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核融合科学技術委員会(第10回) 議事録

1.日時

平成29年4月12日(水曜日)15時~17時

2.場所

文部科学省 12階 国際課応接室

3.議題

  1. 第9期核融合科学技術委員会の運営について(非公開)
  2. 原型炉開発総合戦略タスクフォースの設置について
  3. 核融合分野における国内の研究開発の進捗状況について
  4. 第9期核融合科学技術委員会の主な検討課題について
  5. 「原型炉研究開発の推進に向けて(仮称)」の策定について
  6. その他

4.出席者

委員

小川主査、大野主査代理、五十嵐委員、海老塚委員、岡野委員、尾崎委員、尾野委員、岸本委員、兒玉委員、佐藤委員、高梨委員、竹入委員、村上委員、森委員

文部科学省

松浦研究開発戦略官、遠藤補佐、野田核融合科学専門官、上田科学官、秋山学術調査官

5.議事録

【小川主査】  それでは、定刻より少し早いですけれども、全員おそろいということで、始めさせていただきます。本日は、御多忙中のところお集まりいただきまして、ありがとうございました。それでは、座らせていただきます。
 これより第10回核融合科学技術委員会を開催いたします。本日は、第9期の委員会として初めての会合となります。
【小川主査】  それでは、続けさせていただきます。
 ここで文部科学省の増子大臣官房審議官より御挨拶お願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
【増子審議官】  改めまして、これからお世話になります。よろしくお願いします。また、本日、大変お忙しい中、全員参加ということで、大変感謝しております。
 特に今回、第9期の1回目ということで、一言御挨拶させていただきますが、事務方からいろいろ伺いますと、第8期、かなり精力的に御議論いただいたと聞いています。原型炉の開発の体制の構築に向けた御議論、あるいは今後の核融合分野の研究開発をどう進めていくか。また、ITER計画の中間評価もやっていただいたというふうに聞いております。そういう中で第9期を迎えたということで、これからもいろいろな課題があると思っております。特に核融合、原型炉ということで、その推進方策ですね。それをどういうふうに進めていくのか。また、その下の具体的なアクションプラン、これについても御議論いただきたいと思っていますし、人材育成、これも重要な課題だと思っています。
 先ほど車の中で遠藤補佐に、核融合分野というのは、研究者、技術者、何人いるんだと。そうしたら、1,000人と明確に言ってくれたんですけど、1,000人といって、本当にバランスよく、例えば材料屋さん、あるいは炉物理の関係とか、バランスよく人材が育成されているのかどうか。また、遠い将来を見たときに、原型炉というときに、ボリュームも含めて、本当にどういう人材がどのぐらい必要なのか。そういう御議論をやっぱりちゃんとやっていただく必要があるのかなと思っていますし、もう一つは、社会との接点ですね。アウトリーチの関係も御議論があったというふうな話を聞いていますが、やはり原子力の中でも、核分裂に比べると、核融合とはほとんどの国民、1回ぐらい聞いたことがあるぐらいの感じだと思っております。
 そういう中で、前職が会計課長だったもので、核融合の予算、何でこんなどんどん膨らむんだということをよく松浦君に言っていた立場だったんですが、これからは取ってこなきゃいかん立場に変わりましたので、そういう意味で、財政当局含めて、核融合がいかに重要か。国民も理解してくれるような核融合の魅力、将来性、そういうものについてもどういうふうに進めていったらいいか。その辺についても是非お知恵を拝借したいし、御議論を頂きたいと思います。今後ともよろしくお願いします。
【小川主査】  ありがとうございました。非常に主査としては有り難いことに、アクションプランの話、人材育成の話、アウトリーチの話という、正に我々がキーワードとして議論してきまして、今期もそれを議論していく予定にしております項目を挙げて頂きました。是非とも御支援いただきたいと思います。
 増子審議官、ありがとうございました。
 それでは、続きまして、議題2、「原型炉開発総合戦略タスクフォースの設置について」に入ります。タスクフォースにつきましては、前期より当委員会の下に設置し、アクションプランの取りまとめ等を行ってきたところです。今期も引き続き、アクションプランの具体化等について検討を行っていただく必要があると考えております。事務局から説明をお願いいたします。
【野田専門官】  資料2と資料3でございますけど、まずお認めいただきました運営規則の第2条に委員会にタスクフォースを置くことができるという条項に基づきまして、設置をいたします。そして、資料3をごらんいただきますと、これが設置についての(案)でございますが、基本的には前期と変わっておりません。調査事項といたしまして3つほど。アクションプランの見直しと具体化、それから、合同特別チーム等による研究開発の進捗状況の把握、また、同チームへの助言など。それから、原型炉研究開発の推進に必要な技術的課題等の同定でございます。
 設置期間につきましては、第9期であります平成31年2月14日までということになってございます。
 説明は以上でございます。
【小川主査】  ありがとうございました。それでは、ただいまの説明に対して、御質問、御意見がございましたらお願いいたします。よろしいでしょうか。
 前期の8期でもタスクフォースを設置しまして、非常に精力的に活動していただきました。それで、いろいろなアウトプットを出していただいて、この本委員会で審議させていただきましたので、第9期も前期に引き続き資料3に基づきまして、原型炉開発総合戦略タスクフォースを設置することといたします。
 なお、タスクフォースの委員につきましては、後日、私、主査から指名させていただきます。それで進めさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。よろしいでしょうか。はい。
【森委員】  調査事項については、前期の調査事項と何か変わっているところはあるのでしょうか。
【野田専門官】  変わっているところは、アクションプランのところで、「策定」となっておりましたけれども、今回、「見直しと具体化」という変更をさせていただいておるところです。
【森委員】  分かりました。
【竹入委員】  関連して。前期でアクションプランの策定という形で行われたんですけど、そこを今期で見直しということに関して、何か契機があって見直すのか、それとも、よりよいものにするから部分的改定で見直すのかというあたりはいかがなんでしょうか。
【野田専門官】  これは主に、もう前期からやっていただいておりますけれども、ITER計画の工程の見直しでありますとか、最新の研究開発の状況に応じてアクションプランを最適なものに見直すという趣旨とお考えいただければと思います。
【小川主査】  今までのプロセスで言いますと、前期の2年間において、1年目でアクションプランをまず作った。そのときはITERが昔のスケジュールなので、そして、それを昨年3月のこの委員会で議論しました。ただし、昨年の4月以降、ITERの見直しがある程度顕在化したので、それを踏まえて、昨年1年間、スケジュールの見直しを行って、それが今引き続いているという理解でよろしいわけですか。
【野田専門官】  はい。
【小川主査】  そういう理解で進めさせていただきます。
【松浦戦略官】  加えて、この後、議論いたします資料8-1と2で、原型炉研究開発の推進と、そのチェック・アンド・レビュー項目は見直していますけど、アクションプランの上位に来るような文章の位置付けになりますので、この議論も踏まえてアクションプランを見直していくということになるかと思います。
【小川主査】  御指摘のように、見直しという言葉がちょっと引っ掛かる。策定。
【松浦戦略官】  せっかくできたのにという感じで。
【小川主査】  そうですね。はい。正確に言うと、ファイナライズされたアクションプランとして、まだ設定され切れていないというところなのかもしれないですね。
【岡野委員】  アクションプランは常に見直していくというつもりで作られていると私は理解しているので、ここで完了というものではないかなとは思います。
 それから、これは質問なんですが、ロードマップの作成を目指すというのが目標にあったと思っていたんですが、アクションプランはこの先にロードマップがあるというつもりで作っているもののように思ったんですが、見直しとか実施に向けて、具体化に向けたアクションというものの中に、ロードマップの検討みたいなものは入っているんでしょうか。それとも……。
【野田専門官】  それも明示的に入れるように考えたい。修正をまた主査とも相談いたしまして。
【岡野委員】  ああ、そうなんですか。その言葉がなくなっているのがちょっと気になったんですが。
【小川主査】  いや、これはそういう意味で言うならば、前回はこれだったんですね。
【岡野委員】  そうですね。見直しだけがなかったんですね。
【小川主査】  ロードマップに関しましては、あとの方の資料で……。
【松浦戦略官】  資料7です。
【小川主査】  7ですね。この辺で実際は行いますよということは書いていますので。おっしゃる意味では、ここの設置の目的のところに明記するかどうかという話ですね。それは事務局の方でお願いします。
 よろしいでしょうか。それでは、次の議題に移らせていただきます。議題3、「核融合分野における国内の研究開発の進捗状況について」に入ります。本日は第9期の最初の会合であり、また、新規に加わっていただいた委員もいらっしゃいますので、国内の主要機関における研究開発の進捗状況について改めて御説明を頂くことにいたしました。
 それでは、最初に森委員から、量子科学技術研究開発機構についての御発表をお願いできればと思います。15分でお願いいたします。
【森委員】  分かりました。それでは、お手元の資料4の1ページ目をごらんいただきたいと思います。これは量子科学技術研究開発機構、QSTと略していますけれども、そこの核融合エネルギー研究開発部門の活動全体を示したものです。
 将来の核融合原型炉、これは発電を実証するプラントになるわけですが、それに向けて最も中心、中核な事業としてはITER計画があり、これを7極の国際協力で進めています。それと並行しまして、核融合分野における幅広いアプローチ活動、ブローダーアプローチのBとAをとってBA活動と申しておりますが、これを活用して進める研究開発の一つに先進プラズマ研究開発があります。これは主に核燃焼の制御法の開発といったことを目的としている研究で、那珂核融合研究所を中心に進めています。
 もう一つの研究開発として、右に示した核融合理工学研究開発ですが、ここでは核融合で出てきました中性子やトリウチムをいかにうまく活用していくのかといったことを対象として研究開発と、プラントシステムとして核融合システムの設計を統合して進めていくといったことをやっていて、六ヶ所核融合研究所をベースに進めています。したがって、那珂核融合研究所と六ヶ所核融合研究所がこのQSTにおける核融合エネルギー研究開発部門の推進拠点になります。
 ITER計画については、日本の実施機関の役割を、この那珂核融合研究所にいる部隊で進めております。この全ての計画を、定年制職員としては約240名の体制で、現在一生懸命取り組んでいるという状況です。
 次のページですが、ITER計画とBA活動は国際協定を結んで国のプロジェクトとして進めておりますので、その国際協定の枠組みについて簡単に御紹介した資料でございます。ITER計画は、2007年から始まっていて、参加極は7極、建設地がフランスのサンポール・レ・デュランスで、核融合熱出力50万キロワットの核融合燃焼を初めて実証するというものです。
 各極の費用分担は、そこに書いてあるような分担比率になっています。各極が機器を分担して調達し、それを現地に持ち込んで、ITER機構が全体を組み立てるというのが主な建設に関する役割分担になっています。運転開始が2025年、核融合反応の運転が2035年というスケジュールが昨年のITER理事会で承認をされたところです。現在のITER機構長はベルナール・ビゴ氏です。
 BA活動につきましても、2007年に始まりました。これは日本と欧州が共同でやっている事業で、場所としては六ヶ所核融合研究所と那珂研究所が実施の拠点になっています。
 費用の分担については日、欧で半々であり、当初計画は10年間ですが、特に両極で決定しなければ、以降、自動延長という協定の枠組みになっています。プロジェクトの内容については後でまた御紹介しますので、ここでは省略させていただきます。
 次のページです。世界の7極が取り組むITER計画と題してございますが、実燃料で持続的な核融合燃焼、熱出力で50万キロワットを実証するというもの。しかも、その時加熱パワー5万キロワットに対して10倍のエネルギー増倍率を実証しようというのが計画です。
 先ほど申しましたように、この装置を作るに当たっては、参加極が分担して物納するということで進めます。
 先ほど言い忘れましたが、ITER計画の物納も、幅広いアプローチ活動も、QSTが日本の実施機関ということで指定を受けて進めているところです。現在、ITER機構の首脳は、ビゴ機構長をヘッドに、日本の多田副機構長と韓国のリー副機構長サポートするという体制で進めています。
 次のページをお願いします。これはサン・ポール・レ・デュランスのITERサイトの最近の様子を写真に収めたものでございます。真ん中のところに大きな建物がありますが、これはITER本体が設置される建物ではなくて、すぐ隣にあって、トカマクのコンポーネントを部分的にこの建屋で組み立て、それをクレーン等で運んで、トカマク建屋の中に収めるための大きな建物です。そのすぐ手前のトカマク建屋ピットと書いている場所にトカマクが鎮座するということで、現在、地下2階、それから、地下1階と建設が進んでいる状況です。周りのいろいろな建物とか周辺施設もできつつあり、サイトの様子は毎月毎月変化をしています。
 2016年6月のITER理事会で新建設スケジュールについて承認を受け、同年11月の理事会で新コストが暫定承認されたということで、その後各極国内で承認を得るというような作業を今やっているというふうに理解をしています。
 次のページです。これは日本が調達を分担する機器です。個々には申し上げませんが、核融合に必要で、しかも、核融合に特有な最先端の技術を要する機器ばかりでございます。製作するという観点からはハードルの高い機器ばかりですけれども、現在、国際合意に基づいたスケジュールに沿って、我が国の調達はきちっと進んでいると御理解いただければいいと思います。
 その次のページです。これが日本の分担分全体の調達のスケジュールです。大型超伝導コイルの実機製作の製作とか、中性粒子入射装置の製作など、他極を先導する貢献を果たしています。
 その次のページに移っていただきたいと思います。超伝導磁場コイル製作の進捗ですが、これが金額的にも、規模的にも大きな貢献になる部分ですが、超伝導の導体を製作して、それをD型の巻線にし、その巻線の周りを頑丈な構造物で囲みます。非常に大きな電磁力が働きますので、頑丈な構造物で囲って、すなわちよろいを着せて一体化をし、1つのコイルができるという工程です。このコイルをITERでは全部で18個並べて、トカマク型の装置ができるわけです。日本は一体化の部分については9体分を担当しています。欧州は、スペアも含めて10体のコイルを作りますが、構造物については欧州で組み上げる構造物も含めて、構造物は19体分作り欧州に収めるという分担になっています。導体については既に日本の分担分は全て完了し、巻線については9体分の1体目が今年の2月に完了いたしました。現在、そのよろいに当たる部分も作っているわけですが、今年の夏に構造物の初号機の製作を完了するという予定になっています。
 その次のページをお願いします。これは中性粒子入射加熱といいまして、ITERのプラズマの中に1MeVというエネルギーの高い中性粒子を打ち込んで、プラズマを一億度以上に加熱するための装置です。この装置は、最先端の技術を要し、開発要素の多い機器ですので、ITERに持ち込む前に試験装置で性能を確認して、ITERに持ち込むという計画になっています。その試験をするための施設をイタリアのパドバで製作するということがITER計画の中に含まれています。その試験施設の電源を日本が分担していて、それの製作状況です。
 電圧が1MV、電流60A、パルス幅3,600秒という設備を順調に開発・製作し、国内での製作工程は完了いたしました。パドバへ移送して、試験施設における据付け工事が現在進行中です。来年中に試験検査を完了するという計画になっています。
 その次のページは、テストブランケットモジュールの開発と題していますが、これは国際共同で実施するものではなくて、ITERを利用して行う、我が国の計画というふうに位置付けた方が良いと思います。ITERでは、各極が将来の発電実証炉用ブランケットの開発のため。ブランケットモジュールを試験するためのポートを3つ用意しています。1つのポート当たり2つのモジュールが入るので、合計6モジュールが入ります。そのうちの1モジュールについては、日本が組み込む権利を持っていて、現在開発をしているという状況です。ITER機構としましては、ITERに組み込みますので、ITERの運転とか安全に責任があるという観点で設計レビューを行います。何段階かの設計レビューがありますが、日本のテストブランケットモジュールについて、2015年2月にITER機構による概念設計レビューというのを受けて、幾つか解決すべき課題が抽出されました。それについて解決策を提案して、その妥当性といったことが今年確認をされまして、概念設計としては承認がなされて、いよいよ詳細設計段階へ移行したという状況です。課題の解決ということで幾つか事例に書いてございますが、時間もございますので、割愛いたしますが、そういった課題にちゃんと解決策を見いだして進めています。
 その次のページは、幅広いアプローチ活動ですけれども、ここに3つの事業が書いてございます。六ヶ所核融合研究所で2つの活動、それから、1つの活動を那珂核融合研究所で進めているというものです。
 まずIFERC事業ですけれども、次のページに、全体像がございます。当初10年間という計画で進めておりましたので、原型炉R&Dにつきましては、だいたい大物は終わったという現在の状況で、今後、原型炉設計の中でデータベース構築活動に移行していくということを考えてございます。
 
