資料1-3 アクションプラン項目別解説(案)

アクションプラン項目別解説
0.炉設計 
1.超伝導コイル  
2.ブランケット 
3.ダイバータ 
4.加熱・電流駆動システム 
5.理論・シミュレーション 
6.炉心プラズマ 
7.燃料システム 
8.核融合炉材料と規格・基準 
9.安全性 
10.稼働率と保守性 
11.計測・制御 
12.社会連携 
13.ヘリカル方式 
14.レーザー方式 
参考資料 レーザー炉独自の開発項目 

0. 炉設計

概念設計の基本設計段階(2015-2016)
●炉概念
BA炉設計レビュー(特、'15)
2011年から2017年までBAの枠組みで行われてきた日欧協力の炉設計は、日欧で合意できる範囲のみで行われているので、まずBAの炉設計作業全体を見直し、日本の計画としての修正点や追加項目を検討し、BA以後の炉設計の出発点とする。
(特別チームヒアリング資料p.11)

運転計画(特、'15~'17)
原型炉は、幅広い運用に対応可能なフレキシビリティーを持たねばならず、ある特定の性能(定格)でのみ運転可能な設計とはできないので、必要な尤度を持った運用計画を設計初期の段階から考えておく。素案は'17までに作るが、その後も継続的な改定が必要。
(特別チームヒアリング資料p.11)

初期炉心性能設定(特/J、'16~'19)
原型炉運用初期(最初の発電実証まで)に必須な炉心プラズマ性能を設定する。

プラズマ形状設定(特、'16~19)
初期炉心性能と整合性のあるプラズマ形状を設定することで、具体的な炉概念の全体設計を可能とする。

燃料サイクル・戦略(特/TF、'16~'22)
Be、6Liの調達戦略を含めた燃料サイクルを早期のうちに検討しておく。技術的解析・設計は特別チーム。調達戦略はTFで議論すべき事項。

初期装荷燃料戦略(特/TF、'16~'22)
原型炉の初期装荷トリチウムの入手手段、あるいは限られたトリチウム量でのスタートアップの方法を練る。

●保守・炉構造
保守方式選択(産/特、'15~'18)
原型炉の保守方式が決まらないと全体の構造設計ができないので、初期段階で決定しておく必要がある。ブランケットとダイバータの着脱・交換方法が主要な課題になる。
(特別チームヒアリング資料p.12、コアチーム報告書p.35)

●機器設計
SC(超伝導コイル)材評価・目標設定(特、'15~'16)
原型炉に向け、超電導コイルの基礎概念設計と評価を行い、早期に設計目標を決定し、必要な線材等の選択も行う。WGを組織して全国協力体制で推進。
(特別チームヒアリング資料p.12、コアチーム報告書p.13)

SC(超伝導コイル)概念設計(特/産、'16~'19)
選択した超伝導材によるコイル概念設計と、製作方法の選定・開発に取り組む。
(特別チームヒアリング資料p.12)

●プラズマ設計
DIV(ダイバータ)と整合する熱出力(特、'16~'17)
ダイバータは非常に大きな熱と粒子負荷があるので、熱除去の点でも、材料の点でも、設計条件が非常に厳しい。ダイバータが工学的に設計可能な熱出力を採用する必要がある。要素技術開発を担当するチームとも連携して推進。

ダイバータ(DIV)&ブランケット(BLK)基本設計(特、'16~'19)
想定した熱出力に耐えうるブランケットの概念設計を行う。ブランケットは水冷却、個体増殖材、固体中性子増倍材を主案として原型炉ブランケットを設計する。耐圧性確保に関する指針は構造を決定づけるため、要素技術開発を担当するチームとも連携する。
(コアチーム報告書、p.16)(特別チームヒアリング資料、p.6-7)

●安全確保指針
安全確保指針概念(特、'16~'18)
安全指針案検討('18~)に向け、核融合炉の安全確保の考え方を技術的な検討も踏まえて確立する。一般原則(国等が決める原則)、安全要求(特別チーム・TFで検討)、安全指針(特別チームで検討)など、役割の整理がまず必要。

●物理・工学・材料データベース
原型炉物理DB(データベース)(J/大/F/特、'16~'26)
原型炉建設設計に必要な物理データベースを、改定を進めながら蓄積する。

工学・材料DB(データベース)(J/大/F/特、'16~'26)
原型炉建設設計に必要な工学・材料データベースを、改定を進めながら蓄積する。

物理・工学ガイドライン(特、'15~'19)
2020年のC&Rまでに準備する基本設計に向け、原型炉のパラメータを決めるための基本となる物理・工学の基準を、設計関係者全員で共有するためのガイドラインを整理する。確立されていない分野のデータも、基本設計を進めるために基準値を想定して共有する。


概念設計の基本設計段階(2017-2019)

●炉概念
コスト概算(特, '18-'19)
2020の中間C&Rにはコスト低減策が必要と考え、2019年までに建設コストの概算を行う。将来のコスト削減展望については、この段階では行わず、2020年以後は(21)コスト評価にて実施する。

統合シミュレータ (特/J/N/大, '17-'27)
理論・シミュレーションを参照。

基本設計概念 (特、'19-'19)
C&Rに向けた1次概念設計案をまとめる。

燃料循環システム (特、'19-'27)
炉内リサイクリング含めて、燃料系の設計を行う。

●保守・炉構造
保守方式選択(産/特、'15~'18)
2015年より継続。2018年に終了し、以後の概念設計に反映する。

●機器設計
原型炉TBM目標 (特/J, '19-'19)
原型炉用に用意されたブランケットテストポートに入れて、より高性能な先進的ブランケットシステムをテストし、将来の経済性、運用性の改善に備える。そのためのテストブランケットモジュール(TBM)の目標を設定する。

●プラズマ設計
SA実験計画へ反映 (特/J/F、'19-'19)
設計を通して必要性が認識された新たなJT-60SAでの実験項目があれば、それを実験計画に反映する。必要な場合には、原型炉のために必要は実験の優先順位への提言も行う。

●安全確保指針
安全指針案 (産/特、'18-'19)
中間C&Rに備え、安全指針の1次案を取りまとめる。

●物理・工学・材料データベース
原型炉物理DB(データベース)と工学・材料DB(データベース)は、2026年まで逐次改定を続ける。

概念設計段階(2020-2026)
●炉概念
炉心概念設計 (特, '20-'26)
基礎設計段階で決まった装置にそって、炉心設計を詳細化する。

コスト評価 (特/産, '20-'25)
建設費の詳細化に加え、この段階では、将来のコスト削減策とその定量的評価を行う。

全体概念設計 (特/産, '25-'26)
原型炉概念の最終化を行う。

●機器設計
BOP概念設計 (特/産, '21-'25)

●プラズマ設計
SA成果取込 (特/J/F, '23-'24)

プラズマ性能更新 (特, '24-'25)

●安全確保指針
安全要求・解析・評価基礎研究 (特, 20-'26)

安全規制法令予備検討 (TF/特, '20-'26)

●物理・工学・材料データベース
材料データベース(特/産、'20-'26)

工学設計段階(2027-2035)
●炉概念
炉本体設計 (特/産, '27-'31)
建設に向けた本体設計を開始する。ただし、サイト候補決定まではサイトに異存しない範囲、またはサイト絞りこみに必要な範囲で設計を行う。

コスト見積り (特/産, '27-'31)
建設のためのコスト評価を行い、建設費を見積もる。

候補地選定(TF/国, '29-'31)

運転シナリオ・計装制御 (特, '32-'35)
原型炉の運転維持に必要な運転シナリオとその継続に必要な計測と制御を開発する。第11章の計測制御を参照。

炉本体設計 (特/産, '32-'35)
決定された候補地と企画・基準に沿った本体設計を実施する。

建設サイト評価・選定 (国, '32-'35))

●機器設計
プラズマ設計・計装制御 (特, '27-'31)

機器設計 (特/産, '27-'31)
サイトに依存しない設計を実施。

BOP設計 (特/産, '27-'31)
サイトにしない設計を実施。

プラント・建屋設計 (特/産, '27-'31)
サイト評価用の設計を行う。

規格・基準 (特/学, '27-'31)
建設に向けた規格・基準を確定する。

―――以下サイト候補決定と規格基準決定後に実施―――

プラント・建屋設計 (特/産, '32-'35)
特定サイト候補に対する設計を実施。

発電システム設計 (特/産, '32-'35)
設定された規格・基準に沿った設計を実施。

機器設計 (特/産, '32-'35)
設定された規格・基準に沿った設計を実施。

●プラズマ設計
2026年までの検討結果が工学設計に反映される。

●安全確保指針
安全要求・解析・評価 (特/産, '27-'31)

安全規制法令 (TF/国, '27-'31)

安全評価 (国, '32-'35)

安全規制法令 (国, '32-'35))

●物理・工学・材料データベース
物理・工学DB更新 (特, '27-'31)
(ITER/SA等を反映)

材料DB更新 (特/産, '32-'35)
(14MeV n重照射データ蓄積)

1. 超伝導コイル

概念設計の基本設計段階(2015-2017)
●SC設計・製造
SC概念設計・基本設計(特/J、’15~’19)
超伝導コイルシステムの基本的な概念設計を行う。設計パラメータを固定する。

SC保守の概念検討(特/J、’15~’17)
超伝導コイルシステムの保守に関する概念検討を行う。この活動は2018年以降、SC概念設計・基本設計に包含される。

●超伝導線材・導体設計・製造
超伝導線材(Nb3Sn、Nb3Al、NbTi、ReBCO)予備検討(特/J/N/物/大、’15~’19)
Nb3Sn、Nb3Al、NbTi、ReBCOの線材もしくはテープ材の原型炉用超伝導コイルへの採用可能性を検討する。また、それらの線材の電流リードや超伝導送電システムへの応用性を検討する。

●高強度構造材料
高強度構造材料予備検討(特/J/物、’15~’19)
設計耐力1200MPa以上の高強度極低温構造材料を開発するための予備検討を行う。

●耐放射線絶縁材料
耐放射線性絶縁材予備検討(特/J、’15~’19)
設計値として想定されるガンマ線線量、中性子線量、および設計絶縁耐圧を満足する絶縁材料を開発するための予備的検討を行う。

●コイル間構造設計・製造
コイル間構造概念設計・基本設計(特/J、’15~’19)
コイル寸法、通電電流、磁場、電磁力などを想定し、コイル間支持構造の基本的な概念設計を行う。電磁力の支持方法、分散方法の基本的概念を検討する。

●冷却系設計・製造
冷却系概念設計・基本設計(特/J、’15~’19)
超伝導コイルシステムを冷却し、必要な温度に保持する冷却系システムの基本的な概念設計を行う。

概念設計の基本設計段階(2017-2019)

●SC設計・製造
SC概念設計・基本設計(特/J、’15~’19)
継続して実施する。

SC開発方針の策定(特/J、’17~’19)
超伝導コイルの開発方策を定め、基本仕様を策定する。この方策に従って超伝導コイルの概念設計、工学設計、製造設計を進める。方策の策定にあたっては、原型炉を構成する他の要素とも連携する。

●超伝導線材・導体設計・製造
超伝導線材(Nb3Sn、Nb3Al、NbTi、ReBCO)予備検討(特/J/N/物/大、’15~’19)
継続して実施する。

超伝導導体設計の予備検討(特/J/N、’17~’19)
超伝導線材の基本的な検討結果を踏まえ、大型超伝導導体設計の予備的検討を行う。

●超伝導導体、コイル試験設備
超伝導導体試験設備予備検討(特/J/N、’17~’19)
大型超伝導導体を試験するための設備について予備的な検討を行う。

●高強度構造材料
高強度構造材料予備検討(特/J/物、’15~’19)
継続して実施する。

●耐放射線絶縁材料
耐放射線性絶縁材予備検討(特/J、’15~’19)
継続して実施する。

●コイル間構造設計・製造
コイル間構造概念設計・基本設計(特/J、’15~’19)
継続して実施する。

●冷却系設計・製造
冷却系概念設計・基本設計(特/J、’15~’19)
継続して実施する。

概念設計段階(2020-2026)

●SC設計・製造
SC概念設計(特/J、’20~’26)
超伝導コイルシステムの概念設計を実施する。コイル電源、クライオシステムとの取り合いを明確にし、真空容器など、他の機器との整合を図る。

使用材料の最終決定(特/J、’25~’26)
超伝導線材、極低温構造材料、絶縁材料などの使用材料を決定する。1,200MPaの設計耐力を有する構造材料が規格化されない場合には、ITER用構造材料である設計耐力1,000MPaの極低温構造材料を使用するようSC概念設計を再検討する。ITER用の材料以上の特性を示す超伝導線材や絶縁材料が開発された場合には、それらの製造性などを考慮して最終の使用決定を行う。

●超伝導線材・導体設計・製造
超伝導線材(Nb3Sn、Nb3Al、NbTi、ReBCO)本検討(特/J/N/物/大、’20~’26)
Nb3Sn、Nb3Al、NbTi、ReBCOなどの線材、テープ材の特性を比較し、超伝導コイルシステムや電流供給システムに応用した場合の得失を検討する。

超伝導導体概念設計(特/J/N、’20~’26)
超伝導導体設計の予備検討の結果に基づき、大型超伝導導体の概念設計を行う。

●超伝導導体、コイル試験設備
超伝導導体試験設備(特/J/N、’20~’26)
大型超伝導導体試験設備を設計し、製作する。その試験設備を用いて超伝導導体試験を実施する。

超伝導導体試験(特/J/N、’20~’26)
大型超伝導導体を試作し、その超伝導特性、機械的特性などを評価する。

●高強度構造材料
高強度構造材料試作検討(特/J/物、’20~’26)
高強度極低温構造材料を試作し、その特性を評価する。極低温構造材料の設計降伏応力を決定する。この検討は、実用炉設計に向けて継続する。

●耐放射線絶縁材料
耐放射線性絶縁材試作検討(特/J、’20~’26)
ガンマ線や中性子線の設計線量を満足し、かつ設計耐電圧を満足する絶縁材料を試作し、性能評価を行う。設計耐電圧を満足する絶縁構造を決定する。

●コイル間構造設計・製造
コイル間構造概念設計(特/J、’20~’26)
コイル間支持構造の概念設計を行う。電磁力の支持方法、分散方法を決定する。

●冷却系設計・製造
冷却系概念設計(特/J、’20~’26)
超伝導コイルシステムを冷却し、極低温に維持するシステムの概念設計を行う。

工学設計段階(2027-2035)

●SC設計・製造
SC工学設計(特/産、’27~’31)
超伝導コイルシステムの工学設計を実施する。コイル電源、クライオシステムとの取り合いを明確にし、真空容器など、他の機器との整合を図る。

SC製造設計(特/産、’32~’35)
超伝導コイルの工学設計に基づき、TFコイル、PFコイル、CSコイルの製造設計を実施する。

●超伝導線材・導体設計・製造
超伝導材料大量生産技術(特/産、’27~’31)
大型超伝導導体を製作するための超伝導材料の大量生産技術を確立する。

超伝導導体量産製造技術(特/産、’27~’31)
大型超伝導導体を量産する製造技術を確立する。巻線技術確立のための導体を製作する。

巻線製造技術(特/産、’27~’35)
大型超伝導導体による巻線製造技術を確立する。確立した創造技術を用いてモデルコイルの試作を行う。

コイル容器・支持構造製造技術(特/産、’27~’35)
TFコイルはコイル容器に格納され、コイル容器はコイル間支持構造に接続される。これらの製造技術を検討し、必要な技術開発を行う。

●超伝導導体、コイル試験設備
コイル試験設備(特/J/N、’27~’35)
大型超伝導導体によって製作したコイルを所定の磁場中で試験するためのコイル試験設備を整備し、コイル試験を実施する。

超伝導導体試験
商業炉開発に向けて、導体試験を継続する。

●高強度構造材料
商業炉開発に向けて、試作検討を継続する。

●耐放射線絶縁材料
商業炉開発に向けて、試作検討を継続する。

●コイル間構造設計・製造
コイル間構造工学設計(特/産、’27~’30)
コイル間支持構造の工学設計を行う。電磁力の支持方法、分散方法を決定する。

コイル間構造製作技術開発(特/産、’27~’35)
コイル間支持構造は巨大な部材によって構成される。これらの巨大な部材の製作技術を検討し、必要な研究開発を行う。モックアップの試作を行う。

コイル間構造製造設計(特/産、’32~’35)
コイル間構造の工学設計に基づき、コイル間構造の製造設計を実施する。

●冷却系設計・製造
冷却系工学設計(特/産、’27~’31)
超伝導コイルシステムを冷却し、極低温に維持するための冷却システムの工学設計を実施する。

冷却系製造設計(特/産、’32~’35)
超伝導コイルシステムを冷却し、極低温に維持するための冷却システムの製造設計を実施する。

2. ブランケット

概念設計の基本設計段階(2015-2016)
●固体増殖・水冷却ブランケット
共存性などの基礎・標準データの拡充(特、’15~’17)
高温高圧冷却水・水蒸気とブランケット構造体との共存性や、蒸気圧、水/蒸気との化学反応性などの基礎・標準データを拡充し、原型炉ブランケット設計に用いる。

設計用データベースの構築(特、’16~’19)
ブランケットに充填する増殖材・増倍材の特性などを原型炉ブランケット設計に使用可能なデータベースとして整理する。

標準データベースの構築(特、’15~’35)
原型炉ブランケット設計に用いることが妥当であると確認された標準データベースを構築し、設計および設計基準の裏付けとする。

原型炉ブランケット、トリチウム回収系統の概念設計(特、’15~’19)
原型炉ブランケットおよびトリチウム回収系統の概念設計を行う。

TBSと補完試験装置の設計と試験計画(J、’15~’17)
ITERのテストブランケットシステム(TBS)と補完試験装置の設計と試験計画の策定を行う。

照射試験、トリチウム工学試験の設計と計画(J、’15~’18)
トリチウム増殖系の照射試験とトリチウム工学試験の設計と計画の策定を行う。

●先進ブランケット
小型技術試験体製作、機能・特性試験(N/大、’15~’26)
先進ブランケットの小型技術試験体を製作し、その機能・特性試験を実施する。

実環境下での統合循環ループ試験(N/大、’15~’31)
先進ブランケットの実環境下(高温媒体等)での統合循環ループ試験を実施し、共存性、熱流動等に関する基礎的データを取得する。

