原子力科学技術委員会 原子力研究開発基盤作業部会(第5回) 議事録

1.日時

平成30年2月6日(火曜日) 10時00分~12時00分

2.場所

文部科学省 18階 研究開発局 会議室1

3.議題

  1. 国として持つべき原子力研究開発機能について
  2. 論点整理
  3. その他

4.出席者

委員

山口主査、寺井主査代理、渥美委員、五十嵐委員、木藤委員、多田委員、中島委員、横山委員

文部科学省

西條原子力課長、上田原子力課課長補佐

オブザーバー

日本原子力研究開発機構研究炉加速器管理部村山部長、日本放射性医薬品協会新村総務委員長、株式会社千代田テクノル竹内顧問、株式会社千代田テクノル営業統括本部河村特別参与

5.議事録

(山口主査) 皆様、おはようございます。若干定刻に時間があるようですけれども、全員おそろいだということですので、ただいまから第5回の原子力研究開発基盤作業部会を開催いたします。
 報道の方で撮影をされる方はいらっしゃいますか、いらっしゃいませんか。
 それでは、皆様には、本日は御出席いただきましてありがとうございます。
 今日の議題ですが、お手元の議事次第を御覧ください。
 こちらに書かれておりますとおりで、第1議題として、国として持つべき原子力研究開発機能について、第2議題として、論点整理となってございます。12時までと時間を予定してございます。どうぞよろしく御審議をお願いいたします。
 では、最初に事務局から出欠の確認、それから配付資料の確認をお願いいたします。

(上田原子力課長補佐) おはようございます。事務局でございます。
 本日、委員皆様全員御出席いただいてございますので、定足数であります過半数を満たしております。
 続きまして、本日配付の資料の確認をさせていただきます。
 議事次第に配付資料を記載させていただいてございますが、資料1といたしまして「記録「研究炉の長期停止に伴う影響調査」の概要について」、資料2といたしまして「放射性医薬品業界における国内原子炉の利用について」、資料3といたしまして「半導体製造メーカーからの見解」、資料4といたしまして「RI製造の視点から見た研究用原子炉の在り方」、資料5として、論点整理の資料、それから参考資料として1-1から1-3までを配付させていただいてございます。資料の欠落等ございましたら、事務局の方までお知らせいただければと思います。
 以上でございます。

(山口主査) どうもありがとうございます。
 資料の方はよろしいでしょうか。
 では、本日の最初の議題であります、国として持つべき原子力研究開発機能についてに入らせていただきます。
 まず初めに、日本学術会議「記録「研究炉の長期停止に伴う影響調査」の概要について」につきまして、日本原子力研究開発機構研究炉加速器管理部、村山部長より説明を頂きたいと思います。
 では、よろしくお願いいたします。

(村山部長) 村山です。今日はよろしくお願いします。私はこの学術会議の幹事を行っておりますので、幹事としてこの概要について報告させていただきます。
 ここに書きましたようにこの記録、これは昨年8月に学術会議で公表しております。その概要です。
 今回、この内容なのですが、表題の下に書きましたように、今回報告する範囲は、JRR-3やKUR等の汎用炉、主にビーム実験ですけれども、ビーム実験や照射実験等に利用するものへの回答を抽出という形でまとめてございます。
 ページをめくっていただいて、アンケート調査の背景等ですけれども、これまで学術会議等では、研究炉の在り方について検討を行ってきました。その中で2011年の地震、それから福島事故、それ以降、国内の研究炉が全て止まっているという状況がありました。その状況の中で、研究炉が止まっていることに対してどんな影響があるのか、それの実態調査を行おうということでこのアンケート調査を行ったものです。
 対象の一つですが、調査方法の(2)のところに書きましたように、JRR-3、JMTR、常陽、KUR、近畿大学(UTR-KINKI)と、それから東芝のNCAの6つでございます。冒頭申しましたように、今回は、この中からJMTRと常陽を除いたものに対してまとめたもので報告いたします。
 ページめくっていただいて次のページ、2ページでは、アンケート調査項目としてこんな項目について調査を行ったということです。これは飛ばしていただいて、では、どんな調査結果かということを3ページ以降でかいつまみながらですが説明させていただきます。
 まず、アンケート結果で、回答者の所属する組織。この左側のグラフはちょっと見にくうございますけれども、これは例えばJRR-3を使用していると回答した者のうち、回答したのはどういったところに所属するのかということを示しているものです。例えばJRR-3であれば、大学が40件、そのうち民間企業が10件ぐらいですかね、そういった形で読んでいただければと思います。
 この中で、右側に海外施設とございますけれども、海外施設はもちろん海外施設単独で使っているというケースもありますが、ほとんどありませんでした。ほとんどが国内の研究炉を使った上で、なおかつ、今回この期間、この間、研究用原子炉が止まっておりましたので、その代替として海外の研究炉を使ったと、そういったものの回答がありましたので、かなり多くの件数になっています。
 海外の研究炉を使ったものとしての主なものでは、オーストラリアにございますOPAL、アメリカのHFIR、フランスのHFR、こういったものを使っているということでした。
 次のページ、研究炉利用による学位論文数の推移でございますが、この太い実線がJRR-3です。JRR-3は平成22年以降、大地震以降となっておりまして、それと同時に学位論文数がずっと減っている、そういった傾向が見られるかと思います。
 また、下の方にちょっと右肩上がりの細い実線がございますが、これは海外施設を使って学位論文を書いたというものです。JRR-3での利用数が少なくなった分、海外施設で増えている。ただ、その数は少のうございまして、その理由ですが、右側の海外施設のところで、「JRR-3中性子ビーム利用の大学利用を取り纏(まと)めている東京大学物性研究所及び東京大学原子力専攻が、JRR-3の代替として海外施設の利用を支援した効果」によって海外施設の件数が増えていると思います。ただし、その経費、それから海外施設のマシンタイムの制限によって希望者の1割程度しか救済はできていなかったというような内容でした。
 その下の表は、内訳を示しているものです。
 次のページ、5ページですが、これは外部資金による研究開発における財源です。これも停止とともに減っているという状況で、海外施設に対しては増えている傾向を示しているというものです。
 次のページ、6ページです。
 (5)、これはざっくばらんに言うと、研究炉が止まったことによって影響はありますかという質問をしたものです。ほぼ9割が「大いにある」というような回答をしたものの、1割ぐらいがなかったというものでして、その影響がなかったというものに対してどんな理由なのかというのが(6)です。4件が「やむを得ず代替手段を用いるため」「研究活動に必要な予算を確保できなくなったため」「研究テーマを変更したため」でございますけれども、ほぼ研究炉が止まってしまったのでやむを得ず使わなかったというような回答というふうに理解しています。
 次のページ7ページ、採択課題数でございますが、その下の研究炉の利用者数、これがいわゆる延べ人数ではなくて実人数を書いています。延べ人数と申しますのは、例えばAさんという方がある施設を1年間に3件使った場合には3名と数えるのが延べ人数という考え方でして、その場合には、ここではAさんという方が何件使おうが1名としてカウントして、いわゆる実人数として示したものです。
 平成22年のところでは、JRR-3で1,500名ぐらい、KURで1,000名ぐらい、合計2,500名。それ以前の状況を見ると、大体2,000名ぐらいの研究者が利用しているという結果が出ると考えています。これが研究炉を停止したことによって、このグラフの中ではまだ研究炉が動いているので利用者人数が書いてありますけれども、それ以降、研究炉が止まった段階においては、これは利用者がゼロになるというものです。つまり、平成23年の事故以前はおよそ2,000人の研究者の利用がありましたけれども、その研究の場が失われたということを示しているというふうに考えています。
 次のページ、8ページから、研究炉の長期停止による影響に対してどんなことでもいいので自由に書いてくださいといったことです。いろいろな意見があったんですけれども、その中で主なものとしてまとめています。
 実験施設に対しては、先ほども申しました海外施設があるんですけれども、なかなか代替にはなっていないだとか、ある意味の長期停止が社会貢献に与える影響の中では、研究開発の土壌がなくなるので国際的競争力が失われてしまう。人材育成としては、中堅・若手研究者の育成が困難だとか、研究者の高齢化が進んで世代交代が進まない、こんな影響が出ているという意見がありました。
 次のページ、9ページですが、若手研究者などの抱える問題点についてです。
 産業利用における影響の中でも先端技術の開発を行っていたんだけれども、それができなくなってしまったとか、国内で必要なRI製造ができない、こんな影響が出ているという意見でした。
 この意見は本当にまとめたもので、膨大な数多くの意見が出ています。この場で言うのもあれですが、昨年8月に記録として出されていますので、そちらの方を見ていただけると、よりビビットな内容が分かるかと思います。
 次に10ページ、最後に調査結果のまとめでございますが、上から3つ目、研究炉が停止したので海外施設を使ったという例があるんですけれども、「海外施設での研究実施が我が国の研究に大きく寄与するとは考えにくい。」いわゆる希望者の1割程度が救済されたという程度なので。
 それから、研究炉の長期停止の影響としては、繰り返しになりますけれども、研究開発としては毎年約2,000人の研究者の研究の場が奪われた。学術論文や学位論文の減少を招いた。社会貢献では、中堅・若手研究者の育成ができない。日本がリードしている産業が外国にリードされかねないといった状況でした。
 こういった状況なので、研究炉は必要不可欠だろうと、それを再確認したというのがこの記録のまとめになっています。
 以上が、この概要についてです。
 委員長、よろしければ、このアンケートのまとめ以外にも、現在、学術会議で検討を進めているものがありますので、それについても口頭でちょっとお話ししたいのですが、よろしいでしょうか。

(山口主査) はい。

(村山部長) 口頭になってしまうのですが、この結果を踏まえて、学術会議では、次の次期研究用原子炉の在り方について検討を行っています。検討結果は、提言という形でまとまり次第公表したいと考えています。
 まだ検討段階で、これだけというところは決まっていないのですが、おおよその中では、まず、研究炉と研究用原子炉としては、照射炉とビーム炉、やはりこの2つは両方それぞれが必要だろうということを考えています。その中で特に照射炉に対しては、JMTRが廃止されたということがありますので、早急にその建設を進めるべきだと考えています。
 それから、ビーム炉に対してはKURとかJRR-3。KURは動きましたし、JRR-3はこれから運転再開する予定ですので、それを有効に使っていく。有効に使っていく中では、止まっている間は実験装置等の高度化はなかなか進まなかったということがありますので、まずは実験装置の高度化を進める。それを進めながら、次期炉の検討も進めると、これを考えています。
 また、照射炉とビーム炉以外に人材育成用の研究炉も必要だと考えています。特にKUCAもそのうち必ず止まると聞きましたので、例えばその後、後継のものを考えているのですが、そういった人材育成のために必要な小型の研究炉、これも必要だろうというふうに考えています。こういったことに対して検討している段階です。
 以上です。

(山口主査) どうもありがとうございました。
 それでは、少し御質問あるいは意見交換をしたいと思います。いかがでしょうか、何かありましたら御発言をお願いいたします。あるいは御説明についての質問もなさっていただければと思いますので。
 では、中島委員からどうぞ。

(中島委員) 中島です。
 この資料じゃなくて最後におっしゃられたことについてなのですが、提言というのはいつ頃まとまるというか、公開の予定なのでしょうか。

(村山部長) 今まとめの段階で、当初は年度末を目途に考えていたのですが、若干遅れぎみかなと思っています。

(中島委員) ありがとうございます。

(寺井主査代理) よろしいでしょうか。

(山口主査) では、寺井委員、どうぞ。

(寺井主査代理) 寺井でございます。ありがとうございます。
 1つ目の御質問は、実は中島委員の今の御質問と同じで、いつ頃までにどんな格好でということだったのですが、これはまとまり次第、適切なタイミングで御報告いただければと思います。
 それで、その内容に関してなのですが、先ほど照射炉とビーム炉という話があって、それぞれ次期炉を作るタイミングが若干違うというふうなお話があったと思います。それから人材育成のための小型研究炉と書いてあったのですが、これは臨界集合体ぐらいのレベルでいいということでしょうか。先ほどKUCAの話があったと思うのですが、その2点をまずはお伺いしたいと思います。

