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第9期基礎基盤研究部会研究基盤整備・高度化委員会(第3回) 議事録

1.日時

平成30年6月18日(月曜日)10時00分~12時00分

2.場所

文部科学省 5階 5F1会議室

3.議題

  1. 新たな共用システム導入支援プログラムの今後の展開について
  2. 未来社会創造事業(探索加速型「共通基盤」領域)の方向性について

4.出席者

委員

佐藤主査、西島主査代理、尾嶋委員、原田委員、網塚委員、大竹委員、岡本委員、木川委員、杉沢委員、田沼委員、中村委員、野村委員、横山委員

文部科学省

村上課長、田村課長補佐

オブザーバー

国立研究開発法人科学技術振興機構 研究開発改革推進部 森本部長、黒沢調査役

5.議事録

【佐藤主査】 それでは、定刻になりましたので、第3回の委員会を開催したいと思います。
 私の地元、そして原田委員の多分地元ですけれども、朝、地震があって大変なことになっています。余り心配していなかったんですが、まさかめぐりめぐって関西に今、地震が来たというので、やっぱり地震は怖いなと思っています。今後こういう基礎基盤の計測分析も含めて、そういうのを活かして減災それから予防、それをできるように何とかしていきたいなと感じた次第です。
 それで、今日、朝早くから皆さんに集まっていただいたのは、そういうことも含めて新共用のプログラム、今後の展開を、どういうふうに持っていくかについて、まだ議論している最中ですけれども、その中間報告も含めて皆さんの意見を頂いて、今後の展開につなげていきたいなと思っておりますので、今日はよろしくお願いします。
 今日は公開ですね。
【田村課長補佐】 はい、公開です。
【佐藤主査】 公開の会議なのでよろしくお願いします。
 それでは、事務局から今日の出席者と配付資料等について説明をお願いします。
(事務局より、委員の出欠と配布資料の紹介)
【佐藤主査】 では、具体的に議事に入りたいと思います。前回は参考資料1-1にあると思うんですけれども、個別に議論いただいて、新共用に関しては、今の取組状況を江龍委員、大竹委員、網塚委員から説明いただいて意見交換をしたのですが、それを踏まえて、さらに実施機関の、あるいはそれ以外の機関のアンケート調査をしていただきましたので、その結果と、それから数回、有識者に集まっていただいて勉強会を開いて、少し深めたいということで議論をしていますので、その結果も踏まえて事務局から説明をしてもらって議論したいと思いますので、よろしくお願いします。
 では、事務局からよろしくお願いします。
【田村課長補佐】 ただいま主査から御説明いただいたとおり、前回の委員会の御意見を踏まえまして、少数の委員の先生方にお集まりいただいて、じっくり深く議論するという場を設けさせていただきました。そのときの資料が資料の1から資料の2になってございます。資料の1-3が、そのときの御意見をまとめたものになってございますので、そちらについて御紹介させていただきたいと思います。
(事務局より資料1-1、1-2、1-3の説明)
【佐藤主査】 ありがとうございます。
 全体的に見ると、この委員会だけでどうのこうのというだけではないのですが、論文数自体が減っている、あるいは伸びが強力な先進国に比べると全体的にほとんど伸びていないという状況で、日本の大学だけで見ても研究力が、落ちているとは言わないけれども、横ばい状態になっているのではないかと。それは全体的に研究開発効率ということが十分なされていないのかなということが見えるわけで、そういうことを踏まえて、地方大学の状況もいろいろ、今の共用に対する状況も聞かせていただいたのですが、非常に厳しい状況で、だけど何とかしていい研究をして論文を生み出したいという意欲はすごくあるので、これはやっぱり何とかしたいなというのが今の状況だと思います。そういうことを踏まえていろいろ意見があったのですが、踏まえて、どういう新しい共用システムというのを持っていけばいいかというのをこの後、何回か議論させていただいて、決めていきたいと思っていますが、課長の方から何か追加がありますか。
【村上課長】 今、主査のおっしゃっていただいたとおりでよろしいかと思います。
【佐藤主査】 じゃあ今、田村補佐から説明いただいた内容について、質問、意見等がございましたら、まずお願いします。
 勉強会でいろいろ議論した追加があれば。西島委員、大竹委員、いいですか。
【木川委員】 いいですか。
【佐藤主査】 はい。
【木川委員】 勉強会でというよりは、この話を聞いた後にちょっと別のところで、また似たような研究力の比較という議論を聞いたときに、それはドイツと日本の比較をしていまして、トップ校、この上位校に関しては、ある指標で測ると余り差はないと。ところが中位校に関しては歴然と差があって、そこが今ドイツと日本の研究力とか開発力の差になっているんじゃないかという議論があって、ここで言うとどこになるんですかね。ちょっと1、2とか3とかあたりなんですかね。そこら辺のやっぱり研究力が確実に落ちてきているというのが今、国力の差になるんじゃないかと議論していまして、それであともう一つは、この4Gの方に入っている知り合いとちょっと小一時間話をしたときにも、やはり今、裾野が非常に細くなっていると。裾野、全体的なこういう形の中の、上の方はまだいいけれども、きゅーっと足元がもう何かスカスカになってきて、そろそろポキっと折れるところだと、今、自分のいるところを見ると感じるというので、やはり裾野を広くどうやってしていくかって、厚みのあることを共用なんかも含めて考えていくことが必要なのでデータに表れているんだなと、これとまさに、視点は違うけれども同じような話を聞きました。ですからやっぱり、ちょっとそこをどうやって厚みを持たせるか。
【野村委員】 いいですか。
【佐藤主査】 はい。
【野村委員】 私もこの問題を結構考えていて、最近思っているのは、全てこういうものが研究者の仕事になっちゃっているんですよね。だからやっぱり大学なら大学の中で、それぞれの研究者が研究教育をやるものであって、マネジメントをやるのはまた別として本来あるべきで、多分、日本は教授会自治とかで教員が全てをやっていくのはいいんですけれども、それがちょっと今、破綻しているかなと。特に地方へ行くとサイズが小さいので、事務の仕事とか何かをやたらとやらなくちゃいけなくなっている。少ない人数でやらなくちゃいけなくなる。しかもこういうことをやろうとすると、大体研究力の高い人がやることになってしまって、ちょっと全体のアクティビティーを下げちゃっているのかなと最近非常に気になっているところです。
【佐藤主査】 それは感じます。
【西島主査代理】 それは感じますね。特に地方に行くと、こういう機器が出ているようなG1、G2と、やっぱりG3の方に行くと先生自身が本当にいろいろなことができるんで、ちょっと講演に行っても、先生自身からメールが来たりして恐縮しちゃうんですね。でもそれをやらないでいくと、先生のところに教授行っても、教授がぽつんとして、昔みたいにその下にお手伝いするような人もいないので。例えばパソコンは持参しますかって言うから、用意してもらえれば幸いですと言うと、教授自らパソコンを持ってきて設定したので申し訳ないなと思ったけれども、まさしくそうですよね。
【野村委員】 それぐらいはいいんですけれども、ある意味やっぱりざっくりした概念をやったら、それをきちんとシステムに組み上げていくとかね、そういう、私、自分の機構でいたときは言っていたんですが、いわゆる会社で言う総合職の力が非常に不足している。
【大竹委員】 よろしいですか。
【佐藤主査】 はい。
【大竹委員】 有識者勉強会の中に入っている項目ではありますけれども、やはり地方が単一の大学ではなくってまとまってやっていくというのが大事な視点かなと勉強会を通じて思ったところでもあります。データでもそれは出ていると思うんですけれども。大学だけではなくて、できれば産学連携を入れるような仕組みというのは非常にいいのかなと。企業から分析機器を提供していただくとか、そういうところも含めて1つのまとまりとして地域が動き出すと非常に活性化するというか、色が出るのかなと、特徴が出るのかなというのが1つまとまった結論かなと思いました。
 もう一つは、後で杉沢委員からお話があるのかもしれませんけれども、確かにインターネットを使うというのは新しいところかなと思いますね。複数の組織でやるというときは、どうしてもデータの受け渡しとか、それは時間が掛かるわけで、そこをうまく新しいIoTでつなげることができると、これは非常に共用化にプラスになるのかなというのは気付きでした。以上です。
【佐藤主査】 そうですね。大学人として見たら、確かに、これはG1からG4まで全然関係なく、若い先生の仕事がめちゃくちゃ多い。雑用とは言わないけれども、会社で見たら、本来、分担されている仕事がほとんど若い人に掛かってきているという状況。研究はやはりできないだろうな。30%ぐらいしかできないのではないかという状況が多分あるのですね、現実に。それは、先ほど言ったように大学の自治だとかという過去の歴史からあるので、自分たちで何とかしなくてはいけないというのはあるのかもしれないのですけども。最近マッキンゼーの未来予測を読んでいると、今までの考え方はリセットしなさいと。もうもたないですよと。特に日本なんかもたないですよって。リセットしろと。間違いなく7割、研究者と言えど7割ぐらいはもうIT化で、AI化でほとんどもうできちゃうと。研究者がやるのは、今やっている仕事の3割ぐらいに集中、独創的な研究開発に集中しないともうだめなのではないかというのがよく出ているのですが、確実に日本はどんどん衰退していくという予想なのですね。そうはならないようにするためには、やはりこういう研究開発力を上げなくてはいけないので、そこに多分つながっていくのだろうと思うのです。今言われた産学連携という問題も、産学連携の今のやり方では大した効果じゃないと、大した効果になりませんよという話で、根本的にそれも考え方を変えないとだめなんじゃないかという話が出ています。ですから、一方ではノーベル賞クラスの研究はやっぱりやらないと破壊的イノベーションは起きないので、それをやりながら、かつ普通の、普通というか多くの人たちの研究ポテンシャルを飛躍的に上げていくということをやるための方策ですね。それが新共用だけではないのですが、新共用にも求められているのだろうと思うので、その辺の案ですね、やっぱり。そこを出さないといけないなという。地方大学の話をこの前のヒアリングで聞いていると、やっぱりあそこだけでやるのはもうとてもじゃないけれども難しいねということは感じたので、それをどうやって全体でサポートしていくかという話をまとめなければいけないなという気はしています。ちょっと結論じみたことを言ってしまいましたが。
どうですか、皆さん。
【西島主査代理】 産学連携とあと自治体の考え方もありますよね、そこのね。自治体の方でも何か中小企業に向けた研究センターへのアクセス、そこのところと産学官まで組んでいかないと、少しいけないのかなと思います。特に地方という言い方がいいかどうか分かりませんけれども、やっぱりそこの学生さんがそこにとどまって優秀な人間が働くということをしないと、みんな東京へ来て、これ以上、東京に人口が増えてもなという、しみじみそう思いますよね。ちょっと電車が止まるともうどうしようもなくて。でも学生さんに聞くと、やっぱり地方で優秀だと、どうしても行かなきゃいけないということで、何か自分の研究をやろうと思って、さっき言った先端機器も東京と、さっき言った上の方の大学で扱っているという感じもあるので、地方には地方の良さがあるんじゃないかなと思う。例えば、私がこの間聞いたのは信州とか、ああいうところはやっぱりパルプとか木材とか自然とか、そこしかできないやつとかやっているんで、そういうところにはそれなりの資金によって設備を付けて、それを補正予算で待っているというのはかわいそうですよね、やっぱりね。それはちょっと。先行投資というつもりで、その代わり学生さんが30%、40%そこに定着して、それによって倍ぐらい学生さんがとどまって、自治体もそれに少し投入してといういい動きが入ってきたというんで、やっぱり少し成功事例として持っていくというので、自治体の考え方も必要なんではないかと。学だけじゃなくて。
