原子力科学技術委員会 核融合研究作業部会(第37回) 議事録

1.日時

平成25年7月3日(水曜日)16時~18時

2.場所

文部科学省18F局1会議室

3.議題

  1. 今後の核融合研究開発の在り方について
  2. その他

4.出席者

委員

小森主査、疇地委員、牛草委員、海老塚委員、大島委員、岡野委員、小川委員、尾崎委員、金子委員、笹尾委員、佐藤委員、髙津委員、伴委員、

文部科学省

戸谷研究開発局長、坂本研究開発戦略官、飯嶋核融合科学専門官、山田科学官、門学術調査官

5.議事録

【飯嶋専門官】  それでは、定刻となりましたので、ただいまから、第37回核融合研究作業部会を開催したいと思います。
 今回は、第7期の科学技術・学術審議会における第1回目の会議ということで、冒頭、事務局で議事を進行させていただきます。
 それでは、まず配付資料の確認をさせていただきます。
 議事次第に沿って御説明をしたいと思います。
 配付資料といたしまして、資料1、核融合原型炉開発のための技術基盤構築の中核的役割を担うチームの構築について(案)でございます。
 資料2-1といたしまして、日本原子力研究開発機構、「ITER計画、BA活動などの活動状況と今後の計画について」でございます。
 資料2-2といたしまして、核融合科学研究所、「学術研究の現状と将来」についてでございます。
 資料2-3といたしまして、大阪大学レーザーエネルギー学研究センターの「高速点火実証実験FIREXと米国立点火施設NIFの現状」でございます。
 参考資料といたしまして、1-1、科学技術・学術審議会研究計画・評価分科会における部会・委員会の設置についてでございます。
 参考資料1-2といたしまして、原子力科学技術委員会運営規則でございます。
 参考資料1-3でございます。原子力科学技術委員会における作業部会の設置についてでございます。
 参考資料1-4といたしまして、第7期核融合研究作業部会委員名簿でございます。
 参考資料2といたしまして、核融合原型炉開発のための技術基盤構築の進め方について、こちらは、第6期、昨年度開催いたしました作業部会においてまとめさせていただきました報告書でございます。
 以上でございます。不足等ございましたら、事務局まで御連絡願います。
 それでは、今回は会議の初回でございますので、本作業部会の位置付け、役割等につきまして説明をさせていただきます。参考資料1-1を御覧ください。
 3ページ目の組織図にありますように平成25年3月4日付けで科学技術・学術審議会の下に設置されました研究計画・評価分科会の下に原子力科学技術委員会が設置されております。2ページ目には原子力科学技術委員会の具体的な調査事項が記述されておりますが、この原子力科学技術委員会の下に核融合研究作業部会が設置されています。
 具体的な審議事項につきましては、資料1-3を御覧ください。原子力科学技術委員会には四つの部会が設置されておりまして、その表の二つ目、核融合研究作業部会が設置されています。ITER計画や幅広いアプローチ活動の本格化等、核融合研究が次の段階を展望する時期に差し掛かりつつあることを踏まえ、今後の我が国における核融合研究に関する新たな展開について調査検討するということが本作業部会の調査検討事項となっております。
 以上です。
 それでは、本作業部会の委員を御紹介したいと思います。
 まず、疇地委員でございます。

【疇地委員】  疇地でございます。よろしくお願いします。

【飯嶋専門官】  牛草委員でございます。

【牛草委員】  牛草です。よろしくお願いします。

【飯嶋専門官】  海老塚委員でございます。

【海老塚委員】  海老塚でございます。今回から参加させていただきます。よろしくお願いします。

【飯嶋専門官】  大島委員でございます。

【大島委員】  大島です。よろしくお願いいたします。

【飯嶋専門官】  岡野委員でございます。

【岡野委員】  岡野です。よろしくお願いいたします。

【飯嶋専門官】  小川委員でございます。

【小川委員】  小川です。よろしくお願いいたします。

【飯嶋専門官】  尾崎委員でございます。

【尾崎委員】  尾崎です。よろしくお願いいたします。

【飯嶋専門官】  小森委員でございます。

【小森委員】  小森です。よろしくお願いいたします。

【飯嶋専門官】  笹尾委員でございます。

【笹尾委員】  笹尾です。よろしくお願いいたします。

【飯嶋専門官】  金子委員でございます。

【金子委員】  金子でございます。よろしくお願いいたします。

【飯嶋専門官】  佐藤委員でございます。

【佐藤委員】  佐藤でございます。今回からよろしくお願いいたします。

【飯嶋専門官】  髙津委員でございます。

【髙津委員】  髙津です。よろしくお願いいたします。

【飯嶋専門官】  伴委員でございます。

【伴委員】  伴です。今回から参加させていただきます。

【飯嶋専門官】  山田科学官でございます。

【山田科学官】  山田でございます。よろしくお願いいたします。

【飯嶋専門官】  門学術調査官でございます。

【門学術調査官】  門です。よろしくお願いいたします。

【飯嶋専門官】  事務局からは戸谷研究開発局長でございます。

【戸谷研究開発局長】  戸谷でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

【飯嶋専門官】  坂本研究開発戦略官でございます。

【坂本戦略官】  坂本です。よろしくお願いいたします。

【飯嶋専門官】  核融合科学専門官をしております飯嶋でございます。よろしくお願いします。
 本日は東嶋委員と堀池委員が御欠席でございます。
 それでは、本作業部会の主査につきましては、この上位の審議会でございます原子力科学技術委員会の田中委員長から小森委員が指名されておりますので、これからの議事は小森先生にお願いしたいと思います。よろしくお願いします。

【小森主査】  小森でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 3・11以降、特に電気エネルギーの問題について国民的な議論がなされていますが、残念ながら核融合の発電に関してはほとんど話題に上ってこない状態にあります。原因の一つは、「核融合はいつ実現するか」市民の皆さんに見えないことにあると思いますので、是非この会議等を通しまして、核融合研究を国民の皆さんに見えるものにしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
 はじめに、本部会の主査代理の指名について御報告したいと思います。主査代理につきましては、主査があらかじめ指名することになっております。主査代理は笹尾先生にお願いしたいと思いますが、よろしいでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

【小森主査】  どうもありがとうございました。

【笹尾主査代理】  よろしくお願いいたします。

【小森主査】  それでは、これから議事に入ります。はじめに、今期最初の作業部会ですので、戸谷研究開発局長から一言御挨拶をお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

【戸谷研究開発局長】  研究開発局長の戸谷でございます。
 本日は、第6期から引き続き委員をお務めいただく先生方、それから今期から新たに委員をお引き受けいただいた先生方、大変お忙しい中をお集まりいただきましてありがとうございます。
 核融合研究開発につきましては、もう先生方はよく御案内のとおりでございますけれども、今、国際協力として進められているITERにつきましても、現地のカダラッシュでかなり目に見えたいろんな建設が進んでおりまして、進展が見られているところでございます。
 それから、日本とEUで進めているBA活動についても、青森県六ヶ所村の国際核融合エネルギー研究センターにおいては加速器の組立の開始、茨城県の那珂研においてはJT-60SAの組立の開始といったようなことで着々と進捗しているということでございます。
 また、学術研究の分野につきましては、核融合科学研究所におきまして、いよいよ重水素実験に向けた地元自治体との協定の締結ということでございまして、今後、この分野の研究開発の進展といったものも期待をされているということかというふうに認識いたしております。
 また、世界的に目を向けますと、EUにおきましては、核融合の発電実証、原型炉開発に向けたロードマップの作成といった今後の核融合研究開発の道筋をいろいろ立てつつあるということでございまして、このような状況の中、我が国といたしましても、いよいよ原型炉開発に向けてさらに具体的な議論を進めていただく時期に来ているということかと認識いたしております。
 既に第6期の部会におきまして、核融合原型炉開発のための技術基盤構築の進め方についてといったことをお取りまとめいただきまして、原型炉開発に向けた技術的な課題の整理を精力的にしていただいたわけでございます。
 今期の作業部会は、この議論をさらに進めまして、これらの技術課題を具体的に克服するためのコミュニティ、核融合研究のコミュニティ全体としての活動についていろいろ御議論していただくということで、それがひいては我が国としての原型炉開発のためのロードマップといったものにつながっていくというふうに承知をいたしております。
 そういう意味で、今期のこの核融合研究開発の議論というのは、次の段階に向けて大変重要な御議論でありますし、また、今、小森先生の方から国民に向けたアピールといいますか、そういったようなお話もいただいたわけでございますけれども、こういう議論もどこかのタイミングで国民に説明をしていくといったようなことも、いろんな形でまた御検討いただければというふうに思っております。
 文部科学省といたしまして、今回のこの御議論に基づきまして、この原型炉開発に向けた具体的な予算なり政策等々の立案といったことも行って参りたいと考えておりますので、是非今後ともこの分野におきます活発な御議論をお願い申し上げまして、文部科学省を代表いたしまして私の御挨拶とさせていただきます。
 どうかよろしくお願い申し上げます。

【小森主査】  どうもありがとうございました。
 次に、本日の議事について御紹介します。本日は、原型炉開発のための技術基盤構築の中核的役割を担うチームの構築について、核融合分野における研究開発の進捗状況について、その他について御審議いただく予定です。
 まずは、第6期における議事内容と第7期に予定しています審議事項につきまして、事務局から説明をお願いします。