 計算機シミュレーションにつきましても、昨年末をもって当初の計画を満了したということで、1段落がついた状況です。ITER遠隔実験センターについても、ハードウェア、それから、ソフトウェアの整備が完了したところです。
 その次のページには、原型炉設計について記載していますが、時間もありませんので、省略をさせていただきます。日欧が協力をして設計活動等を進めています。
 第14ページに移っていただきまして、これが原型炉R&Dです。いろいろなR&Dを進めていますが、主に原型炉用のブランケット開発といったことで、課題をいろいろ抽出して進めています。マル1 からマル5 まで、ブランケットのいろいろな部分についての課題を日欧で協議し、課題を設定して、日本の分担のものについてはオールジャパンで取り組むということで、大学等との共同研究もうまく活用して進めてきたところです。
 その次のページも原型炉R&Dの最近の成果ということで例を紹介したものですが、興味のある方は見ていただくということで説明は割愛させていただきます。
 その次のページは、計算機シミュレーションセンターに関する活動ですが、非常に高い稼働率、それから、CPUの利用率も非常に高い状況で運転をしてまいりました。日欧で5年間で639編という多くの論文が創出されてきました。今年度は、欧州から一部のシステムは譲渡を受けて、再構築し、国内用の大型計算機として運用する予定です。まずこれで1年間運用した後、来年度以降につきましては、予算が認められまして、より性能の高いスパコンを用意できると予定です。
 それから、ITER遠隔実験センターは、すでに申し上げましたように、ハードウェア、ソフトウェアともできています。今後、試験運転を行っていくことを考えていますが、既に昨年、ITERからこの六ヶ所センターへデータを転送するといった試験をしています。ここで重要なのは、ITER機構の協力を得てやっているということが非常に重要だと思っています。ITERの実験に遠隔から参加できるようなシステムの構築というのは、日本が他国に先行して進めているものです。
 次のページは、IFMIF/EVEDA事業です。これにつきましては、核融合で生まれる14MeVのエネルギーを持つ中性子と同様のエネルギーの中性子を材料に当てる照射施設です。これを今後作って、材料に当てて、材料の耐久性等を確認しないといけないということです。しかし、そういう中性子源の製作そのものが非常に最先端の技術を要するものですから、その準備としてプロトタイプを日欧協力して作ることを行っているものです。
 この施設は、40MeVの重水素ビームを液体リチウムのターゲットに当てて、中性子を発生させ、それを材料に当てるというものですが、リチウムターゲット系については、既に大洗研究所に試験ループを作りまして、その技術実証を成功裏に完了しています。
 重水素ビームを作る加速器については、欧州で開発した構成部品を日本に持ち込んで組み上げ、試験をするということでことで、そこに書いているようなスケジュールで進めているところです。
 その次のページですが、これまでに入射器と高周波四重極加速器(RFQ)を日本に持ってきて組み立てました。据付、調整等を日本チームと欧州チームが一緒になって進めて、一歩一歩進んでいるところです。
 20ページ目はRFQ付属機器の取付状況です。
 21ページ目からは、JT-60SA計画です。既にあったJT-60という那珂研究所の装置を超伝導の装置に改造するという計画です。この装置での実験運転により、ITERへ貢献する実験成果や、ITERを補完してより高性能の運転法を確立し核融合原型炉へ反映するといったようなことを狙っている計画です。現在、装置を製作しているところで、このページにあるように、着実にできてきています。
 その次のページが日本が担当している機器の製作状況で、トカマク装置本体の組立て状況です。既に真空容器等も360度のうちの340度ができております。20度分についてはわざわざ組み立てないで、脇に置いてありますが、その20度のすき間からトロイダル磁場コイルというD型のコイルを差し込み、所定の位置に回し込んでいくということで、この写真では3体目がついた状況です。きょう時点でいいますと4体目がもう付いており、これも着々と進んでいるところです。
 欧州の方でも機器が順次製作をされておりまして、その次のページに欧州での製作状況を示しています。
 その次のページにはJT-60SAリサーチプランの検討について触れさせていただきました。特に強調しておきたいのは、日本からは国内の大学、研究機関等含めまして160名、欧州からは213名の研究者が参加をしてリサーチプランを議論しているということです。これまでに何回か更新をしており、、平成28年の3月に更新をしたVer.3.3が最新版です。その後もいろいろ議論を重ねているところでございます。
 その次のページ、これはBA活動から少し離れますが、全日本で設計活動を進めるということで、原型炉設計合同特別チームというものをQSTの六ヶ所研究所に設置し活動を進めているものです。一昨年の6月、設置時には52名程度で始めましたが、現在は82名で、その内訳が青字で書いております。大学、産業界の方も加わっていただいて、オールジャパンの体制で取り組んでいます。
 ここでは、また、世界エネルギーシナリオにおける核融合の役割の明確化を目指したRITEとの研究協力も開始しております。
 最後のページには、そこでの活動の最近の成果の例を示していますが、これも細かい内容に入りますので、説明は割愛させていただきます。
【小川主査】  ありがとうございました。それでは、ただいまの御発表に対して御質問等がございましたら、お願いいたします。
 私の方からよろしいでしょうか。3ページ目のところのITERの、ビゴ機構長、多田副機構長の載っているところですけれども、ITERの建設開始が2007年で、初プラズマが2025年、核融合運転が2035年。これが今、ITERカウンシル等で議論されているところですけれども、それも含めまして、また先ほどは国内のITERに対するコントリビューションを御説明いただきましたけれども、世界的なITERに対する進捗状況が各国において今どのようになっているのか、もしご存知ならご説明頂けないでしょうか。
【森委員】  細かく説明はしませんでしたけれども、先ほどの4ページ目の写真の中に、例えばポロイダル巻線棟とございますが、建物だけではなくて、この中で超伝導のポロイダル磁場コイルを巻くといったような、これは欧州の分担が入っていたと思いますけれども、そういったものも現在も実際に巻線作業をやっているというようなことだし、それから、電源関係については、中国からのものが入ってきて、もう設置がされているものもあるといったようなことで、完成というわけではないですけれども、そういったことで、どこの極も基本的には現在、先ほど言った、見直したスケジュールに従って進めるといったようなことで進んでいると思います。
 中には黄色信号のものが出たりというようなことは常に、再調整をするとか、対策を立てるとかということも日々そういう議論が今なされているところですけれども、基本的にはそういったことで、どこの極も基本的にものづくりの実機づくりに入っているところは多いと思っています。
【小川主査】  多いということで。
【森委員】  はい。
【小川主査】  分かりました。ありがとうございます。ほかに、どなたか、何か質問あるでしょうか。
【岸本委員】  よろしいでしょうか。9ページのテストブランケットモジュールの開発のところですが、ITER計画は、国際協力で協調しながら着実に進展させていくわけですが、それで、テストブランケットモジュールの部分は各極のアイデアやオリジナリティが発揮される重要な部分だと思います。核融合計画が原型炉に発展していったときに、ブランケットに関する研究が、25年から30年のスパンで、いかに進展しているかということが次に進む大きなステップになると思います。このテストブランケットモジュール開発は計画に沿って進められると思いますが、このブランケット開発に関して、予算的なことも含めて、順調に、あるいは他極をしのぐような勢いで進められるものなのか、そのあたりを少しお聞かせいただけたらと思います。
【森委員】  他極の予算の状況は分からないので、テストブランケットモジュールについて、多極をしのぐとか、しのがないというのはお答えできないですけれども、テストブランケットについては、国内ではITERを利用して国として取り組むべき最も重要な工学的な課題捉えていて、それについては多分この場でも過去に議論があったものと思いますし、予算についても文科省と相談させていただきながら、ITERが実験運転が始まったときに、必要なタイミングで必要なものがちゃんと入るというようなことを、長期計画を立てて現在進めているというところです。
【岡野委員】  確認のためのコメントなんですけれども、12ページの原型炉設計のところで、説明は省略されましたけど、日本が定常炉で、ヨーロッパがパルス炉と、タイトルで書いてあると何か違うものを設計しているように見える方もいらっしゃるかもしれないと思って、コメントなんですが、基本的な物理データベースと技術データベースはもう合意していて、最終的に必要とされるパルス長の目標が違うので、違った設計になっているという理解でよろしいと思っているんですけど、よろしいですよね。
【森委員】  岡野先生の方が私よりもずっと詳しく、そこら辺の状況を御存じで、その通りです。
【岡野委員】  いや、私はコメントしただけなのですけど。
【森委員】  コメントとして補足いただきました。
【岡野委員】  日欧違う基準でいまだにやっているというイメージを持たれると困ったなと思ったので、ちょっと申し上げました。
【森委員】  はい。
【小川主査】  ありがとうございます。よろしいでしょうか。どうぞ。
【兒玉委員】  25ページのRITEとの研究協力のことなんですけれども、これは対象とするのはどれぐらいの時間スケールでいつまでにこの明確化というか、この共同開発、協力をされる予定なんですか。
【森委員】  RITEとの研究協力でアウトプットをいつまでに出すといったスケジュールについて、今、把握しておりませんので、確認をして追ってお知らせさせていただきます。
【小川主査】  ちなみに、これは2月の核融合エネルギーフォーラムでのクラスター会合のときにRITEの方から御紹介がありました。どういうことをやっているかということですね。RITEでの研究協力については後で御確認いただければと思います。
 よろしいでしょうか。
【大野主査代理】  同じページなんですけれども、合同特別チームの人数が52名か82名に増加したということで拡大しているという話ですが、主にどこの人たちが増えているということ。大学の参加が増えているのか、QSTが重点的にそれを、人を送り込まれようとされて拡大していっているのか。
【森委員】  内訳の数字は今記憶していないので、また確認してお知らせしますが、産業界、それから、大学も増えていたと思います。
【小川主査】  よろしいでしょうか。はい、どうぞ。
【海老塚委員】  進捗として非常によくまとめていただいていると思います。元からお話あった人材が十分かというお話の中で、ここは足りていないとか、ここはもうちょっと技術的にてこ入れをしなきゃいけないとか、そういうポイントがあったら教えていただきたいです。
【森委員】  まずこのプロジェクトを進めていく上で人的資源が足りているか、足りないかという意味では、QSTの職員はフル稼働、一人が一人以上の働きをして業務遂行をしている状況なので、足りているとは言えない状況と思っています。。