熱交換技術開発研究と発電系の技術検討活動(N/大、’15~’35)
先進ブランケットに用いられる高温媒体からの熱交換技術に関する開発研究と、必要に応じて発電系の技術検討活動を実施する。

原型炉TBM設計検討と素案の提示、比較作業(特/N/大、’15~’26)
原型炉運転の後半の経済性実証段階において設置が検討されている原型炉テストブランケットモジュール(TBM)の設計を行い、素案を提示する。複数案ある場合には、比較作業を行う。

概念設計の基本設計段階(2017-2019)
●固体増殖・水冷却ブランケット
共存性などの基礎・標準データの拡充(特、’15~’17)
※概念設計の基本設計段階(2015-2016)から継続

設計用データベースの構築(特、’16~’19)
※概念設計の基本設計段階(2015-2016)から継続

標準データベースの構築(特、’15~’35)
※概念設計の基本設計段階(2015-2016)から継続

原型炉ブランケット、トリチウム回収系統の概念設計(特、’15~’19)
※概念設計の基本設計段階(2015-2016)から継続

TBSと補完試験装置の設計と試験計画(J、’15~’17)
※概念設計の基本設計段階(2015-2016)から継続

照射試験、トリチウム工学試験の設計と計画(J、’15~’18)
※概念設計の基本設計段階(2015-2016)から継続

トリチウム挙動の理解、トリチウム取扱技術の確立(J、‘17~’29)
ブランケットにおいて製造されたトリチウムの材料中、フロー中の挙動の理解を進めるとともに、関連するトリチウム取扱技術を確立する。

熱負荷、内圧に対する健全性確認、電磁力応答の確認(特、’18~’26)
熱負荷や内圧に対する原型炉ブランケットの健全性や、電磁力に対する応答を確認する。

ITER-TBM製作実績(J、’17~’23)
ITERのテストブランケットモジュール(TBM)を製作し、実績を得る。

●先進ブランケット
小型技術試験体製作、機能・特性試験(N/大、’15~’26)
※概念設計の基本設計段階(2015-2016)から継続

実環境下での統合循環ループ試験(N/大、’15~’31)
※概念設計の基本設計段階(2015-2016)から継続

熱交換技術開発研究と発電系の技術検討活動(N/大、’15~’35)
※概念設計の基本設計段階(2015-2016)から継続

原型炉TBM設計検討と素案の提示、比較作業(特/N/大、’15~’26)
※概念設計の基本設計段階(2015-2016)から継続

概念設計段階(2020-2026)
●固体増殖・水冷却ブランケット
標準データベースの構築(特、’15~’35)
※概念設計の基本設計段階(2017-2019)から継続

トリチウム挙動の理解、トリチウム取扱技術の確立(J、‘17~’29)
※概念設計の基本設計段階(2017-2019)から継続

熱負荷、内圧に対する健全性確認、電磁力応答の確認(特、’18~’26)
※概念設計の基本設計段階(2017-2019)から継続

ITER-TBM製作実績(J、’17~’23)
※概念設計の基本設計段階(2017-2019)から継続

原型炉ブランケットシステムの基本・工学設計(特、’20~’31)
原型炉ブランケットの主案たる固体増殖・水冷却ブランケットの基本・工学設計を完成させる。

ブランケットシステムの設計、製作技術の妥当性実証(J、’22~’35)
原型炉ブランケットの主案たる固体増殖・水冷却ブランケットの設計および製作技術の妥当性を実証する。

●先進ブランケット
小型技術試験体製作、機能・特性試験(N/大、’15~’26)
※概念設計の基本設計段階(2017-2019)から継続

実環境下での統合循環ループ試験(N/大、’15~’31)
※概念設計の基本設計段階(2017-2019)から継続

熱交換技術開発研究と発電系の技術検討活動(N/大、’15~’35)
※概念設計の基本設計段階(2017-2019)から継続

原型炉TBM設計検討と素案の提示、比較作業(特/N/大、’15~’26)
※概念設計の基本設計段階(2017-2019)から継続

基礎・標準データの拡充(特/N/大、’26~’31)
原型炉運転の後半の経済性実証段階において設置が検討されている原型炉テストブランケットモジュールに採用が期待される先進ブランケットに関する基礎・標準データを拡充する。

工学設計段階(2027-2035)
●固体増殖・水冷却ブランケット
標準データベースの構築(特、’15~’35)
※概念設計段階(2020-2026)から継続

トリチウム挙動の理解、トリチウム取扱技術の確立(J、‘17~’29)
※概念設計段階(2020-2026)から継続

原型炉ブランケットシステムの基本・工学設計(特、’20~’31)
※概念設計段階(2020-2026)から継続

ブランケットシステムの設計、製作技術の妥当性実証(J、’22~’35)
※概念設計段階(2020-2026)から継続

原型炉ブランケットシステムの製造設計(特別チーム、’31~’35)
原型炉ブランケットの主案たる固体増殖・水冷却ブランケットの製造設計を完成させる。

●先進ブランケット
実環境下での統合循環ループ試験(N/大、’15~’31)
※概念設計段階(2020-2026)から継続

熱交換技術開発研究と発電系の技術検討活動(N/大、’15~’35)
※概念設計段階(2020-2026)から継続

基礎・標準データの拡充(特/N/大、’26~’31)
※概念設計段階(2020-2026)から継続

小型モックアップによる実環境総合実証(特別チーム/NIFS/大学、’27~’35)
原型炉運転の後半の経済性実証段階において設置が検討されている原型炉テストブランケットモジュールに採用が期待される先進ブランケットの小型モックアップを作製し、実環境における総合性能を実証する。 

3.ダイバータ

概念設計の基本設計段階(2015-2017)
●ダイバータ開発目標の整合性確認と炉設計への適用
W-Cu合金水冷却ダイバータ機器の特性評価(特/J/N/大/産、’15〜’19)
タングステン-銅合金冷却管-水冷却ダイバータの設計最適化と、その熱負荷許容値の評価や寿命評価を、中性子照射影響とプラズマ負荷影響(熱、粒子)を考慮して行う。中性子照射影響については、中間C&Rまでに取得されたデータを考慮する。さらに、今後の機器・材料開発の指針や中性子照射実験の研究計画(移行判断まで)を策定する。

W-RAFM水冷却ダイバータ機器の特性評価(特/J/N/大/産、’15〜’19)
バッフル及びドームなどの熱負荷がストライク点に比べ低く中性子照射量の大きな場所での使用を想定しているタングステン-低放射化フェライト鋼(F82H)冷却管-水冷却ダイバータの設計最適化と、その熱負荷許容値の評価や寿命評価を、中性子照射影響とプラズマ負荷影響(熱、粒子)を考慮して行う。中性子照射影響については、中間C&Rまでに取得されたデータを考慮する。さらに、今後の機器・材料開発の指針や中性子照射実験の研究計画(移行判断まで)を策定する。これらに加えて、高熱負荷部での使用を想定した材料開発と設計を開始する。

先進ダイバータ概念の評価と開発推進の判断(特/J/N/大、’15〜’19)
ダイバータ機器の先進概念(ヘリウム冷却ダイバータ、液体金属・溶融塩ダイバータ概念等(9、10以外))については、炉心プラズマとの共存性、熱除去性能、及び工学的成立性、について検討を行ない、原型炉のバックアップ概念として、移行判断に向けて研究開発を推進するかどうかの判断を行うことが望ましい。移行判断に向けて開発を継続する場合は、開発戦略の策定を行う。

先進ダイバータ材料の評価と開発推進の判断(特/J/N/大、’16〜’19)
ダイバータ機器に使用する先進材料(タングステン-タングステンファイバー複合材,等々)については、中間C&Rの時点で、移行判断に向けて研究開発を推進するかどうかの判断を行うことが望ましい。開発を推進する場合は、開発戦略の策定を行なう。

先進的磁場構造等の評価(特/J/大/産、’15〜’19)
ダイバータ熱負荷低減のための先進的磁場構造(スノーフレーク等)、及びダブルヌル構造については、近年開始されている小型及び中型装置における最新の実験結果の考察、およびシミュレーション開発・モデリング研究を進め、その物理概念の有効性を評価し、原型炉に向けて開発を促進するかどうかの判断を行なうことが望ましい。

原型炉ダイバータ機器の安全性の検討と機器設計への適用(特/J/N/大/産、’15〜’26)
原型炉におけるダイバータ機器の安全性の検討と炉設計や機器開発へのフィードバックを行う。原型炉における金属ダスト発生量の評価、その影響や除去手法の必要性について指針を示すとともに、それに向けた基礎実験・研究を進める。

デタッチプラズマのリスク評価とダイバータ機器設計(特/J/N/大、’16〜’26)
デタッチメントプラズマの安定性やELM等の非定常熱負荷現象への対応性の評価を行ない、デタッチメントプラズマの制御が不十分な場合のリスク評価を行ない、ダイバータ機器設計やプラズマ運転シナリオに反映させる。

原型炉のダイバータプラズマ計測に必要な計測機器候補の選定(特/J、’16〜’19)
原型炉のダイバータプラズマ・機器診断のための計測機器の検討を始める。

●プラズマ運転シナリオ
ダイバータシミュレーションコードのSensitivity Analysis(特/J/N/大、’16〜’19)
現在、日本において開発を進めているダイバータシミュレーションコードを使用してSensitivity Analysisを行い、シミュレーション結果に影響を及ぼす重要なパラメータや物理過程を抽出する。この結果を考慮して、シミュレーションの検証に必要な実験方法と実験データを絞り込む。

基礎実験装置でのデタッチプラズマのシミュレーション(N/大、’15〜’19)
基礎実験装置(線型プラズマ装置等)におけるデタッチメントプラズマをシミュレーションにより再現する。

ダイバータプラズマのシミュレーションによる再現(特/J/N/大、’16〜’19)
主要トカマク装置(金属壁でダイバータ計測が充実しているという観点からJETやAUGが主たる装置であるが、金属ターゲットを部分的に設置計画のあるDIII-D等も視野に入れる)のダイバータプラズマ(主に、デタッチメントプラズマ)を、物理モデルの改良や適切なパラメータの選択等を行なったシミュレーションコードで再現する。

ダイバータシミュレーションコードの改良(特/J/N/大、’15〜’26)
LHDやトカマク実機等の磁場閉じ込め装置、及び基礎実験装置での研究成果を基にして、新たな物理モデルをシミュレーションに組み入れたり、実験結果を再現できるような改良をシミュレーションに加える。

●プラズマ実験による運転実証
海外大型トカマク実験への実験提案と共同研究参加(特/J/N/大、’16〜’26)
高パワー加熱設備をもつ海外の主要トカマク装置において、原型炉ダイバータ設計に必要な実験(周辺部における放射損失および密度の増加と閉じ込め性能、デタッチメントプラズマの制御、ダイバータ形状に関する実験など)についての実験提案と共同研究参加を進め、整合性のある原型炉ダイバータの開発目標を定める際の最新の知見を蓄積することが望ましい。さらに、JETで行われるITERを仮想したデタッチメントプラズマ制御研究に参加し実験提案を行うことにより、ITER実験開始後のダイバータ研究に寄与する実績と知識を蓄積することが望ましい。

ダイバータプラズマの基礎物理過程解明(特/J/N/大、’15〜’26)
ダイバータプラズマの基礎物理過程(原子分子過程、プラズマ、中性粒子及び不純物輸送、等)の理解を目的として、基礎研究を進め、物理モデルの構築とシミュレーションの高度化に反映させる。

デタッチメントプラズマの実時間制御法の開発(特/J/N/大、’16〜’26)
デタッチメントプラズマの実時間制御のための計測法と制御法の開発を行う。

●材料開発
ダイバータ機器構成材料の中性子照射実験開始(J/N/大、’15〜’26)
ダイバータ機器を構成するタングステンや銅合金等の材料について、中性子照射実験研究を開始する。

中性子照射場確保(特/J、’16〜’19)
核融合炉条件により近い材料照射実験のため、高速中性子照射場の確保の方策について、検討を始める。

炭素系プラズマ対向材料の使用可能性の判断(特/J/N、’15〜’19)
大炭素系プラズマ対向材料について、これまでの研究データを総括し、バックアップ概念として、移行判断に向けて研究を継続するかどうかを判断することが望ましい。

繰り返し熱負荷、単パルス熱負荷の影響評価(特/J/N/大、’15〜’19)
繰り返し熱パルス(ELM)によるタングステンプラズマ対向材料の損耗と寿命を評価し、ELMの制御指針を示すことが望ましい。表面に大きな影響を及ぼす単パルスの熱負荷(ディスラプション)についても同様の研究を行ない、対向材料の継続使用可能性を評価することが望ましい。

ダイバータ機器の保全や補修技術の評価と開発(特/J/大/産、’16〜’26)
ダイバータ機器材料の保全や補修技術を検討し、原型炉への適用性を評価し、有力な技術については開発を始める。

●粒子制御
炉内粒子挙動シミュレーションコードの整備(特/J/N/大、’16〜’19)
水素同位体(トリチウムと重水素)の粒子制御に対しては、基礎研究成果をベースとして物理輸送モデルを構築し、炉内(ダイバータから第一壁までを含む)の挙動(蓄積、再放出、透過、等)を記述できるシミュレーションコードを作成する。さらに、このコードを用いて原型炉のトリチウム挙動の予備的評価(排気系への排出、炉内へのトリチウム蓄積、ブランケットや冷却水への透過等)を開始する。加えて、対向材表面でのプラズマ材料相互作用を予測するため、ミクロレベルのシミュレーションの開発とそのマクロレベルへの応用を進める。

原型炉で使用可能な排気装置の検討(特/N/産、’16〜’26)
原型炉での水素同位体の排気設計と合わせ、使用可能な排気装置の基本設計を示すことが望ましい。

概念設計の基本設計段階(2017-2019)
●ダイバータ開発目標の整合性確認と炉設計への適用
ダイバータプラズマシミュレーションコードによる概念設計(特/J/N/大、’18〜’19)
ダイバータシミュレーションコードを用い、デタッチメントプラズマを基本として(He排気性能を満足,妥当な放射割合を仮定)、原型炉ダイバータの物理概念設計を行う。この際に、ダイバータの運転許容範囲を明らかにする。原型炉の初期運転用としての設計では、高熱負荷部への熱負荷としてタングステン-銅合金冷却管-水冷却で対応できる値を想定する。

W-Cu合金水冷却ダイバータ機器の原型炉適用性の判断(特/J/N/大、’18〜’26)
タングステン-銅合金冷却管-水冷却のダイバータ機器について、性能評価のために必要な中性子照射データや熱・粒子負荷実験データを取得し、それに基づく設計や材料の改良を行なうと共に、ITERでの運転実績も考慮しつつ、原型炉ダイバータへの適用性を最終的に判断する。

W-RAFM水冷却ダイバータ機器の原型炉適用性の判断(特/J/N/大、’18〜’26)
タングステン-低放射化フェライト鋼(F82H)冷却管-水冷却のダイバータ機器については、性能評価のために必要な中性子照射データや熱・粒子負荷実験データを取得し、それに基づく設計や材料の改良を行ない、可能ならばITERを試験装置として利用することも考慮しつつ、原型炉ダイバータへの適用性(バッフル板等の熱負荷の低い部分を想定するが、プラズマからの熱負荷がマッチングすれば高熱負荷部での使用も視野に入れる)を最終的に判断する。

W-Cu合金水冷却ダイバータ機器の特性評価(特/J/N/大/産、’15〜’19)
概念設計の基本設計段階(2015-2017)から継続

W-RAFM水冷却ダイバータ機器の特性評価(特/J/N/大/産、’15〜’19)
概念設計の基本設計段階(2015-2017)から継続

先進ダイバータ概念の評価と開発推進の判断(特/J/N/大、’15〜’19)
概念設計の基本設計段階(2015-2017)から継続

先進ダイバータ材料の評価と開発推進の判断(特/J/N/大、’16〜’19)
概念設計の基本設計段階(2015-2017)から継続

先進的磁場構造等の評価(特/J/大/産,’15〜’19)
概念設計の基本設計段階(2015-2017)から継続

原型炉ダイバータ機器の安全性の検討と機器設計への適用(特/J/N/大/産、’15〜’26)
概念設計の基本設計段階(2015-2017)から継続

デタッチプラズマのリスク評価とダイバータ機器設計(特/J/N/大、’16〜’26)
概念設計の基本設計段階(2015-2017)から継続

原型炉のダイバータプラズマ計測に必要な計測機器候補の選定(特/J、’16〜’19)
概念設計の基本設計段階(2015-2017)から継続

●プラズマ運転シナリオ
ダイバータシミュレーションコードのSensitivity Analysis(特/J/N/大、’16〜’19)
概念設計の基本設計段階(2015-2017)から継続

基礎実験装置でのデタッチプラズマのシミュレーション(N/大、’15〜’19)
概念設計の基本設計段階(2015-2017)から継続

ダイバータプラズマのシミュレーションによる再現(特/J/N/大、’16〜’19)
概念設計の基本設計段階(2015-2017)から継続

ダイバータシミュレーションコードの改良(特/J/N/大、’15〜’26)
概念設計の基本設計段階(2015-2017)から継続

●プラズマ実験による運転実証
ダイバータ級定常高密度プラズマ実験装置の建設と運用(特/J/N/大/産、’18〜’26)
ダイバータプラズマに匹敵するパラメータ(密度、イオン温度、電子温度、強磁場)を持つプラズマを定常で生成することが可能な、高密度プラズマ発生装置(プラズマ密度:~10の20乗×mの-3乗、電子温度:~100eV、イオン温度:~100eV、磁場(1~2T以上))を建設し、移行判断までに基礎物理過程(非接触ダイバータの生成と制御に必要な物理機構等)の解明を行なう。その成果を物理モデルの高度化などを通じて、ダイバータプラズマシミュレーションコードの高度化に反映する。さらに,ELMおよびディスラプションを模した高温プラズマパルス照射を行いITERおよび原型炉のダイバータ及び第一壁形状および対向材とヒートシンクの設計に反映する。ITERのダイバータ板表面でのデタッチメントプラズマ、および原型炉環境に近い高温の第一壁を模擬したターゲットへのプラズマ照射により、水素同位体の蓄積・透過過程、対向材の損耗・溶融、不純物の堆積等に関する基礎データを原型炉設計に反映する。

