宇宙開発利用部会(第66回) 議事録

1.日時

令和4年4月22日(金曜日) 10時00分~12時00分

2.場所

Web会議

3.議題

  1. 陸域観測技術衛星2号(ALOS-2)プロジェクト終了審査の結果について【審議事項】
  2. 革新的衛星技術実証3号機の概要および打ち上げスキームの一部変更について【報告事項】
  3. 令和4年度文部科学省宇宙関係予算について【報告事項】

4.出席者

委員

部会長 村山 裕三
部会長代理 鈴木 桂子
臨時委員 大西 卓哉
臨時委員 笠原 次郎
臨時委員 芝井 広
臨時委員 白井 恭一
臨時委員 髙橋 德行
臨時委員 山崎 直子
臨時委員 山室 真澄
臨時委員 吉田 和哉
臨時委員 米澤 千夏

文部科学省

研究開発局宇宙開発利用課長 福井 俊英
研究開発局宇宙利用推進室長 国分 政秀
研究開発局宇宙開発利用課宇宙連携協力推進室長 須藤 正幸
研究開発局宇宙開発利用課企画官 笠谷 圭吾
研究開発局宇宙開発利用課課長補佐 田渕 敬一
研究開発局宇宙開発利用課課長補佐 溝田 岳
研究開発局宇宙開発利用課課長補佐 横井 奈央
研究開発局宇宙開発利用課課長補佐 木元 健一

(説明者)
国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)
 理事 寺田 弘慈
 理事 石井 康夫
 第一宇宙技術部門技術領域上席 祖父江 真一
 宇宙輸送技術部門イプシロンロケットプロジェクト プロジェクトマネージャ 井元 隆行
 研究開発部門研究戦略部部長 稲葉 典康
 研究開発部門第四研究ユニット 金子 豊

5.議事録

【村山部会長】 それでは始めさせていただきます。定刻になりましたので、宇宙開発利用部会の第66回会合を開催いたします。
 本日も新型コロナウイルス感染防止のため、前回同様にオンラインでの開催になっております。委員の皆様には御多忙のところお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。
 それでは、事務局から本日の会議に関する事務の確認をお願いいたします。
 
【笠谷企画官(事務局)】 文部科学省事務局でございます。
 本日は、宇宙開発利用部会に御所属いただいている16名の委員の先生方のうち、11名の委員の先生方に御出席いただいております。運営規則に定める定足数の要件を満たしております。よって、本日の会議が成立していることを御報告いたします。
 次に、本日の資料ですが、議事次第のとおりです。
 オンライン状況について、音声がつながらない等の問題等がございましたら、事務局へメール、電話等で御連絡ください。
 なお、本日の議題は3件あり、そのうち最初の議題、陸域観測技術衛星2号プロジェクト終了審査の結果についてのみが審議案件です。
 事務局からの事務連絡は以上です。
 
【村山部会長】 どうもありがとうございます。
 それでは議題に入らせていただきます。
 最初の議題は、陸域観測技術衛星2号――ALOS2のプロジェクト審査終了の結果についてです。
 それでは、JAXAの寺田理事、どうぞよろしくお願いいたします。
 
【寺田理事(JAXA)】 JAXA第一宇宙技術部門長の寺田です。
 ただいま紹介がありました陸域観測技術衛星2号――だいち2号は、2014年5月24日に打ち上げられ、設計寿命である5年間の定常運用、その後の2年間の後期利用運用を踏まえて観測運用を実施してきておりまして、現在も運用中であります。
 本日の審議は、あらかじめ運用期間終了時点でのプロジェクト評価についてということで、JAXAにおいてこの評価は昨年末プロジェクト終了審査という形で行いましたので、その結果を報告いたします。
 報告の最後に今後の運用についても述べさせていただきますが、ALOS-2の運用を終了するわけではないということをあらかじめ申し上げておきたいと思います。
 それでは、詳細につきましては、元ALOS-2のプロジェクトマネージャで、現在ALOS-2の運用の責任者である祖父江から説明させていただきます。
 