 技術の観点で現在のQSTの中の力不足な部分を言えと言われれば、IFMIF/EVEDA事業の中の加速器の部分でしょうか。リチウムターゲットの試験の方は終わったわけですが、現在、原型加速器というのを作っています。材料試験施設として最終的に必要なエネルギーは40MeVなんだけれども、この幅広いアプローチ活動では9MeVまでの加速を確認するということで進めています。BA活動が始まるまでは、核融合研究開発において加速関連の開発というものが無かったので、この加速器の専門家というのは、当方が今少し弱いところかなと思っています。主に機器の開発は欧州行って日本に持ち込み、日本が組み立てるという分担ですが、組み立てて実際運転するということになると、やはり当方にも専門家が必要だということは痛感しています。そこのところは高エネルギー研究所の研究者にも御協力を頂いて進めている部分もあります。このような協力が更に発展させられればいいなというふうに考えているところです。
【小川主査】  今の点は、先ほどの増子審議官の言われました人材育成の点で非常に重要で、今、私、聞いていると、1つは技術面でどこが足りないかと。もう1つ、私が思っているのは、世代交代として人材をどう補強していくかと。だから、技術面での人材を育てるというような水平展開と同時に、年代に応じてどう構成するのかという垂直展開の両方の面から人材育成の視点を見ていただければと。1年前、大野先生が人材育成のアンケートをとられたし、それに関連したいろいろなアクティビティをやられていたので、この委員会でも今後もフォローアップしていければと思っています。ありがとうございます。
 よろしいでしょうか。まだたくさん、多分サイエンティフィックなことも含めまして、あるとは思うんですけれども、時間が限られておりますので、次に移らせていただきます。よろしいでしょうか。
 続きまして、竹入委員より、核融合科学研究所についての御発表をお願いいたします。よろしくお願いします。
【竹入委員】  資料5をごらんいただければと思います。ただいまQSTの核融合エネルギー研究開発部門の方からは、トカマクを中心とした、ITERを中心としたトカマクの研究開発状況の報告をされましたけれども、私ども核融合科学研究所は、この1ページ目にありますように、大学共同利用機関法人、自然科学研究機構の1つの研究所になっています。大学共同利用機関というのは一つの大学では進められないような最新鋭、大型の機器を用いた共同利用・共同研究をベースに大学としての研究を進めるという、そういう機関になっています。
 ですから、核融合研では、学術研究という観点からの研究を進めているところになっています。2ページ目にありますように、核融合発電の早期実現を目指した学術研究の推進ということで、特に私どもの研究所では、ヘリカル型という、日本のオリジナルの方式、そして、定常運転が可能な方式ということで、定常ヘリカル型核融合炉に必要な理学・工学に関する学理を探究して、その体系化を図るというのを主眼としております。
 その研究所としての目標・計画としましては、今言いました研究課題を、大型ヘリカル装置計画、数値実験炉研究、核融合工学研究という3つのプロジェクトを柱として、核融合炉に必要な理学・工学の探究、学術研究としての体系化を図っているということになります。
 冒頭申しましたように、大学共同利用機関というのは、共同研究が中心になりますので、核融合研究の中枢機関として、大学等との共同研究を中心に、人材育成・教育も引っ張るということを行ってきているわけです。
 3ページ目に、その図式として、今申しました大型ヘリカル装置計画、ラージヘリカルデバイス、LHDと申しますけれども、大型ヘリカル装置計画というプロジェクト、それから、スーパーコンピュータを用いました数値実験炉研究のプロジェクト、核融合工学研究のプロジェクト、3つを有機的に連携させながら、先ほど申しました核融合炉の実現に向けた広範な研究を進めるとともに、基礎的なプラズマ物理をはじめとした基礎研究の推進等、あるいは他分野との連携研究、新分野創成といった事柄についても幅広く展開していることになっています。
 4ページ目にありますように、その共同利用・共同研究がベースとなっています大学共同利用機関ですので、ここにありますように、核融合研では、一般共同研究、双方向型共同研究、大型ヘリカル装置計画共同研究という3つの種類の共同研究により、大学、核融合コミュニティと一体となった研究を進めています。
 特にこの真ん中の双方向型共同研究というのは、ここにあります5つの大学のセンターにある特長的な核融合研究装置と有機的に双方向性を持たせながら、また、それが全国の大学のコミュニティの全国的な装置として、双方向性の高い研究を進めているということになっています。
 ここにありますように、国内だけで共同研究者が1,500名、国内の共同研究の実施機関が200機関を超えるという、そういう形になっていまして、多様化する大学やコミュニティのニーズを的確に反映して、大学の研究活性化に寄与しているところになっております。
 これから、5ページ目からは個別のプロジェクトについて御紹介しますけれども、まず最初に、大型ヘリカル装置(LHD)による核融合科学研究の推進ということで、先ほど申しました、この大型ヘリカル装置は、我が国独自のアイデアに基づきます世界最高性能の定常プラズマ運転性能を持っているということで、超伝導装置ですけれども、超伝導ヘリカルコイルが作る閉じ込め磁場により、超高温プラズマを定常的に保持することができます。
 現在の課題としましては、重水素ガスを用いた実験を行うということ。そして、プラズマ加熱能力を増力させるということで、最高性能化計画を現在推進しております。
 目標としましては、核融合炉を見通せるイオン温度、1億2,000万度以上のプラズマ等を実現して、これらの超高性能プラズマを対象とした学理の探究と体系化を目指すという形になっております。
 6ページ目に写真を示しました。大型ヘリカル装置、ここの右上にありますように、青色の、まるでDNAの二重らせんのような形で、ドーナツ状にグルグルッと巻いているのが超伝導ヘリカルコイルになっています。あと、黄色のリング状になっているコイル、これはボロイダルコイルという補助コイルですけれども、これも超伝導コイルになっていまして、プラズマを閉じ込める磁場を超伝導コイルによって形成している世界最大の超伝導核融合プラズマ実験装置になっています。
 1998年3月に実験を開始しまして、18年、19年目を迎えているところになっています。右下にありますようにプラズマ真空容器内部とありますが、ちょうどこの真空容器の中、ドーナツ型の真空容器なんですけれども、この中にプラズマを生成するということで、丸く大蛇がうねっているように見える反対側に、先ほど申しました超伝導ヘリカルコイルがあります。
 7ページ目に、現状の大型ヘリカル装置、LHDのプラズマ性能を示しています。代表的なイオン温度というのが9,400万度、これを達成していまして、あと、電子温度等につきましては、既に1億2,000万度を超えている、あるいは非常に高い密度を生成している等々。最終段には定常運転とありますけれども、1.2メガワットの加熱電力で48分間、約2,000万度を超えるプラズマを定常的に保持するなど、特長的な成果が出ています。
 右下に、イオン温度、電子温度の進展状況、年数とともにありますけれども、左下にもありますように、プラズマ物理の革新的な発見と体系的な理解に伴って性能も上がってきているということで、例えば非常に高いイオン温度を達成したときの不純物の自動排出機構の発見と解析、あるいはプラズマの不安定性を自己安定化する機構、あるいは核融合条件の10倍以上となるような超高密度プラズマの生成等々の特長的な学術的成果も上がっています。
 現状、このイオン温度、9,400万度は、軽水素、普通の水素ガスを用いた実験によって得られていますけれども、これを更に1億2,000万度という目標にまで持っていくために、LHDでは重水素実験を計画して、新たな研究ステージに持っていこうということで、8ページ目にその概要を示しております。
 重水素実験を、プラズマの元となるガスを通常の水素ガス、軽水素ガスから重水素ガス、質量の重い重水素ガスを使うことによって、プラズマの性能が上がるということが、例えばQSTのトカマク、JT-60U等において実証されています。世界の大型のトカマク装置でも実証されています。
 それを大型のヘリカル型装置としては初めての形で、LHDに適用しようということで、この重水素実験により核融合炉へつながる世界最先端となる成果が期待されて、成果を目指すということになります。
 丸が3つありますけれども、その重水素実験による閉じ込め改善による最高性能化の実現。そして、最高性能化されたプラズマをしっかり調べることで、核融合炉設計につながるデータベースの蓄積と学術基盤の構築を行うこと。2つ目には、その同位体効果という重水素ガスを用いたプラズマの方が性能がよくなるという物理の解明そのものが研究課題になっている。そして、3つ目としましては、その定常プラズマ装置であるLHDの重水素実験で、高エネルギーイオンの閉じ込めの実証、あるいは燃焼プラズマへの展望、あるいは長パルス放電における水素同位体挙動の研究等の新しい研究課題にチャレンジするという形があります。
 こうした形で、世界的にインパクトを持つ先駆的な研究を展開するということですが、世界的に見て、大型ヘリカル装置、世界最大の超伝導ヘリカル型装置だったんですけれども、一昨年の12月にドイツで、ベンデルシュタイン7-Xという、同様なヘリカル型の超伝導装置が稼働しました。そういう意味では、国際的な研究開発競争が非常に激しくなってきているというのが現状になっています。
 9ページ目、今申しました、この重水素実験、いろいろと地元との調整等もありましたけれども、準備が整いまして、先月、3月7日にこの重水素実験を開始しました。初プラズマの写真、この左側にありますけれども、重水素初プラズマの式典も行いまして、右下の写真のような形で多くの方の御協力の下に、無事、重水素ファーストプラズマを点火することができました。
 それ以降、順調に実験を進めていまして、まだ公には言えないんですけれども、非常に性能も上がってきているきざしがあります。来週末ぐらいにプレス発表する予定ですが、重水素実験により1億度を既に達成するということがありまして、非常に順調に進んでいます。これはまだオフレコということでお願いしたいと思います。
 10ページ目に、今後の方向性ですけれども、核融合発電炉の早期実現の鍵としましては、核融合燃焼と定常運転があるということで、核融合燃焼の実証・制御はITERが行う。それに対して、定常運転については、先ほどQSTの森さんからもありましたけれども、JT-60SAのトカマクの定常運転化という研究とともに、定常運転性能に優れたLHDを用いた定常運転の研究が必要であると。この下にありますように、LHD、ヘリカル方式では、本質的に定常運転が可能であるという特長を生かしまして、課題としてはまだ1億2,000万度という点火を見込める高性能化を達成していませんので、この重水素実験により是非これを早期に実現して、高性能プラズマをしっかり調べていきたいと。トカマク方式では、既にもう数億度を超えるイオン温度を達成していますので、定常運転の課題を克服するというのが現在進められているわけです。本質的に定常運転が可能なLHDの重水素実験でプラズマを高性能化して、ヘリカル方式の核融合設計への見通しを得るというのが今後の方向性になっております。
 11ページには、現状のプラズマ持続時間を横軸にとり、縦軸にプラズマ性能をとっています。ここにありますように、トカマクでは短時間のところでは、非常に高い性能、既に核融合炉条件に達していますけれども、プラズマ持続時間が長くなる定常運転の方向性ですと、ヘリカル型の方が非常にいい成績を上げているけれども、ヘリカル型の課題としましては、プラズマ性能を上げていくというのがあるという形で、このトカマク、ヘリカル、核融合炉に向けた実現へのロードマップの方向性というのはこういう形になっています。
 以上がLHDプロジェクトに関してですけれども、次、2つ目としまして、核融合工学研究プロジェクトについての御紹介をさせていただきます。