海外大型トカマク実験への実験提案と共同研究参加(特/J/N/大、’16〜’26)
概念設計の基本設計段階(2015-2017)から継続

ダイバータプラズマの基礎物理過程解明(特/J/N/大、’15〜’26)
概念設計の基本設計段階(2015-2017)から継続

デタッチメントプラズマの実時間制御法の開発(特/J/N/大、’16〜’26)
概念設計の基本設計段階(2015-2017)から継続

●材料開発
中性子照射データ整備と材料・機器開発(特/J/N/大/産、’18〜’35)
ダイバータ機器の特性評価に必要な材料や機器の熱機械特性について照射データを整備する。この知見を材料・機器開発に生かして耐照射性能の高い材料・機器を開発する。この照射材の熱負荷試験のために新たに導入する熱負荷試験装置を使用する。

ダイバータ機器構成材料の中性子照射実験開始(J/N/大、’15〜’26)
概念設計の基本設計段階(2015-2017)から継続

中性子照射場確保(特/J、’16〜’19)
概念設計の基本設計段階(2015-2017)から継続

炭素系プラズマ対向材料の使用可能性の判断(特/J/N、’15〜’19)
概念設計の基本設計段階(2015-2017)から継続

繰り返し熱負荷,単パルス熱負荷の影響評価(特/J/N/大、’15〜’19)
概念設計の基本設計段階(2015-2017)から継続

ダイバータ機器の保全や補修技術の評価と開発(特/J/大/産、’16〜’26)
概念設計の基本設計段階(2015-2017)から継続

●粒子制御
炉内粒子挙動シミュレーションコードの整備(特/J/N/大、’16〜’19)
概念設計の基本設計段階(2015-2017)から継続

原型炉で使用可能な排気装置の検討(特/N/産、’16〜’26)
概念設計の基本設計段階(2015-2017)から継続

概念設計段階(2020-2026)
●ダイバータ開発目標の整合性確認と炉設計への適用
先進ダイバータ概念の使用可能性の明確化(特/J/N/大、’20〜’26)
先進ダイバータ概念(11、12以外のダイバータ概念)については、中間C&R時の進展具合に応じて研究開発を進め、原型炉での使用可能性を明らかにするとともに、必要ならば原型炉への適用に向けた開発計画を策定する。

中性子照射材料・機器の熱負荷試験装置の建設と運用(特/J/産、’20〜’26)
中性子照射されたダイバータ材料・機器の熱負荷試験が可能な熱負荷試験装置の建設を開始する。

原型炉初期運転におけるダイバータ機器の決定(特/J、’25〜’26)
原型炉初期運転に使用するダイバータ機器を決定する。

ディスラプション影響を反映したダイバータ設計(特/J/N/大、’25〜’26)
ディスラプションの制御法、及び熱負荷緩和法が確立した後、ダイバータ設計に反映させる。

W-Cu合金水冷却ダイバータ機器の原型炉適用性の判断(特/J/N/大、’18〜’26)
概念設計の基本設計段階(2017-2020)から継続

W-RAFM水冷却ダイバータ機器の原型炉適用性の判断(特/J/N/大、’18〜’26)
概念設計の基本設計段階(2017-2020)から継続

ELM影響を反映したダイバータ設計(特/J/N/大、’25〜’26)
原型炉で実現可能なELM緩和法を確立した後、ダイバータ設計に反映させる。

原型炉ダイバータ機器の安全性の検討と機器設計への適用(特/J/N/大/産、’15〜’26)
概念設計の基本設計段階(2015-2017)から継続

デタッチプラズマのリスク評価とダイバータ機器設計(特/J/N/大、’16〜’26)
概念設計の基本設計段階(2015-2017)から継続

原型炉のダイバータプラズマ計測に必要な計測機器候補の選定(特/J、’16〜’19)
概念設計の基本設計段階(2015-2017)から継続

●プラズマ運転シナリオ
ITERダイバータプラズマのシミュレーションによる再現(特/J/N/大、’20〜’35)
大型トカマク実験結果の比較・再現と共に、ITERのデタッチメントプラズマのモデリングを進めITERで使用されているSOLPSとのベンチマーク等を行い、国内で開発を進めているシミュレーションコード(SONIC)の信頼性を高める。

高信頼性ダイバータプラズマシミュレーションコード作成(特/J/N/大、’23〜’35)
LHDや線型高密度プラズマ装置実験によって得られた知見に基づく物理モデルと、JT-60SAやITERで得られるトカマク磁場配位に特化したプラズマ輸送物理モデルをシミュレーションへ適用することにより、JT-60SAやITERのデタッチメントプラズマを再現可能な信頼性の高いシミュレーションコードを開発する。原型炉におけるダイバータ形状やサイズの最適化については、この精度を高めたダイバータシミュレーションにより判断を行う。

統合コードによるプラズマ運転シナリオ提示(特/J/N/大、’24〜’35)
炉心プラズマからダイバータプラズマまで、高い精度での予測が可能な統合コードを整備し(理論・シミュレーショングループと連携)、炉心プラズマ性能、ダイバータ熱除去性能、及び粒子排気性能を両立できるプラズマ運転シナリオを示す。さらに、定常放電を目指す原型炉におけるプラズマ立ち上げおよび立ち下げ手法、および核融合出力や追加熱の変動や不純物の混入などプラズマの変動を模擬した状況についてJT-60SAおよびITERにおける検証を行うと共に、開発・改善を行う。

ダイバータシミュレーションコードの改良(特/J/N/大、’15〜’26)
概念設計の基本設計段階(2015-2017)から継続

●プラズマ実験による運転実証
JT-60SAにおけるデタッチメントプラズマの制御手法の実証(特/J/N/大、’20〜’26)
トカマク磁場配位およびそのダイバータ形状に特化したプラズマ輸送物理機構は、デタッチメントプラズマの制御に重要な要素と考えられる。JT-60SA実験では,これらの物理機構を解明しデタッチメントプラズマ制御手法を開発すると共に、プラズマパラメータ設計(閉じ込め性能、放射損失割合、密度および放出パワーなど)に対して原型炉ダイバータの仕様の指針が適切であること、あるいはどのような修正が必要であるかを示す役割を果たす。特に、金属壁での実証が重要と考えられるため、移行判断以前での金属壁化が必要である。

ITERにおけるデタッチプラズマの制御手法の実証(特/J/N/大、’20〜’26)
長いレッグ長(約1m)のタングステン対向材を使用したITERダイバータにおいてDD実験からDTへの加熱パワーの増加に伴い、Hモード遷移や放射損失の変動に対して、ダイバータレッグにおいて適切に(ダイバータ温度と損耗抑制)デタッチメントプラズマの制御(入射不純物と制御ロジックなども最適化)を行う。特に、高加熱のDT放電においては、主プラズマでの高い放射損失割合、閉じ込め性能および燃料希釈の低減及びヘリウム排気の総合的運転領域を見いだすとともに、原型炉のため(ディスラプションを避けつつ)放射損失割合を増加する実験提案を行う。

ダイバータ級定常高密度プラズマ実験装置の建設と運用(特/J/N/大/産、’18〜’26)
概念設計の基本設計段階(2017-2020)から継続

海外大型トカマク実験への実験提案と共同研究参加(特/J/N/大、’16〜’26)
概念設計の基本設計段階(2015-2017)から継続

ダイバータプラズマの基礎物理過程解明(特/J/N/大、’15〜’26)
概念設計の基本設計段階(2015-2017)から継続

デタッチメントプラズマの実時間制御法の開発(特/J/N/大、’16〜’26)
概念設計の基本設計段階(2015-2017)から継続

●材料開発
中性子照射データ整備と材料・機器開発(特/J/N/大/産、’18〜’35)

ダイバータ機器構成材料の中性子照射実験開始(J/N/大、’15〜’26)
概念設計の基本設計段階(2015-2017)から継続

ダイバータ機器の保全や補修技術の評価と開発(特/J/大/産、’16〜’26)
概念設計の基本設計段階(2015-2017)から継続

●粒子制御
炉内粒子挙動シミュレーションコードの高度化(特/J/N/大、’20〜’26)
炉内での水素同位体粒子挙動評価のためのシミュレーションコードについては、新たな基礎研究成果(特に実機環境に必要な知見(中性子照射影響、温度勾配効果、等)を含む)を考慮して改良を加え、さらに精度を高める。その際、壁材料の損耗評価等では、統合コードの評価を参照する(理論・シミュレーショングループと連携)。

実機環境におけるT挙動シミュレーション(特/J/N/大、’23〜’26)
実機環境(ITER、JT-60SA、JET、LHD等)のトリチウム挙動(リサイクリング、蓄積、等)と、炉内粒子挙動シミュレーションコードの結果が対応することを確認し、温度や中性子照射に伴う材料特性等が異なる原型炉におけるトリチウム挙動の評価を行う。本検討についても、金属壁での実証が重要と考えられるため、移行判断以前でのJT-60SAの金属壁化が望ましい。この評価は安全性、トリチウム経済性、トリチウムの回収・処理系の設計、等と密接に関係するため、これらに関連する研究開発を行なっている、安全性と安全研究、ブランケット、核融合燃料システム開発の各研究グループと密接に連携して、原型炉設計に必要なデータを提供する。同時に、対向材表面でのプラズマ材料相互作用のモデル化をミクロからマクロまでの現象を包括したマルチスケールモデリング・シミュレーション研究と連携して行ない、原型炉条件でのデータベースを作成し活用する。

原型炉で使用する排気装置の決定(特/J/N/大/産、’20〜’26)
原型炉で使用する排気装置を決定する。

原型炉で使用可能な排気装置の検討(特/N/産、’16〜’26)
概念設計の基本設計段階(2015-2017)から継続

工学概念設計段階(2027-2035)
●ダイバータ開発目標の整合性確認と炉設計への適用
ダイバータシステムの工学設計(特/産、’27〜’35)
中性子照射効果も考慮した材料開発の成果とITER等のプラズマ実験で検証されたプラズマシミュレーションの成果に基づいた熱制御特性に加え、炉内粒子挙動や真空排気性能といった粒子制御特性も考慮したダイバータシステムの工学設計を行う。

●プラズマ運転シナリオ
ITERダイバータプラズマのシミュレーションによる再現(特/J/N/大、’20〜’35)
概念設計段階から継続

高信頼性ダイバータプラズマシミュレーションコード作成(特/J/N/大、’23〜’35)
概念設計段階から継続

統合コードによるプラズマ運転シナリオ提示(特/J/N/大、’24〜’35)
概念設計段階から継続

●プラズマ実験による運転実証
ITER、JT-60SAにおけるダイバータシステムの最適化(特/J/N/大、’27~’35)
ITERやJT-60SAを用いて、実証されたプラズマ運転シナリオを原型炉へ適用するための最適化を行うとともに、工学設計活動を支援するデータの取得を行う。

●材料開発
中性子照射データ整備と材料・機器開発(特/J/N/大/産、’18〜’35)
概念設計段階から継続

●粒子制御
 
4.加熱・電流駆動システム

4-1.技術仕様
概念設計の基本設計段階(2015-2016)
●技術仕様の決定
技術仕様の決定(特/J、 ’15~’19)
C&Rに向けた原型炉用加熱・電流駆動システムの技術仕様を提示する。

概念設計の基本設計段階(2017-2019)
●技術仕様の決定
技術仕様の決定(特/J、 ’15~’19)
※概念設計の基本設計段階(2015-2016)から継続

4-2. ECH
概念設計の基本設計段階(2015-2016)
●高出力化・長パルス化
ITER用ECHシステム高出力化・長パルス化(J、’15~’19)
ITERに要求される1系統あたり1MW・1時間の高出力長パルスシステム(ITER ECHシステムは全24系統で24MW)を開発する。

●高効率化
保守シナリオの概念設計 (I/J、’15~’19)
ITER調達活動の成果を通じて、保守シナリオの概念設計を実施する。

概念設計の基本設計段階(2017-2019)
●技術仕様の決定
技術仕様の決定(特/J、’15~’19)
※概念設計の基本設計段階(2015-2016)から継続

●高出力化・長パルス化
ITER用ECHシステム高出力化・長パルス化(J、’15~’19)
※概念設計の基本設計段階(2015-2016)から継続

●高信頼性化
ミラーレスRF入射ランチャーの概念設計(J/N、’17~’19)
厳しい放射線環境に晒される原型炉では、中性子遮蔽の観点でECH入射ポートの開口面積を減らし、中性子照射により劣化するミラーは使用できない。そのため、ミラーレスのRF入射ランチャーの概念設計を実施する。

周波数高速可変化の概念設計(J/N/産、’17~’19)
ミラーレスRF入射ランチャーによるRF入射位置を可変とするために必要な周波数高速可変ジャイロトロンの概念設計を実施する。高速の周波数変更を実施するために必要な超伝導磁石については、産業界と協力して現実可能な仕様を絞り込む。

保守シナリオの概念設計 (I/J、’15~’19)
※概念設計の基本設計段階(2015-2016)から継続

概念設計段階(2020-2026)
●高出力化・長パルス化
ITER用ECHシステム 高出力化・長パルス化の実証(J、’20~’35)
ITERの試運転・運転期間を通じて、1系統あたり1MW・1時間の高出力長パルス運転技術やシステムの安定な繰り返し運転を実証する。

原型炉用ECHシステムの技術開発(J/N/大、’20~’35)
原型炉では、中性子遮蔽の観点から、1基あたりの出力をあげて、ECHの数を減らすことが求められる。そこで、1基あたりの高出力化を目指した200GHz帯ジャイロトロン発振の要素技術開発やミラーレスRF入射ランチャーの設計・RF放射技術、導波管などの伝送機器の開発の成果を統合し、1系統あたり2MWの高出力・長パルスECHシステム技術開発を実施する。

●高信頼性化
耐放射線性材料の開発(J/N/大、’20~’35)
高エネルギー中性子に曝されるRF入射ランチャーに使用する材料の耐放射線性の評価、及び必要な材料開発を実施する。

ミラーレスRF入射ランチャーの実証(J/N、’20~’35)
厳しい放射線環境に晒される原型炉では、中性子遮蔽の観点でECH入射ポートの開口面積を減らし、中性子照射により劣化するミラーは使用できない。そのため、ミラーレスのRF入射ランチャーを実証する。

周波数高速可変化の実証(J/N/産、’20~’35)
ミラーレスRF入射ランチャーによるRF入射位置を可変とするために必要な周波数高速可変ジャイロトロンの要素機器開発、発振実証試験を実施する。高速の周波数変更を実施するために必要な超伝導磁石については、産業界と協力して実現する。

保守シナリオの構築・実現 (J、’20~’35)
ITER調達活動の成果を通じて、ITERの保守システムを確実なものとし、原型炉用ECHシステムの保守シナリオを構築する。

●高効率化
ジャイロトロンの多段エネルギー回収技術の高度化研究(J/N/産、’20~’35)
ECHシステム高効率化に貢献できるジャイロトロンの多段エネルギー回収技術の概念設計・要素試験を実施し、システム高効率化技術を確立する。

電子ビーム生成の高品質化(J/N/大、’20~’35)
ジャイロトロン発振の高効率化・高出力化に不可欠な電子ビームの高品質化(ビームの初期エネルギー分散低減、電子銃設計の最適化など)技術を確立する。

工学設計段階(2027-2035)
●高出力化・長パルス化
ITER用ECHシステム 高出力化・長パルス化の実証(J、’20~’35)
※概念設計段階(2020-2026)から継続

原型炉用ECHシステムの技術開発(J/N/大、’20~’35)
※概念設計段階(2020-2026)から継続

●高信頼性化
耐放射線性材料の開発(J/N/大、’20~’35)
※概念設計段階(2020-2026)から継続

ミラーレスRF入射ランチャーの実証(J/N、’20~’35)
※概念設計段階(2020-2026)から継続

周波数高速可変化の実証(J、’20~’35)
※概念設計段階(2020-2026)から継続

保守シナリオの構築・実現 (J、’20~’35)
※概念設計段階(2020-2026)から継続

高信頼性RF入射ランチャーの開発、実証試験(J、’27~’35)
ミラーレス化、周波数高速可変化、耐放射線材料の開発の成果を反映して、原型炉の厳しい放射線環境下で長期使用可能な信頼性の高いRF入射ランチャーを確立する。

●高効率化
ジャイロトロンの多段エネルギー回収技術の高度化研究(J/N/産、’20~’35)
※概念設計段階(2020-2026)から継続

電子ビーム生成の高品質化(J/N/大、’20~’35)
※概念設計段階(2020-2026)から継続

4-3. NBI
ITER用NBIにおいては、1メガボルト、40アンペア、連続1時間運転という、既存NBIの4倍で原型炉相当の高出力、熱時定数としては十分定常に入っている従来の30倍以上の連続運転が求められている。そこで、見通しとしては、ITERに向けたR&D、及び調達活動を通じて、原型炉に必要な高出力、長時間運転のNBIの基盤技術が確立されると考えられる。原型炉NBI向けては、上記に加えて、メンテナンスレス化、及び経済性に必要な高効率化を実現するための基盤技術を確立していく必要がある。
メンテナンスレス化に向けては、既存NBIで大電流負イオン生成の要ではあるものの定期的なメンテナンスを必要とするセシウムを使わない、セシウムフリー大電流負イオン生成技術の確立、またITERではメンテナンスが必要な高周波負イオン源のメンテナンスレス化がカギとなる。さらに、NBIの高効率化に向けては、光中性化セルの原理実証試験を通じて実用化を図る。

概念設計の基本設計段階(2015-2016)
●高出力化
高電圧電源、HVブッシングの開発 (J、’15~’19)
ITER NB試験施設(以下、NBTF)に向けた高電圧電源、及びHVブッシングの製作・試験を通じて、ITERの機能要求を確実にする基盤技術を確立する。

高出力ビーム源の基盤技術の開発 (J、’15~’22)
ITER、及びJT-60SA用NBIに向けて、大容量負イオン源の負イオン一様生成、大面積多孔多段加速器の真空耐電圧などの物理的理解を進め、高出力ビーム源(負イオン源と加速器の組み合わせ)の設計手法、及び基盤技術を確立する。

●長パルス化
ビーム軌道制御技術の開発研究 (J/N、’15~’22)
負イオンは、加速器内の磁場、及び負イオン同士の空間電荷反発により、加速途中で曲がり、電極に直接衝突し、高い熱負荷でパルスを制限する。長パルス化に向けては、これらのビームの曲りを積極的に補正して、電極熱負荷を低減する、ビーム軌道制御技術の開発・実証を目指す。

