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第9期基礎基盤研究部会研究基盤整備・高度化委員会(第7回) 議事録

1.日時

平成31年2月4日(月曜日)15時00分~17時00分

2.場所

文部科学省15階 15F1会議室

3.議題

  1. 共用プラットフォーム形成支援プログラムの中間評価【非公開】
  2. 今後の課題・検討事項について【公開】

4.出席者

委員

佐藤主査、西島主査代理、尾嶋委員、知野委員、原田委員、網塚委員、飯島委員、江龍委員、岡本委員、木川委員、杉沢委員、高橋委員、中村委員、野村委員、横山委員

文部科学省

渡邉課長、黒川課長補佐

5.議事録

今回の議事は、審議の円滑な実施に影響の生じるものであるため、基礎基盤研究部会研究基礎整備・高度化委員会運営規則第4条第三号に基づき、議題1については非公開とされた。


【佐藤主査】  では、第7回の委員会を始めたいと思います。どうも今日はありがとうございます。
 今日の議題は、共用プラットフォーム形成支援プログラム中間評価。これは非公開で行いたいと思います。
 その後に、第6期に向けて、今後の課題・検討事項について議論をしたい。なるべくこちらの方に、時間を今回は割きたいと思いますけれども、皆さんの忌憚ない意見をよろしくお願いします。
 では、事務局から、配付資料等の確認をお願いします。

(事務局より、配布資料の紹介)

(議題(1)は非公開)

【佐藤主査】  時間がなくなってきてしまったので、次の議題、第6期に向けての今後の課題、検討事項について、議論をさせていただきたいと思います。
 この委員会は、今日で最終回になるので、前回、新共用の先生方、実際に行われている先生方に、技術職員の問題など、そういうことをいろいろお話ししていただいたので、そういうことも踏まえて、第6期に向けて、課題と検討事項をまとめていただきました。それについての説明と、高度化に向けて、何をやっていけばいいかということに対して、なかなかまだ結論は出ないのですけれども、それについての議論、主にはその2つについて、議論したいと思います。
 最初に、資料の説明をお願いします。

【黒川課長補佐】  お手元に資料の2と書いてある第6期科学技術基本計画を見据えた課題・検討事項(たたき台)を御用意ください。
 前回、1月23日の委員会からの変更点を赤字で記載させていただいておりまして、実は、明日の10時から、この委員会の親会であります基礎基盤研究部会がございます。そこで、この委員会での検討事項を、現状ということで報告する必要がございますので、そういった趣旨で、多少の追記をさせていただきました。
 まず、冒頭のところですけれども、この委員会では、我が国の研究力向上に向けて、研究基盤の整備・高度化に関する議論を行ってまいりました。また、前回、新共用全国連絡協議会幹事校あるいは技術職員有志の会からのヒアリングも行いました。
 今後、2月以降に、正式に科学技術・学術審議会の総合政策特別委員会の方から、第6期に向けた検討依頼が正式に下りてくる見込みでございますけれども、第6期を見据えて、以下の点を踏まえ、検討を深める必要があるということです。
 まず1ポツの冒頭のタイトルのところは、前々回、機器の共用と書いたんですけれども、整備という観点もということで、赤字で書かせていただいていまして、大きな修正としましては、前回ヒアリングをしていただいた新共用と人材の部分をメインにさせていただいてございます。
 3つ目を見ていただきまして、各機関の組織としての整備というところで、前回、研究室ごとの機器の購入の管理から、研究組織全体での設備の運用でということで、かなり大学の統括部局の重要性などについても、御議論があったかと思います。キャッチフレーズ的に、「ラボから組織へ」と書かせていただきましたけれども、今後、機器、人材、資金、情報の集約をしていく必要があるんではないか。さらには、大学・法人間での広域的な連携の促進。また、こうした取組について、各機関の好事例ですとか、課題の共有、さらには、それを定量的に把握していく必要があるだろうといったことの御議論がありました。さらに、こういったことを進める上で、大学・法人の経営陣への啓発も必要ではないか。機器の共用に取り組む研究者や組織へのインセンティブの在り方についても、今後検討が必要ではないかという御意見がございました。
 人材育成についてですけれども、まず、研究基盤の整備・共用の要である技術職員の役割・重要性をどう見える化して、アピールしていくかということについて御議論がございました。その上で、幾つか資料も出していただきながら、技術職員の組織化、ステップアップの促進ということで、その能力に応じた評価体系の構築ですとか、キャリアパスの明確化・多様化について、幾つか事例を御紹介いただきながら、御議論がございました。さらに、人的交流の促進ということで、一人職場みたいなところもある中で、人的交流をしていくことで、技術力の向上ですとか、支援の幅の拡大が期待されるのではないかという御議論や、持続的な人材育成の確保ということで、機関の中、あるいは、機関の枠を超えた取組ということを考えていってはどうか、という点もありました。
 また、その他として、利用者の責務ということで、謝辞の明確化について、幾つかの取組の御紹介や、あるいはORCIDの活用などもあるんではないかという御議論も頂きました。
 次のページですけれども、研究機器・共通基盤技術の開発は、前回から変えておりません。今回、こちらを中心に、是非、御議論いただければと考えてございます。

【佐藤主査】  ありがとうございます。
 第6期に向けては、とにかく、皆さんからもいろいろ意見を頂いたものを反映して、全体像を見える形にして、国としての戦略的な整備に関しては、共用が果たす役割が、かなり大きいものがあると考えているので、それをちゃんと位置付けて、国際競争力の観点までも考慮してやっていくということを、まずうたっています。
 3番目のところが、この前から新共用でやっていることを踏まえて、いろいろ課題等も出てますので、それをまとめて、より強化していくということ。
 4番目の人材育成で、やはり、大きな共用システムがあったとしても、それをちゃんとオペレーティングする、あるいはメンテナンスする、ちゃんとした技術職員が、それなりに張り付いていないと、生かせないということが、ずっと共用の問題として有ることを謳っている。
 第6期の中に、是非、それを盛り込んで、技術職員の確保、キャリアアップということもちゃんとやっていけるような、人事制度も含めてやっていけるような形に持っていってほしいということを、今回入れましょうということにしました。
 具体的な研究機器・基盤、技術の開発に関しては、なかなかこれが、何をどういう高度化をしていけばいいかということが、まだ見えてないので、今日、最後の議論を少ししたいと考えています。
 この資料について、何か皆さんの方から、御意見、質問等はありますか。

【杉沢委員】  1ページ目の件ですが、共用施設をマネジメントするということが、大きな課題で、何を目的として、どのようにマネジメントするかをここで示すことが重要だと考えています。共用施設は、組織を超え、仕事の枠を超えて、複雑な様々な利害関係の人たちをまとめながら、かつ国の公的な資金も得ながら、マネジメントする必要があり、それをマネジメントする人のスキルや資質が非常に重要であり、そのよう人材の育成が大事だという観点を入れておくべきかと思います。

【西島主査代理】  はっきり言って、日本全体の施設で、大体、それは欠けているよね。

【杉沢委員】  ですから、そういう観点も入れておくべきだと思います。

【尾嶋委員】  それはいいですね。

【杉沢委員】  そういう人たちがいないところにお金を渡すと、無駄にお金を使われることが多いと思います。

【尾嶋委員】  要するに、PMというものですよね。プロジェクトマネジャーということ。

【西島主査代理】  マネジャーとかね。

【杉沢委員】  あるいは、その下で働く……。

【西島主査代理】  コーディネーターとかね。

【尾嶋委員】  コーディネーターと。

【杉沢委員】  きっちりとマネジメントする人材が重要です。共用施設の運用マネジャーの資質やスキルを評価して、その評価の低いところには、お金を渡してはいけないのではないかと思います。

