奈良委員プレゼンテーション資料

「今後求められるリスクコミュニケーションの取り組み」に関する意見

奈良由美子(放送大学)

1.リスクコミュニケーションの基礎的素養の涵養

(1)基礎的素養の内容の検討

  • 内容について本委員会としてのガイドラインを示す?(リスクおよびリスクコミュニケーションの概念、リスクコミュニケーションの定義、目的、類型・・・)

(2)涵養の手段と推進主体の検討

  • 関連する学協会が主体となった資料(リーフレット、ガイドライン、事例集等)の作成・発信。
  • 教育機関による教材としての資料の作成と活用もありうる。

2.問題解決に向けたリスクコミュニケーションの場の創出

(1)場の創出と運営の主体の検討(「4.」とも関連)

  • 誰が場を創出し運営するか ← ひとつの観点:誰を信頼しているか
  • 国民からみて、誰をどの程度信頼するかはリスクによって異なる。たとえば、原発事故、放射性物質による健康被害、食品安全については大学やNPOへの信頼大。地震、犯罪、交通事故は行政(国、地方)や大学。リスクによりケースバイケースで対応。

(2)リスクコミュニケーションの日常へのビルトイン(「4.」とも関連)

  • 平時における取り組みこそが有事に実効性を持つ。
  • リスクコミュニケーションにかかるコストを小さくする工夫が必要。
  • わざわざリスクコミュニケーションを行うのではなく、他の活動と資源兼用するしくみ。参画主体にとってのインセンティブも検討すべき。
  • たとえば、学校教育の授業への組み込み、福祉まちづくりと両輪で推進、リスクマネジメントと一体化して推進。

3.リスクコミュニケーションを行う人材の育成

(1)リスク社会の一員としてのリスク・リテラシーを身につけた人材の育成(「5.科学技術リテラシーの向上」と関連)

  • 初等中等教育、高等専門教育、生涯学習において。

(2)自らの平常業務においてリスクコミュニケーションを担える人材の育成

  • 普段の業務にもリスクコミュニケーションが必要となる場面多い。職能としてのリスクコミュニケーション能力。

(3)ファシリテーターとしてリスクコミュニケーションを担える人材の育成

  • 大学・研究機関等により推進。育成された人材およびその活動が社会のなかで積極的に評価されるしくみを検討すべき。

4.良好事例の共有・展開

(1)良好事例が集まるしくみ作り

  • 実践者のほうから情報を出してくれるようなしくみを作れないか。

(2)良好事例を展開できる条件の検討と継続的な支援

  • 良好事例を属人的にではなく広くあまねく展開し、かつ定着させるためには何が必要か。
  • 事例の蓄積と分析、普遍的な知見やパタンの抽出。
  • コミュニティレベルでの活動の継続的支援。
     

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