●高効率化
遠隔保守技術の確立 (I/J、’15~’25)
ITERの設計・運転を通じて、高放射線環境下での遠隔保守技術を確立する。

概念設計の基本設計段階(2017-2019)
●技術仕様の決定
技術仕様の決定(特/J、 ’15~’19)
※概念設計の基本設計段階(2015-2016)から継続

●原型炉試験施設の整備
メンテナンスレス負イオン源試験施設整備(J/N、’17~’25)
メンテナンスレスに必要な、セシウムフリー負イオン生成、及び高周波負イオン源については、C&Rまでに、原型炉に適用可能性のある方式を絞り込み、概念設計期間中に大電流化の基盤技術を確立する。そのためには、できる限り既存施設を利用し、早急に基盤技術を確立するための試験施設を整備する。また、同時に、国内既存技術を効率よく取り入れる協力体制を構築し、本施設を活用する。

●高出力化
高電圧電源、HVブッシングの開発 (J、’15~’19)
※概念設計の基本設計段階(2015-2016)から継続

高出力ビーム源の基盤技術の開発 (J、’15~’22)
※概念設計の基本設計段階(2015-2016)から継続

●長パルス化
ビーム軌道制御技術の開発研究 (J/N、’15~’22)
※概念設計の基本設計段階(2015-2016)から継続

長パルス用高周波負イオン源の研究 (J/N/大/NBTF、 ’17~’19)
ITER用高周波負イオン源にむけて、欧州では、独・IPPガルヒンクでR&Dを、NBTFでITER実規模試験を実施する計画である。日本は、ITERの調達活動を通じて、これら高周波負イオン源の情報を収集し、メンテナンスレス高周波負イオン源の概念設計に向けて、NBI用高周波負イオン源開発を開始する。

高周波負イオンビーム光学研究 (J/N/大、’17~’22)
高周波負イオン源では、一般的に発散角が大きいため、電極への熱負荷が高く、パルス長が制限されることが懸念されている。そこで、4.3.2.1で整備する高周波負イオン源を利用してビーム引出し・加速試験を実施し、電極孔形状の工夫等でビーム発散角低減(7mrad以下)を目指す。)

●メンテナンスレス化
セシウムフリー負イオン生成方法の選定(J/N/大、’17~’19)
NBに必要な大電流セシウムフリー負イオン生成に向けた候補を数種類に絞る。また、併せて、これら候補の絞るための予備試験を実施し、概念設計を進める。

●高効率化
遠隔保守技術の確立 (I/J、’15~’25)
※概念設計の基本設計段階(2015-2016)から継続

概念設計段階(2020-2026)
●原型炉試験施設の整備
メンテナンスレス負イオン源試験施設整備(J/N、’17~’25)
※概念設計の基本設計段階(2017-2019)から継続
 
原型炉用NB試験施設整備(J/N、’25~’35)
工学設計期間において、メンテナンスレス・高効率化を目指したメンテナンスレス負イオン生成(数十アンペア)・負イオン加速(1-2MeV)・中性化(90%以上)の実機規模相当の試験を実施する試験施設を整備する。また、高効率化に向けても、国内の高い技術を取り入れることが重要であるため、上記で整備した産官学連携の協力体制を拡張する。

●高出力化
高出力ビーム源の基盤技術の開発 (J、’15~’22)
※概念設計の基本設計段階(2015-2016)から継続

超高電圧電源、及びHVブッシングの開発(J、’20~’35)
NBTF、及びITER運転を通じて培った高電圧電源、及びHVブッシングの安定な繰り返し運転の経験と技術を元に、原型炉に向けた高電圧電源、及びHVブッシングの概念設計、及び工学設計を行う。

●長パルス化
ビーム軌道制御技術の開発研究 (J/N、’15~’22)
※概念設計の基本設計段階(2015-2016)から継続

高周波負イオンビーム光学研究 (J/N/大、 ’17~’22)
※概念設計の基本設計段階(2017-2019)から継続

ITER用長パルス高出力ビーム源の実証 (J、’22~’35)
高出力イオン源を統合し、ITER級、長パルス、高出力の負イオンビーム源の基盤技術を確立する。

原型炉用定常・高出力ビーム源の概念設計 (J/N、’22~’27)
高出力ビーム源の基盤技術を元に、原型炉の要求仕様に従い、原型炉用高出力ビーム源の概念設計を行う。

●メンテナンスレス化
耐放射線性材料の開発(J/N/大、’20~’35)
高エネルギー中性子に曝されるNBIに使用する材料の耐放射線性の評価、及び必要な材料開発を実施する。

メンテナンスレス高周波負イオン源の開発 (J/N/大、’20~’35)
ITER用高周波負イオン源では、高周波放電立上げ時の陰極使用やファラデーシールドのスパッタリングにより壁内への金属蒸着があるため、定期的なメンテナンスが必要となっている。原型炉に向けて、メンテナンス周期を十年単位に削減可能な高周波放電技術を確立する。

セシウムフリー負イオン生成技術の確立(J/N/大、’20~’35)
高周波負イオン源と組み合わせて、原型炉用セシウムフリー負イオン生成技術を確立する。

NB機器放射化低減に向けた入射孔小口径化のためのビーム集束技術の確立(J/N、’20~’35)
ビーム軌道制御法に加え、ビーム集束電極等の導入により、小口径ビームを生成する技術を確立する。

●高効率化
遠隔保守技術の確立 (I/J、’15~’25)
※概念設計の基本設計段階(2015-2016)から継続

光中性化セルの原理実証試験(J/N/大、’20~’27)
概念設計時に、光中性化セルの原理実証試験を実施する。国内で既に開発されている高強度レーザー技術を取り入れるため、国内の協力体制を活用する。

ビーム加速効率化研究 (J/N/大、’20~’35)
技術仕様決定時には、定電流エネルギー可変型加速器、またDT混合ビーム加速など、炉システム設計の簡略化に必要な要求が挙がることが想定される。これらについて概念設計、実証試験を行い、工学設計に取り入れる。

高電圧電源、HVブッシングコンパクト化の研究開発 (J/N/大、’20~’35)
ITERよりもコンパクトで低コストな高電圧電源、HVブッシングの開発を行う。

工学設計段階(2027-2035)
●原型炉試験施設の整備
原型炉用試験施設の整備と運用(J/N、’25~’35)

●高出力化
超高電圧電源、及びHVブッシングの開発(J、’20~’35)
※概念設計の基本設計段階(2020-2026)から継続

●長パルス化
ITER用長パルス高出力ビーム源の実証 (J、’22~’35)
※概念設計の基本設計段階(2020-2026)から継続

原型炉用定常・高出力ビーム源の原理実証 (J/N、’27~’35)
原型炉の要求仕様に従い、原型炉用高出力ビーム源の原理実証試験を実施する。

●メンテナンスレス化
耐放射線性材料の開発(J/N/大、’20~’35)
※概念設計段階(2020-2026)から継続

メンテナンスレス高周波負イオン源の開発 (J/N/大、’20~’35)
※概念設計段階(2020-2026)から継続

セシウムフリー負イオン生成技術の確立(J/N/大、’20~’35)
※概念設計段階(2020-2026)から継続

NB機器放射化低減に向けた入射孔小口径化のためのビーム集束技術の確立(J/N、’20~’35)
※概念設計段階(2020-2026)から継続

●高効率化
光中性化セルの原理実証試験(J/N/大、’20~’27)
※概念設計段階(2020-2026)から継続

原型炉向け光中性化セルの開発(J/N、’27~’35)
工学設計時に原型炉の高出力ビームを想定した光中性化セルの実用化を目指す。

ビーム加速効率化研究 (J/N/大、’20~’35)
※概念設計段階(2020-2026)から継続

高電圧電源、HVブッシングコンパクト化の研究開発 (J/N/大、’20~’35)
※概念設計段階(2020-2026)から継続

5. 理論・シミュレーション

全体概要
理論・シミュレーション研究、特に第1原理系シミュレーションコード(SMC, Simulation Code)、ダイバータSMC、統合SMC、核融合炉材料SMCの開発、利用には大型計算機が必要となる。2015年現在、核融合科学研究所のプラズマシミュレーター、BA活動の1つとして日本原子力研究開発機構で運用されているHelios(日欧共同利用)が主な計算機資源として国内の核融合コミュニティーに利用可能である。このうち、核融合専用計算機であるHeliosの運用期間は2016年12月までであるが、2017年以降も原型炉研究開発のために占有的に利用できる大型計算機が必要である。各段階において原型炉研究開発のために必要となる計算機資源量の現時点での予測を表1に示す。

表1


~2016

2017~2020

2021~2024

2025~2028

2029~2032

計算機資源量

1.5PF

2~4PF

10~20PF

50100PF

500PF~1EF

大型計算機を構成するハード、ソフトの技術開発速度は非常に速く、物理、工学分野等の研究者、技術者が最新の大型計算機を効率的に利用するために要求される数値計算技術の水準が非常に高く成っているのが現状である。この状況を改善し、多くの核融合研究者がより効率的に大型計算機を利用し、研究開発を効率的に推進するには計算科学の専門家からの支援が得られる体制の構築が必要である。
また、大型計算機は実験データ解析にも必要な研究インフラである。現在、JAEA六ヶ所研究所では、BA活動の一環としてITER遠隔実験センター(ITER REC)を構築している。RECでは、六ヶ所からのITERの遠隔実験だけでなく、ITERやJT-60SA等の実験データを集積し、核融合研究のためのデータセンターとして機能することも想定している。上記の大型計算機はRECと連動し、核融合実験データの解析とその解析データを利用した原型炉研究開発にも利用されるべきである。

概念設計の基本設計段階(2015-2019)
●炉心プラズマ第1原理系SMC群
プラズマエッジ第1原理系SMCの重点開発(J/N/大、’15~’19)
炉心プラズマの端領域(プラズマエッジ)で発生するELM現象などを解明し、制御するための第1原理系コードの開発、利用を行う。炉心プラズマと原型炉機器のインターフェイス領域であり、ダイバータへの熱流入量に大きな影響を与える領域であるため、概念設計の基本設計段階で重点的なコード開発及びその利用を行う。

ディスラプション第1原理系SMCの開発(J/N/大、’15~’35)
ディスラプション現象を解明するための第1原理系SMCを開発するためのコード開発、利用を行う。電磁流体モデル、粒子運動論モデル等に基づくコードの開発の他に、逃走電子発生機構のモデリング、機器との相互作用に関するモデリングが必要になる。

核燃焼プラズマ第1原理系SMCの開発(J/N/大、’15~’35)
核燃焼プラズマの挙動を解明するための第1原理系SMCの開発、利用を行う。電磁流体モデルと粒子運動論モデルを組み合わせたコードの開発が必要になる。また、α粒子の輸送に関しては、乱流プラズマ第1原理系SMCでも取り扱われる。

乱流輸送第1原理系SMCの開発(J/N/大、’15~’35)
炉心プラズマの輸送現象を解明し、閉じ込め状態の制御方法を研究するための第1原理系SMCの開発、利用を行う。乱流プラズマの第1原理系シミュレーションは、最も計算機資源を必要とするため、その開発速度は利用可能な計算機資源に律速される側面がある。

●ダイバータSMC
ダイバータSMCの重点開発(J/N/特/大、’15~’19)
原型炉開発における重要性を考慮し、継続的な開発、利用を行う必要がある。特に中間C&Rが行われる2020年までに、ダイバータSMCを利用したダイバータ設計を行う必要があるため、重点的なコード開発とダイバータコードの利用環境の整備が必要。

●炉心プラズマ統合SMC
炉心プラズマ統合SMCの開発(J/N/大/特、’15~’19)
輸送コードを基幹とし、加熱・電流駆動、ダイバータ/SOL等に関するSMC、第1原理SMC群との可能な結合を行い、炉心プラズマ統合SMCの基礎を完成させる。
また、原子分子過程、壁相互作用のモデル化を行う。

●核融合炉材料
核融合炉材料SMC群の開発(J/N/大/特、’15~’34)
核融合炉を構成する様々な機器、構造材等の開発、製造を促進するための核融合炉材料に関するSMC群の開発及び利用を行う。微視的なスケールを対象とするコードから、巨視的なスケールを対象とするコードまで、いくつかのスケールに対応したコードの開発及びそれらのコードを結合したコードの利用が必要となるため長期に渡る開発の継続が必要となる。

●原型炉システム統合シミュレーションコード
工学基礎コード群の開発(J/N/大/特/産、’15~’19)
熱解析コード、電磁力解析コード、応力解析コード、中性子解析コードなどの工学基礎コード群の開発及びインターフェイスの整備。

●原型炉制御シミュレーター
プラズマ応答特性・制御系モデリング(J/N/大/特/産、’15~’19)
制御用シミュレーターの構築に必要な炉心プラズマ応答特性のモデル、制御系モデルの構築を行う。

概念設計段階(2020-2026)
●炉心プラズマ第1原理系SMC群
プラズマエッジ第1原理系SMCの継続開発(J/N/大、’20~’34)
炉心プラズマの端領域(プラズマエッジ)で発生するELM現象などを解明し、制御するための第1原理系コードを継続開発し、より高精度かつ高速なプラズマエッジ第1原理系SMCを開発し、原型炉設計に利用する。

ディスラプション第1原理系SMCの重点開発(J/N/大、’20~’34)
ディスラプション現象を解明するための第1原理系SMCの重点的な開発を行い、原型炉設計に利用する。

核燃焼プラズマ第1原理系SMCの重点開発(J/N/大、’20~’34)
核燃焼プラズマの挙動を解明するための第1原理系SMCの重点的な開発を行い、原型炉設計に利用する。

乱流輸送第1原理系SMCの重点開発(J/N/大、’20~’34)
炉心プラズマの輸送現象を解明し、閉じ込め状態の制御方法を研究するための第1原理系SMCの重点的な開発を行い、原型炉設計に利用する。乱流プラズマ第1原理系SMCを原型炉設計に利用するには、コードの高速化とともに、設計のためのパラメータサーベイが可能となる規模の計算機資源が必要である。

●ダイバータSMC
ダイバータSMCの継続開発(J/N/特/大、 ’20~’34)
2019年までに開発、整備したダイバータSMCを元に開発を継続する。炉心プラズマ統合コード、第1原理系SMC群との結合を検討し、炉心プラズマ-ダイバータをより高度に結合したダイバータSMCの開発、利用を行う。

●炉心プラズマ統合SMC
核燃焼プラズマ統合SMCの開発(J/N/大/特、’20~’26)
乱流輸送モデル、MHDモデル、プラズマエッジモデル、高エネルギー粒子モデル(α粒子含む)の高度化、第1原理SMC群との結合を行い、核燃焼プラズマ統合SMCの基礎を完成させる。
また、JT-60SA、ITER実験との比較、検証を行う。

●核融合炉材料
核融合炉材料SMC群の開発(J/N/大/特、’15~’34)
核融合炉を構成する様々な機器、構造材等の開発、製造を促進するための核融合炉材料に関するSMC群の開発及び利用を行う。微視的なスケールを対象とするコードから、巨視的なスケールを対象とするコードまで、いくつかのスケールに対応したコードの開発及びそれらのコードを結合したコードの利用が必要となるため長期に渡る開発の継続が必要となる。【再掲】

●原型炉システム統合シミュレーションコード
原型炉基盤コードの整備(J/N/大/特/産、’20~’26)
工学基礎コード群の充実、ブランケットなどのトリチウムシステム系コード、発電システム系コード、アクチュエーターSMCなどの原型炉を構成する各システム系コードの開発。

●原型炉制御シミュレーター
プラント挙動を予測可能な制御用シミュレーターの開発(J/N/大/特/産、’20~’34)
原型炉基盤コード群、原型炉統合コードの活用による制御用シミュレーターの開発。

工学設計段階(2027-2034)
●炉心プラズマ第1原理系SMC群
プラズマエッジ第1原理系SMCの継続開発(J/N/大、’20~’34)
炉心プラズマの端領域(プラズマエッジ)で発生するELM現象などを解明し、制御するための第1原理系コードを継続開発し、より高精度かつ高速なプラズマエッジ第1原理系SMCを開発し、原型炉設計に利用する。【再掲】

ディスラプション第1原理系SMCの重点開発(J/N/大、’20~’34)
ディスラプション現象を解明するための第1原理系SMCの重点的な開発を行い、原型炉設計に利用する。【再掲】

核燃焼プラズマ第1原理系SMCの重点開発(J/N/大、’20~’34)
核燃焼プラズマの挙動を解明するための第1原理系SMCの重点的な開発を行い、原型炉設計に利用する。【再掲】

乱流輸送第1原理系SMCの重点開発(J/N/大、’20~’34)
炉心プラズマの輸送現象を解明し、閉じ込め状態の制御方法を研究するための第1原理系SMCの重点的な開発を行い、原型炉設計に利用する。乱流プラズマ第1原理系SMCを原型炉設計に利用するには、コードの高速化とともに、設計のためのパラメータサーベイが可能となる規模の計算機資源が必要である。【再掲】

●ダイバータSMC
ダイバータSMCの継続開発(J/N/特/大、’20~’34)
2019年までに開発、整備したダイバータSMCを元に開発を継続する。炉心プラズマ統合コード、第1原理系SMC群との結合を検討し、炉心プラズマ-ダイバータをより高度に結合したダイバータSMCの開発、利用を行う。【再掲】

●炉心プラズマ統合SMC
原型炉プラズマ統合SMCの開発(J/N/大/特、’27~’35)
核燃焼プラズマ実験との比較・検証に基づく核燃焼プラズマ統合SMCの改良とプラントSMCとの結合による原型炉プラズマ統合SMCの開発。

●核融合炉材料
核融合炉材料SMC群の開発(J/N/大/特、’15~’34)
核融合炉を構成する様々な機器、構造材等の開発、製造を促進するための核融合炉材料に関するSMC群の開発及び利用を行う。微視的なスケールを対象とするコードから、巨視的なスケールを対象とするコードまで、いくつかのスケールに対応したコードの開発及びそれらのコードを結合したコードの利用が必要となるため長期に渡る開発の継続が必要となる。【再掲】

●原型炉システム統合シミュレーションコード
原型炉統合コードの開発(J/N/大/特/産、’27~’34)
原型炉プラズマ統合SMC、各原型炉基盤コードの結合、制御ロジックの組み込み、ITER、SA等の実験との比較・検証を行い、原型炉統合コードを開発。

●原型炉制御シミュレーター
プラント挙動を予測可能な制御用シミュレーターの開発(J/N/大/特/産、’20~’34)
原型炉基盤コード群、原型炉統合コードの活用による制御用シミュレーターの開発。【再掲】

