資料4-1 研究開発課題の事後評価結果(原案)

地球環境情報統融合プログラムの概要

1.課題実施期間及び評価実施時期

平成23年度~平成27年度

中間評価 平成25年8月、事後評価 平成28年11月

2.研究開発概要・目的

気候変動、水、生態系、生物多様性等に関する地球規模課題の解決のためには、地球環境情報を活用した社会インフラの構築、とりわけ分散化した情報を効率的に収集し、活用する情報システム基盤の構築が不可欠である。本課題では、地球観測データや気候変動予測データ、社会・経済データを収集し、統合的に解析処理することにより、地球規模課題の解決に資する新たな情報の創出を目指すものである。また、これを実施するための共通的プラットフォームの構築と高度化、運用を行うことにより、地球環境情報の世界的なハブとなる情報システム基盤を構築する。これにより国際的なデータ流通を促進し、国内外を含めた地球観測データの利活用と革新的な成果の創出に資する研究開発及び利用環境整備を実施する。

3.研究開発の必要性等

【必要性】

地球規模課題の解決のためには、国際社会の協調による取組を推進することが重要であるところ、地球観測体制の整備や、長期にわたり集積されてきたデータや情報を広い視野から解析するなど地球環境情報の共通的プラットフォームを構築する必要がある。当該プラットフォームを通じて、地球規模課題の解決に対する取組の進展や国際貢献によるデータ外交にも役立つ基盤として発展させることはきわめて重要である。

【有効性】

情報科学技術分野及び地球規模課題の各分野の観測やモデルの研究者と、関係府省庁・機関がデータや情報を共有することで、地球規模課題の解決に資する研究開発を推進するためのプラットフォームの構築、システムの運営を一体的に推進することにより、革新的な科学技術の知見の集積と公共的利益への貢献が可能となる。また、全球地球観測システム(GEOSS)との連携により、国際的な先導役として地球規模課題に取り組む国際協調の推進が可能となる。

【効率性】

第3期科学技術基本計画の国家基幹技術の一環として開発された「データ統合・解析システム(DIAS)」の資産を有効に活用・高度化し、研究開発体制と長期運用体制を協調・発展させることで、世界をリードする最先端の情報基盤が効率的に構築できる。また、大容量で多様な地球観測データや気候変動予測データ等を扱いやすい形で研究者に提供し、統合・解析できるようになれば、効率的・効果的に研究を進展させ、政策担当者に対する統合化された情報提供にもつながる。

4.予算(執行額)の変遷

年度

平成23年度(初年度)

平成24年度

平成25年度

平成26年度

平成27年度

総額

予算額

462百万

433百万

900百万(補正)

403百万

403百万

363百万

2,965百万

執行額

434百万

1,301百万

373百万

366百万

調整中


5.課題実施機関・体制

研究代表者    東京大学 教授 小池俊雄
主管研究機関  東京大学
共同研究機関  名古屋大学、京都大学、宇宙航空研究開発機構、海洋研究開発機構、国立環境研究所、情報・システム研究機構

事後評価票(案)

(平成28年11月現在)

1.課題名:

地球環境情報統融合プログラム(DIAS-P)

2.評価結果

(1)課題の達成状況

<必要性>


気候変動、水、生態系、生物多様性等に関する地球規模課題の解決のため、観測データや各種情報を収集、アーカイブし、統合的に解析することが可能な地球環境情報の共通的プラットフォームの構築が重要である。本課題では、地球環境情報の世界的なハブとなる情報システム基盤であるデータ統合・解析システム(DIAS)について、27ペタバイトのストレージ容量を実現し、約700種類の地球環境情報が登録されるに至っている。このような大規模、大容量の地球観測データを扱うことのできるシステムは他にはなく、データ収集からアーカイブ、統合解析機能を実現するプラットフォームを研究者に提供することにより、気候変動研究や地球規模の問題解決に向けた研究等、我が国の国際的な優位性を強化することにもつながる。このようなシステムを開発し、その機能を高度化、拡張してきた本事業の必要性は高いと評価できる。

<有効性>

本課題においては、情報科学技術分野及び地球規模課題の各分野の観測・モデル研究者とデータや情報を共有するためのプラットフォームを構築し、各個別研究との協力により多くの著名な国際誌に論文が掲載されるなど、国際的にも高い評価を得ている。また、国際貢献の観点からも、平成24年には全球地球観測システム(GEOSS)のGCI(GEOSS共通基盤)に接続し、これを通じて全世界のユーザがDIASのデータにアクセスできる環境を実現した。また、水管理や気候変動適応に資する情報の提供を通じてGEOSSの8つの社会利益分野の目標達成にも貢献した。国際協力機構(JICA)の例では、チュニジアにおける洪水被害分析をDIAS上で実施することによるチュニジアにおける円借款の事業形成への貢献、フィリピンやインドネシアにおける水資源開発マスタープランの立案や気候変動の影響評価への活用等、我が国の科学技術外交に貢献した。このため、本事業の有効性は高いと評価できる。

