宇宙開発利用部会 調査・安全小委員会(第33回) 議事録

1.日時

平成30年12月13日(木曜日) 14時30分~15時30分

2.場所

文部科学省 5階3会議室

3.議題

  1. 宇宙開発利用部会の活動内容の改定について(宇宙活動法施行に伴う調査・安全小委員会の審議内容改定)
  2. H-ⅡBロケット7号機及びH-ⅡAロケット40号機の打上げ結果(安全確保状況)について
  3. その他

4.出席者

委員

主査  渡邉 篤太郎
主査代理  木村 真一
専門委員  門脇 直人
専門委員  中西 美和
専門委員  野口 和彦
専門委員  馬嶋 秀行
臨時委員  松尾 亜紀子

文部科学省

研究開発局宇宙開発利用課企画官    有林 浩二
研究開発局宇宙開発利用課課長補佐  佐々木 裕未
研究開発局宇宙開発利用課課長補佐  岡屋 俊一

(説明者)
国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)
 第一宇宙技術部門
  鹿児島宇宙センター所長 藤田 猛
三菱重工業株式会社防衛・宇宙セグメント H-IIA/H-IIBプロジェクトマネージャ 徳永 建

5.議事録

【渡邊主査】  ただいまから調査・安全小委員会の第33回目の会合を開催したいと思います。
 最初に事務局から事務的な確認をお願いいたします。

【事務局(有林企画官)】  私,10月2日付で前任の山之内の後任で企画官に着任しました有林と申します。今後ともよろしくお願いいたします。
それでは,着席させていただきまして,本日の事務的な連絡をさせていただきます。
 まず,現在7名の方々に御出席いただいております。御多忙の中,どうもありがとうございます。 本日ですけれども,お手元の議事の資料を確認させていただきますが,こちらの議事次第の4ポツの方に,資料が全部で4点,33-1-1,33-1-2,33-1-3,そして33-2で全て4点の資料がございますが,もし過不足等ございましたら,事務局の方までお申しつけいただければ幸いでございます。
 事務連絡は以上でございます。

(1)宇宙開発利用部会の活動内容の改定について

【渡邊主査】  それでは,1番目の議題に入りたいと思います。
 最初の議題は,宇宙開発利用部会の活動内容の改定についてということですが,1年ほど前に宇宙活動法が成立しまして,それが先月の15日から施行されております。それに基づきまして,この小委員会の親部会である宇宙開発利用部会,それとこの小委員会の活動の内容が見直されました。その見直しは,先月,11月29日に開催された宇宙開発利用部会において審議され,了承されているということでございます。これからその内容を事務局に説明していただきたいと思いますので,よろしくお願いします。

