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第9期 環境エネルギー科学技術委員会(第2回) 議事録

1.日時

平成29年10月16日(月曜日)16時00分~18時00分

2.場所

文部科学省 3F1特別会議室

3.議題

  1. 環境エネルギー分野における平成30年予算概算要求の状況について
  2. 「気候変動適応技術社会実装プログラム」の中間評価について
  3. 「東北復興次世代エネルギー研究開発プロジェクト」の事後評価について
  4. 環境エネルギー科学技術を巡る最近の状況について
  5. その他

4.出席者

委員

高村主査、花木主査代理、市橋委員、沖委員、奥委員、加藤委員、河宮委員、瀬川委員、関根委員、田中委員、谷口委員、手塚委員、本郷委員、山地委員

文部科学省

大山大臣官房審議官、藤吉環境エネルギー課長、佐藤環境科学技術推進官、亀田課長補佐、石橋課長補佐、滝沢専門官、森課長補佐、直井地球観測推進専門官

オブザーバー

佐藤CRDS上席フェロー、中村CRDSフェロー

5.議事録

【高村主査】  それでは,少し時間が早いですけれども,皆様おそろいのようですので,ただいまから科学技術・学術審議会 研究計画評価分科会第9期の環境エネルギー科学技術委員会の第2回会合を開催したいと思います。本日は,お忙しい中お集まりいただきまして,どうもありがとうございます。
 それでは,まず事務局から本日の出席者及び資料の確認をお願いしたいと思います。
【亀田課長補佐】  本日御出席の委員は16名中14名と過半数御出席いただいておりますので,本委員会は成立いたしております。
 また,本日は議題4におきまして,JST研究開発戦略センターより御発表いただくため,佐藤上席フェロー及び中村フェローに御出席いただいております。
 続きまして,事務局に人事異動がございましたので,御報告させていただきます。
 樋口環境科学技術推進官の後任として佐藤が着任いたしております。
【佐藤環境科学技術推進官】  佐藤と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
【亀田課長補佐】  また,エネルギー科学技術担当の専門官として滝沢が着任しております。
【滝沢専門官】  滝沢です。よろしくお願いします。
【亀田課長補佐】  続きまして,資料の確認でございます。本日もペーパーレス化ということで,タブレットに資料を格納させていただいております。座席表,議事次第,資料は1から4-2まで及び参考資料1から3が格納されているかと思います。会議の途中でもタブレットに不具合等ございましたら,事務局まで御連絡をお願いいたします。
 なお,参考資料2,3につきましては,メインテーブル席のみ御覧いただける非公表の資料となっておりますので,御留意いただければと思います。よろしいでしょうか。
 事務局からは以上でございます。
【高村主査】  ありがとうございました。
 本日は議事次第にありますとおり4つの議題を予定しております。委員の皆様から積極的な,忌憚(きたん)のない御意見を頂戴できればと思っております。
 なお,本日の会議終了時刻は18時,6時を予定しております。
 それでは,早速ですけれども,議事を進めてまいりたいと思います。
 まず,議題1でございますけれども,環境エネルギー分野における平成30年度予算概算要求の状況についてでございます。
 それでは,事務局から御説明をお願いいたします。
【亀田課長補佐】  御説明をさせていただきます。
 来年度概算要求につきましては,御存じのとおり8月末に財務省に対して提出をしているところでございます。資料は資料1でございます。クリーンで経済的なエネルギーシステムの実現とある3枚目,ページ数でいうと2ページ目の資料をまず御覧いただければと思います。
 こちらが文部科学省における環境エネルギー分野の概算要求の全体像となっております。総計で508億円程度の要求・要望となっております。大きなところとしては,ITERの計画の推進が額的には大きいんですけども,それ以外にもエネルギー,環境,それぞれ要求をさせていただいているところでございまして,その詳しい内容について,御説明をさせていただきます。
 その次,3ページ目を御覧いただければと思います。
 施策マップというところでして,当課で行っております事業を模式的にマップの形でお示しをしているものでございます。
 まず,全ての気候変動対策の基盤となる高精度の気候変動予測情報を創出,また,地球観測ビックデータを蓄積・統合解析する情報システムを構築する。それらを国内外の政策形成に役立てていただくという点が1フェーズ目。さらに,そういった政策形成に基づきまして,下の方にまいりまして,緩和,適応ということで,それぞれ施策を展開していると,そういう構成になってございます。
 続きまして,具体的な施策について御紹介をさせていただきます。4ページ目を御覧いただければと思います。
 気候変動適応戦略イニシアチブということで,当課における環境系の事業,3事業を束ねたプログラムになっております。詳しい内容については,それぞれのポンチ絵がございますので,そちらで御説明をさせていただきます。
 まず,5ページ目を御覧いただければと思います。
 統合的気候モデル高度化研究プログラムでございます。こちらにつきましては,今年度から開始した事業になっております。要求・要望額が約6.5億円というところで,若干拡充をさせていただいております。
 5年事業の2年目に当たる平成30年度におきましては,1年目の引き続き,このポンチ絵でいうところの左下にございます事業概要にございますような,全球規模の気候変動予測,炭素循環・気候感度等の解明,領域モデルの開発,また,ハザード予測といったことを着実に進めていくことを基盤に置きながら,さらに,パリ協定で定められました2度目標に向けた温室効果ガスの排出シナリオですとか,2度,若しくは1.5度目標を達成時の環境変化,さらに,極端現象の被害発生確率の情報といったものの創出に取り組むことを拡充分として取り組む予定としております。
 続きまして,6ページ目でございます。
 地球観測情報プラットフォーム構築推進プログラムでございます。こちらにつきましては,平成28年度から開始している事業でございます。データ統合・解析システム(DIAS)の高度化に取り組んでいるものでございまして,引き続き産業界を中心に活用を進んでもらえるための取組を進めております。
 拡充分といたしましては,DIASにおいて老朽化しているストレージの更新及び地球環境情報を用いた具体的な課題解決,具体的には,アフリカ域におけるマラリア予防ですとか,そういったことに活用するための共同研究を新たに開始するための費用を拡充分として要求をさせていただいております。
 続きまして,7ページ目,気候変動適応技術社会実装プログラム(SI-CAT)でございます。
 こちらについては平成30年度で4年目,平成27年度から開始のプログラムでございます。5年事業の4年目ということでこれまで近未来予測,ダウンスケーリング等をしてきた情報を,実際に自治体の方に試行していただいて,それを5年目につないでいくと。そういったことで,前年同の約4.3億円の要求をさせていただいております。
 さらに,8ページ目でございます。
 こちらは,JSTの運営費交付金の中でやっておるものでございますが,フューチャー・アース構想の推進でございます。
 こちらにつきましては,国際的優先課題に対する拠出とともに,ステークホルダーとの共同によるネットワーク型の研究推進の部分で一部拡充をしてございます。
 ここまでが環境分野の事業でございます。
 次に,9ページ目でございます。
 省エネルギー社会の実現に資する次世代半導体研究開発でございます。
 こちらにつきましては,平成28年度から開始をしている事業でございまして,3年目の要求となっております。
 2億強拡充してございますけれども,高周波デバイス領域を新たに開始するための拡充が主なものとなっております。
 続きまして,10ページ目でございます。
 JSTの事業でございます未来社会創造事業の中の「地球規模課題である低炭素社会の実現領域」でございます。こちらにつきましては,2050年の社会実装を目指して,革新的なエネルギー科学技術の研究開発を強力に推進するための事業でございます。
 こちらは本年度から開始をしておる事業でございまして,来年度,新規採択のための拡充要求を行っているところでございます。
 続きまして,11ページ目,従前から行っておりました先端的低炭素化技術開発(ALCA)でございます。こちらにつきましては,先ほどの未来社会創造事業と比べまして,2030年の社会実装ということで,新規採択は既に行っておりませんので,既存課題の継続・拡充のための要求を行っております。
 さらに,その次,12ページ目でございます。
 低炭素社会実現のための社会シナリオ研究事業ということで,JSTの中のLCSの取組でございます。明るく豊かな低酸素社会の実現に貢献するために,低炭素社会実現のための社会シナリオ,戦略を提案するということで,取組を進めていただいております。要求としては,前年同ということになっております。
 さらに,13ページ目以降につきましては,理化学研究所における環境エネルギー分野の取組でございます。まず,13ページ目が,創発物性科学研究事業ということで,理研の中の創発物性科学研究センターの中の取組でございます。
 こちらにつきましては,平成30年度におきましては,生体親和性が高いセンサですとか,量子コンピューティングに特に着目をして拡充要求を,運営費交付金の中ですけども,させていただいております。
 さらに最後,14ページ目でございますが,環境資源科学研究事業ということで,環境資源科学研究センターにおける取組でございます。
 こちらにつきましては,今年度から若干模様替えを行っておりまして,SDGsへの貢献ということを志向しながら,5つのプロジェクト,右側にございます,革新的植物バイオ,代謝ゲノム,先進触媒等々を新たに組み直して,プロジェクトを推進するということになっております。
 平成30年におきましては,AIの力も活用して,これまで有用遺伝子ですとか,あとは環境条件の特定に時間がかかっていたものを,AIを活用して短時間でできるような研究開発ができないかということで,拡充要求をさせていただいているところでございます。
 ざっと駆け足となりましたが,私からの説明は以上でございます。
【高村主査】  ありがとうございました。
 それでは,平成30年度の概算要求について,ただいま事務局から御説明いただきましたけれども,御意見,御質問ございましたら,ネームプレートを立てていただけますでしょうか。特に御意見、御質問はないということで,皆さんよろしいでしょうか。瀬川先生,お願いいたします。
【瀬川委員】  最後の理化学研究所のSDGsにかかわる概算要求について,教えていただきたい。SDGsは,17の目標,それから169のターゲットがございますけれども,この挙げてある5つの課題につきまして,それぞれどういう項目に対応されているかというのをちょっと教えていただければ。
【亀田課長補佐】  ありがとうございます。
 SDGsに関してはまた後半も出てきますけれども,非常に目標ごとが関連をしている目標でございます。なので,これだけというわけではございませんが,例えば有用植物という意味では,植物,食糧問題への解決といったところ,あとは,陸域生態系の保存,そういったところに特に環境資源センターとしては取り組みたいと考えていると承っております。
【瀬川委員】  それぞれ番号で教えていただけると非常に分かりやすいんですけど。もし今すぐに難しければ,後で御連絡いただくのでも結構ですけど。
【亀田課長補佐】  
 特に目標2の飢餓のところ,農業の目標が入っておりますのでそちら。あとは目標15,陸上資源,こちらは,陸域生態系の保護といった目標ですけども,そちらが特に重視すべき目標かなと考えてございます。
【瀬川委員】  SDGsは非常に幅広いテーマでございますけども,文部科学省としてこれだけで済む話ではいと思うので,かなり幅広く,ほかの研究課題等で御対応いただけるのではないかなと思います。是非細かく御検討いただければと思います。
【亀田課長補佐】  ありがとうございます。
 実は,本日の議題4の中で,一部SDGsについても触れさせていただこうと思いますので,そちらでまた御意見を頂ければと思います。委員から御指摘いただきましたとおり,ほかの多くの課題,エネルギー,気候変動も特にそうなんですが,非常に関わっておりますし,それぞれの目標間の対立をどう超えていくかという話も大事だと思っておりますので,そこらについてもまた御知見を頂ければと考えております。
【高村主査】  ありがとうございます。
 ほかに御質問,御意見ございませんでしょうか。よろしゅうございましょうか。
 沖先生,お願いいたします。
【沖委員】  後でまたあるということですが,今の例えばSDGsの話に関しまして,SDGsの2の飢餓克服の目標について,増産をすればいいのかというと,よく読みますと今貧しい方々の生産性を倍増すると書いてある。これは途上国の,今,例えば面積当たりの単収が,先進国のトップランナーの多くても3分の1,少ないところですと10分の1近くに非常に低いと。そういう状況を改善するというのは,必ずしも先端的な農業というよりは,また別の技術開発が必要であろうと考えます。
