研究計画・評価分科会(第78回)議事録

1.日時

令和3年8月27日(金曜日)15時00分~17時00分

2.場所

Web会議形式で開催

3.議題

  1. 研究開発課題の評価について
  2. 第11 期の活動について
  3. その他

4.出席者

委員

岸本分科会長、高梨(弘)分科会長代理、春日委員、濵口委員、明和委員、村山委員、五十嵐委員、出光委員、上田(正)委員、上田(良)委員、上村委員、佐々木委員、高梨(千)委員、塚本委員、林委員、原澤委員、水澤委員、宮園委員、李家委員

文部科学省

千原科学技術・学術政策局長、阿蘇審議官(科学技術・学術政策局担当)、氷見谷科学技術・学術総括官、塩田企画評価課長、佐野科学技術・学術戦略官、福田防災科学技術推進室長、久保企画評価課専門官、根橋ライフサイエンス課課長補佐、小川参事官(ナノテクノロジー・物質・材料担当)付参事官補佐、ほか関係官

5.議事録

【岸本分科会長】  それでは、ただいまから第78回科学技術・学術審議会研究計画評価分科会を開催いたします。一昨日の第77回に引き続き、本日もどうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、議事に入る前に、事務局から御説明をお願いいたします。
【久保企画評価課専門官】  本日は研究計画評価分科会の委員、臨時委員22名のうち19名に御出席を頂き、科学技術・学術審議会令第8条第1項に定める定足数でございます過半数を満たすことを御報告いたします。
 次に、Webexによるウェブ会議の開催に当たりまして、事前にお伝えしておりますとおり、委員の先生方にお願いがございます。
 まず、御発言の際は手のマークの挙手ボタンを押していただくようお願いいたします。御発言終了後は再度挙手ボタンを押して、挙手を取り消していただくようお願いします。また、御発言時以外はミュートにしていただきまして、御発言時のみミュート解除を御選択いただきますようお願いいたします。それから、オンライン上でも聞き取りやすいように、御発言の都度、お名前をおっしゃっていただくようお願いします。
 最後に、御発言の際、資料を参照する際には、資料番号、ページ番号、又はページ内の該当箇所などを分かりやすくお示しいただくよう御配慮を頂きますようお願いいたします。
 事務局からは以上です。
【岸本分科会長】  ありがとうございました。それでは議事に入らせていただきたいと思いますが、本日はその他も含めて3件でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、最初の議事1の「研究開発課題の評価について」に入ります。
 本日は2つの委員会における中間評価1件、自己評価1件の計2件を審議いたします。各委員会において取りまとめられました評価結果を、資料1-2-1から1-3-3として配付しておりますので、これを基に御審議いただきたいと思います。
 まずは、本日評価を行う2件の利害関係に関して確認いたします。
 それでは、事務局より確認をお願いいたします。
【久保企画評価課専門官】  では参考資料2の4ポツ(1)利害関係者の範囲を御覧ください。資料は通し番号の86ページになります。
 こちらの方で、丸2の被評価者と親族関係にある者、丸3、利害関係を有すると自ら判断する者、こちらに該当する方はいらっしゃらないでしょうか。
 いらっしゃらないようですので、利害関係者はいらっしゃらないということを確認いたしました。
 以上でございます。
【岸本分科会長】  ありがとうございます。それでは次に、本分科会における研究開発課題の評価に関する評価票のポイントについて、事務局より説明をお願いいたします。
【久保企画評価課専門官】  それでは、資料1-1を御覧ください。この資料は、参考資料2、先ほども確認していただきましたが、「第11期研究計画評価分科会における研究開発課題の評価について」から必要な記述を抜き出したものでございます。
 本日は中間と事後評価を行いますが、まず共通事項といたしまして、1ポツのところで、評価は、必要性、有効性、効率性等の観点から行います。
 それから、2ポツの評価票の様式についてですが、こちらのようなことを記載しているのですが、まず(2)の中間評価についてですが、丸1のところで、3ポツ、評価結果の(1)課題の進捗状況のところに、課題の所期の目標に向けての進捗、進捗度の判定とその判断根拠を明確にするということ。丸2の方で、3ポツ、評価結果の(2)各観点の再評価というところでは、当初設定された必要性、有効性、効率性の各観点における評価項目及びその評価基準の妥当性を改めて評価し、必要に応じてその変更を提案した上で評価をするということになっております。
 また(3)事後評価票においては、3ポツ、評価結果の(1)課題の達成状況のところに、課題の所期の達成度の判定とその判断根拠を明確にするということ。また、中間評価と同様になりますが、各観点における評価項目、評価基準の妥当性について改めて評価し、必要に応じて変更した上で評価するということ。
 最後に3ポツの評価結果(3)の総合評価のところでは、どのような成果を得たか、所期の目標との関係、波及効果、倫理的・法的・社会的課題への対応状況等を記載するということになっております。この点にも御留意いただければと思います。
 また、研究開発課題評価の審議に当たっては、説明時間を適切に管理するために、予定説明時間の終了の1分前と終了時点で、事務局よりチャットの機能を利用して全員にお伝えいたしますので、時間についてお守りいただきますようお願いいたします。
 説明は以上です。
【岸本分科会長】  ありがとうございました。それでは、評価票を説明していただき、その後、質疑の時間を取るような形で進めてまいりたいと思いますが、1つの委員会の質疑を終えましたら次の委員会の説明に移るというような形でさせていただきたいと思います。
 また、御説明の際は、初めに施策マップを用いて上位施策や大目標・中目標の達成に向けた今回の評価課題の位置づけ、意義及び課題間の相互関係等を簡潔に御説明いただき、その後、評価の観点における評価項目や評価基準に触れながら、必要な部分のみを簡潔に御説明いただくようにお願いいたします。
 恐縮ですが、1課題について5分で御説明をお願いいたします。先ほど事務局からのお話がありましたように、1分前になりましたらチャットの方にその印が出ますので、御注意いただければと思います。
 それでは、ライフサイエンス委員会から御説明をお願いいたしたいと思います。
 宮園委員からお願いできますでしょうか。
【宮園委員】  了解いたしました。それでは、医療分野研究成果展開事業事後評価の結果を御説明いたします。
 資料1-2-1、医療分野研究成果展開事業ですが、この図にありますように平成27年度から令和3年度までの7年にわたる事業です。
 今年度で事業期間が終了いたしますので、ライフサイエンス委員会において医療分野研究成果展開事業の事後評価を実施いたしました。
 次が資料1-2-2、事後評価票になります。
 事業概要・目的というところを御覧いただきますが、この事業は、大学等で行われます科学技術の基礎研究と、企業などで行われます実践的な応用研究・開発とをつないで、将来のイノベーションが期待される科学技術のシーズを実用化して社会へ還元するということで、社会経済や科学技術の発展、国民生活の向上に資することを目的としております。
 平成27年度のAMEDの設立時から開始されましたが、先端計測分析技術・機器開発プログラム、産学連携医療イノベーション創出プログラム、研究成果最適展開支援プログラム、戦略的イノベーション創出推進プログラム、そして産学共創基礎基盤研究プログラムという5つのプログラムから構成されています。
 それでは、18ページの3の評価結果について御説明いたします。
 まず、課題の達成状況を御説明いたします。評価結果の(1)のところになりますが、運営体制では、各プログラムにおいてプログラムスーパーバイザー(PS)と、プログラムオフィサー(PO)、それから課題評価委員会を設置いたしまして、AMEDや文部科学省と密接な連携の下、適切な課題採択と管理が行われました。事後評価において、適切に事業が実施されたと判断いたしました。
 続いて必要性です。これは20ページから21ページに記載しておりますが、この事業は、健康・医療戦略における医薬品プロジェクト、医療機器・ヘルスケアプロジェクトの一角を担いまして、研究開発の比較的早期の段階から産と学が連携して、アカデミアにおける研究成果を最大化するための研究体制を構築するということを通じまして、革新的な医薬品、それから医療機器等につながる成果の安定的・継続的な創出に貢献しました。
 以上から、本事業の必要性は高かったと評価いたしました。
 次の有効性です。これは21ページから23ページに記載しておりますが、各プログラムによる取組を通じまして、アーリーフェーズでは幅広い技術シーズを拾い上げ、研究開発フェーズに応じた支援規模による段階的な支援を実施して、レイトフェーズでは、企業が指導することで複数の研究開発課題の成果が、上市や薬事申請に至るなど、研究成果が着実に創出されました。
 以上から、本事業の有効性は高かったと評価いたしました。
 次に効率性です。これは23ページから24ページに記載しておりますが、各プログラムの取組において、PS、POを中心に、AMED、それから文部科学省や関連事業との連携の下、各研究開発課題の進捗管理や支援が丁寧に行われました。
 以上から、本事業の効率性は高かったと評価いたしました。
 以上の各点を考慮いたしまして、総合評価ですが、24ページから25ページにかけて記載しております。
 PS、PO、推進アドバイザー、各研究課題実施者、それからAMEDの担当者が真摯に取り組みまして、多くの革新的な医薬品・医療機器等が創出され、ライフサイエンス分野における産学連携を強化することができたと考えております。
 本事業における成果に鑑みますと、当初の事業目標は達成されたと評価いたしました。
 そのほかですが、本事業で培いましたノウハウの活用や他省庁事業との連携の推進等によりまして、より効率的・効果的な産学連携による医薬品・医療機器の開発体制を構築して、新たなモダリティやニーズで対応することで、一層の成果の創出が期待されるということであります。
 本事業については以上です。
【岸本分科会長】  御説明ありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明につきまして、御意見、御質問がありますでしょうか。
 五十嵐委員、お願いいたします。
【五十嵐委員】  五十嵐です。御説明ありがとうございました。大変すばらしい成果があったということなのですが、ライフサイエンス分野は先日の第77回研究計画・評価分科会でもたくさんの御説明を頂きまして、前回が事前評価で今日が事後評価ということだったのですが、今日の御発表は、この7ページにあります施策マップによると、先日御説明いただいたプロジェクトにこれは受け継がれていくものという受け取りでいいのか。
 先日の御説明では、どちらかというと今日のものは医療分野全体のお話でしたが、こちらの次の年度からのものは医療機器に絞ったような形だったかと理解しているのですが、その辺りは、ほかの分野についてはいろいろ継続がされて、ほかのところで継続が始まっているという理解でよろしいのでしょうか。