【事務局(有林企画官)】  それでは,私の方から説明させていただきます。
 皆様,お手元の資料33-1-1という資料を御用意いただければと思います。こちらは活動法の施行についてということでございますが,その裏面の緑色の資料でございますが,宇宙活動法についての説明資料でございます。
 先ほど主査がおっしゃいましたように,先月,11月15日付で活動法が成立しておりますが,こちらの主な趣旨といたしまして,昨今の民間によるロケットの打ち上げ等を受けまして,これまで打ち上げというものは,JAXAなりが実施をしていたのですが,今後は様々な民間の方々が行うことが想定されるということで,これまで官がやっていたものを,民も含めて統一的なルールをつくる必要があるでしょうということで,国全体で打ち上げに係るルール,そして衛星の運用に係るルール,その他の賠償制度などを設けてございます。
 簡単に申し上げますと,2ポツのところで法律の概要等ございますが,大きく許可制度としましては,打ち上げと衛星の管理の二つの許可制度がございます。これまではロケットを打ち上げる場合におきましては,ここの小委員会において,JAXA等から御説明をさせていただいて,安全対策等が十分にとられているというところを審議いただいていたのですが,今回のこの新しい活動法のもとでは,内閣府に許可権限が移りまして,一元的に官も民も全て内閣府に打ち上げ者が申請を行うというような形で,整理をされることになってございます。
 次のページに,宇宙活動法の比較ということで,JAXA法と活動法の対比表を示したものがございますが,これまで衛星の打ち上げの監督というところで,JAXA法の場合は,これまでこちらの利用部会のもとの小委員会において審査を行うというふうにされていたのですが,今後,こちらの小委員会ではなくて,打ち上げ事業者がそれぞれ内閣総理大臣に申請し,許可を受けるというような形に変更が生じてございます。
 これを受けまして,親委員会であります利用部会及びこの小委員会の位置づけ等に変更が加わりましたので,そちらについて御説明をさせていただきます。
 それでは,資料33-1-2と33-1-3の方をお手元に御用意いただければと思います。
 まず,資料33-1-2の方でございますが,これは利用部会の審議事項でございます。2枚目に添付資料というものがついてございますが,添付資料の方をちょっと先にご覧いただければと思います。
 こちらの方で2ポツのところで,(1),(2),(3)と3つの項目があります。(1)の方でH-ⅡAロケット,H-ⅡBロケット,イプシロンロケット等による人工衛星等の打ち上げに係る安全対策ということで,これまで審査をここで行うということであったのですが,先ほど申し上げましたように,打ち上げに関しましては,全て内閣府で許可をするというような形になっていますので,それを受けまして,1枚目に戻っていただきまして,今後の安全対策等の評価につきましては,ロケットの部分は落とします。「こうのとり」,HTVにかかわる部分,ちょっと細かいところを申し上げますと,HTVも,ロケット,衛星等と同じで,ISSに近づく場合と遠ざかる場合につきましては,これは衛星の管理の一環で内閣府の方の許可対象になるのですが,係留している場合は,移動行為が伴わないということで引き続きこちらの小委員会で安全対策を御審議いただくことになります。ただ,係留だけを取り出すというのもなかなか難しいところでございますので,これまでと同じように説明自体は補給機の初めから終わりまで御説明を頂いた上で,全体を踏まえて,そちらのつながっている部分について,引き続き御審議を頂ければというふうに思っております。また,ISSに輸送する物資等の安全審査につきましては引き続きこちらでご審議をお願いしたいと思っております。
 以上が利用部会の活動内容の変更点でございます。
 もう一つ,資料33-1-3になりますが,こちらがこの小委員会の設置についてでございます。2枚目にこれまでの設置紙がございますが,2ポツの調査事項の(1)の「安全対策の評価」の一番初めの(a)のところには,ロケットの打ち上げに係る安全対策の評価ということが書いてありましたが,先ほど申し上げたような理由で,今回のこの小委員会の審査事項からは外れるということになってございます。
 それを受けまして,1枚目にお戻りいただきまして,安全対策の方につきましては,(2)でございますが,ISSに係る部分,もともと(b)と(c)というふうに二つありましたが,これは(a)という形でまとめさせて,ISSに提供する物資の安全審査と物資補給機の運用に係る安全対策ということで,一項目にまとめさせていただいております。
 打ち上げに係る審査自体は,こちらの小委員会としての目的としてはなくなったのですが,一方で,何か事故が起きた場合のその不具合の原因や,または技術的な課題等に対して,どのように対策をとっていくのかという部分につきましては,内閣府の基本的に許可制度のもとですと,基本的な考え方が,公衆の安全に対して影響を及ぼすか及ぼさないかというような観点で審査が行われます。例えばロケットに何かしら不具合があって,途中で指令破壊をした場合であっても,それが公衆の安全に影響を及ぼさない限りは,彼らの許可権限においては,それは当初の予定どおり,公衆の安全に支障を及ぼさないような措置がなされたということになるのですが,文科省としまして技術開発をしてきた観点から申し上げますと,ロケットがなぜそのような事態に陥ってしまったのかというところの技術的な課題等につきまして,まさに専門的知見から分析をしていただき,とるべき対策等について御議論を頂きたいと思っております。これらの重要性を打ち出す形で,順番をちょっと入れかえさせていただきまして,2ポツの調査事項にございますように,(1)で「重大な事故・不具合等の原因,技術課題及びその対策等の調査」ということで,(a)でロケット,(b)で衛星,そして(c)でISSという形で調査項目を整理させていただいたところでございます。
 そして,今回,事故に限って,ロケットの打ち上げに係る事前の安全審査については,こちらの目的から外れるということですが,一方で,事故対策の方が今後も残るというところがございます。このような状況を踏まえまして,今後どのようにこの小委員会において,ロケットの打ち上げ等に関して先生方に情報を提供させていただくかということですが,事前に何も情報がなく,いきなり事故が起こって,そして集まって議論してくださいとなった場合,全くバックグラウンドがないような状況になりますので,こちらはちょっと事務局からの提案ですが,例えばH-ⅡAとかⅡBのように,既にもう基幹ロケットとして実績を積んでいるロケットの打ち上げ,継続機の打ち上げにつきましては,打ち上げを行っておりますMHIが,事前に内閣府に許可を求める説明を行うわけで,その資料を事前に先生方にメールベースで御提供させていただき,少なくとも今度このような打ち上げが行われますという内容を情報提供させていただきたいと思っております。
 また,既存のロケットでありますが,何かしらの開発要素が新しくつけ加わった場合や,またはH3ロケットのように,全く新しいロケットを開発しますというような場合につきましては,これまでと変わらず,審査ではないのですが,この小委員会を開催させていただきまして,開発主体,打ち上げ主体である者から,こういうような打ち上げを行いますというところを,丁寧に先生方に情報提供させていただき,万が一何か起こった場合に,速やかに御対応いただけるような体制をとらせていただきたいと考えております。
 以上が事務局案でございますが,いずれにしましても,今,口頭で申し上げましたことを近々取りまとめまして,先生方に,このような形でということで,情報提供を追ってさせていただければと考えてございます。
 私の方からは以上でございます。

