原子力科学技術委員会 核融合研究作業部会(第36回) 議事録

1.日時

平成25年1月28日(月曜日)15時~18時

2.場所

文部科学省5F7会議室

3.議題

  1. 核融合エネルギー会議の招致について
  2. 今後の核融合研究開発の在り方について
  3. その他

4.出席者

委員

小森主査、疇地委員、石塚委員、岡野委員、小川委員、尾崎委員、金子委員、笹尾委員、髙津委員、平山委員、森委員

文部科学省

戸谷研究開発局長、坂本研究開発戦略官、中田補佐、飯嶋核融合科学専門官、山田科学官、門学術調査官

5.議事録

【小森主査】  それでは、時間になりましたので、ただいまから、第36回核融合研究作業部会を開催いたします。
 本日は、大島委員、東嶋委員、堀池委員から御欠席との御連絡をいただいております。
 本日の議事についてですけれども、本日は、核融合エネルギー会議の招致について、その他について御審議いただく予定です。
 それでは、配付資料の確認を事務局からお願いいたします。

【飯嶋専門官】  本日の会議の議事次第にございますように、本日の配付資料は、資料1といたしまして、核融合原型炉開発のための技術基盤構築の進め方について(案)、参考資料1といたしまして、今後の核融合研究開発の在り方に関わる審議事項について、参考資料2といたしまして、核融合研究作業部会報告書「核融合原型炉開発のための技術基盤の進め方(案)」に対する若手意見集約について、参考資料3-1といたしまして、FPCC42における欧州ロードマップの議論、参考資料3-2といたしまして、核融合エネルギー実現に向けてのロードマップ、参考資料4といたしまして、今後の原子力研究開発の在り方について(見解)。
 以上でございます。


【小森主査】  本日は今期最後の作業部会となります。議事に入る前に、戸谷研究開発局長に御出席いただいておりますので、一言御挨拶をお願いいたします。

【戸谷研究開発局長】  戸谷でございます。研究開発局長を昨年の1月から拝命しております。
 今、先生から御紹介いただきましたように、本日は今期最後の会合ということでございまして、聞くところによりますと、6時まで3時間という非常に長い時間にわたりまして、今後の核融合研究開発の在り方についてのお取りまとめをいただくということでございまして、この間の先生方の御努力につきましては、改めて感謝を申し上げたいと思っております。
 核融合研究開発につきましては、ITER、実は私も昨年、ちょっとカダラッシュに寄らせていただきまして、現地を視察しまして、その進捗状況が本当に進展しているのだなというのを自分の目で確認してきたところでございます。
 それから、さらにBAの活動も大変大事な時期に差しかかっていると。ITERにつきましては、24年度の補正予算、あるいは25年度の当初予算の中で、我々も大変苦労いたしまして、何とかスケジュールをキープできるような予算の確保にほぼ、今、めどが立ちつつあるところでございます。我が国が担当している超伝導トロイダルコイルの製作が本格化するということで、これが遅れますと全体のスケジュールの足を引っ張るということで、予算的には相当困難がありましたけれども、今の時点では、とりあえずは何とか行けそうだと。また、さらに26年度以降も引き続き努力が必要だという状況になっております。
 それから、あと、このBAにつきましては、六ヶ所でも具体的に見える形で今、進展をしておりますし、それから那珂のJT-60のサテライトトカマクにつきましても、欧州から部品が来ていよいよ組み立てが始まるとかということで、かなり目に見えた進展がある。
 それから、あと、学術研究の分野におきましても、核融合科学研究所、あるいは阪大のレーザーエネルギー学研究センター、それぞれ着実に進展をしていると伺っております。
 聞くところによりますと、ヨーロッパでも、この原型炉開発に向けた取組が非常に今、ある意味では加速化しているということで、ITERと並行して原型炉、あるいは実用化に向けたロードマップといったようなものも策定されつつあるということだと伺っております。
 これまで原型炉開発に向けた取組については、どちらかというと個々のいろいろな構成要素といいますか、それぞれの御専門のところで、それぞれの御検討がなされているということだったかと思いますけれども、今回のこの御検討をしていただいている中で、原型炉のある一つの姿を見て、そこからさらにフィードバックして、全体を俯瞰しながら検討するといったような課題の整理が本日また御議論いただいた上でなされると伺っておりまして、このような取組というのは今後、具体的に、また文科省としても政策を進めていく上でも大変重要な節目の段階かなというふうに理解をいたしております。
 これからお取りまとめいただく報告書につきましては、今後さらに核融合のコミュニティーの先生方の中で、また継続的な意見集約が図られて、全体として前に、前へ前へ進むような方向で御議論いただければ大変ありがたいと思っておりますし、それから、本日、お取りまとめをいただく報告書につきましては、この作業部会におきまして定期的にレビューをしていただいて、これを一つのまた大きな方向として確認をして、軸として、また全体としてお進めいただく。それにまた文部科学省としても、できるだけ政策的な支援を可能な範囲でさせていただく。そういうことかなと思っております。
 最後でございますけれども、今期をもって退任される石塚先生、平山先生、森先生におかれましては、長い間、御議論いただきまして、ありがとうございました。今後とも御支援よろしくお願い申し上げたいと思います。また、ほかの先生方におかれましては、次期、引き続き、御議論いただくということでございまして、よろしくお願い申し上げたいと思います。
 簡単でございますけれども、挨拶とさせていただきます。どうもありがとうございます。


【小森主査】  どうもありがとうございました。
 それでは、最初の議題は、核融合エネルギー会議(FEC)の誘致についてです。本件につきまして、事務局より、御説明、お願いいたします。

【飯嶋専門官】  FECの日本開催につきましては、平成10年10月に横浜で開催されて以来14年が経過しているわけでございます。IAEAでは現在、2016年、平成28年でございますけれども、招致国を探しておりまして、昨年の10月でしょうか、FECの会合がアメリカのサンディエゴでございましたけれども、その理事会におきまして、日本は検討するという立場を表明しましたけれども、それ以外の国からは招致をしたいという発言がなかったと聞いてございます。
 このような状況におきまして、2016年、我が国として招致をするか否かというところで、今まで核融合ネットワーク、核融合エネルギーフォーラム、あとはITER、BA、工学設計意見交換会の場におきまして、コミュニティーの皆様の御意見を伺ったところでございますが、基本的には御賛同いただいているというような理解で私どもは考えております。
 しかしながら、国として決定をしなければいけないということもございますので、磁場閉じ込め、トカマク、ヘリカル、あとはレーザーの全てのコミュニティーが集まった国の委員会としてはこの場しか現在ございませんので、この場で意見集約を最終的に図って、御了解がいただければ、外務省を経由いたしましてIAEAの方に、日本が招致をしたいというような回答をしたいと思ってございます。
 今回の2016年の招致に当たりましては、核融合科学研究所が事務局を務めたいと申してございますので、その辺りのお言葉、あとは現在検討されている状況などを核融合研の方から御説明をさせていただきまして、最終的に皆様の御意見をお伺いしたいと思っております。
 それでは、小森先生、よろしくお願いします。

【小森主査】  今、御説明にありましたように、日本の核融合研究者の皆さんから、前回の横浜からもう14年経っていますので、日本でまた開催したいと、どうしても開催したいという声が非常に多く寄せられています。核融合研としましては、主にその裏方をやらせていただくということで、是非立候補したいと思います。よろしくお願いいたします。
 金子さん、準備状況について何か補足説明がありますか。

【金子委員】  そのようなお話をいただきまして、まず、開催地を決めないといけませんので、候補地を幾つか挙げて鋭意検討を行っております。核融合研がやりますので、できれば私どもの研究所の近隣がよろしいのですが、1,000人を超えるような大きな会議でございますので、会場のキャパシティーとかを考えますと大都市周辺に限られるのかなというところもございます。
 一方、費用の関係もございまして、その辺も含めまして、現在検討中でございまして、近々のうちには決めたいとは思っておりますが、何しろ私どもの研究所だけでできるものではございません。全日本的なバックアップがどうしても必要でございますので、ここにいらっしゃる先生方も含めまして御意見を伺いながら、近々に決めたいと思ってございます。是非御協力のほどよろしくお願いいたします。

【小森主査】  特に今、問題になっていますのは、レセプションとバンケットを1,000人規模で行うとなると大きなホテルに限られてくるということです。いろいろ調べておりますので、どこか良いところがありましたら、御紹介いただけると助かります。

【飯嶋専門官】  今、小森先生、金子先生から準備状況等につきまして、お話がございましたけれども、何か招致に対する御意見等はございますか。小川先生。

【小川委員】  今、飯嶋専門官から言われましたように、Fusion Energy Conferenceに関しましては、IAEA傘下のIFRCの会議で議論しておりまして、私が数年前から、その日本代表を務めさせていただいています。先ほども飯嶋専門官からありましたように、昨年10月のIFRCの会議のとき、日本が招致を検討しているという発言に対して、ドイツとか、韓国とか、ほとんどの人たちから非常にサポーティングな意見が出ました。今のところ、対立になるところはないと思いますし、是非とも日本招致を実現させたいと思っておりますので、皆様の御賛同が得られればと考えております。
 先ほど核融合研から準備状況について御説明がありましたように、今回は核融合研が中心になりますけれども、核融合コミュニティーとしましてもできるだけサポートして、ある意味ではオールジャパンで推進していければと思っております。よろしくお願いします。

【飯嶋専門官】  ありがとうございました。
 それでは、特に御質問等なければ、日本招致に対することをこの場で決めさせていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。

(「はい」の声あり)

【飯嶋専門官】  ありがとうございました。
 それでは、外務省等と相談いたしまして、日本が招致をしたいという旨の回答をIAEAにしたいと思います。どうもありがとうございました。

【小森主査】  どうもありがとうございました。
 それでは、次の議題に移りたいと思います。資料1、核融合原型炉開発のための技術基盤構築の進め方についてです。まずは、事務局から、この資料につきまして御説明をお願いします。