 ただ,そういう目標があって,社会に貢献するための学術である,科学技術研究であるということを研究者が自覚するというのも大事なことだと思いますので,そのバランスをとりながらより趣旨をきちんと浸透して,どこを変えるとSDGsが目指しているような社会イノベーションにつながるのかということを,是非文部科学省としても方向性を示していただくと非常によろしいのではないかと思いました。
 以上です。
【高村主査】  今頂いたのは御意見だと思いますが,ほかに御意見,御質問はございますでしょうか。事務局から何かございますでしょうか。よろしいですか,ありがとうございます。
 それでは,頂いた意見を踏まえて,概算要求について,是非御尽力いただければと思います。
 それでは,次の議題に移りたいと思いますけれども,議題の2でございますが,「気候変動適応技術社会実装プログラム」の中間評価についてであります。
 この議題については,議題に入るまでに留意事項がございます。中間評価の実施でございますので,文部科学省における研究及び開発に関する評価指針に従って,公正で透明な評価を行うという観点から,原則として利害関係者が評価に加わらないようにするという必要がございます。その範囲については,研究計画評価分科会で定められておりまして,当委員会でもそれに従うことといたします。
 具体的には,利害関係者の範囲でございますけれども,1つに評価対象課題に参画をしている者,2つ目として被評価者,実施課題の代表者と親族関係にある者,3点目に,利害関係を有すると自ら判断する者,そして,4番目に分科会において評価に加わらないことが適当であると判断された者,この4つが,研究計画評価分科会で定められている利害関係者の範囲でございます。
 ここでお尋ねをすることになりますけれども,今回の評価対象の課題について,利害関係を有すると自ら御判断をなさる委員はいらっしゃいますでしょうか。いらっしゃいましたら,教えていただけると有り難いんですが。よろしゅうございましょうか。
 それでは,いらっしゃらないということで,このまま議題を進行させたいと思います。
 まずは,事務局から評価実施状況について,説明をお願いいたします。
【亀田課長補佐】  中間評価につきましては,前回の本委員会におきまして,参考資料1としてお配りしておりますけれども,評価の進め方を決めていただきました。
 まず,研究代表者より提出されました自己点検報告書,こちら参考資料2,また,次の議題になりますが,東北復興事業については参考資料3として出されております。これを踏まえまして,事務局にて評価結果の案のたたき台を作成しております。その後,評価グループの先生方にたたき台をお送りし,評価結果について御確認を頂き,今回おかけしている評価案というものを作成してございます。
 事務局からは以上でございます。
【高村主査】  ありがとうございます。
 それでは,引き続いて,本評価結果案について事務局から御報告をいただきます。
【石橋課長補佐】  それでは,事業を担当しております石橋から御説明申し上げます。資料2の方を御覧ください。
 先ほど,御説明いたしましたけども,自己点検評価結果に基づきまして中間評価の原案を作っております。1ページおめくりいただきまして,中間評価調整グループを,高村先生中心に市橋先生,近藤先生,手塚先生,本郷先生,4人の方を委員にお願いいたしまして構成しております。
 それでは,具体的な方,3ページの方に移ってまいります。できる限り端的に御説明申し上げますので,よろしくお願いいたします。
 1ポツ,評価実施期間及び評価時期でございますけども,中間評価,今年度,事後評価は,事業が31年度までですので,32年度を予定しております。
 それから,2ポツ,研究開発概要の目的でございますが,これも我が国のあらゆる地域で適応策の立案を支える共通基盤を活用できるよう,要は出口戦略のマネジメントであるとか,技術の進捗管理というものを行う社会実装機関が,研究開発を担当する研究開発法人,企業,大学と連携して,政府の適応計画や社会的ニーズを踏まえた汎用性の高い技術,あるいは共通基盤的なアプリケーションを開発し,自治体への技術の移転を進めるということが中心でございます。
 プログラムの中身として,気候変動に係る最先端研究を,その自治体の適応計画や企業の適応策に係る新規事業といった出口へと橋渡しをする協働体制をシステムとして中に組み込んでおりまして,地方公共団体,自治体における最適な適応策の組合せ,新たなビジネス創出の支援を実現するということにしてございます。
 続きまして,3ポツ目,研究開発の必要性でございますが,これは事前評価いただいたときの概要になってございますので,細かくは御説明いたしませんが,必要性においては,適応計画に科学的根拠を与えるもの,そして,社会に定着させるためということで,これらのプログラムの必要性は高いとされております。
 それから,有効性でございますが,気候変動の影響の解明を競うということで,適応策が講じられるべきだということで,有効性も高いとされております。
 それから,効率性でございますが,先ほど御説明しましたけども,出口である社会実装の確実につなげるために,社会実装機関と技術開発機関というものをプログラムの中に組み込んで,社会実装に確実につなげるための体制というものをとっておるということで,効率性もあるとしております。
 続きまして,4ページでございます。
 予算でございますけども,平成27年度,5.7億強で始まりましたが,28,特に29年度は大きく削減されております。といいますのは,一応,環境省における、この後にも事業の説明が出てきますが,適応コンソーシアム事業というものが今年の8月から開始されておりまして,それと並べてみたときに非常に重複感があるということで,残念ながら削減されているものでございます。今年度以降は,何とか前年同ということで事業を進めていきたいと考えております。
 5ポツになりまして,課題実施機関・体制でございますが,一応,先ほど全体プログラムのマネジメント,それからニーズ抽出し,その研究開発計画の立案をするようなところが課題1でございますけども,これは,JST,法政大学,それからリモート・センシング技術センターと3機関。
 それから,課題2でございますけども,近未来予測技術の開発,それから,ダウンスケーリングとなっておりますけれども,これは,JAMSTEC中心に以下の13機関となっています。
 また,おめくりいただきまして,4ポツ,課題3の方でございますけども,実際,影響評価にいかにつなげるかということをやる機関になっておりますけど,これは国立環境研究所中心に全17機関になっておりまして,総計いたしますと全33機関,研究者を集めるだけで100人を超えるという,非常に複雑なプログラムになっております。この辺がいかに苦労を生むのかというところの前段になっております。
 6ページの方に入らせていただきます。
 課題の進捗でございますが,プログラムの進捗自体は,非常に大規模で多数のニーズが集まっているプログラムではございますけども,一応何とか良好な状態に落ち着いております。
 先ほど御説明しましたとおり,社会実装というものに主眼を置いているプログラムでございます。事業3年目に当たります中間評価地点の大きな目標,7ページ目の7行目ぐらいになりますが,まず,社会実装機関は,要は地方公共団体からのニーズを基に,研究開発方針を定め,必要な種々のデータセットの創出,そのデータセットを活用した影響予測評価の準備を整えると,要は,影響評価のモデルを作り上げますというところでございます。
 先ほど出ましたが,環境省においては,地域的なコンソーシアム事業が8月から3年間の予定で開始されておりまして,この環境省の方からも,SI-CAT,あるいは別の事業,前年事業である気候変動リスク情報創生プログラムでありますとか統合的気候モデル高度化研究プログラムでありますとか,そういうところのデータを提供していただきたいというニーズが強く寄せられておりまして,社会実装を目標とする本プログラムにとっても,社会的な環境が、時宜を得てということになっております。
 実際,先ほど33機関も集まっておりまして,その中には気候研究者,それから影響予測評価研究者,それから,最終的なユーザーとなります自治体の方々も含まれておりまして,それぞれの適応策に対するアプローチ,考え方,どのようにしてそれを使っていくかという考え方がまるで違いまして,気候研究者の方は最先端の成果をどう生かすかというのがやはり中心でございます。
 一方で,末端の自治体の方々にしてみれば,こういうことで困っているので,そういうものに基づいた影響予測の結果が欲しいと。
 その間に,影響評価の予測の研究者は挟まれておりまして,よりその上流側に理解があるのか,下流側に理解があるのかで,手を結べるのか結べないのか,あるいは同床異夢のまま研究を進めるのかという形で,非常に際立ったそれぞれの参加者で考え方に非常に際立ったところがございました。
 結果,各研究担当のところのインプットとアウトプットが一致しないと。しかも初年度は4か月間しかなく,かつ,これは公募事業でございますので,公募されると,ある程度こういう形で研究開発を進めますみたいなものが示され,それを基本に委託するわけでございますので,全体的なプログラムの方針が,社会実装機関がニーズを集めてきて,それを技術開発機関に提示し,それで研究開発方針を決めるべきではなかったのかという中で,かなりのハレーションが起きまして,それをまとめるのに大分手間取ったということでございます。
 ただ,そこを何とか乗り越えまして,今のところ,何とかデータセットの創出に全力を挙げて計算中でございまして,それから,影響予測の評価の担当するところにおいても,モデルがそろそろ仕上がりつつあります。
 文科省も事業の円滑運営を進めるために,JSTと協力いたしまして,プロジェクト運営に携わったり,それから,事業連携,当方の統合的気候モデル高度化研究プログラムであるとかDIASであるとかもちろんでございますけども,環境省との連携も一肌脱ぎまして,大分うまく回るようにしたというところでございます。
 さらに,7ページの一番下になりますが,今,このような適応の高まりというものがございまして,新たにもともとモデル自治体,ここに書いてございますような茨城から高知県まで参加しておりますけども,新たに大阪市であるとか京都府,それから,北海道が今ニーズ自治体としてプログラムに参加しております。富山県がニーズ自治体としてとございますが,これはまだ調整中であります。
 先ほど,予算が大幅に削減されましたという説明を致しましたが,7ページから8ページになりますけども,ぎりぎりまで上流側のデータを作る方は頑張ってデータを作ると,影響予測評価するところは,ぎりぎりまでそれを遅らせて,予算のかかるピークをできる限りずらしまして,何とか今のところで成果を,当初の目標である中身のまま出せるような形にやっておりますということでございます。
 8ページ目になりまして,研究開発体制は今まで御説明したとおりですので省きます。
 それから,進捗状況の御説明になりますが,課題1,社会実装機関でございますけども,ここも簡単に進めますが,地方公共団体のニーズ掘り起こし,先鋭化,それから技術ニーズの的確な把握と技術開発機関への提示というものになっています。
 それから,あとはもう一つ,全国の地方公共団体がSI-CATの成果を利用して,主体的に適応策の策定を行うような手法の策定ということ。
 それから,成果の情報基盤整備となりますが,これはデータの可視化されたデータの提供システムということでございまして,これも予算の削減も受けまして,可能な限り環境省との連携を深めた方がよかろうということで,可視化されたデータは環境省のA-PLAT事業,気候変動適応情報プラットフォームの方に統合してはどうかという形で話を進めております。
 それから,データそのもの,プロ仕様のデータそのものに関してはDIASの方に実装しまして,使える方々には自由に使っていただこうという形にしております。
 それから,広報でございますが,特に今後でございますけども,時宜を得た報道発表内容となるように成果の発表タイミング,例えば今後ございますとIPCC1.5℃特別報告書みたいなものに合わせてその成果を打ち出していくとか,そういう戦略的な広報対策,政策というものをとろうと考えております。
 それから,課題2でございますが,課題2は近未来予測とダウンスケーリング技術でございまして,世紀末のデータ中心でございますので,2030年から2050年頃を中心とした近未来の予測と,それから,ダウンスケーリングとして,汎用的なものといたしまして,統計的ダウンスケーリング技術,それから,具体的なモデル自治体のニーズに応じて,もっと詳細なものをニーズとして持っている自治体に対し,力学的ダウンスケーリングによって詳細なものを提示しているということでございます。
 また,10ページの方移っていただきまして,課題3,1ページ下です,影響評価の方ですけれども,課題(ⅰ),課題(ⅱ),課題(ⅲ)と分かれておりまして,課題(ⅰ)は,気候変動に関する分野別影響・適応策評価技術の開発ということで,具体的な影響を評価予測の技術開発になっています。
 課題(ⅱ)の方は,先ほどのアプリケーション,A-PLATでの提供とかDIASにおけるデータの提供というものございましたけども,そこの研究開発を一つやっているところでございます。
 それから,課題(ⅲ)でございますけども,これはどちらかというと自治体支援でございまして,気候変動適応の推進体制の構築であるとか,汎用的な影響・適応評価技術支援ということで,ちょっとコンサル的なところの事業の中身に含んでおります。