【西島主査代理】  これから産学連携だけれども、産学連携について、全く実績のない人が産学連携の窓口をしているからね。

【杉沢委員】  そういうことを、入れた方がいいと思いました。

【野村委員】  今の杉沢先生のお話はすごく大事だと思っていて、実は、我々、放射光の世界も、ずっと日本では、ユーザーが放射線業務従事者になることが当たり前だと思っていたんですが、昨年春から暇になって、調べると、それは世界の非常識であると。
 考えてみると、研究者がいれば、研究ができるわけではなくて、やはり、そういう研究者が研究しやすい環境を作れるための、おっしゃったようなマネジャー、先ほどのガバナンスという面だけではなくて、世界の動向がどうなっているかとか、どうやれば、ユーザーにとって使いやすく、成果を出しやすくできるかなどという人材が、やはり、すごく大事かなと思っています。
 研究、研究と言い過ぎると、やはり、人のサポートをするよりは、自分の研究となってしまうので、そこのバランスをよく考えながらやらないと、いけないかなと。

【佐藤主査】  そうだね。

【野村委員】  それと、あと、ここでも、技術職員が非常に重要なことは間違いないんですけれども、場合によっては、市販の装置なんかだったら、それでもいいのかもしれないですけれども、プラットフォームを形成しているような機関の場合は、やはり、研究者の力が、すごく大事かなと思っています。
 今、やはり、大事なことは、例えば、自分のところに来たユーザーの方に対して、この手法で解けない問題は、こちらへ行った方がいいとアドバイスできるぐらいの力をどうやって付けていくかということですかね。それは、やはり、自分の研究業績にはならないですけれども、日本全体としての成果を生み出すという意味では、非常に大事かなというところを、どう力を付け、どう評価していくかということが、今後の課題かなという気はしています。

【佐藤主査】  それは、技術職員のキャリアパスとして、上位の人事制度で、そういうことがちゃんとマネージできるような主任技術職員とか、何とかという、いわゆる研究者個々にそれを任せたら、それは、それで、その分野しか分からないではないですか。それを横断的に見ているのは、むしろ技術職員の方かもしれないので。

【野村委員】  ただ、今、ある意味で、技術職員は、まだ世界が見えるところまで来ていない人が多くて、やはり世界が見えないといけないんだろうなという気もしているんです。

【佐藤主査】  世界が見えるような人事制度にしていくとか、そういうこともあるのだろうなという。

【西島主査代理】  海外は、そういう新しいユーザーの獲得や、分担のところをやっていくということは、評価されるんですけれども、日本では、往々にして、余計な仕事を増やしてしまったという感じなんです。
 それは、以前も指摘しましたが、例えば、ビームラインを頑張って、4.5人で運用したら、日本の施設側トップ等はあともう少し頑張って何とか4人にならないのかというんですけど、欧州では、4.5人で運用したら、5人の運用体制にして、0.5人分は、新しいユーザーへのサービスに努めるという発想です。
 実際、一番最初にSPring-8に製薬企業人の私が訪問したとき、最初、よそ者が来たという感じでした。ところが、欧州のESRFに行ったときは、「海外のサンプルも測定したい」と言われた。海外からの訪問者に施設を案内して、新規の契約を1件とるということは、ものすごく意義があり、当人というか、全体のレベルアップにつながるんです。

【佐藤主査】  評価につながる。

【西島主査代理】 評価されます。日本にはそういう評価システムが全くないので、だから、これは、言うよりも大変なんで、やはり、人材育成をやって、こういう人たちがいかに自分の研究もやりながら、キャリアアップできるかという仕組みを作ってあげないといけないのかなということがあります。その人事評価は、日本が一番不得意なところでしょう。
 だって、研究者は論文を書いて、ペーパーでカウントしてあげれば、自然と立場が上がっていくけど、技術者の場合は、自分の成果として論文のファーストネームで書けるわけではないんだから、「ありがとう」という謝辞を集めたことが勲章になるのかというわけではないんだから。技術者との共同研究という流れであっても、研究者は技術者をそれほどに高い立場にしたくないんだよね。つまり、その研究のオリジナルは自分にあるという気持ちがあるから。
 だから、強制的に20%枠は担当技術者の自由研究をやることを許可するということを仕組まないといけない。何かやらないと、なかなか、言うほどに難しいです。ただ、重要なことは間違いないんです。だから、それをうまくそういう人材育成の中に組み込まなければいけないということは分かります。

【佐藤主査】  やはり人事制度で、ちゃんと制度的に、それができるようにしないと。

【西島主査代理】  そう。だから、この間の名古屋大学みたいなものは、すごいよね。

【佐藤主査】  多分、無理だと思います。

【西島主査代理】  無理、無理。

【佐藤主査】  自発的な形だけでは、なかなかできない。

【西島主査代理】  難しいんじゃないですかという。

【佐藤主査】  やはり、ああいう体制をとるようにしていくということが、そういう意味では、これは大学改革に関わるのだと思います。

【西島主査代理】  本当ね。
 あと、やはり、もう一つ、観点が違うんだけど、これを見ると、どれもみんなお金が掛かるんだけど、非常に限られた厳しい財政の中で、この人材育成とか高度化ということは、みんな、それ、書いていることは間違っていないんだけど、お金の出所ということを考えなければいけない。思うんだけど、やはり、企業にもっとお金を出させるということを考えてもいいかもしれない。
 たとえば、企業コンソーシアムの企業を世話する担当人材の費用は、企業が負担すべきでしょう。やはり、企業が雇用した人材を企業コンソーシアムで再雇用するとか、そういうふうに考えないと、運用は結構厳しいんではないかなと思います。
 企業が一番できないことは、初期投資だけです。以前、私たちはビームラインを1本保有しましたが、固定資産への対処がもう大変でした。結局、1本ビームラインを作ったときに、会員20社の各社がどの部分を保有するのか。
 だから、結局、財務省に行ったんだけど、SPring-8は複雑で、あれは、3つの市に関わっている。そこで、3つの市に固定資産の考え方を説明に行くわけです。そのとき、財務省の見解として、「本来、分割できない最新設備だから、ビームラインの20分の1はA社、20分の1はB社、という20社の均等分割が望ましい」ということで、対応をお願いした。大変苦労したので、その後の業界活動は固定資産を持たないことで対応した。
 だから、最新施設の固定資産などは、国が最初に投資することが望ましいが、そこから、企業が20%共用を受けた場合はその20%に相当する対価を支払う。例えば、2人を雇って、3年の施設運用が終わったときは、1人分の人件費は企業が負担する。そうすれば、「2人のうち1人を辞めさせなければいけない」という状況を回避できる。人材育成といっても、3年たったら、2人のうち1人しか雇えないといったら、それはかわいそうでしょう。
 今後、企業コンソーシアムを作って、企業が人件費を含めて費用負担するという体質作りは始まっていると思います。

【原田委員】  パーマネントにしないと。
そういう特にマネジャーみたいな人、先ほど杉沢先生がおっしゃったような人は、もうパーマネントの雇用にするから、そういう仕事をちゃんとやってくれという形に持っていかないと、無理です。

