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安全・安心科学技術及び社会連携委員会 リスクコミュニケーションの推進方策に関する検討作業部会(第1回) 議事録

1.日時

平成25年4月26日(金曜日)14時00分~16時00分

2.場所

文部科学省 5F4会議室

3.議題

  1. 議事運営について(非公開)
  2. リスクコミュニケーションの推進方策について
  3. その他

4.出席者

委員

田中 幹人 主査、平川 秀幸 主査代理、三上 直之 委員、山口 健太郎 委員

文部科学省

斎藤 尚樹 科学技術・学術政策局基盤政策課長
木村 賢二 科学技術・学術政策局科学技術・学術戦略官
関 加奈子 科学技術・学術政策局科学技術・学術戦略官付専門職

オブザーバー

堀井 秀之 安全・安心科学技術及び社会連携委員会主査

5.議事録

<開会>
【田中主査】  開会
【関専門職】  委員の紹介、出席者の紹介。

<議題1.主査代理の指名について>(非公開)
 第1回の作業部会であり、人事案件である主査代理の指名は非公開で行った。平川委員が主査代理に指名された。また、運営規則、公開等の手続について、確認。

(会議公開)

<斎藤基盤政策課長挨拶>
 本作業部会はリスクコミュニケーションの推進方策に関する検討が主なミッションになっている。親委員会でもいろいろな論点や課題認識が示されたところであり、特に田中委員、三上委員、山口委員には親委員会と重なっての委員をお願いしているので、委員会の議論や問題認識もよく踏まえながら、これから具体的な推進方策について掘り下げた御議論をぜひ皆様の豊富な御知見、御経験に基づいて進めていただきたい。
 もちろん、人数は少数精鋭になっているので、委員の追加の可能性も含め、適宜論点や議題に応じて外部の有識者の方にもお入りいただいて、いろいろな御提言なり御意見をいただきながら、検討を進めていただけるように事務局としても仲立ちに努めるので、何なりと忌憚(きたん)のない御指摘、御意見をいただきたい。
 差し当たり夏の概算要求に向けてまとまった提言をいただければ、それを親委員会にも諮った上で、遅滞なく必要な26年度の概算要求や施策の提案ができるようにぜひ取りまとめを進められればと思っているので、これからよろしく御議論、御検討のほどお願いしたい。

<田中主査挨拶>
 リスクコミュニケーションそのものの専門家ではない私がこの場に座らせていただいていいのかと思う部分もあるけれども、逆に外部からリスクコミュニケーションという取組を遅れて観察している身として、それぞれの言葉の定義が非常にすれ違っていることを痛感している。
 一方で、様々な社会のアクターがリスクコミュニケーションの必要性を、特に東日本大震災以降叫んでいる中で、その考えのすり合わせを行うと同時に、それぞれの利害関係の中ではなく求められているリスクコミュニケーションというのは何か、これからの日本社会に何が必要なのかということについて、まとめにくいことであるし、作業部会の回数も限られているので駆け足になると思うが、できるだけ未来を見据えた絵柄を描くきっかけにしていきたいと思う。

<平川主査代理挨拶>
 リスクコミュニケーションについては、東日本大震災、それに伴う福島第一原子力発電所の事故の影響で、社会の中で非常に注目、関心を集めており、場合によっては疑いがすごく強まっていると思う。そうした中で国や科学技術、あるいは人文社会系まで含めた専門家のコミュニティ、これに対する国民からの信頼をいかに取り戻すか。そのためにどのような具体的な方策を国として、あるいは研究者、専門家コミュニティとして取り組んでいくのか。
 さらに、いわゆる国や専門家だけがリードするのではなく、社会とともにつくり進める。これは第4期科学技術基本計画の一つのテーマでもある。それをこのリスクコミュニケーションを軸に、あるいは土台として実際に展開できるような、その出発点になるようなものを形にできればと思っている。微力ながら貢献させていただきたい。