<効率性>

本事業は、DIASの高度化・拡張を担当する課題と、多様なデータ・情報を統融合することにより新たな価値を創出するデータ基盤のプロトタイプ構築を担当する課題及び長期運用体制の設計・提案を担当する課題が連携することにより、具体的な研究ニーズに基づいたシステム開発とデータ投入を効率的に推進した。また、GRENE環境情報(GRENE-ei)や気候変動適応研究推進プログラム(RECCA)といった他事業との連携を図り、それぞれの研究開発ニーズに基づいてDIASの全体システムの調整、各課題の個別システムを開発・実装したことは高く評価できる。このため、本事業の効率性は高いと評価できる。

(2)成果

<DIASの高度化・拡張>


DIASは大容量で多様な地球観測データを収集、アーカイブするとともに、統合・解析することにより様々な社会課題を解決するためのプラットフォームとして開発が行われてきた。データ収集に関しては極めて多様 (Variety)で超大容量(Volume)のデータを、品質を管理して正確 (Veracity) にアーカイブするとともに、国土交通省の「Xレイン」や気象庁の「ひまわり8号」、JAXAの全球降水量衛星マップ(GSMaP)等の超高速(Velocity)で流れるデータをリアルタイムにアーカイブすることを実現した。DIASはこれら四つのVに象徴されるデータ科学における挑戦を地球環境情報分野において具現化したシステムであり、世界的に見ても最先端の地球環境情報に関するプラットフォームとして評価できる。また、品質管理ツールの実装やメタデータ登録システムにより、データ投入から品質管理、メタデータ登録に係るデータ提供者の労力を飛躍的に下げることが可能となっている。これによりデータ保有者が自らデータの品質管理を行い、メタデータを付与することにより、データの流通が促進されるとともに、DIASによる高速アーカイブのためのインフラを整備することにより、データを幅広く利用する基礎を醸成したことは、我が国の科学技術の発展にも大きく貢献するものと高く評価できる。

<データ基盤の開発>

様々な分野の研究者とIT研究者が協力して問題解決にあたる場を提供することにより、DIASに実装されるアプリケーションはアジアモンスーンのメカニズムの解明、気候変動影響評価、ダムの最適管理等、データ基盤をベースにして分野間連携研究を推進してきた。DIASは、科学知の社会実装の推進にも貢献しており、スマートフォンによる「Xレイン」データ簡易利用システム(AmeNow)や「ひまわり8号」データ可視化システムの開発、またIPCCに貢献した第5次結合モデル相互比較プロジェクト(CMIP5)の世界最大のアーカイブとしても活躍している。また、CMIP5データと観測雨量データを組み合わせた洪水・渇水に関わる気候変動影響システムの開発等、データ収集と科学知の社会利用を促進した。具体の地域的な課題解決例として、水産資源管理支援(青森県)、生物多様性戦略支援(北海道黒松内町)、水環境指標作成支援(ベトナム・フエ市)、水管理-米作支援(カンボジア・サンカー川)を行うなど、分野の研究者とIT研究者が協力し、また各地域のステークホルダーと設計の段階から協働することにより、DIASはデータ基盤をベースにして科学と社会の連携研究の推進に貢献してきた。特に、河川やダムについては、ダム水位、河川流量、降雨データをもとにリアルタイムでダム水量管理を行うリアルタイム河川・ダム管理システムを開発し、利根川流域において試験運用が実施されるなど、社会実装に向けた具体的な成果があがっている。

<長期運用体制の検討>

DIASの利用については、ユーザの利便性の向上のためウェブサイトをリニューアルして公開し、DIASの利用方法や注目する成果の紹介、イベントやニュース等の広報活動を強化した。また、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)を導入し、Facebook、Twitter等でDIASの最新情報、フォーラムや会議の開催予定、成果を世界に向けて発信した。このような方策により、ユーザの裾野を広げるとともに、「DIAS運用体制にかかる勉強会」や「DIASの今後の事業設計に関する検討会」において、本課題終了後のDIASの方向性や運営体制等、長期運用体制への移行に向けた検討を実施した。併せて、自治体やIT、電力、林業、金融、資源探査、コンサル、環境CSR等の分野の企業に対するヒアリングやアンケートを実施し、分野ごとのニーズやDIASが提供可能な機能を取りまとめ、DIASの今後の方向性や運営体制、民間の利用促進等、長期的な運用体制への移行に向けた検討を実施した。

<その他の成果>

本課題の実施期間中に東日本大震災が発生し、電力の使用が制限されたため、DIASは縮退運転をせざるを得なかった。この経験をもとにDIASの機能を学術情報ネットワーク(SINET)上に分散化し、東京大学生産技術研究所に設置されているDIASと一体的に運用する機能を急遽設計することとした。この機能により、国立情報学研究所分館、北海道大学、北見工業大学にストレージを分散しつつシステムとして一体的に運用することが可能となり、持続的な研究支援体制を整えるなど、当初想定していなかった成果をあげている。