【西島主査代理】  でしょう。

【杉沢委員】  モラルができませんからね。

【原田委員】  はい。

【佐藤主査】  大学側から見ると、大学の先生方、どうですか。

【渡邉課長】  そういう意味では、野村先生から、こちらの資料の紹介もしていただければと思っているんです。

【佐藤主査】  そうだね。KEKの例で。

【野村委員】  技術職員のことが問題になったので、うちではこんなことをやっていますよという御紹介で出させていただきました。
 高エネルギー加速器研究機構の場合、法人化前から、技術部というものが、一応ありまして、そういう意味では、ポスト的に部長職、部長から一般職員まで就いていたという形です。
 法人化後、その辺の人事制度が、比較的自由になるということで、従来のいわゆる事務職員といいますか、その体系から、少し外れて、こういうようなものを作ってきました。
 最初に作ったものは、技術員というものが入り口で、ある年齢、実績、経験の上で、准技師まで上がる。技師以上については、機構内で公募を行って、人事選考を行うということで、待っていれば、プロモーションするということではなくて、意欲を持って、自らをアピールして、プロモーションの道に行ってくださいということでスタートしました。
 最初の頃は、技師の後は、先任技師、主任技師という形で、法人化前でいえば、主任技師が部長職、先任技師が課長職に対応するような形であったわけですけれども、機構の中での年齢構成などという問題もありまして、その後、下にあります専門技師というものを作りました。
 一応、今、破線から上は、年齢が上がれば、当然、グループのある程度のまとめとか、全体のリーダーといいますか、模範になるということは求めますけれども、いわゆる役職などということではなくて、やっています。
 役職については、破線から下側の部分で、技術調整役ということで、これは機構全体の技術職員に関することをまとめていただくとか、いろいろとそういう人事上の問題などというものを含めて見てくださいということで、技術調整役というものを設けています。
 これは、4名まで配置できることになっていますけど、今のところ2名です。
 技術副主幹というのは、各部局の、大学でいうと、多分、学科ぐらいのところのリーダーとして置いています。それぐらいの形で、今、進めています。
 破線から下の役職については、管理職に準じたような形で、技術手当を支給して、任期3年ということで、役を務めてもらっています。
 主に技術調整役や技術副主幹を中心に、左上の四角の枠の中にありますけれども、技術部門連絡会議という形で、8月を除く毎月、会合を行っています。
 そういう意味では、これは職階なんですけれども、いわゆる組織図上は、ここは、技術部門連絡会議、技術調整役、技術副主幹以外は見えてこない。組織図上は、各研究所、施設の中に含まれるような形で、今、進めています。
 これが非常にうまくいっているかどうかということは、いろいろ議論はあるとは思いますけれども、少なくとも、これまでのように、上司の判断によって、昇格、昇給が自動的にいくのではなくて、一定程度以上、技師以上については、全て公募制で、本人がちゃんと自分は何をやってきた、これから何をやるということをアピールした上で、選考するという形で進めるようになってきたということは、ある程度よかったかなと思っています。

【佐藤主査】  なるほど。ありがとうございます。何か、このことでありますか。

【木川委員】  この点線から、上と下は、人数比で、大体どれくらいなんですか。

【野村委員】  全体で、技術職員が150数名です。調整役が、今、最大、各部局の長として、4名です。副主幹はどれくらいいたかな。

【木川委員】  どれくらいの比率ですか。

【野村委員】  多分20名くらいかな。

【木川委員】  20名。5分の1とか6分の1ぐらい。

【野村委員】  それぐらいですかね。もうちょっと少ないかもしれない。

【佐藤主査】  併任職で、任期3年は、任期になったらどうなるのですか。

【野村委員】  再任は禁止していませんので。

【佐藤主査】  自分がそれをまた更に継続したいと思ったらできるということですか。

【野村委員】  ええ。定年までは。所長とか、そういうものと、ある意味で、同じような考え方で。再任可です。

【尾嶋委員】  先ほどの人材育成のところの議論で、プロジェクトマネジャーとコンサルタントでしたか、コンシェルジェでもいいと思うんですけど、それが重要だというお話でした。では、コンサルタントになれる可能性があるかというと、技術職員が更にビルドアップして、勉強して、そういうふうになれるケースというのは、僕は、かなり少ないんではないかなという。
 やはり、技術職員は、自分の専門、加速器なら加速器、真空なら真空と、そこは非常に詳しく知っているんですけれども、ある分析データを見て、これだったら、別な分析でもいいんではないかというアドバイスができるのは、どちらかというと、研究者上がりというか、もう定年で辞めた人とか、何かちょっとルートが違うんではないかなと。

【野村委員】  おっしゃるとおりだと思います。ハード的な問題とか、そういうところは、技術職員があれですけれども。

【尾嶋委員】  ええ。非常によく知っている。

【野村委員】  ある意味で、研究者に対して、研究のアドバイスをしていくということは、少なくとも放射光のようなケースでは、難しいかなと思います。
 残念ながら、うちの技術職員は、余りそういうトレーニングはされていないといいますか、私が助手だった頃、それをやろうとしたら、当時の上司にまかりならんと言われて。

【佐藤主査】  それはなぜでしょうか。

【野村委員】  それは、技術職員が研究者のまねごとをやるのはよくないということが、当時の論理でしたので。ただ、基本的には、やはり、研究現場の支援に当たろうとすると、研究そのものが何かが分かってないと、ハードだけではなかなか難しいかなということも思います。
 ただ、もう今は、個々の研究に張り付けるほど、人がいないので、そこはもう研究者がやらざるを得ないかなという。むしろ、制御とか、安全とか。

【佐藤主査】  聞いた話ですけれども、昔は、大阪大学で、技術職員の人が、教授まで行ったのです。

【野村委員】  昔はですね。

【佐藤主査】  その後、興味を持って、あれは電子顕微鏡ではなかったかな。

【野村委員】  技術職員として、最初スタートとして、その後ドクターを取って、教員になって、教授という方はいらっしゃったけど、最近は余りいないかな。

【佐藤主査】  そういうふうになってくれると、うれしいのです。そうだよね。そうすると、後ろも見るわね。やるものね。

【尾嶋委員】  ええ。そうですね。マイケル・ファラデーも、最初、技師というか。

【佐藤主査】  そう、そうです。

【尾嶋委員】  ですよね。それから、成果を上げて。

【佐藤主査】  そう、難しい。

【尾嶋委員】  時代がちょっと違うかもしれませんけど。

【西島主査代理】  日本は難しいです。

【尾嶋委員】  今の日本だと。

【西島主査代理】  だって、例えば、アメリカなんか、大学の方へは、企業から大学、大学から企業と残って、企業でも結構上の方に行った人も多いけれども、日本の場合は、論文の数と質と問われれば、企業出身者は、圧倒的に、絶対不利ですから。

【佐藤主査】  それは、そうだ。

【西島主査代理】  だから、そこがもう無理です。そこのところのほかのものを評価する指標がなくて、先ほど言った、リーダーとか統率力というのは、海外はちゃんと評価するけど、日本は評価するシステムがないから。

【尾嶋委員】  しないですね。

【西島主査代理】  言い方が悪いけど、不器用でも、論文の数を持っているのが強いと言われている。だって、実際、最後は、そこでやるのが一番いいし、文科省も、それが一番安心するしね。

【渡邉課長】  多様な指標の発掘に努めていきたいと思っております。

【佐藤主査】  今は、マネジメント力が問われているわけだから。

【野村委員】  でも、まだまだ、やはり、そういう意味では、マネジメント力は弱いと言わざるを得ない感じです。

【尾嶋委員】  弱いです。

【西島主査代理】  そうです。弱いですよね。

【野村委員】  まだまだ昔の大学的文化というんですかね。

【尾嶋委員】  全体のビジョンを描くとか。

【西島主査代理】  尾嶋先生が言ったように、定年間際の人は、みんな、マネジメントの方に駆り出すとかね。

【佐藤主査】  どうですか。大学の先生は、そういう教育は、そんな受けていないものね。

【尾嶋委員】  そうです。本当、何もないです。

【佐藤主査】  企業はやる。企業は、もうプロジェクトマネジャーをやらせて、要するに、上位に上げる者は、必ずプロジェクトマネジャーをやらせないと駄目なのです。やらせて、研究力とマネジメント力とを見て、上に上げる、上げないと決めるから、そういうキャリアパスはもう決まっているので、やるのですけれども、大学は、そういうものはないものね。

【網塚委員】  北海道大学はちょっと特殊な路線を走っているところがありますけど、URAの方々が頑張って、機器共用に関しても。
 御存じの方もいらっしゃるかと思いますけど、URAが理事の下にすぐ付いて、大学の執行部に入って、それで、様々な機器共用に限らず、いろいろなプロジェクトのサポートをして、先生を助けてやっていくという体制が一応できていて、うまく回っているというところがあります。