【飯嶋専門官】  ありがとうございます。本日、資料1として用意させていただきましたものは、昨年の5月から12月までの6回の審議を経てまとめられたものでございます。これまで多くの有識者の方に御出席いただきまして、御専門分野における御説明をいただきまして、それに対するコメントを委員の皆様からいただいた。それをもって何とかここまでたどり着いたのではないかなといった感じでございます。
 本日の資料につきましては、先週の金曜日にお送りいたしました資料でございます。こちらは、先々週の16日にお送りしたものに対しまして皆様からコメントをいただいたものを修正したものでございます。細かな「てにをは」や字句の訂正につきましては、細かく御説明申し上げませんが、新たに書き加えたところとか、大幅に修正した箇所につきまして、説明をさせていただきたいと思います。
 まず、1ページ目の「はじめに」でございます。2ページ目でございますけれども、下のほうに赤字が大分加わっておりますが、平成17年度の報告書の内容をもう少し明確にしたいということもございまして、つけ加えさせていただいております。基本的に17年度の報告書の中身に沿ったものですので、特に問題はないかと思います。
 次、3ページ目でございます。実は今回のこの議論を始めるに当たりまして、そのきっかけとなりましたことを少しつけ加えておく必要があるのではないかということもございましたので、核融合エネルギーフォーラムで提言いただきました原型炉に向けた核融合研究開発の具体化について。あと、核融合ネットワークの方でも御議論いただいたものがございますので、基本的にはその辺りのものをベースとして、今回、議論を進めてきたということもございますので、そういった内容の文章を今回、つけ加えさせていただきました。
 続きまして、第2章のところにつきましては、6ページ目でございます。第3パラグラフのところです。削除されている部分が大分あるかと思います。全体のこのパラグラフ、内容を読みかえしまして、「判断を行うためが」という言葉が2回出てきますので、それをうまくつなげる形で、当然のことながら、内容が変わらないような文で整理をさせていただきました。
 その次のパラグラフでございまして、「言い換えれば」という部分からでございますけれども、学術研究で革新的な展開が必要であることを記述し、原型炉に向けた展開についてまとめるというパラグラフから、その次のパラグラフ、「トカマク方式を基軸として」とございますけれども、そのパラグラフにかけまして、「原型炉の早期建設の可能性を高めることが期待される。」と、うまく文章が段階的に流れるような形で整理をした方が良いのかなと思いまして、若干文章の入り繰りをさせていただきました。
 次が第3章になります。資料8ページでございます。このページにつきましても、文章の入り繰りを大分させていただいております。流れといたしまして、第2パラグラフのところからでございますけれども、必要な工業技術と現在の技術の乖離があるというようなことをまずお話をさせていただきまして、次のパラグラフ、「このため」から始まるところでございますけれども、このパラグラフでは、フォアキャストだけではなくて、バックキャストを取り入れてやっていく必要があるのではないかと。その後に「同時に」という赤字、真ん中辺でございますけれども、つけ加わってございますが、それをもって経済性などが見出される原型炉をしっかりと構築していく必要があるのではないかというような、一つ、こちらも流れを持った形で文章を整理させていただきました。
 次の個々の具体的な課題につきましては、前回、皆様から御意見のございました、課題と解決、体制の順序が一致していないのではないかというような御意見がございましたので、そのあたりはしっかり見直させていただいたつもりでございます。また、3章のまとめとしまして、ITERやBA活動で実施するものと、そうでないものは少し整理をした方が良いのではないのかというようなことがありましたので、まとめとして、新たな文章。あと、分かりやすいように、表を別表としてつけさせていただきました。
 また、本日の資料としてお配りしてございます参考資料2でございます。核融合研究作業部会報告書に対する若手の意見集約というのがございます。堀池先生宛てに若手のメンバーから回答していただいた文章でございますけれども、こちらにつきまして、この場でもとよりどのような反映をさせているのかというのを少しお話させていただきたいと思います。
 まず、若手の意見が出る「オールジャパン体制の早期構築について」というところでございますけれども、こちらにつきましては、本日の資料の結びの中で、今後、コミュニティーの間でしっかりと議論をするということを書かせていただいておりますので、それをもって反映をしているのかなというようなことにさせていただいております。
 あと、2.の「原型炉概念設計について」、こちらにつきましては、本日の資料で3.1、「原型炉概念の構築と設計作業」で各要素の説明をいたしております3.2、13ページになると思いますけれども、3.2といたしまして、「構成要素に関する研究開発課題」ということで柱を二つに分けるということで対応させていただいております。
 あと、若手の方から出ております、3.の「核融合研究開発ロードマップ」、あと4.の人材確保につきましては、今後のここで作成いたしました報告書の検討の推移、あとは予算の状況です。予算をもってどのような検討体制が、人材確保の政策ができるのかというようなこともございます。この辺りについては今後の議論になるのかなと思いますので、残念でございますけれども、全てを反映させられてはいないという状況でございます。
 続きまして、3.1の「原型炉概念の構築と設計作業」につきましては、特に大きな修正はしてはございません。
 次が3.2以降の個々の課題要素、構成要素に関する部分ですけれども、専門的な、少し具体的に書いた方が良いのではないかという部分がございましたので、そのような部分を少し分かりやすく追求をしている部分はありますけれども、大幅に変わったところといたしまして、17ページのダイバータのところでございます。もともとこちらは、課題が(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、5つあったのですけれども、少しまとめられるものがあるのではないかということで、幾つかまとめさせていただきました。(a)と(b)の部分があったのですけれども、もともとは、これ、(a)と(b)、まとめたのですよね、確か。

【門学術調査官】  配置をかなり統廃合して並べて。ちょっと最初はどうだったか。

【飯嶋専門官】  全体をまとめたのでしたね。

【門学術調査官】  はい。

【飯嶋専門官】  全体のばらつきがありまして、まとめられる部分があるのではないか、もう少しまとめた方が良いのではないかというような御意見がございまして、少し門先生、山田先生と議論させていただきまして、このような大幅な赤字修正にはなっておりますけれども、書かれている内容は基本的には変わりがないといったところでございます。あとは言葉の使い方を少し整理させていただいたところばかりでございます。
 あと、29ページでございます。3.2.9核融合炉の安全性と安全研究、2の「課題」のところに大部赤字が入ってございますけれども、この赤字はもともと3の「課題解決に向けて必要となる取組と体制」に入っていたのですが、この内容は、取組と体制ではなくて、課題ではないかというようなコメントがございましたので、こちらに全て移動させていただいたといったところでございます。
 あとは、大きな問題といたしまして、個々の課題の部分については、基本的には文言の修正などだけでございましたので、次は4章に移らせていただきます。
 4章については特に御意見ございませんでしたが、若干余計な字が入っていたりいたしましたので、その辺りを削除した程度でございます。
 第5章につきまして、「結び」のところでございますけれども、第1パラグラフの下の方でございますけれども、当初、核融合エネルギーフォーラムだけを記述しておりましたけれども、もう少し広い、学会なども記述した方が良いのではないかということで、「エネルギーフォーラム」や「プラズマ・核融合学会」という学会の名前も少し出させていただきました。
 あと、若手の部分をどのような記述にするか、いろいろ御意見がございまして、「指導的」とか、「中心」ということでは、確かにそういうことも必要かもしれないけれども、若手だけでは間違った方向に行く可能性もあるので、経験者がしっかり見ていかなければいけないということもございますので、「重要な役割を担う」ということで修正をさせていただいております。
 あと、次のパラグラフで、「さらに、3章で述べたように、現在の工業技術基盤から到達可能と見込まれる製造技術の開発を原型炉概念設計と並行して検討して、この両者を合わせて最も望ましい発展過程を見いだしていく」というような文章に修正をさせていただいております。
 あと、全体の言葉の使い方としての「産業界」という言葉が「メーカー」になっておりましたので、「メーカー」は全て「産業界」というような言葉に修正をさせていただいております。
 あと、次のページに別表というものがつけ加わっておりますけれども、こちらにつきましては、3章のまとめで今回新たに加わった文章の現行のプロジェクトで獲得が期待されている主な基幹技術と原型炉に向けて必要となる基幹技術の高度化の代表例として、3章のまとめの部分と併せて作成したものでございます。
 この後に核融合研究作業部会の設置についてと、その後に作業部会の設置について、こちらは原子力科学技術委員会の決定の資料でございます。こちらと参考資料2といたしまして、本作業部会の名簿で、参考資料3といたしまして、おととしの9月から第6期は議論を始めておりますので、その審議経過を並べさせていただいております。
 説明は以上でございます。

【小森主査】  ありがとうございました。
 それでは、今の御説明につきまして、御質問や御意見をお願いしたいと思いますが、少しずつ分けて進めようと思います。まず「はじめに」と第1章から始めたいと思います。「はじめに」と第1章のところで何か御質問、御意見ございましたら、お願いします。よろしいですか。

【疇地委員】  ちょっと個別の話になりますけど、5ページの最後のところに、レーザー方式についての説明がありますが、いきなり国立点火施設のことが出てきて、それで概念的な話に戻ってという、ちょっと文章の流れがちぐはぐなので、ここの国立点火施設の部分は「炉心プラズマについては、」の後に記述を持っていったらどうかと思います。それが一点と、もう一つは、NIFの点火実験に取り組んでいるというのは間違いではないんですが、エネルギー増倍率が10を目指しているわけですから、そこも一言書いておいた方が良いのではないかと。全体の記述の流れと正確性という意味でそのように申し上げました。

【小森主査】  まず、この最初の一文を、「また」の前に持ってきてくださいということですか。

【疇地委員】  いや、3行目、4行目あたりに「炉心プラズマについては、」。

【小森主査】  その後ですね。

【疇地委員】  ですね。

【小森主査】  「また」の前。

【疇地委員】  「また」の前になりますか。

【小森主査】  ずっとつながっていますね。「進められている。」、「炉心プラズマについては、我が国独自の」となっています。違いますか?

【坂本戦略官】  その間に入れるのですね。

【疇地委員】  ええ。だから、炉心プラズマに関しては、アメリカはこうで、それで日本はこうであると、その方が流れが自然かなと思います。

【飯嶋専門官】  今、エネルギー増倍率Qイコール10以上、もともと入っていたのですけれども、それは、今でもNIFは目指しているという理解になりますか。その辺、分からなかったので、どうかと思いまして。

【疇地委員】  目指していると思います。

【飯嶋専門官】  目指している。

【疇地委員】  ええ。

【飯嶋専門官】  では、当初そのように記述しておりましたので、その記述を元に戻すというような形でよろしいですか。

【小森主査】  戻して位置をちょっと変えるということですね。

【疇地委員】  そうです。

【小森主査】  はい。ほかにございますか。

【飯嶋専門官】  小川先生、一応3ページ目のところでエネルギーフォーラムの提言とか、ネットワークの言葉をちょっと入れさせていただいていますけれども。

【小川委員】  ありがとうございます。これで結構です。

【飯嶋専門官】  この辺はいかがでしょうか。大丈夫でしょうか。

【小川委員】  ありがとうございます。こういう言葉だったかどうか、ちょっと忘れましたけれども、検討結果だということで入れていただければ、それで結構です。

【疇地委員】  これも少し細かい話ですけど、3ページの上のほうに、「学術研究においては、」と書かれて、それで「ITER、及び、トカマク、ヘリカル、レーザー、炉工学」と、こういう書かれ方をしているのですけれど、ITERは個別の非常に大きいですが、スペシフィックなマシンの名前で、あとの方は方式と炉工学を含めた話ということで、ここにトカマクの中にITERというのは含まれるのではないでしょうか。なぜこれが特出しされるのか。3ページです。

【飯嶋専門官】  それは今回お配りしているのでは多分ないですね。

【疇地委員】  はい。

【飯嶋専門官】  2ページ目の一番下の丸になるかなと思いますが。下から5行目ぐらいです。

【疇地委員】  そうですね。二つ目の丸の2行目ですけれど。

【坂本戦略官】  これは平成17年の報告書を忠実に引用していますので、この書き方でお願いします。

【疇地委員】  分かりました。若干奇異な感じを受けたのですけど、そういうことであれば、よろしいかと思います。

【小森主査】  よろしいですか。3章の前に2章、1ページ分くらいしかありませんが、ここのところで何かございますか。

【小川委員】  「てにをは」的な文章の体裁なのですが、「言い換えれば」のところ、2点ちょっと気になりました。「発展的な核融合炉」という言葉が気になったのと、それから「人材育成の観点から」というのが強引に人材育成に持っていっているというのが文脈として少し違和感を持ちました。私なりにどう変えたら良いだろうなと思い、次のように考えたので、参考にしていただければと思います。「発展的な核融合炉に向けて」というのは、例えば「信頼性の高い高性能な核融合炉に向けて」と。「発展的な核融合炉」というのはどういうものだろうなと思いましたので。
 もう一つ、それで「学術的に多様かつ革新的な研究の展開を継続して進めることが必須であり、それはとりもなおさず人材育成の観点からも大変有意義である。」と、そう続けるのかなと思いました。これは言葉だけの問題ですので、御検討いただければ幸いです。