 いろいろな課題が進行しておりますので、それぞれの関係が分かればと思いました。よろしくお願いいたします。
【宮園委員】  これは事務局から説明していただけますでしょうか。
【根橋ライフサイエンス課課長補佐】  事務局のライフサイエンス課の根橋と申します。医療機器の事業につきましては、おととい御説明をさせていただいた事前評価票にある事業に引き継いでいく形になります。ほかの事業は基本的に終了となります。
 ただ、産学連携医療イノベーション創出プログラムについては、かなりハンズオンで、AMEDの方で実用化に向けた企業とのマッチング等、いろいろなことをやってきました。そのノウハウについては、今回、事前評価として説明をしている事業ではないのですが、橋渡し研究プログラムというものがございます。これは、橋渡し研究を支援する機関を認定して、その機関が実用化につなげていく、それに必要な研究費等を出していくという事業になります。
 今申し上げた産学連携医療イノベーション創出プログラムのAMEDの実用化に関するノウハウを、来年度以降、使っていけないかということで事業を考えているところでございます。
 ですから、事業そのものはなくなるのですが、事業のいわば手法については受け継いでいこうということで検討しているところでございます。
 説明は以上です。
【五十嵐委員】  ありがとうございます。継続・発展が一番大事だと思いますので、是非よろしくお願いいたします。
【岸本分科会長】  ありがとうございます。ほかはいかがでしょうか。
 水澤委員、お願いします。
【水澤委員】  御発表ありがとうございました。私もAMEDなどでもたしかこれはS評価ぐらいになっていたと思うのですが、大変すばらしい成果が上がっていて、喜ばしいことだと思います。
 今の五十嵐先生の御意見と同じような意見なのですが、医薬品の方でもかなり成果が上がっていると思われますので、そういったものの何らかの継続・発展というのはやはり重要なのではないかなという印象を持っております。是非、その辺も御検討いただければというふうに、私も思いました。
 以上です。
【岸本分科会長】  ありがとうございます。
 私の方からですが、今のお二人の委員の方と同じような観点なのですが、今後の展望の中に、最後のところでも今日御説明していただいたところで、今後、関連事業及び他省庁事業との連携強化等により、実施対象をよく考えて進めていったらどうでしょうかというのがありますので、これを具体的に進めていただくというのが非常に大事なことかなと思いましたが、よろしくお願いできればと思います。
【宮園委員】  よろしくお願いします。
【岸本分科会長】  ほかはいかがでしょうか。よろしゅうございますでしょうか。
 それでは、この件については以上とさせていただきたいと思います。宮園先生、ありがとうございました。
 それでは次に、ナノテクノロジー・材料科学技術委員会から御説明をお願いしたいと思います。高梨委員からよろしくお願いいたします。
【高梨(弘)委員】  高梨です。よろしくお願いいたします。資料1-3-1、28ページを御覧いただければと思います。ここに当委員会の施策マップが出ております。
 当委員会では、世界に先駆けた超スマート社会の実現に向けて、新たな価値創出のコアとなる基盤技術について強化を図るという大目標の下で、当該分野、ナノテクノロジー・材料分野を支える基盤の強化・活用や、広範な社会的課題の解決に資する研究開発の推進に取り組むということで、ここに示してあります資料にあります5つの事業が進められております。
 本日はその真ん中にあります材料の社会実装に向けたプロセスサイエンス構築事業、ちょうど本年度は中間評価をすることになっておりまして、その結果について御説明を申し上げます。
 ページをめくっていただきまして、29ページは表紙です。30ページがナノ材の委員会の名簿があって、31ページが中間評価検討会の委員名簿がございます。32ページ、33ページに事業概要についてが記載されております。
 革新的なマテリアルを開発し、社会実装までにつなげるためには、マテリアルそのものだけではなくてプロセスが重要だということです。プロセスが違えばマテリアルもまた変わってくるわけで、ただ、これまでプロセスというのはどちらかというと、結構今でも経験とか勘といったところによっていたところが多いわけですが、プロセス上の課題を解決するための学理あるいはサイエンスの基盤の構築で、新たな設計開発指針を生み出していくということが非常に重要だということで、本事業ではそのプロセス技術の部分を深く追求しまして、革新的マテリアルを社会実装につなげるためのプロセスサイエンスを構築しようということがまず第一の目的で、それに加えまして、マテリアルの社会実装の加速に貢献する産学官からの相談先の構築というものにも取り組んでおります。
 34ページに行っていただきまして、御覧いただきまして、これは上は予算ですが、下にございますが、本事業では2つの課題が実際に実施されております。1つは東北大学を代表機関としたナノ材料の界面・構造制御プロセスサイエンス。もう1つは、物質・材料研究機構を代表機関とした全固体電池を実現する接合プロセス技術革新ということであります。
 東北大学の課題では、ナノ材料の分散・凝集・配列の原理を解明し、高機能化を進めるためのプロセスサイエンスの構築を進めております。また物質・材料研究機構の課題では、酸化物型の全固体電池の実現に必要不可欠な固体界面乾固を確立する整合プロセスのサイエンスの構築に向けた取組をしております。
 37ページに移っていただきまして、ここからが評価結果、中間評価票になっております。
 上の方は既にお話ししたことと重なりますので、37ページの下の方に行っていただきまして、アウトプット指標、アウトカム指標として、プロセスサイエンス構築により獲得されたプロセス・構造・物性の相関の件数というものを挙げております。これが一つ特徴的なことです。
 次の38ページにまたがっていますが、査読付論文数、これは一般的ですが、それから加えて産学官からの相談件数というようなものも指標としております。こういった指標に関しましては、着実に件数を伸ばしてきているところでございます。
 38ページ、課題の進捗状況の記載がございます。まず進捗状況というところを説明しますと、東北大学のナノ材料界面・構造制御プロセスサイエンスに関しましては、ナノ粒子を疑似分子に相当するとみなして、化学工学の視点から解析を行うという優れた手法を用いて、未知のナノ粒子の物性推算が可能になるということなど、新しい学理につながるような具体的な成果が得られておりまして、新たな理論体系が構築されつつあります。
 また、個別事例の情報をメタデータ化して解析に取り組む実績や、あるいは化学工学便覧に掲載可能レベルの実績も得られておりまして、高く評価されます。
 さらに、産学官からの相談先の構築状況につきましても、産学官からの相談件数、コンソーシアム等の参加企業数等も十分ありまして、ナノ粒子の社会実装を支援するために設立した企業コンソーシアムでは、産学官が交流する仕組みが構築され、課題が着実に推進されていると評価しております。
 次の39ページに行きますと、物質・材料機構の全固体電池を実現する接合プロセスの進捗状況ですが、こちらも、高度な分析技術から計算科学シミュレーション技術に至るまで、焼結セラミックスの界面現象を総合的に解明するためのツール開発が順調に行われるなど、プロセスサイエンスの構築に向けて取組が着実に進んでおります。
 また、産学官からの相談先の構築状況におきましても、代表機関が進めている企業コンソーシアムであるMaterials Open Platformとの連携も進展しておりまして、他の関連国内主要プロジェクトとも連携を取るなど、産学官が交流する仕組みが構築されています。
 これらに加えまして、2つの課題ともにプロセスデータの収集に向けた体制構築も進められるなど、成果創出に向けた取組が順調に進んでいると評価しております。
 次に40ページからでございますが、こちらから評価になります。必要性、有効性、効率性、それぞれの観点からの評価です。
 40ページが、まず必要性に関してですが、本事業はマテリアルを社会実装につなげて我が国のナノテクノロジー・材料分野の研究力・産業競争力を維持・向上させていくために非常に重要な取組だと考えています。ナノ・材料・デバイスにわたる、学理から社会実装までを視野に入れた、産学官が連携する体制を構築するこのような取組は海外でも余り見られておりませんで、独創性が高く、我が国の国際競争力を維持・強化する上での必要な事業であると評価しております。
 次の41ページに参りますと、有効性でございますが、産学官連携体制が十分機能した上でプロセスサイエンスの構築が進められておりまして、社会実装に向けた課題も可視化され、新しい学理につながる成果も生まれているというところでございまして、有効性は高いと評価しています。
 また、新たな学理の創出は研究者に新たな刺激をもたらしまして、新しい学術創生に若手の研究者が携わるということの将来的な波及効果という観点でも有効と評価しております。
 42ページですが、最後に効率性でございます。代表機関、分担機関、連携機関及びコンソーシアムが一体となって研究を進めておりまして、効率的な事業運営がなされていると思われます。それに加えまして、産業界からの資金導入や若手研究者の参画など将来を見据えた取組も順調に進んでおりまして、効率よく事業が進んでいると評価しています。
 42ページ、その下になりますが、まとめですが、これらを踏まえまして、本事業は継続するべきであると考えております。
 さらに、次のページにまたがっておりますが、マテリアルに関わる諸分野に通底する学理の構築に向け、他の課題へ対応すべく拡大することが望ましいということで、公募時の提案件数が非常に多くて採択率が8%であったということも考えますと、現在の2課題のみではやはり十分とは言えませんで、より広範な分野で本事業は推進されていくべきだと考えております。
 以上でございます。
【岸本分科会長】  御説明ありがとうございました。
 それでは、皆さんの方から御意見、御質問ございますでしょうか。いかがでしょうか。
 五十嵐委員、お手を挙げていただいているでしょうか。
【五十嵐委員】  五十嵐です。またよろしいでしょうか。
【岸本分科会長】  お願いいたします。
【五十嵐委員】  御説明ありがとうございます。1回目の中間評価ということで、既に様々な成果が出ていて順調に進んでいるということで、すばらしいと思いました。
 その上でなのですが、せっかく中間評価をやるので、ここで継続は継続として、更に発展させていくべきところ、見直すべきところがあったら、よりよくしていくのかなと思うのですが、それで1点目は、御説明があったように更に物質・材料全体を見て、2つだけでなく広げていかれるというお話があったのですが、もう1つ、こちらに書かれておりますデータサイエンスとのことが触れてありますので、特にこの物質・材料というのはほかの分野ともいろいろ関係があると思うのですが、特に情報科学の分野との融合とかそういったあたりは、既にやられているとは思うのですが、今後どういった展望をお持ちなのか、計画があれば教えていただきたいと思いました。
【高梨(弘)委員】  情報科学の分野との連携ということですね。データサイエンスについてはかなりいろいろな意味で推進はされていると思いますが、特に情報科学分野との連携という観点、これは、事務局の小川参事官補佐が来られているかと思うのですが、コメントいただけますか。
