量子科学技術委員会 量子ビーム利用推進小委員会(第9期~)(第52回) 議事録

1.日時

令和6年3月4日(月曜日)14時00分~16時00分

2.場所

文部科学省内16階1会議室及びオンラインのハイブリッド形式

3.議題

  1. SPring-8利用ニーズに関するアンケート調査について(報告)
  2. SPring-8の高度化について
  3. NanoTerasu の今後の共用ビームラインの整備について
  4. その他

4.出席者

委員

小杉主査、高原主査代理、石坂委員、内海委員、岸本委員、阪部委員、高橋委員、唯委員、古川委員、森委員、矢橋委員、山重委員、脇本委員

文部科学省

稲田研究環境課課長、内野研究環境課課長補佐

オブザーバー

理化学研究所放射光科学研究センター石川センター長、高輝度光科学研究センター雨宮理事長

5.議事録

【稲田課長】  それでは、定刻となりましたので、ただいまから第12期量子ビーム利用推進小委員会の52回を開催いたします。
 本日は、お忙しい中、御出席いただきまして、ありがとうございます。本小委員会の事務局を担当させていただきます文科省の科政局研究環境課の稲田と申します。
 本日ですが、オンラインとハイブリッド形式で会議を開催しております。委員14名中13名の委員の皆様が御出席されておりまして、内訳といたしましては、対面による御参加7名、オンラインにおける御参加6名となっており、御欠席者は大竹委員とお伺いしております。
 なお、議題2、「SPring-8の高度化に関して」、理化学研究所より石川センター長、高輝度光科学研究センターより雨宮理事長にお越しいただいています。
 続きまして、オンライン会議の留意点について御説明させていただきます。
 まず第1点目でございますが、通信を安定させるために、御発言されるとき以外は可能な限りマイクをミュートにしてください。2番目ですが、御発言の際はミュートをオフにすることを忘れないようにしてください。議事録作成のために速記者を入れておりますので、発言の前にはお名前を言っていただくようにお願いいたします。
 会議中、不具合などトラブルが発生した場合は、事前にお知らせしました事務局の電話番号まで御連絡をお願いします。
 なお、本日は、会議公開の原則に基づき、一般傍聴者や報道関係者によるユーチューブの傍聴を認めておりますので、御了承ください。
 続きまして、配付資料について御確認させていただきます。配付資料は、別紙資料の配付資料一覧にございますが、乱丁落丁等ございましたら、オンライン出席の方についてはメールか電話で、それから、対面出席の方については挙手いただけるとありがたいと思います。配付資料は資料1から3でございます。御確認ください。
 何か御不明点はございましょうか。会議中、御不明点がありましたら、事務局まですぐお電話いただけるようお願いいたします。
 それでは、小杉主査、よろしくお願いします。
【小杉主査】  小杉です。それでは、議題1から開始したいと思います。議題1は、「SPring-8利用ニーズに関するアンケート(報告)」となっております。前回の小委員会で中間結果として報告いただいたアンケートの結果がまとまったということですので、矢橋委員から御説明いただきたいと思います。それでは、よろしくお願いします。
【矢橋委員】  資料1に沿って御説明します。めくっていただいて、アンケート調査、目次、概要等がございます。
 早速、概要のほうから説明しますが、もともとこのSPring-8-Ⅱ計画の検討に当たって、利用ニーズの定量的な把握を行うことが必要であるということが言われておりました。そのために、SPring-8所内で検討しまして、今回、御紹介するような形で、無記名の利用ニーズ調査を実施しました。実施期間としては、ここに書いてあるとおり、昨年末から今年の1月の末までということです。
 それで依頼先、多くの機関に依頼しましたが、回答としましても非常に多くの回答をいただきまして、1,655名、うち、民間企業関係382名ということです。
 結果の要旨でございますが、これは今のSPring-8ですね。将来はSPring-8-Ⅱになるわけですが、今のSPring-8において、皆さん、様々な境界条件がないとしたときにどこまで使いたいですかということを合計したものでございます。この後、内訳を簡単に御紹介しますが、そもそも全部足した数としては20万日を超えるということでございます。
 一方で、現在のSPring-8のビームライン、特に共用ビームライン26本でございまして、利用時間、4,500時間としますと、1年当たり、延べで約5,000日利用できるわけですが、それと比べて圧倒的に多い数になっております。内訳、既存利用ニーズというところでは約19倍、新規も含めたニーズはこの20万日というところに相当し、40倍を超えるということになりました。
 もう一つ、SPring-8-Ⅱの利用開始の希望時期も併せて調査しましたが、これは今すぐにというのと、3年以内にというのを併せて6割を超えまして、整備を早期に実現してほしいという声が多数を占めております。
 一枚めくっていただいて、利用希望日数の調査の内訳でございます。これは3つのカテゴリーに分けまして、SPring-8の利用希望日数を調査しました。
 まず1つ目が、分析手法ベース、例えば代表的な手法として、回析であったり、分光であったり、イメージングであったり、そういうものがありますが、それをさらにかなり細かく分けまして、こういう手法をどれだけ使いたいですかという形で日数の調査をしたものです。
 それで、次の学術分野ベース、産業分野ベースというのは、分野ごとに、各分野でどれだけ使いたいですかということです。狙いとしましては、先ほどのものは、手法に分けているということは、放射光の中身をよく御存じの方を対象にしているということで、主な対象は既存の利用者ということになります。一方で、後ろの2つについては、新しい新規の利用者、もしくは手法の一つではなくて、横断的に使うという利用者を想定しております。
 その結果が下の数字でございまして、最初に申し上げたように、既存のところで約10万日弱。ここについてはかなり堅い数字でございますので、これは非常にコアな利用者としてはここまでであると。一方で、学術、産業、BとCを足しますと、若干ここがフワッとした数字にはなりますが、もちろんここは非常に期待がありますので、ここも合わせますとトータルとして約21万日ということでございます。
 次のページに行っていただきまして、これが利用開始の希望時期ということで、これはもう見ていただいたとおりでございます。
 あと、4番、5番のところが、SPring-8-Ⅱへの期待ということで、4番については選択肢をこちらで準備いたしまして、そこから複数選択可ということで選んでいただいた。1,600強が分母でございますので、これを見ていただくと、例えば一番上の世界最高レベルのクオリティのデータが迅速に得られるということをほとんどの方が期待しているということがお分かりになると思います。あとは見ていただいたら結構です。
 最後に、アンケートの自由記述というのを設けておりまして、実はこれが予想外といいますか、かなり多くのコメントをいただいています。133件、これは英語でも実施しておりますので、英語の11件も含んで133件の回答をいただいております。
 この結果をカテゴリーに分けまして、それが下の件数の分布になっていますが、多方面にわたって貴重なコメントをいただいております。詳細については、自由記述の抜粋を後ろのほうに一部抜粋してございますし、あと、先ほどのA、B、Cのカテゴリー別の細かい数値についても、6、詳細資料の後ろにつけてありますので、また見ていただければと思いますが、いずれにしましても、このアンケート、自由記述につきましても、これはしっかりとここでいただいた御意見を今後反映していきたいと考えております。
 以上でございます。
【小杉主査】  ありがとうございます。アンケートの自由記述のところでどういう対応をされるかというのが気になるところではあるんですけれど、その辺りも含めて議論の時間を20分弱、取れそうですので、何かございましたら適宜お願いいたします。場合によってはNanoTerasu関係で似たようなコメントに対してどういう対応をしているかとかもあるとは思いますけれど、いかがでしょうか。
 アンケートで何か補足したいことはございますか。
【矢橋委員】  そうですね。後ろの自由記述のところですか。6-6を見ていただくと、これは一部の抜粋でございますが、特に赤字のところとか太字のところは少し強調して書かせていただいています。分析・計測の高度化とか早期実現への期待というのは当然早くやってほしいという声がありますが、今、課題となっている、もう少し粒度の細かい個別のサイエンスに対する期待というところもいただいております。
 あと、データについても、これも非常に大きな課題になってきていますので、ここも多くの意見をいただいています。
 あと、めくっていただいて、施設運営、人材関係であったり、国内施設との関係、それから、国際競争力というところですが、特にシャットダウンしている間の扱いであったり、あと、国際競争力で、ESRFが既に稼働しているので早くやってほしいということもいただいております。
 それからまためくっていただいて、ユーザーサポート、利用制度、利用環境のところでは、一番上の赤字でありますが、いろいろ敷居が高いところがあるというのはここの委員会でもさんざん御議論いただいておりますので、こういう声も踏まえながらしっかりと対応していきたいと思います。
 それから、SPring-8-Ⅱのユーザーサポート体制を進化させてほしいと、下の赤いところにありますが、そこもまさに議論いただいているところだと思います。
 次めくっていただいて、コミュニケーション・情報公開というのがありまして、ここも、なるべく故障とかメンテナンスのところも含めて情報を出してほしいというリクエストをいただいています。
 最後に、これが結構たくさんあって、我々も反省しきりですが、施設そのものというよりは、周辺施設・食堂、宿泊施設、その辺りについて、かなり厳しい御意見をいただいておりますので、ここについては、現在、所内でしっかりと改善を図るように検討を進めているところでございます。
 以上です。
【小杉主査】  はい。ほかに何かございますか。
 高橋委員。