【飯嶋専門官】  それでは、御説明いたします。
 第6期の作業部会におきましては、先ほど戸谷局長からもございましたとおり、本日、参考資料2としてお配りしております核融合原型炉開発のための技術基盤構築の進め方についてまとめさせていただきました。これは、今後、原型炉の開発のためにどういった技術基盤の構築が必要なのかということを整理させていただいたものでございます。
 第7期におきましては、本報告書を実効的にするために、どのような取組をしていくのがいいのかというような議論が一番重要になってくるのではないかと思ってございます。そのための御議論を主にしていただくことになるかと思います。
 本日の議題1にございます「原型炉開発のための技術基盤構築の中核的役割を担うチームの構築について」が、第7期の中心的な議論になるかと思います。
 それと併せまして、ITER計画やBA活動、さらにLHD、レーザー核融合研究などの進捗に合わせて、何か審議等が必要な事項がございましたら併せて審議する予定でございます。
 以上でございます。

【小森主査】  ありがとうございました。
 それでは、今の御説明に対しまして御意見、御質問等がございましたら、お願いいたします。
 よろしいですか。
 それでは、議事の方に移らせていただきます。まず最初の議事ですけれども、第6期の作業部会報告書において核融合炉開発のための技術基盤構築の中核的役割を担うチームの構築が求められております。このことに関しまして、資料1の説明を、まず事務局よりお願いいたします。

【飯嶋専門官】  先ほどもお話をいたしましたけれども、第6期にまとめられました報告書を実効性あるものにしなければいけないと事務局としては考えてございます。そのためには、報告書にも記述されてございます技術基盤構築のための技術課題の解決に向けた取組や、その進捗状況を把握するための組織をしっかりと構築する必要があるのではないかと思いまして、本日の資料を用意させていただきました。
 先ほど局長からもお話がございましたが、核融合研究開発の世界情勢を勘案いたしますと、核融合原型炉開発に向けた道筋を我が国としてもしっかりと描かなければいけない時期に来ているのだろうと思ってございます。
 そのためには、我が国の研究者が一体となりまして、オールジャパンの体制で臨む必要がありますことから、我が国における大型プロジェクトの実施主体であります原子力研究開発機構核融合研究開発部門と自然科学研究機構核融合科学研究所が中心となり、大学や産業界の研究者が参画する枠組みが妥当なのではないかと考えてございます。
 この組織の目的といたしましては、原型炉開発に必要な技術基盤構築の在り方を我が国の研究者コミュニティの総意を踏まえながら検討していただきたいと思ってございます。これは我が国最初の原型炉はどうあるべきか、ということを、コミュニティとしてしっかりと考えていただくことをお願いするものでございます。
 検討内容といたしましては、まず検討の前提となる原型炉概念の提示をしていただき、そのために必要な活動、研究活動や検討活動になるかと思いますけれども、それらの実施時期、実施体制などを同定していただく必要があるかと思います。詳細につきましては、ボトムアップでしっかりと議論していただきたいという思いがありますので、具体的な内容につきましては、構築されるチームに任せたいと思ってございます。
 留意点といたしまして、産学官の研究者が幅広い連携・交流をすることを期待しております。これはアカデミアと産業界の研究者が核融合という閉じた分野だけではなく、核融合とは直接関係のない関連分野の研究者が連携・交流することにより裾野が広がり、人材層の厚みが増すことで、研究の進展の可能性が得られると思っているからでございます。
 最後に、構築された検討チームから検討状況を定期的に本作業部会に報告をしていただきたいと思います。作業部会といたしましては、検討チームの報告を踏まえまして、政策審議の参考にさせていただくことを考えているからでございます。
 以上でございます。

【小森主査】  ありがとうございました。
 それでは、ただいまの御説明に対しまして、御意見、御質問等がございましたらお願いいたします。いかがですか。

【坂本戦略官】  今の御説明のとおりですので、是非コミュニティの意見集約というものの中核になっていただきたい。コミュニティの牽引役になっていただきたいというのが、我々行政側の願いでございますので、若手中心に是非活発な御議論をお願いできればと思っております。

【笹尾主査代理】  質問をよろしいでしょうか。このチームの代表者が作業部会に報告するということが書いてありますが、今回これから議論していくそれと、チームの構築との時間的な関係とかペースについて少し教えていただけたらと思います。どういうことをイメージされていらっしゃるのか。

【坂本戦略官】  どれくらいのタイムフレームで議論を進めていただくのかというのは、これは原型炉開発のための技術基盤構築、さまざまなところに影響といいますか、関連が出てくるというふうに思っております。まず、ITER計画、あるいは今行われている幅広いアプローチ活動、そのものが、今どういう成果を生み出しつつあるかというところは、当然この検討チームの検討対象として非常に重要な部分でございます。そこの進捗を見つつ、さらには、ITERは今建設中でございますけれども、それが運転期に入ってきたときに、一体何をすべきかというところ。あるいは、幅広いアプローチ活動も、協定は2017年まででございます。JT-60SAの完成は2019年でございますけれども、その後、どういう活動を発展させていくかというところのプランニングをそろそろ始める必要がある部分が出てまいります。そういったものにフィードバックしていくために、いつ頃、どういう方向性、技術課題はどこまで解決されていなければいけないか、これも多分段階的なものになってくると思いますけれども、そういったものを見通しつつ、このチームの計画をまとめていただきたいと思っております。
 我々が想定しておりますのは、ある程度まとまった時期に、チームの方から自発的に報告したいというお話も多分あるかとは思うのですけれども、その報告の中に多分提案も含まれてくるのではないか。その次のアクション、例えばこれは予算なのか、そのほかの制度的な措置を提案されることが出てくるのではないか。そういった提案が出てくるというのは、多分概算要求の時期だとか、そういったものに連動してくると思いますので、そういった時期にまず報告をチームからしていただくというのが、実際の措置の立案につながる流れになっていくのかなと思っております。そこはチームの皆様と御相談したいと思いますけれども、行政側としてはそういう段取りを考えております。

【小森主査】  よろしいでしょうか。ほかにございますか。

【小川委員】  前期の報告を受けて、今回、こういう合同チームが出るのは非常に良いことだと思いますので、是非我々コミュニティとしてもサポートしていきたいと思います。
 今の笹尾先生からのどのくらいのタームでやるのかという質問とも関係するのですけれども、まず確認ですけれども、これらのチームというのは、文科省の中のこの作業部会の下に組織化されるチームなのでしょうか。
 それから、適宜この作業部会に報告があるという話ですけれども、例えばどのくらいを一つのターゲット、期間として何かをまとめようとされているのでしょうか。また、先ほどの話ですと今後も定期的に概算要求とか、いろいろな予算要求をしていくにあたりどのような役割を果たすのかも重要だと思いますので是非ともその辺の枠組みのイメージを教えていただけないでしょうか。

【坂本戦略官】  まず組織的な位置付けですけれども、これは核融合コミュニティを代表される実施機関、プロジェクトを実施されている機関、この両機関に共同で設置していただくチームを想定しておりますので、この決定を本日していただきましたら、原子力機構、核融合研の方に、これを作業部会として依頼をするということで、それを受けて設置をしていただくことを想定しております。
 したがいまして、直接作業部会の下に設置される科学技術・学術審議会の一部というわけではございません。実施機関に置かれるものということになります。
 タイムフレームにつきましては、我々もこのチームの皆様と議論させていただきたいと思っていますけれども、先ほど私の方からお話ししました幾つかの節目というものを、当然もうこのチームに入られる方は多分御存じだと思うのですけれども、その中で、例えばターゲットとして、まとまった提案を行う時期はいつなのか。今大型プロジェクトとして行われているITER、BAの枠組みだけ考えましても、例えばBA活動、2017年に協定が終了するということは、それ以降の計画は今のところないわけです、公的な計画は。その2017年以降のBA活動の発展型を予算化するためには、2016年の夏に予算要求しなければならない。それがもし、例えばインフラの整備などを伴うものであれば、準備的な設計とかを行う必要がありますので、そういった準備活動のことを考えると、もう1年前に御提案いただくとか、そういうタイムフレームが具体的に出て参ります。
 そういったことを念頭にターゲットを考えていただく、あるいは作業部会の方からも、このチームの決定の後、あるいはこの場でも結構ですけれども、ここを一つ節目として考えるべきではないかという御提案あるいは御助言を頂きましたら、それは我々の方からチームのメンバーの方にお伝えしたいと思いますので、今、予算的に考えてもそういった節目は出てくるということはございますが、何か留意事項がございましたら、是非御指摘いただけましたらありがたいです。
 以上です。

【小森主査】  ほかにございますか。どうぞ。

【岡野委員】  ここで考えるところの原型炉というのは、何の制約もないものを考えてもらうのでしょうか。それとも原子力委員会の、平成17年の報告書はトカマク原型炉と書いてあるのですが、それも外して自由に考えてもらうという位置付けになるのでしょうか。これからは少なくともそれが読めないと思ったので。

【小森主査】  基本的には前の議論を踏まえまして、トカマクで考えるということだと思います。

【岡野委員】  それが一緒にできれば非常にすばらしいと思いますね。共通な部分もたくさんあると思うので。

【小森主査】  ほかにございますか。よろしいですか。
 それでは、御承認をいただいたということで、早速JAEAとNIFSに対しましてチームの構築をお願いしたいと思います。どうもありがとうございました。
 それでは、このチームを中心にしまして、産学官あるいは学界の壁を超えて活発な議論が今後なされることを期待したいと思います。
 続いて、平成17年の原子力委員会報告書におきまして、核融合研究の重点化の柱として位置付けられています4分野のトカマク、ヘリカル、レーザー、炉工学について、現在の進捗状況を確認し、情報共有を図っていきたいと思います。
 本日はJAEAの牛草委員、それからNIFSの金子委員、レーザー研の疇地委員からそれぞれの進捗状況を報告していただきます。
 まず、牛草委員から25分でお願いいたします。