【佐藤主査】 そうですね。連携ね。
【野村委員】 そういうところは日本は非常に弱いというのか。私たちつくばにいるんですけれども、つくばだって研究所を移しただけで、それをどう結び付けてどうしようかというのは、あなた達で考えてくださいという話ですね。海外を見ているとやっぱり随分違うし、また地方自治体のそういう企画力というのもかなり厳しいですね。
【西島主査代理】 おっしゃるとおりですよ。だからつくば市の方から、例えばライフサイエンス事業を取りまとめてやるんで、こうだというつくば市の提案が製薬業界に来たことはないけれども、ベルギーとか、それからオランダ、ドイツというのは、結構来るんですよ。展示会でこういうのを出すから来てくれって。つくば市から業界に来たことって、正直言って何か就職の、そういう何か自分たちに関係すること以外はやっていないですね。そう感じます。つくばでさえそうかもしれない、確かに。
【佐藤主査】 ほかに皆さん、意見ありますか。
 中村委員、どうですか。企業側から見て。
【中村委員】 最近感じることは、企業側ではやはり新しい事業のエンジンを育てていく必要があるわけで、そういう分野というのは例えば融合的な分野で、今まで私たちがアプローチしていなかった新しい分野であったりするわけです。そしてそれは大学にあったりするわけです。そういう状況において、新しいものを探索しようとするときに、新たにシステムを導入しようとしますととても時間が掛かってしまう。最低でも数か月掛かってしまう。でも数か月は企業にとっては非常に重要な時間ですね。競争で勝ち残るためには。そこを大学と上手に共同し共用システムを活用させていただくなどしてスピードアップを図れれば、企業にとっても大きなメリットがあると感じています。今までの産学連携は限定された分野で進めていたことが多いかと思いますけれども、間口を広げて違う分野の組み合わせが進めやすいように育てていくことが今後の大事なポイントになるのではと感じています。
【佐藤主査】 今現実に、例えばSPring-8だとか何とかいろいろな施設を使っているじゃないですか、企業として。
【中村委員】 もちろん使わせていただいています。
【佐藤主査】 不満とか、こうしたらいいとか、ああしたらいいとか、こういうふうな共用にしてもらったらもっとうれしいとか、ないですか?
【中村委員】 いやいや、もちろんそれは……。立派な仕組みが構築されていますので。細かな話はいろいろあるかと思いますが、SPring-8などは特になくてはならない分析機器になっていると認識しています。そういう大きな話だけではなくて、もう少し細かで近場のところでも大事なものがあり、そういう技術がなかなか見えてこないと感じます。
【佐藤主査】 トップクラスの研究を論文も含めてやろうとすると、それはやっぱり世界最先端の計測分析装置なり施設なりを使って、それがそれなりの自由度で使ってやらないと出てこないですよね。
【中村委員】 そうです。
【佐藤主査】 しかし、そんな簡単には出来ない。企業もSPring-8のところに専用ラインを持っていろいろやっているけれどもね。だけどあのやり方を見て、いや、私、別にSPring-8を批判するわけでも何でもないですけれども、効率が悪いです、やっぱり。そこから出てくるデータは膨大にあるはずなのに、使っているのはほんのわずか。それ以外のデータってどうしていますかっていったら残っていない。それを全部ビッグデータに残して、いろいろAI化なり何なりどんどん持っていて、それでそれを地方大学だとかいうのもそれなりに知識共有しながら、ソリューション共有しながら、ある程度こういうことをやりたいといったら、そこにつながるという話になっていれば、すごく効率は上がると思うのですが。企業も例えばそういうふうにやれば、もっともっと今までにない分野に対しても、こういう観点でいけそうだなというのは簡単にお願いができたりするじゃないですか。
【中村委員】  そうですね。その辺のさじ加減といいますか、企業側にとってはどこまでオープンにするかといったところはとても重要なところでありまして、一方で確かにおっしゃるとおりにオープンにすると先に進むといったところがございます。ですから、それはその分野がどのような状況下でどのようにグローバルに戦わなくてはいけないかといったところも鑑みて進めていくことになります。
【佐藤主査】 これは企業側の責任でも僕はあると思うのですよね。
【中村委員】 はい、そうですね。
【佐藤主査】 例えばGEだとかシーメンスみたいに、第4次産業革命やりますよといって、研究に対してもサービスから製造まで含めて、全部シームレスにつないで、データを介して、情報を、こういうのを研究すべきだとか、してくれとか、あるいはそれによって何を生み出すとかということをやりたい。それが第4次産業革命だねという話でいっているわけだから、そういう取組をじゃあ大学側、産学連携においても大学側とうまく連携して、そういうことができる仕組みというのはできないのかと。
【中村委員】 積極的に行おうとは努力はしていると思います。
【佐藤主査】 努力している。
【西島主査代理】 先生おっしゃったように、日本の企業の場合は基礎基盤研究と、それからその先の先端研究の部分の切り分けが下手なんですね。1つには余裕がないんで、初めの段階からもう競争的な領域として自社で進めることが多かった。海外の世界企業に行くと、ここまでは基礎基盤だから共同だけれども、そこから先はかなりシビアにやるというんで、知的財産も含めて、企業の体質としてやっぱり大きな企業には戦略がある。国内でもようやく、これからはもっと基礎研究の部分は共同でやるというのが、最近の業界での傾向です。10年、20年前は、良いシーズを見付けたら最後まで自分が育てるんだって言っている感じが多いから、大事なものを独自に抱えて大きなコンソーシアムを組織化できない。海外の場合はコンソーシアム化が早いですよね。たとえば、大型放射光を使うという場合、私も業界活動として、日本の大型放射光に専用施設を作ろうと思ったときにアメリカに行ったら、もう十二、三年は、ワンサイクル遅れているという印象がしました。ということは、新薬が1つ出るタイミングを逃しているというのを僕は切実に感じましたね。我々がコンソーシアムを作ってビームラインを作りたいとき、向こうはもう1本使っていて、2本目を建設していました。あんなに立派なSPring-8を持っているのに日本の製薬企業はどうして使わなかったのって逆に質問されましたから。でも各社は実は必要時に申請して、時々は使っていたんですよ。でも業界全体としてより使い易い環境下で有効に使うというコンソーシアム化への動きが遅かったです。
【佐藤主査】 それを埋めるためにはどうすればいいの?
【西島主査代理】 1つは、自分たちの責任もあるんですけれども、もう1つは、やっぱり海外に行って思ったのは、その施設を産学連携に使うことが自分たちのモチベーションも高まるし、自分たちの評価にもつながるという専任グループがいるんですよ。例えばヨーロッパの放射光施設を訪問したときは、共用施設にRoche出身の研究者がいて、日本から来た製薬産業界になんとか使ってもらってように一生懸命説明するんです。その施設に興味を持ってもらい活用されること、更に産学連携を進めることが自分たちの評価になるし、それが自分の役目と自覚している。一方、SPring-8へ初めて訪問した最初の頃は、新参者によって何か新しい仕事が増やすから迷惑をかけるという印象でした。つまり、今までSPring-8を使ったことがないグループが来て、施設側担当者の仕事が増えてしまうんじゃないかと思って、話がいきなり現実的な費用負担とか、どのような研究成果とか、になり共同作業のプロセスの話が進まない。だからそこのモチベーション、さっき野村さんが言いましたけれども、そういう人たちは産学連携とか何か一生懸命やればそれだけのキャリアアップになるという流れが必要でしょう。
【野村委員】 そこはやっぱりミッション定義と評価ということが、いわゆるそういうところの場合、アカデミックな大学の先生と同じような考え方になっちゃっているところが多くて、そこはやっぱりこれだけ普及してくると、少し職種の分離みたいなものも考えていかないと、キャリアパスが作りにくくなるのかなというのは感じますね。
【西島主査代理】 ここでもよく人材育成は重要だって言いますが、じゃあそれに一生懸命やった人がどれぐらいその後続けて雇用されるか。さっきも言ったように、このプロジェクトが終わったら、3人の内の1人は継続雇用されるけれども、あと2人は他の場所で頑張ってほしいと。頑張るったって、論文持っているわけじゃないし、下手すりゃ年齢だけ増えているんですから、だんだん職探しも難しくなっちゃう。そのときにやっぱりそういうところでやった人間が次で活躍できるとか、あるいは活躍できるように評価を高めてあげるとか、そういうのをやっていないと、これ、なかなかさっき言ったように人件費が掛かっているということは逆に言うと、それが切れたときには、はっきり言って3人の内全員とか、2人か3人、全員雇うということは難しいと思いますね、今。
【大竹委員】 よろしいですか。そのとおりだと思っていて、話がそれたら恐縮ですけれども、URAも多分、University Research Administratorも非常に似たところがあるのかなと。論文で評価されるわけではないし、先生おっしゃるように事務職でもないわけですよね。なので、国立大学の場合は教員がいて、その事務職がいますけれども、やっぱり専門職的なものが必要なのかなと。今の設備共用化も、あるいはURAも含めてですけれども。その中で評価軸をトップ1%論文じゃなくって共用化でこれだけ貢献したよとか、産学連携に貢献したよっていう軸を立てることはできると思うんで、やっぱり将来的にはそういった専門職があるといいのかなと感じているところではあります。
【原田委員】 URAもパーマネントではなく期限が付いていますよね。それで、私の知っているURAの方も今年いっぱいで契約期間が終了するので、次の就職先を探さなければいけなくて、困っています。運営費交付金が削られているので、大学がパーマネントの職として準備することができないので、多くの職がテンポラリーになっていて、一生懸命働いている方が、次の職探しに困るというのが問題になっていると思います。
【佐藤主査】 これは行政側の問題ですかね。
【村上課長】 何と申し上げたらいいんでしょう。学教法の体系に、特に大学に関して申し上げますと、置かれる職種って御案内のとおり規程があって、直近であれば要するにいわゆる助手が助教になったりしているわけなんですけれども、技術職員も当然もともと置かれている前提にはなっているんですが、実際問題何が起こっているかといいますと、当然のことながら運交金全体が頭を押さえられている中で、これ、別に競争力会議とか未来投資会議がお先を担ぐつもりじゃないですけれども、どうしても年齢構成なんかの問題もあって、上の方に人件費負担が頭でっかちになっていて、そうするとそれ以外の職種あるいは若い方に関して、少なくとも基盤的経費でそこの人件費を賄うというのがやっぱりだんだん厳しくなってきて、そこをどうにかしなきゃいかんというのは共通の行政課題として、科学技術行政のみならず高等教育行政の中でも議論は当然されているわけなんですが、やっぱり私どもの立場からしますと先立つものがないとどうしようもないというところは、これはどうしようもないところがあって、今トータルのシステムとして、これもいろいろな多分、御議論はあると思うんですけれども、先日、閣議決定されたばかりの今年の科学技術イノベーション統合戦略なんかの中でも全体の研究力の向上、研究力の底上げ、維持・向上のためには、研究のシステムの中の人件費の位置付けなりをもう1回よく整理しないといけない。具体的に言うと、言い方あれですけれども、年俸制がふさわしいところは原則年俸制にして、単に65まで定年が延びたから人件費がどんどん頭でっかちに上がっていって、それで若い方採れないという状況、あるいは本当に必要な職種を置けないというような形には、できるだけそうならないようにシステムでしなきゃいけない。ただ、他方で、学内の人事行政なんですよね。職種としては法体系上書いてあるんですけれども、じゃあ具体的に何を優先するかと。教授ポストが1空いて、そこを補充するのか、それを2つの准教なり助教等に振り分けるのか、はたまたというところは、やっぱりそれぞれの学内のいろいろなマネジメント上の御判断というのがありますね。なかなか一律に、だから何%必ず最低URAが、これぐらいの規模だったら10人は要るでしょうとか20人は要るでしょうというようなことじゃ、しかもそれを基盤的経費の中で必ず置いてくださいという形にはなかなか今のシステム上ならないところが非常に難しい。ちょっと隔靴掻痒というんですかね。そういうのが必要だというのはいろいろなところで、私も科学技術・学術政策局の中でも議論して、御提言なりは頂くんですけれども、じゃあそれをシステマティックに、全国一律にそうかと言われると、そこはなかなかいろいろ難しいところがあるということ。すみません、ちょっとスパッとした話にならないんです。