【佐藤主査】  それは、今度は、最終的にはURAをどうするのですか。

【網塚委員】  URAのキャリアパスは、URA職というものを独自に作りまして、最終的なキャリアパスは、総長補佐まで上がれたかな。とにかく、頑張った人は、URAのキャリアパスとして、もう少し上まで行けたかな。正確な職階を忘れてしまったんですけれども。

【佐藤主査】  それは、ドクターを持っているとか、持ってないとか、関係なくですか。

【網塚委員】  一応あります。マスターとドクターで、規程で分けていたと思うんですけれども、基本、北海道大学のURAは、ドクターを持っている方を雇う。あるいは、修士卒でも、同等の実績のある人を雇用するというふうに最初に決めて、スタートしている。
 ですから、URA制度を始めたときの大学の執行部の考え方として、いろいろなURAの仕事には、科研費の添削など、いろいろあるんですけれども、北海道大学のURAは、そういうプロジェクトマネジャー的な人を育てるという形でスタートして、うまく機能しているという状況で、教員も頼りにしているというところです。

【佐藤主査】  先生方の教育はしていないですね。マネジメント力。それは、もうOJTでやるしかない。

【網塚委員】  そうですね。はい。そうですね。それは、自ら努力してやっていく。

【佐藤主査】  そこをやらないと、駄目なのではないかという気がするんだよね。大学へ行って、つくづく痛感させられたことは、これ、マネジメントができるのかとか思いながら、ちょっとそこが気になるけど、それは、やはり独法化してから、できていますか。

【網塚委員】  そうですね。

【佐藤主査】  そういう形は、やり易くなりましたか。

【網塚委員】  そうですね。研究大学強化促進事業を、国が打ち出して、それに採択されて、その事業の1つの目玉がURAを充実させるということだったので、その方針に沿って、やっているという状況です。

【佐藤主査】  技術職員の人たちを、そういうような何かができないのかね。そうすると、モチベーションがものすごく上がるよね。

【網塚委員】  そうですね。大きな大学になってくると、フィールド系の方もいれば、分析系の方もいるし、機械工作の方もいるしというふうに、全体を1つには企画できないので、一応そういうユニットを作って、その中で、うまくキャリアパスする制度を作っていかないといけないという難しさもあって、あとは昔から各部局で雇用している技術職員の方を、大学で一元化するときの難しさがまだ残っていて、過渡的な状況にあります。

【佐藤主査】  なるほどね。これは、そこが課題だね。

【渡邉課長】  話題が尽きないところでもあるんですけれども、杉沢委員が、そろそろ発表する時間になっているんではないかなということを思っていまして、いいお話なので、是非。

【佐藤主査】   では、こればかりやっていられないので、高度化に向けて、何をどうやっていくかということを、日本分析機器工業会の方で、いろいろ検討されているものがあるので、それを杉沢さんの方から説明していただきます。

【杉沢委員】  文部科学省科学技術・学術審議会研究計画・評価分科会ナノテクノロジー・材料科学技術委員会において検討されてきたナノテクノロジー・材料科学技術研究開発戦略に対して、日本分析機器工業会からの意見を具申するために作成した資料でございます。
 その作業部会で発表させていただく機会がありましたので、一昨年の夏ぐらいから、日本分析機器工業会で、意見を取りまとめ、せっかくなのでということで、様々な関連する情報を、再利用できる形にしようということで、まとめた資料でございます。
 まず5ページを見ていただければと。分析機器産業、業界というのは、基盤の基盤を支える、縁の下の力持ちの更に縁の下にあり、一般社会からは余りにも見えないところにございますので、そこを見える化するために、その役割を三つに分けて整理しております。
 一つ目が、安全・安心を担保する力、二つ目が産業を支えるものづくりの力、3つ目が科学技術を進める力です。科学技術を進める力が、日本分析機器工業会の大きな特徴であり光の当たる部分と考えております。この3つの柱を、事あるごとに訴えようということでまとめています。
 この考え方をベースにいたしまして、我々、分析機器工業会が第6期科学技術基本計画に向けて、どのような部分で貢献できるかという観点で政策提言を行いました。ここでは、科学技術を推進する上で、分析機器が貢献できる部分を大きく2つに整理しております。
 まず1つは、科学技術の非連続な革新の原動力になるという部分です。科学技術を大きく進歩させる、あるいは、ブレークスルーを行うときは、何か新しい、これまで分からなかったものが分かるとか、見えなかったものが見える、あるいは、非常に特異的な現象が検出できるといった、我々の扱っている分析機器の力が大きな役割を果たしています。この部分は分析機器の果たす役割の中でも最も重要で基本的な特性ですので、常に訴えてゆくべきものだと考えております。
 もう一つは超スマート社会で重要となるオリジナルデータの源泉という部分です。これは第5期科学技術基本計画で提出されたSociety5.0の概念を引用しております。
サイバー空間上で、いろいろなデータを処理して、そこで科学技術を発展させ、イノベーションを加速するという世界が到来し、AIがその上でデータ加工や利用を進めるようになってくると、むしろ、現実世界のデータを精確に獲得し、そのオリジナルデータを保持していることの重要性が、ますます増していくと考えられます。その源泉にあるものが、我々が扱っている分析機器であり、ここの部分は、やはり国の基幹技術として、他の国々に渡してはいけないものではないでしょうかというようなニュアンスも含めております。
 その上で、具体的な施策を考えました。まず、経済的な量的イメージをつかんでいただくために、幾つか特徴的なデータをまとめまして。それが7ページの図です。
 我々、分析機器工業会は約5,000億円の国内生産規模を持っています。その5,000億円のうちの約半分が医療機器です。研究開発などに使われる汎用分析機器の生産規模は、わずか2,000億円強になります。
  ちょっと目を転じて、その研究開発分野における日本の投資を見ますと、大学などの公的な投資が、約8兆円弱で、民間企業の投資が約12兆円弱という統計がございます。大雑把に申しまして、官民合わせて約20兆円の研究開発投資が行われているのですが、その基盤の一部をその1%の規模の分析機器工業会が支えているというイメージになります。
 日本の研究開発投資分野は我々、分析機器工業会から見ると、大きなマーケットであり、我々はそこに向かって、仕事をしているという意味では、こういう関係になるのですが、ものづくり産業という観点で見ますと、日本の製造業は、約百数十兆円規模でございますので、民間の研究開発投資額が12兆円弱とみますと、10%弱が、研究開発投資となります。
 その研究開発投資に比べても、この業界の規模は小さいと認識していただければと考えております。我々の業界は規模こそ小さいものの、科学技術の推進に与えるインパクトは大きいと自負しております。 分析機器工業会は、研究基盤を提供する業界であり、出口産業から遠く、規模も小さいためなかなか光の当たらない業界なのですが、科学技術の推進に与えるインパクトが大きいだけでなく、サイバー空間上で科学技術が加速度的に進化するSociety5.0時代におけるオリジナルデータの源泉となる工業会であり、その果たすべき役割はますます大きくなると考えております。一方、この経済規模のデータから類推すると、研究基盤への投資は出口投資に比べ投資対効果が大きいと期待されます。基盤投資はその効果を直接測るのが難しく、投資の効果が出てくるまでの時間も長いため見落とされがちですが、日本の研究力を長期的に向上させるためには不可欠な投資との認識が大事であると考えております。
 これらのことを踏まえまして、我々の業界として、どういったところに、研究開発の方向性を見出したらいいだろうかということを、整理したものが、8ページの表でございます。ここでは研究開発の方向性を3つに分類しております。
 1つ目が、分析装置の要素デバイスの開発を強化するということです。要素デバイスの中でも特に、センサー技術の開発の強化が重要と考えております。
分析機器は、分析対象物に何らかの刺激を与えそこから発生する信号をセンサーで検出するという仕組みで動いております。これまでの分析機器の付加価値はそれら全体のシステム化に大きなウエイトがありました。 しかし、近年、IoTデバイスの発展やICT技術の進歩により、システム化の部分が、汎用技術化してきて、その付加価値が減ってきています。一方で、最終データにおける情報価値のセンサーへの依存度が高まっていますので、この技術をしっかり自分たちで確保し発展させることが重要と考えております。
 システム化につきましては、独自技術を作り上げることよりも、汎用技術を組み合わせて、お客様のニーズにより早く的確に答えることが大事と考えています。そのため、ユーザーにより近いところでシステムを組み上げることが重要と考えています。例えば、現場での計測ですとか、材料の研究開発に直接役に立つとか、あるいは、ライフサイエンスの分野でいうと、医療研究に直接役に立つようなところに、システムをうまく組んでいくというところが必要だろうと考えております。
 3番目の方向性は、分析機器より出てきたデータをどう活用するかという観点に着目した取組になります。この取組では、研究開発よりも、標準化や異分野との交流を進める仕組み作りが重要になると考えております。我々は主として研究開発基盤を提供している訳ですが、我々の提供している研究開発基盤のアウトプットはデータです。そのデータを研究開発や生産に活かしてこと価値が産まれます。その価値創造をAIやIoTなどのITテクノロジーを使って加速できるような形でデータを提供する取組が大事と考えております。 9ページ以降では、具体的に、業界として特に進めるべき課題をまとめさせていただいております。国として進めるべき施策の参考にしていただければと考えております。
 参考資料1は、分析機器が社会や産業にどう貢献したかを見える化したものです。分析機器は縁の下の力持ちということもあり、最終的な出口にどうつながっているかなかなか見えにくいので、そこをつなげるために、作ったものです。代表的な分析機器を例としてその進歩が、社会や産業にどう役に立ったかということを具体的に示したものです。
 また、分析機器の進歩がどのように進んできたかも示しています。この図からは、分析機器は連続的に進歩しているのではなくて、いくつかのエポックメーキングなブレークスルーによって、不連続に進歩していることが分かります。
 分析機器がブレークスルーするときは、背後に大きな科学的な発見があり、ノーベル賞につながっているケースが多々あります。これこそ、分析機器が科学技術の不連続な発展に寄与しているエビデンスではないかと考えております。それを示す具体例を例示したというようなところでございます。
 以上です。