【祖父江上席(JAXA)】 それでは、今、寺田理事からも御紹介いただきましたが、JAXA第一宇宙技術部門でALOS-2の担当をしております祖父江です。もともとプロジェクトマネージャをしておりまして、プロジェクト終了後の現在もALOS-2の運用の責任者として従事しております。
 それでは、資料の御説明に入ります。次のページをお願いいたします。
 今、寺田からも御紹介させていただきましたが、ALOS-2に関しましては2014年5月24日に打ち上げを行いまして、その後運用を続けております。
 こちらに関しては宇宙開発利用部会においてもプロジェクトの運用状況等を御報告させていただいたところでございますが、昨年におきまして7年間の運用ということで、全てのサクセスクライテリアを達成しまして、プロジェクトとしては12月に終了いたしました。
 ただ、先ほど寺田からも申したとおり、これによって運用を止めるわけではなく、運用は継続しますが、プロジェクトチームとしての開発運用の目標は達成しましたので、プロジェクトチームは解散しております。ただし運用については引き続き行うということで、私自身もプロジェクトチームの解散後、衛星運用利用センターに移りまして、そのまま観測運用を継続しております。
 本資料の位置づけになりますが、宇宙開発利用部会における評価の進め方に従いまして評価をお願いするものになります。
 ただし、目的、開発方針、開発計画については既に宇宙開発委員会で事前評価を受けておりますので、それ以降の運用のところ等のプロジェクト全体の開発、運用のところの審査をお願いするものになります。
 次のページをお願いします。
 これはJAXAの中での審査会の位置づけになりますが、先ほど申したように定常運用の5年間が設計寿命になります。それからその後の2年間を足して、目標寿命の達成のところまででプロジェクトが終了するということでALOS-2は実施してきております。
 繰り返しになりますが、プロジェクトとしては昨年度末に審査会を行って終了しておりますが、運用そのものはその時点で設定した後期利用運用その2ということで、運用を継続するということで審査をしております。
 次のページをお願いします。
 こちらは今日の御報告の概要になります。時間の制約もありますので、ALOS-2の概要については非常に簡単に説明させていただきまして、その後、達成の結果、成果等について主に御説明したいと思います。
 次のページをお願いします。
 ALOS-2は御案内のとおり合成開口レーダー単独の衛星になります。前号機のALOSに比べて、光学とSARという形ではなくて、SARだけを搭載している衛星になります。
 SARによって観測することによって、昼夜、天候を問わず観測できるというのが大きな特徴になります。
 プロジェクトの開発経費は約374億ということで、計画どおり完了しております。
 次のページをお願いします。
 これがスケジュールになります。
 開発は2009年から始めまして、2014年の打ち上げ、5年間の定常運用、2年間の後期運用を経まして、現在後期運用その2ということで運用を継続しております。
 その間に、下にありますように、定常運用終了、後期利用運用終了、プロジェクト終了等を行ってきております。
 次のページをお願いします。
 ALOS-2は、先ほど申したように合成開口レーダーということで、昼夜、天候を問わず観測できる衛星であることが大きな特徴になります。
 この機能を使いまして、地殻の変動、地盤の変動等の把握、森林の把握以外の分野、例えば海氷船舶や測量安全保障等の分野においても使えるということで、このような目的を代表例として挙げております。
 次のページをお願いします。
 こちらはちょっと細かいので個々には御説明いたしませんが、先ほど識別した公共の安全の確保、国土保全、食料安全、資源、主に森林についての地球規模課題、並びに技術開発に関して、それぞれ5年間の定常運用及び7年間の目標寿命の中でそれぞれサクセスクライテリアの目標を達成してきているという形になります。
 ちなみに定常運用のときに達成できなかったのは、技術開発の中の一番下のエクストラサクセスの7年間の運用で、こちらは後期運用が終了した時点で達成したということで、全てのサクセスクライテリアを達成しております。
 次のページをお願いします。
 代表的な例を簡単に説明する前に、まず技術開発のところの強みといいますか、特徴を御説明します。
 先ほど御説明を簡単にさせていただいたように、前号機のALOSは光学とSARが両方載っていましたが、ALOS-2はSARだけを引き継いでいる形になります。光学はALOS-3のほうに行っています。
 この間、日本としてはJERS-1という最初の衛星からLバンドの衛星の運用開発を継続的に続けておりまして、JERS-1から比べると、空間分解能を18メートルから3メートル、そして単独衛星にしたことで観測の自在性を増やしていること、ユーザーの要求に従って朝6時までにデータを必ず渡すことで、夜12時と昼の12時に観測数期を入れているところが前号機とは違っているところになります。
 次のページをお願いします。
 これは今ほぼ申しましたので特にここで御説明はしませんが、キーワードとしては、迅速性を増すということで、右にも左にも衛星本体を振ることによって、前号機に比べてSARでの観測の最短での観測時間を早くしているところ、それから軌道の制御をより精密に行うことによって干渉処理という、2回の観測の差分を取ることによってどれだけ地殻が動いたかが分かるという処理があるのですが、そういうものをやるために高度な衛星の軌道保持を行っているということ、それから先ほど申したように18メートルから3メートルに高分解能化しているというところが大きな特徴になります。
 次のページをお願いします。
 もう一つ大きな特徴としましては、そういうふうに自在性があることとともに、観測計画を事前にユーザー機関と共有するという形が大きなこの衛星での特徴となっています。
 ですので、運用そのものをユーザーと一緒にやっているという形で、事前に、あるいは直前でも、例えば災害が発生したときにその観測要求を受け付けて、どこを撮れるかという情報は既にユーザーが知っていますので、そのうちで一番欲しいところをユーザー側から入れていただいて、それに対して観測を行うということで、非常に自在に観測を行うというところが大きな持ち味となっております。それによってユーザーも自らの衛星という意識が非常に高くなるという形になっています。
 次のページをお願いします。
 そういう枠組みの中で、防災に関しては内閣府の防災担当との包括的な枠組みに従い各府省で使っていただいています。国際的には、センチネルアジア、国際災害チャーターという国際連携のところと協力し、ALOS-2のデータを渡す代わりに各国の衛星のデータをもらうことによって時間分解能を補完するということをやっております。
 また、自治体においても、選定されている自治体との間での防災に関する利用の取決めを結びまして、協力関係を結んでおります。
 次のページをお願いします。
 実際に災害の分野に関しては、先ほどの地殻変動が一つ大きなキーワードになるのですが、地殻変動に関係するようなもので火山性の地殻変動、地震、洪水、土砂崩れ、特に土砂崩れに関しては、日本の森林域を観測するのに、Lバンドが植生を透過するという大きな特徴を持っていますので、XバンドやCバンドではなかなか難しいところがLバンドでは見られるということ、特に森林域の土砂崩れ等を見るのにはLバンドが有効ということで、ALOS-2がよく活用されています。
 次のページをお願いします。
 これがその一例になります。実際にALOSに比べて15倍以上の緊急観測を行ってきています。
 先ほど申したように、森林域に関しては土砂崩れを速報的に、特に夜間見るというのは光学衛星でもできないということで、まずはどこで土砂崩れが起こっているかの当たりをつけ、夜中に観測したALOS-2のデータを使って、朝から実際に防災ヘリを飛ばすという形で、被害域の推定をより効率的に行うという形で使われるようになってきております。
 当然昼間であれば、光学衛星あるいはヘリ等でのより詳細な観測ができるのですが、夜間は、こういう形でなかなか情報が得にくいところを広域で、まずスクリーニングをALOS-2の合成開口レーダーの衛星で、特に森林域みたいになかなか人がアクセスしにくいところを撮るという形が大きな特徴になっております。
 次のページをお願いします。
 それ以外は簡単に御説明したいと思いますが、船舶監視での船舶の検出では、ALOS-2になって初めてAISと合成開口レーダーが同時に載っているため、その両方を使って船舶の動きを検出します。不審船などはAISを切る傾向もありますので、AISがなくなったところはレーダーでどちらに向いているかを見るという、組合せで利用できる初めての衛星になっています。また、油漏れ事故等でも使われております。
 次のページをお願いします。
 平時に関しましては、定常的に日本国土を見ていきます。災害が多い日本の国土は、事前からちゃんと見ていて、予兆がないかどうかを見るのが非常に重要であるということで、国土地理院と協力し、少なくとも年に4回は同じところを撮るという形で観測をしています。重点域である火山あるいは地盤沈下等の激しいところに関しては、日本国を撮った全てのデータを国土地理院に渡していますので、国土地理院で解析処理を行って、自治体等に対して地理院SARマップという形で公開されています。ただ、これは一般に公開するといろいろ不都合もありますので、こちらに関しては自治体等に特化して、利用登録をした人に対して公開しているものになります。
 次のページをお願いします。
 JICAとの協力の中では、熱帯域全体を年に9回カバーし、森林の1.5か月ごとの変化量を見ていくという協力関係で、データをこの熱帯域の各国に対して公開しています。77か国に対してこのデータを逐次定常的に公開しています。これもLバンドだからこそできるものになっています。
 次のページをお願いします。
 ここからは簡単に代表例だけを御説明したいと思っていますが、先ほどのようにJAXA側で見た形だけではなくて、JAXAから見たという形にはなるのですが、アウトカムということでも識別をしております。例えば公共の安全確保であれば、先ほどから御説明したようにALOS-2が定常的に使われることで災害監視、特に発災後の緊急観測を行う形で使われるようになってきています。それは我々が「使われる」と言っているだけではなく、利用省庁のほうできちんと防災基本計画あるいは防災業務計画等に記載していただいて、衛星を使って「観測していい」あるいは「観測できる」と書かれています。
 さらに、そういうデータをどう読み解くかというマニュアルも、中央省庁だけではなくて自治体でも積極的に使われているということで、ユーザー自らどう使えるかということ、それから自分のところの業務にどう反映できるかというところが明記されるようになってきているのが大きな成果だと考えております。
 ほかにも同じようなことがありますが、時間の関係で、後でお読みいただければ幸いと思います。
 次のページをお願いします。
 こちらも同じような話になりますが、後で出てくるので飛ばします。
 次のページをお願いします。
 今説明してしまいましたが、防災基本計画等に書いていただくとともに、利用省庁で作っているガイドラインにも書いていただいているということで、より丁寧に使い方等も共有しながらトレーニングをやるということで、防災の訓練等でもALOS-2用の予行演習をするという形もしながら、対話を密にしてこういう形まで至っているというところになります。
 次のページをお願いします。
 定常的な利用になりますが、こちらは民間との利用にもなるのですが、日本の高齢化や人材不足も出てきますので、これからは広域の大規模インフラに関しての老朽化のモニタリングということで、先ほどの災害と同じように、一次スクリーニングのために衛星データが使えないかという活動がSIP等においても進んできています。
 その中でインフラのモニター用のツールをJAXAでも開発しまして、こちらについては公開するとともに民間利用を促進してきています。
 実際に利用の申請が土木のコンサルタント会社や電力会社や航測会社等からあり、港湾や道路等の様々な大規模インフラで使えるかどうか、沈降やゆがみがあるかを、レーダーの干渉処理という先ほどの地殻の移動と同じような使い方をして見られるということで活用していただいております。
 次のページをお願いします。
 こちらは国際協力になりまして、ALOS-2は非常に優秀な衛星ですが、さすがに1機だけでは時間分解能が足りないということもありますし、細かなサービスを国際的に行うという意味では我が国だけではなかなかできないというところもありますので、後継的な協力ということでヨーロッパ、アメリカ、カナダ、イタリア等々の間ではお互いの衛星データあるいは地上のデータ等の交換をしながら利用の推進をします。
 それからアジアに関しては、特に植生の多いところ、あるいは農業に関してはALOS-2のデータを提供して、向こうの宇宙機関で各省庁と協力していただいて利用を推進するという枠組みをつくっております。具体的にはインドネシア、ベトナム、タイ、フィリピンとの協力を持っております。
 次のページをお願いします。
 これは行政とかの実利用だけではなくて、研究でもLバンドが非常に使えるということで、7年間観測したデータがたまっていて、非常に多くの査読つきの論文があり、h指数というインパクトファクターも非常に大きくなっています。これは1本当たりの査読論文がどれだけ引用されるかというファクターになりますが、定常運用終了5年間では29だったのが、7年間経つとさらにデータがたまっているということで、105まで上がっており、科学的にも使われているということの証左になると考えています。
 次のページをお願いします。
 先ほど寺田からも申しましたように、繰り返しますが、ALOS-2の運用が止まるわけではなく、後期利用運用ということで継続しております。
 この中では、さらにLバンドのデータの特徴を生かしながら利用の継続をするということに加えまして、今後の国際連携等も踏まえて、LバンドとCバンドとXバンド並びに光学との組合せによるデータにより、ユーザーの視点に立った情報のサービスをどうつくれるか、さらに特定の場所に関してはより高頻度に観測をしていって、より詳細な変化量が出せないかというトライアルを特定の場所に対して利用機関と行うことを考えております。
 こういう形に沿った運用を継続していくことで、その2という継続を開始しているところでございます。
 次のページをお願いします。
 最後になりますが、JAXAの中でのプロジェクト終了審査会の結果でございます。
 こちらについてはお読みいただければお分かりになると思いますが、全て妥当であるという審査結果をいただいております。
 先ほども申したようにエクストラサクセスを含む全てのサクセスクライテリアを達成しているとともに、社会的、特に利用機関との間での協力関係をつくりながら、利用機関にとって一つの有用な資産であるということで明記されてきているとともに、国際的にもLバンドの衛星は日本のものだというところで、ぜひ日本と協力したいという形で国際協力が進んでいると思われ、このような評価をいただいていると、運用してきた僕から見たら理解させていただいております。
 早口で申し訳ありませんでしたが、御説明は以上とさせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。
 