【佐藤主査】 大学改革まで踏み込まなきゃいけないかな、多分。何となく感じるのは、今の行政は大学の方の人事も含めてそうなのですが、今まで流の発想、人材を活用して云々かんぬんとかいろいろ言うんだけれども、今まで流の仕組み、やり方では難しいなと感じていて、じゃあなぜ欧米が、特にアメリカがああいうふうに活力がある形で次から次からITからIoTからバイオ系からいろいろなイノベーションを起こしてくるのかというのは、ちょっと考えなければいけないなと思うわけです。これはやはり、研究者がすごくワクワクしているのですね、多分ね。じゃあ日本の研究者は、全体を見たら、ワクワクしてやっていますかと。特に最近のいろいろな評価でアドレナリンが出ますかと。自分の仕事に対してアドレナリンが出ます。我々、高度経済成長のときに、やればやるほど給料が上がっていくよね。それなりに成果が出ると。それはアドレナリン出るわけですね。そういうことに、今なっていないのではないのかなと。そこの、多少は出ないと仕事はできないから、出ているのだけれども、全体として飛躍的にそのポテンシャルを上げるみたいなことの意欲につながっていっていない。だから行政的に何か仕組みとして次の競争力強化のこういうことをやりましょうというふうにやったとしても、ついていく人間が、アドレナリンがそんなに出ないような話になっていたら、それはやっぱり何かを考えないとだめなので、ああいうグーグルなりアマゾンなり何なりというの、みんなそれを使ってすごく便利で、ああ、これ、おもしろい、興味あるというふうにやるからどんどんみんな使うわけだよね。それを考えないといけないなと。教育もそうなのですけれども、教室で教育をすると。学生はみんなアドレナリン出て教育受けていますか。自分の興味ある対象を、都合の良いタイミングで、ネット、e-Educationがあると、数千万人の人が、ネットを使って教育を受けるとかいうことが現実に起きているわけですよね。数千万人といったら、日本の大学の学生数をはるかに超えている、という話になってきて、だから考え方をもうちょっと柔軟に考えなければいけないなとは思うのですよ。そこまで含めたURAみたいなことを考えていかないとだめだと思うので。かといって無尽蔵にお金があるわけではないので、パーマネントでみんなを雇うことは多分できないでしょうから、競争の原理は入ってくるとは思うのですけれども、それも踏まえて。何か共用から大分本質的な話にずれてきたけれども、そういうことを考え……。関係するよね、やっぱりこれはね。そういうことにね。
 それで、ちょっと余り時間がなくなってきたのですけれども、共用に関しては、やっぱり重要なので、研究力をどれだけ上げられるかということにつながっていくと思うので、それはAIとか、IoTだとか、そっちの方の力を相当借りていかないと、今まで流のやり方では多分、予算的にも厳しいし、その仕組みをちょっと考えていかないといけないのではないかなとは思うので、その辺を踏まえて、杉沢さんの方にお願いして、そういう自動化とかスマート化とか、今、計測分析機器でいろいろ取り組まれている状況を説明していただきたいということでお願いしたので、よろしいですか。
【杉沢委員】 はい、結構です。
【佐藤主査】 お願いします。
【杉沢委員】 現在、当社で取組をさせていただいておりますシェアリング事業の考え方を御説明したいと思います。
 当社は、電子顕微鏡ですとかNMRのような比較的大型で簡単に移動できないような機器、あるいは機器を扱うこと自体に高度なテクニックが必要で、そこにオペレーターが付きっ切りになるというようなタイプの装置を多く扱っております。当社では、このような大型機器の共用を進め、利用効率を高め、皆様のお役に立てるための新たな仕組みを作らないといけないと考え、数年前から大型機器のシェアリングに取り組んでいました。ここでは、その取組についてご説明いたします。
 2ページをご覧ください。これは大型機器に限らず、一般的なラボ計測の分析ワークフローを図示したものでございます。大学等の研究者でございますと、このワークフロー全体を1人の研究者が扱うことがございますが、1人で扱いますと分業ができないため、組織的に効率化することはできません。この作業の生産性を高めるには、ワークフローを要素プロセスに分解し、それぞれのプロセスにおいて最適化する、あるいは全体のシステムを合理的に組み上げるという考え方が重要になります。
 このようにプロセスを分解し全体を俯瞰できるようにしますと、様々な事柄が検討しやすくなります。具体的にこのプロセスを見ますと、左から、まず試料前処理をして、それを分析機器まで運び、装置にセットして、データを取得します。そのデータを処理あるいは解析して、利用することになります。最終的な利用目的は最終ユーザーによって異なります。最終ユーザーがアカデミア研究者の場合は論文を書くために利用されるということになりますが、企業研究者の場合は、例えば、特許を書くとか、プロセスの歩留まりを上げる、安全性の評価に用いるなど別の目的で利用されます。プロセスを分解し、その要素ごとに見ますと、その要素プロセスごとに、扱う人やスキルが違いますし、それを扱うためのインフラも違うということが分かりますので、改善方法の検討がしやすくなるわけです。
 このワークフロー図を最初に書いたときには、試料選別プロセスを入れていなかったのですが、いろいろ考えていきますと、試料選別というプロセスも重要要素になると考えて追加しております。これは何かと申しますと、試料前処理をして、それを分析機器に掛けても解析可能なデータが得られないようなケースがあります。その場合、分析機器にかける前に解析可能なデータが得られるかどうかを簡易的に判断して、試料を選別することができれば、分析機器の利用効率が高まることがあります。特に計測時間の長いもの、計測コストの高いもの、前処理の歩留まりの悪いものに関しては、試料選別プロセスの重要性が高くなります。
 3ページには、分析機器をリモートオペレーションするという考え方を示しています。現在のIoT技術を用いますと、これを実現することは特に難しいことではございません。ただ、機器によって、あるいは目的によって計測ワークフローが異なりますので、考え方を整理するために、リモートオペレーションを類型化し、分類したのがこの絵です。例示装置が当社の装置に偏ってしまい申し訳ないのですが、ここでは3つにタイプ分けしております。電顕タイプ、NMRタイプ、クライオ電顕タイプです。電顕タイプは主に画像観察型の装置に特徴的なものですが、測定中オペレーターがつきっきりになる装置です。NMRタイプは自動化が進んでおり、サンプルを入れて、計測を開始するとほぼ自動的に計測結果の得られる装置になります。3番目の類型がクライオ電顕というタイプです。これは電顕の一種ではあるのですが、計測の自動化が進んでおりますのでNMR型に近いものです。しかし、試料前処理とその選別がオペレーターのスキルに依存する部分が強く自動化できず、しかも、その部分が計測時間の律速になっているので、電顕型やNMR型と同列で扱えないため第3のタイプとして類型化しました。 この3番目のクライオ電顕型のワークフローのリモートシェアリングについては、まだ目処が立っておりませんので、課題が残っているという意味で、赤字で示しています。電顕型とNMR型につきましては評価が進んでおりますので、その結果につきまして御説明したいと思っています。
 まず電顕型ですが、これは計測を自動化することが難しいです。この型の装置の場合、計測している間、オペレーターが付いていて、視野を移動、拡大、縮小したりして、分析すべき場所を探索しながら、ここぞという部分を分析するというスタイルですので、なかなか自動化できるものではないです。計測の間オペレーターが付いていないといけないということで、これを1つの類型にしています。
 NMRでは、計測の自動化が進んでおりまして、基本的にサンプル管にサンプルを入れて装置にセットすれば、測定は自動で実行できますので、装置の制御ソフトウエアがリモートオペレーションに対応してさえすれば、遠隔分業の仕組みを構築することができます。
クライオ電顕の場合、測定そのものはほぼ完全に自動化されています。というのは、クライオ電顕では、数百枚、数千枚という大量の画像データを計測しますので、計測の自動化が進まなければ、スループットが悪すぎて実用性がない手法だからです。したがって現在のクライオ電顕は、サンプルをセットすれば、ほぼ自動で計測結果が得られるところまで自動化が進んでおります。しかし解析に値する試料前処理ができているかどうかが、計測してみないと分からないというところが問題となっております。何回トライしてもうまくいかないときもあります。試料前処理にいろいろなノウハウがあるらしく、前処理手法は確立していないのが現状です。試料選別のプロセスが非常に重要になってくるのですが、そこが手作業であることがこのタイプの特徴になっています。
 電顕型の機器で、遠隔分業を実現する方法として、最近普及してきたWeb会議システムを使っています。あらかじめ試料を電顕室に送っていただいて、電顕室の方でサンプリングし計測準備が完了したところで、リモートユーザの画面を立ち上げていただいて、ここでリアルタイムに会話しながらデータをとっていくシステムを採用しています。データの送受信に関しては、インターネットの仕組みを使えば、安全に大量のデータを送るというのはさほど難しい話ではございません。
 次にNMR型です。NMRでも、電顕型と同様にWeb会議システムを使った遠隔分業をすることはできます。しかし、装置にプロのオペレーターを付けてオペレーションをするという仕組みであれば、装置ごとにオペレーターが必要となり、オペレーターを確保できない装置は稼働させることができなくなります。そこを一歩進め、オペレーターがいなくても装置を使えるようにするということを目標にして、システムを組上げました。その実証試験を行うために、昨年の6月に慶應大学様と提携を結ばせていただきました。慶應大学様の中にシェアリングモデルの実証評価センターというのを作っていただいて、そこで評価をさせていただいております。まず、ユーザー様がメール等で装置の予約を入れていただきますと、その時間、その装置の使用権がユーザー様に渡されます。試料は予め装置管理者に送られており、装置管理者が試料自動交換装置にセットしておきます。実際に利用されるユーザー様は、利用開始時間が来ましたら、リモート端末を使って、あたかも目の前に装置があるかのように装置が利用できる状態になります。
 サンプルにつきましては測定に先だって、送る必要がありますが、この送り方が大きなポイントとなります。この発送システムについては工夫を加えました。試料を一個一個宅急便で送ってもいいのですが、そうしますと発送コストが掛かりますので、ある程度の試料をまとめてパッキングして送ることが可能なシステムを開発いたしました。その場合、発送コストを抑えるために、ある程度試料がたまったところで送ることもできますが、そうすると発送頻度が下がり、測定開始までの遅延が大きくなります。パッキングの個数を変えることで、測定までの遅延時間と発送コストが変わりますので、これらのバランスをとる考えが必要になります。
 慶応大学様の場合は、リモート端末専用室を作っていただいており、そこで装置のオペレーションをすることにしております。装置のオペレーションは、各研究室の端末からも行うことができるのですが、各人が勝手にログインするというシステムでは混乱が起きるおそれもありますので、不便にはなりますが、あえて、リモート端末専用室からのみ利用できるようなシステムとしております。ただ、得られたデータにつきましては、各人のパソコンに配信できますので、計測はリモート端末専用室で実施するが、データ処理は各人のパソコンで実行できる環境としています。
