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宇宙開発利用部会 国際宇宙ステーション・国際宇宙探査小委員会(第20回) 議事録

1.日時

平成29年6月28日(水曜日) 15時00分~17時00分

2.場所

文部科学省 3階2特別会議室

3.議題

  1. 国際宇宙探査の在り方について
  2. その他

4.出席者

委員

主査	藤崎 一郎
第二主査代理	角南 篤
専門委員	金山 秀樹
専門委員	木村 真一
専門委員	倉本 圭
専門委員	古城 佳子
臨時委員	知野 恵子
専門委員	続橋 聡
専門委員	中村 昭子
専門委員	向井 千秋
臨時委員	米本 浩一

文部科学省

研究開発局長	田中 正朗
研究開発局審議官	大山 真未
研究開発局宇宙開発利用課長	堀内 義規
研究開発局宇宙開発利用課宇宙利用推進室長	庄崎 未果
研究開発局宇宙開発利用課宇宙利用推進室課長補佐 	原 真太郎

(国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA))
理事	山本 静夫
理事	浜崎 敬
執行役	伊東 康之
宇宙科学研究所教授	久保田 孝
宇宙科学研究所教授	藤本 正樹
有人宇宙技術部門技術領域主幹	佐藤 直樹

(三菱電機株式会社)
宇宙システム事業部事業部長代理	塚原 克己

5.議事録

【藤崎主査】  では,定刻になりましたので,国際宇宙ステーション・国際宇宙探査小委員会第20回会合を開催させていただきます。

 まず原補佐,事務的な確認をお願いいたします。


【原補佐】  はい,それでは,資料の確認をさせていただきます。

 お手元に議事次第がございまして,ここの4.のとおり資料を配付させていただいております。不足などございましたら事務局までお申しつけください。

 以上です。


【藤崎主査】  ありがとうございました。

 

(1)国際宇宙探査の基本的な考え方

 

【藤崎主査】  それでは,議題に入りますが,今日はまず2つの御報告を聞いた上で,中間取りまとめについて議論させていただきたいと思います。2つの御報告は,JAXAからの宇宙探査シナリオ検討と宇宙探査における技術開発の取り組み,そして三菱電機・塚原様から,企業の立場から宇宙探査の科学的意義と国際宇宙探査との関係でございます。この2つの御説明を伺いまして質疑をいたしまして,それからこの中間取りまとめについてきちんと議論させていただきたいと思っています。中間取りまとめにつきましては,これまでもメール等を通じていろいろ御連絡はしてきておりますが,この場で改めて議論をしたいと思っております。

 では,まずJAXAの方からの御説明をお願いいたします。

 

JAXA(佐藤主幹)より,JAXAの国際宇宙探査シナリオ検討と宇宙探査における技術開発の取り組みについて,資料20-1-1に基づき説明。

JAXA(藤本教授・久保田教授)より,宇宙探査の科学的意義と国際宇宙探査との関係について,資料20-1-2に基づき説明。

 

【藤崎主査】  ありがとうございました。今,本格的にJAXAのシナリオ,月,火星を含めまして御説明いただいたわけでございますが,ここでもし御質疑のある委員の方には,例のようにこの札を上げていただきたいと思います。全部まとめてお答えいただきますから,一個ずつお答えにならないようにお願いいたします。

 私の方から,先ほどの御説明,JAXAの青写真ということでございますが,恐らく2つの前提があって,1つは費用についてはEX等は無理だから,これはアメリカに頼もうとか,残りのところは,LかMのところはできるだけ自分のところでやっていこうということだろうだと思いますが,Lについてはかなり大きい金額なのでちょっと分かりませんけれども。これはそこの費用はちょっと横に置きながら,大体青写真と描けばこういう,科学技術という観点から描けばこういうことですという青写真だという理解ができているのですが,もう一つは,今のEX等についても相当月近傍とかアメリカやその他の国との協力が前提になっておりますが,このところはまだそれを一応期待してこれから協議していこうというところで,そこまでのまだ見通しがあるわけではない。この2つの前提だと考えてよろしいですね。これも今お答えいただかなくて,後でまとめていただいて結構ですが,ほかの委員の方々,何かございますでしょうか。もしあれば,今札を上げていただければ,順に。