 12ページに参りまして,。 現時点,③でございますが,研究開発の成果及びその波及効果でございます。社会実装を主眼に置いておるので,ちゃんとニーズをとり,それが使われるような道筋を付けて研究開発を進めておる一方でございますが,成果の対外発信もかなりできるところが多くございまして,当然,国内,国際向けの論文,学会誌などにもございますし,それから,IPCC1.5℃特別報告書の一次ドラフト,執筆者がメンバーに入っておりますので,そこから本プログラムの成果の引用とか,それから,ダウンスケーリングに関しては,アジア圏,CORDEXのようなところでも活用されていて,今後,さらなる成果は十分に期待できるというものになってございます。
 続きまして,(2)の各観点の再評価でございますが,これ最初のページにございました,概略で御説明させていただきました必要性・有効性・効率性のところでございますが,そこの点を再評価するというところでございます。
 ただ一方で,本プログラムの必要性,有効性,著しく高まっていることは疑いようのない,議論の必要のないようなところでございまして,さらに,先ほど申し上げていますように,地域適応コンソーシアム事業,環境省が開始されておりますので,創出された成果の活用先,実装先というものも広がっている状態にあるということでございます。
 また,効率性につきましては,先ほど御説明,ちょっと触れましたが,DIAS側との調整というのが着実に進んでおりまして,DIASの研究開発方針とSI-CATのデータの提供したい形というものが一致を見ているということがございまして,非常に双方プラスになるような形で,SI-CATの成果のDIASへの実装が,DIASにおける研究開発のAPIを用いた連携の第一号となるような形になっております。
 最後,マネジメントでございますけども,先ほど御説明しました各研究機関におけるアウトプット/インプットの溝というものが,何とか、大分,PD,サブPD,それから,各参画者の努力によって大分解消されてきたところでございます。
 なので,この動きを大事にして,最後まで,残り2年半となってございますけども,進めていくということが一番重要だと考えております。
 14ページ,最後のまとめでございます,今後の研究開発の方向性でございますが,継続ということとさせていただいております。
 一応,本プログラムの政策的・社会的意義というものは様々な状況,社会実装先の拡大というものを踏まえまして,プロジェクト開始時に比して著しく高くなっているということに疑いはなかろうと考えております。
 あとは,本プログラムの成否というのは,残された期間内で技術開発と社会実装が統合されたプログラムとして,創出した研究成果をいかに適応策策定における科学的根拠として社会実装させるかということにかかっておると考えております。
 今後のプロジェクトの実施に当たりましては,研究開発プロセスのアウトプット/インプットの溝の一層の解消であるとか,事業課題の一部見直しの可能性等の懸念材料に対応していくというのが必要だとしております。
 このため,一番のメーンになりますけども,今年度,予算も確定し,次年度の研究開発計画の策定に際しては,成果をベースに,社会実装先及び展開というものを見据えて,よりその実装に近い技術開発課題,あるいは活用の裾野が広い技術開発課題を中心に据えるべきである。それに際しては,課題の中止・変更も避けるべきではない。また,その参画機関の追加,入替え,それは予算の兼ね合いというのもなりますけども,大幅な見直しもあってよかろうと,あとはプログラムの成果の社会実装とその後の一層の成果利用の拡大に向けて,徹底した最適化を行いなさいとしております。
 あともう一つは,あとは自治体の方ですけども,適応に取り残される自治体がないよう,これら研究課題の成果を踏まえて,具体的な事例として見える化し,地域ごとの実情に合った適応策の策定に結び付くよう,引き続き社会実装への取組を図ると。具体的には,課題2,3の進捗に伴う技術開発の具体的事例に,シナリオプランニング,コデザイン,今までやってきたことでございますけども,そういうものをちゃんと活用し,社会実装を図っていくことが重要であると。これは手塚先生からコメントいただいたところでございまして,私の方も,ちょっとこの辺の視点が抜けていたなと思いましたので,追記させていただいたところでございます。
 最後は,その他でございますが,環境省との連携は積極的に行うべきだということで,利用先の拡大に努めなさいということでございます。
 それから,本プログラムの成果であるデータセットは,必ずしも地公体だけに限られるものではございませんので,企業等への利活用,将来的な利活用の拡大というものも含めまして,公開するデータセットのデータポリシーをちゃんと明確化すること。また,当然,利用手引きの充実など重要ですので,可能な限り早いタイミングの対応をすると。この辺はちょっと本郷先生の方からもコメントいただきましたので,その辺追記させていただいた次第でございます。
 ちょっと長くなりましてすいません,以上でございます。
【高村主査】  ありがとうございました。
 それでは,ただいま御説明いただきました中間評価結果案について,御質問,御意見等ございましたら,ネームプレートを立てて御発言をお願いしたいと思います。
 それでは,こちらから,河宮委員,お願いいたします。
【河宮委員】  ありがとうございます。
 環境省のプログラムとの連携ということが指摘されていましたけれども,これは連携と同時にお互いの特色をはっきりさせていくという作業も必要になってくると思うんですが,その辺の議論はどうなっていますか。
【石橋課長補佐】  ありがとうございます。
 なかなか,その辺難しいんですけども,ただ,環境省のコンソーシアム事業の中身,方向性というのは,環境省の方は研究開発を主眼には置いていない。今あるものとか今ある成果,論文,それから,大学等々研究機関における先生方とかをちゃんとまずマッピングして,自分たち,各自治体の地方公共団体が行いたい適合策に取り込んでいきましょうというのが基本になっておりまして,それは今までどおり,研究開発は文部科学省で行い,そこでのデータを使って,影響評価・予測は環境省という図式は崩れておりません。
【高村主査】  よろしいですか。では,花木委員,お願いいたします。
【花木主査代理】  私も実は環境省の研究とのプラスの連携がどういうことがあり得るかということでお伺いしようと思っていたんですけども,今おっしゃったとおり,環境省が目的としているのは,むしろ実際への応用であって,こちらは科学的な研究のところが中心ということです。それをプラスが出るように連携しようとすると,どうしても時間のずれの問題が出てくるかと思います。研究期間中にある種,こちらから出した研究成果を環境省の方でお使いになることが可能なのか,そのあたりの見込みはどうなのかということと,併せてその研究参画機関の見直しをされるという中に,そういった実際の環境省へのブリッジになるような機関が入ることがあり得るのか,そのあたりはどんな様子でしょう。
【石橋課長補佐】  ありがとうございます。
 まず,データ提供の見込みでございますけども,コンソーシアム事業と並行して,環境省のS15の方からも,SI-CATのデータを提供してほしいという話が同時並行で実は動いておりまして,なので最初,S8のデータを共通して用いようということになっていたのですが,そこはちょっと2つ目の御質問にも関わるんですけども,国立環境研究所の肱岡先生が当方のメンバー,課題3の,課題代表者になっておりまして,そことちょっと御相談したところ,S8のデータはデータでいいんだけども,SI-CATのデータは解像度も,それから座標系とかも異なっているので,つまり全部SI-CATの方で成果が出てからの提供では,円滑に移行できるか分からないという問題提起がございまして,それなら,テストリリースという形で,今,SI-CATの中で取りあえずデータを作ったので,テストで使ってくださいというような状態のものをそのままリリースしましょうと。それは双方で,じゃあこういう条件で使ってくださいという話が進んでおりますので,使えるものは可能な限りSI-CATの方からも出していく,リリースしてしまうという方向で進めております。
 それから,見直しに関しては,そこは国立環境研究所が間に入っていただいているので,そこはこれまでどおり国環研の肱岡先生中心にしたメンバーとそこはすり合わせていこうということになると思います。
【花木主査代理】  ありがとうございます。
 そういった文部科学省と環境省とのいい意味での連携というのは,ほかの研究課題にも共通するモデルケースになると思いますので,是非何らかのプラスの形になるようにしていただければ有り難いと思っています。
 以上でございます。
【高村主査】  瀬川委員,お願いいたします。
【瀬川委員】  地域連携について,お伺いしたいのですけれども,例えば7ページのところに,当初から参画しているモデル自治体の地域的なバランスを見てみると少し偏りがあるかなと思うんですが,例えば,東北は1県もございませんし,九州は佐賀県1県だけと,それから四国はその代わり4県全部入っていたりとか,このあたりの考え方といいますか,どういう方針でやられているのかというのはちょっとお伺いしたいと思います。
 というのは,全国を細かくやったとしても,例えば東北の実際分析データを作っても,全く利用されないようなイメージになるのですが,このあたりどうお考えなのでしょうか。
【石橋課長補佐】  ありがとうございます。
 まず,公募というお話をさせていただきましたけども,これは公募事業でございまして,この事業に参画したい自治体も手を挙げてくださいという形で,別途公募した形になっております。
 なので,そういう意味では,最初にモデル自治体として参画しているところは,ニーズ,自分たちの適応でこういうところを考えたいというところが明確な自治体でございまして,そういうものが公募で上がってきていると。なので地域的なバランスは,この計画に関しては度外視されているというのが現実です。
【瀬川委員】  本当に役に立たせる事業としてどう考えるかだと思うんですね。文部科学省がやはり全国バランスして,重要だということをおっしゃるのであれば,少なくとも各地方1県ぐらいはバランスよくきちんとターゲットを選んでいただいて進める方が,より予算の使い方としては有効なんじゃないかと思います。もちろん,それぞれの県にいろいろ御事情はおありでしょうが,これは全国をカバーしている研究開発のはずなので,そこら辺のバランスからみて手を挙げないからそれでいいというわけでは決してないと思うので,少しお考えいただいた方がいのではないかなと思います。
【石橋課長補佐】  すいません,ありがとうございます。
 一応,データに関しては近未来課題,課題2の方で,一応全国の対象とした1キロメッシュのデータというものは作っているので,そこで概略的なものは全国どこの自治体さんでも提供でき,見られるようになるのは間違いないところです。
【瀬川委員】  用意はしているのは分かるのですけども,そこがちゃんと有効利用されているかどうかというところが一番問題で。
【石橋課長補佐】  それなので有効利用に関しましては,環境省の地球適応プラットフォームの方に一緒に乗せていただいて,これから,その適応政策の基本となるような使い方,当然されていきますので,そこにデータ提供するという形にしますということにしています。
【瀬川委員】  特に終了評価等を考えたときに,ずっとこのまま地域的なバランスが悪いまま進むわけにはいかないと思うんですけれども。
【石橋課長補佐】  そこは地域適応コンソーシアム事業のところで,一応我々全国に,それぞれの地域のところにも参加しております。実際そこに対してもデータを提供することになっています。地域適応コンソーシアム自体も,かなり地域地域で自治体の濃淡があるものの,そういうところを活用して成果に,普及に努めていきたいと思っていますので,そこは先生の御懸念おっしゃるとおりではあるんですが,ある程度カバーできるかなとは思っています。
【瀬川委員】  こういう問題は手を挙げる,挙げないに関わらず,恐らく日本の全国47都道府県,全部同じ課題を抱えているはずなので,そのあたり御配慮いただければと思います。
【石橋課長補佐】  はい。
【亀田課長補佐】  補足をさせていただければと思います。
 委員からの御指摘,至極真っ当でございまして,我々として石橋からも申し上げましたが,まず環境省と連携してアウトリーチをかけていく部分,それがまずあると。他方で当事業におきましても,社会実装機関が本事業の成果をアナウンスしていくというふうなことが後半ございますので,そういった際に今,空白地帯になっているようなところについても,積極的なアプローチができないか,検討してまいりたいと思います。
【高村主査】  よろしいでしょうか。ありがとうございます。非常に重要な御指摘を頂いたと思っております。この事業は2015年から立ち上げたと思いますが、まだ国の適応計画も作ったばっかりの段階で,自治体のところでやる気のあるといいましょうか,手を挙げてくださるところがなかなかない中で,ある意味では先行的に始められたというところもあると思っています。今後の、特に環境省さんとの連携も含めた課題として事務局からありましたように,対処していく必要があるかなと思います。ありがとうございます。
 それでは,手塚委員,お願いいたします。
【手塚委員】  ありがとうございます。
