原子力科学技術委員会 核不拡散・核セキュリティ作業部会(第25回) 議事要旨

1.日時

令和5年12月18日(月曜日) 15時00分~17時00分

2.場所

オンライン会議にて開催

3.議題

   1.核不拡散・核セキュリティ作業部会の設置について
   2.核不拡散・核セキュリティに関する最近の動向について
   3.JAEA/ISCNにおける技術開発・人材育成等の取組状況について
   4.今期の主な論点について
 

4.議事要旨

【小畠補佐】  定刻となりましたので、ただいまより第25回核不拡散核セキュリティ作業部会を開催したいと思います。本日はご多忙にも関わらず、ご出席いただきまして誠にありがとうございます。今回の作業部会におきましては、オンラインにて開催いたします。これに関連した確認事項がございますので、議事に入る前まで、事務局にて進めさせていただきます。
まず、オンラインの開催に際しての留意事項を4点ご説明いたします。一点目です。委員の皆様におかれましては、現在遠隔会議システム、この上で映像および音声が送受信できる状態となっています。ご発言される場合は、挙手ボタンを押していただくと挙手のマークが表示されます。順番に事務局より指名いたします。もう一度ボタンを押すと、挙手マークが消えますので、ご発言をいただいた後は挙手ボタンを押して手を下ろしてください。二つ目です。会議中にビデオ映像および音声が途切れている場合、その時間帯はご退席されているものとみなします。遠隔会議システムの接続の不具合等が生じた際は、随時、事務局宛にお電話にてお知らせください。3、傍聴される方におかれましては、ビデオ映像および音声をオフとしてください。議事進行の妨げとなる行為を確認した場合は、遠隔会議システムからご退席いただきます。4、議事録につきましては、事務局にて会議を録音し、後日議事録を作成いたします。事務局以外の会議の録音録画および録音はお控えください。差し支えなければ委員の方は画面オンにしていただければと思います。以上が本日の進行に当たっての留意事項となります。
続きまして令和5年2月より作業部会の上位の委員会にあたります、科学技術学術審議会におきまして、第11期から第12期へと期が変わりました。第12期におきましても、作業部会の親委員会にあたります原子力科学技術委員会の主査から指名を受け、出町委員に本作業部会における主査を務めていただくことになりましたので、よろしくお願いいたします。
続きまして、本作業部会の委員としてご就任いただきました皆様についてご紹介させていただきます。リストを表示してください。1-3です。東京大学大学院工学系研究科准教授、出町和之委員。よろしくお願いします。
 
【出町主査】  よろしくお願いします。
 
【小畠補佐】  フリージャーナリスト、葛西賀子委員。本日はご欠席です。続きまして同志社大学大学院ビジネス研究科教授、井上福子委員よろしくお願いします。一般社団法人日本電機工業会原子力部事務長、小澤隆委員、よろしくお願いします。
 
【小澤委員】  よろしくお願いします。
 
【小畠補佐】  一般社団法人日本原子力産業協会企画部課長、上田欽一委員、よろしくお願いします。
 
【上田委員】  よろしくお願いいたします。
 
【小畠補佐】  東北大学大学院工学研究科教授、高橋信委員、よろしくお願いします。
 
【高橋委員】  よろしくお願いします。
 
【小畠補佐】  電気事業連合会原子力部長、中熊哲弘委員、本日はご欠席です。京都大学複合原子力科学研究所教授、黒﨑健委員、本日はご欠席です。公益財団法人原子力環境整備促進資金管理センター企画部長調査役、布目礼子委員、よろしくお願いいたします。
 
【布目委員】  よろしくお願いいたします。
 
【小畠補佐】  委員の皆様どうぞよろしくお願いいたします。本日の議題はお手元の議事次第に書かれている通り、1番、核不拡散・核セキュリティ作業部会の設置について。2番、最近の動向について。3番、JAEA、ISCNにおける技術開発、人材育成等の取り組み状況について。4番、今期の主な論点についてとなっています。
最後に、事務局より本日の定足状況と配付資料の確認をいたします。本日は全9名の委員のうち6名にご出席いただいていますので、定足数である過半数を満たしています。なお、事務局として文部科学省からは、奥原子力課長、河原企画官、室長補佐の私、小畠が出席しています。
続いて本日の配布資料ですが、今回は委員の皆様および傍聴の登録をされた方宛てに、事前にメールにて配布資料をお送りさせていただいています。会議中、遠隔会議システム上でも資料を表示いたします。配布資料の方を表示してください。本日の配付資料にあります。資料1-1が、科学技術・学術審議会、研究計画・評価分科会、原子力科学技術委員会における作業部会について。資料1-2が、部会の概要。資料1-3が委員名簿。資料1-4が運営規則。資料2が、核不拡散・核セキュリティに関する最近の動向について。資料3が、JAEA、ISCNにおける技術開発、人材育成等の取り組み状況について。資料4-1が今期の主な論点案。資料4-2が原子力施設の核セキュリティ強化、新たな脅威とBDBTへの対策になります。資料の欠落等がありましたら、事務局までお知らせください。また議事の途中でもお気づきの点がございましたらお申し付けください。
それではこれから議事に入りますが、運営規則第5条、会議の公開の規定に基づき、本会議および会議資料は公開といたします。また同規則第6条に基づき、本日の議事録につきましても、後日ホームページに掲載いたします。事務局からは以上でございます。ここからの進行は出町主査にお願いしたいと思います。それではよろしくお願いいたします。
 
【出町主査】  承知いたしました、よろしくお願いいたします。委員の先生方は本日大変ご多忙の中、時間をとってご出席いただきまして誠にありがとうございます。本日はこの第12期の最初の作業部会となりますので、ぜひともどうぞよろしくお願いいたします。
それでは本日の議題に入らせていただきます。まず議題の1ですね。核不拡散・核セキュリティ作業部会の設置について、事務局の方からご説明をお願いいたします。
 
【小畠補佐】  承知しました。それでは事務局より資料1-1から1-4まで説明したいと思います。まず資料の1-1を表示ください。こちらが原子力科学技術委員会における作業部会についてという資料でして、令和5年5月11日に原子力科学技術委員会で決定されたものです。この委員会の運営規則に基づきまして、次の作業部会を設置することが示されています。一番下の赤で囲ってあるところ、こちらが核不拡散・核セキュリティ作業部会の内容でして、調査検討事項としましては核不拡散・核セキュリティ体制強化に必要な研究課題、研究開発課題や人材育成手法、その他諸課題について調査検討を行うものとしています。
続きまして資料の1-2に移ります。こちらは作業部会の概要についてです。この部会設置の目的ですが、これまで蓄積してきた経験や高度な研究開発、人材育成を通じまして、国際的な核不拡散・核セキュリティ強化に貢献すべく、関連の施策を講じてまいりました。近年、その体制強化に向けた世界的な流れが加速しています。その中で、この体制を強化する上で必要な我が国の政策について引き続き検討を行うという必要が指摘されています。そこで、2番の主な検討事項としまして、核不拡散・核セキュリティ体制強化に必要な研究開発の方向性。そして2番が人材育成の方向性。3番が諸課題についてというところが検討課題になっています。参考の委員会の成立条件としましては作業部会に属する委員等の過半数の出席ということを要件としています。
続きまして資料の1-3、こちら委員名簿ですので割愛します。
最後に1-4の資料になります。こちら運営規則になります。第1条の趣旨に示されていますように、委員会の運営につきましては、この規制規則の定めるところによります。第2条は作業部会の運営として役割分担が規定されています。続きまして第3条は、議事過半数以上の出席で、会議を開くことができるということと、情報通信機器を使って参加が可能であるということが示されています。第4条は書面による審議、第5条は、会議の公開で第6条は議事録でして議事録を作成して公表するところが示されています。第7条として雑則が入っています。以上が運営規則となります。以上、資料1から1-1から1-4までの説明でございました。
 
【出町主査】  ご説明いただきまして誠にありがとうございます。まず委員の先生の皆様方からご質問ご意見等ございましたら、ぜひよろしくお願いいたします。先ほどご説明の中にありましたけど、この作業部会の目的は核不拡散・核セキュリティに関するその研究開発および人材育成、その他諸々の方向性を議論する場でございます。改めましてどうぞよろしくお願いいたします。よろしいですか。ではもし後でまたお気づきの点ありましたらぜひお願いいたします。
では次に2番目の議題に移りたいと思います。議題2の核不拡散・核セキュリティに関する最近の動向について事務局の方からご説明いただければと思います。本日ですとこの第12期の初回ですので、資料2を使って事務局さんからご説明いただいて最近の核不拡散の論点に関する検討の足がかりに、委員の皆様の意見を明らかにしていただければと思います。この資料を使って事務局さんからご説明いただいた後に委員の先生方からご質問とかご意見、また討論を伺いたいと思います。よろしいでしょうか。事務局さんよろしくお願いいたします。
 
