平成29年4月28日
科学技術・学術審議会
研究計画・評価分科会
量子科学技術委員会
量子科学技術の可能性・ポテンシャルを、より国民の目にみえる形で示すため、時間軸とともに研究・技術がどう進展して何が実現されうるのか等を示すロードマップを検討する。これにより官民の研究開発や産学連携、それに係る投資等を促す効果も期待される。
(検討作業の概略)
1.本委員会に、対象とする研究・技術毎に、外部有識者を含めた検討グループを構成して検討。
2.ロードマップは、研究・技術の進展とそれにより実現されうること等を示す。今後20年程度あるいはそれ以上を見据えたものとし、最初の5年10年についてはより具体化する。
3.初夏前までに検討を進め、検討結果を本委員会に報告する。
(なお、検討グループには、専門分野の関連する本委員会委員にリエゾンとして入っていただく)
(検討作業の対象)
以下の観点から、複数の研究・技術を対象とする。
○ 中長期にわたるインパクトを見据えつつも、5~10年で国民の目に見える進展が期待されるもの
○ 科学技術・経済・社会に与えるインパクトが相当程度期待され、かつ、一定の専門的なまとまりがあるもの
※1 なお、既にロードマップが存在するものは、それを量子委員会で参照することとし、本作業の対象とはしない。また、大規模な研究施設整備が必要なものも本作業の対象とはしない。
※2 日本学術会議の「大型研究計画に関するマスタープラン」に、関連する研究・技術が存在するものは、それを参照し検討の出発点とする。
(検討作業に当たっての留意事項)
a. 国際的な研究・技術の進展とともに、我が国研究機関において見込まれる研究・技術の進展を検討する。
b. 対象研究・技術に対して想定される代替技術・競合技術について、可能な限り抽出して比較や留意点を付言する。
c. 我が国研究機関において必要となりうる研究規模の概略など推進方策への示唆について、可能な限り付言する。また、推進方策が十分でない場合に予想される国際競争との関係や我が国の科学技術・経済・社会に与えるインパクトへの影響等についても可能な限り付言する。
d. 他の量子科学技術との関連・連携・融合・相補の関係があれば、付言する。
e. 対象研究・技術内において、複数の技術体系が想定されうるが、主な技術体系について進展や実現されうること等を俯瞰しつつ、全体としてのロードマップを包絡的にとりまとめる。(本作業では一つの技術体系を選択するといったことはせず、包絡的にとりまとめた上で、技術体系毎に利点や留意点が抽出されれば付言する。)
■量子情報処理(主に量子シミュレーション)
(留意事項)
a. 量子コンピューティング技術の進展への派生・関連を含む。
b. ある時点毎に可能と考えられる量子シミュレータの系により、どのような模擬実験が可能となり、その結果としてどのような研究成果が期待されるかを含む。
c. 検討対象の技術体系において、最適化やサンプリングといったアニーリング計算の進展も関連する場合は可能な限り付言する。
d. ある時点毎に系を外部研究者がどのように利用できることになるかといった利用環境についても考察する。
■量子計測・センシング
(留意事項)
a. 量子委員会中間とりまとめにある量子計測・センシング技術以外にも、インパクトが想定される他の光量子技術によるものを含みうる。
b. ある時点毎に可能と考えられる量子計測・センシングの系により、どのような計測・センシングが可能となり、産業応用を含めどのような応用が期待されるかを含み、その際の科学技術・経済・社会インパクトをできる限り付言する。
■極短パルスレーザー
(留意事項)
a. 光源技術だけでなく計測技術の進展への考慮を含む。
b. 現時点で顕在化しているユーザーだけでなく、潜在的なユーザーとの議論を踏まえる。
c. ある時点毎に可能と考えられる光源・計測系により、どのような研究が可能となり、その結果としてどのような研究成果が期待されるかを含む。
d. ある時点毎に系を外部研究者がどのように利用できることになるかといった利用環境についても考察する。
■次世代レーザー加工
(留意事項)
a. 高品位・少量・多品種生産を可能とするCPS型レーザー加工システムを含む。その際、非線形・非平衡・解放系の難解な現象であるレーザー加工の学理解明及びその進展についても考慮する。
b. 産業応用が想定されることから、経済・社会インパクトをできる限り付言する。
(主査) |
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伊藤 公平 |
慶應義塾大学 理工学部 教授 |
半導体量子ビット |
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(専門有識者) |
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井元 信之 |
大阪大学大学院 基礎工学研究科 教授 |
光方式 |
川島 直輝 |
東京大学 物性研究所 教授 |
計算物理 |
高橋 義朗 |
京都大学大学院 理学研究科 教授 |
冷却原子・分子 |
樽茶 清吾 |
理化学研究所 創発物性科学研究センター グループディレクター |
半導体量子ビット |
豊田 健二 |
大阪大学大学院 基礎工学研究科 助教 |
イオントラップ |
永長 直人 |