【高橋委員】  私もこのアンケートに回答させていただいて非常に興味深いと思ったんですけども、定量化のところで日数でカウントされていますけども、我々、回答しようとして困ってしまったのが、同じスループットと仮定したときの日数であって、むしろ同じ日数で測れるスループットを上げてほしいといった期待のほうが大きいと思うんですけども。単純に、今、上げられている日数というのは、同じスループットという前提で考えられていて、ということはこれを受け入れるためには50倍近いスループットの向上があればいいという理解でよろしいでしょうか。
【矢橋委員】  おっしゃるとおりです。まさにSPring-8-Ⅱになって、輝度が2桁上がると言っておりますが、スループットは必ずしもそこに全てが比例するわけではないのですが、例えばDX化とか等々いろいろやりまして、少なくとも桁を上げることで、ここで言っている、例えば20倍というのが2倍程度になるとか、そういったところを目指しております。
【高橋委員】  それを目標と定めるというような認識、捉え方でこのアンケートを利用していくという認識で。
【矢橋委員】  はい。
【高橋委員】  ありがとうございます。ぜひ期待しています。
【小杉主査】  高原委員、お願いします。
【高原主査代理】  高原でございます。今の自由記述のところがかなり重要な、時々皆様から、ユーザーから聞く御意見が、よく皆さん書いていただいていると思いますけれども、1つシャットダウンしている間に、他のビームライン施設とどのような連携のアレンジがあるのかというのが多分皆さん心配されていることで、あと、海外も含めて、皆さん考えているようであると。シャットダウンの前に、どういうふうな申請の機会があるのかどうかとか、そういったところが割と頻繁に使われている方は非常に心配に思っているのではないかと皆さんから伺っています。
【矢橋委員】  特に国内で賄うためには、現状だとなかなか大変なところがあるわけですが、この後、NanoTerasuが立ち上がってきて、恐らく後の議論にもあるかと思いますが、このSPring-8のシャットダウンのところに、ビームラインの増設も含めてかなり進んでいるということが期待されますので、そこも含めてしっかりとカバーしていきたいと考えています。
【高原主査代理】  あと海外も、例えばポハンとか、台湾とか、割と近くて高性能なところというのも何かいろいろな連携を今後検討していただければと思います。
【矢橋委員】  そうですね。はい。
【小杉主査】  ほかにございますか。ネットのほうから何かございませんか。
 周辺環境辺りは、何かできることはあるんでしょうか。
【矢橋委員】  いろいろとありますので、検討中でございます。
【小杉主査】  食堂は我々の研究所でも利用者が減っているし、ほかの共同利用研では食堂を止めたというところもありますし、場所によっては、食堂に外からの人を入れるようにして、少し利用度を上げないといけないとかもあるようです。昔は、皆さん、食堂を利用するしかなかった時代から、今はいろいろなところが使えるようになったというのもあって、その辺が。
【矢橋委員】  そうですね。
【小杉主査】  ええ。中途半端な改良ではなかなかお客さんは戻ってこないというのがあるので、どこまでやるかというのは結構重要だと思いますけど。
【矢橋委員】  おっしゃるとおりです。ただ、SPring-8はやはり周りの環境を考えましても、食堂なしというのは、特に中期長期滞在されるユーザーにとってはなかなか大変かなというのもありますので、もちろんハイブリッドは前提としながらも、しっかりとニーズのコアのところはカバーしていきたいと考えています。
【小杉主査】  車で来る人以外にもおられると思うので。
【矢橋委員】  そうです。
【小杉主査】  その辺の周辺環境というのは施設の評判にも関係していますよね。
【矢橋委員】  最近は非常にそのことを実感しています。
【小杉主査】  私はよくSOLEILに行くんですけど、SOLEILの食堂は非常によくて、海外に行くならSOLEILに行こうという感じにどうしてもなっちゃいます。よろしくお願いします。
 ほか何かございますか。
【岸本委員】  ちょっとよろしいですか。
【小杉主査】  岸本委員、お願いします。
【岸本委員】  6ページの選択肢の回答や16ページを見ると、測定支援の拡充や解析支援の拡充が書かれており、やはり企業からすると敷居がまだまだ高いというところがあるのだと思います。メジャメントビームラインと言われていたと思いますが、そのビームライン利用のアピールや、そういったビームラインが存在することをもっと知っていただくことが重要と思いますが、何かアンケートから読み取れるようなところはありますか。
【矢橋委員】  そうですね。今いただいたように、測る、測定の支援もそうですが、恐らくここのメジャメントのところでいうと、皆さんのニーズはデータが欲しいということであって、逆にあまり細かい計測のノウハウというところはそれほどニーズがない。やはり解析もある程度サポートして、結果を迅速に返すということが重要になってくると思います。そういう意味で、測定のオートメーション化をやりながら、人のファンクションの割りつけのポートフォリオも変えていかないといけないと考えています。
【岸本委員】  なるほど。敷居が高いということに対して、いろいろな意見分布があり難しいところだと思いますが、どう言ったらいいんでしょうか。いわゆるX線回折とかなら多分経験者は企業の中でもたくさんいるわけで、そういった人たちならもっと質のいいX線回折データが欲しいと思っているでしょうし、そういった人たちでもX線回折以外の実験経験がない実験を行う場合において、敷居と感じていることなど、いろいろと今後見えてくるところがあるのではないかなと思うので、ぜひいろいろと御検討いただければと思います。
【矢橋委員】  そういう意味でも、企業でも、自分がやっている分析の手法についてはエキスパートの方がおられますが、ちょっとそこを外れると途端にそうではなくなるので、だから、常に敷居が高いというのがやはりあるんだと思います。そこに対してどういうふうに応えていくか。そこも、やり方を間違えると、いくらこちらが頑張っても、ニーズに全然ミートしないということになりますので、そこは非常に注意して、しっかりと対話をしながらやっていきたいと思います。
【岸本委員】  ありがとうございます。
【小杉主査】  では、内海委員、お願いします。
【内海委員】  ありがとうございます。このアンケートの中、非常によく分かるアンケートで、NanoTerasuにも非常に共通するような内容がたくさんあると思われます。共用ビームラインではなくて、専用ビームラインのオーナーの方からの御意見みたいなものは、アンケートの中で何か出てきていますでしょうか。
【矢橋委員】  この自由記述を拝見しても、特に専用ビームラインというところはなかったですね。
【内海委員】  分かりました。ビームラインを専用で持っておられる方がたくさんおられますよね。そことはいろいろなお話をこれからされていくということですかね。
【矢橋委員】  そうです。それは現在進行形でやっています。
【内海委員】  分かりました。
【小杉主査】  ほか、ございますか。ネットのほうからも特にないでしょうか。
 もしございませんでしたら、次の議題も結構ボリュームのある内容ですので、次の議論に移りたいと思いますが、よろしいでしょうか。
 それでは、議題2に移らせていただきます。議題2は、「SPring-8の高度化について」ということで、資料2-1と2-2がございます。事務局より説明をお願いいたします。
【稲田課長】  SPring-8の高度化に関しましては、今期の委員会、第48回、7月20日に議論を開始しまして、以降、今回を併せまして5回の議論を重ねてまいりました。第2回では、まず文部科学省における事務的な検討の結果、タスクフォースの結果について説明させていただき、それに沿って内容について議論を進めていただいたところでございます。
 今般、年度末に当たりまして、これらの議論を取りまとめて、今後の在り方について1案をまとめるということを考えてございまして、その内容が資料2-2でございます。資料2-2については、既に皆様方にあらかじめ送付してございますので、一読されていることとは思いますが、念のため、内容について資料2-1に基づいて概略を触らせていただこうと思います。また、資料の2-1というのは、今後この報告書をあちこちで説明する際に、この報告書の中身として、こういうふうにサマリーしましたよ、アブストラクトとしましたよという性格を持ちますので、中に書いてある内容とピックアップの仕方について、また御意見等がありましたら後ほど御意見をいただけるとありがたいと思います。
 それでは、まず表題でございますが、報告書の概要というところでございます。ポイントとしては、こちらに書いてありますように、早期にSPring-8の整備に着手する必要があると判断したというところを前面に打ち出してございます。
 議論・検討の結果について、これは資料の中の2ポツから5ポツの内容を、こちらのほう、1番が「はじめに」という内容でございますので、まず第1点として、SPring-8-Ⅱの整備、高度化を今行う必要性について、書いてございます。第3世代のSPring-8が陳腐化すると、経済安全保障上の観点が生じるとか、あるいは老朽化に基づいて保守コストが年々増加し、更新費用も必要となるということを踏まえまして、第4世代の放射光施設にSPring-8を早急にアップグレードする必要があると。
2番目、SPring-8の価値を最大化し、変化するニーズに応えられるよう、利用料金を含む利用制度について不断のアップデートを行う必要があること。
 3番目、時期についてですが、SPring-8-Ⅱは2030年に本格化する次世代半導体の量産やGX社会の実現など、未来の産業を先導することが必要であることから、これに先立ちまして整備する必要があると。
 4番目として、SPring-8は、我が国放射光施設のフラッグシップ的位置づけであるということが、SPring-8-Ⅱについては、ナショナルプロジェクトとして早期に実現すべきであるというところをまとめてございます。
 続きまして、SPring-8-Ⅱの技術目標や開発期間についてでございます。開発目標に関してでございますが、理研等から御説明ありましたように、現行のSPring-8の最大100倍程度の輝度を誇る世界トップ性能を目指すということ。また、その際には、マルチベンドを中心とする第4世代の加速器テクノロジーや省エネルギー技術を導入するということ。それから、シャットダウンに関して、シャットダウン期間にも研究しなきゃいけないものが山積みであることを考えまして、諸外国の先行事例やNanoTerasuの整備で得られた知見等を生かし、1年間の停止期間とすること、それから、先ほど申し上げたスケジュール感で実施するために、今後4年間でSPring-8の整備を行うことをうたってございます。