<議題2.リスクコミュニケーションの推進方策について>
【田中主査】  安全・安心科学技術及び社会連携委員会の議論や文部科学省内の検討などを踏まえた上での作業部会の主要論点についての説明を事務局に依頼する。
【斎藤課長】  資料2-1、参考資料2等に基づき、作業部会の主要論点について説明。
【田中主査】  次に三上委員にリスクコミュニケーションの推進方策に係る事例を御説明いただく。
【三上委員】  資料2-2、参考資料2等に基づき、作業部会の主要論点について説明。
最初の作業部会なので、議論の取っかかりとして、私自身がかかわった、科学技術コミュニケーションの教育について、また、研究の一環として特に科学技術への市民参加に関する実践的な研究について、事例を二つほど話題提供させていただきたい。
 先ほど資料2-1で事務局から三つ論点の大きな柱を出されたが、まず、私は大学で科学コミュニケーションの教育にかかわっているので、三つめの論点の人材育成に関し自分が大学で経験したことをお話ししたい。資料2-2では2番目になる。それから、主に一つめと二つめの論点の両方についていろいろ議論できたらと思うが、特に自分自身の実践的研究の中では、どちらかというと二つめの専門家と市民がどうやって対話をして価値共創を図っていけるのかに関心を持って取り組んできたので、そのことについて一つ材料を提供することができたらと思っている。
 資料2-2の一つ目が価値共創や情報共有の在り方、特に専門家といろいろな立場の国民の間での情報共有や価値共創がこの作業部会のテーマになると思うが、恐らくそのやり方を考えるときに、これまで相当日本の研究あるいは実践の中で蓄積があることをまず確認したい。それはむしろ平川委員が詳しいと思うけれども、日本でもいろいろなテーマ、例えば食の安全・安心の問題や、生命、医療倫理にかかわる問題や、情報技術やナノテクノロジーという先端技術の応用にかかわる問題や、本当に多岐にわたるテーマについて、価値共創のための対話の手法が試みられてきている。
 例えばコンセンサス会議や討論型世論調査が代表的なものだが、それ以外にも例えば平川委員のプロジェクトで取り組まれた統合型pTAや、ほかのプロジェクトで行われた対話フォーラムなど、単に外国のやり方を輸入するだけではなく、日本でオリジナルに開発された方法もたくさんある。これは、後でリスクとは何かというお話も少しだけしたいと思うが、いずれも広い意味でのリスクにかかわる主題を扱ってきた取組である。それで、時間も限られているし、注げるリソースには当然限界があると思うので、まずやはりこのような今までの科学技術への市民参加の手法や、システムに関する実践的研究の蓄積をどこまで生かせるかが、リスクコミュニケーションの推進方策を考える場合の1番目の鍵ではないかということが今日お話ししたいこと。
 それについては、作業部会の議論の中で徐々に出てくるとは思うけれども、どういう視点でそれを生かしていったらいいのかというお話を、特徴的な事例を一つだけお話をしたいと思う。机上資料としているので傍聴者の方にはインターネットで御覧いただけたらと思うが、昨年の夏に行われたエネルギー・環境の選択肢に関する討論型世論調査、ここでは政府DPと略して呼ぶ、この取組である。
 机上資料で、この討論型世論調査を実行した実行委員会の報告書の概要と、このDPがどのようなプロセスで行われたかについての第三者的な検証報告書を配布している。私自身はその検証の作業メンバーとして参画した。経緯は、報告書を御覧いただきたい。本日は詳しく説明する余裕がないが、まず確認をしておきたいのは、この分野は極めて閉鎖的な意思決定がなされてきたと思うが、3月11日の事態を経て、一般から無作為抽出した国民の話合いの結果が一定導入されたことは非常に大きな意味があることと思う。
 これは同時にリスクコミュニケーションの実践としての値打ちも非常に高いものだと思うが、課題が幾つかあった。それは検証報告書でも書かれているが、私は、この作業部会で議論すべきことと関連させると三つぐらいの課題があるのではないかと思っている。
 一つは、これは2011年3月11日以降の事態を受けて、日本の原発やエネルギー政策を根本から見直さなければいけないという緊急事態に対して、極めて機敏に対話・価値共創の場の創出が求められる機会であり、いろいろ達成できたことはあるが、問題点だけ言うと、そのテーマに関連する専門家や、我々のようなコミュニケーションを担当している人間が十分に組織化された形で対応できなかったこと。もちろん、既存のネットワークが一定程度生かされて討論型世論調査に結びついたという、既存の蓄積の延長線上にある面はあるけれども、組織化が不十分だったということがある。
それから二つめは、関連してやはりこのようなプロセスはいかに独立性がある運営主体を立ち上げられるかが肝になるが、必ずしも十分な体制がつくれなかったということ。これはやがてこのような価値共創のための対話の場をつくっていくときに、対話の場を組織する機関など常設的な組織が必要なのではないかという議論にもつながってくるだろう。
 それからもう一つは、このような市民も参加した対話の場が、一体政策決定の中にどのように位置づけられるのかが曖昧なままスタートしたこと。その三つぐらいが課題だと思うが、それをもう少しこの作業部会で議論していくことに即した教訓に置きかえると、一つは、様々な主要なリスクにかかわる専門家と、それから、この種の対話やコミュニケーションをオペレート・ハンドリングできる専門家のネットワークを平生からつくっておき、ある種のアイドリングが必要だろう。それから、そのようなネットワークの上に価値共創のための対話の場を組織できるような、何か組織なり機関なりがもしかしたら必要かもしれないと思う。
 そして、3番目にもう少し大きな話として、このような対話の営みを我が国の科学技術政策やリスクに対応する部分でどう生かしていくか、そのためのプロセスなり、制度のデザインの議論が必要だろうということ。これらが政府DPのプロセスから得られた教訓だろうと思う。そのような角度から、これまでのいろいろな蓄積をどう生かせるかを、この作業部会の中でぜひ議論をしたいというのが一つ目の話題提供である。
 それで、2番目の人材育成に移る。私は、今、大学に勤めて科学技術コミュニケーション分野の教育を担当しているので、その部分で幾つか経験したことを御紹介したい。事務局の論点整理で人材育成で一つ柱を立ててあり、専門家を育成すること、ネットワークを強化すること、メディア関係者ときちんとコミュニケーションができる専門家を育成すること、リスクコミュニケーションに特化した専門家がきちんと生きていけるキャリアパスをつくっていくこと、これら多様な課題があるけれども、いずれにしても、人材をきちんと確保して組織化していくことが恐らくリスクコミュニケーションの推進方策という今回与えられた課題を考えていく上で、一つの要になるだろうと思う。
 一つの参考になるかもしれない事例として北海道大学の取組を御紹介したい。私自身も2005年から3年間勤めていた、科学技術コミュニケーター養成プログラム、略してCoSTEPという科学技術コミュニケーションの学校が北海道大学にある。実はそれについては代表の杉山滋郎教授が以前文部科学省の別の委員会で報告された資料が参考資料3にあるので、詳しくはそちらをぜひ御覧いただきたいが、このCoSTEPの取組がどのようなインプリケーションをこの作業部会の議論に持っているかを、三つぐらいのポイントで指摘させていただきたい。
 まず一つは、杉山さんの報告資料を見ると非常によくわかるのが、このCoSTEPでの科学技術コミュニケーターの養成プログラムには二つ柱があり、一つは科学の話題を要領よくまとめて映像や印刷物で伝えるという、コンテンツ制作と杉山さんが呼んでいる分野と、それから、この作業部会の課題に非常に近い、リスクの問題も含めた科学技術がかかわる機微のある問題について対話をできる場をつくり出すという、二つの領域がある。それがいわば車の両輪のようになって初めて科学技術コミュニケーションの教育なり、実践の取組なりが成立すると杉山さんは言われている。これはやはりリスクコミュニケーションの実践でも全く同じことが言えるだろうと思う。
 つまり、いろいろな人が話し合って、新しい価値を見出してつくり出していく場をつくることも大事だけれども、そこの材料になって対話を喚起するコンテンツをつくる能力が同時に走っていくことで、リスクコミュニケーションの内実が高まってくるのだろうと言えると思う。これが一つ参考になること。
 それから、育成する人材像については、ここで人材育成というときの人材像は、杉山さんの報告の中では必ずしも明示的には語られていないけれども、CoSTEPは、科学技術コミュニケーターを養成するとは言っているが、このコミュニケーターというのは、いわゆる狭い意味での職業ということではなく、むしろ、企業であったり、行政機関であったり、学校であったり、マスメディアであったり、あるいは研究機関であったり、そのような社会のいろいろな場面で、いわば役割として科学技術に関するコミュニケーションをして、科学技術に関するいろいろな立場の人の橋渡しを担える人をいろいろなところに増やしていくのだということを掲げている。
 恐らくこれは、リスクコミュニケーションの専門人材の育成、確保という論点と同様なのではないか。もちろんリスクコミュニケーションに非常に特化した専門家も必要だが、もっと広い意味でリスクコミュニケーションのマインド、センス、スキルを身につけた人材がいろいろなところに配置されるようになっていくことが大事なのだろう。これが2番目のインプリケーションと思うこと。
 そして3番目が実践・教育・研究の相乗効果を杉山さんの報告では強調されている。CoSTEPの取組の場合は討論型世論調査にもコンセンサス会議などにも取り込んだ。我々スタッフと受講生が一緒になって、そのようなプロジェクトに取り組むことを通じて、参加している学生さんを実践家としてトレーニングしていく。また、そういった実践自体をある種の科学技術コミュニケーションやリスクコミュニケーションの研究の対象にもしていく。これは恐らく、先ほど論点として挙げた対話の場の創出を担う常設的又はセミ常設的な組織の在り方を考えるときに参考になると思う。
 つまり、非常に純化された機能だけだとリソースを集めることが難しいが、実践と教育と研究という機能を重ね合わせることで、リソースを結集しやすくする条件を生み出している。それと、このようなリスクコミュニケーションや対話の場の創出に大学が、実践・教育・研究の場として果たし得る役割ということも、例えば平川委員がJSTのRISTEXで取り組まれていたプロジェクトでも、大学の中にそのような社会と科学のインターフェース機能をつくる課題で研究されていたけれども、大学がこの社会の中で、そのようなコミュニケーションの場をつくり提供する主体となるという役割も改めて強調したい。
 付録にリスクとは何かという考えを整理してきたが、これはまた追々議論できると思うので、とりあえず私からの話題提供を終わらせていただく。
