研究計画・評価分科会(第89回)議事要旨

1.日時

令和5年8月25日(金曜日)14時00分~15時30分

2.場所

Web会議

3.議題

  1. 第12期研究計画・評価分科会の活動について
  2. 分野別研究開発プランの変更について
  3. 分野別委員会等の所掌に属さない研究開発課題の評価について
  4. 研究開発課題の評価について(非公開)
  5. その他

4.出席者

委員

観山分科会長、相澤委員、菅野委員、田中委員、原田委員、明和委員、村岡委員、村山委員、出光委員、上田委員、大森委員、上村委員、高梨委員、土屋委員、林委員

文部科学省

柿田科学技術・学術政策局長、清浦大臣官房審議官(科学技術・学術政策局担当)、山下科学技術・学術総括官、髙橋科学技術・学術戦略官、吉田防災科学技術推進室長、井上研究開発戦略課専門官、廣瀬参事官(情報担当)付参事官補佐、植田参事官(情報担当)付参事官補佐、廣瀨ライフサイエンス課課長補佐、木元宇宙開発利用課課長補佐、田村環境エネルギー課課長補佐、ほか関係官

5.議事要旨

【観山分科会長】  ただいまから第89回科学技術・学術審議会研究計画・評価分科会を開催いたします。
 それでは、議事に入る前に、事務局から説明をお願いいたします。
 
【井上研究開発戦略課専門官】  事務局でございます。本日の研究計画・評価分科会は、科学技術・学術審議会令第八条第1項に定める定足数である過半数を満たすことを御報告いたします。
 続きまして、WebexによるWeb会議の開催に当たりまして、委員の皆様にお願いがございます。
 1つ目、会議中は常にビデオをONにしてください。
 2つ目、御発言の際は、参加者リストの御自身のお名前の横にある手のマークの「挙手」ボタンを押していただきますようお願いいたします。御発言後は、再度「挙手」ボタンを押して挙手を取り消してください。
 3つ目、御発言時以外は「ミュート」にしていただき、御発言時のみ「ミュート解除」を御選択いただくようお願いいたします。
 4つ目、議事録作成のため、御発言の都度、お名前をおっしゃっていただくようお願いいたします。
 5つ目、御発言の際、資料を参照する際には、資料番号、ページ番号又はページ内の該当箇所などを分かりやすくお示しいただくようお願いいたします。
 また、本日の議題4「研究開発課題の評価について」でございますが、事前評価を予定しています。これらには概算要求に関する内容が含まれてございますので、研究計画・評価分科会運営規則第6条第1項第3号により非公開とさせていただきます。
 なお、公開部分は議事録として、非公開部分については議事要旨として、文部科学省のホームページに掲載いたしますので、御承知おきいただきますようお願いいたします。
 事務局からは以上でございます。
 