 3番目、SPring-8-Ⅱに向けたユーザー利用環境等の高度化であります。これは1番のポツについて、利用料金の設定を含む利用精度について不断のアップデートを行うというものの具体的な中身でございますが、従来のボトムアップ型の産業利用とアカデミアの利用に、トップダウン式の戦略利用を加えた3本柱で利用を促進すること。ユーザーニーズに応じて利用制度をアップデートすることをうたってございます。
 続きまして、データ取得の向上やデータ量の増加にすべく、データセンター制度のアップデート等を進めるということをうたってございます。
 3点目でございますが、中小企業を含む産業界の利用拡大に向けて、公設試や近隣自治体との連携を強化するということ、あるいは公設試のネットワークの形成や財源についても、ふるさと納税制度等を利用した様々な取組を進めるということを記載してございます。
 4点目でございますが、利用料金制度をアップデートし、運営での回収分に加えまして、施設が提供する価値分の受益者負担も可能となるよう、その考え方を現代的なものとする。具体的に言うと、エバーグリーンな施設とするために、将来的なアップグレードに必要な予算等も横に置いていけるというものを念頭に置いております。
 その他事項についてでございますが、潜在的なユーザーや国民に対して効果的に広報を行うべく、その対象を明確化し、それぞれに対して効果的な広報を進めること。それから、大学・企業・他機関と連携し、人材育成、交流の最適な取組について検討する。また、各者が相互に連携して人材育成や交流の取組を進めるということをうたってございます。
 これは量子、SRだけではなくて、ほかの量子のものに関しても同様です。そこのところをより如実に書いてあるのが次の最後のところでございまして、量子ビーム間のシームレスの連携を可能とする仕組みや、放射光の今後の在り方を政策レベルで議論する必要性について、国内放射光施設から問題意識が寄せられたことを受け、今後、小委員会について議論を行うこととしてございます。
 以上、雑駁ではございますが、報告書及びその報告書の概要に関する御説明でございます。
【小杉主査】  ありがとうございました。
 それでは、議論の時間を設けたいと思いますが、基本的に報告書(案)となっている(案)を取る方向へ向かわないといけないんですけれど、できるだけ今日の委員会の中でいろいろ意見をいただいて、(案)を取れる形に持っていきたいと思いますが、何か御意見等ございませんでしょうか。概要以外に、資料2-2の報告書そのものの中身でもコメント等ございましたらお願いいたします。
【阪部委員】  よろしいでしょうか。
【小杉主査】  阪部委員、お願いします。
【阪部委員】  いきなり本題のさらに将来の話で恐縮ですが、資料2-2の2ページの、「技術の高度化の必要性」につきまして、私が常々思っていますのは、このSPring-8-Ⅱは当然進めるべき国のプロジェクトですけれども、日本の科学技術に対する姿勢を示すためには、3行目に書いてあります「SPring-8-Ⅱへのアップグレード後も技術開発を継続し、技術限界を突破することにより、常に最先端の施設として進化し続けるべきである」とのこと、これは非常に重要な事だと思います。これについての記述が少し不足していて、詳細にと言いますか、我が国の姿勢を示すという意思表示として、常に世界の先端の施設であるべきとの記載をしてもよいと思います。それを反映して、例えば4ページの3の技術目標や開発期間についてのところに、具体的に、例えば(1)に③があっても良いかと思います。さらなる先進技術あるいは第5世代へ向けた技術を開発するという強い意思表示がちょっとあっても良いのではと思います。もちろん100倍の輝度というのは大変すばらしいのですが、さらに未来志向の強い意思を発信するということは重要かとの印象を持ちました。
【小杉主査】  何か事務局側からコメント等ございますか。
【稲田課長】  御指摘の点ですが、基本的には、現在で明確に目標の課題が見えている、あるいは技術目標が固まっているものに関しては記載し、一方、今後、議論が進むものに関しては、今後の議論に期待するというような書きぶりにしてございます。
 その意味では、10ページとか11ページのところで、将来的な議論を行うという内容が記載されてございまして、その中で、そのような内容について逐次議論を行っていくことかと思います。一方、現時点で明確にこういうところをやるべきだというところが見えた、また、ああいうところがあったら記載するのはやぶさかではございませんし、その研究開発等々をするために、利用料金の中においても、要は、アクチュアルコストにプラスして、高度化するための内容を含んでいるんだよというところを散りばめているところでございます。
【阪部委員】  例えば資料2-1の要旨の1番目のところに、何かさらなる次の世代という主旨のものも入れることはできませんでしょうか。
【内野補佐】  よろしいですか。すみません。文科省のタスクフォースの議論の中で、解像度1ナノメートルを突破していくという議論がありまして、この1ナノメートルというのは、光学系の技術的な問題で、そこから分解能を上げることができないということであって、そこはタスクフォースの議論の中では、SPring-8-Ⅱを建設しながら技術を高度化していきましょう。そこを超える技術を磨いていきましょうという議論になっているので、恐らくそういった内容を反映することは、書き込んでいくことはおかしくないかなと思っています。すみません。また課長とも相談させていただきます。
【阪部委員】  要は、人材育成にも関係していまして、次の世代の人がこのようなプロジェクトに関わって、将来の第5世代のSPring-8-Ⅲになったときに大いに活躍してもらおうという姿勢を見せてもらえれば。
【稲田課長】  人材育成のところはおっしゃるとおりですし、第3世代から第4世代になったときに、マルチベンド技術を進めて、要は、何かというと、ビームの収束を小さくするという方向でR&Dが進んだように、第4世代から第5世代になるときに、4世代を伸ばしていった結果、5世代になるかどうかというのはよく分からないところがあるんですよね。というところもあるので、どのようなR&Dがというか、方向に進もうとも、それについて議論を進めていくという感じで、フワッとした書きぶりにはしているんですが、むしろ技術のほうから、先ほど申し上げた1ナノ。1ナノの場合2つ意味がありまして、先ほど申し上げた工学的な限界もありますし、実はそこから先というような微細構造物を造ると、もう構造は原子1個、2個になっているので、そこから先は見てもしようがないという限界でもあるところでありますので、多分そこから先は、分解能を上げるという方向ではなくて、それに、別の付加価値をつけるという方向に行ったほうが、R&Dというか、その機能は進化していくんだと思いますけど。というところでやると、例えばそこを書いてしまうと、いや、それってすぐ達成しておしまいなっちゃうよねということも招きかねないところもあるので、そこら辺のバランスだと思います。
【小杉主査】  資料2-1の1ポツ、2ポツ、3ポツというのは、目の前のSPring-8-Ⅱの話なので、そこには書けないと思うんですけど、その他の事項のところの最後の辺りに、SPring-8-Ⅱができた後のことも含めて、今後、放射光の在り方を考えていくというところに少し、ちょっと付け足すぐらいあってもいいかなという感じがします。
【稲田課長】  はい。分かりました。
【小杉主査】  ほか何かございますでしょうか。
 報告書の4ページのところには、今議論になっているものは入らないと思うんですが、この4ページの一番下のところに、諸外国の施設に比べて2倍以上の差をつけて1位を実現とか25年間、世界一とか書かれているんですけど、これだけでは数字が踊っているような気もするので、もうちょっと補足の必要があると思います。こういうのはやはり報告書に書くべき内容なんでしょうか。
【稲田課長】  結局、これが何を目指しているのかというところで、国際競争を考えたときに、少しでも勝てばいいのか、それともどのぐらいの目標の、大差をもって我が国の強みとするべきなのかというところについては、具体的な記述があったほうがよろしいかと思います。また、それがどのぐらいの優位性を、長さの優位性を勝てるかというところについては、これは過去の実例、SPring-8において、3世代のものとして、今でも硬X線領域の高いところに関してはナンバーワンだと思うんですけど、というところを踏まえると25年というのは、それほどむちゃくちゃな目標ではないかなと思う反面、一方、堅い数字ばかり書いてしまうと、それって実現するの? 来年でもいいんじゃない? という議論を惹起しますので、その意味では、なぜ今年やる必要があるのか、それがどのようなインパクトを社会に与え続けるのかというところに関連するところは具体的なものがあってよろしいかなと思っていますが、とはいっても、無理だというところであれば、原因があるというところだったら、ここら辺をより適切な表現にするのはやぶさかではないと。
【小杉主査】  以前の小委員会の議論でも、科学というのは大体10年ぐらいで変わっていくだろうと。そういう10年後を見据えて、装置は20年ぐらい持たせるところで多分限界かなという議論はあったんですけど、そういうのを踏まえると25年とはっきり書き過ぎているかなという気もしないでもないので、もうちょっと表現の工夫は必要かと。
【稲田課長】  そうですね。ここら辺は皆様の御意見を賜りつつ。
【小杉主査】  ほか、何かございませんでしょうか。
【雨宮理事長】  いいですか。
【小杉主査】  陪席の雨宮理事長からお願いします。
【雨宮理事長】  では、一つは、資料2-2のほうなんですけれども、目次がアップデートされていないということで、具体的には3か所、4の(3)と(4)、それと5の(3)が中身に対してアップデートされていないので、多分、中身のほうが新しいのではないかと思いますので、それを書いてきてくださいと。細かいことです。
【稲田課長】  はい。申し訳ございません。
【雨宮理事長】  それからあと、資料2-1ですが、重要なところはボールドになっていますので、1か所、何かボールドを追加したほうがいいとちょっと個人的に思うことは2ポツの1行目の省エネルギー技術というところは、理研の加速器、JASRIもそうですけど、力を入れているところなので、この省エネルギー技術を導入というところをボールドにしてはいかがかなと。それがコメントです。