【田中主査】  事例とともに、人材育成の提案、特に職能としての提案について、大変示唆のある御意見をいただいた。
 まず私から質問させていただく。例えば現状のCoSTEPの科学技術コミュニケーションの職能を伝達されていく様子は、これまでの長い活動の中である程度社会的に少しずつ普及してきた感じがあると思うけれども、その中でリスクコミュニケーション的な要素を加味する余地はあるのか。また、一方でサイエンスカフェ等を見ていて、そのようなところでもリスクに関する議論はするべきだよねと言われつつも、意外にされている例が少ないと思う。したがって、ある意味では異母兄弟のような形で方法論的に適用できると思われる一方で、始まってもいいのに始まっていないというのは、民間、学生、やりたい人、取り組みたい人から取組が上がってこない様子が伺える。三上委員はどう思われるか。
【三上委員】  全く同感。その点は杉山さんの資料にもその話が出てきていて、杉山さんの説明資料である参考資料3を御覧いただきたい。「社会と科学技術イノベーションの関係深化に係る取組」の図は、恐らく基本計画推進委員会の事務局で準備されていたものを杉山さんが引用されたのだと思うが、この図なども参照して科学技術コミュニケーションとそのほかの田中主査が言われたいろいろな関係、活動のマッピングを参照した上で、次の「まとめ」は杉山さんが書いている。その一番下にリスクコミュニケーションなども「含む」というのは、どちらがどちらを含むのかわからないけれども、これはやはり科学技術コミュニケーションとリスクコミュニケーションには非常に関連性があると意識されているという表れ。
 ただし、現実はやはり、特に非常に抜き差しならないリスクの問題について、主にCoSTEPでやっているような意味での科学技術コミュニケーションの取組の中心になっているかというと、なかなかなっていない。扱うべき課題も広いし、取り組みにくいということもある。ただし、そこは逆に科学技術コミュニケーションに取り組んでいる実践家から見れば、まだあまり開拓されていない大事な仕事の場、チャンスでもある。そこをうまくつないでいくやり方を作業部会で議論しながら発見できないかと思っている。
【平川主査代理】  CoSTEPで受講生が毎年たくさんいらっしゃるけれども、その中でリスクコミュニケーションや、あるいはもう少し広く社会的な課題や問題に関わるコミュニケーション活動に関わってみたいという、そのような動機を持って入ってくる方は大体どれぐらいの割合いるのか。
【三上委員】  なかなか数字では言いにくいところがあり、また一人の中に複数の柱があることもあるので難しい。ただし、やはり決して主流ではないと思う。まず、大学に附置されているので大学院生が非常に多い。そうするとやはり自分が今まさに取り組んでいる研究について、どうきちんとした形で伝えるかが非常に大事な仕事になる。それなりのクオリティーのコンテンツをつくることが関心の中心ではあると思うが、やはりそういう活動をやっていくと必ず社会的要素を含む問題とぶつかってくる。そのようなことを1年間のプログラムをやる間に気づくこともあるので、一概にどれぐらいと言えないけれども、そのような可能性はある取組なのだと思う。
【平川主査代理】  東日本大震災以降、何か受講生のマインドの変化を感じるか。
【三上委員】  私は2005年から2008年の間、CoSTEPに直接勤めていたけれども、今は別の部署に勤めているので、ダイレクトに受講している人のことはわかりかねるが、受講している人が毎年80人ぐらいいて、インテンシブに大学に通ってくる人は30人ぐらいで、残りの50人ぐらいは通信コースを中心にしている。ビビッドにはわからないけれども、やはりそれぞれいろいろな活動をする中で選択するテーマでは、当然、東日本大震災や原発の事故を受けてテーマを立てたものは相当出てきていると思う。
【斎藤課長】  事務局からの発言は最低限にすべきだと思うが伺いたい。これからの作業部会の検討や施策のアイデアにつなげる意味で、特に専門家を育てたり、抱えたりするコストについて田中主査から御提起があった。CoSTEPに関しては文部科学省の予算で全国三つの拠点の一つとして、科学技術振興調整費を使って立ち上げて運用をしてきたが、その資金は既に終了していて、今は北海道大学の自主的な予算によって運用されていると理解している。その場合の自主的予算の財源は全学的に必要になると思うけれども、大体の予算規模、どのくらいのコストが必要か参考になるデータがあればぜひお伺いしたい。
【三上委員】  正確なことは私も把握はしていないけれども。
【斎藤課長】  たしか間接経費を活用しているはずだが。
【三上委員】  基本的にはそうである。原資は競争的資金の間接経費に当たる部分で、全学的に運用している部分を使っているということだと思う。規模は、正確な数字がわからない。
【斎藤課長】  ということは、間接経費は競争的資金の獲得に付随したものなので、競争資金を獲得できる研究規模なり、一定の研究のアクティビティー、あるいはパフォーマンスのある大学でないとなかなか取組が自主的には進まないということ。同時に全学的なプールをしないと、特定の学部の間接経費だけではおそらくこのような組織を維持、運営していくのは難しいと思うので、すべからく全学組織になるし、当然、全学的な理事会などできちんと御理解、御承認いただかないとやっていけないということになるかと思う。北海道大学ではきちんとその理解は得られているということか。
【三上委員】  そうである。全学の共同利用組織的な位置づけになっている。規模は数千万という単位の規模になるので、全学的な取組として置かないとなかなか難しい。それはおっしゃるとおりだと思う。
【斎藤課長】  ちなみに、この間、北海道大学でCoSTEPを担当されていた山口理事が新しく学長に就任されたと伺った。そういう意味では全学的に、執行部の理解もしっかり得られているということかと思う。
【山口委員】  最終的にコミュニケーターが育ったとして、その人たちがどこまで担うかを頭に置いたほうがいいと思う。いろいろなステークホルダー(関与者)や主体の人々がリスクを正しく理解するまでのところを担うのか、もう少し取組に向かうところを後押しするまでを担うのか。後者はもしかしたらコミュニケーター自身の仕事ではないかもしれないが、ある人が耐震化をしようとしたときに、リスクがあるのはわかったからじゃあ具体的にどうしようかといったときに、その背中を押してあげるような人、例えばそこに自治体の人がいれば、耐震化の取組が比較的スムーズに行くかもしれない。そのあたりのコミュニケーターの責務、どこまでが仕事かを念頭に置くと、最終的にそれぞれの大学にセンターのような組織をつくろうとするときに、少し考えやすくなると思う。
【平川主査代理】  恐らくその点で重要なのは、三上委員も携われていたような、例えば企業関係者や行政職員等の大学の外部でいろいろな実務に携われている人たちに対するトレーニングの機会を提供すること。その人たちは、リスクコミュニケーションだけに特化した仕事ではなく、例えば自治体なり企業なりのリスクマネジメントの実務に携わっていて、その一環としてコミュニケーション的な活動にもかかわっている。そのように職能の幅を広げていただく形でトレーニングを行うと、マネジメントの現場で実際にコミュニケーターが何をどこまで担うかに関して見えやすくなる。そのような実務にかかわっている方たちの場合、問題意識をもって御本人たちもかかわってくるであろうし。現在はそのような方たちに対するトレーニングの機会がなかなかないので、それを今後大学の教育機関としての役割としてやっていくといいと思う。CoSTEPは北海道庁の方もいらっしゃっていたと思う。
【三上委員】  はい。過去にそのようなことがあった。
【田中主査】  質問は尽きないし、既に主要論点の議論に入っている感もあるけれども、ここで、これまでの三上委員の説明を参考にしつつ、論点の議論にもう一度戻りたい。作業部会で扱う論点について、事務局に作成いただいた主要論点1から3の柱の順に御意見をいただきたい。
まず、1は専門家からの情報発信の在り方であるが、平川委員が資料2-3で御意見をまとめてきてくださったので、これをベースに御意見をいただき、その後に山口委員からも御意見をいただきたい。
【平川主査代理】  それでは、資料2-3と別添のポンチ絵を使いながら説明したい。まず、ポンチ絵の意図を簡単に説明すると、これは作業部会で論ずる主なリスクの問題、コミュニケーションの問題、社会連携の問題をどのようなスキームの中で考えられるかを示している。特にここでは、自然災害等に関連するものではなく、どちらかというとむしろ、科学技術に関連して起因するさまざまな問題や課題をターゲットにしているが、上はイノベーションのフェーズ別に見た分類、下は危機的な事象が起きたときのフェーズ別に見た分類になっている。
 ここでのポイントは、この後の全ての論点に共通するけれども、まず上の図は、これは単独でリスクコミュニケーションを切り出さずに、ほかのことときちんとつなげながら、例えばより広く平時の段階から行う科学技術コミュニケーション、これは単に科学技術のリスクのようなネガティブな側面だけではなく、科学技術の研究開発、イノベーションに対してどのような期待、挑戦すべき課題を提示できるか探っていくポジティブな面も含むものであり、とリスクコミュニケーションをつなげてとらえた図である。イノベーションのプロセスで、コミュニケーションも含めたものとして科学技術ガバナンスあるいはイノベーションガバナンスがあり、その一環としてリスクガバナンスがあり、さらにその一部のコミュニケーション活動としてリスクコミュニケーションもあるということ。
 さらに実際何か起きたとき、危機的な状況に陥ったときには、コミュニケーションはクライシスコミュニケーションというフェーズに変わる。危機の前後、つまり平時、有事、有事が起きた後の準有事から復興への過程という3つのフェーズごとに、リスクコミュニケーションとクライシスコミュニケーションそれぞれの役割、フェーズ間での接続がある。それぞれのフェーズでどのようなコミュニケーションが求められるのかを示しているのが下の図である。
このポンチ絵でコミュニケーションの位置づけを整理した中で、いろいろなことが指摘できると思うが、今、田中主査から提起いただいた主要論点1.専門家からの情報発信の在り方については、資料2-3の2.リスクコミュニケーション等における情報の公開・アクセスの向上の重要性のところに書いている。
 細かいところは飛ばして、幾つかの重要なポイントを言うと、当然ながら情報の公開やアクセス、検証可能性または透明性ということは非常に重要だろうということ、これは誰もが指摘することである。さらに実際に今後展開していくこととしては、情報チャンネルの多様化がすごく重要である。先ほど三上委員のお話の中でもあったように、例えば自治体や企業関係者などのいろいろな人たちにコミュニケーションの様々なトレーニングの機会を提供していくこと、これとカップルさせる形で、例えば地域の科学館・博物館で様々な形で情報発信したり、学校教育の場でも、教科教育とはまた違う形で、例えば総合的学習の時間などを通じて様々な情報提供・情報共有・理解の深化を行う機会を提供したりしていく。そのような意味で情報チャンネルを多様化する工夫は、今後、特に文部科学省の取組の中でたくさんできることがあると思う。
