原子力科学技術委員会 研究施設等廃棄物作業部会(第9回) 議事録

1.日時

平成24年2月14日(火曜日) 10時~12時

2.場所

文部科学省 東館5階 5F1会議室

3.議題

  1. 原子力機構の取組状況について
  2. 埋設処分業務の実施に関する計画の変更方針について

4.出席者

委員

山名主査、石榑委員、鬼沢委員、五味委員、佐々木委員、白羽委員、津山委員、東嶋委員、富岡委員、冨永委員、森委員、山内委員

文部科学省

生川原子力課長、西條室長

5.議事録

【西條室長】
  それでは、定刻となりましたので、ただいまから第9回の研究施設等廃棄物作業部会を開催いたします。本日は、研究施設等廃棄物の埋設事業における原子力機構の取組状況及び実施計画の変更について御議論いただきたいと考えております。よろしくお願いいたします。
 それでは、議事に入る前に、前回開催以降に作業部会委員の改選がございまして、今回が改選後初めての作業部会となります。当作業部会の主査につきましては、親委員会の原子力科学技術委員会の田中主査から山名委員を主査にということで、昨年5月の原子力科学技術委員会で示されておりますので、引き続き山名主査にお願いしております。
 それでは、今回初めて御出席いただく委員もいらっしゃいますので、各委員から簡単に自己紹介をお願いしたいと思います。それでは、石槫委員の方からよろしいでしょうか。すいません、よろしくお願いします。
【石槫委員】
  現在日本アイソトープ協会の常務理事をいたしております石槫でございます。
【鬼沢委員】
  持続可能な社会をつくる元気ネットというNPOの事務局長をしております鬼沢です。よろしくお願いいたします。
【五味委員】
  日本立地センターの五味と申します。どうぞよろしくお願いいたします。主に産業立地、地域開発といった面からアドバイスさせていただければと思っています。
【佐々木委員】
  佐々木です。よろしくお願いいたします。
【白羽委員】
  新日本有限責任監査法人の会計士の白羽といいます。よろしくお願いいたします。
【津山委員】
  日本電機工業会の津山と申します。メーカーの立場で参加させていただいております。
【東嶋委員】
  ジャーナリストの東嶋和子です。よろしくお願いいたします。
【富岡委員】
  電気事業連合会の富岡でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
【冨永委員】
  日本原燃の埋設事業部長をしております冨永といいます。どうぞよろしくお願いいたします。
【森委員】
  原子力研究バックエンド推進センターの森と申します。よろしくお願いいたします。
【山内委員】
  弁護士の山内です。よろしくお願いします。
【西條室長】
  どうもありがとうございます。それでは、ここから山名主査に進行をお願いすることといたします。山名主査、お願いします。
【山名主査】
  皆さま、おはようございます。山名でございます。昨今原子力を取り巻く状況が非常に混乱しておりまして、いろいろ難しい問題があるのですが、研究施設等廃棄物の問題は非常に重要なテーマであると思います。是非皆様方の御協力を頂きまして、審議を進めたいと思います。
 それでは、私が最初に行う責務がありまして、主査代理の指名でございます。いろいろ考えたのですが、これからこの事業に関しては立地の局面に入っていくということがございますので、五味委員に主査代理をお願いしたいと思っておりますが、五味委員、いかがでしょうか。
【五味委員】
  はい。
【山名主査】
  ありがとうございます。それでは、五味委員に主査代理をお願いするということにさせていただきます。
 次に、しばらく開催していなかったのですが、前回以降事務局、文部科学省の方に異動がありましたので、一言御挨拶をお願いしたいと思います。
【生川原子力課長】
  ありがとうございます。おはようございます。原子力課長に1月1日付で着任いたしました生川と申します。是非よろしくお願い申し上げます。
 本日は、先ほど御紹介がありましたように、研究施設等廃棄物作業部会の委員改選後、初めての委員会ということでございますので、本来であれば研究開発局長の戸谷が御挨拶をさせていただきたいと考えておったところでございますが、急きょ国会の関係で出席することができなくなりましたので、私から代わりまして一言御挨拶を申し上げたいと思います。
 まずは、委員の皆様方におかれましては、本日御多用中にもかかわらず御出席いただきまして、大変ありがとうございます。研究施設等廃棄物の処分につきましては、御案内のとおり、平成20年に法改正によって原子力機構が処分事業の実施主体になったところでございます。また、平成21年度には、国として埋設処分業務に係る基本方針というものを決定し、これに基づいて原子力機構が実施計画を策定してきたところでございます。この間、委員の先生方には大変御尽力、御協力を頂いてきており、ここに改めてお礼を申し上げたいと思います。
 御存じのとおり、今主査からもお話がありましたように、昨年発生いたしました東京電力福島第一原子力発電所の事故を受け、原子力を取り巻く状況が大変大きく変化しているというところでございますけれども、一方で、将来への負担を残さないという観点から、廃棄物の処分に係る事業は着実に進めていく必要があると私どもは考えてございます。本日は、実施計画に沿った原子力機構のこれまでの取組についてレビューをしていただくとともに、取組状況を踏まえた実施計画の変更について御審議を頂きたいと考えてございます。
 この作業部会は、各関係者、専門家、あるいは一般国民の代表として大所高所から御意見を頂戴できる貴重な機会であると私どもは考えております。研究施設等廃棄物の円滑な処分の実施に向けて、引き続き山名主査をはじめとして委員各位より御指導、御支援を頂戴したいと考えてございます。引き続きの御協力をお願い申し上げて、簡単ではございますが私の御挨拶にかえさせていただきます。どうもありがとうございます。
【山名主査】
  生川課長、ありがとうございました。
 それでは、本日議題として二つ用意しております。原子力機構の取組状況を聞いた後に、実施計画の変更について議論するという予定でおります。それでは、事務局の方から本日の配付資料等の説明をお願いいたします。
【西條室長】
  それでは、今主査の方からお話がありましたように、本日の議題につきましては議事次第にありますとおり、「埋設処分業務の実施に関する計画」に基づく原子力機構の取組状況について、それから二つ目が、「埋設処分業務の実施に関する計画」の変更方針についてとなってございます。
 平成21年11月に認可されました現行の原子力機構の実施計画につきましては、認可前にこの作業部会でも議論させていただいたところでございます。その実施計画は、平成23年度までの収支計画及び資金計画を定め、この期間内に集中的に実施する事項を定めております。そのため、原子力機構はこれまでの取組状況を踏まえ、本年度中に平成24年度以降の収支計画及び資金計画を定めた実施計画の変更申請を行い、認可を得た上で今後も埋設事業を着実に進めていきたいと考えているところでございます。そのため、本日の作業部会では、原子力機構のこれまでの取組状況についてのレビュー、それから実施計画の変更方針について御議論いただきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
 引き続きまして、配付資料の確認をさせていただきたいと思います。お手元のところを御確認いただければと思いますが、資料1といたしまして「『埋設処分業務の実施に関する計画』に基づく業務の実施状況について」、資料2といたしまして「『埋設処分業務の実施に関する計画』(実施計画)の変更について」、資料3といたしまして「研究施設等廃棄物処分費用の積立てに係る文部科学省告示の改正について」となっております。
 それ以下は、参考資料1-1といたしまして「科学技術・学術審議会研究計画・評価分科会における部会・委員会の設置について」、参考資料1-2といたしまして「科学技術・学術審議会研究計画・評価分科会原子力科学技術委員会運営規則」、参考資料1-3といたしまして「科学技術・学術審議会研究計画・評価分科会原子力科学技術委員会における作業部会について」、参考資料1-4といたしまして「第6期 科学技術・学術審議会 研究計画・評価分科会原子力科学技術委員会研究施設等廃棄物作業部会 委員構成」、参考資料2-1といたしまして「埋設処分業務の実施に関する基本方針」、参考資料2-2といたしまして「埋設処分業務の実施に関する計画」、以上が参考資料として席上配付されていると思います。配付されていない資料等がございましたら、挙手いただければ事務局が対応いたしますが、よろしいでしょうか。
 以上でございます。
【山名主査】
  それでは、お手元の資料は問題ないようですので、早速議事の方に入っていきたいと思います。まず、議題1「原子力機構の取組状況について」ということでございますが、原子力機構の埋設事業推進センターの大澤センター長から御説明をよろしくお願いいたします。
【日本原子力研究開発機構(大澤)】
  それでは、説明させていただきます。埋設処分業務につきましては、お手元にある参考資料2-2、平成21年11月13日に認可していただきました「埋設処分業務の実施に関する計画」、以降、「現行実施計画」と呼ばせていただきますけれども、これにのっとって進めております。
 本資料は、2章に書いてございます集中的に実施する業務の実施状況を取りまとめたものでございます。先ほど西條室長からもお話がありましたように、現行実施計画は平成23年度までの収支計画と資金計画が定められておりまして、平成24年度以降の収支計画と資金計画を策定して、実施計画を変更する必要がございます。本資料で御説明しますように、今般概念設計に基づく総費用の積算に基づいて、本事業の全期間の収支計画と資金計画を策定いたしましたので、これらを含めまして業務の実施状況を御説明したいと思います。
 それでは、次のページを御覧ください。現行実施計画では、当面実施する事項として、この図に示しますように概念設計実施などの6項目の業務が規定されております。本日は、この番号の順番に実施状況を説明させていただきます。
 まず、1の「概念設計の実施」から御説明させていただきます。次のページを御覧ください。この表は、左の欄に現行実施計画に記載されている当面実施する事項を記載しております。概念設計では、例えば2行目にございますように、施設の規模を60万本として設計などをしております。この表の右側に実績を記載しております。概念設計では、必要な条件を設定し、二つ目の丸にありますけれども、条件を満たすような設備などを抽出いたしまして、埋設施設を設計し、構造強度の確認や、四つ目や五つ目の丸にありますように、操業中や管理終了後の安全を確認いたしました。