【河原企画官】  出町主査、ありがとうございます。それでは、核不拡散核セキュリティに関する最近の動向について、ご説明をさせていただきます。
文部科学省で原子力の国際担当の企画官をしています、河原です。どうぞよろしくお願いいたします。資料2をご覧ください。めくって1ページ目でありますけれども、まずこれまでの核不拡散・核セキュリティに関する取り組みの状況といたしまして、核セキュリティサミットの関連として、2001年の9月に発生しました米国の同時多発テロ以降、テロ対策の見直しと、その取り組みの強化が求められてまいりました。2009年4月に当時のオバマ大統領が核セキュリティサミットを提唱いたしまして、翌年2010年4月に第1回目のサミットが開催をされまして我が国の取り組みとして、核不拡散・核セキュリティ総合支援センターの設置、また核物質の検知、監視技術の確立、共有を表明したところであります。2016年には第4回のサミットが開催されておりまして、その中で日米共同宣言が出されています。この中には、例えば②にありますように、京都大学KUCAの低濃縮化であるとか、濃縮ウラン燃料の米国への撤去。それから③にあるようにISCNのセンターが、特にアジア地域において核セキュリティ強化のための人材育成を行う主導的な拠点としての役割を果たすというようなことが述べられています。
続いて2ページ目の右上ですけれども、日米の首脳会談の場でもこれは昨年開かれたものですけれども、世界規模で高濃縮ウランの保有量を最小化するということで、これを共通の目標としまして東京大学の弥生、それから、その他の国内研究炉の全ての高濃縮ウランのアメリカへの返還などが述べられています。また左下にあります同じ2022年、昨年開かれたIAEA総会におきまして高市内閣府大臣の方から、国際社会の脅威となり得る核物質の最小化に積極的に取り組んでいくこと、また併せて、近畿大学の原子炉の高温濃縮ウラン燃料の撤去および低濃縮化を実施することを決定したという旨を表明しています。
3ページ目ですけれども、最近の国際動向としまして、まず核セキュリティに関しては、ロシアによるウクライナ原子力施設に対する軍事攻撃に起因しまして、原子力施設に対する核セキュリティ強化の必要性が高まっています。特にこれまでの想定を超えるような脅威への対応が課題となっています。またIAEAの方でも、核セキュリティの重要性は繰り返し発表していますし、また今年の5月に開かれたG7のコミュニティにおいても、国際的な核セキュリティの強化が要請されています。またサイバーやドローン、AIといった新しい技術の進展を踏まえて核セキュリティの観点でも新たな脅威が増大しているというような状況にございます。また核不拡散の観点では、1ポツにありますようにロシアのCTBTの批准撤回など、NPT体制の信頼は揺るがされているというような状況にございます。下のところを今後の方向性として書いていますけれども、まず核セキュリティサミットや首脳会談を踏まえた取り組みとしまして、大学などの高濃縮ウランの撤去、それから低濃縮化に向けた取り組みを引き続き推進してということ、またISCNについては、2021年の10月にIAEAの協働センターに指定されていますけれども、引き続き、特にアジア地域における核セキュリティ強化の中核的な拠点としまして、その機能を強化していく必要があるだろうと考えています。また今後必要となる取り組みとしましては、アメリカやIAEAなどとの連携によります技術開発、人材育成の取り組みの強化、また国際情勢や技術的な進展を踏まえた新しいニーズへの対応、あわせて研究開発成果の実用化へのメッセージの明確化などが必要と考えています。
続いて4ページ目ですけれども、これは核セキュリティ関係の関連予算の概算要求の状況ということで、文字が小さいですけれども、文科省の補助金として5億強を支出しておりまして、その中でISCNを通じた、米国などとも連携しながら、アジア諸国を中心とした人材育成であるとか、核セキュリティ高度化に関わる技術開発を実施しています。また併せて、日米合意に基づく核燃料物質の撤去、あるいは低濃縮化の支援、こういった取り組みをしてございます。左側には人材育成が書いておりまして、その中ではアジア向けのトレーニングコース、あるいは研修を実施するための設備の整備であるとか、あるいは右側の技術開発に関しては、中性子の非破壊測定、それから核物質魅力度評価に関わる研究それから核放射性物質の検知技術の開発といったものに取り組んでいますし、また核監視技術に関しては、来年度からアメリカとの共同研究のためのプルトニウムの核監視技術開発の実施というものを新しく盛り込んでいます。下の方には、核燃料物質の撤去、低濃縮の支援とありますけれども、ここは主として近畿大学の有する高濃縮ウランの撤去に関わる部分でありまして、令和4年の昨年の9月に日米間で、濃縮ウランの撤去と低濃縮化を政府間で合意しておりまして、それを踏まえて、その計画の具体化、調査研究を実施する予定となっています。
それから次のページ、5ページ目については、これはISCNの設備整備について昨年の補正予算で措置をしています。核物質防護実習フィールドの拡充ということで、国内外での原子力施設へのサイバー攻撃の多発であるとか、そちらによるウクライナ侵攻等を契機としまして、核物質防護フィールドの機能強化が急務であるという問題意識のもとで、サイバーセキュリティなどの新規トレーニングの開発提供であるとか、新たな脅威に対応するための机上演習を実施するための設備の整備に係る経費を措置しています。
次のページ、6ページ目ですけれども、国際機関との協力ということで左側がIAEAの関係ですが、IAEAの核セキュリティ局に拠出金を文科省から出しておりまして、核セキュリティに関する活動調査検討のためにこの拠出金を活用しまして、昨年今年の7月から我が国の専門家、ISCNの職員ですけれども、コストフリーエキスパートとして1名、IAEAに派遣をしています。その中で例えば各国における核セキュリティ分野における人材育成プログラムの支援ですとか、トレーニングコースワークショップの企画立案、それからIAEAが策定するガイダンス文書の作成などにあたっています。また右側はアジア原子力協力フォーラムFNCAという我が国が主導する原子力平和利用の枠組みを活用しまして、2011年から核セキュリティ保障措置プロジェクトが開始をされておりましてワークショップを定期的に開催しています。この中では核監視に関する机上訓練であるとか、FNCAへの参加国やIAEA欧州委員会などとも連携する形で、核セキュリティに関するワークショップを開催しています。それから次の7ページ目はバイの協力の枠組みとしまして、民生用原子力協力に関する日米二国間委員会というものがありまして、そのもとに核セキュリティワーキンググループを設置しています。このワーキンググループについては2011年に開催して以降12回、これまで開催をしてございます。次のページ、8ページ目は、その核セキュリティ作業グループの主な協力分野ということで赤字の箇所が文部科学省の関連活動ということですが、例えば①にはISCNでの協力。それからがゴール2には、核不拡散に関わる技術の研究開発。それからゴール6は濃縮ウランの利用を低減するための原子炉の転換や低濃縮化、またゴール9には高濃縮ウランプルトニウムの管理に関わる共同研究などが挙げられています。今年のワーキンググループにおきまして、この既存の11のゴールに加えて3つ新しいゴールが設定されておりまして、関係省庁の中でその体制を検討しているという状況でございます。
次のページ、9ページ目ですが直近の会合、2023年8月にアメリカで開催されていまして、日本側は外務省の審議官をヘッドとして、文部科学省やISCNからも参画をしています。文科省が関係する項目につきましては、例えばゴール1については、DOEとの協力をさらに進化させて、ISCNにおけるトレーニングコース、キャパシティビルディングアウトリーチ活動などを安定的に展開すること。それからゴール   2に関しては、プルトニウムの核鑑識に関わる共同研究など新規のプロジェクトを立ち上げて、日米間で協力して、データベースの拡充、核鑑識の技術能力向上のための研究開発を共同で進めること。それからゴール6に関しては、京都大学のKUCAの低濃縮ウランへの転換。それからJAEAのJMTRCなどの高濃縮ウランのアメリカへの輸送に引き続き取り組んでいくこと。また併せて、核拡散抵抗性の研究や、Pro-Xといった新しいテーマが追加になっています。Pro-Xというのは小さいですけれども注意書きで書いていますが、これはNNSAの取り組みの一環でありまして、試験研究炉の設計段階でデザインバイセーフガードの考えを炉心設計に入れ込みまして、運転中のプルトニウムの発生の抑制であるとか、コスト低減システムの最適化を図るものであります。既に韓国・アルゼンチン・ナイジェリアといった国の研究所との間で、アメリカが協力関係を構築しているというものです。またゴール9には、原子力施設の妨害破壊行為のリスク評価研究に取り組んでいくことなどを確認しています。
最後に10ページ目ですけれども、以上のこれまでの取り組みですとか国際的な状況を踏まえまして、今期中の部会における主な論点の案を事務局の方で整理したものであります。大きく三つ項目挙げておりまして、研究開発、それから人材育成の方向性、またその他の諸課題ということで、いくつか論点の案を記載してございます。これらの論点につきましては、この後のISCNからの説明も伺った上で、最後の議題4のところで改めてご説明をして、委員の皆様からもご意見を頂戴できればと考えています。私からの説明は以上です。
 
【出町主査】  詳細にご説明いただきまして誠にありがとうございます。この最後のページで、後ほどISCNからのご報告も踏まえた上で、最後に第11期の主な論点につきまして、委員の先生方と活発な議論を行いたいと思います。それも含めましてただいまのご説明につきまして、皆様からご質問等ございましたらお受けしたいと思います。もしご質問ございましたら機能の挙手をお使いいただければと思います。また後ほどISCNからのご説明も含めまして出てくるかもしれませんので、一旦ここではご質問なしということで、次の議題に移りたいと思います。よろしいでしょうか。
 
【井上委員】  井上です。ご説明の中でコストフリーエキスパート派遣、IAEAへの派遣ということで1年間ということですけれども、これは例えば延長とかいうことは考えておられるのかが質問です。1年では少し短いのではないかなという印象がありまして、その辺りの考え方等々、まずは1年ということなのか。それとも1年限りなのかっていうところも、ご存知のことがありましたらお知らせいただきたいなというふうに思います。以上です。
 
【河原企画官】  井上先生、ご質問ありがとうございます。6ページ名でご説明したIAEAの件につきましては、1年の任期というわけでもなくて、あるいは3年とかそういった形で派遣をしてございます。
 
【井上委員】  わかりました。
 
【河原企画官】  予算は毎年それに。
 
【井上委員】  毎年ということですね。了解しました。ありがとうございます。明確になりました。
 
【出町主査】  井上先生、誠にありがとうございます。その他いかがでございましょう。私1個だけいいですか。変な話をしますけども、アメリカ日本、各国と教育をしていて、例えば一つの今後のその課題としてサイバーとかAIとかドローンとかいうのがあがったと思います。ただガチガチに考えたそのサイバーとかテロとかAIとかドローンっていうのはどちらかというと妨害破壊行為的なものです。とはいえ何かどちらかっていうと今、協力しましょうって言っているのはどちらかというと核不拡散とあと核物質盗取・防護の話がやはりメインで、その妨害破壊行為的な感じが出てこない。サイバー、ドローンとか何か出てこないのでちぐはぐなのかなと。日本のではなく、国際的な動向がです。以上でございます。
また後ほどこれ議題の4でお話しさせていただきますのでよろしくお願いいたします。
 