【小杉主査】  ありがとうございます。
 ほかにございますか。ネットから何かございませんか。
 次の議題とも関係ございますが、前回の議論でNanoTerasuの動きについて、SPring-8側から早い段階で少し意見交換、相談をしたいというような要望も出ていたと思うんですけど、そういうNanoTerasuの位置づけというのがその他の施設と一緒くたに書かれているだけなので、もうちょっとNanoTerasuとSPring-8-Ⅱ、あるいは場合によってはSACLAの関係をもうちょっと明確化してもいいかなという印象はあるんですけれど、何か事務局側あるいは矢橋委員からございますか。あるいは内海委員から。最後のところに、9ページ、10ページの点で書かれているぐらいなのですけど。
【内海委員】  ありがとうございます。もちろんNanoTerasuはSPring-8と同じく共用法にもとづく施設なので別扱いという考え方はあると思う一方で、このペーパーだけを見ると、それ以外の国内放射光施設も全部同等に扱われている印象で、そこのウエートのつけ方というのがよく分からないというところがあります。
【小杉主査】  分からないですね。
【内海委員】  NanoTerasuは少し大事にしてというのを私が言うと問題になりそうですが、共用法施設のひとつとしてのNanoTerasuという形を少し重要視していただいて、報告書にはそういう扱いで書くというのが一つのやり方だと思います。一方で、この小委員会でどこまで共用法適用施設以外の放射光施設のことを議論するのかということも関係してくるのだろうと思いますので、他の施設との関係云々との書きぶりについては事務局のほうにお任せするべきものなのかなと思って私は読んでおりました。
【小杉主査】  もともと軟X線のちゃんとした施設が必要になってくるという議論のときに、SPring-8がSPring-8-Ⅱに進むときに、どうしてもハードX線に特徴を持たせるためには、軟X線のところをしっかりやる施設が別途必要であるという背景もあって、NanoTerasuが造られてきたという背景があるので、どちらかというと、SPring-8とNanoTerasuというのは、親子か兄弟か分かりませんけど、そういうイメージを持っていた中で、NanoTerasuがあまり表に出ていないのもどうかなという気もしないではないんですが、その辺り、事務局の、こういうところに書く必要があるのか、ないとかも含めて何かコメントございますか。
【稲田課長】  もともとNanoTerasuの御支援、先ほど御指摘されたとおり、軟X線を中心にするNanoTerasu、それから、硬X線に強いSPring-8というところの切り分けは説明してあるんですが、一方で、おのおのの研究のところにあまり書き過ぎると、要は、軟X線の研究ができないかといったら決してそんなことはないということもあるので、どこまで議論として書くのかというのがあろうかと思います。
 一方、我々の本旨で、ほかのものを書いたというのは、SR施設というのが様々出来上がってくることによって、それこそ使い勝手とか、それから強度も含めて様々なバリエーションのものが世の中に出来上がるということがありますので、おのおのの部分、そこにある課題をどのように調整するかみたいなところとか、あるいはどういう課題をどこでやるのが適切なのかというところは今後とも議論していく必要があるかなと思いまして、その意味において、NanoTerasu、SPring-8という国の共用法の枠だけではなく、それを含めての大きな枠組みとして記載しているというところがもともとの原案の考え方です。ただ、これが適切かどうかというのは先生方の御議論によってのものなので、御議論を踏まえて適切に修正いたします。
【小杉主査】  この辺りで何か御意見ございますか。
 放射光全体、日本全体を俯瞰した議論というのは、この小委員会のミッションでもありますので、共用施設ばかりでなく、全体を見ながらというのはここの宿題ではあると思うんですけど、そういう中でSPring-8-Ⅱというトップの施設ができた後、日本をどのようにまた再構築していくかという議論も当然この小委員会のマターではあると思うので、そういう意味では、共有施設に限らないという記述は必要だとは思いますね。
【稲田課長】  一方、先ほど御懸念があったように、NanoTerasuの重要性がこれによって1ミリも劣るわけではないので、そこに関する事項での記述というのは加えてもしかるべきかなという気がします。
【内海委員】  あともう一つ、よろしいですか。
【小杉主査】  内海委員、お願いします。
【内海委員】  先ほどアンケートに出ておりましたが、食堂であるとか宿泊施設などが、更新をできないということが現実にあるんですね。NanoTerasuでも、食堂建設には予算がつかなくて、大学の中にあるものを使わせてもらっている状況。SPring-8の場合には、周囲から孤立した場所にあるので、食堂や宿泊施設は死活問題であり、それらが現在老朽化していて、利用者から大きな不満が出ているということが、いみじくもアンケート結果から出ているわけですね。
 本件は、我々施設者側が考えている以上に重要なところではないかと思います。先ほど小杉先生がフランスの例を言われましたけれど、やはりそういう厚生施設などの充実具合によって、施設の評価が決まる――評価じゃないですね。評判ですね。評判が定まることがあるというのは少し真面目に考えるべきだという気がします。報告書の中に、たとえば魅力ある施設にするためにというような書き方で、本件も追加できないか、そういう書きぶりがもし可能なのであれば工夫していただければというのがサジェスチョンでございます。
【小杉主査】  では、あとで事務局側で検討していただきます。
 ほか、何かございますか。阪部委員、お願いします。
【阪部委員】  細かいことですみません。4ページの一番下の段落の文言だけのことですが、「上記(1)及び(2)の技術目標及び開発期間は、諸外国で先行している事例を参考にした上で」というのは、何か言葉として受動的で、「よそを参考にして」という印象を持つので、「諸外国で先行しているプロジェクトを勘案した上で目標とか期間を決めた」とかそういうふうにされたらどうでしょうか。「事例を参考にした」というのは何か消極的な印象を受けます。日本が先鋭的に進めているプロジェクトであり、よそを参考にしたというものではありませんので。
【小杉主査】  キャッチアップするので、超えるというイメージがここには出ていないですね。
【阪部委員】  そうですね。そこだけちょっと。
【稲田課長】  表現は適切にさせていただこうと思います。
【阪部委員】  すみません。
【小杉主査】  ほか、ございますか。
【高原主査代理】  よろしいですか。
【小杉主査】  高原委員、お願いします。
【高原主査代理】  3ページ目の半導体の記述があって、その後、「さらに」というところ、ここは燃料電池と全固体電池というのが具体的に出てきていますけど、この辺り、もう少し広く捉えていただいて、エネルギーデバイスとかそういった感じで、燃料電池が今から5年後にどういうふうになっているのかというのは、まだ高度化が必要かとかその辺りはよく分かりませんので、もう少し広く捉えてもいいのではないかなと思うんですけども、その辺り、いかがでしょうか。もっと広いデバイスとして考えても。
【稲田課長】  これはまさに2030年を念頭に置いたときに何が来るかというところで、今までの専門家のヒアリングで、明確に見えてきたものはここに書いているという整理になっています。その意味だと、もちろん受けは広いほうがいいんですが、そういう広くしたときに具体的に何があるのかというところがあるのであれば、もちろん書くし、そうでないというんだったら、いや、何でもかんでもできます2030年までにというところではないと思いますので、そこら辺の比較考量だと思いますが、これは技術専門家からして、ほかに何か来そうなところとか。触媒とかそういうところに関してはあるのではないかといただいているところではありますけれども、少し広めに技術的な、その受けられたところについて幾つかの事例を書き加えるということは可能だと思っています。
【高原主査代理】  電池に限定されている印象がありますので。
【稲田課長】  なるほど。あまりにスペシフィックに書かれ過ぎていると。
【高原主査代理】  はい。
【小杉主査】  国で幾つかの柱を立てているやつをそこに並べているということですよね。2030年から先、どういうものが出てくるかというところまでの視野で書かれてはいないと思うんですけど。ちょっとその辺りを事務局のほうでもう一度調べていただいて、付け足す必要があるものがもしあれば付け足していただくということですかね。
【稲田課長】  はい。分かりました。
【小杉主査】  お願いいたします。
 ほか、何かございますか。
 報告書の細かいところに気づかれる方もおられるとは思いますけれど、今この時点ではなかなか御指摘いただけない可能性があるので、(案)を取るというところは、基本的には事務局のほうでこの場で出していただいた意見を反映した形のバージョンをつくっていただいて、主査の私が確認して、大体それでよさそうだったら確定ということ、(案)を取ったバージョンということで皆さんにお配りするということになるんですけど、場合によってはその段階でもう一度見ていただいて、詳細をチェックしていただいて、その後で(案)を取るというのもあるんですけど、どんな感じでしょうかね。委員の方、もうちょっと読んでみたいという印象ですか。大体、主査にお任せでいいかどうかというところなのですけど、いかがですか。
【岸本委員】  1点だけよろしいですか。
【小杉主査】  岸本委員、お願いします。
【岸本委員】  6ページの3の学術利用のところですけど、このままだとちょっと寂しいような気もしていて、もっと、何ていうんですかね、やはり最先端の計測技術をどんどん確立していって欲しいと思っています。新しい計測技術は新しい知見を生むはずなんです。計測できるからこそ見えてくるものがたくさんあって、そういったチャレンジをもっと推進するような1行か1文か分かりませんが、入れられるとどうかなと思いましたが、いかがでしょうか。もう少し学術利用のところを拡充して書いていただいてもいいのかなと思いました。
【小杉主査】  この辺りはSPring-8でいろいろ試行錯誤して、今は基盤開発プログラムという形で受けるということで、これをやれば利用に持っていけるだろうというのがセレクトされているという状況なのですけど、それ以外にもうちょっとチャレンジの。
【岸本委員】  そうですね。もっと先を行けるようなですね。