 次のページを御覧ください。立地につきましては、基準や手順を策定して、これを公表した上で立地活動に入ることとしていますので、概念設計に続きまして、立地の基準や手順を検討する際に用いる技術的根拠を検討いたしました。実績といたしましては、最初の丸にあるように、例えば地下水の流れの速さなど幾つかのパラメータがどのような範囲にあるか文献を用いて調査いたしまして、次の丸にありますように、調査したパラメータを組み合わせて1,000通りほどにケースを設定し、それぞれのケースで安全性を評価し、最後の丸にありますように、安全性が低いようであればどのような対応が必要であるのか、そのために費用はどうなるかといった評価を行いまして、立地基準にするか否かの評価をいたしました。この辺につきましては、後ほど詳しく説明させていただきます。
 次のページ以降に概念設計の結果につきまして図により説明しておりますので、次のページを御覧ください。5ページでございますが、この図は概念設計の進め方を示しております。これは以前にも御紹介したかと思いますけれども、少し繰り返しになりますが、概念設計は薄い黄色の枠内の手順で進めまして、その結果はこの図の下の方にありますように、立地基準や立地手順案の策定の技術的根拠と、右側にありますような総費用の積算の根拠として活用しました。
 概念設計につきましては、次のページ以降で丸の中の番号ごとに説明させていただきます。まず、黄色い枠の一番上の左側にあります廃棄体の種類、数量、放射能インベントリの設定から説明させていただきます。次のページを御覧ください。この図は、概念設計の前提となる廃棄体の種類や数量などの設定を示しております。数量につきましては、上の枠内の左側に示してございます。それから、放射能インベントリにつきましては右側に示してございますけれども、これまでの調査に基づいて示したものです。表の一番右側のところに法律に定められている濃度上限値を示してございますが、真ん中に私どもが用いた放射能インベントリが示されてございますけれども、濃度上限値と比較しますと、平均放射能濃度は上限値に比べて十分低い廃棄体が対象となっていることがわかります。種類につきましては、下の枠内に示してございます。
 次のページを御覧ください。次は、2に示します一般的な立地条件の設定を紹介したものでございまして、例えばトレンチは地下水面より上に設置することを考えていますので、我が国の平均的な地下水の深さを調査した結果から、地下水位の季節変動も考慮して、トレンチの深さを4メートルにしております。立地が決まれば、環境調査をすることにより実際の処分場における地下水面の高さを確認して、それに合わせて施設を設置することになります。ピットは風化した岩盤の下に設置することを考えていますので、岩盤までの深さを14メートルに設定いたしました。そのほか、右の表にあるような条件を文献により設定してございます。
 次のページを御覧ください。これは、安全規制等の法令要件の設定をしたものでございまして、原子炉等規制法のほか放射線障害防止法の基準も考慮いたしているということを示してございます。
 次のページを御覧ください。これは、4に示します設定条件に基づく廃棄体の受入れ、確認、構内輸送等の手法を検討したものでございまして、これまでに御説明したような条件に基づきまして、廃棄体の受入れなどの手法や工程などを検討しました。この図は、200リットルドラム缶をコンクリートピットに定置する場合を例示してございます。廃棄体を受け入れた後に、廃棄体について整理番号等を確認し、最終的に埋設施設へ定置するという工程といたしております。
 次のページを御覧ください。この図は、前ページで説明した操業の手法や工程の検討結果に基づきまして、必要な施設や設備を抽出したものです。例えば表の一番上にある埋設施設では、ピットの場合におきましては、ピットで必要な設備として内外部の仕切りの設備や廃棄体を取り扱う埋設クレーンなどが抽出されてございます。その下にある附属施設といたしましては、廃棄体を一時的に保管し検査を行う受入れ施設が必要となります。この施設では、各発生者が輸送してこられました廃棄体を積んだトラックを受け入れ、埋設地まで運搬するトラックが出入りするトラックヤードや、埋設施設内で廃棄体を運ぶ天井クレーン、廃棄体を検査する検査ライン等が必要となります。
 このような抽出した設備について、次にそれぞれについて設計を行ってございます。次のページを御覧ください。この図は、抽出された受入れ検査施設の設計を示してございます。廃棄体の受入れにおきましては、想定する輸送に対してどのような貯蔵容量が適切といった検討をした上で、確認検査の必要な能力を有する設備を設計するなど行いました。また、一時貯蔵の放射線を適切なレベルまで遮へいするために必要な壁の厚さなどを設計してございます。
 次のページを御覧ください。この図は、埋設施設と設備の構造などの設計結果を示したもので、左側がピット、右側がトレンチに関するものです。ピットにつきましては、一辺が40メートルと36メートル、高さが7メートルの箱形のものが18基必要との結論を得ました。また、1基のピットの中は36区画に分かれておりまして、200リットルドラム缶にいたしまして1万3,000本の定置が可能でございます。トレンチにつきましては、45メートル、長さ130メートル、深さは先ほど御紹介した4メートルの大きな溝の形をしたものが18基必要との結論を得ております。1基当たり、200リットルドラム缶にいたしまして2万4,000本の廃棄体の定置が可能となってございます。埋設対象がコンクリート片などの廃棄物自体が安定なもの以外の場合は、水を通さないシートを敷きまして、環境影響物質への対応も考慮した機能を付加する設計としてございます。
 次のページを御覧ください。13ページでございますが、埋設に必要な施設や設備の設計に基づきまして、平地と一般的な立地条件を仮定し、これらをどのように合理的に配置するかという設計を行いました。この設計では、埋設施設を敷地中央部に配置し、できるだけ敷地境界からの距離を置くことにしております。この設計によりまして、操業中に敷地境界において年間の被ばく線量が1ミリシーベルト以下になることを確認いたしました。また、掘削土は敷地内に仮置きすることにしております。これらの設計から、敷地面積としては約100ヘクタール必要であるとの結論を得てございます。
 次のページを御覧ください。施設や設備につきましては、必要なものにつきましては耐震や構造強度などについて安全性を確認しております。例えば受入れ検査施設では建屋が十分な構造強度を持っているかどうか、ピットでは定置した廃棄体による荷重の偏りに対しても十分な強度があるかどうかを、建築基準法で定められた方法で確認しております。
 次のページを御覧ください。概念設計の実施の中で、放射線に関する安全性の確認を行っております。管理期間終了後につきましても様々なシナリオを想定して、それについて極めて長期にわたる被ばく線量の評価も行いました。例えば黄色い枠の中のシナリオという欄の下にありますような地下水シナリオでは、埋設施設から100メートル離れた地点にある河川の付近で生活をしている方が河川の水を飲み、農作物栽培にその河川の水を利用することなどを想定した場合などについて、被ばく線量を評価しております。
 少し詳しくなりますが、例えば水色で示します地下水シナリオでは、今御説明したような想定をいたしまして、移行経路としては地下水中移行を設定し、地下水中を移行し河川水に入って、その後河川水を飲用したり農水産物を摂取したりといったようなことを仮定いたしまして、その場合にそういった方々の被ばく量がどうなるかといったことが、ここで言いますと相当長期にわたっての計算になっております。グラフが対数になっておりますのでわかりづらいかと思いますが、確認しております。
 それから、その下の紫の土地利用シナリオでございますが、こういった場合も仮定しまして、埋設地の跡地を利用することを想定いたしまして、埋設地の跡地に建屋を建設する作業者や建てられた家に居住する人の被ばく量を評価してございます。いずれのケースにおきましても、目安線量である年間10マイクロシーベルト、ミリシーベルトに直しますと、年間0.01ミリシーベルト以下であることを確認してございます。
 以上が概念設計でございますが、冒頭説明しましたように、概念設計の結果を用いて立地基準や手順の技術的根拠を検討しておりますので、御説明したいと思います。次のページをごらんください。これは少し複雑ですが、大事な図ですので詳細に説明させていただきます。この図は、立地基準としてどのような項目を設定すべきかを検討したフロー図でございます。このフローの妥当性につきましては、私どもが原子力機構内に設置しております「埋設施設設置に関する技術専門委員会」で議論していただく予定ですが、ここでは原子力機構が提案しようとしている考え方について御紹介させていただきます。
 図の一番上にあるように、安全審査指針や他の調査事例から様々な立地条件が得られます。その下の灰色の枠内で示しますように、得られた立地条件を大きく二つに区分しました。一つは、灰色の枠の中の右側でございますが排除関連項目と、もう一つは、左側の枠で囲った設計関連項目に分けました。排除関連項目というのは、火山や断層のように設計対応が合理的でないものにつきましては、概念設計の段階では設計に影響を受けないということを仮定した項目であります。これにつきましては、無条件に立地基準の項目とするということにしております。設計関連項目は、1)の施設設計に係る項目と、2)の敷地の整地等に係る項目の二つに分けました。
 その下の概念設計の結果を基準といたしまして、施設設計に係る項目では、例えば地下水の流れの速さや地下での地下水の通りやすさなどのパラメータ値の分布を仮定するとともに、放射性物質の移行を評価する経路を設定しました。これらの組合せを1,000通りほど設定して評価いたしました。その結果、基準を満足しないような場合には、設計対応が可能かどうかを検討し、設計では対応できない、若しくは対応できても非常にコストがかかる場合には、立地基準として立地評価の対象とするという案でございます。費用が合理的な範囲で対応が可能な場合は、立地基準としないで具体的に立地が決まった段階で設計により対応するという考え方でございます。敷地の整地等に係る項目では、敷地の傾斜等の条件につきまして設計し、費用が合理的でない場合、又は安全が確保できない条件については立地条件とするという案でございます。