【佐藤主査】  どうもありがとうございます。やはり、扱っている範囲が狭いのかね。

【渡邉課長】  今回は、まずはナノテクノロジーの方だったので、そういう意味では、生物系なりの分析機器は、また少し違う傾向があるのかもしれません。

【杉沢委員】  ご指摘の通りでございます。

【佐藤主査】  医療系というか、バイオ系というか。

【杉沢委員】  今回ご紹介させていただいたデータは主として材料系の分析機器分野の状況でございます。ライフサイエンス系はかなり様相が異なっております。

【佐藤主査】  イルミナのシーケンサーが、イルミナ自身が、もう3,700億円ぐらいの売上になっているとか言っていたね。

【渡邉課長】  金額までは把握していませんけれども、そろそろ、イルミナの機器は1台あると、日本中のシーケンスができるんではないかというぐらいになってきているので、そういう意味でも、事業的にサチっている感じもしないではないです。

【佐藤主査】  でも、ベンチャーから始まって、すごい売上規模です。そこになっているということを聞いて、要するに、分析、センシングだけで、そのような規模を持てるわけだから、一方で、ものすごい大きなマーケットはあるのだろうという。

【杉沢委員】  おっしゃっているとおりで、この分析機器の原理をベースとしてイルミナのシーケンサーのように1兆円のマーケットに大きく成長した機器もございます。しかし、これはもはや汎用分析機器というよりも、特定の研究開発分野向けの専用装置になっているという見方ができます。
 汎用分析機器から出発して、生産ラインに入り込んだり、医療検査用に特化して大きな市場を創り出している機器はございます。例えば半導体産業向けの測長SEMという装置があるのですが、これも、もともとはSEMという汎用分析装置だったのですが、それが、半導体の生産ラインの中の検査装置になったとたんに、市場規模が1桁上っています。しかし、このような機器は汎用分析機器のカテゴリーには入れておりません。産業カテゴリー的には、半導体製造装置群の中に含まれることになります。ここでまとめたデータは、汎用分析機器の生産規模であり、産業機器や医療機器は含まれていないとご理解ください。なお、ライフサイエンス機器はライフサイエンス分野の特定の分析に特化した専用分析機器なのですが、基礎研究から臨床分野まで幅広く利用できかつ非常に大きなニーズのある機器であり、ここでご説明した汎用分析機器と同じ尺度で市場分析できるものではございませんが、市場分析する場合は、汎用分析機器のカテゴリーに入って参ります。

【尾嶋委員】  それも含めたような絵は描けるんですか。要するに、いつも分析機器は、本当に小さな規模だといって、自主規制しているような感じがします。

【杉沢委員】  ご指摘の点は良く理解できますが、今回用意させていただいたデータからは外れる部分ですので、ここでは議論の対象外となります。

【尾嶋委員】  大変でしょうけど、もうちょっと何かPRした方がいいと思います。

【西島主査代理】  この日本分析機器工業会というのは、大体何社ぐらい入っているんですか。

【杉沢委員】  正会員で100社強です。企業規模は小さくは、中堅企業から中小企業レベルとなります。

【西島主査代理】  でも、ここが、いわゆる業界ですよね。

【杉沢委員】  汎用分析機器の売上で1,000億円を越える事業を持っているのは島津製作所さんだけです。島津さんを含めた主要幹事企業は4社で構成されております。

【尾嶋委員】  島津製作所、堀場製作所、JEOL、リガクですか。

【杉沢委員】  島津製作所、堀場製作所、JEOL、日立ハイテクノロジーズさんになります。

【尾嶋委員】  日立ハイテクノロジーズね。

【杉沢委員】  日立ハイテクノロジーズさんは、汎用分析機器の事業規模はそう大きくなく、別のところで、大きな事業展開をされています。

【佐藤主査】  基盤技術としての高度化を、どういう戦略で、どういうことをやっていかなければいけないかということが命題なのですけれども、それについて、皆さん、今の話も踏まえて、何か御意見等はございますか。
 岡本先生辺りは、何か、もっと大きいのじゃないのという、何かコメントを。

【岡本委員】  今の杉沢さんと同じような考えです。半導体のマーケットは45兆円なんですけど、それらを用いたエレクトロニクス産業も末端まで見ると700兆円を超えているんです。やはり、そもそも核になる技術が、産業にどう生かされているかを見ないといけないと思うんです。
 私が今、学振の委員長としてやらせていただいている“コト”が、こういった核となる技術からの発展というものです。特に機器分析の場合には、例えば、波形、画像、スペクトルという3つの核となるファクターが出てくるので、それらをつなげて、さらにAIを使ってみながら、今まで見えなかったものを見ていこうという試みをやっているんですけれども。こういうものを考えるときのベースになるようなデータを、杉沢さんは持っていらっしゃるんだったら、是非シェアをして、一緒に考えていきたいというお願いがあります。

【佐藤主査】  是非お願いします。

【岡本委員】  それは、もう基盤そのもので、この委員会に合致している内容かなと感じております。以上です。

【佐藤主査】  昨日のバイオ・ライフ系の話の中で、あれは非公開で、限られた人たちしか聞けない話、JSTの戦略を立てるためにやってもらったのですけれども、いわゆる医療のがんセンターだとか、あるいは、慶應大学だとか、いろいろなJSTに絡んで先端的な話も、研究開発をしている先生方に、話をしてもらったのですけれども、まあ、おもしろい。おもしろいというか、すごい。それぞれの研究を見ると、すばらしいことを、よくここまでやっているなというぐらい、すごいことをやっているのす。
 ところが、私も盛んに言ったのですけど、俯瞰的に見ると、ばらばらに見えるわけです。それらを、AI関係、数理のテーマも探そうとやっているので、AI関係とか、何か、かなり積極的にやっているんですけれども、ばらばらに見えてしまうので、それを俯瞰的に見て、集約して、そこに全部、例えば、AI医療診断とか、日本のAI医療診断システムを作り上げるというときに、そういうものがずっと集約されて、何か俯瞰的に見たところで、全部集約されてくるということができれば、すごい話になるなと思って、相当、言ったけれど、企業から見ても、何となくばらばらに見える。企業もばらばらに見える。
 それは、どうですかね。バイオ・ライフ関係。