 はい,米本委員。


【米本臨時委員】  藤本先生から御説明がありましたISASの宇宙天体探査戦略について,サイエンスの立場からすると,月,火星というよりは,小惑星の方が魅力的だというように聞こえましたが,正しいでしょうか。もう一つの質問は,SLIMで実証したい重力天体着陸技術についてです。着陸場所の岩石とか崖等の特徴点のマッチングは,あらかじめその地形情報が分かっている必要がありますが,照度等の条件の悪い極地でどのように実現できるのかという疑問です。最後の質問は,フォボス/ダイモスという重力加速度がほとんどない天体に対してSLIMの着陸技術がどのような技術的つながりがあるのかよく分からないという点です。


【藤崎主査】  他の委員の方々はいかがですか。木村委員,お願いいたします。


【木村専門委員】  はい,よろしいでしょうか。私も,ここでの議論から,SLIMがやはり非常に肝だと思うので,SLIMに関して幾つか質問させてください。

 1つは,今回SLIMとしてミッション化されている着陸船はどこをターゲットにおろされるということ,どういった探査をされるということを想定されているのかというのがまず1点です。

 もう一つは,このSLIM自体,工学系のミッションとして,将来へ向けたプラットフォームとして,月にピンポイントで着陸するという技術を確立するということが目的だと聞いているのですけども,今後どういう展開を考えておられるのかという点です。例えばこのプラットフォームを活用してどのように月探査をするか,どのように継続的にやっていくという計画なのか,そのあたりについて是非教えてください。


【藤崎主査】  中村先生。


【中村専門委員】  最初の方の資料のJAXAのシナリオの検討状況(2/2)という7ページのところですが,具体的なシナリオ(案)として,「日本は国際的に「強み」のある役割を担う。」ということが書かれていますが,これは具体的に何かもう青写真のようなものがおありなのか,これから模索しようとされているのか。

 それから,丸3のところに「計画に参画し」とありますけれども,ここも何かここのところに出されるものがあるのかというところを教えていただきたいと思います。


【藤崎主査】  知野委員。


【知野臨時委員】  ありがとうございます。この1-1の資料についての質問です。6ページなどを見ますと,検討状況ということで,NASAとの話になっていると思うのですが,ESAともこれから将来計画について協力していこうという話をしていると思います。これはあくまで日米,日本とNASAとの話だけでとどめるのでしょうか。一方では,ヨーロッパとの協働という話も動いている。その関係がよく分からないので,教えていただけますか。


【藤崎主査】  以上,委員の御質問あるいは御提起がございましたが,他に委員の方々ございませんでしょうか。もしなければ,これでJAXAの方に順次お答えいただきたいと思いますが,よろしいですか。

 それでは,お願いいたします。


【JAXA(佐藤主幹)】  それでは,資料20-1-1の方に関連する御質問についてお答えしたいと思います。

 まず,主査の方からありました,別紙のA3の方に関しまして青写真という理解でいいかということでございますが,正にまだ青写真の段階でございまして,これからこの内容を詰めていくという,いわゆるまだ概念検討の段階でございまして,コストとかコンセプト,そういったものについてもこれから詰めていく状況ではございます。

 それから,MとかLのところの国際協力の見通しはというところでございますけれども,これはまだ別に決まったわけではございませんけれども,例えば米国ですとかESA,そういったところと,例えば3bの小型居住モジュールといったところは,例えばESAと組んでやったらどういうものができるか,そういった協力の話は技術レベルでは進めております。それから,5番の少し大きな与圧ローバですとか着陸船に関しましても,NASAとかESA,そういったところと協働してやるパターンというものも技術レベルでは検討は進めております。

