科学技術社会連携委員会(第3回) 議事録

1.日時

平成29年12月27日(水曜日)15時00分~17時00分

2.場所

文部科学省 東館15F科学技術・学術政策局会議室1

3.議題

  1. 新たな科学技術の社会実装に向けた取組に当たって社会との連携のために予め組み込むべき仕組みについて
  2. 科学コミュニケーターに期待される役割と必要とする資質について
  3. その他

4.出席者

委員

小林 傳司 主査、藤垣 裕子 主査代理、内田 由紀子 委員、田中 恭一 委員、原田 豊 委員、堀口 逸子 委員、山口 健太郎 委員、横山 広美 委員

文部科学省

信濃 大臣官房審議官、塩崎 人材政策課課長、石橋 人材政策課課長補佐

オブザーバー

説明者:科学技術振興機構 真先 理事、科学技術振興機構社会技術研究開発センター 津田 企画運営室長、科学技術振興機構日本科学未来館 毛利 館長、科学技術振興機構日本科学未来館 片山 副館長

5.議事録

【小林主査】  それでは、科学技術社会連携委員会第3回を開催いたします。
 まずは、出席者、それから配付資料等について事務局から御紹介、説明をお願いいたします。
【石橋補佐】  事務局人材政策課でございます。年末の差し迫った中、御出席いただきましてありがとうございます。
 今回、人文社会と自然科学の連携の関係と、科学コミュニケーションについての御議論に関連いたしますので、JST、科学技術振興機構から真先理事、社会技術研究開発センターの津田室長、日本科学未来館の毛利館長、片山副館長にお越しいただいております。それぞれ御意見等頂ければと思っておりますのでよろしくお願いいたします。
 配付資料でございますけれども、議事次第に記載がございますとおり、資料1-1、資料1-2、これは議題1の関係でございます。そして、資料2は本体と別紙、別添と、それぞれ3つございます。とじているのは3つございますけれども、一連で資料2として御用意させていただいております。あとは参考資料といたしまして、参考資料の1、2の2種類も御用意させていただいております。また、机上資料、いつもの資料に加えて、過去の議論なり資料を振り返ることもできますように、4、5というふうに後ろに資料がございますので、適宜御参照いただければと思います。
 資料の方、過不足等ございましたら事務局までお申し出いただければ対応させていただきますのでお知らせください。
 以上でございます。
【小林主査】  それでは、議題に入りたいと思います。今回、2つ、主たる議題がございまして、1つ目の議題は前回からの継続案件です。「新たな科学技術の社会実装に向けた取組に当たって社会との連携のために予め組み込むべき仕組みについて」というテーマで御議論いただきたいと思います。
 それでは、事務局より説明お願いいたします。