【村山部会長】 祖父江さん、どうもありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明について御意見、御質問があればお願いいたします。
 白井委員から手がまず挙がっていますので、白井委員、お願いいたします。
 
【白井委員】 白井でございます。御説明ありがとうございました。
 審議事項についてというか、この衛星のプロジェクトとして大成功、大活躍はもう何の質問もないのですが、関連して教えていただきたいと思った点があったので御質問いたします。
 一つは、後期運用のその2がまだこれから続くということですけれども、これは大体何年ぐらいなのか、あるいはこれは想像ですけれども、ALOSの4が運用を開始するまでというイメージを持っているのですが、それで正しいでしょうか。これが一つ目。
 もう一つは、最後は廃棄というのが資料のどこかに書かれていたと思うのですけど、高度的に600キロちょっとだったと思うので、上にも下にも廃棄しづらいと思うのですけど、比較的大型の衛星でもありますので、廃棄についてどういうプランをお持ちなのかを簡単に御説明いただければありがたいと思います。よろしくお願いいたします。
 
【村山部会長】 それでは、その2点についてお答えいただけるでしょうか。
 
【祖父江上席(JAXA)】 ありがとうございます。多分二つ目のほうから御説明したほうが簡単だと思いますので、そちらから御説明させていただきます。
 やはり国際的なデブリの規制というのがありまして、自由落下で落ちる軌道に下ろしておかなければいけないというところがございまして、それがALOS-2の場合、628キロから600キロに下ろすという形になります。
 ですので、600キロに下ろすための燃料だけを残しておけば、逆に言えば運用が継続できるという形になりますので、燃料の残量を見ながら運用はできる限りは続けたいというところが今のところの考え方になっております。
 なので、燃料とそれ以外の管理部品、それから電力等も見ながら運用を続けるので、やはり一番ネックになる燃料のところに関して見ながらの形になりますが、今のところ特に問題があるようなことも何もないので、何年というのはまだこの段階では言えないのですが、相当の間続けられるかなと、運用している側としては期待しているところでございます。
 
【寺田理事(JAXA)】 若干寺田から補足させていただきますが、現在運用中の衛星で、特にいわゆる後期運用になっている衛星については、後期運用を終えた衛星と言ってもいいのかもしれませんが、それについては、毎年毎年衛星の運用の意義・価値、それから御指摘にあったデブリにならないように衛星の健全性を評価して、それと観測の継続の意義・価値をそれぞれ毎年判断して運用の継続をしているところです。
 ALOS-2におきましても、まずデブリにならないしかるべき高度に衛星が下げられるという、その衛星の健全性を評価して、それで衛星の運用を継続しておるところになります。
 したがいまして、いつまで運用できるかということについては、毎年毎年の判断になろうかと思っております。
 以上です。
 
【村山部会長】 白井委員、そういう説明で御理解いただけたでしょうか、いいでしょうか。
 
【白井委員】 よく分かりました。ありがとうございました。
 
【村山部会長】 ありがとうございます。
 続きまして、米澤委員、お願いいたします。
 
【米澤委員】 どうもありがとうございました。実は大変ALOSシリーズにはお世話になっております。
 それでお聞きしたいのですけれども、ALOS-4のお話が出てきたのですが、それの打ち上げの予定といいますか準備状況について教えていただければと思います。ALOS-3がちょっと遅れていて心配なところです。よろしくお願いいたします。
 
【村山部会長】 お願いいたします。
 
【寺田理事(JAXA)】 こちらも私のほうからですが、ALOS-4については順調に開発を進めております。
 多分御指摘の点は、それがいつ打ち上がるのかということですけれども、それについては、今ロケットの開発の状況を踏まえながら、我々の目線では答えを待っているという状況になっております。
 衛星のほうの開発は順調であります。
 ちょっと十分なお答えではないかもしれませんが、よろしくお願いします。
 
【米澤委員】 分かりました。状況は何となく理解できました。どうもありがとうございます。
 
【村山部会長】 ありがとうございます。
 続きまして、山崎委員からお願いいたします。
 
【山崎委員】 ありがとうございます。山崎です。
 ALOS-2のいろいろな成果がまとめられていて、すばらしいことだと思います。
 今回特に利用に関しても力を入れられていたということがとても印象深かったのですが、ページでいうと資料の7ページに大体当たると思います。
 今までも実証に関しては非常に宇宙の分野というのは進むのですが、そこから実際の社会に実装するにあたってまだまだ壁があるところがあるわけですけれども、今回その実証からある程度実利用状態になったというところも出てきていることが喜ばしいと思います。
 また、片や防災計画、地域防災などに関しては、まだまだJAXAと契約をしているところが、全自治体数に比べるとまだ1割弱というところでして、これを今後全国展開するにあたっては何が課題と考えていらっしゃるか教えていただければ幸いです。お願いいたします。
 