 それから,本文に戻りまして20-1-1の方で,中村委員の方から7ページ目の方の,国際的に「強み」のあるもの,それから「キー技術」というのは何かということでございますけれども,先ほどの趣旨の中でも御説明を少ししましたけれども,例えばキー技術という意味では,探査をするためには着陸技術,それから表面を探査していく技術,そういったところはまだ強みはないものの,キー技術だと考えておりますので,そこをしっかり研究開発を進めて参加していく。

 それから,強みという意味では,例えば航法に関しましては,「はやぶさ」での地形照合航法ですとか,それから「かぐや」での地形データ,そういったところをしっかり持っているというところは強みですので,そういったところをしっかり伸ばしていく。それから,HTVでしっかり実績がありますランデブ・ドッキング技術ですとかそういったところも強みだと思っておりますし,それから環境制御技術とかでいえば,これ自体は軌道上では実績はないものの,地上の非常に効率のいい,例えば水再生の電気分解のような技術とか,そういったものは各国ではやっておりませんで,米国,ロシアがやっています水再生技術というのは,蒸発をしてやるという効率の少し悪いもので,それに比べて我々の有している技術は非常にコンパクトにできるという強みがある,そういった技術を考えております。今のは中村委員からの御質問にもお答えするものかと思います。

 それから,知野委員からの御質問は,6ページ目のところで,先ほどの主査からの御質問に関わるかと思いますけれども,これは先ほど言いましたように,例えば着陸船に関しましてはESAとの協力開発というのを技術レベルで検討しておりますし,深宇宙居住モジュールなんかもそうですし,幾つかESA,カナダ,そういったところと実質的な協力は進めているところがございます。

 資料20-1-1絡みですと以上だったかと思いますけども。


【藤崎主査】  資料の番号というよりも,この5人の質問に対してJAXA全体としてお答えいただければ結構でございますが。他の方でも結構ですから,今の質問に全部お答えください。


【JAXA(藤本教授)】  はい,それでは残りの質問だったと思いますけど,お答えいたします。

 米本先生から頂いた,小惑星の方が月・火星より魅力的なのですかという御質問ですが,多分それは小惑星のロードマップはとても魅力的ですと言っていただいたのだと思いますけれども,小惑星に関しての方が検討が進んでいるのは,おっしゃるとおり事実です。「はやぶさ」2号機あるいはMMXのサンプルリターン,小天体のサンプルリターンによって惑星科学の,とにかく形成論的な部分についてかなり世界に大きな貢献ができるだろうということで我々は考えてきていますし,それを戦略にしているのも事実です。これは何も日本単独ではなくて,国際的に期待されていることを国際協力をしながらやっていこうと,そういった構図ができていますから,そういった意味でも戦略がはっきりしているし,戦略がきれいにかけているというところがあると思います。

 それに対して月や火星なのですけれども,月に関しては「かぐや」でリモートセンシングという情報で我々は手に入れましたけれども,その次は何かといいますと,それは大型の着陸になってしまうので,なかなか規模感の問題があって,宇宙科学として持っているプログラムの規模と,やりたい,やらなければいけない規模感との間に相違があって,なかなかそこは検討が進まなかったというのはおっしゃるとおりです。ですけども,今はSLIMというものを手に入れて,そこで,小型ですから限られてはいるけれども,すごくエッジのきいたトピックスに関しては面白いことを進めていけるのではないかというようなアイデアが生まれつつあるわけですね。

 関連して,SLIMに関して,SLIMで何をするのですかという御質問がありましたけれども,SLIMは月の表面にそれが合うことが「かぐや」のデータで分かっている月の内部の岩石があることが分かっている地域に着陸します。その月の岩石の近くに寄っていって,そこから分光観測することによって,その月の内部にある岩石の組成について詳しく調べます。そのことによって月の内部にある,深いところにあるけれども,一番浅いところにはどういう物質があるかということが分かりますので,その情報とモデルケースを組み合わせることによって月の内部について知ることができる,そういった計画です。ですから,SLIMでやることは,ある大事な場所に行って,そこから分光観測をするだけなのですけれども,うまい場所を選んで,新しい観測項目を企画さえすれば,月の科学にとって大事な情報が得られる。そういう意味においては,SLIMが開けた窓というのはすごく面白いもので,今までは着陸探査というのはどうしても大型になってしまうのでということで前に進んでこなかった部分に関しては,風穴を開けたのだと,そういうふうに我々は考えています。それと同時に,探査とチームアップするということも考えて風穴を開けることになるのだろうと思っています。