以上の理由から、DIASが地球観測データや情報のデータ基盤として各分野間の連携や科学と社会との連携研究を推進し、さらにIT研究者が協力することにより問題解決にあたるプラットフォームが実現できたことは、我が国の今後の研究コミュニティのレベル向上にも貢献できるものと高く評価できる。

(3)今後の展望

<成果の活用>

DIASはデータアーカイブ、データ統合・解析、科学知の社会実装、科学・技術外交の各面で、地球規模の課題解決に大きな実績を挙げてきた。このような実績をもとに、今後は、「仙台防災枠組2015-2030」、「持続可能な開発目標(SDGs)」、「パリ協定」等、特に地球観測・予測データとの親和性の高い地球規模課題への貢献が望まれる。
また、DIASは地球観測に関する政府間会合(GEO)による意思決定のための地球観測の調整や統合化をはじめとする分野間連携と、科学と社会との連携の具体化を支援する先駆的試みである。本課題は、分野間連携として自然科学分野に焦点をおいて開始したが、経済や社会制度等の人間世界の理解や予測に加え、人間の認識世界までに及ぶ科学の知の創出と、それが広く共有される環境づくりに貢献することが可能であると考えられる。さらには、これまでの学-官の協力に加えて、民間との協力を進め、民間事業の拡大による民業の活性化による科学知の社会への実装を加速し、環境や災害の課題を解決することが重要である。

<今後の展望>

本課題の後継事業として平成28年度より開始された「地球環境情報プラットフォーム構築推進プログラム」においては、DIASを社会課題解決のプラットフォームとして位置づけ、民間活力を導入することにより国費のみによらない運用、発展していくことも目指している。そのためには、DIASに格納されたデータやこれまでに開発されたツール、アプリケーションを継続的に運用することにより、科学的、社会的価値を生み出しつつ、民間のアイディアの取り込み等によりこれまで研究目的に限られていた利用を拡大し、民間事業者にも活用されるような運用体制を構築することが必要である。そのうえで、企業も含めたユーザの拡大と、ビジネスを見据えたアプリケーションを開発するとともに、企業の利用を前提としたセキュリティ機能やデータポリシーの策定を行い、早い段階で具体的な成功事例を示し、また研究の成果として具体的にどのような実績(社会課題の解決等)をもたらしているか広く社会に発信していくことも重要になる。
また、本課題において育成されたIT人材の確保も今後の取組として重要になるとともに、大学、研究機関と協力して学理に基づくコンピテンスの高いシステム開発をバランス良く進める必要がある。さらには、DIASの公共的な側面として国際貢献によるデータ外交にも役立つシステムとして、またSociety5.0を実現するシステムの一つとして、更なる発展を期待する。



大学発グリーンイノベーション創出事業グリーン・ネットワーク・オブ・エクセレンス事業の概要

1.課題実施期間及び評価実施時期

平成23年度~平成27年度

中間評価 平成25年8月、事後評価 平成28年10月

2.研究開発概要・目的

グリーン・ネットワーク・オブ・エクセレンス(GRENE)事業は、環境エネルギーに関する重要な科学技術分野・領域毎に、大学等によるネットワークを構築し、人・物・情報を共有し、最先端の研究から人材育成までを一体的に行うことにより、我が国の国際競争力を支える優秀な人材(研究者、プロジェクト管理者等)と研究成果を創出する。

<環境情報分野>

環境情報分野は、環境情報を活用して気候変動への適応等の課題に取り組む大学・研究機関が「データ統合・解析システム(DIAS)」を中核基盤とするネットワークを構築し、課題解決に向けた環境情報の利活用の促進及びそのための人材育成を図ることを目的とする。

<植物科学分野>

植物科学分野の研究開発の推進にあたっては、植物科学研究とバイオマス変換利用研究に実績のある大学・研究所を中心として、高生産性かつ有用工業原料となる植物バイオマスの育種を行う「スーパーバイオマス育種拠点」と育種されたスーパーバイオマスからバイオベース化学品等の高効率生産を行う「バイオマス利活用拠点」を構築する。
これらの拠点を有機的にネットワーク化し、「植物CO2資源化研究拠点ネットワーク(Network of Centers of Carbon Dioxide Resource Studies in Plants: NC-CARP)」を構築することにより、植物の光合成能力向上やバイオマスの増産・化学品生産に関する研究開発を行う。また、参画する研究機関が経済性・環境性・社会的影響を考慮するライフサイクルアセスメントに関する意識を共有し、また、教育面では、理学、農学、工学系の人材や技術の交流により、CO2資源化分野をリードする国際的イノベーター養成を目指す。