【飯島委員】  コンソーシアムというものは、結構いろいろ作られますけれども、結局は、現場では競争関係にある人たちが集まると、なかなかデータの共有など、難しいものがあります。

【佐藤主査】  それは出ていた。盛んに出ていた。

【飯島委員】  それで、必ずしもうまくいかないということがあると思います。

【佐藤主査】  それをうまくいかせるためには、どうすればいいのでしょう。

【飯島委員】  どうするんでしょうね。文科省が絡んだデータベースも、いっぱいありますよね。

【渡邉課長】  データベースは、死屍累々なんですけど。

【飯島委員】  データベースを作るということも1つだけれども、それをどうやって、うまく利用できるのかというところに、余りアイデアがうまくかみ合っていないというところがあると思うんです。

【西島主査代理】  海外から見ると、データシェアリングができていない。

【飯島委員】  どう使うかというところが、手打ちがはっきりしないから。

【佐藤主査】  だから、やはり、特徴があるところに、日本は、優秀な人材がいるから、特徴のあるところを攻めて、世界と戦っていくとか言っているのだけど、それは、そうはいっても、物量で負けるだろうという話で、議論になったけれど、結果的に負けてしまっているわけですよね。
 バイオ・ライフの巨大な市場に対して、そういう意味での産業からいうと、日本は、そんなに大きくないでしょう。

【飯島委員】  大きくないですね。

【佐藤主査】  だけど、本当に健康長寿ということを考えていったら、これは人類の課題ですからね。それをどうやって解決していくのかということをやっていかなければいけないので。 要するに、内閣府のいろいろなプロジェクトがあるわけです。それぞれがやられているのだけれども、集約してみたときに、健康長寿のための医療診断システムだとか、何とかというものを集約して、何かやりたいと思うでしょう。そういうことにはつながっていっていないよねという話になる。それを何か作らないと、やはり、やらないと、駄目だなという気は盛んにしました。
 ただ、当然、それは、JSTの個別のテーマにはならないわけです。だから、そこから、どんと小さくしなければいけないですからね。

【渡邉課長】  そういう意味では、政策という大きな絵を描くのは役所であり、全体となると、総合科学技術・イノベーション会議の方で描いているということになるんだと思いますが、我々は、その中で、この基盤というものを、どういうふうに訴えていって、政策に取り入れてもらうか。
 当然、文科省レベルでの政策は、我々の考えでは、まだ整理できないんですけれども、そういうことも考えながら、御議論を頂いているのかなと思ってはいるんです。

【佐藤主査】  NMRの話もそうだし、クライオ電顕の話もちょっと出てきたりしていて、がんだったら、がんの抗体、受容の部分の詳細な構造も必要になってくるという。そうすると、0.8オングストロームだったか、分解能も欲しいと。
 え、何でそんなものが要るのか、と言ったら、電子構造まで知りたい。要するに、嵌合条件が、電子構造まで分からないと、決まらないという。これまでは、数オングストロームの世界で、バイオ系は考えていたんだけど、そうではないんだと。

【西島主査代理】  そこまで情報を与えれば、その先には行きやすいので、その前の数オングストロームの世界で走らなければ、0.8オングストロームが与えられれば、みんな同じ状態で走るから、その前に走り出すことが重要でしょう。

【佐藤主査】  例えば、クライオだと、それは、もう走っているじゃない。盛んに出たことは、某クライオ電顕メーカーは、ボタンをワンタッチで押して、全部返してきてしまいますよね。

【西島主査代理】  そう思います。

【佐藤主査】  日本は、一生懸命、何かこんな感じでやっていますよねと。年中、言われることは、それでは、勝てないよねという話。ユーザビリティーの問題が出てきてしまうでしょう。

【西島主査代理】  そこは否定しない。

【木川委員】  そういう意味では、どうしても、すぐ、いろいろな……。電顕は、1つは、ディテクターの進歩があるんですけど、実際にはその後の処理をする、データをとった後の処理をするソフトウエア、RELION(リライオン)というものがあるんですけど、これがすごく優秀で、かなりのところまで、そのデータを持っていってくれる。
 しかも、最初の頃よりも、どんどんよくなったというところが、実は、もう一つのブレークスルーなんです。そこは、余りそういう議論にはなってないんです。

【杉沢委員】  専門的な質問で申し訳ないのですが、今言われたったソフトウエアは、オープンソースソフトウエアですよね。

【木川委員】  はい。

【杉沢委員】  このソフトウエアは、サイエンスコミュニティベースで、世界の一流の研究者の方々がプログラムをどんどん作っていて、日進月歩で、1か月たつと、あ、こんなこともできるようになるのかと驚くぐらいのペースで進歩しています。メーカーはこのソフトウエア作りには関与しておりません。

【木川委員】  オープンソフトウエア、Linux(リナックス)とか、ああいうやり方が入ってきて、何か、コミュニティで、わっと。

【杉沢委員】  わっとやっている間に、どんどん進歩していく。

【木川委員】  いつの間にか、先に行ってしまうというようなスタイルを取り入れて。

【杉沢委員】  それはそれで、重要だと思います。

【木川委員】  更に上手にそれをマネタイズするところまでを含めて、例えば、企業が使えば、それはちゃんと有償モデルとかでする。それは、非常に上手なやり方をやっているんだということで、結晶解析は、もともとコミュニティで、ccp4でしたか、イギリスのものがベースになって、そういうものをすごくやっている。
 ただ、最近、幾つかのソフトウエアはかなり商用ベースになっていますけれども、そういうものを、データがとれた後の後処理。先ほど西島先生がおっしゃったように、ある程度、そこそこのデータをどうやってよくしていくかということも含めて、そういう部分もちゃんと、いわゆる計測そのものを進化させることと、パッケージでうまくやっていかないと、やはり、かなり厳しいんではないか。日本が一番とれているのは、実はそこです。

【佐藤主査】  だから、そこのリーダーシップをとれないのか、という。

【木川委員】  それは、やはり、1つは、コミュニティ形成の上手さというか、あれは何なんですか。

【佐藤主査】  そこは、何なのだろう。

【木川委員】  非常に上手です。杉沢委員が書いています。

【佐藤主査】  それは言っていた。

【杉沢委員】  そういう意味では、計測、分析の先端的なところというのは、特定のメーカーが進歩させるというよりも、やはり、コミュニティとメーカーが一体になったところで、進歩していく部分があって、その中に、ユーザーも含んでいるし、ものづくりメーカーも含んでいるし、いろいろなことをやられるサイエンティストも含まれているようなコミュニティが進歩させていくという側面があると思っています。

【佐藤主査】  それは、だから、多分、収穫加速の法則が成り立っているからなのだよ。

【杉沢委員】  そうだと思います。

【佐藤主査】  そういうコミュニティが自然に形成されてくるのだけど、誰かがリードしていると思うので、そのリーダー役を、全部とは言わないけど。

【杉沢委員】  全部とは言わないですが、日本に幾つか置くべきではないかと思っております。

【佐藤主査】  日本だって、やっていいじゃないかという気がするのだけど、そこは、どうなんですかね。

【杉沢委員】  そういうコミュニティを作ることが、共用施策の次のステップだろうと考えております。2017年のノーベル賞を受賞したクライオ電子顕微鏡というシステムを作り上げたのも、英国のMRCが中心となったサイエンスコミュニティですから。

【西島主査代理】  でも、ヨーロッパなんかは、そういうふうにしないと、残れなくなる。というのは、放射光でも、ESRFなどといったら、16か国でやっているから、マニュアルなんかが、すごいシンプルなのね。やはり、ドイツとか、いろいろなところから来たときに、そのマニュアルでもいいんだけど、日本の場合は、玄人好みのマニュアルが好かれるからだし、それに慣れてしまっている。