【村山部会長】 ありがとうございます。そのあたり、社会の実利用というポイントですけれども、いかがでしょうか。
 
【祖父江上席(JAXA)】 ありがとうございます。
 その点は非常に我々も苦慮しているところでして、JAXA側が幾ら頑張っても、利用される自治体、特に中央省庁やそれなりに大きな自治体等はよろしいのですが、例えば市のレベルあるいは町村レベルまで使っていただこうとすると、対話していって実際に相手方で使ってくれる営業のほうの職員の方々がやはりいろんな業務をやられているということで、最終的な情報になっていないと使えないというところもあって、先ほどお見せした、衛星はここが撮れますよといっても、いつ撮れるかとか、そこまで見るというところまでは、その自治体の職員さんにお話しするというわけにはなかなかいかないというところが正直あります。
 それからALOS-2が1機だと、いろんな自治体から実は手を挙げていただいて非常に喜ばしいのですが、こことここを一緒に同じ日に撮ってくれと言われると実は撮れないということもありまして、複数の衛星とどう分担しながら撮るかというところでも、国際連携あるいは官民連携が今後必要だと思っています。
 なので、直接的なお答えにはならないかもしれないのですが、なるべくユーザー側のニーズも聞きながら我々としてもできる範囲をやっていますが、ある程度以上のところはやはり情報としてサービスする民間、あるいは関係の府省と協力しながらやっていかないと、なかなか全自治体というのは進まないかなと思っているところでございます。
 以上になります。
 
【村山部会長】 山崎委員、いかがでしょうか。
 
【山崎委員】 御説明ありがとうございます。ぜひ今後ともユーザーの意見を聞きながら、設計あるいは構想に生かしていき、また、国の防災基本計画の中に人工衛星が追記されたことはとてもすばらしいと思いますので、これをどう実装していくかにあたって、ぜひいろいろな関係省庁と議論を加速していただければと思います。よろしくお願いいたします。
 
【村山部会長】 ありがとうございます。
 非常に重要なポイントでして、これをやることによってかなりいろんな課題が見つかってきたような感じを受けていますので、その課題を一つ一つクリアする形で社会実装をこれからも進めていっていただければと思います。
 ほかは御意見いかがでしょうか。どこも手が挙がってないですけれども、いいでしょうか、御意見ありませんでしょうか。
 
(「なし」の声あり)
 
【村山部会長】 それでは、審議事項が評価ということですけれども、これまでの審議を踏まえまして、資料66-1についてのJAXAの評価どおりということでいいでしょうか。異論はありませんでしょうか。特に評価についてはあまり大きな異論は出なかったと思うのですけれども。いいでしょうか。
 
(「異議なし」の声あり)
 
【村山部会長】 それでは、異論がないようですので、決定とさせていただきます。どうもありがとうございました。
 それでは、次の議題に移りたいと思います。
 あ、米澤委員、いいですか。
 
【米澤委員】 せっかくなのでお願いします。データ提供についてですが、アーカイブデータは全くフリーでしょうか。研究者は使わせていただけているのですけれども。
 
【祖父江上席(JAXA)】 二つございまして、一つは政府のほうのテルースのプラットフォームに載っておりまして、政府のテルースのプラットフォームの上だと今現在そのままどなたでもテルースに登録されている方々は使えます。という形で、研究者だけではなくて、政府のプラットフォーム上で利用を進めるという形の協力を関係する府省と一緒に進めております。以上になります。
 
【米澤委員】 ありがとうございます。テルースの処理レベルは高次レベルのみでしたか。
 
【祖父江上席(JAXA)】 すみません。細かいですが、いいですか。
 
【米澤委員】 すみません、細かい話、ええ。
 
【祖父江上席(JAXA)】 テルースは1.1と2.1と両方載っております。
 
【米澤委員】 分かりました。どうもありがとうございました。
 
【村山部会長】 どうもありがとうございます。
 それでは、次の議題に移らせていただきたいと思います。
 二つ目の議題は、革新的衛星技術実証3号機の概要及び打ち上げスキームの一部変更についてです。
 JAXAからの資料説明に続き、文部科学省事務局からも補足説明が上がります。
 それでは、まずJAXAの石井理事、お願いいたします。
 
【石井理事(JAXA)】 ありがとうございます。JAXAの石井でございます。
 株式会社IHIエアロスペースは今後のイプシロンSの打ち上げサービスを担われるわけですが、今回その株式会社IHIエアロスペースから商業打ち上げの実現を加速するという提案をいただきました。
 文科省を含め、関係の皆様と調整、御相談を重ねてまいりまして、関係の皆様の御協力の結果、革新実証3号機の意義を維持しつつ打ち上げスキームを変更するという案が成案いたしましたので、本日御報告させていただきたいと思います。
 説明は、まず、研究開発部門の研究推進部の稲葉部長から革新実証3号機のミッションの御説明をさせていただきまして、打ち上げスキームの変更につきましては、宇宙輸送技術部門の佐藤事業推進部長から行わせていただきたいと思います。
 それでは、稲葉部長、お願いいたします。
 
【稲葉部長(JAXA)】 ありがとうございます。
 まず、3号機の開発を所掌しております研究開発部門からプログラムの概要、それから3号機の概要について御説明を差し上げたいと思います。
 プログラムの位置づけでございますが、本プログラムにつきましては、昨年の9月27日に宇宙開発利用部会で、2号機の打ち上げに先立ちまして、2号機の開発状況、それから3号機の状況についても御報告を差し上げましたので、おさらいということになりますけれども、簡単に御説明します。
 基本計画の中で、大学や研究機関の新規の衛星技術の実証機会、それから事業化につながる技術についての機会を提供するというものが本プログラムの目的でございます。
 長期にアイデアを実証するということで、2年程度の定期的な短いインターバルの中でこれを実現するというのが大きな特徴でございます。
 成果は、我が国の衛星の短期開発、低コスト、産業界の競争力強化につながりますとともに、人材育成の面でも大きな目標を掲げてございます。
 2番にプログラムの目的とありますが、今、私が申し上げましたようなA、B、C、D――産業育成、利用の拡大、ビジネスの創出、そして競争力の強化というカテゴリーを設定いたしました。この四つは、実証機関を公募して応募いただく際のカテゴリーのキーワードとして掲げて、どういう目的に合致するかを提案者に御提案いただく項目にもなってございます。
 次のページをお願いします。
 3号機の概要でございます。1号機、2号機につきましては本資料のアペンディクスにございまして、それぞれ2019年、2021年度の実証をいたしましたけれども、その3番目の衛星ということになります。
 打ち上げは今年度を目指して開発を実施中でございます。
 この3号機でございますけれども、概要の二つ目のポツにございますが、これは衛星9機の集合体ということが特徴でございます。
 集合体と申しますのは、次に主な実証テーマとございますけれども、テーマは(1)、(2)、(3)という実証形態ごとに募集をしております。
 最初のカテゴリーは、部品・コンポーネント・サブシステムの実証ということで、例えば通信機や電子部品、あるいは推進システムという衛星の中の一部を構成する要素についての実証ということになりますので、これを衛星の中に仕立てて実証する必要が生じます。
 そのために、真ん中に図がございますけれども、JAXAで100キロクラスの小型の衛星を造りまして、この中に申し上げました部品・コンポーネントを実装して、実証するというものを造っております。
 この衛星が1機、100キロ級のものが3号機にはございます。
 それから(2)と(3)は、それぞれ超小型衛星ということで、50キログラム級の衛星になります。
 今回の提案の中では、御覧いただくX線の観測、それからガンマ線の突発天体の観測というテーマを掲げた小型衛星50キロ級でありまして、これは実証テーマの提案機関が全て衛星の製造まで行って、JAXAに打ち上げのために供するということになってございます。
 それから3番のキューブサットは、1キログラムから3キログラムクラスの超小型キューブサットの衛星でございまして、これにつきましても実証機関が自ら造ってJAXAに提供するということになります。今回は5機のテーマが選定されております。
 これらのテーマにつきましては、詳細は次のページをお願いします。
 こちらに今、私が申し上げた内容が掲げられております。
 一番上に七つの項目がありまして、これが部品・コンポーネント・サブシステムの実証ということで、右側から二つ目の欄に提案機関がございますけれども、通信事業者様、レガシースペース、ニュースペースという幅広い方々からも御提案をいただいております。
 これがJAXAの造る100キログラム級の衛星の中に実装されるということになります。
 その下のグリーンの三つのテーマですけれども、これが50キロ級の衛星になりまして、今回は全て大学からの提案が選定されてございます。
 一番下はキューブサットでございますが、今回は御覧いただくような5個の衛星が選定されております。
 特徴的なのは、中ほどにございますけれども、2号機から、大学ではなくて工業高等専門学校からの御参加もいただいておりまして、そういう意味でプログラムの目的の人材育成にも貢献してございます。
 私の説明は以上です。
 