【河原企画官】  現状十分取り込んでくれてないところをこれから強化していくという観点も必要かなと思います。ISCN側で今どういうことを具体に取り組んでいるか確認していただいた上でまた改めてご議論いただければと思います。
 
【出町主査】  はい、承知いたしました。その他いかがでございましょうか。
よろしければでは次の課題3の今お話出ましたISCNさんです。
 
【小畠補佐】  上田先生が手を挙げてらっしゃいませんか。
 
【出町主査】  すいません、失礼いたします。誰先生ですか。
 
【上田委員】  上田です、よろしいでしょうか。
 
【出町主査】  お願いいたします、すみません。
 
【上田委員】  質問ですけれども、6ページのところにFNCAの枠組みの中で、核セキュリティに関するワークショップという開催されているとあります。FNCAの参加国はほとんどの国が原子力発電を持っていない国と認識しています。このワークショップの内容につきましては原子力発電所に対する核セキュリティというよりは、放射性物質に係る核セキュリティということに焦点を置かれているのでしょうか。質問以上です。
 
【出町主査】いかがでございましょう。
 
【小畠補佐】  事務局の小畠でございます。ご指摘ご発言の通りでございます。ご指摘のように原子力発電所を構えていない国に対しても、セキュリティに関する訓練のニーズがございまして、放射性物質を対象とした何か危機的なところに対して訓練を行うといった内容になってございます。
 
【上田委員】  はい、ありがとうございました。
 
【出町主査】  ただインドネシアは一応研究炉とか持っていますね。そういう意味でも、セキュリティのニーズはあると思います。
 
【河原企画官】  そうですね。あとフィリピンなんかは新しく発電を導入しようという動きもありますので、必ずしも放射線に限らず、広く核セキュリティについてはトレーニングできる体制にはなっています。
 
【出町主査】  ありがとうございます。その他いかがでございましょう。では委員の先生方ありがとうございます。では次の課題に移ってよろしいでしょうか。
課題3でJAEA、ISCNの技術開発人材育成等の取り組み状況についてご説明いただければと思います。本日、国立研究開発法人日本原子力研究開発機構 核不拡散核関総合支援センターISCNのセンター長でいらっしゃる堀様にご参加いただいていますので、このISCNにおきます技術開発人材育成等の取り組みの状況につきまして、この資料を使ってご説明いただきたいと思います。ご説明いただいた後、委員の先生方からご意見、ご質問等をお伺いしたいと思います。よろしいでしょうか。堀センター長、よろしいでしょうか、ご説明いただいて。
 
【堀センター長】  出町先生、ご紹介ありがとうございます。ISCNのセンター長をしております堀です。それでは資料3を使いまして、我々の技術開発・人材育成の取組み。それから、核セキュリティ補助事業ではないですが、3で書いてあります核拡散政策研究、4番目の理解増進、国際貢献、大学連携を紹介させていただいて、令和5年、6年度の事業計画のハイライトについて紹介いたします。
まず技術開発について説明しますと、先ほど河原企画官からご説明ありました通り、2010年の核セキュリティサミットを受けて我々の活動を行っています。技術開発につきましては、核検知と核鑑識技術開発を行うということで、文科省の原子力科学委員会と核セキュリティ作業部会での審議を踏まえて、我々の技術開発を行っています。2015年には中間評価を受けて、2016年の核セキュリティサミット終了後の技術的課題につきましては、その時々の国際機関等のニーズ、あるいは核セキュリティ作業部会で議論が行われました俯瞰図とか、あるいは技術シンポジウム、ワークショップで得られた情報に基づいて技術開発を展開しています。
基本的な考え方としましては、原子力機構が持つ施設、あるいは核物質・放射性物質を活用するということ、それからの知見・経験・基盤技術も活用するということ、それからニーズを特定して実施するということ、そして国際機関や国際パートナーと協力しながら進めるというのが基本的考え方です。
これが技術開発の全体像でして、時間もありませんので要点だけこれから説明させていただきます。核鑑識技術開発、それからアクティブ中性子法の技術開発、そして核セキュリティ事象における魅力度評価手法、広域かつ迅速な核放射性物質の検知技術開発という順番で説明していきます。
まず核鑑識技術開発ですが、核鑑識技術開発は警察が押収した物質の出所とか、それがいつ作られたものかを特定する技術です。それによって核テロを抑止するというものです。当初我々は基本的な核鑑識技術開発の技術整備を行っておりましたが、現在、2019年から2023年の黄色でハイライトされている部分ですけど、革新的な核鑑識技術ということで世界に先行するような核鑑識技術開発をするということで、人工知能を使った研究であるとかオートラジオグラフィーを使ったものであるとか、あるいはウラン鉱石のSignature研究というものをやっています。それと核放射線テロ事象前後の包括的な核鑑識技術開発も行っています。
今後の方向としましては、その下の3と4で書いてあるところでして、社会実装に向けてさらに技術開発を進めること、人工知能によるシグネチャー解析システムの開発、あと4番にもありますけど、プルトニウムの核鑑識にも現在着手し始めたところです。将来の目標としまして、こういった核鑑識技術開発を通じてテロで押収されたものを速やかに出所とかを特定して警察の捜査に役立つこと、それによって核テロのリスクが減って安全が確保されるということに貢献していきたいと考えています。
アクティブ中性子の非破壊分析技術開発ですが、二つあります。一つが実装型遅発ガンマ線分析測定システム開発で、これは例えば再処理施設などで高線量の核物質等の検認作業を行いますが、それを効率化する観点、それから非破壊測定ですので廃棄物を減らせるという、その二つのために開発しているシステムです。核物質に中性子を照射して微量の核分裂を起こさせて、それで出てきた核分裂生成物が崩壊する際に出てくる遅発ガンマ線を測定する、それによって、核物質中のウランとかプルトニウムといった核分裂性核種の比を求める技術になります。今まで中性子を効率的に照射する中性子発生源や、装置の材料とかを検討するためのシミュレーションを行ってきまして、現在は実用化のための試験装置を製作しまして、今その試験を行いつつあります。将来はこういった装置が例えば再処理施設とか、あるいは次世代革新炉とかで応用できればいいと考えています。
もう一つのアクティブ中性子法ですが、アクティブ中性子非破壊共鳴分析技術を開発しています。下の図の真ん中辺にDDA・PGA・NRTA試験装置というのがあります。このような統合型装置をこれまで開発してきて、これが完成して試験の結果を得られたということで、次のステップとしまして、中性子飛行時間、タイムオブフライト(TOF)測定法を用いる中性子共鳴非破壊分析技術開発を進めています。一つは中性子共鳴核分裂中性子分析(NRFNA)という方法について、この技術を確立すること。それからもう一つが従来開発してきたNRTA、中性子共鳴透過分析に加えまして、中性子共鳴捕獲分析(NRCA)、これらを組み合わせて精度を高めることを考えて実施しています。それで将来的には例えば福島のデブリを測定できたり、あるいは他の分野、例えば核鑑識とかにもこの技術は応用できると考えています。
それから魅力度評価ですが、これは核セキュリティ事象に対する核物質の脆弱性評価手法を向上させること、あるいは核セキュリティ措置の最適化を目指すための新しい手法でして先ほど紹介ありました日米NSWGのもとで共同研究として行っています。原子力施設に対する核セキュリティ上の脅威として、盗取、盗んで核爆発装置を作る、あるいは放射性物質を盗んでダーティボムのような放射線飛散装置を作るというのがあります。それとサボタージュも組み合わせて、それらのリスクを評価する手法を開発するというものです。今まで盗取の部分については評価手法ができておりまして、報告書を作成しておりまして、それ以外のサボタージュについても今、開発しています。将来こういった手法を革新炉とかSMRに応用していきたいと考えています。
それから大規模なイベント、あるいはソフトターゲットを対象とした核テロを防止するという目的で、かなり広い範囲を対象として、核物質の場所を特定する技術開発を行っています。これが広域かつ迅速な核・放射性物質検知技術になります。黄色いところに書いてありますように、今いろんな要素技術を開発しています。例えばγ線イメージング技術開発とか、あるいは中性子原探査技術開発。あるいは広域サーベイ技術開発。例えば自動移動装置やドローンに積むといったような検討もしています。これらの要素技術を踏まえて、来年度以降はフィールド試験を行うことを考えています。将来はこういった装置を使うことによって、ソフトターゲットを対象とした核テロを抑止したいと考えています。
一つの成果としまして、例えばアクティブ中性子法技術開発で使った測定器につきましては、新しい中性子検出器を開発して、それを特許出願したり、あるいは大阪大学との共著論文がPhysical Review Xに掲載されたといったような成果が出ています。
より効果的・効率的に技術開発を進めるためにということで、外国政府関係ではDOE/
NNSA、アメリカのローレンス・リバモア研究所とかロスアラモス研究所とか、ヨーロッパでは、EC/JRC、欧州委員会との協力ということでカールスルーエ研究所、ヘール研究所と協力しています。国内ではQST、KEK、分子研、それから多くの大学との協力を行っています。IAEAとの協力につきましてはコーディネートリサーチプロジェクト(CRP)のもとで我々の成果を共有したり、我々に対するニーズとかを聞いたりということをしています。
次に能力構築支援につきましては、この分野の国際的な枠組みとかガイドラインを考慮しつつ、我々が培ってきた経験・知見等を生かして人材育成支援に取り組んでいます。特に対象国の管理監督層とかトレーナー育成に重点を置いて、それによってアジア地域で自立的な能力向上の仕組みを構築したいと思っています。それで対象国のニーズを踏まえて、必要に応じて個別ニーズに応えるために、こちらから訪問してトレーニングを提供するということも行っています。
核セキュリティコースですが、アジア地域や国内向けコースと、それからこちらから行って実施する2国間コースというのがあります。トレーニングコースとしては、ここに書いてありますような、例えば核物質防護に関するトレーニングとか、あと国内向けにつきましては規制庁、警察庁、県警、あるいは海保等へのトレーニングも提供しています。それと核セキュリティ文化醸成ということで、電力会社とか事業者向けの文化講演会とかも実施していますし、あと年1回ウインズとの共催のワークショップ。これ劇団による演劇を用いたワークショップになりますが、こういったことをやることによってその効果を高めています。
次に保障措置等のコースですが、これは国際コースと、それからこちらから行くコースと、IAEAの査察官向けのコースも行っています。再処理施設に関するトレーニングコースは日本のみがIAEAに提供しているコースになります。あとは、我々、核セキュリティ関係のIAEAのミッションに専門家を派遣したり、あるいは技術会合、専門家会合等に専門家派遣、それと核セキュリティサポートセンターのネットワークありますが、この会合に議長を出したりとか、そういった取り組みをして貢献をすると共に、そういう場で情報収集を行っています。あとはアジア地域の連携ということで、中国とか韓国も同じようなCOEを持っていますので、効果的・効率的に協力できるような連携も行っています。先ほど紹介ありましたFNCAの枠組みでのトレーニングの提供も行っています。
新たなニーズとして、先ほどもお話ありましたフィリピンが今後原子力に取り組みそうだということ、それから、はNSSCネットワークとかで得られた情報を活用したりして新たなニーズを探っています。それとインドネシアがBATANからBRINという大きな組織に変わりまして、そこで新たなニーズが出ています。あとブルネイとベトナムにおけるRIセキュリティのトレーニングのニーズがあります。そういった点を踏まえましてインドネシアBRINとか、あるいはASEANのエネルギーセンターACEがありますが、そこに調査ミッションを派遣しまして、来年度、人材育成をそれらの組織に対して実施する予定にしています。それから日中韓のCOEの再構築ということで、中国とか韓国とのコミュニケーションを今増やしていることがあります。そういったものを通じまして優先順位をつけてメリハリのある支援をしていきたいというふうに考えています。
トレーニング施設の経年劣化対策ということで、先ほど河原企画官から紹介ありました昨年度の補正予算を使って、設備の更新を行っています。来年の4月から新しい設備で、より効果的、効率的なトレーニングを提供できると考えています。
さらに地域協力等を進めていくということで、主な我々参加した派遣ミッションが書いてありますが、ASEANとかの会合にも我々の方で出ておりまして、これらを通じてASEAN協力を強化しているということが言えます。
今までのトレーニングの実績は、2011年から11月までで大体6000名に対してトレーニングを提供しています。核セキュリティコースが7割を占めて、保障措置コースが大体2割。こちらから派遣するコースが10%。海外の参加者が60%、残りが日本の参加者で海外の半分以上はアジア向けになっています。
我々のトレーニングに対しては、例えば2023年9月のIAEA総会では、政府代表より。IAEAの協働センターであるJAEAのISCNを通じた地域の人材育成等より効果的なトレーニングの実施等により、引き続き貢献していきますというようなご挨拶をいただいています。
少し核セキュリティ事業とは違いますが、我々は政策研究を行っておりまして、これはこの分野の情報収集を行って、分析して、政府機関等にその結果を提供し、また幅広く情報発信を行うということす。核不拡散核セキュリティを取り巻く状況は、脱炭素社会のためにSMRの開発が進められている一方でロシアのウクライナ侵攻があったり、あるいは、新たな脅威もいろいろ出てきています。そういう中で我々何をしなきゃいけないかという分析をしてそれを政府に提供する、あるいは情報発信する、またISCNへの取り組みに反映していきたいと考えています。
それで今年度からですが、特にロシアのウクライナ侵攻に起因する核不拡散・核セキュリティの影響対策ということで、ロシアのウクライナ侵攻に関して、もう既に起きている事象から今後どんな対応が必要になってくるか、あと今後起きうるであろうというシナリオを考えています。かなり極端な例で、ロシアが核兵器を使うとかも含めて対策を検討していくのがこの研究になります。核不拡散政策研究委員会を開催していますが、専門家の方にも入っていただいてこの議論を進めています。現在の顕著化している影響と課題等ですけど、まず一つはやっぱりウクライナの原子力施設に対する軍事攻撃・核攻撃に起因して原子力施設に対するセキュリティの強化が必要であるということ。それから紛争下で核とか放射性物質の流出。あるいはサイバーテロのリスクの増大が懸念されているということ。あとロシアのウクライナ侵攻に伴う核使用の懸念の増大で核不拡散体制が揺らいでいまして、NPT強化のための取り組みが必要になってくるということです。その対応として例えばDBTの見直しとか、あるいは原子力施設への攻撃を防ぐための新たなルールメイキングとか、あるいは核セキュリティ向上が必要で、核不拡散の重要性に関する人材育成支援とか、そういったものが必要ではないかとい考えています。
我々の理解増進という活動も行っていまして、例えば先週行いました国際フォーラム、あとニュースレターも発信しています。月1回出しています。協働センターを通じたIAEA支援、あと技術開発の成果につきましては、テロ対策特別装備「SEECAT 2023」等で出展しています。
最後に大学連携です。大学との技術開発の協力に加えまして、講義を行ったり、あるいは施設訪問の受け入れを行っています。それから夏期実習も行っておりまして昨年度は10名今年度7名の学生を受け入れています。
令和5年、6年のハイライトとしまして、技術開発では、核鑑識にAIの適用など革新的な技術開発。それからプルトニウムの核鑑識に着手したということ。それから小型のDGAシステムの実証試験。それからNRFNA測定技術の確立。それからそれとさらにNRTAとかNRCAを組み合わせた複合技術の開発。それから魅力度評価手法を革新のSMR研究炉等へ応用していく。人材育成につきましてはニーズ調査に基づくベトナム、ブルネイ」のセキュリティ支援とか、あとは海外機関との関係の再構築。それからトレーニング施設の経年劣化対策拡充。あとは核拡散政策研究に関しましては、それらの動向をISCNの業務に反映したりということ。あとSEECAT展示、IAEA協働センターを通じた成果展開最大化。あと更なる情報発信。大学との連携強化も強めていきたいと考えています。以上になります。
 