 そのようなSLIMの2号機以降はどういうことを考えているのかという御質問があったかと思いますけれども,その1号機のミッションを選定する際に,SLIMはこういったものですよと,ある面白い場所に行って,ちょっと気のきいた観測をしたら何か面白い科学があったらどんどん提案してください,そういう提案の仕方をしました。

 1号機は,いろいろな条件の下で1号機のサイエンスが選ばれたわけですけれども,それ以外の面白いサイエンスは幾つかありまして,例えば,SLIMがある場所にピンポイントで着陸するのですけれども,そこからちょっとだけであれば小型のローバで移動することができます。ですので,SLIMに小型のローバ,リソースの制限があるのでどうしても小型になると思いますけれども,小型で機能が限定されているけれども,ローバを乗せることで,ある岩石の近くに寄っていって何かの組成を調べるとかそういったような提案は出てきているので,例えばそういったような計画は続けられるかと思っています。

 SLIMの技術に関する質問があったので,それはお願いします。


【JAXA(久保田教授)】  はい,米本委員から3つほど質問を頂いております。

 最初,ピンポイント着陸技術に関することだと思いますけれども,クレータマッチングで照合してピンポイント着陸しますので,参考となる地形データというのをあらかじめ持ってなくてはいけません。月・火星につきましてはありますし,フォボスについてはあるのですけれども,今後の小惑星について事前に,未知の天体であるのでどうするのかという御質問かと思います。小惑星も到着しましたら,最初にグローバル・マッピングといいまして,写真をたくさん撮って地形図をつくります。その地形図をもとにマッチングをするということを考えております。これは実際に「はやぶさ」ミッションで地形照合を行って,ピンポイント着陸をしたという実績があります。小惑星イトカワは大体500メートルの大きさなのですけれども,着陸する場所が非常に狭くて,30メートルぐらいしかなかったので,30メートルのピンポイント着陸を実は「はやぶさ」で行っております。ですから,SLIMでこのピンポイント着陸技術を打ち出したというのは,実は「はやぶさ」の技術があってこその提案というふうにお考えいただければと思いますので,事前に地図をつくるということが必須になります。

 2つ目の御質問は,極域の照明条件の悪いところについては,影領域は暗いところなので参照できないのではないか。確かにそうなのですけれども,今後,極域等に行きますとピンポイント着陸しますが,それにつきましてはあらかじめ分かっているクレータ,岩石等で航法誘導して着陸します。ただ,時間帯によっては岩の影が伸びたりしますので,その部分が安全かどうかを確認するために日陰の場所をフラッシュライダ等で見るようなことを考えておりますので,この場所はマッチングには使わないということを考えています。

 3つ目が,SLIMの技術を使って月だけではなく火星衛星ミッション,フォボス/ダイモスに応用できるかどうか。実は,火星の衛星ですから,重力天体とは言えないのですが,重力が大体2,000分の1Gです。地球の2,000分の1で,小さいのですけれども,実は小惑星よりはかなり大きいです。脱出速度が大体10m/sほどありまして,おりる時間も,「はやぶさ」のときのようにゆっくりおりるというわけにいきませんので,ちょうど重力天体と小天体の間ぐらいというふうに考えていただければよくて,それに関する技術というのを実はSLIMで養ってMMXにつなげたいというふうに考えている次第です。

 以上でございます。


【藤崎主査】  委員の方々,以上でよろしゅうございますか。

 それでは,どうもJAXAの方で包括的に御説明いただきありがとうございました。

 三菱電機から塚原さんに来ていただいておりますので,今回は大変申し訳ございませんが,質疑の時間はないと思いますので,御説明だけにさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