 次のページで1)の施設設計に係る項目と2)の敷地の整地等に係る項目の評価例を御説明しますので、次のページを御覧いただきたいと思います。今御紹介しました1)の施設設計に係る項目では、上の枠内に示しますように、土壌の地下水の通りやすさと、万一放射性物質が環境に出た場合、その移行に関する経路の一つである河川流量など、図の枠内に幾つかのパラメータを示してございます。例えば「評価した自然環境に係るパラメータ」という枠の中には、地盤の透水係数、空隙率などが示されています。
 少しわかりにくいかもしれませんが、例えば空隙率ですと、土壌にどのぐらいすき間があるかといったようなことでございますけれども、こういった幾つかのパラメータを、その下にありますように、文献で日本ではどのようなばらつきがあるかというようなことを調べまして、それを任意に組み合わせまして1,000通りの組合せをつくり、安全評価を行ったということでございます。その結果として、極端な組合せ以外につきましては、目安線量であります10マイクロシーベルトの値以下になることが評価されまして、一生懸命やったんですが、施設設計に係る項目は立地基準とはしなくてよいと今考えております。
 2)の敷地の整地等に係る項目に関しましては、下の枠内に示しますように、平地の場合と比べまして平均勾配が3%、100メートル行くと3メートル上がるという勾配の場合には、敷地造成の作業のため総事業費が5%ぐらい高くなると試算してございます。以上のような結果を踏まえまして、これらを立地基準でどのように取り扱うかについては、「埋設施設設置に関する技術専門委員会」で御議論いただくことにしております。
 以上で概念設計の説明を終えまして、次に「立地基準及び立地手順の策定」につきまして御説明いたします。次のページを御覧ください。立地基準につきましては、右の実績に示しますように、外部有識者の意見を聴取するという実施計画に基づきまして、先ほどから少し触れておりますけれども、「埋設施設設置に関する技術専門委員会」を設置いたしまして検討いただいているところでございますが、今後の原子力を取り巻く社会情勢も踏まえながら、引き続き検討してまいりたいと考えております。立地基準につきましては、事例調査を実施し、その結果を踏まえて検討を行っているところでございます。
 次のページを御覧ください。19ページでございますが、立地手順につきましても事例調査を行うとともに、複数の地点の優劣を評価する必要がある場合に用いる方法について調査、検討をいたしました。
 次のページ以降に立地基準、手順の検討につきまして図により説明しております。次の20ページでございますが、立地基準、手順の検討は図中の左のだ円中に示しますように、類似施設の先行事例調査の結果、安全指針などに示される基本的立地条件、概念設計の結果、埋設事業の特徴などをもとに、立地基準につきましては、図の中央の枠内にございますように、立地選定に当たり考慮すべき項目、項目ごとの重要性の程度、項目ごとの評価に用いる指標など、それから、その下の立地手順でございますが、下の枠内にありますように、立地の対象検討とする地点を具体化するための手法、立地基準に基づく評価の方法や手順などを技術専門委員会において審議、検討していただくことにしております。
 次のページを御覧ください。立地基準につきましては、この表に示しますように、低レベル放射性廃棄物処分施設に関するもののほか、類似施設についても調査いたしております。
 次のページを御覧ください。この表は、調査事例をもとに立地の適性や優劣の評価においてどのような項目が採用されているかを整理したものでございます。今後の技術専門委員会での審議、検討の資料として活用する予定でございます。次のページにもこの表の続きを記載しております。
 それでは、24ページを御覧ください。これは、現在検討中でありますけれども、埋設施設の立地に当たって考慮すべき項目の案でございます。「安全性」に関する項目のほか、「環境保全」に関する項目、「経済性・利便性」に関する項目、「社会的要件」に関する項目といった4項目に大別して整理することを考えております。
 次のページを御覧ください。次のページからは立地手順に関することでございますけれども、これは立地手順についての事例調査をした対象を示してございます。低レベル放射性廃棄物の最終処分地のほか、類似施設についても調査してございます。
 次のページを御覧ください。これは、調査事例結果から立地選定方式を大まかに整理したものでございます。方式Aというのは候補地点を公募する方式、方式Bは方式Aに近いのですけれども、候補地点ではなくまずは関心を有する地点を公募する方式、方式Cは事業者が候補地点を選定して立地を申し入れる方式、方式Dは方式Cに近いのですが、まずは協議したい地点を選定して申し入れる方式です。それぞれ長短がございまして、この資料の下の方に青字で示してございますけれども、こうした観点を考慮して今後整理を進めてまいる予定でございます。
 次の27ページを御覧ください。以上御説明したように、事例調査の整理や技術専門委員会で審議を行っておりますが、技術専門委員会につきましては、一昨年12月に開催してございますけれども、それ以降開催を見送っております。できるだけ早く委員会を開催して、この資料に示しますように立地基準や立地手順について検討し、現状の原子力政策に関する議論や論点を見つつ、環境が整った段階で検討結果を取りまとめていただこうと考えております。
 以上で立地基準、手順に関する実施状況の説明を終わりまして、次に、総費用の精査などについて御説明したいと思います。次のページを御覧ください。総費用につきましては、概念設計の結果に基づく費用の見積りに基づきまして、三つ目の丸にありますように、事業工程を設定するなどして総費用を算定しました。
 図を用いて説明したいと思いますので、次のページを御覧ください。29ページでございますが、この図は総費用の積算の流れを示すものでございまして、概念設計から得られる建築・土工等費用の精査や人件費などのその他項目の精査を行いました。中段の枠内に示します建設費、操業費、人件費に区分いたしまして総費用を積算しました。また、中段に示しますように、総費用は年度ごとの廃棄体の受入数、事業工程の設定を行いまして、年度ごとの支出額にも展開しております。埋設事業では、ピットやトレンチの処分方法ごとに会計管理をすることになっていますので、配分比率を検討した上でピット、トレンチの処分方法ごとに総費用を配分してございます。
 次のページを御覧ください。これは、費用の収入と支出の年度展開を示してございまして、左側の軸の0から上が収入、0から下が支出となっております。収入は赤字で示しますような原子力機構の繰入金、受託料金、運用益から成ってございます。支出につきましては、用地取得や施設建設の際に大きな支出を伴っております。また、閉鎖後管理につきましては一番右にありますけれども、300年の管理費を最後の年に一括して計上してございます。収入の方で、平成24年度につきましては少し下がってございますが、変更の理由につきましては後ほど文科省様の方から御説明があると思います。いずれにしろ、これにつきましては文科省さんの省令等に基づきまして積算、繰入れを行っているところでございます。
 次のページを御覧ください。29ページで御説明しましたように、埋設事業につきましてはピットとトレンチで会計管理をすることになっています。そこの表にありますように、埋設施設につきましてはピット、トレンチで100%それぞれ明確に区分できるわけでございますけれども、そのほか共通に使うものについては、どのような配分比率にするかが重要になってきます。配分比率につきましては、概念設計の結果に基づきましてそれぞれこれはどの程度ピットに寄与するものか、どの程度トレンチに寄与するものかを一つずつチェックいたしまして、最終的にはこの表にまとめるような配分比率として設定してございます。
 次のページを御覧ください。これは総費用の内訳を示したものでございまして、ピットが1,347億円、トレンチが655億円でございます。合計は2,002億円となってございます。なお、この積算は冒頭も御説明申し上げましたように、ドラム缶60万本の埋設物量に対しての費用でございます。従来、埋設物量が53万本に対して約2,000億円と見積もっておりました。そのため、下の「合理化の事例」という部分で示してございますけれども、このような合理化を図りまして、物量が7万本ほど増加いたしましたが、総費用はあまり変わらないといった結果を得てございます。
 次に、処分単価と契約について御説明します。次の33ページを御覧ください。処分単価につきましては、先ほど説明したように、処分方法と発生者ごとに費用を配分いたしました。また、二つ目の丸にあるように、原子力機構以外の発生者に対する処分料金算定の考え方を検討するとともに、三つ目の丸にありますように、契約形態の基本的な考え方を整理いたしました。
 これらにつきまして、図で説明させていただきます。次のページを御覧ください。34ページでございますが、まず処分単価の設定でございますけれども、総費用をピットとトレンチに割り振ります。次いで、ピットとトレンチについて原子力機構分と機構以外の物量で割り振ります。この図で、ピット他者分とトレンチ他者分のそれぞれが処分料金となります。処分料金と物量から単価を算出いたしますけれども、結果は一番下にあるように、200リットルドラム缶1本当たりでございますが、ピットの場合は66万9,000円、トレンチの場合は18万6,000円となりまして、概念設計のところで若干触れさせていただきましたが、機能を付加したトレンチ処分の場合ですと、1本当たり約4万4,000円の料金が追加になるということを考えてございます。なお、一番下に書いてございますけれども、処分単価については実施計画に基づきまして、毎事業年度に策定いたします年度計画に記載するということにしてございます。
 次のページを御覧ください。35ページでございますけれども、受託契約ですが、基本的には請負契約といたしまして、契約方法は基本契約など3段階方式で行うことを考えております。受託料金につきましては、先ほど説明したような処分方法ごとに設定することを考えております。下の方でございますが、今後細部を詰めまして、原子力機構の契約に関する規定などの諸制度の整備を進めることを考えております。
 次に、輸送、処理について御説明いたします。36ページでございますが、輸送、処理に関しましては、発生者の方々への説明会を開催するとともに、情報収集に努めてまいりました。
 次のページを御覧ください。この図は、発生者説明会の様子を紹介したものでございますけれども、説明会は文科省さんとの共催で、RI協会さん、RANDECさんの御協力を頂きまして、これまで2回開催してございます。なお、第3回の説明会につきましては、今年度中に開催を予定したいと考えております。