【飯嶋専門官】  ここは「発展的な」という言葉遣いをしているのは、多分これは小川先生が御欠席をされたときの部会の議論だったのですけれども、実は一応今の17年の報告書ではトカマク方式を基軸に原型炉というのが方向性ではございますが、全体を読んでいただければお分かりいただけるのではないかと思いますけれども、一部、これは本当にトカマクという形式なのか、そうじゃなくて、ヘリカルとか。

【小川委員】  レーザーも含むという意味ですか。

【飯嶋専門官】  融合された新たなものというような意味合いをちょっと出しているということで。

【小川委員】  分かりました、それだったら。

【飯嶋専門官】  それでどういう言葉遣いがいいのかといったら、「発展的な」という言葉遣いになっているのですね。

【小川委員】  はい。分かりました。

【飯嶋専門官】  その後の人材育成の部分については、そうつながってもいいかなという気はしますけれども。

【小川委員】  既に議論されているのでしたら、それで構わないと言えば構わないですけど、個人的にちょっと気になったものですから。はい。

【小森主査】  どうぞ。

【髙津委員】  小川先生と同じような印象を私も持ちまして、「発展的な核融合炉に向けて、」は結構だと思うのですけど、「ことが、人材育成の観点からも必要である。」ということは、読後感としては、人材育成のためにこういうものが要るというふうに受け取れかねないので、やはり小川先生が言われたように、「発展的な核融合炉に向けて、学術的に対応かつ革新的な研究の展開を継続して進めることが重要である。」とか、「肝要である。また、それは人材育成でも有意義だ。」とか、そういう形にちょっと言葉を足していただいた方がより二つの意味がある、メインはこちらで、人材育成にも役に立つと受け取れると思うのです。

【飯嶋専門官】  そうですね。人材育成の部分は確かにそうかなとは思いますので、御意見を踏まえまして。

【小川委員】  はい。

【小森主査】  「継続して進めることが必要である。」とか、1回、切ってからですね。

【小川委員】  そうですね。

【飯嶋専門官】  そこの部分につきましては、小森主査と御相談させていただいて、修正をさせていただきたいと思います。

【小森主査】  よろしいですか。

【小川委員】  はい。

【小森主査】  では、先に進みます。3章は、3.1を細かく切るよりは、3.2の前まで、一気に4ページくらいありますけど、まず3.2の前まで検討したいと思います。3.1の部分を見ていただいて、御意見、御質問等ございましたら、お願いします。どうぞ。

【髙津委員】  もうメジャーなコメントは何もここの部分はないのですけれども、1点だけ、10ページの3.1.2ヘリカル方式の1、「現状」、最後の文章で、ダイバータの遮蔽はうまくできるので、「この検討により材料選定の自由度が拡大できる。」というところは、会議が始まる前に小森先生に伺って、カッパーも使える可能性があるということを言われているのだという意味のことで、それは意味が理解できたのですけれども、「検討によって拡大できる。」というのは多分、最後は「拡大できる可能性がある。」とか、まだどのくらいの中性子の照射量になるかというのは自明ではないと思いますので、そういう魅力がある、拡大できる可能性があるということが妥当な表現かなと理解したのですけれども、いかがでしょうか。

【小森主査】  そうですね。まだ検討中ですから。

【疇地委員】  11ページの3.1.3でレーザー方式について書かれてございますが、ここに書いてある文章で、レーザー方式固有の課題と、磁場方式との共通の課題と両方があると。それで後者の共通課題についても留意をしておくと。これはいいのですが、その次に書かれている文章が固有の課題については述べられていないのですね。共通の課題だけ抽出しているものですから、それはそれで重要性はあるのですが、全体として見て、固有の部分が省かれているがために、優先順位が非常に変なことになっている印象があります。ですので、まず、具体的に言うとペレットの注入、追尾、ステアリングとか、繰り返しレーザーの開発とか、最終ミラーの開発とか、そういった固有の優先順位が高いものをちゃんとここに書いて、それで、なおかつ共通性の高い課題についても述べるという形にした方がいいのではないかというのが1点です。
 それから、もう一つ、共通性の高い課題の中でも、例えば(a)の中で非常にスペシフィックなことが書かれてあって、低放射化フェライト鋼と液体リチウム鉛の共存性と、これは確かに重要な課題ではあるのですけれど、いろいろあるデザインの中の一つを取り出して述べられている印象が非常に高いです。ですので、この辺をもう少し、今どうするべしというふうに言えないですけど、少し修正が要るのではないかなと思います。
 以上です。

【飯嶋専門官】  そこの優先順位や固有のものというところですが、実は最初の原案ではいろいろ書いてあったかとは思うのですが、徐々に議論していく中で、2章の頭のところですが、「以下の議論は磁場閉じ込め方式の技術基盤構築を対象として行う。」と。これで実は磁場閉じ込みに絞った形にしていますので、あまりレーザー固有のものを書くのはやめようという話になったものですから、現在こういったものだけが残ってしまっているということになっておりますので、そこはちょっと御理解いただければなとは思います。

【疇地委員】  いや、そこの部分は、考え方としては、私はそれでいいと思うのですけれども、ただ、まるきり書かずに、いきなり共通の部分だけを書くとバランスとして正しい記述になっていない印象が非常に強いのですね。なので、例えば特出しをしない文章がございますね、レーザー方式というところの中に、これこれ固有の課題に加えて以下のような共通課題について検討するというか、留意をするというか、そういう形にしたらいかがかなと。

【小森主査】  本来トカマクで原型炉を作るための検討をしましょうということで始めましたから、その辺は専門官のおっしゃるとおりで良いと思います。ただ、この並べ方とか、これでは意味が通らないということであれば、書き順とかを直す必要があると思います。

【飯嶋専門官】  読んだ方にも分かりやすく肉づけをする必要があるのであれば、していただくような……。

【疇地委員】  そういう趣旨で申し上げたのですけど。ですので、私のポイントは二つあって、一つは、全体像を示した上でこういう共通課題を特出しして述べますというふうにまず書くことと、それから、共通課題についての中で何点か書かれていますけど、その中の書きぶりを少し修正が必要ではないかなという印象は持っています。

【小森主査】  書きぶりについては後で調整させていただくということでよろしいと思いますが、最初のほうの御意見はどうでしょうか。固有のものも。どうぞ。

【金子委員】  ここのレーザーだけが1の「現状」というのがないのです。いきなり「課題」と、その「取組と体制」になってしまっているので、本来の2番と3番がここに出ていて、1番がないので、1の「現状」を設けて、若干その辺の説明をされたらいかがでしょう。

【小森主査】  その中におさめる。

【金子委員】  ええ。

【小森主査】  それはそうでしょうね。それでは、そういう格好で。確かにそう言われてみると「現状」がないですね。

【飯嶋専門官】  そうですね。そこの文章につきましては、疇地先生、少し考えていただいて、送っていただいたものを小森先生と相談させていただいて、了解が得られれば、それを反映したいと思います。

【疇地委員】  分かりました。

【小森主査】  ほかにございますか。
 それでは、次は研究開発の課題、個別のところですね。これ、全部いくわけにいかないので、どうしましょうか。一つずついきますか、それとも二つくらいずついきますか。超伝導コイル開発と、まずブランケット開発の3.2.1と3.2.2の二つをちょっと見ていただいて、そこから始めたいと思います。よろしくお願いします。どうぞ。

【小川委員】  今さら言うのはいかにも今まで出ていなかったということを露呈するので、申し訳ないのですけれども、超伝導の最初の文章のところで、「膜応力(降伏応力)に対し」と書いてありますけれども、膜応力の600メガパスカルというのは、これはこういう値になるということですね。だから、降伏応力と違うのではないかと。0.2%耐力、これが降伏応力のことですけれども、これが1,000メガパスカルと十分な尤度を持ってと。この辺の降伏応力の言葉がアカデミックにちょっとおかしいなと思ったのが一点。
 それから、もう一点。

【小森主査】  それは、膜応力と括弧を取ればいいということですか。

【小川委員】  要らないのではないですか。600メガパスカルぐらいになるわけですね。それに対して1,000メガパスカル、0.2%耐力、これの方が「(降伏応力)」だと思うのです、そういう意味では。

【山田科学官】  そのとおりです。

【小川委員】  ですよね。それから、もう一点が「新材料の開発」という言葉が2箇所くらい出てきていますけども、超伝導の部分で「新材料」と言われるとちょっとぴんとこなくて、超伝導材料のことなのだろうと。ただし、もう一つ、JJ1みたいな構造材も入っていると思うのですけれども、「新材料の開発」と超伝導のところで言われて、構造材と超伝導材両方、頭に浮かぶかなというのがちょっと気になりました。

【岡野委員】  絶縁材ではないですか。

【小川委員】  それもですかね。

【岡野委員】  絶縁材は新しいのがでてくると思います。

【小川委員】  この「新材料」という言葉でどこまで。

【岡野委員】  そこまで想像しろというのは難しいかもしれないですね。

【小川委員】  新材料といわれると、F82Hとか、バナジウムとかをイメージしてしまうので、超伝導材をどうしてもイメージできないなという気がしたので、ちょっとそれが気になりました。

【小森主査】  2箇所というのはどことどこですか。

【小川委員】  13ページの(g)のところの新材料の開発というのと、14ページの(g)で新材料と、両方、新材料になっていて。

【飯嶋専門官】  それでは、新超伝導材料とか、特定するような形にします。

【小川委員】  はい。また超伝導屋さんにちょっと確認していただいて。

【小森主査】  小川先生の意見は、もう出尽くしているというわけではなくて、ここだとどこを指すか分からないという意味でよろしいですか。

【小川委員】  そうです。はい。

【小森主査】  ほかにございますか。どうぞ。

【尾崎委員】  14ページの(d)項のところですけれども、三つ目の文は、私がお願いして、まず適用可能性を確認しましょうということで直していただいたのですけど、「適用可能性を確認する必要がある。」と書くと、そっちを先にやってから、その後、産業界の工業的な製造能力云々という議論になると思うので、この2番目の文章は3番目の文章の後に持っていった方が座りがいいのではないかなと思っていますが、いかがでしょうか。

【飯嶋専門官】  今のお話は、「産業界における工業的な製造能力を」の赤字の部分を最後に持ってくるということですか。

【尾崎委員】  そうです。はい。

【小森主査】  よろしいですか。超伝導のところまで来ましたけれども、続きまして、2.2のブランケットに進みます。

【小川委員】  固体ブランケットのところで、水冷却方式を主案とする提案がなされています。これは、我が国が主案としているのですよね。ただし一方で、ヘリウム冷却の固体ブランケットの可能性が世界的にも動いています。そこのことに関しては何も触れなくてもいいのかなと思いました。なぜそう思ったのかというと、ダイバータはもしかしたら水冷却か、ヘリウム冷却か、リチウムか、まだありますよということが後ろの方を読んでいたら出てきたので、ブランケットに関して、固体ブランケットに関しても水冷却だけしか書いていなくて、しかもこう書かれているので、少なくとも、主案とする提案が我が国からなされているというぐらいにした方がいいのかなと思いました。それは要らないですか。

【小森主査】  確かに原型炉開発の方は、水冷却でずっと進めるとおっしゃったのですが、でも、もうちょっと幅を持たせた方が良いのではないでしょうか。そうでもないですか。

【髙津委員】  ITERのTBMの主案は水ですけど、構造材料は高温で耐える材料が出て、例えば具体的にはSiC/SiCなどが出てくれば、ヘリウム冷却は魅力あるオプションだと考えているのですね。

【小川委員】  ですよね。

【髙津委員】  だから、小川先生がおっしゃるように、将来のブランケット、魅力あるブランケットとしては、ヘリウム冷却というのはオプションに入っているのだと思います。

