参考資料5 直近の政策文書におけるWPI関連記述(抜粋)

第5期科学技術基本計画(平成28年1月22日閣議決定)

第1章 基本的考え方

(4)基本方針

2. 科学技術基本計画の推進に当たっての重要事項
2)科学技術イノベーションの推進機能の強化

・・・ 科学技術イノベーション活動は国境を越えて展開されており、国際的な研究ネットワークの構築状況や、世界に広がる知的資源を迅速かつ効果的に活用していく仕組みをいかに構築できるかが、我が国の国際競争力に大きな影響を与えている。国際環境が大きく変化する中で、我が国の科学技術イノベーション力を活用し、我が国を含む世界の共通利益の追求に向けリーダーシップを発揮することにより、国際的な存在感を高めていくことが求められている。
 こうしたことから、科学技術イノベーション政策の推進に当たっては、常にグローバルな視点に立ち、国際協調の中にも戦略性を持って取り組んでいくことが重要である。その際、国際頭脳循環の強化を図るとともに、日本の顔が見えるよう、我が国の科学技術を世界に向けて発信できる仕組みを、科学技術外交戦略の中に位置付けていく。

第2章 未来の産業創造と社会変革に向けた新たな価値創出の取組

(3)「超スマート社会」における競争力向上と基盤技術の強化

2.基盤技術の戦略的強化
1)超スマート社会サービスプラットフォームの構築に必要となる基盤技術

 また、これらの基盤技術を支える横断的な科学技術として数理科学が挙げられ、各技術の研究開発との連携強化や人材育成の強化に留意しつつ、その振興を図る。

第4章 科学技術イノベーションの基盤的な力の強化

(2)知の基盤の強化

・・・研究者の内在的動機に基づく独創的で質の高い多様な成果を生み出す学術研究と政策的な戦略・要請に基づく基礎研究の推進に向けて、両者のバランスに配慮しつつ、その改革と強化に取り組む。さらに、我が国が世界の中で存在感を発揮していくため、学際的・分野融合的な研究や国際共同研究を推進するとともに、国内外から第一線の研究者を引き付ける世界トップレベルの研究拠点を形成する。なお、こうした取組の実施に当たっては、研究者が腰を据えて研究に取り組める環境を整備することや、組織の多様性・自律性を尊重しつつ、長期的な観点で成果の創出を見守ることが重要であることにも留意する。 ・・・

1.イノベーションの源泉としての学術研究と基礎研究の推進
3)国際的共同研究の推進と世界トップレベルの研究拠点の形成

 我が国が世界の研究ネットワークの主要な一角に位置付けられ、世界の中で存在感を発揮していくためには、国際共同研究を戦略的に推進するとともに、国内に国際頭脳循環の中核となる研究拠点を形成することが重要である。・・・さらに、国は、国内外から第一線の研究者を引き付け、優れた研究環境と高い研究水準を誇る世界トップレベルの研究拠点の形成を進める。

科学技術イノベーション総合戦略2016(平成28年5月24日閣議決定)

第1章 未来の産業創造と社会変革に向けた新たな価値創出の取組

(2)新たな経済社会としての「Society 5.0」(超スマート社会)を実現するプラットフォーム

 他国に先駆け Society 5.0 を実現していくには、そのために必要な基盤技術を牽引する人材の育成・確保が不可欠である。特に、必要な基盤技術を支える横断的な科学技術である数理科学や計算科学技術、データサイエンスの振興や人材育成が重要である。

第3章 科学技術イノベーションの基盤的な力の強化

(1)人材力の強化

世界トップレベルの研究者を呼び込む優れた研究環境と高い研究水準を誇る研究拠点を安定的・持続的に整備・維持することにより、グローバルな視野を持った人材の育成に取組、国際的な頭脳循環を促進する。

(2)知の基盤の強化

・・・さらに、国際性の観点から、学術研究の大型プロジェクトの推進や国際共同研究の戦略的な推進、優れた研究環境と高い研究水準を誇り、国内外から第一線の研究者を引き付ける世界トップレベルの拠点の形成が重要である。
国内外から第一線の研究者を引き付ける拠点を形成する世界トップレベル研究拠点プログラム(WPI)について、世界的な知名度の維持・向上を図りつつ、国際的な頭脳循環の中核となる研究拠点の着実な形成に取り組む。さらに、WPIの手法・成果を展開しつつ、地域の大学等を含め、特定分野で世界に伍する国際的研究拠点を形成することで、国内外から第一線の研究者を惹きつける取組を推進する。また、我が国の基礎研究の向上に資するような国際協力によるオープンイノベーション拠点の形成や戦略的な国際共同研究の促進等に取り組む。

ニッポン一億総活躍プラン(平成28年6月2日閣議決定)

5.「戦後最大の名目GDP600兆円」に向けた取組の方向

(15)イノベーション創出・チャレンジ精神に溢れる人材の創出

(イノベーション、ベンチャー創出力の強化)世界に先駆けて第4次産業革命を実現できるかは、オープンイノベーションを実践し、企業の内外のリソースを効率的かつ柔軟に活用できるかにかかっている。産学連携の体制を強化し、企業から大学・研究開発法人への投資を、今後年間で3倍に増やすことを目指す。また、国内外からトップ人材や投資を呼び込む産学官の戦略研究拠点を、来年度中に少なくとも5か所創出する。・・・(多面的アプローチによる人材の育成・確保)人工知能等の活用によって、仕事の内容や働き方は劇的に変化していくと考えられるが、データを活用して付加価値を生み出すのは「人材」である。第4次産業革命を支える人材の確保・育成に向けて、・・・特定国立研究開発法人等における世界レベルの研究者を糾合した研究と人材育成の一体的推進などに着手する。・・・

日本再興戦略2016(平成28年6月2日閣議決定)

3.イノベーション・ベンチャー創出力の強化、チャレンジ精神にあふれる人材の創出等

1.イノベーション・ベンチャー創出力の強化

(2)新たに講ずべき具体的施策
1)イノベーション・ナショナルシステム構築の仕上げ

 世界から優秀な人材が集う研究拠点を構築する世界トップレベル研究拠点プログラム(WPI)を引き続き推進するとともに、当該プログラムが、融合領域等新領域の創出、人事給与改革、海外からの優れた研究者や寄付金の呼び込み等優れた実績を生み出していることを踏まえ、本年度中に当該取組の経験・ノウハウを学内外に横展開する仕組みを検討し来年度から導入する。また、国立大学法人の評価に当たっても、研究力向上や国際化の取組促進に向けた改革の先進事例として活用する。
 なお、WPIプログラムが2007年度の支援開始から本年度末で10年を迎え、支援終了後の拠点の優れた研究システムの維持・発展の問題が顕在化しているところ、これらのシステム改革の継続のための方策・在り方について、大学改革の取組全体における位置付けを明確化しながら、運営費交付金と競争的経費によるデュアルサポートシステムの再構築の観点を踏まえて、文部科学省において本年度中に検討を行い、一定の結論を得ることを目指す。

2.多面的アプローチによる人材の育成・確保等

2-1.人材力の強化
(2)新たに講ずべき具体的施策
2)高等教育等を通じた人材力の強化

・・・トップレベルの人材育成のため、特定国立研究開発法人等において、高等教育機関等と連携し、世界レベルの研究者を糾合してIoT・ビッグデータ・人工知能やモノづくり・ロボット等の駆動系の融合領域等における研究と人材育成を一体的に行うとともに、ナノテク・材料、地球環境分野など我が国が強みをいかせる分野においてビッグデータ等の戦略的な共有・利活用を可能にするための国際研究拠点を形成し、専門人材を育成する。

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