 核融合工学プロジェクトとしましては、将来の核融合炉の実現に向けた工学設計、特にヘリカル型核融合炉の工学設計を念頭にした設計研究と、それに必要な工学研究を行っています。ここにありますように、低放射化材料研究、2番目に大型高磁場超伝導マグネット研究、3番目に高熱流プラズマ対向壁研究、4番目に長寿命液体ブランケット研究、5番目に微量トリチウム管理技術研究とありますが、こうした研究を特に先進的な課題として、現状、将来に適用できるような先進的課題を取り上げる形で工学研究を進めているところになっています。大型ヘリカル装置における重水素実験の結果と相互に関連させながら、工学研究を進めていくという、そういう形になっています。
 13ページにありますように、私ども革新的エネルギー循環工学研究設備と銘打っていますけれども、先ほど申しましたマグネット研究、あるいはブランケット研究、高熱流プラズマ対向壁研究、低放射化構造材料研究といったものの大型研究設備を共同利用する形で提供していますし、この設備を基本とした工学研究を進めています。
 最近の研究結果が14ページ、15ページにまとめていますけれども、こうした装置、大口径高磁場導体試験装置を用いた研究、あるいは液体金属に対する熱・物質流動ループ装置等を用いた液体ブランケットの研究、それから、次の15ページにありますように、ダイバータ試験体の熱負荷試験、あるいはヘリカル炉の設計研究、最近のトピックスとしては、液体金属シャワーダイバータの研究提案と基礎研究の開始といったところがあります。
 3つ目のプロジェクトとしまして、数値実験炉研究プロジェクトというものがあります。16ページですけれども、これはその仮想現実空間にヘリカル炉を創造して、物理・工学性能、あるいは経済性の最適化を図るということを行っています。
 研究所には、2.6ペタフロップスのプラズマシミュレータと呼んでいますスーパーコンピュータがあります。このスーパーコンピュータを用いた理論・シミュレーション研究を活発に行っていまして、炉心プラズマからプラズマ対向壁までの3次元大規模シミュレーション研究により、各物理課題を非常に詳しく研究をしております。この各物理現象についてのシミュレーション研究の成果をマルチスケール、複合物理、多階層モデル等の構築を通じて、モジュール化された統合輸送コードの体系化を行う形で、数値実験炉を構築しようと。この中で、各基本的なプラズマ現象については、大型ヘリカル装置のデータと突き合わせながら検証等を行っていく、あるいはこの統合輸送コード等の体系を用いて、ヘリカル型核融合炉の設計を進めていくという形で行っています。
 こういう定常・高密度・高ベータ性能を有するような無電流炉心プラズマと炉構造を含めた核融合炉全体の最適化を、こうしたシミュレーション研究、あるいは統合輸送コードによる数値実験炉化を行うことで、ヘリカル型核融合炉の設計を進めていくという戦略をとっています。
 17ページにありますように、個別の課題、高エネルギー粒子のふるまい、あるいは3次元平衡等と、乱流輸送あるいはプラズマ壁相互作用といった個別のコードの開発、高精度化といったこと、そういうことを通じた核融合プラズマの物理機構の解明、体系化を行うという形で、理論・シミュレーション研究で必要な理論検証や実験検証を行って精度を上げているところになっています。
 18ページ、19ページ目に最近の成果を上げていますけれども、最初に乱流輸送に対する同位体効果の発見とありますが、これはつい先日プレス発表したんですけれども、乱流輸送の低減、ゾーナルフローの増大による安定化といった内容が、ヘリカル、トカマク、共通に検証できたという形で、今後の、特にLHDにおける重水素プラズマ研究に対する理論的な裏付けといいますか、検証になってくるというのが期待されるところになっています。
 あと、個別には、高エネルギー粒子の関係、あるいはFFHR-d1というヘリカル型核融合炉の設計研究に対する予測の結果、数値実験炉につながる統合輸送コード開発の進展等が最近のトピックスとして挙げられています。
 20ページに、先ほどちょっと触れました双方向型共同研究をまとめとして掲げています。中心にあります核融合科学研究所で、大型ヘリカル装置を中心とした、国際的にも最先端の研究を行っていることに対して、ここにあります、例えば、京都大学ではHeliotronJという中型の装置。あるいは、筑波大学ではGAMMA10を用いた境界プラズマ模擬によるダイバータ研究。あるいは、九州大学ではQuestという定常維持研究。大阪大学ではLFEXレーザーによる高速点火方式の研究。あるいは、富山大学ではトリチウム研究といった、そうした核融合の実現に向けた非常にユニークな、各大学で進められている先端的な研究を核融合科学研究所と双方向に行いながら、また、相互に関連させて、全国の大学がこの双方向型共同研究に参加できるという形で、核融合コミュニティの総力を挙げた共同研究体制を作っています。
 これをベースに、人材育成等にも今後取り組んでいきたいというふうに考えていくことになっています。
 最後、まとめですけれども、今まで御説明したところですので、以上で終わりにさせていただきます。
【小川主査】  ありがとうございました。
 それでは、ただいまの御発表に対して御質問等がありましたらお願いします。
 まず私から。11ページのパラメータ領域の話で、LHDが2013年以前と2013年とあるんですけれども、2013年に何かハード的にこれは変化があったというので、2013年を明示的にマイルストーンとして記載したのでしょうか。ちょっと教えていただきたい。何だったのかなと。
【竹入委員】  ICHの加熱技術とECHの定常化性能が上がったということですね。
【小川主査】  加熱系の性能が上がって。
【竹入委員】  はい。加熱系が。あと、いわゆる熱制御についても最適化が進んできていると。
【小川主査】  ダイバータが設置されたとかそういう。
【竹入委員】  ではないです。
【小川主査】  ではなかったんですか。
【竹入委員】  主に加熱性能の向上ですね。
【小川主査】  分かりました。ありがとうございました。
 ほかに何かあるでしょうか。はい。
【五十嵐委員】  済みません。先ほど量子研の方で出た海老塚委員の御質問のような、人材というか、人数というようなところではどうなのでしょうか。ここに人材育成について特に上げていただいておりますが、こちらは共同利用機関ですから、また違うかもしれないんですけど。
【竹入委員】  研究所は大学の共同利用機関になっていますので、各大学で人材育成といいますか、教育については各大学で行われるのが主体となっています。ですが、この共同研究を通じて、各大学の先生方が大学院生とともに研究所に来て、LHDの研究を行うというような形の共同研究、それそのものが大学院生の教育につながっていますので、現状でも、そういう意味では人材育成、教育にはかなり大きな役割を果たさせていただいているんですけれども、今、大野先生ともいろいろと協議させていただいて、もっと、非常にしっかりとした形での大学院教育、先進的な大学院教育のプログラムを組めないかとか、あるいは学位を取った、いわゆるポスドクの人たちの人材を十分にこの共同研究において活用できないかという形で、この双方向型共同研究の、いわゆるネットワークの枠組みのところで若手人材の育成、あるいは大学院生の教育ということができないかというのを検討しているところになっています。
 特に今後、ITER等で、先ほど森先生の方からもありましたように、人が足りないというのに対して、十分人材を供給できるような形での教育が非常に重要になってくるのかなというふうに考えています。
【五十嵐委員】  ありがとうございます。
【小川主査】  先ほどのオールジャパン体制でという観点からしますと、特に原型炉に向けての体制という意味では、人材育成という視点でも核融合研に対する期待は大きいところはあると思いますし、私が聞いているところでは、最近、核融合研は、大学の研究力強化にも力を入れるということですので、そういう意味では、コミュニティとしては人材育成として非常に核融合研に期待しているところは大だと言えます。
【尾崎委員】  1点よろしいですか。ヘリカル型について日本のアイデアという説明がありましたが、もう少し具体的に教えていただけますか。
【竹入委員】  ヘリカル型装置のLHD、大型ヘリカル装置で使われている方式というのは、京都大学で開発された方式で、ヘリオトロン方式と言っているんですけれども、そういう意味では、50年以上60年の歴史のある、日本オリジナルの方式になっています。
 トカマク自身は、旧ソ連の研究所で発案された方式になっていますけれども、世界的に、いわゆるドーナツ型の磁場閉じ込め装置では、トカマク型が非常にプラズマ性能が高いという形で研究が先行していますけれども、定常運転性能に優れているヘリカル型も一つの潮流になっているという形です。
【尾崎委員】  ありがとうございます。
【小川主査】  どうぞ。
【尾野委員】  ちょっと教えていただきたいんですけど、11ページなんですけれど、実現への道ということで、最終的に年オーダーでこのあたりというところを狙っていきましょうということのようですけど、ヘリカルで、例えば時間オーダーが達成できていますねというところがあるんですけど、これ、時間を延ばしていって、年オーダーまで伸ばしていこうという形にしていった場合、技術的なハードルというのは、大体どのようなものがあって、それをどう超えていくのかというのはちょっと簡単に教えていただけると有り難いと。
【竹入委員】  一番はやはり熱制御と粒子制御ですね。プラズマは結局、磁場の力で宙に浮かせて保持していますけれども、最終的には終端させるところが必要なので、そこはダイバータと言っていますけれども、ダイバータに代表される熱制御。さすがに大型ヘリカル装置の場合では完全冷却装置じゃないので、慣性冷却的なところがありますから、熱制御は結構難しいところがあるんですけれども、例えば完全冷却性能の装置にしても、その熱制御が本当にちゃんとできるのかというのは課題としてあると思います。
 それから、当然そういうダイバータに入ってくると、プラズマは中性の粒子に戻りますので、特に将来的には燃料を燃焼させたときのいわゆる排気ガスとしてのヘリウムの処理を連続的に、燃料供給と排気ガスのヘリウムの排気という粒子制御を連続的にやらなきゃいけないということはもう、ヘリカルだからできるとか、トカマクだからできないとかいう話じゃなくて、それはもう共通した課題だと思います。熱制御についても共通した、いわゆるプラズマ持続時間を右側に、年単位まで伸ばしていくときの非常に重要な、かつ、共通した課題になっています。
【尾野委員】  ありがとうございます。
【小川主査】  いろいろ質問あると思いますけれども、実は核融合科学研究所につきましては、7月31日、委員会としての視察を予定しております。昨年、一昨年は、原子力機構様の六ヶ所と、那珂研究所を視察、それから、レーザー研もさせていただきましたけれども、今年度は早速、核融合研を7月31日に視察しますので、そのときまたいろいろと現地で質問等していただければと思います。
 今後とも可能な限り研究施設の視察や活動報告を続けていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。よろしいでしょうか。
 それでは、本日は、森委員、竹入委員には資料を用意し、説明いただき、ありがとうございました。御礼申し上げます。
 続きまして、次の議題に移らせていただきます。議題4、「第9期核融合科学技術委員会の主な検討課題について」、に入ります。資料6をごらんください。資料6でございます。ここで、先ほどちょっと申し上げましたけれども、第9期でどのような検討をするかといいますと、まず最初に、「原型炉研究開発の推進に向けて(仮称)」の策定。この後、御説明があります。
 それから続きまして、「原型炉アクションプランの重点化とロードマップの策定」。先ほどはこれをアクションプランの見直しという言葉になっていましたけれども、見直しというのは必ずしも適当じゃないのかもしれませんけれども、それとロードマップの策定。
 それから、「長期的視点に立った人材育成方策」。皆様から御指摘あった点でございます。