【小杉主査】  ええ。それの受皿というのがあり得るかということですよね。
 矢橋委員から何かございますか。
【矢橋委員】  これは具体的なプログラムは走っているところで、その背景にある精神というか、そういうところをちゃんと書きなさいという、そういうことですね。それはジェネラルな話として追加していいと思います。
【稲田課長】  記述のところは、学術利用のところだけで、これは産業利用も同じ話が言えるとは思うんですけれども。
【岸本委員】  そうですね。同じなのですけど、本当の最先端のところというのは、やはり産業のところではなかなか難しいですし、最先端ができて後からついていく部分があるので、やはり学術利用の部分があってこその企業の産業利用かなと思ったので、強調すべきは学術利用の部分かなと思いました。
【稲田課長】  この柱のところではなくて、こちらの学術の下にぶら下げたほうがいいと。
【岸本委員】  柱、そうですね。どうでしょうか。どちらのほうがいいでしょうか。そこは考えていただけると助かります。
【稲田課長】  はい。
【森委員】  すみません。
【小杉主査】  森委員、お願いします。
【森委員】  今の意見に賛成で、やはり先端計測技術のR&Dがないと、学術利用ばかりでなく産業利用の材料・デバイス評価測定にも発展性がなくなると感じます。最高の光が出た中で、やはり計測の高度化の必要性を、もう全体の構想のところに加筆するということはできないわけなんでしょうか。
【稲田課長】  高度化及び、それが先進的でかつ新しい学理を開くようなものであることを望むというところをここに。
【森委員】  そうですね。はい。産業利用として、最近はオペランド、応用から学術へのフィードバックでまた計測技術が上がっていくということもあると思いますし、この上の(1)のところの下に書くという手もあるかなと思った次第です。
 以上です。
【小杉主査】  SPring-8の場合は、設置者が理研で、それで、JASRIが共用のところを受けているわけですけど、ある意味、今のところは設置者側への要請のような感じですよね。この報告書というのは、相手は設置者も含めた報告書になるんですかね。
【稲田課長】  国として何をやるかというところの報告でありますので、当然その国が設置した後に高度化というところも含めてという対象になろうかと思います。
【小杉主査】  設置者は当然、理研のビームラインを持っていますし、いろいろ将来を見据えた、SPring-8-Ⅱの後を目指した技術開発も当然やるわけですけれど、その辺りと共用のほうで利用を展開するというところとちょっと目的が違うところがあるのをどういうふうに報告書に書き込むかというところは難しいかもしれないですが、事務局のほうで少しそこを検討していただくということにします。
 ほか、何かございますか。
 段取りとしては、一度、今の意見を踏まえたバージョンをつくって、私も確認した上で、もう一度委員の方に御意見いただくというほうがいいですかね。
【稲田課長】  そうですね。委員の皆さんに御覧いただくのは構わないんですが、オーソライズの形として座長一任なのか、もう一度、書面審議するのか、ここだけを決めていただければ、そのように。
【小杉主査】  これはいつまでに(案)を取らないといけないんですか。
【稲田課長】  来年度から予算要求等を考えますと、今年度中には。
【小杉主査】  今月いっぱいですか。
【内野補佐】  委員の先生方に回覧する分には全く問題なくて、普通に修正履歴をつけた形にして、誰々委員からの御指摘でここを直しましたという形でお示しすることはできると思います。
【稲田課長】  最終的に、先生の御一任の場合は、その日に、先生方の了解をいただいたときに、日付が書けるんですけど、そこがフワッとしているとちょっと面倒くさいことになるのでという。単純に手続の問題です。
【小杉主査】  ちょっと時間も限られますので、今日のバージョンに対して、各委員から御意見をさらにいただいて、それを事務局でまとめたやつを私が確認して、(案)を取って回覧するということにしましょうかね。そういう段取りでよろしければ、そう対応させていただきます。ここで直したのをもう1回、(案)の形で皆さんに確認するというのも、ちょっと時間、3月エンドを考えると難しいようなので、今日のバージョンにコメントいただくというのをまずやっていただいてということにしましょう。欠席者はお一人だけなので、そう難しくはないと思います。
 それでよろしければ、細かいところはやはり読まないと分からないところはあると思いますので、今日の議論はこの辺りにしたいと思います。予定よりはちょっと早いんですけれど、重要なところで何もなければ、その段取りでやっていきたいと思いますが、よろしいでしょうか。
 皆さん、現地の先生方はうなずいておられるので、では、そのように進めたいと思います。よろしくお願いします。
 意見、コメントいただく期日はどうしましょうか。
【稲田課長】  後ほど事務的にメールを展開させていただきますので、それにお答えいただけると。
【小杉主査】  事務的に連絡。多分いただいているのはPDFファイルでしたかね。では、編集できるファイルを送っていただいて。
【内野補佐】  取りあえず、まずは今日、この平場でいただいたものはもうささっと内容を載せた上で展開したいと思います。
【小杉主査】  ささっと直せるものなら。はい。
【内野補佐】  まずそれでお願いします。
【小杉主査】  では、よろしくお願いいたします。
 それでは、次の議題3ということで、前回の継続ですけれど、「NanoTerasuの今後の共用ビームラインの整備について」ということになっております。量子パーク技術研究開発機構における検討状況について、内海委員からお願いしたいと思います。それでは、お願いします。
【内海委員】  ありがとうございます。内海でございます。資料3に基づいて御説明させていただきます。
 本資料のクレジットは私と、パートナー側の代表機関である光科学イノベーションセンターの高田理事長との連名になっております。今日は高田理事長、御出席されておりませんけれども、中身については両者で合意したものをここで出させていただいています。
 それから、前回の小委員会で、矢橋委員や他の皆様から、SPring-8と中身についてきちんと意見交換すべきとのサジェスチョンをいただいておりますので、今回の資料についてはSPring-8の理研、JASRIの皆様からも御意見をいただき、それを反映させたものになっております。
 それでは、一枚めくっていただいて2ページ目でございます。これは前回も出した資料でございますが、まず現状がどうなっているかというところです。NanoTerasuは合計で28本ビームラインを建設することができます。そのうち、今、10本の整備がほぼ最終段階になっていて、共用ビームラインとしてQSTが建設しているものが3本、コアリションビームラインと言われる地域パートナー側が建設しているものが7本ということでございます。それぞれのラインナップが書いてありますが、共用ビームラインとして、先行3本はいずれもアンジュレータを使った軟X線のビームライン。そして、パートナー側のコアリションビームラインについては、7本のうち3本が軟X線のビームライン、4本がいわゆるテンダー領域と言われるところのビームラインとなっています。
 そして、光源で考えますと、ウィグラーのビームラインが2本で、残りはアンジュレータです。それぞれの利用の仕方について、簡単に復習させていただくと、共用ビームラインのほうは、登録機関で課題選定をしていただいて、採択された課題が使っていただける広く開かれたビームラインということです。
 一方で、コアリションビームラインのほうは、原則として加入金を納めていただいた方にお使いいただくビームラインであるということでございます。今回のメインのお話は、この共用ビームラインのほうをどう増やしていくか、と言う部分でございます。問題意識の一つは、NanoTerasuは共用施設であるにもかかわらず、現時点においては10本のうちの3本しか広く共用に開かれたビームラインがないという状況になっていて、これをどういうふうに早期に増やしていくのかというところが一つの大きな課題でございます。
 残りのビームポートの数が2ページの右下のところに書いてございます。残りのポート数は18ありますが、アンジュレータとウィグラーとが同じ数残っているわけではなく、性能がいいと言い切ってしまうと若干問題がありますが、高輝度のビームラインが造れるアンジュレータポートは6本しか残っていない。一方で、ウィグラーのポートはまだ12本残っており、これらウィグラーを光源とするビームラインの有効活用ということも重要視して考えないといけないということでございます。
 3ページ目は、前回も御説明させていただきましたけれど、NanoTerasu全体として、国側のビームラインとPhoSICが整備しているパートナー側ビームラインの増設を今後どういう形のプロセスで検討していくのかということが書いてございます。
 4ページでございます。共用ビームラインについては、設置者であるQSTが整備の一義的な責任を有するわけですが、共用ビームラインですので、QSTが勝手にその内容を決めるということはできません。QST部門長の下にNanoTerasuビームライン整備検討委員会という外部有識者の先生方に入っていただいた委員会を設置して、そこで検討していただいている結果についてご報告させていただきます。ちなみに委員会の名簿につきましては、参考資料の10ページに載せておりますので、御参考いただければと思います。
 第1期の共用ビームライン整備に関しては、コアリションビームラインとの相対的関係として、学術の最先端の開拓を優先目的とするとともに、我が国において少し出遅れていた世界基準の高輝度な軟X線ビームラインの整備が早急に必要である、という認識のもと、整備が進められています。
 これを踏まえて、今後の共用ビームラインの増設がどうあるべきかについて委員会で検討していただいたわけですが、大きくポイントとなるものを4つに整理して議論していただきました。
 一つは、「ユーザーニーズ」という言葉で書かれておりますけれど、当然ながら幅広い汎用的な、あるいは大きいユーザーニーズがないといけないということであり、SPring-8など国内既存放射光施設において満たせないほどの需要があるビームラインについては、研究機会を奪わないようにする早期整備をすることが非常に重要であります。この中には、今日の委員会の中でも何度も言及されておりますが、SPring-8-Ⅱの整備に当たって、SPring-8-Ⅱが止まる、いわゆるブラックアウトの期間が確実に訪れるわけですから、それについてもかなり意識をしないといけないということも議論されました。