6. 炉心プラズマ

概念設計の基本設計段階(2015-2016)
●プラズマ設計
物理設計と炉心プラズマパラメータ設定(特、’15~’19)
特別チームの物理設計グループでの検討を反映してJT-60SAやITERでのターゲットとなるプラズマパラメータを検討する。

原型炉物理DB構築(特、’15~’19)
原型炉設計に利用可能なデータベース(DB)を、これまでの実験と理論・シミュレーション研究の成果に基づき整備する。

●ITER
ITER研究計画の改定(J/N/大/I、’15~’19)
国際トカマク物理活動(ITPA)を通して最新の研究成果を取り込みつつ、ITER研究計画を改定する。ITERのスケジュールについては、現在見直しが行われているところであるが、本アクションプランは、2020年ファーストプラズマ、2027年DT運転開始を前提にしている。運転フェーズは現在のITER Research Planに従い、以下を基本に考えている。H/He Operation C1(’23~’24を想定)では、プラズマ制御手法確立を実施。C2(’24~’26を想定)では、加熱プラズマの基本特性解明のための実験を実施。ディスラプション制御やELM(Edge Localized Mode)制御の確立はC2で実施。DT Operation(’27~’28を想定)でQ=10の短パルスを達成。DT Operation(’29~’30を想定)でQ=10の長パルスを達成。DT Operation(’30~’35を想定)でQ=5以上の非誘導定常運転を実現。ITERへの実験参加については、全日本的に取り組む必要があり、そのための組織・体制作り、並びに国際的にITERでの研究開発を主導できる人材育成が重要。
今後、新しいスケジュールが策定されれば、本アクションプランについても見直しがあり得る。

●JT-60SA
JT-60SA研究計画の改定(J/N/大、’15~’18)
JT-60SA実験開始に向けて、他装置での最新の成果及び特別チームによるターゲットとなるプラズマパラメータを取り入れつつ、JT-60SAリサーチプランを改定する。2015年2月に完成した最新のJT-60SAリサーチプランVer.3.2(共著者数 365名:日本157名【原子力機構83名、国内大学等15研究機関74名】、欧州203名【12カ国、26研究機関】、プロジェクトチーム5名)に記載の下表に示すように、フェーズ毎に段階的に実験を実施する計画を策定する。

本アクションプランでは、以下の基本的考えに従っている。Initial Research Phase(初期研究段階):phase I(’19~’20を想定)では、機器の健全性チェック、超伝導コイルによるプラズマ制御手法の確立を実施。phase II(’21~’22を想定)では、加熱プラズマの基本特性解明のための実験を実施。ディスラプション制御やELM(Edge Localized Mode)制御の確立は同phaseで実施。Integrated Research Phase(統合研究段階):phase I(’23~’25を想定)では、プラズマ高性能化実験を実施。Phase II(’25~’26を想定)では、高性能プラズマの長時間化や総合性能達成を実施。Extended Research Phase(拡大研究段階)(’27以降を想定)では、タングステンダイバータへの交換を想定し、同ダイバータでのプラズマ特性解明実験やプラズマ高性能化実験を実施。その後、タングステンダイバータでの高性能プラズマの長時間化や総合性能達成を実施。

●LHD、ヘリオトロンJ
トーラス系物理の理解(N/C2、’15~’25)
トカマク装置及びヘリカル装置での実験結果を体系的に解析することにより、トーラス系物理の理解を促進し、トカマクプラズマの高性能化に貢献する。

重水素実験(N、’16~’25)
LHDにおいて、重水素を用いた実験を行い、閉じ込め・輸送特性の質量依存性を明らかにし、トカマク装置で観測されている質量依存性に関する物理解明に貢献する。

粒子制御技術(D、He、不純物)の実証(N、’16~’19)
LHDの長時間放電を利用して、トカマク装置と共通する物理があることから直接的な貢献が期待できる粒子制御技術について、より高密度領域での長時間安定維持を実証するとともに、長時間スケールでのプラズマ壁相互作用を明らかにする。

●プラズマ壁相互作用研究
W材のPWI基礎データの獲得(大/C3/C4、’15~’26)
タングステン(W)材のプラズマ壁相互作用(PWI)の基礎データを取得するため、GAMMA10を用いたダイバータ模擬実験やQUESTでのPWI研究などを実施する。

●モデリング/シミュレーション研究
物理モデル構築と性能予測コード高度化(J/N/大、’15~’19)
ITERやJT-60SAでの実験に向けて、性能予測精度向上のため、実験データとの比較を行いつつ、物理モデルの構築と性能予測コードの高度化を実施する。

概念設計の基本設計段階(2017-2019)
●プラズマ設計
物理設計と炉心プラズマパラメータ設定(特、’15~’19)
特別チームの物理設計グループでの原型炉プラズマパラメータの絞り込みを反映してJT-60SAやITERでのターゲットとなるプラズマパラメータを設定する。

原型炉物理DB構築(特、’15~’19) 
原型炉設計に利用可能なデータベース(DB)を、これまでの実験と理論・シミュレーション研究の成果に基づき構築し、炉心プラズマ性能の原型炉への外挿性を高める。

●ITER
ITER研究計画の改定(J/N/大/I、’15~’19)
国際トカマク物理活動(ITPA)を通して、最新の研究成果を取り込みつつ、ITER研究計画を改定する。

●JT-60SA
JT-60SA研究計画の改定(J/N/大、’15~’18)
JT-60SA実験開始に向けて、他装置での最新の成果及び特別チームによるターゲットとなるプラズマパラメータを取り入れつつ、JT-60SAリサーチプランを改定する。

ファーストプラズマ(J/N/大、’19)
ファーストプラズマを2019年に達成する。

プラズマ制御手法確立(J/N/大、’19~’20)
ファーストプラズマ達成後、初期研究段階を開始する。機器の健全性チェックを行うとともに、プラズマ電流立ち上げ手法やロックドモード回避手法、垂直位置不安定性回避手法等、超伝導装置におけるプラズマ制御手法を開発する。

●LHD、ヘリオトロンJ
トーラス系物理の理解(N/C2、’15~’25)
トカマク装置及びヘリカル装置での実験結果を体系的に解析することにより、トーラス系物理の理解を促進し、JT-60SAやITERの研究計画に反映する。

重水素実験(N、’16~’25)
LHDにおいて、重水素を用いた実験を行い、閉じ込め・輸送特性の質量依存性を明らかにし、JT-60SAやITERの研究計画に反映する。

粒子制御技術(D、He、不純物)の実証(N、’16~’19)
LHDの長時間放電を利用して、粒子制御技術についてより高密度領域で長時間安定にプラズマを維持できることを実証するとともに、長時間スケールでのプラズマ壁相互作用を明らかにし、JT-60SAやITERの研究計画に反映する。

●プラズマ壁相互作用研究
W材のPWI基礎データの獲得(大/C3/C4、’15~’26)
タングステン(W)材のプラズマ壁相互作用(PWI)について、GAMMA10を用いたダイバータ模擬実験やQUESTでのPWI研究などを実施し、データベース構築に着手する。

W材ダイバータ長時間特性での課題の明確化(大/C3/C4、’15~’26)
GAMMA10を用いたダイバータ模擬実験やQUESTでのプラズマ壁相互作用(PWI)研究などの結果を基に、タングステン(W)材ダイバータの長時間特性での課題について検討する。

●モデリング/シミュレーション研究
物理モデル構築と性能予測コード高度化(J/N/大、’15~’19)
ITERやJT-60SAでの実験に向けて、性能予測精度向上のため、実験データとの比較を行いつつ、物理モデルの構築と性能予測コードの高度化を実施し、JT-60SAやITERの研究計画に反映する。

概念設計段階(2020-2026)
●プラズマ設計(特、’20~’35)
原型炉物理DB改訂
原型炉設計に利用可能なデータベース(DB)を、JT-60SAやITERの実験結果を反映して改訂する。

●ITER
ファーストプラズマ(I、’20)
ファーストプラズマを2020年に達成する。ここで実施すべき機関はIO(ITER機構)としているが、全日本的なIOへの関与を前提としている。

プラズマ制御手法確立(I、’23~’24)
ファーストプラズマ達成後、JT-60SAでの経験を踏まえ、プラズマ電流立ち上げ手法やロックドモード回避手法、垂直位置不安定性回避手法等、ITERでのプラズマ制御手法を確立し、運転領域を確認する。

加熱プラズマ特性解明(I、’24~’26)
プラズマ加熱実験を開始し、JT-60SAでの経験を踏まえ、加熱プラズマの基本特性を明らかにする。ディスラプションについては、低プラズマ電流領域にて発生領域を明確にするとともに、発生した場合に十分緩和するための制御技術を実証する。ELM(Edge Localized Mode)については、パルス熱負荷低減のためダイバータ健全性を損なわない小振幅化や発生させない制御手法を確立する。また、タングステンダイバータの性能評価を行う。

●JT-60SA
プラズマ制御手法確立(J/N/大、’19~’20)
プラズマ電流立ち上げ手法やロックドモード回避手法、垂直位置不安定性回避手法等、超伝導装置におけるプラズマ制御手法を確立し、運転領域を確認する。

加熱プラズマ特性解明(J/N/大、’21~’22)
プラズマ加熱実験を開始し、加熱プラズマの基本特性を明らかにする。装置の健全性を脅かす難題であるディスラプションについては、発生領域を明確にするとともに、発生した場合に十分緩和するための制御技術を実証する。ELM(Edge Localized Mode)によるパルス熱負荷低減のため、ダイバータ健全性を損なわない小振幅化や発生させない制御手法を確立する。

高ベータ定常運転の実証(J/N/大、’23~’25)
電流分布、圧力分布、プラズマ位置制御等により壁なしベータ限界を超える高ベータ定常運転方法を確立する。

高閉じ込めプラズマの高密度化(J/N/大、’23~’25)
高密度領域での閉じ込め劣化の物理機構を明らかにし、高閉じ込めプラズマの高密度運転を実証する。

粒子制御技術(D,He,不純物)の実証(J/N/大、’23~’25)
ダイバータ熱負荷低減に向けて、高放射損失運転及びデタッチメント運転の安定維持技術、さらに燃料の供給やヘリウム灰排気のための粒子制御技術を確立する。

高ベータ定常運転の100秒間維持(J/N/大、’25~’26)
上記技術を駆使し、ダイバータ熱負荷低減と両立した壁なしベータ限界を超える高ベータ定常運転を100秒間維持する。

原型炉に外挿可能なプラズマ性能の同時達成(J/N/大、’25~’26)
原型炉設計の観点から設定されたJT-60SAでのターゲットとなるプラズマパラメータを同時に達成する。

●LHD、ヘリオトロンJ
トーラス系物理の理解(N/C2、’15~’25)
ITERやJT-60SAの実験結果との比較を行い、トーラス系物理の理解を深める。

重水素実験(N、’16~’25)
LHDにおける重水素を用いた実験結果とJT-60SAの実験結果を比較し、閉じ込め・輸送特性の質量依存性に関する物理を体系的に解明する。

●プラズマ壁相互作用研究
W材のPWI基礎データの獲得(大/C3/C4、’15~’26)
タングステン(W)材のプラズマ壁相互作用(PWI)について、GAMMA10を用いたダイバータ模擬実験やQUESTでのPWI研究などを実施し、データベースを構築する。

W材ダイバータ長時間特性での課題の明確化(大/C3/C4、’17~’26)
GAMMA10を用いたダイバータ模擬実験やQUESTでのプラズマ壁相互作用(PWI)研究などの結果を基に、タングステン(W)材ダイバータの長時間特性での課題について明確にし、ITERやJT-60SA等の実験へ反映する。

●モデリング/シミュレーション研究
制御シミュレータ開発(J/N/大、’20~’35)
構築した物理モデルと高度化した性能予測コードを基に、ITERやJT-60SAに適用可能な制御シミュレータを開発する。

工学設計段階(2027-2035)
●プラズマ設計(特、’20~’35)
原型炉物理DB改訂
原型炉設計に利用可能なデータベース(DB)を、JT-60SAやITERの実験結果を反映して改訂する。

●ITER
Q=10、短パルス実現(I、’27~’28)
DT運転を開始し、燃焼プラズマにおける自己加熱を確認するとともに、燃焼制御技術の開発を行う。核融合出力500MW、エネルギー増倍率Q(=出力/入力)が10以上の状態を実現する。

Q=10、長パルス実現(I、’29~’30)
核融合出力500MW、エネルギー増倍率Q(=出力/入力)が10以上の状態を300-500秒間実現する。

Q=5以上の非誘導定常運転実現(I、’30~’35)
エネルギー増倍率Q(=出力/入力)が5以上の非誘導定常運転状態を3000秒程度維持する。

●JT-60SA
W-DIVでの加熱プラズマ特性解明(J/N/大、’27~’29)
原型炉ダイバータの主案であるタングステンダイバータ(W-DIV)に交換し、タングステンダイバータでの加熱プラズマの基本特性を明らかにする。W-DIVでは、ディスラプションやELM(Edge Localized Mode)制御がより重要となる。交換前に確立した制御手法により、確実に制御できることを確認する。

W-DIVでの高ベータ定常運転の実証(J/N/大、’29~’32)
壁なしベータ限界を超える高ベータ定常運転がタングステンダイバータ(W-DIV)でも成立することを実証する。

W-DIVでの高閉じ込めプラズマの高密度化(J/N/大、’29~’32)
高閉じ込めプラズマの高密度運転がタングステンダイバータ(W-DIV)でも成立することを実証する。

W-DIVでの粒子制御技術(D、He、不純物)の実証(J/N/大、’29~’32)
高放射損失運転及びデタッチメント運転の安定維持技術がタングステンダイバータ(W-DIV)でも成立することを実証する。さらに燃料の供給やヘリウム灰排気のための粒子制御技術をタングステンダイバータにおいて確立する。

W-DIVでの高ベータ定常運転の100秒間維持(J/N/大、’32~’35)
タングステンダイバータ(W-DIV)と両立した壁なしベータ限界を超える高ベータ定常運転を100秒間維持する。

W-DIVでの原型炉に外挿可能なプラズマ性能の同時達成(J/N/大、’32~’35)
原型炉設計の観点から設定されたJT-60SAでのターゲットとなるプラズマパラメータをタングステンダイバータ(W-DIV)にて同時に達成する。

●モデリング/シミュレーション研究
制御シミュレータ開発(J/N/大、’20~’35)
制御シミュレータを、ITERやJT-60SAに適用し改良を実施する。

 
7. 燃料システム

概念設計の基本設計段階(2015-2016)
●燃料循環システム設計
燃料供給シナリオの策定(特、’15~’18)
原型炉で要求される燃料システムの概念を構築するため、原型炉での燃料供給シナリオを検討する。燃料供給シナリオを考えるにあたっては、プラズマ系内(主プラズマ、スクレイプオフ層プラズマ、ダイバータプラズマ)の粒子循環(リサイクリング)の割合と、プラズマ系外の粒子循環(ダイバータ排気、不純物除去、燃料供給)の割合を適切に設定する必要がある。プラズマ系外からの燃料供給については、どの領域(コア部、周辺部、ダイバータ部など)に供給するために、どの方法(ガスパフ、ペレット等)を採択するのか、DTを個別もしくは混合で供給するのかを明確にすることが必要である。

燃料インベントリーの評価(特、’15~’18)
燃料供給シナリオに大きく影響を与える燃料インベントリーについて、既存の実験データの解析を行い、原型炉でのインベントリーを評価するためのデータベースを整備する。

●燃料循環システム技術開発
燃料循環システム要素技術(不純物除去、同位体分離など)の開発(J/大、’15~’19)
不純物除去、同位体分離などの燃料循環システム構成機器の開発を実施する。実施にあたっては、原子力機構の原子力科学研究所にあるトリチウムプロセス棟(TPL)、BA活動で整備した同機構の六ヶ所核融合研究所にある原型炉R&D棟、及び富山大の水素同位体科学研究センター等国内の施設を活用して研究開発を効率的に進める。また、レーザー方式のトリチウムの貯蔵・ハンドリング技術と共通する技術であることから、連携を図り研究開発を進めることが効果的である。

●T安全取扱技術開発
T除去系、計量管理の実証試験(J/大、’15~’19)
ITERトリチウム(T)除去系の実証試験と計量管理の実績を蓄積し、大量・高濃度のトリチウム取扱技術や計量管理技術など安全取扱技術を開発する。ITERトリチウム除去系の実証試験は、原子力機構の原子力科学研究所にあるトリチウムプロセス棟(TPL)で実施する。計量管理の実績は、TPLとともに、BA活動で整備した同機構の六ヶ所核融合研究所にある原型炉R&D棟、及び富山大の水素同位体科学研究センター等国内の施設を活用する。また、レーザー方式のトリチウムの貯蔵・ハンドリング技術と共通する技術であることから、連携を図り研究開発を進めることが効果的である。

●T取扱機器開発
Tと材料の相互作用など基礎データ取得(J/大s、’15~’19)
トリチウム(T)含有熱媒体の取扱技術などを確立するため、トリチウムと材料の相互作用などトリチウム取扱に関する基礎データを取得する。実施にあたっては、原子力機構の原子力科学研究所にあるトリチウムプロセス棟(TPL)、BA活動で整備した同機構の六ヶ所核融合研究所にある原型炉R&D棟、及び富山大の水素同位体科学研究センター等国内の施設を活用して研究開発を効率的に進める。また、レーザー方式のトリチウムの貯蔵・ハンドリング技術と共通する技術であることから、連携を図り研究開発を進めることが効果的である。

●Li確保
6Liの確保方策の検討(J、’15~’19)
トリチウム生産のためにブランケットに用いるリチウム6(6Li)について、初期装荷分及び運転に応じた継続的な入手の見通しの確保が必須であり、ロジスティックスの確保の観点から、国産化を進めるべきである。このためのリチウムの分離回収技術について検討する。

●初期装荷T
T製造プロセスの検討(J、’15~’19)
初期装荷トリチウム(T)について、重水炉や再処理施設からの回収など製造プロセスを検討する。

概念設計の基本設計段階(2017-2019)
●燃料循環システム設計
燃料供給シナリオの策定(特、’15~’18)
原型炉で要求される燃料システムの概念を構築するため、原型炉での燃料供給シナリオを策定する。

燃料インベントリーの評価(特、’15~’18)
燃料インベントリーについて、既存の実験データの解析を基に整備したデータベースにより原型炉でのインベントリーを評価する。