(山口主査) では、お願いいたします。

(村山部長) はい。村山です。
 最初の質問ですけれども、おっしゃるとおり照射炉とビーム炉、それぞれやはり2基必要なんですけれども、JMTRが廃止になったという観点から、まずは照射炉を建設すべきだということを考えているというところです。もちろんビーム炉、JRR-3に対してももう数十年経(た)ちますので、次期炉の検討は当然必要だというふうに考えています。段階的にはまずは照射炉を考えているというものです。
 2つ目の御質問ですけれども、2つ目は何でしたっけ。

(寺井主査代理) 小型研究炉と今おっしゃったのですが、臨界集合体レベルぐらいでよろしいのですかという。

(村山部長) すみません。検討の中では、臨界実験装置のものを考えています。というのは、臨界実験装置のように、使う人が、その臨界実験そのままでいって、実際に核燃料物質が扱えるだとか、臨界の状態が目に見える、そういった手で触れたり、直接目に見えたり、そういったものを使って人材育成を行うのが有効だろうと考えたため、臨界実験装置を考えています。

(寺井主査代理) ありがとうございました。
 もう1点よろしいですか。先ほど調査をされたという、これは結果そのものがすごく貴重だと思うのですが、今回、JMTRと常陽は入っていないということで、これについては引き続き御検討いただけることになるんだろうと思うのですが、1ページ目のところで、調査方法のところの(3)調査対象者というのがございまして、幾つか関連学協会にということですが、そこから更にユーザーへアンケートの依頼があって、それで一般のユーザーからのアンケートを全体として取りまとめられたということでしょうか。その結果は先ほどどこかにありましたね、3ページですかね、回答者の所属する人数とか組織と書いてありましたけど、そういうような段階的な進め方をされたという理解でよろしいでしょうか。

(村山部長) アンケートの対象者は、ここに書いてあるように学会、それから施設を管理するところに話をしまして、施設を管理するところで押さえているユーザー、そのそれぞれに対して調査をしておりますが、それは段階的というよりも一緒に、ほぼ同時に質問を投げて回答を募ったというものです。

(寺井主査代理) 質問を投げられた場所というのは、かなり広く行き渡って、かなりたくさんといいますか広範囲のユーザーからの回答があったという理解でよろしいでしょうか。

(村山部長) かなり広範囲なところには投げてございます。それから、ここに対象施設3つの施設がありますけれども、その3つの施設のユーザーにも投げているところです。ただ、回答者の件ですけれども、3ページにも書いてございますように、合計で140名です。この数が多いのか少ないのかということに関しては評価していないところです。個人的にはもうちょっとあることを期待はしていたのですが。

(寺井主査代理) 分かりました。先ほどありましたJMTR、それから常陽の件も含めて更にアンケートといいますか、一般のユーザーの声が広く広がるような形で調査をもし継続いただけるのであればお願いしたいと思います。
 以上です。

(山口主査) ありがとうございます。今の議論は、1つには次期炉、JMTRの後継機を考えるときには照射機能に特化したものをというのが1点と、あと教育用には研究炉というよりも、いろいろ小回りの利くようなハンドリングできたりとか、実際に体験型といいますかそういうものということですよね。
 あともう1つ、今、寺井委員の御質問の中で、恐らく趣旨の一つは、3ページのアンケートの回答者が非常に大学の方が91名と7割か結構な数を占めていまして、多分、寺井委員の御趣旨は、民間とかいろいろな分野でユーザーの方がいらっしゃって、そういう声がきちんと拾えているのか、あるいは先ほど村山部長も、人数もうちょっといるかなとおっしゃったのですが、もしその辺あるんだったら、例えば民間のユーザーを中心に声を拾ってみるとか、少しそういう工夫もあってもよいというような御指摘かなとも思いましたので、またアンケートは今後こういう研究のためのいろいろな基盤を作っていく上でのユーザーの声というのは、それをうまく拾えるような仕組みって重要だと思いますので、是非また御検討いただければと思います。

(村山部長) はい。

(山口主査) 他にはいかがでしょうか。
 では、どうぞ。

(横山委員) すみません、ちょっと今の続きで簡単な確認で恐縮なのですけれども、例えば4ページの学位論文数であるとか、あるいは7ページの採択課題数、利用者数というのはアンケートによらず全体の数を反映したものなのか、それともアンケートによっている、アンケートの回答者が答えた数のものであるのか。

(村山部長) これは全体を網羅していると考えています。といいますのは、アンケートの調査先としては、1つは個々のユーザーというのはありますけれども、もう1つは、各施設それぞれに括(くく)りまして各施設で把握している数を頂いております。この学位論文数とか利用者数、これはまさしく後者の方の施設からもらったものですので、これは施設としての数だというふうに考えています。

(横山委員) はい、分かりました。

(山口主査) よろしいですか。

(横山委員) はい。

(山口主査) では、他にありましたら、どうぞ。
 では、木藤委員。

(木藤委員) どうも御説明ありがとうございました。
 質問は、アンケートの影響です。影響がありますかという質問を6ページでされていて、この影響というのが意味する内容というのが、つまり次にある幾つかの設問になるんですか。採択課題に挙げたとかユーザーによる、それを影響というふうに捉えるという設問だったのでしょうか。

(村山部長) これは影響がありますかという質問に対して、影響とはこういったものを考えていますよとこれまで実は言っていません。ですので、影響があったのか、なかったのか、それは実はそのアンケートの回答した人の。

(木藤委員) いろいろな捉え方がある、いろいろな受け止めがあっての答えだということなんですね。

(村山部長) はい。

(木藤委員) はい、分かりました。
 それで、次の御質問、すみません。

(山口主査) はい、マイクを。

(木藤委員) もう1つすみませんが、そうなってきて、調査結果のまとめの中に、研究開発で2,000人の研究の場がなくなったとかなっているわけなんですけど、若干、質問と回答とまとめがぐるぐる回りしている感じがしています。そもそも研究開発は何で必要かという国の定めであったものがあって、こういう目的でやっている。実際に施設が止まってしまった。困った問題があって、だけども研究開発しなきゃいけないという命題があるから動かす必要があるとか、そういう流れがあるべきじゃないかと思うんですけれども、だから、一部の決まった流れの中での議論に陥っていないんじゃないかというような気がいたしました。

(山口主査) いかがですか、その点。

(村山部長) 反省しなくてはいけないかと思いますけれども、ただ、アンケートの中では、いろいろな意見を聞きたかったということがあって、いろいろな項目を投げています。その項目それぞれの関連性みたいなものに対して、例えば利用者の数を一方で聞きながら、影響はありますかみたいな漠然のことを聞いたりして、まとまってはいなかったかと思うのですが、いろいろな方面でいろいろな形でどんな影響があるのかということを聞きたかったというものです。ですので、特に最後の、今回は余りまとめていなかったんですけれども、具体的な個々人の意見というのは、これはいろいろな人の意見が聞けて、これはよかったかなとは思っています。

(山口主査) 多分このアンケートは、利用者に対して研究や開発を研究炉を使って行っている人に影響がありましたかという質問なので、その研究をやるというのが前提なんですよね。逆に、今の木藤委員の御指摘は、もう少し研究炉があるとして、その使い方を発展させていくとすると、やはりさっきの寺井委員の御指摘にもなるんですけど、アンケートの取り方をもう一工夫して、もっと研究基盤に対するニーズをしっかり明確化するという、そういうことですよね。

(木藤委員) はい。あと、ニーズとともに国の命題といいますか、それもニーズの一つと言うかもしれないんですけど、国の方針というのをちゃんと定めてあって、その中で動くということになっていると思います。

(山口主査) ありがとうございます。この村山部長の資料はユーザーからの非常に切実な声ということで、これはこれで傾聴すべきところかなと思います。
 他にはどうでしょうか。よろしいでしょうか。
 1つ私から、こういう施設を持つとすると、海外の施設の話が出ていますよね。今回、海外の施設を使うということに対するネガティブな意見で、それではやはり不十分じゃないかという声があって、それは多分1割ぐらいしか救済されていない部分、多くの方はやはり困るなという声だったと思うのですが、一方で、海外の施設であれば、ユーザーとしてむしろ使いやすいとかそういう声もあったのかどうかという辺りはいかがでしょうか。

(村山部長) ほとんどの方、1割程度しかなかったというのはあるんですけれども、それ以外、実際に海外の研究炉を使った人の意見として、ほとんどが使いにくかったということでしたので、使いにくい理由は、やはり国内であれば研究を行いながら、ここはちょっと変えたいなみたいなことがあったら、割と自由に変えられるようなところができなかったり、もちろん英語の問題なりといった人もいました。かなり使いづらかったということでした。ただ一方で、利用料金に対しては、海外の利用料金は安いというような意見があったかと思います。それはこのアンケートと別のアンケートなので忘れちゃったのでちょっとあれなんですが。

(山口主査) 分かりました。その辺は、実は以前に中島委員が、なかなか大学で研究炉を維持管理しているのが大変だというお話をされたのをふと思い出したものですから、海外の利用というのはどういう位置づけかなという趣旨でちょっとお聞きしたんですけれども、やはりユーザーの目でしてみれば、出かけていかなきゃいけないし、自由度が少ないし、不自由な点が多々あるということですかね。

(木藤委員) すみません。

(山口主査) では、木藤委員、どうぞ。

(木藤委員) すみません、今の質問とお答えに関係しているんですけれども、別の場であるユーザーの方のお話を聞いたことがありますが、その方がおっしゃるのは、JAEAさんとか大学の先生のそういう使っていらっしゃる施設の中に産業界が新たに入れてくれというのはなかなか難しい面を感じているといことをおっしゃっていたと思います。誰が、いつ、どうというのは言いにくいんですけれども。なので、寺井委員がおっしゃったようなアンケートを、産業界側の声を上手に受けて拾っていただくのが大事なのかなと思いました。

(山口主査) ありがとうございました。いろいろ貴重な意見を頂いて、おおむね重要なポイント、今後検討すべき点は出尽くしたかなと思いますが、何か他に御指摘される点ございますでしょうか。
 では、もしよろしければ、次の議題、次の資料に移りたいと思います。
 続きまして、資料2ですが、「放射性医薬品業界における国内原子炉の利用について」ということで、今最後に出ました産業界への応用という側面もあるかと思います。こちらは日本放射性医薬品協会の新村総務委員長から御説明を頂きたいと思います。
 では、新村様、よろしくお願いいたします。