 私としてはコメントを出させていただいて,後ろの方に採用いただいてどうもありがとうございました。ちょっと応用的な解説も含めてコメントさせていただきますと,やっぱり適応というのは,適応という言葉そのものには余り意味がなくて,その中にいろいろな要素が分解されて入っているわけですね。実際の行動は激甚災害対策であったり農業対策であったり,あるいは健康被害対策であったりもろもろの分野に分かれてくるわけで,恐らく地方自治体でも全部を適応という形でくくってやられるような部署とか専門の方とかおられるわけじゃなくて,多分課題ごとに担当部署がばらけているだろうと思います。
 そういうところにどのようにリーチしていくかというのが多分大きなテーマになってくるのかなと思いまして,たまたま今ここに手を挙げられている自治体というのは,恐らくそういう全体を取りまとめて見られるような方が何らかの理由でおられる,あるいは茨城大学のように日本で最も適応のことに詳しい方が地元の大学の学長さんをやられている,こういう自治体であるとインタープリターがいるわけなので,恐らく自治体の方もそういう体制がとりやすいのだろうと思うのですけれども,そうでない自治体も全国には物すごくたくさんあるのではないかと思われるわけですね。
 これは研究開発テーマですので,基本的に研究員の方々が皆さんこれを実施されていく中での成果物は、IPCC向けの報告書にするとか学会の論文にするとか,そちらの方は非常に熱心にやられると思うんですけれども,実際は世の中にどう役に立ったとか,これをやったらこういう問題が解決する方向に自治体として一緒に動けたという,そういう意味での広報活動,余り科学技術研究的にはなじまないのかもしれませんけれども,そういうものにもきちんと成果を出すように,インセンティブを研究員の皆様にも付けられたらいいんじゃないのかなと思うわけですね。
 というのは個々の自治体にとってみると,自分のところで役に立ったということはあったとしても、,何もそれを全国の他の自治体に共有するというインセンティブは直接的にはないわけですから,国がそれをプロモーションしないと横に広がっていかないということがあるのかなと思います。そういうつもりがあってこの、「取り残される自治体がないように」というコメントをさせていただいたわけなので,是非そこら辺のところは御配慮いただければと思います。
【高村主査】  ありがとうございます。本郷委員,お願いいたします。
【本郷委員】  私の方から3点ほどありますが,これらは既にコメントを出させていただいているものです。
 最初の点は自治体の中の体制なんですけれども,御指摘のようにやはり自治体には必ずしもよく知っている人ばかりではないと思います。しかも私が知っている地方の小さな自治体では,気候変動問題を担当する人は全くいない,知識もないしいないという状況です。そういう自治体は非常に多いと思われるので,そういったところもこれから必要になってくるわけです。手塚委員おっしゃった広報といいますか,もう少し広範に政策をやっているところを話しをしてはどうでしょうか。。具体的にいうとどこの自治体にも総務・企画担当のようなところがあって,その方々が東京によくやってきて予算関係の交渉をしたりするわけですね。そうした人たちを一つターゲットにして,こういうことがあるんだと,こういうことをやっていかなきゃいけないと考えていくというのも一つのやり方ではないかなと思います。
 恐らくその先には分かったところでもなかなか手が回らないとか理解にするにはちょっと経験不足だというところがあるので,地方の大学と連携するようなことを促すしてはどうでしょうか。そこを文部科学省さんの方から後押ししてあげるというのも一つのやり方なのかなという気がいたします。
 2つ目でございますけれども,ニーズです。自治体のニーズの先にはやはり別のといいますか,本当のニーズがあると思うんです。住民あるいは農業だったり,あるいはインフラだったり,その先をちょっとにらんで、一つのやり方としては自治体以外に,例えば大規模な都市開発をやっている民間企業もあると思うので,そうしたところにもちょっと目を向けてもらうような形を促されたらどうかなという気がいたします。
 それから3番目。最後なんですけれども,近未来という言葉でございますけれども,これは2030年を想定されているわけですが,インフラ投資をする企業の目からすると,2030年以降のこともよくにらみながらやっていますし,それから,気候変動の影響が明確に出てくる可能性が高いのは30年以降というような話もございますので,2030年というのは予算で確かに設定されている話,政策としてあるのかもしれませんけれども,その先をにらみながら2030年を見るというようなアプローチでやった方がいいのかなというような気もいたしました。
 以上,3点でございます。
【高村主査】  ありがとうございます。
 それでは,山地委員,お願いいたします。
【山地委員】  私は一つだけなんですが,課題1のところでニーズの掘り起こしと先鋭化という言葉もあるんですけど,申し上げたいことはその中に広報という欄がありますね。広報は私も重要だと思うんですけど,最近確かに時々適応絡みの記事を見るんですけれども,どっちかというとただインパクト,気候変動の影響のこんなことがあった,起こって大変だという感じのメッセージ性が強いものが多い。しかし、そのなかでは、適応が重要であるとか,適応でこんなことができるとか,ということには触れられていなく、インパクトの説明にとどまっていて,適応の重要性のところまでなかなか遡及できていないような感じを受けます。必ずしもこの事業に関する広報かどうか,そこは確認したわけではないですが,そういう感じを受けるのでやっぱりインパクトと適応は表裏のものですけれども,その適応の重要性というところを併せて広報されるように努力してほしいなと思います。
 もう一つはインパクトに関して、難しいところは不確実性があるということです。そこを先鋭化とかいうと影響が大変だという方にいくかもしれませんけど,そこの不確実性というのもうまく伝える必要がある。このような不確実性の説明についてはなかなか一般のメディアではほとんど見ないです。そのあたり広報に関して注意を払っていただきたいというコメントです。
【高村主査】  ありがとうございます。
 それでは,田中委員,お願いいたします。
【田中(加)委員】  日本国内でどのように広めていくかというお話のときに,ちょっと風呂敷を広げ過ぎると言われてしまうかもしれないのですが、最後の方にもございます、海外での適応策の応用という言葉に関連して,今までのところとは少し違った視点でコメントさせていただければと思います。もちろん適応策をきちんと日本の中で各自治体に広めていくことも大変大事だと思っていますが,同時に国際貢献という意味ですとか,あるいは科学技術の社会への貢献という点から言えば、対象を日本に限らずほかの国も視野に入ってくると思います。実際に量をこなしていくといったら変なのですが,日本国内だけではなく経験を増やすには、他の国で実際に支援を必要としているところ、あるいは、そういった国際協力面で適応策を進めている機関や団体とうまく協力していくことが大事だと思います。それを通じ,経験値としても知見としてもより深めていくことができます。その適応をどのように進めていけばいいのかということが蓄積されていくことで,更にそれを国内で、より似通った,例えば全く同じ気象条件や土地の条件などはないと思いますが、同じような問題が見られるところがあればフィードバックして,適応策を進めるということも可能になると思います。国内が全部終わってから海外に広げていきましょうではなくて,ある程度並行してそういった海外のニーズといったものも一緒に考えていくということが重要化と思います。いろいろな実行する母体,主体があると思いますが,科学技術を見ているこういった検討では、まずそのような視点で進めることが効率的にもなると思います。
 もう一つの別の観点ですが,本件では、インパクトと適応といった話つながっているところが非常な重要だと思います。余りにも当たり前のように影響があって,適応があると考えていらっしゃるように感じます。実際に影響があって適応があるという以前に、発展の度合いが地域や国によって全く違うことが大きく作用しているということを考慮すべきです。国際的な視点のコメントにはなりますが,例えば気象によってあるインパクトが起きたとき,それが全く過去に起きていなかったところと,十分な経験則があるところでは,適応策のとり方が全く変わってきます。
 単純な例でいうと例えば台風が今まで来てなかったところに急に台風が来たときは甚大な被害が起きる。でも,日本の沖縄に同じ規模の台風が来ても全く問題ない。あるいは洪水なんかもそうだと思います。経験や、その地域の発展の度合いが違うことで,全く適応策が違ってくることが,国際的な地球規模で見たときに非常に大きくなってきますので,ニーズというものの取りこぼしがないようにしなければいけないと思っています。そういう意味でいうと日本の今まで当たり前にやってきたことが,実はほかの地域では非常に必要とされている大事な技術であったりということもございます。また逆もあるかもしれません。そういったことの視点も少し今後入れていっていただいたらいいのかなと思います。
 以上です。
【高村主査】  ありがとうございます。
 それでは,沖委員,お願いいたします。
【沖委員】  ありがとうございます。
 最初の御説明で大変御苦労されたというお話がございました。多分今後に生かすという,あるいはこのプロジェクトはあと2年半とおっしゃっていますが,その後もまだこういう研究,非常に重要だと思いますので,そこにどう今回の教訓を生かすかというのが非常に大事なのではないかと思いました。
 それは2つの側面があって,まず研究者の方がやはり大学をはじめとする国立大学法人化の後,非常に予算をとにかく外部資金を獲得する必要があるということで,公募に際して例えば民間と協働するのが大事だと書かれれば,民間と協働します。地方自治体と協働しなさいと書かれれば,地方自治体と協働しますと。自発的な意思の有無にかかわらず、とにかくそう書かないと予算がとれないと思ったら書いてしまうような嫌いもなきにしもあらずというところをきちんと選別して,本当にそういうことをやろうと思っているところ,あるいはやった実績のあるところでチームを組んでいくことが大事であろうと思います。
 片や自治体の方も先ほどバランスが大事だと,本当にバランスが大事だと思うんですけれども,こういう研究開発的な要素のある事業がいきなり始まっても,なかなか積極的に取り組めなくて効果が上がらないだろうと想像すると,やはり最初は手を挙げたところできちんと研究開発をして,その成果を事業の後にまた実際のオペレーションに持っていくのがよいのではないでしょうか。その部分は,もしかすると文部科学省ではない現業機関を持つような機関が事業化していくことでよろしいのではないかと私は思いました。
 じゃあ,今後の教訓として何があるかなんですが,私の記憶では,SI-CAT始まる前に専門家で会議を開き,どんな方策がいいかについて議論されたのではないかと思います。その段階から本当は民間であったり地方自治体の方,が参画しているべきだったのではないかと思います。実際にはそうもいかず、関心も高く,理解度も高い人だけでやっていたのではないでしょうか。今後はもう少し広いメンバーで,最近のはやりでトランスディシプリナリーな会合を最初から開催して研究計画を練るということが必要なのだと思います。逆にいうとこの最初の2年は正にそういう段階であったという認識で,そこで正にトランスディシプリナリーに研究計画を作って,これからそれを実施に移す段階であるという中間評価という位置付けにされてはどうかと思いました。
 以上です。
【高村主査】  ありがとうございます。
 それでは,奥委員,お願いいたします。
【奥委員】  すいません,ちょっと私,そろそろ失礼しなければいけないので,意見を出る前に述べさせていただきたいと思います。
 以前にも申し上げたことかもしれませんけれども,地方公共団体の環境基本計画ですとか地球温暖化対策計画ですとか,そういったものの策定や見直しに関わっている立場から見ますと,やはり地方公共団体の中には適応策と言われた途端に何をしたらいいのかなかなかアイデアが出てこないと。非常に限られた集中豪雨対策ですとかそういったところしか思い付かないといったようなところがいまだに多くて,その一方で,実は防災の観点からもそうですし,若しくは快適空間の創出ということで取り組んできた緑化もそうですし,若しくは農業の支援という意味から取り組んできたこともそうですが,つまり現行のこれまで取り組んできた施策の適応にも資するというものが多々あって,そういう視点,適応の視点を持てば今までやってきたことの延長線上,若しくはそれにもう少し知見なり技術なりを加えるとより有効なものにできる,そういう余地が非常に多分にあるわけですね。
 そこに気づいていないというところもまず大きな問題としてあると思いますので,その広報という観点からは,今まで取り組まれてきたこと,これまでの施策というものをまずしっかりと洗い出していただいて,その適応の観点というものをいかに組み込んでいけば,その適応に資するものになるのかというところをしっかりと伝えていく。これは環境省と連携してやっていただくということになろうかと思いますけれども,そこがまずは重要かなというふうに思っております。
 その末に全てとはなかなか言えないかもしれませんけれども,少なくとも都道府県レベルではしっかりと適応計画というものが様々なその分野の施策をしっかりと網羅した形で策定されるというところが,ゴールになっていくのかなと思いますので,是非そのあたり網羅的にしっかりと見た上で,適応の観点を組み込んでいくようなところの広報といいますか,そういった考え方の普及というところをお願いしたいと思います。