【佐藤部長(JAXA)】 それでは、次のページから、イプシロンロケットを所掌しております輸送部門の佐藤のほうから、スキームの変更ということで御説明させていただきます。
 次のページ、6ページをお願いいたします。
 先ほど説明のありました革新実証3号機、9機の選定が進んでおりまして、その打ち上げに向けて準備をしていたところだったのですが、イプシロンの6号機の後に打ち上げを予定しておりますイプシロンSというロケットの打ち上げサービス事業者として株式会社IHIエアロスペース――IA社を選定しておりますけども、IAが商業受注活動の中から株式会社QPS研究所の小型SAR衛星2機を交渉の上取ってきまして、この搭載の提案について文科省と連携しながら、どうできるかという検討、協議をしてまいりました。
 後ほど御説明しますが、イプシロンロケットの利用拡大の観点での意義があるということも踏まえまして、革新3号機の意義を保ちつつIA社の提案に協力していくことが可能という結論に至りました。
 QPSの小型SAR衛星2機を6号機に搭載することでの打ち上げスキームの変更、それからその中で将来のイプシロンSへの民間移管を見据えた役割分担の明確化を図ることで仕組みの構築をいたしました。
 下の図を見ながらお聞きいただければと思いますけれども、左側が当初の打ち上げスキームということで、先ほどありました9機の衛星を6号機に搭載することで構築してございました。
 今回IAからの提案を受けまして、右のスキームに変更してございます。
 右に小型SAR衛星2機(有償)と書いてある赤い枠がございます。ここを新たに搭載することにいたしました。
 このSAR衛星の重量等を勘案しますと、能力的に6号機オンリーでは打ち上げられないということになります。
 そこで、50キロ級の超小型衛星、金沢大学、東京工業大学、静岡大学の3衛星につきましては、右側のようにIAが別のロケットにて打ち上げをするということで、別のロケットとイプシロンを合わせまして、トータルで革新3号機に対応する形を取ろうということにいたしました。
 この新しいSAR衛星を載せるための搭載構造の開発が新しく必要なのですが、その整備と別ロケットによる3衛星のサービス調達はIAが行うという形のスキームで合意したということになってございます。
 次のページをお願いいたします。
 こちらに意義ということで少しまとめさせてもらいました。後ほど文部科学省からも御説明がありますけれども、このイプシロンによる小型衛星群の打ち上げが実現すれば、今、基本計画にも民間の衛星コンステレーションの促進と利用拡大というのも書かれており、これに係るイプシロンの利用価値や政策実現への貢献が直接示せるということと、以下の観点でのポジティブな効果を得る可能性があるということで三つほど書かせていただきました。
 こういった形で商業受注を拡大していくという目標を立てておりますが、これに向けて、この受注によって国際競争力の強化につながっていくであろうと考えております。
 また、こういう違った衛星も含めて多様な打ち上げ需要へ対応するということ、それから今後もSARコンステの後続号機の受注をいただければ、イプシロンとしても需要の安定確保ができるだろうということがあります。
 それから丸3としてサービス事業化の促進ということで、少し2ポツ目に書いてございますけれども、先ほどスキームの変更で御説明しましたとおり、IAがまず別ロケットの打ち上げサービス調達を行います。これもブローカー的な役割として新しいやり方ということで、IAにとっても非常にチャレンジングなところかなと思っています。
 それから、今、イプシロンSから民間移管をして、サービスを展開していくということで進めておりますけれども、その前段といたしまして、今回の6号機のスキーム変更の機会を使いまして、IA社の主体性をより重視する取組にしていこうということで合意いたしました。
 ただ、括弧にありますように、現行法令下での打ち上げの実施者はJAXAを維持しつつ、段階的な民間移管の推進を図るという形にいたしました。
 具体的には、今までのスキームとしてはIA社に請負契約で機体の製造を行っていただき、その納入を受けた後にJAXAで発射整備作業あるいはお客さんのペイロードインテグレーションの作業をしていたのですが、この辺も打ち上げ直前までIA社でやって、イプシロンSに向けた準備というところもかなりやっていただくということで、全体として民間移管を推進するという形にさせていただきました。
 右の下に絵がありますけども、イメージですが、こういう搭載の仕方に変わります。
 ちょっと見にくいですけれども、緑色の二つが今回新たにQPSから受ける衛星を表しておりまして、従前からのRAISE-3とこの二つの衛星を載せるねずみ色の新しい搭載アダプター、これもIAが将来のこういったコンステ・ミッションに対応できるような形で自社開発をして、今回に対応するという仕組みになってございます。
 ということで、次のページのまとめに入ります。
 繰り返しになりますけども、まず1項で述べましたように、革新的衛星技術実証3号機におきまして、新たに目的として加えた競争力強化に資するミッションを含めまして、計15件の実証テーマを選定してございます。こちらは小型実証衛星3機、超小型衛星3機、キューブサット5機で構成というプログラム全体の構成になっております。
 二つ目のポツはロケット側ですけども、このイプシロンSロケットの打ち上げ事業者として選定されたIA社の提案につきましては、上記の革新的衛星技術3号機のミッションの意義を損なわない上に、イプシロンロケットの将来の利用拡大の観点で意義を高める取組ということもありまして、同社に協力してスキームの変更を実施して、6号機あるいはIAさんの調達する別ロケットによる超小型衛星3基の今年度内の打ち上げを進めていくこととしております。
 また、イプシロンロケットの射場作業等の役割分担について、IA社の主体性をより高めていく施策を追加ということで、段階的かつ着実な民間移管を推進していくという形で進めたいと思っております。
 説明としては以上になります。
 