【観山分科会長】  本日は、柿田科学技術・学術政策局長に御出席いただいています。ここで御挨拶をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 
【柿田科学技術・学術政策局長】  ありがとうございます。科学技術・学術政策局長の柿田でございます。先日のこの分科会には、別用がございまして出られませんでしたので、本日この機会をいただきまして、一言御挨拶を申し上げます。
 今回、先生方大変お忙しい中、研究計画・評価分科会に御参画いただきまして、また本日の会議に御出席をいただきましてありがとうございます。
 また、観山委員におかれましては、分科会長をお引受けいただきましてありがとうございます。感謝を申し上げます。
 この研究計画・評価分科会では、文部科学省におきまして重点的・戦略的に推進する研究開発及びその推進方策を定めるために、分野別研究開発プランといったものをこの分科会で策定いただいておりまして、それを基に研究開発の質の向上でありますとか、運営体制などに資するための評価を実施していただいております。
 今期の研究計画・評価分科会におきましては、「文部科学省における研究及び開発に関する評価指針」を踏まえた研究開発課題の評価の実施、並びに前期に策定いただきました「分野別研究開発プラン」の見直し、これもお願いをすることになっておりますし、また、前期に着手いたしました研究開発プログラム評価の改善についても、ぜひまた御審議をいただきたいと思っております。
 本日のこの分科会では、前回に引き続きまして、「分野別研究開発プラン」の変更と研究開発課題の評価について審議をいただきます。
 先ほど事務局から話がありましたけれども、研究開発課題の事前評価を今日は3件お願いすることにしております。情報の関係で生成AI、それから国際戦略で日ASEANとの協力を進めるという点、それから宇宙開発の関係でJAXAの新たな機能を強化するという、この3つについては、文部科学省がこの月末に提出いたします概算要求、科学技術関係の中で極めて重要な事項となっておりまして、ぜひ今日、これらについても事前評価をいただきますけれども、忌憚のない御意見をいただきまして、我々はその評価を受けて、これから財務省に概算要求をし、12月の予算編成までの間、様々財政当局と折衝をしていくことになりますけれども、これらの事業が説得力を持ち、そしてよりよい事業として進めていかれるように、ぜひ先生方から忌憚のない御意見、また御示唆をいただきたいと思いますし、予算が確保できた暁には、運用面でも常に不断の見直し、改善をしていく必要があると思っておりますので、そういったスパンも見越していただいて、本日の分科会でぜひ活発な、忌憚のない御意見、御議論いただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 
【観山分科会長】  柿田局長、どうもありがとうございました。
 それでは、議題1「第12期研究計画・評価分科会の活動について」です。
 本件は、「第6期科学技術・イノベーション基本計画」に対応する取組について、本分科会の下に設置されている部会及び委員会の活動方針を、資料1-1として取りまとめています。併せまして、本分科会の活動方針案についても、資料1-2のとおり示しております。
 まず、各部会、各委員会から説明をお願いします。次に研究計画・評価分科会事務局からの案の説明をお願いいたします。その後、質疑を行います。
 では初めに、地球観測推進部会について、部会長の村岡委員から説明をお願いいたします。
 
【村岡委員】  岐阜大学、村岡です。どうぞよろしくお願いいたします。
 地球観測推進部会における第12期の活動について御報告いたします。資料を共有いただきましてありがとうございます。
 2点ございます。まず1つ目が、各部会、委員会に関する研究及び開発等に関するものということです。
 地球観測推進部会では、「地球観測の推進戦略」を踏まえて、関係省庁・機関の緊密な連携・調整の下で地球観測の実施方針の作成等、地球観測の推進に関する重要事項の調査審議を行っております。
 我が国における地球観測の基本方針を示しました「今後10年の我が国の地球観測の実施方針」、これが平成27年に策定されておりますが、令和7年に策定から10年が経過することから、今期の取組として「第6期科学技術・イノベーション基本計画」における地球規模課題の克服に向けた社会変革と非連続なイノベーションの推進等を踏まえ、新たな実施方針の策定に向けた審議等を行う予定です。
 続きまして、自然科学の「知」と人文・社会科学の「知」の融合である「総合知」の創出・活用に向けたものについてお話しいたします。
 今申し上げました新たな実施方針の策定に向けて、継続的に観測・収集される地球観測データ・知見及び経済学、公共政策、人類学など、人文・社会科学分野におけるデータ・知見とを組み合わせることにより創出される知見、これを「総合知」と呼びますが、これを地球規模課題、すなわち気候変動、防災、環境汚染、生物多様性の損失、SDGs等の解決等に活用するなど、地球観測データに基づいた新たな施策の可能性について審議等を進めていく予定です。
 地球観測推進部会からは以上です。よろしくお願いいたします。
 