 ○資料1-1、資料1-2に基づいて、石橋補佐から説明

【小林主査】  ありがとうございました。
 お手元に資料1-2というのがあると思いますが、これ、事前に送っていただきましたっけね、委員の方々に。
【石橋補佐】  事前にお送りしたものからは、最後の今後の取組の部分が若干追記をさせていただいている部分がございますが、基本的には事前にお送りしたものと変わりないと思います。
【小林主査】  それで、事前にお読みいただいたと思いますが、これは私が本当はもうちょっとちゃんとやっておくべきだったのですが、文章表現上はちょっと問題が残っているなというのが正直なところで、一文が全体的に長いということもあるのですが、やや分かりにくい文章になっている箇所があります。これはもうちょっと読みやすい文章に変えた方がいいかなというところがあると思います。
 最初に御意見を頂きたいのは、この中身ですね。文章表現の問題はちょっとさておきまして、それは後で調整することにしたいと思いますが、中身としてこれでいかがかというところからまず御意見を頂きたいと思います。
 特に御意見ないですか。私が気付いたところをちょっと申し上げます。中身というか、背景のところの第2段落の冒頭の文章なんですが、「これらのことは、従来の科学技術基本計画においても社会と科学技術イノベーションとの関わりを深める方向性が指摘されている」というのは日本語としてちょっと変ではないかという気がするんですね。もし直すとすれば「関わりを深める方向性としてその重要性が指摘されている」とか何か、ちょっと修文をしないと、日本語の文章としてちょっと何か変かなというふうなところを感じました。
 それから、2.のところですが、2ページのところですね。ここでは調整型アプローチと、それから再構成型アプローチという概念を導入しようとしている箇所になると思うのですが、1ページの末尾のところで、「科学的知見や技術を起点としたイノベーションと、社会問題や期待、社会的動向を起点としたイノベーションが想定される。これはすなわち、前者は」というふうになるのですが、ここも日本語的にはやっぱり「前者を調整型アプローチ、後者を再構成型アプローチと呼びたい」とか「呼ぶことにする」みたいな形の方が分かりやすいかなと思いました。
 そして、(1)のところが調整型アプローチの説明になってくるわけですね。これの第2段落ですね。「したがって、これらの視点から課題解決するためには、研究開発活動と並行してステークホルダー間で検討・調整するアプローチ(調整型)が求められる。この場合、個別技術の特徴に応じて具体的な課題として抽出され、それに対応する解消策を検討することになることから、できるだけ早い段階から各研究開発課題に対して個別に具体的な措置を講じることが重要となる」と、これはやっぱり長いと思うんですね。例えば、「この場合」からいいますと、「この場合、個別技術の特徴に応じて具体的な課題が抽出され、それに対応する解消策を検討することが必要である。そのため、できるだけ早い段階から」云々というぐらいに分けた方が読みやすいのかなというふうに思いました。
 それから、(2)のところも「一方で」と来ますが、ここはやっぱり「他方で」だと思います。調整型が先に来ていますので、その次にということなので「他方で」と来まして、そこを3行行きまして、その後、第1段落の末尾3行なのですが、「とりわけ、研究開発者からの盲点となっている課題を掘り起こすことも考えられ、社会(国民)からの研究開発者への課題提案となる」というのは、ちょっと日本語、私は気になるので、「とりわけ、研究開発者からの盲点となっている課題を掘り起こすことも含め、社会(国民)からの研究開発者への課題提案が期待される」というふうにした方が言いたいことが伝わるのではないかと。
 その次の段落が長いんですね。この文章が。「提案された社会課題解決のために期待される技術やシステムが社会(国民)の要求を満たすものとなっているのかというアプローチ(再構成型)が求められる」というのは、ちょっと唐突で、再構成型アプローチという言葉を前のところに入れておけないかなと。前の段落のところで、これが再構成型アプローチのことですよね。なので、その前の段落の「アプローチも重要である」のところに「(再構成型)」というのをアプローチのところに入れておいたらいいのではないかと。
 そして、次の段落は、「アプローチ(再構成型)」の「(再構成型)」を取りまして、「アプローチ」のところから始めるんですが、つまり最初の2行のうちの「アプローチ」の手前まではもう削除して、「このようなアプローチの場合、社会(国民)からの要求に応える技術を特定していくことが必要となるため、検討の初期段階から研究開発者とそれに係るステークホルダーが協働することが重要である。このアプローチを通じて、具体的な技術課題が絞り込まれるが、その技術の特徴に応じた社会(国民)」、ここがちょっと意味がよく取れなくなるんですね。「このアプローチを通じて」のところがちょっと意味が取りにくいんですが、どうしましょうかね。
 例えばですよ、こういうふうにしたらどうかと思ったのは、「このアプローチを通じて、具体的な技術課題が絞り込まれるが、その技術の特徴に応じて、社会(国民)の側がどのようにこれらの技術を受け入れていくかという課題も検討する必要がある」というような感じではどうですかねと。
 それから、(3)のところは、3行目のところですかね。2行目から「多様なステークホルダーからのアプローチによる相互作用」というのも、ちょっとくどいので、「多様なステークホルダーの相互作用」で十分じゃないかと。
 次の(3)のところが、ちょっと最後、分かりにくくなってくるんです。「社会課題に応える解消策の検討」ですよね。これ、だから何となく再構成型アプローチの話をするのかなと思っていると、調整型のアプローチと再構成型のアプローチが両方が関係するんだっていう論旨にしようとされているんですね。ただ、流れから来ると、まず調整型を(1)でやって、2番で再構成型を説明したと。そうすると、3番はというところで、両方必要なんだという議論に持っていこうとするんです。もしそうだとすると、(3)の下から2行目からの「とりわけ」からのところが、この一文が浮くんですね。つまり、両方必要だと言いながら、より重要なのは再構成型だと言っているんですね。多分。で、その後の文章は両方が必要だっていう議論なんです。ここがもうちょっと何とかならんかなと。両方必要だっていうことを言いたいのか、より重要なのは再構成型になっているという流れだと言いたいのか、その両方を言いたい?
【石橋補佐】  それでいくと、今までというものが調整型アプローチの方が非常に強いというか、そういった中で、逆の再構成型アプローチというものにしっかりと光を当てたいなという趣旨があったので、こういう表現に。
【小林主査】  最初、それで行きますよね。その次のところが、両方必要だって言って、円環でとじるとか言われるとですね、「うん?」という感じになって、ここの書きぶりがもうちょっと工夫できないかなというところなんですね。
 しかも、そこにまたRRIがぴゅっと出てくるんですが、このRRIは基本的には再構成型アプローチのヨーロッパ版という理解でよろしいですか。それとも、我々が言っている調整型と再構成型のアプローチという、この区別とはちょっと違ったコンセプトというふうに考えるのか。この文章の流れだと、「再構成型のアプローチが重要となる。RRIでは」と来ますから、RRIは再構成型アプローチだというふうに言っているように読めます。そして、予見の話が大事だっていう話が来て、予見の話になると途端に「調整型と再構成型も同じ方向性を持っている」というふうに、もう1回「両者は円環的に補完されるべきである」と来るのですが、ここの展開がちょっとね。ちょっと私は何か分かりにくいなという気がするんですが。ちょっと私ばかり言ってあれなんですけど、皆さん、いかがですか。
【藤垣主査代理】  恐らくRRIはここで言っている調整型アプローチとか再構成型アプローチという切り方とはかなり独立した話で動いているものなのだと思います。
【小林主査】  ですよね。
【藤垣主査代理】  (3)に関しては複数の人が同時に手を入れていますので、それでこういうことが起こっているのだと思います。
【山口委員】  先ほど補佐が言われたようなものを素直に書けばいいのかもしれないと思いましたけど。これまではちょっと調整型の方が強かったんだけれども、今後は再構成の方ももうちょっと光を当てていくべきだということをそのまま書けばいいのかなと思いました。
【小林主査】  その観点で書こうとすると、3ページの冒頭も、要するに「社会課題への対応へと重点を変えつつあることを踏まえれば、再構成型のアプローチが一層重要となる」というところまでは持ってこれるのですが、その後のつなぎ方の場面でRRIが入ってくるので、予見の話が入ってくるので、これをどうつなぐかなんですよね。
 1つのやり方は、RRIではこの予見というのがすごく重視されているんですよということを言って、この論点は我々の言う再構成型アプローチにおいても同じように大変重要なんですよという書きぶりに変えるというのが1つのやり方ですよね。そして、もちろん、「だからといって調整型はこういうのと無縁ではないということも付け加えておこう」ぐらいの方がよくて、「円環的に補完される」まで強く言ってしまうと、どんなふうに補完するかというのはちょっとイメージが湧きにくい。だから、そこまで強く言わなくてもいいんじゃないかなという気がするんですね。