【小川参事官(ナノテクノロジー・物質・材料担当)付参事官補佐】  ナノテクノロジー・物質・材料担当の参事官補佐をしている小川と申します。本日はどうぞよろしくお願いいたします。
 今、五十嵐委員から、マテリアル分野、特にプロセスサイエンスの構築が今後発展していくに当たり、情報科学分野、デジタル、及びサイエンスとの融合に関する現在の取組と、今後どうするのかをお聞きしたいというお話があったと思います。
 東北大学などは、データのプラットフォームを自らつくって、それを活用して企業からの相談に乗っているところです。企業側も、なかなかみなさんデータを出しにくいので、それを匿名化してデータをためており、これを今後データサイエンスに使っていこうという動きも当然ございます。こうして各企業から出てきたデータは様式がばらばらな部分もありますので、必要な項目を合わせて、データの構造化をしていくという取組を今後進めていくというところになってございます。
 いずれにしましても、3年目でデータも少しずつ集まり、コンソーシアムで相談件数も増えてきているため、よりよいサイクルでデータを集める際に情報科学の知見もそこで確実に必要になってきますので、正におっしゃったような方向性で今、発展させていくことを考えているところでございます。
 以上でよろしいでしょうか。
【五十嵐委員】  ありがとうございます。この委員会でも、分野融合は大事だという議論をずっとやっておりますので、是非先駆けとしてやっていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
【岸本分科会長】  それでは次に春日委員、その後明和委員、お手を挙げてくださっているので、質問を続けてお願いして事務局等にお答えいただくということにしたいと思います。
 まず春日委員からお願いいたします。
【春日委員】  ありがとうございます。春日です。プロセスサイエンスということで大変斬新なことを中核として進めていらっしゃることはよく分かったのですが、大目標として、その結果としてどういう社会に貢献したいのかという中に、超スマート社会ですとかSociety 5.0との関係が書かれています。
 国際的にもこの材料科学の方たちは持続可能な社会への貢献ということを大変強くうたっていらっしゃると思うのですが、超スマート社会もSociety 5.0も関係するとは思うのですが、持続可能な世界、またSDGsへの貢献ということも、今後の後半の研究の中で考えていただけるといいのではないかなと感じました。もしもそういう議論があるようでしたら、是非継続していただければと思います。ありがとうございます。
【岸本分科会長】  続けて明和委員、手を挙げてくださっていると思いますので、御質問の方、先にお願いいたします。
【明和委員】  明和でございます。御説明ありがとうございます。門外漢なので教えていただければと思うのですが、プロセスをサイエンスにしていくということは、例えば半導体での様々な困難もありましたように、やはりオールジャパンでそのプロセス自体を共通化していくということが大変重要だと思うのですが、例えば私のような素人から見ますと、JSTのCOIであるとか、様々な類似のプロジェクトが幾つかあるように思います。今後、中間評価を終えた上で、今後発展していくという点において、そういった様々な大型プロジェクトとの融合、あるいは知識の共有といったことを踏まえて、オールジャパン体制を更に強化していくといったようなことというのは、お考えはあるでしょうか。
【岸本分科会長】  ありがとうございました。2つのポイントについて御質問がございましたが、いかがでしょうか。
【高梨(弘)委員】  じゃあ簡単に私の方からお答えして、また事務局の方に更に補足をしてもらえればと思います。最初の、持続可能社会といったものへの貢献というのは、これは当然考えておりまして、そもそも今の2つの課題というのは、例えばエネルギーとか環境といった問題とも切り離せないテーマでございますので、当然そういうところへの波及効果というのはあると思いますし、常にこれは意識されていることでございます。
 それから2つ目が、いろいろなほかのプロジェクトとの融合ということですね。プロセスというものに着目したのは今回非常にユニークな事業だと思いますが、確かにマテリアルに関してはいろいろな事業がありますので、先ほどもちょっと言いましたが、データ集積とかそういうような観点で、特にやはりNIMSが中心となって、いろいろなものが融合して連携していくということはございますが、もうちょっとこれ、詳しく、具体的なところの御説明は事務局の方にお願いできると有り難いです。
【小川参事官(ナノテクノロジー・物質・材料担当)付参事官補佐】  御質問ありがとうございます。カーボンですとかSociety 5.0といった社会課題への対応、またプロセスを中心としたデータの国家プロジェクトとの連携といったところについての御質問だったと理解しております。
 1件目については、今、高梨主査の方からも御説明いただいたところですが、この事業自体も、ナノ粒子と全固体電池ということで、正にカーボンニュートラルにつながります。一方で、こうした電池につきましても、新しい材料が見つかってもプロセスを最適なものに合わせていくというのは非常に時間がかかるといった課題もございます。プロセスサイエンスを通じて、こうしたところがカーボンニュートラルやSociety 5.0といった課題にもつながることを常に意識してしっかり進めていこうかと考えてございます。
 また、もう1点のデータ、特にプロセスデータのところ、ほかにも事業があるというお話でした。プロセスはおっしゃるとおり、個別のプロセスによって個別のデータが出てくることもかなりありまして、なかなかデータがばらばらであるところはあるのかなと思います。一方でマテリアルデータにつきましては、今、高梨主査の方からお話がありましたように、NIMSが日本全国のデータを同じような形式でそろえていこうという取組をしています。プロセスについては、次にこれはやっていくべきだと考えてございますし、文科省の枠組みを超えまして、経済産業省におきましても産総研がプロセスイノベーション拠点を、セラミック、触媒、またバイオ材料を中心につくっていこうという大きな取組があります。私どものこのプロセスサイエンスの取組よりも3年早く進んでいるところではございますが、ここで出た知見をこれから始まるような大型の研究開発、またプラットフォーム形成の方にもつなげていけるように、経済産業省とも連携してしっかり進めていきたいと考えてございます。
 以上でございます。
【岸本分科会長】  ありがとうございます。
 水澤委員、お手を挙げられたと思いますけれども。
【水澤委員】  ありがとうございます。御発表ありがとうございました。後半の方で、企業との連携がうまくいっているというふうにおっしゃっていたと思うのですが、創薬とか、先ほどございましたが、その領域ではなかなかそれがうまくいかなかったものが、AMED等ができてうまくいくようになったと。いろいろな工夫を行って発展していると思っているのですが、物質の方では、そこは何か特別ないろいろな仕組みを考えてやっていらっしゃって、うまくいっているのかどうか。
 先ほど、これも最後の方にありましたが、今後の発展ということを、2つの課題だけではなくもっと多くの方に発展させるといったことを考えたときに、やはり企業の参加というのは非常に大きな力だと思いますので、ひとつ御質問させていただきました。いかがでしょうか。
【高梨(弘)委員】  ナノテクノロジー・材料全体でというとなかなか難しいかと思うのですが、やはり個別、ある程度分野ごとにということになるかと思いますが、少なくとも今回の課題の中で東北大学がやっているナノ粒子のものは、企業コンソーシアムができていて、そういう形で産学官連携というのは非常に進められていると思います。
 また、NIMSがやっているものに関しては、NIMS自身がMaterials Open Platformというのをつくっていますので、こういったものと連携してやっていくという形で、それぞれの形で進めているというのが、現実の姿かなと思います。
 これも事務局から、また更に補足がありましたらお願いしたいのですが。
【小川参事官(ナノテクノロジー・物質・材料担当)付参事官補佐】  今、高梨先生がおっしゃったとおり、それぞれの形がこの事業の中でもあるかなと感じております。
 東北大学とNIMSでアプローチがそれぞれ全く同じかというと少し違いまして、東北大学の方はナノ粒子ということで、比較的出口がいろいろとあるという中で、いろいろな企業とのコンソーシアムをつくっています。先ほども御指摘がありましたが、データサイエンスをどう取り入れていくかというのも、これはいろいろな企業でも非常に高い問題意識を持っているようです。例えば、先ほど申し上げたとおり匿名化ですとか、データの取扱いのところを上手くやることによって、企業側が参画するバリアを下げていくというところは、東北大学の方はうまく回しているかなというふうな御意見もありました。
 また、NIMSの方では全固体電池の研究開発ということで、NIMSは電池のみならず、科学ですとかほかの分野におきましてもいろいろな企業とそもそも連携しているところでございますので、こういった常々ある連携の基盤を上手くこちらの事業にも生かしているというところです。それぞれ試行錯誤しながら進めているところではございますが、今申し上げたような取組を進めているところでございます。
【水澤委員】  ありがとうございました。現在動いているシステム、取組というのでしょうか、それを発展させる形でよろしいというふうに理解いたしました。ありがとうございます。
【岸本分科会長】  ありがとうございました。まだ御質問あるかもしれませんが、予定の時間を大分過ぎましたので、この辺りにさせていただきたいと思います。
 以上で、議題1の全ての研究開発課題評価の審議案件の説明が終了いたしました。個別に御質問いただいておりますが、全体的にいかがでしょうか。御審議いただきましたこの評価案ですが、今の質疑をした状況を見て、変えた方がいいとかそういうところがありましたら御指摘いただきたいと思いますが、御質問の範囲では、特にこの評価票を修正するということではないように思いますが、よろしゅうございますでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
【岸本分科会長】  ありがとうございました。そうしましたら、本分科会として、この内容で評価票については決定させていただきたいと思います。ありがとうございます。
 それでは、議題の2に進ませていただきたいと思います。議題の2は「第11期の活動について」です。
 初めに、丸1になりますが、分野別研究開発プラン、仮称でございますが、それと分野別研究開発プログラムについて、事務局から説明をお願いいたします。
【佐野科学技術・学術戦略官】  事務局の佐野でございます。説明をさせていただきます。資料2-1-1を中心に説明をさせていただきます。
 この研究開発プラン、仮称と今申し上げたのですが、これは4月の第76回本分科会、期の一番初めの分科会のときに、前期の引継ぎというふうなことでこれまでの議論を紹介させていただいているところでございます。
