというような形で連携できているようになってきていますので、そういう形でデータを集めて今度はそれを皆さんに利活用していただくところまでぜひ持っていきたいなと考えているところです。
 オープンサイエンスのお話もありましたが、今度は、そこを考えると難しいところもありまして、安全保障貿易の関係も出てきますので、そのデータにアクセスできる人はどういう人かというところも考えつつやっているようなところで、この事業、まだ始まったばかりで、そこら辺は模索しながらやっているところですけれども、もちろん先ほどお話がありましたように、データセキュアにどんどんためていって、事業参画者だけが必要なデータにアクセスできるようにするということを行っております。
 とはいいつつ、今困っていることといいますと、いろんな装置をどんどん導入していってその維持費を捻出するのが難しいとか、最近の装置になればなるほど年間の維持費が上がっていって、しかも国外のものだと円安の影響でさらに上がっていっているということがあり、あともう一つは人材の話で、技術人材が高齢化していっています。なかなか若い方が見つからないという状況で、その辺が今の課題となっています。多分、この委員会の中でもそれは重要な議題になるのかなと思っていますので、いろいろと学ばせていただきつつ、議論に加われたらと思っています。よろしくお願いいたします。
【網塚部会長】  今人材とおっしゃったのは、研究者、それとも技術者というか支援の方ですか。
【田中委員】  この場合は支援の人材ですね。
【網塚部会長】  支援人材がなかなか。ありがとうございます。
 それでは、続きまして鳴瀧委員ですけれども、オンラインで御参加いただいていますでしょうか。それでは、お願いしてもよろしいでしょうか。
【鳴瀧委員】  東海国立大学機構名古屋⼤学の鳴瀧と申します。今期より委員を務めさせていただいております。よろしくお願いいたします。
 私ですけれども、工学研究科で教員を務めておりまして、どちらかというと1ユーザーとして共用機器を利用させていただいている立場となります。
 専門は高分子材料科学で、特に生体材料、バイオマテリアル開発を行っておりまして、以降、連携の分野でやっている研究者になります。
 高分子ですので様々な分析機器、共用設備を使わせていただいております。例えば分光器ですとか熱分析装置あるいは電子顕微鏡、原子間力顕微鏡といったこと、様々な本学の共用設備を利用させていただきながら研究を進めているという立場にございます。
 一方で、なぜ私が委員に選ばれたのかという点でちょっと疑問ではありましたが、関わっているプロジェクトといたしましては、先ほど田中委員からもあったのですけれども、マテリアル革新力強化戦略に基づくデータ創出型マテリアル開発研究プロジェクト、いわゆるマテリアルDXの京都大学拠点、高分子材料科学分野の拠点に私、関わっておりまして、特に名古屋大学においてマテリアル先端リサーチインフラ、ARIMと連携し、データを蓄積し、それを活用してマテリアル開発に役立てていくというそこの一役を担っているという状況にあります。
 先ほどからの議論を伺っていて思うところとしましては、やはり現場でかなりまだまだこのデータ、マテリアルDXを走らせておりますと難しい課題が浮かび上がってまいります。
 まず、データを共用設備で取ったとしても、いろいろな研究者がいろいろな条件でデータを取る。要は、メーターデータがすごく多様な中で、どういったデータを抽出して最終的なデータとして蓄積していくのか。
 それから、やはりオープン・クローズの話がありましたけれども、先ほど田中委員で企業の方が結構データの提供に積極的だというお話を伺って私は少し驚いたのですが、まずはクローズでやりたいという要望が非常に多くて、いつになったらオープンにできるのか、そこの道筋がまだ私のいる領域内では見えてこないといったところの段階になります。
 また一方で、マテリアルDX上でも先端研究設備、例えばSPring-8等の自動測定等を進めなさいというものがありますが、例えばSPring-8の小角X線散乱、要は高分子材料に特化したビームラインでの自動計測といったものをマテリアルDXのプロジェクト内で進めておりますけれども、この部会で扱っている先端設備プラットフォームプログラムとの関係性というのがちょっと分からなくて、独立で進めているような状況となっております。
 なので、ARIMとかマテリアルDX、そしてこの部会で扱っているようなより基盤となる共用設備開発、そういったところで好事例をお互いに紹介し合って、情報共有していくというところが非常に重要なんじゃないかなと思っております。