(新村総務委員長) ありがとうございます。日本放射性医薬品協会の新村と申します。私の方から、今ありましたとおり産業界からということですけれども、放射性核種の利用者の立場からの現状の御説明ということになろうかと思います。資料に基づいて説明させていただきます。
 まず、2ページ目ですけれども、現在、放射性医薬品として使用されております核種についてお示ししております。
 まず、国内。これは医薬品でございますので、薬事の承認を取っているものでございますけれども、現時点で使われている核種としては、そこにお示ししています11核種があろうかと思います。
 左側、赤色で示している表の方が、これは国内のサイクロトロンで作っている核種でして、これはそれぞれ製薬企業のメーカーの方で持っております加速器で照射して作っているものでございます。
 右側、輸入核種(原子炉核種)ですけれども、こちらが、基本的には海外からの輸入に頼っている核種でございまして、一部原子炉じゃないものもあるかもしれませんけれども、こういったものは全て輸入に頼っているということで、現時点で産業、商業利用しております核種で国内の原子炉から調達しているものはないという状況かと思います。
 次に行っていただきまして、実際、今、国内での医療ですね、実施件数に占める輸入と国内製造の割合というのをお示ししております。
 先ほどの表と同じ色を付けておりますけれども、左側の青いところが輸入による核種、右側の黄色も含めて赤いところが国内で製造している核種でございます。
 青い核種のところ、実施件数としましては、圧倒的にここのTc-99mを使ったものが多いということで、これは原料としましては、親核種でありますモリブデンの形にしておりますけれども、これが輸入している核種の9割以上を占めるという状況になっております。これはデータが2012年ということで少し古いんですけれども、割合としては大体このような形かと思っております。
 次、4ページ目のところに実際の実施件数の推移というのをお示ししております。
 下の方の青い部分がSingle Photonの核種です。2007年ぐらいから増えてきています、上の方に書いてあるオレンジ色のところがPETという核種で、これは2002年から国内では保険適用になっておりまして、これが増えてきているということでございます。
 先ほど3ページに示した円グラフのデータは2012年のデータなんですけれども、その時点で全検査数としては160万件程度実施されておりますけれども、そのうちの70数万件がテクネチウムによる検査ということになっております。
 皆さん御存じかと思いますけれども、2009年から2010年にかけて海外の原子炉が止まったという影響がありまして、そこで、最近ではモリブデンクライシスなんて申し上げておりますけれども、そこから少し減ってきているというのと、先ほど申し上げましたPETという新しい技術が出てきましたので、そちらへのシフトということもありまして、全体としてSingle Photonの核種を使った検査は、その後若干減ってきている。それに併せてテクネチウム製剤の利用というのも減ってきているというところがあろうかと思います。
 一番最後の2017年については、これはまだアンケートの調査の結果が中間報告ということで、テクネチウムの検査数というのは出ておりませんけれども、全体数としては若干減ってきておりますので、70万をもしかしたら割っているかもしれないなというふうに考えているところでございます。
 続きまして5ページの、今少し触れましたけれども、実際このテクネチウムの原料となりますモリブデンも基本的には海外の原子炉からの輸入に頼っているものでございます。
 基本的に医療の原料として応用できますモリブデンというのは限られた原子炉からしか調達できませんけれども、現在のところヨーロッパ、南アフリカ、オーストラリアからの輸入に頼っております。以前はカナダからもかなりの量を輸入しておりましたけれども、一昨年にこちらは定常的な供給を停止しておりますので、現在はヨーロッパと南アフリカ、オーストラリアからに頼っているところでございます。
 この海外の原子炉なんですけれども、かなり老朽化したものが多いということで、問題などが起こりますと稼働が止まりまして、そこからの調達ができなくなるということ。これによって国内の製品供給への影響が生じることもございます。実際、南アフリカの方は年末から止まっておりまして、ヨーロッパとオーストラリアから入れているという状況になっております。
 あとは世界各国から輸送しますので輸送の問題というのもありまして、これも2010年ですけれども、アイスランドの火山が噴火したときにヨーロッパからの輸入ができなくなって、国内の製品の供給に影響が生じたということもございます。
 次、6ページ目でございます。
 これは、今国内で利用されている、これに用いられている核種が、大体どういう時間軸で動いているのかというのをお示ししております。
 海外の原子炉で大体1週間程度の照射で製造されました、これは原料としてはウランを使っておりまして、これの核分裂によるものでございますけれども、これを1週間程度中性子を当てまして、出てきたものを1日から2日かけて精製しまして、Mo-99の形にしたものを、先ほどの世界地図にありましたとおり、航空輸送いたしまして国内の製薬メーカーの方に運んでまいります。国内のメーカーでは、これを凝縮しましてテクネチウム製剤として医療機関にお配りしているということでございます。
 その図の上の方にございます親核種のモリブデンの半減期が大体66時間で、製品となっておりますTc-99mの方が約6時間ということで、1日置いておくとなくなってしまうようなお薬でございますので、製品としましては製薬企業の方で毎日製造して、毎日朝お届けするというような形で供給をしているものでございます。今、国内の製造量、あと原料は長くおいておけないということもございますので、基本的には週に数回、各社の方で輸入して製品化しているということで、今実質的には国内2社ほどございますけれども、ほぼ毎日ぐらいの頻度でどちらかの会社が輸入をしているというものでございまして、これは貯(た)めておくことができませんので、これを継続していかなければいけないということが、我々、安定的に製品を供給するという意味では非常に重要なことになってきております。
 次、7ページでございます。
 こういった背景がございまして、先ほど申し上げた2009年から2010年の海外からの調達の問題等がございましたので、一応まだ国内での調達はしておりませんでしたけれども、国内で何とか調達できないか、安定供給を目指した官民検討会というのが内閣府主導で開催されております。
 ここの検討の結果としましては、1つは、輸入のモリブデンに競争力のある一定量の国産化を目指すということ。この時点でJMTR研究炉と発電炉を利用した中性子放射化法によるテクネチウム注射液の製造を検討するという結果が出されております。これが2011年7月まで続いておりましたけれども、先ほどからお話ししていましたとおり、2011年の震災の影響がございまして、この辺りの原子炉を使った研究というのは、その後研究が行われていないかと思います。
 その後、日本アイソトープ協会が事務局をやって国産化検討委員会が進められておりますけれども、こちらの検討は、そういった背景もございましたので、加速器を用いた検討ということで進められております。
 基本的に国内の検討は、先ほど申し上げたウランを原料としました核分裂法ではございませんで、モリブデンを原料としました放射化法によるものでございますので、最終的に得られるモリブデンの比放射能が低いということで、新たな抽出・分離・濃縮方法を検討することが必要、技術的な検討が必要だったということになっております。あとは、その結果としてコスト面での課題というのがあったというふうに聞いています。
 次、8ページ目に国内の検討で使われました幾つかの核反応をお示ししております。実際的には、最終的には余り検討されていないかと思いますけれども、原子炉による方法としましては研究炉を使ったもの、発電炉を使ったものということで準備が進んでいたというふうには伺っております。
 下の方、加速器による方法ということで、いずれも原料としてはモリブデンを使って、同じモリブデンからMo-99を作るという方法になっているかと思います。それぞれ製造方法、これまでの原子炉から作ったものと違いましたので、技術的な検討が必要だというふうに伺っております。
 9ページ目、医薬品としての利用のされ方でございます。
 9ページ目の右の方の2つ、ジェネレータ剤と注射剤と書いております。下側、注射剤の方がいわゆるテクネチウム製剤というものでして、製薬企業の方でテクネチウムを抽出して、何らかの化学修飾をした形で用途に合った形、注射液の形にしまして医療機関にお届けしているものでございます。これは、ユーザーの方は届いたらこれを患者さんに注射して、それの画像を撮るといったような使われ方をしております。
 もう1つ、右上にジェネレータ剤というのを書いておりますけれども、これはモリブデンをそのまま容器に詰めた形で医療機関にお届けしまして、医療機関でそこからテクネチウムを抽出させて、その場で適当な化学修飾、標識をしまして使っていただくということで、下の注射剤の方は我々あらかじめ注文を受けてお届けしておりますので、使用予定に応じてお届けするという形なんですけれども、ジェネレータ剤の方は、病院の方にテクネチウムを溶出する装置がございますので、緊急時でも対応できるという形になっているものでございます。
 左側にこの製法に絡むところをちょっとお示ししておりますけれども、このようにジェネレータ剤の方はモリブデンをそのまま詰めてお届けするというような形になっております。注射剤の方は、工場の方でテクネチウムを溶出してから使うということで、原料としての使われ方が少し違うということになっております。
 先ほど申し上げましたとおり、国内で検討された方法においては、比放射能が低いということがありましたので、そこの溶出の技術的な検討というのが進められておりまして、これを注射剤に使う場合は製薬企業の工場などでそれを抽出すればいいんですけれども、ジェネレータ剤の場合は、その比放射能が低いモリブデンをそのまま病院にお届けすることになるので、このジェネレータ剤そのものの設計から検討する必要があるということで、ここは薬事の承認に関わってくるということになっております。
 次に、10ページ目でございます。
 以上を踏まえまして、ここまでの検討というのを、共通の課題というところで少しお示ししております。ここも原子炉法と、国内での検討、基本的に加速器を使ったものが進められておりまして、そこの共通の課題ということでお示ししております。
 1つは、今申し上げました比放射能が低いことによる抽出・分離・濃縮方法検討という技術的な改善というものがございました。
 それからもう1つは輸送ということで、どの形態、どこまで精製したものを製薬企業の工場に運ぶのかといったようなこと、これが輸送形態と半減期といったところの兼ね合いになってくるものかと思います。
 照射液そのものの輸送には難があるというようなお話も伺っております。
 逆に、テクネチウムを精製した後で輸送しますと、これは、我々医療応用しておりますTc-99mの子孫核種としては、Tc-99と非常に半減期の長い核種がございますけれども、これが増えてきてしまうと、本来の用途に使えなくなる可能性も出てまいります。
 3つ目として薬事の問題ですけれども、先ほど申し上げましたとおり、一部の医薬品に関しましては、原料にかかわるところも含めて薬事承認の対象となっておりますので、そこを変えた場合には、そこの変更申請というのをしていかなければいけない、既存のものとの同等性を証明しなければいけないといったようなことがあると思います。同等性というのは、製法も異なりますので、混入してくる不純物なんかが違ってくるということもあるかと思います。また、その再現性というのも非常に重要になってきます。
 もう1つ、コストでございますけれども、これは我々企業として進めておりますので、今の薬価というものがございまして、販売できる価格が決まっておりますので、基本的にはそこで許容できる形というのが必要になってくるかと思います。
 最後に、ジェネレータとして、先ほど申し上げましたとおり、これはモリブデンをそのまま使いますので、ここについての新しい技術的な課題と薬事上の対応が必要になってくるかと思います。
 最後に期待ということで3点お示ししています。
 1つは、我々、医薬品原料としての利用のためには、一番重要だと考えておりますのは、定常的な安定的な供給ということでございますので、もちろん原料が必要な量を確保できるということが一番重要なんですけれども、それに併せまして品質の安定性、再現性というものが必要になってくるということと、あとは原子炉等の場合ですと、メンテナンスやなんかの場合にはバックアップの体制というのも必要になってくるかと思います。
 製薬企業は基本的にある程度確立した品質の原料を購入させていただいて、それを製品化するということなので、なかなか核種の精製するところの辺りはどこまでできるのかというのは検討する必要があるのかなと思っております。
 もう1つが、先ほど申し上げましたコストという面でして、これは我々は自由に価格を設定ができないという背景がございますので、そのような観点が1つございます。その一方で、やはり今日は一番現在使用されておりますテクネチウム、モリブデンのお話をさせていただいておりますけれども、最近の新規核種を使った放射線、放射性核種を使った内用療法、治療なんかの研究も進んでおりますので、新しい核種を使った医療研究というのは非常に進んでおりまして、そういったものでの応用でありますとか、あとは今回半減期が少し問題になっている、モリブデンの場合はなっておりますけれども、そういったものがうまく運用できるのであれば、そういった原料供給というのは考えられるのではないかと思います。
 もう1つ、先ほどもございましたけれども、我々、社内にも加速器を持っておりますので、そういった専門技術の専門者がおりますけれども、そういったものの従事者の教育だとか育成というのが非常に重要ではないかと考えておりまして、そういった意味で原子炉というのは必要ではないかと考えているところでございます。
 以上でございます。

(山口主査) 新村様、どうもありがとうございました。
 それでは、今の資料の2番につきまして、御質問ありましたらお願いしたいと思います。
 では、どうぞ、五十嵐委員。

(五十嵐委員) 御説明ありがとうございました。なかなか分からない分野のお話で大変勉強になりました。
 テクネチウム製剤を中心にお話しいただいたかと思いますが、原材料の輸入には非常に不安定性があることが分かり、勉強になりました。
 質問が2点ほどあるんですけれども、1つ目は、何度か出ましたコストというお話があったのですが、現在どのくらいのコストがかかっていて、理想的なコストというかそういうのが、どういう考え方をすればいいのかという、何かヒントになることがあれば教えていただきたい、もう少し詳しい御説明が伺えればと思いました。
 もう1点は4ページなんですけれども、先ほどの御説明で、この製剤の利用量が減ってきていて、これはいろいろな状況があったかと思うのですが、御説明の中にPETの利用が増えているということがあって、例えば検査そのものがPETに今後置き換わっていくなどということがあるのか、それぞれの役割として今後も重要なのだとは思うのですが、その辺りはどういう御見解をお持ちか伺いたいと思います。