3.研究開発の必要性等

【必要性】

大学は、「知の拠点」として我が国のグリーン・イノベーションを牽引する役割を担っている。しかしながら、科学技術分野や領域毎に様々な取組が行われているが、大学毎にバラバラで統一性がとれておらず非効率的であったり、個々の大学単位では資源不足等のために効果的な取組が行われていないなどの問題がある。優れた研究拠点が横断的に連携する大学・研究機関のネットワークを構築することで、これらの問題を解決し、「知の拠点」として大学等が持つ総合的かつ多様なポテンシャルを最大限に生かすことにより我が国のグリーン・イノベーションの加速を図る必要がある。
また、大学においては、教員の発意によって人材育成、研究開発、国際協力等のグリーン・イノベーションに関する様々な活動が行われているが、大学全体の活動の一部に過ぎず、大学を超えた研究者同士の連携や協働作業等が十分に行える体制はない。このため、我が国のグリーン・イノベーションによる成長のために効果的な大学の事業に対して、国が補助することにより、我が国のグリーン・イノベーションに資する大学の潜在能力を引き出す必要がある。
環境情報分野においては、地球観測データ、気候変動予測データ等の環境情報が科学的・客観的な知見として利活用され、気候変動や様々な自然災害等、多岐にわたる地球規模課題の解決に貢献することが重要である。
植物科学分野においては、地球規模の課題である気候変動問題へ対応し、グリーンイノベーションを推進するための主要な方策の一つとしてバイオマスの効率的な利活用があり、光合成機能等に係る基礎基盤研究や二酸化炭素(CO2)の固定・資源化及びバイオマスの量的利活用を促進する研究・教育等を一体的に推進することが重要である。

【有効性】

大学においては、既に様々な形でグリーン・イノベーションに資する活動を行っており、活動間の連携、成果や効果の持続性を確保するため、多くの社会貢献や国際競争に対して意識の高い教員や大学経営者が、本事業の実施を渇望しており、既に自主的な準備活動を行っている研究コミュニティも存在する。このため、本事業は、極めて実現性が高く効果的である。
環境情報分野では、環境情報を活用して気候変動への適応等の課題に取り組む大学・研究機関がDIASを中核基盤とするネットワークを構築し、課題解決型研究開発及び人材育成を実施することにより、気候変動や様々な自然災害等、多岐に亘る地球規模課題の解決に向けた効果的な検討が加速される。
植物科学分野では、有機的にネットワーク化した異分野融合による新技術創出の新展開を図るとともに、企業や国際機関等の連携を行うことにより、CO2資源化及びその利活用技術の実用化へつながる基礎及び応用研究の加速が効果的に図られる。

【効率性】

低炭素化技術等の各分野において人材育成と研究開発のための大学間のネットワークが構築され、効率的に我が国の国際競争力を支える優れた人材と研究成果が生み出されることが期待できる。
環境情報分野では、第3期科学技術基本計画の国家基幹技術の一環として開発されたDIASの資産を効果的に用いることにより、効率的にプロジェクトを実施することができる。また、DIASを利用するにあたって必要となるネットワーク構築のための共有基盤の整備、情報科学的な知見の提供、技術支援、シンポジウムの会議開催等を担当する幹事機関が置かれ、事業全体として円滑かつ効率的にプロジェクトが推進される。
植物科学分野では、研究代表者及び副研究代表者のリーダシップのもと、参画する大学・研究機関の研究者等の実施者や外部有識者から構成されるネットワーク運営委員会等を設置し、進捗管理及び助言・評価を行う階層的な連携体制により、効率的にプロジェクトが推進される。

4.予算(執行額)の変遷

<環境情報分野>

年度

平成23年度(初年度)

平成24年度

平成25年度

平成26年度

平成27年度

総額

予算額

419百万

356百万

356百万

310百万

279百万

1,720百万

執行額

415百万

348百万

348百万

302百万

調整中

<植物科学分野>

年度

平成23年度(初年度)

平成24年度

平成25年度

平成26年度

平成27年度

総額

予算額

419百万

386百万

346百万

285百万

257百万

1,693百万

執行額

419百万

386百万

346百万

285百万

調整中

5. 課題実施機関・体制

<環境情報分野>

研究代表者
○アジアモンスーン地域における気候変動とその農業への影響評価
(研究代表者:東京大学 教授 溝口勝、以下「溝口課題」という。)
○生物多様性・生態情報の環境情報への統合化、および統合情報を利用した生物多様性影響評価法開発
(研究代表者:東京大学 教授 伊藤元己、以下「伊藤課題」という。)
○衛星データ等複合利用による東アジアの二酸化炭素、メタン高濃度発生源の特性解析
(研究代表者:東京大学 准教授 今須良一、以下「今須課題」という。)
○気候、土地利用、人口の変化が引き起こす新たな健康リスクの予測モデル構築とその検証に関する研究基盤形成
(研究代表者:東京大学 教授 渡辺知保、以下「渡辺課題」という。)
○環境情報技術を用いたレジリエントな国土のデザイン
(研究代表者:名古屋大学 教授 林良嗣、以下「林課題」という。)
○分野連携による地球環境情報統融合ワークベンチを活用した流域レジリエンスの向上
(研究代表者:東京大学 教授 柴崎亮介、以下「柴崎(流域)課題」という。)