 次のページを御覧ください。38ページでございますが、埋設処分をできるだけ合理的に進めるために、廃棄物の性状などを把握する必要があることから、各発生者の事業所を訪問させていただきまして、現地確認なども行ってきております。これらの情報を反映して、廃棄物の性状や物量等のデータの整備を引き続き行っていきたいと考えております。
 次のページを御覧ください。このページは、情報収集の一例として、発生者の方々にアンケートをさせていただいた結果を示しております。廃棄物に関する記録や管理状況、放射能に関する評価などについて取りまとめてございます。
 次に、最後になりますが、その他の業務について御報告いたします。次のページを御覧ください。40ページでございますが、その他の業務として、ウェブサイトにおいて事業に関する情報発信に努めてまいりました。また、三つ目の丸にありますように、埋設事業の問合せに対しまして一元的に対応するように努めてまいりました。
 次のページを御覧ください。41ページでございますが、これは埋設センターのウェブサイトなどを紹介したものでございます。
 最後になりますけれども、今後の予定について触れさせていただきます。次のページを御覧ください。42ページでございますが、全期間にわたる収支計画と資金計画を現在策定してございますので、今後は現行の実施計画の変更をお願いしたいと考えております。また、原子力を取り巻く社会情勢等も踏まえながら、立地基準等の検討を進めまして、再度実施計画の変更の認可を頂いて、立地選定などの本格的な埋設事業業務を進めてまいりたいと考えております。
 説明は以上でございます。
【山名主査】
  ありがとうございました。それでは、変更については後で議論しますので、今御説明いただいた実施状況の細部にわたっても結構ですので、ここで率直なコメントや御質問を頂きたいと思っております。時間がたくさんございますので、しっかりとここで。石槫委員、どうぞ。
【石槫委員】
  トレンチの処分について、ちょっと細かいことになるかもしれませんが、三つほど質問をさせていただきます。
 今回トレンチ処分については、二つの方式というか、少し設計が異なったものが2種類ある。多分今まではそういう話ではなくて、実施計画の中でもあまりそういうことは述べられていなかったと思うのです。これについては、それぞれの仕様が必ずしも明確に書いてないのですが、先ほどの口頭の御説明では、処分費用が安い方はいわゆる廃掃法で言っている安定5品目ということをおっしゃっていたと思いますから安定型処分場、それから、付加機能を持ったものは管理型処分場であるということではないかもしれませんが、それを念頭に置いたものであるということでよろしいのかどうかということと、今回2種類考えるということに至った経緯はあまり御説明がなかったと思うのですが、それが1点です。
 このことと関わると思うのですが、トレンチ処分の費用が高くなっているわけです。どちらも高くなっておりまして、いつを基準に高くなっているかというのはいろいろあるかもしれませんが、私どもは平成18年の第1フェーズの作業部会で出てきた13万円、70万円というのを公式な値であると設定して、いろいろ資金計画等を立てているわけですが、今回の違いは53万本に対して60万本と本数が増えた。ただ、本数が増えるというのは基本的には単価を押し下げる方に働くわけでして、事実ピットの方はわずかではありますが下がっているわけです。ところが、トレンチの方はかなり上がっている。この辺の理由、原因はどういうところにあるのか御説明いただきたい。
 最後ですが、我々は廃棄物を今後処分してもらうために出していくわけですが、その視点から見ますと、従来は安定型処分場でしたからコンクリートガラとか金属を念頭に置いて考えてきたんですが、管理型処分場があるとすると、非常に細かい話ですが、例えば焼却灰はここへそのまま処分できるのか。これは非常に重要で、今まで我々は溶融固化みたいなことを考えていたんです。細かい話で恐縮です。あともう一つ気になるのは、振り分けをするときに放射能レベルの問題があるわけです。これは、5ページ目ぐらいのところで濃度上限値のことを議論しておられて、濃度上限値で考えていくということだと思うのですが、炉規制法は確かにありますけれども、障害防止法は濃度上限値がないのですよね。その辺のところをどう考えておられるのか。この3点。
【山名主査】
  お答え願います。
【日本原子力研究開発機構(大澤)】
  まず、1点目の経緯でございますけれども、御存じのように、「第二種廃棄物埋設の事業に関する安全審査の基本的考え方」におきまして、非放射性物質の有害物質による環境影響については、必要に応じて国、あるいはその他の機関が定める基準に準じて別途考慮するものと定められておりますので、私どもはそれに基づいた処分方法といたしまして、今石槫委員から御指摘があったいわゆる安定5品目と呼ばれるもの以外につきましては、遮水シートを設置するということで今考えております。もちろんそういったものにつきましては、必要に応じて埋設対象物の溶出試験なども実施して、基準値を満足することを確認しなければいけないだろうと考えております。そういうこともありまして、別途考慮されなければならないということを具体的に我々が考えたのが、遮水シートというものでございます。
【日本原子力研究開発機構(吉岡)】
  埋設センターの吉岡でございます。先ほどのピット、トレンチの費用の配分ということでございますが、以前までの検討では正確な概念設計がなされていなかった段階で、建設費等による概略的な案分でピット、トレンチにそれぞれ共通費を配分しておりましたが、今回は先ほどの説明にもありましたように、かなり詳細に寄与率を考えまして、ピット、トレンチそれぞれの廃棄体が例えば受入れ検査施設等でどう影響していくかということまで、かなり詳細に配分比率を設定してございます。その結果、トレンチの方に共通費の率が移行したのではないかと分析しておりますが、その結果を用いまして我々はそれぞれの単価を設定したという経緯でございます。
【山名主査】
  焼却灰は。
【日本原子力研究開発機構(吉岡)】
  焼却灰につきましては、先ほどありました安定5品目以外ということですので、基本的な考え方は管理型の方での処分を考えております。
【石槫委員】
  処分できると。
【日本原子力研究開発機構(吉岡)】
  そういう考え方で今設計をしてございます。
 それから、放射能レベルの上限値につきましては、確かに御指摘のとおり障害防止法上はありませんが、平均濃度も含めまして安全評価上の結果をもって設計してございます。
【石槫委員】
  ただ、対象核種が障害防止法と炉規制法では非常に変わってきまして、炉規制法の場合はいろいろな今までのデータがあるから、重要核種とかは評価できるわけです。ところが、障害防止法の方はいろいろバラエティーに富んでいまして、私どもが気にしているのは、アルファ核種についても濃度上限値は一応炉規制法ではありますが、それでいいのかなということ。
【日本原子力研究開発機構(吉岡)】
  アルファ核種につきましては、炉規法上の上限値の値で評価をしてございますので、そこは炉規法に引っ張られた形での評価になってございます。
【山名主査】
  石槫委員、よろしいですか。
【日本原子力研究開発機構(大澤)】
  すいません、一言。
【山名主査】
  どうぞ。
【日本原子力研究開発機構(大澤)】
  コストの問題につきましては、非常に重要な問題と考えております。今は立地がまだ決まっていない段階でございますので、今後立地が決まればさらに合理化できるのか、さらに安全対策が必要なのかということも考えなければいけませんし、安全審査、事業申請の段階で規制当局とのいろいろなお話の中で合理化できるものはするし、安全対策を強化するものはするということになりますので、これからそういった変動はさらにあり得ると思いますが、いずれにしろ我々としては、できるだけ安くするという努力は引き続きやってまいりたいと考えております。
 以上でございます。
【山名主査】
  濃度上限値の話ですが、安全委員会が出している濃度上限値は、廃棄物が出る前からこれは超えれば確実にピットであるとか余裕深度であるとか完全な仕切りを決めるというよりは、施設のある概念として提示している目安のようなもので、実際は施設の安全審査のところで決まってくるようなものであると理解しております。
【石槫委員】
  その切り分け、廃棄物を処分に出す際にどのカテゴリーへ出しますかというときの目安が濃度上限値だと。
【山名主査】
  そうですね。という扱いですので、おっしゃるとおりその点をよく御配慮いただきたいと思います。
 ほかにございますか。佐々木委員、どうぞ。
【佐々木委員】
  二、三お願いします。最初に、先ほど山名主査が細かいところでもよろしいとおっしゃったので、28、29ページの私の専門である経営とか経済に関わるところなのですが、それから31ページあたりのところを読ませていただきましたが、用語が非常に錯そうしているというか、例えば28ページ、右の実績の一番上の丸のところですが、「建設費等の支出項目」という言葉が出てきます。その次の行にも「対象外の支出項目」というのが出てくる。ところが、その次の行には「各費用項目」と出てくるのです。この辺は意識的にこうお使いになったのか、そうではなくて、二つの言葉を同じ意味で使っているのか非常にわかりにくい。それから、次の丸は「配分項目」、「配分方法」、「費用構造」という言葉がありますが、その辺も同様です。
 それから、次の29ページ、フローの一番下の方でも、「費用項目の構成要素」とか「処分方法に応じた配分比率」という言葉があります。同じように、31ページの表の上の文章、特に共通費のところで、「費用項目を構成する要素」というのは表を見たらわかりますけれども、「各処分方法への寄与率」とあるのは、むしろ「それに応じてアロケーション(配分あるいは配賦)する」でいいのではないかと思います。これが公表された場合に、いろいろな方がお読みになると思うのですが、非常にわかりにくいのではないか、もっとシンプルに書いた方がいいのではないか、あるいは用語をきちっと整理してお使いになった方がいいというのが一つ。
 第2の点は中身にかかわりますが、32ページの「埋設事業の総費用の積算4」で、いかに経営努力をして合理化したかということが表の下に書かれています。物量が53万本から60万本に増加した。ところが、費用の方はそれに応じた増え方はしていません。そこのところでいろいろ、「合理化努力をしました」という書き方をしています。そうすると、今日の資料では参考資料2-2の現行の実施計画に総費用の表が出ていましたが、これと比べた場合、以前に公表された実施計画では建設費は約760億円と書いてあったと思います。