 私も今日ここに参加するまで研究開発基盤部会の存在、取組というのは、恩恵は受けていましたが、本当の意味で全く情報共有できていなかったなと思いまして、ぜひそういったプロジェクトごとで関連するところがあれば、好事例を共有し合えるような仕組みづくりがあるとより発展していくのではないかと考えております。
 以上です。よろしくお願いいたします。
【網塚部会長】  鳴瀧委員、どうもありがとうございました。
 それでは、続きまして宮下委員、お願いいたします。
【宮下委員】   三菱電機の宮下と申します。2年ぐらい前回もやらせていただきまして、いろんなことを教わりまして非常に刺激になりました。今回もよろしくお願いいたします。
 私の紹介をさせていただいてよろしいということであれば、少々長くなるかもしれませんがご容赦ください。
 私の専門は電波関係でアンテナです。アンテナって何だというところですけど、例えば配布資料の12ページを御覧ください。ここで弊社が先生方に御指導いただきながら製造をやらせていただいたアンテナは、すばる望遠鏡、あと南米のアルマです。これは非常に大きいアンテナの例ですが、小さいものでしたら携帯に内蔵するアンテナとか、最近でしたら、IoTのスマートメーターなどがあります。スマートメーターのアンテナの設計は非常に難しく、いろんなところに設置されていて、電波伝播という観点の研究でもございます。どんなところについてもちゃんと受かるようにしろという難しいお題をいただくようなアンテナでございます。
 弊社ではアンテナ部隊は富士山レーダ開発の頃から研究部門にあり、現在も存続しております。まだ研究の余地があるのかというところですが、その理由は先ほど申し上げましたとおりです。アンテナは周囲の影響を非常に受け、電波伝播という物理観点もあり、無線が使われなくなることもございませんし、システムのフロントエンドですから方程式を書くと掛け算で性能が効いていきますので、何らかの最適化が必ずあるのかなと思っております。
 というのが私の専門の説明です。現在、私は研究所の技師長というのをさせていただいておりますけど、技師長というのは何だと、これは疑問かと思います。技師長は実は仕事がはっきりとは定義されておりませんのですよ。技師長になりましたのは2年ぐらい前です。それまでラインのいろいろな仕事をやらせていただきましたけど、そしたらコロナ禍になりまして、技師長の定義も自ら考えなきゃいけないなと思いました。そのときに思いつきましたのが、技師長は何かなというと、皆さんを元気にする役割と。特にコロナ禍で人に会えない状況や、若い方が家でオンラインで研究するというのもどうかというところで、交流の場をつくれないかと考えていました。そのときには、そもそもなぜみんな研究に入ったかなというところに遡りますと、私の場合、数学が好きでしたので、そんなところかなと思って、数学クラブというのをオンラインでつくってみようかとやりました。そのままつくっても駄目なので、暗号をやっている結構数学が得意な者がいましたので、ちょっと講演会をやってくれないかと企画して、そしたら少しずつ人が増えてきまして、まだ続いています。弊社は大船に研究所がございますけど、800人ぐらい研究者がおりまして、関西の方の研究所からの参加も入れますと、今、クラブ員は200名以上になりました。イベントとしては、毎月、会員がしゃべりたいことの講演会をするとか、あと日々勉強するとか、数学は一人で勉強するのが最も難しい分野のひとつですので、分からないところをオンラインで聞き合うとか、そんなようなところをやっております。これで自己紹介を終わります。
 本部会に2年参加させていただいて、私が非常に強く感じましたのは、コアファシリティ支援プログラムでありますとか、特に先生方は自分のご研究だけをされているわけではなく、日本のことを考えてやってくださっているのだなというところです。本当にありがたく思います。
 コアファシリティ支援プログラムであるとか、産学連携、産産連携というのが非常に大事というのは明らかでございますけど、先ほどからの議論にありますが、企業間の連携はなかなか難しいですね。このようなプログラムで先生に間に立っていただいて企業が連携するというのもあるかと思います。特に長期的視点の基礎的なところというのは連携しやすいですね、短期的となりますと、すぐソロバンの世界になって、知財権の問題などが生じますが、長期的なところの連携は意外にできまして、そういう意味で、これがオールジャパンのきっかけになっていくといいかなと思っております。
 ここで紹介いただきましたプログラムを広め、これをきっかけに、日本がよい成果を上げられるといいなと思っております。
 以上でございます。
【網塚部会長】  ありがとうございました。
 それでは、岡田委員、お待たせいたしました。よろしくお願いします。
【岡田委員】  東京大学の岡田です。この委員会には前期から引き続き参加させていただいております。