【牛草委員】  25分というのは説明に25分というふうに理解していいですか。

【小森主査】  そのとおりです。その後、質問が8分の予定です。

【牛草委員】  分かりました。
 お手元の資料2-1で御説明させていただきたいと思います。なるだけ簡単に御説明したいと思います。
 1ページをあけていただいて原型炉に向けた原子力機構の推進策という大層な題でありますけれども、真ん中にITERがございまして、その下に幅広いアプローチ、現在進めております。我々原子力機構は、もちろんITER、幅広いアプローチ、BA活動、これが中心なのですけれども、同時に先進プラズマに関連する研究開発、炉工学関係の研究開発を同時並行的に進めているところであります。
 原型炉に向けては、当然ITER、BAが中心ですけれども、それをより発展させて、JT-60SAを用いたプラズマ研究、我々はそれを先進プラズマプラットフォームというふうに、我々が勝手に呼んでいるだけですけれども、それと青森県六ヶ所村で展開している原型炉の基盤構築に向けた炉工学研究、我々はこれを核融合フロンティアと呼んでいますけれども、こういう形でITERと並行させて、できる限り早期に原型炉を実現するというような方針で進めていこうと考えております。
 その下、ITERチームジャパンと書いてございますけれども、我々はITERの組立あるいは運転フェーズを想定して、日本として日本の実験炉ITERを活用して研究開発をするという部分も出てくるというふうに思っておりまして、ITER機構は当然ITERの運転、研究開発をするのですが、日本独自でする部分というのもあるだろうということで、ITERチームジャパンというような名前で我々は呼んでいますけれども、そういった我が国独自のITERを使った研究開発活動というのも視野に入れております。
 2ページ目を見ていただきますと、スケジュールが書いてございます。平成19年から34年まで書いてございますが、一番上、緑の部分、ITERでございますけれども、ITERは現在のスケジュールでは2020年の末頃に初プラズマを迎え、組立が実際に始まるのは、現在のスケジュールでは2015年くらいからということになってございます。
 一方、実施機関である原子力機構が機器を製作するわけですが、そのスケジュールがその下の青色の部分、いろんな機器が書いてございますが、そういったスケジュールで現在進んでおります。
 平成25年、2013年、黄色い部分を見ていただきますと、トロイダル磁場コイルの導体製作、これはほぼ終了です。実規模の試作もほぼ終了で、既にトロイダル磁場コイルの実機製作に着手しております。ダイバータもかなり前から進めております。遠隔保守も進めておりまして、高周波だけは、若干次年度になりますけれども、ざっと見ていただくと、主要な機器の製作に既に着手している状況です。
 こうやって見ていただきますと、主要なものづくりでは、2012年から2018年、2019年くらい、この辺でほぼITERの日本としてのものづくりが大体終わってくるような形になろうかと思います。
 一方、その下の幅広いアプローチ、IFMIF/EVEDAとIFERC、JT-60SAを見ていただきますと、先ほど来話がございましたように、2017年5月末に一応の当初のブロードアプローチの活動期間が終了します。JT-60SAだけは若干遅れまして2019年の末までブロードアプローチとして進めるということになってございます。
 というわけで、平成25年、2013年といいますのはブロードアプローチにとっては、真ん中を越えて、ほぼ成果がだんだん見え始めてくるというような状況です。実際、IFMIF/EVEDAで見ますと、工学設計活動が今年度終了します。リチウムターゲットは震災で1年遅れましたけれども、2014年には終了する見込みであります。加速器は、今年度から組立に入りまして、予定どおり進めていきたいと思っております。
 IFERCも計算機が非常に順調に動いておりますし、遠隔実験センターの設計検討活動も進んでいるところであります。
 JT-60SAについては、組立が既に始まっているということで、いよいよ機器が見えてくるというようなフェーズになろうかと思います。
 一番上がITER計画についてですが、スケジュールに従い、TFコイル等の実機製作に着手しております。BA活動はおおむねスケジュールどおり進捗しておりますと書いてございます。
 次のページをめくっていただきまして、日本の分担機器の全体の約88%の調達取決めを締結していますと書いてございます。これは予算規模でいって、トータルで88%ということで、約束事は大体ITER機構との間で締結していまして、これからは取決めに従って着々と機器を作り上げるフェーズということを示しております。
 現在の機器調達の状況ですけれども、次のページを見ていただきまして、超伝導コイル・導体調達状況ということで、その下に赤字で、2013年度に全てのTF、トロイダル磁場コイル・構造物の産業界との契約の締結を予定しております。
 現状を御紹介しますと、TF導体については9割方もう完成をしています。2012年度にはTFコイル、そこにコイル1個とか、巻線2個とか書いてございますけれども、そういった契約をしました。2013年度には、コイル8個、鋼材が6個分、巻線が6個分、これを契約する予定であります。欧州向けのトロイダル磁場コイルの構造物についても、既に構造物1個と鋼材を5個分、2012年度に契約をしてございまして、残り構造物9個、鋼材4個分について、2013年度に契約する予定であります。
 というわけで、2013年度に最もお金がかかって、最も難しいトロイダル磁場コイルについての契約が終わるということになります。
 一方、CS導体ですけれども、日本はCS導体49本全て調達することになってございます。従来の撚線ではSULTAN試験で性能の劣化というのが観測されましたが、いろいろ工夫をして、撚線ピッチを工夫することで、我が国の導体製作メーカー3社が作る全ての導体について性能が劣化しないことを証明することができて、安定に導体を供給できる体制を組めたということになります。
 次のページをめくっていただきまして、実機TFコイルの製作状況ということで、2012年度契約をするに当たって、いろいろ産業界の方々とも御相談し、できる限り競争的な環境を実現したいということで工夫してまいりました。幸いにも我が国を代表する複数社がトロイダル磁場コイルの製作に貢献していただける体制が構築できました。このことによって高い品質、確実な工程、それから裾野の広い波及効果が期待できるのではなかろうかと考えてございます。
 その他の調達状況でございますけれども、細かいのは省略しますけれども、ジャイロトロンシステムの調達、NBIシステムの調達、トリチウム除去システムの調達、ダイバータシステム、ブランケット遠隔保守システム、それから計測システムとほぼ順調に調達及び調達準備を進めているところでございます。
 次をめくっていただきまして、幅広いアプローチ、御案内のとおり三つの事業、国際核融合エネルギー研究センター事業、IFERCと、IFMIF/EVEDA事業、それからJT-60SA事業、この三つを進めておるところであります。
 次のページ、青森県六カ所村では、既に必要な建物を全て造り上げまして、実際にRIの実験を始め、スパコンを稼働し、入射器の搬入が済んで組立を始めているところであります。
 右の方に人の移り変わりが書いてございますけれども、2012年には管理部門を含めまして、約180名が青森県の拠点に結集して事業を進めているところであります。
 次のページをめくっていただきまして、一例としてR&Dほかシミュレーションの成果を御紹介しますけれども、R&Dにつきましては、熱の取り出し、燃料を製造する機器開発は進展ということで、ブランケットの候補材料である低放射化フェライト鋼の大量製造に成功しました。大量に作っても成分がきっちりと必要な成分分布になっているということを確認してございます。また、高温で安定なベリライドの量産化につながる微小球製造に成功してございます。
 計算機シミュレーションにつきましては、我々は「ろくちゃん」と呼んでおりますけれども、順調に運用を進めまして、利用率も80%以上ということで、関連するユーザーによる成果が着実に出てございまして、既に論文等たくさん出ているところであります。現在、日欧の利用者数としては330名ということで、非常にアクティブに研究開発活動をしていただいている状況であります。
 次のページ、IFMIF/EVEDAですけれども、入射器の受入試験を無事終えて、今年の3月末から青森県の六カ所サイトに搬入されました。入射器そのものは既に到着しております。現在、組立の準備と、関連する欧州から来る電源盤等の搬入を待っているところであります。順次組み上げて試験を進めていく予定になっております。
 大洗センターにあるリチウムループについて、東日本大震災でかなり被災を受けましたけれども、必死で早期復旧を行いまして、昨年9月に実証試験を再開し、目標性能の20m/secのリチウム流を達成することができております。
 ということで、1年ちょっとリチウムのスケジュールが遅れましたけれども、順調に再立ち上げができている状況であります。
 その次のページ、サテライトトカマクでございますけれども、この3月までに日欧で22件の調達取決めに合意してございます。サテライトトカマクも9割弱の調達取決めを締結したということで、ITERと同様着々と機器製作を進めるフェーズに入ってございます。年表で、これができた、これができたと書いてございますが、一般トピックス的なのは、右下の本体組立開始というのを線を引いていただくと、今年の1月に本体の組立を開始しました。
 その次のページを見ていただきますと、この3月にJT-60SA、欧州製作機器の初搬入と組立開始を披露する式典をやらせていただきまして、日欧から産業界も含めまして約100名の方に来ていただいて、一生懸命これからもやっていこうという決意を表明させていただいたところであります。
 まとめですけれども、字がいっぱい書いてございますので、また後で読んでいただきまして、おおむね基本的には順調に進んでいるというようなことが書いてございます。
 次のページにいきまして15ページ目です。ITER計画・BA活動のスケジュールで、先ほど見ていただいたものですが、違うのは、一番上に原子力機構の中期計画期間が書いてございまして、平成26年度末には第2期中期計画が終わりまして、平成27年度から第3期中期計画が開始されます。したがって、平成26年末までには第3期にどういうことをやるかという絵が描けてないといかんという状況になります。
 下の方にはBAが終わるということで、その横にBA終了後、ITERの組立、運転時の原型炉建設に向けた新たな計画をそろそろ具体化する必要があるというようなことがわざわざ書いてございます。
 16ページ目を見ていただきますと、これが原子力機構が現在考えているざくっとした計画でございまして、ITERにつきましては、先ほど申し上げたように初プラズマが2020年ということで、DT運転が2027年、順調にいきますと、5年程度で50万キロワットの出力を仮に出せたとしますと、このときをもって、最速の場合、原型炉の建設にいけるかもしれない。これよりも早くなることは多分なかろうというふうには思います。
 そうしますと、ブロードアプローチは2017年に、サテライトは2019年ですけれども、終わりまして、次の原型炉にいくまでの、BAが終わった後の活動というのを提議しておく必要があるということで、我々としてはITERについては、先ほど申し上げたとおりITERチームジャパンということで、我が国の実験炉でもありますITERを活用する研究開発をカダラッシュでやるということと、茨城県那珂市のJT-60SAを活用した研究開発、それからブロードアプローチで整備したさまざまな施設機器を活用した核融合フロンティアというのを進めていきたいと考えてございます。そのことでスムーズに原型炉の工学R&Dフェーズに移行できたらなということで、この中身の具体化を現在進めているところであります。
 次のページをめくっていただきまして、ITERチームジャパンの概要ということで、左下の方に日の丸が書いてございますけれども、ITER国内機関を経由して、我が国の研究者・技術者がITERを用いて我が国固有の研究開発活動をするための体制というのが必要だろうということで、それをITERチームジャパンと呼んでおります。
 当然組立フェーズと運転フェーズでは機能が違いまして、下に書いてございますように組立段階では実施機関のJAEAや機器製作メーカーの研究者・技術者が中心になります。また、運転フェーズでは、当然研究機関、大学の先生方もカダラッシュに出向いて研究開発に従事するということで、フェーズによってチームジャパンの性格なり、構成なり、使命なりが変わってくるということになります。
 続きまして18ページ、先進プラズマプラットフォームと我々は呼んでおりますが、JT-60SAを活用して、JT-60SA環境でないとできないような研究開発をやっていこうということで、先進プラズマ研究はもちろん、炉心工学技術開発、例えば炉内の安全性・健全性確証試験だとかダイバータ開発だとか、先進プラズマ適合性試験だとか燃料補給技術の開発だとか、炉心環境でなければできない技術開発というのを進めていき、また同時に人材育成を進めるというようなものであります。
 19ページですけれども、核融合フロンティア、これは議論をしているところですけれども、BA活動で整備した機器をうまく活用して、これはBAではございませんが、テストブランケットモジュールを作り、それを試験する施設を整備するだとか、中性子源を作って中性子環境下で材料あるいはブランケット体系がどう挙動するのか、腐食がどう進むのか、そういったような研究開発を進めるとか、実規模の大型の遠隔保守技術の試験設備とか、リチウム回収等のグリーンイノベーションとか、あるいは核融合炉固有の廃棄物処理技術開発とか、それに加えて、もちろんデモの概念設計とかシミュレーション、遠隔実験とかも含みますけれども、そういった、どちらかというと、原型炉に直接的に基盤となるような技術開発を青森県六カ所村のセンターを拡充して進めていこうと現在議論しているところであります。
 最後のページですけれども、施設・資源の共有化を促進する体制も必要だろうということで、ITERチームジャパン、先進プラズマプラットフォーム、核融合フロンティアと、我々が勝手に原子力機構の中で今言っているところでありますけれども、こういった我々が進める施設がオールジャパンで使う、オールジャパンで取り組む、そういったようなものになるべきだというふうに考えておりまして、産業界、大学、研究機関、それから核融合コミュニティと連携して、そういうふうなことを進める体制を実現するために機構内でも議論を進めているところであります。
 以上です。