 それから、分野多様性という言い方で書いておりますけれども、これは国の戦略の目標等々も絡んでくるわけですが、研究活動を活性化して、多様な分野でインパクトの高い研究を生み出せるようなビームライン、具体的には、半導体やデジタル産業やグリーン、量子、バイオ、医療などの国の戦略分野を加速するためのビームラインの早期整備が必要である、という観点がございます。
 申し遅れましたけど、一つ一つについて参考資料が後ろのほうについてございます。ユーザーニーズに関しては、先ほどSPring-8のためのアンケート調査の御報告がありましたけれども、NanoTerasuにおいても、一昨年、アンケート調査を行いたくさんの希望等々が出ておりますので、それも検討の大きな材料にしております。
 それから、汎用性とは一種対抗軸ですが、やはり研究として尖ったもの、ピークが立っていないといけないという議論が当然あります。ピークを立てるためには、いわゆる強みを生かすようなものが必要になりますが、具体的に、NanoTerasuのどういうところに強みがあるの? ということになります。それについてはやはり、軟X線領域のところでの高輝度のコヒーレント光源であること、これがとりもなおさず、NanoTerasuの非常に重要な強みであるということになります。
 それからもう一つこれは若干隠れてはいるのですが、SPring-8の偏向電磁石のビームラインに対応するものが、NanoTerasuにおいてはウィグラーのビームラインになりますが、そこにおける白色の光が出る領域に関しては、NanoTerasuのウィグラー白色光は、SPring-8の偏向電磁石の光源に比べても、もちろんエネルギー領域によりますが、3から25keV当たりの白色光源としては、実はSPring-8の偏向磁石の光源よりも高輝度になります。これもNanoTerasuの強みであるということも、検討において、頭の隅に入れておかないといけないというところでございます。
 それからもう一つですけれども、これもSPring-8の先ほどの議論の中で出ておりましたが、常に新しい技術開拓であるとかそういうことをきっちりやっていかないといけない、いわゆる新規性の開拓ということがあります。当然ながら、サイエンスの分野や利用技術、先端計測の部分でも、新規性のある開拓をしていかないといけないわけですけれど、それに加えて、やはり10年後、15年後を見据えた各種光源の開発あるいは光学素子の開発というところにもNanoTerasuとして早期に着手していく必要がございます。
 次に5ページ目でございます。これも前回お示ししているんですけれど、今後、ビームラインの増設を進めていくに当たって、やはり時系列のフェーズを分けて考えていくべきであろうという議論がなされています。先行の第1期としてつくっている今のビームラインをフェーズ1として、その後、フェーズ2、フェーズ3、フェーズ4という順番で考えております。
 具体的には、2024年から始まって2027年で終わりにするフェーズ2。これについては、やはりSPring-8-Ⅱの改造のためのブラックアウト期間をかなり意識した議論をしています。フェーズ2に関しては高いユーザーニーズのある共用ビームラインを造る時期であろうというところで、全ての研究者への利用機会とか需要に応えるような測定基盤を提供するためのフェーズであると位置づけています。また、半導体やデジタルなど、国の戦略分野における先端シーズ開拓にも早期着手する、これが2024年から2027年のフェーズ2でやるべきことと想定しています。
 その後、フェーズ3、フェーズ4ですけれど、それぞれ共用ビームラインの応用拡大をするようなフェーズ、チャレンジングなテーマを行うような先端利用の共用ビームラインを造るフェーズ、と位置付けています。
 共用ビームラインとは別に、R&Dのビームラインを設置者として持つべきであろうと考えています。具体的にどこの段階でR&Dビームラインを造るかというのは、予算も含めてさまざまな境界条件があろうかと思いますので、今のところ、時期に関しては若干ぼかしてありますが、フェーズ2の段階から、部分的な技術開発は進めながら、実際のビームラインの建設ということに関してはフェーズ3や4の辺りで順次考えていきたい。そして、R&Dのビームラインとして整備したらずっとそのままというわけではなくて、それを将来的には共用化することも見据えて検討していくべきであるということを議論しております。
 喫緊のフェーズ2については、かなり具体的な検討を始めようとしているところですけれど、3や4に関しては、一応のラインナップはお示ししますけれども、状況に応じて随時計画を見直すべきであろうという前提で検討を進めております。
 長々と前置きめいた話が長くなりましたが、具体的なラインナップが6ページと7ページでございます。
 まず6ページに、フェーズ2の共用ビームラインとして早期に建設を進めるべきである5本のラインナップが示されています。簡易的に、番号が1から5番まで振ってございますけど、これは優先順位を1から5という形で言っているわけではありません。これら5本がフェーズ2、具体的には2027年度までにぜひとも整備したい、すべきであるというものです。
 上から順番にお話をさせていただきます。この5本の中では、ウィグラーを使うものが4本、アンジュレータを使うものが1本という内容になっております。具体的に頭から申し上げると、一番上がXAFSのビームラインでございます。それから2番目がX線回折、3と4がそれぞれテンダーX線と軟X線のイメージング、そして5番がいわゆるHAXPESと呼ばれるウィグラーを使った分光のビームラインです。
 これらのラインアップは、極めてとんがったというものよりは、むしろかなり汎用目的なビームラインです。XAFSであるとかX線回折、それからHAXPESもそうですけれど、これらは今のSPring-8でも利用者があふれていて、高い利用ニーズがある分野でございます。
 実は、これらのビームラインはNanoTerasuにおいて、コアリションビームラインの中には一応あることはあるんですけれど、先ほど申し上げましたように、コアリションビームラインは、基本的には加入金を納めた会員でないと使えないというのが前提になっています。したがって、共用促進法に基づく放射光施設として、こういう基本的なビームラインは、共用ビームラインとして整備されているべきものです。
 先ほど申し上げましたけど、多極ウィグラーというのは決して弱い光源ではなく、SPring-8の偏光電磁石ビームラインよりもむしろ10倍ぐらい強いわけです。利用ニーズに対して十分な性能を有しています。XAFSやX線回折というのは基本中の基本ですので、これはぜひとも早期に実現したいということでございます。
 一方で、NanoTerasuの大きな特徴の一つは、やはりイメージングでございます。これに関しては、先行する共用の3本のビームラインにはイメージングを前面に押し出したビームラインが今ないので、早期の段階で共用ビームラインとして、多極ウィグラーを基にしたテンダー領域をカバーするイメージングビームラインと、APPLE-Ⅱを光源にした軟X線のイメージングをメインとするようなビームライン、これを早期に造りたいというところでございます。
 それぞれのビームラインについて、国の戦略目標に特に役立つものに〇をつけてあります。こういうのは総花的なものにならざるを得ないので、何となく表を埋めてある感もなきにしもあらずですが、こういった基本的なビームラインは、ここに掲げているような戦略目標にも極めて有用であるということは、委員の先生方には御理解いただけるのではないかなと思っております。
 7ページがフェーズ3、フェーズ4のラインアップ案です。フェーズ3以降の整備経過については、状況に応じ随時計画を見直しということを書いておりますけれど、これも委員会の中では非常にホットな議論をしていただいておりまして、そこに書いてあるように、フェーズ3では、XAFSやX線回折に関して、極限環境や特殊環境、マルチモーダルなどの需要が必ずあり、こういったビームラインの増設が必要と考えています。
 フェーズ4に関しては、かなりとんがったもので、コヒーレントのX線回折であるとか、マルチプローブを使った放射光のSPMと組み合わせるイメージングビームラインなどが提案されています。
 それからARPESですが、今整備しているARPESよりもさらにエネルギーの低い領域のARPESが要るのではないかというような議論がなされており、ここの中に入れてございます。
 R&Dビームラインは、共用ビームラインとはカテゴリーが違いますし、予算の構造も少し違ってくるかとは思うのですが、これもアンジュレータのビームラインとウィグラーのビームラインでそれぞれ1本ずつのR&Dのビームラインが必要であると考えています。どのようなR&DをSPring-8とNanoTerasuで分担していくかということについては、SPring-8の皆さんと議論をようやく始めようとしているところですが、やはりテンダーX線領域の光学系開発、ちょうどシリコンのモノクロメーターと回析格子のちょうど中間ぐらいになるところの技術開発というのが世界中で望まれているところでもございますので、そういったところについてNanoTerasuでしっかりやっていきたいというところでございます。
 全体をまとめたものが8ページでございます。増設ビームラインの設置場所が今の段階で明確に決まっているわけではありませんが、取りあえず2027年までのフェーズ2で造るべきと考えているビームラインを配置するとこんな感じになります。ちょっと見にくいのですが、青が既存のコアリションビームライン、それから、赤が共用ビームラインで、細く書かれているのが先行の3本。それに太い5本を足すと大体こういう形で2027年までには埋まるということです。その段階で残りのポートがアンジュレータが5、ウィグラーが8で、合計13個のポートが空いていることになります。コアリション側のビームライン増設計画は、共用側以上に種々の状況にディペンドしますので、ここではあえて何も書いていませんが、条件が整えば、残りのポートの中で、コアリションビームラインの増設も検討していくことになります。もちろんコアリション以外の第三者が専用ビームラインを造られるためにもまだ空きポートが残してあるということでございます。