【渡邊主査】  御説明ありがとうございます。
 今の件に関しまして,御意見とか御質問ございましたら,発言をお願いします。
 何かございませんでしょうか。
 それでは,私から1点よろしいですか。資料33-1-3の小委員会の設置についてですが,2の(1)の(a)に,我が国の基幹ロケット打ち上げにおける重大な事故ということで,基幹ロケットと書いてありますが,この基幹ロケットというのはどこまでを含むのでしょうか。

【事務局(有林企画官)】  今想定してございますのが,H-ⅡAとⅡBとあとイプシロンロケットでございますが,今後H3が開発された暁には,H3も基幹ロケットとして含むということを考えてございます。

【渡邊主査】  我が国にはもう一つ,人工衛星を打ち上げた実績のあるロケットということですと,JAXAの開発しているものでSS-520もありますが,それは含まない。

【事務局(有林企画官)】  SS-520も,前回打ち上げました衛星を搭載したものにつきましては,前回,審査対象でした。そちらにつきましても,こちらの(a)のところに入ってございます。

【渡邊主査】  わかりましたそれでは,この文章は,JAXAが開発した打ち上げロケットについてはという意味合いなのですね。

【事務局(有林企画官)】  はい。そうです。主査がおっしゃるように,基幹ロケットの定義につきまして,我々文科省がこれまで対外的に御説明させていただいていますのは,先ほど申し上げたように,H-ⅡA,ⅡB,そしてイプシロンではあるのですが,御指摘のように,SS-520のようなJAXAが主体となって打ち上げるロケット等につきましても,この(a)の枠組みの中に入るものでございますので,今,こちらの方の表現につきまして,「我が国の基幹ロケット」で括弧して,「JAXAが開発を行った」というふうになるものですが,本件,正しく正確に記載するのであれば,「基幹ロケット等」ということで,「JAXAが開発を行ったもの」というふうに表現する方が適切な表現でございます。こちらにつきましては,追って,上の利用部会の部会長とも御相談させていただいた上で,修正を加えるような形でセットさせていただきたいと考えてございます。御指摘ありがとうございました。

【渡邊主査】  ほかに何か御意見,御質問等ございませんでしょうか。よろしいですか。

(2)H-ⅡBロケット7号機及びH-ⅡAロケット40号機の打上げ結果(安全確保状況)について

【渡邊主査】  それでは,次の議題にいきたいと思いますが,次の議題は,H-ⅡBロケット7号機及びH-ⅡAロケット40号機の打ち上げ結果に係る安全対策についてです。
 この2機とも御承知のとおり打ち上げに成功しておりますが,その安全対策に関して,その結果をJAXAから説明をお願いいたします。