【観山分科会長】  ありがとうございました。
 次に、宇宙開発利用部会について、部会長の村山委員から説明をお願いいたします。
 
【村山委員】  ありがとうございます。村山と申します。宇宙開発利用部会について説明させていただきます。
 「第6期科学技術・イノベーション基本計画」に対応する取組についてですが、まず1番目は各部会・委員会に関する研究及び開発等に関するものです。
 本部会では、宇宙基本計画等に基づき、文部科学省が宇宙開発利用に取り組むに際しての基本方針等。文部科学省が実施する重要な研究開発課題についての事前、中間及び事後評価。宇宙航空研究開発機構が自らの研究開発プロジェクトについて実施する事前、中間及び事後評価の妥当性評価について調査審議いたします。
 また、本部会の下に国際宇宙ステーション・国際宇宙探査小委員会及び調査・安全小委員会を設置し、それぞれ以下の事項等について調査検討を行います。
 まず、国際宇宙ステーション・国際宇宙探査小委員会では、国際宇宙ステーションを含む地球低軌道活動の在り方について。国際宇宙探査計画の具体的な推進方策等について。
 調査・安全委員会では、JAXAが実施する新型宇宙ステーション補給機等物資補給機の運用に係る安全対策の妥当性評価。JAXAが実施する、ISSに提供する物資に係る安全審査の妥当性評価。文部科学省に係る宇宙開発利用において重大な事故等が発生した場合における、事故等の原因、技術的な課題及びその対応策についての調査をいたします。
 2番目の、自然科学の「知」と人文・社会科学の「知」の融合である「総合知」の創出・活用に向けたものですが、宇宙基本計画等に基づき、例えば、人文・社会科学系人材の宇宙分野への積極的参画を促すための基盤・拠点の構築や、これを通じた国際的な規範・ルール作り等に関する知見と宇宙分野の知識等を併せ持つ研究者・技術者の育成を図ること等を通じて、総合知の創出・活用を促進していくことといたします。
 以上です。
 
【観山分科会長】  ありがとうございました。
 次にライフサイエンス委員会について、ライフサイエンス委員会事務局から説明をお願いいたします。
 
【廣瀨ライフサイエンス課課長補佐】  研究振興局のライフサイエンス課でございます。本日はライフサイエンス委員会の主査の宮園先生が御欠席ですので、僭越ながら私のほうから御説明させていただきます。
 (1)でございますけれども、ライフサイエンス委員会で議論をしていくテーマにつきまして、大きく3つ挙げさせていただいております。
 1つは、健康・医療分野にとどまらない基礎・基盤的な研究開発等に対する支援の在り方。2つ目は、オープンサイエンス等の世界的な知の共有を目指した取組やデータ駆動型の研究の推進方策。3つ目は、ライフサイエンス研究を支える人材育成方策。こういった点を中心に、第12期のライフサイエンス委員会において御議論いただきたいと考えております。
 また、ライフサイエンス委員会において多くの事業を抱えておりますので、事前評価、中間評価、事後評価について、しっかりと議論をしてまいりたいということで書かせていただいております。
 次のページをお願いいたします。
 (2)の自然科学の「知」と人文・社会科学の「知」の融合による「総合知」のところでございますけれども、ライフサイエンス分野は非常に人文科学との関係も深く、総合知、重要な分野でございまして、例えば脳科学につきましては、生命科学、情報科学、人文科学を統合した総合科学でございます。
 また、再生・細胞医療・遺伝子治療研究につきましては、ELSIの問題、またサイエンスコミュニケーションへの考慮というものが大変重要でございます。
 脳神経科学や再生・細胞医療・遺伝子治療に関する事業において、ELSI面の支援体制を整備することとしていることでございますとか、そういったことはこれまで進めてきておりまして、今後とも「総合知」の創出・活用を目指して、様々な人文・社会科学系領域と融合した取組を推進してまいりたいと思います。
 ライフサイエンス委員会からは以上でございます。
 