 それから、「社会連携活動の強化に向けた検討(アウトリーチ活動ヘッドクォーターの具体化等)」。これは先ほど増子審議官からありましたように、やはり社会との連携が非常に重要であるというのを我々としても強く認識しておりまして、そのために前期におきまして、アウトリーチ活動のために何が今、不足しているかというと、現場サイドはいろいろと頑張ってらっしゃるんですけれども、その全体を俯瞰(ふかん)するようなヘッドクォーターが必要ではないかというのが前期のタスクフォースの方から御提案ありました。それの具体化に向けての検討を今期はしていきたいということでございます。
 それから、「研究開発計画実施状況の確認」。この一環としまして、先ほど申しましたように、核融合科学研究所の見学もさせていただくという形になっております。
 このような検討課題で今年度進めたいと思いますが、よろしいでしょうか。
 ありがとうございました。それでは、第9期はこのような形で進めていければと思います。委員各位の御協力をお願い申し上げます。
 また、今後の当面の予定についても資料がございますので、事務局より御説明お願いいたします。
【野田専門官】  資料7でございます。今後、当面の検討スケジュール、大まかな予定として考えておりますが、左側にこの委員会の予定、本日を含めまして、今年度中に4回程度開催をしたいということで、先ほど主査から御説明のありましたような議題、「原型炉研究開発の推進に向けて」でありますとか、社会連携活動、また、人材育成等について順次審議をしていただきまして、1月には何らかの御提言をおまとめいただくというようなことを考えてございます。また、その委員会のスケジュールと連動いたしまして、右側のタスクフォースの方では、アクションプラン、現時点でのアクションプランを決定していただいて、それを委員会でまた承認していただきますとか、アクションプランの実施に向けました検討、また、ロードマップの策定に向けた検討をしていただいて、委員会の方に御提言を頂くということを考えております。
 また、実施状況でありますとか、ITER計画の進捗状況、BA活動などの進捗状況についても御確認を頂くというようなことを考えてございます。
 説明は以上でございます。
【小川主査】  ありがとうございました。本委員会は、4月12日、本日ですけれども、タスクフォースの設置、これは済みました。それから、核融合研究開発の進捗状況、QST、NIFS等のプロジェクト進捗状況について、これも御説明いただきました。
 この後、「原型炉研究開発の推進に向けて(仮称)」(報告書)原案の検討、これをこの後させていただきたいと思います。
 それを受けまして、その報告書のパブリックコメントに入る予定でございます。
 そして、7月31日に核融合科学研究所の現地視察をしたいと思います。本委員会としましては、そこまでが確定しておりまして、それも踏まえまして、それから、右側に行きますと、タスクフォースの方で、そのアクションプランに関するフォローアップがありまして、それを受けまして、7月頃に報告書の原案の検討。それから、増子審議官も言われました本委員会のキーワードでありますアクションプランの件、それから、社会連携の件、それから、人材育成の件、この辺を議論していくと。
 11月、1月以降は、今度、ロードマップの方に移っていくというのが大体の大きな流れかと思います。
 よろしいでしょうか。何かこの進め方、審議のスケジュール、これは大体のスケジュールと案ですので、適宜改定したり、又は対応していきたいと思いますけれども。はい。
【兒玉委員】  先ほど伺えばよかったんですけれども、社会連携活動というのが幾つも出ているんですけれども、これは社会貢献まで含めた連携なのか、どういうイメージか、よく分からないんですけど。社会貢献まで含めるのか、そこまでは含めませんか。
【小川主査】  8-2のときに議論しましょうか。
【兒玉委員】  社会貢献というのは技術が波及、積極的に世の中に出していく。入っていない? 連携、いわゆる……。
【小川主査】  社会との対話。
【兒玉委員】  対話までですね。こういうことを深めると。
【小川主査】  ええ。波及効果的なところは調べるけれども、それを一生懸命するわけではないですね。ありがとうございました。
 よろしいでしょうか。それでは、続きまして、本日の議題の第5番、「『原型炉研究開発の推進に向けて(仮称)』の策定について」に入ります。本件につきましては、前回の委員会において報告書の素案をお示しして、委員より御意見を頂きました。委員会の後、いろいろたくさん、皆様からメールをいただきました。ありがとうございました。
 本日はそれらの意見を踏まえて加筆修正したものを報告書の原案という形でお諮りしたいと存じます。つきましては、秋山学術調査官の方から御説明をお願いしたいと思います。
【秋山学術調査官】  それでは、資料8-1をごらんください。こちらの資料では、青字で書いているのが骨子案になったもの。そして、黒字で書いてあるのが、それに肉付けして作りました素案、そして、赤字で書いているところが今回、加筆修正した部分でございます。基本的には、赤字の修正部分を説明させていただきますが、1ページ目、本報告書の背景につきましては、今回新しい委員の先生方がいらっしゃいますので、この報告書の背景、そして、趣旨を知っていただく上で、ここは少し丁寧に御説明させていただきます。
 まず第1章の本報告書の背景ですが、(1)から(3)がこれまでの背景になります。平成4年の原子力委員会で決定されました「第三段階核融合研究開発基本計画」に基づきまして、我が国の核融合研究開発は実施されております。そして、その後、平成17年の今後の核融合研究開発の推進方策について、以下、推進方策と申し上げますが、この報告書で原型炉計画を中核とする第四段階に向けた具体的な方針というのが取りまとめられております。
 そして、その報告書の後には、平成21年、(2)番に書かれておりますが、平成21年に出されました報告書では、産官学で共有してオールジャパン体制で取り組む重要性が指摘されております。そして、平成25年、核融合研究作業部会の報告書、「核融合原型炉開発のための技術基盤構築の進め方について」を受けまして、「原型炉開発のために必要な技術基盤構築の中核的役割を担うチーム」(合同コアチーム)と申し上げますが、構築されております。そして、この合同コアチームがITER計画及びBA活動やLHDをはじめとする学術研究の進展を踏まえ、核融合原型炉の開発に必要な技術基盤構築の在り方を検討しまして、平成26年に合同コアチーム報告書というものを取りまとめてございます。
 そして、赤字で示しているところが今回追記した部分でありますが、タスクフォースに関して記述がありませんでしたので、こちらに追記をいたしました。この内容は、本日の資料3にありました内容と同じであります。
 そして、このタスクフォースの設立後、さらに、平成27年6月に産官学のオールジャパン体制で原型炉開発の技術基盤構築を進めることを目的に、原型炉設計合同特別チームというものが結成されまして、原型炉の概念設計及び研究開発が開始されたという背景がございます。
 そして、(4)が本報告書の趣旨であります。(1)から(3)に書かれておりますこれまでの検討を基に、特に合同コアチームの報告書を基本といたしまして、それに近年、進展した研究開発、それから、ITER計画の最新スケジュール、そして、広く募りました社会の意見というものを反映させた最新の原型炉研究開発の在り方についてまとめるというものがこの報告書であります。
 この広い社会の意見を募るというのは、先ほどの当面の検討スケジュールのところにありました報告書のパブリックコメントに相当するところでございます。
 以上のような背景と趣旨を踏まえまして、以下、報告書についてお聞きいただければと存じます。
 では、第2章、エネルギー情勢と社会的要請の変化に移らせていただきます。
 まず初めの変更点ですが、1段落目、ここには赤字では書かれておりませんが、平成17年の推進方策報告書の後の核融合研究に関連する環境の変化といたしまして、リーマンショックに始まる経済不況、そして、東日本大震災における電力不足の経験、そして、福島第一原子力発電所の事故、そして、シェールオイル・シェールガス、この4つを挙げておりますが、この3つ目、原子力発電所の事故と今ありますが、以前は、福島第一原子力発電所の事故による原子力安全神話の崩壊とありましたが、こちらは一般的な言葉ではないのではないかという御指摘いただきましたので、こちらの方は削除しております。
 そして、この2ページ目、中段のところに、赤字で「現在の原子力安全技術レベルに留(とど)まらない」というところがありますが、少し前から読み上げますと、核融合エネルギーの早期実現に直結する原型炉を設計するに当たり、「現在の原子力安全技術レベルに留(とど)まらない高い安全性を示し、国民が安心を感じられなければ、原型炉を立地する場所は日本にない」と認識すべきである。この文章につきまして、以前はこの赤字の部分は現行の軽水炉をはるかに上回る安全性を示すと書かれておりましたが、こちらの部分は表現を改めまして、現在の表現にしております。
 続きまして、3ページ目に移りまして、上から2段落目のところの、こちらには赤字で書いている部分。以前は、軽水炉はもともとCO2排出量が少ないため、核融合炉の位置付けがこれまでと疑われてきた軽水炉同様のベース電源というだけでは、我が国の更なるCO2排出量削減に貢献することができないということが書かれておりましたが、CO2削減の観点でありますと、再生可能エネルギー及び原子力、そして、核融合が有望であって、核融合はその一翼を担うというシナリオが現実的ではないかという御指摘がありましたので、赤字のような修正点を行っております。
 そして、更に核融合は火力を代替するような負荷追従性を目指すということでも、火力が担う負荷追従性を備え、それを代替して、全電源構成としてCO2排出量を削減できるというような文章に改めております。
 続きまして、第3章、原型炉に向けた核融合技術の開発戦略に移らせていただきます。
 まず第2段落の一番後には、「参加極をリードする」とありますが、ここについては、冗長であった文章を整理しただけでして、内容的には特に変わっておりません。
 そして、付け加えましたのがその次の段落であります。ここは経済性に関する記述を追記したものでして、その理由は、経済性と申し上げたときに、人によって様々なイメージを持たれますので、ここで本報告書での経済性というものの定義を明らかにしようという意図であります。
 最初から読み上げますと、「核融合炉の実用化時の経済性は、安全性と技術的成立性の上に成り立つとともに、建設時の社会情勢やエネルギー情勢にも左右される」、つまり、ここで言う経済性とは飽くまでも「実用化時の経済性」ということを指します。そして、この報告書で経済性に関する記述、ほかにもありますが、少しくどいようですが、必ず「実用化時の経済性」と書いてございます。
 そして、次、続けますと、「原型炉では、安全性を大前提として、炉工学技術の総合的成立性を実証するとともに、実用化時の経済性を情勢に応じた現実的なものとするための研究を行う。原型炉設計は、それらの目的を両立して実施できる炉を提示する」ことになります。つまり、原型炉の経済性という考え方はありませんが、原型炉が高過ぎると話になりませんので、次の文章がございます。
 「原型炉の建設・運用費は、実用化時の経済性を見通す上で重要な指標の1つであるため、炉設計では原型炉の適切な建設・運用費が提示されなければならない」。そして、以前頂いたコメントで、早い段階で経済性に関することは実施すべきだという御意見ございましたので、次の文章を書いております。「以上の観点で炉設計を進めるのと同時に、技術面で原型炉の建設・運用費や実用化時の経済性を決める要因のうち、ITER計画・BA活動にて、ある程度検証に着手可能な項目である、ベータ値などプラズマの高性能化や、装置の稼動・故障率、ブランケットの熱交換効率などについては、検証を早期に実施する」としています。
 そして、この第3章では、以前は、人材育成、国際協力といった項目がありましたが、それは5章の開発の進め方の方に移してございます。