 

三菱電機(塚原様)より,国際宇宙探査の取り組みと期待について,資料20-2に基づき説明。

 

【藤崎主査】  ありがとうございました。

 今の御説明は,一言で言えば,きちんとしたロードマップがないと民間企業としても若手を育成していきつないでいくというのは非常に難しいので,国,JAXA等を含めてできるだけそういうものを明らかにしていくように努めてほしいと,こういうことだろうというふうに理解いたしました。

 では,今日は,実はこの御説明を承った上で皆様方と中間報告について,これが今回大事なところでございますけれども,議論させていただく。これはこれからの段取りにつきましては,上の宇宙開発利用部会に御報告する。今は中間取りまとめという段階でございますので,これを御報告するわけですけれども,またこれを詰めた最終報告は,更にこちらでの議論を踏まえて作成していくということだろうと思います。

 そして,今日,皆様方から御議論いただいたものにつきましては,今ここで文章の修正ということよりは,一応皆様方の御意見を踏まえた上で,私と文科省の方で議論をして,修正すべき点があれば修正をいたしまして,宇宙開発利用部会の方に報告すると,こういう形にさせていただきたいと思います。

 では,委員の方々,この中間取りまとめを御覧いただいたと思いますが,その前に,庄崎さんの方から御報告いただけますか。

 

庄崎室長より,国際宇宙探査の在り方(中間取りまとめ)(案)について,資料20-3-1及び資料20-3-2に基づき説明。

 

【藤崎主査】  ありがとうございました。

 今の説明では,ISEF2のところの冒頭にありますように,やや乱れが見られる国際協調体制でございますが,日本にとっては国際協調を再確認することが大事である。そのため,日本として,このISEF2を利用して,その機会としていきたいというのが,大きな国際的な流れというものは,月近傍,月,火星という段階的な流れであろう。それについては日本としても基本的に参画していこうではないかというのがこの基本的な発想でございます。

 委員の方々,いろいろ御意見,もし文章の御意見であれば,これは事務局に後で頂いた方がいいかと思うので,もちろん中身に非常にかかわるものは別でございますけど,そういうもの以外は,できればここでもう少し考え方について,ここのところはもうちょっと強調した方がいいのではないかとか,ここはここまでの合意はないのではないかという点を含めまして,もしそういう点について御意見があればおっしゃっていただきたいと思います。

 知野委員。


【知野臨時委員】  10ページの我が国としての国際宇宙探査の当面の方向性のことなのですけれども,これを読むと,まず,多くの国々が月近傍から月,火星へということが書いてあって,日本としてもこういう動向を踏まえつつ,とつながって,あとは技術開発の話につながります。日本として,何を目指そうとしているのかというところが,ここからはちょっと読めないで,他を合わせて読んでいくという,構図になっていると思うのですが,ここでもう少しはっきり,日本としても,月近傍なのだとか,そういうことを書いていった方がいいのではないかと思いました。


【藤崎主査】  恐らく今のような議論も最終報告のときにはきちんと入れていくことになるのだろうと思いますが,それまでの段階で恐らくコンセンサスとして得られたところをここまで一応書いて,大体流れとしては今,知野委員が言われたような発想なのだろうと思いますが,ちょっとその文章については考えさせていただきたいと思います。

 他にございますか。どうぞ,向井さん。


【向井専門委員】  文化の違いというか認識の違いかと思いますが,ページ1で,「有人についてはとにかくピラミッドの頂点にある宇宙飛行士が脚光を浴びるが,」というこの認識が宇宙飛行士のチーム,どの飛行士もこういう認識は持っていません。我々はチームの一員と思っているので,ピラミッドの頂点という表現はちょっと。


【藤崎主査】  これは,私が実は書いた文章なのです。向井さんのことを思い浮かべながら書いたのですが,そうじゃないのだよと向井さんが言っていたので,脚光を浴びるけど,そうじゃないのだよというところにポイントがあったのですが,頂点にあるということは削除いたします。向井さんの御指摘を実は入れたつもりだったのですが,ちょっと余計なことが書いてありましたから落とします。おっしゃるとおりです。