【出町主査】  堀センター長、非常に詳細なご説明いただきまして誠にありがとうございます。ただいまのご説明につきまして委員の皆様からまずご質問、またはコメント等を受け付けたいと思います。もしございましたら機能の挙手を使っていただければと思います。私からいくつかですけども、20ページ、全体の話で先ほどの資料に、河原企画官からご説明いただきましたけども、先ほどの資料2の最後のまとめのページで、今後の課題的なものをリストアップしていただきましたけれども、それとこのISCNさんの活動は大体1対1対応と考えればよろしいですかね。網羅していると考えてよろしいでしょうか。
 
【堀センター長】  この方向性と、我々の取り組みについてですか。
 
【出町主査】  すいません、これじゃないかもしれませんけど、でもいいです。ISCNさんの報告がこのある意味この第2期の論点、今後の日本の核不拡散の方向と大体1点の柱という曖昧な質問でございますが。
 
【堀センター長】  基本的にはそうありたいと思っておりまして、そういった形で取り組んでいきたいというのはあります。多分ほぼ一致していると思いますが、我々の強みを生かすというのがありますので、あまり強みのないところに関しては、あんまりできないようなところはあると思っています。
 
【出町主査】  なるほど、わかりました。小澤先生、よろしくお願いします。
 
【小澤委員】  小澤でございます。ご説明ありがとうございました。国際貢献とかモチベーション高くできると思いますし、それぞれの研究テーマが知的興味をくすぐるようなテーマばっかりで、研究者にとってもやる気が出るような内容かなと思います。ぜひとも活発な活動を期待したいと思います。その一方で去年の議論の中で、1人1人が自分事として捉えられるような社会形成が求められるみたいなそのまとめ文書の言葉がありますので、一つ引っかかったところとしましては、去年質問もしているので十分私は理解しているつもりですけども、7ページ目の核セキュリティ事象における魅力度評価、これはテロリストから見て魅力度が低いですよと、ここは攻める気にならないというような意味の魅力度かと思います。普通の人から見るとこの魅力度という使い方がどうかなと思いますし、25ページ目に書いてある魅力度評価手法の革新炉、SMR、研究炉等への応用というと、また違った印象を持つわけでありますので、ネーミングも含めて一工夫あったらいいかなと。以上です。ありがとうございました。
 
【堀センター長】  小澤先生ありがとうございます。おっしゃる通りだと思います。これは日米共同で行ってまして、英語でattractivenessを訳して魅力度ですけど、ただどうも日本語的にはあの脅威度とか、あるいはリスクとかっていう言葉の方がいいと思いますので、これからは括弧書きで魅力度(脅威度)とか、あるいはちょっと考えて付け加えるような形にしたいと思います。ありがとうございます。
 
【小澤委員】  ありがとうございました。施設側からすると頑強性みたいな感じになるかなと思いますので、上手に広報してください。
 
【堀センター長】  ありがとうございます。
 
【出町主査】  ありがとうございます。続きまして井上先生いかがでございましょうか。
 
【井上委員】  井上です。どうも大変ご丁寧なご説明ありがとうございました。これからの取り組みが強みに特化しながら絞っていくというふうにおっしゃっていますけれども非常に専門性も高くなり、多岐に渡っている中でこういった事柄に取り組む方々はどのように育成され、そういったところに配置していくのかっていうところがちょっと気になりましたということです。皆さん十分なスキル等々を専門的な知識等々をお持ちだと思いますけれども、それをそちらのセンターの中ではどのようにされているのか。もちろんいろいろな機関との連携とか大学との連携というのはされていると思いますけれども、それ以上に何か特に人材育成の面で、センターの中の人材育成、すいません。外に対しての人材育成ではなくて、中の方々の人材育成という観点からご質問させていただきたく思いまして。
 
【堀センター長】  井上先生、ありがとうございます。スタッフの人材の確保と人材育成は我々も課題だと思っています。それで一つは年齢構成です。JAEA全体に言えることは、今30~40代の年代の人が少ない世代があって。そういう意味で技術の継承とかに少し課題があります。あと新卒職員の割り当てが限られていますので、その範囲内で最大限我々の技術開発の成果が出せるような形で取り組んでいますが、課題はあるかなと思っています。そこの課題を逆に克服しながら、さらに技術開発も進めていけたらというのが今の我々の考えです。
 