 それでは、第4章、原型炉に求められる基本概念に移らせていただきます。まず赤字で、「3章で述べた開発戦略の元」と追記してございますが、これは以下の、以前は、基本概念があって、それに対して開発戦略があるのではないかという御指摘がございましたが、基本概念は開発戦略の元にあると考えております。というのは、実験炉、原型炉、実用炉で、何をそれぞれに担わせるか。それから、現在の状況の中でどう段階に進めるかという戦略によって、それぞれの炉の概念が少しずつ変わってくるということがございますので、飽くまでも開発戦略の元、この章の以下にあります基本概念があるという構成にしております。
 そして、この段落の下には上記の基本概念、ここに青字で基本概念が書かれておりますが、この上記の基本概念を達成するために、炉設計時に留意する設計要件として、ここに3つ書いてございます。
 そして、修正点としましては、この3つ目の項目、「原型炉の運転初期のダイバータ及びブランケットはITER計画及びITERテストブランケットモジュールの技術に基づくが、運転開始後に得られた知見から設計更新可能な柔軟なブランケットとダイバータ設計」ということで、内容的には、実は以前のものと変わってはおりませんが、原型炉では成果に応じて、ブランケットとダイバータについては総入替え、又はアドバンストな設計変更をその運用中に行うということを視野に入れているということをここで明示的に示しております。
 続きまして、5ページ目に移らせていただきます。第4章の最後には、「これらの基本概念を持つ原型炉を実現する上で、解決すべき技術課題とその開発計画は、後述するアクションプランとして策定する」と追記しておりますが、ここで先ほど第4章の最初に書かれております基本概念等、それから、この後に述べます技術課題、そして、開発計画、アクションプランということの関係性をここで示しております。
 続きまして、5章、技術課題解決に向けた開発の進め方について移らせていただきます。
 まず5.1章ですが、実は第4章の、先ほど3つと申し上げましたが、炉設計時に留意すべき設計要件のところに、実はもう一つありました。そこには以前は、熱粒子束や中性子束などの技術仕様を定義した上で、機器開発計画の構築という箇条書きが1個、1つございましたが、これは開発計画のベースとなるものであるので、基本概念よりは開発計画の立案のところにあるべきであろうということで、こちらに移動して、箇条書きから文章に改めております。それが第1段落の赤字で書いているところでして、「開発計画を立案するに当たり、目標とする核融合出力等の原型炉性能をシステムとして満たすための技術仕様項目」、具体的には熱粒子束や中性子束でありますが、それを検討して、その定量的な定義がなされることが必要であると。
 そして、次の文章で、原型炉開発における炉設計の位置付けを明確にしております。それらを担い、原型炉開発の司令塔となるのが炉設計であるということで、炉設計が原型炉開発の司令塔であるという位置付けを明確にここで書いております。
 この段落の以下の赤字の部分は、軽微な日本語の修正でありますが、実はここに以前はアクションプランに書かれております技術課題の11の分類。分類項目を羅列しておりました。それが赤字で書いているところの「開発計画は、超伝導コイル、ブランケットなどの項目ごとに技術課題を分類し」というところの、この「超伝導コイル、ブランケットなど」がその11項目の2つでありますが、これが羅列されておりましたが、特にこれはこの報告書でこの後で引用することはありませんし、これが分類されているアクションプランはこの報告書とセットになるものですので、冗長になるということから、ここでは割愛しております。
 そして、5.1の次には、アウトリーチ活動に関する項目がございましたが、それは原型炉段階への移行に向けた重要な要素でありますので、第6章の方に移動しております。
 そして、5.2章、産官学の研究開発体制のところに移りたいと思います。5.1で言及いたしました技術課題を着実に解決するためには、産官学のオールジャパン体制を構築し、研究体制を強化することが不可欠でありますが、ここに赤字で追記した部分は、このオールジャパン体制というのをどう具体的に、実効的な組織、そして、体制として作っていくかということを追記しております。
 読み上げますと、「六ヶ所サイトを原型炉開発に向けた中核的ハブ拠点として発展させる。原型炉設計合同特別チームを中心に炉設計を推進して開発計画を立案し、那珂サイト、核融合研、大学、企業、国の間で役割分担し、戦略と新しい制度設計も含めた問題意識を共有して、原型炉研究開発を一体となって取り組む体制整備を行う」と明確に記述しております。
 それから、本章の2段落目、産業界の役割を書いているところですが、この中ほどに原子力分野。「分野」だけ赤字になっておりますが、実はこれは文章全体が赤字でありました。コメント頂いたのが、原子力分野との連携は、安全基準策定の点でも極めて有効であるということで、安全基準の点でも強い連携を持っていこうということをここに追記してございます。
 続きまして、6ページ目に行きたいと思います。5.3章、人材育成・確保のところについては、追記した部分は、中ほどの第2段落でありまして、こちらは他分野からの人材の参画ということに関して、追記をしております。まず他分野からの参画を促すという点では、特に、共通部分が多い放射線利用や原子力分野と連携した人材育成は、有効である。さらに、機械系や電気系などの以前からの連携分野のみならず、社会とのリスクコミュニケーションの重要性の観点などを鑑み、人文社会系を含めた広範囲の分野との連携・交流を行うと。ここで、リスクコミュニケーションの重要さから、人文系との連携が重要であるということをここで強調しております。
 5.4の国際協力に関しては、特に変更点はございません。
 そして、5.5、安全基準の策定につきましては、赤字のところを追記しております。「原子力発電所の安全対策手法も取り入れつつ、核融合炉では従来の考え方に留まらない事象も想定し」としまして、前半の部分は、原子力発電所で使われております確立すべきリスク評価のことを想定しておりまして、そして、この後半のところは、核融合では、設計基準外事項なども想定していきましょうということを示しております。
 そして、5.6章が開発ロードマップの作成でありますが、そのロードマップの作成に当たりましては、合同コアチームの報告書、及び合同コアチームが同じく作りました開発チャート、これを基にアクションプランがまとめられる。そして、それを踏まえて、原型炉のロードマップを策定するという、このロードマップに向けた工程についてここで明記しております。
 それでは、6章の原型炉への移行に向けた考え方で、まずアウトリーチに関しましては、大きく追加したところがこの後半のところでございます。ここは、頂きましたコメントで、国民が安全だけではなくて、安心を感じるには、リスクコミュニケーション等による国民、住民、そして、実施主体との間で強い信頼性の醸成が重要であるというコメントを頂きましたので、それを反映した追記をいたしました。
 読み上げますと、「国民が核融合エネルギーに安心を感じるためには、データに基づく安全性の説明だけではなく、適切なリスクコミュニケーションを継続的に行って、国民の持つ不安や疑問を一つ一つ解消してゆくことが必要である。マスコミ等を通じた広範囲な情報発信は有効な手段の一つであるが、教育機関との連携活動や地域の対話集会などを通し、様々なレベルで国民と研究者・関係機関の間で双方向の理解を深め、信頼性の醸成に努めるべきである」と追記しております。
 続きまして、最後のページ、8ページ目では、6.3のところに追記をしております。アクションプラン及びチェック・アンド・レビューについては、コミュニティ内外の議論の下、合理的かつ効率的対応がとれるように見直しをしていくことになっておりますが、その見直しをするのがタスクフォースであるということで、タスクフォースが見直しをしていくことになるとここに付け加えてございます。これはタスクフォースの役目と合致しているものですが、ここに明記しております。
 変更点は以上でございます。
【小川主査】  ありがとうございました。皆様からコメント頂いたものを反映したので、かなり赤字が増えていますし、全体の構成も一部変えてあります。
 続きまして、本報告書の付属資料となるチェック・アンド・レビュー項目(案)につきましても、これまでタスクフォース及び本委員会で検討を行ってまいりました。前期のタスクフォースの主査であります岡野委員から、その御説明をお願いしたいと思います。
【岡野委員】  資料8-2をごらんいただけると。A3の大きな資料ですが、これに基づいて御説明させていただきます。
 「チェック・アンド・レビュー項目の見直しについて」と書いてある理由は、チェック・アンド・レビュー項目というのは、皆さんのお手元にあります、この大きなファイルの4番のところにある平成17年の今後の核融合研究開発の推進方策についてという報告書が10年前にあり、その中にチェック・アンド・レビュー項目が載っております。
 基本的には、その形式になるべく沿う形での見直しを掛けておりまして、この10年間の原型炉に向けた研究の進展を反映するのと、ITERが当時よりは遅れていますので、進展した部分ももちろんございますが、計画として、DT燃焼の時期が遅れるというのもあるので、チェック・アンド・レビューの時期とか、それから、項目の見直しをしたというのがこの新しい項目でございます。
 タスクフォースでは、このチェック・アンド・レビュー項目のというか、チェック・アンド・レビューの位置、時期をきちんと決めていかないと、アクションプランが作れないので、この見直しを先にやって、その後、アクションプランの見直しを進めたと、そういうふうな順番になっておりました。
 その見直しについては、まだ(案)ではございますが、最終版に近いものが出てきておりますので、御説明させていただきたいと思います。
 前の版と見比べながらやっている時間はないと思うので、申し訳ないですが、このまま読ませていただきます。
 一番上の項目ですね。これは3つございまして、第1回中間C&Rでございまして、これは2020年頃を想定しています。それまでの達成目標がこのカラムに入っています。
 それから、右に行きまして、第2回の中間C&Rというのがございまして、それは2025年頃ですね。27年かもしれませんが、そのぐらいを予定しています。
 最後が原型炉段階への移行判断というのを考えておりまして、これは時期的には、ITERがDT燃焼に成功してからということなので、2035年以降となるかと思います。
 一つだけ御注意として、言うまでもないのですが、原型炉段階の移行判断でございますので、ここに書いてある目標は原型炉でやることではなくて、原型炉に進む前に分かっていなければならないということです。時々誤解があったりするので、それは念のために申し上げます。
 それから、ちょっとコメントなのですが、先ほど尾野委員から聞かれた、1年間運転するためのネックは何なのかという御質問があって、恐らく意図されたところは、1年間、寿命でネックになっているものは何なんですかという御質問だったのかなという気もするので、そこを申し上げると、何かは大体見当はついていますが、それを確認できるのが原型炉になります。ですから、原型炉を動かすということは、それを確認するためのもので、原型炉は逆に言うと、1年間の運転が最終的にはできる設計になっていなければならないわけで、設計としてその見通しを得れば移行判断できる。そういう考え方でございます。
 では、1番のITERによる自己加熱領域での燃焼制御の実証というところを読ませていただきますが、第1回のところは大体もう、あと3年後なので、大体できることが書いてあるので、そこは省略させていただいて、第2回のチェックアンドレビューの項目からご説明して行きたいと思います。
 第2回のチェック・アンド・レビューは、ITERの技術目標達成計画への反映となっています。ITERはまだこの段階で動いてないですから、それを反映する。