【村山部会長】 ありがとうございます。
 では、続きまして、文部科学省のほうから御説明をお願いいたします。
 
【笠谷企画官(事務局)】 文部科学省事務局でございます。引き続き文部科学省からも今回の政策的意義について補足的に説明させていただきたいと思います。
 次のページをお願いします。
 今ほど事業の概要等はJAXAから説明がありましたので割愛させていただきますが、真ん中の星になっているところの意義について申し上げさせていただきます。
 イプシロンは、我が国が自立的に宇宙活動を展開する上で必要なインフラであり、安定的にこれを維持していくためには、政府衛星の打ち上げへの優先的使用に加えて、ロケット打ち上げ市場の競争環境等の動向を踏まえて、民間衛星の打ち上げ需要に対応することによって多くの打ち上げ機会を獲得していくことが重要であります。
 今回の相乗りの実現によって民間衛星の打ち上げの実績を得ることで、今後のイプシロン、イプシロンSの利用拡大への端緒が開かれ、国際競争力の向上につながることが期待されます。
 また、今回の民間衛星打ち上げ受注を契機としたイプシロンの利用拡大を通じて、我が国の宇宙活動の自立性が確保されるとともに、小型衛星事業をはじめとする宇宙利用が拡大し、宇宙産業そのものの拡大、発展につながることが期待されます。
 文部科学省といたしましては、基幹ロケットであるイプシロンロケット、イプシロンSロケットを安定的に運用していくために、いわゆる官衛星だけではなくて、このような民間衛星獲得の機会も捉え、イプシロンロケット、イプシロンSロケットの打ち上げ本数を増やしていくことが、基幹ロケットの安定性、ひいては我が国の宇宙アクセスの自立性の確保につながると考えております。
 また、それに伴いまして、我が国からロケットを打ち上げて、今回のQPSのように、我が国のニュースペースの事業者に使っていただくことによって衛星利用も広がるということで、宇宙産業の拡大、発展につながるということも期待しております。
 文部科学省からの補足は以上でございます。
 
【村山部会長】 どうもありがとうございました。
 では、御意見、御質問があればお願いいたします。いかがでしょうか、新しいスキームということですけれども。いかがでしょうか。
 特にございませんでしょうか。
 
(「なし」の声あり)
 
【村山部会長】 それでは、私のほうから1点だけ。
 このお金の流れという点ですけれども、新しいロケットに三つの大学の衛星を載せるということで、ここでコストがある意味発生するわけですよね。その一方で民間から衛星2機を有償で打ち上げるということで収入が発生すると。このあたりのお金の動きというのはどういう変更になるのでしょうか。ちょっと御説明いただければと思います。
 
【石井理事(JAXA)】 まず、全体的なところを石井のほうから御説明いたしますと、従来のスキームの契約に必要な費用、コストと、打ち上げスキーム変更になって以降もJAXA側の負担は変更にならないものでございます。
 お金の流れという意味では、IAの中で収入があったり、それを別ロケットに仕立てたりというのがあろうかと思いますが、その具体的な金額については我々としては承知しておりません。
 何か補足があれば、佐藤さん、お願いします。
 
【佐藤部長(JAXA)】 佐藤です。今、石井のほうから説明がありましたとおり、IAがQPSから打ち上げを受託します。JAXAは、IAからQPSを打ち上げてほしいという受託をいたします。IAは、一方で別ロケットの調達をいたします。
 そういう中で、JAXAの革新プログラムとしての予算的には一切変わらない仕組みが今回つくれたということで、その辺の具体的な金額は少しIAの戦略にも関わりますのでお伝えできませんが、その辺もうまく今回バランスができたというところでございます。
 
【村山部会長】 なるほど、非常に結構だと思います。非常に御説明もクリアだったと思います。
 ほかはいかがでしょうか。特にありませんでしょうか。
 
(「なし」の声あり)
 
【村山部会長】 それでは、次の議題に移らせていただきます。
 これが最後ですけれども、三つ目の議題は、令和4年度の文部科学省宇宙関係予算についてです。
 令和4年度の文部科学省宇宙関係予算が3月22日付けで案のとおりに成立しております。
 それでは、文部科学省事務局から説明をお願いいたします。
 