燃料循環システム仕様の決定(特、’18~’19)
原型炉での燃料供給シナリオ及び燃料インベントリーを考慮して、燃料循環システムの仕様を決定する。

●燃料循環システム技術開発
燃料循環システム要素技術(不純物除去、同位体分離など)の開発(J/大、’15~’19)
不純物除去、同位体分離などの燃料循環システム構成機器の開発を完了する。実施にあたっては、原子力機構の原子力科学研究所にあるトリチウムプロセス棟(TPL)、BA活動で整備した同機構の六ヶ所核融合研究所にある原型炉R&D棟、及び富山大の水素同位体科学研究センター等国内の施設を活用して研究開発を効率的に進める。また、レーザー方式のトリチウムの貯蔵・ハンドリング技術と共通する技術であることから、連携を図り研究開発を進めることが効果的である。

●T安全取扱技術開発
T除去系、計量管理の実証試験(J/大、’15~’19)
ITERトリチウム(T)除去系の実証試験と計量管理の実績を蓄積し、大量・高濃度のトリチウム取扱技術や計量管理技術など安全取扱技術の開発を完了する。ITERトリチウム除去系の実証試験は、原子力機構の原子力科学研究所にあるトリチウムプロセス棟(TPL)で実施する。計量管理の実績は、TPLとともに、BA活動で整備した同機構の六ヶ所核融合研究所にある原型炉R&D棟、及び富山大の水素同位体科学研究センター等国内の施設を活用する。また、レーザー方式のトリチウムの貯蔵・ハンドリング技術と共通する技術であることから、連携を図り研究開発を進めることが効果的である。

●T取扱機器開発
Tと材料の相互作用など基礎データ取得(J/大、’15~’19)
トリチウム(T)含有熱媒体の取扱技術などを確立するため、トリチウムと材料の相互作用などトリチウム取扱に関する基礎データを取得し、データベースを構築する。実施にあたっては、原子力機構の原子力科学研究所にあるトリチウムプロセス棟(TPL)、BA活動で整備した同機構の六ヶ所核融合研究所にある原型炉R&D棟、及び富山大の水素同位体科学研究センター等国内の施設を活用して研究開発を効率的に進める。また、レーザー方式のトリチウムの貯蔵・ハンドリング技術と共通する技術であることから、連携を図り研究開発を進めることが効果的である。

●Li確保
6Liの確保方策の検討(J、’15~’19)
トリチウム生産のためにブランケットに用いるリチウム6(6Li)について、初期装荷分及び運転に応じた継続的な入手の見通しの確保が必須であり、ロジスティックスの確保の観点から、国産化を進めるべきである。このためのリチウムの分離回収技術について検討し、製造プロセスを選定する。

●初期装荷T
T製造プロセスの検討(J、’15~’19)
初期装荷トリチウム(T)について、重水炉や再処理施設からの回収など製造プロセスを選定する。

概念設計段階(2020-2026)
●燃料循環システム設計
燃料供給シナリオの実証(J/N/大/I、’21~’25)
JT-60SAやITERを活用して燃料供給シナリオを実証する。

燃料循環システム仕様の確認(J/N/大/I、’25~’26)
JT-60SAやITERを活用して燃料循環システムの仕様の妥当性を確認する。

●燃料循環システム技術開発
炉としての燃料循環統合システム技術の実証(I、’20~’30)
ITERを活用して統合システムとしての燃料循環システムの運転を実施する。

●T安全取扱技術開発
炉としてのトリチウム安全取り扱い実績の蓄積(I、’20~’30)
ITERを活用してトリチウム安全取扱技術を実証するための準備を行う。

●T取扱機器開発
T含有ガス・水を取り扱う機器(燃料系)の要素試験(J、’20~’30)
ブランケットトリチウム回収、及び水処理の実証試験等を実施する。また、トリチウム含有ガス・水を取り扱う機器(真空ポンプ(メンブレンポンプ等)等)の開発を行う。

●T大量取扱施設
T大量取扱施設建設(J、’23~’26)
原型炉ではITERよりさらに大量のトリチウム(T)を取り扱うことから、トリチウム大量取扱試験施設での技術の実証・蓄積、及び人材育成が必要である。ブランケットやダイバータのDT環境試験施設があれば計量管理技術開発装置なども併設することが可能。廃棄物処理などの技術についてはITER計画で獲得される技術では不十分であり、大型技術を開発し、運転を検証するまでの体制構築が必要である。これらを踏まえ、トリチウム大量取扱試験施設を建設する。

●Li確保
6Liを確保する技術の開発(J、’20~’22)
選択したリチウム6(6Li)製造プロセスについて、プラントを見通せるスケールアップのための技術開発を実施する。

プラント概念の構築(J、’22~’23)
リチウム6製造プラントの概念を構築する。大規模な資源量を扱う電池用リチウム資源確保戦略に付随して同位体分離プロセスを組み込むような計画の策定が重要。リチウム6の管理・確保については国内における技術的裏付けだけでなく、国際的な枠組みのもとでの実施が求められる。

6Li確保技術の実証(J、’24~’26)
リチウム6確保技術をプラント規模で実証する。

●初期装荷T
初期装荷Tの確保方策の検討(J、’20~’23)
初期装荷トリチウム(T)の確保方策について、重水炉や再処理施設からの回収及び海外からの大量購入(カナダ、韓国等)の検討を行う。その際、国内における技術的裏付けだけでなく、国際的な枠組みのもとでの実施が求められる。

初期装荷Tの確保準備(J、’24~’35)
初期装荷トリチウム(T)の確保方策に基づき、確保の準備を開始する。

初期装荷Tなしシナリオの準備(J、’25~’35)
初期装荷トリチウム(T)なしシナリオについて、ビーム加熱の必要性と加熱シナリオとの整合性を考慮して実施する。

工学設計段階(2027-2035)
●燃料循環システム技術開発
炉としての燃料循環統合システム技術の実証(I、’20~’30)
ITERを活用して統合システムとしてのトリチウムを含む燃料循環システムの運転を実施し、技術を実証する。

T大量取扱時の燃料循環システム技術の実証(J、’27~’35)
T大量取扱施設を活用してT大量取扱時の燃料循環システムの技術を実証する。

●T安全取扱技術開発
炉としてのトリチウム安全取り扱い実績の蓄積(I、’20~’30)
ITERを活用してトリチウム安全取扱技術を実証し、運転実績を蓄積する。

T大量取扱施設での安全取扱実績の蓄積(J、’27~’35)
T大量取扱施設を活用してT安全取扱実績を蓄積する。

●T取扱機器開発
T含有ガス・水を取り扱う機器(燃料系)の要素試験(J、’20~’30)
ブランケットトリチウム回収、及び水処理の実証試験等を実施する。また、トリチウム含有ガス・水を取り扱う機器(真空ポンプ(メンブレンポンプ等)等)の開発を行う。

T含有ガス・水を取り扱う機器(発電系含む)の要素試験(J、’27~’35)
発電系を含むトリチウム含有ガス・水を取り扱う機器(タービン等)の開発を行う。

●Li確保
プラント規模の運転実績(J、’27~’33)
リチウム6確保技術について、プラント規模での運転実績を蓄積する。

6Li確保技術の確立(J、’34~’35)
リチウム6確保技術のプラント規模での運転実績を基に、実際のプラントへの適用性を評価し、技術を確立する。

●初期装荷T
初期装荷Tの確保準備(J、’24~’35)
初期装荷トリチウム(T)の確保方策に基づき、確保の準備を完了する。

初期装荷Tなしシナリオの準備(J、’25~’35)
初期装荷トリチウム(T)なしシナリオについて、ビーム加熱の必要性と加熱シナリオとの整合性を考慮して、原型炉設計に反映する。
 
8.核融合炉材料開発と規格・基準策定

概念設計の基本設計段階(2015-2017)
●低放射化フェライト鋼
低放射化フェライト鋼の大量製造技術の確立(J、’15~’17)
原型炉ブランケットの製造に必要な低放射化フェライト鋼の大量製造技術を確立する。

低放射化フェライト鋼によるブランケット構造体製作技術の確立(J、’15~’19)
低放射化フェライト鋼によるブランケット構造体製作技術を確立し、ITER-TBMの製作や原型炉の設計に資する。

原型炉に要求される材料スペックを明確化(特、’15~’24)
原型炉設計の検討より、原型炉ブランケット構造体に使用される材料として要求される低放射化フェライト鋼のスペックを明確化する。

材料規格化に向けた学協会における準備活動(J/産、’15~’31)
低放射化フェライト鋼の規格化に向けた関連学協会における準備活動を進展させる。

低放射化フェライト鋼の接合被覆部等のデータ、電磁力影響、冷却材共存性等のデータ取得(J、’15~’23)
低放射化フェライト鋼の接合被覆部等の特性データや、構造体に対する電磁力影響、冷却材共存性等の不足しているデータの取得を進める。

低放射化フェライト鋼の接合被覆部等の照射データ、電磁力影響、冷却材共存性への照射影響等のデータ取得(J、’15~’26)
低放射化フェライト鋼の接合被覆部等の特性データや、構造体に対する電磁力影響、冷却材共存性等についての照射影響について重要度に応じて取得を進める。

原子炉による80dpa照射データの取得(J、’15~’19)
米国HFIRによって実施した低放射化フェライト鋼の80dpa核分裂中性子照射データを取得する。

He影響の理解の進展(J/N/大、’15~’35)
イオン加速器施設等の模擬照射技術を駆使して、低放射化フェライト鋼の材料特性に及ぼす核変換ヘリウム影響の理解を進展させる。

核融合中性子照射影響の解明(J、’15~’35)
核融合中性子照射施設の建設、運転、照射後試験を通して、核融合中性子照射影響(核変換ヘリウム影響)の発現条件を明らかにする。

照射相関論に基づく劣化モデルの構築(J/N/大、’15~’35)
異なる照射場から獲られた照射劣化事象に関する離散的なデータベースを統合的に説明可能な劣化モデルを構築し、ブランケット構造体の寿命予測に資する。

微小試験片技術の信頼性評価(J/産/学協会、’15~’26)
従来の原子炉照射実験や、将来の核融合中性子源照射実験において用いられる微小試験片技術の信頼性を明らかにし、構造設計に合理的に使用可能な条件を明らかにする。

●先進ブランケット材料
先進材料の利用方法を明確化(特/J/N/大、’15~’26)
開発が進められている先進ブランケット材料の利用方法を明確化する。

先進材料のデータベースの充実(J/N/大、’15~’35)
先進ブランケット材料として期待される先進材料の核融合材料としてのデータベースを充実させる。

●増倍材料
改良材の製造技術確立(J、’16~’20)

充填体の特性評価(J、’16~’25)

再利用可能性評価(J、’17~’21)

●増殖材料
改良材の製造技術確立(J、’16~’22)

造粒技術最適化(JAEA、’16~’18)

●ダイバータ材料
原子炉照射による照射影響評価(N/大、‘15~’27)

耐照射性材料開発(J/N/大、’15~’35)

●全体
核融合材料ハンドブックに記載すべき項目の策定(J/N/大、‘15~’17)
原型炉設計に貢献可能な核融合材料のスペックを記したシーズ集となる核融合材料ハンドブックをまとめるために、記載すべき項目を各材料について策定する。

概念設計の基本設計段階(2017-2020)
●増殖材料
充填体の特性評価(J、’18~’27)

リチウム資源技術開発(J、’18~’35)

●全体
核融合材料ハンドブックの策定(J/N/大、‘17~’20)
核融合材料ハンドブックを策定し、原型炉設計に貢献可能な材料シーズをまとめて提示する。

概念設計段階(2020-2027)
●低放射化フェライト鋼
原子炉による80dpa照射データの検証(J、’20~’26)
米国HFIRによって実施した低放射化フェライト鋼の80dpa核分裂中性子照射データを検証する。

原型炉ブランケット構造材料の技術仕様の提示(特/J、‘25~’26)
原型炉ブランケット構造材料としての低放射化フェライト鋼の技術仕様を提示し、設計に資する。

●増倍材料
原子炉照射影響評価(J、’21~’29)

核融合中性子照射影響の解明(J、‘24~’35)

●増殖材料
核融合中性子照射影響の解明(J、’24~’35)

●計測・制御機器材料(照射効果を考慮すべきもの)
照射劣化データベースの整理(J/特、‘20~’25)

耐照射性材料の評価(J、‘20~’35)

照射劣化データベースの整理(J/特、‘20~’25)

工学設計段階(2027-2035)
●低放射化フェライト鋼
照射効果を踏まえた構造設計基準の策定(J/産/学協会、‘27~’35)
ブランケット構造体設計に必要となる。核融合中性子環境における照射効果を踏まえた構造設計基準を策定する。

微小試験片技術の規格化(J/産/学協会、‘27~’35)
核融合炉材料の強度特性評価に用いられる微小試験片技術を規格化する。
 
9. 安全性

概念設計の基本設計段階(2015-2016)
●安全法令規制
原型炉プラントの安全上の特徴の整理(特、'15~'26)
原型炉プラントの安全上の特徴に基づく合理的な安全規制方針の策定を目的として、原型炉プラントの重要な事故シーケンスを評価し、事故進展の防止・緩和のための安全設計ガイドラインを確立する。
最初に、既存コードにより原型炉プラントの安全性を評価し、安全上の特徴を整理する。

●工学安全課題の整理
機器故障のシナリオの確立(特/J/I/N/大,、'15~'26)
事故シーケンスを検討する上で、機器故障のシナリオ確立は必須かつ重要な作業である。ITER、JT-60、LHD等における研究開発や運転実績を体系的に整理することで故障や劣化の特徴を明らかにし、設計上の改良等に資するデータを整備する。
運転経験が取得しやすい商用炉と異なり、核融合炉は運用されているプラント数も少ないため、各プラントで取得するデータは、原型炉設計における故障シナリオを幅広に想定して蓄積していくことが肝要である。

プラズマによる炉内機器への影響評価(特/J/I/N/大、'15~'26)
核融合炉特有のプラズマによる炉内機器への影響を評価する。故障だけでなく性能の劣化等によるプラントの信頼性評価に資する実機データを蓄積することが重要であり、故障機器のシナリオの確立と同様に、ITER、JT-60、LHD等におけるプラズマ環境下での運転実績に基づきデータを蓄積する。また、プラズマによる炉内機器への影響をコード開発等により評価し、設計にフィードバックできるよう整備する。なお、本作業にあたっては、並行して実施される材料開発との連携を図るものとする。

●安全性解析・評価
安全性評価コードの開発(特/J、 '15~'31)
原型炉プラントの安全上の特徴を踏まえ、安全性を評価できるよう既存コードの改良並びに新たな安全性解析コードを開発する。本開発にあたっては、許認可への適用を視野に、V&V(Verification and Validation:検証と妥当性確認)計画との連携を図る。
コード開発は特別チーム、JAEAを主体とするが、大学機関や産業界も協力して我が国の核融合技術の涵養が図られる体制を目指すものとする。

●環境トリチウムの挙動評価
環境トリチウムの規制目標の調査・検討(特/J/N/大、'15~'20)
トリチウムの環境放出の規制案を策定するために、国内外の既存の原子力規制を調査し、規制目標の検討を行う。本検討結果は、C&R後に検討を開始する安全性確保方針確立に向けた準備作業となる。

概念設計の基本設計段階(2017-2019)
●安全法令規制
原型炉プラントの安全上の特徴の整理(特,、'15~'26)
既存コードによって評価された原型炉プラントの安全上の特徴に基づき、原型炉における安全を確保するための基本的な方針案を策定する。

●工学安全課題の整理
機器故障シナリオの確立やプラズマによる炉内機器への影響評価に資する実プラントのデータ蓄積を継続する。このデータを詳細に評価し、個々のプラントデータを統合するデータベースを確立する。
機器故障のシナリオの確立(特/J/I/N/大、'15~'26)
※概念設計の基本設計段階(2015-2016)を参照

プラズマによる炉内機器への影響評価(特/J/I/N/大、'15~'26)
※概念設計の基本設計段階(2015-2016)を参照

●安全性解析・評価
安全性評価コードの開発(特/J、'15~'31)
※概念設計の基本設計段階(2015-2016)を参照

V&V実験(特/J/大、'17~'31)
原型炉プラントの安全性の特徴を踏まえ、テストブランケットシステムや化学反応、ダスト挙動評価等、開発すべき安全性評価コードを明確にし、その開発計画を明らかにする。開発したコードを、ITER等の実験データによりV&Vを行う。原型炉のV&V実施にあたっては、規制上どのような品質マネジメントシステムが要求されるか等、原子炉規制を熟知した産業界と協力により作業を推進する。

●環境トリチウムの挙動評価
環境トリチウムの規制目標の調査・検討(特/J/N/大、'15~'20)
国内外の既存の原子力規制の調査を継続し、規制目標の検討を行う。規制目標は国際的な合理性が求められると考えられるため、ITERでの規制も参考に国内における規制の在り方を検討する。

概念設計段階(2020-2026)
●安全法令規制
原型炉プラントの安全上の特徴の整理(特、'15~'26)
策定した方針案に従って、規制法令策定に資する詳細な解析評価を行う。

安全規制法令予備検討(特/産、'20~'26)
原型炉に要求される安全要求基準と安全設計ガイドラインを整備する。検討にあたっては、国内外の既存の原子力規制や設計基準を参考にしつつ、核融合固有の安全性を考慮して合理的なものとする。規制と許認可手続きのあり方について予備検討を行うとともに、原型炉の安全性への社会的受容性についても判断を行う。

●工学安全課題の整理
機器故障シナリオの確立やプラズマによる炉内機器への影響評価に資する実プラントのデータとしてITERのデータを付加し、データベースを拡充させる。原型炉の工学安全課題の解決に活用できるデータベースを確立する。

機器故障のシナリオの確立(特/J/I/N/大、'15~'26)
※概念設計の基本設計段階(2015-2016)を参照

プラズマによる炉内機器への影響評価(特/J/I/N/大、'15~'26)
※概念設計の基本設計段階(2015-2016)を参照

●安全性解析・評価
安全性評価コードの開発(特/J、'15~'31)
※概念設計の基本設計段階(2015-2016)を参照

V&V実験(特/J/大、'17~'31)
化学反応、ダスト挙動評価等を実施する。

プラズマによる炉内機器への影響評価コードの開発(特/J/産/N/大、'20~'34)
プラズマによる炉内機器への影響を評価するコードを開発し、コード検証やITER/DT実験の予測解析を行う('20~'26)。さらにITER実験からのフィードバックによりコードの妥当性を確認し、改良・高度化を図る('27~'34)。