 7ページ目に、シェアリングシステムのコンセプト表を示しています。シェアリングシステムで考えるべき3つの要素を示しています。すなわち、計測機器、試料デリバリーシステム、情報セキュリティーという3つの要素を考えないといけないという図です。
 8ページには慶応大学様のリモート端末専用室に設置された大型ディスプレイの画面を示しています。これを見ながら、あたかも目の前にあるNMRを操作しているかのごとくオペレーションができるというような状態をつくっております。
 ちなみにこの画面の右上のところで、ウエブカメラから見える実際のNMR装置の様子をリアルタイムに表示しております。サンプルが出入りする様子をリアルタイムに見ることで、安心感が得られるという効果があり、非常に好評です。
 次のページはデータのセキュリティーシステムを表しています。これはやや原始的なやり方でして、データセキュリティーを管理するために、ハードディスクを入れ替えるという作業をしています。利用されるお客様ごとに専用のハードディスクをご用意しており、そのお客様のご利用時間になると、お客様の専用のハードディスクに入れ替えるという操作をしております。
 お客様の専用ハードディスクに入れたデータにつきましては、Web上の共用フォルダーを介して転送するという形にしています。一定の時間が来ましたら、この専用ハードディスクをフォーマットし直し、完全にデータを消去することにしております。そうやってセキュリティーを担保するという形にしております。今はこういったシステムですが、将来的にはクラウドベースのしっかりとしたデータマネージメントシステムを構築して、そこでユーザーのセキュリティーを担保しながら便利にデータをシェアリングできるようにするというのがあるべき姿だと思っています。しかし、そのようなデータマネージメントシステムを構築するには大きな投資が必要となるため、現状ではそこまでは実施しておりません。
 次にサンプルデリバリーについ示します。ここは、いろいろな輸送業者さんと相談しながら、最終的に、この図の写真で示したようなサンプルデリバリー用の通い箱を用意しました。これで多くのサンプルを一度に搬送できます。この通い箱の中にNMR試料管を入れて、それを慶應大学様と当社のNMR室の間を実際に業者に委託して輸送するという実験を何回も行いました。その実証試験を通して、サンプル管が破損しないかですとか、温度や湿度をモニターしてある一定の基準を超えないかということを確認しました。サンプルデリバリーに関しましては、今のところ一度もトラブルは起こっておりませんので、この方式の信頼性は高いと感じております。
 最後がまとめです。電顕型につきましては、市販されているWeb会議システムでWeb受託型のリモート測定が実現できています。ただし、市販のWeb会議システムを使うためには、装置のOSがこれに対応したある程度新しいものである必要はございます。NMR型につきましては、機器がリモートオペレーションに対応しており、自動化が進んでいれば、サンプルデリバリーシステムをうまく構築できれば、有効に機能すると考えています。
 3番目のクライオ電顕型です。クライオ電子顕微鏡は計測の自動化が進んでおり、リモートオペレーションも可能となっておりますが、試料調整と選別が手探りとなっているところがボトルネックになっております。そのため、現状では試料調整装置と計測用のクライオ電子顕微鏡が同じ施設に置かれ、オペレーターがそこで試料調整から計測まで行わざるを得ないという状況にあり、遠隔分業の実現にはまだ時間がかかる状況にあります。
 これまでの実証試験等を通じて、私たちの感じている課題をまとめると次の3点になるかと思います。
1番目の課題は、機器がリモートシェアリングシステムを想定したものになっているかです。これはメーカーである我々が解決すべき課題であり、優先的に取組むべきことと認識しております。
2番目の課題はユーザー教育です。大型分析機器のリモートシェアリングシステムを使いますと、これまで限られた場所の限られたユーザーのみが使用していた機器に誰でも簡単にアクセスできるようになります。しかし、このような大型装置を活用するためのユーザーのスキルや知識・経験が不足しておりますと、有効に活用できず、有効に活用できるユーザーが少ないと、リモートシェアリングシステムを用意しても活用が進まないという課題を実感しております。このギャップをどう埋めて行くかが重要となります。
3番目が、データマネージメントシステムの課題です。私どもは、シェアリングシステムを構築する際のデータマネージメントシステムのキーとしてセキュリティーを第一に考えました。ここで言うセキュリティーとは、共通機器を利用しているユーザーのデータ安全性が保たれていることをユーザーに信頼していただけることです。現状では、ユーザーごとにハードディスクごと入れ替えるというかなり原始的な手法をとっていますが、これですと利便性という点で不十分ですし、ビッグデータ解析に供することもできません。安全性、利便性が高くビッグデータ解析に活用できるデータマネージメントシステムの導入も必要と感じています。例えば、学術用途でオープンに利用されるべきデータに関しては、全国規模で管理される公共的なデータマネージメントシステムを導入するようなことはできないかと。
【尾嶋委員】 暗号化みたいなこと。
【杉沢委員】 はい。暗号化も含めて、データマネージメントシステムの導入が重要と考えています。そのためには、それを運用するためのシステム開発が必要になると思いますが、これは我々のような分析機器メーカーが担当するには重い課題かなと考えています。リモートシェアリングシステムを進化させるには、ワークフロー全体の自動化を進める必要があるのですが、そのためには試料前処理ですとか試料搬送ですとか試料選別の自動化を進める必要があります。これらの開発は分析機器開発というよりも、ロボット化技術開発になります。これらの開発をどの企業側が実施するのか、あるいは公的研究機関とのコラボで進めるのか、そのための仕組みを考える必要があります。いろいろなやり方があるとは思いますが、そういった自動化のための研究開発は必要だろうと思っています。
 このシェアリングシステムのさらに先の話を最後にさせていただきます。このようなシステム化が進みますと、1つのサンプルから複数の機器を使って様々なデータが大量にとれるようになります。それらのデータをうまく組み合わせて活用することで材料の特性改善を行うような成果を出す可能性が高まります。そのプロセス全体を飛躍的に効率化するようなシステム構築が期待できます。その場合、こういったラボ全体を運用する、ラボマネージャーのスキルアップも重要になると考えています。前処理をロボット化し、データ管理をデータマネージメントシステムで行い、いろいろな機器のデータがIoTでつながれたラボは、スマートラボと呼ばれていますが、そのスマートラボを運用するマネジャーのスキルが、そのラボの生産性を決めるようになると想定されますので、将来的にはこのようなラボマネージャーの育成が大事であると考えております。以上です。
【佐藤主査】 ありがとうございました。
 なかなかいい面と難しい面と、いろいろあると思うのですけれども。
【尾嶋委員】 ちょっとよろしいでしょうか。
【佐藤主査】 はい、どうぞ。
【尾嶋委員】 大変興味深い話で、これは先ほど出た地方大学の共用の問題について何か解決の道筋になるんじゃないかなという感じで聞いていました。この装置は、JEOLに置いてあるわけですね。
【杉沢委員】 今はそうです。当社の敷地の中に置いてあります。
【尾嶋委員】 敷地の中に。
【杉沢委員】 工場の一角に置いてあります。
【尾嶋委員】 なぜ慶應大学ですか、要するに慶應の方から、こういうのをやるという。
【杉沢委員】 そうですね。
【尾嶋委員】 国家プロジェクトみたいなのを一緒に取ってきて。
【杉沢委員】 国家プロジェクトとは関係なく自主的に進めておりますが、その実証試験を慶応大学様と実施させていただいた理由の一つは距離の問題です。システムの立上げの段階では、人やものが頻繁に往復することになりますので、遠すぎると時間のロスが大きくなりますので。
【尾嶋委員】 わりと近場がいいという。
【杉沢委員】 タクシーなり車で、その日の内に何度か往復できることが必要と考えておりました。その範囲内にある研究施設の中で当社にオファーがあったのが慶應大学様だったということです
【尾嶋委員】 将来的には、じゃあNMRにしてもEMにしても、いろいろな大学にそういう、慶應大学みたいなオフィスを設けて、そっちからの要求を受けようという方向を考えておられるのでしょうか。
【杉沢委員】 そのように考えております。NMRにつきましては、慶應大学様との実証試験を通して、この仕組みはかなり汎用性があってどこでも使えるという確証ができてきましたので、今はいろいろな大学様なり企業様に、これを導入しませんかというお話はしています。
【尾嶋委員】 大学にも、企業にも。
【杉沢委員】 ただ、企業の場合は、やはりセキュリティーの問題のところが厳しくて、ここで御説明したようなセキュリティーシステムでは不十分であるとのご意見が多く、ここをもっと強化しないと、なかなか採用していただけないようですが、大学でしたら今のままでもご利用いただけると考えております。
【尾嶋委員】 それと分析サービス会社って結構ありますよね、今。東レさんにしても。それとこのJEOLのこの仕組みとの何か違いというか、仕分けをどういうふうに考えておられますか。
【杉沢委員】 それは、大事なご指摘です。2ページ目をご覧いただきたいのですが、ラボ計測の分析ワークフロー全体を捉えたときに、受託分析会社さんというのは試料前処理からデータ処理のところまでを一括で受けるというタイプの事業と考えることが出来ます。それに対して、我々がシェアリングシステムで実施していることは、試料前処理からデータ計測までであり、受託分析会社さんが行うワークフローの一部を受け持つと考えております。受託分析会社さんは我々に、下請けでサンプルを出していただければいいのではないかと考えています。
【尾嶋委員】 そういうことですか。
【杉沢委員】 受託分析会社さんの一番付加価値の大きな部分はワークフローの中のデータ処理ですとか解析の部分ですが、これは我々の事業領域外です。受託分析会社さんには、ここでしっかりと付加価値を付けていただいて、我々はあくまでも装置屋としてデータを出すところまでと考えております。そこをいかに効率化して、低コストでデータを提供するかというのが今後の事業におけるキーポイントと考えおります。
【尾嶋委員】 地方大学といいますか、先ほどG4とかG3の大学が連携をして、それで共用を潤滑にやろうとしてもなかなか難しくて、やはり自分たちで装置を持つよりも、最先端の測定じゃなければ、こういう仕組みを利用する方がいいんじゃないか。だからそちらの方への波及も考えておられるということでしょうか。
【杉沢委員】 我々民間企業の場合はコストをカバーするだけの収入が得られなければ事業としては成り立ちませんので、その見込みがあれば対象とし、その見込みがなければそうならないという回答になります。現状は、いろいろな仕組みを作るための検証実験をしているというところであり、その検証が出来た後に、事業化の検証を行う予定です。
【尾嶋委員】 お金がかなり掛かりますよね。
【杉沢委員】 そのコスト全体をユーザーさんからの利用料で賄えるかどうかが事業として実施するかどうかの判断基準の一つになります。
【尾嶋委員】 じゃあ国が補助すれば、それは可能だと。
【杉沢委員】 それは成り立つかもしれません。お金の回し方については、いろいろなやり方があると思います。ただ、我々装置を売る企業の立場で考えると、装置のシェアリングが進んでいくと、こういったことに対応できない装置でなければそもそも売れなくなりますし、利用形態がシェアリングに移行したときに、使いやすい装置を作っていくということが重要ですから、そのために自らシェアリングシステムを組んで運用する実績を積み上げることが大事であると考えています。
【尾嶋委員】 シェアリングエコノミーだと車が売れなくなっちゃうという話ですね。