 加えて、これは特に原子力発電所の事故以降の放射能問題に関して動きを見ていて思ったことだが、情報の可視化ということも重要である。例えば文部科学省からいろいろな空間線量のデータが出され、厚生労働省、農林水産省などからも食品の測定のデータがたくさん出されている。これは情報公開という面では、生データが出てきていることは非常に重要なことだが、一方で素人から見ると数字の羅列ばかりでよくわからない。全体状況が全然見えない。どのぐらい汚染されているのか、あるいは逆にどれぐらいクリーンなのかが見えないということもあるので、素人でもわかるような情報の可視化ということが重要。今はもうインターネットで公開すれば、ITのツールを使って自動的に可視化していくようなシステムを組もうと思えば組めるので、そのために、例えばデータを全て統一のフォーマットで公開するなど、テクニカルな工夫をすることで、情報の届きやすさを改善できうるということ、これは大きく強調しておきたい。
 その一方で、今、ITの役割を申し上げたけれども、実際に一般の市民の方と議論すると必ず出てくるのが、何だかんだITがすごく重要であるのはそのとおりだが、同時に紙媒体の役割が今でもすごく大きいということ。特に各地域で高齢者の方や、日々子供の世話をしているお母さんたちにとっては、まだスマートフォンを持っている人は結構少ないし、子供を抱っこしながらパソコンや携帯を操作するのは非常に大変である。けれども、紙媒体でその場に広げて読めるようなものであればすごくわかりやすいし、例えば近所の人に何か説明するときにも、紙媒体を持っていくと説明しやすくなる。それによって情報が横に水平展開できるということもあるので、紙媒体をどのように活用していくのか、展開していくのかということは、すごく情報共有では重要だと思う。
 さらには、実際に放射能問題などではよく見られるケースであるが、自治体や学校や国がいろいろなパンフレットを用意するだけではなくて、実際に住民グループ、市民グループが自分たちでそのような紙媒体をつくっていく活動がある。もちろん、そこに盛り込まれている情報には正確さという点で幅はあるが、市民の人たちがそのような紙媒体をつくったり、Webの情報発信をしたりするなど、自発的に情報発信活動や情報編集活動を行っていくことをどううまく促進し、さらにその活動をほかの主体、国や自治体や大学の取組とつなげていくかも大きな課題であると思った。
 ほかに、このような問題でよく指摘される情報の暫定性、多元性については、資料に書いてあるとおりなので省略させていただく。
【田中主査】  今の説明に対する御意見もあるかと思うが、先に山口委員から、参考資料4でリスク特性とリスクガバナンスの構造について論文をいただいているので、解説、御意見をいただきたい。
【山口委員】  参考資料の4は、こちらから何が提供できるかを事前の打合せでもいろいろ悩みつつ、主要論点の中で言えば、この論文があるかなと思いお示しをさせていただいた。私がトップオーサーでもないが、挙げさせていただいている。この論文の中でやろうとしたことは、特にリスクコミュニケーションに特化した議論ではないけれども、事務局から挙げていただいた論点の中で、リスク要因のマッピングや特性分類とマネジメント手法があって、要はリスクの種類や特性によってマネジメントもしかり、コミュニケーションのやり方もある程度分類できるのではないかと考え、もしくはこの作業部会なり、委員会の中で注目すべきリスクにどういったものがあるのかと考えるときの一つの参考になるのではないかというところで、この論文を挙げさせていただいた。
 これを全て御説明するわけにもいかないので、簡単に説明すると、論文の34ページの2段組の左側の表に、例えば地震リスクなり、交通なり、コンピュータ犯罪なりのリスク特性を、どのようなものかを記述する、分析する際の指標の体系を記述している。それぞれはよくある話のものをいろいろ取ってきて整理したもので、特に真新しいものではないけれども、例えば社会でどのぐらい発生する頻度があるのか、結果の大きさはどのぐらいか、命にかかわるのか、財産の被害にとどまるのか、そのような特性をリスクごとに横並びで見たときに、ある程度リスクの特性が分類できるのでないか。リスクの特性が分類できれば、その対処、マネジメントやコミュニケーションの仕方もある程度類型化できるのではないかということで、34ページ目以降の論考が続いているというもの。
 これは検討が志半ばでとまっている部分はあるけれども、今御説明した34ページの左側の四角にあるようなところに着目してすべからく全てのリスクを分析している時間はなかなかないと思うけれども、ある程度この作業部会なり何なりで、ここをやりましょう、このリスクを取り上げましょうといったときに、その特徴を頭出しするときに参考になる項目になりうるということで挙げさせていただいている。
【田中主査】  それでは、平川委員と山口委員からいただいた情報について、御意見あるか。
【平川主査代理】  もう少し追加させていただきたい。もう一つ、情報共有ということ、これは次の主要論点2に関連することでもあるけれども、資料2-3では3.のところ、科学技術リテラシーを拡張するという論点についてもう少し指摘しておきたい。
 今、山口委員から御説明があったリスクの類型化において実際にリスクの問題を扱っていくときに、入り口の部分で問題を整理していくときに重要だということに関連した問題でもある。ここで私から特に強調したいのは、科学技術の問題、あるいはリスクの問題というのは倫理的な問題、価値観、あるいは場合によっては社会正義に大きくかかわる問題でもあるということだ。例えば人々がリスクをどう捉えるのか、リスク認知、リスクパーセプションについて言うと、山口委員の御説明にも出たけれども、リスク特性の中で人間の関与がどれぐらいかということ、リスクとベネフィットの分配が社会の中で公平なのか、不公平で偏りがあるのかという問題、さらに、そのリスクを伴う行為をするしかないかを自らの意思によって選択することができるのか、それとも受動的になってしまうのか。これらは、行為者の責任や、配分の公平性、自己決定権の問題にもかかわっている。
 そのような意味でリスクの問題には、権利の問題や、いわゆる社会正義の問題などの、規範的な問題がかかわっており、いわゆる科学的、自然科学的、工学的な観点とは違う見方をしなければいけない。ところが、しばしばリスクコミュニケーションの中でそのような問題は正当に扱われていない。主観的な問題、心理的な問題としてわきによけられてしまって、その結果、リスクコミュニケーションの中で、国民側、市民の側に不満や不信感が広がってしまう。自己決定や公平性といった規範的問題がないがしろにされていると感じてしまうからだ。そのようなことが結構あるので、リスクに関する情報提供では、そのような規範的な問題を非常に大事な問題として考えていく必要があるだろう。
 この観点から社会心理学やリスクコミュニケーションに関する研究者の中には、リスクをハザードとアウトレージという二つの成分で考える人もいる。アウトレージは感情という訳し方もできるけれども、よりダイレクトに訳せば怒りの感情ということになる。つまり、その部分をないがしろにしてしまうと、人々の怒りを買ってしまう。それによりリスクコミュニケーションで一番重要な信頼関係が崩れてしまう。そうした観点に関しても、情報提供や情報共有という営みの中では非常に重視しなければいけない。それは強調しておきたい。
【田中主査】  山口委員から提示いただいたリスク特性というものは、言うならばリスクを操作可能な定義の中に落とし込んでいるけれども、一方で、平川委員から御提案いただいたように、概念的な定義としてのリスクとバランスをとっていくこと、そもそも操作的と概念的なリスクの定義を両方並立させていくことがコミュニケーションであり、そこを落としてしまうと本筋を見失ってしまうだろうということで、確認でよろしいか。どのようにその先を議論するかはまた難しいところではあるけれども、対立するものではなくて両輪で尊重すべきものといった時点で、マッピングとしては複数のマップを無理やりに統合する必要はないと思うことから、かなりはっきり見えているのではないかと思うし、地に足のついた形にはなっているのではないかと思う。欠けている点の指摘等があればお願いしたい。
【三上委員】  そこにうまくかかわるかわからないけれども、私自身のリスクに対する理解や考え方は、資料2-2の付録にまとめてあるけれども、厳密な定義にはならないものの少なくともまず確認したいことは、安全・安心を脅かす要因自体がここで問題になっているリスクなのではないということ。これが基本的に私のスタンス。リスクが問題になるのは、危害や災難を受けるおそれのある主体が、それをどのように理解してどう対処するかという、理解や対処の様式がリスクの正体なのだと思う。
 もっと言えば、そのようにリスクとして危害に対処するという様式が世の中に全て行き渡っているのが今の現代社会の特徴である。これは私が勝手に言っているというよりは、例えばリスク社会論や最適近代化論などの、ここ二、三十年の社会理論の展開が示していることを大ざっぱに言うとそのようなことになると思う。だから、当然、様式なので、複数のタイプの様式があって、危害を運命として受け入れる、運命として捉えるという捉え方もあるだろうし、もっとコントローラブルなものとして捉えて、必ず危害をゼロに抑え込まなければいけないという捉え方もあるだろう。そのような中でリスクコミュニケーションをする前提として、リスクの本質が二つぐらいあると思う。一つは意思決定。ある価値実現のために一定の行動をとるか、とらないかという意思決定で、集合的な意思決定の場合もあるし、個人の意思決定の場合もあるけれども、ともかく意思決定がリスクと結びついている。
 それからもう一つは、非常に雑ぱくに言うと、その災難の発生や裏返しの価値実現が、ある種の確率的事象だということ。ここで確率というのは非常に雑ぱくな言い方をしている。単に確率ということで言えないような、例えば平川委員の言い方をお借りすると途方もないような事象として、数学的な意味での確率では表現できないこと、要するにその主体の制御が及ばない不確実性みたいなもののこと。その二つが恐らくリスクという了解や対処の様式の本質なのだろうと私は思っている。だから、恐らくリスクコミュニケーションをする上で、まずリスクの土俵に乗って議論するのかという前提があるはずで、それがないところでリスクコミュニケーションすることで、いろいろなそごが生じているのではないかと私は思っている。