理化学研究所 創発物性科学研究センター 副センター長 |
材料・物性物理 |
中村 泰信 |
東京大学 先端科学技術研究センター 教授 |
超伝導量子ビット |
村尾 美緒 |
東京大学理学系研究科 教授 |
量子情報処理 |
(敬称略、五十音順) |
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(リエゾン) |
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大森 賢治 委員 |
(自然科学研究機構 分子科学研究所 教授) |
冷却原子・分子 |
根本 香絵 委員 |
(国立情報学研究所 情報プリンシプル研究系 教授) |
量子情報処理 |
※ 必要に応じ、更に外部有識者の知見を得て検討を行う。
(主査) |
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荒川 泰彦 |
東京大学 生産技術研究所 教授 |
量子ナノデバイス |
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(専門有識者) |
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上妻 幹旺 |
東京工業大学 理学院 教授 |
量子慣性センサ |
齊藤 英治 |
東北大学 金属材料研究所 教授 |
スピントロニクスセンサ |
竹内 繁樹 |
京都大学大学院 工学研究科 教授 |
量子もつれセンサ |
波多野 睦子 |
東京工業大学 工学院 教授 |
固体量子センサ |
山口 浩司 |
NTT物性科学基礎研究所 上席特別研究員 |
量子メカニクスセンサ |
山田 真治 |
日立製作所 基礎研究センタ長 |
材料科学 |
(敬称略、五十音順) |
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(リエゾン) |
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上田 正仁 委員 |
(東京大学大学院 理学研究科 教授) |
理論物理 |
早瀬 潤子 委員 |
(慶応義塾大学 理工学部 准教授) |
量子エレクトロニクス |
※ 必要に応じ、更に外部有識者の知見を得て検討を行う。
(主査) |
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緑川 克美 |
理化学研究所 光量子工学研究領域 領域長 |
光源開発 |
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(専門有識者) |
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石川 顕一 |
東京大学大学院 工学系研究科 教授 |
光・物質相互作用 |
板谷 治郎 |
東京大学 物性研究所 准教授 |
光源開発 |
腰原 伸也 |
東京工業大学 理工学研究科 教授 |
強相関電子系 |
菱川 明栄 |
名古屋大学 物質科学国際研究センター 教授 |
化学反応 |
藤 貴夫 |
自然科学研究機構 分子科学研究所 准教授 |
光源開発 |
山内 薫 |
東京大学大学院 理学系研究科 教授 |
化学反応 |
(敬称略、五十音順) |
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(リエゾン) |
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岩井 伸一郎 委員 |
(東北大学大学院 理学研究科 教授) |
強相関電子系 |
※ 必要に応じ、更に外部有識者の知見を得て検討を行う。
(主査) |
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安井 公治 |
三菱電機株式会社 産業メカトロニクス事業部 技師長 |
レーザー加工 |
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(専門有識者) |
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尾崎 典雅 |
大阪大学 工学研究科 准教授 |
極限環境における物質・物性 |
小林 洋平 |
東京大学 物性研究所 准教授 |
光源開発、加工学理 |
阪部 周二 |
京都大学 化学研究所 教授 |
レーザーと物質との相互作用 |
塚本 雅裕 |
大阪大学 接合科学研究所 教授 |
レーザー加工プロセス研究 |
比田井 洋史 |
千葉大学大学院 工学研究院 教授 |
レーザー加工、微細加工 |
(敬称略、五十音順) |
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(リエゾン) |
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湯本 潤司 委員 |
(東京大学大学院 理学系研究科 教授) |
光物性、量子エレクトロニクス |
※ 必要に応じ、更に外部有識者の知見を得て検討を行う。
科学技術・学術政策局 研究開発基盤課 量子研究推進室