【井上委員】  そうしますとすぐできるのが大学等々との連携ということになりますでしょうか。
 
【堀センター長】  そうですね。大学とも連携していきたいと考えています。
 
【井上委員】  連携しながら、内部でも入って海外の機関との連携もしながらということをしつつ、人を育てていく。それからもっと魅力を先ほどの魅力度ではないですけど、組織への魅力という点を高めていくという話でしょうか。
 
【堀センター長】  はい。そういうことだと思います。ありがとうございます。
 
【出町主査】  井上先生、誠にありがとうございます。続きまして上田委員、お願いいたします。
 
【上田委員】  堀センター長、ご説明ありがとうございました。また2021年にIAEAの協働センターに示されたことを遅ればせながらお祝い申し上げます。私からは1点質問1点コメントでございます。
まず1点目の質問ですが、社会実装に向けた技術開発ということに関しまして、産業界側の事業者ですとか、警察などから具体的なニーズを聞くような場は設けられていますでしょうか。
あと2点目のコメントで20ページ目の研究ですが、これまで核セキュリティは非国家主体ってことを想定して核セキュリティということで考えられたと思います。このような一国家が核セキュリティの脅威になりうるというような形での研究は大変興味深いというふうに思って考えています。以上です。
 
【堀センター長】  ありがとうございます。まず1点目の産業界とか、あるいは警察のニーズについてですが、まず警察の方につきましては、科警研とは密接といいますか、比較的連携して例えば共同研究も実施しております。科警研を通じて警察のニーズとかを拾い上げたいと思っています。警察の方とも何回か打ち合わせをしておりまして、ニーズを聞くというとこまでいかないですけど、どちらかというと我々がこんなことやってますよという我々がやっている研究の内容を共有したりといった取り組みをしているところです。
それから産業界の方につきましては、先ほど言いましたSEECATテロ対策特別装備展、東京ビッグサイトで3日間で6000人ぐらい集まるイベントでして、その場で結構民間の方と連携をしておりまして、いろいろコミュニケーションとっています。その後もいろいろメールのやり取り等をしている方もいますので、そういった形で引き続き産業界と連携できればと思っています。最後の国家主体の件につきましては、非常に難しい課題だと思っております。ただ避けては通れない問題なのかなと思いますので、まず政策研究をしてどういった課題があるかっていうのをまとめた上で対応を検討していきたいと考えています。以上です。
 
【上田委員】  どうもありがとうございました。
 
【出町主査】  上田委員ありがとうございます。その他ご質問等ございませんでしょうか。私から1個、21ページですけども、赤いところで核セキュリティ向上です。見るとやはりRIとかの防護とかウクライナ問題があっても、セフト・盗取の方がどっちかっていうと興味の的ですかね。
 
【堀センター長】  やっぱりまず盗まれるといこと、もう既に市場に出回った場合にそれをどういうふうにして管理していくかが、ウクライナ侵攻の課題としてあること。あとサボタージュに関しては先ほど話がありましたけど、国家主体が原子力施設を攻めるという場合のサボタージュは今までよりもちょっと次元が高い攻撃になりますので、そのためそれをどう防ぐかっていうルールメイキングとかが必要なのかなと考えています。
 
【出町主査】  わかりました。具体的なルールメイキングというのは例えばあれですか。INFCIRC225への何か反映とか、そんな感じでしょうか。
 
【堀センター長】  いや、どちらかといいますと例えば今のジュネーブ条約の第1議定書で原子炉施設の攻撃禁止がありますが、それがどうも機能していないので、それに代わるようなものとか、どちらかというとそういったことが必要かなと考えています。
 
【出町主査】  わかりました。ありがとうございます。その他いかがでございましょうか。
 
【高橋委員】  東北大、高橋です。よろしいでしょうか。
 
【出町主査】  お願いします。高橋先生お願いします。
 
【高橋委員】  私はサイバーセキュリティの方を専門にしていますが、そういった面で今回輸出安全保障の観点からお伺いします。いろんな国と連携されて、そこは受け入れたり情報交換することは非常に重要だと思います。ただこういったやはり機微情報を含む場合、完全に自由にというわけにもいかないと思います。例えば今我々大学でも、留学生を受け入れる場合にはどういう情報を提供するか非常に厳しく事前に審査され、輸出規制の観点から調査されます。実際こうやって海外との連携されるにあたって、どういう情報を提供するかということに関してはやはり十分注意された上で行っていると理解してよろしいでしょうか。よろしくお願いします。
 
【堀センター長】  はい。我々例えばトレーニングの教材とかに関しましては、その内容を確認して社内の手続きがありまして、そういった機微な情報とかが提供されないというのを確認した上でトレーニングを行っています。
 
【高橋委員】  今社内とおっしゃっていますけど、基本的にはそれはもう国の輸出管理の方でかなり厳しくいろんな情報を管理していると思います。そことの連携というのはどうなっていますか。
 
【堀センター長】  国の管理基準を満たすよう、機構内で機微技術とかの管理規程がありますので、それに従ってやっています。
 
【高橋委員】  はい、ありがとうございます。
 
【出町主査】  高橋先生、ありがとうございます。その他いかがでございましょうか。よろしいですか。では課題3、こちらの資料のご説明いただきまして質疑応答ありまして、引き続きISCNの活動をぜひご努力いただければと思います。よろしくお願いいたします。
では次の議題に移らせていただいてよろしいでしょうか。次の議題ですね。課題4-1でございますけども、今期の主な論点について、資料の2の最後の部分に該当していますね。先ほど既にご説明いただいていますけど、あらかじめ改めまして、事務局さんの方からこの資料4-1を使ってご説明いただきまして、その後は別に4-2で私の方からパワーポイントを使ってご説明させていただきます。その後先生方からできれば一言ずつご意見頂戴いただければと思っています。よろしいでしょうか。では、事務局さんの方から、この4-1の資料のご説明をお願いしたいと存じます。
 
【河原企画官】  出町主査、ありがとうございます。それでは、資料の4をもとにご説明いたします。内容につきましては、先ほどの事務局の説明資料の中でも若干触れましたけれども、大きく論点三つあると考えておりまして研究開発人材育成、その他の諸課題ということであります先ほどISCNからの説明の際に、出町主査からもご指摘ありました通り、ISCNで常に取り組みを進めている事項もありますけれども、まだ十分に対応ができてないところもあるという認識を持っています。例えば研究開発の方向性のところですけれども、一つは社会実装に向けたより明確なロードマップみたいなものを検討する必要があるのではないかということで、この点につきましてはこの部会の過去に「研究開発の進め方について」というものを平成29年に取りまとめております。そこからの進展などもレビューする必要があるかなというふうに考えています。特にISCNにつきましては設立から10年ほど余りが経っていますので、研究開発成果の今後の展開についての更なる検討が必要ではないかと考えています。また2点目のウクライナ情勢等を踏まえた新たな研究開発ニーズへの対応と、合わせてその成果の実用化への道筋の明確化といった点も挙げています。3点目は先ほども少し議論ありましたけれども、ISCNとユーザー、関係行政機関、警察等との連携、あるいは国際機関やアメリカなどとの協力の枠組みといったところも検討が必要かなと考えています。
次にBの人材育成についてはISCNと大学、国内の大学あるいは県国際機関との連携、合わせてアジア地域へのアウトリーチ活動というものを挙げております。この点についても、昨年の部会で人材育成について提言をまとめていただいていますので、それで盛り込まれた内容などもフォローアップしていく必要があるかなと考えています。また2点目は先ほどの研究開発と同様ですけれども、新しい人材育成ニーズへの対応であるとか。あるいはトレーニングコースの充実機能強化などを論点に挙げています。
Cのその他の諸課題については、多国間で国などの2国家の枠組みの活用であるとか、高濃縮ウランの返還、低濃縮化への推進というような核物質の最小化と適正管理のための取り組みなどを挙げています。この中で文部科学省として特に今後評価していく必要があるかなと考えていますのは、研究開発の1ポツ目の社会実装であるとか、2ポツ目の新しい研究開発ニーズへの対応。それから関係行政機関などとの連携といったあたりです。また人材育成に関しては1ポツの国内の大学などとISCNがどう連携を図っていくかというような話であるとか。これも新しい人材育成ニーズにどう対応していくかとこういったところを特に深めていければ良いかなと考えています。
2ページ目以降は過去にこの部会で取りまとめた提言の概要を示していまして、2ページ目はその研究開発についてまとめた、少し古いですけれども、平成29年の中間取りまとめということで、この中で特に赤くハイライトしているところが、引き続きの検討が必要かなと認識しているところであります。左下の方に研究開発の今後の政策の方向性が書いていますけれども研究技術開発に関するニーズの把握であるとか、日本の強みや国際協力の観点を踏まえた整理が必要と、あるいはサイバーセキュリティに関する課題についての社会実装を踏まえた検討などが挙がっています。右側の方には人材育成がありますけれども、ISCNと大学などとの連携による拠点間ネットワークの構築。それから左下の国際戦略に関しては、IAEAなどの国際機関との協力や日米の枠組みの活用、それからアジア地域との協力というような観点。また社会実装や関係省庁機関との連携なども挙げられています。
3ページ目以降が人材育成についてまとめた昨年の提言の内容です。もう1枚めくっていただいて、今後の対応策のところですけれども、例えばISCNが大学と連携を推進する拠点となるという話であるとか、大学のみならず幅広いステークホルダーとの横の繋がりをして進化させるべきだというような話。また右上のところにはIAEAをはじめとする国際機関、海外との研究機関へのインターンシップ出向など、人材育成における連携を強化すべきであると。またハイライトしていませんけれども、その下の方には、他分野との融合領域との発展ということで、サイバーセキュリティやAIなどの高度な専門性を持った人材の確保であるとか、あるいは5ポツの一番下の4ポツ目に書いていますけれども、ISCNにおいてドローンやAI検知技術を用いたトレーニングコースの新設。事故発生後の対応に備えた演習強化が個別フィールドの拡充などについて早急に検討する必要がある、こういった提言がまとめられています。これまでこの本部会で検討されてきた内容を踏まえまして、今後さらに検討や取り組みの強化が必要な事項について、委員の皆様からご意見をいただければと考えています。説明は以上です。
 