 そのような考えに基づいてメタリスクコミュニケーションと言ってみているけれども、そうは言っても、別にメタリスクコミュニケーションができなければリスクコミュニケーションができないとは全く思っていなくて、それは当然、リスクコミュニケーション的な営みをする中で、ある事態をリスクとして了解するか、リスクとして了解できない部分があると考えるかということも進んでいくので、そこは両方並行だと思うけれども、そのようなことを考えているという問題提起である。
【田中主査】  議事進行上は、2番目の専門家と国民・市民との情報共有・価値共創の在り方に入ることになっているが、実質的にもう既に話題がそちらになっているので、このまま議論を続けたい。
 安全・安心科学技術及び社会連携委員会で私がお話したことは参考資料1にあって、私が申し上げたことを平川委員がよりきれいにまとめられているので繰り返す必要はないけれども、三上委員の話の中からも繰り返されるのは、フェーズや分類の仕方を認めた上で、クライシスコミュニケーションやリスクコミュニケーションの分類を認めた上であっても、なお専門家からの情報発信の在り方というものは、専門家はまさに背景事象の確率の部分に注目して、恐らくは操作的な感覚でリスクを認識した上でコミュニケーションを行おうとする。
 それに対して非専門家、あるいは専門家といってもその当該問題以外の非専門家であれば、必ずしも確率事象として受け入れるわけではないというのは当然のことである。また、もっと言えば恐らくその分野の専門家であっても自分の家族のことであれば同じように振る舞うとは限らない。そのような問題をどのように価値共創につなげていくかという問題になると思うけれども、では、この作業部会ではどうすればよいと考えるか。
【三上委員】  具体的ではないけれども、資料3-2の最後に平時が重要だという理由は何だろうということを、田中主査が三つの位相を整理してくださっているところから考えたことだが、今やっているようなメタな議論は、本当に火事が起こっているときにはやれないので、やはり平時にきちんとやっておくことが私は必要だと思う。そのようなリスクという様式がこれだけ社会に全て行き渡ったのは、人類史上初めて経験すること。
 それで、危害に対処するための何か社会としての地力のようなものは培っておかないとうまくいかないところがあるので、そのような対話を普段からできることがリスクコミュニケーションの推進にとって必要かなと思う。それも抜き差しならない問題についての対話を。資料には畳水練(たたみすいれん)と書いたけれども、練習していてもしようがないわけで、そうやってリスクという様式を飼いならすことをどこかでやっていかないといけないかなと、まず入り口として思っていることである。
【斎藤課長】  皆さんお考えの間に事務局としての問題認識を申し上げたい。国民・市民との単なる情報共有ではなく、相互対話に基づく新しい価値の共創を考える際に、操作的な定義に基づいて対象となる国民や市民の層をクラスタリングやカテゴライズした上で、それぞれにふさわしいコミュニケーションの在り方や望ましい方法論を御議論いただけると、非常に行政的にはオペレートが楽になる。
 幾つか試案はあるけれども、まずは市民の側の状態として、安全と安心という2軸で切った場合に、一番望ましい状態が安全でありかつ市民が安心している状態、一方で震災直後のように安全が損なわれ、安心も失われて不安な状態がまずある。問題は二つあって、一つは、安全であるにもかかわらず市民が不安に思っている状態。これは非常に抽象化すると不安であり、安全でない状態からの遷移として、そのような時期がある。もう一つは平時になるが、実は安全でないにもかかわらず、人々が不安を抱かずに安心し切っている状態。この二つがいわば不安定な状態・フェーズであり、何らかのコミュニケーションなり、対応が必要と考えられる。こういう捉え方になるが、極めて工学的なアプローチであると思う。そもそも安全と危険、安心と不安の線を引かなければいけない。これが一つの軸になり得るかと思う。
 もう一つは、市民の側を幾つか階層化する際に、東京工業大学にいらした川本さんがいろいろなところで提示されている、日本のリテラシーのモデルとして市民を四つぐらいのクラスターに分けるという議論。第1の層はソーシャルファクターも高いし、サイエンスファクターも高い層。つまり、科学的リテラシーも高ければ社会的な関心や意識レベルも高くて、いわば科学技術でも社会的な文脈についても正しい理解と正しい認識を持っている方が多い。それからもう一つは社会的な関心もなく科学的なリテラシーも必ずしも高くない層。これは無関心層と言っていいと思うが、このグループも一定割合ある。そして、中間的なグループが二つあって、一つは科学技術フィリーズ、これは「科学オタク」と言ったらよいかもしれないが、科学的なリテラシーは高いけれども、社会的な認知や関心が少し弱いグループ、いわば科学に過度に軸足を置いているグループ。それからもう一つは、社会的なリテラシーはありながら科学についてのリテラシーが若干不足している。この二つの層がもしかするとリスクコミュニケーションを考える上で大事かもしれない。無関心層の掘り起こしには大変な努力とコストが要るが、第3層である社会への関心はありつつ、科学的なリテラシーが少し不足している層、ここだけに注目すると、かつての欠如モデルになってしまうが、第2層の方も含めて、四つのぐらいのカテゴリーに分けているもの。
 実は川本さんの論文にはそれぞれの男女構成比などのデータもあり、今日は資料をお配りしていないが(※作業部会第3回参考資料2、作業部会第4回資料1参照)、そのような資料を見ながらカテゴリー別のストラテジーも少し御議論いただくと、実践的に非常に使えるものになるかなと思う。もちろん、過度に単純化することは危険だと思うが、少し頭に置いていただけるとありがたい。
【田中主査】 今の斎藤課長のお話で、ある意味整理されたかと思う。普通の委員のひとりとして発言すると、無関心層に関しては、恐らくある種の答えは出ていて、教育以外のアプローチはなかなか難しい。教育以外は、当事者性を獲得しなければ、強制的に首根っこを捕まえてやるしかないというのが今までの研究の蓄積の一つなので、無関心層への訴求については主軸を教育に置かざるを得ないだろう。
そうであれば、それ以外の部分はどうあり得るのか。今、お話を伺っている中でも、例えば先ほどの安全・安心の軸と、川本さんの研究成果をオーバーラップしたときにまた違うものが見えてくる部分があると思う。恐らく科学が好きで社会的な部分の素養が低い層は、不安な市民に対してパターナリスティックに働いたのが例えば震災後の問題。「何をそんなに怖がっているのだ」とリスクの定量的評価を低く見積もる傾向にある。実際にはそうではなく、社会的文脈が科学的文脈より気になっているわけだが。そのあたりの組合せが事態をそうシンプルに整理できない状況にしていたところがあると思うので、恐らくは先ほどの、私の委員会での資料をベースに平川委員が整理された資料の全体像の中で、個別にターゲット層を考えていくという設計の仕方が、恐らく全体のマッピングとしてはすっきりしていると思う。もちろん、個々では割り切れないにしても、対処する中でこれぐらいの範囲までカバーしなければいけないということが個別のプロジェクトの中では出てくるのではないか。これが個人としての感想。
【平川主査代理】  私から2点お話ししたい。
一つは不安について。安心・安全の2軸の組合せでの整理は第1次近似として状況を整理する上ですごく使えると思うけれども、同時に、不安に焦点に当ててみると、そこには実はいろいろな要素が入っている。例えば単純に状況がよく理解できない、何か大変なことが起こるのではないかということから生じるいわゆる不安もあれば、不安のように見えて実は、例えば行政や専門家や関係者に対する不信感だったり、不満だったりすることも多い。この傾向は、実際、3.11以降強かったと思う。
 例えば地域でのリスク対策や、震災からの復興という問題において、地域の住民が意思決定になかなかかかわれないことに対する不満がつのり、行政等に対する不信感も広がる。それを不安と名付けてしまうことがしばしばあるけれども、実際にはそこにあるのは単なる不安ではなくて不信だったり、不満だったりする。それをきちんと腑分けしていかないと対処を見誤ってしまうと考える。
 実際、先ほど田中主査が指摘されていた、サイエンティフィックリテラシーは高いが、ソーシャルな部分はそれほどでもないという人たちが、例えば放射能に関して不安に思っている人たちに対して、きちんと科学的なことを理解すれば大丈夫ではないか、何で不安に思っているのだと言って、なかなかうまくコミュニケーションがとれなかった背景には、実際には人々は知識がないがゆえに不安になっている話ではなく、不信感や不満を募らせていたということがあったのではないか。そのような人々に対しては、知識を提供するのとは全く異なる対応が必要なのに、それがなされなかったために、コミュニケーションがこじれてしまったのではないか。このことは、不安の問題を考えるうえで、第2次近似ぐらいの話として必要だと思う。
 もう一つは水平展開について。例えば先ほどのようにパブリックの側をクラスタリングしてアプローチしていくことも一つ大きなアプローチだと思うけれども、同時に国民同士、市民同士の水平展開も大事なのかなと思う。皆ばらばらの個人ではなくて、お互いに様々な影響を及ぼし合う関係が直接、間接的にあるので、その関係の部分にどう働きかけていくのか。今日、私が用意した資料2-3の4.の個人だけではなく社会的な次元を重視するというところで、例えば従来、科学リテラシーというと、従来は一人一人が持っているある種の能力をいかに高めるかという話でアプローチしてきたが、それと同時に横のつながり、ここでは分業と協働と書いていることも重要だ。例えば先ほどの川本さんの分析の社会的な面と科学的な面といったときに、人によって社会的なところに関して関心や知識がある人もいれば、科学的な面に関してそうである人もいる。さらに社会的、科学的といっても、それぞれ更に細かく見ていくと、例えば経済に強い人、法律に強い人、化学に強い人、物理に強い人、生物に強い人、いろいろな人がおり、他方でその強いところを除くと誰もが世の中の大多数のことについて素人である。その点では基本的にこの社会は素人の集まりである。それと同時に、各々が持っている得意技の部分をお互いに頼り、使いながら社会は成り立っている。つまり分業と協働が今の社会を成り立たせているということ、これを考えて、そのような分業と協働の関係をいかに良い関係として社会の中につくっていけるのか、そのような水平展開、横のつながりをつくることとして、リテラシーの促進を考えることも重要だ。
 例えば社会関係資本という言葉もあるが、そのような面からリテラシーを考えてみて、いかにうまくサポートして、強化していくか。横のつながりが強まるように、専門家、国民、政府などさまざまな主体がサポートし合いアプローチし合う水平的な関係性やそのための環境をつくるという視点も結構重要かと思う。