 多分、ここ、いろいろな方のコメントを一生懸命入れていただいくために大変苦労されたんだということはよく分かるのですが、もうちょっと読みやすくした方が、初めて読む人が分かるようにしないといけないかなという気はしています。
 とりあえず私がどうしてもこの文章をちょっと修正した方がいいかな、分かりやすくするためにというのはこのあたりまでなんですが、それ以降はまあまあすっきりと読めるかなという気はいたしました。
【原田委員】  1点よろしいでしょうか。すぐその次になるんですけれども、(4)のところで、人文社会科学的視点の取り入れ、あるいはそういう視点を持ったものが主体的に関わることが重要という新しい論旨が出てくると思うんですけれども、自分自身が社会学をやっており、周囲に心理学とか、いわゆる人文科学とか行動科学系の者がたくさんいるのをふだん見るにつけても、人文社会科学的な視点が入ることでこういう実践的な部分の、一般市民、国民との関係の改善ということが本当に図れるのかしらというのは若干疑問な気がするんです。人文社会系といっても、世の中の現実とかなり遊離した議論ってたくさんありますので。
 だから、1つの言い方として、自分なりのたたき台と考えていただければと思うんですが、例えば、今の「人文社会科学的な視点」という部分を、「人文社会科学的な視点や実践的思考を持った者」とか、そういう、世の中との関わりというものをもう少し加味するような表現にしていただいたらいかがかしらと思いました。
 以上です。
【小林主査】  これは人文社会科学に対しては辛口のコメントであって、実感されておられるんですよね、原田さんは。
【原田委員】  はい。
【小林主査】  内田さん、どんな感じですか。人文社会科学は現実と遊離しているって。
【内田委員】  人文社会科学系といってもかなり広いと思うんですね。現在ある社会問題について取り組んでいるような研究課題もあれば、そうではないものもある。しかし後者も基礎として非常に大事な視点をもたらしてくれるものだと思います。しかし、基礎研究としてやっておられる方々が、いきなり社会実装というところにジャンプしようとすることには困難も伴うと思います。コミュニケーターの方であるとか実践的思考を持たれた方というのが仲介に入っていくことで、うまく機能することがあると思いますので、そういう意味で言うと、実践的思考を持たれた方を付け加えることには賛成です。
【小林主査】  今、いわゆる人文社会科学のソーシャルレリバンスというのが問われているわけで、基礎研究というのがそういう意味ではすぐに社会的な課題とつながるわけではないと。だからといって無意味ではないと。だけれども、そういう人たちがいきなり入ってきたってだめだろうという原田さんの指摘にはそのとおりであると答えざるを得ないということですね。
 やや最近、人文社会科学系の方々がソーシャルレリバンスを意識した活動に踏み込みつつあるような機運は感じますけれども。だから、大学の側で見ていても、そういうことをやらなくてはいけないというふうな感覚を持った世代が出てきているというのは事実だと思いますね。
 多分、一時、文系不要論というふうに文科省の文書がフレームアップされて話題になりましたでしょう。あのときの対応がやっぱりおもしろかったですね。学術会議であれについての臨時のシンポジウムが開かれたんですけれども、片一方の、割と高齢の世代はけしからんと言っていました。文科省は分かっていないという、割と分かりやすいコメントだったのですけれども、もうちょっと若手の世代は、やっぱり今までのやり方だけでよかったのかと。社会とどうやってかみ合った人文社会科学をこれから展開するかっていうのは考えなくてはいけないという意味では重要な問題だという意見を言う人たちもかなりいましたので、そういう方々はこれに反応してくれるだろうなという気はします。
 「実践的思考を持った」というところを付け加えるということですね。よろしいですかね。
【山口委員】  そのすぐ後なんですけれども、(4)の1パラグラフ目の3行目なんですけど、「とりわけ、新しい技術の社会的受容に関し、現行の法制度や現行の価値観などに照らして」云々とあって「必要となる」というここが、何か、とりわけ調整型が必要であるというふうに読めてしまうんですけれども、私だけの問題なのか、それとも論旨としてはやっぱり今までの流れだと双方必要だという話であるのかなと思っているので、ちょっとそこのバランスがどうなのかなというふうなところはちょっと読んでいて思いました。
【小林主査】  なるほど。「とりわけ」というだけで限定するのではなくて、「調整型のアプローチの場合でも」というふうな言い方を入れておいた方がいいということですよね。
【山口委員】  はい。
【堀口委員】  基本的に単語は「活動」なんですよね。1ページ目の背景のところに「事業」と書いてあって、ちょっと違和感があったんですけど。
【小林主査】  「事業」って、どこかな。
【堀口委員】  「背景」の一番最後のパラグラフの「一部の事業にとどまっている」って書いてあって。「一部の活動にとどまっている」んですよね。
【小林主査】  ああ、これ、多分……。
【堀口委員】  これ、事業を言っているんですか。
【小林主査】  文科省サイドから見ると、具体的な研究プログラムのことが念頭にあって、それで「事業」ってお書きになったんですよね、これ。
【堀口委員】  でも、実際には別にそうじゃなくても活動されている。まあ、全部が全部そうなっていないよという意味では「活動」なのかなと。それ以降は「事業」という単語が出てこないんです。
【小林主査】  ああ、そうか。ここちょっと工夫しましょうかね。これはこの間のCOIとか未来創造とか、こういう事業がいろいろあって、どのぐらいできているかというとなかなか十分じゃありませんよねという議論をしていたっていうのを受けていますよね。ここはちょっと文章を工夫したいと思います。ありがとうございます。
【横山委員】  3ページの(4)なのですが、内容はすごくしっくりと来ております。付け足したらいいかなというふうに思いますのは、最近の社会的な議論の合意形成の実際の場というのが、やはりネット上ということがございまして、ネット上に出る記事を書くような記者もそうですし、広くはもちろん学生も含めたパブリックスもそうなんですけれども、そういうプロフェッショナルな文章を書くような人材育成というような観点も入れ込んでおいていただくといいかなと思います。特に人文社会学的という意味では批判的視点を持ったしっかりしたものを書ける方という、そういう意味合いの文章が入るとよろしいかなと思いました。
 あと、もう一つなんですけど、(1)(2)に、やはり今の時代背景としてどういうものを想定して議論されているのかというのが読み手にすぐに分かるように、例えばAIであるとかゲノム編集であるとか、具体的な実例を入れておくと大分読みやすくなるかと思います。 以上です。
【小林主査】  ありがとうございます。
 まず、今の人材のところのネット上で批判的な質の高い文章を作成する人材っていうのは、どの辺りに入れればいいですかね。
【横山委員】  付け足しで3段落目を作ったらいかがでしょうか。
【小林主査】  3段落目を付け加えるという感じですかね。3段落目に付け加えるのか、2段落目と1段落目の間に入れるのか、どっちなんですかね。
【横山委員】  そうですね、その間に入れてもよろしいかもしれないですね。
【小林主査】  間か上の方がいいような気もしますよね。どういう人材が必要かというところに入れるべきなんでしょうね。じゃあ、ちょっとそこら辺りも工夫で。ネット上だけに限定はされないですよね。
【横山委員】  限定はしません。
【小林主査】  じゃあ、それはちょっとここで工夫をするということにいたします。
 それから、(1)(2)のところを理解しやすくするためにということで、実例、具体例があった方がイメージが湧きやすいと。AIとゲノム編集というのは、両方のアプローチが必要なタイプの問題ですよね。
【横山委員】  そうですね。
【小林主査】  恐らくね。そうですよね。これを前回の真先さんが提案されていたポンチ絵ありましたよね。あれで具体の例を1つ書いておられましたよね。あれをちょっと参考に入れるというのはいいですかね。机上資料の2回目かな。
【石橋補佐】  机上資料の1-2に当たるものなんですけれども、ちょっと済みません、折れているところなので見づらいかもしれません。1-3かな。
【小林主査】  だとするとあれですか、2.のところの前文のところに入れてしまう方が処理しやすいかもしれませんね。(1)と(2)でそれぞれに対応する事例を挙げていくと限定し過ぎの感じがするので、2という基本的な考え方の中で課題文を並べて例示しているというスタイルの方が分かりやすいですよね。
【横山委員】  はい。賛成です。