○データ統合・解析システム利用支援・分野連携実現プログラム
(研究代表者:東京大学 教授 柴崎亮介、以下「柴崎(幹事)課題」という。)


主管研究機関  東京大学、名古屋大学
共同研究機関  北海道大学、東北大学、山形大学、東京大学、首都大学東京、千葉大学、
名古屋大学、京都大学、奈良女子大学、海洋研究開発機構、国立環境研究所、
農業環境技術研究所、農業・食品産業技術総合研究機構、人間文化研究機構総合地球環境学研究所

<植物科学分野>

研究代表者 東京大学大学院理学系研究科教授・研究科長 福田 裕穂
代表機関 東京大学(スーパーバイオマス育種ネットワーク)
副代表機関 神戸大学(バイオマス利活用ネットワーク)
共同研究機関

(スーパーバイオマス育種ネットワーク)
岡山大学、京都大学、大学共同利用機関法人自然科学研究機構基礎生物学研究所、
奈良先端科学技術大学院大学、名古屋大学、東北大学
(バイオマス利活用ネットワーク)
国立研究開発法人理化学研究所、筑波大学、 国立研究開発法人産業技術総合研究所

事後評価票(案)

(平成28年10月現在)

1.課題名:

大学発グリーンイノベーション創出事業 グリーン・ネットワーク・オブ・エクセレンス事業(環境情報分野・植物科学分野)

2. 評価結果

(1)課題の達成状況

<必要性>

環境情報分野については、大学・研究機関が「データ統合・解析システム(DIAS)」を情報基盤とするネットワークを構築し、地球規模の環境情報の取得から課題解決に向けた環境情報の利活用の促進に係る研究開発及び専門人材育成を推進することを目的とし、農業、水、健康、都市、生物多様性、炭素循環の6課題、及び課題間の連携促進とDIASの利用支援を行う「幹事課題」の7課題を実施した。これにより、DIASへのデータ登録(30データセット)とDIASを用いた課題間の連携が進み、地球観測データや気候変動予測データ等の地球環境情報が各課題において科学的、客観的な知見として利活用された。その結果、我が国にとどまらず、例えば農業への影響評価や洪水予測、感染症予測等、成果がアジア各国の気候変動や自然災害等の多岐にわたる地球規模課題の解決に貢献していることから、本事業の必要性は高く評価できる。
また、植物科学分野については、昨年12月にCOP21で採択された「パリ協定」への対応として、我が国が本年4月に策定した「エネルギー・環境イノベーション戦略」においてインパクトが大きい分野とされるなど、温室効果ガスとして代表的なCO2を資源として捉えた、バイオマスの育種及び利活用に関する研究開発並びにそのための人材育成の必要性はますます高まっていると評価できる。

<有効性>

環境情報分野においては、各課題とも地球環境情報を活用し、気候変動への適応等の課題に取り組むことにより、新規性や利用価値の高い地球環境情報を創出しており、課題解決型の研究開発を実施してきた。また、DIASを情報基盤として大学・研究機関間のネットワークを構築しており、研究活動を通じた専門人材を育成するとともに、一般学生等を対象とする講義やセミナーを開催することにより、人材育成のすそ野を広げる活動も着実に実施した。また、河川流域のモデル地域である東京都八王子市においては、流域課題に加え生物多様性、健康、都市の各課題が共通して利用可能な基盤データを整備するなど、「地球環境情報統融合プログラム(DIAS-P)」との連携・協働により研究開発や人材育成が有効に進められたと評価できる。
また、植物科学分野においては、異分野連携のためのネットワークの構築により、基礎研究から応用研究を幅広く進めることが可能な研究基盤を構築し、参画する研究機関が経済性・環境性・社会的影響を考慮するライフサイクルアセスメントに関する意識を共有しながら、全体として有効な研究成果をあげた。また、実用化を見据えたイノベーターの育成が進められ、有効な成果をあげたと評価できる。

<効率性>

環境情報分野では、地球規模課題の解決に向けた六つの課題とともに幹事課題を設けることにより、各課題が共通して必要となる基盤の整備、情報科学的な知見の提供、技術支援、シンポジウムの開催等を効率的に実施するとともにDIASのIT研究者との連携により、データの収集、蓄積、解析環境の構築等効率的なIT活用を行い、これによりプロジェクトを効率的に実施した。また、DIASの共通基盤を用いることにより、センサーからの自動的なデータ収集、データ提供等課題間の有機的な連携を実現した。このような体制の構築により、本事業を効率的に実施したと評価できる。
また、植物科学分野については、各参画機関の専門性を生かした成果が蓄積されるとともに、ネットワークをとおして効率的に事業が推進されており、投入された予算に比して十分な成果をあげたと評価出来る。