【小森主査】  ありがとうございました。
 それでは、今の発表に対しまして、御意見、御質問等がございましたらお願いいたします。

【小川委員】  15ページですけれども、先ほど第3期中期計画との関連のことをおっしゃっていて、第3期中期計画で、BA終了後どうするかというのを、平成26年末、27年冒頭にある程度言わなければいけないということですね。そうすると、それと先ほどの一つ前の議題にありました合同チームがこのBA終了後の計画に対してそれなりのオピニオンを持って提言することになろうかと思います。これを見ると、先ほどの合同チームの一つのマイルストーンというのは、平成26年度末までに、このBA終了後の計画に対してどうあるべきなのかをまとめる必要があると思います。一方で原子力機構さんは、19ページ、核融合フロンティアですか、具体的にこういうものがあるというのを提案されていますので、両者のすり合わせ、及び齟齬がないようにするということが、最初の合同チームの一つの重要な課題かなと思うのですけれども、いかがでしょうか。それは牛草さんに聞くのか、それとも……。

【牛草委員】  我々原子力機構としては、中期計画を作るに当たって、文科省からいただく中期目標に沿って、それを具体化する中期計画を作ります。したがって、合同作業チームの方々が作業部会においてこうあるべしというのが文科省さんの中期目標の設定になるかと思いますので、我々としてはそれを受けて、できる限りそれを実現できる中期計画を策定するということになろうかと思います。いずれにせよ、我々、第3期の中期計画を作るに当たっては、文科省さんの中期目標をいただかないとできないので。

【小川委員】  中期目標の中に、先ほどの合同チームの中のオピニオンとかが入ってくることを期待すると。

【牛草委員】  何がしか入るべきだというふうに思います。

【小森主査】  ほかにございますか。

【岡野委員】  19ページを見ると、金額的に主要なものを書いてあると思えば良いのでしょうが、それにしても8のその他にデモ概念設計があるのは、ちょっとおかしい気がします。原型炉を目指す計画で、原型炉の概念設計がその他というのは。

【牛草委員】  どっちかというと、機器のことばかり言っているので、すみません。ちゃんとその辺は、全体として整合のとれたプランを作るべきだと思いますし、決して金額的にはデモ設計は、もし本当に概念設計をすると思うと、そこそこの規模になろうかと思います。それもやっぱりオールジャパンでやらないとだめだと思います。

【海老塚委員】  質問ですが、15ページのスケジュールの中で、製作のスケジュールが2020年や2021年まで設定されています。それに対して、第三期中期計画の検討はまだこれからということなのですけれども、調達をして、組み上げをして試験をしていく上での費用的なめどというのがあってこのようなスケジュールになっているのだと思います。このスケジュールと第三期中期計画と予算の関係を教えてください。

【牛草委員】  原子力機構は、国から、ITERについては国内機関、BAについては実施機関という御指定をいただきまして、国に代わってこれらの事業をやっております。例えばITERですと、このスケジュールというのは、ITER機構が策定しておりますゼロベースラインに沿って機器を作る。我々は我々の機器製作で我々の方から遅れるというふうなことはあり得ないので、それに従ったものになってございます。というわけで、我々としては当然それに必要な予算措置はいただけるものというふうに理解しています。
 では、実際どうなのかといいますと、先ほど申し上げたようにトロイダル磁場コイルについては、全ての契約、産業界との契約を今年度させていただくということになっておりますので、それはイコール、その予算措置はしていただいているということであります。

【海老塚委員】  例えばTFコイル実機製作は2017年くらいまであるわけですけれども、契約は2013年度ですか。

【牛草委員】  2012年度と2013年度。

【海老塚委員】 その全体を作る2017年度くらいまでの予算はみてあるという理解でよろしいですか。

【牛草委員】  認可されています。国庫債務負担行為で認可されております。

【海老塚委員】  分かりました。

【小森主査】  ほかにございますか。どうぞ。

【門学術調査官】  19ページの3R、リデュース、リユース、リサイクル、これは低レベル廃棄物を処理して減らすということですか。

【牛草委員】  そうです。ただし、中にはトリチウムが含まれていますので、ちょっと特殊な状況になります。

【門学術調査官】  特殊な状況とは、ここからトリチウムを生成するというか、そういうことも考えているのですか。それとも除染をするということでしょうか。

【牛草委員】  リユースの場合は除染をする必要がありますし、しないのであれば、しないなりの処理の仕方というものがあろうかと思います。

【小森主査】  ほかにございますか。よろしいでしょうか。
 それでは、次に移らせていただきます。次は、NIFSの状況につきまして、金子先生からお願いします。説明は15分でお願いします。