【出町主査】  ありがとうございます。非常に幅広く、河原企画官の方から、今後の日本の日本というか世界も含めて核セキュリティ化が進んで、こういうとこを強化しなきゃいけないと非常に幅広く、リストアップしていただいたと思っています。この作業会の目的というのは、こういう懸念事項というか問題点をリストアップした上で、日本に対してその提言をするということでございます。非常に重要な議論のシーズになっていると思います。
まず最初にこの資料4-1につきまして、ご質問等ございましたらお願いいたしたいと思います。次のページ、特に今後の施策の方向性ですね。具体的にこういうことの研究の方も考えてもいいのではないか、やりなさいではなくて、してもいいのではないかということです。例えばどこでやるか、ISCNかもしれませんけども、そういうことをぜひ後ほど先生方から1人ずつご意見を伺えればと思っています。
サイバー関連では、高橋先生とか、是非、忌憚のないご意見いただければと思います。次の資料4-2の方のご説明させていただいてよろしいでしょうか。私の今の懸念事項の資料でございます。いろいろご指摘等いただければと思っています。タイトルは原子力セキュリティ強化、新たな脅威とBDBT対策ということで、先ほど上田委員さんの方から国家主体が核セキュリティを起こしたという新たな事態ということで、あちこちで検討しているのではないかと思いますが、私の今の懸念というのを述べさせていただければと思っています。
次のページから、1ポツがBDBTの、対策強化の必要性ってことでございます。もうほぼその先生方には釈迦に説法かもしれませんが、お付き合いください。
3ページ、これも釈迦に説法でございますが、原子力安全セキュリティと不拡散の関係ですけども、我々原子力が変わるものの最大・最上の目的は、原子力核物質の平和利用であって、そのときのミッションが三つあります。核セキュリティ・核不拡散ですね。先ほど上田委員がおっしゃった通り、セキュリティの主な相手は非国家主体で核不拡散は国家、と。このページでは、苦言を呈しています。一般枠における核セキュリティの現状でございますけども、この新規制基準で核セキュリティそれぞれ原子力発電所のことばっかり書いているように見えますが、それ以外も含めて我が国の核原子力施設に関するセキュリティ対策ですけども、新規制基準で一応強化されましたが、何か抑止への偏重があるのが私の感覚では強いと思っています。ただ新たに特に先ほどサイバーとかAIが出てきましたけども、新たな脅威、ドローンとかもあってですけども、その検知の強化はなかなかあんまり出ていないのかなって感じがします。それに加えて先ほど出てきましたセキュリティ基準外脅威ですね。BDBTに対するその合理的な姿勢も今は必要かと思っています。これはまた後ほど出てきますけど、設計基準外脅威。もしかしたら原子力発電所の場合は、特重を考えたことで思考停止に陥っているのではないかという悪口になりますが、そう思っています。これは規制庁への苦言です。文科省じゃないです。どうしても先ほど私何度かご質問差し上げたんですけど、下の方で、どうしても何か核セキュリティ・核不拡散への偏重が強いのかなと私は懸念がございます。特に日本では従来、核不拡散というか、核セキュリティと核物質防護だったんですね。やはり研究面でも長らくその核物質そのものを扱う研究はだいぶ中心的だったと思います。例えば、拡散抵抗性の高い原料の発生の研究とかですね、また計量管理の技術とかですね。核の盗取にはそれは有効であっても、ドローンとかサイバーとかの破壊を目的にした脅威に対しては通用しないだろうと。新たな脅威とか、あのBDBTに対してもそれも通用しないと思います。さらにそのザポリージャのように柔軟かつセキュリティの概念では対応しきれない、想定超える脅威、BDBTとして発生していますので、いろいろ含めて想定外でした。福島のときに我々が言った、津波は想定外でしたってことと同じようなことで、セキュリティで、このBDBTは想定外でしたと二度と言わないために、今からBDBT備えを始めるべきだというふうに考えています。皆さんそれ同じ思いだと思いますけども、その次をお願いいたします。
核セキュリティ共有はどんどん変遷を続けているのも本当によくご存知だと思います。INFCIRC-Rev4までは、脅威がメインで。兵器と核物質の盗取だったです。一応妨害破壊行為も入っていました。普通Rev-5から9.11のテロを受けまして、大規模のRIとか、あとサボタージュに直接のサボタージュが含まれました。今この四つをIAEAが定義しています。核テロの核セキュリティの四つの脅威とされています。一方核セキュリティの相手方が攻撃してきまして、例えば他にもありますが、新たな脅威として内部脅威を使って新たなサイバースタンドとか増えてきて、技術自体が巧妙化しているのに加えて昨年、この脅威として戦時の核セキュリティ、最初のページ出てきました非国家主体がセキュリティの世界に踏み込んでしまったと、そういう事態が起きています。先ほど申し上げた通り特に原子力施設の事業に対する道義的なハードルが下がってしまったのが今の状況です。繰り返しになりますけどBDBTを真剣に考慮すべき時代に突入したということが、背景ばかりですが言えると思います。
ここで具体的に何をやるべきかを考えています。これも本当に苦言になり、私口悪いですけども、BDBTの体制強化策の例として考えたのが、最初に苦言として規制の事業者さん、事業者として発言したことを想定しています。お互いに丸投げしてきて責任回避している状況があると思います。こちら特重をご存知かと思いますが、特別重大事故等対処施設といって、例えば普通のその通常の安全装置がこういう高後期衝突のテロ等で破壊された場合に予備の施設を作りますということですけども、特重作ったからいいんじゃないの、航空機衝突もテロだし、これ以上のことを考えないで、特重でいいじゃないっていうふうに規制が考えたのではないか。思考停止しているのではないかと受け止めざるを得ないです。これは実際事業者さんの何人かにお聞きしましたけども、やっぱりBDBTは国の管轄だからもう特重以外は対応したくない、できないということです。余力がない、と。BDBT、何で駄目かと言ったら、脅威の規模も種類もBDBTのときは多すぎて何も決められない。だから今お互い止まっています。手を出さないでおこう、やぶへびって状況になっています。でも特にその二度と想定外でしたと言いたくないので、まずはBDBTに何が起こるかを想定することから始めるべきだなと考えています。
先ほど堀センター長の資料20ページ、その後も含めた政治的なことも含めたいろんなシミュレーションございました。私の方でそこまでいかずにとりあえずその重大事故にならないようなこと、まず想定外を減らすべきだということは考えています。2段階に分けて考えていますが、まず1段階が必要かなと思っています。要は脅威の種類が多すぎて何も決められないため、仮想でいいからストレステストをして想定外をできるだけ減らすことが必要かなと思っています。まずコストのかからないバーチャル仮想で、想定外のBDBT脆弱と見極めることが何とかできないだろうかと。そのとき机上訓練を使いますが、検討すべき状況対応すぎるとやっぱりパソコン、コンピュータの力に頼らざるをえないだろうなと思っています。そのときにできるだけ多くの状況を検討するためには、シナリオ毎の計算時間を短くしなきゃいけないので、ここはAIの活躍だなというふうに思っています。ラインは構想だけです。始めたいですけど、せっかくならストレステストのシステムを最適政策提案のAIに活用できないかを今やっています。ここはまだそのストレステストをAIでできたら、AIの部分を強化学習AIの環境として活用して、素材の提案するAIですね。BDBTにはこういうふうにやればいいと、安全の考えも含めた上で最適手をしてくれるように活用できるかもとここで書いています。それで1の方です。第一段階の方がまず大事と考えています。
あのBDBTの対策強化でございます。二つございます。今言った1番2番ですね。最初いきなり出てきた仮想BDBTテストですけども、あのBDBTに想定すべき状況は先ほど申し上げました複雑対応です。というのは人が関わるからです。自然現象の場合、ある程度こういうことが起きることは想定が限定できますけども、そこに人が関わってかつ時系列が実際加えるとほぼ無限のシナリオはついてきます。一方どの人が関わってどういうものが関わるかは、時系列を無視すると限定できます。シミュレーション力を使うと、この人と物がどういう時間でどういうふうに関わってくるのかができるので、そういうことをやるのがいいのかなと思っています。
あと、施設を原子力発電所って書いていましたが、そのBDBTの場合にはプラント状態の把握した上で、プラント状態を反映した対策が必要なってきます。その日はプラントを締めたトレンドが絶対必要ですけども、計算時間が膨大になりますので、ゲート化して1ケース、一つ一つのそのプラント状態把握が一秒以下にしなきゃいけないと思っています。またシビアクシデント対策・対応によって状態回復できるかっていうことも、本当に厳しい状態のときは考えなければいけないと思っています。あとBDBTのその対応状況というものを一つの組み合わせですけども、手作業じゃ絶対不可能なので、例えばマルチエージェントモデルとかを使って自動でやらせることが、属性だけ決めた後は自由に組み合わせるようなものが一つの有効手段かなと思っています。
うちの宣伝になってしまいますが、作り始めているということです。このBDBTストレステストの手法です。これ簡単順で、後半が2段階なっていまして、後半の方がサロゲート、これHTTR、高温ガス炉サンプルですね。シュミレータープログラムをお借りしまして、私もシュミレーターのサロゲートはできました。結構精度はいいです。これがいいのは事故時の回復も含めたサロゲートができました。これを入力の部分に先ほど申しましたマルチエージェントのところ、どんな外乱がBDBTで起きるのかをやって入力してあげると、サロゲートでいろんなケースをガンガン回すことによって、ここが脆弱とか、ここは脆弱じゃないよってやつがリストアップできるというものでございます。
ここ丸がいろいろ入っていますけど、例えばエージェントの例としてこういうものが考えられます。具体的にマルチエージェントは、エージェントでどういうものでどういう特性持っているかというものを数値化した特性として持たせて、後は自由に動かせる、その相互相関させるというものでございます。
これは昔作った核物質の核燃料の再処理施設のやつです。例えばこんな感じでマップを作ってそこでPPを置いたりとか、どういうふうに侵入経路になるかを勝手に探索させます。エージェントに。それでもってここの部分が何時いつ破られますよとか。いつ侵入されますよってことをやります。具体的に実はまだ今日図を作っていないですけど、後で出します。今某原子力の研究炉のマップを作って今計算を始めています。今日まだお出しできません。申し訳ありません。というところでございます。具体的にまだプリミティブ、仮想の部分はございますけども、どういうことが起きるかってことをBDBTのような普段だったらあり得ないエキストリームな状況も含めて、シミュレーションさせることができる。どんなことが起きるかを簡単にリストアップすることができるものでございます。ヒューマンエラーも含めてですね。
それまでプリミティブで申し訳ないです。一番最初にやったあのマルチエージェントです。あの真ん中のところに中層がありますが、そこにいつ到達するか。本来はグリーンのやつが自動で動いていきますが、Pに対して何分でこれが破られますということが動画で出てきます。
プリミティブでお見せするのは恥ずかしいので。あの内通者が多いとか、スタンドオフもエージェントにスタンド特性を持たせれば、こういうのはどんどんやっていきますので、こんな感じでいろいろな条件で占拠阻止できましたとか、あと何秒で占拠されましたっていうのが、比較的簡単に出てきます。これを複雑して、エージェントの特性もどんどん複雑していけば、より現実に近いものができます。これでもって、BDBT時の想定外でしたというものをできるだけなくそうということに取り組んでいます。
これはうちのサルゲートの精度です。ほぼ合っています。計算時間は0.33秒です。
これは教科学習にぶち込むやつです。提案用の四つでございます。これはまだ教科学習の方はまだここまでセキュリティじゃなくて自己受容のやつしかまだできていません。以上です。
言いたかったのはうちの宣伝じゃなくてまとめですけど、最初に申し上げたBDBTはもう無視できない。これまで見ないふりをしてきたBDBTを無視できないパラダイムシフトが昨年起きてしまいました。そのあと二つ目、日本、世界もですけども、核セキュリティ対策に対してはどうしても核不拡散に偏向していて、そういう点からもセキュリティ脅威の編成に追いついていない感じがしています。JAEA、ISCNさんが日本で先駆けて、あのBDBT対策の方法論の確立をぜひしていただけないかなというのがすごい勝手な意見でございます。そのとき口はぼったいですけども、想定外としては可能な限りなくすことがまず第1のステップだと思います。福島の教訓も含めて、ぜひJAEAさんの方でご検討いただければと思っています。簡単ではないですが、以上でございます。長々と喋ってしまいました。どこかでもご意見いただければありがたいです。
 