【小川委員】  ここのところ、ヘリウム冷却の固体ブランケットについて一言も書いてないので、一言、何か書いておいた方がいいのかなと。

【坂本戦略官】  またヘリウム冷却方式についてもその可能性が検討されているとか、そういうのを一文つけ加えることでよろしいですか。

【小森主査】  そうですね。ですから、今後の研究の推移か何かを見てという文がつけ加えられればよろしいと思います。どうぞ。

【岡野委員】  ちょっと確認ですが、これはITERのTBMのことが書いてあるということではないのでしょうか。ITERのTBMであれば固体増殖でいいと思うのですけど、原型炉に対する展開を考えているところだったら、ベリリウムとかいうのが入るとちょっと問題があったりするので、これはITERのTBMだということであれば、このままで何ら問題はないと思います、現状ですから。

【小森主査】  ここは。

【坂本戦略官】  主案と書いてあるのはITERですね。

【小川委員】  ITER。

【坂本戦略官】  これは間違いなくITERです。主案と書いて、ただ、ここはITERのことだけが書いてあるかというと、そこまで限定はしていませんので。

【小川委員】  本当はそうなのですね。

【小森主査】  将来のものも入って良い。

【髙津委員】  そうです。

【小森主査】  取組だから。

【髙津委員】  岡野先生が言われたように、1の1)のこの文章の主案とする提案がなされているという文章は、ITER、TBMのことが書かれているので、我が国としては水冷却方式を主案として提案しているというのが正しいのだろうと思いますけれども、3.2と2全体がTBMと、さらに原型炉を目指してのことが書いてあるので、どこかに小川先生の言われるようなことが入った方がいいのかもしれないですね。

【小川委員】  そうですね。そんな気がしますね。

【小森主査】  では、そこに入れていただくということで。

【髙津委員】  今の小川先生の2の(e)というところに、先進ブランケットのことが1行、触れられているのですけど、そんなところに入れるのはあまりにもイージーでしょうか。液体ブランケットやヘリウム冷却固体増殖ブランケットなどの先進概念についてはということで、そういう概念が頭にあるということだけを入れる。あまり議論をされてないので。

【岡野委員】  液体ブランケット等の「等」に全て入っているという理解であれば。

【小川委員】  固体も。

【岡野委員】  書き始めると、あれも抜けているなというのは幾らでも出てきてしまいます。

【小川委員】  はい。

【小森主査】  では、読めるようにということで。

【小川委員】  そうですね。

【小森主査】  これでよろしいですか。
 では、今の、先ほどの「等」のところで読みかえようかという話ですかね。

【飯嶋専門官】  この2の課題の(e)のところ、「等」で入っていると。

【岡野委員】  「等」のところにヘリウム冷却と書くと、じゃ、自己冷却はないのかとか、幾らでも言えるので、「等」で代表して、皆さんが賛成であれば、私はいいと思うので。

【飯嶋専門官】  そこにもう……。

【小森主査】  入っているという了解で書いているということでよろしいですか。

【飯嶋専門官】  括られているという御理解をいただくということで。

【小森主査】  はい。

【岡野委員】  むしろ(a)が(e)の最初のところが……。

【門学術調査官】  この(e)のところは、液体ブランケットを想定して、3の課題解決のところが書かれているので。

【小川委員】  そうでしょうね。

【門学術調査官】  固体が入ると、その後の書きぶりを変えなきゃいけないかなという気がします。

【小森主査】  これは、解決策が後ろに載っているわけですね。

【髙津委員】  逆に、この今、岡野先生がおっしゃっていた17ページの(e)、ここは「等」にするとつじつまが合わないわけですね。そうしますと、ここは液体ブランケット概念についてはこれこれと。スペシフィックに液体だけの記述になっているとした方が。

【小森主査】  ヘリウム冷却はあまり議論しませんでしたが、(f)かどこかに入れておきますか、改めて。(f)に、固体形、ヘリウムなどは、現状では行っていないけれども、今後の進捗状況によってはそれらを研究する必要が出てくるかもしれない課題として挙げて、解決策は進捗を見て今後決定されるくらいのことを記載しておくしかないかもしれません。

【小川委員】  そうですね。

【小森主査】  どうですか、それで。

【小川委員】  私はお任せします。

【髙津委員】  もしよろしいのであれば、この課題のところでも、(f)で別に問題ないわけですね、ヘリウム冷却。

【小川委員】  (f)ですね、別に。

【髙津委員】  (f)に対応する解決のところも……。

【小森主査】  解決のところは、今後、ほかの進捗状況を見ながら、判断して、今後進めるとしたらどうでしょうか。それしか今のところ、書きようがないと思います。

【髙津委員】  高度材料の進展に負うところが大きい。

【小森主査】  そうですね。

【飯嶋専門官】  非常に専門外の人間ですけれども、ヘリウム冷却というものをここに記述しなければいけないものなのですか。僕、そこがよく分からないのですけど。あえてそこまで書かなければいけないという意図が。

【小森主査】  まだ、日本ではあまり検討していませんが……。

【飯嶋専門官】  やっておく必要があるのではないのかということを問題提起しておくということですか。

【小森主査】  有力なものですから、1行でも書いておいた方が良いという判断ですね。

【笹尾委員】  他極がいろいろな提案を持っているので、そこの進捗状況によっては出てくる、いろいろなものがあると思うのです。ですから、とにかく何らか入る余地を残しておくという意味で、(f)を設けるのは「課題」と、「取組と体制」に両方ともに(f)を設けておくというのはよろしいと思います。

【小森主査】  (e)は液体ブランケットだけの解決策になっていますから、(f)に何でも入れるようにすれば、「等」をつければ良いと思います。固体のヘリウム冷却は非常にメリットがありますので、ほかのところの進み具合を見てこれを始める可能性がありますから、書いていただきたいと思います。

【髙津委員】  私が昔やっていた分野なのですけど、固体増殖水冷却ブランケットと冷却が極端に言うと違うだけ。中身は同じ。でも、ヘリウムを魅力ある条件で使おうと思えば、高温にしないと発電の効率が上がらない。そうすると、構造材料がフェライト鋼ではもたないので、シリコンカーバイト系のような材料が要るだろうと言われているのです。ところが、シリコンカーバイトはまだ使えるようなレベルになっていないので、究極の目標として、我々はその概念を問題意識として持ってはいますけれども、実現はちょっと先かなということで、今、ITERでは水に集中しているのです。
 他極は、行く行くはヘリウムになるだろうということで、ヘリウムで温度は低くても、フェライト鋼でもヘリウムでやろうということでITERに取り込もうとしています。だから、同じような目的観は持っているのですけれども、そういうことでは、我々もちゃんと考えているということは、おっしゃるとおり入れた方がいいのかもしれないので、許されれば少し短い文章を御提案させていただきます。

【坂本戦略官】  今のお話で、多分、課題と取組の両方に入れると同じような内容を入れることになるのではないかと思いますので、(e)の課題の「液体ブランケット等の先進ブランケット概念」というのはこの形にさせていただいて、(e)の液体ブランケットの説明のところは液体ブランケットだけに限定をして、その後ろに、「またヘリウム冷却方式等の先進ブランケット概念についても、他国の研究の進展を考慮しつつ、今後、検討する必要がある」とか、そういう形でつけ加えさせれば一番いいのではないでしょうか。

【小森主査】  そうですね。おっしゃるとおりで結構です。

【笹尾委員】  3だけに入れるということですか。

【坂本戦略官】  そうです、3の方に。それはどうですか。

【岡野委員】  やや混乱させてしまうのですが、多分この液体ブランケットのところは、増殖材は液体だけれども、おそらくヘリウム冷却なのですね。だから、案に入ってはいる。これは増殖材の話なのに、次は冷却材の話でヘリウムが出てくると、分かっている人が見ると変ではありますね。ですから、液体ブランケット等の中にはヘリウム冷却は入っている。今抜けているのは、固体増殖ヘリウム冷却が抜けているというだけなのですね。だから、(f)を設けるならば、その固体増殖ヘリウム冷却を入れていただくのがいいかなという気がします。

【小森主査】  どうですか。

【髙津委員】  私は先ほど戦略官が言われたまとめは結構かと思いますし、まず2の課題では、もう今のままにしておいて、幾つか読めるようにしていただく。次の3の(e)では、冒頭、「液体増殖ブランケット概念については」という言葉を入れて、「増殖」を入れていただければやや範囲が分かる。ずっと最後までいって、最後にまた、「固体増殖(ヘリウム冷却)ブランケットについては、構造材料の進展などを見て」というような先ほど戦略官がおっしゃっていたような言葉を入れていただければ、忘れてはいないよということでいいのかなと思うので、いかがでしょうか。

【小川委員】  今、高津委員のとおりでいいと思うのですが、もう一つ、補足しますと、固体ブランケットでヘリウム冷却というのは、ヨーロッパがそれを主案にしていて、彼らはなぜそれで、水にしないかというと、水ベリリウム反応という安全性の観点からそれを非常に嫌っていて、それであえて、今、高津委員が言われたように温度を低く500℃くらいのフェライト鋼を使ってでもヘリウム冷却するというのをやっているので、やはり何も記述がないと、全然考えていませんとなってしまうのはまずいので、何か文章が入っていた方が良いと思います。

【小森主査】  よろしいですか。それでは、(e)の解決策の方に含ませていただくということで進めたいと思います。
 ほかにございますか。どうぞ。

【尾崎委員】  確認なのですけれども、16ページの3の(b)のところに、ITER-TBM計画を通して云々で、「構造健全性を実証する。」と書いてあって、それの一番下の赤字のところにも、「別途、重照射環境下における実証試験を実施する。」と書いてあります。この「する。」と断言しているのは、ほかのところもあまりなくて、ここだけです。TBMを実施すると断言するのは非常にいいことだと思うのですけど、その下の「重照射環境下における実証試験を実施する。」と同じトーンで断言している。それはここの総意として問題ないのかなというのがちょっと気になりました。

【小森主査】  どうですか。

【飯嶋専門官】  「する必要がある。」とかですか。

【髙津委員】  多分、前半はそれで許していただけると思います。もう計画は実存している計画ですので。

【尾崎委員】  ええ。それでもう是非やりたいという。

【小森主査】  下の方ですね。

【髙津委員】  下の方は多少、「する必要がある。」とか、言葉を足す必要があるかもしれません。

【小森主査】  「が必要である。」とかですね。

【髙津委員】  「必要である。」とか。

【小森主査】  「実証試験が必要である。」。

【髙津委員】  おっしゃるとおりかもしれない。

【小森主査】  よろしいですか。

【髙津委員】  質問よろしいですか。今までもドラフトで入っていたと思うのですが、よく読むと意味が分からなかったのですけれども、17ページの今、話題になっていた(e)液体ブランケットのところで、最後から3行目に、「固体増殖ブランケット開発同様、中性子照射環境によるHe効果、高速中性子損傷」、これはヘリウム効果と高速中性子損傷というのは構造材料のことを言っているのですか。ちょっとすみません。具体的に、物理イメージが分からなかったのですけど、増殖材にヘリウム効果というのは何かありましたか、門先生がお話……。液体だと放射線分解とか、そういうのはあると思うのですけど。