原型炉プラントの安全性評価(特、'20~'31)
原型炉概念の具体化を受け、その安全性評価を実施し、その結果を概念設計にフィードバックする。

プラズマ制御と炉内機器健全性の確保方針(特、'20-'31)
プラズマの制御概念、都内機器の健全性の確保方針を明確にし、概念設計を完了させる。

安全性確保の方針と整合する設計条件の策定(特、'20~'31)
原型炉の概念設計において、安全性、プラズマ制御性、炉内機器の健全性、トリチウム評価等の具体的な設計結果を反映し、安全性確保の方針と整合したプラント設計条件を確定させる。

●環境トリチウムの挙動評価
定常時・異常時の環境への放出量評価と制御(特、'20~'34)
トリチウムについては定常時および異常時の環境への放出量を評価するための手法を開発し、その制御法を確立する。さらに、確立された制御法をハード設計まで具体化する。

安全確保方針確立(特、'26-'31)
安全上許容される定常時および異常時のトリチウム放出量を定め、トリチウム放出の制御法が妥当であることを検証し、安全確保方針として確立する。

工学設計段階(2027-2035)
●安全法令規制
安全規制法令 法規制方針策定(特/産、'27~'31)
予備検討の結果を受け、原型炉建設の許認可申請に向けた法規制方針を策定する。

●安全性解析・評価
安全性評価コードの開発(特/J、'15~'31)
※概念設計の基本設計段階(2015-2016)を参照

V&V実験(特/J/大、'17~'31)
化学反応、ダスト挙動評価等、一連のコード検証を完了させる。

プラズマによる炉内機器への影響評価コードの開発(特/J/産/N/大、'20~'34)
※概念設計段階(2020-2026)を参照

原型炉プラントの安全性評価(特、'20~'31)
工学設計の進捗に伴い、安全性の再評価を実施する。

プラズマ制御と炉内機器健全性の確保方針(特、'20-'31)
※概念設計段階(2020-2026)を参照

安全性確保の方針と整合する設計条件の策定(特、'20~'31)
原型炉の工学設計段階における、安全性、プラズマ制御性、炉内機器の健全性、トリチウム評価等の具体化に伴い、安全性確保の方針と整合したプラント設計条件を確定させる。

●環境トリチウムの挙動評価
定常時・異常時の環境への放出量評価と制御(特、'20~'34)
※概念設計段階(2020-2026)を参照

安全確保方針確立(特、'26-'31)
ITERのDTフェーズの実績も反映し、原型炉における安全性確保方針を最終的に確立する。

10.稼働率と保守性

概念設計の基本設計段階(2015-2016)
●原型炉設計
保守方式の暫定(特、'15~'17)
保守方式については炉構造・主要パラメータとのバランスを考慮して検討を行い、暫定する。暫定といえども以降のR&Dのベースとなるため、速やかに、かつ慎重に暫定する。

炉構造・パラメータの決定(特、'15~'17)
保守方式の比較評価を含めて炉構造・パラメータを検討し、保守方式(暫定案)とともに決定する。

概念設計の基本設計段階(2017-2019)
●原型炉設計
保守方式の暫定(特、'15~'17)
※概念設計の基本設計段階(2015-2016)を参照

炉構造・パラメータの決定(特、'15~'17)
※概念設計の基本設計段階(2015-2016)を参照

保守R&D対象の検討・選択(特、'17~'18)
保守方式、炉構造・パラメータにあわせて保守対象・技術・作業内容の検討を行い、設計として対応すべき範囲とR&Dが必要な範囲に仕分け、R&D範囲と開発目標を明確化する。

作業手順、炉停止期間の検討(特、'18~'19)
上記で検討・選択したR&D範囲に対して開発目標を設定しており、その開発目標を設計条件として保守作業手順の設計検討を実施する。炉停止期間については保守方式を暫定する段階で稼働率の観点から検討されているが、R&Dの開発目標(性能及び開発期間)との整合性を再確認する。

バックエンド検討(廃棄物量、処理方法)(特、'18~'19)
中間C&Rに向けて経済性の概略評価、後述の放射性廃棄物の処分・再利用基準の検討に資するための廃棄物量、処理方法の検討を行う。

●保守技術蓄積
原子力施設機器取扱、検査-調査その1(産、'17~'19)
産業界にて原型炉ニーズに沿った軽水炉保守技術、遠隔・ロボットの調査を行う。

遠隔作業、検査・保守技術の調査(特/J/産、'19~'20)
選定された保守方式、対象機器に対して既存の遠隔作業、検査、保守技術を調査する。

故障率DB(データベース)の調査(特/J/産、'19~'20)
長期に亘る原型炉開発を念頭に故障率データベースの仕様について検討する。

●新規施設
大型保守技術開発施設の概念検討(J、'17~'18)
選定された保守方式、対象機器に対する実規模R&Dの内容、工程、順序等を検討し、大型保守技術開発施設の概念検討を行う。平行して施設設計の制約となる条件を暫定する。

大型保守技術開発施設の設計(J、'19~'21)
概念検討結果、制約条件を考慮して大型保守技術開発施設の設計(プロットプラン、利用計画)を行う。

概念設計段階(2020-2026)
●原型炉設計
保守方式の見直し(特、'25~'27)
炉設計の進捗、保守技術の調査、開発ロードマップの策定結果を踏まえて、保守方式の見直しを行う。見直し結果を受けて、大型保守技術開発施設の設計、機器開発計画へのフィードバックも行う。

放射性廃棄物の処分・再利用基準の検討(J、'20~'22)
バックエンド検討で提示された廃棄物量、処理方法、現行の法・技術に照らして法規制化を念頭に処分方法・対象、再利用方法・対象を検討する。

放射性廃棄物の処分・再利用基準の策定(法規制準備)(J、'23~'27)
移行判断前の放射性廃棄物の処分・再利用についての基準設定は、核分裂炉に対する基準設定手順を基に原子力機構、産業界、大学等が自主的に定め、原子力規制委員会等における最終的な基準設定は移行判断後に実施する。

●保守技術開発
保守技術の中規模R&D(J/産、'21~'24)
検討されたR&Dの開発目標(性能及び開発期間)、各実施者のリソース等に基づき開発ロードマップを策定し、実行する。開発期間は2021~2024年としているが、必要に応じて前倒しで開始し、開発期間の延長を行う。

機能材料・機器開発(J/産/大、'21~'27)
ITERでの開発状況を踏まえて積算線量200MGyの材料・機器の開発ロードマップを策定し、実行する。開発期間は2021~2027年としているが、必要に応じて前倒しで開始し、開発期間の延長を行う。積算線量200MGyを目標とした機能材料・機器の実規模実証については試験施設を含めて検討が必要(運転開始までに実規模実証が困難な場合も想定した開発ロードマップの策定が必要。原型炉の運転年数に応じて徐々に実証していくなど)

●保守技術蓄積
原子力施設機器取扱、検査-調査その2(産、'20~'23)
福島第一原発への適用技術、ITER向けの開発状況の調査を行い、将来的な核融合以外での開発ニーズを踏まえて、核融合炉向けにR&Dが必要な技術の検討・選択に資するデータベースとする。

遠隔作業、検査・保守技術の整理(特/産、'21~'27)
既存の軽水型原子炉や再処理施設、ITER向けに開発中の遠隔保守技術、福島第一原発の事故の安定化および廃炉の推進のための遠隔技術、国内外の原子力以外の産業界での遠隔技術を調査。原型炉の保守方式と照らし合わせ、現状と要求仕様とのギャップを整理。
稼働率への影響、要求仕様とのギャップの大きさを整理し、遠隔作業、検査・保守技術の開発ロードマップを作成する。

故障率DB(データベース)のデータ収集(特/産、'21~'35)
長期に亘る原型炉開発を念頭に故障率データベースの仕様について継続して検討する。データ収集の対象(物、期間、範囲)を決定し、データ収集を開始する。

●新規施設
大型保守技術開発施設の設計(J、'19~'21)
※概念設計の基本設計段階(2017-2019)を参照

大型保守技術開発施設の建築(J、'22~'26)
原型炉で新たに必要となる大型構造物の遠隔保守技術の開発を目的とした施設を建設する。中規模R&Dを経て実規模R&Dの開始時期を考慮して2027年運用開始に間に合うように進める。原型炉の保守方式が設計進捗によって見直しされること、大型構造物の遠隔保守技術の開発主体となる産業界の意見を考慮して設計する。

工学設計段階(2027-2035)
●原型炉設計
保守方式の見直し(特、'25~'27)
※概念設計段階を参照

●保守技術開発
放射性廃棄物の処分・再利用基準の策定(法規制準備)(J、'23~'27)
※概念設計段階を参照

原型炉保守技術の実規模R&D(大/産、'27~'35)
大型機器のメンテナンス技術の実規模試験を実施する。試験前にクリティカルとなる仕様については達成目標を予め設定し、達成度を定量的に評価しながら進める。施設の利用工程を考慮した全体スケジュールを作成し、タイムチャートに沿って試験を進める。

機能材料・機器開発(J/産/大、'21~'27)
※概念設計段階を参照

●保守技術蓄積
遠隔作業、検査・保守技術の整理(特/産、'21~'27)
※概念設計段階を参照

故障率DB(データベース)のデータ収集(特/産、'21~'35)
※概念設計段階を参照
 
11.計測・制御

主要項目の概説とコアチームチャートとの対応
●理論・既存・海外実験による予測
理論(モデルリング)、既存実験結果等を元にして、制御対象、制御手法決定のための基礎データ、知識体系の構築を行う。(コアチームチャート「11.1.1プラズマ応答特性、モデリング検証」の前半、「現実的・信頼性のある制御ロジックの確立」に対応)
●実験による検証
主として上記「理論・既存・海外実験による予測」をJT-60SA等で検証することを目的とする。(コアチームチャート「11.1.1プラズマ応答特性、モデリング検証」の後半、「11.2.4原型炉の磁気計測環境下での平衡制御精度の向上」に対応)
●計測開発
計測器の選定・仕様作成を最終目標に、必要な新規計測の開発、プラズマ実験装置での試験、照射試験等を行う。「核融合原型炉の計装制御NIFS-MEMO-68」で検討は進んでいるが、未検討な部分(例えば、トリチウム増殖のための計測制御)もある。(コアチームチャート「11.2.1原型炉の候補計測器の選定」、「計測器と解析コードの評価」、「11.2.3計測器の寿命評価、耐放射線機器の開発」に対応)
●運転点と裕度
運転基準点を設定するとともに、その近傍での振る舞いを考慮して、範囲(裕度)を設定する必要がある。計測や制御の能力(応答時間、制御振幅)を考慮しながら決定する。(コアチームチャート「11.3.1運転基準点と運転許容範囲の同定」に対応)
●オフライン予測
運転シナリオ作成のためのシミュレータ、実時間制御開発のためのシミュレータ等、実時間性を問われないシミュレータ(予測コード)を開発する。これは、実時間制御と第一原理計算の中間に位置するものである。(コアチームチャート「11.3.2運転制御シミュレータの開発」に対応)
●実時間制御システムの開発
第一原理計算、統合コード、オフライン予測を集約し、実時間制御が可能なシステムを構築する。(コアチームチャート「11.3.3運転制御シミュレータの開発」、「実験データを用いたシミュレータの検証」、「現実的・信頼性のある制御ロジックの確立」に対応)

概念設計の基本設計段階(2015-2016)
●理論・既存・海外実験による予測
安定限界の同定 (特/J、'15-'16)
beta_n, Green Wald限界、ELM熱パルス、VDE等の運転停止に関わるような不安定性について原型炉においてターゲットとすべきものを理論、既存実験結果から同定する。

炉性能制御量の同定(特/J、'15-'19)
炉性能を左右する電流分布、圧力分布等を同定し、制御対象、運転点・裕度決定等へ反映させる。また、電流分布計測が必須であるかどうかを判断する。

制御実績(手法、成功率等)と応答時間のDB構築 (特/J/N/大、'15-'19)
理論、既存実験結果からの応答時間、制御実績のDBを構築し、制御の難易度や特性を整理する。

●実験による検証
※概念設計の基本設計段階(2017-2019)より開始。

●計測開発
候補計測分類と選定(特/J/大、'15-'16)
原型炉での候補計測をリストする。

要開発計測の選定 (特/J/N/大、'16-'18)
既存の計測では不十分であり、新たに開発すべき計測をリストする。

要試験計測の選定 (特/J、'16-'18)
プラズマ装置での試験、照射試験の必要な計測をリストする。

開発試験体制の構築 (TF、'16-'18)
計測の開発には、立案、設計、素子等の製作、照射試験、照射後の評価等の専門・役割の異なる人員が必要であり、その体制を構築する。

●運転点と裕度
※概念設計の基本設計段階(2017-2019)より開始。

●オフライン予測
プラズマ運転シナリオシミュレータの開発(J/大、'15-'19)
現在JT-60SAのために開発しているシミュレータを完成させるとともに拡充を図る。

●実時間制御システムの開発
※概念設計の基本設計段階(2017-2019)より開始。

概念設計の基本設計段階(2017-2019)
●理論・既存・海外実験による予測
安定限界の理論的な特性(決定論的確率的振る舞い)(特/J、'17-'19)
理論、既存実験結果から安定限界近傍での時間応答、決定論的振る舞い、確率的振る舞いを同定して、制御対象、運転点・裕度決定等へ反映させる。

炉性能制御量の同定(特/J、'15-'19)
※概念設計の基本設計段階(2015-2016)から継続。

制御実績(手法、成功率等)と応答時間のDB構築 (特/J/N/大、'15-'19)
※概念設計の基本設計段階(2015-2016)から継続。

●実験による検証
遠隔位置磁気計測での平衡精度のシミュレーション (J, '17-'19)
JT-60SAのクライオスタット内側、外側等の炉心から遠い位置に配置され、渦電流の影響を受けるような磁気計測を想定し、平衡解析がどの程度可能かを予測する。

●計測開発
炉設計と整合した計測(種類、数、占有面積体積)の選定(特/J、'17-'19)
原型炉、原型炉環境において許容され、かつ必要な計測を選定する。特に、放射線環境下、限られたポート(面積)で可能なものを選定する。

要開発計測の選定 (特/J/N/大、'16-'18)
※概念設計の基本設計段階(2015-2016)から継続。

新規計測の開発・評価 (N/大/産、'19-'28)
新規計測の開発と評価を組織的に行う。

要試験計測の選定 (特/J、'16-'18)
※概念設計の基本設計段階(2015-2016)から継続

要試験機器のプラズマ試験、照射試験等(J/N/大、'18-'32)
要試験計測の試験を行い、評価する。

開発試験体制の構築 (TF、'16-'18)
※概念設計の基本設計段階(2015-2016)から継続。

照射施設整備、人材育成 (TF/特/J、 '17-'34) 
要試験機器のプラズマ試験、照射試験等の内、特に、照射設備の整備、人材育成は長期に渡ると考えられる、これらを構築、維持する必要がある。

●運転点と裕度
運転点・裕度の仮設定(特、'17-'18)
炉設計から導かれる、運転点・裕度を仮に設定する。

●オフライン予測
プラズマ運転シナリオシミュレータの開発(J/大、'15-'19)
※概念設計の基本設計段階(2015-2016)から継続。

●実時間制御システムの開発
SA用実時間制御開発(J、'17-'19)
JT-60SA用に整備する。

定常(壁)制御(N/C4、'17-'26)
LHD、QUEST等での定常実験において壁制御を行い、リサイクリング、損耗堆積の制御を行い、問題点を洗い出し、対策を検討し、対策する。

学習・推定ツールの開発(J/N/大、'19-'26)
理論、実験等の知識を学習し実時間で状態を推定するツールを作成する。

概念設計段階(2020-2026)
●理論・既存・海外実験による予測
ITER等における計測運用保守実績DB構築(J、'25-'27)
JT-60SA, ITER, LHD等における、計測の運用実績、計測保守実績をまとめる。

ITERにおける燃焼制御実績DB構築(J、'25-'30)
ITERにおける高Q運転での燃焼制御実績等をまとめ、これまで予想しなかった問題点を洗い出す。

●実験による検証
安定限界の種類、特性(決定論的、確率的振る舞い)の検証 (J、'20-'27)
JT-60SAにおいて、理論を検証する。

炉性能制御量の確認 (J、'24-'27)
理論で求められた炉性能制御項目が必要十分であるかを確認する。

遠隔位置磁気計測での平衡精度の検証(J、'20-'24)
コイルなどの時間微分型磁場測定は、放射線環境場でのドリフトにより定常放電では使用できず、ホール素子などの絶対値測定素子を放射線環境の穏やかな遠隔位置に配置し補正する必要がある。そこで、例えば、JT-60SAのクライオスタット内側に配置された磁気計測のみを用いて平衡解析を行った場合の精度、時間応答を確認し、炉心からの距離、構造物による渦電流の有る条件での平衡解析が必要な性能を達成できるかを確認する。

ダイバータ・定常制御検証 (J/N/C3/C4、'20-'26)
定常運転時の壁のリサイクリング、不純物放出、損耗堆積が予測と合うかを検証する。

●計測開発
磁気計測、ダイバータ計測の決定(特、'24-'26)
磁気計測、ダイバータ計測の詳細(種類、個数、設置位置)を決定する。

レーザー、窓、絶対値測定の有無の決定 (特、'24-'26)
原型炉の計測で、レーザー、光学測定用窓、絶対値測定は大きな負荷となる。これらが必須かどうかを判断する。

新規計測の開発・評価 (N/大/産、'19-'28)
※概念設計の基本設計段階(2017-2019)から継続。

要試験機器のプラズマ試験、照射試験等(J/N/大、'18-'32)
※概念設計の基本設計段階(2017-2019)から継続。

計測の寿命評価(特、'22-'26)
実績、試験結果、理論を元に各計測の寿命を評価する。

照射施設整備、人材育成 (TF/特/J、 '17-'34) 
※概念設計の基本設計段階(2017-2019)から継続。

●運転点と裕度
運転点・裕度とコスト(含炉全体、安全)の評価 (特、'24-'31)
炉設計、理論、実績、コスト等を考慮しながら運転点・裕度を評価する。

●オフライン予測
※該当なし。

●実時間制御システムの開発
実時間制御の運用(J、'20-'26)
JT-60SA実験で実績を積みながら、評価する。

第一原理計算、シミュレータ、実時間制御の相互検証と高度化 (J/大、'22-'26)
理論、オフライン制御等の相互検証を行いながら実時間制御を構築していく。

定常(壁)制御(N/C4、'17-'26)
※概念設計の基本設計段階(2017-2019)から継続。

学習・推定ツールの開発(J/N/大、'19-'26)
※概念設計の基本設計段階(2017-2019)から継続。

工学設計段階(2027-2035)
●理論・既存・海外実験による予測
ITERにおける燃焼制御実績DB構築(J、'25-'30)
※概念設計(2020-2027)から継続。