 これまでの経緯ということで書かせていただいておりますが、まず国の大綱的指針、それから文科省の研究開発に関する評価指針を踏まえまして、研究開発計画というもの、これは本日の参考資料4に添付させていただいておりますが、この研究開発計画というものの中に、研究開発プログラムの評価のやり方というのが記載されているものでございます。
 参考のところ、下のところに少し書かせていただいておりますが、この研究開発計画といいますのは第5期の科学技術基本計画の第2章、3章に関する研究開発に対応するために作成したというものでございます。それから、この計画といいますのは、これまでの効果的なフォローアップの実施が可能となるように、文部科学省の政策評価の体系に似せた構成ということで策定されたものでございます。
 この計画に基づきまして、前期の第10期の本分科会におきまして試行的な取組を行ったところでございますが、実際に試行をしたところ、このプログラムの評価は困難を伴うというような意見が出されたことを踏まえまして、この第10期の分科会におきまして、去年の夏のあたりでございますが、新たな仕組みということで、分野別戦略・計画の策定を含む新たな仕組みの提案をさせていただいたところでございます。
 そして、それぞれの委員会に対しまして2つの視点、分野別戦略・計画の策定、それからEBPMのベースとなるエビデンスと分野別戦略・計画プログラムの関係についてということで、意見照会を行わせていただいたところでございます。
 その結果につきまして、おおむね理解が得られるというのが本年の1月、前期第10期の最後の方のまとめのところで認識がされたところでございますが、分野共通的な課題等については引き続きの議論が必要とされたということで、この第11期の分科会に引き継ぐこととされ、4月に説明をさせていただいたところでございます。
 これがこれまでの経緯となってございます。次のページに移らせていただいて、これを踏まえまして、具体的にこれからどうしていこうかということにつきまして、本日、案を御提示させていただいております。
 大きく、基本的な考え方といたしまして3つ、ここに書かせていただいております。
 まず1つ目の考え方でございますが、過去にも少し御説明をさせていただいたかもしれませんが、現在、内閣官房等におきまして、政府全体の戦略計画というのがいろいろ策定されているという状況でございます。その中で、文部科学省といたしまして、分野ごとのまとまりで実施する推進方策というものを、「分野別研究開発プラン(仮称)」とさせていただいておりますが、として取りまとめてはいかがかということでございます。
 このプランがまとまりましたら、「研究開発計画」、これは第5期基本計画に基づいているものでございますので、廃止をするということではいかがかと考えてございます。
 この分野別研究開発プラン(仮称)につきましては、現行の研究開発計画と同様に、文部科学省の政策体系に可能な限り沿ったものとして策定してはどうかと思ってございます。後ほど記載例を御説明させていただきます。
 3つ目といたしまして、この研究開発プラン(仮称)におきましては、研究開発計画、研究評価の体系における達成目標の任意の単位というものを研究開発プログラムとして評価を行ってはいかがかということを考えてございます。
 下の方に、参考といたしまして文部科学省の政策体系を少し記載させていただいております。例えば右側の施策8-3というところがございます。オープンサイエンスとデータ駆動型研究の推進という施策目標でございます。この中に、例えば達成目標ということで情報科学技術分野につきましては2つの目標が掲げられているところでございます。この目標を1つといたしまして、プランとすると。そして、その達成目標、これは幾つもあるものが、分野によっては、情報については例えば2つあると。それから少し下に行きましてライフサイエンス関係ですと現在のところ5つあるように見えておりますが、この中の任意の単位というのを、1つかもしれませんし複数かもしれません、そこは運営によっていろいろお考えがあるかと思いますので、そこをそれぞれ決めていただいて評価を行ってはどうかという御提案でございます。
 具体的に、少しどういうフォーマットなのかというのを見ていただいた方が、よりイメージがつかみやすいかと思いますので、フォーマット案といたしまして、資料2-1-2の方で、これにつきましては例えばということでございますが、○○分野研究開発プラン(仮称)フォーマット案としております。
 大きく分けますと、1ポツといたしまして大目標というものを書かせていただいております。それから、その中のプログラム名ということで、○○分野研究開発プログラムということでございまして、それぞれ政策評価におきまして記載をされている内容につきまして、例えば転記のような形で、余り労力をかけないような形で書類を作るということをしてはどうかと思ってございます。
 この上位施策ということで、例えばほかの、先ほど申し上げましたような政府の戦略・計画があるような場合はその計画を記載いただいて、関連するところにつきまして抜粋するようなイメージでおります。
 次のページでございます。先ほどからいろいろ御説明を頂いている中で、施策マップのようなものがあったかと思いますが、そういうものを使いまして、この研究開発プランのプログラムにつきまして、より分かる形にしてはどうかと思っておりまして、○ということで、重点的に推進すべき取組と該当する研究開発課題、それから指標というものを、この施策マップのような形の中により入れていくというようなことで行ってはどうか、策定してはどうかと思ってございます。
 多分、なかなかイメージがつきにくいと思いましたので、次のページでございます、これは分科会の私たち事務局で作成したものでございまして、これがこのままそうであるということではなくて、あくまでもイメージということで策定をしているものでございます。 例えば、これはナノテクノロジー・材料科学技術ということで書かせていただいておりますが、大目標というようなことで、施策目標の中に書いてあるような記載をここに概要として記載すると。それからプログラムにつきましても、達成目標の中身につきまして記載をするということで、上位施策として、例えばでございますがマテリアル革新力強化戦略というものを記載の上、具体的に関連するところを書いていくというようなイメージ。それから、その次のページで、具体的にナノテクノロジー・材料科学技術の、文章は完全ではないのですが、入れているようなイメージのものでございます。
 これと、次の資料2-1-3でございます。こういうもののプランにつきまして、プログラム評価というわけではないのですが、全体を1つのプログラムとして、プログラムごとにそれぞれの課題の状況というのを集めて、年に一回モニタリングのようなものをしていくということを行ってはどうかと考えております。
 例えば、様々な指標があるのですが、申し上げましたように、例えば政策評価の中にも指標を置く必要があるものがございます。それから行政事業レビューの中でも、測定指標等、それぞれ記載することになっているようなものがございます。そういう既存の指標を課題ごとにあるものをまず集めていくと。それをそれぞれの分野で1つのものにしていき、例えば特記事項のようなもので少しコメントを入れていくというようなことを年に一度やっていくというような形を取ってはどうかと考えているところでございます。
 また資料を戻っていただきまして、資料の通し番号でいうところの48ページでございます。今、御説明をさせていただいたようなことを少し書かせていただいておりまして、これからの進め方ということで、このプラン(仮称)をまず策定するとさせていただいておりまして、例えば8月に開催されるこの分科会で、このプランを今後決定していくと。それから、そのプログラムの評価ということで、プログラムごとに政策評価における測定指標、それから行政指標レビュー等、アウトプット指標、活動指標等々の測定指標、その他適当と思われるような指標につきまして、全体を把握して報告をするということで進めてはどうかと考えてございます。
 いろいろ我々の中で議論していく中で、新たな評価ということで、評価の負担軽減という話をいろいろな書類とかでも言われることがあるかと思うのですが、その対応策として、次のページでございます。研究開発課題評価の負担軽減策案ということで御提案をさせていただいております。
 こういうプログラム評価をもし行うことになりましたら、現行の文科省の評価指針の中に少し書かれているものでございますが、研究開発課題の実施期間が5年程度で、終了前に事後評価が実施される場合、事後評価をする研究課題につきましては、研究開発計画等の変更がない場合におきまして、毎年の実績報告等により中間評価の実施に代えることができるという記載がございます。そういう意味では、これに合致するような条件になりました場合、現在行っているような中間評価は、こういうプログラム評価を行うことによって課題の中間評価を省略するということも、負担軽減としてできる措置なのかということを考えているところでございます。
 次に、資料2-1-4の方を見ていただければと思います。通し番号61ページでございます。
 ここに示させていただいているのは、御提案させていただいている分野別研究開発プラン(仮称)と、政府全体の戦略との関係ということで資料を作らせていただいております。
 右側が今回御提案をさせていただいている分野別の研究開発プラン(仮称)というようなものでございます。例えば、ここに書いてあるナノテクノロジー・材料科学技術とかライフサイエンスというようなものがございますが、左側を見ると政府全体の戦略として、我々の中での概念図でございますが、幾つかの政府全体の戦略がある中で、分野におきまして、この研究開発プランというもので一つ活動を、全体を把握すると、そしてその下にプログラムというものを位置づけていくという形で、分野ごとの活動を全体を把握していくということができるのかと思っているところでございます。
 このメリットといたしまして、少し下に書かせていただいておりますが、プログラムごとに毎年度フォローアップを行うことによりまして、研究開発課題の中間評価を省略していくということ、それから、文科省内で行っている分野別の研究開発の活動が整理されるというメリットがあるのかと思っております。それから、分野ごとに活動の状況が俯瞰でき、当該分野の活動改善のための学びとなるというメリットがあるかと考えているところでございます。
 次のページでございます。この研究開発における対象の分野と内閣府の戦略・計画との関係ということで、こちらに記載をさせていただいています現行の研究開発計画の分野というのが「情報」以下の分野でございまして、研究開発計画の構成といたしましては、大目標、中目標、それから中目標達成の指標等々というものが書かれているところでございます。現在は、研究開発計画の中目標における重点すべき研究開発の取組における具体的な活動といたしましてこの研究開発課題を位置づけ、事前・中間・事後を行っているところでございます。
 その次の、今回御提案をさせていただいた分野別研究開発プラン(仮称)策定後というところでございますが、仮にこのプランの対象分野を今までと同じとした場合でございますが、プランの構成案といたしまして、プログラム、大目標、それからプログラム名、そこには評価のための指標等々が行われること、ら個別の課題名、概要、目標、当該課題の指標等が記載されること、このプランの上位に位置づけられる政府としての戦略・計画というのが記載されるこということを考えているところでございます。