【観山分科会長】  ありがとうございました。
 次に環境エネルギー科学技術委員会について、環境エネルギー科学技術委員会事務局から説明をお願いいたします。
 
【田村環境エネルギー課課長補佐】  環境エネルギー科学技術委員会の事務局でございます。資料について御説明させていただきます。
 1つ目は、各部会・委員会に関する研究及び開発等に関するものでございます。
 まず事業の中間評価、対象になっている事業がございますので、そちらについて審議を行っていただくということを考えております。
 また、既に小委員会を今期立ち上げていただいておりまして、「革新的GX技術創出事業(GteX)」に関する基本方針、研究開発方針というものを策定いただきました。
 こちらについて、進捗について確認いただくということと同時に、追加で今後重点的に研究開発に取り組むべきGX技術があるかどうかについて、調査・検討を継続いただくということを考えております。
 (2)の「総合知」の創出・活用に向けたものでございますけれども、こちらについては、一つは2050年のカーボンニュートラルに向けて、国や地域の変革のための知見の創出という観点から、「大学の力を結集した、地域の脱炭素化加速のための基盤研究開発」事業というものを行っておりまして、こちらにおいて人文・社会科学だとかそういったものを融合した研究開発が行われておりますので、こちらの進捗についても確認いただく。
 あともう一つは、地域における大学等の「知の拠点」としての機能を強化するため、「カーボンニュートラル達成に貢献する大学等コアリション」、こちらは200大学近くが入っている団体ですけども、こちらのネットワークのほうも運営しておりまして、これらの事業が効果的に推進されているかどうかを委員会のほうでも御議論いただいてはどうかという風に考えております。
 次のページ、「加えて」以降のところになりますけども、GteXの基本方針について、基本方針の中でLCA(ライフサイクルアセスメント)だとか資源循環の可能性といった技術評価だとかシナリオ研究も行っていくようにという風に御助言いただいておりまして、こちらについて、しっかりと人文・社会科学などの自然科学以外の観点も踏まえながらGteXのほうが運営されているかどうかを、小委員会のほうでも御確認いただくということを考えております。
 あと最後に、今後分科会で議論することを期待する論点についてということで、第11期、前期のほうで2050年のカーボンニュートラルに向けて、どういった推進方策をしていくかということを御議論いただいておりまして、そちらのほうは引き続き委員会のほうでも議論いただくことを考えております。
 以上でございます。
 
【観山分科会長】  ありがとうございました。
 次にナノテクノロジー・材料科学技術委員会について、主査の高梨委員から説明をお願いいたします。
 
【高梨委員】  主査の高梨です。ナノテクノロジー・材料科学技術委員会から御説明いたします。
 まず、(1)の当委員会に関する研究及び開発等に関するものでございますが、今期の当委員会では、第6期科学技術・イノベーション基本計画と政府の分野別戦略の一つであるマテリアル革新力強化戦略を踏まえて、今後のナノテクノロジー・材料科学技術分野の研究及び開発に関する計画の検討を行います。
 これに加えて、「材料の社会実装に向けたプロセスサイエンス構築事業」、「マテリアル先端リサーチインフラ」及び「データ創出・活用型マテリアル研究開発プロジェクト」の3つの事業の中間評価と、必要に応じて新規・拡充事業の事前評価を行う予定でございます。
 次に、(2)の「総合知」の創出・活用に向けたものに関しましては、先に述べたマテリアル革新力強化戦略において、「デジタル社会の実現」と「グリーン社会の実現」といった様々な社会課題の解決に資する革新的イノベーションをもたらす基盤技術として、マテリアルが必要不可欠であるという風にされています。
 こういった社会課題の解決に資する重要な技術領域を特定するために、社会的ニーズ等を踏まえた俯瞰的な視野で物事を捉える必要があり、その際には、人文・社会科学も含めた「総合知」の活用も重要であることから、今期の議論においても、前期に引き続いて「総合知」の活用に留意して、ナノテクノロジー・材料科学技術分野の研究及び開発に関する検討を行っていく予定でございます。
 以上です。
 
【観山分科会長】  ありがとうございました。
 次に防災科学技術委員会について、主査の上村委員から説明をお願いいたします。
 
【上村委員】  上村でございます。どうぞよろしくお願いいたします。防災科学技術分野における第12期の活動について御説明いたします。
 お手元の資料1-1の10ページ、通しページ番号でいうと13ページになります。こちらを御覧ください。
 「第6期科学技術・イノベーション基本計画」に対応する取組について。(1)各部会・委員会に関する研究及び開発等に関するものについては、近年の災害の発生状況や国における施策動向等を踏まえた、防災科学技術分野における研究開発の方向性の議論を行うとともに、新規・拡充事業の事前評価や、事業期間が終了する事業の事後評価などについて審議を行うこととさせていただきたいと思います。
 また、(2)の自然科学の「知」と人文・社会科学の「知」の融合である「総合知」の創出・活用に向けたものとして、防災科学技術分野においては、自然科学と人文科学・社会科学等の連携により、自然災害の被害軽減に向けた防災対策等に資する研究開発や人材育成について、適宜取組を進めていくということとさせていただきたいと思います。
 以上でございます。
 
