資料6 科学技術委員会 ロードマップの検討について(案)

 量子科学技術の可能性・ポテンシャルを、より国民の目にみえる形で示すため、時間軸とともに研究・技術がどう進展して何が実現されうるのか等を示すロードマップを検討。これにより官民の研究開発や産学連携、それに係る投資等を促す効果も期待される。

(検討作業の概略)
1. 本委員会に、対象とする研究・技術毎に、外部有識者を含めた検討グループを構成して検討。
2. ロードマップは、研究・技術の進展とそれにより実現されうること等を示す。今後20年程度あるいはそれ以上を見据えたものとし、最初の5年10年についてはより具体化する。
3. 初夏前までに検討を進め、検討結果を本委員会に報告する。
(なお、検討グループには、専門分野の関連する本委員会委員にリエゾンとして入っていただく)

(検討作業の対象)
 以下の観点から、複数の研究・技術を対象としてはどうか。
○ 中長期にわたるインパクトを見据えつつも、5~10年で国民の目に見える進展が期待されるもの
○ 科学技術・経済・社会に与えるインパクトが相当程度期待され、かつ、一定の専門的なまとまりがあるもの

※1 なお、既にロードマップが存在するものは、それを量子委員会で参照することとし、本作業の対象とはしない。また、大規模な研究施設整備が必要なものも本作業の対象とはしない。
※2 日本学術会議の「大型研究計画に関するマスタープラン」に、関連する研究・技術が存在するものは、それを参照し検討の出発点とする。

(検討作業に当たっての留意事項)(案)
a. 国際的な研究・技術の進展とともに、我が国研究機関において見込まれる研究・技術の進展を検討する。
b. 対象研究・技術に対して想定される代替技術・競合技術について、可能な限り抽出して比較や留意点を付言する。
c. 我が国研究機関において必要となりうる研究規模の概略など推進方策への示唆について、可能な限り付言する。また、推進方策が十分でない場合に予想される国際競争との関係や我が国の科学技術・経済・社会に与えるインパクトへの影響等についても可能な限り付言する。
d. 他の量子科学技術との関連・連携・融合・相補の関係があれば、付言する。
e. 対象研究・技術内において、複数の技術体系が想定されうるが、主な技術体系について進展や実現されうること等を俯瞰しつつ、全体としてのロードマップを包絡的にとりまとめる。(本作業では一つの技術体系を選択するといったことはせず、包絡的にとりまとめた上で、技術体系毎に利点や留意点が抽出されれば付言する。)


対象とする研究・技術と検討にあたっての留意点(案)


■量子情報処理(主に量子シミュレーション)

リエゾン: 大森賢治 委員、 根本香絵 委員
主査:   伊藤公平 慶應義塾大学教授
検討グループの他の構成員は別途検討

(留意事項)(案)
a. 量子コンピューティング技術の進展への派生・関連を含む。
b. ある時点毎に可能と考えられる量子シミュレータの系により、どのような模擬実験が可能となり、その結果としてどのような研究成果が期待されるかを含む。
c. 検討対象の技術体系において、最適化やサンプリングといったアニーリング計算の進展も関連する場合は可能な限り付言する。
d. ある時点毎に系を外部研究者がどのように利用できることになるかといった利用環境についても考察する。


■量子計測・センシング

リエゾン: 上田正仁 委員、 早瀬潤子 委員
主査:   荒川泰彦 東京大学教授
検討グループの他の構成員は別途検討

(留意事項)(案)
a. 量子委員会中間とりまとめにある量子計測・センシング技術以外にも、インパクトが想定される他の光量子技術によるものを含みうる。
b. ある時点毎に可能と考えられる量子計測・センシングの系により、どのような計測・センシングが可能となり、産業応用を含めどのような応用が期待されるかを含み、その際の科学技術・経済・社会インパクトをできる限り付言する。


■極短パルスレーザー

リエゾン: 岩井伸一郎 委員
主査:   緑川克美 理化学研究所光量子工学研究領域長
検討グループの他の構成員は別途検討

(留意事項)(案)
a. 光源技術だけでなく計測技術の進展への考慮を含む。
b. 現時点で顕在化しているユーザーだけでなく、潜在的なユーザーとの議論を踏まえる。
c. ある時点毎に可能と考えられる光源・計測系により、どのような研究が可能となり、その結果としてどのような研究成果が期待されるかを含む。
d. ある時点毎に系を外部研究者がどのように利用できることになるかといった利用環境についても考察する。


■次世代レーザー加工

リエゾン: 湯本潤司 委員
主査:   安井公治 三菱電機株式会社産業メカトロニクス事業部技師長
検討グループの他の構成員は別途検討

(留意事項)(案)
a. 高品位・少量・多品種生産を可能とするCPS型レーザー加工システムを含む。その際、非線形・非平衡・解放系の難解な現象であるレーザー加工の学理解明及びその進展についても考慮する。
b. 産業応用が想定されることから、経済・社会インパクトをできる限り付言する。

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科学技術・学術政策局 研究開発基盤課 量子研究推進室

(科学技術・学術政策局 研究開発基盤課 量子研究推進室)