●実験による検証
※該当なし。

●計測開発
計測保守の開発、試行(J、'27-'32)
保守の必要な計測をリストし、保守技術を開発する。

計測の仕様作成(特、'29-'32)
総合的な観点から計測の仕様を作成する

新規計測の開発・評価 (N/大/産、'19-'28)
※概念設計(2020-2027)から継続。

要試験機器のプラズマ試験、照射試験等(J/N/大、'18-'32)
※概念設計(2020-2027)から継続。

照射施設整備、人材育成 (TF/特/J、'17-'34) 
※概念設計(2020-2027)から継続。

●運転点と裕度
運転点・裕度とコスト(含炉全体、安全)の評価 (特、'24-'31)
※概念設計(2020-2027)から継続。

運転点・裕度の決定 (特、'32-'35)
総合的な観点から運転点・裕度を決定する。

●オフライン予測
※該当なし。

●実時間制御システムの開発
統合コード、シミュレータ、実時間制御の相互検証と高度化 (J/大、'27-35)
安定限界近傍だけでなく、炉の性能(Q値、ダイバータ損耗、コスト等)を左右するような制御量の制御を総合的な観点から検証する。ITERにおける高Q放電、JT-60SAにおける高性能放電を対象とする。

実時間制御の性能(精度、成功率等)評価 (特、'27-'35)
ITER、JT-60SAにおける実時間制御実績のDBを構築し、評価する。

実時間制御の仕様作成(特、'32-'35)
総合的な観点から実時間制御の仕様を作成する。
 
12. 社会連携活動

概念設計の基本設計段階(2015-2016)

●OR活動HQ設置
核融合OR活動HQの在り方の検討(TF/特/J/N/F/学、2016年度)
原型炉設計活動を含む国内外の核融合研究開発活動に関するアウトリーチ活動がどうあるべきか、すでに行われている国外の活動および他技術におけるアウトリーチ活動の実績と課題について調査し、我が国で研究機関等が連携して効果的に実施するための新しい組織の在り方についての検討を開始する。

●社会連携活動
核融合エネルギー開発ロードマップ/原型炉設計活動に関する社会連携活動の実施(TF/特、2017-2020年度)
ITER以降の原型炉から実証炉を経て商用炉建設までの、核融合エネルギー開発のロードマップ全体について、世界のエネルギー需要やその他の環境条件なども踏まえたうえでどのような開発計画とすべきかを、科学界、経済界、そして市民など、立場の異なる多様な視点から評価する活動を行う。特に、原型炉設計活動に関して、核融合エネルギーを中軸にもちつつ多様な応用、他分野協働による新しい価値の創造を視野に入れ、研究開発の社会的価値の最大化をめざした社会連携活動を推進する。

概念設計の基本設計段階(2017-2019)

●OR活動HQ設置
核融合OR活動HQの設置(TF/特/J/N/F/学、2017-2019年度)
国内の核融合研究開発活動に関するアウトリーチ(OR)活動の範囲と目標およびロードマップを策定し、それを統括する組織としてのヘッドクォーター(HQ)、および関係機関の協力体制を設計する。そして2019年度末までに必要な組織体制を立ち上げる。

●OR人材育成
OR教育体制およびプログラムの検討(TF/特/J/N/F/学、2018-2019年度)
研究成果のORだけでなく、社会の中の多様な文脈をもつステークホルダーとの対話を推進するための人材育成プログラムのあり方を検討する。

●社会連携活動
核融合エネルギー開発ロードマップ/原型炉設計活動に関する社会連携活動の実施(TF/特、2017-2020年度)
継続

概念設計段階(2020-2026)

●OR活動HQ設置
核融合OR活動の推進(HQ/TF/特/J/N/F/学、2020-2035年度)
国際協力で推進されている核融合の研究開発活動と、その中軸を担いつつ周辺の基礎科学研究を推進する日本の研究開発に関する情報発信を推進する。

●OR人材育成
OR教育の実施(HQ/TF/特/J/N/F/学、2020-2035年度)
アウトリーチおよび社会連携活動を担う人材育成のためのプログラムを、OR活動HQ主導のもと、研究機関が連携して実施する。

●社会連携活動
原型炉建設サイト選定に関する社会連携活動の実施(HQ/TF/特、2020-2026年度)
世界のエネルギー問題と核融合エネルギー開発のロードマップを踏まえた上で、原型炉での実験に日本としてどのようなスタンスで参加すべきなのか、そして建設サイトのあるべき未来像とはどのようなものかについて、異なるステークホルダーが意見を交換することを通じて描いていく。そして国内誘致の場合のサイト選定におけるプロセスのあり方について、合意形成を目指した対話活動を実施する。

工学設計段階(2027-2035)

●OR活動HQ設置
核融合OR活動の推進(HQ/TF/特/J/N/F/学、2020-2035年度)
継続

●OR人材育成
OR教育の実施(HQ/TF/特/J/N/F/学、2020-2035年度)
継続

●社会連携活動
原型炉建設・運転に関する社会連携活動の実施(HQ/TF/特、2027-2035年度)
原型炉の建設・運転中における、成果普及とその後の実証炉建設に向けた、ステークホルダー間の対話を推進する。

13. ヘリカル方式
ヘリカル方式においては、ITER技術を活用して既存技術の延長上で炉設計をおこなうオプションと、革新的な技術を取り入れて炉設計をおこなうオプションを並行して進める。ヘリカル方式の核融合炉の実現に必要な開発研究課題の多くは、基本的にトカマク型原型炉の開発研究課題と共通であり、それらを直接適用することが可能である。トカマク型原型炉の開発研究と相補的に進めることにより、堅牢な核融合開発研究体制の構築に寄与する。

概念設計の基本設計段階(2015-2016)
●ヘリカルプラズマ
ダイバータ部の熱負荷低減と粒子制御(N/大、’15~’25)
シミュレーション研究とLHD実験との比較研究により、ヘリカル装置の周辺磁場構造を考慮して、ダイバータ部への熱負荷低減シナリオおよび粒子排気シナリオを策定する。

輸送特性と高エネルギー粒子の閉じ込め特性(N/大、’15~’25)
輸送特性に及ぼす同位体効果を明らかにするとともに,高エネルギー粒子の閉じ込め特性を調べることによって、核融合炉を想定し得るα加熱特性を実証する。

●炉工学,炉設計
3次元解析によるヘリカル炉の成立性(N/大、’15~’19)
3次元性を考慮した構造解析により、製作および保守交換を考慮したヘリカル炉構造の成立性を示す。また、中性子分布の3次元解析により、合理的なラジアルビルド決定やダイバータへの中性子負荷低減方法を提示し、容器内機器で使用可能な材料とその寿命を明示する。

大型高磁場超伝導ヘリカルマグネットの成立性(N/大、’15~’25)
100kA級導体開発とヘリカル巻線の成立性の提示をするために、低温超伝導体による連続巻線オプションと分割高温超伝導体の機械的接続オプションを並行して検討し、両オプションが炉設計におよぼす影響を明示する。

長寿命液体ブランケットの成立性(N/大、’15~’25)
溶融塩および液体金属流動ループを用いた強磁場環境下の核融合炉模擬条件にて、液体ブランケット実機能の実証研究を行い、発電機能実証も含めた液体ブランケットの成立性を提示する。

低放射化構造材料開発研究(N/大/産、’15~’25)
エネルギー効率向上のため,より高温条件下で使用可能な低放射化材料(構造材)および、ダイバータ機器材料の開発を行い、炉設計へ反映出来るようにする。

高熱流プラズマ対向機器・材料開発研究(N/大/産、’15~’25)
高い熱流束にさらされるダイバータや第一壁といったプラズマ対向機器・材料のプラズマ照射下挙動を、LHDや熱負荷試験装置を用いて調べ、機器の機能や寿命およびプラズマ壁相互作用を明らかにし、炉設計やプラズマ制御シナリオに反映出来るようにする。

ヘリカル炉概念設計(N/大、’15~’25)
装置建設工程や容器内機器の遠隔保守方式も含めて、成立可能なヘリカル炉の概念設計を提示する。

●数値実験炉
物理素過程のシミュレーション(N/大/J、’15~’25)
プラズマ挙動を支配する物理素過程を記述出来る数値モデルを作成し、プラズマ実験や理論との比較により、数値モデルの正当性・適応性を検証する。

複合物理結合・階層間結合シミュレーション(N/大/J、’15~’25)
ミクロとマクロを結合する階層結合モデル、コア周辺結合モデル、物理要素間結合モデルを構築する。第1原理シミュレーションと半経験的なコードのギャップ無くし、より信頼性のあるシミュレーションコード体系への改良を行う。

概念設計の基本設計段階(2017-2019)
●ヘリカルプラズマ
高性能プラズマの実証(N/大、’17~’21)
ヘリカル方式の核融合炉を見通せる高温・高密度プラズマを用いた閉じ込め研究を行い、無次元量を基準として、核融合炉に外挿し得る高性能プラズマを実証する。

ダイバータ部の熱負荷低減と粒子制御(N/大、’15~’25)
概念設計の基本設計段階(2015-2017)から継続

輸送特性と高エネルギー粒子の閉じ込め特性(N/大、’15~’25)
概念設計の基本設計段階(2015-2017)から継続

●炉工学、炉設計
3次元解析によるヘリカル炉の成立性(N/大、’15~’19)
概念設計の基本設計段階(2015-2017)から継続

大型高磁場超伝導ヘリカルマグネットの成立性(N/大、’15~’25)
概念設計の基本設計段階(2015-2017)から継続

長寿命液体ブランケットの成立性(N/大、’15~’25)
概念設計の基本設計段階(2015-2017)から継続

低放射化構造材料開発研究(N/大/産、’15~’25)
概念設計の基本設計段階(2015-2017)から継続

高熱流プラズマ対向機器・材料開発研究(N/大/産、’15~’25)
概念設計の基本設計段階(2015-2017)から継続

ヘリカル炉概念設計(N/大、’15~’25)
概念設計の基本設計段階(2015-2017)から継続

●数値実験炉
物理素過程のシミュレーション(N/大/J、’15~’25)
概念設計の基本設計段階(2015-2017)から継続

複合物理結合・階層間結合シミュレーション(N/大/J、’15~’25)
概念設計の基本設計段階(2015-2017)から継続

概念設計段階(2020-2026)
●ヘリカルプラズマ
定常運転の実証とプラズマ壁相互作用(N/大/J、’22~’25)
長時間放電を用いて定常プラズマの運転制御手法を開発するとともに、プラズマ壁相互作用の制御法を確立する。プラズマ壁相互作用の制御には、使用している壁材料と壁温度が大きく影響することを考慮する必要がある。

高性能プラズマの実証(N/大、’17~’21)
概念設計の基本設計段階(2017-2020)から継続

ダイバータ部の熱負荷低減と粒子制御(N/大、’15~’25)
概念設計の基本設計段階(2015-2017)から継続

輸送特性と高エネルギー粒子の閉じ込め特性(N/大、’15~’25)
概念設計の基本設計段階(2015-2017)から継続

●炉工学、炉設計
大型高磁場超伝導ヘリカルマグネットの成立性(N/大、’15~’25)
概念設計の基本設計段階(2015-2017)から継続

長寿命液体ブランケットの成立性(N/大、’15~’25)
概念設計の基本設計段階(2015-2017)から継続

低放射化構造材料開発研究(N/大/産、’15~’25)
概念設計の基本設計段階(2015-2017)から継続

高熱流プラズマ対向機器・材料開発研究(N/大/産、’15~’25)
概念設計の基本設計段階(2015-2017)から継続

ヘリカル炉概念設計(N/大、’15~’25)
概念設計の基本設計段階(2015-2017)から継続

●数値実験炉
数値実験炉構築(N/大、’20~’30)
コアプラズマからプラズマ対向材料までを対象とし、ミクロからマクロまでの各階層の物理要素や階層間相互作用の物理を含んだ統合シミュレーションコード体系(数値実験炉)を構築し、理論・実験による検証を行うことにより、ヘリカル方式核融合炉における燃焼プラズマ運転への予測性の高い外挿を行う。

物理素過程のシミュレーション(N/大/J、’15~’25)
概念設計の基本設計段階(2015-2017)から継続

複合物理結合・階層間結合シミュレーション(N/大/J、’15~’25)
概念設計の基本設計段階(2015-2017)から継続

工学設計段階(2027-2035)
●ヘリカルプラズマ

●炉工学、炉設計
ヘリカル炉工学設計(N/大/産、’27~’35)
LHD実験と数値実験炉の成果から燃焼プラズマ運転シナリオを確定し、ヘリカル炉概念設計を基に工学設計を行う。

●数値実験炉
数値実験炉構築(N/大、’20~’30)
概念設計段階から継続

14. レーザー方式
原型炉と共通の開発項目 (2015-2030)
壁・プラズマ相互作用の総合的理解(C1/大/N、'15~'27)
熱負荷や中性子負荷を受けた材料の特性や損耗過程をポンプ-プローブ法を活用して計測し、シミュレーション結果と比較しながら、物質とプラズマの境界領域の物理を体系化する。ダイバータシミュレーションコード及び原子分子過程、プラズマ壁相互作用のモデルの高精度化に貢献する。装置としては、国内外の大型レーザー装置を活用する。

液体金属壁開発(C1/大/N、'15~'29)
レーザー方式原型炉ではコンパクトな炉を指向して、リチウム-鉛を用いた液体金属壁を採用する。液体金属流に関する研究は、原型炉開発においても先進ブランケットや先進ダイバータとしての活用も期待される。現在は、レイノルズ数を合わせた水による模擬実験が行われている。レーザー方式の原型炉に必要な20cm厚の液体壁の形成、リチウム-鉛の循環方法(耐腐食ポンプ等)を開発する.
  
大量ペレット製造技術(C1/N/大/産、'15~'28)
プラズマへの燃料供給に用いる重水素-三重水素アイス・ペレットの生産及び検査選別の自動化を伴うペレット製造装置の設計を行い、燃料ペレットの大量生産に関する見通しをつける。また、製造したペレットを入射装置に送り込む部分に関してもトリチウム漏洩を考慮した設計を行う。重水素-三重水素ペレットの大量生産技術は、レーザー炉にとって重要な技術であると共に、要求される精度は異なるがトカマク型及びヘリカル型の原型炉の定常運転の燃料供給にも必要な技術である。

ペレット入射技術(C1/N/大/産、'15~'28)
レーザー型原型炉においては、16Hzの燃料ペレット供給が必要である。現在、模擬ペレットを入射装置が製作され、実験が進められている。この装置で得られた成果を元に、繰り返し工学試験及び原型炉に向けた装置の設計を行う。トカマク型及びヘリカル型の原型炉においても、ペレットの入射技術は必須である。

トリチウムの貯蔵・ハンドリング技術(C1/N/大/J、'15~'28)
遺漏を考慮したトリチウムの貯蔵、供給、回収系の概念設計を行い、その後詳細設計を行う。試験装置を製造し、その動作を確認する。

過酷環境下における計測技術(C1/N/大、'15~'28)
レーザー核融合プラズマからはパルス状のX線、ガンマ線、中性子線が放射され、計測器やセンサーにノイズを与え、装置が誤動作させている。原型炉で想定される過酷環境をレーザーを使って再現することで、原型炉の計装の開発に資することが出来る。

参考資料
レーザー炉独自の研究開発項目
炉心プラズマ実験(C1/N/大、'15~'27)
高速点火方式による高密度プラズマの加熱実証を目指したFIREX-Iで導入したスキームの自己点火への外挿性を実験及びシミュレーションで適切に評価した上で、高速点火方式による自己点火を目指した実験FIREX-IIを、国際連携を視野に推進する。

炉心プラズマ設計(C1/N/大、'15~'29) 
実験でベンチマークされたシミュレーションを用いて、FIREX-I実験の成果をベースに、自己点火、更に高利得へ向けた炉心プラズマの設計を行う。不確定な物理については、FIREX-I及びFIREX-IIの中で要素実験を行い解決していく。

繰り返し炉工試験装置(C1/N/大/産、’15~’29)
レーザー核融合においては、炉心プラズマの理解を優先し、今日までシングルショットの実験装置が建設されてきた。原型炉の為には、繰り返しレーザー照射を実現するための工学試験装置を建設する必要がある。繰り返し炉工試験装置では、ペレットの連続供給、ペレットとの追尾と、ペレットへのレーザーの連続照射を行い、レーザー炉に必要な工学的妥当性を検証する。

20kJ/10Hzレーザー開発(C1/大/産/JW/N、'15~'28)
YAG透明セラミックス製造技術、ファイバーレーザー発振器、増幅器、アクティブミラー方式を採用したLD励起固体レーザー増幅器、冷却Yb系材料による高効率化、高効率な高次高調波発生技術などを組み合わせ、レーザー型原型炉のモジュールとなる20kJ/10Hzクラスのレーザーを開発し、繰り返し工学試験に利用する。繰り返し工学試験の結果を見て、原型炉に向けた詳細設計を行う。耐放射線に優れ、ダメージを起こしにくい、大型の光学素子についても、合わせて研究を行う。

ペレット追尾装置(C1/大/N、'15~'28)
ペレット追尾に関しては、位相共役鏡を用いたパッシブな方法と、受像センサーとピエゾ駆動ミラーを組み合わせたアクティブな方法が検討されている。それぞれについて、実際にレーザー原型炉レベルに適用可能かどうかを見極めた上で、高繰り返し工学試験への導入に向けた装置の設計を行う。

レーザー原型炉設計(C1/大/N/産、'29~)
炉心プラズマ実験、高利得プラズマ設計、繰り返し工学試験、液体金属壁開発等の成果を踏まえ、2029年以降に全体を統合したシステム設計を行う。


お問合せ先

研究開発戦略官付(核融合・原子力国際協力担当)

八木
電話番号:03-6734-4163
ファクシミリ番号:03-6734-4164

(研究開発戦略官付(核融合・原子力国際協力担当))

-- 登録:平成28年03月 --