【JAXA(藤田所長)】  鹿児島宇宙センター所長,藤田でございます。資料33-2に基づきまして,私から御報告をさせていただきます。
 お話ありましたように,H-ⅡB7号機と40号機,2機まとめての御報告とさせていただきます。
 1ポツの報告,打ち上げ結果概要でございますが,まずH-ⅡBロケット7号機につきましては,「こうのとり」7号機を搭載いたしまして,本年30年9月23日2時52分27秒に打ち上げて,所定の軌道に投入できております。23日に打ち上げを行いましたが,当初の予定は9月11日でございました。天候の悪化が予想されたので,一度延期してございます。15日に再設定しておりましたが,ロケットの推進系統に確認を必要とする事象が生じたため,一たん打ち上げを中止しまして,改めて23日に打ち上げを行ってございます。
 (2)のH-ⅡAロケット40号機でございますが,二つの人工衛星を同時に主衛星として打ち上げてございます。「いぶき2号」とアラブ首長国連邦の「ハリーファサット」を平成30年10月29日13時8分に打ち上げて,こちらの方も所定の軌道に投入できております。また,この打ち上げ機会を利用して,搭載しました小型副衛星4基の分離も確認してございます。
 この打ち上げの業務につきましては,従前どおり三菱重工さんが打ち上げ執行にかかわる業務を執行して,JAXAは安全監理に係る業務を実施してございます。
 JAXAの行いました安全確保業務の実施結果を2ポツに示してございますが,飛行安全計画,地上安全計画,その他要領に基づきまして安全確保業務,括弧の中にありますような具体的な業務及び関連機関に対する情報の通報を行ってございます。
 この表紙の右下には,打ち上げのときのそれぞれの写真を載せてございます。
 裏面にいっていただきまして,ここも従前どおりでございますが,投棄物につきましては,全て設定した落下区域内に落下したと推定してございます。H-ⅡBのみ2段制御落下してございますので,こちらの方も所定の設定した予想区域内に落下したと推定してございます。
 3ポツの次号機以降への対応でございますが,10月24日にH-ⅡBロケット7号機,12月3日に40号機の安全監理の終了審査を実施しまして,評価を行って次への反映事項を抽出してございます。抽出されました事項につきましては,次号機以降に向けて処置を行うとしてございます。
 私からの御報告は以上です。

【渡邊主査】  どうもありがとうございました。
 今説明していただいた件につきまして,御意見,御質問等がありましたらお願いします。
 どうぞ。

【馬嶋委員】  ありがとうございました。
 この報告が三菱さんとJAXAさんの連名になっているのですが,前もこういう連名でしたか。

【JAXA(藤田所長)】  はい。そのようだと認識しております。

【馬嶋委員】  ああそうですか。それでは僕が気がつかなかった。連名で出すということは非常に意義があることだと思いますので,これからもずっとやっていただきたいですが,このお名前とか所属というのはずっと一緒ですか。

【JAXA(藤田所長)】  基本的にはそうなので,イエスです。二村さんの肩書は途中,何年か前に変わっているかもしれませんが,ポジションとしてはそう大きく変わられてはおられないと思います。私は3年前からですので。

【馬嶋委員】  二村さんも3年ぐらい前からこの肩書。

【三菱重工(徳永)】  三菱重工の徳永でございますが,二村は,3年ほど前は技師長だったと思いますが,立場的には,打ち上げを行う,執行責任をとるという,執行責任者という立場をやっておりまして,二村がここの位置づけになっているというのは,従前から変わっていません。

【馬嶋委員】  そういうことをお聞きしたかったので。責任を持てる方だということですね……。

【三菱重工(徳永)】  そのとおりでございます。

【馬嶋委員】  はい。だから,毎回は必要ないのかもしれないのですが,どういう順序になっているかというのを確認して,その方がトップなので報告をするということを確認できたらいいと思いました。

【JAXA(藤田所長)】  そうですね。三菱重工の二村さんが打ち上げ執行責任者,鹿児島宇宙センター所長が打ち上げ安全管理責任者という,いずれの業務の指揮をとる人間という位置づけになってございます。

【渡邊主査】  よろしいですか。
 こういう責任体制は,事前の審査の中の書類に入っていたと思いましたので,そこは役職まででしたでしょうか。

【三菱重工業(徳永)】  役職といいますか……。

【JAXA(藤田所長)】  責任体制は載っていますが,ちょっと肩書まで記載していたかどうかまでは,記憶は定かではございません。

【三菱重工業(徳永)】  弊社の職制は書いてなかったかと思います。

【渡邊主査】  その体制の一番上の責任者が,今ここに名前書いている人だということですね。

【JAXA(藤田所長)】  はい。

【渡邊主査】  ありがとうございました。
 ほかに何か御意見,御質問等ございませんでしょうか。

【馬嶋委員】  できれば毎回,ちょっと長過ぎて書いていないのかもしれないのですが,毎回選んだ同じ言葉で,こういうふうに組織図を書いていただいた方が明らかで,もしできましたら。よろしくお願いします。