 それで、合理化の事例を見ると、「ピット型埋設施設の建設費」が約32億円減じている。これが合理化努力の結果と見ると、単純に考えると、760億から32億円を減じて728億円となるのかなと思っており、32ページの表、建設費の四つの項目、内訳がありますが、これを合計すると750億円ですね。そうすると、結局現行の実施計画の760億円、32ページの合計の建設費は750億円ですから、10億円しか減ってない。あと22億はどこへ行ったのかなと考えられないでもない。
 同じように「操業費」のところも、現行の計画では1,070億円ですよね。それで、32ページの表の下では、操業費の合理化努力によってそれぞれ4億円と7億円で11億円です。そうすると、同じような考え方をとれば、現行の計画の1,070億円マイナス11億円で1,059億円となるのかなと思って見ましたら、32ページの表、操業費の三つの内訳を足すと1,078億円となりますよね。この辺は私の理解がおかしいのかどうか。
 第3の点として、34ページの下の方にピットとトレンチの処分に関する「1本当たりの単価」が出ていますが、この値そのものはもちろん経営努力とか合理化をやった結果としての値だと思いますが、幸いなことにというか、原子力機構以外の他の事業者が似通った仕事をなさっている。そのときに、内部的にそれの1本当たりの値はどれくらいなのか。それとの比較可能性というか、コンパラビリティーみたいなものも、もしある程度そのデータの情報を知ることができれば、合理化努力の跡がコスト的に見られるのではないかなと思いました。
 以上です。
【山名主査】
  三つの質問がございました。順に、まず用語の話からお願いします。
【日本原子力研究開発機構(吉岡)】
  お答えいたします。「支出項目」ですとか「費用項目」といったところは、確かに御指摘のとおり多少配慮が足りませんでした。要は、支出項目というのは支出する項目でございまして、例えば建設費等の支出項目というのはそれぞれのピット、トレンチへの建設費等の支出に該当する項目ということでございますので、そこに大きな定義上の違いはありません。申し訳ございません。
【佐々木委員】
  この「支出」というのは、原子力機構さんの立場から考えると支出になるのですね。
【日本原子力研究開発機構(吉岡)】
  はい。
【佐々木委員】
  だけど、「総費用」の問題だから、「費用」という言葉で統一していった方がいいのではないかなと思います。
【日本原子力研究開発機構(吉岡)】
  その辺は再考いたしたいと思います。申し訳ありませんでした。
【山名主査】
  二つ目の質問は、22億円はどこへ行ったか。
【日本原子力研究開発機構(吉岡)】
  建設費、操業費、人件費、一般管理費それぞれ総額での比較ということでございますが、今回概念設計を実施いたしまして、それに基づきまして詳細に積み上げを行ったということで、従来の積算の仕方と大幅にではございませんが、基本的には今回考え方を変えて積算しておりますので、合計の対比を我々も試みたところもあったのですが、非常に難しゅうございました。
 結局は御指摘のとおり、建設費の合理化のところで32億円減ということなので、単純に積算の仕方が前回と同様であれば、こういう細かい部分での減額で32億円減という説明が可能だったのですが、合計した費用の中での差ということで、実際には御指摘のとおり前回は760億円で今回は建設費を総計しますと約750億円で10億円の減ということなのですが、もし下にあります合理化がなければ、建設費の合計が例えば780億円になるといった形で、単純な比較ができなかったというところで、結果としてこういう抽象的な総合計の中での減額という示し方をしたことを御理解いただきたいと思います。
【佐々木委員】
  データの理解としては、物量が増えたけれども総合計というか、32ページの表、一番右下の合計のところが、現行の実施計画では2,000億円で、それが2,002億円にとどまっていますと理解したらいいのですかね。
【日本原子力研究開発機構(吉岡)】
  はい。総合計の中での比較というところで御理解いただきたいと思います。
【佐々木委員】
  わかりました。
【日本原子力研究開発機構(大澤)】
  あと、最後の単価の御質問でございますけれども、34ページでございますが、基本的には他者発生分と私どものものを単価的に見れば、ちょうど真ん中にある、総費用から見まして3段目のところに他者分と原子力機構分に分けてありますので、これから単純に算定すれば単価は一緒になりますが、ただ、私どもは単価という設定ではなくて、繰入れという方式をとっておりますので、そこでこういう処理というか、他者分につきましては単価設定で頂くという記載をしております。原子力機構分につきましては、人件費を除いた上で省令等に基づいて繰入金額を算定して、先ほどの段階のように赤字ででこぼこしましたけれども、30ページの赤字で書きましたようなところでやっているということでございます。基本的には、単価的には原子力機構分が安くて他者分が高いということではございません。
【山名主査】
  佐々木委員、よろしいですか。
【佐々木委員】
  いいですか。
【山名主査】
  どうぞ。
【佐々木委員】
  ここでお聞きしたかったのは、割り振りのアロケートの話ではなくて、今ここで考えられているのは、原子力機構さんが考えられている場合の「1本当たり幾ら」という話ですよね。それに対して、例えば日本原燃さんが同じような仕事をやっている場合に1本当たり幾らになっているのか、この値は外部に公表されているわけではないものですが、内部的には「1本当たりの価格」というか「原価」ははじいていると思うのです。それとここの値を比較できないかなということです。それは難しいですか。
【日本原子力研究開発機構(大澤)】
  私どもが答える話ではないかもしれませんが、基本的には私どもは公開されているベースでしか数値は入手できませんので、それで比較するしかないと思います。残念ながら原燃さんは単価については公表しておられませんので、私どもとしてはすぐに単純に比較するということではありませんが、ただ、公表されている文献では大きく異なっているとは考えておりません。
【佐々木委員】
  ある程度似通ったというか、わりと近い値になっているといえるのか。
【日本原子力研究開発機構(大澤)】
  海外と比べても、いろいろな事情がありますので、そんなに大きくずれがあるとは考えておりません。今手元に数字がないのですが、総合エネ調さんで前に検討された数字もございますけれども、その数字と比べますと高い数字は出ておりますが、設定根拠がわかりませんので、単純には比較できないと思います。
【佐々木委員】
  扱う物量にもかなりよるかもしれませんが。
【石槫委員】
  関連して、前の70万円、13万円を最初のころに検討した中で、たしか同じような御指摘があって、結局そのとき比較したのですが、今もお話にあったように本数で決まってしまうのです。1本当たりですから。そのときの評価では、少し高いけれどもこちらの方の廃棄物は本数が少ないので、妥当なところであるということを報告書に確か書いた記憶があって。まさに本数が関わってしまう。
【佐々木委員】
  規模の経済が働くかどうかがかなりあるのでしょうか。ありがとうございました。
【山名主査】
  鬼沢委員、お願いします。
【鬼沢委員】
  同じような質問ですが、今御説明があったように本数で決まるということであれば、将来の予測量はすごく大切だと思います。そのあたりに関しては、今調査はしていますが、いつまでの時点ではっきりとした予測量を考えているのでしょうか、それは、この後の説明にあるのでしょうか。
【山名主査】
  今お答え願います。
【日本原子力研究開発機構(吉岡)】  お答えいたします。私どものこの事業につきましては、国の方針から平成60年度までに発生が予想される総物量を処分していくということですので、現行の実施計画におきましても、平成60年度までに、今から30年先までに発生する見込み量まで含めまして総物量を想定してございます。さらに、当然廃棄物でございますので、一回決めたものが以降必ず一緒ということではありませんで、今のところ私どもの計画では、5年に1回現行の中期目標期間に合わせて定期的に物量を見直しながら、それを反映しながら事業計画を見直していくという形で進めてございます。
【鬼沢委員】
  そうしますと、38ページに今事業所訪問調査をしているとか、アンケート調査をしているとありましたし、29ページにも年度ごとに廃棄体の受入数とか事業工程を設定していくとあるのですが、その辺はそれほど大幅に量が変わるとは想定していないということですか。
【日本原子力研究開発機構(吉岡)】  御指摘のとおり、大幅に変更するようであれば計画そのものを全般的に見直さなければいけませんので、基本的には平成60年度までということなので、現行の原子力の進捗状況を見ましても、大きな変動はないと考えられますので、今のところ小規模な変更で対応していくということで考えているところでございます。
【山名主査】
  鬼沢委員、よろしいでしょうか。
【鬼沢委員】
  はい。
【山名主査】
  五味委員、どうぞ。
【五味委員】
  今コストの話が出ているわけですけれども、事業費とかコストを合理的に安く持っていくというのは、確かに国民経済的に見れば非常に重要な要素かと思うのです。ただ、福島第一の事故以降の国民感情を考えますと、科学的な合理性の中で原子力を冷静に理解していただくことがなお難しくなっているのではないかと考えますと、経済合理性を優先しながらコスト、事業費を安くすることが、果たしてこれからの原子力を取り巻く厳しい環境の中で適切なことなのかどうかということを視野に入れながら、議論していく必要があるのではないかと感じました。
 もう一つ、15ページですが、下に「土地利用シナリオ」と薄紫で書いてあるところがありますが、この中で「埋設施設の跡地を利用するシナリオ」と書いてあります。埋設処分場をどういう土地に立地するかによって当然変わるかと思うのですが、概括的に言えば、放射性廃棄物が地下に埋設されているという土地を居住スペースとか建設作業で利用することが、果たして現実的な話なのかどうかと感じました。立地地域にとって、県もそうでしょうし市町村単位でもそうでしょうけれども、行政の土地利用がありますので、恐らく事業終了後300年間何らかの形でモニュメントを残して、ここには放射性廃棄物がしっかり管理されているという何らかの規制、土地利用規制になるのでしょうか、そういったものも必要ではないかなと感じました。
 以上です。
【山名主査】
  それでは、質問が二つありました。