【高村主査】  ありがとうございます。大変活発な御議論、多岐にわたる点について御意見をいただいたと思います。
 先ほど沖先生初め皆様おっしゃっておりましたけど,非常に果敢に研究の計画から地元社会のニーズを基に組み立てて一緒に研究開発していって,最後社会実装につなげていくという、フューチャー・アースなどに表れているような考え方を実際にプログラムでやっているという意味で,大変先行的な事例だと個人的には思っております。したがって,この後の課題として御指摘があったと思っておりますけれども,これだけたくさんの意見をいただきましたので,もし可能でしたら今回いただいた意見を基に,もう一度中間評価案を修正していただき,改めて次回の委員会の方に修正した箇所について確認をいただくような形をとりたいと考えますが、よろしゅうございましょうか。
 ありがとうございます。事務局からいただいた意見についてもし何かございましたらお願いいたします。
【石橋課長補佐】  具体的な中身の方でございますけれども,もう少し明確に書かせていただくことで,今頂いた各委員の御意見には恐らく対応できるものと考えますので,もうちょっと修正,事務局の方でそれを預かって修正させていただければと思います。
【高村主査】  ありがとうございます。
【亀田課長補佐】  すいません,頂いた御所見,正にごもっともなものばかりです。実際には頂いた御意見,非常に我が方として受け止め切れる部分と正直ベースで申し上げれば,環境省と連携をして,率直に言えば,環境省にお願いしたい部分,そういう点もございます。なのでそういう点については報告書の中では,石橋が申し上げたとおり反映させていただいた後で,実際に環境省の担当者の打合せというのは,また同時並行で実際に動き出したいと考えておりますので,よろしくお願いいたします。
【高村主査】  ありがとうございます。では,そのような取扱いとさせていただくということで,御了承いただければと思います。
 それでは,議題の3に移ってまいりたいと思います。「東北復興次世代エネルギー研究開発プロジェクト」の事後評価についてでございます。評価に当たっての留意事項は先ほど申し上げた点でございますけれども,今回のこの評価対象課題について,利害関係を有すると自ら御判断をされる委員がいらっしゃいましたら,教えていただけますでしょうか。よろしゅうございましょうか。
 それでは,いらっしゃらないということでこのまま議題の方に移ってまいります。それでは,本評価計画案について事務局から御報告を頂ければと思います。
【滝沢専門官】  滝沢です。よろしくお願いします。資料3を御覧ください。
 こちらは東北復興次世代エネルギー研究開発プロジェクトの事後評価案についてです。まず2ページを御覧ください。こちらのとおりの構成委員で事後評価調整グループを設置しまして評価案を確認いただいているところです。
 P3を御覧ください。本事業の中には、福島県において再生可能エネルギーに関わる研究開発拠点を形成し,革新的な超効率太陽電池の実現を目指した「革新的エネルギー研究開発拠点形成事業」と、再生可能エネルギー技術を用いた地産地消システムの研究開発を行う「東北復興のためのクリーンエネルギー研究開発事業」の2事業を24年度から28年度の5年間で実施しました。本日は前者のものを革新エネ拠点事業,後者を東北復興事業と略して紹介をさせていただきます。
 続いて4ページを御覧ください。4ページのところの3ポツ,研究開発の必要性については,これは本事業を進めるに当たっての必要性,有効性,効率性です。この観点から事後評価を実施しております。
 また,5ページを御覧ください。予算の変遷や課題実施機関,体制を記載してありますので,こちらも御参照ください。
 6ページ以降が事後評価の案になります。まず先に8ページからの成果の部分とその後に続く今後の課題というところを説明させていただいた上で,先ほど申した評価の観点,必要性,有効性,効率性のところを御説明させていただければと思います。
 8ページを御覧ください。まず革新エネ拠点事業の主な成果についてです。こちらはシリコン太陽電池の変換効率30%以上達成に向けた検証を行っております。まずトップセルについては,開発した超格子構造ナノワイヤー及びナノウォールのそれぞれについて,ナノ構造による量子効果の発現の実証に世界で初めて成功しました。また,これらを用いた太陽電池セルの構造の作製にも成功しております。
 9ページを御覧ください。ボトムセルについてはタンデム型において有効に機能するめのボトムセル構造の最適化やセルの薄型化技術等を開発しました。また,ボトムセル材料として大口径高品質かつ品質のばらつきが極めて少ない結晶インゴットの作製にも成功しております。
 さらに, 10ページの太陽電池の変換効率検証を御覧ください。超格子ナノワイヤーやナノウォール構造をもつ開発した量子効果型セルと同等のバンドギャップを持つInGaPを代替のトップセルとして,開発した高品質シリコンボトムセルを組み合わせて用いて,波長スプリッティングや低倍率集光と組み合わせた総合システムを作製しました。
 これを用いて実証を行った結果,屋内外とも30%以上を実測し,オールSiで変換効率30%達成の基盤を形成しました。以上のように本事業は被災地に最先端の研究開発拠点を構築するとともに,同拠点で超高効率太陽電池の実現に向けた実証に成功したということで高く評価できると考えております。
 続いて,東北復興事業の3つの課題の成果について御説明します。10ページの下部を御覧ください。
 1つ目の課題は「三陸沿岸へ導入される波力等の海洋再生可能エネルギーの研究開発」についてです。こちらでは波力発電と潮力発電,潮流発電2つ研究開発しましたが,まず波力発電については津波被害を受けた久慈港に地元企業の協力で波力発電装置を作成,設置をして日本初となる系統接続を行い,実際に地元漁協等に電力を試験供給することができました。また,潮流発電については津波被害を受けた地域に潮流発電装置を製作・設置,こちらも日本初となる系統接続を行い,電力を試験供給しました。このように実際に発電装置の実証に成功しており,こちらも高く評価できると考えております。
 続いて,2つ目の課題。津波による甚大な被害を受けた仙台市の下水処理場において,オイルを生産する藻類の培養過程を下水処理プロセスに組み込んで,バイオ燃料を効率的に創出するための基盤技術についての研究開発を実施した,微細藻類のエネルギー利用に関する研究開発の成果についてです。11ページの下部を御覧ください。
 こちらはオーランチオキトリウムとボトリオコッカスといいう2種類の微細藻類を用いて,下水由来の無機物,有機物を燃料用炭化水素に変換するシステムについて研究開発を行いました。
 それぞれいろいろな成果があるのですが,例えばオーランチオキトリウムについては,簡易な培養手法を開発して,試験プラントによって連続培養を成功。またプロジェクト発足時と比較して3分の1まで消費エネルギーを削減等の成果を上げております。
 また,ボトリオコッカスについてはオイルの抽出効率が向上する方法を確立しており,既知の下水による連続培養のデータを2倍程度上回る炭化水素の生産性を実現する等の成果を上げております。
 このように微細藻類による下水からの有用物質の回収システムについて解明するとともに,微細藻類の大量培養手法等の確立に成功しておりますので,高く評価できると考えております。
 続いて3つ目の課題,再生可能エネルギーを中心とした人・車等のモビリティの視点を加えた都市の総合的なエネルギー管理システム構築のための研究開発の成果についてです。12ページを御覧ください。
 まず廃棄物を資源として、エネルギーを生み出すシステムの研究開発を実施しました。ここで開発したシステムについては地元の自治体である宮城県の大崎市や受入先となる企業と,今年度中の移管,技術的な運用についての話合いを進めているというところです。
 また,次,bの部分ですが,災害発生時に避難所として機能する石巻市や大崎市の公共施設を対象に,太陽光発電・蓄電システム,複数拠点間電力融通システム,多目的給電システムを設置しました。これによって非常時でも最小限の機能維持をして,また系統に依存せずに必要に応じて電力を融通するというシステムが可能になりました。
 また,システムを電力系統に頼らず動かすため,電気自動車に対して移動電池という付加価値を加えて,エネルギー・モビリティ統合マネジメントシステムに関する研究開発を行っております。これについての成果も石巻市役所に実装しています。このように本課題では被災地において研究開発の成果を実際に実証することができておりますので,高く評価できると考えております。
 以上,2つの事業の成果について御説明をさせていただきました。
 続いて,両事業の今後の展望について御説明させていただきます。13ページの中段より下の部分を御覧ください。
 まず,革新エネ拠点事業については,こちらは変換効率30%以上のシリコン対応電池開発の基盤を形成しましたが,実際にナノウォール等で電流を引き出すことができるセルを作製して,統合システムを組み上げ,変換効率30%以上を出すということについてまだ課題が残っております。今後はこれらの技術課題の開発も含めた太陽電池作製に関わるプロセス技術について研究開発を進めていく必要があると考えております。
 なお,本事業で整備した研究開発拠点については,今JSTのALCAにおいて活用を行っておりまして,また今年度から始まっております未来社会創造事業の関連分野においても同拠点の活用を行っていくという予定になっております。
 また,東北復興事業については,先ほども御説明しましたが,実際にその確立した再生可能エネルギーのシステムというものを石巻市に移管したり,また廃棄物等を資源として用いたエネルギーを生み出すシステムの移管に向けて宮城県の大崎市等と調整をしていたり,このように実際に移管を進めているところですが,引き続き成果の移管を進めて地元への定着を図っていくということが必要であると考えております。
 また,次の14ページの上部のとおり,実際に本事業で開発した波力発電装置や潮流,潮力発電装置というもののスケールアップに向けた研究開発というものも今進んでいるという状況です。
 以上が今後の展望ですが,これらも含めて最後6ページの課題の達成状況を御覧ください。まず必要性についてです。革新エネ拠点事業は被災地のニーズも踏まえ最先端の拠点を構築して,実際新たな産業の創出にもつながるような成果を上げていることから,本事業の必要性とされた点は達成できたと評価できます。また,東北事業についても被災地のニーズに応えて実際に備えて実装されるなど,再生可能エネルギー研究開発の利用促進が行われたことから,その必要性とされた点については達成できたと評価できると考えております。
 続いて有効性です。6ページの下部を御覧ください。これはまず革新エネ拠点事業については,オールシリコンで変換効率30%以上の太陽電池実現の基盤を形成できたということは,これは大きな成果であると考えております。また,新しい産業創出にもつながる成果を創出していることから,本事業の有効性は高いと評価できます。
 また,東北復興事業についても実際に成果の実装・運用も行われており,被災地の活性化にもつながっております。また,エネルギーマネジメントシステムについての先端の知見も被災地にも蓄積されておりますので,本事業の有効性は高いと評価できると考えております。
 最後に効率性についてです。まず両事業とも技術の絞り込みというものを行っておりまして,先ほど5ページの予算規模を見てもだんだん後年度になるごとに減ってはいるのですが,これは実際に研究開発内容を随時見直しを行って,様々な手法を最初は検討する中で,実現可能性の高いものに重点化をして,研究開発を行ったというところで,実際に例えば革新エネ拠点事業では,拠点形成を行ってしっかりと選択と集中も行っい,成果も出しているというところで効率性が高いと考えております。東北復興事業も同様で,見直しや絞り込みを行い,実際関係機関とも連携して,ニーズも踏まえ研究開発を行って自治体の実装等につながっていることから,この効率性も高いと評価しております。
 以上,簡潔ではございますが,事後評価案についての御説明とさせていただきます。以上です。
【高村主査】  ありがとうございました。
 それでは,御説明いただいた事後評価結果案について,御質問,御意見等ありましたらネームプレートを立ててお知らせいただけますでしょうか。
 ありがとうございます。河宮委員,お願いします。
【河宮委員】  ありがとうございます。御説明ありがとうございました。
 これはいろいろな事業が進んで成果も出ている中で,必ずしも東北だけに適用できるものではないと思いますけれども,そこを全国展開必ずしも文科省の仕事ではないのかもしれないですけれども,戦略があるといいなという。特に大きな地震が予想されるような地域で,電力の確保なんかには役立ちそうな技術はどんどん開発されているようですので,その辺の配慮をお願いできればいいかなと思います。
 あと,これは必ずしも低炭素云々(うんぬん)のプロジェクトではないとは思いますけれども,再生可能エネルギーということで,これはマクロに見てCO2排出削減にどれだけ寄与できるかというのは,評価を進めた方がいいんじゃないかなと思います。特にLCSさん,低炭素社会戦略センターなんかとも連携して,そういった評価が進められるといいなと思いました。
 以上コメントです。
【高村主査】  ありがとうございます。
 山地委員,お願いいたします。
【山地委員】  この評価を取りまとめるグループの座長をしていたということもありまして一言申し上げさせていただきます。