(2)成果

(環境情報分野)

【溝口課題】農業分野

農業を主要産業とするアジアモンスーン地域では、気候変動の農業に対する影響の評価が今後著しい経済発展を続ける過程で重要な課題になると見込まれる。そのため、本課題において同地域の品質管理された長期気象データセットを整備したことは学術的にも貴重であり、農業影響評価システムによる農業気象、熱・水収支の長期変化を解明したことは、今後の持続的な農業の発展に大きく貢献することが期待される。また、本課題においては、タイ中央部の灌漑水田を対象とし、温暖化に伴うメタン排出量の増加が、適切な水管理によって緩和できる可能性を定量的に示すことにより、アジアモンスーン地域における水田水管理が地球温暖化の解決の有効な手段になり得ることを初めて明らかにするなど、世界的にみても優れた成果をあげた。
人材育成においては、留学生の受け入れやポスドクの現地派遣を通して、我が国の研究開発や国際競争力の強化に貢献する人材を輩出するとともに、環境モニタリングセンサの活用に関して、インドネシアとフィリピンで自らベンチャー企業を立ち上げる若手人材が育っている。

【伊藤課題】生物多様性分野

本課題においては、研究コミュニティとの連携により、生物多様性・生態系ネットワークに大量に蓄積されている生物多様性・生態情報を収集するとともに、メタデータ・観測データの標準データ形式を整備することにより、DIASと連携したメタデータベースと観測データベースを構築した(蜜源植物種数地図、樹木潜在光合成能力地図等)。特に、植生調査データ、昆虫分布データ、森林資源モニタリングデータ等の生態系評価の核となるデータや環境データ(気候、地形、地質、土地利用、植生図等)に関しては、標準項目データベースとして整備することにより課題間で効率的なデータ共有をできるようにした。
人材育成においては、JaLTER(日本長期生態学研究ネットワーク)と連携し、データ入力キャンプ等の生態系情報の集約・公開を推進する活動を毎年継続して行うとともに、2015年には公開シンポジウムを開催し、学生や若手研究者を含む117名の参加者を得て、生態系情報の収集・公開・利活用を推進するための情報交換の場を構築した。また、本課題で実施された野外調査やデータ処理・解析を通して、フィールド生態学と生態情報学の両分野横断的な研究者が育成されている。

【今須課題】炭素循環(気候)分野

本課題では地球規模を意識した全球バイオマス量の推定、全球バイオマスバーニングによる二酸化炭素放出量の算出、インドネシア泥炭火災に伴う二酸化炭素放出量の評価、水田からのメタン放出特性の解析や土壌水分量との関連性評価、シベリア域における湿地からのメタン放出量データベースの構築、CO2ゾンデ、地上リモートセンシングによる検証用データベースの構築等を行った。特に、全球バイオマスバーニングによる二酸化炭素排出量データについては、世界的に広く利用されている既存データベースと比較して時間分解能に優れているため、国際的にも高く評価されている。また、温室効果ガスとして重要な二酸化炭素とメタンの挙動解明が求められている中、その基礎となる発生量データベースを作成し、今後のプロセス研究にも利用される基盤を構築した。
人材育成においては、本課題の研究に対し様々な国際学会で賞を受賞するなど、研究人材の育成を行うとともに、若手向けセミナーの開催を通じて学部から若手研究者までの幅広い人材育成を行った。また、学部と大学院に対する授業を実施しており、延べ2000人を超える受講生があった。高校生向けの各種イベントも開催され、将来研究者を目指す理系学生に向けた情報発信も着実に行っている。

【渡辺課題】健康分野

本課題では、人の移動を考慮した暑熱・大気汚染暴露モデルを開発し、都市域における健康への影響がその周辺に及ぶ様子を視覚化した。これによるGISや気象モデルのダウンスケーリングといった空間情報技術の発展は保健学・医学領域の研究に大きなインパクトを与えており、本モデルを用いた動的暑熱暴露評価は先駆的な結果の一つと考えられる。また、土地利用-感染症リスク・マッピングにおいては、主として(亜)熱帯地域にみられる感染症(肝吸血症、マラリア症)の伝播・空間分布推定に環境情報を利用するモデルを構築しており、人口分布と植生分布を組み合わせた手法は保健領域への適用例が少なく、先進的な事例となっている。本課題で取り組んだ都市洪水時の下痢症発生リスクについては、従来のモデルで考慮されていなかった2次感染を導入することにより、これまでにない下痢症発生確率の空間分布をマップ化し、健康リスク評価を行うことを可能とした。これらの成果は学術的にも先端的意義を持つとともに実践応用の面でもインパクトが大きいと考えられる。
人材育成では本課題の知見を生かし、長崎大学において「熱帯医学・グローバルヘルス研究科修士コース(入学定員:3コース27名)を設置しており、学生の輩出を行っている。また、国際シンポジウムの開催、参加を通じて大学院生を含む若手研究者が多数発表を行い、海外の研究者と意見交換を行うなどの経験を積む機会を提供している。