【杉沢委員】 自動車会社の方が考えるのと同じです。
【尾嶋委員】 装置が売れなくなっちゃって。
【杉沢委員】 それと同じことですね。その危惧はあります。
【西島主査代理】 会社そのものが今、機械を買わない方向に。
【尾嶋委員】  持たないエコノミーですね。
【西島主査代理】  一つには、金額出せばいいんですけれども、昔、この機械使って何年使えるのかという問題で、非常に回転が早い。もう一つは、会社の中でそれに携わるプロのオペレーターを雇い続けることがなかなか難しいんですね。だから昔は各X線装置の結構立派なのを持っていて、そこで当たりを付けてSPring-8ですか。今はもうX線装置の更新なんか億もしないで、放射光使おうと。NMRも、800MHz、900MHzを買うということはできるんですが、買えばいいというものじゃなくて、オペレーターとかノウハウ、ソフト。
【尾嶋委員】 そっちの方ですよね。
【西島主査代理】 ましてやクライオ電顕なんていうのは前処理なんかがあるんで、これは下手すれば物を送って、結果できるかどうかだけれども、オンオフ、起動はいいと。
【杉沢委員】 実際に解析できるデータが得られないことがよくあると聞いていますけれども。
【西島主査代理】 これ、すみません、日本電子さんに聞いては大変失礼なのかもしれませんけれども、例えばクライオ電顕なんかは、海外の場合は、こういうふうな形で使おうという動きはあるんですか。
【杉沢委員】 実際にあります。ヨーロッパ等で、クライオ電顕のシェアリングセンターというのがございます。そこには、いろいろな前処理機とか、スクリーニング用も含めて数台のクライオ電顕があります。ユーザーは、そのシェアリングセンターに測定した試料を持って行き、必要な機器を、1日、2日、あるいは1週間、2週間借りるという形になります。Webページにそれぞれの装置の利用料が公開されている施設もありますので、参考にご覧いただくことも可能です。
【西島主査代理】 その場というのは、プライベートカンパニーが持っているんですか。
【杉沢委員】 それは公的機関ですね。
【西島主査代理】 公的機関ですね。
【杉沢委員】 ええ、公的機関です。
【西島主査代理】 例えば理研とかそういう感じのね。
【杉沢委員】 そうですね。Webページに利用料が公開されておりますので、そこから換算しますと、利用料金だけでクライオ電顕本体を買えるような利用料ではないので、恐らく本体は国の予算で買って、その運用費用をコストシェアしているというようなイメージです。民間企業と大学さんとでは当然利用料が違うのですが、大学さんも何段階かになっていて、国外は高くしているようでしたので、この差は補助金の資金源によるのではないかと思います。
【西島主査代理】 それはそうでしょうね。
【杉沢委員】 クライオ電顕の場合は、まだ、リモートシェアするという段階にはなく、実際にユーザーが施設に行って、そこで装置を借りて測るというシェアリングの仕組みです。
【西島主査代理】 大変こういうのは必要だなと思います。
【西島主査代理】 というのは、いや、製薬会社だけれども、とにかく人件費が高いでしょ。しょっちゅうこのサンプルがあるわけじゃないからね。どんなに優秀な人間でも抱え込めない。他の仕事をやらせると、そういう人間って、一般論ですよ、それ以外のことというと、何か違うことをね、気付いたらやっぱり辞めちゃうことが多いんですね。なかなか難しいです。
【原田委員】 じゃあ企業さんだったら、結構、割高でも利用したいシステムということでしょうね。
【西島主査代理】 それはそうでしょ。
【原田委員】 じゃあJEOLさん、結構、割高にして。
【西島主査代理】 でもそのときに、セキュリティーだけは…。
【原田委員】 もちろん。
【西島主査代理】 すごい大事です。それは通らない。
【杉沢委員】 セキュリティーは非常にシビアですね。
【西島主査代理】 会社、通らないですね。
【杉沢委員】 正直なところ、現在検証用に作ったシステムだと企業ユースには厳しいと見ております。そこで、今のところ我々としては、大学さんやオープンな研究での利用を想定して実証試験を進めております。
【原田委員】 JEOLさんに直接行って実験することはできるのですか。
【杉沢委員】 もちろんできます。
【原田委員】 今もやっていらっしゃる。
【杉沢委員】 ええ、やっています。
【佐藤主査】 どうぞ。
【網塚委員】 すみません、質問なんですけれども、非常に大学が、地域の大学と連携してこういうことをしていく上で非常に参考になるんですが、最初の方のオペレーターが付いている方は、いわゆるインターネットの会議システムみたいなものでつないでいる。
【杉沢委員】 そうです。確かに回線が余りにも遅いと実用的ではないのですが、今まで実験した結果では、大概どこもほぼ問題なく利用できました。
【網塚委員】 後半の方の装置そのものを、操作画面を見て、いかにも装置をオペレートしているかのように作業している方は、これは直接接続しているのでしょうか。我々はよくVNC接続を使うのですが。
【杉沢委員】 インターネットでつながっています。
【網塚委員】 日本電子さんのLANに入る形なんでしょうか。
【杉沢委員】 会社のLANとは分離しております。ただ、それも多分、信頼性の程度だと思うので、企業さんによってはこのシステムだとだめだと言われるかもしれないです。そこはビジネスの対象とするお客様のセキュリティーに関する考え方に合わせて、インフラを整えることになります。
【網塚委員】 そこはそんなにコストが掛かっていないと思います。一番コストが掛かるところはどの辺りなんでしょうか。
【杉沢委員】 現状のシステムではご指摘の通り、ITインフラにあまりコストはかけておりません。しかし、この形態が普及しビジネスに活用されるようになってくると、ITインフラの維持・管理に大きなコストが掛かるようになると思います。特にセキュリティーレベルを高めれば高めるほど、ITインフラの管理コストは高まると思います。リモートシェアリング対応にするために装置の方にも追加の開発コストがかかりますが、これは通常の装置開発の中で進めるべき仕事であり、利用サイドからは大きな問題にはならないと思っています。
【網塚委員】 ありがとうございます。
【佐藤主査】 世界の趨勢は、やっぱりシェアリングエコノミーで、そういう方向に動いているのだよね。それは間違いない。
【杉沢委員】 個人的な感触ですが、シェアリングにより、装置の利用率が上がることで、確かに投資効率は良くなりますが、特定のユーザーから見ると占有して自分の研究室に置くことに比べ、使いたいときに直ぐ使えないので、研究の遅れの要因にはなります。機器への投資資金を十分に確保できる研究者の場合は、装置を占有するという形態も残っていくのではと考えています。
【佐藤主査】 いや、言いたかったのは、自動車にしろ何にしろ、定型的に決まったもので、それが動く物に関してシェアリングエコノミーは進むわけですよ。
【杉沢委員】 それはそう思います。。
【佐藤主査】 だって10億台ある自動車がね、実際に動いているのは3億台ぐらいしか動いていない。あとの7億台は余っていますよねという。それ、有効に使いましょう。それは別に使うことに関して何の制約もないから、そういうのはいくでしょうと。
【杉沢委員】 そうですよね。
【佐藤主査】 あと問題はだから、今の輸送のコンテナみたいなのがあるじゃないですか。
【杉沢委員】 ええ。
【佐藤主査】 あれはああいうコンテナができたから、ああいう輸送が効率よくできたわけで、その前の世界というのはめちゃくちゃだったわけですよ。
【杉沢委員】 そうですね。
【佐藤主査】 あのコンテナというのは、あれができたおかげで世界の貿易はつながったのですよ。そういうことにできるような。
【杉沢委員】 そういう標準化を進めていくべきと思います。
【佐藤主査】 そうそう、そこですよ、ポイントは。それとビジネスモデルがつながるかどうかという話なのですね、結局は。
【杉沢委員】 それがつながれば多分、シェアリングが主になるとは思います。しかし、シェアリングシステムに対して、お客様の方から出される懸念点として、よくあるケースは、欲しいときに直ぐにデータが得られないことが問題であるということです。例えば有機合成のチェックをするためにNMRを使われている方でしたら、合成をして、NMRデータをとって、その結果に基づいて、次の実験をするので、サンプルをシェアリングセンターに送って、そこでデータをとってという話になると、ちょっと待てないと言われます。
【佐藤主査】 当面のインフラと技術でやれる範囲はどこまでかと。だけど理想的に言えばこうだよねと。そこに当面こういうふうにやっていけばつながるよねという仕組みを考えたいのですよ。
【佐藤主査】 そうしないと、また場当たり的に、こうやって、これ、効率よくなったよね、これ、効率よくなったよねというふうにやり始めると、今の大学みたいな感じになっちゃうわけですよ。そんなこといつまでも繰り返してもしょうがないので、世界の趨勢がそういう方に動いているので、その本質は何かというのをつかまえて、でも当面はこれしかできないよねというの、でもこれをやっていけばつながるよねという話にしていきたいわけですよ。
【杉沢委員】 そこは多分、かなりシェアリングに移行できると思います。
【佐藤主査】 移行できる。
【杉沢委員】 例えば、NMRのデータをとって、そのデータを基に論文を書くという研究全体のプロセスを考えた場合、今日サンプリングして明日データが出るというワークフローで研究効率が悪化するかどうかを考察するべきかと思います。論文作成に1ヶ月かかる仕事であれば、データ計測が一日遅れてもいいのではないかという考え方はあり得ます。しかし、合成をやっている方が、できるだけ早くその結果を評価したいということであればシェアリングは使えないということになります。その場合でも、装置の構成を考えることで、シェアリングを活用したより良い装置体系を作り上げることはできると考えています。このケースでは、合成の確認用の装置と精密にデータを測定する装置を分け、精密にデータを測定する装置はシェアリングにし、合成の確認用の装置は簡易的な装置に変えていくというような体系になるかと思います。
【佐藤主査】 それをだから装置ごとの特殊性が、分析手法も含めた特殊性があるだろうから、それを含めて、何かこれはこういうふうにできるよね、というようにまとめたいのですよ。まとめられないですか。
【杉沢委員】 できると思います。そのためには、機器利用のデータを集めて体系的に分析し、ニーズを整理する必要があると思います。
【佐藤主査】 だって半導体なんかは、ああいうパッケージの、ウエハを入れたパッケージで輸送して処理をしていくじゃないですか。もうほとんど人が関与しないで、自動だよな、あれは完全にね。そういう、それでビジネスモデルが成り立っているから、そういうことにつながるような形、それぞれのところでなっていけば、全部が一緒くたにはできないかもしれないけれども、ここは物すごく使用頻度が高いよねと。クライオ電顕って本当に、これから使用頻度が高くなっていけば成り立っていくと思うのだけれども、今の段階では無理だよね。
【杉沢委員】 そうですね。機器の利用状況を統計的にしっかりと把握できると、恐らくそういう分類ができるようになると思います。どの研究者がどういう仕事のためにどういう測定をやっているのかが、中央の分析センターで把握されていて、それを日本全体でうまく統計処理して分析していくと何らかの体系化ができると思います。
【佐藤主査】 何となくイメージは、個人的には、例えば電子顕微鏡で、あの面倒くさい位置合わせをして、焦点合わせをして、といことは、やりたくないですよね。だからここのサンプルのこの原子像、この電子分布をとりたいといって試料を送ったら、もうそこで前処理も全部やってくれて、FIBでやってくれて、それで自動焦点合わせして、測定したい箇所を100箇所ぐらい測定して、どうですかってデータを出してくれるような。そのような、全部オートマティックでできるというような仕組みを装置メーカーには期待しているのだけれどもね、相当。
【杉沢委員】 そうですね。恐らくこういうシェアリングが主になってくれば、当然その仕組みを効率的に実行できる方向に装置開発も進むと考えています。