【日本原子力研究開発機構(大澤)】
  まず、経済的合理性というお話があったと思います。これはなかなか難しい問題だと思います。例えば立地地域の方々がもっと安全にお金をかけてほしいということがあるかもしれません。そのときに、技術的にはこういうことで安全は十分担保できますがといったときに、具体的にはわかりませんが、例えば心理的にもうちょっとこういうのをつくってくれればより安全なので、その方が納得できるという御意見があれば、もちろんこういう場にお諮りしてだと思いますけれども、より余裕を持たせたような安全性を持たせるということも考えなきゃいけないかなとは思います。ただ、国民感情がどうなるとか、いろいろな条件がこれからどうなっていくかということもあると思いますので、今五味委員から御指摘があったようなことを十分念頭に置いて事業を進めることにしたいと思います。
 それから、2点目のシナリオについては、例えばモニュメントを残すなりして土地規制をするという考え方もあると思いますけれども、この場合につきましては想定でありまして、そうであっても大丈夫だと。どこかに立地させていただければ、そういうところとのお話合いの中で、今委員がおっしゃるように、例えばモニュメントを将来的に残すんだということを自治体がお考えであれば、そういった考え方に基づいた事業運営をしていくということになるかと思います。いずれにせよ、こちらの方がより安全というか、そうであっても大丈夫だということでありますので、一応想定の上で安全性を確認して、さらにそれに管理を加えれば安全側に動くと思いますので、そういったことも今後お話合いの中ではあるとは思います。ただ、技術的にはより保守側に立った形での安全評価は必要だと考えております。
 以上です。
【五味委員】
  居住空間として利用できるほど安全なのだという一つの示し方と理解してよいということですね。
【日本原子力研究開発機構(大澤)】
  そこのところは非常に言い方が難しくて、我々もどうやったらそういったところの安全性を御理解いただけるか、情報発信の努め方は工夫したいと思いますが、「それでも大丈夫だ」みたいな言い方をするのはちょっと乱暴かなとは理解しています。
【山名主査】
  基本的考え方として、300年で能動的管理が不要になるから浅地中処分というのがあって、その後の居住シナリオは基本シナリオに入るべきなのです。じゃないと、管理が必要になると今度は変動シナリオ扱いをしていくことになるし、300年以上の長期管理が必要ということになっていきますよね。ですから、その場合には浅地中では駄目だという話になってきて、非常に複雑なところなんですけれども、お答えいただいたとおりだと思います。
 お二人手が挙がっていますが、鬼沢委員からお願いします。
【鬼沢委員】
  今土地利用のお話があったのですが、そのもっと手前の26ページにあります立地手順のところなのですけれども、今四つの案が検討中となっています。これはいつごろまでに検討結果を出される予定なのかお聞きしたいのですが。
【山名主査】
  お願いします。
【日本原子力研究開発機構(大澤)】
  何度も御説明して恐縮ですが、技術専門委員会でお願いしておりまして、これまで2回開いております。今までの状況につきましては、前回の作業部会でも御報告しておりますけれども、事例調査だとか論点整理をしてきました。今後できるだけ我々としても、事業については着実に進めなきゃいけないという御説明が冒頭課長の方からもありましたけれども、そういう気持ちで進めています。ただ、最後にも書いてありますように、原子力を取り巻く議論もいろいろありますので、今ここでいつまでにということはなかなか言いづらいところがありますが、我々としては、委員の先生方にもお願いして、できるだけ早めに第3回を開かせていただいて議論を進めていきたいと考えています。
 そういう意味では、ずるずる先延ばしということは考えていませんけれども、議論がどうなるかもう少し見て、この場でも議論の状況については御報告申し上げるとともに、私どもはこの事業の推進状況について自己チェックする評価委員会というのを持っておりますので、そういう場にも御報告して、もっと早くやるべきとかこうすべきだとかいろいろ御議論いただけると思いますので、そういった議論を積み重ねたいと思っています。いずれにしろ、状況は見なければいけませんが、一生懸命できるだけ前に持っていけるような努力はしたいと考えています。
 以上です。
【鬼沢委員】
  先ほどから、去年の震災以降原子力に対する国民の非常に批判的な御意見があるというお言葉が何人かの方からおありになったのですが、実は5年前から高レベル放射性廃棄物の処分に関するワークショップを全国で実施しておりまして、今月末に名古屋でも開催し、それで50回全国で開催することになります。今まで開催してきて地域で聞かれる声は、最近原子力の問題とは別に、廃棄物に関しては必ず処理をしていかなきゃいけない問題なのだから、そこはちゃんと早い時期に議論して進めていかなきゃいけないという冷静な市民の声もたくさん実はあるのです。5年前の最初の頃はそうじゃなかったのですが、反対の意見ばかりじゃなくて、廃棄物の処分はちゃんとしていかなきゃいけない問題だと考えている市民もたくさんいるということだけはお伝えしておきたかったのです。
【山名主査】
  津山委員、関連した話でしたら先にお願いします。
【津山委員】
  スケジュールについては、私も大分腰が引けているという印象を持っていたのですけれども、たまたま39ページにアンケートを付けていただいておりますが、アンケートの一番上の「廃棄物保管中」、「将来発生あり」を引き算しますと、生産にはもう使っていない、保管だけの事業者が31あります。
 それほど民間レベルでは保管に対する負担がかなり重くなりつつあるということを御理解いただいた上で、30ページの費用の支出と収入のこれを見ますと、用地の取得が今の計画では平成25年度という理解でおりますけれども、これは是非実現していただきたいということと、あと、用地の取得から建設、実際の受入れまで7年間ぐらいかける計画だと思うのですが、7年間というのは発電所建設並みのスケジュールで、結構余裕がありそうな気がしております。是非これも短縮するように御努力を頂きたいと思っております。
【山名主査】
  今の点で何か解説。
【日本原子力研究開発機構(大澤)】
  事業者、各発生者の方々の事情も我々は調査を通じて理解しているつもりですし、廃棄物を保管されている事業所をお持ちの自治体からも、早く埋設事業を進めるようにという要望書を頂いております。そういった状況は十分認識しているつもりです。平成25年に期待するというお話がございました。これは確かに相当厳しいスケジュールで、当然立地を前提とすることになります。
 立地というのは、当然受けていただける地点がなければ話が進まないわけですので、期間をとりあえず仮置きはしていますけれども、相手の事情も考えずに「ここでやります」とはなかなかできないだろうという理解です。したがいまして、努力目標、最速としてこれを今設定しているわけですけれども、委員から発言がありましたように、我々としては一生懸命努力していくという姿勢だけは持ち続けたいと思っていますが、ただ、立地という特殊な、我々だけの都合で進まないということも是非御理解いただけばと思っております。
 以上です。
【山名主査】
  石槫委員、何かありましたか。
【石槫委員】
  いえいえ。
【山名主査】
  特にないですか。それでは、山内委員どうぞ。
【山内委員】
  実は、3月11日以降御存じのように日本全国訴訟が出て、各社ともやっているわけですが、今日の議論を聞いていてあきれるのは、本当に楽天的です。今はそんなものじゃないです。これは立地できるはずがないでしょう。各社を回っていて、本当に楽観的です。だけど、世の中はそんなものじゃないです。
 特に私はずっと新幹線、廃棄物とかの立地をやってきました。一般廃棄物、産廃の中に原子力があるのですが、今は想像を絶します。それは当たり前なのです。チェルノブイリ、あるいはTMI(スリーマイル島)を見てもらってもわかるように、10年、20年オーダーなのです。したがって、今津山委員が言われた点についても実は私も相談に乗っているのですが、自分の工場のそば、工場の中、あるいはどこまでかわからないけれども、各社で対応してもらうよりしょうがないのです。気の毒なのは石槫委員のところなのです。だから、非常に気の毒なのですけれども、気の毒とは言えても、幾らRIでも今は処分できません。したがって、それをどうするか考えていただきたいということが一つ。
 それからもう一つ、いろいろな立地方法があるとここに書かれているのですけれども、まず高レベルの公募方式が失敗です。したがって、あれから基本的にやり直さなきゃしょうがない。公募方式で日本に立地なんてできるはずがないのです。したがって、私はうーんと思ったのですけれども、ああいう方式をとったのは悪いことではないですからいいのですが、もし皆さん方が本当におやりになりたいのなら、あの方式からやるべきだと思います。鬼沢委員が非常に一生懸命やられていて、各社がやっているのも間違いないのですけれども、あれ以降は進まない。したがって、事業者が積極的に自分で探し出してやる、あるいは泥をかぶってやるということじゃなければ立地できない。それがこの廃棄物についても言えることだろうと思います。
【山名主査】
  関連してどうですか。森委員、お願いします。
【森委員】
  山内委員から現実としては非常に難しいというお話がございまして、それはよく感じるのですけれども、今のスキームから言って、ある目標を明確に示しながら原子力機構が処分を実施する。確かに難しいことはよくわかります。でも、その目標を示さなければ始まりもしないと思うのです。ですので、そういう目標を明確に示す必要があるのじゃないかと私は思います。
 それでもできないのであれば、処分ができないのだったら中間貯蔵するのかとか、次善策としてどういう手を打つのですか。原子力機構で処分ができないのだったら、事業者で何とかしなさいという話は確かにそうかもわかりませんけれども、事業者さんの力量だってありますし、そういうことから考えると、一体どういう代替措置をとるのかということまで踏み込んでいかないと、この問題は解決しないと思います。
 各事業所が広大な施設を持っていて、その中でいろいろな対応をすることができるかと思いますけれども、現実に事業者さんの中には立地の自治体から早く持っていきなさいとか言われながら、それでも原子力機構が処分をやっていただけるということで、半ば理解も得ているというのも事実です。そういうことから言ったら、まずは原子力機構がどういう時期に何をするという目標を示していただくことが重要ではないかなと思います。