【金子委員】  はい。それでは、資料2-2に沿って説明させていただきます。ページをおめくりください。
 まず1ページの上側でございますけれども、核融合科学研究所の目標というものを、再確認させていただきますと、LHDという実験装置、ヘリカル装置がございます。それと理論・シミュレーション研究を両輪として、定常ヘリカル型核融合炉に必要な理工学研究をするというのが私どものミッションでございまして、かつ大学共同利用機関でございますので、学術の意味での核融合研究の中枢であるとともに、大学と共同研究をしながら、このミッションを達成し、併せて人材育成を行うというのが使命でございます。
 先ほど原子力研究開発機構さんの方から中期計画というお話がございましたけれども、私どもも中期計画がございます。ただし、原子力研究開発機構さんは5年ですけれども、私どもは6年でございます。現在、第2期の中期計画期間にありまして、これは平成22年から27年の6年間でございます。
 ここでの目標、計画というものは、ヘリカル装置の実験、それから数値実験研究、これはシミュレーションでございます、それから核融合工学研究、これらを三つの柱といたしまして、この柱を有効に利用しながら核融合炉に必要な理工学研究を探求していこうというものでございます。
 このために三つの柱を研究プロジェクトという形で現在進めてございます。プロジェクト化したのはこの研究目標・時限を明確にするためでございます。
 次のページを見ていただきますと、この三つの計画はどのように関連するかということでございますが、重要なことは、三つのプロジェクトがそれぞれミッションを持ちながら、かつ連携をして、全体として核融合炉に必要な理学・工学に係る学術研究を体系化するということでございます。
 この延長上にありますのが、私どもは大学でございますのでプラズマ物理をはじめとする関連基盤研究の学術的な確立を目指してございますが、同時に、ITER、BAへの貢献、あるいは核融合一般に関する工学分野の学術研究も推進していく、併せて、他分野との連携研究も進めていく、そういう考え方を持ってございます。
 次のページはLHDについてでございます。LHDは、御承知のとおり我が国独自のアイデアに基づくヘリカル方式の世界最大の超伝導装置でございます。これを用いまして実験開始から15年間、現在まで11万回のプラズマ実験をしておりまして、現状といたしましては、その下の方にございますが、まず核融合炉炉心プラズマを見通せる超高性能プラズマの実現へ向かって、プラズマイオン温度を現在高めようとしております。最終目標の1億2,000万度に対しまして密度が若干低いのですけれども8,500万度を達成したということでございます。電子温度についても2億3,000万度、これも密度が低いのですけれども、達成をしております。
 それから、高い圧力比(ベータ値)を5%以上、これは低磁場では達成してございますが、より高い磁場での達成を目指します。
 その次に長時間プラズマというのが私どもヘリカル系の大きな特徴でございますが、これにつきましては、1,200万度のプラズマの1時間の保持というのを達成してございまして、これをさらにより高温で1時間定常保持へ向かっていきたいということで、項目の1、2、3ともキーワードは高温でございます。これに向かって、私どもは現在邁進しているということでございます。
 この成果として、4番目の項目である環状プラズマ、これはトカマクも含めたという意味ですが、その総合的理解とプラズマ物理の体系化をしたいと思ってございます。
 次のページの表はLHDの目標達成度でございまして、それぞれのパラメータについて、現状を示させていただいたものでございます。
 特徴といたしましては、非常に高いプラズマ密度を保持できるというのがヘリカル系の特徴でございます。
 それから、ベータ値についても5%のプラズマが定常な状態でできるという、安定性に優れた装置であるということがこれまでの実験結果で分かっておりまして、今は高温化に向かって邁進しているということでございます。
 その次のページでございます。そういう形で基本性能はほぼ検証いたしましたので、次の新たなステージへ行きたいと思ってございまして、それがこの3月の地元との協定が無事に締結されまして、重水素実験に入ることができることになりました。これを基により高性能なプラズマを生成し、LHDの最終性能確認に向かいたいということでございます。
 それとともに、工学研究等につきましては、双方向等も含めました共同研究を中心に、大学の得意なところでございますので、これの総力を挙げた研究推進をしたいということと、それから、将来のデモ、ヘリカルデモを考えますと、やはり核燃焼段階は、ヘリカルITERはございませんので、それを補完できるような、そんな装置実験研究を進めていきたいと考えてございます。
 その次のページでございますが、直近の研究計画では、先ほど申し上げましたように、重水素実験に係る協定等が締結されましたので、研究計画といたしましては、平成25、26、27の3年間で重水素実験の準備をしたいと思ってございます。その間は水素で実験をするということになりますが、加熱の増強、それからヘリカルの閉構造ダイバータを用いてより高性能プラズマを実現するノウハウを水素で得まして、その間にトリチウム除去装置など、重水素実験の準備をいたしまして、28年度から重水素での本格的実験を進めたいと考えてございます。
 その次のページでございますが、重水素実験の意義でございます。
 閉じ込めによる高性能化、閉じ込め物理の同位体効果等々が期待される中、ヘリカルは高エネルギーイオンの閉じ込めが悪いのではないかと言われておりましたけれども、我々の今までの研究でそういうことはないということが分かってございますので、これをぜひ重水素で証明をしたいと思ってございます。
 その次のページでございますけれども、これはヘリカルも含めた私どもの考えるロードマップでございます。プロジェクト化をしたときに、第2期、第3期の中期計画まで見通しまして、その間で大型ヘリカル装置については超高性能化をしたい。それから、核融合工学研究については、ヘリカル炉を見通せるような基盤研究を完成させたい。数値実験については、先ほど言いましたように核燃焼段階を補完できるような、そんな成果を出したい、そういうことを考えてございます。
 さて、その次のページを見ていただきますと、今度は工学研究の方のお話をさせていただきます。私どもは、核融合工学研究プロジェクトを持ってございまして、ここでは、原型炉、これはヘリカル炉でございますけれども、これの概念設計活動と同時に、それを実現するに必要な主要課題を五つ取り上げましてR&Dを推進しております。
 その主要5課題というのは、下の方に書いてございますが、超伝導マグネット、ブランケット、材料、ダイバータ、トリチウム・安全ということでございます。
 次のページを見ていただきますと、このヘリカル型核融合炉は、まず最初は1次元、2次元の形での基本スペックを確定した後、その次に第2ラウンドとして3次元化ということで、ヘリカルは3次元でございますので、その3次元化の検討を進めてきて、その下にありますが、幾つかのモデルのうち、FFHR-d1というものを鋭意設計中でございます。
 ここでは、LHDの実験あるいはシミュレーションの結果を取り込みつつ、かつこの設計作業から出てきた課題をLHDあるいはシミュレーションに逆に問いかけて、そこで実験をしてもらう、そういうフィードバックをするというのが非常に重要な要素でございまして、それを現在進めているところでございます。
 次のページが五つのR&Dでございます。これにつきましては、大学との共同研究を進めてございますが、ありがたいことに昨年度の補正予算で試験装置、分析装置、計測装置等々がかなり整備されることになりまして、今年はこの整備に時間がかかりますが、来年度からは大学の先生方には大いに期待されてございますので、一緒に研究を進めていきたいと思っております。
 次のページを見ていただきますと、この整備によりまして、昨年度この作業部会で策定しました、本日も参考資料でついてございますけれども、「技術基盤構築の進め方について」の中に載っております項目の幾つかを、五つのR&Dの中で進められるのではないかと思っており、私どもは是非その辺のところをしっかり進めていきたいと考えてございます。
 次にロードマップでございますが、先ほど申し上げましたように、第3期中期計画まで視野に入れてございまして、第2期中期計画までに工学基盤の基礎の構築をいたしまして、できれば、第3期中期計画では、なるべく実機規模、ちょっと大き過ぎますので、それに近いような形での実証研究に近いところへ進んでいきたいと思ってございます。これにつきましては、先ほどの原子力研究開発機構さんの核融合フロンティアとも連携しながら、例えば大学等でどんな課題をやっていただくか、そんなことも協力し合いながら進めていきたいと考えてございます。
 最後に、共同研究の話をさせていただきたいと思います。
 私ども大学共同利用機関として、大学と三つのカテゴリーで共同研究をさせていただいております。まず、一般共同研究というのは、これはNIFSの設備を使っての実施でございますが、大学の研究室に私どもが出かけていって共同研究を行うということもやってございます。それから、LHD計画共同研究というのは、大学でLHDで使う計測等の開発をしていただいて、LHDに適用していただく。最後に双方向型の共同研究、これは大学にある中規模のプラズマ研究センターあるいは工学関係の研究センターと連携協力してネットワークを作って核融合研究を進めていこうという共同研究でございます。全て公募型の共同研究をしておりまして、500件弱の共同研究課題を行っています。これは日本の中でもかなり大規模な共同研究でございまして、このシステムを生かしながら今後の研究を進めていきたいと考えております。
 また、NIFSといたしましては、政府間協定等、外国との協定もございますので、その中で国外との共同研究も進めていきたいと思ってございます。
 その次のページは双方向型共同研究の現状でございまして、六つの大学附置研究センターが参画しております。そのうち四つがプラズマ関係の研究センター、後の二つが工学関係の研究センターで、これは第2期中期計画で新たに入りましたので、今はプラズマと工学との境界領域を連携を進めながら研究を進めていく、そういう方向で議論しながら研究計画を立て、実施してございます。
 まとめでございますが、第2期中期計画以後、私どもは核融合の実現に向けた所内研究体制をプロジェクト化いたしまして、三つのプロジェクトを立てました。この三つのプロジェクトを中心として、大学共同利用機関として共同研究を進めながら、このプロジェクトを進めてございます。それを基に定常ヘリカル型核融合炉に必要な理学・工学に係る学術研究の体系化を進めるということで、私どもとしては順調に進んでいるのではないかと思っております。
 併せて、人材教育等を総研大として担っており、他の大学の大学院とも連携しながら、若い方の教育というのも併せて進めております。
 以上でございます。

【小森主査】  ありがとうございました。
 それでは、御意見、御質問等がございましたら、お願いいたします。

【小川委員】  金子先生が今おっしゃった炉工学関係で、この技術をいろいろ発展させていきたいということで、同時に、JAEAさんの計画との整合性をということですが、具体的にどの辺はどうかというのは、具体的に今進めているのですか。