【三上委員】  一言だけ。今の2点目の平川委員のコメントに私も非常に共感する。それで、一つ思ったことは、リスクコミュニケーションの問題でうまくいかなかった事例を振り返ると、関係の非対称性がある。専門家と市民との非対称性、そこに起因しているものが大きいと思う。今、平川委員が言われたそのソーシャルな次元は、つまり、ある部分では専門家だし、でも、素人なのだという、その対称性のコミュニケーションを元気づけていくということだと思う。だから、やはりいろいろな非対称性で恐らく社会はでき上がっているけれども、その中に対称性のあるコミュニケーションができる生息域のようなものをどのようにつくっていけるかということだと思ったので、今、非常に重要な指摘だなと思って伺った。
【田中主査】  今ここで1回まとめさせていただくが、逆にこの場でこうした概念的な話がツーカーでできていること自体が一つ問題であると思う。つまり、私は実践の仕事として専門家と非専門家であるジャーナリストとの間を取り持つことをやっているけれども、一番困難なのは非専門家側にサイエンティフィックなリテラシーを獲得することではなく、逆の専門家側が、自分が非対称性を持った強い側にいるのだと自覚してもらうことのほうがはるかに難しい。
 それが結果的にその関係の非対称性を崩す上で重要。実際の知識量でボトム側を上げるのは簡単だけれども、トップ側を押し下げて同じ目線に行ってもらうことのほうがはるかに難しくて、恐らくそれが現実のシステム上の――これは今日の作業部会で全ての答えを出すのではなく、今回は洗い出しの部分があるけれども――あるいは実践上最大の困難であり続けるのだろうというのが実感としてある。
それら、今の議論を踏まえつつ、また今日の論点としては全体を一応押さえることになるので、3のリスクコミュニケーションに関わる人材育成を考えていこうと思う。これに関して、もう一度古い形になるけれども、北海道大学のCoSTEP、そして大阪大学のコミュニケーションデザイン・センターの取組があるので、三上委員と平川委員の御意見をいただけたらと思う。
【三上委員】  先ほどほとんど私が言えることは言い尽くしてしまったけれども、例えば私がむしろ、平川委員に少し教えていただきたいことがある。CoSTEPの場合は大学のエクステンションのプログラムなので、先ほど平川委員にも言っていただいたように、例えば企業で働いている人や自治体の職員などに受講生として参加してもらい、ある種のリカレントな教育をして、そのような要素を持ってまた社会に出ていただくということができる。もちろん大学院生の受講生もいるけれども、そのようなタイプのプログラムなので、恐らく大阪大学でやられている人材育成はまた少しタイプが違うと思う。
 大阪大学は、大学院生に対して科学技術コミュニケーションや、科学技術と社会の素養を共通的に身につけさせる取組だと思うので、例えばそのような世界でこの種のリスクコミュニケーションの人材育成や教育がどのように展開し得ると見ていらっしゃるかを、CoSTEPとの対比で少し伺えたらなと思って、本日資料を準備してきた。
【平川主査代理】  まずお答えすると、私が所属している大阪大学コミュニケーションデザイン・センターは、理系、文系問わず全学の大学院生向けに、コミュニケーションデザイン教育と私どもが呼んでいるものをさまざま提供しており、その中に科学技術に関連するものも含まれている。今の御質問のポイントで言うと、基本的に大学院生がほとんどである。社会人講座、公開講座という形で社会人の方も何名か参加することができるけれども、なかなか社会人向けにはきちんと合わせた形での系統的なプログラム展開ができていない。
 他方、大学院生向けのプログラムということで私どもが考えているのは、今、大学院生である学生たちは、将来、大学の研究者になる人もいれば、企業や行政など、いろいろな方面に巣立っていく人たちである。そうした様々な職業に就いていくときに、リスクコミュニケーションや、あるいはもう少し広く科学技術コミュニケーション、科学技術と社会の問題についての考え方を学んだ上で進んでほしい。そうすることで、それぞれの職場で、従来求められ使われてきた職能の幅を広げてもらうことを期待してやっているところがある。
 CSCD、コミュニケーションデザイン・センターでこれまでやってきたことに加えて、ちょうどこの春からスタートしたもので、文部科学省の事業で始まった政策のための科学の人材育成拠点のプログラムでも同じことを考えている。これは副専攻という形でやるので、今申し上げたことの理念そのままになっていて、主専攻がまずあって、それぞれ自然科学系あるいは人文社会科学系で専門の分野を持ち、それに基づいて将来、研究者なり、いろいろな実務に携わる社会人になっていく。その学生たちがそれぞれいろいろな関心を持っていて、その上で幅を広げてもらうために、政策のための科学、その中でコミュニケーションへのかかわりやスキルを身につけてもらうことになっている。
 実際、一昨日、その学生たちの面接をやったが、学生たち自身、そのような関心をかなり持っていて、自分たちの実務の中でそのような幅を広げたいという学生がかなりいる。そのような意味では、先ほど三上委員がおっしゃった役割としての、あるいは職能としてのコミュニケーターという意識をかなり強く持っていると感じている。だから、逆に言うと、そのような形で教育カリキュラムを提供する可能性やニーズは、潜在的に大阪大学に限らず、いろいろな大学であるのだろうなと思う。
 それにつなげてもう一つ、私のほうから言いたかった論点としては、従来のコミュニケーターの役割を拡張していく、あるいは実務家の職能を広げていく役割の中では、大学は一つ、そのようなトレーニングの場にもなるけれども、大学との協力のもと、それ以外の場も用意していくことが重要だと思う。例えば霞が関の行政官がそのようなトレーニングを受けやすい場としては、今、私も三上委員もフェローでかかわっているJSTの科学コミュニケーションセンターを何かトレーニングプログラムの提供場所にすることも一つ考えられると思う。
 また、そのような実務家向けではないけれども、従来の科学コミュニケーターの役割を広げていくという点も考えられる。例えば日本科学未来館のコミュニケーターの人たちにも、例えば文部科学省で新しく始まるセンター・オブ・イノベーションの事業で求められるような、イノベーション対話のファシリテーションに関する経験を積んでもらう。そのようなことにかかわって幅を広げてもらうことは既に始めているので、それを、科学コミュニケーションを軸にすることもできるし、さらには、今後はセンター・オブ・イノベーションの場合にはいろいろな大学でも対話が始まるので、それぞれの大学でも同じようなことをやり、かつそれを横につなげてネットワークとして相互に活用する体制ができていくと良いと思っている。
【三上委員】  今のお話は、恐らく主要論点整理で言うと、この3番の1番目の丸の話をしている。ただ、今の平川委員のお話を伺うだけでも、大阪大学の中でも大学院生に対して、ある種薄く広くの共通教育的なものと、今年から始まった政策のための科学のように副専攻的に特化した、もう少しインテンシブなものがあって、恐らく北海道大学でやっているのはまた別のタイプだと思う。だから、議論していく中で、ある種タイプ分けが必要かもしれない。
 それからもう一つ、科学コミュニケーションセンターのようなところでプログラムを走らせられないかというお話もあった。もちろん実施している組織もあるし、どれぐらいの専門性なのかということもあるし、対象者は誰なのかということの全体的なマッピングや整理が議論として必要と思った。ただ、仮にそのようなことができたとして、例えば政策のための科学のように副専攻ぐらいの本格的なものをやろうと思ったら、大阪に行かないとないという状態では、やはりしんどい。
 それは北海道大学でやれという話になるかもしれないけれども、今挙げただけでも3種類、4種類のパターンがあるので、全部が一つのところになくてもいいと思うけれども、手の届く範囲で何種類かのパターンを選んで、そのような能力開発をしたい人が参加できるとなって初めて専門家の組織的育成と言えるのだろう。ただ、主要論点にはネットワーク強化とも書いてあるので、そのような教育機関同士がネットワークをつくってうまく融通し合うことも、もちろん同時に言っていかなければいけないのだと思う。少なくともそれぐらいの課題が今少し見えているかなと思う。
【平川主査代理】  先ほどセンター・オブ・イノベーションの話をしたけれども、センター・オブ・コミュニティという事業も今年度新しい事業として文部科学省でスタートするが、そこに入れ込んでいくことも考えられる。センター・オブ・コミュニティでも、大学の中のいろいろな自然科学、工学、人文社会科学までの専門知をうまく社会のコミュニティのニーズに対応させていくことが大事である。大学の中の知を社会につなぐことは広い意味でのコミュニケーターの役割であり、そのためにもまず、大学の中にどのような知があって、それをどう集めていくか、また、社会にどのようなニーズがあるか、そのような意味でのある種のキュレーター的な役割としてコミュニケーターを、センター・オブ・イノベーションとセンター・オブ・コミュニティ、その両方のプログラムの中にも入れ込む。そうすると、もっと多くの大学でできる。そのような形でイノベーションやコミュニティに結びつけていくことでも、コミュニケーターの職場ができると思う。単にコミュニケーターというだけだと、その人たちは何の役に立つのかわかりにくいし、リスクの問題が発生しないと仕事がないことになってしまうと、なかなかその人たちを大学で雇用して仕事をしてもらうという形ができない。既存の、あるいはこれから始まるほかの事業の中にうまく入れ込んで、その中で日ごろのコミュニケーターの活動の幅を広げてもらうというのが一つ大事なアプローチだと思う。もう少し横のつながりが出てくることも期待できる。
【三上委員】  大学COC事業の場合は拠点数も多い。ただ、そのように大学COC事業を提案しようとされている方たちが、例えばこのようなコミュニケーター人材がいることをどれぐらい御存じか。このようなリスクコミュニケーションについて、それなりに、大阪大学やCoSTEPで学んだ人が例えばCOCに一人スタッフとして入るだけで活動の幅が大きく違ってくる。例えばいろいろな科学技術やリスクにかかわるテーマをCOCで扱うこともできるし、当然、そのようなところで学んだ人の力が生かされる。だから、情報交流をもっと図っていく必要が恐らくある。
【斎藤課長】  事務局から、今の御議論は施策化する上で大変大事であるが、各大学に拠点をつくるというプログラムはほかにもいろいろある。一つ大きな論点になるのは、三つ四つ拠点が必要だろうという予想はつくが、それらの拠点でほぼ同じような共通したメニュー、カリキュラム、コンテンツで教育や人材育成を行うのか、あるいはそれぞれ特徴を出して、例えばある拠点は特にクライシスに踏み込んだリスクにハイライトを置いたり、ある拠点は平時の楽しい科学を中心にやったり、そのように拠点間で明確に役割分担を持たせたほうがいいのかということ。恐らくリスクコミュニケーションも全国的な共通のファクターと同時に地域性があって、例えば北海道ではやはりBSEやGMO(遺伝子組み換え作物)の問題が非常に関心もニーズも高い。受講者や卒業生を見ると地元の方が多いので、そのようなカリキュラムが大事になるだろう。