【小畠補佐】  出町先生、文科省ですが今日布目委員が16時までです。
 
【出町主査】  そうですね。布目先生、最初に何か「あかん」とか何かございませんですかね。
 
【布目委員】  この先生のご研究に対してですか。
 
【出町主査】  両方含めた。4-1、4-2両方含めて。
 
【布目委員】  わかりました。先週のフォーラムを聞かせていただいた中で、アウトリーチの重要性を言われていたと思います。今日のお話でもありました。先ほど井上先生もJAEAさんの内部でのというお話、人材育成というお話がありました。そのときにどういう人材を育てるか、アウトリーチができる人というのは、意外と難しいと思います。この分野はいろいろな学術的なところが連携しているものなので、一つのことはきちんと専門的に喋れても、トータルできちんとアウトリーチできる人がなかなかいないと思ったりしていまして。それは本当にJAEAさんの中だけではなくて、いろんなところとの連携をする中でそういう人を育てていくような人材育成も大切じゃないかなと最近思っています。その辺のところも、ISCNさんの方で何か技術的なトレーニングだけではなくて、ナレッジの方のトレーニングというようなところもぜひぜひ考えていただければなと思います。
出町先生の研究はすごく興味がありますので、やはりシミュレーション、安全評価は、いろいろ何が起こるかわからなくなってくると非常に大切だなっていうことを感じています。ぜひぜひ進めていただければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。以上でございます。
 
【出町主査】  ありがとうございます。1個目のご質問につきましてはISCNさんの方で、おそらくその一つのそのテクニカルじゃなくて、どっちかというと人材育成としてのそのリーダーというか、そういう方の育成ってことですかね。
 
【布目委員】  そういうことになります。
 
【出町主査】  ありがとうございます。JAEAさん、いかがでございましょう。そういう取り組みも始めていらっしゃるかももしかしたら。
 
【ISCN堀センター長】  布目委員、ありがとうございます。まさしくそういった重要性はありまして、例えばやっぱりアウトリーチ。例えば研究やっている人たちですとまず最低限そういう国際的な学会とかで発表できる能力があるかどうか。あるいはディスカッションする能力があるかどうか。あるいはテクニカルミーティングをリードできる能力があるか。さらには我々の活動をアウトリーチできる能力があるかっていう、そういういろんなレベルの能力が求められているのかなと思います。そのためにはやっぱり知識を吸収するということで、先ほどもご意見を伺った連携は重要だと思います。実際にトレーニングをする人たちはトレーニング以外の経験をする、技術開発ですと、技術開発以外の経験をすることも重要なのかなと思いますし、そういうコミュニケーション能力も必要かなと思います。その辺も含めて、我々そういう内部の人材育成とかやっているつもりですけど、さらにご意見とか伺いながら人材育成、内部の人材育成を強化していきたいと考えています。ありがとうございます。
 
【布目委員】  よろしくお願いいたします。
 
【出町主査】  ありがとうございます。ぜひ総合的な専門の、布目先生おっしゃったように総合的な人材育成の方も、これまで以上に強化をいただければと思います。ありがとうございます。ちょっと布目先生の後半の方のご質問、大変ありがたく心強いです。私としては、私のうちの狭いとこじゃなくてJAEAさんにBDBT対策、こういう面からも取り組んでいただければなと思っていますので、堀センター長ぜひご検討いただければありがたいです。
 
【堀センター長】  先生、ありがとうございます。もし出町先生が可能であれば、何かの機会で例えば政策研究委員会とか、そういった場で紹介していただいて、双方で意見交換できればと思っています。
 
【出町主査】  懸念事項をお伝えさせていただければと思います。
 
【堀センター長】  よろしくお願いします。
 
【出町主査】  ありがとうございます。布目先生、お時間大丈夫でしょうか。
 
【布目委員】  すいません。そろそろちょっと退出させていただきます。ありがとうございます。
 
【出町主査】  ありがとうございました。続きまして他の先生方からもよろしければご意見いただければありがたいです。指名制になり申し訳ありません。時間がないので、井上先生いかがでございましょう。
 
【井上委員】  井上です。今日はいろいろとご説明ありがとうございました。出町先生のまずこの核セキュリティ強化、あのBDBTへの対策。これは非常に重要だというふうに思っています。想定外は、本当に想定外で、起こってしまってから想定外という話になってしまいがちなのかなというふうに思いますけれども、やはり人間の心理としておっしゃる通り、思考停止になったりとか、これは自分のところと関係ないとかですね。何かそういうところで心のハードルが結構あるのではないかなと思っています。こういった方法論みたいなものが確立できれば、ここのこういう数字で考えればいいとか、そういったことが見えてくるので良いのかなというふうに思っています。先ほどどなたかがおっしゃっていた「自分ごととして考える」ことはこれ社会一般の話だったと思いますけれども、こういったものに関わる方々が自分事として考えるっていうことをしていくことっていうのは非常に大事だと思っています。それに対する追い風っていうか後押しですね。後押しのようなものになるのかなというふうに思っています。こういった研究もありますけれどもこれに対しての啓蒙活動ですかね。そういったものもさらに重要になってくるのかなというふうに思っています。こういう考え方があるとかですね。こういうことを考えたらどうかとかですね。そういったことも合わせてやっていくのが良いのかなというふうに思っています。
主な論点のところに関しましてはこれからもこの三つの観点は重要だと思いますし、先ほども話に出ましたけれども、AIとかサイバーセキュリティとかドローンとかこういう新しいものがいろいろ出てくる中で、そういったことに対してさらに考えてみるっていうのも必要なことかなというふうに思っています。以上です。ありがとうございました。
 
【出町主査】  すいません。指名してしまい大変恐縮でございます。後半の方からまずおっしゃっていただきまして本当変心強いですけど、ただ印象が私の宣伝っぽくなってしまって。
 
【井上委員】  いえ、そんなことないです。だから誰かがやらなきゃいけなくて。何でもですけれども、誰かが始めなければならないですけれども、先頭を切ってくださるのがいいのではないかと私は、別に宣伝と全然取っておりません。
 
【出町主査】  まだ私の多分耳が弱いだけで、BDBTの対策がなかなか日本でまだ強まっていない印象がございます。ISCNあたりで何か始めないのかということで出させていただきました。井上先生おっしゃる通りと思いますので、何か始めるべきだと思います。
ただいまの井上先生に対してご意見でさらに何かございましたら。変なこと言ってしまい申し訳ありません。貴重なご意見、誠にありがとうございます。
続いて上田議員、何かございませんでしょうか。
 