【金子委員】  まだ原子力研究開発機構さんの方もあくまで案ということでございまして、私どももこれは第3期中期計画でどう発展させていくかということも今検討中でございますので、これはお互いに、今原子力研究開発機構さんとは包括協定を結んで、緊密な関係で情報交換を行ってございますので、その中でうまくプログラミングできないかと考えております。

【小川委員】  そうですね。重複になりますけれども、是非先ほどの合同チームでの議論も踏まえて、どういうミッション、どういう役割を果たしていくのかを検討いただければと思います。

【金子委員】  そうですね。特に工学研究については、やはり予算的な措置が実証研究になると必要になりますので、そこをどのように確保するか、その辺は是非ご支援いただければと思っております。

【小川委員】  はい、分かりました。

【小森主査】  よろしいですか。ほかにございませんか。

【笹尾主査代理】  ちょっと前の質問でよろしいですか。

【小森主査】  JAEAへの質問ということですか。

【笹尾主査代理】  ええ、すみません。両方に関わるのですが、今後核融合研究をデモ概念設計とか、工学関係の仕事をしていく上で、現在原子力機構にある高速核融合中性子施設、FNSのテストを今までずっとやってきた。もちろん核融合の方も照射データは核融合研もそれを使って随分いろいろ研究をしてきた。今後、核融合研も、それから原子力機構も、これは非常に大きな役割を果たすけれども、それはこの六カ所でのIFMIF/EVEDAの延長線上に移行すると考えてよろしいのでしょうか。

【牛草委員】  今の段階で間違いなくというのはなかなかお答えしにくいのですけれども、まずはやっぱり今のIFMIF/EVEDAの各コンポーネントがちゃんと動くこと。それで必要な機能がちゃんと確認できるというのがまず大前提で、その後、我々としては現状あるEVEDAで整備した範囲内で、ビーム陽子だと9ミリオン、リチウムは大洗に設置したもの、単純にこれをまず組み合わせることを試みます。そうすると、結構トリチウムもできますし、廃棄物もいっぱいできるし、それからビームとターゲットの相互作用だとか、いろいろなことが出てくるのですが、それに対するちゃんとした整備もし、かつ、システムのメンテナンスも安全にできることを確認した上で、いわゆる核融合炉が必要とするような照射施設に育てていければいいなと思いますが、一番大事なのは、仮に六カ所でそういうのを作ったとしても、例えば材料研究で答えを出すような、そこまで完璧な照射施設は無理で、もちろん材料にも意味のあるデータは出せるとは思うのですけれども、やはり最終的には材料の観点から言えば、IFMIFをちゃんと作るというのが必要かなと思います。
 先ほどのIFMIF/EVEDAをうまく延長して、そういう施設ができたとしたら、その部分の核融合科学研究所の研究開発で、そういうところの必要な部分は一緒にやっていけるはずだし、逆に今核融合研が整備されている、例えば非常に高磁場の試験整備というのは、我々が今度それを使わせてもらうということは大いにあり得るので、炉工関係については、行く行くは一緒にやっていけるような、そういう状況が望ましい。それは、大学の先生も必要に応じて六カ所のそういう施設を使い、必要に応じて核融合研の施設を使うというのが適切かなというふうに思います。

【笹尾主査代理】  分かりました。

【小森主査】  そういう意味では、例えばブランケットの冷却は、今、JAEAさんは水でやっておられますけれども、核融合研を含めた大学の方は溶融塩とか、いろいろなものを研究しています。それから、ほかのものも相補的に行っています。将来的には、今でも共同研究は進めていますが、さらに共同研究を進めて一緒に原型炉に向けたものを作っていくことになると思います。

【笹尾主査代理】  分かりました。
 あともう一点、今のは炉工学の方なのですが、今度は、炉心プラズマ物理の方で、核融合研において、ヘリカル装置で得られた環状高性能プラズマのいろいろな成果について、どのように設計の方にフィードバックされるのか、あるいは、今はそれは考えずに独立させて検討を進めていくのか。

【金子委員】  基本的にはLHDのデータをまず私どものヘリカル炉設計の中に直接反映するというふうに考えております。ただし、そういった超高温プラズマの持っている学理そのものについては、トロイダルプラズマとして共通する部分はありますし、それに関するシミュレーションの、例えばモデル等を使うと、その辺がトカマクとかなり共通する部分がございますので、そこはLHDでしっかり超高温プラズマを作ることは、必ずしもヘリカルデモに特化するものではなくて、トロイダルプラズマ全体に対して、核融合炉も磁気閉じ込め核融合炉と見るならば、そこに貢献できるのではないかと私どもは考えています。

【笹尾主査代理】  そうですか。

【小森主査】  最終的には、トカマクも含めたトロイダル系の総合的理解というのが目標になっています。もちろんヘリカルは手段としてありますし、原子力機構と共同研究を行っていますので、トロイダル系の物理を学術として総合的に理解することが可能です。これができれば、将来的に、トカマクであろうと、ヘリカルであろうと使えますから、原型炉の設計へのフィードバックに齟齬が生ずることはないといいますか、トカマクの寄与と違いがあるわけではないと思っています。
 よろしいですか。
 特になければ、次に行かせていただきます。レーザーについて疇地先生に報告をお願いいたします。15分です。お願いします。