【事務局(有林企画官)】  御指摘の件,検討させていただきますが,実は,先ほどの活動法の関係で,この後想定しておりますのは,これまでは打ち上げの責任者と射場の安全管理の責任者ということで,MHIとJAXAという形で御説明をさせていただいたのですが,実は今度は内閣府の許可制度との関係で,そこは全て打ち上げの主体が責任を持って,射場管理も含めて許可をとるというような形になってございますので,そういう意味では,これまでは二つの役割で分けていたところですが,今後につきましては,打ち上げの事業者に主体的に御説明を頂くというような形で,本委員会では説明もそうですし,事後の報告も,そのような形を基本とすることで説明させていただければと思っています。ただし,開発中のものについては,当然,開発の責任者を含める形で,多分,もしかしたら両者並ぶのかもしれないのですが,そこはケース・バイ・ケースで適宜対応させていただきたいと考えてございます。

【渡邊主査】  ほかに御質問,御意見等ございませんでしょうか。

【馬嶋委員】  今の変わるということはわかったのですが,どういうふうに変わるかというのはちょっとわからないので,変わった内容を示していただけたらと思います。

【事務局(有林企画官)】  わかりました。恐らく次回,1月以降打ち上げますイプシロンが一番初めのケースになると思いますので,まずはそこで丁寧に対応させていただきまして,かなり試行的な取組でもございますので,委員の方々の御意見を頂きながら,適宜やり方をブラッシュアップさせていただきながら,御意向に沿った形で進めたいと思っております。また進行等につきまして御意見等ございましたら,何なりと事務局にもお伝えいただければと思いますので,よろしくお願いいたします。

【馬嶋委員】  ちょっと一言だけ。やはり安全確保をするためには,そういった組織がどうなっているかというのは非常に重要なので,是非よろしくお願いします。

【事務局(有林企画官)】  わかりました。説明の際には,ちゃんとした安全体制がどのような体制で行われているのかというところがわかるような資料を,今後とも添付させていただくようにいたします。

【渡邊主査】  どうぞ。

【木村主査代理】  少し戻って、最初の件になるのかもしれないのですが,今後の会議の開かれるイメージは,先ほどの話だと,打ち上げ前に,もしものときに備えて,情報が展開されると言うことでよろしいでしょうか。とすると、集まるタイミングとしてはどのようになりますでしょうか。直接対応するのがHTV業務だけなので,HTVの打ち上げに関連するときに事前に会議が招集されるという感じになるのですか。

【事務局(有林企画官)】  あと,それと,今,1月に予定されているイプシロンでございますが,こちらの方は,先ほど申し上げました既存のロケットに開発要素がどれだけ組み込まれるのかというところを,開発者側と調整をしておりまして,開発要素が含まれるようでしたら,先ほどの例で申し上げますと,H-ⅡAロケットや,または既存のロケットであっても,新しい開発要素がつく場合につきましては,小委員会を開催させていただければと考えております。そこはうまくタイミング的にできるだけ合うような形で,頻繁に開くというより議題を幾つかくっつけるような形で,できるだけ効率的に開催をさせていただければと考えてございます。

【木村主査代理】  わかりました。そのときに判断されて,招集がかかるというイメージですね。

【事務局(有林企画官)】  はい。おっしゃるとおりでございます。できるだけ事前に先生方に御案内をさせていただきたいと考えております。

【木村主査代理】  新しい開発要素があるときに,それを審議するポイントについて確認させて下さい。安全であるかどうかということ,安全上問題がないかということをここで議論するということですか。あるいは,その技術の内容そのものを議論するというふうに変わるのですか。

【事務局(有林企画官)】  そういう意味では,実際に許可自体は当然のことながら内閣府には移っておりますけれども,技術面で事前に御確認いただいた方がよろしいというか,要は,例えば新しい技術だとなったときに,その技術の機構だとか,そういったところを前もって確認をしておいた方がいい件や,または,安全面でちょっと御不明な点があれば,事前に御質問いただいて,クリアにしておいていただいた方が,何かあったときの初動がスムーズにいくのではないかと考えてございます。
 ただし,そこの点につきましても,我々の方も用意する資料につきましては,内閣府に提出している資料をベースに考えておりますが,委員の方々から逆に、先ほどの体制図のお話もございましたが,例えばこういうような観点の資料は最低限入れておいていただきたいというような御要望等を説明者に,事前に資料の中に入れるようにしてくださいと依頼する等幾つか整理をさせていただきたいと思っております。
 従いまして,基本的には,従来の体制をできるだけ継続はしたいと思っておりますが,ちょっと内閣府への説明の観点もございますので,そこは委員の方々の御意見を踏まえながら,来年,初めの数回はちょっと試行錯誤的になってしまうかもしれませんが,御意見を伺いながら進めていければと思っております。