(新村総務委員長) ありがとうございます。
 1つ目、コストのお話は私、正確に数字を共有しておりませんで、幾らというところはお話しできないところではございますけれども、1つには、医薬品の場合には価格の決め方が幾つかございまして、1つは、実際に原価としてどれだけの費用をかけて作っているかというのを積み上げていって医薬品の価格を決めるパターンがございますのと、もう1つは、その領域でその用途に使われるお薬、実際の既存のお薬と同程度の値段を付けているもの、これは完全に原料の値段はある意味無視されてしまうんですけれども、そういった付け方でございます。
 そういった中で我々は研究開発して、それが折り合いをつくものであれば事業として成り立つという形になっておりますので、一概に幾らであればということはなかなか難しいところはあるんですけれけども。ただ、実際に原価を積み上げて計算する場合は、大体、最終的に販売されている価格、薬価の方が近いんですけれども、それの3分の1だとか4分の1だとかが全ての製造の、いわゆる製造原価というところにかかってくるかと思いますけれども、その中でこの原料にどれだけかけられるかというのは、その後の化学修飾に係る部分でありますとか、そういったところとの兼ね合いが出てきますので、これもちょっと一概には申し上げられないところでございまして、それをいかに小さく抑えるかによって我々はその次のところで利益を得ているところでございます。ただ、今の割合ですので、余りこの原料費が半分以上だとかそういうふうになってしまうと、事業としては成り立たなくなるということになるかと思います。ちょっとお答えになっていないかもしれませんが。

(五十嵐委員) 大変難しいと思うのですけれども、それも簡単には言えないと思うのですが、海外から輸入する場合と国内で生産が原料からできる場合でどういうメリット、デメリットがあるのか、現時点で言える範囲ということで。

(新村総務委員長) これまでの検討を少し国内で、主に加速器を用いた検討がされているとは聞いておりますけれども、その時点で、今我々実際に運用している中で許容できるある価格があったとしまして、これに対して、今の時点で国内で作った場合のコストというのは、その数倍程度にはなるのかなというふうな試算が出たという話は聞いております。実際には、海外から入れる場合は、購入の価格に加えまして輸送の価格等もかかってはくるんですけれども、国内で安定的な供給を行う上で、どの程度のコストをかけてこれが調達できるのかというところで、今その数倍というのはなかなか許容しづらいのではないかというふうな、その時点での結論になっているんじゃないかというふうには伺ってございます。

(山口主査) 今の点、7ページに、内閣府のアクションプランで、「輸入Mo-99に競争力のある一定量の国産化を目指す」と書いてあります。例えばこのときの議論で、競争力を持たすためにはどれくらいであればよいかとか、そういう議論はされたのですか。

(新村総務委員長) 私、こちらの検討会なのか、その後のアイソトープ協会さんでやられた検討委員会の方なのかというのは正確なところは把握していないんですけれども、その中で企業、業界の方から、大体今使っているものがこの程度で、あとこのぐらいであれば許容できるという数字をお出しして、それに対して国内で、そのときは多分加速器だと思うんですけれども、それで実際に作った場合のコストを計算されたというようなお話を伺っております。それが先ほど私が言った数倍程度の開きがあるのではないかというふうには聞いてはおります。

(山口主査) 分かりました。

(竹内顧問) 私、実はこの官民検討会、並びにこのアイソトープ協会の関係のところに参加していまして、ここについては今御説明ありましたように、いろいろと実質的な課題の解決に向けてですね。
 先ほどコストのお話がございましたけど、当時はというか、そもそも濃縮ウランをターゲットにした核分裂法によるモリブデンを抽出するという、これが海外でこれまでやってきたものでございますけど、もちろん日本ではそういうことはできないので、中性子放射化法のn-γ法でやるということで、この間、JMTRを利用した形で進めていこうということに今この官民検討会ではなった。これに基づいて検討してきた。コスト的に言えば、結論から言うと、加速器でやるにはなかなかこれは量的な問題が実はありまして、精製できる量。たくさん大きい加速器を使うとか、台数を増やしてできればいいんですけど、それにしてもランニングコストの面を含めていくと、これはなかなか今の価格では実施できない。ただ、今、海外から輸入されてきている製剤とか原料ございますけど、これも高濃縮ウランから今は低濃縮ウランに変わってきたということで、聞くところによると、原材料のコストが倍近く上がってくる。これは本当に市場価格みたいな形で非常に今その推移が注目されているといったところです。先ほど新村先生からも、高くなったらいろいろなものが研究できるようになるというような話になると、ビジネス的にはなるかもしれない。
 一方で、モリブデンについて言えば、後ほども説明したいとは思っているんですけど、日本は今海外から全て輸入ということで、全世界の14%を実は輸入しているんですね、モリブデンを。そのうち3%しか実は利用できていない。各国はほとんど輸入した量そのまま100%展開して、ここはいろいろ先ほど御説明ありましたけど、私が説明するのはちょっとおかしいんですけど、非常に製剤化してお客様へのデリバリーへの時間が非常にかかる。また御存じのように、半減期が6時間ですから、これが非常に足かせになっている。これは業界の方、メーカーさんとも話をするんですけど、ここはやはり解決しないと、今後に対しても処理をしないとですね、やはりデリバリーについても検討しなきゃいけない。
 そんなところで、コスト的に言えば何とも言えない状況だと思うんです、今後の。恐らく市場戦略物質みたいな形なので、是非ともそういうものに向かっていけるような国産化というんですかね、これを是非私は必要じゃないかなと思っています。ちょっと説明になったかどうか分かりませんが、僕の知識としてはそんなことがございますので、是非御認識いただきたいということでございます。

(山口主査) 多分、国産化のコストがペイするのかという趣旨だと思いますので、十分お答えいただいていると。
 2つ目の御質問、PETのお話も新村様、お願いします。

(新村総務委員長) はい。先ほどSingle Photonの方が減ってきている、PETの方がという話ですが、これは御指摘ありましたとおり、ざっくりとSingle Photon、PETということでお話しさせていただきましたけれども、実際にはSingle Photonのお薬20種類、30種類ぐらいありますので、この用途によってPETに置き換えられるものと置き換えられないものがございます。ここ1つ傾向として減ってきておりますのは、Single Photonでやられていた一つのある種の検査に関して、このPETができたことによってかなり置き換えることが可能だった部分があったので、その影響というのは一つ出ているかとは思います。
 もう1つ、そのトリガーとして、先ほどの国内供給が滞ったということがございまして、その機会に医療機関もいろいろ別の方法、方策を探されて、そちらにシフトされて戻ってきていないというようなところもあるかと思います。
 実際のところ、今現状においてPETで利用できるお薬というのは実質的には今1種類しかございませんで、最近幾つか新しいものが出てきているようなことでございますので、そういったものが増えてくれば、今後そちらにシフトしていくという可能性もあることはあると思います。その一方で、Single Photonの薬についても開発されているものでございますので、今このグラフを見るとだんだん減ってきているようには見えるんですけれども、この後、どちら側にシフトしていくかというのは一概にはちょっと申し上げづらいところはあるかと思います。

(山口主査) ありがとうございます。
 他にはいかがでしょうか。
 では、多田委員、どうぞ。

(多田委員) ありがとうございます。
 「原子炉法/加速器法 共通の課題」というのがございますが、これはさっきのn‐γ法で作ると共通にこういう課題があるという、そういう捉え方でよろしいでしょうか。

(新村総務委員長) そうですね、おっしゃるとおりです。

(多田委員) それで、供給とかコストとかいろいろな課題は各々違ってくるんだろうと思うのですけれども、例えば原子炉法だと、先ほどおっしゃったように1基しかないと、メンテのときには供給できないと思うのですが、例えば複数の商用炉を使うと、そういった供給の途切れというのはなくなる可能性が高い。何かそんな検討もあったのではないかと記憶しているのですが。

(新村総務委員長) 私も余り詳しくはないのですけれども、先の検討では、発電炉を用いたもの、商用炉を使ったものと研究炉を使った両方の検討をされるということで、商用炉の方は法的な規制でいろいろ難しいというお話があったようには聞いておりますけれども、おっしゃったとおり、複数の原子炉を使うことができて、それを相補的に使えるということであれば、安定的な供給という面では1つ解決されるのかなというふうには考えております。

(多田委員) ありがとうございます。

(山口主査) 他にはいかがでしょうか。
 どうぞ、渥美委員。

(渥美委員) ありがとうございます。
 私の質問は簡単で、基本的に薬は必要な人に全部行き渡るという状態なのかというのが1番目の質問で、国内とかでいろいろ考えていった場合に、海外の供給先というのは、製造量をフレキシブルに動かすことができて、しかも、それは余り薬価に影響を与えないような形で、日本が何か作ったとしても国際的に何か内乱になるようなことはないですかというような質問。

(新村総務委員長) ありがとうございます。
 1つ目は、必要な方に皆さん届いているかという質問に関しては、ちょっと微妙に難しいところがございます。基本的には、お届けは現時点ではできているかと考えております。ただ、特に2009年から2010年のときであったりとかというのは、我々、通常お出ししている全ての製品を作るだけの原料を確保することができませんでしたので、その一部の製品に限って、検査数の多いものであるとかそういったものに限って出させていただいたようなことがございましたので、そういった時期に関しては、そのタイミングでは全ての方には供給できていなかったということはあるかと思います。ただ、我々は基本的には診断用のお薬で、治療に用いるものでは今の時点ではほとんどありませんので、例えば別の検査でやっていただくであるとか、少し待っていただく。当然急を要する方もいらっしゃるので、そういう方を優先的に使うだとか、そういったお薬を優先的に作っていたという、そういった検討はさせていただいていたかと思います。
 2つ目の方、これは非常にお答えしづらいんですけれども、基本的には世界的に一番、先ほどモリブデンの話でいいますと、一番使っているのが米国で、1つの国で言えば日本は2番目になるんですけれども、両国とも自国内に供給の設備を持っていなくて輸入に頼るというような背景があるかと思います。
 今、世界的にこういった状況ですので、OECDの方が主導しまして、その各国での製造量はある程度調整して、メンテナンスの期間なんかがかぶらないように調整いただいて、世界的に定常的にある一定量が供給できるような形には調整はいただいているところではありますので、OECDの方でいろいろ将来的な予測やなんか、新しい原子炉ができるという話もございますので、そういったもので調整されているかと思いますので、その中で日本の需要がある程度国内で賄えるということそのものはある程度歓迎されることではないのかなというふうには考えております。世界的な逼迫(ひっぱく)を若干緩和するというようなお話、これは個人的な意見になるかもしれませんけれども、そういうふうに捉えられるのではないかなと思います。

(渥美委員) ありがとうございます。

(山口主査) 世界的なマーケットが増えているのですかね。

(竹内顧問) 増えているようですね。やはりこれから後進国であるとか核医学の検査が広がっていく国で。

(山口主査) いかがでしょうか、他に何かございますでしょうか。
 では、木藤委員。

(木藤委員) 簡単な質問ですけれども、5ページのカナダの炉は2016年で停止したのですが、これは何か理由があったんですか。

(新村総務委員長) 基本的には老朽化ということなのかなというふうには聞いております。

(竹内顧問) カナダでは製造はしないということで決定しております、やめるということ。

(木藤委員) そうしますと、カナダは海外輸入だけ、海外輸入しているという状態なんですか。

(竹内顧問) いや、自国で生産しているところで、次の手を今やっています。

(木藤委員) 次の手を。

(山口主査) では、大体よろしいでしょうか。
 では、ありがとうございました。新村様には大変丁寧に説明を頂きまして、それから千代田テクノルの竹内顧問、いろいろ補足説明ありがとうございました。
 では、続きまして、「半導体製造メーカーからの見解」ということで、こちらは事務局から資料3に基づきまして説明をしていただきたいと思います。よろしくお願いします。