【疇地委員】  それでは、高速点火実証実験FIREXとアメリカの国立点火施設NIFの現状についてお話をしたいと思います。
 まず2ページですが、磁場核融合、先ほど二つお話がありましたが、それとレーザー核融合、この二つは原理的に全く異なっておりまして、一方が固体密度の10億分の1というのに対して、もう片方は固体密度の1,000倍。原理的に全く異なるものですから、将来、研究開発においていろいろな問題点が出てきたときのバックアップになるという、そういうことが今まで言われてきましたが、それに加えて、レーザーの方は出力が、例えば10万キロワット、20万キロワットという小型の発電炉が可能であり、あるいは、ピークの変動に対して直ちに対応できるということから、異なる電力市場を想定した研究開発になるだろうということでやらせていただいております。
 3ページでございますが、まずレーザー核融合の原理を少しだけおさらいさせていただきます。
 重水素と三重水素の氷の入った丸いカプセルの周りから、左上の絵ですが、レーザーを当てますと、表面が加熱をされて膨張します。その反作用でもって燃料が圧縮して、最後はもともと固体だった部分が固体密度の1,000倍、もともと中心にガスがあった部分は、周りから断熱圧縮を受けて高温になって、ここで点火をすると、燃焼波が周りに広がります。
 日本が中心となって進めている高速点火という方式は、これと基本的には同じなのですが、圧縮のところまでは同じであって、第2の非常に強いレーザー、点火レーザーと言われるもので外から点火をするということで、これはちょうどガソリンエンジンがスパークプラグを持っていることによって、ディーゼルエンジンに比べて大変小さいエンジンができるというのと同じ理屈で、従来方式の10分の1程度のエネルギーで核融合点火を起こすということで、コンパクトなところが大変エネルギー開発にとって有利であるということでございます。
 4ページは飛ばしますけれども、重点化されて以降、FIREX、Fast Ignition Realization Experiment計画の第1期というのを進めております。ここに見えているのが私どものセンターの全景でございまして、左側にその中に入っているレーザー、新しく作られたレーザーが中心に写っています。この右端の方に、30年選手である激光12号というのも写っていますけれども、これらのレーザーを右下にある人間の目のアイリスよりも小さいターゲットに照射をして、まず激光12号でもってこの丸いカプセルを爆縮し、新しく作ったLFEXといいますが、それをこのコーンの内側から照射をして加熱するという、こういうことでございます。
 ちょっと後の話と関係しますので、とにかくこの加熱用のレーザーの心臓部というのがございまして、これを開発するのに大変時間がかかっておりまして、非常にプラズマのライフタイムが短いものですから、そのライフタイムよりもはるかに短い時間に強力なエネルギーを投入する必要があるということで、そのために左にあります短いパルスを増幅する。それをそのまま増幅したのでは物が壊れてしまうので、短いパルスが広いフーリエ成分を持っているということを利用して、赤い光は先に行きなさい、青い光は後で来なさいというふうに回折格子と呼ばれるものでもってストレッチをします。ストレッチをした後で増幅して、最後に圧縮をするという、この圧縮をするときに、大変大きくて、なおかつ精度の高い回折格子、これまでにない回折格子が必要であったということで、この右下の電顕写真を見ていただきますと、立ち上がりのシャープさから見ると、大体数十ナノメートルの精度が出ているんですね。数十ナノメートルの精度というのはICのステート・オブ・アーツの精度ですが、それを1メートルにわたって保証しなければならない、こういうことで大変な開発努力をしたわけですが、これができるようになったということで、7ページは非常に複雑ですが、右の方から四つのビーム、LFEXから出てくる、右端の方に四つのビーム、青色、黄色、赤色、緑色で目印をつけていますけれども、この四つのビームをミラーでもって縦に一列の四つのビームに並べかえて、それで回折格子のペアでもって、それを圧縮して、最後に集光系で集光するということで、現在、2014年度に全4ビーム、現在のところ2ビーム動いていますが、最終的に4ビームの調整を終える予定でございます。
 2年前までの成果が8ページにまとめられておりまして、左側の縦軸が中性子のイールド、横軸が加熱用のレーザーのエネルギー。いろいろパラメータでパーセンテージが書いてあるのは、レーザーから燃料コアへのエネルギー結合効率でございます。中性子イールドが低かったものが加熱をしますと、3ケタ以上上昇したということで、これをイオン温度に焼き直してみると、現時点で大体1,000万度・1キロエレクトロンボルト弱のところまで来ている。
 今後これをレーザーのエネルギーとビームの数を2ビームから4ビームにして、最終的に10キロジュールまで上昇させて、5,000万度・5キロエレクトロンボルトを目指すということでございます。
 ここまではよかったのですが、今後エネルギーを上げていったときに、果たしてこのままのカーブの上に乗っかったまま加熱が続くのかということは、誰も知らないわけで、当然結合効率というものが低下をする可能性がないわけではありません。
 9ページ、結合効率が低下する三つの可能性があります。大和言葉で書いてありますけれども、加熱レーザーをコーンに当ててやると、高速電子が発散してしまう可能性。高速電子のエネルギーが高くなり過ぎて燃料で止まらなくなる可能性。最後が、コーンの中に電子が閉じこもってしまう可能性。加熱にちょうどいい中程度のエネルギーの電子がコーンの中に閉じこもってしまうという問題については、金のコーンからダイヤモンドライクカーボンに切りかえることによって、この減速、散乱を起こらないようにするということで解決を見出しました。
 エネルギーが高くなりすぎて止まらなくなる問題に関しては、レーザーのエネルギーを上げるときに強度を上げないように、レーザーのパルス幅を伸ばす必要がある。一方でパルス幅を伸ばしてだらだらと立ち上げるとその間にプラズマが膨張してしまうので、非常にシャープに立ち上げてパルス幅を伸ばすという、ピコ秒の領域でのパルステーラリングという技術を開発して、これは解決をいたしました。
 最後まで残っている問題が、レーザー強度を上げると、高速電子の発散角が非常に大きくなって100度以上になるということです。これを解決するために、非常に強い磁場により高速電子の発散を抑制する方法を発見しました。10ページの左下の方に、2枚の円盤で、左の円盤に穴があいています。この円盤を通して激光12号のレーザーを当ててやると、この表面に出てきた電子が逃げ出して、大体数メガボルトくらいの、高い電圧が発生します。この間をワンターンのコイルで結んでやりますと、大変強い磁場ができます。この磁場をコーンの軸に沿って加えてやって、そしてこの球状のターゲットを爆縮させますと、30倍ほどに磁場が増強されます。PICのシミュレーションをやってみますと、磁場がない場合は、大変大きく電子が広がっているのに対して、10キロテスラの磁場を印加すると、高速電子はほとんどコリメートされて燃料に当たるということが分かります。現在この方式で初期磁場として世界最高の1.5キロテスラ、これまでの世界最高は東大物性研究所が持っていた0.7キロテスラでございますから、ほぼその2倍を実現できたということです。
 13ページ、今後ですが、FIREX-1というのを今やっているところですけれども、それが所要の成果を出したならばFIREX-2。さらにその先にシングルショットから、FIREX-1、2というのは一発の実験ですけれども、それを繰り返してエネルギーを出すという発電実証を行う実験炉を構想しております。
 こういうことをやるためには、炉心プラズマだけでなくて、技術開発というのを行う必要があるわけですけれども、それについてはレーザーをいかに繰り返し上げるか、もう一つはペレットをいかに投入し、追尾し、照射をするかという技術が必要なわけでございます。14ページですが、まずレーザーに関しては、これまで使っていたフラッシュランプという非常にブロードな発光波長を持つ励起方式を改めてレーザーダイオードにするということで、吸収線を狙い打ちすることによって効率を上げ、熱の発生を抑制するということで見通しを得ています。
 あと二つ残った問題があって、一つはコストの問題、右下にあるレーザーダイオードというのは、小指の先ほどの大きさから5キロワットの光が出てまいりますけれども、現在、これは150万円いたしますが、実験炉を作るためには、これが5万円にならないといけないという問題、これは大量生産で解決するだろうと期待しております。
 もう一つの問題は、15ページですが、一旦熱を吸収してしまった後は、それが、今使われているようなレーザーガラスですと、熱伝導が低いために、それを冷やすことができないという問題がございました。これに対しては、ガラスではなくて結晶にする。それから、大きなものが要りますから、これをセラミックにするということで、セラミック結晶というのが答えでございます。10年前までは透明なセラミッククリスタルというのが世の中にはありませんでしたが、今から約5年前に、日本で、完璧に透明なセラミッククリスタルというのができるようになりました。これを低温冷却をすることによって格子振動を抑制し、さらに熱伝導を向上させます。比較的小さなデモ装置でございますが、現時点で繰り返し率が300ヘルツ以上達成ということで、炉用レーザーに関しては必要な基本技術というのはできたと思います。
 16ページ、これも長い間問題であったターゲット注入、追尾、ビーム照射技術に関して、これはレーザー核融合というよりも、これまで私たちがお手伝いをしてきたEUV、極端紫外光源開発というプロジェクトでもって実現された技術でございまして、左の写真、上の方から200ミクロンのターゲットを注入して、左の写真はまだストロボで背面照射がシンクロナイズしていないのですが、それがシンクロナイズしたのが真ん中の写真です。この状態でレーザーを照射するということで、この200ミクロンに対しては、現在のところ、百発百中といいますか、打ち損じなく技術として確立されたということで、核融合炉に必要なターゲット注入技術は、方式は随分違いますけれども、原理的には実証されたというふうに思います。
 17ページ、これからこのFIREXの今後のタイムスケジュールの話をしたいと思うのですけれども、そのタイムスケジュールを現在決めているのが、この心臓部である回折格子のこれでございます。この回折格子は、まず日本のメーカーが石英の材料から非常に特殊な形状をしたものを切り出して、波長の10分の1まで研磨をいたします。1メートルの大きさに対して10分の1ミクロンというのは、大体東京・大阪間を数センチのでこぼこで抑える、そういうことに相当するのですけれども、これも大変な技術です。
 それに誘電体多層膜を蒸着する。ここまでを日本のメーカーが行います。さらにこれにフォトレジストを塗布して、走査型露光して回折格子に仕上げるのがアメリカのベンチャーが行って阪大に納める、こういうループを組んでやっておりました。
 約半数が納められた時点で大震災が起こりまして、大型研磨機が脱調・破損いたしまして、最終的に復旧に2年半かかった。もとに戻ったのは数週間前のことでございます。それが第1点。
 もう一つ、18ページ、激光12号というのは30年選手でございますから、老朽化が進んでいます。一つは、大型レーザーガラス・オプティクス、いろいろなところにダメージが起きている。これについてはリフレッシュ計画というのを立てて、現在進行中です。もっと深刻であったのが、レーザーの電源であるコンデンサーバンク、総数1,800台、真ん中の写真にあるように並べてございますが、これが数年前から火災を起こすようになりました。現在までのところ、3回火災事故を起こしております。
 これに対しては非常に危険なことでもあったので、概算要求を認めていただき、今年度後半期に全てのマシンを止めて、老朽化コンデンサー1,500台の入れ換えを行う予定です。
 19ページ。FIREX-1のプロジェクトは2008年からスタートして、実験は、2009年から1ビームで実験を開始し、4ビーム化の予定だった年の最初に、先ほどの震災が起こりました。震災で2年半、コンデンサーで0.5年の遅延が発生したために、都合3年延期をさせていただきたいというふうに思っております。
 それについては進捗状況の方にも少し書いてございますので、進捗状況の、最後7.のところに、LFEXレーザーの建設・調整・稼働というのは、2行目、平成25~26年に調整・運転を行う。それから、高速点火の統合実験を行って、出力を増大させて、平成27年度に5,000万度を目指すということで、再度申し上げますけれども、もともと今年に予定されていたチェック&レビューを平成28年にお願いできたらというふうに思います。
 最後に、NIFについてお話を少ししたいと思います。
 NIFは、皆様御存じのように、20ページにございますが、アメリカのローレンス・リバモア研究所に大変大きな、これは日本の国立競技場の観客席も含めた全体の大きさと同じくらいの大きさのマシンでございます。左下の図にその中の一部が写っていますけれども、こういうところから出てきた巨大なレーザーエネルギーを、真ん中のピクチャーにあるように金の円筒の内側にレーザー光を当てて、そこで黒体輻射を発生させて、そこから出てくるX線でもって真ん中の白い燃料ペレットを爆縮する、こういう研究をしています。
 21ページ、これまでの経過をこれでまとめていますが、縦軸が燃料の圧力をどこまで上げることできたか。レーザー核融合の場合に、点火条件というのは温度と密度なので、ある圧力が必要となります。240ギガバール、これが太陽の中心の最も高い圧力です。レーザー核融合の条件はもう少し高くて、270ギガバールくらいでαヒーティングが始まって、完全に点火を起こすのが360ギガバール、このくらいの圧力が必要です。どこまでそこに近づいたかが縦軸に圧力、横軸が爆縮のスピードで表したグラフです。爆縮のスピードを上げると、その運動エネルギーでもって最終的に圧力を発生させるので当然上がるわけです。
 いろいろパラメータが書いてあるのは、燃料をいかにフェルミ縮退に近づけて、低いエネルギーで圧縮をするかという、そういう目安が書かれていて、できるだけフェルミ縮退状態を保ったまま高い速度を出すことが必要になります。
 点火実験を始めたのは2010年の9月でございますけれども、最初始めたときには、左下のところにあった。点火条件よりはるかに低いところにありましたけれども、最初にフェルミ縮退に近づけて、次にエネルギーを上げて、速度を上昇させる。一回戻ってフェルミ縮退にさらに近づけて、最終的に、2012年、昨年の4月から7月の時点で200ギガバールという、ほとんど太陽の中心のところまで来ました。
 現在のところ、核融合出力の15%がαヒーティングによる増加分であるというぎりぎりまで来ているのですが、点火を起こすまでには圧力にして係数2か1.5程度不足しているという、そういうところのようです。
 22ページは、横軸が、核融合反応が起きている高温点火部の熱エネルギー、縦軸がそこから出てくるDT反応のエネルギーということで、この横線を引いてあるところがいわゆるブレークイーブンというところですが、磁場核融合で言うところのブレークイーブンですね。レーザーの場合には、レーザーからこのコアを作るところまでの効率がかかるので、ブレークイーブンよりも高い核融合利得が必要なのですけれども、とにかくプラズマとしては、熱エネルギーに対して核融合エネルギーが同じところまで来たということでございます。しかも、いろいろな条件をコントロールして、非常にでこぼこが大きいようなターゲット、赤いターゲットを使うとイールドが減り、きれいなターゲットを使うと緑のようにイールドが上がるという、こういうコントロールされた状況でこういうことが実現できたということです。
 23ページ、これは縦軸が核融合三重積、圧力掛ける閉じ込め時間の積で、横軸が温度です。点火条件というのが右上の方に示されていて、トカマクの90年代のデータと、ITERのゴールがここであるということに対して、レーザー核融合、NIFの方が今1メガジュール、1.3、1.4というふうに徐々にエネルギーを上げて点火には近づいていると。あと、先ほども申し上げたように三重積でファクター2のところまで来たということでございます。
 それで、最後のページですけれども、こういう結果に基づいて三つのメジャーなレポートが出されています。一つは、昨年5月に、私も行きましたけれども、世界中の慣性核融合の主要な科学者150人を集めて、徹底的にデータを公開して全部調べ上げました。何が問題であったかということを検討して、それを受けて、エネルギー省の報告がその年の暮れに出ました。これはいろいろなことが書かれていますけれども、一言で言うと、点火実験を3年間延長する、そういうことを議会に提案された。
 その後、今年の2月ですけれども、全米の、これは科学技術アカデミーが2年半くらいの検討を経て、最終報告を出しました。そこでは、NIFが所定の2012年9月までに点火しなかったことは、慣性核融合エネルギーの将来性を減ずるものではなくて、エネルギー省はNIFを主要な施設としてエネルギー開発を進めるべきという結論を出しています。
 ということで、NIFに関して言うと、点火計画は3年延長、それから、ここで強く言いませんでしたけれども、あのNIFを今後国際共同利用の施設にするという宣言を、去年の暮れにしております。
 以上でございます。ちょっと時間がオーバーしてすみませんでした。