【笠谷企画官(事務局)】 御説明いたします。
 次のページをお願いいたします。
 それでは、文部科学省の令和4年度の宇宙関連予算について御説明いたします。
 まず、この一番上のほうの総額でございますが、最近補正予算というものが結構多くつくようにはなっておって、いわゆる平成4年度の当初予算額と昨年度令和3年度の補正予算額の合計という形での表記でありますが、2,212億円ということで、前の年の補正プラス当初予算の2,124億円よりさらに増加しているということになっております。予算総額としてはこのようになっております。
 また、その中身としてですが、この表にありますように、まずイノベーションの実現、産業・科学技術基盤等の強化ということで、ロケットですとか次世代の人工衛星等の開発、宇宙科学等のフロンティアの開拓というような柱もあります。詳細については10ページ以降で説明させていただきます。
 次のページをお願いいたします。
 まず輸送系でございますが、主なプロジェクトといたしまして、前回の利用部会で少し報告させていただきましたが、H3ロケットの開発・高度化でございます。こちらのほうは、すみません、前回、開発が少し延期していると報告させていただきましたが、前回の報告でもありましたように、JAXAは新たに翼振動試験等を開始して、新たな打ち上げ日程を定めるべく、今、試験を随時進めているところでございます。
 続きまして、この下の将来宇宙輸送システムロードマップ実現に向けた研究開発というところでございまして、2040年代前半等の2地点間輸送ですとか、また基幹ロケットの発展型等の将来の抜本的な低コストの輸送システムをつくるための研究開発でございます。
 まず、1段再使用に向けた飛行実験(CALLISTO)というのは、フランス、ドイツ、日本の国際協力によって、今はまだ日本もEUも、いわゆるスペースXが持っているような、帰ってくる再使用の能力がございませんので、そちらの能力を獲得するために日仏独で基礎実験を行う予定でございます。これがCALLISTOプログラムでございます。
 また、次は将来宇宙輸送システム研究開発プログラムということで、こちらは先ほど私が申し上げました2040年代前半に民間主導で官民が連携して、P2P等の将来の市場が担えるところにも適応できる機体を造って、官とも連携して宇宙輸送の抜本的低コスト化を図るという研究開発プログラムでございます。こちらは本年度から本格的に要素技術の研究開発等が始まりますし、また民が参入してきた場合に燃焼試験等の場所が必要になりますので、そういう燃焼試験場とか民間の人が研究開発で利用できるような環境整備も併せて進める予定でございます。
 続きまして、次のページでございます。
 こちらは衛星関連等でございますが、技術試験衛星9号機でございます。こちらも宇宙開発利用部会で、また内閣府のスターダストの評価で利用部会の先生方には御説明させていただきましたが、フルデジタルペイロードの開発ということで、追加開発も行って、今、衛星の準備をしているところでございます。
 デブリ除去技術の実証ミッションということで、こちらは民間企業のアストロスケールとJAXAがタッグを組み、スペースデブリの増加を防ぐため、デブリ除去の実験を行う計画です。今年度、まずデブリの観察ということで、アストロスケールが衛星を打ち上げて、デブリがどのように回っているかとか、デブリに近づくランデブー飛行を行うなどして、まずその実証を今年度行う予定でございます。
 宇宙太陽光発電技術の研究は、大型宇宙構造物を展開する技術ですとか、その送電技術の研究開発を行う予定でございます。
 下のほうの衛星コンステレーション関連技術開発ということで、先ほど民間のQPSもコンステレーションをやるということで、ニュースペース等も含めてコンステレーションの開発が欧米等も進んでおりますが、そちらにも対応できる関連技術開発でございます。先ほど革新3号機の話がありましたが、こちらのほうで宇宙実証の機会ですとか、もろもろ宇宙に対応できる部品等の実証を行うということでございます。
 また、小型技術刷新衛星研究開発プログラムにつきましては、主に衛星開発は時間がかかるところもあるのですが、DXを使うとか必要な技術を絞り込むとかを行い、短期間に開発できる、アジャイルな開発ができる、そのようなやり方を検証していくということでございます。
 衛星コンステレーションによる革新的衛星観測ミッション共創プログラムは、コンステレーションになりますと、今JAXAが運用しているトンクラスの衛星に比べるとはるかに小さくなってきます。これによって頻度を確保することはできるのですが、例えば衛星は極軌道だと大体100分ぐらいで地球を回るのですが、その100分間で例えば小型になると全て活動できるかというとそうではなくて、ピンポイントでの活動になってしまいますので、例えばバッテリーを延長させる能力や、狙ったところの撮影とかをピンポイントでやるタスキングの技術の検証をしていく予定でございます。
 続きまして、4ページでございます。
 こちらは安全保障の強化、確保ですが、災害対策・国土強靭化への貢献ということで、先ほどALOS-2の報告がありましたが、それの後継衛星としてALOS-4の準備をしております。ALOS-2は観測幅が東西50キロでございましたが、ALOS-4では200キロに広がるということで、まさに緊急観測等、災害時等の200キロで、最近は豪雨災害とか洪水とかも広域化しておりますので、そのような対応ができるのではないかと考えております。
 温室効果ガス・水循環観測技術衛星(GOSAT-GW)でございます。今、GOSAT衛星というのと、またGCOM-Wという海面水温や降水量等を計測する衛星も上がっているのですが、それら二つのセンサーをまとめて、GOSAT-GWという形にして、二つの主要ミッションを持った衛星として開発を進めているところでございます。
 宇宙状況把握(SSA)システムにつきましては、文部科学省は岡山県で航空望遠鏡やレーダー等を整備して、デブリ対応等の宇宙観測を行う予定でございます。
 続きまして、5ページの宇宙科学・探査による新たな知の創造ということでございます。
 こちらは主なプロジェクトとして国際宇宙探査(アルテミス計画)についてでございます。
 まずは月周回有人拠点ということで、アメリカが構想しているゲートウェイ構想に貢献するべく、日本として優位性がある、あるいは日本の産業にも波及効果が大きい技術分野で提供するというものでございます。
 二つ目は新宇宙ステーション補給機(HTV-X)の開発です。現在国際宇宙ステーション向けにHTVが飛んでおりましたが、これを改良いたしまして、さらに輸送コストの大幅な削減や様々なミッションに応用可能な技術の獲得など、そういった将来の波及性を持たせた新型宇宙ステーション補給機を開発するものでございます。こちらはアルテミス計画等に伝わっていくものでございます。
 続きまして、小型月着陸実証機(SLIM)です。これは月にピンポイント着陸するということを目指したものでございます。これによりまして高精度の月面着陸の技術実証を行って、将来の宇宙探査に必須となる技術を獲得したいと考えております。
 続きまして、こちらも同じく月関係でございますが、こちらは月の極域探査ということで、月、特に南極付近に水の存在があるのか、ないのかということで、その利用可能性を探るということでございます。こちらはインドと国際共同研究になっておりまして、それぞれ着陸船とかローバーとかをインドと日本で役割分担して進めていくものでございます。
 次は、宇宙探査オープンイノベーションの研究ということで、こちらは宇宙探査イノベーションハブでございますが、国内外、あるいは産学官から意欲のある方々を一堂に召集するハブを構築いたしまして、研究者間、分野間の融合ですとか、また斬新なアイデアの反映ですとか、要は宇宙探査に使うということだけではなくて、パートナー企業にとっては地上のほうにもそのまま使える、双方に有用なシーズを掘り起こすということをやっております。
 また、有人与圧ローバーの開発研究等でございます。こちらはまさに先ほど来、月の話をしておりますが、人類の活動領域の拡大や新たな価値の創出に向けて、月面での持続的な活動の実現を目指して行うものでございます。
 そして、火星衛星探査計画(MMX)でございます。こちらは火星の衛星に向かって、まさにはやぶさのように火星衛星に行って、サンプル等を回収してくるという日本が得意なサンプルリターンを行うということで、まだ火星からサンプルを持ち帰った国はありませんので、火星衛星ではありますが、日本が世界初で行うべくやっているところでございます。
 最後は、宇宙ステーションの実験棟「きぼう」を引き続き運用していくということでございます。
 最後のページでございますが、宇宙科学のフロンティアの開拓ということです。
 まず、X線分光撮像衛星(XRISM)でございます。これはひとみの後継衛星でございまして、従来よりも30倍以上の高い分解能で分光観測をするものです。こちらは日米欧の国際協力ミッションでございます。
 小規模プロジェクトといたしまして、木星氷衛星探査計画――JUICEや、欧州各国をはじめとするガニメデ等の探査、またESA主導の二重小惑星探査計画――Heraといった小規模プロジェクトを行っております。
 また、はやぶさ2拡張ミッションですが、はやぶさは一昨年の12月にカプセルをオーストラリアに投下したのですが、本体のはやぶさ2は地球を離れて、またさらなる小惑星を目指して、今旅をしているところでございますので、引き続きはやぶさ2の活動を行うということでございます。
 予算の説明は以上でございます。
 
【村山部会長】 どうもありがとうございます。予算についてですけれども、何か御質問、いかがでしょうか。
 山崎委員から手が挙がっております。お願いいたします。
 
【山崎委員】 どうもありがとうございます。3点お伺いできればと思います。
 まず1点目ですけれども、先ほどもイプシロンのお話がありましたが、イプシロンのSにH3とのシナジーを持たせるという点に関しては、予算からは見えないのですけれども、これはH3の中に含まれているのでしょうか。
 2点目ですけれども、将来宇宙輸送システムロードマップに向けた研究開発の中で、先年度2億円から大幅に実証が始まっていくということで、内訳をもう少し教えていただければと思います。
 3点目が、資料でいうとその次のページ、3ページ目です。衛星コンステによるミッション共創プログラムという新規のものですけれども、先ほどALOSのときにも少しお話をしたのですが、やはり大型衛星とこうした社会のニーズをつなぐ、小型を活用していくというとても大切な点だと思います。特にその中でも防災、減災などに関しては、やはり地方自治体との連携も、国だけではなくて、大切になってきますので、そのあたりのインターフェースは、技術的な実証に加えて、できるだけ実装していくようなところも考慮に入れられているでしょうかという点です。以上です。
 