【小林主査】  そうしないと、(1)と(2)に振り分けると片一方だけじゃないじゃないかみたいな議論はやっぱり引き起こす可能性があるので。じゃあ、2.のところにちょっとそういう事例を入れるということにしてはどうでしょうか。
 ほか、いかがでしょうか。
【藤垣主査代理】  先ほど(2)の一番最後の文に小林主査が手を入れたのですが、手を入れてもなお分かりにくい点を挙げます。まず(1)は5行目に「新しい技術が受け入れられる環境」と書いてありますので、要するに(1)は技術を起点としてそれが受け入れられることについて語っている。それに対し、(2)は8行目にあるように、「国民からの要求に応える技術」について語っている。(1)は技術が起点であって国民は受け入れる側であり、(2)は国民が起点であって、その要求に応える技術を作る。ところが、この最後の一文は、(2)であるにもかかわらず、また元の(1)のような発想に戻るんです。ですから、本当はこの最後の一文は(2)から外して、(3)の先ほどの円環というところに持っていくべきところなのだと思います。そうでないと、読者は混乱すると思います。(1)は技術が起点で国民は受け入れ側、(2)は国民が起点でその要求に応える技術をつくるですから、その構造をこわさないほうがよいと思います。この最後の一文は(2)から外して(3)に置く方が円環の構造が分かりやすいと思います。
【小林主査】  なるほど。そうですね。(1)と(2)の書き分けをせっかくやったのに崩す構造になっているんですね。
【藤垣主査代理】  ええ。
【小林主査】  (4)はだから、先ほど言ったように、この問題に対して取り組むべき人材、特に人文社会系からの人材育成ができていないということを課題として考えていますよと。それで具体的な場面で人材育成するような仕組みが必要ですよという議論になり、(5)は知見の継続と蓄積ですか。活動の継続と蓄積ですよね。
【原田委員】  1点よろしいでしょうか。この(5)の知見等の蓄積と活用というのは、私、個人的にも大賛成でありまして、是非進めていただきたいと思っております。あと、社会技術活動というものにおいては、研究としてしっかりした論文を書くか、研究知見を出すかということと、それを社会に受け入れられるようにうまくかみ砕くのかということに関して、あるいはそれ以外の色々な要素に関しても、かなり違ったノウハウのようなものが必要になってくるんじゃないかと感じているんです。
 それで、今回の書きぶりとは直接関係ないのですけれども、今年の日本犯罪社会学会というところで自分たちの社会技術研究開発センターの『犯罪からの子供の安全』の研究プロジェクト、それの成果をいかに社会に実装していくかということについてのテーマセッションというものをやりました。その資料を、今日のお話の一環として、後ほどお時間のあるときにでも見ていただければと思います。赤い線で囲った部分が自分なりに考えた研究者の側としての今後に向けた実装のノウハウのヒントになると思っているところであり、青い線で囲った部分は、これはむしろ学校の現場の先生とか、それからもともと警察のOBの方なのですけれども、行政の観点からこういうものの受け入れ側としてコメントを頂いたものなんですね。
 自分の卑近な例で恐縮なんですけれども、比較的、具体的なことが今回の議論の中では出てきていたと思いますので、例えばこういう種類のものですね、それをどのようにすれば効果的、効率的に蓄積し、活用していけるのかということを、(5)を受けて今後それを具体化する取組の1つの課題というふうに考えていただけるととてもうれしいと思います。
 以上です。
【小林主査】  ありがとうございます。
 この赤いところなんか、なかなか切実な表現ですね。
【原田委員】  氷河期を生き延びる知恵とか、それは本当の実感ですので。
【小林主査】  研究終了と言って去るのははしご外しであると。
【原田委員】  これはいろいろな人から言われました。
【小林主査】  そうですね。これ、私は「七人の侍問題」と言っていたんです。どこで離脱するのかって、離脱するとはどういうことかっていうのは。
【原田委員】  やっぱりソフトランディングの仕方を、いつまでも関わり続けるわけにはいきませんので、どのように現場が自分で回せるようなところまで落とし込んでいって、それでそっといなくなるかがすごく大切な気がします。
【小林主査】  実際に社会技術的な形で関わると、必ずこのタイプの問題が出てくる。こういう現場の具体性というものが、この委員会での文書として、推進についての文書になるとそこまで書けなくなるというのは当然なんですけれども、結局こういうものが全部背後には存在していて、そしてこの文書が生まれているという、こういう読み方ができるようにならないといけないということですよね。なかなか難しいところですが、忘れないようにしたいポイントだと思います。
 今、これを(5)に入れるっていうと、もうちょっと工夫が要りますね、文章的には。
【原田委員】  ええ。これで文章を直すということには、ちょっと。
【小林主査】  というところまでは今回は。
【原田委員】  はい。その辺りは考えておりません。
【小林主査】  ただ、このノウハウ等の体系的蓄積という言葉遣いの背後にはこういう課題が具体として存在しているという。
【原田委員】  そうですね。今後、何らかの形でこれが具体化されていくときに、一つのヒントみたいなものとして見ていただけるとうれしいと思います。
【小林主査】  はい。ありがとうございます。貴重な意見を頂きました。
 あと、いかでしょうか。3は前回皆さんのところに送ったものよりも書き加えられておりますが、それも含めて。
 これは事務局の方としてちょっと踏み込んで書いてみたというイメージですかね。試行的にちょっともうやってみるんだということが書かれていますよね。
【塩崎課長】  はい。
【小林主査】  これはなかなか大事なことが書いてありますけど、実際に試行的にこういう観点で実行するということは余りやったことがないわけですね。それがどうしてうまくいかないのかということまで分析しようということですね。うまくいく場合にはどうしてうまくいくのか、なぜうまくいかないのかということの分析をして、それを次のステージにつなぎましょうという御提案の書き方ですが、いかがでしょうか。
【塩崎課長】  COIのときにも、一応、前回もやっているとは言いながら、やはり本当に連携した形になっているのかというところがやっぱり問題だったと。そこはやっぱりグループの中に明確に一員として入れるかという、その形は別としても、やはり並走して一緒にやっていけるような、そういう環境がないと、やっぱりうまく伝わっていかないんじゃないかという、そういった論点があるので、ちょっと表現的にはこの「グループの一員として関わるなど」っていうような形にはさせていただいていますけれども、別々ではなくて、もう一緒にやっていくという、ちょっとそういうニュアンスを出させていただいて。
【小林主査】  恐らくこれ、実際の研究グループが提案してきたときに、「連携してやります」という1行で書いてあるのでは不十分で、具体的にどんな形で、どんなコミュニケーションの場を作ってっていうところまで書いてもらうということをイメージされていますか。
【塩崎課長】  はい。そういうところをイメージしております。
【小林主査】  そういうことですね。それでやってみてどうかという。そこのデザインを1回、評価の対象にしてみようというので、これは大変面白い取組かと思います。
 毛利さんが参考資料で下さった科学館の取組の中にそのヒントが幾つかあるような気が今いたしましたので、後でその辺りのお話を伺えるかなと思いましたけれども、こういうことをやってみるのが、一文で人文社会科学の人を巻き込んでいますという言葉ではないものをちゃんとやってみようというのはいいことかと思います。
【横山委員】   大変勉強になります。今のお話に関連して2つ、経験談を少し御紹介したいと思います。ある理系プロジェクトで、人文系の方が入っていただいたものの、その評価に苦労しております。
サイエンスのように目に見える論文という形で量産される成果というものではない。評価する側も慣れていなくて、どう評価すればいいのか分からないという問題がありまして、是非今後、皆様でその評価の手法まで念頭に置いた組み立て方というのを御検討されるとよろしいのかなというふうに拝見しました。
 あと、もう一つ、別のケースは、人文系から見てまずいと思われるアジェンダがプロジェクトの中に潜んでいる際に、これは問題ですから一緒に解決していきましょうと提案すると、アジェンダ化されることを非常に嫌う。それが表面化することを懸念するということが多くあります。いずれはどうせ人目に触れて問題化、アジェンダになるのは分かっていることだからあらかじめ一緒に出しましょうというマインドを、理系の研究者側に是非持っていただくような何か取組があるといいと思います。
【小林主査】  そこはなかなかおもしろいポイントなので、差し支えのない範囲で何か具体例ってありません?
【横山委員】  例えば、先ほどお話が出ましたが、BSL4のような施設の例があります。また既に顕在化している問題として、例えばハワイに建設を予定しているある望遠鏡は地元とコンフリクトがあり裁判になっています。