 さらに順番にフェーズ3、フェーズ4と進めていくと、最終的に2031年以降フェーズ4が終わった段階で、NanoTerasu全体で14本の共用ビームラインが設置されることになります。これはNanoTerasu全体のポート数28本のちょうど半数になり、またアンジュレータとウィグラーもそれぞれ半分ずつを占めることになり、全体のバランスとして適切なものになっていると思われます。
 最後のページになりますが、9ページ、これは前回高田理事長からも説明があったものです。これまでのお話とは若干独立した話になっております。セキュアゾーンあるいは長尺ビームラインゾーンの構想でございます。そこに図面が書いてございますがNanoTerasuの基本建屋の東側、図では右側に土地が用意されております。ここに別棟の建物を建てて、ここにビームラインを延ばすということができるようになっています。別棟の使い方の詳細については、これから議論していかないといけないところですが、産業界からの強い要望もありますし、これから経済安全保障等々の需要も出てくると思いますので、特に情報管理をしっかりとしたセキュアなエリアをつくる必要があるという議論がかなり巻き起こってきております。そのために、ここを有効に使うべきではないかということが検討の中で出てきております。
 同時にこれは長尺のビームラインを造ることにつながりますので、この別棟にセキュアゾーンを設定して、そこに長尺を生かした、例えばハイコヒーレンスを生かした結像型のCTであるとか、ハイレゾリューションのタイコグラフィであるとか、そういうものを持ってこられればいいかなと考えているところです。
 これに関しては共用ビームラインとして造るのか、コアリションビームラインとして造るのか、また、別棟建屋は誰が造るのかということの議論も含めて、まだこれからという段階ですが、NanoTerasuの一つの方向性として考えていきたいというところでございます。
 以上でございます。よろしくお願い申し上げます。
【小杉主査】  丁寧な御説明ありがとうございました。
 それでは、今の御説明に対する質問等ございますか。お願いいたします。
【阪部委員】  よろしいでしょうか。
【小杉主査】  阪部委員、お願いします。
【阪部委員】  新しいビームラインのフェーズ2のところから、R&Dが始まる予定ですが、このような施設というものは完成すれば、さらなる先端を目指しているのなら、もうすぐに着手すべきかと思うのですが、2031年とかなり先になっています。その辺は何か制約があるのでしょうか。すぐに次のR&Dに着手できないというような。
【内海委員】  最大の制約は、実を言うと、お金と人の話になってしまいますが、まさに今、阪部先生がおっしゃっていただいたとおりで、こういうものこそ早期にやるべきだ、という意見があるのも事実です。ただ、一方、これを今、現場からの希望だけではなくて、これを実際に予算を獲得し、それを具現化していかないといけないわけです。その中で、やはり今、何が本当の最優先なのか。今日お示ししたことは全部、全てやりたいことばかりですけど、どこかで順番をつけないといけない。その中で、やはり今、極めて重要かつ問題だと思っておりますのは、共用施設であるにもかかわらず、共用ビームラインの数が決定的に少なく、放射光施設として基本的かつ汎用的な測定をできる一般ユーザー向けのビームラインがないというところが非常に大きな問題だと考えており、その結果、まずは共用ビームラインのほうの整備を優先させるということでこういう順番になっています。
 5ページのR&Dのところに、ちょっとぼかしてそこのところを書いてあるのですが、必ずしもフェーズ3とか4まで、R&Dをやらないというわけではなくて、来年度からすぐにも種々の技術開発は、別の予算の確保も考えながら、既存共用ビームラインの一部のビームタイムを使うなどして行っていく。そして、状況を見据えながら、やはり一本独立したR&Dビームラインが要るよねという話になったときにビームラインを造らせていただければと考えています。他のビームライン増設のスケジュール等、いろいろなことを検討しながら進めていきたいと思っている次第です。
【阪部委員】  分かりました。
【小杉主査】  今の件に関しては、共用ビームラインとしてのR&Dと、あとは設置者の開発としてのR&Dがあるんですけど、今のところ、設置者側ではまだそういう人の手配から、予算取りというところの将来を見据えた取組というのはまだQSTの中ではあまり議論されていない状況なんでしょうか。
【内海委員】  今、QST次世代センターが共用ビームラインの建設に携わっておりますし、今後のNanoTerasu全体のビームラインの整備をしっかりと請け負える体制は、我々のところで作らないといけないと思っております。ですので、例えば光学素子の開発であるとかそういうところは、今のスタッフあるいはこれから増やしていくスタッフのところできちんとカバーしていくということになろうかと思います。
 今日お話ししたのは、将来的にNanoTerasu全体に影響を与えるというか、極めて重要であるビームラインそのもののR&D、それから周辺技術のR&Dというところをいかにこの共用ビームラインの増設と並行してやっていくかというところの一つの考え方というか、提案として受け取っていただければと思います。
【小杉主査】  ありがとうございます。
 何か御質問、御意見等ございますか。
【雨宮理事長】  では、いいですか。
【小杉主査】  はい。雨宮理事長。
【雨宮理事長】  多極ウィグラーは、極の数は幾つでしたっけ。
【内海委員】  すみません。技術的なところは今すぐにはお答えできないんですが。
【雨宮理事長】  いや、質問は、参考4の13ページのところ、このスペクトルの比較が非常に重要だと思っていまして、フェーズ2を見ると、多極ウィグラーを4つ使うわけですよね。
【内海委員】  はい。
【雨宮理事長】  そこでエネルギー領域が3keVから25keVと。ただ、ここはすごくエネルギーのドロップの変化の大きいところなので。
【内海委員】  そうですね。おっしゃるとおりです。
【雨宮理事長】  この辺、使いたい、使うユーザーとの情報がきちっと共有されていることが重要だと思います。というか、10keV辺りから30keV辺りを使うユーザーはとても多いんですよ。ただ、SPring-8を使っていると、そこが強度がフラットだから、それに対してNanoTerasuが右肩下がりにがんと下がると。その辺の違いも含めた情報発信をしておく必要があるかなと思います。
【内海委員】  ありがとうございます。
【雨宮理事長】  ええ。将来どちらのビームラインを使えばいいかというようなことを交通整理する上でも、あらかじめデザインのところで、その辺の違い、強みみたいなものを明確にしておく必要があるかなと思います。
【内海委員】  ありがとうございます。それは委員会でも、具体的にそのエネルギー範囲ですね。そこの表をつくるときにそういう御指摘を実はいただいていたところでもございます。これから具体的な設計をしていくに当たって、その辺りのところを実際にビームラインを造る我々と、ユーザーで、しっかりと情報共有・意見交換しながら進めていく必要があります。NanoTerasuの場合には、SPring-8の建設期のようないわゆるサブグループというのをつくっていないので、その辺の情報のやり取りも含めて、しかけをこれから考えていかないといけないと考えています。御指摘、どうもありがとうございます。当然ながら、具体的なことについは、登録機関で技術的な情報をお持ちの方々とも連携しながら進めていきたいと思っています。
【雨宮理事長】  NanoTerasuは、基本的に電流値は400ミリアンペアでしたっけ。SPring-8が100を想定していると。
【内海委員】  おっしゃるとおりです。来年度中に400ミリアンペアに達成するのは難しいかもしれませんけれど、今の状況ですと、もう共用開始後2年目ぐらいにはフルスペックの400に到達できるのではないかなという勢いで加速器の調整が進んでいるところです。
【小杉主査】  前回の御説明では当初200、その後、400ということでした。あと、前回も出ていましたけど、今回のNanoTerasuで造る、特にハードX線側の詳細を詰めていくとき、ユーザーはあまり細かい光の強度等の知識はないと思うので、ぜひSPring-8と、前回も出ていましたけど、詳細を打ち合わせていただくのが適当だし、それをやらないと、SPring-8-Ⅱで止まっている間のバックアップにもならないということもありますので、その辺り、情報交換をお願いしたいところではあります。よろしくお願いします。
【内海委員】  そのバックアップのお話が出ましたけれど、当然のことながら、SPring-8-Ⅱのユーザーを全部NanoTerasuで受け入れられるというのはあり得ないですが、やはり可能な限りはNanoTerasuが利用いただける状況にすべきだと考えています。もちろん、ブラックアウト後も継続して十分に需要があるというところを想定して、今回のラインアップを作成していますが。今、小杉先生から言っていただいたとおりで、今後、具体的な設計をしていくに当たって、SPring-8側といろいろなレベルで連携させていただきながら詳細を詰めていきたいと考えています。
【小杉主査】  ほか、何かございますか。
【唯委員】  唯ですけれども。
【小杉主査】  お願いします。
【唯委員】  さっき音声がしばらく切れてしまったので、議論をされたのかもしれないんですけれども、フェーズ2のところで非常にニーズの多い部分の、広く使っていただけるようなビームラインを造っていただくというところはよく分かったんですけれども、実際のリストのところに挙げられている、例えば方法とか領域、戦略分野も含めて、非常にジェネラルなトピックがワーッとあるように少し感じました。恐らく共用として広く、何か先端的なことではないということを承知の上で、やはりここの強みというのがもう少し分かるような形でやられるほうがいろいろな、ここでの成果というのに引き出しやすいのかなと感じました。コメントです。
【内海委員】  唯先生、どうもありがとうございます。
【小杉主査】  何かございますか。
【内海委員】  今、唯先生がおっしゃっていただいたのは全くそのとおりなんです。このピークを立てる話と横の汎用性の広がりの話というのは常に議論になるところで、今回のラインアップでは、特にフェーズ2においては、その横の広がりのイメージがかなり強くなっていて、相対的に縦のピーク創出の部分が弱くなっているのはおっしゃっているとおりです。その辺りの今後の戦略や見せ方などについて、またいろいろ教えていただければと思っていますので、引き続きよろしくお願いいたします。