【山名主査】
  ありがとうございます。この件は非常に重要なことなので、文部科学省の方で何か。
【西條室長】
  文部科学省核燃料サイクル室長の西條ですが、今鬼沢委員、津山委員、森委員の方から御指摘いただきました、とにかくスケジュールというかターゲットを設けてしっかりとやるべきだというお話もありますし、山内委員からはなかなかそれはできないと。
 我々といたしましても、ここについてはこれまで平成23年度中に何とか立地の手順も決めて、次のステップに移っていきたいということで、原子力機構さんの方とも話をしつつやってきたところですが、現状を踏まえますと、山内委員のお話にもありましたように、手順を今公開していつまでにというのは正直なところ、鬼沢委員の方からお話がありましたように、原子力の廃棄物の問題はとにかく何があろうとも廃棄物はあるという現実はありますので、それを処分しなければならないという責務は国としても当然持っておりますので、やらなきゃいけないということは確かでありますし、それをずるずると延ばしていくことになるのは非常に問題があるというところも我々は当然共感しておりますし、先ほど津山委員の方からありましたように、ちょっと腰が引けているというところについては、本来であればしっかりと我々としても前面に立ってやっていかなきゃいけないとは考えております。
 ただ、今の状況を見ますと、先ほど山内委員の方からもお話がありましたように、とにかくどこまでというところに線を引いて、またこれができずにずるずると先延ばしになってしまうのは非常に問題があるというところもあります。原子力の特に処分に関しては正直なところ、しっかりとできないというところが見えると、やっぱり原子力は駄目だよなという話にもなりかねないところもありますので、そこについては、現状においては今の福島の状況を踏まえつつも、どういった手順を引いていくのがいいのかどうかというところを、もう少しお時間を頂いてしっかりと検討して対応したいというのが今回の考え方であります。
 次のステップの話に入ってしまっているような気がしますけれども、国としても、とにかくずるずると先延ばしにしていい結果はないというのは十分認識しておりますので、その辺は状況を踏まえながら、現実的にできる方法、手順を考えてしっかりと考えていくのが重要ではないかと考えております。
【山名主査】
  この件は、時間があればもう少しディスカッションしたいところですが、議論の難しさがよくわかってまいりました。ただいまの文部科学省の御発言のように、とにかく今は非常に難しい状況ですので、しっかりとウォッチしながら冷静に立地に至る手順をよく考えるという段階にあるかと思いますので、このテーマについてはここで議論を打ち切らせていただきたいと思います。それ以外のことで何か御意見等はございますか。よろしいでしょうか。
 それでは、次の議題に移らせていただきたいと思います。次は議題の2ですが、埋設処分業務の実施に関する計画の変更方針について御説明いただきます。同じく大澤センター長より、変更方針について説明をお願いします。
【日本原子力研究開発機構(大澤)】
  それでは、資料2に基づきまして説明させていただきます。
 2ページ目を御覧いただきたいと思いますが、実施計画の変更理由でございますけれども、先ほどから述べさせていただいていますように、現行の実施計画におきましては平成23年度までの収支計画、資金計画だけでございます。この期間内に集中的に実施する事項を定めております。今般、先ほど御説明いたしましたように平成23年度が終了することから、実施計画を変更させていただきたいというものでございます。
 それで、3ページ目でございますが、今回の実施計画の変更におきましては、現行の実施計画のように「全体の計画」、「当面実施する業務」ということではなくて、これまでの業務の実施状況を踏まえて、第一期事業の全期間にわたる収支計画及び資金計画を含む埋設処分業務の計画を定めて進めてまいりたいと考えております。先ほどから議論がございましたように、今後立地基準や立地手順の策定、若しくは中期目標期間の開始に当たりまして、定期的な対象廃棄物の見直し等を実施する予定でございますので、これにつきましては適宜実施計画を変更し、公表してまいりたいと考えております。
 4ページ、5ページに新旧対照表というか変更の骨子を提案してございます。「はじめに」のところでございますけれども、1章で全体、2章で当面という記述がございますが、今回一つの章立てでということでございますので、その記述は削除したいと考えています。それから、1、2、3は変わりございません。現行の実施計画をそのまま踏襲しようと考えています。
 4.でございますけれども、設置に関する事項はまさに今議論がございました立地に関する部分でございますが、四角の枠で囲んでございますように、平成23年度までに進めている技術専門委員会で審議を進める旨を記載したいと考えております。それから、現行の実施計画の第2章、「立地基準及び立地手順の策定」の部分につきまして、ここできちっと明記したいと考えています。それから、三つ目の丸ですが、それらの進捗状況につきましては、先ほど御説明した原子力機構で持っています評価委員会とかで実施状況を評価します。後先になりまして恐縮ですが、年度計画も立てておりますのでその辺で明らかにした上で、その実施状況については評価委員会で評価し、公表していく。今までも公表してございますけれども、同じように公表してまいりたいと考えています。
 5ページ目でございますが、収支計画及び資金計画につきましては、先ほど御説明したような計画で全期間にわたる総費用と収支計画を記載したいと考えています。
 7.でございますが、その他につきましては、現行の「輸送、処理に関する計画」の部分をこちらに追記したいと考えています。それから、これらにつきましても年度計画にて年度ごとに実施状況を評価・公表するということを考えてございます。
 説明は以上でございます。
【山名主査】
  ありがとうございました。それでは、今の変更案に対して御意見等はございますか。森委員、どうぞ。
【森委員】
  前の実施状況の続きになるかもわかりませんけれども、現計画は当面の実施計画ということで、少なくとも3年間は何をやるかが見えていたわけです。今回、当面のところは過ぎたので当面ということはありませんということで、全体の計画ですというお話なのですけれども、ストーリーはそれでいいかもわかりませんが、現実的には先ほどからお話があったように、一体いつ立地して、いつ操業を開始するのかということが極めて重要だと思うのです。
 それをどう表現していくのかということだと私は思います。この書き方ですと、ポイント、ポイントがよく見えない。ですので、例えば今日の議論の中でも、手順は確かに難しいかもわからないけれども、基準であったら定められるはずだということで、着実に一歩一歩前へ進んでいくことが明示的に見えるような実施計画にしていかないと、これは実施計画じゃなくて基本方針のように私は思うのです。
 基本方針は十分議論してきたはずなので、確かに文科省さんがおっしゃるように、実施計画として目標を定めたとしても、それがなかなか実行できないと社会的に問題があるという一面もあるかもわかりませんけれども、逆に言えば、そういう目標も定めない中で事業を進めていくということも、また大きな問題じゃないかと思うのです。ですので、もう少しめり張りがある、マイルストーンが明確になっている実施計画に是非していただきたいと思います。
【山名主査】
  では、大澤センター長。
【日本原子力研究開発機構(大澤)】
  実施計画につきましては全体的な話でありまして、マイルストーンごとにというのはまさにここに書きましたように、私どもは実施計画に基づいて年度計画をつくり、それを評価して公表するということになってございます。そういうことで、実施計画に基づいて実施の全体像を明らかにし、その中でさらにマイルストーン的なところについては年度計画に定めて、これを公表してチェックしていくということでめり張りはつけていきたいと考えています。
 以上です。
【山名主査】
  山内委員。
【山内委員】
  独立行政法人ですから非常に難しいと僕は思うのですけれども、今日頂いた資料2で、例えば年度計画にて毎年度実施状況を評価・公表できますか。
【日本原子力研究開発機構(大澤)】
  はい。
【山内委員】
  独立行政法人なのだから、報告しなきゃいけないでしょう。そうすると、つぶされる根拠になるのではないですか。丸二つぐらいまではいいけれども、年度計画にて毎年度うんぬんというのは、廃棄物については年度ごとで変わらないのだから無理ですよ。したがって、立地手順とか立地基準を見直すということはやっていくべきだと僕は思います。変わってきていますから。しかし、年度計画までというのは行き過ぎだと僕は思います。
【日本原子力研究開発機構(大澤)】
  説明が不足したかもしれませんが、まず、年度計画は原子力機構が自ら定めて、自らチェックして、自ら公表するという性格のものでございます。これにつきましては、基本方針でも義務づけられておりますし、実施計画でもそうするということを明記してございまして、その中で、今年度はこうしますということを書いてございます。それにつきましては、私どもの内部の評価委員会ではございますが、外部の先生方に評価をお願いして、その場で評価して、その進捗は妥当だとか妥当でないとか、こうしなさいという御意見を頂いて、そういう御意見を公表しているということでございます。したがいまして、今委員が御指摘のような独法のシステムとはちょっと異なる独自のシステムで進めたいということでございます。
 以上でございます。
【佐々木委員】
  関連していいですか。
【山名主査】
  佐々木委員。
【佐々木委員】
  ここ数年、平成16年ぐらいから上水道とか下水道では、国の方からそういう事業を営んでいる地方自治体に対して、10年物の「ビジョン」をつくりなさいと言っているのです。それはビジョンですから、ここで言う「基本方針」のような漠としたものと言ってもいいものです。それに対して、もう一つ実効性を持った四、五年の「実施計画」をつくって、毎年進捗管理をしなさいという指導をしているわけです。ですから、ほとんどの水道とか下水道等を営んでいる自治体では、そういうものをつくって既に公表しているのです。しかも、毎年進捗管理をやっている。