【小林主査】  分かりました。それは非常によく分かります。昔から研究者はそういうときに「寝た子を起こすな」という言い方をしますね。で、アジェンダ化しないんですけれども、途中でちゃんと子供は起きてくるものなんです。起きてくると、もう後は大変ということになるので。でも、確かに研究者の中に寝た子は起こしたくないという感覚があるのはおっしゃるとおりだと思いますね。そこをどうするかっていうのは本当に難しい問題ですよね。何でもかんでも起こせばいいっていう話でもないので。
【堀口委員】  多分、自分たちだけで解決しようと思っているのでそういう話になると思うので、ここに書いてあるように、あなたの持っている知識などはごく一部ですっていうことをやはり自覚をしつつ、いろいろな人と一緒にやらないと社会問題にはどんな知識を持っていても対応できないということかなと思っています。
【小林主査】  実感のこもったお言葉で、私も全くそうだと思います。
【真先理事】  ちょっと1点よろしいでしょうか。今の横山先生のお話との関係で言いますと、恐らく研究者のマインド以上に仕組みとして、「寝た子を起こすな」で後で噴火するぐらいだったらということで、あらかじめそういったものをちゃんとアセス、評価をする仕組みを設けるべきだろうという話なんですよね。環境省とかで環境アセスとかやっているのも、およそそういう考え方にのっとって、したがって、例えば風力発電などを作るときにはバードストライクの影響だとか、そういうのも事前にちゃんとやりますよねと。そういったところの仕組みにいかに乗っけていくのかというところをやっぱり構築しておくというのが今のスタイルではないかと思いますので、そっちの方にうまくつなげていく、それがやっぱり社会実装化していくことではないかなというふうにちょっと感じましたので、一言だけ。
【小林主査】  多分そういうものをちゃんと事前にアセスすることを評価してあげないといけないということですよね。
【内田委員】  3番の今後の取組についてというところで、2つの方向性の懸念があります。一つは、人文社会科学の研究者をメンバーとして関わらせてくださいということが書いてあるんですけれども、あり得そうな1つの方向性は、同じ人・領域の人がずっと頼まれるということです。自然科学と相性がよく、かつ、そういうところに結構関心がある方々に常に依頼が偏ってしまうかもしれない。恐らくこのような制度設計をすれば、プロジェクトを立ち上げる際には、絶対人文社会科学の人に入ってもらわないといけないから入ってくださいと頼まれるという構造ができると思います。もちろんそれはそれで、まずはこうした制度がたたき台になって、その後、積み上がっていって、実際に共働の芽がどんどん広がっていくことが望ましいのだと思いますが、しかし場合によっては、人文社会科学の中からはある一定の人たちが常に参加するだけという構造になってしまわないかという懸念です。二つ目に、人文社会学者がプロジェクト評価のために名前だけ入るというパターンです。本来的には別の分野が協働することによって新たな社会問題や、それに対する実践活動を構築することが目的であるにもかかわらず、形骸化してしまわないかと。それはもうここで議論することではないのかもしれませんけれども、ある程度、こうしたことを見越した対策を打てないかと思います。例えば人文社会科学の研究者が参画すること、というところでは、幅広い分野の人文社会科学の研究者の参画を推奨することなどを文言として含めておいてはいかがかなというふうに思いました。
【小林主査】  分かりますね、その懸念は。あの人に任せておきゃ安全だしなっていう、そういう使い方ですね。
【内田委員】  そうです。で、同じ人が繰り返し参加する。
【小林主査】  分かりました。多分、これ、実際にやってみようというときには、特に具体の場面で考えなくてはいけないことだと思いますので、文章の方でもちょっと御意見で見直してみたいと思いますが、それと同時に、この論点を忘れないようにして、実際のところでというふうにしたいと思います。
 いかがでしょうか、あと。
【堀口委員】  ちょっと業界が違うのでこういう言い方なのかなって思ったりしているんですが、例えば、取組にしても、「重要である」「必要である」っていうのがたくさん書いてあるじゃないですか。それ、分かっていて議論しているんですよね。例えば、私とかが関わっていて、こういうまとめるときは、例えば今後の取組であれば、「組み込むことを目指すことが必要である」じゃなくて「目指します」で終わるんじゃないかと。「目指す」。
【小林主査】  うん、なるほどね。
【堀口委員】  「整理する」とか。
【小林主査】  もうやるんだと。
【堀口委員】  やるって言ってもらわないと、私たち、重要なのはみんな分かっているので、必要なのも分かっていて、それを実際に私たちが、だからこの研究をこういう人たちと一緒にやるんですっていうメッセージをそちらに伝えるためには、重要だからって言われるんじゃなくて、あなたたちも目指すって言ってくれているよね、だから私たちもやるんですっていう気持ちなんですけど、「重要である」って言われたら「そうですか」っていう感じなんですけど。なので、今後の取組は必要なんじゃなくて、もう目指すことなんだと思うんですけど、違うんですかね。整備することが必要なんじゃなくて、整備するんだと思うんですよ、もう。
【塩崎課長】 委員会からのまとめっていうことなので、委員会自らがやりますってことではないものですから、そこは「必要である」とか「重要である」とか「目指すべきである」でも構いませんけれども、ちょっとそういうまとめる主体が文科省っていうことではないものですから、そういう形にさせていただいたんです。
【堀口委員】  ああ、なるほど。
【小林主査】  そうすると「目指すべきである」っていうふうに我々が言うのはいいわけですね。
【塩崎課長】  それは構いません。
【堀口委員】  なるほど。
【塩崎課長】  ですが、思いは同じだと思っていただければと思いますけれども、そういう表現の違いなんです。
【小林主査】  じゃあ、我々としては「目指すべきである」というふうな表現にして。
【堀口委員】  の方がいいのかなと。
【小林主査】  そして、それを文科省サイドがどう受けて動くかという。分かりました。じゃあ、そういうふうに。
【堀口委員】  何か、強く言っていった方がいいような気がしました。今の感じだと。
【小林主査】  じゃあ、今後の取組はもうそういう形で強く出すと。
【堀口委員】  はい。
【小林主査】  はい。分かりました。
 あと、いかがでしょうか。この方向でちょっと修文をして、そしてまた皆様に回覧をいたしますけれども、文章の作成等は私と事務局の方に任せていただけますか。
【信濃審議官】  1点、確認というか、教えていただきたいのですが、(1)と(2)でアプローチが書いてありますね。その本質的な違いが何かっていうことをちょっと教えていただきたいと思います。つまり、研究開発のやり方として、シーズに基づいて開発していくのと、ニーズに基づいてやるものと、この2つがあるというのは、それぞれの文章の前段に書いてあるのでこの違いは分かります。それぞれによって、科学技術と社会との関わりをどういうふうに考えていくのかにどういう違いがあるのかがいまひとつよく分からないと。例えば、ステークホルダーが協働してやるとか、早い段階から関わると。これは実は余り違いがなくて、その両者において何か違いがあるのか、それとも書き方は違うけれどもほぼ同じと考えていいのか、そこをちょっと確認的に教えていただきたいと思います。
【小林主査】  もっとシャープにこのコントラストを書いた方がいいのではないかということですね。
【信濃審議官】  仮に違いがあるのであればですね。
【小林主査】  違いがあるのであればね。
【山口委員】  実は私も同じようなことを考えていて、一番極端なことで言うと、再構成型のアプローチで何かプロジェクトをするとしたときに、リーダーが、人文社会学系の人でいいんじゃないかってちょっと思いました。やっぱりそこはフレーミングの仕方が科学技術発の視点と多分違うだろうということで、そういう人がリーダーをやる中でいろいろな科学技術を使いながら、そういう社会問題を解決していくというようなプロジェクトを試してやってみると、結構コントラストが出るんだろうなと思いながら、ちょっとこの文章、今も聞いていたところです。
【小林主査】  これ、真先さん、この資料で両方分けておられますよね。そのときのイメージで説明するとどうなりますか。
【真先理事】  山口先生がおっしゃるようなイメージは多分にやっぱりございまして、社会問題解決、要は技術の実装ではなくて問題解決なんですね。技術はあくまでもそのツールとして活用するっていうアプローチなので、例えばこういう分け方がいいかどうか分かりませんが、自然科学系の個々の技術の専門家の先生がそのプロジェクトにどう関わるか。先ほどの調整型のアプローチですと、もちろん主人公なわけですね。その技術をまさに実装させていくために必要な社会的なものを同時にそこに寄り添って作っていくという、そういう関わり方になるでしょうと。