(上田原子力課長補佐) 事務局でございます。
 この作業部会の方で研究用原子炉の民間からの需要という状況について、本日、日本放射性医薬品協会さん、千代田テクノルさんからも直接ヒアリングということで機会を設けさせていただいてございますが、半導体メーカーさんの方からも、もし可能であればお話を伺えればということで、ちょっと事務局の方で調整させていただいていたんですけれども、やはりここのところ企業秘密等が含まれるということもありまして、このオープンの部会の場でお話しすることについては遠慮させてほしいということで。ただ、状況について事務局の方で聞き取りさせていただいた内容について紹介させていただくということについては了解を頂きましたので、それを簡単にまとめさせていただいたというのが資料3になってございます。
 時間もありますので、簡単に状況を御説明させていただきますと、聞き取った内容としましては、国内、国内外を含めてですけれども、とにかく今、半導体の需要が拡大傾向であるということ。それから、この試験研究炉を使って中性子を照射することによって製造される半導体シリコン、これが品質としては最も高品質なものであるということは間違いない事実であるという状況だそうですが、しかしながら、この中性子を活用した製造法ということに関しては、この試験研究炉の運転状況に左右されるということであり、メーカーにとっては供給が不安定であるということ。それから、どうしても今ある炉の数は限られているということもございますので、大量生産の対応が難しいということは製造メーカーとしては今リスクであるということと、更に近年、この半導体メーカーの研究炉を使わない別の手法の技術開発も進んでいるという状況があるということで、試験研究炉を使った中性子照射による半導体製造の製造量自体は下げ止まりの傾向にあるというのが事実関係だということでありました。
 また、国際的にもこの半導体の製造量というのが供給過多の傾向にあるということで、今、国内の研究炉で製造ができていませんので、海外の研究炉を使って、海外の研究炉から輸入をしている状況にあるんですけれども、ここのコストを輸入をするということで高い何か問題があるのかということを伺ったのですが、実は海外の研究炉もこの半導体の仕事を受注するのに必死で、結構利用料を下げるとか価格競争が進んでいるというところもあって、輸入のコストも半導体の部分に関しては値段が下がってきているというふうな状況にあるということで、この伺った限りにおいて、今の市場の状況においては、半導体製造の観点からは、国内の研究炉で大量に生産をしたりということよりも、不安定な供給状況をカバーする、いわばピンチヒッター的な役割ということでの補完的な役割ということは期待ができるのではないかという御指摘があったということと、またその一方で、試験研究炉を活用した放射化分析に関してはスピーディにこういった分析を行うという必要が企業の活動においても重要であるという観点から、こういった活動については国内でできる体制を整備しておいていただければということが期待があるということで状況を伺ったということでございます。
 すみません、御説明は以上でございます。

(山口主査) ありがとうございました。
 それでは、事務局からのポイントだけの御説明になってしまいましたが、何か御質問ございますでしょうか。

(寺井主査代理) よろしいですか。

(山口主査) どうぞ、寺井委員。

(寺井主査代理) 直接メーカーさんが来られていないので質問しても、どこまでという感じはあるのですが、民間の会社さんの視点ということで、現在どうかとか、あるいは近い将来どうかという観点で書いてあると思うのですが、恐らく実際に試験研究炉を作ってどうのというのは、これは中長期的な見通しが多分必要になってくるんですよね。ですから、半導体に関して言えば、今すぐとか今後3年、5年レベルじゃなくて、10年、20年でどうなるか。特に半導体に関してもシリコン以外の、例えばSiCであるとかいろいろ高度な半導体開発がこれから当然なされますので、そこへのドーピングということは当然あり得るわけですよね。だから、少しそういう長期的な視点を御検討いただくのも大事かなと思うんですけど、この辺りは何かメーカーさんの方からお話ございましたか。

(上田原子力課長補佐) 御質問ありがとうございます。
 やはりこの半導体分野は、メーカーの方とお話をしていてもかなり市場の動きが激しいというか、例えば10年前の議論であれば、こういった高品質の半導体の製造量をとにかく増やすために国内でもという議論があったのが、今またその辺の状況が、特に今自動車の関係でかなり、10年前、高品質の半導体をとにかく供給量を増やさないと賄えないというふうな議論があったのですが、今は供給できる限界が今の状況であるということと、他の代替でできる製造手段、先ほど申しましたけれども、こちらの品質がちょっと上がってきて、逆に半導体を買ってくれる自動車メーカーさんだとかお客さんの方も中性子レベルのもの、照射レベルのものを今求めていないというところで何とか対応できているということでありました。
 一方で、どうしてもこういう中性子照射のレベルの半導体が必要な分野も確実にあることは事実ですし、今御指摘ありましたとおり、更にもっと長期で見たときに全くこういった分野の製造が要らないということにはならないと思いますけれども、今我々がお話を伺った限りにおいては、10年、20年先の具体的なところというところの話まで聞けていなかったと思いますけれども、ちょっとそういった視点も当然検討に当たっては必要かなというふうには考えております。

(寺井主査代理) もし機会があれば、是非そのようなところも導入していただけるといいかなと。特にパワーエレクトロニクスというのが今後出てくる。シリコンじゃなくて、例えばシリコンカーバイドとか、あるいは、これはちょっと先の話ですけど、宇宙用の半導体とか、あるいは福島の廃炉作業等で、当然、半導体が放射線に弱いので今困っているんですけど、その辺りのところ、もうちょっと高度な半導体開発というのは当然ニーズがあると思うので、その辺の視野も含めた形で、なかなか産業界がそこまで考えている余裕はないと思うのですが、特に半導体産業は。ただ、その辺もしっかり見据えておく必要があるかなと思いますので、もし機会があれば、その辺のところも是非聞き取りをしていただきたいと思います。
 以上です。

(山口主査) サイクルの早い技術なので、なかなか長期的なというのはどうか分かりませんけど、少し研究炉ということと関連して言えば、研究炉の時間スケールは10年、20年というものなので、そういう面でもし何か分かりましたら調査をしておいていただければと思います。
 他にはいかがでしょうか。
 基本的には、中性子照射による半導体製造も着実にいろいろなすみ分けはあるにせよ、ニーズはあるというようなお話であったかと思います。
 では、よろしいでしょうか。
 続きまして、もう1つ産業界の方からということで議題、資料がございます。「RI製造の視点から見た研究用原子炉の在り方」につきまして、千代田テクノルの竹内顧問様から御説明いただきたいと思います。
 では、お願いします。

(竹内顧問) 竹内でございます。このたびは発表の機会を頂き、大変光栄に思っております。
 私はここ数年、10年ぐらいですかね、RIの製造研究開発に本当に従事してまいりました。本日は、これまでのRI製造の視点から研究用原子炉の在り方について発表させていただきます。
 まず、スライドの次の1ページです。
 原子力の平和利用ということについてですが、ここでは放射線利用分野、これは国民の健康・生活に欠かせないラジオアイソトープ(RI)の安定供給イコール、セキュリティが重要となってきています。
 近年、医療分野では放射線診断・治療、いわゆる核医学診断・治療の高度化が進み、また、医療における安全・安心の担保が必要となっています。このRIの安定供給の観点から全てを海外に機能を委ねることができないという事項でございます。
 次のスライドです。
 ここでは、これまでRI製造に係る民間移転ということをやってきたのですが、この移転の経緯について多少説明させていただきます。
 1997年2月の「特殊法人の整理合理化」に関する閣議決定が行われ、当時の日本原子力研究所は、本事業の移転先に対し、RI製造に係る原子炉の利用面での十分な協力を行うこととされています。
 RIの安定供給のため、これまで原研が行ってきたRI製造・頒布事業を当社、千代田テクノルが2000年4月から継承し、技術移転を含めJMTRを中心に据えた事業を進めてまいりました。ところが、2003年9月、原子力二法人統合準備会議報告書でJMTRの廃止が決定し、廃止を進めるに当たっては、ユーザーコミュニティの意見を聴取しつつ、適切な廃止の方法と時期を検討することになりました。
 この検討の結果、2006年10月、総合科学技術会議でJMTRの再稼働が決定し、翌年度から4年間で改修を行っております。
 計画では、2011年5月に再稼働の運びの予定でございましたが、御存じのとおり3.11の震災により再稼働はこれまで延期となりました。
 その後は、昨年4月の原子力機構が施設中長期計画というものを発表し、その中でJMTRの廃止が決定となりました。我々としては、突然の廃止に困惑しているといったところでございます。
 次のスライドをお願いします。
 そこで、このRI製造の視点から望むことは、全く不透明な状況ではございますけど、今後、日本に一体何基の研究用原子炉を建設するのか?という命題があるわけです。
 RI製造の観点からは、前述のセキュリティへの寄与を考慮すると、本表に示すとおり、試験炉型がベストの選択になります。特に、現在最重要課題であるモリブデンの製造においては、炉心の高熱中性子束領域で照射し、かつ1週間ごとに運転中に照射物の挿入・取り出しが必要となります。
 RI製造の観点からは、1基の新設とすれば、特殊照射設備とホットラボ施設を備えたJMTR級の試験炉が最適でございます。
 次の4ページのスライドです。
 ここでは、RI需要の現状と今後の予測。課題として、JMTRの再稼働を前提に技術開発を進めてきた放射性診断薬、モリブデン、テクネチウムについて説明します。
 先ほど、新村さんの方から、このモリブデンの状況についてはほぼ説明されていますので、省いていきたいと思っています。
 先ほど御説明もありましたように、RIの安定供給に関して学術会議や原子力委員会にて審議されてまいりました。2008年には学術会議から、我が国における放射性同位元素の安定供給体制について、それから2011年7月には、我が国のテクネチウム製剤の安定供給に向けてのアクションプランがそれぞれまとめられました。この方針に基づいてJMTRを利用したn‐γ法による国際化の研究開発を進めてまいっています。現在に至っています。
 次のページ。
 非常に重要な核種として、先ほどもモリブデンの話が出ましたけど、今後予測される核種として、これは主に放射線治療の核種になりますけど、β核種利用ということが叫ばれております。
 ここでは、表の中で黄色でやったのは既に開発されているもの、それから今後研究炉で有望視されている核種としてはピンクで網かけされている核種が有望です。特にレニウムについて言えば、これは先ほどテクネチウムの話がございましたけど、全く同族の核種で元素なんですね。そういうこともあって、非常にテクネチウムで開発された医薬品に置き換えてやっていくということで、非常に新しい開発ができていくんじゃないかなと、そんな希望もございます。
 それから、次のページになりますが、α核種利用ということで、今私の方で御説明しましたけど、Ra-223、これは2016年からゾーフィゴという形で市販されております。その後、アスタチンであるとかアクチニウムであるとか、ここに書かれたものが原子炉で作られる新しい候補としての治療薬としての核種ということで今研究が結構水面下で進められているというのが現状でございます。
 そういった意味で、国内で今いろいろな研究者、この関係の研究者はいらっしゃるんですけど、ある意味、原材料の供給が今ほとんどないといった状況の中で今研究が進められているというか、この辺のところのデリバリーなり供給の問題についてやはり非常に私としては、今後の放射線治療だとかそういうRIの製造に関して非常に危惧しているところではございます。
 Si半導体の製造については、先ほど勘違いで我々のところに書いていましたけど、削除というか省略させていただきます。
 次の7ページになりますが、新施設への要望・必要条件としては示すとおりでございます。
 原子炉施設とホットラボが直結しており、24時間体制の作業を可能にして、フレンドリーなサービスを提供できるような施設の整備を望んでおります。特に、今、放射性医薬品となると、メーカーさんはほとんど東京、羽田空港からデリバリーシステムが確立されている。これに合致した形での設置なりそういうものが必要かなというふうに思っております。
 それから、次の8ページに進めさせていただきます。
 ここでは炉利用の立場から見た研究用原子炉の在り方についてまとめてみました。
 主な知見として書かれていますけど、例えば京大のKURとJAEAのJMTR、このシナジー効果が希薄ではないか。それから、「東と西」「大学と法人」「基礎研究と応用研究」、何かそういう形で1基ずつ必要、そういったようなことがこれまでなってきたのかなというような発想の転換が必要であろうと思っております。
 研究用原子炉としては、高出力炉と低出力炉を新設し、連携しながら運営していく。その中で原子炉技術を体得した若手研究者・技術者を育成していく。
 また、新施設の整備に際しては、1F対応の大熊にあります分析・研究センター、これとの三位一体で検討し、人材の流動パスを考えた共通のロードマップを作成することが必要ではないかなど。
 キーワードは「設備の連携と人材の流動化」。これについては、知恵を出し合って世界最高の研究環境を創造することと、研究炉で学んだ研究者・技術者が高出力炉、それから1Fなどの環境で働く道筋を作ることが必要ではないかと考えています。
 最後になりますけれども、まとめです。
 最初のところには、本文でも説明したように、研究用原子炉を1基しか新設しないのであれば、試験炉型の原子炉施設がRI製造に関しても最適であろう。
 それから、JMTRが2006年7月に運転停止して以来、この11年間、JMTRの運転再開を目標に、当社は7名の研究員体制で、中心的にはMo-99製造技術開発を行ってまいりました。実際の製造場であるJMTRとホットラボ施設を用いた実証試験を残すばかりになっています。一方、製造開始時期が明確でない状況において、今後この体制を維持し、技術継承していくことは非常に困難であります。したがって、適切な廃止の方法と時期に関しては、速やかなMo-99の国産化に向け、KUR、HTTRやJRR-3の新規制基準への対応経験を活用し、潜在リスク低減の視点から適切な措置を施した上で、新設されるまでの期間限定でJMTRを運転し、その後、廃止することを望みたいというふうに思っています。
 高出力炉/低出力炉の新設と東電福島原発の廃炉研究を三位一体で検討し、人材の流動パスも考えた「共通の原子力研究開発基盤ロードマップ」を作成する。
 いずれにしましても、将来に向けた道筋をつけていくことが肝要ではないかと考えています。
 後ろの方に資料を添付してございますが、時間の関係から省略させていただきたいと思います。
 以上でございます。