 他方、同じようなメニューをやれば良いという話になると、恐らく財政の論理からすると、e-learningやWebネットワークがあるのだから、一つ拠点をつくり、皆がe-learningで多少の受講料を払って受講すれば良いという議論もあり得る。だから、ある程度の地域性が見えると良いという思いはある。
もう一つより重要な点として「深み」の問題があり、大阪大学で副専攻という話もあったが、「政策のための科学」プログラムの設計の際にも大変議論になったことが、要するに身につけるべきスキルや、それを証明する学位にどのレベルを求めるのか。
 一番簡単なのはサーティフィケート(履修証明)であり、これは恐らく半年、長くても1年以内で、社会人が片手間でもできそうなものだが、一方でマスターやドクターを取得できるもので、実践性や職能を備えるものとなると、3年フルで受講するのはなかなか厳しいので、ある程度は週末、時間外を使ったスクーリングでできると思う。こうなると、今度は教える側の負担が大変大きくなるので、その深みについてどのような設計をするか。これは恐らく大阪大学の例が参考になると思う。
 ほかに、三上委員御指摘の、人材をプールしたり、情報共有したりすることは大変重要な要素で、我々も、CoSTEPには多くの卒業生、修了生がおられるけれども、どこでどのように活躍をされて、どのような専門性を今お持ちかはあまりわからない。科学コミュニケーションセンターで様々な経験を積んだ方、あるいはCoSTEPを出られた方が、現在どこでどのような専門性を持って活躍しているという一種のデータベースがあると良い。特に研究支援人材との類比でいくと、JSTが研究支援人材のデータベースを構築して、特にコミュニケーターは、同じ組織で20年、30年やっていくのはなかなかキャリア的に難しい場合には、ある期間活躍をして、そのキャリアをもとにまた4、5年したら別の組織で活躍することが想定される。そのような人材のキャリアアップの意味でも流動性は大変重要だが、そのためにも、どこにどのような専門家がいるという情報は大変重要であるので、研究支援人材の場合には、それをきちんとデータベースにして、しかも、Webラーニングでスキルを高める仕組みもつくるため、補正予算を1億円ほど投じて、今、JSTでシステム開発をしている。そのような仕組み、リスクコミュニケーション版の人材データベースと、それの活用があり得るのかどうか、そのあたり御意見があれば伺ってみたい。
【田中主査】  一つ問題なのは、サーティフィケート。コース修了のサーティフィケートは良いと思う。科学コミュニケーションという分野に例えば免許や資格のようなものが生じるのかという議論が生じたことがあるけれども、リスクの場合には、僕は個人的にはなじまないと思う。プログラム修了は良いと思うが、免許証のような形でのリスクコミュニケーターのようなサーティフィケートをやってしまうことは、危険。というのは、対立する立場があり得るからで、ジャーナリズムが弁護士や医師と違って免許制を取らないのもそれが理由。つまり、もしある権威が認定してジャーナリストと認めているのであれば、反政府の人たちがその権威にそぐわないのなら、その人たちはジャーナリストでないと言って免許を剥奪できる。それではジャーナリズムは成立しないので、ジャーナリズムは絶対に免許制を取らないというのが基本スタンスであるが、一党独裁の国ではジャーナリズムが免許制のこともある。つまり、リスクが扱う問題の対称性から見るとサーティフィケートが権威的に作用してはならないということは恐らく教育の時点から考えておくべきで、だから、そこのバランスをとる必要がある。これはサーティフィケートに否定的な意味ではなくて、おそらくそこが危なっかしい部分なのだろうと思った。
【平川主査代理】  サーティフィケートというのは、能力の証明はあったとしてもクオリフィケーションではない。
【田中主査】  そう、クオリフィケーションではないということ。ほかに、個人的に思ったこと。私も振興調整費にお世話になって、その後、RISTEX(科学技術振興機構 社会技術研究開発センター)にお世話になった。もし振興調整費型のものであったら拠点ごとにタイプが違うというのはありだと思うし、また、一方でRISTEXの経験を踏まえると、負担はかかるけれども、違うタイプの人たちとお互いやっていることを共有する合宿のような時間は、振り返ってみるとよかった。つまり、クライシスならクライシスに特化したことをやるにしても、必ず少しずつ毛色が違うはず。共通言語もあるし、リスクなり、科学コミュニケーションをやっている人とお互いに接触したときに良い作用や、学ぶべき点はすごくある。自分たちが直面してうまくいかなかった物事の伝え方、教育の仕方については、合宿で目が開かれた部分があるので、これまでの予算型は、どちらかというと、先ほどおっしゃったように効率性が大事で、e-learningを使って拠点を幾つかつくるというやり方であったり、振興調整費のように手を挙げた人たちの特殊性でばらつかせ、地域とテーマでばらけさせたりした形で通すというやり方だったと思うけれども、定期的にマッシュアップ、相互作用させる仕組みを制度設計の中に入れていてもいい。例えば単純に合同研究報告会のようなものでも良いと思う。年次報告で大量の文章を書くよりは、同じ場所に集まってプレゼンし合って議論することを年次報告のタスクにするなどの新しい仕組みがあると、報告者の側も毎年細かく報告する負担よりは、お互いに自分たちのやってきたことをまとめて報告して、ほかの人の意見を聞こうとなること、そこで評価側の人間あるいは別プログラムの人間が入ってくることですごく意義のある報告プロセスになるのではないかと、ここで提案してみたい。
【三上委員】  先ほど斎藤課長がおっしゃった全国一律化か、特徴ある拠点をつくるかという話で、田中主査のお話を聞いて、中途半端な答えになるけれども、両方必要だと思う。最低限基礎になる共通言語的な部分の教育も必要だろうし、専門家の教育としては。それはe-learningが活用できる部分もあるだろうし、恐らく今、田中主査がおっしゃった合宿とは、社会技術研究開発センターのプログラムを担当している、そのプロジェクトのメンバーが集まる合宿ということ。
【田中主査】  そう。そのときにほかのプロジェクトが何をやっているのかを知る。
【三上委員】  その話を聞いて、なるほどなと思ったのは、そのような議論ができるということは、共通の基盤が恐らくあるのではないか。
【田中主査】  毎回、共通性のあるお題が与えられてディスカッションするけれども、大体食い違う。食い違うだけで疲弊(ひへい)する議論が続くけれども、振り返ってみると結構、なるほどと思う。そのときは大変で、お互い食い違ってしまう。そもそも同じリスクコミュニケーションといった場合でも、例えば、市民の側からどうリスクに対する不安を行政に訴えていくのかというリスクコミュニケーション開発をしたとして、専門家がいかに市民に語るかといったら、絶対そこではコンフリクトすることがいっぱいあるはず。そうするとそこで親元である出資元が、リスクコミュニケーションについて話し合ってみましょうと言うと、そもそもの規範論がすれ違っているので大げんかになり、すり合わせが困難であるということである。でも、その困難であるという事実自体が極めて強いフィードバックになっていることがおもしろかった。
【三上委員】  今の話を伺って少し意見が変わったかもしれない。でも、何か基盤は必要なのだろうと思う。
【田中主査】  そう思う。
【三上委員】  ただ、もしかすると、そのような共通基盤を無理やりつくるのではなくて、今のお話を改めて聞いて少し考えが変わったけれども、やはりそれぞれのユニットでリスクコミュニケーションの専門人材をつくるにはどのような科目が必要で、どのような考え方でつくらなければいけないのかそれぞれ特徴あるものを、大阪にしかないのは寂しいので、幾つかつくることができて、その担当者同士が交流できるような場があると良い。その中で共通の言語を編み出していくことができると良いだろう。
【平川主査代理】  共通言語という点では、それぞれの拠点間や教育プログラムにかかわっている大学人同士の交流だけではなくて、実際にリスクコミュニケーションに携わる例えば行政や、産業界や、いろいろな領域の人々、さらに放射能の問題などで言えば地元の保健師さんやお医者さんのような人たちのネットワークなどもあるので、そのような実際の社会の中の実務の人たちとの間の共通言語をつくる場も結構必要だと思う。
 そのあたりをRISTEXがひな形的にやってきた面はあって、各プロジェクトの中に社会の関係者を巻き込むということをやっている。その合宿でも実務の面の関係者の人にも来てもらって、そこで大学の先生がやっていることがよくわからないということも率直に言ってもらって、我々大学人のほうも悩み、どうやったら伝わるのだろうと勉強させられるという機会がいろいろあった。そうしたことが、このプログラムの中でも設けられるのはすごく大事かなと思う。実務の人が入ることで。
【田中主査】  実務者の人がリカレント的に入る。多分、重要だと思う。
【平川主査代理】  昨日もたまたま政策のための科学の関連で政策デザインワークショップをやっていたけれども、そのときもまさに共通言語をまずつくらなければいけない、あるいは共通言語を探る場、トレーディングゾーンのようなものをつくらないとなかなか進まないということが、問題意識として出ていた。
【山口委員】  初期の社会技術のときは、総括グループという横串に刺すグループがあった。縦串はそれぞれ御自由にではないけれども、ある程度ミッションを決めてやっていただく。ただ、やはりそれぞれの方々がまた上位概念に戻って横で言葉や定義を合わせるという作業はなかなか大変だった。そこで私や堀井先生が総括グループということで全体をとりあえず見て、例えば本を1冊まとめるとか、Webサイトをつくるとか、そのような実作業を通じて共通的なものがだんだんできてくるということがあった。これは予算との兼ね合いもあると思うけれども、横串できちんと見る担当がいたほうが、上位概念のすり合わせをやるときにかなりスムーズにいくのではないかという印象。結局、今も研究会が残っているのは総括グループにおいて横串で見ていた人たちが母体になっているので、結局、そこに専門的なノウハウというよりも、ネットワークが残るからいろいろなイベントも打てる。そのようなやり方が、振り返ってみて、良かったのかなという感じはしている。
【田中主査】  半分は抽象論ではあるが、かなり具体的に全体が見えてきた気がするけれども、あえてまた私のほうから追加して言うならば、人々の交差点のような形で、様々な多種多様なリスクにかかわる人たちが交差する場になることが恐らく重要で、そして交差する場でのディスカッションの中で、共有するコアとなるようなリスクとはどう扱うべきというものができてくると思う。そして、私の専門であるジャーナリズムで言うと、最終的にコアを保全するのは、大学ではないかという気がする。