 一方、再構成型の場合ですと、むしろ山口先生のイメージが近いかなと思いましたが、やはり社会実装の方が先にまずありきですね。そこから分解していきますので、どの技術が主人公になっていくのかが時によって変遷するっていうのもままありますね。ですから、主客といいますか、そこのかなり割合といいますか比重が変わってくるのかなと、ちょっと概念的ですけどそんなイメージは持っております。
【小林主査】  問題を把握して、それを解決するためにどのような専門的な知見を動員すればいいかというふうな形で立てていくので、そのプロデュースをする人が自然科学関係である必然性はないということですよね。
【真先理事】  ないです。ええ。
【小林主査】  場合によっては人文社会系の人がよかったり、あるいはまた別のタイプの人がよかったりということがあり得ると。それに対して調整型というのは、まずは科学技術開発が行われ、それが社会に実装される際に問題が出てくるので、人文社会系の専門家が動員、調達されていくっていうモデルに近いということですかね。そんな感じですね。そういうニュアンスをもうちょっと書いておいた方がいいですかね。
【信濃審議官】  そうですね。多分、今これを読まれた方は、その違いが余り分からないんじゃないかと思うので。
【小林主査】  クリアじゃない。そうですね。
【信濃審議官】  今おっしゃったのが一つの例示かもしれませんけれども、そういう視点が大事だっていうことは是非書き加えていただいた方がいいんじゃないかと思います。
【小林主査】  すごく大事なところの指摘があったので、これはかなり気合を入れて文章を作り直すということで、課長あるいは石橋さん、是非一緒に頑張りましょうということで。その論点がクリアに出るようにしたいと思います。
【真先理事】  1点、ちょっと今の話に関連いたしまして、タイトルと締めのところについて若干一言、二言なんですが、タイトルが「新たな科学技術の社会実装に係る研究活動における人文社会科学と自然科学の連携の推進」となっていて、どちらかというと。
【小林主査】  調整型ですね。
【真先理事】  調整型のタイトルになっているんですね。というのが1つと。
 それから、締めのところで、結局、先ほどのアプローチ、今の議論で少し明解になりましたが、自然科学系のところに人文社会系の人が加わるという言い方がどうなのかと。
【小林主査】  もう既に調整型的に。
【真先理事】  ということがありまして、全体のこのペーパーの主張するところと、それから、しかも今後の取組は結論の部分ですので、ちょっとそこ、もう少し意識をすることが必要なのかなというふうにちょっと思いました。
【小林主査】  なかなかそこは表現が難しくなりますね。この委員会は科学技術社会連携委員会だからな。社会共創型科学技術……多分、何か、共創とかそういう言葉をかまさないと表現できないですね。つまり、自然科学が主で、それに対して何かが加わるというモデルではないものを何とか表現しようとしているわけで、そうすると関係性の方を先に出して、共創という形での社会課題解決に、自然科学や社会科学、人文科学がどういうふうに関与するかという問題の立て方をしているわけですよね。
 この「新たな科学技術の社会実装に係る」というこのタイトルは、何か決め打ちで変えにくいタイトルですかね。
【塩崎課長】  ちょっと私の書いた趣旨を申し上げると、(1)の調整型アプローチ、これは一般的に言われている、先ほど真先理事の方からもありましたけれども、研究者が考える新しい科学技術をどう社会実装していくかというところから始まるわけですね。でも、その始める際にはやはり社会実装に係るいろいろな問題が介在しているので、早い時期から人文社会系と自然科学系の研究者が一緒にやっていくことが重要だということがまず(1)で、(2)は、そういうスキームの上に、まず出口から見て、社会問題から入っていくときに、そこは主体はどちらでも構わないのですけれども、結局そこからブレークダウンして技術の段階まで落ちていくと、そこから先はこの調整型と同じアプローチを踏むわけです。だから、再構成型ですとここで言っているわけですね。ですから、そういった段階であっても、ブレークダウンしていく段階でもやはり早い段階から人文社会系の方と自然科学系の方が一緒に早くやっていかなければいけない。だから、いずれにしても最初の段階から融合してやっていくことが重要なんだっていう主張をまず繰り広げたいと。ただ、今はどちらかというと主体が研究者側からの提案となっているけれども、社会的な潮流というのは現実の社会問題等からブレークダウンしていくっていう、そういう潮流があるので、そういったところをしっかりと受け止めていかないといけないっていうのは、この(3)と、そういう流れをちょっと作らせていただいています。
 その上で、人材だとか蓄積っていうのが必要だけれども、最終的には実際にじゃあそういうことができているかというとできていないので、再構成型というのは非常に重要なんだけれども、調整型であろうが再構成型であろうが、研究する初期の段階からもう一緒になってやっていくっていう、そういう流れを作って試行的にやっていきましょうと。そういう形でまとめさせていただいているという構成になっています。
 ですから、私どもからすると、一番最初のタイトルですけれども、その両方を組み合わせているような形で、ですから、人文社会と自然科学の連携というのはいずれにしても科学技術の社会実装に当たっては必要なんだというところを少しとらせていただいているので、ここには再構成型も調整型も出てこないと。そういうような立て付けにさせていただいていると。
【小林主査】  いかがですか。今の説明については。
【塩崎課長】  だから、再構成型で一辺倒でやるっていうのがいいとも言えないと思っています、私どもは。両方やはり必要だろうと思っております。
【堀口委員】  「新たな」っていうのは、「科学技術の社会実装」に掛かるんですか。
【塩崎課長】  「新たな科学技術」。新しく作ってくる科学技術を社会実装させるに当たってというイメージです。
【小林主査】  エマージェントテクノロジーですか。
【塩崎課長】  そうですね、はい。
【小林主査】  それと社会課題の議論とはどうなりますか。社会課題からのアプローチのところでは。
【塩崎課長】  社会課題からも、ブレークダウンしてくると、こういう新しい科学技術というのをやっぱり作っていかないといけないよねっていうところに帰着してきて。それを実装するためにどんな問題があるかっていう、そういう、また多分、調整型という形になるんだろうと思っています。
【田中委員】  卵と鶏みたいになっちゃうんですけど、その場合、どっちが先なんですかね。
【塩崎課長】  どっちもあり得ると思っています。ですから、そこでこの(2)のところでは、研究開発側が気付かないような、そういった盲点になるところを提案されるっていうのが再構成型ではあり得ますよと。
【田中委員】  どっちかって多分、できないですね。
【塩崎課長】  両方やっぱり補完的に必要なんだろうと思っています。
【田中委員】  その辺はぼやかさないとだめですね。
【小林主査】  そうですね。
 時間ちょっと超過しておりますので、一旦ここで引き取って、もう一度、表現、それから先ほどの御意見を入れたものを作って、次回で提示したいと思います。どうもありがとうございました。
【毛利館長】  今のことに関して、次につながるので発言よろしいですか?この資料1-2の文章は既にかなり練られているので余りコメントする必要はありません。第5期においては書かれている内容で限界かなと思います。しかし、次の第6期に向けては、今ぼやかしているところを明らかにしていくステップになってくると思います。いずれにしても第5期では自然系の科学者、工学者が社会を舞台にしたときに実装の段階で人文社会の研究者が必要であるというのを、今回きちんと扱う必要があります。しかし、先ほどから堀口さんが言っていらっしゃいますように、あくまでも研究者目線で皆さん考えているので、最終的にはいろいろな課題を解決できるか、社会に実装したときのパラメーター全部を網羅は研究者の立場ではそもそもできないというところがあります。どこまで今、第5期で一応研究のフェーズで課題解決というのが見えるようにするかというそういう大きな認識なのですよね?
【小林主査】  はい。それは共有していると思います。
【毛利館長】  次は恐らく研究者目線だけではなくて、社会の目線が同等に、つまり共創というところをターゲットにしていかなきゃいけないかなという気がしました。
【小林主査】  おっしゃるとおりです。ありがとうございます。
 それでは、次の議題。せっかく口火を切っていただきましたが、多分そこと関係するお話になるかと思いますが、議題2、科学コミュニケーターに期待される役割と必要とする資質についてです。事務局より資料の説明をお願いいたします。
【石橋補佐】  この科学技術社会連携委員会で、今、御議論いただいた人文社会と科学との共創というものもありましたけれども、同時に科学コミュニケーターという部分についても御議論いただくということで、参考資料の1にも付けさせていただきましたけれども、そのような議論をしていただくということになっております。
 今回、日本科学未来館から毛利館長にも来ていただいておりますので、資料2で真先理事と毛利館長からそれぞれ御説明をいただきたいと思っております。よろしくお願いいたします。