 他にございますか。どうぞ,古城委員。


【古城専門委員】  10ページのISSのところなのですけれども,最初の段落のところで,ISSというのは2025年以降は非常に予測が不可能というようなことが書いてあるのですよね。アメリカも民間主体の活動をするかもしれないし,中国も独自だし,ロシアも独自の動きがあるというそういう状況の中で,日本がどうするかというのは,2025年まではどうするかと言っているのか,それとも,2025年以降は,日本も飽くまでも民間を入れながらもアメリカ政府が抱えるような形を模索していこうとしているのかという,そこのところがちょっとよく,1段落目と2段落目のところがうまく私の頭に入ってこないといいますか。つまり,最初のところで,みんな独自のことをやろうとしていますよと言っているときに,日本はどういうふうに関わっていこうとしているのかというのが。


【藤崎主査】  庄崎さん,何かお答えありますか。


【庄崎室長】  実をいうと,そこが11ページの方にありますように,「2025年以降のISSの在り方については引き続き検討」というところで受けざるを得ないのですが,ただ,その検討のときに考慮すべき,あるいは考慮できるようなこととしてその前の段階があると思っていまして,1つには,民間でどういうふうに使っていくかということ,そして,まだ最終的にどこまでやるのかというところがここでは書いていないのですけれども,国際宇宙探査を続けていくという中でISSをどう位置づけるかということについては引き続き検討が必要かと思っています。


【藤崎主査】  アメリカはこういう議論があるようですけれども,民間がもうこれだけ時間のたったISSに対してどれだけの関心を持って本当に参画してくれるかどうかもまだ分からない部分があるわけですよね,もっと新しいことをやりたいという議論もあるでしょうから。ですから,ここはまだ本当のことを言うと分からないなりに,しかし,国際協調体制を築くのであれば,我々はできるだけそれに入っていこうという,ISSに関してもですね,そういうことなので,実は今言われたように,確かにはっきりしない部分があるのですけれども,そういう実態が曖昧な中でということではないかなという感じであります。

 他にございますか。はい,向井委員。


【向井専門委員】  サブタイトルの「新たな国際協調体制」は,すばらしいと思います。ISSの枠組みではなく,民間を入れて新たな体制をつくらないと。そうすると,11ページの初めのポツのところが,「宇宙探査を国際協力により推進することの重要性の共通認識」は,今までと同じで,インパクトは弱いかなと思います。ISEF2を日本が主導して何か強いメッセージをというと,「新たな時代を切り開く国際新体制」ではないかと思います。


【藤崎主査】  分かりました。今のサブタイトル,ありがとうございました。この表現を実は少し今回打ち出そうかなということでこれを書いたのでございますが,新たな国際協調体制のことを,最初のポツでも書くということ,おっしゃるとおりです。

 中村委員,どうぞ。


【中村専門委員】  目的のポツの2番のところなのですけれども,ここは国際宇宙探査について,やり方はこんなふうにするということを書いていて,私,混乱したのですけれども,ここで一言「有人」とか「無人」という言葉はないのですけど,あとのところをずっと読むと,有人の話ばかりしていたり,両方交じっていたりとかするのですけど,国際宇宙探査というのは,先ほどのJAXAの方の資料によりますと,無人から有人につながっていくようなものでしたので,何かそこで有人という言葉が何もないと分かりにくいかなと感じたのですが,そのあたりはもう議論が済んでいましたっけ。


【藤崎主査】  何かご意見ありますか。


【庄崎室長】  結論が完璧に出ているかどうか分からないのですが,既に議論としてはあったと思います。それで,国際宇宙探査というのは有人というものを想定しているものだと考えていますが,先ほどのJAXAの技術の取組は必ずしもいきなり有人ということではなくて,無人から続いているものがありますので,そういったものが含まれているということで,個別に区別すべきところだけ「有人」という言葉を追加した形になっています。