【観山分科会長】  ありがとうございました。
 次に航空科学技術委員会について、主査の土屋委員から御説明お願いいたします。
 
【土屋委員】  今期より主査を仰せつかっております、東京大学の土屋です。
 それでは、第12期の活動内容を説明いたします。
 資料にありますとおり、「第6期科学技術・イノベーション基本計画」に対応する取組について、(1)の各部会・委員会に関する研究及び開発等に関するものについては、航空科学技術分野で推進すべき研究開発の方向性等について議論を行います。
 また、航空科学技術分野に関する研究開発ビジョンの内容について、定期的な見直しを行うとしております。
 (2)の自然科学の「知」と人文・社会科学の「知」の融合である「総合知」の創出・活用に向けたものには、優位技術の社会実装に向けた国内外の航空機開発動向、航空会社の経済動向の把握。それから、優位技術採用に当たっての国際的な安全基準・環境基準の検討状況の把握。また、航空科学技術に関する個別の技術や研究開発に囚われず、広い分野からの意見等を参考にしながら、SDGsへの貢献や社会への波及効果、次世代モビリティシステムの利活用や交通システム全体の最適化に関する将来のグランドデザインなどにも留意して、検討を行っていきたいと考えております。
 私からの報告は以上です。
 
【観山分科会長】  ありがとうございました。
 次に原子力科学技術委員会について、主査の出光委員から説明をお願いいたします。
 
【出光委員】  第11期に引き続きまして主査を仰せつかりました、出光でございます。御説明いたします。
 まず、当委員会の研究及び開発に関するものにつきましては、当委員会の下には3つの作業部会を設置してございます。1つ目が原子力研究開発・基盤・人材作業部会。2つ目としまして原子力バックエンド作業部会。3つ目が核不拡散・核セキュリティ作業部会でございます。
 第12期におきましては、ここに書いてありますような検討項目について検討してまいります。
 主に、最初の作業部会につきましては、次世代革新炉開発や、幅広い放射線利用を推進するための人材育成、研究開発方策。それから、原子力の総合的研究開発機関であります原子力機構と大学等の研究機関における研究開発・人材育成機能の役割分担、それから連携方策。これらについて検討してまいります。
 それから、我が国の試験研究炉を取り巻く状況を踏まえまして、今後の取組について検討してまいります。
 2つ目のバックエンド関係の作業部会におきましては、研究施設等の廃棄物埋設事業の推進、原子力機構のバックエンド対策の着実な推進、大学等廃止措置の推進、IAEAのピアレビューのフォローなど、中長期的な課題も含めたものを引き続き検討してまいります。
 最後の作業部会、核不拡散・核セキュリティ関係では、核不拡散・核セキュリティ総合支援センター、ISCNと称しておりますが、ここと大学との一層の連携、それから、幅広いステークホルダーとの繋がりを深化させながら、学習機会の一層の充実、それから、新たな脅威に対応すべく、サイバーセキュリティ等の新規トレーニングの開発・提供、事案発生後の対応に備えました演習の強化等、これらを検討してまいります。
 3つの作業部会全体を通じまして、原子力科学技術の効果的・効率的な推進と、その評価の在り方について検討してまいります。
 次のページになりますが、2つ目の「総合知」に関しまして、日本原子力研究開発機構の第4期の中長期目標におきまして、分野横断的な研究開発や社会の多様なステークホルダーとの対話・共創を通じた「総合知」の創出・活用について記載してございます。こういったものを通じまして検討をしていく予定でございます。なお、「分野横断的」と書いてございますが、これは機構内での分野横断でございます。
 それから、社会の多様なステークホルダーとの対話ということでは、機構でアウトリーチ活動を行っております。
 以上でございます。
 