 ○資料2に基づいて、真先理事、毛利館長から説明

【小林主査】  どうもありがとうございました。
 この科学技術基本計画で科学コミュニケーションというのがどのように位置づけられて、どのように変化してきたのかという、この図は非常に啓発的な図で、現状がよく分かりました。そして、今、毛利館長がおっしゃったように、SDGsに象徴されるような、そういうグローバルな課題に対して科学コミュニケーションというのは非常に深くコミットする時期に来ている。これが第6期の課題だということだと思いますが、そういう観点で科学コミュニケーターの役割を考え直す。そうすると、おのずから訓練の仕方といいますか、育成の仕方もそれに合わせていくのだということになろうかと思いますが、プロデューサーという役割ですよね。具体的にどんな訓練の仕方、今までと違うどんな研修と言っていいんですかね、どんな教育をされてトレーニングされるんですかね。
【毛利館長】  それこそ堀口さんは、あるいは原田さんは現場で知っていらっしゃると思うんですけど、やはりそういうところに行くこと。実際にファシリシリテーションを行い、何が問題かというのを失敗も含めて経験していくということしかないのかなと。もちろん、基本的には研究者とのコミュニケーションを通じて、研究者の社会に対する意識を変えていくこと、あるいは子供たちに科学技術の大切さと楽しさを伝えるのは当たり前なんですけれども、これからは様々な社会の問題を解決するためにメディアや為政者そして企業との協業が重要だと思っています。企業もやはり社会貢献や国連のSDGs活動の行方にすごく関心を持っています。それからステークホルダーがたくさん参加しているところに行って、リーダーシップを発揮できるということも必要です。リーダーシップと言うとちょっと語弊があるかもしれませんが、プロデューサー的な役割をすることですね。そこで、ある程度問題を解決に導く能力を持った人を今後は育成して輩出する必要があるのではないかと考えています。
【小林主査】  実際、そういう研修プログラムはもうお作りになっているんですか。
【毛利館長】  今の科学コミュニケータより一段レベルの高い、人材になりますので今後、更に検討を進めたいと思っています。現在のプログラムに関しては、先ほどの現場というのは、それぞれ違うので、基本的な能力としては未来館では科学技術と社会の関係についてある程度のレベルで書いたり、説明したり、展示を作ったりメディアに出たりというのは全員経験させています。しかし、未来館の科学コミュニケーターの場合ですと、最低修士以上。専門を持っていて研究の経験がある人なので、そのバックグラウンドを生かすような方向で訓練をしています。それから、また、将来何になりたいかというのを面接して、よく聞いて、例えば企業に興味のある人には、地球環境との関わりを持って営業活動できる将来を想定し、例えば未来館のパートナー企業との関わりで訓練しています。
【小林主査】  多分、従来理解されている科学コミュニケーターの概念をかなり拡張しているような理解になってきているかと思いますが、御意見とか御質問とか是非いかがでしょうか。
【堀口委員】  お話、どうもありがとうございました。10年ほど前に、先ほど横山先生からも言っていただいた、BSL4の振興調整費があったときにコミュニケーションの研究をしておりました。カナダ、イギリス、オーストラリアとか、各BSL4を持つ研究施設にコミュニケーターがいるのかいないのか、また、どういうバックグラウンドをお持ちなのかというところで、一斉に6か国から来ていただきまして、日本側は全部サイエンティストなんですけれども、コミュニケーターの方に来ていただきましてお話を伺いました。
 そのときに、論文にもしましたが、気付いた点としては、各国のコミュニケーター同士の連携というか、情報交換がなかなか余りできていなかったようで、そのときはまだ日本の研究所にはコミュニケーターがおりませんでしたので、日本はこの研究施設にコミュニケーターがいないという現実を目の当たりにしたことと、今、館長がおっしゃってくださった、世界的に連携をしていかないと多分、問題が解決しないんじゃないかなと思ったことが今、目に見えて分かりましたので、とてもいいお話を伺ったし、今後どうしていけばいいのかなというのも実際ヒントになったなと思いました。
 現実の場面としてはやはり、先生最初におっしゃっていただいたように、いろいろな科学館では、まだ第1期や第2期の状況の感覚から抜け出れていないところもまだまだたくさんあるかなと。現実、この間、ちょっと応募があったか分からないのですけれども、コミュニケーターの公募をしても、なかなかシビアなテーマには募集に応じてくれないという現状がありまして、そういう意味ではイノベーションを興すコミュニケーターの養成というのが非常に重要だというふうに認識しております。
 今日はどうもありがとうございました。
【小林主査】  いかがですか。これ、実際、この未来館で修士以上の方を。
【毛利館長】  バックグラウンドですね。
【小林主査】  バックグラウンドとしてということですが、これは募集をされていて、それに対して結構たくさんの応募者がいて、そこをセレクションをしているという、スクリーニングをしているという、そういう形ですか。
【毛利館長】  そうですね最低20倍ぐらいはあるんじゃないかと。
【小林主査】  20倍?
【毛利館長】  ええ。
【小林主査】  5年でしたっけ、たしか。最長。
【毛利館長】  最長5年で、最初の1年間で適性を見ます。1年間で適正の合わない方は、違うところへ行くことを促します。若い人たちですからね5年置くと気の毒なんですよね。1年のときにもっと違う方がいいよっていう、拒否するのではなくて、より本人を生かせる、ほかの道を選ぶアドバイスをします。
【小林主査】  ほかの道をどうですかと。
【毛利館長】  3年目で、本当に自分がこれから、自分の意思で社会に貢献する意思があって科学コミュニケーションの経験を生かそうと努力できるかどうかというのを再度確認します。で、そういう自分なりに新しいものに挑戦しようという人は5年まで残っていいと。それ以外の人は、ほかのところに行く道を。一応、基本的なものは3年以内で身に付けていますので未来館以外で活躍ください。というふうに選別、かなり厳しくやっています。
【小林主査】  そうですね。
【毛利館長】  そういう意味で、今、44人いますけど、海外出身の科学コミュニケーターも活躍しています。アルジェリア、チェコ、ブラジル、中国など、この間まではギリシャがいました。現在は海外出身者は5人います。日本の大学で修士、もしくは博士号を取った人たちが多いんですけど、そういう人たちが日本人に刺激を与えています。興味を示していますので、彼らはいい仕事します。
【小林主査】  その後のキャリアパスというのはどんな感じになるんですか。
【片山副館長】  8ページに。
【毛利館長】  研究機関の広報がやっぱり一番多いですね。広報とか、あるいはURA。
【小林主査】  企業も結構いらっしゃいますね。
【毛利館長】  ええ、企業。実装のときに企業の人たちとやるものですから、自信が付けば企業にも行きますね。特にドクターコースの人はどうしても一つの分野には深いですが、視野が狭くなる傾向が強いので、まずその狭さをぶった切るというのが一番最初の役割です。
【小林主査】  日本の博士教育はどうしても狭く、深くにちょっと傾き過ぎているんですよね。その狭さで身に付けたものを広く使う能力っていうのが本当は必要なんですが、それがなかなか訓練できていない。多分そこをやってくださっているんだろうなという気がしますけれども。
 バックグラウンドは修士ぐらいだとおっしゃいましたが、やっぱり基本的に理工系のバックグラウンドですか。
【毛利館長】  ええ、理工系のバックグラウンドですけれども、ドクター何人ぐらいいますかね……3分の1ぐらいはドクター持っています。例えば、一ツ橋で理系以外でドクター取ったとか、そういう人たちもやって来ます。
【小林主査】  あ、文系の方も。
【毛利館長】  文系の人もやって来ますね。しかし、それは社会科学の方をやった人です。金融ではなくて。
【小林主査】  金融ではなくて。
 いかがでしょうか。横山さん、どうですか。
【横山委員】  未来館から来てくださっている、たくさんいい方がいらして、やはり未来館の教育ってすごいなと常日頃感じております。大学側の事情として、申し訳ないような状況なのが、こうした方々がその能力に見合った適正な職位で雇われてはいないのではないかなという懸念が少しあります。広報関係ですと、大抵、特任専門職員というポジションで、今、雇い止めの問題が議論されていますが、やはり任期付きで、給与もある程度抑えられた形が常ですし、URAもまだ安定定着しているわけではないので、自由に能力を発揮できるようなところまではなかなか来ていないということがございます。
 あと、大学のコミュニケーションや発信というところですと、今、人気なのはネーティブのジャーナリストです。日本人でもやはり編集者経験であるとか、メディア出身者を雇用する傾向が非常に強くございます。
 そういう意味で、どうしても大学、研究所というのは発信を強く求めているものですから、まだまだそういう意味では第1期の状況を抜けきれていないのは大学なのかもしれなくて、反省を込めながら聞いておりました。
【小林主査】  これ、だから、大学等職員と書いてありますけれども、それはやっぱり広報かURAが中心ですかね。
【毛利館長】  そうですね。今、大きなプロジェクトでお金が付きますけれども、そのプロジェクトの広報というのが単独でやられていますね。でも、それも任期付きで3年、5年ですよね。
【小林主査】  そうなんですよね。その後のことを考えると本当に。ようやくURAが少し認知されてきたというのが現実ですよね。一部、テニュアポスト的なURAというのができ始めているというのがせいぜいのところですね。なかなか広まらないですね。
 それと、どうしても研究者の意識の中にはまだまだサイエンスコミュニケーターというものは、何か、アタッチメントなんですね。研究活動の本質的な成分だという意識がまだなくて、お金が付いたら雇おうか。そして、宣伝してくれればいいよねっていう意識の人がかなりたくさん残っている。それこそ第1期の世界ですよね。それが現状かなという気はしますね。
【真先理事】  一言だけですけれども、先ほどの最初の方の議題で、調整型アプローチと再構成型アプローチとあって、現状、調整型アプローチが主であって、再構成型というのはなかなか、そういうアプローチで行われているプロジェクトというのは例が少ないと。毛利館長の先ほどのお話を踏まえますと、恐らく再構成型のアプローチが、先ほどプロデューサーというお話がございましたけれども、そういったところで本当に広く全体を俯瞰しながら、いろいろな問題とのバランスを調整しつつ、そういった意味で非常に幅広く多くのことを同時に考えられるような、そういったところという能力というのは、なかなかそういう人材って少ないと言われておりますね。今、科学コミュニケーターという名称がいいかどうかですけれども、むしろそういった人材を輩出するようなイメージで、今後未来館では人材育成を検討しているということなので、将来期待と言ったら変ですけれども、先ほど再構成型アプローチにおいて、実は一番能力発揮できるようなアプローチをしているのではないだろうかと。ちょっと時代先取り型なんですけれども、そういうふうな理解で捉えますと、非常に今後、重要な人材像といいますか、そういったものとして一種、描くことができるんじゃないだろうかというふうな可能性を感じましたので一言だけ申し上げました。