【坂本戦略官】  構造材の話。

【門学術調査官】  書いたときは構造材だったのですかね。

【髙津委員】  構造材のことを意味しているのですか。

【笹尾委員】  第一壁のヘリウム効果の。

【小森主査】  ヘリウム効果……。

【笹尾委員】  あれかもしれないですね。第一壁のヘリウム効果。

【髙津委員】  プラズマというの。

【笹尾委員】  それは、その文章がここに引いてきたのかもしれない。その質、アルファで、あるいは。

【髙津委員】  増殖ブランケットのところではそんな話が出てなかったですね。

【笹尾委員】  だから、ちょっとそういうのが飛んできたから……。

【小森主査】  ですから、中性子環境、照射環境の……。

【髙津委員】  液体ブランケット、増殖材とか、構造材じゃなくて、中身のことについて言っているくだりだとすれば、あまりこういうことは聞いたことがないです、すみませんけれども。

【小川委員】  いや、これは中身じゃなくて。

【髙津委員】  入れ物ですか。容器なのですか。

【小川委員】  入れ物の規模じゃないですか。液体だから大丈夫だというわけではなくて、固体増殖ブランケットの開発と同様に、入れ物に関しては中性子照射によるヘリウム効果とか、そういうようなものかなと。

【笹尾委員】  そういうことですか。

【小川委員】  筐体の方だと、私も。だから、これでいいのかなと思いましたけど。

【笹尾委員】  そっちの方ですか。

【小川委員】  開発同様、ブランケット開発同様というのはそういうことですね。

【髙津委員】  そういう意味では、平たく言うと中性子照射に耐える材料をという開発課題があって。

【小川委員】  入れる容器が筐体。

【髙津委員】  新たに増殖、液体だから、放射線腐食効果というのは固体増殖にはあまり大きな問題じゃなかったのにあると、そういうふうに読むのですか。この放射線腐食効果というのは、おそらく液体ブランケットの方がかなり強いですよね。

【小川委員】  固体、だから、筐体と液体ブランケットの間の柵というのですかね。

【髙津委員】  分かりました。

【飯嶋専門官】  もし分かりやすい文章にした方がいいということであれば。

【小森主査】  これ、中性子照射環境の前に、筐体に対する何かを入れれば良いのですか。今、ちょっと、分からないですが。

【小川委員】  筐体に関するというか。

【小森主査】  に対するですか。

【飯嶋専門官】  固体増殖ブランケット開発同様、筐体に対する。

【小川委員】  そういう意味でしょうね、多分。

【小森主査】  そうでしょうね。

【門学術調査官】  中性子照射材料による筐体のヘリウム効果とかですか。

【小川委員】  そうです。そういう意味でしょうね。

【坂本戦略官】  筐体のヘリウム効果。高速中性子損傷は、これは筐体だけじゃなくて。

【門学術調査官】  高速中性子は筐体ですね。

【小森主査】  これ、全部頭につけた方が良いのでは。

【坂本戦略官】  そうですね、頭に。

【小森主査】  「同様」の後に「筐体に対する」とか何か入れて、後ろは全部……。

【坂本戦略官】  そうですね。これは筐体に対する中性子照射環境でのヘリウム効果とかですね。に対する、によるとちょっと言いづらいかもしれないので。

【小川委員】  これらに加え筐体に対しては固体増殖ブランケット開発同様云々と。

【坂本戦略官】  そうですね。対しては。

【小森主査】  何かありますか。

【笹尾委員】  いいです。

【小森主査】  よろしいですか。ほかにありますか。
 よろしければ、次の3と4、ダイバータと加熱・電力駆動システム開発の3.2.3と3.2.4のこの二つをお願いします。

【金子委員】  この課題の(a)と(d)がよく似ていますね。(a)の中に(d)が含まれないですか。課題の中に周辺プラズマで、矛盾のないプラズマ立上げ・シナリオと書いておいて、(d)でまた、周辺プラズマの運転シナリオ策定と出ていますね。これは周辺プラズマだけ特出ししたいという意図なのですかね。課題の解決の方は、(d)は大したこと書かれてないですね。総合コード開発が必要とか、これだけですね。ここはシミュレーションを言いたかったのかな。

【小森主査】  これは、理論というか、シミュレーションというか、その関係の課題として特出ししたいということだと思います。

【金子委員】  そういう意味ですか。

【笹尾委員】  ハードよりはむしろソフトとか、あるいはシナリオを作ると。そのためには、シミュレーションが重要であるということ。

【金子委員】  シミュレーションを強調したのかな。プラズマのモデル化は(a)でやるわけですからね。

【小森主査】  (a)の方は、新しい概念のダイバータというのですか、熱負荷を分散する、そういうものを始める必要があるという課題ですね。これはハード的ですね。
 2番、(b)はどちらかというと材料の開発ですね。

【笹尾委員】  (c)は除熱ですね。

【金子委員】  除熱ですね。

【小森主査】  除熱、(d)は運転で、理論というか、シミュレーションかオペレーションですね。

【金子委員】  シミュレーションを強調したいということですね。それだったら、了解しました。

【髙津委員】  よろしいですか、別のところですが。

【小森主査】  どうぞ。

【髙津委員】  全く表現だけの問題なのですが、20ページの上の方の3の(a)で、1行目から、「NBIでは長寿命連続運転や」これこれの実証が課題だ。次に、「ECHでは長寿命連続ジャイロトロンや」というのがあるのですけど、長寿命連続ジャイロトロンってイメージ湧きますか。何となく分かるような気もするのですけど、言葉が少し足りないのではないかという気がします。NBのところは、長寿命連続運転というのが課題だということで分かるのですけど、長寿命連続ジャイロトロンというのがちょっとなじまない言葉なので。言ってみれば、長寿命で連続運転できるようなジャイロトロンという意味ですね。

【坂本戦略官】  長寿命連続運転ジャイロトロンですか、これ。

【飯嶋専門官】  「長寿命連続運転」と入った方が分かりやすいですか。

【髙津委員】  と思いますね。少なくとも「運転」が入って、あるいはちょっと長いですけど、「運転が可能なジャイロトロン」とか、「運転」だけでもいいかと思う。

【門学術調査官】  連続発振ですか。

【坂本戦略官】  連続発振。

【飯嶋専門官】  連続発振。

【小森主査】  名前として長寿命連続ジャイロトロンというのはおかしくないですか。

【髙津委員】  表現だけの問題ですけど。

【飯嶋専門官】  通常、皆さんは何と言われているのですか。あまり使わない。

【金子委員】  さっき言われた「長寿命連続運転可能なジャイロトロン」でいいのではないですか。

【小森主査】  「長寿命連続運転が可能な」ですね。
 3.2.5のそのページのあたりまで、何かございますか。
 では、よろしいですか。
 では、次の3.2.5、シミュレーションですね。この「理論・計算機シミュレーション研究」、3.2.5だけお願いします。

【飯嶋専門官】  コメントをいただく前に、多くの方から3.2.5の理論シミュレーションの現状の文章がほかの文章と比べて長いという話があったりしたのですけど、全体をなかなかまとめ切れなかったものですから、現状、長いままになっておりますが、その点は御勘弁いただければと思いますので、よろしくお願いします。

【小森主査】  今のお話は、このまま長くしておくのではなくて、もうちょっと短くするけれども、現状はということですか。

【飯嶋専門官】  いや、もうこのままにしておいてほしいという希望でございます。

【小森主査】  ここには理論の先生がいらっしゃらないですね。それでは、ここはこれでよろしいですか。何かありますか。

【笹尾委員】  小さいことなのですけど、2の……。

【小森主査】  課題ですか。21ページ。

【笹尾委員】  22ページの(f)の文章で、この項が特に人材のことを書いているのですね。ほかのももちろん人材が必要なのは当然なのであって、あまりほかでは書いてないのに、ここだけ特に書いてあるのですね。その辺をそろえた方がいいのではないでしょうか。全ての項目において人材が必要なのは当然なので、全部に書くか、全部に書かないか。
 あと、もう一つ、次のプラズマもやっぱり書いてあります。炉心プラズマ研究のところ。

【小森主査】  要するに人材は必要であるということは、当然どの分野でも一緒ですから、例えば、どこかまとめて書いておいた方が良いとか……。

【笹尾委員】  ええ。全部に書くか、全部に書かないか、どちらかにした方がいいのではないかなと。

【小森主査】  前に人材養成のまとめを行いましたが、それと絡めてまとめて書いておいた方がよろしいですか。

【門学術調査官】  苦心する点あるのですが、それぞれのテーマによって人材不足の不足ぶりが違うために書き方が違っています。それぞれに、これこれこういうものに対して必要と書かれているので、その部分を全部取ると課題そのものが抜けてしまうところもありそうで、どちらかに決めるのはやや厳しいかなという印象です。

【小森主査】  これは、シミュレーションの分野では、特に、原型炉開発を担う若手がいないから書いたということですか。

【門学術調査官】  そういうメッセージが入っているわけです。特にこの分野に関して、課題に関して、というもので。

【金子委員】  この(f)の答えの中で一つ大きいのは、IFERC-CSCの後をしっかりやれというメッセージが入っているわけですね。これ、どこかで入れたいのでしょうね、きっと。

【小森主査】  三つあって、計算資源、有機的な連携と、若手人材ということですね。

【金子委員】  そうですね。課題の方も計算資源と環境と若手ですから、やはり三つですね。ですから、笹尾先生がおっしゃるように、若手育成を一緒にまとめるにしても、この(f)の後の二つは残しておいた方がいいのではないですか。

【笹尾委員】  残しますか。何かほかの研究の課題とちょっと違うトーンですね。ほかのは大体、研究の課題を並べていて。

【金子委員】  しかし、やはり計算機の資源は継続してほしいというのがまず第1番目にきていますね。これは例えば材料でIFMIFが欲しいとか、そう言っているのと同じで、それよりももっと非常に身に迫った話じゃないかと思います。

【笹尾委員】  それは分かりますね。

【小森主査】  それは残すとして、あと、ここでは特に人材育成、こちらを読んでみますと、シミュレーションセンターが設置と書いてありますね。

【金子委員】  そこまで言い切るかどうかは別として。

【坂本戦略官】  すみません。さっき門先生がおっしゃったことなど、補足になるかと思うのですけれども、次の炉心プラズマの研究でも、やはり同じような(d)ですね。その課題の書き方が非常に平たい書き方をしてありますが、3の方ではいろいろ体制面のことが踏み込んで書いてあると。要は、分野によっては既にインフラであるとか、あるいはシステムを運用するための体制というのは、今あるものがあって、さらにその次も必要になると。そこに人材育成というのがくっついて展開されなければならないというのは、相当課題が見えてきているものもあるので、本当はそういうのは各分野にあるのでしょうけれども、書いてあることは多分意味があるのだろうなと思いますので、ちょっとばらつきはありますけれども、書けるところは書いてあった方が次の議論には有益なのかなと思います。残させていただいた方が良いと思いますが、いかがでしょうか。

【小森主査】  よろしいですか、それで。

【笹尾委員】  そういうことであれば結構です。

【小森主査】  それでは、ほかにございますか。
 特になければ、一つずつになりましたけど、今度は炉心プラズマの研究、3.2.6をお願いします。ここにも(d)に人材育成が書いてありますが、こちらはいかがですか。

【笹尾委員】  ここは国際的に活躍する人材が不足すると非常にはっきりと。

【小森主査】  書いてある。

【笹尾委員】  ええ、書いてあるのですね。だから、一般論ではないですね。人材育成というよりは、むしろ外に出ていけるような人間をどう育てていくかという観点なので、これは非常に重要なので、これはこのまま残していく。シミュレーションもそういう特殊な事情を考慮してというのがあったら、書いてもいいと思います。