【木村主査代理】  これまでは打ち上げの安全に関連する部分について審議するということが任務であると把握していたのですが,それからするとちょっと性質が変わる,その審議する内容が変わるというふうに理解してよろしいのですね。

【事務局(有林企画官)】  はい。おっしゃるとおりですので,こちらの小委員会自体が,何か事故があったときの事故への原因究明や,対策を行っていただくというところが主なタスクになります。それが,逆に言うと,事故が起こってから対応していただくというより,事前に状況を把握しておいていただいた方が,初動がスムーズに動けるだろうということでの情報の提供ということですが,当然のことながら,提供するだけではなく,委員の方々の御意見を伺った上で,実施者からは事前に御回答等をさせていただいて,特に疑問が残らないような形で対応させていただきたいと考えてはございます。ただし,委員がおっしゃられたように,審議かと言われますと,そもそもとしての許可権限自体が内閣府に移管してございますので,これまでのような審議事項ではないということでございます。

【木村主査代理】  ありがとうございます。

【渡邊主査】  はいどうぞ。

【門脇委員】 今の件に関連するのですが,もしロケットに開発要素があるような場合,その技術的な説明を受けて,多分ないとは思いますが,かなり懸念されることがあるというようなことがあった場合,そういう意見を言った結果はどういうふうに取り扱われるのでしょうか。

【事務局(有林企画官)】  そこは内閣府とも調整させていただきますが,内閣府と我々は常に連携をとっておりますので,この小委員会において例えばそういうような御意見が示された場合につきましては,我々事務局から内閣府にお伝えするなり,対応はさせていただきたいと考えております。

【野口委員】  内容は大体理解したつもりです。そのときに,審議というより,色々な安全チェックを事前にしておいて,何か事故があったらきちんと検証するということだと思います。例えばJAXAの基本的な規則に基づいて実行しているという前提で審査を行ってきましたが、それは、JAXAの規則は是として審査してきたのですね。年に1回とか2年に1回とか,もともとの考え方のレベルチェックとか基本的な構造のチェックを行っておかないと,従来の方法で行っているからいいですということになると,何を審査しているかわからないという話をしたことがあります。そういう意味で,これまでのこの小委員会でできなかったこととして、やっと安全の基盤になるところまで,定期的に議論する余地ができたかなというふうに思っています。
 どこまでこの小委員会でやるかというのは,これからの試行錯誤だと思いますが,安全に関して個別のいわゆる技術要素だけではなくて,そういうものをきちんと評価する安全マネジメントシステム等を,もし可能であれば,検討の枠組みを少し幅広に,安全のベースとなるものをどのようにチェックすればいいかということを含めて,御検討いただければと思います。

【事務局(有林企画官)】  ありがとうございます。大変貴重な御意見ありがとうございました。頂いた意見につきましては,関係者とも共有させていただきまして,できるだけ対応する方法で検討させていただきたいと思います。本当にこのような御意見いただけるのは大変有り難いと思っておりまして,委員の方々からまさにこれまで長年携わられてきた御知見を踏まえて,今後の運用体制につきまして,こういうふうに改めた方がよろしいという点がございましたら,率直に御意見を頂ければと思っております。ありがとうございました。

【渡邊主査】  ほかに御意見,御質問等ございませんでしょうか。
 はいどうぞ。

【松尾委員】  そういたしますと,今度,体制が変わりましたので,今回結果報告がありますが,こういうことはこれが最後になるような感じなのでしょうか。今後は特にないのですね。

【事務局(有林企画官)】  はい。そういう意味で,報告というのは,事故が起きなかったということですので、そういった意味で,メール等で,情報共有させていただくことはあると思いますが,今回のように会議を開いて受けるということは,今のところは考えてございません。