【藤崎主査】  他にいかがでございましょうか。角南委員。


【角南第二主査代理】  細かい文言については後で触れることにしまして,全体の議論の中で,今回,9ページの我が国としての宇宙探査の方針の取組方針の中で,先ほどちょっと知野委員もおっしゃったのだと思うのですけれども,国際協調が重要だから,新たな国際協調体制のルールづくりが行われるのだ。それへ日本は参加するのがものすごく重要なのだということ以上に,「イニシアティブを発揮する」と書いてあるので,これはかなり踏み込んだポイントかなと思って,イニシアティブを発揮するという割には全体のトーンが何となく,アメリカがこうやっているから日米体制が重要だとか,世界に基本的には日本も取り残されちゃいけないみたいな,ちょっと受け身的なトーンが目立つなという。多分,知野委員の最初のコメントもそこにあるのかな。つまり,もっと日本はこういうことをやりたいのだ,これが人類には必要なのだと先に言った上でイニシアティブをとるよと,ISEF2はこれでできますみたいな,そういう流れなら分かるのですけど,何となくちょっと全体の,いきなり真ん中の方でイニシアティブをとると出てきているので,最後はまた国際協調が重要なのですみたいな終わり方をしているので,そこのところをどこまで,本当にイニシアティブをとるというところまでメッセージを出すのかどうかというのはどうなのでしょうかというのが,私は出してもいいとは思っているのですけれども。そうしたらもう少し世界から見て,日本はイニシアティブをとっているぞ。しかも,ISEF2はロシアも中国もインドも皆来るという中において,迫力がどこにあるのかというところがやっぱり求められているような気がするのですけど,その辺,私が聞くというのもあれなのですけど。


【藤崎主査】  恐らく2点あって,1つは,今ばらばらになりつつある国際協調体制,これはやっぱり日本だけじゃなくて各国にとっても国際協調でやった方が効率的だよと,これも今までISSで我々が学んだことなので,そこのところは実はアメリカを含めて少し怪しくなっているので,きっちりとそこをもう一回やっていこう。

 もう一つはシナリオの問題として,月近傍,月というふうに進んでいくというシナリオの全体の確認なのだろうと思いますが,これについては恐らく今この時点ではなくて,最終報告に向けてちょっと議論を進めていく,こういうことではないかなと思います。

 他にございますか。どうぞ。


【金山専門委員】  日本の宇宙探査における国際協力に焦点を当てて議論していますが,やはりISEF2では,これが日本のストラテジーだというところを明確に出していただきたいと思います。私も産業界に所属していますので,三菱電機さんの発表にありましたロードマップや,日本流のやり方や,日本が進むべき道を明確に示した上で,その実現のために欧米とどのような協力の可能性があるのかを模索していくなかで,ISEF2において日本がイニシアティブをとることができればと思います。


【藤崎主査】  私が答えるのはあれですけど,恐らく文科省の方としても,これは宇宙開発利用部会の下の小委員会でございますが,また内閣府の方には宇宙政策委員会がございますし,全体の中で今この時点でどこまでストラテジーとして出せるかというところで,この程度のところまで出して次のステップへ進みたいという発想だと思います。

 他に。どうぞ,米本委員。


【米本臨時委員】  9ページの「取組方針」において,「参画に当たっては」から始まる3番目の段落には,冒頭でJAXAの立場で考える優位性のある技術が並べられています。これに限定してしまってよいのでしょうか。今まで表立って取り組んできたこうした技術以外に,将来的に取り組んでいきたいというキーとなる技術や,今までやってきた優位性の高い技術を更に進化させていくというような言い方があってもよいと思います。表現内容を変えて戴けないでしょうか。

 もう一つ,今回委員会にご出席戴いた久保田先生に質問があります。取り組み方針に書かれている「我が国として優位性が見込まれる」という技術について,本当に優位性が見込まれるのかどうか,個人的な感想でもよいので,ご意見を伺いたく思います。