 それから、移行段階では、これはITERが動いた直後なので、ITERによるQが10程度以上、数100秒程度以上の維持と燃焼制御の実証をする。これが目標でございます。
 それから、2番目の原型炉を見据えた高ベータ定常運転ということでございますが、1番目は飛ばして、2回目ですが、主にここに書いてある3項目は、いずれも現在建設中のJT-60SAの達成ですね。この時期には動いているはずですので、そこでの初期目標を達成しているということが書いてございます。
 それから、原型炉段階への移行判断では、これは重要なので読ませていただきますが、ITERによる非誘導電流駆動プラズマの実現と、及びITER燃焼制御の知見を踏まえた統合シミュレーションにより、非誘導定常運転の見通しを得るというものでございます。
 それから、JT-60SAによる原型炉プラズマ対向壁と整合した無衝突領域の安定な高ベータ定常運転の実証というものです。つまり、これは物理工学の視点で、定常運転が可能だということを確認した上で、炉設計がきちんとできていれば、原型炉に移るということでございます。
 それから、ITERによる統合化技術の確立は、また第1回は飛ばしますが、2025年頃にはITEの、運転を開始しますというのが目標になっています。もちろんその据付に関わる統合化技術を取得すると。それから、2035年にはもうITERは運転しているでしょうから、次の移行判断ではITERの運転が順調にいっている。それから、安全技術を確認できるというのが目標です。
 3番目は、原型炉に関わる材料開発でございますが、ここも2回目のところから説明させていただきますと、80dpaまでの照射はもう既に25年までに終了していて、その検証をここまでに実証すると。それから、2項目ですね。原子炉照射によるブランケット及びダイバータ機能材料の初期照射挙動の評価とリチウム確保技術の原理実証。それから、次のステップに行くための中性子源の建設を開始すると。これが3つ目になっておりました。材料のためにはどうしても中性子源が必要だという認識で、次のステップには行くということになります。
 25年のこのチェック・アンド・レビューは実は非常に重要で、中性子源の建設を開始するというのは小さなお金ではないので、ここは非常に重要なチェック・アンド・レビューになると考えています。
 それから、原型炉段階の移行判断としては、構造設計基準ができていないと設計できませんし、リチウムが確保できるのかというものと、それから、3項目で、中性子源による低放射化フェライト鋼及びブランケットやダイバータの機能材料がきちんとデータが取れているということがその移行判断でございます。
 それから、5番目でございます。今度は原型炉に関わる炉工学技術の開発。4は材料だったのですが、今度は炉工学技術の開発です。また1番を飛ばさせていただいて、2番に行きますと、JT-60SAとLHD等によるプラズマ対向壁を含むダイバータ関連のデータを取得して、また超伝導コイルといった、こういったものの開発計画がきちんとできていて、恐らく何か施設が必要なので、その概念設計が完了していなければならない。その施設がが必要ならば、ここで許可を得て、その建設に入っていかないといけないということになります。
 それから、原型炉ブランケットの基盤技術を整備し、並びにITER-TBM1号機の実機での安全性確証試験の完了をしていないといけない。
 また、移行判断、3番目のカラムでは、新たに建設する開発試験施設での成果及びITER、JT-60SA等での実績を踏まえた超伝導コイル等々の関連のものの炉工学技術を確立できていること。全てではないにしても、原型炉段階に進めるだけの炉工学技術はここで確立していないと、次に進めないと考えています。
 次が6番目の原型炉設計でございますが、これも第2回から申し上げると、炉心、炉工学の開発と整合をとり、高い安全性を確保し、経済性の見通しにも配慮した原型炉概念設計の完了となっています。長い文章になっていますが、安全性が最重要であるけれども、だからといって、限りなく高くていいわけはないので、両方に目を配って、かつ、技術的に実現可能なきちんとした設計ができるというのが、この2行に集約された意味でございます。
 それから、2項目めですが、工学設計の技術基盤確立に向けた炉心、炉工学開発課題の確定と開発計画の作成と。ここで確定と計画の作成となっていますのは、この段階である程度、次のステップへの実験計画を認めていただいて、比較的中規模、大規模とは言いませんが、中規模の試験設備を作り始めないといけないので、そのための計画を認めていただくというイメージでございます。
 それから、原型炉段階への移行判断のところでは、社会受容性と実用化段階における経済性の見通しを得て、炉心・炉工学技術の開発と整合をとった原型炉工学設計の完了。それから、安全規制・法令規制の方針の策定というものを条件にしております。
 先ほどありましたが、実用化段階での経済性という言い方をしておりますのは、時々、原型炉のコストと混同されてしまうことがあるので、そうではないということをあえて言っています。ただ、原型炉も高ければ作れませんから、理にかなったコストで設計できるということも含めております。
 それから、7番目の社会連携。ここが、平成17年の報告のチェック・アンド・レビューには全くなかった項目になります。2番目は、アウトリーチ活動の推進と社会連携活動の実施。それから、原型炉段階への移行判断は、原型炉建設・運転に向けた社会連携活動の実施となっておりまして、具体的な活動があまりクリアに書かれておりませんが、これは今後見直していきたいと思っています。
 ただ、大事なことは、材料開発とか炉工学開発とかプラズマ開発と同じところに、社会連携を実施するというのがチェック・アンド・レビューに入ったというのは、かなり大きく変わった点だと思います。やらないといけないのはみんな分かっているのだけれども、人手がなくて手が回らない、みたいなことがあったら、技術的な各項目の未達成と同様に、次に進めませんということになるので、この7番目の項目が付いたのはかなり重要な点だなと考えております。
 以上で御説明を終わります。
【小川主査】  ありがとうございました。基本的には8-2の資料のチェック・アンド・レビュー項目は前回とは変わってはいないんですね。
【岡野委員】  変わっておりません。
【小川主査】  ただし、新しい方もいらっしゃるので、順次説明いただいたと。
【岡野委員】  そういう意味です。
【小川主査】  ありがとうございました。それでは、8-1の資料及び8-2の資料を含めまして、質問等ありましたらお願いします。
 よろしいでしょうか。初めての委員、尾野委員、この辺読んでいただいて、どんな感じでしょうか。
【尾野委員】  ありがとうございます。初めてなので難しいなと思いながら聞かせていただきましたけど、1点だけ教えてもらいたいなと思ったのを多少申し上げますと、2ページのところで、軽水炉との比較の安全性の中で、上から4パラ目でしょうか。ヨウ素131換算で、ハザードポテンシャルが3桁小さいよという話が出てまいります。ハザードポテンシャルの説明を見ると、これは物質の有害度の程度で決まるということが分かるんですが、恐らく実際の炉の場合ですと、インベントリーの多寡であったり、あるいは存在するものの種類という両方のことがあろうと思います。
 それで、軽水炉の場合でいうと、インベントリーが非常に大きいということと、それから、中に入っているものが短半減期で比較的すぐに減っていってしまうようなタイプのものと、それから、福島事故の後に非常に苦労しているのが、例えばセシウムのように、土地汚染をして長期に影響を与えてしまうものというのがございまして、私が言うのも変なんですけれど、そういった観点で言うと、放射性物質のリスクポテンシャルで言ったときに、「3桁小さい」という表現がやや控えめなのではないかというような感触を持ちますと。恐らくこの中には、核融合炉の中には、原子番号が大きいような核物質はないだろうと思いますので、土地汚染リスクみたいなのは恐らく相当小さくなるのかなとか、そういうことが、あえて言及するかということはあるんですけれど、少しリスクのポテンシャルの見方が、見方によっては少し控えめではないかなという気がしましたというのが1点と、それから、恐らくこのタイプの炉特有で気を付けておかなきゃいけない観点、見方というのもあるでしょうから、そういうことを見落としなくやっていくという、そういう表現とセットであればより分かりやすいのではないかというふうに思いました。
【小川主査】  ありがとうございました。この軽水炉との比較のハザードポテンシャルを持ってきたというのも今回初めてというわけではなくて、もう十数年来、我々核融合の安全性をどう評価するかと悩みました。その時に持ってきた指標です。なお今のコメント、非常に有り難いことですし、おっしゃるように、もうちょっと詰めなければいけないとは思っています。それは今後やっていきたいと思っています。
 岡野先生、何かコメントあります?
【岡野委員】  こういう、遠慮深いと言っていただいたのは非常に有り難いものではございますが、ここでは、確実に言えることとして、法的な濃度基準というのがあったので、それで書くとこうなるという範囲にとどめています。ヨウ素131との土壌汚染の比較をご指摘いただきましたが、確かにその通りながら、一方で、トリチウムは水素ですので、水を介して人に取り込まれる可能性もあるので、安直にトリチウムの汚染は大丈夫ですと言うこともできないので、法的な安全性、法的に決まっている範囲でこのような言い方をしてきているということございます。
【尾野委員】  ありがとうございます。それは理解いたしました。
【小川主査】  ありがとうございます。
【小川主査】  ほかに何かあるでしょうか。はい。
【五十嵐委員】  いろんなご意見があって、それをおまとめいただくのは大変だったと思います。どうもありがとうございました。それで、改めて拝見しまして、今、机上にある様々な、これまでの資料なども拝見したのですが、前回、私がこの文書の位置付けを御質問したせいで、まず本報告書の背景から入ってしまっているために、この文書を、いつ、どこで使うのかが逆に分からなくなってしまったように思います。やはり最初に目的から入っていただく方がいいのかなとちょっと思いました。
 背景と、また、エネルギーの現況を書いていただいて、それは必要なことだと思うんですが、まずその前「はじめに」というような形で、この文書をどのように、どなたが使うものなのか。前回も御質問させていただきましたけど、例えば研究開発計画と比べて、どこに位置付けられるのか。またしつこいようですけれども、パブリックコメントを求められるということならば、私のような者にも分かるような形で、構成を考えていただきたいというのが一つあります。
 それで、これまでの御議論でいろいろ出てきたことを考えながら、原型炉に向けた研究開発の推進方策だということで読んでいくと、なるほどと思うんですが、ちょっと気になりましたのが、安全のところ、5.5ですね。6ページの5.5の安全基準のところが「核融合炉の安全基準の策定」と、大きくまた核融合炉に戻ってしまって、将来的な核融合炉全体の安全のことも考えるというお考えで、あえてそうされているかもしれないのですが、原型炉の話をずっとしてきたのに、もちろんその先に核融合炉があるのは分かるんですが、ここは安全基準の策定というか、安全性についてきちっと考えていくということのような項目名の方が、私の頭の中にはスッと入りやすいかなと思いました。感想のようなことばかりで申し訳ありませんが、よろしくお願いします。
【小川主査】  分かりました。ありがとうございました。
 まず1点目の構成、「はじめに」とかその辺のことは事務局ですね。
【松浦戦略官】  そうですね。はい。文案を考えて、また御相談いたします。
【小川主査】  そうですよね。はい。それはいいと思います。
 それから、2点目の5.5の核融合炉のとなっているのは、確かに核融合炉にするのか、原型炉にするのか。それはちょっと秋山さんの方で全体を通して、原型炉と核融合炉というのがごっちゃになっていないかどうかを含めまして、精査していただければと思いますけれども。