【上田委員】  上田です。私の方から今後の主な論点について何点か申し上げたいと思います。まず国際機関との連携に関しまして、国際社会の核セキュリティ強化におけるIAEAの中心的な役割が確認されていると承知しています。今年の10月にはIAEAの核セキュリティセンターが、ウィーン郊外のサイバースドルフー研究所に開設されました。既にISCNでは、同センターとの協力連携を模索されているかもしれませんが、日本のプレゼンスを示す上でも核セキュリティセンターを初めとしたIAEAとの更なる連携強化が重要と考えています。
2点目につきまして核セキュリティに係るモメンタムを維持強化することが重要かと思っています。その意味で、核セキュリティの高い水準での維持強化が原子力の平和利用を阻害するものではなく、イネーラブであるということの国際的な理解促進が必要と考えています。その意味で国際上唯一の核物質防護に係る国際条約である改正核物質防護条約の普遍化・浸透化は肝要です。日本が中心となりまして、特にアジア地域における同条約およびINFCIRC225を初めといたしますIAEA核セキュリティシリーズの普遍化・浸透化に係る取り組みを強化していくことが重要かと考えます。
3点目ですが、昨今新規導入を中心にSMRなどへの関心が高まっています。先般開催されましたCOP28では、2050年までに世界の原子力発電設備容量を3倍に増加させるというような野心的な閣僚宣言が出されました。世界的に気候変動防止に対する原子力の貢献が高まっている一方で、原子力の平和利用では3Sが重要であることを忘れてはいけません。その意味で原発の新規導入を検討している国々を中心とした若者に対する核不拡散・核セキュリティに係るキャパシティビルディングが重要と考えます。
4点目、核セキュリティサミット以降、日本を含めまして、世界的に高濃縮ウランを使用してきた施設から低濃縮ウランへの転換が順次進められています。今後、日本では近大炉のHEUの低濃縮化が進められると承知していますが、一方で、同施設は原子力教育、放射線教育において重要な役割を果たしていますので、人材育成への影響が最小限になるようにご配慮いただきたいというふうに考えています。
5点目ですが、数年ごとにIAEA主催の核セキュリティに関する国際会議が開催されておりまして、閣僚宣言が出されています。核不拡散・核セキュリティを取り巻く状況が厳しくなる中、文科省やISCNにおかれましては、このような国際的な動きにも注目いただきつつ、外務省など他省庁との効果的な連携をお願いいたします。
最後になりますが、今後サイバーセキュリティや内部脅威、放射線物質セキュリティなどの新たな領域への活動展開の拡大が見込まれています。社会実装の観点からも、まずは国内の原子力産業界における核セキュリティに係る最新動向やISCNなどの取り組みに対する理解促進、また先ほど出町主査からご説明のあった懸念ですとか問題共有が重要かと思います。当協会は、約400の原子力に携わる会員企業機関を有しています。それら会員に対します情報提供の場を有していますので、何らかの形で協力可能であることを最後に申し上げておきます。私から以上です。ありがとうございました。
 
【出町主査】  誠にありがとうございます。ISCNさんの方から今でも密接な協力をされていると思いますけれども、IAEAさんだけじゃなくて、FNCAとか含めまして、これから今後とも協力関係を密接に結んで研究開発また人材育成、適切に取り組んでくださいっていう励ましの言葉かなというふうに思っています。さらに原産協会さんもそのご協力にいただけるということだというふうに受けとめました。そういう感じでよろしいですか。
 
【上田委員】  はい、その通りです。特に理解促進ですとか社会の発信という意味では協力可能かと思いますのでよろしくお願いいたします。
 
【出町主査】  よろしくお願いします。堀センター長、何かございますか。
 
【堀センター長】  ありがとうございます。非常に有益なコメントをいただいたと思っております。特にあの最後の産業界との連携が難しいところありますので、是非またこれからご相談させていただければと思います。ありがとうございます。
 
【上田委員】  どうぞよろしくよろしくお願いします。
 
【出町主査】  お願いします。続きまして小澤先生いかがでございましょうか。
 
【小澤委員】  小澤でございます。二つほど申し上げたいと思います。今映っている主な論点のところですけれども、これ重要だと思いますので論点そのものですけれども、一番下のその他「核物質の最小化」と書いてあるところですけれども、これはIAEAの総会でも大臣が発言した最小化の話でありますけれども、それ以外に別の原子力研究開発基盤人材作業部会で、原子力規制庁から指摘といいますか、期待されることとして言及された話があります。それが利用実態のない核燃料物質の集約管理、JAEAの貢献、とこういうことでプレゼンテーションがされたことがあります。これは今映っているところに書いてある高濃縮ウランの返還と低濃縮化の推進以外、要はリスクへの対応というよりはリスクそのものを下げる話として結構有効だと思いますので、これから論点として議論するというよりは実行を進めるための、ものの見方といいますか、考え方として一つ意識していただければいいかなと思います。
二つ目については今出町さんの方からプレゼンテーションいただきました話、全くその通りだと思います。BDBT、Beyond Design Basis Threatでありますけれども、この想定を超えるというところに対応するのがまた設計の想定をしていたら、また無限ループに陥ってしまうと思うので、そこは一つ世界が違うのではないかと思うところがあります。つまり、事故が起こったときにどうするかと事前に考えるところもそうですけれども、起こってしまったときに、どうやってそのダメージコントロールするかみたいな視点があると思います。そういう意味では設計あるいはハードで対応するというよりは何か違う世界の対応が要ると思います。同じように核セキュリティも平時の備え方で脅威があったときに、実際どうなるのかというものの思考の仕方であります。そこは犯罪とか戦争と、戦うのは民間人だけではなかなか難しいとこもあるので、国家としてどうするのか、民間はどこまで耐えられるように準備しておくのか、そういった視点になるかと思いますのでその辺は施工のフローも切り替えて考える必要があるのかなと思いました。以上です。
 
【出町主査】  小澤先生、ありがとうございます。前半の方で利用実態のない核物質についてはJAEAさんの方でこれから取り組んでいらっしゃるのかわからないですけども、センター長いかがでございましょう。
 
【堀センター長】  堀ですけど、集約化は、JAEAで取り組んでいますが、我々の組織ではありません。ここの部分は答えにくい部分になります。
 
【出町主査】  多分大学とかで使ってないやつが結構伴ったやつあるかもしれないですけども、そういうものを含めて多分文科省さんですかね。なかなか今後、我々のこの議論の中で何らかの提言することができるかもしれないと思います。
 
【奥原子力課長】  原子力課の奥と申します。先ほどの利用実態のない核燃料物質の話がありましたが、文科省としても問題意識を持っていまして、この核セキュリティ関連の事業とは異なりますが、国際原子力イニシアティブ事業と、原子力システム研究開発事業というファンディングプログラムを文科省本省で取り組んでおり、この中で、利用実態のない核燃料物質について集約管理するための人材育成と基盤整備を行う事業と、まだ安定化処理ができていない核燃料物質について、安定化処理技術に関する研究開発を行う事業、の二つを来年度以降進めることを予定しています。こちらについては適宜また情報共有をさせていただければと思いますので、よろしくお願いします。
 
【出町主査】  既に始めていらっしゃるのですね。またこの機会でこちら情報提供をいただければありがたいと思います。後半の方につきましてBDBTの対策、私も出させていただいたのは一つの案でございまして、できれば今後日本全体でいろんな知恵を出し合ってBDBTどうするかをやっていただければなと思っています。誠にありがとうございます。
よろしいでしょうか。最後、高橋先生何かございましたらお願いいたします。
 
【高橋委員】  ありがとうございます。出町先生の試み、非常にチャレンジングな話だと思いますが、いろいろ想定外の定義であるとか、あと何をもってビヨンドデザインと考えるかとか、そこら辺やっぱりもっとちょっと深く議論させていただきたいと思うので、ぜひとは別の機会に議論させてください。
あともう一点今映っている中でちょっとネガティブな話になると、社会実装という言葉が何度も出てきていて、非常に耳障りのいい言葉だと思います。ただこういったその核セキュリティと核不拡散は非常に特殊な領域の中で、社会実装とは何を持って社会実装とするのか、私イメージできなかったというのが正直な印象です。
あともう一点もその大学との連携ということに関しても、もちろんそれもすべきというのはもう重々わかりますけども、ではどことやるのか。実際私大学にいて、その原子力をやっている数少ない大学の中にいますけども、こういったことに関して学生、いろんな時々そのプログラムの中でそういった話が出てきたりしますが、ほとんど学生興味ないですし、そこをどう興味持たせるかっていうのもすごく重要だと思います。以上です。
 
【出町主査】  ありがとうございます。高橋先生、確かにおっしゃる通り社会実装というのはどういう社会実装なのか、これは大学との連携にも関わって、学生さんが社会にどういうふうにこれが自分に役立つのかということが見えてこないと多分学生さんわからないですよね。
それでは今後の議論、文科省の参加で大事な論点として出させていただいて、トップでございますので、次回以降になると思いますが、私の方も文科省といろいろ議論させていただいて次回この社会実装に中心的に重点を置いて、形づけるように頑張りたいと思います。大変貴重なご意見ありがとうございます。その他、先生方、一通りお聞きしましたけどまだこれ言っていないなどもしございましたらお願いできればと思います。よろしいですか。
それで追加のご意見ももし後で出てこられましたらメール等でもいただければと思います。不手際で申し訳ございません。以上で予定していた議題は終了になりますが、その他にご意見とか、何かございますか。なければ事務局さんから連絡事項をお願いいたします。
 
【小畠補佐】  最後に事務局からの連絡事項でございます。本日の作業部会の議事録の案につきましては、出来次第メールにて確認依頼をさせていただきたいと思っています。確認が終わりましたらホームページ上でも公開させていただきます。次回の当作業部会の開催につきましては、今回議論いただいた今期の論点、そして進め方を基に主査とも相談をさせていただき、別途連絡させていただければと考えています。
ご多忙のところ大変恐れ入りますが、委員の皆様におかれましては何とぞご理解、ご協力のほどよろしくお願いいたします。以上でございます。
 
【出町主査】  ありがとうございます。ただいまおっしゃっていただいた通りこの論点と、次のページの論点を中心に、まずはこの第12期の先生方とどういう方向性について深く議論すべきかをまず文科省と私の方で考えさせていただいて、次回の議論で深掘りステップできるような議論になっていければと。ぜひご協力いただければと思います。よろしくお願いいたします。それでは時間になりますので、以上で第25回の核不拡散核セキュリティ作業部会を終了させていただきたいと思います。お忙しい中ご出席いただきまして誠に委員の先生方に感謝申し上げます。文科省の事務局の方もご準備いただきまして、深く感謝申し上げます。堀センター長も深く感謝申し上げます。次回以降もどうぞよろしくお願いいたします。

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