(山口主査) ありがとうございます。
 最後に技術継承という視点というのも頂いたのですが、では、御質問、御意見を伺いたいと思います。いかがでしょうか。

(寺井主査代理) よろしいですか。

(山口主査) では、寺井委員、どうぞ。

(寺井主査代理) 寺井です。どうもありがとうございます。
 非常にプレッシブだったのは8ページあるいは9ページ、研究用原子炉の在り方についての一つの御提言ということで。その中で、大型炉といいますか高出力炉と低出力炉の組合せです。これを先ほど学術会議のところでも、今検討されている内容に近いというお話があったと思いますし、それから、そこでは人材育成の話で、もっと極低出力炉といいますか臨界集合体レベルのものを人材育成にという話があったわけですね。
 それから、この8ページで御提案いただいた一つは、福島の大熊分析・研究センターとか CLADSですね、この辺と三位一体で運用しようという話で、この辺は炉をつくったときの管理運営体制をどうするかというところが結構重要なポイントだと思うんですよね。全てが国でもないかもしれないし、ましてや全てがJAEAではないかもしれないしということで、この辺どういうふうな形にするのかというのは、産業利用みたいな大口の話も含めて今後考えていかないといけない話だと思うんです。ですから、管理運営体制をどうするかというところはまだかなり混沌(こんとん)とした状況かなと思うのですが、1つ共感を覚えるのは、人材の流動パスというところで、やはりこういうものを通して人材育成していくという、そういう視点ですかね、そこは非常に共感を覚えるところかと思います。
 ですから、具体的に管理運営体制と、それから人材の育成というところをどういう形でマッチングさせるかというところが結構重要かなと思うのですが、この辺りは何か具体的なお考えとかイメージというのはお持ちでしょうか。

(河村特別参与) では、河村の方から説明します。
 私たちは年寄りですけど、60になりまして、人材育成をどうされてきたかなと思うと、別に炉物理を勉強したから人材育成になるかというと、それも重要な学問の一つだと思いますけど、もっと実際のことにつながった中で育っていくということが結構重要じゃないかなと思っています。アイソトープ製造もしかりで、低出力炉で事前に製造試験してみたりとか、新たな実験装置をJMTRのような高出力炉に設置する前に低出力炉で確認してみたりしながら、人材育成もされていくと思います。今、シミュレーターなんかもどんどん準備されてきており、本当に原子炉を使った訓練ばかりでなく、シミュレーターでやっておくかという議論もされています。人材育成って何かというのは具体的に、我々も真剣に議論したんですけど、やはり実労働を通して目的を持って希望を持った中で学んでいくことが人材育成じゃないかなという結論に達しましてこんなような文章になりました。要は、最終目標があって、その中で自分がやるべきこと明確にして俯瞰(ふかん)的に物が見えるような人材を育てていくことが科学においても産業においても重要じゃないかという視点です。
 したがって、別に高邁(こうまい)なことを言っているわけではなく、そんな大したことを考えたわけでもなくて、もっと簡単に言うと、実学に基づいた人材育成が必要じゃないか。物理学なら物理で方程式が何とかと結構重要だとは思うんですけど、そういうことがこれから若い人たちが目的を持って変えて、新たな出発も重要かなという視点で書かせていただきました。
 以上です。

(寺井主査代理) ありがとうございます。文部科学省からお答えいただきたいような内容のお話を今頂きまして非常に感銘を受けました。
 実際にそういう意味では、国全体として、日本国全体として、これは官民、それから学ですね、そういうものの仕分は置いておいて、国全体としてどういうふうにこういう、いわゆる原子力人材というのを育成していくかというのは非常に重要な視点で、その中の一つの方法として、実際にいろいろな研究炉を開発あるいは運転していきながら人をうまく回していって、そこでいろいろな形で人材育成にしていくというのはすごく重要な視点かなというふうに思います。
 それからもう1つ、管理運営体制の話なんですけれども、現状を見ると京大炉と、例えばほかにあるのはJAEAのJMTRということですね。片や、大学の方は法人化してから、中島先生よく御存じだと思うのですが、東大もそうですけど、原子炉を維持管理するというのは極めてしんどい状況になってきているわけですね。だから、その辺のところをどう考えるか。それから、先ほどの産業利用ということを考えた場合に、例えば民間が持ってもいいのかもしれない。もしそこのニーズが高ければですけれども。そういうふうな考え方もあると思うので、ちょっとどういう形で、それを必ずしもどこの炉はどこという形にしなくてもいいのかもしれないんですけど、有機的に連携できるような形もあり得るかなと思って、ちょっとこの辺りのところも、今日御説明いただいた中では、そこはかなりまだ漠として書いてありますけれども、もうちょっと具体的なイメージがもしお持ちであれば、河村さんの構想でも結構なのですが、御説明いただけますか。

(河村特別参与) 私の構想って別にそんな立場ではないんですけど、少なくとも運営するときに1直しか作業しないとか、ずっと24時間あるので、世の中24時間動いているので、産業界もそうですが、できる限り産業者側の立場に立って運営するというんですかね。値段が安いか高いかも重要なんですけど、もっと重要なことがあると思います。あるエンジニアの方がおっしゃったんですけど、「お金をしっかり払ってもいいから、僕らに額に見合った成果を出せるようにはしてくれ。」と言われました。それは何かというと、途中で維持できなくならないようにしっかりお金を取ってちゃんと維持してくれというのが多分基本だと思います。そういう中でしっかり我々もお金を払って利用していきますので、ちゃんと我々のニーズに合ったような運営をしていただくというんですかね、いろいろな国や問題とかいろいろあるのかもしれませんが、できるだけ24時間働いていけるような体制をとっていただくのが我々のニーズで一番なのかなと思います。
 以上です。

(寺井主査代理) ありがとうございました。

(山口主査) 他にはいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 では、木藤委員。

(木藤委員) ありがとうございました。利用者のお立場ということでお話しくださいました。それにしても、利用者ではなくてAll Japanということもおっしゃっていただきまして、私も感銘を受けながら伺いました。ありがとうございます。
 それとともに、1か所、それは研究は研究、1Fも1Fとかそういう考えでもなくて、人材が各レベルを経験しながら育つとか、流動して目的もちゃんと明確に見えるということがとても大事だというふうにおっしゃってくださいまして、人材育成を担当している方からも心強いと思います。
 1つお伺いしたい点は、最後のまとめのところで、「期間限定でJMTRを運転し」、思い切ってこのように書いていただいていると思うんですけれども、現状で何で廃止ということになったかというと、新規制基準に対応するためにかなりのお金を要するということだと理解しています。こういうことについてはなにか、新設されるまでJMTRが運転できる方策というか何かアイデアとかイメージをお持ちでしたらばお聞かせいただければ有り難いと思います。

(河村特別参与) 私は何もアイデアを持っていませんが、ただ、私たちみんなが経験した一つは、原子力二法人統合準備会議でJMTRを廃止するといったときに、産業界はそれじゃ困るなと言って、会議においてもユーザーの意見をよく聴取した上で、廃止の方法と時期を議論しなさいと言われて、皆さん集まって議論した。学者さんも来られたし、産業界も入ったし、当然JAEAも入って議論した中で、じゃ、「廃止し、すぐに新設するか」、「100%海外に委ねるか」、いろいろな検討した中で、2030年まで運転しようと決めたんです。今、僕が欠けていると思っているのは、廃止の方法と時期の議論をどうしてしないんですかということです。前に経験したことなので、産業界も学者さんもみんな集まって一致団結して、これどうやっていくか、この難局をどう越えていくかという議論をした経験はあるんですけど、どうして適切な廃止の方法と時期の議論をしないで廃止としましたというだけで新設するというだけで、どうしてその議論をしないのかなというのが疑問です。その議論をした上でこうなっているんだったら、それがどうだったかという御報告をいただければと思うんですけど、そういう過程を踏まないと産業界が納得できないんじゃないかと思っただけです。別に強引に運転しろと言っているわけでもなく、ちゃんとそのプロセスを踏まえて議論を前へ進めるべきだと思います。
 それともう1つは、ここに書いてあるように、いつ、再稼働や新設により運転するか決まらなければ、研究者・技術者の確保ができず、技術承継できないということです。ロードマップって書いてあるのは、できるだけ低出力炉の議論をするときに、JMTRまで入れたロードマップをしっかり書いていただいて、ロードマップの中でしっかり僕らも目標を持って何年まで何をやるんだという議論ができるような仕組みを是非JMTRに対しても、次の新設炉に対してもロードマップを書き込んでいただきたいのです。ちょっと極端な書き方になっているかもしれませんが、そういうことを思って書いたつもりです。
 以上です。

(山口主査) ありがとうございました。1つ重要なメッセージは、我々も研究基盤の議論をしているんですけど、空白期間があると、それは人材とか技術伝承という意味でも、産業利用ということでも非常に問題があるので、スケジュール感というのも重要だという御指摘も頂いた上で、なかなかJMTRの場合には結構出力が大きくて厳しいところもあろうかとは思いますけれども、今の継続的に利用していって技術、人材をきちんとつないでいくために空白期間のないようなプランニングの仕方というのも是非スコープ、重要なポイントとして入れていくように。そのためには、さっきから寺井先生もおっしゃっていたように、長期的な視点で議論を書いていくというのが重要だと思いますけど、そういう指摘を頂いたんだというふうに理解します。竹内顧問と、それから河村特別参与ですか、どうも本当にありがとうございました。よろしいでしょうか。
 それでは、以上で産業界あるいは産業利用という視点で資料の御説明を頂いて御審議いただきました。この件につきましてはこれで終わらせていただいて、あと今日、議題の2番目ですが、論点整理の方に移りたいと思います。
 事務局より資料の5番を用意してございますので、まず御説明を頂いて、それから議論させていただきます。
 では、説明をお願いします。