【小森主査】  よろしいですか。
 それでは、次にいかせていただいて、核融合燃料システム開発をお願いします。

【小川委員】  25ページ目の下から6行目、「初期装荷トリチウムは入手の見込みが確実でない現時点では、ITER計画以降、公式な供給源が存在しないことから、重水素運転から起動するシナリオが検討・提案されている。」、それはそうなのですけれども、いかにも「公式な供給源が存在しないことから」というのは、非常に何というか、あまりそこまで言わなくてもいいのかなという気がします。ここまで言うべきなのでしょうか。思ったのは、「初期装荷トリチウムは入手の見込みが確実でない現時点では、重水素運転から起動するシナリオを検討・提案されている。」そのくらいすらっと書いておいた方が、「公式の供給源が」と言われると、非公式は何とか、いろいろな言葉が何かあるのかなというか、非常に……。

【笹尾委員】  これは「公式な」というよりは、「確実な」くらいにしたらどうですか。「確実な供給源が存在しない」と。

【小川委員】  それは、「確実でない現時点では」ともう書いてあるから。

【笹尾委員】  そうか。

【小森主査】  そうですね。書いてあるので。

【小川委員】  もうそれだけでいいのかなと。あまり……。

【笹尾委員】  そうか。「確実でない現時点では」で。

【小森主査】  そうしますと、これは「現時点では種々の案が検討・提案されている。」くらいにしますか。

【小川委員】  または、「重水素運転から起動するシナリオを検討されている。」で。

【岡野委員】  重水素運転云々は別になくてもいいと思いますけど、トリチウムがないということが結構深刻であるということは、みんなで認識していた方がいいように思うので、何もなくなってしまうのはちょっとよくないような気がします。

【小川委員】  前半部分だけにする。

【岡野委員】  ですね。

【小森主査】  これは、「入手の見込みが確実でない現時点では」というのは残して、認識を確実に。ただ、その具体的な話は、まだいろいろ考えている時点なので、「種々の案」とか、「種々のシナリオが提案・検討されている。」くらいにした方が良いと思います。

【笹尾委員】  これ、あと、提案と検討は逆転した方がいいかもしれません。

【小森主査】  そうですね。

【笹尾委員】  提案されて、それで検討する。

【小森主査】  提案・検討される。

【岡野委員】  韓国なんかは、我々は重水炉を持っているとおっしゃいますものね。

【小森主査】  そうですね。キャンドールがあるからと言いますね。

【笹尾委員】  だから、そういうことも全く排除しないわけではないわけで。

【小森主査】  そうですね。

【笹尾委員】  だから、いろいろなシナリオが提案・検討されているだけで。

【飯嶋専門官】  それでは、「初期装荷トリチウムは入手の見込みが確実でない現時点では、種々のシナリオが提案・検討されている。」と文を縮めるということでいいですか。

【坂本戦略官】  「種々の運転シナリオ」ですかね、シナリオって。

【小川委員】  シナリオでいいと思います。

【門学術調査官】  文章がおかしいような気がします。文章のつながりで、今の御提案だと、「初期装荷トリチウムは入手の見込みが確実ではないので、種々の運転シナリオ」となってしまいます。

【坂本戦略官】  そうですね。

【門学術調査官】  「運転シナリオが」くらいの方がいいでしょうか。

【坂本戦略官】  そうですね。

【小森主査】  そうですね。「現時点では見込みが確実でないことから」とか、そんなところで良いですか。「種々のシナリオが提案・検討されている。」

【坂本戦略官】  「現時点では確実でないことから」。

【小森主査】  ほかにございますか、ここのところで。

【森委員】  今の話に関係して、課題の解決に向けての記述は、「重水素運転で製造するシナリオの検討と開発が必要である。」と書いてありますが、よろしいですか。

【小森主査】  何かこれが……。

【門学術調査官】  これはできれば残してほしいと思っています。

【小川委員】  「重水素運転で製造する」というのを残すのであれば、「製造するシナリオの検討なども必要である。」と。ワン・オブ・ゼムだと。

【金子委員】  そうではなくて、「初期装荷トリチウムを必要としない運転シナリオの検討」ではないですか。

【小川委員】  そうですかね。はい。そういう意味ではそうですね。

【小川委員】  先ほどの金子先生の考え方に則るならば、「製造プロセスを検討するとともに、初期装荷トリチウムなしでの立ち上げシナリオの検討と開発が必要である。」と。

【金子委員】  そうですけどね。結局、言いたいことは初期時点のトリチウムが手に入らなかったら、どうするのだと言ったら、なしでやるしかないですね。なしで、何とか自分で作りながら。

【岡野委員】  重水素運転で製造するのが製造プロセスだと思えば、「初期装荷トリチウムについては、製造プロセスを検討することが必要である。」と書いてしまって、そこには重水素で製造して、自分で立ち上がるのを含んでいるということも可能でありますね。

【金子委員】  そうですね。それでもいいですね。

【岡野委員】  大事なことは、初期装荷トリチウムを何とかしなきゃいけないということが書いてあればいいと思うのです。

【飯嶋専門官】  「初期装荷トリチウムについては製造プロセスを検討する必要がある。」でおしまい。あとは削除ということですか。

【岡野委員】  中身には入っていますよね、実は。自分自身で初期装荷トリチウムをつくるという話ですから。

【笹尾委員】  そうですね。入っています。

【門学術調査官】  研究者側の立場として発言させていただくと、今、既にその重水素運転で製造するシナリオというのは学術論文とかに出されていると思うので、ここで書いておくのがよろしいのではないかという気が私はするのですが、いかがでしょうか。ここは、現状はどうであれ、解決に向けて必要となる取組、という意味ではもう既に検討はされているので、これをしっかり大型技術としてやっていくというのは、書いておくべきことではないかというふうには思いますが、いかがでしょうか。

【笹尾委員】  それを書くというか、もう既に検討されているから、書く必要がないということはないと思いますけどね。

【小森主査】  分かると思うので、できれば簡略化した方で。

【笹尾委員】  ええ。では、3の(c)はそのままにしますか。

【小川委員】  (c)はこのままでいいのでは。

【笹尾委員】  このままでいいですか。

【小川委員】  LHDもある意味ではこういうことを意識して処理をやっているわけだから、計量管理を。

【笹尾委員】  では、これはこれでいいと。

【飯嶋専門官】  ここはヘリカル的にはどうですか。

【金子委員】  「重水素・三重水素を意識した運転」というのを取ってもらうといいです。

【笹尾委員】  多分LHDでは、計量管理や、いろいろ安全体制などについては経験を構築すると思いますけれど、特にDTを意識した運転というわけではなくて、Dによる高温プラズマの物理研究をするという方なので、ここのジャンルの中で議論するのはふさわしくないと思いますね。ここでは、燃料システムの話をしている。

【金子委員】  確かにそうですね。そういう意味では、60SAのミッションとしてこれを残しておくというのは必要かもしれない。

【笹尾委員】  ここはSAに限定するか、「重水素・三重水素を意識した運転」というのを取るか、どちらかだと思います。60の立場としては、どちらがいいですか。

【森委員】  60の立場としては、どちらでも構わないと思いますけど。

【小森主査】  これは取ってもらって、「JT-60SAでも可能であるため」、これは残しますか。取っても良いかもしれませんが。「可能であるため、計量管理や運転体制の構築が必要である。」意味は分かりますね。

【笹尾委員】  ええ。

【小森主査】  すみません。これは取ってください。

【坂本戦略官】  限定するのではなくてですか。

【小森主査】  限定してもらっていいと思います。LHDは別にDDでどうのこうのという話では全くありませんから。ですから、60SAの重水素。

【坂本戦略官】  日本語的に言うと、「JT-60SAでの重水素実験でも」とかですかね。「実験でもある程度のトリチウム経験の蓄積は可能であるため、」と。これで限定されますけれども、その後ろはそのままにするのか、また、変えるかですが。

【笹尾委員】  そのままにしておいて。

【坂本戦略官】  そのままですか。

【笹尾委員】  ええ。60に限ってしまえば、もうそれはそれ。

【小森主査】  金子さん、どうですか。

【金子委員】  60SAのミッションとしては残しておいた方がいいかもしれないですね。しっかりこういうところをおさえてもらうと。

【小森主査】  そうしますか。では、これは残しておく。

【坂本戦略官】  森先生はいかがですか。よろしいですか。

【森委員】  まあ、問題ないと思いますけど。

【小川委員】  「意識した運転」というのは具体的には何をイメージしているのですか。私はあまり思いつかないのですが。

【笹尾委員】  1に連動しているのではないですか。

【小森主査】  でも、そのままいくわけではないから。

【金子委員】  そうですね。

【小川委員】  何をするのだろうなと思って、具体的に。

【金子委員】  出てくるトリチウム量は結構今までの60に比べたら多いですよね。

【小川委員】  それは当然であって、意識しなくても出てくるのであって。

【小森主査】  そういう意味では、抜いた方が良いような気がします。

【小川委員】  計量管理や運営体制は当然するのであって。

【小森主査】  「可能であるため、計量管理や運転体制を構築する必要がある。」

【小川委員】  それはそのとおりだけど。

【小森主査】  それは当たり前ですね。

【小川委員】  そうですけど、「DTを意識した運転」というのは具体的に何を。

【小森主査】  ですから、あまりイメージがない。

【笹尾委員】  いや、この運転としては、中性子計測をきちんとやるということなのです。

【小川委員】  それを「DTを意識した運転」と言うのですか。

【笹尾委員】  ええ。だと思いますけど。だから、全体の中性子発生量をおさえるだけではなくて、14ミリオンと2.5ミリオンを分けてきちんとおさえておく。

【小森主査】  それは、でも、計量管理で良いのではないですか。

【笹尾委員】  計量管理ですか。

【小森主査】  ええ。それを意識した運転をしなくても、それはきちんと測らなくては。

【笹尾委員】  それはそう。

【小川委員】  そうそう。そういう意味ですね。

【髙津委員】  専門ではないのですけど、多分せっかくやるのであれば、DTにも使える技術で、開発は多少入っても測るようにしていきたいという目的感があるのだろうと思うのです。あまり開発の目的感がなければ、ここに書くような文章ではないですね。もう日々の日常業務管理のことで、こういう研究開発のストラテジーに書く文章ではないので。おそらく60ではその技術がITERにも、DTにも使えるような技術で、それはダイナミックレンジがひどいとか、非常に微量から大量に出てくるところまで使える技術だとか、いろいろ目的感があるのだと思いますが、そういう目的感を持った技術開発をやって、それで管理・運営していくのだという意味があるのだろうと思うのですが、違いますか。どうですか。そんな意識が念頭にある管理だったら、これを書く必要はないですね、もう日々の業務で。

【小森主査】  計量管理にそれが入っている。

【森委員】  私が受けている印象は、日々の業務で必要ですということを言っているのかなと解釈したのだけど、逆に重水素をある程度の量を扱うということであれば、JT-60SAよりも完全にITERですね。

【笹尾委員】  そうです。

【森委員】  あえてここでSAだけ、そこを特出しで何かもっと進めるですとか、ITERを補完しますよとか、支援しますよというほどトリチウムが今、出てくる計画にはなっていないので、なくてもいいかもしれないです。

【小森主査】  はい。

【尾崎委員】  そういう意味では、この(c)の文章は、課題の(c)と整合しているような、してないような。だから、課題の設定がそもそもどういう課題を認識されていたのかなというのがちょっと分からなくなってきたのですけれど。