【林課題】都市分野

本課題では、名古屋市を中心に自然や社会の変化に関する様々な要素を指標化し、維持コストや生活の質(QOL)、環境負荷等を相互に比較できるようにマップ化・重ね合わせする方法論を開発した上で、これを全国展開することにより、国土の有効活用や都市計画に利用可能なアプリケーションを開発した。具体的には、都市環境に関する多角的な空間データの進化型統合データプラットフォームの開発、市街地における地震・火災延焼、地方における土砂災害リスク、東日本大震災及び南海トラフの広域被害及び居住者のQOL評価分析手法の開発、そしてDIASの活用を前提に水資源や大気環境、生物多様性に関するデータを統合し、レジリエントな国土デザインのための分析・評価・政策展開・活用手法を確立した。
人材育成では、本課題に参画したポスドクや留学生には、研究成果を評価され教員として大学に就職した事例もある。また、学部や大学院生が本課題で得た関連知識や技術を活用し得る企業や官公庁へ就職している。

【柴崎課題】水循環分野

本課題では、国内及び海外の6河川を対象に各流域のステークホルダーとの協働により、季節予測モデルの開発とダウンスケーリング手法を用いた地域スケールの季節予測手法を確立し、その情報を行政や市民と共有する段階まで到達した。特に東京都八王子市の浅川では、都市の生活指標や健康指標との統合化を行うことにより、気候変化に対してどのように科学と社会との連携を進めるかというロードマップを作成した。海外の河川では、ベトナム、カンボジア、インドネシア、ケニアの各河川について、水環境改善対策、農業生産への応用、洪水や流域内物質循環の影響評価を各国と協力して実施し、関係者のネットワークを構築した。特にインドネシアでは気候や土地利用の変化が洪水や流域内物質循環に与える影響を検討し、政策立案に資する知見、情報として取りまとめた。
人材育成では、国際公募によるサマープログラムを2015年より実施(応募約110名、採択約30名)しており、東京大学、京都大学、ハーバード大学、ナンヤン工科大学、ソウル国立大等の大学生を対象に河川流域分野における分野間連携やGISやモデルの基礎を学ぶ実践的なプログラムになっている。この取組を通じて、将来的に日本の河川・水資源管理技術の海外輸出や海外水ビジネスの創出への貢献も期待できる。

【幹事課題】

各課題とのネットワークを構築することにより、連絡を密に取りながら各課題が必要とするデータをDIAS上に整備し、そのデータを処理・解析するためのツールの開発支援を行うとともに、アウトリーチ活動として各課題の成果を発表するという役割を適切に実施した。特にDIASを利用した市民からの生物や環境データを収集するシステムでは、市民参加型のサイエンスに取り組み、作成されたデータセット自体も科学的に価値のあるものとなっている。また、社会経済・人間活動を空間的に詳細に表すマイクロジオデータの開発と利用においては、都市計画や災害リスク推定等に新たな研究コンセプトを提案するなど国際的にも高評価を得ている。さらに、携帯電話データを用いた人流推定手法とデータ作成は、国スケールで人の流動を推定した初めての研究であり、学術的価値も高い。このように各課題間の連携に役立つデータセットやツール開発を支援するとともに、学術的な成果を挙げた。
人材育成においては、学位を取った学生のうち2名が起業しており、特にタイで起業した学生は、本課題の成果を応用し、タイ国内の人流データを政府の災害対応支援等に提供するサービスを行っている。また、本課題で蓄積されたデータや知見を集約した国際的な人材開発プログラムを慶應義塾大学、東京海洋大学等と立ち上げるなど(毎年30名を超える参加者)、着実に人材育成が行われている。


以上のように、本事業においてはDIASを情報基盤とするネットワークが構築され、課題解決に向けた環境情報の利活用の促進及びそのための人材育成を継続して行うための体制が構築された。また、優れた研究成果を創出し、既に社会で活用されているものもある。このため、本事業は所期の目標を達成しているものと評価できる。

(植物科学分野)