【観山分科会長】  ありがとうございました。
 次に核融合科学技術委員会について、主査の上田委員から説明をお願いいたします。
 
【上田委員】  御紹介ありがとうございます。大阪大学の上田でございます。
 それでは私のほうから、核融合科学技術委員会における第12期の活動について説明をさせていただきます。
 この資料につきましては、令和5年7月24日に開催された核融合科学技術委員会にて審議を行ったものでございます。
 まず、1番の各部会・委員会に関する研究及び開発等に関するものです。
 本委員会では、「第6期科学技術・イノベーション基本計画」に対応して、ITER計画、これは国際的な枠組みで行っています、それから日欧の枠組みで行っているBA活動の推進方策、及び技術の多様性確保の観点からの学術研究や革新的概念の研究など、核融合研究開発を着実に推進する方策について議論をしております。
 特にフュージョンエネルギー・イノベーション戦略、これは内閣府統合イノベーション戦略推進会議が令和5年4月14日に策定したものでございますが、これを受けた方策について議論を進めてまいります。
 また、「原型炉開発に向けたアクションプラン」、あるいは「原型炉研究開発ロードマップ」の見直し等に関する必要な検討を行ってまいります。
 それから、2番の「総合知」に関することでございます。
 本委員会では、これまでも分野を超えた専門家の知を結集し、核融合に対するアウトリーチ活動などを推進してきております。先に述べましたフュージョンエネルギー・イノベーション戦略におきましても、このアウトリーチ活動を推進するようにということが提言として書かれてございます。
 このようなことを受けまして、現在続けている活動を継続するとともに、さらに様々なステークホルダーとの対話を広げることで、フュージョンエネルギーの社会的価値及び社会的受容性の向上を図るべく、分野を超えた専門家による議論を進めていきたいと考えております。
 また、人材育成に関してでございますが、これまでのいわゆるフュージョンエネルギー、核融合エネルギー分野に加えて、他分野からの参画をも促し、人材を確保することが重要であるということが指摘されてございまして、このため、人文社会系も含めた様々な連携を通して、複合的視点を持った多様な人材から成る炉設計体制を構築するという方向で議論を進めていきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 
【観山分科会長】  ありがとうございました。
 次に量子科学技術委員会について、主査の大森委員から説明をお願いいたします。
 
【大森委員】  分子科学研究所の大森でございます。
 まずは、当委員会に関する研究及び開発等に関するものでございます。
 量子科学技術分野では、近年、民間企業を中心に研究開発や事業化等の取組が加速し、国際競争が激化しております。
 我が国では、令和5年4月に統合イノベーション戦略推進会議において「量子未来産業創出戦略」が策定され、その着実な推進が求められております。
 本分野は高度な技術力を必要とする産業であることから、産業化・実用化に向けては、大学・研究機関と民間企業との密接な連携やスタートアップ企業の創出等が重要となります。また、これらを担う研究開発人材はもちろん、周辺技術分野や起業家等の裾野の広い人材育成にも引き続き取り組んでいく必要があります。
 これらの動向も踏まえ、今期は主に以下の点について検討させていただきます。
 まず、親委員会である量子科学技術委員会についてです。
 産学連携やスタートアップ企業創出のための方策の在り方、量子科学技術分野における、起業家等も含めた人材の裾野拡大、海外からの人材獲得のための方策の在り方、量子科学技術の普及啓発のための情報発信の在り方等でございます。
 次に、量子科学技術委員会傘下の量子ビーム利用推進小委員会関連についてです。
 SPring-8の高度化について、NanoTerasuの今後の共用ビームラインの在り方について、量子ビーム施設間の連携についてでございます。
 次に(2)「総合知」の創出・活用に向けたものについてです。
 自然科学の「知」と人文・社会科学の「知」の融合である「総合知」の創出・活用については、「量子未来産業創出戦略」等に基づく政府全体の取組の推進状況等や、量子科学技術分野での関連する世界的な研究動向も踏まえ、本委員会においても適宜検討いたします。
 以上でございます。
 