 私、もともとのバックグラウンドは医学部の出身のMDですけれども、その後、SPring-8も使わせていただいていますし、電子顕微鏡も使ってまいりましたけれども、主に光学顕微鏡を使ったイメージングについて、技術開発とそれを使ったメディカルな研究への応用ということを行っております。
 そういう意味では、比較的ユーザー寄りの部分ですけれども、光学顕微鏡というと何となく小学校や中学校で使うような顕微鏡を想像される方もおられるかもしれないのですが、最近の光学顕微鏡は、超解像顕微鏡といったような顕微鏡に代表されるようなアドバンストな顕微鏡が多数開発されており、市販品の場合はもう既に1億円を超えるような定価の顕微鏡もざらに存在するという状況で、かつての1人1台とかというレベルだったようなパーソナルなものから急激に、価格も高騰していますし、もちろん高度な設備になるので、誰でも簡単に使えるというわけでは必ずしもなくて、エキスパートな専門の人が使わないと性能がフルに発揮できないという状況に進んでおります。
 そういう状況が進んでいるということもありまして、私自身、JSTのもう一つのプロジェクトの中で、イメージングセンター、コアファシリティを日本につくろうというので、大阪と東京に1か所ずつ光学顕微鏡を中心としたイメージングのコアファシリティというものを設立させていただいており、今それの運用を行っているところです。そのようなバックグラウンドもあってこの会に呼んでいただいているのではないかと考えております。
 コアファシリティの関連の話で申しますと、特に日本の予算のシステムだと、コアファシリティ的な設備に対して最初に新しい機械を買うときというのは予算がどんとつきやすいのですが、往々にしてその後については知りませんと。例えば年間の維持費をどうしようとか、修繕のための補修費の積立てをどうしようとなると、それは自分のところでやってください。例えばユーザーから回収してくださいという話になってしまって、でも、実際にはそのコストというのは、新規に買う値段に対してもばかにならないぐらいの割合でランニングコストは実は発生していたりするという部分が必ずしもうまく回せない。全部それをユーザーに転嫁すると非常に高額になって、結局ユーザーも使わないということになって、ネガティブなフィードバックが回ってしまうので、その辺りをどうするかという問題。
 それから、もう一つシリアスなのは、先ほど申しましたとおり、最近のアドバンストな装置類というのは、必ずしもバカチョンというわけではなくて、性能をフルに活用するためには、かなり専門性の高い人材が必要で、ほとんど研究者と同じぐらいの技術能力、レベルを持っている人がオペレーターとして作業しなければなかなか結果が出ないという部分があります。
 しかし、そういう高い能力を持っているけれども、支援に徹する人というのは、なかなか今の日本の評価システムの中では評価されにくいという側面があります。どうしても今の日本のシステムだと、研究者は例えば論文を何本書きましたとか、ファーストオーサーで論文がありますかとか、そういう話が必ず評価になってくるわけですけれども、支援をやればやるほど真ん中のほうとか後ろのほうには名前がいっぱい載るけれども、ファーストオーサーの論文はありませんとか、あるいは場合によってはアクノリッジメント(謝辞)に名前が出るだけとかいうことすらあるわけですね。だから、そういうのをどのように評価するか。
 逆に、評価というのは、そういう人材のモチベーションを上げるという意味でも重要なので、結局、そういう人材をいかに大事に育てて、しかもその人たちが満足高く活躍できるような仕組みをつくっていくかということは非常に重要だと思っています。
 もちろん、そのようなことは私だけが考えているわけではないというのはよく承知しておりまして、前期のこの部会でもほかの大学の共用のファシリティの中でどのように工夫をされておられるというような事例がたくさんあったと思います。そういうのはうまくベストプラクティスを統合することで、よりよいシステムというものを日本の中で構築できていければなと考えております。
 それから、もう一つ、顕微鏡の話とは少し違いますが、今私、JSTのCRESTのプロジェクトのバイオDX、AI駆動・データ駆動による生命科学の革新というプロジェクトの研究総括を行っております。今はやりのデジタルトランスフォーメーションですね。先ほどマテリアルDXという話があったと思います。それのバイオ版です。
 その関連で申しますと、特にこの数か月ぐらい非常に世の中を騒がせているのはChatGPTに代表されるような大規模言語モデルの話がありますが、それのサイエンス版で、科学分野における基盤モデル、大規模な科学的なデータを学習させて、それによるジェネラルなAIをつくっていくという話が今世界中で非常に話題になっております。