【杉沢委員】  ご指摘の通りだと思います。

【西島主査代理】  だから、海外のマニュアルは、絶対すごい楽ですよね。よくできているし、簡単にできます。研究者が、ESRFに行って、びっくりしたと言っていました。

【佐藤主査】  それが分かっているのだったら、何でそれをやらせないの? そんなもの、全然使えないという話になって、みんなが言えば、やるのではないでしょうか。

【野村委員】  結局、今はそれを使える人たちだけが集まっている。

【佐藤主査】  そういうこと。

【西島主査代理】  それで困っている。

【野村委員】  それを広げることを、もっとやらないといけないと思うんです。

【佐藤主査】  オープンサイエンスになっていない。

【野村委員】  先ほど私が言ったことも、そういうことで、今の条件で満足している人たちだけが使って、ハッピーでは、やはり不十分で、その先、もっと潜在的な、うまく使って、いい成果を出してくれる人をどう取り込むかというところを考えなければいけない時期だろうと。

【西島主査代理】  ヨーロッパなら、ヨーロッパのシンクロトロンが、ヨーロッパ各国から、いいと言われなかったら、自分たちのモチベーションというか、評価が上がらないから。

【佐藤主査】  それもあるし、それを使って、評価してくれればいい。その人たちが、キャリアアップするわけでしょう。

【西島主査代理】  そういうことです。

【佐藤主査】  そこの仕組みが、多分あると思うのだよね。

【西島主査代理】  できている。ある。

【佐藤主査】  日本は、それをできるのではないですか。

【杉沢委員】  そういうものを、是非これから作り上げるべきではないかと思います。

【佐藤主査】  そういうものは、要するに、各企業も、大学も、国研も、やろうと思ったら、そういうことができるよね。

【木川委員】  そういう評価制度とか、そういう部分で、多分、ヨーロッパだと、そういうことをやっている、非常に有名な研究者は、何人かいるんですね。そういうソフトウエアで有名な人。業績もすごいんですけれども、カリフォルニアには、アクセル・ブルンガーといって、エクスプローラーというソフトウエアを、今でもエクスプローラーですが、あと、CNSというソフトウエアを作った。
 それは、もう生命系のデータドリブンのモリクレテーナ・ダイナミクスの標準的な、もうみんな使っているソフトですけど、それも、やはり、彼らは、それで評価されますけど、日本では、そういうソフトウエアで評価された人は、非常に少ない。

【西島主査代理】  少ない。

【木川委員】  はい。非常に少ない。

【佐藤主査】  多分、そういうことを全部、俯瞰的に見て、それこそ、マネジャーではないけど、マネジメントをできる人間を育てないといけないということ。科学技術行政としては、それが、多分、本当は必要ではないか。

【渡邉課長】  そういう意味では、はい。

【佐藤主査】  それはだって、文科省で専門的に分かっている人たちでないと、これは、ある程度できない、だから、俯瞰的に見て、行政としての俯瞰とそういう収穫加速をもたらすような俯瞰の仕方みたいなものを、それぞれのやれるような人材を育てていくみたいなことをやらないといけないのではないですか。

【渡邉課長】  一般論になりますけど、今言われたように、既存の学問分野だけですと、もう限界があるので、いろいろ融合させなければいけないということが文科省の中で非常に言われています。それは一生懸命やりましょうという話をしているんですけれども、今のお話を聞いていると、機器のハードウエアの開発とソフトウエアの開発を一緒にやらなければいけないということは、非常にそれも重要だと思う。
 やはり、我が国だと、いろいろな面でですけれども、ハードの方に寄りがちです。いろいろな面で、そちらに引っ張られて、そのためのソフトが附属品的にされていることが多いのかなと思うので、もう少し、そちらのものを何かドライブするような方法を、研究の面でも、開発の面でも考えていかないといけないのかなと、今思ったところです。それは、今後の研究の進め方、特に実装・実用化に当たってということは、考えていかなければいけないのかなと。
 それがないと、ユーザー・フレンドリーではないので、最後の市場化においても、弱くなるのかなと思ったというところでございます。

【尾嶋委員】  先ほどの木川先生がおっしゃった、ヨーロッパで何人か有名な人がいると。その人たちは、マネジメントの力を伸ばせという方策があったから、そういうことをやっているのではなくて、何か別のモチベーションというか、何かがあると思うんです。彼らは、何でそれをやっているんですか。

【木川委員】  その分野は、やはり、例えば、電子顕微鏡であれば、要するに、ずっと、ある程度、分からないという話だったものを、何とか伸ばそうというモチベーションだと思います。
 もうちょっと前の時代のものは、やはり、今のように、施設があまり十分手に入らない時代に、いかに少ないマシンタイムで、効果を得るかということを、みんなが問題意識を持っていたので、標準化が大事だと、最初から思っていると、そういう幾つかのバックグラウンドの下に、コミュニティが手分けをしながらやっていた。
 ccp4という仕組み、X線結晶解析のソフトウエアのパッケージ群ですけど、これは、多分、そうだと思っています。

【佐藤主査】  FP7で出てきているあれは、結構、戦略的なのではないですか。 FP7で、ヨーロッパのNMR。

【木川委員】  1つ、NMRのソフトウエアだけで、プログラムが1回動いたんです。それは、幾つかのソフトウエア群をクラウドに乗せてやれるという形で、eNMRと言っていたかな。eは、ABCDEのEです。electrical MNRというプログラムは、1回、走っています。
 多分、今、それがもっと大きくなって、いろいろな分野のソフトウエアを提供する研究者たちが、それを組んで、プラットフォームにするということは、非常に大きなプログラムの中の1つ。

【佐藤主査】  それは、次のホライズンでやっているのですか。

【木川委員】  はい。ホライズンの方でやっています。やはり、それは非常に重要だということと、一々、それを自分のところに設定して、走らせるようにしてということが、非常に時間が掛かるので、それだったら、クラウドで出してしまおうということです。

【佐藤主査】  それは、EUの行政として、ある程度、指導しているわけでしょう。自発的ではないでしょう。

【木川委員】  多分、実際は研究者が仕掛けているんだと思います。研究者コミュニティが、どうやってEUから金を引き出そうかという1つの方策として、いろいろとあれやこれやと言って、それだけ価値があるということを認めさせたんだと思います。
 プラットフォームということをやることによる価値で、1つは、それは、やはり、非常に進んでいる国と、遅れている国をどうやってレベルアップをするかというところに、多分主眼があるんです。そこが非常に重要なんだ。
 だから、ドイツ、イギリス、フランスは、それがなくても、別にいいんです。ただ、例えば、東欧からEUに入ってきた国などの科学技術レベル、産業レベルを上げるために、どうやったらいいかというと、そういうもので、まずレベルアップして、クロアチアなどというところでも、一流の研究ができるようにしましょうというようなことを吹き込んで、上手にお金を取ったんではないかと思うんです。
 それは、そういうコミュニティ共同体であり、全体のレベルアップをしようというロジックが通用するところだから、特にEUの場合は、そういうふうになっている。そこら辺のロジックの作り方は、EUは非常に上手です。

【佐藤主査】  うまいね。

【木川委員】  はい。それは、国家としての、各国としてのアイデンティティーとEUとしてのアイデンティティーを上手に使っている。
 上手に使わなかったのが、イギリスですよね。大変なことになっていますけど、本来、イギリスも上手に使えば、もっとクレバーに大きくなるはずなのに、そこはちょっと失敗していますけど、ほかの国は、そこを上手にいろいろ使っています。

【佐藤主査】  これは、やはり、科学技術行政に絡む。

【木川委員】  絡みます。

【佐藤主査】  材料の開発にしても、マテリアル・インフォマティクスの話で、いろいろプロジェクトは起きているのだけれども、ばらばらですよね。
 あれは、一つにまとめて、全部そこに集約して、情報が集まってくるような形に、何でできないのかということが不思議。