【秋山学術調査官】  はい。ほかのところのチェックも、ここのところも含めてチェックいたします。
【小川主査】  お願いします。よろしいでしょうか。はい、どうぞ。
【岡野委員】  最初のこのハザードポテンシャルのところも、詳し過ぎないかというコメントを佐藤委員がお帰りの前にされたのですが、過去の経緯で、我々はそんなつもりはないのですけど、何にも考えずに核融合炉は安全です、と言っていたかのように誤解されているところもあって、科学的な根拠を一つは書いておきたいと思っているので、残させていただきたいと思っているんですけれど。
【小川主査】  いかがでしょうか。
【岡野委員】  安全研究はかなり進んでおりまして、もっと書けることはたくさんあるんですけど、ここにそんな多くのことを書くべきではないと思うので、一つ残すとしたら、平成17年、戦略検討分科会以来のこのハザードポテンシャルの視点かと思いました。
【小川主査】  はい。そうです。
【岡野委員】  それ以来、98年以来から、こういう書き方を一つだけ書いているので、残しておけば。なくなるよりはいいなと私は思いました。
【小川主査】  はい。私も個人的にはそう思いますけど、よろしいでしょうか。パブコメを受けて、またそれを踏まえてどう反映するかと。
 これに関して、今、尾野委員からコメントいただきましたけれども、この書き方も含めまして、パブコメからまたいろいろ出てくると思います。従って、できれば私も残しておいていただいて、パブコメを受けた後、議論させていただければと思いますけど、よろしいでしょうか。
 ありがとうございました。
【森委員】  済みません。2点あるのですが。
【小川主査】  はい。
【森委員】  今言った5.5の中で、「核融合炉では従来の考え方にとどまらない事象も想定し」という部分は、具体的なイメージが私にはよく分からないので、何を意図して書かれているのか教えていただけますでしょうか。
【秋山学術調査官】  そこは確率では扱えないような事象を考えております。
 岡野先生、もし追加があればお願いいたします。
【岡野委員】  安全研究中ので、いわゆる想定外事故というのがありますけど、それはプロセスが追えるものなのですね。そこから先の、極論をすれば、何だかそこに到るプロセスは分からないけど、トリチウムが全量出ました、みたいな事態ですね。それはプロセスがわからないので確率が計算できないわけです。プロセスが追える10のマイナス6乗ぐらいの確率のところと、全量放出のようなプロセスが分からない極論の中間に、発生確率はわからないけれども、とにかくそれが起こったとしたら何が発生するのか、という極端な事故を仮定して、その影響を計算してみようとしています。つまり、そこまでやると、核融合炉の優位性がよく分かると、そういう意味なのですね。そこまでやりたいという意味ですね。
【森委員】  分かりました。、ということは、「じゃ、軽水炉も同じぐらいの考え方でやらないといけないんじゃないの」という議論につながりますよね。それを否定しているわけではないですよ。
【岡野委員】  そうでしょうね。そうなると、いろいろと問題も発生するような気がするんですけど、つまり……。
【森委員】  取扱いは注意が必要かもしれませんね。
【岡野委員】  そうですね。建前論で、安全基準を通っていれば安全という極端な考えに沿えば、そして事故も想定内だったら、必ず安全に収束するわけですから、核融合炉と普通の原子力の安全性の差というのは、理屈の上では全く出ないことになるわけです。何か極端な仮定をしないと、核融合炉がこれほど優位ですということは言えないので、これまで以上を仮定せざるを得ないのですけれど、そうすると、それを、じゃ、今の軽水炉に適用したらどうなりますかという議論になると、これはちょっと厳しいかもしれないですね。
【森委員】  いずれにしても、安心を得る上ではそういったようなことまで踏み込んで、核融合炉の場合は考えましょうとことですね。
【岡野委員】  そうですね。そういうことなんですね。
【森委員】  分かりました。もう1つは、その上の方に書かれている人材育成と確保のところに、「より人文社会系を含めた広範囲の分野との連携云々(うんぬん)」があって、「そのため、以上のような連携を通し、複合的視点を持った多様な人材から成る炉設計体制を構成する」と。ここで言っているのは、その炉設計体制の中に人文系の人を含みなさいということを言っているわけじゃなくて、いろいろコミュニケーションをとって、人文社会系の視点も併せ持つ技術屋集団を構築しなさいということを言っているのですよね。確認です。。
【小川主査】  多分そうですよね。
【森委員】  了解です。
【小川主査】  ありがとうございました。
【尾野委員】  今の点でコメントよろしいでしょうか。
【小川主査】  はい、どうぞ。
【尾野委員】  今のところの従来の考え方のところなんですけど、私、ここはあんまり引っ掛からずに聞いていたんですよ。というのはなぜかといいますと、今の場所、福島事故を鑑(かんがみ)みと書いてあって、従来の考え方にとらわれずというふうになってございまして、軽水炉については、福島事故を鑑みて、規制基準が大幅に変わりました。いろいろ変わったことの中で、極めて特長的なところが、先ほどお話がありましたビヨンド・デザイン・ベース・アクシデントの話だとか、あるいはデックですね。設計拡張事象だとか、そういうことを意識しながら、シビアアクシデント対策、その物事が起こってきたところで、当座付けていた施設が役に立たないときにどうするかというような観点というのが大分入ってきてございます。
 そういうことを考えますと、多分この従来というのは、文脈からいくと、事故前の考え方に加えて、その炉の特性に応じた、やや拡張した考えで見ていきましょうということをおっしゃっているのだと思うので、それは現状の軽水炉では既にやってございますので、ある意味、あんまり違和感なく聞いたということでございます。
【小川主査】  ありがとうございました。この辺は軽水炉とか核分裂炉のコミュニティとの安全の考え方と総合的にやっていく必要はあると思います。ありがとうございました。
 はい、どうぞ。
【村上委員】  済みません。1点だけ。前回のときに意見を出し忘れてしまったんですけれども、7ページ目のアウトリーチ活動の一番後に、アウトリーチ活動が、学生などの将来核融合研究開発に携わる人材の確保と書いてあるんですけど、やはりもっと長い、10年以上もプロジェクトを続けるに当たって、子供に対する教育に関わるようなアウトリーチ活動というのも非常に重要だと思いますので、そういう点も含んで、もうちょっと何か書けるといいんじゃないかなと思うんですけれども。何か単に社会に対して言うだけじゃなくて、子供たちの教育に何か関われるようなアウトリーチ活動の観点が入ってくるといいんじゃないのかなと思っているので、御検討いただければと思います。
【小川主査】  そのとおりだと思います。私個人的に申し上げると、これは言い過ぎかもしれませんけど、小さい子供さんと女性も、学生というだけじゃなくて、対象とすべきではないでしょうか。
【村上委員】  はい。
【小川主査】  では、その辺はまた後で秋山さんの方で。
【岡野委員】  ここに書くかどうかは分かりませんが、アクションの中にはそういうものを入れていこうと思っています。これはそれを子供は関係ないと書いてあるわけではないので、入れることはできると思います。
【小川主査】  多分まだ、よくよく見ると、コメントしたいことが出てくる可能性はあると思いますので、パブコメ用に向け、さらに改定しますので、1週間ぐらい時間をとって、メールで頂いても。
【松浦戦略官】  1週間と言わず、今月中ぐらいであれば大丈夫です。
【小川主査】  今月中ぐらいですよね。これは非常に重要な文章ですので。
【松浦戦略官】  はい。パブコメの時期はまだ先かなと。6月にITER理事会もありますし、ITER理事会もきちんと結果も見ていった方がいいかなと思っていますので、パブコメの時期は多分6月後半からかなというふうに想定していますので、ゆっくり見ていただいて、コメントを事務局にお寄せいただければと思います。
【小川主査】  そうですね。でも、連休をまたぐと忘れるから、連休前ということで、やっぱり2週間ぐらいで見ていただいて、コメント頂いた方がいいと思いますので、是非有意義なコメント頂ければと。
 それから、もう一点、タイトルなんですけれども、「原型炉研究開発の推進に向けて(仮称)」、原案。先ほど五十嵐委員から構成のことも言われましたけれども、このタイトルも、実は見ていて、原型炉研究開発というのは何の原型炉かと。核融合というのが出ていないので、核融合原型炉研究開発の推進に向けてというタイトルにしたいと思います。さらに、今この段階では(仮称)ですけれども、それで(仮称)というのも割愛したいと思います。ただし、原案ですので、(原案)の語句は残した形でパブリックコメントに出すという事にさせていただければ。タイトルを変更させていただくということです。よろしいでしょうか。
 あと、内容に関しましては、皆様からのまた、2週間ぐらいをめどに御意見頂ければと思います。
 ありがとうございました。前回もいろいろと御意見頂きましたけれども、今回も非常に重要な御意見頂いたと思いますので、今後ともよろしくお願いいたしたいと思います。
 皆様から内容の御意見頂きましたら、その修正を事務局とやりまして、詳細に関しましては主査に一任いただければと思います。
 申し訳ありません。もう15分過ぎちゃいましたけれども、冒頭にお約束しましたので、一言ずつ、30秒ずつ、1分ぐらいでいいですから。割愛します?
【松浦戦略官】  時間もないので……。
【小川主査】  では、一言は割愛させていただきます。
【岡野委員】  新任の委員の方だけでもやっていただいたらどうですか。
【小川主査】  では、尾野委員から。
【尾野委員】  電気事業連合会の尾野でございます。きょうは本当に難しいお話を聞かせていただいて、頭がパンクしているところでございますが、軽水炉の方を専らやらせていただいていますけれど、違う観点で見ることもできるのかと思いますので、是非よろしくお願いいたします。
【小川主査】  よろしくお願いします。
 岸本委員、お願いします。
【岸本委員】  京都大学のエネルギー理工学研究所の所長を4月から拝命し、活動させていただいています。核融合プラズマの理論やシミュレーションが専門ですが、原型炉ということになりますと様々な要素が入ってきて、本当に分からないことばかりです。是非これを機会に勉強させていただきたいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。
【小川主査】  よろしくお願いします。
 兒玉委員、お願いします。
【兒玉委員】  大阪大学の兒玉でございます。この4月1日からレーザーエネルギー学研究センターのセンター長をやらせていただきました。実は私が最後のセンター長になる予定でして、来月1日からレーザー科学研究所にお目見えしますので、引き続きよろしくお願いいたします。
【小川主査】  はい。森委員。
【森委員】  量子科学技術研究開発機構の森でございます。QSTの核融合エネルギー研究開発部門の代表ということで来ていると思いますので、当部門の方たちの意見もできるだけ取り込むような形で、この会議に参加させていただければなというふうに思っていますので、よろしくお願いいたします。
【小川主査】  ありがとうございました。
 それでは、これで閉会といたします。次回は7月頃を予定していますが、具体的な日程は事務局で調整の上、改めてお知らせします。本日は御多忙の中、御出席いただきまして、どうもありがとうございました。

―― 了 ――

お問合せ先

研究開発戦略官(核融合・原子力国際協力担当)付

工藤、吉田
電話番号:03-6734-4163
ファクシミリ番号:03-6734-4164

(研究開発戦略官(核融合・原子力国際協力担当)付)

-- 登録:平成29年05月 --