【毛利館長】  そういう意味では、未来館から出て、プロデューサー的な人、いろいろな地域で活躍、あるいは大学に行って、しかし、また更に次の、先ほど言ったように、非常にテンポラリーなポジションがほとんどなので、経験を日本社会として蓄積するためにも、その人たちがまた更にほかの科学コミュニケーターの人たちを高めていくという役割も次に必要かなという気がしますね。
【小林主査】  理想的には研究担当副学長になるような人材がいればいいわけですよね。欧米の研究モードに関する言葉遣いでトランスディシプリナリ―という言葉がありますよね。ああいうところのトランスディシプリナリ―型というのは、社会的な課題に対応した形で研究者をどうやってプロデュースするかというところが肝なのですが、そういうことをやっている研究プロジェクトのレポートを読んでみると、やっぱりその人間というのは相当に大人なんでしょうね。そして、非常にこまめにコミュニケーションを全体の中で動かしていくという。だから、そういうレポートを読んでいると、この人ならばできるんだろうなという、そういうところが大きいですよね。これが半分はだからキャラクターというか、もともとのパターンですよね。そして、それに訓練と経験ですよね。
 しかも、ある種の社会的威信を持たないといけなくて、ここが意外とつらいんですよね。やっぱり研究者って自分に対するプライドってすごく強いので、その方々が納得して動くというのは相当の威信が必要で。でも、そういうつなぐ人材かプロデュースする人材が日本に欠けていると言われて久しいのも事実で、みんな抽象的にはそういう人要りますよねって言うんだけれども、具体でっていうとですよね。
【真先理事】  もう一言だけ。科学コミュニケーターではないですが、私どもJSTでは、研究を推進するためのプログラムマネジャーの人材育成事業があります。そこもやはりそういうプロデュースできる人材が日本には非常に少ないというのが問題意識です。ですから、そこを何とか、研修を通じて育成してあげましょうということなのですが、そういう方々が社会の中でちゃんと職として成り立っていくまで、現状では十分に至っていないわけですね。ですから、各企業の中で、そういう一定のポジションで、新事業を立ち上げるとか、そういうパターンというのは一番近いのではないかと。一方で社会問題解決となると、じゃあその方はどこに実際席を置いて、どこでお給料もらって、誰の下で仕事をするとそういうことができるのだろうかといいますと、類型がなかなかないですよね。ですから、そこの部分というのは非常にこれからの大きな課題なんですけれども、そういった話と実は通じているイメージが非常に感じられますね。
【山口委員】  新卒の学生さんしか応募ができないんですか。
【毛利館長】  いえいえ。私たちは、むしろ社会経験ある人を率先して採用しています。
【小林主査】  そっちの方がいいぐらいですよね。大人のやること、仕事なんですよね、これ。
【山口委員】  弊社の若手なんかもやったらいいんじゃないかというふうに。
【毛利館長】  最近、新聞社の科学部の記者を辞めて来た人たちも結構います。
【小林主査】  なるほどね。
【原田委員】  1点よろしいでしょうか。毛利先生のお話を大変感銘を覚えながら聞かせていただいたのですけれども、この東京プロトコルの資料の一番最後のところに、東京プロトコル賛同者の行動方針というのがありますけど、ここで言う賛同者というのはどういう方を想定されているんでしょうか。
 というのは、例えば先生のお書きになったものを、インタビュー記事なんかも最初に読ませていただいたのですけれども、その中で、研究者と言われている人たちの側の意識が変わることが大きな前提であるということを述べておられます。例えば研究者の側に東京プロトコルにちゃんと賛同する、表明する、それに応じた、これに沿った実績を上げているという種類の研究者を何らかの形でしかるべく認知するというか、例えば研究員にするときもそういう部分のところが選考の中で考慮されるとか、何かそういう世の中的な仕組みがあると、その研究者の側の意識の変革ということに一つ、プラスの効果があるんじゃないかなと思ったのですが。
【毛利館長】  この東京プロトコルはあくまでも世界中の科学館ですね、3,000ぐらいあるんですが、その科学館のスタッフの人たちに対する、科学館の集まりというのはネットワークになっていて、ヨーロッパ、北アメリカ、南アメリカ、アジア、アフリカ、中東と、そのネットワークの責任者がサインしているということで、強制力は一応あるんですね。
 今おっしゃっていらっしゃるのは、研究者に関してはひょっとしてSDGsを意識、別にその研究をする必要はないのですけれども、自分の研究がSDG’s17項目のうちどこの貢献になるでしょうかということを意識させるのはすごく重要な気がしますね。
 その点はJSTではそういうことを今、しようとしていますよね。
【真先理事】  ええ。当然ながら、SDGsに対する具体的な貢献ですね。これ、今までやっているのがこの目標の貢献に貢献していますみたいな当てはめの議論ではなくて、更に進めて、やっぱり社会実装していくには、やっぱり研究者の問題意識付けと、具体的の行動というのはどうしても必要になりますので、そこのアプローチというのは、実はかなり大きな課題です。正直言いまして。ただ、日本も政府レベルでも非常に高い問題意識を持って取組を始められているところでございますから、JSTとしてもその一環としてしっかり最前線で頑張っていきたいということで、組織的にもその辺り強化をして取り組んでいくこととしておりますので、これから期待ということで恐縮なのですが、頑張ってまいりますのでよろしくお願いします。
【堀口委員】  第1期から第5期まで、かなりのステップアップが起きていると思うんです。やっぱり科学技術コミュニケーターという用語に対するイメージがどうしても、第1期、第2期のイメージが強くて、この言葉が使われると、多分、第5期のイメージからは離れているような気がするんです。でも、能力としては科学技術コミュニケーションの能力を持っていないと、この5期のこれは絶対できないので、それを考えると、やっぱりちょっと、さっきプログラムマネジャーとかおっしゃっておられましたけれども、やっぱりそういうものを目指すベーシックなところに科学技術コミュニケーションがあって、コミュニケーターとしての能力を持っていないと、次のステップに行けないんですよねというところで、何かちょっと新しい単語と言ったらあれかもしれないのですけど、どうも科学技術コミュニケーターと言われると、イメージとしては、何ていうんですかね、どうしたらいいんでしょうっていう感じがしているのが実際なので、ちょっと職業の名前っていうか、分からないですけれども、考えていただけるとステップが、この第5期のイメージにフィッティングするのかなという気がします。
【毛利館長】  おっしゃることはすごくよく分かります。科学コミュニケーターが第3期から生まれましたよね。10年もう使い古したんですね。レベルはもう違うレベルになっているので、本当は第5期のときに新しい言葉を作るのが適切だったのですが、少なくとも6期に向けては何かそういうものが必要かと思うのですが、それは国側としてはいかがですか。
【信濃審議官】  それについては私も同じような感想を持っていまして、例えば一番先導されている未来館で、皆さん、どういう名前で捉えるのかというところは是非知恵を絞っていただきたいなと思います。
 更に言うと、今、科学コミュニケーターという肩書を使われていますけれども、本当にサイエンスだけなのか。今日の第1部の議論は、サイエンスというよりむしろテクノロジーと社会をどうつなげるかというところがすごく課題が大きいわけですから、そういうことも取り込んだ、そういう新しい名前というのはあってもいいんじゃないのかなと、そういうふうに思いました。
【藤垣主査代理】  今おっしゃった点は、恐らく本日の議題1と議題2をリンクするような話だったと思います。先ほどから、プログラムマネジャーと言っているものは、どちらかというと再構築型の話と近いですね。ただ、調整型の科学コミュニケーションはやはり全く要らなくなったわけではなくて、例えば地球温暖化問題の科学コミュニケーションは環境省を中心に大変苦労されて行っていますし、災害の科学コミュニケーションは、今日は片田委員はおいでになりませんが原田先生もやっていらっしゃいますし、あるいは原子力の科学コミュニケーションもまだ終わったわけではありません。AIの科学コミュニケーションもありますし、再生医療もありますし、感染症に関する科学コミュニケーションもあります。それぞれのコミュニティーの中に入っていけば、それなりに科学コミュニケーションが必要とされていますし、その領域オリエンテッドなものもあるわけですね。
 それと同時に、本日毛利館長からお話があったようなオーバーオールなコミュニケーションも必要なわけです。領域特有なものとオーバーオールなものと両方議論しなくてはいけないわけです。そうすると、どうやって災害のコミュニケーションの知見から出たものを原子力のコミュニケーションに生かすのかとか、地球温暖化のコミュニケーションから出たものはAIのコミュニケーションに生かせるのかとか、そういうのも少し議論しないといけないとは思います。
【小林主査】  そうですね。この第1期から第5期までが相互排他的ではなくて、ある種、重層性で重なっていくわけですよね。なくなるわけではないので、理解増進もやっぱり必要な場面がいっぱいありますからね。
 ただ、どんどんとコミュニケーションという言葉で何となく我々が求めているものの役割が大きくなってきているというか、大事だという認識は広がってきたというのが、この変遷を示していることなんだろうと思いますね。
 これ、議題としては、役割と資質という論点で今日は議論していただきましたが、藤垣委員からもありましたように、多面的というか多層性がありますので、今、未来館の資料の中にもいろいろな場所で養成が行われているということの御紹介も付いておりまして、ちょっとそういうところでほかの機関はどんなことをやっているのかということも少し聞いてみようかということを思っております。
 ここに書いてあるので言うと、静岡科学館というのもかなりユニークなことをなさっていると聞いておりますし、北大は、これ、まさしく第3期の科学コミュニケーター人材育成事業でスタートして、一番正面から科学コミュニケーションのプログラムを組んだところだと思いますので、人数もこの人数ですので、この辺りは候補なのかなというふうに思っております。
 それ以外にも幾つか事務局の方でちょっと今、検討されていると聞いておりますので、順次、次回以降、お招きをしてお話を聞くということにしたいと思います。
 時間は予定を超えておりますので、次回はそういうやり方でこれから進めてまいりますということで、文部科学省とJST、それぞれ何かこの問題についてコメントございますしょうか。
 よろしいですか。そういたしましたら、次回の委員会については、委員の皆様の日程を調整して改めて御連絡いたします。それから、本日の議事録につきましては、また皆様、委員にはお目通しをいただきまして、ホームページに掲載いたします。第1の議題については、今日頂いた議論を踏まえた改訂版を皆様に回覧し、そして、次回の委員会で確認ということですかね。そういう段取りで進めたいと思います。
 今日は毛利館長、わざわざ御説明いただきまして、本当にありがとうございました。
 これで第3回の科学技術社会連携委員会を終了いたします。よいお年をお迎えくださいませ。どうもありがとうございました。

── 了 ──

お問合せ先

科学技術・学術政策局人材政策課

電話番号:03-6734-4191
ファクシミリ番号:03-6734-4022
メールアドレス:an-an-st@mext.go.jp

(科学技術・学術政策局人材政策課)