【小杉主査】  日本全体、ビームラインも増えていきますし、もちろんそれに見合って、ユーザーも増えてくるんですけど、共用施設というのは分野を限定せずに広く使ってもらうというのがそもそもだったんですけど、SPring-8-Ⅱのやり方も見ていると、少し課題を設定して、それを解決していくというスタイルも出てくるので、同じようなビームラインがある中で、何が特徴かというのをもうちょっと色をつけていただいてもいいのかなという時代になっているかなとは思いますね。
 この表でも、NanoTerasuの強みというところのフェーズ2でも、NanoTerasuの強みが出せるビームラインは4番の一つしかないので、ちょっとそこは三角ぐらいで少し何か書けるようなものをつくるということが重要というところだと思います。
【内海委員】  おっしゃるとおりです。
【小杉主査】  ほか、何かございますか。高橋委員、お願いします。
【高橋委員】  今、議論になっていたところというのは、SPring-8のシャットダウンの期間をフォローアップするという非常に重要な役目があると思うんですけども、私、お話を聞いていて印象を持ったのが、そのときに試しにNanoTerasuを使ってみる、SPring-8は使えないから同じような用途だけでも使ってみるときに、やはり全く同じではないので、そこに特徴を見いだしてくれるユーザーさんというのはいらっしゃるのではないかなと思います。
 なので、それをきっかけに、次のステップに発展的な使い方が見えてくるといった、間口を広げるという意味でも、まずは、今のSPring-8とほぼ同様のことができるけども、少し違うというものがあると、その先につながるのではないかなという印象を受けました。私たちも多分、絶対必要になってくると思うので、どういった使い方ができるのか。今、先ほど議論されていたウィグラーのエネルギーにしても、実際使ってみて、自分たちの使いたい波長だとどんな感じなのかというのは、多分ユーザーさんが使ってみての印象があると思うんですよね。なので、ちょっと波長を長くしたときにいい感じだとか、そういった印象を受けると、ああ、こういう用途にはNanoTerasuを今後も使っていきたい、こういった用途は今度、SPring-8-Ⅱのほうがいいだろうと。そういった使い分けが今後広がっていくのではないかなと思うので、この間口を広げるという意味で、まず汎用的なというのは非常にいい話だと私は思います。こういった説明が説得力のあることとしてつながっていくとありがたいです。
【小杉主査】  これからユーザーを増やさないといけない施設ですので、どういうチャンスでもとにかく使っていただく仕組みをつくるというのは重要なところだと思います。
 ほか、何かございますか。
 これは事務局に質問ですけど、こういうのは着実にビームラインが造られる、ある程度確実に造られるものなんでしょうか。
【稲田課長】  そこはまさに必要性と、それから、財政状況の相談で毎年分かっていくことと思います。ただ、いずれにせよ、どういうものを造り、その特徴が何であり、それがどのように役に立つのかというのを説明しないことには、つくものもつきませんので、しっかり議論していただければ、我々、最大限、しっかりとつけるよう頑張ってまいりますので。
【小杉主査】  これもタイミングを逸すると、SPring-8-Ⅱのバックアップにもならないタイミングにできても困りますし、そこを順調に両方うまくバランスを取りながら、やっていけないと始まらないですね。
【稲田課長】  最大限頑張ります。
【小杉主査】  はい。
【高橋委員】  今の話で思い出したんですけど、もう1点だけ質問ですけども、共用されるときの利用料金といった仕組みについては、いつ頃、案ができるという見通しはありますか。
【内海委員】  実は小委員会ではあまり具体的に出していないかと思うんですけど、別途、NanoTerasuの有識者会議というのが行われていて、その場では、利用料金についての案みたいなものは出させていただいています。NanoTerasuの共用ビームラインについて、本格共用が始まるのはこの4月ではなくて、来年3月からということもあり、登録機関が正式に決まってから正式に公表するということになりそうです。成果公開型と成果専有型とで利用料金は違っているんですが、成果専有型のところの利用料金に関しては少し従来のSPring-8とは少し違った金額になる見込です。正式なものとしてはどこかできちっとした形で出させていただきたいなと思っております。
【内野補佐】  これが有識者会議に出たものですね。これが成果専有の場合には12で。
【高橋委員】  具体的な施策があるということももちろんですけども、いつ頃、皆さんに向かって周知されるのかというイメージです。
【内海委員】  そうですね。早急に考えますので。ありがとうございます。
【高橋委員】  というのは、企業側として予算、来年、次の年の予算を立てるという都合もあるので、いつ頃なのかが分かると非常にありがたいということです。
【小杉主査】  パートナー側ビームラインが満杯になって、どうしようもない状況で、パートナーと似たようなビームラインが共用のほうにもできてくるというのは、それは当然だとは思うんですけど、そのときに考える料金設定と、今の段階の料金設定は多分変えていかないといけないような気はしないではないですね。
【内海委員】  まさにおっしゃってくださったとおりで、今、パートナー側のコアリションビームラインの料金設定というものと、共用側、共用ビームラインの料金設定と完全に独立事象にはなり得ないところがありますので、今その辺のところも含めて、今いろいろ検討させていただいて、有識者会議でもそれの一端をちょっと出させていただいていると御理解ください。
【小杉主査】  落ち着くまで一、二年はかかるでしょうし、その間にフェーズ2が走り出せば、また見直しがあるということだとは思います。
 SPring-8側からは何かコメントございますか。
【矢橋委員】  最初の話とか前回に戻りますが、内海委員からもありましたように、前回、しっかりすり合わせをしましょうということで、その後、我々とQST側で本プランの相談をいたしまして、やはりフェーズ2の喫緊のところについては、こういう形で進めていただくのが妥当でしょうというお話をしました。今も散々議論がありましたが、ある意味でこれは特徴があまりないといえばないんですが、一方で、放射光施設のお米、白い御飯のようなところなので、本来的にはフェーズ1にくっついてしかるべきだったところがありますので、こういうところは、四も五もなく、しっかりと進めていただく。ただし、いろいろ御意見があったように、やはりエネルギー領域が大分違うので、そこについては、使っていただくと分かると思いますが、SPring-8が全てNanoTerasuのところに行くわけではありませんが、ただ、かなりのポーションについてはここでしっかり受けていただけるということは当然予測できますので、そういう意味でしっかり進めていただければと思います。
 以上です。
【小杉主査】  大体、御意見等、尽きましたでしょうか。ネットのほうから何か追加等はございますか。
 では、もう意見も出尽くしましたので、ここで今日のところは終わりたいと思います。QSTにはさらに検討を進めていただくということでよろしくお願いします。また見直し等がございましたら報告いただくということでお願いいたします。
 それでは、事務局から何か。その他もございますが、ございますでしょうか。
【稲田課長】  それでは、次回の委員会の開催予定でございますが、4月以降の開催を見込んでございます。追って委員の皆様方に日程調整のお願いをさせていただくとともに、開催方法についても調整させていただきますので、よろしく御対応お願いします。
 本日の議事録につきましては、作成次第、委員の皆様にメールにて御確認いただいた後、文部科学省のウェブサイトに掲載させていただきますので、御了承ください。
 併せて、本日、議題2でございました修正については、出来次第、皆様方に提供いたしますので、これについての対応もよろしくお願いいたします。
 以上です。
【小杉主査】  ありがとうございました。
 最後に、まだ我々の任期はあと1年あると思いますけれど、内海委員が今年度で委員を辞められるということをお伺いしておりまして、この小委員会、今、今日は52回ですかね。第1回からずっと内海委員がやっておられまして、NanoTerasuの実現に向けて、非常にこの委員会で活躍されたということもございまして、ちょっと異例かもしれないんですけれど、最後に内海委員から52回を振り返っていただいて、一言よろしくお願いいたします。
【内海委員】  すみません。小杉主査や文科省の事務局の方にわがままを申し上げて、少しだけ御挨拶させていただきます。
 御承知のとおり、NanoTerasuファーストビームが昨年の12月に出ました。それで、この4月から運用開始ができそうなところまでようやく来ました。これはひとえに数多くの皆様方の御支援・御協力の賜物だと思っています。
 この手の共用施設は造って終わりではなくて、むしろ造ってからが始まりということは重々承知しているところですが、一方で、整備期が終わって、運用期に変わるという一つの節目というか区切りでもありますので、このタイミングでQSTを退職することになりました。高輝度放射光源準備室長時代から数えると7年近くやらせていただいていたのですが、この小委員会の委員も今日が最後ということになります。
 今、小杉先生がおっしゃっていただきましたように、この小委員会は本日が第52回。その前の高原先生が主査をされていた次世代放射光施設ワーキンググループがちょうど10年前の2014年から始まっているんですね。高原先生の委員会が8回ありましたので、小委員会と足すと合計で60回。私は多分欠席は2回ぐらいだと思います。今の日本の状況がなかなか大変な中で、NanoTerasuという形が出来上がったということはひとつの大きな成果であり、ここにおられる小委員会委員の皆さんとともに喜びを分かち合いたいと思っております。
 本当に長い間、お世話になりました。ありがとうございました。これからもよろしくお願い申し上げます。
【小杉主査】  内海委員、ありがとうございました。ちなみに平成28年11月17日が第1回で2016年からこの委員会は始まっておりますが、長い間ありがとうございました。
 それでは、以上をもちまして、第52回量子ビーム利用推進小委員会を閉会いたします。本日はどうもありがとうございました。
 
―― 了 ――
 

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