【小森主査】  ありがとうございました。
 では、御意見、御質問等がありましたらお願いいたします。

【金子委員】  NIFの3年間延長というのは、この3年間に何をやろうとしているんですか。

【疇地委員】  NIFに関しては、コード・プレディクションと実験がいろいろなところで合ってないのです。まず吸収率が合ってない。コード・プレディクションは95%吸収に対して、現在85%、わずかと言えばわずかなのですけれども、それから、同じ吸収エネルギーを与えても爆縮スピードが、実験の方が10%くらい低い。それから、燃料が球形でなく四角くなったりとか三角になったりという一様性が予測よりも悪い。最後に、主燃料とホットスパーク(高温点火部)というのはきれいに分離していないといけないのですけれども、その間にレーリーテーラー不安定性でミキシングが起こる。そのミキシングが基礎実験やらコード・プレディクションに比べてやはり大きい。その4点の問題があって、まずそれを解決するということです。その解決の仕方はいろいろ提案されていて、例えば最初の吸収率が低いということに関しては、今ホーラムと呼ばれるキャビティーの形状がシリンダーになっていますけれども、それをラグビー形状にすると、キャビティーの中でのレーザーの通る長さが短くできるので、不要なプラズマのインスタビリティから逃げることができる。ということで、それをやると、確かに95%になったという最近の報告を受けています。
 それから、レーリーテーラー不安定性が予想より大きいというのは、どうもカプセルが悪い。カプセルの初期状態がよろしくない。最近の結果、ダイヤモンドライクカーボンの表面をコートすることによって中性子数が2倍に上がったという報告がありましたので、そちら方向で流体力学的不安定性を抑える、そういうことをするということになります。

【小森主査】  ほかにございますか。どうぞ。

【小川委員】  今のことでエネルギーはどこまで上げるのですか。今、1.4メガジュールまでと言ったけれども。

【疇地委員】  今、最終的に1.8メガまでいきました。

【小川委員】  いきましたか。

【疇地委員】  はい、いきました。

【小川委員】  それはもう実験をやったんですか、1.8まで。

【疇地委員】  はい。

【小川委員】  それはこのデータでは……。

【疇地委員】  このときにはまだ出てなかったようですね。

【小川委員】  3年間ではそこは……。

【疇地委員】  エネルギーに関しては、さっきもちょっと言いましたけれどもファクター2足りないというのが今の認識です。これはまだ計画にすぎませんけれども、エネルギーを倍増するという計画を立てていて、そのために必要なレーザーのアンプリファイアは既に彼らは持っているんですね。余分に作ったのだけど、不要だったので使っていないという状況なので、それをもう一度インストールしてというのが一つ。
 もう一つは、今、レーザーの3倍高調波を使っているのですけれども、それを2倍高調波にすると、大体エネルギーが倍くらい出せるということなので、その二つの方法でエネルギーを殖やすということを検討しているようです。

【小森主査】  ほかにございますか。

【山田科学官】 19ページと8ページの今後の見込みでちょっとお聞きしたいのですけれども、19ページの表ですと、2011年に4ビームが稼働したということになっていますね。

【疇地委員】  いやいや、すみません、この予定だったのです。

【山田科学官】  これは違うのですね。

【疇地委員】  もともとの予定です。この図の中で達成されたのは平成22年度までですね。平成23年度で4ビーム稼働しようとしたところで、大震災がありまして。

【山田科学官】  分かりました。

【小森主査】  牛草先生、どうぞ。

【牛草委員】  まあ似ているような話なのですけれども、4ビームにするために準備しておるところ、震災で、あっちの方向にある会社が被災を受けて、それで整備が遅れてしまったというのと、それからコンデンサーが老朽化して燃えちゃったというので3年遅れたという話は分かるのですけど、震災が起こってから随分たちますよね。だから、そういう意味では、復旧の見通しだとかを考えると、もっと早い段階で遅れそうだみたいな話はなかったのですか。

【疇地委員】  遅れそうだという話は2年前にもさせていただいたのですけれども、ここまで遅れるとは思わなかったというのが正直なところです。研磨機の復旧がもっと早くいくだろうと思っていたのですが研磨機自身が傾いて、最終的にそれをつないでいるベルトが切れるというようなところまで行って、かなりカタストロフィックになったために遅れたということでございます。

【小森主査】  ほかによろしいでしょうか。どうぞ。

【飯嶋専門官】  今のレーザー研が実施しておりますFIREX-1計画なのですが、本来であれば、第7期の本作業部会で評価、チェック&レビューを行う予定だったのですけれども、今、疇地先生から震災や設備の老朽化に伴う影響により、平成28年度以降にお願いをしたいというような要望が上がってきておりますので、本作業部会としてチェック&レビューは平成28年以降と。できれば28年にはしたいなと思いますが、本日決めていただければ、28年に本作業部会でチェック&レビューをするということにしたいと思いますが、いかがでしょうか。

【笹尾主査代理】  よろしいのではないでしょうか。

【飯嶋専門官】  この点につきまして重要なお話だと思いますので、平成28年ではなくて、もう少し前にできないかとか、委員の先生からコメントがあれば、それに対するお答えを疇地先生にいただくことになるのかなと思いますが、よろしいでしょうか。

【牛草委員】  さっきのあれですみません。28年度以降というのはいつのことなのですか。

【飯嶋専門官】  一応以降となっていますけれども、このペーパーでは28年にチェック&レビューとありますので、28を目指していただくのが妥当かなと思っております。

【牛草委員】  28年度にやると。

【飯嶋専門官】  はい。

【小森主査】  それでは、28年度に行うということで、よろしいでしょうか。

【牛草委員】  はい。

【小森主査】  ほかに御意見がないので、よろしいということにしてよろしいでしょうか。

(「はい」の声あり)

【疇地委員】  どうもありがとうございます。

【小森主査】  どうもありがとうございました。
 それでは、次の議題、その他となっていますけれども、事務局の方から何かございますか。

【飯嶋専門官】  その他、特にございません。

【小森主査】  それでは、次回の予定についてお願いします。

【飯嶋専門官】  次回の予定につきましては、本日決定されました核融合原型炉開発に向けた中核的役割を担うチームの中間報告をしていただければと思いますが、これからチームを実際に構築して議論していただくことになりますので、すぐにはできないと思います。しかしながら、スケジュール的なものもございますので、年内に一度報告をしていただくような方向で考えたいと思いますので、検討チームがこの時点なら可能であるというようなお話をいただいた段階で、日程調整等をさせていただければと思います。

【小森主査】  よろしいでしょうか。
 それでは、本日はこれで閉会したいと思います。どうもありがとうございました。

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齊藤
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