(上田原子力課長補佐) 事務局でございます。資料5について説明させていただきます。
 ちょっと時間も迫っていますので、説明の方は簡略にさせていただきまして、委員の皆様から論点のところの御意見を賜れればなと思っていますので、よろしくお願いいたします。
 資料5の構成ですけれども、これまでこの作業部会で御議論いただいた御意見を中心に簡単に事務局の方でまとめさせていただいてございまして、文書中の○については、客観的な状況等をまとめておりまして、一方で、点線で四角囲みをして矢印で付けている部分が今後議論を進めていくところ、論点というイメージでまとめさせていただいている状況でございます。
 資料の1ページ目は、これまでの現状把握ですとか新規制基準、高経年化対策等の状況の変化を1枚目でまとめさせていただいてございまして、今後求められる原子力研究開発の機能、それから施設をどうするかということを1ページ目の最後から次のページにわたって書いてございます。
 2ページ目、頭に付けさせていただいてございますのは、原子力科学技術委員会の中で、今後の原子力の研究開発、どういった項目をやっていくのかということについて29年2月に研究開発機能を整理したということがございますので、少しそれをリファさせていただくような形ということで、今後の原子力の研究開発ということをテーマとして福島の廃炉に向けた研究開発、原子力の安全向上、それから原子力の基礎基盤研究、高速炉の研究開発、廃棄物の処理・処分、それから核不拡散・セキュリティ、そして人材育成、こういったところが項目として整理できるのではないかということで、その下の項目は特に人材育成の観点ということでいきますと、やはりもうここ数年来、原子力産業への希望者というところですとか原子力の分野を目指す人たちが減少しているというふうな問題もあるということで、本日も議論ございましたけれども、大学、原子力機構、それから産業界も含めて産学官が連携した人材育成、それから原子炉、その関連施設を用いた実践的なオンサイト研修、こういったものをしっかりやることで研究者・技術者等への支援を推進するべきではないかというような議論をこれまでもいただいているところでございます。
 それから、3ページですけれども、アカデミア、メーカー、ユーザーのニーズの視点ということで、これもこれまで作業部会の中でいろいろヒアリングをさせていただきながら議論をしていたというところかというふうに理解をしてございます。
 点線四角囲みの中でありますけれども、現在、エネルギー政策の中で原子力に関してはベースロード電源として活用するということでございますが、このエネルギー政策の根幹をなしている状況の原子力、また核燃料サイクルの確立に向けた研究開発ですとか高レベル放射性廃棄物の処理・処分、こういったものの研究開発、それから原子力の潜在的可能性を模索して実用化を目指すための研究開発といったものは主体的にやるということに加えて、本日もその他の産業ニーズとの議論もございましたけれども、研究開発の拠点については、国際的な拠点化を目指し、最新の産業ニーズ、市場動向も踏まえた研究基盤の具体化、こういったものを引き続き進めることが必要ではないかということ。
 それから、3ページ目の下の部分ですが、昨今の状況変化を踏まえた対応ということで、もう御案内のとおり、原子力機構の「施設中長期計画」で施設の半分を廃止することにしたという、これは非常に大きな決定であったことでございますけれども、こういった状況も踏まえて、先ほども施設のロードマップという議論もございましたけれども、我が国全体の原子力の研究開発機能を俯瞰(ふかん)できるような施設の継続/廃止、こういったスケジュールやスペックをきちんと整理するということが必要ではないかという議論。
 それから次ページにわたりますが、JMTRが担ってきた機能ということを、ここは空白がどうしてもできてしまうということでございますが、この機能の代替については国内で変えることが可能なものについては既存の施設を活用するとともに国外炉の利用といったものも多岐にわたる利用ニーズを見たし、研究アクティビティを維持・発展させるべきではないのかということ。
 それから、長期的な検討課題な課題と言いながら、これは長期的と言いながらも、もうすぐに着手しないといけないというふうに認識はしてございますが、特に試験研究炉を新しく施設をどうするのかという議論を縷々(るる)いただいているところでございますけれども、四角囲みのところでございますが、今後、長期のリードタイムを考えると、速やかに施設、特に以下の2つについて議論を加速するべきではないのかということで2点、JMTRが担ってきた機能の代替については、原子力機構での照射機能の重要性、それから国外施設の利用に関する課題、こういったものがあるということを認識して引き続き検討をやっていくべきではないのかということ。それから、もんじゅサイトを活用した炉の方向性については、ニーズの調査ということであるとか多様なステークホルダーがありますので、こういった人たちを交えながら、今委託の調査もやっているところでございますけれども、これを更に深めるという検討を進めていくということ。さらに、こういった議論もあったと思いますが、こういう研究炉の建設・新設のプロセスというのも、ここ数十年、日本の国内で行われていないということでございまして、こういったところも産学官の連携で人材育成にうまく活用できるような仕組みということも取り入れるべきではないのかということ。
 4ページの下の部分ですが、施設保有の在り方。今しがたも議論あったと思いますけれどもなかなか、特に大学などでは1つの大学のみで研究炉、原子炉を持つということが困難な状況であるという御議論があったと思います。こういった施設の運営管理、維持管理については、産学官の多様な関係者が効果的・効率的に活用できる仕組み、こういったものをきちんと考えるべきではないかなということ。
 また5ページにわたりまして、資金の形態という書き方をしてございますけれども、国として持つべき原子力研究開発機能の維持・発展という観点で言えば、まずは一義的には官が主体的な役割を担うということも大切だと思いますが、一方で、民間企業の先ほどの議論もありましたけれども、利用料をどのようにするかということであるとか人材の貢献等、長期的な運営にはこういったところも議論の論点として考えるべきだろうということでございます。
 5ページ真ん中以降、国内、それから国外、施設がどんどん限られてくるということでございますので、国内だけでなく国外の施設も含めて共用の体制をきちんととっていくべきではないのか、こういった議論があったかというふうに承知してございます。
 5ページ一番最後、こういったところも踏まえまして施設の維持管理、それからユーザーに対して必要な支援策ということで、(1)からでありますけれども、まずは国内の研究開発施設の早期再開を目指して対応していくということではありますが、次6ページ目に移っていただきまして、施設の供用ということでありますが、こういったものは運転再開を行うとともに産業界、それから国内外のより一層の利用促進を目指した施策を取り組むべきではないのかということで、利用者からの利用ニーズに係る施設・機器の維持・高度化であるとか専門スタッフの配置、ワンストップサービス等の利用促進機能の強化に取り組む、これは国内の施策として考えられるもの。それから海外の利用促進ということであれば、海外炉に関する負担がいろいろあるというふうにございますのでこれらの支援ということ。また国内の施設、こういったものが運転再開してきたという場合においては、これは外交的な取組も含めてということだと思いますけれども、国内の施設の利用、こういったものを梃子(てこ)にして海外の施設を利用できる枠組みをつくる調整・交渉、こういったものをやっていくことが必要なのではないかということ。
 それから、将来の研究基盤の維持という観点で言いますと、これも先ほど議論があった、まさにどうやって原子力機構、大学だけではなくて産業界の方々も巻き込んでということに関連すると思いますけれども、新たな原子力研究開発施設を新設する場合においては、多様な関係者が効果的・効率的に利用可能な仕組みを構築するとともに、運営に関しては、持続可能なマネジメントシステムを検討・構築していく必要があるのではないかというところが議論にあったかということで論点整理としてまとめさせていただいているところでございます。
 御意見を賜れれば有り難いです。

(山口主査) ありがとうございます。これまで4回、5回議論してきたポイントを網羅していくいろいろなリクエストなりポイントをまとめた資料となっていると思いますが、まだ欠けている視点とかあるかもしれませんので、是非見ていただいて、バランスを欠いている点とか重要な点がありましたら御指摘を頂きたいと思います。いかがでしょうか。
 では、中島委員、どうぞ。

(中島委員) 私の方のコメントで改善、どうするかというところまではいかないかもしれませんが、例えば2ページの人材育成のところ、これは今までのほかの原子力人材育成作業部会もございますし、この場でも事務局の方からもあったかと思うんですけれども、やはり大学側としては、その出口が見えない状況といいますか、今後、原子力でどういう力量を持った人材がどのぐらい必要かというところがやはり見えない状況の中で人をどんどん育てろと言われても、なかなか。それは学生側もそうですので、それで当然、例えば入学者数が減るとかそういうことになるわけですから、そこのところがどうなるか。これはここの問題というよりは、もしかしたら経産省というかエネルギーの戦略の問題になるかもしれせんが。ただ、文科省としては、多分科学技術としての原子力というのをどう維持するかというような規模感といいますか、そういうところにはコミットしていただかなくちゃいけないかなと思っております。
 それから、ちょっと飛んで申し訳ないですが、4ページの長期的な検討課題というところでありますが、破線で囲った四角の中の黒ポチで、いずれも課題を認識しつつ、引き続き検討すべきというようなところで、ちょっと悪い言葉で言うと先送りされちゃうんじゃないかということが懸念されておりまして、これはどこかでもあったらと思いますけれども、今までもいろいろな場で研究炉の在り方の議論が学術会議でも前にもやって、今回も今また始まっているとかありますし、あと今までの調査とかいろいろなニーズを聞いても、国内に研究炉は必要だということは間違いないので、この検討にどこまで含めるかはあれですけれども、もうちょっと具体的な展開に向けたステップに動く、少なくともそこへの、先ほどもちょっと話ありましたけれども、タイムスケジュールというかロードマップをもう少し明確に示すようなことをやらなくちゃいけないんじゃないかなと考えております。
 あともう1つ、一番最後に供用促進(国内)というのがありまして、ニーズを踏まえた機能の高度化とか、あるいはサービスの利用促進機能の強化というのがあるので、我々も再稼働しつつもいろいろやりたいとは思っているのですが、現実問題としては、例えば今、法人化後に定員削減とかございまして、実際運転できる燃料とかマシンタイムもあるんですけれども、運転するための要員がもうかつかつでやって、これ以上運転時間を延ばせないとかそういう変な問題といいますか実際の問題がございます。そういうところ、あるいは当然老朽化していますので、ちょっとトラブルが出たりするとすぐ止まってしまうというようなこともあって、それも手を入れたいけれども、やはりどこまでやるかというお金の問題というのもございまして、海外については企業支援が必要ではないかということが書いてあって、国内は、これだけ読むと何か自分で努力してくださいというようなことも言われているので、ちょっとそこら辺、大学にしても、これから産業界の利用ということで、そことのお金のやりとりみたいなのも考えるとは思いますけれども、まずはその前のページにあった官が主体となった資金提供というようなこともございますので、そういうところも御検討いただければと思います。
 勝手なお願いばかりですが、以上でございます。

(山口主査) ありがとうございます。
 何か事務局はございますか、よろしいですか。

(上田原子力課長補佐) 頂いた意見を基に、また最後まとめのところでやろうと思います。

(山口主査) 今ちょっと思ったんですけど、さっきの4ページの長期的な検討課題というところ、この○で書いてあるのが認識している課題ということですよね。

(上田原子力課長補佐) そうですね。

(山口主査) それから、下の点線のボックスの中身が、それに対する対応ということですよね。ここは(3)で、その前には国として持つべき機能とか、それから昨今の状況を踏まえて必要な対応というのがあった上で長期的な検討課題を受けていて、ここで言っているのは研究炉開発の経験値の低下が懸念されるということですよね。つまり、研究炉を設計・建設した経験がもう相当ない。そういう経験値というのが懸念されるということなので、それに比べるとボックスの中に書いてあるのは少し外しているような気もして、原子力機構での照射機能の重要性を引き続き検討とか、経験値の低下というのとちょっとマッチしていないので、今の中島委員のような御質問が出たのかなという気もしますので、その辺もう一回、どこに対応策を書くのかというのは注意をしたいと思います。
 あと他にはどうでしょうか、お気づきの点ありましたらお願いします。
 どうぞ、横山委員。

(横山委員) ひとつは、原子力を専門にする学生ばかりではなく、いろいろな機械とか電気ですとかいろいろなところから入ってきて、かつ研究用原子炉で経験を積んで育っていくというようなことが分かるような文章の流れになるとよいと思います。
 もう1つ気になっているのが、最近、もんじゅをはじめ、古くなったJAEAの施設を片づけるに当たって、そこに配置されている研究員の方々に求められることが、最先端研究ではなくなってきているという事実があります。この研究炉でどういう人材育成をしたいのかというのが研究者育成に偏るとやはり文科省なり国の方で少し指針を整理していただくとよろしいのかなと思った次第です。
 海外炉については、他の分野ではやはり海外の安くて使いやすい施設を柔軟に使いこなすのはやはり当たり前のことでありまして、海外炉以外になぜ日本に新設が必要なのか、あるいは海外炉も使っていこうというような両論併記に向けた書きぶりも十分に納得できるものでございます。
 以上です。