 特にたんぱくの構造の分野などでは、それの成功例というのが非常に端的に現れているので、それの生命科学全般、さらにはサイエンス全般という議論が進んでいると思いますが、そういう基盤モデルをつくるためには、その前提となるのは、もちろんAIも必要ですけれども、そこに大規模なデータ、質がよくてそろっている大規模なデータというのがあって、初めてそれを学習させることができるので、結局、基盤モデルとか、そういうものになってくると、どこがいいデータを均質な形でたくさん出せるかということになってくるかと思います。
 そういう意味では、これまでコアファシリティで共用化という話がメインだったと思いますが、そこにもう一段、いかにデータの質を担保してAIのデータセットとして共通に使えるようなデータセットを、言い方を別にすると、データファクトリー的な意味での運用ができるような、そういう質を保障したようなコアファシリティというものがこれからますます重要になってくる。
 特に日本は、それを個別にやると恐らく中国、アメリカの物量作戦に絶対勝てないので、うまくそれを国策として回していくということをしないと、多分、ばらばらにやると勝負にならないと思いますので、そういう意味で、この部会はもちろんAIの部会でないのはよく分かっておりますけれども、一方でコアファシリティみたいな研究基盤という意味では、ただ単にみんなで使うというだけじゃなくて、出口のほうのデータをどういうふうに質を保障して、機械可読な形でデータベース化していくかという、そちらの部分についても、先ほどマテリアルのほうでもそういうお話があったと思いますけれども、そういう視点もますます重要になってくるのかなということで、まとめますと、設備の維持のための費用が出るようなシステム、そこで働く人たちの評価とモチベーションのシステム、もう一つは、データの質を担保した形で、機械科学な形でデータベース化していくというデータファクトリー的な観点、この3つがこれから研究基盤という点では重要になるのかなと最近考えております。
 以上です。ありがとうございました。
【網塚部会長】  岡田委員、どうもありがとうございました。
 時間がたっぷりあると申し上げましたが、押してしまいまして、あと私が残っていますが、手短にお話ししたいと思います。
 私は物理学が専門でありまして、固体中の電子の基礎物性、電子状態の基礎物性を調べています。最近では固体中の様々な対称性の破れに応じて、どんな新しい電子の自由度があるか、新規自由度の発見と理解、それがどう新機能に結びつくかという研究をしています。産学連携できるのは30年後か50年後か100年後か分かりませんし、もしかしたら大発見、面白い発見があり、すぐにでも応用につながるかも知れないという、先が分からない基礎研究をやっています。
 キーワードとしては、今年、学術変革領域に採択され、代表ではなく一兵卒ですが、「アシンメトリ量子」という略称になっていますので、もし御興味ありましたら検索していただけたらと思います。
 それで、もう既に皆様から様々な御提言をいただいて、短期、中期、長期かかるかなと思われるようなテーマもございましたけれども、研究基盤の将来を考える上で非常に重要なポイントをご指摘いただいたのではないかと思います。
 私は共用設備の1ユーザーの視点では、同じ装置が隣の専攻にもあるということが過去にはありましたが、この20年、特にこの10年ぐらいで大きく改善されました。例えば北海道大学の中では、装置の見える化を進めて、例えばX線と検索すると、学内のどこにX線装置がどれだけあるかというのはざっと見えるようになっているので、新規の設備を購入するときには重複しないような形で購入することができるようにはなっています。でも、やはり自前で最先端の装置を使いたいと、予算が取れるのだったら置いておきたいと思う研究者の気持ちも分かります。そこはなかなか調整が難しいところはあります。
 今私が使っている主力装置の一つは、本体だけで三、四千万円して、オプションをつけると七、八千万円になるような装置で、これを共用設備として使っていますが、もし壊れると、向こう1か月の予約が全部埋まるような感じで非常に使用頻度が高い装置ですが、研究室、北大のほかの研究室にあるわけじゃないので、研究が立ち行かなくなるという事態となります。そのようなリスクマネジメントという意味では複数台あったほうがいいのですが、1大学でそれを用意するのは無駄であるとなると、資料のどこかにありましたが、複数機関の連携を行って全国的な共用体制を構築していくということが重要だろうと思っています。
 実際、物性物理学なら物性物理学の分野で全国を横断するような形で設備共用を充実させる取組をしているところです。それは新たな装置を整備するという訳ではなく、研究基盤整備事業を通じて多くの大学で機器共用の基盤がすでにできていますので、それらに横串を刺すというような活動となっています。