【藤崎主査】  いかがでございますか。


【JAXA(久保田教授)】  総じて言えば,イエスです。世界各国もいろいろやっていますもので,部分的にいろいろな議論はあると思いますけれど,こういったところで適宜優位性を出していきたいと思いますし,既にいろいろな技術を持っていると思います。これはJAXAもそうですし,民間技術もいろいろ使ってやっていくということも非常に重要かなと思います。


【藤崎主査】  他にございますか。

 それでは,ほかにございませんでしたら,こういう段取りで進めたいと思います。

 今伺ったことを踏まえまして,できるだけ,完全に答えられないと思いますが,先ほど申し上げた事情もございますので,入れられる点は,例えばとんでもないピラミッドというような話は分かりました。そういう点を含めまして直しましたら,明日までにお出しするようにいたします。そこで,もし今の時点で何か文章のコメントがあれば,できるだけ今日中に頂いて,それを踏まえた案を明日お出しいたします。それで,明後日までに特になければそれで最終案として私どもとして宇宙開発利用部会に報告させていただきたい。このままさっき,最初に私があずかりと申し上げましたけど,これで議論がございましたので,もう一回お見せしたいと思います。ただ,最終的にはそこで入っていないものについて,もうある程度時間の制限もございますので,お任せいただければと思います。そういう段取りでよろしゅうございますか。

 では,進めさせていただきます。

 では最後に,田中局長,もし何か今までの議論をお聞きになり,それからこれまでのまとまった中間報告,進め方についてお話があればよろしくお願いいたします。


【田中局長】  研究開発局長の田中でございます。本日,まだ少し修正が入るかもしれませんけれども,国際宇宙探査の在り方の中間取りまとめの案をおまとめいただきまして,どうもありがとうございました。

 今日は,中間取りまとめでございますので,我々はこの後,宇宙開発利用部会に上げた後,関係機関と御相談してまいりたいと思っております。その一つは,内閣府,宇宙政策委員会でございます。元々はそこからも宿題を頂いているところでございますから,我々としても御相談させていただきたいと思います。

 我々の一つの目標は,来年3月3日に開かれますISEF2,これに向けて有人の国際宇宙探査についてどういう形で国際的なビジョンがまとめられるのかというのが一つのポイントでございます。その際,今日も御議論ございましたけれども,日本としてより具体的なものを各国にどう提示していけるのか,これがこの中間取りまとめ,次の最終取りまとめに向けての一つの我々のやるべきことだろうと思ってございます。そういう意味では,今日頂いた意見にもございましたけど,もっと具体化していけるのかどうかということが一つポイントです。それは国内的な議論を踏まえてやってまいります。その上で,NASAの長官が指名もされておりませんで,なかなかアメリカの方と交渉するにも交渉しにくい状況ではございますけれども,できる限り,まずは大きなパートナーでありますアメリカ,それからヨーロッパを初めとするいろいろな国々と我々の考え方についてすり合わせていき,できるだけ多くの枠組みの中で国際協調についてもまとめていければなというふうに考えているところでございます。

 本当にどうもありがとうございました。


【藤崎主査】  ありがとうございました。

 それでは,最後に一言私の方から。実は,今日は記者の方々も来ていただいておりまして,この中間報告の素案についてお配りしていると思います。そこで,今お聞き及びのとおり,若干の手直しは入りますが,基本的な構図は今お手元にあるとおりでございますので,これに基づいて私どもが中間報告を取りまとめたということでもう書いていただくというとあれでございますが,私どもとして,文科省もそうですよね。そういうことで是非よろしくお願いいたします。どうもありがとうございます。

 では,委員の方々,どうもありがとうございました。


【原補佐】  事務的な連絡をもう一つさせていただきます。本日の会議資料,後日,文科省のホームページに掲載させていただきます。議事録につきましても,委員の皆様に御確認いただいた後で掲載させていただきます。

 次回小委員会の日程につきましては,日程調整の上,改めてお知らせさせていただきます。

 以上でございます。


(了)

お問合せ先

研究開発局宇宙開発利用課

-- 登録:平成29年08月 --