【西島主査代理】  プロジェクトの競争資金の取り方が、ばらばらだものね。もっと大きなもので、どんとやって、そして、その中で分けるんではなくて、もう毎日のように、AMEDなどは、もう細かいテーマだから、もうAさん、Bさんしか手を挙げないだろうなみたいなことを見越したような公募ですね。

【飯島委員】  いや、いや、そんなことはないです。

【西島主査代理】  例えば、こんな細かいプロジェクトをやっていたら、そんなまとめてなんていうことないでしょう。例えば、生命科学の何とかを解くなどということで、100億円をあげればおもしろい内容に展開されるかもしれないけど、数千万円とか、1億円で、あまりに具体的過ぎるテーマ内容ではその先がない。

【飯島委員】  AIが大事、ソフトが大事ということは分かるんですけれども、かねてから言われているように、それこそ人材育成が全く追い付いていないんではないですか。だから、会社の中でも、そういう研究所はあるんだけど、彼らは、皆さんに協力するのは嫌という感じで、なかなか一体化できない。
 そういうセンターみたいなもの、ヨーロッパでいうと、遺伝子解析とか産学センターとか、大きいものを作るなどというところに、良い人材がいて、みんながそこに集まってくるようになると、教育にもなるしという、少し積極的なアプローチがないと、大学に教育してくださいと言っても、なかなか増えていかない。

【渡邉課長】  そういう意味では、やはり、今、AIとかITは、ずっと言われていて、やはり我が国は、人材が非常に少ない。少ないと言われているんですけど、やはり大学で教えることも、純粋に情報や人材にしても、多分、限界があって、そういう意味では、必要とされている分野は、そういう人をくれというだけではなくて、自らそういう力を付けていただくことも必要なのかなとは思っています。
 例えば、そういうハードとソフトの開発が必要であれば、一緒にできるような人間も、やはり、これから育っていっていただくことが、非常に重要なのかなとは思います。当然、ITに特化した、それを非常に専門とする人も必要ですけれども、あらゆる分野が必要だということであれば、二足のわらじではないですけれども、双方をある程度できる人間というのは、今後、必要なのかなとは思います。

【飯島委員】  それをずっと言われているんです。

【佐藤主査】  若い人は、もうやってきているでしょう。

【西島主査代理】  でも、そういう学部は、この間の滋賀大学と横浜市立大学とか、そんな感じで、もうあれが本当に将来のライフサイエンスを担うということだと、ちょっとまた違うから、やはり、ああいう専門的な部分を作ると、スイスなんかは、もうかなり前から進んでいます。やはり、あんな小さな国だけど、やはり、そういう部分では、抜きんでてやっていますよね。
 スイスに行ったとき、日本では、そういうことはどうするのか、と聞かれて、みんな、どうしようという感じでしょう。もう10年ぐらい前から、スイスは、そういう部分のインフォマティシャンを育てて、それこそ、ドイツとかでも、みんな、スイスへ学びに行っているんです。そういうことは強いです。

【飯島委員】  個人的に言うと、困って、統計数理研究所の先生と共同研究させていただいた時代もあったんですけれども、応用に開いてなんです。非常に専門的で、すばらしい研究をされているんだけれども、応用には門戸が開いていないので、そこら辺がね。

【佐藤主査】  多分、先に面倒くさいが立ってしまう。そんなことは、やっていられないという感じで。

【飯島委員】  いや、データがあれば、解析しますとおっしゃってくださったんですけれども、データは差し上げて、実際に共同はしたんですけれども、その前には、中小企業の倒産の確率を計算していらしたという先生にやっていただきました。

【佐藤主査】  今、やはり、必要なのは、40代以降じゃないのかな。強力に必要なのはね。40代前は、コンピューターサイエンスなり、コンピューターのソフトは、それなりに教育を受けるよね。
 我々は、あまり受けてないから、自分でオープンソースを引っ張ってきて、一生懸命勉強して、今、AIを動かしてみたりをしているけど、ある程度の教育を受けてないと、そういう意欲は、なかなかないでしょう。

【飯島委員】  いや、だから、イスラエルは徴兵制度があるんですけれども、徴兵した中で、優秀な人たちにITをたたき込んでいるので、だから、今、ITのベンチャーがどんどんできて、第2のシリコンバレーになったんです。それぐらい思い切ったことをしないと、なかなか……。やはり、裾野が広くないと、無理です。

【佐藤主査】  あまり時間がなくなってしまったのですけれども、要するに、計測分析は、やはり、国の根幹に関わるベースのサイエンス、科学技術なので、それをきっちりやらないといけないということと、それが、ハードだけでも駄目だし、ソフトだけでも駄目で、両方を進化させなければいかんと。
 だけれども、特にソフトなんかは、ビジネスモデルが成り立たないと、駄目なのですけれども、オープンサイエンスで、オープンなところで、開発が進められるようなコミュニティみたいなものは、どういう形があるのか、そういうところで、リーダーシップが発揮できるような仕組みを作って、それが評価されるみたいな仕組みに、多分、持っていかなければいけないんだろうということ。
 昨日も大分言ったのですけど、結局は、ビッグビジネスが、ビジネスモデルにならないと、最終的なものが見えないと、結局、みんなボランティアではできないので、そこが、ある程度分かれば、かなりモチベーションを持って、力を発揮するのだと思う。だから、やはり、そこを見させるようなマネジャーを育てていかないといけないということではないのか。
 共用施設も含めて、これだけたくさんの計測分析があるのに、それが世界と比べて、ビジネス的には各分野で負け始めているということが、やはり、それに対するやり方、施策は、もっとちゃんと作らないと駄目だよなということを言っているわけですよね。
 多分、それを踏まえて、そこで描いたものに対して、本当に必要な計測分析の基盤装置なり、システムを開発するということを、文科省としては提案すべきですね。

【渡邉課長】  はい。引き続き。

【尾嶋委員】  ちょっと1点、よろしいですか。先ほど杉沢さんのまとめなんですけれども、非常によくまとまっていて、非常に参考になるんですが、1点、ちょっと視点として、欠けていることがあります。やはり、機器分析屋が集まって、いろいろ将来のビジョンを語っている。 だから、先ほど木川先生のおっしゃったコミュニティベースといいますか、オープンサイエンスというか、何かその観点が抜けてしまっている。どちらかというと、従来の発想で、中身は非常に勉強になるんですけれども、ちょっとその辺の観点まで入れていかないと、また、同じことの繰り返しになってしまうんではないかなという印象を持ちました。

【渡邉課長】  そういう意味では、そういった辺りも、引き続き検討をしていきたいと思っております。非常にいい視点なりを頂いたと思っております。

【佐藤主査】  この委員会としては、今日、ここで、1回終わって、次に向けて、また委員会を作り直すのですね。

【渡邉課長】  はい。

【佐藤主査】  作り直して、継続的に議論をしていきたいと思いますので、皆さん、是非、今後ともよろしくお願いします。
 ということで、今日は終わりにしたいと思います。

【渡邉課長】  本日の議論につきましては、明日親部会がございますので、こういうことを検討しているんだということを報告し、そちらの方でも少し議論してもらおうと思っております。
 また、議事録について作成しましたら、御確認をしていただきたいと思っております。
 今、佐藤先生からありましたけど、本高度化委員会は、本日で最後になります。ありがとうございました。
 基盤分野については、今後も非常に重要な検討課題でございますので、何らか検討の場を設けようと思っておりまして、それは、今、内部で調整をしております。その上で、全員というわけにはいかないかもしれないんですが、またいろいろ御協力を仰ぐ先生方がいらっしゃると思いますので、その際、改めてお願いをさせていただきたいと思います。
 本当に長いことありがとうございました。

【佐藤主査】  どうもありがとうございました。

―― 了 ――

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科学技術・学術政策局 研究開発基盤課

(科学技術・学術政策局 研究開発基盤課)

-- 登録:平成31年03月 --