【佐藤主査】 そうすれば地方大学だって、自分たちのところで持たなくたって、どっかに1か所どんとそういうシステムがあって、そこにお願いすれば連携してやれるようになるじゃないですか。その仕組みを考えたいのだけれども。
【網塚委員】 教育上いいかどうかは分からないですね。
【佐藤主査】 教育はね、教育はまた僕、別だと思うんですよ。要するに教育的な効果という意味では、最先端の研究をやろうといったらやっぱり最先端のそれなりの装置が要るじゃないですか。でも教育というのは、自分の机の上に電子顕微鏡ライクなものが、おもちゃみたいなものがあればね、それなりにできるような気がするのです。
【網塚委員】 それすらなかなか手に入れにくいなという。
【佐藤主査】 入らない。
【網塚委員】 アメリカなどに行くと、型落ちしたそれなりの機器が結構大学に寄附でおりてきたりしているんですが、日本はどうしてなかなかそのようにいかないのかなといつも思いながら見ています。結構いい装置が企業から流れて来ています。
【野村委員】 そういうリユースのマーケットというんですかね。例えば大学でも最先端の部分を使ってもう5年前のなんか要らないというところもあれば、5年前のでもよだれが出るほど欲しいところもあるはずでね、うまく活用すればいいんじゃないかなという気がするんです。
【佐藤主査】 なかなかヒントが少し見えてきたんじゃない。何かね。ちょっと時間がなくなってきたね。
 次の、それで、そういう議論を踏まえて、新共用の今後のプログラムをどうしていくのかということを議論したい。時間なくなっちゃったんだけれども、事務局、説明。
(事務局より資料1-5の説明)
【佐藤主査】 ありがとうございます。
 これだけだと共用システムを今後どういうふうにやっていくのかというのはなかなか決められないのですが、今まで議論してきたことを踏まえて、特に新しい、まだ参加していない大学等、共用システムにどういうふうに持ってきて、効率よく研究開発効率をどうやって上げていくかということに持っていきたいので、何かこの資料について意見等、質問等ありましたら、まず。
【田沼委員】 質問、いいですか。
【佐藤主査】 はい。
【田沼委員】 非常に簡単な質問です。ここの図のところに、未使用の下に学内利用の稼働率3割とあるのは、これは使える時間の内の3割だけしか使われていないということですか。
【田村課長補佐】 そうです。例えばそういった場合に、使われていない時間を遠隔で地域内で総合的にシェアするような。
【田沼委員】 じゃあ別にこの3割というのは、調べた結果が大体3割という意味じゃなくて。
【田村課長補佐】 違います。例えばという。
【田沼委員】 分かりました。
【西島主査代理】 この間の表からすると、結構稼働率を上げるというのは、だからどっちが順番なんだけれども、稼働率を上げようとすると、やっぱりさっき言った立派な技術支援者も要るということなんで、稼働率というこの3字って結構大変なんだよね。
【田村課長補佐】 はい。
【西島主査代理】 何でそんな稼働率が少ないかと聞きたいんだけれども、やっぱり企業等ニーズを聞いて、うまく使ってもらうように考える担当者がいないと、引き受けてボタンを押せば測定終わりというわけじゃないんで、企業が使ってみようという気を起こさせるような説明もできなきゃいけない。じゃあ分かりましたと言って、担当者に預けたら、条件を探す過程で種々の装置で予備実験を試していただく必要もあるでしょう。そういうさっき言ったマネジメントができる人がいるかどうかというのは、ここが結構大きいな。結構、稼働率って、期待よりみんな低いよね。驚くぐらい。
【田村課長補佐】 そうですね。そのあたりやっぱり共用プラットフォームと同じような話になってくるかなと思うんです。
【原田委員】 京大iCeMS解析センターでZEISSの顕微鏡を買っていますが、ZEISSの顕微鏡のプロの方がZEISSをリタイアした後、特任教授に就任して、顕微鏡観察の相談にのったり、観察の手伝いをしてくれたり、教育もしてくださるので、ZEISSの顕微鏡は人気があって、稼働率がものすごく高くなっています。ZEISSの顕微鏡の性能が良いという理由だけでなく、プロの方がいるからZEISSの顕微鏡が大人気になっています。例えば企業でリタイアされたような方で、エンジニアのすばらしい技術を持ったような方で、まだお元気な方だったら、そういう方に装置のメンテナンス等をしていただいて・・・。
【尾嶋委員】 安くてできる?
【原田委員】 いやいや、そこそこのお金は多分払っていると思います。そういうふうにうまくできないかなと思うのですが。
【田村課長補佐】 お話を伺っていると、やっぱり機械だけ置くのではなくて、使える人までちょっと抱えるのが地方大学だとかなり苦しいというお話を伺ったので、その整備することを考えると、整備するときに地域で、各大学で考えるんじゃなくて地域で考えて、ポートフォリオを組むみたいな、そういったものもあるのかなというふうにちょっと。
【西島主査代理】 やっぱり企業を巻き込んで企業に使ってもらうというと、さっき中村さんがおっしゃったように、企業はスピード感がね、大学、スピード感がないわけじゃないんだけれども、行ってね、オペレーターと相談したら、あれ、だめかもしれないなと。機械はいいけれども。あの機械の本当に使い方の良さが分かっていないよというような人がたまにいたりすると、もう一遍で産業界は引いちゃうんですよ。だからスピード感を持ってやるという、さっき言ったそこの部分が結構重要かなと思う。結構今、機械はそこそこみんないいの。そばにいる人が良くないとは言わないけれども、でもその人たちから見ればね、5年の内のもう中間評価を含めて1年、2年たったら自分のことを考えているから、大変なわけですよ。企業にもね。だから落ち着かないの。それはもう間違いなくそうだと思うんですよ。そこにのめり込んで一生懸命やっていたら、半年後には自分はね、ああ、頑張ったけれどもというんじゃね、さっきの。それは、だからもういつも話が悪循環で同じところに行っちゃうんだけれども、この稼働率を上げるときには企業を巻き込むというか技術支援者をいかに育成するかということは、やっぱりかなり文部科学省としては腰を据えて考えなきゃいけないんだなと私は思いました。
【田村課長補佐】 インセンティブを大学としてこう…。
【西島主査代理】 そこが回ると、きっと地元の人の優秀なのがそこに、移動もしないし、大学としての特徴が出ると思うんですね。
【田村課長補佐】 そこで議論いただいた中であったと思うんですけれども、やっぱり大学としてこれは重要だというふうに認識をして位置付けていただくというのが一番重要なのかなというのが。
【横山委員】 申請時に複数の機関で申請するようにというお考えなんですか、やっぱり。
【田村課長補佐】 そうですね。基本的にネットワークというか、ちょっと応募の仕方は、まだ全然そこまで考えていませんけれども。
【横山委員】 何大学。ただ、1つの機関で応募できるかできないかっていうのはやっぱり大分、複数だとある程度年数も、3年で終わりだとちょっと何か、やり始めて終わっちゃうような気がするんですね。やっぱり複数機関が連携するとなると、ちょっと長めのスパンを考えて、何かやっぱり目標を設定した方がいいような気がいたしました。
【村上課長】 よろしいでしょうか。
【佐藤主査】 はい。
【村上課長】 一応現在の新共用事業そのものが御案内のように3年間の事業という形になっています。そこはちょっと財政との関係では、できるだけ当然短くというのが財政側の主張です。それはこれから議論をしていく部分だろうなと思っています。その上で複数の大学といったときに、そこの右下の日本地図にちょっと色が付いています。これ、非常に微妙な、実は、でして、何となく今、現行の新共用をやっていただいている大学が何か中心に位置付けられているようなところと、何かそうでないようなところがありまして、こういう言い方が適切かどうか分かりませんけれども、いわゆる持っているところですね。持たざる大学ではなくて持っている大学の、何て言いますか余剰部分を周辺の企業なり持っていない大学に使わせていただけないかという多分アプローチと、もう一つには、それぞれの大学では全ては持っていないんだけれども、それぞれ比較的強いものがある、あるいは持っているので、それをみんなでコンソーシアム的に使いませんかという。恐らく大きく2つぐらいのバリエーションが出てくるのかなと思っています。それで、先ほど西島委員からも御指摘いただいた技術支援者をいかに育成するかというのは、多分、今持っているところに、周りに余剰部分を使わせてくださいといったときに、それはその共用プラットフォームの事業と多分同じような話なんですけれども、それに伴って当然、手間暇掛かりますよねと。今、自分たちが持っているものを外に共用で出すためには、要は何かメリットがなければいけないわけですから、そこに恐らくこの技術支援者の確保なり育成のためにどういうコミットメントをこの事業で私どものさせていただくのかというところは恐らく論点としては係ってくるんじゃないかなと思っております。
【佐藤主査】 これ、11大学アンケートをとったと言ったじゃないですか。
【田村課長補佐】 はい。
【佐藤主査】 これ、ほとんどの大学は新しいこういう共用というのを、それなりに情報は行っていて、それでやりたいという意向はあるのかな。
【田村課長補佐】 これについてですか。
【佐藤主査】 回答機関11大学と書いてあるんだけれども、何大学に対してアンケートをとって、11大学。
【田村課長補佐】 この案自体はまだ見せていないです。1-5ですか。新共用のことですか。
【佐藤主査】 うん。新共用の。最初の…。
【田村課長補佐】 新共用については11大学に聞いて、資料の中にもあるんですけれども、知っていたけれど応募しなかったとかです。かなり半数以上はそういう。
【佐藤主査】 やりたいという意向はあるのかな。
【田村課長補佐】 もう独自にされていたりとか、そういうのが大体半数ぐらいで、あとは間に合わなかったとか、そういった事情が。
【佐藤主査】 そうそうそう。あったね。それはね。かなり、やりたいというのはもう全体の意向なのですね。
【田村課長補佐】 それは全体的な方向としては。
【佐藤主査】 確かに組んでやるというのはなかなか大変だよね。調整とるだけで結構ね。それは分かる。
【田村課長補佐】 例えば地域で連携というと名古屋地域とかでもう考えているというようなお話も伺っておりますし、中国地方とかでもそういうのをやられているというお話を伺っていますので、ある程度素地はあるのかなと。
【西島主査代理】 ただ、今いるスタッフを手放す…。
【佐藤主査】 でもそれは。
【西島主査代理】 人材交流。
【佐藤主査】 どういう形で組むかによる。
【西島主査代理】 ですね。でも組んで。
【野村委員】 多分いろいろな大学が、この仕組みをやりたいとは思うけれども、それを自分で設計しながら作るというのはなかなかできない。その力がないので。多分、内部共用しているところは外部共用というのは、そんなにバリアはないんだろうと思うんですけれども、多分そこが、昔の考え方からすると、例えばそれを企業に使わせるときのルールはどうだとかね、そういうのを全部自前で整備しろと言われると、いや、そこまでしたって元採れないよという話になっちゃうので、その辺は何かこれまでのいろいろな事例を提供しながらバリアを下げるということをやっていかないといけないのかなと思います。
【佐藤主査】 網塚先生、どうですか。例えば北大中心にして、室蘭とかあるじゃないですか。3大学ぐらい。4大学ぐらい。
【網塚委員】 研究者がそれぞれ独自につながって、機器の共用をやっているところはあるんですけれども、それをシステマティックにやろうとしたときに、大学間でいろいろな制度のすり合わせとか、そういうのに少し手間が掛かるかなと思います。けれども、こういう事業が立ち上がると、そういうことも本気になって取り組むようになるので、進むのではないかと思います。稼働率が上がれば、それによって得た収入を技術職員の方の育成費用に回せたりとか、あるいはそれこそ1人補助員を雇用するとかそういうこともできるかとは思います。そういうことは地域の大学にとってもメリットになるので、集まって協議してみる価値は十分あると思います。これまでも下地のつながりは、ネットワークはそれなりにあるんですけれども、本気になって本格的に取り組むとなると、やはりこういうトリガーを引いていただくことによって進むということはあると思います。