【松尾委員】 わかりました。

【渡邊主査】  よろしいですか。

(3)その他

【渡邊主査】  それでは,最後のその他ですが,事務局から連絡事項等ありましたら,よろしくお願いします。

【事務局(有林企画官)】  それでは,会議資料と議事録の公開について申し上げます。
 本日の会議資料でございますけれども,こちら,部会の運営規則に基づきまして,後日,文科省のホームページにて公表させていただきます。
 また,議事録につきましても,後日,委員の方々に御確認いただいた後で,こちらにつきましてもホームページで掲載させていただきたいと思いますので,よろしくお願いいたします。
 以上でございます。

【渡邊主査】  それでは,以上できょうの議事を終了したいと思いますが…。
 はいどうぞ。

【馬嶋委員】  この委員会にはこのような安全結果報告も出ないというお話であって,これもメールで送りますというようなお話なのですが,親委員会には報告が上がるのですか,それとも全然報告はなしになるということですか。親委員会か別の委員会か……。

【渡邉主査】  参考ですが,親委員会の中で議題として入れるかどうかということは,小委員会での報告を上げるということで,ここでの審議がなければ親委員会での審議もなくなると思います。

【事務局(有林企画官)】  親委員会の方では,どちらかというと,それぞれJAXAなりそれ以外の事業者とかが行ったイベントの紹介ということで,例えばこんな衛星が打ち上がりましたよというような形の報告はさせてはいただいているのですが,これまでのように,この小委員会でこういうような審議をして,それがこういうふうになりましたというような,小委員会からの報告というような形は,考えてございません。どういった形で利用部会に情報提供させていただくのかという点については,引き続き利用部会の委員の方々と議論させていただきながら,進めたいと思っています。

【馬嶋委員】  この会議では,安全に終わりましたという一言ではなくて,どういうことを,細かい点までも,何かなかったかとか,そういうことが非常に重要であるという議論をしてきたはずなので,そういう報告が全くなくなってしまう。ここで報告が出てきたのは進歩だと思っていますが。

【事務局(有林企画官)】  そうですね。そういう意味では,まさに事前に許可なり審議をする一連の流れとして,最後,何もなかったですねというような報告の流れに今なっていると理解しているのですが,そちらの許可・審議する権限自体が内閣府に移っておりますので。

【馬嶋委員】  いや,だから,内閣府でこういうものが出てくるのであれば,いいですよ。

【事務局(有林企画官)】  結果としてということですね。

【馬嶋委員】  はい。

【事務局(有林企画官)】  わかりました。内閣府としての進め方自体については,まだ話は伺ってないので即答はできませんが,いずれにしても,こういう結果自体が対外的にどのように出ていくのかというところにつきましては,事務局として1回引き取らせていただいて,検討させていただければと思います。

【門脇委員】  今の意見にもちょっと関係するのですが,結果として打ち上げが成功でしたという場合でも,ひょっとすると何らかの不具合、もしくは好ましくない事象が途中で起こったが,それは何らかの手段で解決をして,結果的に成功しましたというようなケースも起こり得ると思います。そういう場合に,例えば技術的な原因等をどこかできちっと明らかにして,二度と起きないような対策をとるということが必要になると思うのですが,そういうことが行われる場というのはどこになるのでしょうか。

【事務局(有林企画官)】  そういう意味では,今の点は,まさに技術的な観点ですので,何かの打ち上げを行った段階において,そういうようなトラブルが,大きな事故には結びつかなかったが,今後もしかしたら大きなものにつながるかもしれないような小さなミスが見つかった場合等につきましては,実際に打ち上げの実施主体であるところと連絡をとりながら,場合によっては打ち上げの後,今後につながる話ですので,ここの小委員会なりの場において委員の方々に御説明をさせていただく、このような会議を開くのがいいのか,実際に内容をまとめたペーパーなりを先生方に共用させていただいて,意見なりを求める形がいいのかというところは,その場になって,規模自体の軽重を見ながら判断させていただきたいと思います。こちらの委員会の趣旨自体が,まさに事故があったときにどうするかという話ですので,そこに関連するようなもの等につきましては,委員の方々の御意見を踏まえながら,必要があればこういった小委員会を開催させていただくようなことも,事務局として検討したいと考えております。

【渡邊主査】  よろしいですか,ほかに何かございますか。
 大きな仕事に係る法律の変わり目,システムの変わり目ですので,柔軟に意見を交換しながら進めていければというふうに希望いたしますので,よろしくお願い申し上げます。
 それでは,本日の議事はこれで終了いたしました。これで閉会とさせていただきます。
 どうも皆様,ありがとうございました。


以上


 (発言者については敬称略)

お問合せ先

研究開発局宇宙開発利用課