 このプランにつきまして、研究開発について、引き続き事前、場合によっては中間評価が省略されることになりますが、事後評価につきましては引き続きこの分科会で評価を行うということ、それからプログラム評価を仮に行う形にして、毎年度フォローアップを行うということになりましたら、場合によっては課題の中間評価を省略するということにつきましても検討を進めると。
 それから、この研究開発課題の中には、この研究開発の企画・推進・評価を行うということで留意すべき推進方策ということで、例えば人材等々の記載がございます。これは現行のプランの中には今のところ明示的には入っていないという状況でございますので、この取扱いについては引き続き今後検討していく必要があるかと思っているところでございます。
 次に、資料2-1-5でございます。これも今後のスケジュール案ということで御提示をさせていただいております。
 本日、この分科会でございまして、まず、この事務局提案の分野別研究開発プラン(仮称)、それからこのプログラム策定の進め方について御議論いただきたいと思ってございます。
 それからプログラム評価、先ほどお見せしたものは、これはあくまでも素案でございまして、一例ということで考えているところでございます。
 本日いろいろ御議論を頂きまして、もし、ある程度、その下の分野別の委員会で議論してもよろしいということになりましたら、この分野別委員会、それぞれの委員会におきまして、このプラン、それからプログラムの策定の進め方について御議論いただくということ、それから評価の、これはあくまでも素案としてのフォーマットについては、よろしければ御紹介を頂くと。
 その議論が仮にまとまりましたら、この次の分科会の方に持って上がり、通常であれば冬あたりに開催することになるかと思いますが、このプラン(仮称)、それからプログラムの策定の進め方について決定し、それからプログラム評価につきましての今後の進め方、フォーマットにつきまして、また御議論いただくと。
 その後に、実際にそれぞれの分野別の委員会で、プラン、それからプログラムを策定いただき、場合によっては政府全体の戦略・計画がないというような場合もあるかもしれませんが、その場合には、それぞれにつきまして分野別委員会等で策定を頂くということになるかと思います。
 最終的に、来年の8月を目指して、このプラン、それからプログラムを決定するということで、それを踏まえましてプログラム評価を試行的に実施をしていくという形として、今後のスケジュール案を提示させていただいているところでございます。
 これまで、プログラム評価につきましてはいろいろ御議論があったところでございますが、過去にも非常に業務量の観点から難しいようなところもあったということも聞いておりますので、今回は可能な限りシンプルな、簡単なやり方を御提案させていただいて、まずは全体を俯瞰していくという形をスタートすることで、プログラム評価を開始してはどうかという御提案でございます。
 説明は以上になります。
【岸本分科会長】  ありがとうございました。
 それでは、ただいま御紹介いただきました内容について、ちょっと時間が押していますので20分弱ぐらいを目安にお願いしたいと思いますが、本日は分野別研究開発プラン及び分野別研究開発プログラムの策定とその評価ということで、これまで行ってきた研究開発計画を立てていくというのと、この評価のところのやり方を多少新しい形にしようという御提案ですので、そういった進め方でよろしいのかということと、最後にスケジュールについてお示しいただきましたが、本日のこの御紹介がキックオフということで、この後、それぞれの分野のところでも御議論いただいて、内容を精査してきちんとしたものにしていこうという流れだということでございますので、こういった進め方でよろしいかどうかについてもコメントをいただければと思います。いかがでしょうか。
 お二人の方からお手が挙がっているということでよろしいでしょうか。
 まず高梨委員、お願いいたします。
【高梨(千)委員】  高梨千賀子です。御説明ありがとうございました。全体的な総論でOKだと私は思っているのですが、2つばかり確認させていただきたいことがございます。
 プラン、そしてプログラム、そして課題ですね。従来のやり方と異なるのは、このプログラムという、幾つかの課題を集めた形のプログラムというのが今回新しく挿入されるという認識でいるのですが、それは間違いないでしょうかということです。
 それから、このプログラムをつくるに当たって何らかの指針というのが必要になってくるかと思うのですが、それは何か文科省として考えていることがあるのかどうかというのをお聞かせください。よろしくお願いいたします。
【岸本分科会長】  ありがとうございます。続けて、すみません、原澤委員からも手が挙がっているので、先に御質問をお願いしたいと思います。
【原澤委員】  原澤です。2件質問です。全体的には、評価疲れを解消するいいプランだと思うのですが、例えば研究開発プランのフォーマット案があって、いろいろな既存の施策等々の項目が入ってくると思うのですが、多分この後の議論になると思うのですが、例えば環境エネルギー科学技術委員会でも、環境エネルギー科学技術の今後の方向性みたいな議論をしていく、いわゆる戦略についての議論などもこういったところに入るという理解でよろしいのでしょうか。あるいは、事務局レベルでつくられて、それがいわゆるプランという形になるのかどうかというのが1点目です。
 それと、プランを毎年フォローアップするということで、その分、5年の課題につきましては中間評価はなくてもいいということで、これは非常に有り難い面が研究者サイドにはあると思うのですが、研究開発プロジェクトのマネジメントからすると、5年間、野放しというとあれですけど、やはり中間評価的なものをしっかりやった方が、全体として5年がうまくいくようなところもあると思うのです。研究プロジェクト等にもよると思うのですが、その辺の兼ね合いだと思うのですが。
 それで、2番目の質問は、毎年のフォローアップというのは、誰がどういったデータを使ってされるのかというので、ちょっとそこを教えてください。
 以上2点です。
【岸本分科会長】  そうしましたら、お二人の方の御質問について、御回答があればお願いしたいと思います。
【佐野科学技術・学術戦略官】  ありがとうございます。まず高梨先生からの御質問でございます。この研究プログラムをつくるための指針というものでございます。資料の通し番号46ページの方を御覧いただければと思います。
 ここで記載させていただいております、こちらは概念図になってございます。プログラムにつきまして、御質問のとおり、これまでプログラム評価をやった方がいいのではないかということで、各種指針等に記載されていたところでございますが、おっしゃるとおり、プログラムをどの固まりでやっていくのかというところがなかなか難しくて、過去にこの研究計画・評価分科会で行ったプログラム評価につきましては、一案として中目標レベルをプログラムとして扱って評価をすることで評価を行ったというところでございます。
 今回も、プログラムという固まりをどういうふうに扱っていくのかというところでいろいろ悩んだところでございます。今回提案をさせていただいているプログラムの固まりというのが、例えば8-3にあります、この右側に達成目標というものがございます。これは文科省の政策評価を行う中で達成目標という項目がございまして、この中に具体的にどういうものが目標であるというふうな簡単な文章が書いてあるというものでございますが、この達成目標レベルを任意の単位といたしまして評価を行ってはどうかというものでございます。
 この達成目標は過去に、現行も生きております研究開発計画の中を見てみると、先ほど申し上げました、過去に行おうとした中目標レベルというのが、ほぼこの達成目標のレベルに近いものというふうに認識をしておりまして、同じようなレベルで、固まりとして評価を行ってはどうかということを考えているところでございます。
 それから、先ほどのもう1つの質問でございます、現在委員会で御議論いただいている戦略などがこの中に入らないというところがございます。ちょっとそこは実は悩みどころでございまして、これは若干、プログラム評価を行っていくということを念頭に記載をしているものでございます。
 多分、考え方は2つあるかと思いまして、このプランの中に入れ込むという考え方が1つです。もう1つは、今回はプランというものはなるべくシンプルにするということで、逆に言うと、別のフォーマットなり別の紙なり戦略という形で策定するというような形の、どちらもまだ議論としてはオープンかと思っているところでございます。
 これでお答えさせていただいたことになりますでしょうか。
 以上でよろしいでしょうか。
【原澤委員】  原澤ですが、フォローアップ、毎年は、誰がどういうデータを使ってやるのか、簡単に。
【佐野科学技術・学術戦略官】  失礼いたしました。今考えているのは、今回の課題評価と同様に、それぞれの委員会におきまして、通し番号の59ページ、これは一つのイメージということで、フォーマットを多少なりとも中身を入れさせていただいたものでございます。
 それぞれの委員会で、ここに例えば目標というものを仮に入れさせていただいているように、具体的に、例えば活動指標とか、いろいろな現在ある指標などがあるかと思いますので、そういう既存のデータなどを見ていただき、データを集めていく、そして、それぞれの分科会で全体の把握をしていただく、それを年に一度、本分科会の方に報告をしてフォローアップをしていくというようなことを考えているところでございます。
 そういう意味では、現行の指標というのが、フォローアップをしていくという中で、これは既にある指標を取りあえず集めていくということを一つ提案をさせていただいているところでございまして、先ほどおっしゃったような中間評価の方がより実効的だというところはもしかしたらあるかもしれません。そこは逆に言うと、中間評価を必ず省略しないといけないというわけでもございませんので、そこは全体の中で、どういう形がそれぞれの課題なり分野全体を把握していくためによろしいのかということは、いろいろとまたバランスを見ながら議論していくということかと思っております。
【岸本分科会長】  よろしゅうございますでしょうか。
 それでは、ほかの委員の方々から御質問、御意見等ございますでしょうか。
 それでは、林委員からよろしくお願いいたします。
【林委員】  なかなか難しい話だなと思っていますが、まず非常に単純な話として、「研究開発プラン」と「プログラム」という2つの言葉を使っていますが、基本的には単位は同じですよね。分野、例えば例に挙がっているナノテクノロジー・材料科学技術だったら、ナノテクノロジー・材料科学技術というレベルでプランをつくり、プログラムをつくると、そういう理解でよろしいですか。複数の言葉が同じものを指しているように見えて分かりにくかったのが、まず1点質問です。
 その上で、私はたまたま今、文科省の政策評価の委員もやっていて、正にここに出ている、例えば59ページにナノテクノロジー・材料科学技術の例があって、丸1、丸2、丸3というのがここの研究計画・評価分科会でいうところの研究開発課題に当たるものですよね。
 それで、その指標というのが上がっているのって、これは政策評価でも出てくるのと同じようなものだと理解していますが、問題なくというか、動いているかどうか、そのぐらいが分かるくらいの指標なのです。
