資料19-3 国際有人宇宙探査に係る検討ついて

平成29年3月31日
宇宙政策委員会


宇宙基本計画工程表において、政府は、来年3月に我が国が主催する第2回国際宇宙探査フォーラム(ISEF2)までに、我が国としての国際有人宇宙探査の検討に向けた原則とすべき基本的な考え方を取りまとめることとされている。このため、宇宙科学・探査小委員会を中心に、上記取りまとめに向けた検討に関して考慮すべき視点について審議を行った。
宇宙基本計画においては、国際有人宇宙探査について、「計画が今後国際的に検討されるものであることから、他国の動向も十分に勘案の上、その方策や参加の在り方について、外交、産業基盤維持、産業競争力強化、科学技術等に与える効果と要する費用に関し、厳しい財政制約を踏まえつつ、厳格に評価を行った上で、慎重かつ総合的に検討を行う。」とされている。
今後、政府においては、宇宙基本計画を踏まえるとともに以下の視点も併せて留意し、上記取りまとめに向けた検討を進めていくことを求める。

1.意義や成果等

〇国家プロジェクトとしての有人宇宙探査について、以下のような意義や成果等を精査すること
・産業・科学技術の基盤や国際競争力等の維持・強化
・強みのある技術の維持・発展等を通じた国際的プレゼンスの確保
・ISS技術の活用・継承による宇宙探査の効果的な推進
・有人宇宙探査ならではの意義

2.目標や資金の在り方

○学術としての宇宙科学探査において計画されているプロジェクトの着実な実施に留意しつつ、国家プロジェクトとしての有人宇宙探査について、政策的価値の最大化を目指した具体的な目標や資金の在り方を検討すること

3.学術としての宇宙科学探査との関係

○国家プロジェクトとしての有人宇宙探査と、学術としての宇宙科学探査は、その意義や意思決定過程が異なることを踏まえ、それぞれの取組を尊重しつつ進めるべきであること
○その際、学術としての宇宙科学探査で得られた知見は、国家プロジェクトとしての有人宇宙探査の実施計画の立案に当たっても有用であり、当該計画の立案に当たっては、そのような知見を反映できるようにすること

上記のほか、宇宙探査を支える人材の確保の在り方や、近時国際的に注目されつつある宇宙資源探査の在り方、宇宙探査に関する民間企業の動向を受けた対応、低軌道の宇宙環境利用の在り方について、別途検討する必要がある。


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