委員会主査提案
リスクコミュニケーションの推進方策に関する検討作業部会からの報告をふまえて、重要事項を以下に示し、引き続き検討を行う。
1.リスクコミュニケーションの定義について
・リスクコミュニケーションをリスクに関連して行われるコミュニケーションと広く捉える。
2.リスクコミュニケーションの分類
・リスクコミュニケーションが行われる状況(5W1H)に応じて、リスクコミュニケーションは以下のように分類される。
(1)リスクに関わる専門家が一般市民、メディアに対して行う一般的コミュニケーション
(2)リスクに関わる専門家が、専門領域を代表して、リスクに関連する重大事態について、主にメディアに対して、或いはメディアやWEBを通じて一般市民に対して行うコミュニケーション
(3)リスクに関わる問題解決において、行政が住民に対して行うコミュニケーション
(4)リスクに関わる問題解決において、支援組織の専門家が行政や住民に対して行うコミュニケーション
(5)メディアが一般市民に対して行うコミュニケーション
3.必要な対応
(1)FD、初任者研修等においてリスクコミュニケーションの基礎を教育する。リスクに関わるか否かに関わらず、全ての専門家が身に付けておくべき素養がある。教育プログラムの開発、トレーナーの育成が必要。長期的課題。
*FD:Faculty Development。教員が授業内容・方法を改善し向上させるための組織的な取組の総称。
(2)専門家に対する信頼の失墜や、不適切な情報提示による社会的混乱を防ぐために、学会を中心とした専門家集団におけるリスクコミュニケーションの組織的体制整備が必要。
(3)行政の危機管理担当者に対するセミナー、研修が必要。長期的課題。
(4)リスクに関する問題解決を目指す支援組織の専門家が住民や行政に対して行うコミュニケーションの能力を育成することが必要である。大学等を中心とする支援組織にリスクコミュニケーションの能力を持った専門家を配置することや、支援組織の専門家のコミュニケーションの能力を育成することが望ましい。
(5)メディアが行った過去の報道とその影響を分析評価し、メディアによる情報伝達のあり方を提示する研究を支援することが望ましい。長期的課題。
4.委員会としての方針
(1)上記1.及び2.を体系化して整理する。
(2)上記3.について、東日本大震災を踏まえ、(2)と(4)を緊急に実施する。
(3)上記対応に関する詳細検討を行う。
以上
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