【観山分科会長】  ありがとうございました。
 それでは、研究計画・評価分科会の活動案について、事務局より説明をお願いいたします。
 
【髙橋科学技術・学術戦略官】  分科会事務局の髙橋でございます。
 資料1-2を御覧いただきたいと思います。ただいま御報告をいただきました部会・委員会の第12期における活動を踏まえまして、研究計画・評価分科会としての活動の案につきまして御説明申し上げたいと思います。
 この分科会の活動につきましては、今後、総会のほうへの報告ということが予定されるものでございます。
 「第6期科学技術・イノベーション基本計画」等がある中で、文科省として行うべき研究及び開発等の計画等につきまして、分科会下等の委員会との連携を図りまして、審議を進めてまいります。
 また、上記計画等の下で文科省として推進していく「研究開発課題」につきましては、引き続き、事前・中間・事後評価を行っていくとともに、これまで議論を進めてまいりました研究開発プログラム評価につきましても、評価の屋上屋排除及び負担軽減などにも配慮しながら、評価を試行してまいりたいということでございます。
 なお、上記の計画等の審議や評価を行うに当たりましては、「総合知」の観点が適切に含まれていることを配慮しつつ、意識しつつ審議を行ってまいります、というものでございます。
 以上でございます。
 また、1点修正がございまして、1行目の「第6期科学技術基本計画等」となっている箇所につきまして、正確には「第6期科学技術・イノベーション基本計画」ということになりますので、ここで訂正させていただきます。
 私の方からは以上でございます。ありがとうございます。
 
【観山分科会長】  ありがとうございました。
 それでは、まず各部会及び各委員会の活動について、質疑を行いたいと思います。ただいまの説明について御意見等ある方は、挙手ボタンを押してお知らせください。
 いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 ありがとうございました。続いて、当分科会の活動について、簡単でございますけども審議を行いたいと思います。
 御質問ある方は、Webexの挙手ボタンを押していただければと思いますが、いかがでしょうか。これについてもよろしいでしょうか。
 どうもありがとうございました。それでは、ただいま御審議いただいた活動案につきまして、資料1-2のとおり分科会として決定したいと思いますがよろしいでしょうか。
ありがとうございます。
 それでは、本日の議論を踏まえて、第12期研究計画・評価分科会における活動方針として、次回の科学技術・学術審議会総会で報告したいと思います。
 次に議題2「分野別研究開発プランの変更について」です。
 本日は、情報分野研究開発プランについて変更希望がありました。つきましては、初めに情報委員会からプランについて3分程度で御説明をいただき、次にその内容について2分程度で質疑応答の時間を取らせていただきたいと考えております。
 それでは、情報分野研究開発プランの変更について、情報委員会主査の相澤委員から御説明をお願いいたします。よろしくお願いします。
 
【相澤委員】  情報委員会では、近年の社会情勢及び技術的な変化を踏まえまして、研究開発プランの変更を検討しております。
 詳細は事務局からお願いいたします。
 
【植田参事官(情報担当)付参事官補佐】  事務局でございます。
 情報分野の研究開発プランにつきましては、1事業ごとに1プログラムと設定しておりまして、この事業ごとのレビューシートに基づき設定をさせていただくこととなっております。そのため、この2-3と2-4、赤字で示しておりますものについては、レビューシートを踏まえた修正が発生しております。
 併せまして、今回2-5として記載をしております「生成AIモデルの透明性・信頼性の確保に向けた研究開発」というプログラムを追加させていただければと考えております。
 概要としましては、アカデミアにおいて一定規模のオープンな基盤モデルを構築できる環境を整備し、基盤モデルに関する基盤的な研究力・開発力の醸成及び基盤モデルの学習原理の解明等による透明性・信頼性確保を目指すこと、また、研究活動を通じ、一連の知識と経験の蓄積を図るということとしてございます。
 2枚めくっていただけますでしょうか。ありがとうございます。
 こちらはプログラムごとのアウトプット指標とアウトカム指標になっておりますが、先ほど申し上げたとおり、レビューシートの変更に基づきまして修正が発生しております。
 また、プログラム(5)として、先ほど申し上げた「生成AIモデルの透明性・信頼性の確保に向けた研究開発」のアウトカム指標、アウトプット指標を追記してございます。
 下の線表につきましては、「Society5.0実現化研究拠点支援事業」が5年間延長されているのに加えまして、一番下のほうにプログラム(5)として、先ほど申し上げた新規事業を追加させていただいております。
 詳細につきましては、後ほどの研究開発課題の評価についての中で御説明させていただければと思います。
 以上でございます。
 