 例えば丸3に元素戦略プロジェクトと書いてあって、元素戦略プロジェクトから出ている論文数が書いてあるわけです。それは、始まれば次第に論文数が増えてくるのは当たり前の話で、終わりかけで予算が減ると減っていくという。だから、動いているというのが分かる程度なのです。
 実際、政策評価の委員会にもこういう指標が出てきて、動いているのは分かりましたと。ただ、それ以上の議論はほぼ無理なのです。恐らく、この政策評価で使っているのと同じ紙を、分野の専門家の先生方に単に提示して終わりというのはきっと無意味であって、例えば元素戦略プロジェクトがうまくいっているかどうかというのを御判断いただかなくてはいけないと思うのです。
 例えば、評価疲れというのは非常によく分かったので、毎年こういう形の様式は出してもらうにしても、例えば毎年ではないにしても定期的に進捗、恐らく今もやっていると思いますけれど、元素戦略プロジェクトがどう展開しているかのプレゼンをしてもらうとか、そういうことはしてもらうことになると思いますし、そういうのを経て毎年、あるいは隔年でも結構なのですが、やはり単にこういう数字を出して終わりですではなくて、この数字を毎年トレースして、そして時々そうやって元素戦略プロジェクトの展開状況をPOの先生とかから報告いただいた上で、ある程度これまでの実績と課題点の簡単なまとめを分野別の委員会でしてもらうとか、そういうものをもってプログラム評価とした方がいいのではないかと思います。
 今までの研究開発課題の中間評価が多数あって大変だというのもよく分かりましたので、例えば文科省の担当の課が一生懸命作文をして、何か文章を何ページも作らなくてはいけないとか、そういう作業はばかばかしいとしても、やはり元素戦略プロジェクトが今どう動いているのかというのを報告してもらって、その分野の先生方が議論して、その議論のある種レジュメというか、議事録で結構なのですが、それを評価書とするような形のものはあってもいいのではないかと思っています。
 それから、同じように、今、個別の事務事業の話を言いましたが、この紙の一番上にはナノテクノロジー・材料科学技術というレベルでの目標が書いてあって、政策評価も同じなのですが、結局、ナノテクノロジー・材料科学技術分野というこの大きな分野の目標がこの2行しかないのです。政策評価とかでも出てくるのは。
 そんなものを見たって何も議論しようがなくて、やはり、そうすると先ほどどなたか先生が言われたように、戦略をつくるというのは当然ながら今もやっていると思いますし、それはこういう研究開発プランという取組の中のものとして考えておくということなのではないのかなと思います。
 なので、政策評価のこの様式埋めをもって何か評価と言うのはもったいないというか、やはり分野の先生方の御判断を頂くという、その作業は何かあってもいいのではないかなと思います。
 以上になります。
【岸本分科会長】  ありがとうございます。
 あと五十嵐委員から手が挙がっておりますので、五十嵐委員、お願いいたします。
【五十嵐委員】  すみません、五十嵐です。私も今の林先生と同じようなことを感じまして、この議論が始まってからずっと違和感があったことが、ちょっと分かってきた気がしたのです。
 この政策評価の体系に合わせるとか、それに沿って計画をうたって、それに評価を行うとあるのですが、確かに、これまでの研究の計画や評価が、国の戦略とかそういったものとばらばらにやられてきたところもあるとは思うのですが、全てがその枠の中でつくって、それでまた評価するというものではないのではないかなと。
 何よりもプランづくりが大事で、分野別のプランづくりのところで、個別の分野の先生方がそれに合った計画を立てていくということが大事で、また、それに合った評価を、政策評価をされている林先生や皆さんの方でもやって、そういうことのキャッチボールをしながらよりよいものをやっていくのであって、こちら側がそちらに全部合わせるというような文脈は少し違和感があります。
 これは意見というか感想です。決してそうではないような方向に持っていけるといいと感じました。
【岸本分科会長】  ありがとうございます。
 あと高梨委員、手が挙がっているのですが、お願いいたします。
【高梨(千)委員】  ありがとうございます。高梨千賀子です。林委員や五十嵐委員が指摘されたことと非常に近いことなのですが、やはりプロジェクトとして、中目標というのを一つの指標単位としてまとめていくということであるならば、中目標というのをここで管理というかチェックする、PDCAをここでも回すというふうなニュアンスの方が私はいいと思いました。
 結局、エビデンスだけ収集して、それでやるというだけだと非常にもったいない。中間評価というものを負担上減らすということであるならば、更にそのマネジメント、そのプランの中での、各委員会の中でのそういう議論というのは必要になってくるのではないかなと。そうじゃないと身にならないというふうに、私も思いました。
 以上でございます。ありがとうございました。
【岸本分科会長】  ほかの観点からの御発言があれば、加えてお願いしたいと思いますが、よろしいでしょうか。
 そうしましたら、事務局の方から今のことについてコメントいただけますでしょうか。
【佐野科学技術・学術戦略官】  ありがとうございます。大変貴重な御意見を頂きましてありがとうございます。
 まず、一番初めのプランとプログラムの部分でございます。プランとプログラム、恐らくものによっては単位は同じになる、ものによっては違うものになるのではないかというのが現在の認識でございます。
 そういう意味では、ここに例として出しているナノテクノロジー・材料科学技術につきましては、おっしゃるように1プラン、1プログラムということになる可能性は高いかなと思っておりますが、例えばライフサイエンスなどは、施策マップも何枚かに分かれていること、それから達成目標も幾つかに分かれているというようなことから、幾つかになっていく可能性もあると思っております。
 ただ、そこは実際に、達成目標の単位というふうなことで御提案をさせていただいているのですが、それぞれの専門分野のお考えもあるかと思いますので、そこは、どの固まりがいいのかというのは、それぞれの分野で御議論を頂いた方がよりよいものになるのかなと思っております。
 それから、先ほどの政策評価との関係でございます。若干でございますが、数値を追うということだけにならないようにということで、少し考慮しております点でございます。
 例えば、通し番号の58ページのところでございます。ここで、それぞれの課題のところの下に、小さいところでございますが、特記事項ということで、当該課題について特筆すべきことがあれば記載という欄を設けさせていただいているところでございます。
 数値だけを追うということではなくて、それぞれの数値を追っていく中で気づきの点等が出てくればここに書いていくというようなことを想定したというところでございます。
 ただ、どこまでどういうふうにフォローをして、毎年の全体のフォローの中で個々のものをフォローしていくのかというところにつきましては、どういう形でフォローアップなり、先生方の御意見を頂くのが、よりよくその課題なり分野全体を行っていくということになるのか、そこが作業の関係というふうなことでかなり悩んで、なるべく簡単な形でということで、今回御提案をさせていただいたというところでございます。
 そういう意味では、より先生方の御意見を入れていくような形というものを、今回の御指摘も踏まえて少し考えていく必要もあるかなと思っておりますが、ちょっとすぐにどういう形がいいのかというのは、また内部で検討させていただければと思います。
【岸本分科会長】  ありがとうございました。ほかに御意見いかがでしょうか。
 皆様から頂いた御意見というか、これはこの形で一つ大枠として考えていくことについてはあるだろうけれども、実際に分野ごとにどういう形で本当にプロジェクトが進展しているのかというのを、もっとエキスパートジャッジメントのような形でやれる仕組みを、これと並行して考えていったらどうでしょうかと。それをまた全体のこの分科会でも、本当にこの分野がどんな形で今動いて、進展していて、こういうところについてはもっと力を入れていった方がいいとか、ここはこういうふうにしていった方がいいというような議論が分野横断的にもできるということを、できるだけ評価のための評価にならないようにしつつ、やっていくのがいいのではないかと、皆さんの意見はそこにあるのかなというふうに受け取りましたので、このフォーマットはフォーマットとして、それをどうするかというのも、分野の中で考え、ここでも考えていくというのをやっていったらどうかなと思いますが、いかがでしょうか。
 事務局としてもどうでしょうか。例えば今、特記事項と書いてあるところについては、例えば簡単な項目でも記述して、参考資料でこんなものがあるなどといって、それをわざわざ形式的に新たな資料として作るのではなくて、その分野で検討したこんな資料がありますとかいうのを付録としてつけていただくとかいうようなことであると、いろいろな形での分野の進展というのが見られるのではないかなということで、今思いつくのは、例えば特記事項のところを備考のような形にして、そういったことを記入していただくというのも一つ方法として考えられるのかなと思いましたので、その辺も含めて、今後考えていくというのはどうでしょうか。
【佐野科学技術・学術戦略官】  ありがとうございます。先生が今おっしゃったような備考にして、それからその年の既存の資料などをつけていくというのは、一つの検討の考え方としてはあるのかなと思います。
【岸本分科会長】  ありがとうございます。そうしましたら、この件については、スケジュールが資料2-1-5で示されていまして、この後、それぞれの分野別のところで御審議いただくわけですが、それぞれのところにお願いするときに、今日出ました意見も含めた形で修正することができれば、そこも含めて御修正していただいて、それぞれのところで、また分野ごとに分野別委員会の方で御審議いただき、そこからまたフィードバックいただいて、どういう形にしていくかというのをこの分科会でも考えていくというような流れでよろしいでしょうか。事務局的にはそれでよろしいでしょうか。
【佐野科学技術・学術戦略官】  はい、結構でございます。
【岸本分科会長】  皆さんも、そういう形で進めていただくことでよろしいでしょうか。あと、それぞれのところのスケジュールについては、事務局の方から相談しながら進めていくということでお任せしたいと思いますが。
 ということで、この件については本格的なスタートは来年度からということなので、また皆さんから御意見いただいて、いいものにしていきたいと思いますので、引き続きよろしくお願いいたします。どうもありがとうございました。
【佐野科学技術・学術戦略官】  ありがとうございました。
【岸本分科会長】  それでは、議題の2の丸2です。「研究計画・評価分科会の活動について」です。
 この案件は、総会から各分科会等に対して、科学技術基本法改正、科学技術・イノベーション基本計画を踏まえた科学技術・イノベーション政策の在り方について、今期どのようなことを御議論いただくかを検討していただき、次回の総会において報告いただきたいということを、総会の方から依頼がありましたので、前回の分科会において、各部会・委員会に検討をお願いしたものです。
 本日は、各部会・委員会からの説明を踏まえて、分科会としての活動を取りまとめたいと考えております。