 最終的にこのグループのメンバーと事務局の努力でここまでまとめていただいて有り難いと思ってますけれども,コメントで申し上げたのは,成果については定量的なものはできるだけ定量的に具体的に示すとか,それから,今後の課題が残っているとかこういう展開が望ましいとかというときに,より具体的なものを入れてほしい。そういうことを申し上げて今回かなり数値がいろいろなところに入っているのはその結果だと思って評価しております。
 そういう点の中で一つだけ,こういう場で言うにはちょっと細か過ぎるんですけど,11ページ目の冒頭のところ,10ページ目の下から続くんですけど,この波力発電ですけど,系統接続を行って電力試験供給したと。これはいいんですけど,ここでちょっと具体的な数値がちょっと欲しいと私はコメントした。
そのときは私は設備利用率のデータがあればと言ったんですけど,ここはエネルギー変換効率は0.32を記録し,風力発電の0.3から0.4を上回る可能性が示されたとなっています。これは変換効率と書いてあるんですけど,自然エネルギー系のものは変換効率というのは余り重要でないことが多いんです。むしろ設備利用率が高い方が重要だということが多いんですけど,これは本当にというと失礼な言い方ですが,変換効率なんでしょうか,それとも設備利用率なんでしょうか,ちょっとそれを聞きたい。また、普通パーセントを付けて言うので,この表記も32%なら32%の方がいいかと思います。後半はどっちかというとコメントですけど,前半は質問です。いかがでしょうか。
【高村主査】  ありがとうございます。
 今の御質問について事務局からお答えをお願いできますでしょうか。
【滝沢専門官】  まず,設備利用率については一応50%以上を達成できるということが小型模型実験においては分かったところなのです。また、システム全体効率については実測値で0.32を実際に記録したのでそちらの方を書かせていただいているというところです。
【山地委員】  長い議論をするとあれですが,波力の効率ってすごい定義が難しい。そもそも一次エネルギーというか,波力の持っているポテンシャルとアウトプットのこの場合の電気ですかね,ちょっと32%というのは解釈が難しい。
【滝沢専門官】  ちょっと頂いたコメントを含めて考えさせてください。もう一回確認をしますので,ありがとうございます。
【高村主査】  ありがとうございます。本郷委員,お願いいたします。
【本郷委員】  山地先生の意見と若干かぶるところがありますけれども,この位置付け,研究開発をし,その先に実際に東北あるいは全国で使ってもらおうという話と理解しています。その場合,正にその一つのポイントは同じく効率ではなくて変動することを考えると,いかに安定しているかというところが多分魅力になってくると思うので,あるいはもう一つのポイントとして具体的にコスト的にどうなんだろうかとか,そういったその次につなげるためには経済性というところをある程度説明した方がいいのではないかなと。もしその経済性がまた足りなければ,じゃあどうしたらいいんだというその次のステップを掲げる,あるいは今回の研究で続けられるというのはいかがかなと思いました。
【高村主査】  ありがとうございます。田中委員,お願いいたします。
【田中(加)委員】  私,コメントを出させていただいて大分いろいろ直していただいたのかなと想像しております。ありがとうございます。
 ただ,まだ少し気になっているのが,全体としてどのプロジェクトにも該当することなのかもしれませんが,コストエンジニアリングやエネルギー収支からの評価が十分ではないように感じます。エネルギー収支については少し言及されていますが,実際のところ本当にそれでやっていけるのかということがあります。先ほど本郷さんからもコメントがありましたように,最初の時点である程度どういった点でどのような問題があるのかということは,もう少し全体のバランス,物質とエネルギー,CO2も入るならCO2といったことでしっかり考えていくことが大事です。それにより、課題を見誤らないのではないかと思いますので,是非ここでもまたほかのプロジェクトでもそういった観点というのは必ず持っていっていただきたいと思います。
 細かい点,こちらもここで言うべきではないのかもしれないのですが,太陽電池の部分については,読む人によっては誤解されないのかなというような表現がまだ残っています。オールシリコンで変換効率30%達成の基盤を形成したという文章についてです。とても耳触りがよいのですが,ここでは、30%達成の基盤を形成したといったところの前の部分に,こんなことができて,こんなことができたからこういうふうに形成したと書かれています。一見オールシリコンで変換効率30%達成がもうあと直前のような感じにもとられかねません。実際には3つの工程が別々にされていて,それぞれが基盤の一つ一つになり得るというのは全然否定しませんが,その3つが連続していないですよね。
 オールシリコンでできれば本当にいいことだと思います。量子効果が出たのはすばらしいし,InGaP代替のトップセル,これもよいでしょう。スプリットでやったのもうまくいきました。しかし、この3つが連なってオールシリコンの高効率達成になるわけではないのに,そういうようにとらえられる文章の書き方になっています。エディティングの問題ですけれども,せめて2つに分けて,関連性を明確にしないとこれは誤解を与えるかと思いました。
 あとボトリオコッカスについてとオーランチオキトリウムはエネルギー収支とコスト収支についてですがよく分かりません。効率を言うときなど取り出しも投入も何のエネルギーなのか、などです。運用のときに例えばオーランチオキトリウムの燃料形成に下水の中の栄養分には糖質というような,ある意味エネルギーの源になっているものが含まれていると思います。その投入エネルギーについて、例えばこれから移管していくような自治体での下水の中に含まれるもので連続的に本当に足りるのかとか,などは考えられているのか心配になっています。今後現実的に持続可能なシステムにできるという確信を持って,今後の社会実装を進めるのだという流れに感じられてないところがございます。もう少しそういった冒頭に申し上げたようなエンジニアリング的な視点で,収支もきちんと見て,ここが課題だというようなことをもう少し書いていただいたら有り難いと思います。
【高村主査】  ありがとうございます。
 私の采配の問題ですけれども,時間がちょっと押してきていますので,簡潔に御協力いただけると大変有り難く思います。
 じゃあ,関根委員,お願いいたします。
【関根委員】  ありがとうございました。
 ちょっと同様の意見もありましたので,太陽電池なんですけども,これちょっと私,意見を書かせていただいたんですが,やっぱり今も効率というよりはこの発電コストというのが非常に重要になってきていますよね。LCSさんの方でもそういったことが取り組まれているところだと思いますので,こちらに関しましてもそういったところを今後続けていくという前提であるならば,やっぱり少し言及しないといけないんではないかなと思います。
 といいますのはいろいろな複雑な技術を積み重ねていますので,多分素人から見てもこれ全部合わせて本当に安くできるのかしらという疑問は思うと思うんですね。やっぱり効率,達成,技術合わせてできましたけれども,でも,やっぱり駄目でしたというのは絶対お金をかけてはいけない開発だと思いますので,そこはちょっと明確にしておいて,こういう国家プロジェクトは書きにくいかもしれませんけれども,勇気ある撤退が必要だと判断すれば,それはそれで重要なことではないかと思います。
 それと藻類の方なんですけれども,これは本当は最初にきっちり明確にするべきなのかもしれないんですが,何でこれを仙台市でやるのかという位置付けが,実は私はよく理解できないなと思っていまして,もちろん仙台市さんが手を挙げたということかもしれませんけれども,その仙台市でやれば例えばそういう気候でできたらほかにもすごく汎用性が高まるからこの地でやるのに意味があるとか,もしそういうことがあれば書いておいた方がいいのかなと。といいますのは効率が2倍になったとか何とかというところは,その2倍が本当にすごいことなのかよく分からないんですね。ゴールに対してどの辺にいるのかというのがここだけでは分からないというか,やっぱり過去の研究が長くて多分非常にゴールまで遠いと思うんですね。
 あと二桁ぐらい上げなければいけないところを2倍になっても意味がないしということも,これは知っている方は多いと思いますので,そこをもう少し明確に是非書いていただけたらと思います。
 以上です。
【高村主査】  ありがとうございます。花木委員,お願いいたします。
【花木主査代理】  私も藻類のところですけれども,そういった下水を使って特定の藻類を育てるというのはもう随分昔からされてきて,うまくいかないのがほとんどなんです。なぜうまくいかないかという一つ大きい理由は,下水の中に非常にたくさんの微生物が入っているので,それをのけて,邪魔ものをのけてオイルを作るというのは非常に難しいということなんです。
 この場合にはその下水をろ過してその水を使っておられるので,実験としてはうまくいくのですけれども,これを大規模にするというのは果たして可能なのか,そのコストはどうなのかというあたりがポイントだと思うんですね。
 今のここのまとめ方はエネルギー効率がまだ低いんだけれども,スケールアップでそれを改善していこうというようにも読めるんですが,一方ではスケールアップするときの問題として,実際に下水でできるのかどうか,そのあたりも将来の課題として入れておかれるのがよろしいんじゃないかと思っています。
 以上です。
【高村主査】  ありがとうございます。
 お待たせしました。加藤委員,お願いいたします。
【加藤委員】  簡単にいきます。
 具体的な数字などが出ていて大変よくまとまっているかと思いますが,ちょっと私が把握できていないかもしれません。今後のところで少しお尋ねしたいことは,例えば1の方のシリコンの方の話だと,例えばJSTや何かのように引き継がれていくということは具体的に説明されていて分かりやすいんですけれども,東北復興のクリーンエネルギーの方だと成果があって地方におろしました。企業なども進みますというので,文科省の今後の方針というのはどういうことなのかなというのが,ちょっとそこが具体的なところが分からなかったので,そこら辺はどういうスタンスでおられるのかというのをちょっとお聞きしたい。もうやりなさいよというふうに投げるんですかということなんですけど。
【滝沢専門官】  まずは今の御質問ですが,事業の目的自体が東北復興のためのと言っておりまして,まず被災地に実装するというのを目指しておりましたので,その意味では一部目的達成できていると思うんですけれども,まだ実際例えば今の下水の話とかはおっしゃるとおりまだまだ課題がありますので,改善をこれからしていかないといけないというところは思っております。
 その意味で国があとはどこまでやるのだというところなのですが,今,まず実際に実装できたものはもうそれで一応はこのプロジェクトの目的達成です。できていないところについては,まずは今成果を出たものについて自治体と話合いをしていますので,それらも含めて今後どうするかというのを我々を含めて考えるべきこともあるのかと考えていますが,まだ今事業が終了しったばかりで,今後について例えば仙台市と微細藻類の話を話し合っているところで,将来的には仙台市では活用可能な実規模プラント設計みたいなことまでも最終できればと考えているところ,そこまでどうするかというところをこれから相談をしていくというような状況です。
【加藤委員】  ありがとうございました。
【高村主査】  ありがとうございます。瀬川先生,お願いいたします。
【瀬川委員】 事務局の方にはあらかじめお知らせしていなかった部分があるのですが,まず革新的エネルギー研究拠点形成事業の太陽電池の方ですけれども,平成26年から平成27年に移るときに予算が3分の1以下に減らされているのですね。選択と集中という話を先ほどからされていますが,それにしてもやはり3分の1に削るというのは,相当なプロジェクト全体に相当なダメージが及んだのではなかろうかとと思います。最終成果を取りまとめるに当たって,一部やはり未達になってしまったところがあるのではないかなと思うのですけれども,中間評価でのこの予算を3分の1に減らした経緯,それが最終的な成果にマイナスの影響を与えていないかということを御説明いただきたいのですけれども。
【滝沢専門官】  ありがとうございます。
 3分の1になっているのはおっしゃるとおり中間評価で,これは技術的な絞り込み,いろいろなことをやろうとしていたんですが,その中でこれをやりましょうというところでなったので,その意味で一応まずプロジェクト全体にはその時点では影響がなかったと言えると思います,ただ一方で,先ほど田中委員等御指摘がありましたが,実際これはオールシリコンでは30%というところが実証はできていないんですね。そこは予算の問題も一つの要因があると思います。
 あとはスケジュールも理由の一つではあるとは思いますが,ワンオブゼムの理由としては予算の問題もあって,今表現はオールシリコンの基盤をという話をしていたのですが,その実際トップセルはInGaPギャップで代替をして,さらにボトムセルももう一度統合して組み合わせてスプリッティングで実証して。30%を出したので、その意味では予算の要因もあったのかなというのは思っております。
【瀬川委員】  このあたりのところは研究開発のマネジメントの点でこういうことが頻繁に起こることになると非常に大変なので,検証はきちんとしていただければと思います。