(山口主査) ありがとうございます。海外の話がありましたが、書いてありますよね。人材育成のところは、2ページの人材育成の観点からの研究基盤の重要性・在り方というところの2つ目の○が、「原子力専攻以外の分野から原子力産業への希望者は減少傾向」というのが一応ちゃんと書いてあるんです。だから、ここのところで少しすそ野を広げる必要というのと、あとはもう1つの視点で、人材育成の観点という意味では、例えば今議論されているのは、原子力の人材という意味では、廃止措置とかそういう人材が要るんだという、そちらからのニーズもある。それにも研究炉の側(がわ)から応えるというのをここに追加していただいたらいいと思うんです。産業利用、それから研究、発電のためというのもあるんですけど、もう1つ、廃止措置とかそういうサイクルを完結するための人材ですかね、ちょっとそういう視点を御指摘いただいたと思います。
 他にはいかがでしょうか。
 では、五十嵐委員、どうぞ。

(五十嵐委員) すみません、ちょっと取り違えたかもしれないんですけど、先ほどの御説明で、○が課題の整理で、点線の中が取り組むべきこと、考えること、というようなお話だったと思うんですけれども。そうしますと、5ページから始まる4.は括弧があって、○がなく、いきなり点線なので、それは課題が、点線の中に書き込まれているようでもありますが、課題については既に広く十分認識されているという理解でよろしいのかという点です。その点を含めまして、ちょっとうまく言えるか分からないんですけど、例えば、点線中で、「早期再稼働が必要ではないか」というところ、やはり、これだといきなり結論になったようにとられてしまわないでしょうか。それは、この委員会に出席されている先生方にとっては、というか、原子力が御専門の方たちには当たり前かもしれないのですが、他の者から見ると、やはり、このことはもっと深く議論すべき部分があると考えます。私が学生の頃は、原子力というのは花形で、優秀な学生はそこにみんな進学したがりました。当時は就職氷河期だったんですけれども、原子力の方は全く就職の心配もないというような状況でした。そういう話は余計かもしれませんけど、その状況は、しかし、3.11でかなり変わってしまったと思います。今日御発表もあって、幾つか御指摘もありましたが、例えば、最初に御説明のありました影響調査も、申し訳ありませんが、「必要だから必要だ」という、そういう調査に読めてしまわないか。そこは本当に、私のような部外者にもわかるような御説明にしていただきたいです。「今までこうだったから」という御説明が多いのですが、「今まで」ではなくて、「今後こうだから」という、新たな、長期的な視点を持って、例えば、もっとこういう研究が必要になるという本当に説得力のある御説明を頂きたいと思います。毎回気になっているものですから、論点整理のときにはそういう点をしっかりまとめていただきたいです。「意義や魅力を伝えていく」というふうに書かれてはいるのですが、十分な説明が必要ではないでしょうか。私がここにいる意味はそういうことしかないと思いますので、改めて発言させていただきました。すみません。

(山口主査) では、こちらもよろしいですかね。

(上田原子力課長補佐) はい。すみません、まさに4.のところですぐ点線になってしまっているところは、我々の整理が悪いところもございまして、その前のところで、例えば5ページの上の部分の共用の部分だとか、こういったところの問題意識を受けての最後、全体で対策をとるべきなのはどうかという構成にしてしまっているんですけれども、またこれ全体をまとめていくところで整理のところはというふうにさせていただければ。また、こういう試験研究炉の再開だとか、どういう研究をやっていくのかというところ、まさに御指摘のとおり、何でそういうものが要るのか。当然、要るから要るんだという説明になれば、それは全然説得力を持たないような御指摘のとおりだと思いますので、またレポートを御意見を賜って議論を進めていければなと思っています。

(西條原子力課長) すみません、今ちょっと頂いたところ、先ほど中島先生からもお話があった科学技術としての原子力のコミットとか、そこにも恐らくつながるところだと思います。まさに前提として大きく変わった中でもベースロード電源という議論もあり、その中で将来に向けての基盤としてどういうものを我々が持っておかなきゃいけないのか、そのためにも今日のお話のあったRI利用とかそういった視点からもどういうものがあるのか、ちょっと頭のところを主査とも相談しながらまとめた上で入っていけるような形にした方が、今のまさに御指摘のとおりだと思っております。そこら辺もまた検討させてください。

(山口主査) ありがとうございます。
 他にはいかがでしょうか。
 どうぞ、渥美委員。

(渥美委員) 私も教育のところが少し気になっていて、先ほどから出ていましたけど、2ページ目の「原子力産業への希望者は減少傾向」。これは私が言うのも何ですけど、原子力発電所の事故が起きて影響しているわけですけれども、これもいろいろ今日の御説明があったとおり、原子力はいろいろ他の産業へも使われているわけで、そういう産業を支えていくためにも人というのはとても大切だと思っていて、そういった意味で、点線の中に社会への発信とか、そこはいいんですけど、「教育環境の維持」というふうになっていて、もっと正しく理解していただくためにも、大学とかそれより上の専門家の教育だけじゃなくて、もう少し下の層、例えば中学生、高校生とか小学生とか、そういうところに対して原子力というのは発電だけじゃなくて、放射線ってこういう有効利用されているんですよみたいな教育をきちんとやっていくというのが大事なんじゃないかなというふうに思っているので、もう少しすそ野を広げて教育環境を整備するような方策を考えていただきたいなというふうに思います。

(山口主査) あれですね、人材育成に加えて教育、結構、中・高等教育みたいなイメージで。

(渥美委員) そうですね、もう少しすそ野が広いところといいますかね。原子力をやろうと思って入ってきている人が困っているというのは非常によく分かるんですけど、入ってくる方自体が減っているので、そういった意味で、そういう部分のすそ野を広げられるような方策というのがあるんじゃないかなと。

(山口主査) 研究開発基盤という視点で今の点、なかなか研究開発基盤などとダイレクトには落ち着かないとは思うのですが、検討します。ありがとうございました。
 他にどうでしょうか。
 では、木藤委員、どうぞ。

(木藤委員) ありがとうございます。
 この作業部会でテーマというのは、国として持つべき原子力研究開発機能ということだということでございます。最初の頃から、2ページの上にある原子力科学技術委員会で定めた研究開発等の項目を今後扱うものにするというお話で進んできたとは思うんですけれども、若干、実際にJMTRの話とかJRR-3とか近大炉、京大炉の話とか伺っているということと、これらの研究開発テーマということがちょっと合わない範囲の議論になっている部分があるんじゃないかなということを思います。つまり、この原子力科学技術委員会が言っているテーマだけでは全部をカバーし切れていないんじゃないかと思います。研究炉をどう使うかということについて、もっと進んだ国全体としての考え方というのがどこかにあるべきだというふうに思っておりますので、そういうこともどこかに入れていただいたらどうかなと思う次第でございます。

(多田委員) すみません。

(山口主査) はい、どうぞ。

(多田委員) 皆さんおっしゃることごもっともで、先ほど西條さんがおっしゃったような、国としてどういう方針がというところは、今ちょうどエネルギー基本計画の議論をされている真っ最中なので、とてもなかなか書くのは難しいのではないかと思ってはいるのですが、そういったエネルギー利用としての国の原子力の使い方というのと、もう1つは、今日もいろいろお話があったエネルギー以外の原子力の活用という観点の大きく2本柱だと思います。その中で研究開発とはどうあるべきかということを大上段にまず振りかざさないとなかなか議論がしっくりこないのではないかと思います。その中で、この委員会ではどこを検討していくのかをフォーカスしないとまた議論が発散してしまう恐れがあります。そういう整理ももう一度改めてお願いできたらと思います。

(山口主査) ありがとうございます。たしか学術会議の報告書も発電利用ということとそれ以外の利用という2つのセクションに最終的には分けたような経緯もあって、今の御意見は少し検討させていただきたいと思います。なかなか悩ましいところもありますけどね。
 その他はいかがでしょうか。よろしいでしょうか。

(寺井主査代理) よろしいですか。

(山口主査) はい。では、寺井委員、どうぞ。

(寺井主査代理) 今日、論点整理が出たということは、近々報告書なりまとめをされるということかと思うんですけど、その辺りのスケジュール的な点と、それから特にこれまでで議論になってきた話の重要なポイントは、特化しちゃうのは必ずしもよくないかもしれないけど、1つの重要な論点は、JMTRの廃炉の問題と絡めて長期的にどうするのかという話です。それから、新しい炉はもし造るとしてもできるまで時間がかかるので、その間どういうふうな対応でいくのかというところ、この辺のところがまだ余り具体化されていないという気がします。その辺の具体的な展開のロードマップというのは当然必要で、4ページのところに書いてあるんですけれども、幾つか委託調査を出されているという話も聞いていますし、そういうところから上がってきたものについてまた御報告いただいて審議をするということになるんじゃないかと思うので、その辺りのスケジュール感といいますか今後のスケジュール感というところがもしお分かりでしたら少し御紹介いただけると有り難いなと思いますが、いかがでしょうか。

(山口主査) これはお願いいたします。

(西條原子力課長) 今日、論点整理、今頂いた御意見も踏まえながら整理をさせていただきたいと思いますが、一応この部会の方では、作業部会ということで、一旦年度内に中間まとめをとりあえずしたいというように考えてございます。これまでの議論や、それから今日頂いた議論を踏まえながら、1つ、まずは中間まとめというような形で方向性を出させていただけたらと思います。一方で、ここで細かいロードマップの議論をするのかというところもございますので、それはまず中間まとめをした中で、今委託をやっているものもありますし、それ以外のJMTRの後継のお話もありますので、その辺はタスクアウトするような形を考えて具体化を図っていく。先ほど御議論もありましたけれども、検討のための検討となってしまうと、またそれが先送りという話になってしまいます。その辺は見えるような形で何とかやっていきたいというのが、今こちらの方で考えている考え方でございます。

(寺井主査代理) ありがとうございます。

(山口主査) まとめみたいになっているのですが、1つ、ここの場でも議論になったと思うのですが、一番最後に、将来の研究基盤の維持のために実施すべき支援策ということで、(人材の確保等)とありますよね。ここで利用に当たっての法整備的な話とかというのも議論になったような記憶があるのですが、今日も村山部長から、いろいろなユーザーが使いやすいとか、施設の運営という意味で具体的にはIAEAなんかでもリサーチ・リアクター・セーフティ・セクションでしたっけ、リサーチリアクターの安全規制をどうするかという報告書も多分出ていると思いますし、それ一回、中島委員か何か御指摘になったような気がしないでもなくて。要するに、最後の将来の研究基盤の維持のために実施すべき支援策というところで、(人材の確保等)と書いてあって、「持続可能なマネジメントシステムを検討・構築していく必要」というので、これは運営する側(がわ)でどうするかというのが書いてあると思うんですけど、関連する法整備とかそういうメニューもありませんでしたっけ。ちょっと気になった点ですので、お願いしたいと思います。
 それでは、あとは何かお気づきの点ございますか。
 では、今、西條課長からお話しいただきましたように、今日の御意見を踏まえまして論点整理をもう一度再整理、整理の再整理でございますがして、年度末を目途に取りまとめをしたいということでございますので、また今後ともよろしくお願いいたします。
 それでは、以上をもちまして本日予定しておりました議題は全て終了しました。
 あと何か全般的にお気づきの点ございますか。
 もしないようでしたら、では、事務局から連絡事項をお伝えください。お願いします。

(上田原子力課長補佐) 事務局でございます。本日も御多忙のところ長時間御議論いただきまして、大変ありがとうございました。
 また今日、先生皆様方御出席いただいているので大丈夫だと思いますが、論点を今後年度末に向けてまとめていきたいと思ってございますので、もし何か追加で御議論等あれば事務局に御連絡いただければと思ってございますし、また個別にいろいろ御相談させていただければとも思ってございます。
 また、次回の開催につきましては3月上旬頃に開催できればと思ってございますが、日程の方は事務的に調整させていただければと思ってございます。
 本日の議事録案につきましては、完成次第メールにて御相談させていただければと思っております。
 以上でございます。

(山口主査) ありがとうございます。
 それでは、以上をもちまして第5回の原子力研究開発基盤作業部会を終了いたします。
 本日はありがとうございました。


お問合せ先

研究開発局 原子力課