 もう一つの重要な点は、ガイドラインができまして、各大学の共用推進については、このガイドラインに沿って粛々と行っていくことが重要であり、北大でもポリシーを今策定中ですけれども、まずそれをしっかり作り、基本的にはそれを粛々と進めていくだけだと思います。
 ただ、今日いろいろお話を伺っていますと、将来に向けては、このガイドラインのバージョンアップも図っていくべきだろうと思います。例えば今お話がありましたように、運営コスト、それについてはあまり検討されてない。そこまで見込んで戦略的設備整備・運用計画を策定しているかというと、なかなかそこまでできてないのではないか。まず、導入することが第一であって、その後のコストについてはまた別途考えるということになっていると思いますので、そういった点の検討もやはり重要なポイントではないかと思います。特に最近、電気代が高騰して各大学、研究機関は大変なことになっていると思います。放射光施設が年間ずっと運転できないのは、その影響が大きいですよね。
 最後になりますけれども、ガイドラインには戦略的設備整備・運用計画を大学の執行部が経営戦略に位置づけて行っていくことがさらっと書かれていますが、これがなかなか大変なことであります。
 特に、実際に導入した装置が研究力強化にどう結びついているのかを可視化していくべきだということが、本日のお話にもありましたけれども、そこがなかなか大変ですね。実際にそれをやろうとすると、種々の調査が必要となり、調査疲れや評価疲れ、申請書疲れと昨今言われているように、研究者の時間をそぐことになりかねません。なので、そこをいかに簡便に行っていくか、DXをいかに進めるか、北大はBIツールを入れて設備から出る研究成果、アウトプットを可視化するシステムを今構築していますけれども、そういったことを行っていく必要があるだろうと思います。
 いずれにしても、様々な施策を打っていくことになりますが、それが最終的に日本の研究力強化、研究の生産性、イノベーションにどう結びついていくか、江端委員もおっしゃっていましたけど、そこをしっかり押さえていくということが大事だと思いました。
 蛇足になってしまいましたが、私からは以上です。
 この議題につきまして、何かさらに御質問、御発言されたいことがございましたらお願いいたします。
【飯田委員】  勉強させていただきありがとうございます。
 私が聞きもらしていたら非常に申し訳ないのですけれども、10ページの4つの課題の中で、青と緑と紫のところは、いろいろ御意見を伺ったのですが、オレンジのところはあまり出てこなかったように思います。オレンジの項目については、先期以来、いろいろとディスカッションされてどんな感じになっているのか等教えていただけるとありがたいと思います。
【林課長補佐】  ありがとうございます。オレンジの部分もやはり日本全体の研究基盤を支える上で重要だと考えておりまして、こちら、いろいろと省内でも検討させていただいて、直近の話ですと、こちら、戦略的創造研究推進事業において戦略目標として、84ページ、こちらの社会課題解決を志向した計測・解析プロセスの革新という戦略目標を立ち上げまして、昨年度、CRESTが採択され、今年度、新たにさきがけも採択される予定となっております。
 こうしたところが現在ですと、主に新たなイノベーション創出を支える基盤技術開発に関する取組として直近では行われ始めたところではあるのですが、そちらにつきまして、その事業自体はJSTで取り組んでいるものの、それだけで十分かですとか、そういった観点からもぜひいろいろと御議論をいただければありがたいと思っておりますし、こういった観点を今後プラットフォームですとかコアファシリティですとか、そういった中で取り組んでいくということも考えられると思いますので、ぜひ幅広く今期2年間の中で御議論いただけるとありがたいと考えております。
【飯田委員】  ありがとうございます。資料に言及があります、未来社会創造事業の事業評価委員を今年拝命していますので、今お伺いしたようなあたりを併せながら考えさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
【網塚部会長】  ありがとうございます。ほかいかがでしょうか。どうぞ。
【江端委員】  ここまで様々なお話が出てきましたので、それをぜひ整理をしていただいて次につなげていただきたいと思っておりますが、1点だけぜひ文部科学省の担当の皆さんにお願いしたいことがあります。