 というのは、アメリカのジャーナリズムは必ずそうなっていて、なぜかというと、コアはきれい事だから。現場に持っていくと、そのきれい事を守れなくなる。ジャーナリズムは市民のためである。学んでいる最中はみんな、そうだ、そうだと言う。でも、現場に行ったら、結局、経済的な圧力であったり、広告主だったり、いろいろな影響でその信念を曲げる。曲げるからこそ、大学ではきれい事を教えるのだというのがアメリカのジャーナリズムの教え方。曲げざるを得なくても、自分は本来、ジャーナリズムの使命から離れたことをやっていると自覚的にやるのと、日本のジャーナリストがしばしば語るように、「いやあ、しようがないんだよ」「こういう仕事だから」と開き直ってしまうのは大きな違いがある。
 恐らく、リスクコミュニケーションはそこに近いところが少しあって、何のためのリスクコミュニケーションかというところは持ち寄って議論して、残る部分について、今の大学がどこまで学問の自由の独立を守っているのかという議論はあるにしても、大学というものは保全するにはいいところである。官庁や行政組織がそこのコアな、いわゆるソウルの部分をやってしまうと、恐らく、外部から観測したときにお上のためのプロパガンダのコミュニケーションであるとみられてしまうだろう。これを制度設計上は予想しておくべきと思った。
【斎藤課長】  その場合に確認したいことがある。先ほど来、JSTのいろいろな取組の話があり、科学コミュニケーションセンター、未来館や政府自らがそのようなコアの部分を担うのは難しいことはわかるが、では、JSTが主体となって先ほどのように人材のデータベースをつくったり、場合によっては各地域の抱える課題に関して、専門家を推薦したり、派遣したりというミッションを仮に担うとした場合に、果たして市民の側から、特にそれも批判精神の非常に強い市民から、JSTという主体が果たして中立、公正という目で見られているかどうか。
 そこが安全・安心の「安心」のほうの信頼性にかかわる部分で、これがないと、やはり幾ら良いことや正しいことを言っても伝わらないということが経験としてある。したがって、その場合、JSTは独立行政法人であるが、一方で文部科学省から予算を運営費交付金として支出している点においては、緩い意味で文部科学省のコントロール下にある。このあたり、現場の実感や受けとめがどうかが非常に気になるけれども、もう少し第三者的な仕組みとして、大学で代わりの役割を果たせるか。もちろん大学にも国の予算は流れているけれども、度合いは違うわけで、そこは現場の実感、特に私学の立場や国立大学の立場でそれぞれ違いがあると思うが、そのあたりについてもし御意見があれば伺いたい。
【平川主査代理】  相対的には大学のほうが独立性が強いと一般に思われていると思うけれども、ただし、これは何をイシューとして扱うかに結構依存する。例えば今現在、放射線問題や原子力の問題などでは、大学とか大学の研究者であってもステークホルダーと見られることは結構ある。そうすると、大学もうまくその機能を果たせるかは厳しいところがある。しかし、逆に言うと何かそのような厳しい目があるからこそ、きちんとやることで信頼を一つ一つつくり直していくしかないだろうと思う。
 その点で言うと、国に近い立場であるJSTがそのような役割を果たすということも重要だろう。確かに国に近いというところで、世の中から見たバイアス、あるいは組織としての役割からどうしても規定されてしまう偏りはあったとしても、それはそれなりに何らかの役割が果たされるのだと思う。JSTは国の機関で独法だけれども、結構やるなと思ってもらえるように10年ぐらいかけてやることが大事かなと。精神論で終わってはいけないけれども、まさにそれをきちんと形にしていくことを積み重ねていくしかないだろう。
【田中主査】  それはリスクコミュニケーションというものをどう考えるという、理念的な部分と背中合わせだと思う。また手前みそで申し訳ないけれども、私たちのジャーナリズムコース出身のジャーナリストは震災後にかなり両極端な立場で卒業生たちは戦っていた。危険をあおる側から安全だと主張する側まで。そのようなことがうまく人材養成として媒介できたらありじゃないかと思う。どちらかの立場によってやるのではなくて、同じ方法論を使っている。けれども、不安に思う市民のほうに寄り添うのか、あるいは不安に思う市民を減らすほうに力を入れているのかという立場の違いで、卒業生たちが明らかにお互いを意識したような記事やコンテンツをつくっていることを僕は外から観測していた。そのようなことがうまく実現できる仕組みというのは一つ念頭に置く。
 その点ではやはり大学というのは一つありかもしれない。もちろん、その独立性の話は無限後退していく話で、大学ではなく市民団体が教えるのだとなっていくと、今度は逆にメーンストリームのほうからは市民団体がやっていることだからと色眼鏡で見られるという逆の効果も出てくるので、様々なレイヤーがあってしかるべきだとは思う。一番手始めは大学というのは、世間的にはそのような構成的な部分にあるのではないかと思う。
【平川主査代理】  多元展開というのが一つの基本であると。
【田中主査】  そう思う。
【斎藤課長】  たしか平川委員からの御意見で、信頼の三角測量という話があったけれども、今の話で市民団体、NPOが出てきて、一方で国なり政府の公式の立場と市民、それから、いわゆる大学等の機関あるいは市民団体、その三者の対立関係や緊張関係というより一種の協調・連携の仕組みがあって、結果としてその全体としてデータの信頼性が確保されるという考え方はあると思う。ただ、その場合にそのような機能を担えるNPOがどれぐらいあるのかというと、NPOによって体力も足腰も違う。それも論点として、NPOとのかかわり方や支援もぜひ御議論いただきたいと思っている。
【平川主査代理】  先ほど私が申し上げた水平展開のためのサポートという点でいうと、例えば大学とNPOや市民グループがうまく連携する枠組みやファンドもあり得るのかなと思う。平成10年と11年の振興調整費の調査で、社会、国民と科学技術の相互作用に関する調査にかかわっていたけれども、そのときにアメリカに取材に行き、調査して得られた知見の一つに、アメリカでは連邦政府がいろいろなファンドをそれぞれの省庁ごとに出しているということがあった。例えばエネルギー省、環境保護庁、保健省など、いろいろな省庁がNPOもアプライできるファンドを持っていて、その中には例えば大学とコミュニティが連携するUniversity community alliance fundというものもあって、ある種の専門知の面での能力のクオリフィケーションがきちんとある、能力のある研究者と、その地域の住民やNPOがうまく連携する。そのためのお金を連邦政府から出していることは一つおもしろいなと感じた。これは日本でも何らかの形でできるといいと思う。
 もちろん、国のお金を使ってやるのかという点で、色眼鏡で見られるところもあるけれども、逆にきちんとそのような批判的な人たちから見ても信頼できる成果を出していく。それを積み重ねていくことで、ファンドの透明性なり客観性なり、将来的には信頼を得ていけるのだろう。だから、まずはそういうことを始めてみることも一つあると思った。
【田中主査】  それでは、そろそろ時間が迫ってきているが、何か言い残されたことは。
【堀井教授】  オブザーバであるけれども、親委員会主査という立場で伺っていて、大変熱心な御議論をいただいていろいろ勉強になった。2時間ずっと黙っているというのは結構大変だった。すごくいい話をいろいろいただいたけれども、その中で幾つかコメントするとすれば、COCとの連携というのは非常にいい方向性ではないかなと思う。そのスキームとしてのCOCをとる、とらないという話ではなくて、やはり地域の問題を地域の大学がコアとなって実践活動を行って、第3のステークホルダー、住民、行政に加わる新しいステークホルダーとして地域の問題解決に資する実践活動を行うというときに、そこのコアとなる大学の研究者が持つべきコミュニケーション能力というものは何であって、それを支援するなり、育成する仕組みはどのような仕組みか、そのようなことはこれからぜひ考えていただきたい。
 そのときに科学技術コミュニケーション教育を受けた人がそこで採用されるのがいいのか、あるいはその地域の中核的な大学で、そのような活動を行う実践的な研究者が教育を受ける仕組みを考えるのがいいのか、両方ともあり得ると思うけれども、それを具体的に考えていただくといいのではないか。価値共創という言葉があったけれども、共創されるべき価値というのを間違いなく持っている。それはコミュニケーションによって発揮される価値というよりは、地域の問題を解決するという課題解決という価値、そこに不可欠な要素としてコミュニケーションが入っていくということだと思う。
 今日、コストの話が最初のほうであったけれども、やはりコストがかかる活動であるから、そのコストを誰が負担するのか。概算要求するという話なので、税金を使ってという話になる。だから、税金を使ってでもやるべきことは、生み出される価値が大きいということ。国民にとって意味のある価値である。そこはやはりどのような価値が生まれるのか、どのような機能が果たされるのか、うまく結びつけて御検討いただけるとありがたい。
 それから、階層を分けていろいろな層について検討が必要という御指摘もあって、それもそのとおりだと思ったけれども、科学技術にかかわる研究者が必ず持たなければならないコミュニケーションの能力や資質は何なのか。それを育成する仕組みは何なのか。例えばそれを持っていることが資格のようなもので明示されて、例えば名刺に書くことができるとか、あるいは科研費の申請のときに必ずそのような教育を受けたことを明記するようにするとか、何らかの仕組みが必要だと思う。そのような仕組みと、あるいはそのような仕組みをつくろうとしたときに必要となる教育システムなり、どのぐらい、どのようなところに何が必要で、どのくらいの予算規模が必要なのかにつながっていくと思うけれども、それもぜひ御議論いただきたいと思った。いずれにしても、初回の御議論ということで、次回以降に発展していく非常に有益な御議論をいただいたことを感謝申し上げたい。
【田中主査】  本日は貴重な御意見をいただいて、感謝申し上げる。本日いただいた意見は事務局で整理して、次回以降、より具体的に掘り下げていきたい。

<議題3.その他>
【田中主査】
 最後に今後の日程について事務局から説明をお願いする。
【関専門職】  次回の作業部会は、5月21日火曜日の10時から12時の開催を予定しているが、外部から有識者を招く人数の関係で前後に時間を延ばすことを考えているので、改めて開始時刻、終了時刻は御連絡する。
【田中主査】  以上で第1回リスクコミュニケーションの推進方策に関する検討作業部会を終了する。

 

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