【観山分科会長】  ありがとうございました。
 それでは質疑に入りたいと思いますが、御質問のある方はWebexの「挙手」ボタンでよろしくお願いします。
 よろしいでしょうか。最近、生成AIに関しては非常に関心も高まっておりますので、ぜひよろしく御検討いただければと思います。
 よろしいでしょうか。それでは、ただいま御審議いただきました変更案につきまして、資料2-2のとおり分科会で決定したいと思いますが、よろしいでしょうか。
 ありがとうございます。
 それでは次に、「分野別委員会等の所掌に属さない研究開発課題の評価について」です。
 これは事務局から、まず説明をお願いいたします。
 
【井上研究開発戦略課専門官】  事務局でございます。資料3につきまして、御説明をさせていただきます。
 まず、通し番号の203ページを御覧いただければと思いますけれども、タイトルといたしましては「第12期研究計画・評価分科会における研究開発課題の評価について(抄)」でございます。
 本分科会では、その所掌に関する研究開発課題の評価につきまして、評価の進め方等を定めております。
 今回、この中で4ポツの留意事項ということで真ん中辺りに書いてございますが、(4)分野別委員会等の所掌に属さない課題の評価というところがございます。
 ここで分野別委員会等の所掌に属さない課題の評価を定めておりまして、その場合には必要な専門家から組織される評価委員会を分科会に設置し、当該評価委員会において評価を実施することを基本とするとしております。
 続きまして、通し番号202ページに戻っていただきたいのですが、「分野別委員会等の所属に属さない研究開発課題の評価について(案)」に示しております、分野が特定されない国際共同研究の研究開発課題の評価につきましては、科学技術・学術分野の国際活動に関しましては、総会直下に設置されております国際戦略委員会で実施をしております。
 そのため、新たに本分科会に評価委員会を設置するということではなくて、国際戦略委員会で評価した結果を基に本分科会で評価を実施することとしてよいかということを、今回御議論いただければと思っております。御審議のほどよろしくお願いいたします。
 
【観山分科会長】  ありがとうございます。
 それでは、ただいまの説明について、御意見、御質問がある場合には「挙手」ボタンをお願いしたいと思います。
 よろしいでしょうか。
 それでは、資料3については原案どおり決定したいと思いますが、よろしいでしょうか。
 ありがとうございます。
 続きまして、議題4に移りたいと思います。「研究開発課題の評価について」でございます。ここからは、先にも事務局から説明したとおり非公開となりますので、よろしくお願いします。
 非公開の準備が終わりましたらお知らせください、事務局。
 
以下、研究計画・評価分科会運営規則(平成13年2月27日決定)第6条第1項第3号の規定に基づき、非公開。
 
次の事前評価について各委員会より概要の説明があり、質疑応答が行われた後、事前評価結果が決定された。
 
・情報分野に関する研究開発課題の事前評価結果
・国際戦略に関する研究開発課題の事前評価結果
 
次の宇宙開発利用部会の事前評価について、研究計画・評価分科会運営規則第4条第4項に基づいて宇宙開発利用部会に付託することとした。各委員には、後日、評価結果を報告することとした。

・JAXAの戦略的かつ弾力的な資金供給機能の強化

お問合せ先

科学技術・学術政策局研究開発戦略課

(科学技術・学術政策局科学技術・学術戦略官(制度改革・調査担当)付)