 そこで、まず各部会・委員会からの説明をお願いしたいと思いますが、時間の関係で、御説明をできるだけ手短にということで、2分弱でお願いできれば有り難いと思います。
 それでは、順番にお願いしたいと思いますが、まず初めに地球観測推進部会からお願いいたします。資料を順番に出していただきますので、こういうものですという形で御説明いただければ有り難いと思いますので、よろしくお願いいたします。
【春日委員】  部会長の春日の方から御説明いたします。資料の66ページを御覧ください。
 まず(1)研究及び開発に関する取組についてです。地球観測推進部会では地球観測の推進戦略を踏まえて、各関係省庁・機関の緊密な連携・調整の下で、地球観測の実施方針の策定と、地球観測の推進に関する重要事項の調査審議を行っています。
 第11期の取組としては、第6期の科学技術・イノベーション基本計画において、STI for SDGs活動の国際展開等の促進を通じた科学技術外交の戦略的な展開を図ることとされていることを踏まえ、地球観測データを活用したSDGsやポストSDGsへの貢献等について審議を行う予定です。
 次に(2)総合知の創出・活用に向けた取組についてです。SDGsやポストSDGsに向けて、地球観測データ・知見と経済学や公共政策、人類学など人文・社会科学分野におけるデータ・知見とを組み合わせ創出される知見を活用し、戦略的な国際間データ連携、データに基づいた新たな施策の可能性などの審議を進めていく予定です。
 ここで、下から2行目に「戦略的な国際間データ連携」と書いておりますが、その例の1つとして、全球地球観測システム――GEOSSといいます、この構築を推進する地球観測に関する政府間会合――こちらはGEOといいます、その枠組みを活用して、国際的な地球観測データの共有・連携を戦略的に進めるための方策について審議しています。
 説明は以上となります。
【岸本分科会長】  ありがとうございました。
 それでは続いて、宇宙開発利用部会からお願いいたします。
【村山委員】  村山です。宇宙開発利用部会について説明させていただきます。
 2つありまして、まず1つ目が各部会・委員会に関する研究及び開発などに関するものです。これは宇宙航空研究開発機構(JAXA)が自らの研究開発プロジェクトについて実施する事前・中間・事後評価の妥当性について調査、審議をいたします。
 また、本部会の下に国際宇宙ステーション(ISS)、それから国際宇宙探査小委員会、調査・安全小委員会、将来宇宙輸送システム調査検討小委員会を設置して、ISSを含む地球低軌道活動の在り方、国際宇宙探査計画の具体的な推進方策、ISSへの物資輸送機の運用に関わる安全対策、ISSに提供する物資に係る安全審査、将来宇宙輸送システムについての考え方、課題、研究開発動向などについての調査審議を行います。
 2番目は自然科学の知と人文社会科学の知の融合である総合知の創出活動に向けたものです。宇宙開発利用の分野における研究開発・人材育成において、産官学の連携の中で、人文・社会科学系の教育現場における宇宙教育コンテンツの活用を促進するとともに、ビジネスの国際展開や国際的な宇宙活動ルールの形成などを牽引する人文・社会科学系の高度な知見を有する人材の育成などにより、総合知の創出・活用を推進していく計画です。
 以上です。
【岸本分科会長】  ありがとうございました。
 続いてライフサイエンス委員会から説明をお願いいたします。
【宮園委員】  それではライフサイエンス委員会から御報告いたします。まず(1)の関係する研究開発についてですが、今年度より始まりました第11期ライフサイエンス委員会では、主に健康・医療戦略等を踏まえました、文部科学省におけるライフサイエンス研究の推進の方向性を議論していきます。また、来年度開始の新規・拡充事業の事前評価や、今年度に事業期間が終了する事業に関する事後評価などについて審議を行ってまいります。
 次のページになりますが、(2)の総合知の創出・活用に向けた取組についてですが、ライフサイエンス分野の事業では、ELSIの解決を推進するプログラムを実施しております。ELSIについては、科学技術・学術審議会、生命倫理・安全部会等の議論も踏まえつつ、研究開発の推進を図ってまいります。
 それから、脳と心の研究推進プログラムでは、情報科学や心理学、社会科学等との境界領域での脳科学に資する研究開発を推進しているように、ライフサイエンス分野の研究開発においては、これまでも人文・社会科学も含めた取組を進めてきました。今後も総合知の創出を目指しまして、様々な人文・社会科学系領域と融合した取組を推進してまいります。
 また、本部会で議論いただいた内容として、オープンサイエンス政策の一環として、日本国内に向けた日本語での情報発信を充実すべきではないかといった意見も出ております。
 以上がライフサイエンス委員会での議論です。
【岸本分科会長】  ありがとうございます。
 それでは続いて、環境エネルギー科学技術委員会からお願いいたします。
【原澤委員】  原澤が報告いたします。まず(1)でありますが、2050年カーボンニュートラル実現目標や各種戦略・計画等を踏まえた、環境エネルギー分野における研究開発の方向性の議論を行うこととしております。また、新規・拡充事業の事前評価、事業期間が終了する事業の事後評価などについての審議も行うこととしております。
 (2)の総合知についてでございますが、こちらも、2050年カーボンニュートラルの達成には科学技術イノベーション、経済社会イノベーションが不可欠でありますので、人文・社会科学から自然科学までの幅広い知見が総合知として必要になってきております。
 このような認識から、人文・社会科学から自然科学までの幅広い知見を活用して、大学等が地域の脱炭素化の取組を支援するため、分野横断的な研究開発を推進する、「大学の力を結集した、地域の脱炭素化加速のための基盤研究開発」を文部科学省が行っているところであります。
 また、地域における大学等の「知の拠点」機能を強化するため、これも「カーボンニュートラル達成に貢献する大学等コアリション」を立ち上げまして、自治体や企業等との連携による先進的な取組や、研究成果の横展開・議論を行っているところであります。
 これらの成果を踏まえまして、総合知の創出や活用に関わる研究開発や体制整備に関する方向性について審議を行うこととしております。
 説明は以上です。
【岸本分科会長】  ありがとうございます。
 続いて、ナノテクノロジー・材料科学技術委員会から説明をお願いいたします。
【高梨(弘)委員】  高梨でございます。御説明いたします。まず1番目の一般的な部分の取組でございますが、第6期の基本計画に加えまして、マテリアル革新力強化戦略というものが出されておりますが、これを踏まえて、ナノテクノロジー・材料科学技術分野の研究及び開発に関する研究の検討を行うということでございます。
 それに加えて、そこに記載されてありますように、今日御議論いただいたプロセスサイエンス構築事業の中間評価、それから元素戦略プロジェクトやナノテクノロジープラットフォームの事後評価、それからまた新規・拡充事業の事前評価を適宜行う予定でございます。
 それから、次のページになりますが、2番目の総合知、人文科学との融合の部分ですが、これはナノテクノロジー・材料にとってはなかなか難しいところではあるのですが、マテリアル革新力強化戦略の中で、今後の取組の方向性の1つとして、カーボンニュートラルやプラスチックごみ問題に関連してサークルエコノミーを実現するための制度の整備や技術の社会実装を進めるということが挙げられています。これらの施策を推進するに当たりましては、自然科学だけではなくて経済学や社会学、工学といった人文科学の知見を生かして、研究開発にとどまらない総合的な取組が必要になると考えておりまして、そういったいろいろ取組を調査検討、そういったところをしていきたいと思っております。
 あと、加えてなのですが、これはまだ具体的なところはなかなか、ちょっと抽象的な文言にとどまっていますが、材料の創成に当たって、材料の見た目であるとか質感とか製品価値といったものに関して、認知科学とか心理学とかデザイン学といったものを取り入れるということが考えられますし、あと文化財科学、文化財の保護とか考古学とか、場合によっては美学といったところに、材料科学やナノテクノロジーというものが積極的に活用できるのではないかということがあります。実際、文化財保護などには使っています。あと、マテリアルのバイオ応用ということに関しては、当然倫理学あるいは社会学的な観点からの検討が必要であるということがございますので、そういったところの連携を検討していきたいというところでございます。
 以上です。
【岸本分科会長】  ありがとうございます。
 それでは続きまして、防災科学技術委員会から御説明をお願いいたします。
【上村委員】  上村でございます。説明申し上げます。まず(1)の研究及び開発等に関するものということですが、今期におきましては、近年の災害の発生状況や国における施策動向等を踏まえた、防災科学技術分野における研究開発の方向性の議論を行うとともに、新規・拡充事業の事前評価や、事業期間の終了する事業の事後評価などについて審議を行います。
 (2)総合知の創出・活用に向けたものということでございますが、防災科学技術分野におきましては、従前より自然科学と人文科学・社会科学の連携によりまして、被害軽減に向けた防災対策等に資する研究開発を推進してきたところでございます。
 科学技術・イノベーション基本計画において、頻発化・激甚化する自然災害に対し、先端ICTに加え、人文・社会科学の知見も活用した総合的な防災力の発揮により、適切な避難行動等による逃げ遅れ被害の最小化、市民生活や経済の早期の復旧・復興が図られるレジリエントな社会を構築するとされていることに加えまして、統合イノベーション戦略2021におきまして、総合知を活用したDX化に係る研究開発課題を検討するとされておりますので、これらを踏まえまして、本委員会におきまして、総合知の創出・活用に関わる研究開発や体制整備等に関する方向性について、引き続き審議を行ってまいります。
 以上でございます。
【岸本分科会長】  ありがとうございます。
 それでは続きまして、航空科学技術委員会から御説明をお願いいたします。
【李家委員】  李家の方から報告させていただきます。航空科学技術委員会では、第6期科学技術・イノベーション基本計画が策定されることを踏まえて、第10期において航空科学技術分野に関する研究開発ビジョンの策定に向けた議論を進め、一昨年、中間取りまとめを行いました。
 その後、コロナ禍を踏まえた状況の変化や、個別の研究開発課題について整理を進め、令和3年度の活動としましては、まず第6期科学技術・イノベーション基本計画等を踏まえ、航空科学技術分野で推進すべき研究開発の方向性等についての議論を行うこと。この議論を踏まえて、航空科学技術分野に関する研究開発ビジョンの最終取りまとめを行うこと。その上で、次期研究開発計画を策定し、その策定した内容については定期的に見直しを行う。以上のことを予定しております。