 今、各大学の縦割りのお話や企業との連携等においてもなかなか難しいところがあるというお話があったと思いますが、文部科学省さんの中でも様々な事業が行われていて、例えばARIMやBINDS等の事業の中でうまくやっていることをいかに本部会などの場でつないでいくかというところは、省庁を超えてぜひ議論を進めていただきたいところです。
 各事業で好事例がたくさんあるという話は伺っていますが、この事業でやっていますが、コアファシリティではできてないですよねとか、コアファシリティはできているけど、この事業ではやってないですねみたいな話はたくさんありますので、ぜひ今期の部会の間に、委員の先生方にも多々御協力いただきながら、そういった政策連携も進めていけたらと思っております。
 先ほど研究環境基盤部会のヒアリングに呼ばれたとお話ししましたが、こちらは研究開発基盤部会ということで、名前もちょっと似ていますし、議論していることは結構技術職員の話や共用化の話、研究環境基盤部会では共同利用・共同研究拠点や共同利用機関法人の話もありましたが、そういった視点からでも同じような政策課題はたくさん出ていますので、ぜひその点もこの部会でも共有いただきながら、議論をさらに先に進めていけたらと思いますので、ぜひよろしくお願いします。
 以上です。
【網塚部会長】  ありがとうございます。まだあるかもしれませんが、時間が大分押してしまいましたので、次の議題に入りたいと思います。
 4番です。先端研究基盤共用促進事業の中間評価についてであります。事務局より資料の御説明をお願いいたします。
【林課長補佐】  研究環境課の林でございます。65ページ目から議題4の先端研究基盤共用促進事業の中間評価の進め方ということで、少し時間も押しておりますので、手短に御説明させていただきます。
 こちら、先ほどの議題でも申し上げましたとおり、事業の中間年において進捗評価を行い、改善点やさらに取り組んでいただきたい点などがあれば御指摘いただくようなものとなってございます。また、評価の結果によっては委託費の縮減や期間の短縮の対象となる場合もあると考えているというところでございます。
 こちらにつきましては、今年度においては先端研究設備プラットフォームプログラムの令和3年度採択機関、及びコアファシリティ構築支援プログラムの令和3年度採択機関を対象として中間評価を行うこととなっております。
 左下のところにスケジュールが書かれておりますけれども、10月から11月頃に各機関からのヒアリングが非公開でございまして、委員の皆様に機関ごとの評価表、評点をつけていただき、その後、事務局にて評価案を取りまとめ、12月頃の審議につなげていき、12月末めどで各機関へ結果通知、次年度計画に反映いただくということを考えているというところでございます。
 67ページ以降に詳細な実施方法を書かせていただいておりますけれども、事業趣旨などは重複しているので省略しますが、特に3番には評価事項がそれぞれのプログラムについて書かれておりまして、こちらは公募の際に実施いただきたい事項としてもともと求めていたような項目となってございます。
 また少し飛ばさせていただきまして、69ページに利害関係者の範囲について記載させていただいておりますけれども、こちら、別途該当の有無につきましては、近づいてきましたら確認させていただきます。
 その次のページ以降に評価表について載せさせていただいておりまして、例えば71ページですとか73ページ目の部分に、先ほどの67ページの3ポツの評価事項として記載させていただいております部分の具体の観点、評価の視点というところを記載させていただいているようなところでございます。
 手短ではございますが、こういった方法で進めるということを考えてございますということで、事務局からの説明は以上となります。
【網塚部会長】  ありがとうございました。それでは、ただいまの御説明につきまして何か御質問、御意見などございますか。よろしいでしょうか。
 特にないようですので、このとおり中間評価に向けて進めてまいりたいと思います。
 本日の議題は以上となりますけれども、事務局から連絡事項等ございましたらお願いいたします。
【田邉専門職】  連絡事項を手短に申し上げさせていただきます。
 次回の研究開発基盤部会の日程は後日またメールにて調整させていただきますので、よろしくお願いいたします。
 本部会の議事録は、運営規則に基づきまして資料とともに公表することになっておりますので、本日の議事録は後日メールにてお送りいたしますので、また御確認のほどよろしくお願いいたします。
 以上をもちまして閉めさせていただければと思います。本日はありがとうございました。
【網塚部会長】  5分超過してしまいましたが、皆さん、どうもありがとうございました。
 以上で閉会とさせていただきます。
 
―― 了 ――

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