【滝沢専門官】  ありがとうございます。
【高村主査】  ありがとうございます。
 具体的な評価の記載の仕方に加えて,多くの先生から今後の課題としてこうした課題があるんじゃないかという御指摘を頂いたと思います。この課題は平成28年度に終了しており,事後評価の課題でございますので,もし皆様御了承いただけるようでしたら,今日頂きました御意見を踏まえて特にこの評価グループの主査を務めていただいています山地委員に一任をさせていただいて,修正をしていただくということにしたいと思いますけれども,よろしゅうございましょうか。
 ありがとうございます。それでは,この事後評価結果案についてはそのような扱いとさせていただいて,次回以降の研究計画評価分科会で,私ないし事務局から御説明をするということにさせていただきたいと思います。
 事務局からこの議題について何かございますでしょうか。
【滝沢専門官】  ありがとうございます。今様々コメントを頂きました。以前頂いたコメントもその中にはありまして,なるべくいただいたコメントをふまえて評価案を書くように心がけていたんですが,ちょっともう一度事業実績の確認もしたりして,できるだけ書ければと思います。よろしくお願いします。
【高村主査】  ありがとうございます。それでは,山地委員に一任いたしますので,お願いいたします。
 それでは,議題の4に移りたいと思います。今日の議題の4ですが,環境エネルギー科学技術をめぐる最近の状況についてという点でございます。二つ実は用意をしております。一つは文科省で水落副大臣の下で科学技術・学術分野における国際的な展開に関するタスクフォースを設置しまして,科学技術イノベーション施策におけるSDGsへの貢献について議論をされたその取りまとめについて,事務局から報告を頂くという点が一つでございます。
 もう一つは,JSTの研究開発戦略センターが今年3月に公表されましたエネルギー分野及び環境分野の俯瞰(ふかん)報告書について,その中で主要国の研究動向,我が国日本の取組などを御紹介いただいておりますので,それを御紹介いただくということであります。
 今日それを踏まえて十分な時間をとって議論をしたいと思っておりましたけれども,少し時間が押しておりますので,議論については時間の許す限りさせていただいて,場合によっては次回以降継続して議論をさせていただくということを前提に,本日お越しいただきました佐藤様から,まず研究開発の俯瞰(ふかん)報告書について御説明を頂きたいと思います。その後で,事務局の方から科学技術・学術分野の国際展開についての御報告をいただくという扱いとさせていただければと思います。
 それでは,お待たせいたしました。佐藤様,よろしくお願いいたします。
【佐藤CRDS上席フェロー】  JST,CRDSの環境エネルギーを見ております佐藤でございます。それでは,資料4-2についてかいつまんでお話しします。時間も押しておりますので,ちょっと短めに報告いたします。
 まずページをずっとめくっていただいてCRDSのその他の説明はいいですが,まず5ページを開けていただきたいと思います。5ページ,エネルギー分野の俯瞰(ふかん)図という絵を示しておりまして,まずエネルギー分野はこのように構成技術としましてエネルギー供給,エネルギー利用,エネルギーネットワークという3つの大きな区分で俯瞰(ふかん)をしております。それから,それに対します共通要素基盤技術というものも全体を見ております。
 次のページを開けますと環境分野の俯瞰(ふかん)図でございまして,環境分野は今のエネルギーほど単純にはいかないものでございまして,全体としまして循環型社会というものはどういうものか。例えば水とか都市環境とか全部リサイクル入れて循環型問題,それから,気候変動の問題,それから環境汚染,健康の問題,生物多様性,生態系について俯瞰(ふかん)をしております。及びそれらに関します共通要素技術としまして観測・計測技術,予測技術,対策技術,情報技術というものを俯瞰(ふかん)しております。
 次の7ページ目に俯瞰(ふかん)報告書をどのようにやったかということを示しておりますが,まず各学会に参加するインタビュー,文献等からの情報収集,これは当然でございますが,我々として独自のワークショップ,セミナー等を企画・開催いたしまして,17回延べ180名の研究者の方に参加していただいております。また,学会との対話というものを我々かなり重視しておりまして,各学会の代表者をワークショップにお呼びして議論するという方法をとっております。それから,海外の現地調査は昨年1回だけ行いましたが,フランス,ドイツ,イギリスのエネルギー及び環境に関わる行政機関を訪問しております。
 原稿執筆も我々8名のメンバーだけでは足りませんので,延べ147名の研究者の方に協力していただきまして,エネルギー分野で3区分31領域,558ページ,環境分野4区分15領域で325ページと,電話帳みたいな厚さの報告書を作っております。
 次に,8ページから個々の内容に入らせていただきます。
 まず,環境エネルギー分野を取り巻く状況というものでございまして,国と特徴をそれぞれの国に対して述べております。赤が比較的強調したい点でございまして,日本は先進国の中でも極めて低いエネルギー需給率でございます。6%,7%になっております。これは原子力発電所がほとんど稼働していないということもかなり影響していますし,再生可能エネルギーの比率が大型の水力を除いては低いということでございます。
 エネルギー基本計画では,2030年に向けて火力,原子力,再生エネルギーのバランスを重視ということでございまして,地球温暖化対策としてはもう御存じのとおり30年度に13年度対比26%,50年度に80%の地球温暖化ガスの排出抑制を目標としております。
 一方,米国はシェール革命によってエネルギー自立がほぼ完全に可能な状況になっております。100%近いエネルギー需給率が達成できます。ただし,米国はCO2排出は中国に続いて世界第2位の温暖化ガス排出国でございます。一応今,トランプ政権になって今後どうなるか分かりませんが,目標としましては2025年までに2005年対比26から28%減を批准しておりますが,今後の成り行きを注目したいと思います。
 EUに関しましては,EU各国とも個別にその後記述していますが,まず8ページでEU全体としましては2020年に向けた目標はいわゆるトリプル20,温暖化排出ガスの20%削減,再生可能エネルギーシェアが20%,エネルギー消費効率の20%改善ということがうたわれております。2030年に向けましては,それがさらに温暖化排出ガスが40%削減,再生エネルギーが27,エネルギー消費効率27ということがうたわれております。環境に関しますが,欧州では循環型経済の実現というものが重要な政策として位置付けられています。
 ドイツに関してはこの後幾つかの例を示しますが,エネルギーシフト,原発の完全撤退ということが現政権でうたわれておりまして,エネルギーシフトが進んでおります。ですが,ドイツは実は電力には現在も半分近くが石炭火力でございまして,エネルギー自給率は自国産の石炭で39.1%を達成しております。エネルギーシフトの実現に向けてコペルニクスプロジェクトというのが動いておりまして,重要なのは余剰の風力発電,余剰の太陽光発電をガスに転換して,電力網に頼らないで貯蔵,輸送するというPower-to-Xプロジェクトが進行中でございます。
 現在ドイツを訪問してみますと,再生可能エネルギーは化石燃料,石炭を止めるんだと言っておりますが,実は石炭産業が非常に多くてどうするかの扱いに非常に苦慮しているというのが現実でございます。
 英国は,次の9ページでございますが,エネルギー自給率,北海油田も持っておりますし,原子炉がかなりきちんと動いておりますので,エネルギー自給率は約60%でございます。2050年に向けては80%以上の削減を目指しております。
 フランスは原子力の比率が非常に高いわけでございますが,それの低減ということを考えておりまして,低減分は再生可能エネルギーで賄うという形を検討しております。
 中国は世界一の温暖化ガス排出国でございますが,現在特にCO2の排出量をGDP比で削減しようと。要するに中国はまだ自分たちは発展途上国であるという考え方から,GDP当たりの排出量の削減ということをうたっております。中国ではかなりのエネルギーが石炭を中心とした石炭のクリーン利用というものに向けられております。
 韓国は原子力の依存度がかなり高い国でございまして,そういう意味ではエネルギーの自給率もそれなりに高い位置でございます。ただし,温暖化排出ガスの削減というものを2030年度までに現状より37%削減ということがうたわれております。また,環境問題に関しましてはいろいろな水問題,汚染問題がクローズアップされまして,それへの関心が高くなっております。
 10ページを開けますとエネルギー分野の研究開発の潮流でございますが,世界的に見て世界で共通している大きな方向性というものは再生可能エネルギーの大量導入時への対応,これは負荷変動にどう対応するか。先ほどドイツのPower-to-X,Power-to-Gasという動きもこの負荷変動に対するものでございますが,それと分散電源,直流電源の問題への対応というものが研究されております。それから,エネルギー資源変遷への対応ということで,石炭,石油から天然ガス,それからバイオ資源,再生可能エネルギー由来の電力というものへの対応が行われております。
 それから,エネルギーの高効率化・省エネ化の対応。これは既存の化石燃料の高効率化,特に省エネ化というもの。ヨーロッパは日本ほど省エネ化は進んでおりませんので,省エネ化への対応というものが主要な柱になっております。それから,原子力の安全性や廃炉などへの対応,これも世界各国の課題として精力的に研究されております。
 まず,11ページにそれらの例を示しますと,これはドイツでございますが,ドイツと日本はなぜ再生可能エネルギーの比率がそんなに違うんだという話でございますが,ドイツ,イギリス等で話しますと,送電網が全部ヨーロッパ中つながっているので,どこかが雨でもどこかが晴れていると。どこかが余っていてもどこかで消費する場所があるということでかなり融通は利くと。しかも,サハラ砂漠に太陽光を並べてそれをジブラルタル経由でそれをヨーロッパに持ってこようという計画もございまして,そういう取組がかなりございます。
 そういう意味では,先日もイギリスのエネルギー省の方が来られてお話ししたんですが,送電網がどこに国ともつながっていない日本の特殊性というもの,それに対して我々はどのように対応していくかということが重要になります。ただし,ドイツも同じような問題がございまして,北海の方で今どんどん電力網が,風力が建設されておりますけれども,次のページにいきますとPower-to-Xという12ページ,13ページにドイツのコペルニクスプロジェクトとして示していますが,ドイツも中部の送電網が弱いので,北の風力発電の電力を全部有効に使うことができない,持ってくることができないということでございまして,現在は実は熱に変えて捨てているというのが実際に行われていますけれども,それをガスに変えて貯蔵する。日本では水素に変換するというのがございますが,同じように水素又はメタネーションということで,メタンに変えて持っていこうということがドイツでは計画されております。13ページにメタンに持ってくる場所,水素に持ってくる場所ということで,いろいろな研究が行われております。
 その後14,15といろいろな国別の強み,特徴というものが各国のが示しております。それから,環境に関しましては15ページ,環境分野の研究開発の潮流としましては,先ほど最初のこの会議の冒頭でございましたように,複数要素の統合化とか研究の大規模化,いろいろなデータの取扱い,ダウンスケーリング等がこれは世界各国で同様に問題,研究されていますし,日本でも先ほど御紹介のようにいろいろな研究を行います。その分析機器・技術の高度化というものが行われています。
 16ページは同じ環境でも複数要素を統合化した研究の推進ということで,食料,エネルギー,水の循環というものが問題になっておりまして,これはアメリカでもヨーロッパでもそうですが,基本的にそれらの循環をどのように考えていくか,それらのトレードオフをどういうふうにしていくか。日本では余り大規模な研究は行われていませんが,米国,ヨーロッパ等ではこの分野が非常に研究をされております。
 その後17,18には各環境分野の各国別の強み・特徴を示しております。
 それから,日本の動向について言いますが,20ページですが,エネルギー分野の主な学協会の会員の動向ということで,日本では現在エネルギー関係の学会の人数が個人会員数,法人会員数でどんどん減っております。21ページでも御覧のように減っております。
 それから,環境でもかなりそれぞれが減っておりまして,日本ではどんどん研究者の層が薄くなってきているというのが問題かと思います。
 また,23ページに特にエネルギーの基盤技術分野における主要論文数の各国比較を行っておりますが,これは各分野の代表的な論文を選びまして,Scopusのデータとかそういうのを使うのではなくて,非常に優秀な論文だけを手で集計した結果ですが,1996年に比べて日本は赤です。外側の緑がアメリカでございますが,オレンジが中国ですが,日本は96年はそれなりの世界での位置を保っていたわけですが,だんだん2006年,2016年とどんどん枠が小さくなっておりまして,日本のエネルギー関係研究の衰退と,実力の低下というのが顕著になっております。それに比べまして中国がどんどんと力を付けてきているということでございます。今後を考えますと,この辺をいかにしていこうかということでございます。