【髙津委員】  上の(c)とは関係ないですね。

【小森主査】  (c)とこれは関係ないような気が確かにします。

【笹尾委員】  いや、計量管理という意味では関係するのです。

【小森主査】  そういう意味ですか。

【笹尾委員】  ええ。

【小森主査】  では、これは計量管理、「三重水素を意識した運転」を消せば、もう整合性はとれているのではないですか。

【金子委員】  それは、そういう意味では当たり前のことをやっていることになりますね。先ほどのDDからトリチウム、初期トリチウムを確保するのだという、そんなシナリオとか、この辺で確かめられないかと思ったのですけど、そういうわけにもいかないですか。

【小森主査】  でも、量的には全然少ないですよね。

【金子委員】  量的には全然だめですけど、何かシナリオとして。

【森委員】  今言ったようなことでもあまり議論してないです。

【金子委員】  確かにそうですね。

【小森主査】  ここに先進的な計量管理とか、何か開発を少し含むような。

【笹尾委員】  本当にこれは必要だと思います。微量ながらも、トリチウムがどこへ行ったのか、何%がどこへ行って、何%が回収されたのかというのは非常に開発研究を必要とする項目だと思いますけれど、精度を……。

【小森主査】  それは、緻密なとか、緻密な計量管理や法制度の……。

【笹尾委員】  ええ、法制度の計量管理のための開発研究というのは必要だと思います。

【小森主査】  では、ここに、ただの計量管理だと当たり前になってしまうので、高精度の、とか入れれば良いのではないですか。そうすると研究が入ってくる格好に。

【笹尾委員】  ええ。

【小森主査】  どうしようか、森先生。

【笹尾委員】  計測屋さんから見ると……。

【小森主査】  「トリチウム経験の蓄積は可能であるため、高精度の計量管理や運営体制を構築することが必要」。

【笹尾委員】  私、中性子発生だけ言ったのですけど、それだけではなくて、第一壁に入ってしまったトリチウムの評価法とか、それから、あと、ガスの中のDとTの成分表を高精度で出しておくとか、そういうような、どちらかというと非常に地味な研究も大事だという意味で、ここの文章は残しておいてほしいと思います。

【森委員】  残すのは結構だと思いますが、高精度と言っているときにどの程度のことを言っているのかというのもよく分からないし。

【笹尾委員】  いや、それは最終的にデモを扱うときには非常に高精度が求められますね。ですから、それを意識して、何は何%という数はITERの場合ですと出てきていて、それは本当に可能ですかという宿題がふってきてはいるのですけれど、だから、森先生がおっしゃるように、ITERでやるから、60ではやらなくてもいいという、そういう。

【森委員】  いや、そういう意味ではなくて、ITERを超えるような精度をここで出すとか、出さないとかという話には必ずしもならないと思うので、ITERでも求められているし、SAでも当然必要になってくるという感覚だと思うのです。そのときに、どういう形容詞をつけると適切なニュアンスになるのかなというのはちょっと今考えているところですけれども。

【笹尾委員】  一般的に、単に高精度のというふうに書いておけばいいのではないですかね。これはそこまで厳密な議論をする時間的余裕もないので。

【森委員】  例えば、信頼性のある計量管理、そう言うと信頼性がないのかとか言われてしまう。

【小森主査】  それでは、高精度の方が良いかもしれませんね。

【森委員】  そっちの方がいいですかね。

【髙津委員】  すみません。混乱しているのかもしれませんけど、笹尾先生がおっしゃるのは、計量管理は大事だから、まる3の(c)を残した方がいい。だから、何か言葉をつけて「計量管理」という言葉を残した方がいい。

【笹尾委員】  はい。計量のための開発研究ですね。

【髙津委員】  それはもう全く賛成で、計量管理は非常に重要な燃料サイクルの技術、安全性の技術になると思うのですけれども、(c)で書いていることは、私自身、JT-60SAのトリチウム技術というのはどの程度のことをやろうとしているのか、よく認識していないのですが、言ってみればルーチン的にちゃんと管理しますよということで、技術開発というものを大きく伴わないのであれば、LHDもそういうことのわけですね。そうしたら、(c)って、あまり書く意味のない、既存技術でちゃんと安全に注意してやりますよということしか意味がないのかと思います。
 計量管理が大事だということは、課題でも(a)で書かれているし、解決に向けては、不十分ですけれども(a)で「計量管理技術開発」という言葉を入れられているので、ちょっとつながりが悪いのですけれど、例えば(a)でもうほとんど上のことを書いている、(a)の最初に、上記課題解決に向けてとか何か、上の課題に対応しているのでこういう施設が要るという書き方をされているのであれば、そこに含まれてしまうのではないかと理解されるので、(c)は今の議論を聞いていると、あってもあんまり意味がないのかなと思うのですけれども。

【小森主査】  そんな気もしますね。

【金子委員】  私も同感で、(a)はトリチウムに関する課題ですね。(c)は、トリチウムは入るけれども安全課題というのを課題として挙げているわけですね。だから、答え方としては、(c)の答え方は、むしろ(a)に入ってしまう話かという気がします。

【小森主査】  そういう意味では、(a)のところで、「さらに、これらを扱う大型技術の開発が課題である」の「大型技術」というところに安全も含むように、もちろん安全は含まないといけないので、書けば良いのかなという気もします。

【金子委員】  そうすると、(c)が要らないということになります。

【小森主査】  要らない感じですね。

【髙津委員】  一番大きな問題というのは計量管理ですね。外に漏らさないというのもありますけど、漏らさないことを証明する計量管理技術というのが非常に重要だと思うので、それは(a)に書いてあるのではないかと私は思ったのですけど。この辺は門先生が詳しいのではないでしょうか。

【門学術調査官】  アレンジしたのは私ですけれども、(a)に関しては、主に最初のトリチウムを使う側のことを意識してまとめていて、(c)の方は、どちらかというと回収側のことを意識してまとめています。なので、そういう意味では、まさに計量管理でちゃんとモニターをすることが大事だというのが(c)で、(a)は主にトリチウムを取り扱う技術というところなので、仮に合わせるとすると、そういう趣旨で両方合わせなくてはいけないかと思います。

【髙津委員】  その場合に、(c)で書こうとされる意図は分かったのですけれども、どうしてITERとかそういうもので、もっと大量に扱うところの中で技術習得、開発していくというのではなく、SAとLHDで、DDでやる装置の中でそういう技術をというのは、どういう理由でしょうか。国内の技術だということですか。

【門学術調査官】  おそらくは、書かれた人はDD実験を通じてDTのトレーニングをしようという意図で書かれているのだと思います。

【森委員】  トレーニングなり、ある種の貢献もできるよという意味合いはあると思っているのですけれども、ここに書くと、ITERではできないことで、原型炉までにおさえておかないといけないことの課題を解決しましょうという観点で書くスタンスの文章、報告書ですよね。その中にJT-60SAでトリチウム云々というのは何か変だなというのが、私がさっきから渋っている理由なのですね。

【小森主査】  そういう意味では、上の(c)に対応するのであれば、今後、回収系のトリチウム技術を計量管理も含めてきちっと研究開発するという文章を書いておいた方が良いのではないですか。60とかLHDにくっつけてできるということではなくて、必要な回収系については、きちっと計量の管理も含めて開発していく必要があると、書いた方が分かりやすいかもしれないですね。

【金子委員】  でも、今の文章だと、課題の文章と全く同じ文章になりますね。

【小森主査】  あ、そういうことですか。解決策だから。どういうふうに解決するかという意味ですね。

【金子委員】  そうです。だから、提案をしないといけないのですけど、そうなっていない。

【笹尾委員】  現状の文章は、そういうブランケットやダイバータの開発研究と整合性をとるためには、実機というJT-60のようなものを練習台にしたらどうですかというのが。

【金子委員】  そうでしょうね、ここの意図は。それが現実的にできるかどうかですよね。

【小森主査】  ただ、ITERと原型炉の間の研究として、それが60でできるかという話になると、それはITERの方が進んでいるのではないかという話になる。

【金子委員】  ブランケットもありますしね。

【小森主査】  そうすると、トリチウム取扱施設を中心に進めるとかしないと整合性はとれないのかもしれません。よく分かりませんが、そこは。
 ここのところでほかに御意見がありますか。ちょっと先に進みたいと思います。
 次は、3.2.8で規格と基準策定ですね。何かございますか。よろしいですか。
 では、次にいかせてもらって、3.2.9、核融合炉の安全性と安全研究ですね。よろしいですか。
 それでは、すみません、時間がなくて申し訳ないです。次は稼働率と保守性。ここは原文とあまり変わっていないということですが、よろしいですか。
 では、3章のまとめのところですね。

【小川委員】  よろしいですか。

【小森主査】  はい。

【小川委員】  35ページの下から三つ目のパラグラフ、「ダイバータ開発については」というところですけれども、ここの最後の方の文章で、「このためには、双方向型共同研究のような枠組みを活用することによって、人事交流と設備の有効利用を図ることが重要である」と。ここの双方向型共同研究と言われると、これは一般名詞ではなくて、NIFSの共同研究の一つとして固有名詞になっているので、これでいいのかと思いました。意図としては上の文章からすると、異なる研究機関間の協力、連携が欠かせないと言っているわけですね。ニュアンスとしては、上から見ると60とLHDですから、核融合研と原子力機構の間のというニュアンスで書かれていると思うのですけれども、それの最後が双方向型共同研究のような枠組みを活用することによってというのはちょっと正しくなくて、新たな枠組みを構築なのだろうなと思います。双方向型というのは大学の中の話ですから、ああいうような双方向的なものの枠組みを原子力機構とNIFSと、及び大学を含めて構築することなのだろうなと考えました。活用というのはもう既存であるということでしょうから、活用ではなくて構築するのかなと思ったのですけれども。

【小森主査】  ここはそういう意味でしょうね。どうですか。

【飯嶋専門官】  書いたのは……。

【小森主査】  山田さん。

【山田科学官】  私ではないですけれども、読んだ意図は双方向型共同研究、これまでプラズマ物理関係のことをやってきたのですが、私より金子先生の方がよろしいかもしれません。双方向型共同研究の見直しをかなりされていて、炉心プラズマだけではなくて、特にダイバータの方のPWI関係、炉工学関係も含めてやっていこうということで、東北大とか富山大学の参画を得て始めているわけです。そういったところがあるのかというのと、新たに構築するというよりも、双方向型共同研究という枠組みが既にありますので、これを拡充することによってある程度JT-60SAの方もカバーしていけるのではないかと私は読みましたけど。

【小川委員】  NIFSの共同研究をJAEAとの間でやるというのができるのであればいいのですけれども、新しい枠組みを作るのかなと思いますけど。研究機関間の協力であって、大学間ではないですからね。

【小森主査】  双方向型共同研究のような枠組みを構築することによってですかね。

【小川委員】  私もそう思いました。

【小森主査】  構築とすれば。

【小川委員】  それは大学等と、それからあと研究機関の間、だからJAEAとNIFSまたは大学も含めてですね。そういう間の双方向的な共同研究の新たな枠組みを作ると、それはいいことだと思うのですけれども。
 山田先生は、ここの中で、NIFSと大学というのを意識されたのだと思いますが、この文章だとNIFSと原子力機構と読めるのですね。それが今の範囲で流用できるのかというと疑問なのですけれども。

【小森主査】  そうですね。構築で考えた方が良いような気がします。

【小川委員】  はい。

【笹尾委員】  もう一つ、特にその二つの研究機関を取り上げて、大学はその中に入れないのかというように誤解される可能性がありますね。

【小川委員】  それもあります。

【坂本戦略官】  それか、もう双方向型共同研究という制度の名前を出すことにそれほど大きな意味がないのであれば、機関間の共同研究を促進する枠組みを活用または構築することにより、ということでよろしいですかね。