 また、自然科学の知と人文・社会科学の知の融合である総合知の創出・活用に向けた取組については、今申し上げた航空科学技術分野に関する研究開発ビジョン最終取りまとめに向けた議論等において、優位技術の社会実装に向けた国内外の航空機開発動向、航空会社の経済動向の把握、それから優位技術採用に当たっての国際的な安全基準・環境基準の検討状況の把握といった観点に留意するとともに、航空科学技術に関する個別の技術や研究開発にとらわれず、広い分野からの意見を参考にしながら、SDGsへの貢献や社会への波及効果、次世代モビリティシステムの利活用や交通システム全体の最適化に関する将来のグランドデザインなどにも留意して検討を行うこととしております。
 以上です。
【岸本分科会長】  ありがとうございました。
 それでは続いて、原子力科学技術委員会から説明をお願いいたします。
【出光委員】  出光が説明いたします。第6期の原子力科学技術委員会におきましては、3つの作業部会を設置いたしまして検討いたします。1つは原子力研究開発・基盤・人材作業部会でございまして、こちらの方で原子力分野における研究開発、基盤研究、それから将来の夢のあるもの、これらにつきまして研究開発及び人材育成、この課題について検討していきたいと思います。
 2つ目、こちらが原子力バックエンド作業部会でございます。こちらは研究機関等が保有しております原子力施設の廃止措置についての検討を行います。廃止措置対象、いわゆる負の遺産のように思われがちですが、これを宝の山に変えるべく、研究開発等を進めていきたい、検討していきたいと思います。
 それから3つ目は、核不拡散・核セキュリティ作業部会でございます。こちらですが、核兵器を持っていない国として唯一再処理を認めております日本として、世界的に寄与しているという観点もございまして、核不拡散・核セキュリティ体制の強化に必要な研究開発課題、人材育成の手法について検討を進めてまいります。
 それから(2)に対してですが、こちらにつきましては、もう書かれておりますとおり、原子力に関する必要な研究開発・実証、国際協力をこれまで以上に進めてまいります。
 簡単ではございますが以上でございます。
【岸本分科会長】  ありがとうございました。
 それでは続きまして、核融合科学技術委員会から御説明をお願いいたします。
【上田(良)委員】  上田の方から説明をさせていただきます。まず(1)研究及び開発に関する部分ですが、我が国は国際共同プロジェクトでありますITER計画に対して、欧州連合、米国、ロシア、韓国、中国、インドとともに参画しております。この中で、世界最高水準の研究開発基盤を生かしながら、国際的な分担に沿って、核融合機器の技術開発に取り組んでおります。
 さらに、原型炉に必要な技術基盤を確立するため、欧州との国際協力により、幅広いアプローチ(BA)活動を実施して、ITER計画を補完・支援しております。
 このような研究開発の現状を鑑み、更に第6期科学技術・イノベーション基本計画第2章の中に、下に少し四角の中に書かれておりますが、多様なエネルギー源の活用のための研究開発・実証の推進の1つとして核融合が取り上げられております。
 これに対応して、ITER計画やBA計画の推進方策、技術の多様性確保の観点からの学術研究や革新的概念の研究など、核融合研究の開発を着実に推進するための方策について議論を進めていきたいと考えております。
 特に、本年は核融合原型炉研究開発の進捗状況の確認という目的で、第1回中間チェックアンドレビューを行うことになっておりますので、その点についての議論を進めていくということでございます。
 それから、2番、総合知の創出・活用に向けたものということに対してでは、これまでも核融合に関わるアウトリーチ活動などを推進してきましたが、こうした活動を今期も継続するとともに、いわゆるステークホルダーの方々、これは人文・社会科学の研究者のみならず、核融合に現時点では関わりのない業界を含めた経済界、あるいは中高生を含む幅広い国民層との双方向の対話を広げることで、核融合の社会的価値と社会受容性の向上を図るべく、議論を進めていきたいと思います。特に経済界との対話といいますか、双方向の情報交換などを積極的に進めていきたいと考えております。
 以上です。
【岸本分科会長】  ありがとうございます。
 それでは、最後になりますが、量子科学技術委員会からの御説明をお願いいたします。
【上田(正)委員】  それでは、量子科学技術委員会の11期の活動について、上田の方から報告させていただきます。
 第6期の科学技術・イノベーション基本計画に関しまして、丸1です。各部会・委員会に関する研究及び開発に関するものに関しましては、量子科学分野では令和2年1月に統合イノベーション戦略推進会議の下、初の国家戦略となる量子技術イノベーション戦略が策定され、量子技術イノベーション拠点の整備が進められているところでございます。
 今期の科学技術委員会におきましては、このような最新の政府動向を踏まえまして、主に以下の点について検討する予定でございます。
 まず、量子技術イノベーション戦略を踏まえまして今後重点的に取り組む事項につきましては、丸1、量子技術イノベーション拠点の推進方策について議論をいたします。そして2番目として、拠点内外における量子技術を担う若手研究者の養成や、量子技術を使いこなす高い技術、知識技能を持った量子ネイティブの育成方策、量子人材の裾野の拡大について議論したいと思っております。3番目に、量子分野における国際連携の促進方策についても議論いたします。
 さらに、次世代の計算基盤を見据えた量子コンピューターの将来についても検討する予定でございます。最後に、産業界と連携した社会実装や、企業の担い手となる人材育成に向けた取組についても議論する予定でございます。
 次に、量子ビーム小委員会関連につきましては、我が国全体を俯瞰した量子ビームの施設の在り方について、この2021年2月の報告を踏まえまして、今後の推進方策について検討する予定でございます。
 さらに、次世代の放射光施設の整備状況及び運用に向けた検討につきましても、共用の在り方を含めて検討する予定でございます。
 2番目に、自然科学の知と人文科学の知の融合である総合知の創出に向けましては、自然科学の知と人文科学の知の融合である総合値の創出につきましては、量子技術イノベーション戦略に基づく政府全体の取組の進捗状況等も踏まえまして、本委員会においても適宜検討する予定でございます。
 以上です。
【岸本分科会長】  御説明ありがとうございました。御質問は、次の御説明を頂いた後にお願いしたいと思います。
 続きまして、各部会・委員会の活動を踏まえまして、次回総会に報告する第11期の当分科会の活動について審議したいと思います。
 まず、事務局より報告内容について御説明をお願いいたします。よろしくお願いいたします。
【佐野科学技術・学術戦略官】  分科会事務局、佐野でございます。総会の方に報告する活動の案ということで御説明をさせていただきます。
 現在、先ほど御説明いただいたような様々な活動がある中、総会の方には非常に短い時間で説明をする必要があるということで、かなり短く、コンパクトな形で案を作らせていただいております。
 内容につきましては、まず1つ目のパラグラフでございますが、この第6期科学技術基本計画等がある中で、文部科学省として行うべき研究開発等の計画等について、分科会下等の委員会との連携を取り、審議を進めると、 それから、上記計画等の下で文科省として推進する研究開発課題につきましては、引き続き事前・中間・事後評価を行っていくとともに、これまで議論を進めていたプログラム評価の導入について、評価の屋上屋排除、負担軽減等に配慮しつつ審議を行うと。
 それから、この計画等の審議、評価を行うに当たっては、今ほど御説明いただきました総合知の観点というのが適切に含まれているということを意識するという形で、非常に簡単でございますが、案を作らせていただいております。
 以上でございます。
【岸本分科会長】  ありがとうございます。
 それでは、皆様の方から御質問、御意見があればお願いしたいと思いますが、各技術委員会からの御説明、それと最後に事務局から御説明いただいた内容ですが、今回、特に総合知の創出・活用について、どういう活動するかということで各技術委員会にお願いして検討していただいたところですが、それぞれの技術委員会で御検討いただき、今日の資料のような形で、全ての委員会で取り組むという形が取れているのかなと思いまして、御協力いただきありがとうございました。
 それぞれのところについての御質問はございますでしょうか。特にございませんでしょうか。
 そうしましたら、この資料2-2の総会への報告案なのですが、もう一度見せていただくことはできますでしょうか。
 2段落目ですが、今日の御議論をお聞きしていると、研究開発プログラムの評価の導入について、この「評価の屋上屋排除及び負担軽減に配慮しつつ審議を行う」となっているところなのですが、有効な評価の在り方についてというのが、今日、委員の方々から御議論が出ていたので、配慮しつつ、適切なとか、評価の在り方とか、そういうことを審議していくということで、そういった言葉を入れたらどうかなと思いますが、いかがでしょうか。委員の方々、よろしいでしょうか。
 これだと何か、非常に簡単にしていくよ、だけで終わってしまうので、本当に実効性のある評価の在り方について審議していくというような形だと、今日いろいろ御意見を頂いたのが生きるのかなと思いましたので、そういう文言を加えていただければと思います。よろしいでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
【岸本分科会長】  ありがとうございます。そのほか、御意見ございますでしょうか。
 明和委員、お願いいたします。
【明和委員】  ありがとうございます。最後の文言なのですが、「総合知の観点が」と書いてありますが、正確に申し上げると「総合知創出の観点」だと思うのです。多分これからどんなふうに総合知を私たちは生み出していくかですので、もう一言言っていただけた方がいいかなと思いました。
【岸本分科会長】  ありがとうございます。確かにそうだと思います。ありがとうございます。
 ほかに御意見ございますでしょうか。
 それでは、どうもありがとうございます。ただいま頂いた御意見も含めて修正し、次回の科学技術・学術審議会の総会で報告させていただきたいと思います。ありがとうございます。
 続きまして議題3、「その他」になりますが、特に事務局としては用意してございませんが、何か皆様の方からございますでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、事務局から事務連絡等をお願いいたします。
【久保企画評価課専門官】  本日はどうもありがとうございました。次回の分科会の開催につきましては、後日事務局の方からまた調整をさせていただきます。
 また、本日の議事録につきましては、後日事務局よりメールでお送りいたしますので、発言内容の御確認を頂きますようお願いいたします。最終的には岸本分科会長に御了承いただいて、文部科学省のウェブページに掲載いたしますので、よろしくお願いいたします。
 事務局からは以上です。
【岸本分科会長】  ありがとうございました。
 それでは、前回の77回と本日の78回ということで、連続して分科会を開催させていただきましたが、お忙しい中、御出席いただきまして審議ができたように思います。これで終了したいと思います。本日はどうもありがとうございました。

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科学技術・学術政策局企画評価課

(科学技術・学術政策局企画評価課)