【村山部会長】 ありがとうございます。この3点について御説明お願いいたします。
 
【笠谷企画官(事務局)】 直近の近いほうから、まず衛星コンステレーションのところで、まさに山崎委員が言われたように、コンステに限らず、地球観測の衛星開発に伴って、出口を見据えて開発を行っていくことは非常に重要と思っております。
 我々文部科学省もこちらの小型コンステレーションのミッションを行う際には、まず関係省庁を回って、利用ニーズやどういうところに出口があるのかというところは見定めてはおります。すみません、地方自治体とかはまだでございますので、今後こちらの開発を進めていく段階で、直接そこを文科省がやるのか、前からそれはさらにこれらの技術を使うところがやるのかというのはありますが、そういう地方自治体とか最終的なさらなるユーザーというところも見据えて検討はしていきたいと思っております。
 将来輸送の増加分の内訳でしたよね。将来輸送は2億円が20億円ということになっております。
 実は昨年度の2億円は、まずJAXAで既に昨年度の段階から要素技術の研究開発ということで民間企業等から提案を受け取って、それを一部フィージビリティの研究開発ですとか、別途文部科学省でやっているロードマップ検討会やJAXAでの調査研究費が調査費用で2億円弱ついておりました。
 こちらが20億円になりましたところは、大きく申し上げますと、まず先ほどお話し申し上げました要素技術の研究開発の予算が相当増加しております。こちらが5億円ぐらいついております。
 また、こちらは民間と連携で行う研究開発のほか、JAXAで素材等を見る研究開発とかをやっております。あとは燃焼試験場とかを申し上げましたが、そういう燃焼試験場等の民間も使う施設の整備の費用です。
 また、これが将来輸送ということもあって、まさに再使用の研究のようなものが非常に大事なのですが、再使用の際はどこを点検していくかとかを絞り込むことが大事です。そのためにある程度シミュレーションといいますか、そういうモデルを開発する必要がありまして、そのモデルの研究開発費用等をつけております。
 そのような大きく分けると要素技術の研究開発と環境整備、それは民間もサポートする意味での環境整備ということで20億円をつけさせていただいております。
 イプシロンの予算は、すみません、こちらの資料には直接書いてなくて恐縮でございますが、イプシロンSの開発のほうは20億弱でございます。そこはこのロケットのH3の予算とは別に20億ぐらいでございます。
 
【村山部会長】 1番目の質問で、イプシロンのシナジー効果についてはいかがでしょうか。そのあたりは。
 
【笠谷企画官(事務局)】 すみません、イプシロンのシナジー効果……。
 
【山崎委員】 すみません、山崎ですが、先ほど御回答いただいたので、そのシナジーのためのいろいろな開発の主のSの20億がきちんと確保されているということで了解いたしました。
 
【村山部会長】 分かりました。ありがとうございます。
 続きまして、山室委員、お願いいたします。
 
【山室委員】 山室です。聞こえていますでしょうか。
 
【村山部会長】 大丈夫です。
 
【山室委員】 今回いろいろな先進的な開発を行うということを御説明いただきまして、またその成果を広く使ってもらうというような御説明であったと思います。
 それで、こういうこと全般について御質問したいのですけれども、先進的な開発では必ずしも日本という国に好意的ではない集団によって盗まれてしまう可能性は皆無ではないと思いますし、また公開したデータを悪意を持った集団が使ってしまう可能性も皆無ではないと思うのですね。そういったセキュリティーというのでしょうかね、悪用されないための対策というのはそれぞれの予算に一部なりともついているものなのでしょうか。
 
【村山部会長】 技術防止策ということですけれども、いかがでしょうか。
 
【笠谷企画官(事務局)】 予算それぞれに技術防止策というよりかは、JAXA全体として、例えば共同研究開発の相手ですとか、例えばどういうところまで利用してもらうかとか、情報公開の手順というか、そういうものを定めて、要はJAXA全般として対応しておりますので、個別の研究開発費でもろもろ要素のお金はありますが、個別の予算にあるというよりかはJAXA全般として共通的な経費というか共通的な対応としてそちらについては対応させていただいていると考えております。
 
【山室委員】 ありがとうございます。そのJAXA全般でセキュリティーに費やしている予算というのが大体どれくらいかということと、あと最近サイバー攻撃が本当にきつくなってきているということが言われていて、特にサイバー攻撃に対しても最先端の対策を行っておられるのか、それに対してどれぐらいの予算を使われているのかというのを、どれぐらい重きを置いているのかを知りたいので教えていただけますか。
 
【村山部会長】 お願いします。
 
【笠谷企画官(事務局)】 サイバー攻撃の対策費用云々は、すみません、予算上は詳細な金額というか、全体が運営費交付金という形になっていますので、金額的なところはこの場でお出しするのは難しいので、また後日JAXAで調べさせて回答させていただければと思います。
 
【山室委員】 ありがとうございました。
 
【村山部会長】 恐らくいろんなところに散らばっている可能性もあるので、大体の金額というのを推計していただいて、また別の機会に御提示いただければと思います。
 ありがとうございます。
 続きまして、笠原委員にお願いいたします。
 
【笠原委員】 笠原です。御説明いただきまして誠にありがとうございます。
 本日、途中参加でございまして、全体の説明をちょっと今聞けなかったのですが、文章を読ませていただきまして、全ての事業が非常に重要なことにしっかりと予算を配分されているという認識を持っています。
 質問は1点でございまして、これもほかの議題で出ているかもしれませんが、昨今やはり電子部品や中枢のコンピューター等の入手が非常に難しくて、例えば発注しようとしても、そもそも納期が決まらないとか、そういう問題を至るところで、私の身の回りでもよく耳にしておりまして、私の分野でも多々発生しております。
 今御説明いただいたこの予算内容とも非常に密接に関係している非常に重大な事態だと思っておりまして、それに対して柔軟な予算措置を行っていただけるのではないかなと強く期待を持って御説明を聞いておりました。
 何かそのあたりに関しまして、もう既に前の議題で説明があったのかもしれませんが、お考え等をお聞かせいただけますと大変ありがたく存じます。以上でございます。
 
【村山部会長】 ありがとうございます。そのあたり、半導体不足だとかいろいろな課題はあると思うのですけれども、いかがでしょうか。
 
【笠谷企画官(事務局)】 委員が言われたのは、恐らく半導体不足等もあって、予算の執行とかが計画的にできないところもあるのではないかという御懸念で、それにちゃんと柔軟に対応できるかという御質問の趣旨と理解いたしました。
 そちらのほうは、まずJAXA運営費交付金ということもありますので、そこは最大限予算のルール内で柔軟な対応を行います。また、補助金等でも、何か本当に例えば発注等がコロナの影響とか、半導体の調達ができなくて遅れるという正当な理由がある場合でしたら、ちゃんと繰越しの手続等、必要な手続は行って、このお金が無駄にならないように、また、どうしても長納期部品の発注ですとか確保には時間がかかるというところもあり得るかもしれませんので、そこは予算のルールで最大限対応できるところは柔軟に対応して、既にJAXAもしていると理解しております。
 
【笠原委員】 どうもありがとうございました。よろしく御対応のほどお願いいたします。ありがとうございます。
 
【村山部会長】 ありがとうございます。
 ほかの御質問はいかがでしょうか。手は挙がっておりませんが、これでいいでしょうか。
 
(「異議なし」の声あり)
 
【村山部会長】 それでは、本日の議事はこれで終了となります。
 最後に事務局から連絡事項があればお願いいたします。
 
【笠谷企画官(事務局)】 それでは、会議の資料と議事録の公開について申し上げます。
 宇宙開発利用部会の運営規則に基づいて、本日の会議資料は既に文科省のホームページに掲載させていただいております。
 また、議事録についても公開となりますので、委員の皆様に御確認いただいた後、文科省のホームページに掲載させていただきますのでよろしくお願いいたします。
 事務連絡としては以上となります。
 
【村山部会長】 ありがとうございます。
 以上をもちまして閉会とさせていただきます。御審議、誠にありがとうございました。

―― 了 ――

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研究開発局宇宙開発利用課