 そういう思いをここに当てはめてみると、森委員がおっしゃったようにあまりにも長期のものじゃないかということなのです。だから、上水道、下水道では10年物と言っていますが、これがビジョンに当たるようなものです。片方で、毎年年度計画という言葉が出てきます。「その間をつなぐもの」があれば、森委員の懸念は少し払拭されるのではないかなと。つまり、恐らく4、5年の中期のものを水関係では「実施計画」と呼んでいるのですが、そういうもうちょっとオペレーショナルな具体的数値、あるいは目標を伴った4、5年物の「計画」を策定しておきながら、それを毎年度チェックしていって進行管理をしていけば、かなり「長期なもの」と「年度計画」がつながるのではないかなと思います。原子力機構さんの方からはどうでしょうか。
【山名主査】
  大澤センター長、いかがでしょうか。
【日本原子力研究開発機構(大澤)】
  今この実施計画は、長期にわたる基本的な考えと、具体的なアクションについて立地基準、手順を定めて公表しなさいということも書かれています。それをブレークして年度計画に落としています。申し上げたいのは、確かに実施計画というのは長期ですけれども、当面の目標についてはそれぞれ記述されておりますし、必要に応じて見直すことにもなっておりますので、そういう意味では今委員が言われたような構造にはなっているのではないか、十分そう機能しているのではないかとは理解しております。
 以上です。
【山名主査】
  ありがとうございます。非常に難しい。五味委員、どうぞ。
【五味委員】
  山内委員の方からお話があったことは、私もよく理解できます。3月の震災以降、福島の復興計画のお手伝いをしている中で、様々な被災地の方と話す機会が多々あります。そういった中で、山内委員のお話はよくわかるのですが、あれだけ10基原子力があった県でありながら、県民自身も原子力に対して正面から向き合ってこなかった面も一方であるのではないかと指摘する方もいます。
 確かに原子力立地というのは、水面下でのいろいろな調整は当然必要になってきますが、今回埋設について国民的な合意のアクションがあまり語られていない。国民的な合意を得るというのは、原子力機構よりはむしろ国としての責務ではないかなと私は思っています。特に埋設については、我々の日常生活に最も身近なものですから、国と国民が正面から向き合って合意を得ていくようなアクションも、政府の中にあってもいいのではないかなと感じております。
【山名主査】
  今の御指摘はどうしますかね。参考資料2-2の14ページ、第2章のところを見ていただきたいのですが、当初は当面3年ぐらい優先的に行う内容を第2章に書いたということですよね。そのうち、概念設計等は実施できてきたのだが、立地基準と立地手順についてはまだ今後策定が継続になる。その中で、福島の大きな環境変化等もあって、ここをどう記載しようかという議論であります。
 それで、当面3年間やるという段階は終わっているので、第2章を第1章と統合することは別にいいのですが、先ほど委員から御指摘があったように、立地に対する取組があたかも長期的、ビジョン的なものだけが残るということですと、非常に位置づけがあいまいになり、我々のモチベーションがよく見えなくなるという問題も確かにあります。ですから、これが消え去ることは少なくともないわけで、1章、2章を合体させた中でも、立地に対する取組を最新の難しい環境の条件も含めて、当面どういうふうにどの程度の取組をするかという程度の、現時点での覚悟のほどのようなものはある程度欲しいという気はいたします。
 いかがでしょう、皆さま方。これは非常に難しいところなのですが、単に2章が消えて、非常に大きなビジョンだけに変わることだけは避けたいという思いはあると思います。そこの記載の方法であるかと思うのですが、いかがでしょう。森委員、御発言の御趣旨はそういうところでしょうか。
【森委員】
  今主査にまとめていただいたとおりだと思います。2章の中で取り残しているところは、いわば処分の一丁目一番地なのです。ですので、そこに関してどういうメッセージを出していくのかということが重要だと思います。それが難しいことは重々わかっているのですけれども、着実に一歩一歩前へ進めていくということがわかるようにしていただくことが重要じゃないかなと思います。ありがとうございます。
【山名主査】
  佐々木委員、どうぞ。
【佐々木委員】
  今山名主査がおっしゃったところですが、資料2の4ページを拝見している限りは、現行の実施計画の「当面」という第2章は基本的に削るけれども、4ページの4の枠中に書かれているように、現行の実施計画の第2章中、「立地基準」と「立地手順」に関わるところは残るのですよね。消えないのです。
【山名主査】
  そう。
【佐々木委員】
  だから、この書き方を、実施計画の第2章にあるところをそのまま書くのか、より具体的に目標を入れながら書くのかは、変更点にかかわると思いますけれども、要するに消えないということです。
【山名主査】
  そういうことで、書き方の話になります。委員としては、あいまいには書いてほしくないという御意見が強いようでございますが、大澤センター長、いかがですか。
【日本原子力研究開発機構(大澤)】
  もちろん我々は、しっかり進めるということに変わりはありませんので、しっかり進めます。記載ぶりについては、今の2章についても結構具体的に書かれていまして、それは持ってくるつもりです。ここに書いてございますように、技術専門委員会での審議というのも明確に書いて、どういう表現がいいのか委員の先生方との議論にもよると思いますけれども、速やかにというのか着実にというのかわかりませんが、そういうことをきちっと進めて、まずは基準、手順を明らかにできるような努力をするということを、今主査の方から表現ぶりかなというお話もありましたけれども、我々としては結構我々のしっかりしたというのは表現できると思います。主査の方から覚悟のほどというのがありましたし、知恵を絞りたいと思っています。
【山名主査】
  ありがとうございます。いかがでしょう、ちょっと時間が押してきておりますが、実施計画については今のような方向で、変更した結果についてはもう一度この委員会でよく見させていただくということにさせていただきたいと思います。大澤センター長、よろしくお願いいたします。
【日本原子力研究開発機構(大澤)】
  はい。
【山名主査】
  それでは、関連いたしまして、資料3について文部科学省の方から御説明をお願いします。
【西條室長】
  それでは、資料3「研究施設等廃棄物処分費用の積立てに係る文部科学省告示の改正について」につきまして御説明させていただきます。
 廃棄物の埋設処分事業に必要な経費につきましては、各発生者が廃棄物量に応じて平等に負担すべきという発生者責任の原則の考え方に基づきまして、原子力機構につきましても、自らの業務に伴い発生する廃棄物につきましては、原子力機構法に基づく省令及び告示で定めるところにより算定した額を年度ごとに積み立てるという形になっております。
 積立てに関しましては、原子力機構の他の研究開発活動がございますので、こちらへの影響を極力少なくするため負担の平準化を図ることにしておりまして、原子力機構法は平成20年に改正させていただきましたが、それ以降の研究開発業務に伴い発生が見込まれる放射性廃棄物は将来発生する廃棄物として、これに係る処分費用の積立てにつきましては、積立期間を平成20年度から目標としている60年度の41年間という形で割っております。それ以前に発生した放射性廃棄物は過去分としておりますが、これについてもこれまで積み立ててございませんでしたので、積立期間を20年間という形で設定して、今平準化した形で積み立てているという状況になっております。
 それで、今回の改正の概要ですが、皆さま御存じのとおり、東京電力福島第一原子力発電所の事故を受けまして、今年は原子力関係の予算につきましては非常に厳しい状況にございました。その中で、まず対応するのは当然のことながら福島ということで、原子力機構といたしましてもこちらに総力を挙げて取り組む。特に原子力全体としてかなり予算を減額せよという話がある中でも、福島の支援に取り組むということで、かなり厳しい状況になっていたところがありまして、実はこの積立金についても相当財務省の方と議論になりました。正直なところ、積み立てておくようなお金があれば回すべきじゃないかという議論もございましたけれども、本日御議論いただいたように、廃棄物につきましては将来しっかりと処分するために積立てのお金は必要だということで、かなり議論いたしまして、結論といたしまして、原子力機構は福島への対応を第一に置く。
 ただ、もう一つ、今回実施計画を変更し、平成24年度以降も立地等については手続について議論するという状況もありましたので、過去分につきまして積立ての見直しを一部行いまして、過去分については1年間延長して、その分は福島の方に振り向ける。一方、将来分の平成20年度から60年度というのは切れていますので、これを後ろに送ること自身は避けるということで、その部分についてはきっちりと確保するという形で最終的に整理させていただきました。
 その関係で、その部分を今告示で定めておりますので、その部分の告示を改正するということになっておりまして、そこについての手続、スケジュールが下にありますが、官報に来月掲載いたしまして、4月1日より施行するということを考えております。積立て自身は法律上定められていて、しっかりやっていくということにはなっておりますので、こちらの方は着実に対応していきたいと思っておりますけれども、今般の事情もありこういう形になって、そのための告示改正が必要だということを御説明させていただいたところであります。
 以上でございます。
【山名主査】
  御説明のとおりです。本件は審議というよりは、このような対応をとらざるを得なかったということで、文部科学省としてはこの厳しい情勢の中で、1年延長でも過去分の枠を確保していただいたということでございますので、この点御了解いただけますでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
【山名主査】
  ありがとうございます。
 それでは、本日の審議は以上でございます。事務局の方から何か連絡等ございましたらお願いします。
【西條室長】
  どうもありがとうございます。次回作業部会につきましては、事前に御連絡させていただいているとおり、3月9日金曜日の午前中を予定しております。議題につきましては、本日御意見を頂きましたことを踏まえまして、引き続き原子力機構の実施計画の変更について御議論いただきたいと考えております。どうぞよろしくお願いいたします。
【山名主査】
  それでは、3月9日に先ほどの議論の結果案を見せていただくということでございますので、お忙しい中ですが、是非御参集お願いしたいと思います。
 本日はこれにて閉会といたします。ありがとうございました。

―― 了 ――

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