 また,24ページにはアメリカの現在の予算審議状況を示しました。トランプ政権が誕生しまして,例えばARPA-Eがゼロだと言いましたけど,現在の上院の予算委員会では前年度より若干増えた金額が今上程されておりまして,多分とこれと下院との例年ですと間で大体予算が決まるということで決まっていくものだろうと思っております。
 以上でございます。
【高村主査】  ありがとうございます。
 大変興味深い御報告を非常に簡潔にまとめていただきましてどうもありがとうございます。
 それでは,事務局から資料4-1の御紹介をいただけますでしょうか。
【亀田課長補佐】  時間も押しておりますので,簡潔に御説明をさせていただきます。
 資料4-1でございます。今年の5月に水落副大臣の下にタスクフォース,省内の関係局課,課長,局長によるタスクフォースが立ち上がっております。
 2ページ目を御覧いただければと思いますけれども,「はじめに」とあるところでございます。近年、我が国の論文数の伸びは停滞して,国際的なシェア・順位は大幅に低下していると。また,SDGsという動きもあるというところで,このタスクフォースにおいて研究力強化を目的とした国際化の方策,またSDGsを通じた国際社会への貢献に関する基本的な考えについて検討を行って,7月に取りまとめを行っております。
 本日はちょっと時間も押しておりますので,環境エネルギー分野について言及がございましたSDGsの方について御紹介をさせていただきます。ページを飛んでいただきまして9ページ目を御覧いただければと思います。
 SDGsについて御紹介を割愛させていただきますが,3番,文科省の取組の基本的考え方ということで,9ページの下の方でございます。(1)社会的・経済的課題に向けた対応ということで,状況,課題の把握から解決に資する研究開発の実施が重要であるということで,研究開発課題をそもそも見いだすバックキャスティングが重要であるということ。
 さらに10ページ目にいっていただきまして,社会実装にちゃんとつなげるためにオープンイノベーションや企業やNGOとの適切な連携というものが大事であると書かれております。
 そして,(2)途上国の地球規模課題の解決。SDGsは先進国も含めた目標ではございますけれども,途上国の課題解決にも引き続き重要なテーマの一つであると書かれております。このため科学技術を担当する部局のみではなくて,縦割りを排した強固な府省間の連携が重要であるということが書かれてございます。
 その次に(3)でございます。重要分野における取組及び分野横断的な取組でございます。SDGsの17の目標,互いに関連してございます。その全てについて科学技術というものが極めて重要な役割を果たすべきものでございますけれども,これまでの文科省の取組ということを踏まえると,特にライフ,宇宙,海洋と並んで環境エネルギー分野というものは貢献が期待できるのではないかということで,重点的に展開していくことが大事であると書かれております。
 またその際,次の11ページ目でございますけれども,人文学,社会科学分野等も含めて分野横断的な取組が重要であると。互いに関連する17の目標全般について目標間のトレードオフにも留意しつつ,解決に取り組んでいくことが重要であるというふうにされております。
 本タスクフォースの取りまとめは7月に行われまして,副大臣からは本取りまとめに基づいて関係課,積極的に取り組んでいくべしというふうな方向性が示されているところでございます。
 簡潔ではございますが,以上で御説明とさせていただきます。
【高村主査】  ありがとうございます。
 議題の4は今後の環境エネルギー分野の研究開発をどういうふうに進めていくかというある意味では出発点の議論をするための資料,御報告という位置付けだったと理解しておりまして,そういう意味では本日は少し時間が足りませんが,次回以降も引き続き議論してまいりたいと思います。今日はJSTの佐藤様が来てくださって御報告いただきましたので,佐藤様から御報告を頂きました点について伺いたい点,御質問を中心に委員から発言をいただけましたら,残りの時間をうまく活用できるかと思いますが,いかがでしょうか。
 本郷委員,お願いいたします。
【本郷委員】  すいません,御報告ありがとうございました。
 ちょっと使い勝手というか利用側からの注文みたいなコメントです。各国いろいろな技術を支援していることが非常によく俯瞰(ふかん)できる資料だと思いますが、それをどういうふうな仕組みで支援しているのか。プライオリティをどのように付けているのか、など国のよってやり方は違うと思います。。最近気になっているのは、EUが典型ではにかと思いますけど,数値を目標にしています。CO2の排出量を幾らにするかという規制であって、例えば自動車でいえばガソリン車が駄目だという法律は作っていないわけです。そこで各国が集まって、CO2の排出量の規制値はどうしましょうかという議論をしている。これも科学技術を進めていくための手法です。そうした支援政策の考え方の違いについても言及といいますか,併せて調べていただいたら非常に役に立つのかなというふうに思います。
 それから,もう一つ,ある技術と別の技術がどういうふうな関係になっているのか,補完関係なのかあるいは競合関係なのかしめしてはどうでしょうか。これはその状況によって変わってくると思いますけれども,再生可能エネルギーとガスは競合関係かもしれないし,補完関係かもしれない。それは規制値によって違うのかもしれませんけど,そういうような関係ですね。これが例えばIEAも技術を分析していますが意外にまだそこまで進んでいないところがありますので,そういう切り口があると非常に役に立つのかなと。
 3番目は時間軸です。いつごろにいつどういうものを狙っているのか。そういう時間軸によって大分技術の使い勝手というものが変わってくると思うので,ちょっと注文でございますけれども,3点ぐらいお話しさせていただきました。すいません。
【佐藤CRDS上席フェロー】  ありがとうございます。確かにその点は非常に重要なんですが,いわゆる一般的な政策の書類を見ているだけではなかなか分からないところがございまして,それは今現地の声をきちんと聞くようにしようとしております。多分これは非常にニュアンスの問題がございまして,例えばドイツは石炭使っていないふりをしていますけれども,実際はかなり国内産業の問題もあって使っていて,それは現地に行くと,いや,そんなに簡単じゃないんだよ,だからこうするんだというのがやっぱりあるわけです。
 それから,風力で起こした電力だとかそのガスへの変換も確かに彼らは送電網をどうするかとか,そういうことは困っておりまして,それで政策として現実的にどういう解を持っていくかということで研究が進められていると思います。
 それと多分太陽電池の材料だとか何だとかという研究とは,それと実際にやるエネルギー政策に直結したものはかなり分けてといいますか,強い意思を持ってやる分とそうじゃない分とが各国とも互いにあるということで,その辺の分析を今後積極的にしていこうと思っています。おっしゃるとおりでございます。
【高村主査】  ありがとうございます。
 それでは沖委員,お願いいたします。
【沖委員】  ありがとうございます。16ページで水,エネルギー,食料についてのネクサスについて御注目いただきまして,水に関わる者として大変うれしく思うんですが,現在日本では大きなプロジェクトはないというお話だったんですが,そこに書いてあります人間活動を含む全球水文モデルの精力的な開発,これは2001年に始まりましたJSTのCRESTで,正にやらせていただきまして,そういう意味では,アメリカでは2012年にDOEが人間活動込みの水文モデルのワークショップを開きまして,私もそこに呼ばれました。そういう意味ではアメリカに先んじること10年で研究開発を進めました。日本が先んじたとJST,あるいは文科省として非常に誇っていただいて良い例ではないかと思います。
 その後,その最初のCRESTは虫明先生のCRESTで,その次が大垣先生,これはどちらかというと水処理,水質の問題も大事だということで,それが昨年度終わりまして,そういう意味ではやはり先見の明を持った研究ができている分野だと思います。この後に御提案,どこか最後の25枚目に水循環環境といった提言みたいなのを書いていただいておりますし,気候変動の人間社会への影響とほとんど水を通じて表れてくると我々認識しておりますので,そういうことも含めて是非水に関しても気候変動と対になって着目あるいは適切なプロジェクトを推進していただけると,アメリカに負けない,あるいは先を越す研究が実現できると思いますので,よろしくお願いいたします。
【佐藤CRDS上席フェロー】  ありがとうございます。
 ちょっと舌足らずでございましたが,日本はそういった点では非常に専門的な部分が強くて,一部進むんですが,それが細いままでいってなかなか大きい幹で世界を動かしていけないという意味で,ちょっと舌足らずな言い方で申しました。是非そうなっていかないと結局もう少したつとこれはアメリカ,ヨーロッパ発だということに逆にやられてしまったことは多々ございますので,是非先生のお力添えもあって,少し大きい活動にしていかなきゃいけないと思っております。
【高村主査】  ありがとうございます。ほかに御質問,御意見はございますでしょうか。
 私から,1点だけ学協会の動向でございますけれども,エネルギー分野で会員数がかなり減っているということはスライドの20ページあたりで御紹介いただいているんですが,これはほかの分野も共通した動向なのか,エネルギー分野に特徴的な動向なのかという点についてお尋ねしたいと思います。
【佐藤CRDS上席フェロー】  学会の会員の動向ということでは,まずエネルギー分野と,その後の次のページ,環境分野が出されている。環境分野も同様に一部を除いて減っているところは多々ございます。エネルギー分野に関しましてはこの論文数をいわゆる手でちゃんとしたマップが,実は私はエネルギーの専門家でございますので,その分野を手集計で有名な論文だけを調べていったというやり方で,環境でも本当は全分野でこういうことをしていかなきゃいけないだろうなと。なかなかこういうデータがなくて,商業的なScopusのデータその他では,トムソン・ロイターのデータではうまくいかないので,ちょっとやっております。本当はいずれ次の段階でもう少し広げたいと思っております。
【中村CDRSフェロー】  すいません,補足をさせていただきます。
 学協会の会員の動向につきましては,今回環境分野とエネルギー分野をお示ししておりますが,CRDSではほかの分野の方につきましても,同様に調べさせていただいて,ほかの分野の報告書等でも公開させていただいております。ただ,その結果がどうかというところにつきまして,ちょっとすいません,正確に申し上げることはできません。
【高村主査】  ありがとうございます。ほかに御質問,御意見はございますでしょうか。
 ありがとうございます。先ほども申し上げましたように,今後のこの分野の研究開発の在り方を議論していくタイミングになっていると思っておりまして,特に今日はJSTからおこしいただきまして,これからの研究開発の俯瞰(ふかん)報告書を御説明いただき,大変有意義であったと思います。改めてお礼を申し上げます。
 少し時間が過ぎて申し訳ございませんでした。本日予定されている議題は以上となりますが,その他委員の皆様から何か御発言等ございましたらお願いできればと思いますが。
 よろしゅうございましょうか。それでは,事務局の方から連絡事項をお願いできればと思います。
【亀田課長補佐】  時間が押してしまって申し訳ございませんでした。本日の公開部分の議事録については,後日メールでお送りさせていただきますので,御確認いただければと思います。最終的にはホームページで掲載させていただき,公表をいたします。
 また,一部の委員の方には旅費手当に関する書類を置かせていただいておりますので,御確認いただきましてお帰りの際は事務局まで御提出いただければと思います。
 また,次回ですけれども,年明け頃を予定しておりますが,また日程照会させていただきますので,よろしくお願いいたします。
 事務局からは以上でございます。
【高村主査】  藤吉課長,お願いいたします。
【藤吉環境エネルギー課長】  今日はどうもありがとうございました。
 今日はSI-CATと東北事業等の中間事業の評価を頂きましたが,皆様からの御意見に共通していると感じましたのは,予算を獲得するだけではなくて,予算を確実に執行させて,目標をちゃんと達成すべきであると,そういうことかなと思いました。正に今,財務省と来年度予算の折衝を行っておりますが,ややもするとつい予算の額だけにとらわれがちになってしまいますので,本日の御意見も踏まえまして,予算を獲得し、適正に執行して所期の目標を達成していく。そういったことの重要性を改めて感じさせていただきました。本日は本当にどうもありがとうございました。
 以上です。
【高村主査】  ありがとうございました。いろいろ応援するご意見を頂いたと思っておりますので,事務局のところでも評価,あるいは今後のプログラムの議論に生かしていただければと思います。
 それでは,これをもちまして本日の第9期環境エネルギー科学技術委員会の第2回会合を閉会したいと思います。本日はどうもありがとうございました。

―― 了 ――

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-- 登録:平成29年11月 --