【佐藤主査】 なるほど。
【網塚委員】 ただ、いずれにしても年度清算なのが厳しい点です。この機器共用に関しては、大学の中で珍しく数少ない収入を得て、それで人を雇用したりメンテナンス費用に回すということをやっていますので、内部留保ができないというのは非常につらいんですね。
【佐藤主査】 なるほど。
【西島主査代理】 なるほど。
【網塚委員】 企業ですと、何か新しいことをやろうと思ったら、まず内部留保を作っておいてやりますよね。そういうことができないんです。さっき共用機器に関しては特別な予算手当が欲しいというお話、装置が老朽化しても更新できないというお話がありましたが、人件費も含めて、得た収入で来年度も同じように雇用できるかどうかが分からないんですよ。稼働率も変動します。
【佐藤主査】 不安ですよね。
【網塚委員】 なので、こういう共用機器関係に関しては、それに限らず大学の中で収入を得て、あるいは外部資金を得て回しているところが自走できるようにするためには、根本的な問題として内部留保ができるようにしないといけない。
【佐藤主査】 これ、どう? こういうものに関して年度予算ではもう済まないような話だね、今ね、確かにね。こういうことに関して内部留保は、持ち越しできるとかいうことはできない。
【田村課長補佐】 中期目標期間って5年間もしくは6年間あるんですけれども、その間だと多分、国の制度上はできるんですが、多分、学内でかなり厳しいのがあるというのはちょっと伺ったことは。東大とかは、一部の大学は繰り越しとかやったことがあるというのはちょっと聞いたことがありますので、そのあたり確認させていただきたいと思うんですけれども。
【木川委員】 うちはだめ。共用で得たあれは年度内にやらないとといって。
【原田委員】 使ってしまわなければいけないのですか。
【木川委員】 いや、結局、実際に財務とか経理部が、やっぱり許してくれないですね。
【原田委員】 能率はいいと思いますが。
【村上課長】 それは恐らくこの共用事業での収入というのは、要するに独法の自己収入部分を運交金との関係で、要するに経営努力の関係でどこまで年度、あるいは中目期間を越えた繰り越しを認めるかというところ。一番基本的なシステム、ちょっとすみません、私も今の最新のシステムがちょっとどうかというのを調べたいとは思いますけれども、この事業に特有の制約というわけではない。
【田村課長補佐】 そうですね、一般的に。
【佐藤主査】 独法化したんだから、そういう意味では、大学の裁量としてはできるよね。
【田村課長補佐】 そうです。繰り越せるはずなんですけど、多分繰り越すときの何か認可とか、それが煩雑なのでできるだけ消化したいとか、そういう中であるのかもしれないです。
【村上課長】 でも単年度って財務協議しないよね。
【田村課長補佐】 そうですね。
【村上課長】 繰り越しはね。
【田村課長補佐】 文科省でやっているのかな。
【野村委員】 目的積立金にすると、年度の最後ぐらいになってやっと認められましたとかいうような…。日本のやっぱり会計制度は少し硬直化していて、せめて予算の何%以内ならもう自由にとかそういうことがないと、海外なんかだとそういうことをやっていますからね。
【佐藤主査】 はい。
【大竹委員】 違う話になってしまいますけれども、このネットワーク導入促進のところの背景というか目的が最後トップ10%論文、つまり研究力強化に資するということも恐らく問題提起ですよね。ですので、共用化したことによって研究力が強化して、G3なり、G4なりというのがそれなりに論文の質が上がる、あるいは量が増えるということを求められるという書き方になっていますよね。
【田村課長補佐】 はい。
【大竹委員】 そうすると、共用する機器というのが、30%以下で稼働率を上げればいいとか、そういうのとはちょっと違うんじゃないですか。つまり研究力を強化できるような機器を共用しないと、稼働率を上げても意味がない。そこがちょっとつながっていないかなというふうに、書き方の問題だと思うんですけれども。
【田村課長補佐】 そこは、ちょっと問題意識として独創的な研究をしたい場合に機器がないので諦めているみたいな、そういうのがあるんじゃないかという。
【大竹委員】 なるほど。そうするとある程度汎用の機器も必要だろうということかもしれませんけれども。
【田沼委員】 一緒なんですけれども、私が気になったのは、さっき稼働率を聞いたのは、稼働率とスピードってすごくリンクしているんですよ。ですから西島先生がおっしゃっている、本当に使いたい人が使いたいといったらもう、3割だと逆に言うと、10回行ったら3回断られるということなんですよ。ですから、もう50%超えたら、普通のトップの人たちがスピード出したらスピードがすごく落ちるんですね。逆に言うと3割ぐらいだったら皆さんが使いやすいというところですよね。逆に言うとこれは本当に6割に上がっちゃったり、物材の例で言うと、人気ある機種だともう、70%、80%になると本当に5人来て4人は入れないわけですよ。ですからそういう意味で言うと、稼働率は逆に言うと、人気が高くなればなるほど装置を増やさないとだめなんで、逆に言うと予算がそれほど減るとは思えないですけれどもね。
【田村課長補佐】 なるほど。
【野村委員】 それでね、これは議事録から省いてもらった方がいいかもしれないけれども、利用に対してオークション形式みたいなものというのはないかなと前から思っています。俺は10倍払っても今やりたい。
【田沼委員】 結局そういうことなんですよね。
【尾嶋委員】 SPring-8でやっていますよね。
【野村委員】 成果専有で。
【尾嶋委員】 1人で3倍払うというか。
【野村委員】 それでも直前にというのはなかなかない。今考えていたのは、例えば地方大学の方がビームタイムを押さえていますけれども、ある会社の人が10倍払って使いたいと言ったら、例えばその5倍分はその大学にあげれば両方ハッピーじゃないのっていう。
【西島主査代理】 それは全然、企業からすれば問題ないですよ。全然。
【野村委員】 多分、今の会計制度では難しい。国の会計制度。
【木川委員】 先ほど目的がトップ10論文というだけに限ればそういう議論ですが、先ほど議論が途中で出たけれども、地域の例えば試験場とかとの関係を強化するということになると、それは必ずしもトップ10論文に表れていないけれども、何かの指標をとれば地域の産業の活性化につながったとかととれるんで、いろいろな多分、それは地域ごとにまた特色、それぞれの置かれた状況があるので、評価軸は幾つか設定されると、いろいろな形の提案が受け付けられるんじゃないかと思うし、それの方が多分、より広くいろいろな。何しろレベルを上げることが、みんなでレベルアップすることが大事なので、それはいろいろな指標があるんじゃないかと。
【佐藤主査】 地域の産業の活性化とか、そういうことに寄与できるもんね。
【木川委員】 はい。
【佐藤主査】 ちょっともう時間が大分なくなってたので、とにかく新共用はなるべく進めたいと。進めたいけれども、どういう仕組みでやれば一番効率がいいかということをもうちょっと議論していきたい。今日かなりの意見が出たので、そういうのを参考にしながらやっていきたい。ネットワーク的に、今やっている単純な人海戦術じゃなくて、もっと効率のいい、リモートも含めてオートマティックなそういう手法、データもセキュリティーを確保しながら、ブロックチェーンみたいなものが使えるか使えないかとかいろいろ議論はあるのですけれども、そういうことの可能性も探りながら新しい共用システムを考えていけばいいのかなと思うので、もうちょっとこれは議論して詰めていきたいということでいいですかね。
【田村課長補佐】 ありがとうございます。
【佐藤主査】 じゃあ、この議論は尽きないので、これで終わらせていただきます。
 最後に時間がなくなってしまいましたけれども、未来社会創造事業の新しい公募が出ましたので、これに関しては前の先端計測の委員会でもいろいろ議論して、どういう方向でやってほしいというのはいろいろ挙げていた。その思いがかなり通じたような形になっているのではないかなと思うので、御紹介をしていただきたいと思います。よろしくお願いします。
【JST森本部長】 JSTの方で御紹介をさせていただきます。資料2を使いまして御説明いたします。
 1枚めくっていただきまして、これ、ちょっと以前もお話しました復習ですけれども、JSTの方、トラディショナルな基礎研究から産学連携、ちょっと独立した形でリニアに研究開発を支援しておりましたが、今回、未来社会創造事業というところで、最後、企業が引き取れるような手前、POCを目指して基礎的な部分から開発の部分まである程度一貫して進めていきたいという思いで立てました。
 今回、資料2になりますが、探索加速型というもの、ここで共通基盤の領域を文科省の方から御指示いただきまして、新たな研究開発に取り組んでいきたいということにしております。この探索加速型というものですけれども、いろいろとどんなニーズ、どんなシーズがある、どんな未来に向けて今何をすべきかと、そういうところをスタートポイントにして研究開発を進めていこうと。いわゆるバックキャスト型というのを基本に考えております。
 3ページをごらんください。この未来社会創造事業の体制、進め方ですけれども、トップに事業統括会議というものがありまして、大きな方針をJSTの方で問わせていただく会議体があります。その下に領域ごとに運営総括という方がおりまして、領域ごとの実際の運営をお任せしているということです。今回3ページ、一番右側にございます共通基盤領域では、運営統括に現在、日立製作所の理事、ヘルスケアビジネスユニットのCSO、CTOをやられております長我部様をお迎えしまして、長我部様の下にこの領域を運営していこうということになりました。
 飛ばしていただきまして、5ページになります。探索加速型の大体の規模が書いてございます。探索加速型は探索研究と本格研究、2つのフェーズに分かれております。いわゆるスモールスタート・ステージゲートというような形で進めていきます。まず探索研究、最大3年間、これは3年間で4,500万円ぐらいで、比較的多くの課題を採択させていただき、ステージゲートを経まして本格フェーズに移っていただく。本格フェーズでは最大5年程度、総額15億円というのを1つ規模として想定しております。
 6ページ目、共通基盤領域の中身についてお話をさせていただきます。文科省様の方でこの領域の基本のコンセプトとしまして、6ページの(1)、(2)、(3)、3つの柱を頂きました。1本目が、ハイリスク・ハイインパクトで先端的な計測分析技術・機器の開発、2つ目としまして、データ解析・処理技術等のアプリケーション開発やシステム化、3つ目としまして、研究現場の生産性向上に資する技術の開発ということです。JSTの方で今まで先端計測分析技術・機器開発制度をやらせていただきました。1つ、もっとやれるかなと思っていたのが機器開発、ハードの開発が主になっていたんですけれども、やっぱりとれたデータをどう生かすか。こういうところを少し取り込むことで、いわゆる研究開発現場の効率化であるとか、先ほども出ておりましたけれども、いかにスループット上げるか。限られたデータを生かしていくか。このあたりは機器開発以上にデータの処理なんかに少し取り組むことで効率が上げられると考えております。
 7ページ目でございます。この7ページ目の資料は、長我部統括とも話をしまして、こんなことをこの領域としては目指していこうということで作ったものですけれども、まず目標の①としまして、とにかく日本の国際研究力を高める。いい研究開発をやるんだということ。それの2つ目としまして、研究開発にとどまらず、実際に産業競争力、これに資するようなところを目指していこうと。JSTですから、実際に商品とか製品を作るところまでは御支援の範疇ではないんですが、企業がこういう方向、実際の製品を目指せるところまで何とか持っていきたい、その種を作るところまでは支援をさせていただきたいなと考えております。
 8ページ目です。こういう領域を文科省様の方から頂きまして、我々としましては先ほどのバックキャストの手法を使いまして、実際に大学の先生、それから企業様、どういったシーズがあり、あるいはどういった要望があるかということを広くお聞かせいただきました。