本プロジェクトでは、(1)現在通常耕作地で50 t/ha/年を示しているソルガムの収量を100 t/ha/年に向上させる、(2)悪環境地でのソルガム収量を20 t/ha/年に上げる、(3)悪環境下での早生広葉樹のバイオマス生産量を1.5 倍にする、(4)バイオリファイナリーに適したスーパーバイオマス植物を作成する、(5)バイオ芳香族化合物由来のバイオエンジニアリングプラスチック、スーパー繊維、オールバイオ複合材料、バイオファインケミカルを各1種類以上、ベンチスケールまでスケールアップする、(6)経済・環境性が両立するバイオベース製品生産一貫システムの構築、(7)植物CO2資源化研究拠点ネットワーク(NC-CARP)コース履修者30名、(8)CO2資源化イノベーター5名養成、という目標を掲げたが、これらの目標は全て達成し、中には大きく目標を超えた成果も創出された。
具体的には、(1)については、132 t/ha/年というこれまでの収量を大きく上回るスーパーソルガム品種を作出した。(4)については、バイオマスを利用しやすい形質に改変するための多数の有用遺伝子の同定に成功、ソルガム、ポプラ、ユーカリ等の有用バイオマス植物の改変技術を確立した。(5)については、エンジニアリングプラスチック原料となりうる2種の芳香族化合物の微生物生産系の確立、ポリマーブレンド素材生産系の確立、セルロースナノファイバーを用いたオールバイオ複合材料の作出、着色剤や半導体素子として利用可能なファインケミカル生産系の確立等に成功した。
人材育成の体制整備や研究者間の連携は充実しており、理学、農学、工学系の人材や技術の分野を超えた交流により、国際的イノベーター養成に向けた大学院生や若手研究者の教育も実際に機能し順調に進んだ。具体的には、複数の企業、海外研究拠点から講師を招く教育プログラムの作成、新設した産学連携コンソーシアムの活用、海外圃場実習、世界的に著名な海外バイオマス研究所との相互連携の強化等を実施し、実用化を見据えた人材育成活動が行われ、所期の目標を上回るイノベーターの育成を達成した。
また、参画機関をグループ化し、グループ毎に作成した5年間のロードマップに基づき、着実に研究を進め、これまでの収量を大きく上回るスーパーソルガム品種の作出等、予想を大きく上回る成果も創出した。さらに、異分野とのネットワーク形成による相乗効果として、10の共同研究課題を推進し、プロジェクト全体として世界水準の画期的な研究成果を創出した。
研究成果の実用化や社会導入を見据えて、平成25年度に発足させた産学連携コンソーシアムを年4回開催し、企業関係者との連携に取り組んだ点は評価できる。また、査読付論文262編、査読無論文58編等多くの研究成果を創出したほか、中間評価の指摘を受け、5年間の研究成果を取りまとめた一般向けの報告書の配布、一般向けシンポジウムの開催、ニュースレターの発行等、社会への情報発信に精力的に取り組んだことは高く評価できる。

(3)今後の展望

(環境情報分野)

各課題により開発されたアプリケーションやデータセットは、DIASを通じて継続して提供が行われており、国内外の研究者により利用が可能となっている。市民参加型のアプリケーションとしてDIASとの連携により開発された「生きモニ」は、「川モニ」や「こけモニ」等の横展開が進んでおり、本事業終了後も継続的に利用されることを期待する。
今回構築された海外との研究体制については、各国の研究者が自国の予算を獲得することにより国際的な枠組みのなかで維持されていくことになる。特に、海外に設置された観測装置は研究協力体制を構築した相手方により維持されており、リアルタイムデータが継続してDIASに登録される体制が整えられた。このような国際的な連携の促進により、各国の研究グループが共同して国際研究ファンドへの申請を行うなど、より密接な協力関係を構築、発展させていくとともに、成果が国際的な協力のなかで利用され、展開していくことを期待する。
人材育成については、例えば柴崎課題のように民間企業からの寄付講座が実施され、継続的な人材育成と共同研究の維持体制が整っている例もある。各課題で実施してきた教育プログラムや演習は、引き続き各大学において実施される予定となっており、育成された人材の活用も含めて人材育成が今後も継続的に行われることを期待する。

(植物科学分野)

本プロジェクトでは、高強度・高耐熱性プラスチックとして利用可能な芳香族化合物等、複数の植物由来化成品材料が創出されており、今後の研究の進展や産学連携等のビジネスを意識した取組による実用化が期待される。今後、LCA分析によって明らかにしたプロセスの改善点を利用することで、実用化の加速が期待できる。
また、本プロジェクトで構築された研究機関や企業とのネットワークを活かした異分野連携を継続することにより、今後の共同研究の発展が期待される。既に、本プロジェクトにおける共同研究からNEDOプロジェクト、CRESTプロジェクト、ALCAプロジェクトがスピンアウトしており、今後の研究成果の創出が期待される。他にも、本プロジェクトの成果を活用した研究開発が複数継続して行われており、技術開発の進展が期待される。
本プロジェクトにより養成されたバイオマス研究人材は、一つの分野にとらわれず、植物育種からバイオマテリアル生産までの一貫教育を受けており、CO2資源化分野の研究開発を牽引するだけでなく、我が国の国際競争力の強化に大いに貢献すると期待される。本プロジェクトで整備された50を超える講義の動画は、オンデマンドで提供することが可能であり、今後もバイオマス研究人材の育成に貢献できるものと期待される。


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研究開発局環境エネルギー課

(研究開発局環境エネルギー課)