 それらを踏まえて9ページ目、今年度は初年度でありますけれども、9ページに10本の旗が立っていますが、とりあえずこういった10本の旗の下に広くアイデア・ニーズを頂きまして、まずは始めていきたいと。1年目の様子を見まして、それから1年目を踏まえて、2年目にはワークショップのようなもの、やりたい研究とニーズの間にギャップがあるといけません。そういうものはワークショップなんかで2者をぶつけることによって、どういったところを本当に目指せるのか、現実として持っていけるのかというようなところは絞っていく。1年目は広く口を開けさせていただきまして、2年目で少し絞るというようなことも考えられるかなと考えております。
 11ページをご覧いただきたいと思います。この領域の運営体制ですけれども、長我部統括の下に8名ほどの運営の委員をお願いいたします。その下にテーママネジャーということで、例えばライフ、材料、数理といったような大きな分類のテーママネジャーを置かせていただきまして、実際の研究開発のマネジメントを行っていきたいと考えています。委員としましては、アカデミア、産業界、それから業界団体といったような方に広く御意見を頂きながら進めていきたいということを考えています。
 12ページになりますけれども、先ほど言ったスモールスタート・ステージゲート、そして最後、大きなシステムを仕上げていくというところのイメージを描いてございます。比較的小粒のものを多く採りながら、だめなものはNGですけれども、例えばいいもの同士をくっ付けて大きくしていくとか、要素要素を生かすような工夫をしながら、最後大きなものに仕上げられればなということを考えております。
 最後13ページですけれども、6月の12日、先週の火曜日の公募を開始しました。7月いっぱい公募しまして、選考を進めて、11月には課題を決定し、速やかに研究開発に取り組みたいと考えてございます。以上です。
【佐藤主査】  ありがとうございました。
 共通基盤という領域で、非常にチャレンジングで、よくまとまった公募の内容になったのではないかなと思います。よくここまでまとめてくださったなと感謝しています。
 これの公募はもう始まっているのですが、今後の方向も含めて、皆さんの方から御意見、質問等ありましたら、まずお伺いします。どうでしょうか。
【中村委員】 これまで先端計測のお話をお伺いしてきて、そして今回のお話をお伺いしますと、大きな違いというのは、いろいろ出てきたテーマを統合して進めていく、そこに大きな違いがあると思ってよろしいでしょうか。
【JST森本部長】  はい、それが、1つだと思います。JSTの方で先端計測をやらせていただきまして、今まで見えなかったようなものが見える、装置の0号機ができたみたいなのがあるんですけれども、それが世の中にどう出て行ったのかと。そこはもう少しやり方があったと思うんですね。ですから、そのあたりも少し、世の中にどう出ていくか、そこも含めて考えたいというのがもう1点です。
【中村委員】 それは採用するときにいろいろなものを集めて、そこからチョイスして統合していくのでしょうか。
【JST森本部長】 はい。それも1つのやり方です。採択するときに、アカデミックな視点からすばらしい計測ができるというものの判断のみで採択しているというものも中にはあったんですけれども、そこはやっぱりバックキャストを基本にしていますので、世の中にどう出て行けるのか。もちろんアカデミックとして大切なものはあると思いますけれども、さらに先も見据えたものも採択していく。それと採択したものを伸ばすだけではなく、おっしゃられたようにアカデミックとしてすぐれているもの、製品開発としてすぐれている技術、そういうものを例えばスモールスタート、個別で採択しておいて、マネジメントする中でくっ付けていくようなリードができればと、こういったこともこの事業の特徴かなと思っています。
【村上課長】  すみません、ちょっとよろしいでしょうか。6ページの共通基盤領域についてという、これは文部科学省、私どもの方で検討して、詳細の事業内容の設計の方、これに基づいてJSTの方で行っていただいているという位置付けのものなんですけれども、先ほど森本部長の方からも(1)、(2)、(3)と御説明いただきましたが、ざっと文部科学省、私共としまして、この3つの視点を立てたところを簡単に御説明させていただきますと、まず(1)の部分、これはある意味、従来の先端計測事業を引き継ぐような部分と。ただしというところがございまして、この未来社会創造事業全体がハイリスク・ハイインパクト研究という位置付けを担っているものですから、与えられているものですから、何と申しますか、従来の延長線上、単なる改善で済むようなもの、これは言い方あれですけれども、企業さんの方でやっていただこうと。それではちょっと手に負えないようなもの、これをこの事業のメーンターゲットにするというのがまず1点目の柱でございます。
 それから(2)につきまして、逆に従来の先端計測では恐らく射程に入っていなかった、明確には。今日的な先端計測、今後の先端計測機器開発というものがどういったところに力点を置くべきかという新たな視点をこのデータ処理、あるいはアプリケーションの開発というところに新たな重点的な視点をお示ししたということ。
 (3)も(2)と同様でございまして、先ほど来の新共用の今後ということで、研究力の低下にどのように対応していくのかというところで、これを計測機器の開発という観点からどのようにさせられるかという新たな視点を3つ目の視点として今回盛り込ませていただいたということでございます。
【西島主査代理】 ハイリスク・ハイインパクトというのは魅力的な、というかこのハイリスク・ハイインパクトというところから見ると、これは民間企業が着手していないと言うんですけれども、これ、もう少し詳しく言うと、民間企業単独では着手していないという。民間企業が注目している分野という形に捉えていいんですかね、具体的に。つまり、民間企業が着手していない、ハイリスク過ぎるというのは世の中いっぱいあるんですね。大体そういうのはハイインパクトになっていないんですよね。ですからそういうのって、ハイインパクトであることは可能性は高いんだけれども、その道筋、つまりここまでできたらこういう知的財産が取れていって、こういうふうに広がるよという筋道は、正直言って企業の人間でないと、私の経験ではなかなか描き切れない。大体、大学の先生は、夢のようなことを語るのは得意ですけれども、根拠はというような、企業の中には根拠があるんですが、しかしそれを会社の中で通すには、大丈夫かよと言われて論理構築、そこに大学の先生と組むということですから、ここのところは民間企業が着手していない、民間企業が単独では着手していないという、そういう意味合いですよね。
【村上課長】 ちょっと言い方が難しいですけれども、おおむね今、西島先生がおっしゃったような御理解でよろしいかと思います。
【西島主査代理】 ですよね。
【村上課長】 POC研究なものですから、POCというのは要するに企業で実装に向けて引き取っていただける段階ということですので、そこは逆に言えば引き取り先がどこだか分かんないような単なる、単なると言うとあれですが、アカデミックな関心のみで課題設定をするということじゃないという意味では今、御理解いただいたとおりだと思います。
【西島主査代理】 僕はこの応募要領を全部読んでいないから書いてあるのかもしれませんが、例えばそういうことは、手を挙げるときに必須項目になっているんですか。つまり感心するような企業をインタビューして持っているとか、例えば薬で言えば、A製薬会社、B製薬会社、興味持つであろうということが、名前は挙げられない、もうこういう製薬会社と連携しているとか相談しているとか、そう書けるかどうかって、そういうのはあるんですか、全体的に。
【JST森本部長】 明確にPOC、どこを狙うかということは書いていただくことになっています。それと、あとは例えばコーディネーターのような方がどう絡んでいて、どこに持っていくかと、こういうところも場合によっては書くようなスペースがあります。
【西島主査代理】 それを具体的に書くということを要求しているんですね。
【JST森本部長】 はい。あとこれは恐らく採択のプロセスで面接をさせていただきますけれども、そのあたりでは必ず問うことになると思います。
【西島主査代理】 面接官が重要なんだ、そしたら。言ってみたら。
【佐藤主査】 そう、そうなのです。
【西島主査代理】 ねえ。
【佐藤主査】 大変な話です。
【尾嶋委員】 先端計測で、我々がよく議論していたのは、先端計測がなぜうまくいっているかというのは、開発総括がかなり強いリーダーシップをとってやったからですよね。ほかのCRESTなんかもある程度はそうなんですけれども、先端計測ではそれよりも強いリーダーシップをとっていたと。今回、最初走っている課題を途中ステージゲートで絞りますよね。特にその段階で、2つ、3つを1つにまとめなさいと言われても、研究者は反発しますよね。大体そういうのが研究者は多いので。そこをやはり強いリーダーシップをとる総括の仕組みというのは入っているんでしょうか。念のために。
【JST森本部長】 先端計測での開発総括に当たる機能、これは非常に重要だと思っていて、先ほどちょっと御紹介した運営総括の下のテーママネジャー、これがちょっと言葉を変えていますけれども、開発総括に当たる権限を持っていただく形で。
【尾嶋委員】 テーママネジャーがそれなんですか。
【JST森本部長】 というふうに思っております。
【尾嶋委員】 分かりました。
【佐藤主査】 これ、チャレンジングにノーベル賞クラスとか、時価総額1,000億円の事業を生み出したいとか、そういうチャレンジングなことが書いてあるので、そういうことにそれなりに合致していかないと、採択はできないと。
【西島主査代理】 できないですよね。
【佐藤主査】 うん。推進はできないという話になっていくので、これ自体が物すごく難しい話で、本当にそんな応募が出てくるのという気もしないでもないのですが、そこはだけど期待しようよという話ですよね。そうすればPOCにつながっていくだろうと。POCだけじゃなくて、下手するとベンチャーが生まれる可能性がある。単独で。イルミナまでとは言わないかもしれないけれどもね。
【西島主査代理】 確かにそれは必要ですね。
【佐藤主査】 そういう可能性を信じたいなと今思っているのですよ。
 岡本先生、どうですか。
【岡本委員】 私からは2点ほどあります。まず、以前にもお話ししたのですが、実はこのPOCという言葉には違和感があるんです。JSTの今回の手法はDARPAのやっているゲーム・エンド・アプローチそのものですね。商用化を前提としたバックキャスティング。だとすると、POCと実際の商用化には大きなギャップがあるので、まずはPOCの意義というか、つまりは商用化にきちんとMeetしているかを見極めなければいけないと思っています。POCで終わってしまう、もしくはPOCのあとでまた多くの研究開発を伴う可能性は多々あり、これは本来のバックキャスティングとは乖離してしまう。この点は注意された方がいいと思います。
 それから2点目は、このステージゲートという方法にも注意が必要でしょう。Cooperの定義するステージゲートというのはテーマの救済の意味もあると思います。各ゲートでキーパーはテーマを切ることだけじゃなく、各テーマでやった内容をきちんと見ていただき、優れた要素に関しては改めて救ってほしいと思います。これをCooperは凍結と言っていますけれども。つまり、絞り込み・統合のときには、たとえテーマが落ちてたとしても、その中のすばらしい要素技術を見極め、今一度盛り込んでほしいと思います。 以上です。
【JST森本部長】 ありがとうございます。我々も少し考えていたところがありますので、是非引き継いでいきたいと思います。よろしくお願いします。
【佐藤主査】 じゃあよろしいでしょうか。
 是非これでうまくいきますように、皆さんでサポートして頂きたいと思いますので、よろしくお願いします。
 では、今日の議題は以上ですが、事務局の方から今後について。
(事務局から資料の発送と次回開催の調整について説明)
【佐藤主査】  では、今日はありがとうございます。これで終わりにしたいと思います。
―― 了 ――

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-- 登録:平成30年07月 --