【小川委員】  そうです。

【小森主査】  それで良いのではないでしょうか。
 ほかにございますか。

【金子委員】  今のところは、本文中には何も書いてなく、ここで初めて出てきますよね。趣旨は結構ですが。

【小森主査】  まとめということで。あとのところはよろしいですか。

【岡野委員】  一つ、よろしいですか。

【小森主査】  はい。

【岡野委員】  36ページの安全性のところのパラグラフで気になるところがあります。下から2行目の「ITERで構築してきたこれらの体系を活用することが可能であり」というところなのですけれども、こう書くと、何か体系が既にあるという安心感を与えるように思うのですが、私の認識では、ITERの体制は残っていないと思っているのですね。そういう意味では、ITERで構築してきたのと同様の体系を構築することが重要でありとか、そんな記述にしていただいた方がいいような気がしますね。これは明らかにあるというふうに読めますよね。「その際には」以降は合っていると思うのですが。

【小森主査】  今の御意見、いかがでしょうか。確かにこの文章は、国内誘致をしたときの体系が残っているという印象ですね。

【岡野委員】  ですよね。

【髙津委員】  すみません、イメージとしては、文書はありますよね、残っていますよね。ああいうのはどういうふうに理解するのですか。役所のほうで検討されて、幾つかの文書が発行というか、公式文書として残されていますね。誘致の準備をしていた当時、ああいう文書は、もう検討母体がなくなったら消滅したと考えるのでしょうか。それとも文書は残って……。

【飯嶋専門官】  どういう、例えばそういった議論はされていたのでしょうか。

【髙津委員】  文科省の、今で言うと規制庁のようなグループの方と。

【飯嶋専門官】  それは文科省の正式な会議として動かしていたのですか。

【髙津委員】  はい。誘致に向けていろんな規制の考え方とか、文章を作っていただきました。長い議論を踏まえて、何とかの考え方とか、基本的な上位の考え方から、もう少し下の方まで、文書類を作られたのです。

【小森主査】  それが使われていないということですね。

【髙津委員】  公式文書というのは、我々の理解では残っているのだと思っています。そういうものを踏まえて、よりトリチウムの量の多い方向に発展させていけばいいのかなという意味で、これらの体系を活用することが可能というふうに書いたのですけれども。そのときに検討された方も、もういろんなところに散っておられるし、何か法体系として残っているわけではないので、文書としては残っていて、考え方のエッセンスはみんな読めば分かるという意味で、こうやって書かせていただきました。

【坂本戦略官】  そしたら、体系を活用する、ではなくて、その安全性の枠組みを検討する上では、こうして蓄積された知見を活用することが可能であり、でよろしいですか。

【岡野委員】  それならばそのとおりですね。

【小森主査】  多分、この体系、私もそう思いました。

【小川委員】  知見でね。

【髙津委員】  告示501号とか障防法とか、そういうものがあるわけではないですが、確かに体系というのは、今、戦略官がおっしゃった言葉で適切だというふうに思います。

【小森主査】  知見でよろしいですね。時間がなくなってきて申し訳ありません。
 次は、課題解決の取組を支える環境整備、4章ですね。あと、結びがありますので、二つ同時に。残りは、別表と参考資料なので、とりあえず結びまで見ていただいて。

【小川委員】  結びの上から3行目のところで、「統合的視野をもって原型炉開発の在り方を検討する機能の確立が重要と理解される」と。機能は確立ではなくて、検討する機能の構築ですかね。「確立」という言葉がちょっと変だなと。そういう機能を作るということですよね。

【坂本戦略官】  はい。

【小森主査】  構築ですね。

【小川委員】  これはちょっと私が前回、欠席していたから教えてほしいのですけれども、その後で、3.2.5と3.2.9を特出しして書いてあるのはなぜでしょうか。別に3.2.5と3.2.9だけをここで特出しする必要はないのかと思ったのですけれども。

【飯嶋専門官】  これは堀池先生がコメントを出されてきて。

【岡野委員】  シミュレーション研究の方にも原型炉工学設計と連携してというのが書かれていて、そこと呼応する形で、シミュレーションだけが一人でやってもだめなので、炉設計ときちんと連携した体制が要るということが書かれていると。

【坂本戦略官】  すみません、素人の私が申し訳ないのですけれども、私の理解は3.2.5と3.2.9は、インテグレーションという要素が非常に強いものをあえて出されたのだろうなと理解して読んでおりました。3.2.5のところは、先ほど課題のところで、炉心プラズマ統合コード、炉工学統合コード、炉設計統合コード、そういったものの統合と、さらに炉システム全体としての統合というのがございますし、安全研究の方でも、そういった様々な課題の統合というのが強調されていますので、そこが多分、この概念設計の主軸になるというか、最も重要視されなくてはいけない部分だと、個別課題の解決とは別の機能としてですね、ということを強調されたかったのだろうなと理解しておりましたが。

【岡野委員】  そのとおりだと思います。

【小川委員】  でも、言いたいのは、「原型炉概念設計推進のコアとなる機能との連動性」、ここだと思うのですね。だから、私、この文章を読んだときには、例えば上から、原型炉の戦略的な設計作業を基軸として、3.2節に示されている主要構成要素を統合した原型炉概念設計推進のコアとなる機能との連動性が確保されるべきであるというので、最後のところをきちんと言っておけばいいのであって、2.5と2.9の中を細かく言う……、ダイバータのところも必要だろうし、ブランケットも必要だし、原型炉概念設計のための、全部が必要なのではないかと。

【岡野委員】  それは個別の課題なので、それを統合するという意味で原型炉設計全体があるわけですね。シミュレーションはその中でかなり重要な役割を果たさなければならないので。

【小川委員】  でも、遠隔保守なんかも含んだりとか。

【岡野委員】  遠隔保守は原型炉概念設計の中ですね。

【小川委員】  だから、そういうのもあるから、シミュレーションと安全だけを特出ししなくても、原型炉概念設計推進のコアとなる機能の連携を強く言えばいいのかなという気はしたのですけどね。

【岡野委員】  安全研究は間違いなく原型炉概念設計に入れないと仕方がないですよね。別途はあり得ないですね。安全研究だけが単独であっても……。

【小森主査】  イメージ的には、シミュレーションと安全というのは全体を包括するようなところで。

【小川委員】  そうなのですか。

【小森主査】  遠隔やダイバータにも必要ですけど、個別の、パーツ的な概念のところで、安全とか、シミュレーションというのを論ずるだけではなく、それらを全部が含まれたところで包括的に論ずることに意義がある、そういう意味で二つを特出ししているというふうに私も思いました。

【小川委員】  あったほうがいいのですか。それだったらいいけれども、何かまとめの文章に細かい項目があるのは、ちょっと奇異に思ったので。

【岡野委員】  シミュレーションの項目のところにも同じことが書いてあったように思うのですけれども、それはIFERCのCSCがなくなるわけですね。その後の体制がIFERCで初めてシミュレーションと、それから炉設計が同じ部隊が、同じ場所にいてやっているわけですね。BAが終わるとその体制はなくなってしまうかもしれない。そこを心配してこういう記述が入っていると私は思っていますけれども。

【小川委員】  そういうことなのですか。IFERCで、だからテイクケアしている部分がここに入っていると。

【岡野委員】  はい。単に、どこかに大きな計算機のリソースがあればいいという話ではないような気がしますね。

【金子委員】  すみません、質問を一つしたいのですけど。

【小森主査】  どうぞ。

【金子委員】  37ページに、二つのキョウドウという文字が出てくるのですけれども、この違いをどう意識しているかというのをお聞かせ願えればと思います。実はキョウドウという文字が三つありますけど、そのうちの4.1は「共同」ですね。4.2は一緒に働くという「協働」ですけど。そこに意味を持たせて多分書かれたと思うのですけど、その辺が文章からあまりはっきりしないので、もしそういう意味を込められたのだったら御説明いただけると有り難い。

【小森主査】  4.2のタイトルの「協働」と、通常使っている共同と違うということですね。

【金子委員】  はい。

【小森主査】  もう一つありますか。

【金子委員】  もう一つあります。協調の「協」に「同じ」という字を書く「協同」もあります。

【小森主査】  それはどこに。

【金子委員】  いや、ここにはありません。世の中にという意味です。多分、違う意味を込められたのだと思うので。

【坂本戦略官】  ありがとうございます。まさに御指摘のとおりでして、4.1はいわゆるジョイントリサーチとか、本当に場を共有するとか、何か装置を共有するとか、そういう意味の共同です。4.2のコラボレーションというのは、ある意味、より多様で複雑な形態を持つだろうなと思っておりまして、知識の流通、それから人材が実際分担をして課題を解決する、情報を共有する。その過程では当然装置の共同利用であるとか、ジョイントリサーチとか、そういったものが必要になるだろうと。具体的な、まさに場とか装置とかを共有して行う活動に焦点を当てたのか、もっと、ある意味広い意味で、どういう形から有機的につながった活動を行うかというところで意味を分けております。

【金子委員】  そうですね。その辺をもう少し、今までとは違うネットワークを目指さなくてはいけないとか、そういう意味合いが入るとよいのかと思いました。

【小森主査】  「新たな」と書いてあります。

【金子委員】  新たなというのは、そういう意味ですか。

【小森主査】  新たな協働ネットワーク。

【金子委員】  分かりました。

【小森主査】  ほかにございますか。どうぞ。

【山田科学官】  結びのところで、ちょうど戸谷局長が御挨拶いただいた中に、コミュニティーの方に意見集約をこれから図っていただきたいということと、挙がってきた意見集約については、この作業部会で定期的にレビューをして、できる限りの政策的な方向性に努力を払うということをおっしゃいましたので、作業部会の役割をここに書き込むことはできますでしょうか。これは戦略官へのお願いになりますけど。

【坂本戦略官】  もし、先生方に御賛同いただけるのであれば、次期作業部会への引き継ぎ事項みたいな形でここに書き加えさせていただくことは可能だと思いますが、いかがでしょうか。

【小川委員】  是非。

【小森主査】  よろしいですか。
 後ろの別表等のところで何かありますか。
 それでは、さっきの、一つ残っていたところに戻ります。

【坂本戦略官】  すみません。先ほどトリチウムのところの御提案なのですけれども、小森先生からお話のあったものをベースとしまして、ブランケットや、ダイバータは入るのですかね、などのトリチウム回収系の技術については、ここでJT-60SAを特出しするところに違和感があるということで一つの課題でありましたので、ITERやJT-60などの実験を通じて、計量管理を含めた技術開発を進める必要があるとか、そういう書き方をするのはいかがですか。

【小森主査】  良いかもしれません。今の良いと思いますね。

【笹尾委員】  それでいいです。

【坂本戦略官】  森先生、いかがですか。

【森委員】  それは違和感ないです。

【小森主査】  では、それでよろしいですか。

【森委員】  もし、JT-60SAというのを特出しするのであれば、ITERとともに国内においても何々とかいうふうにすれば、JT-60SAが穴埋めするという違和感のある表現にはならないと思うのですが、先ほど戦略官の言われたような表現で私はいいと思います。

【小森主査】  では、これで決着とします。以上の皆さんの御意見を入れて、もう一回まとめ直させていただくということにします。修正は、私の方に一任させていただきたいと思います。修正して皆さんにお見せするということでよろしいですか。
 どうもありがとうございます。

【飯嶋専門官】  特に、頭のレーザーのところについては、疇地先生からコメントをいただいて小森先生と相談させていただきます。

【小森主査】  現状のところですね。

【飯嶋専門官】  はい。

【小森主査】  分かりました。
 それでは、報告事項に移りたいと思います。報告事項は2件ございます。まず参考資料3-1、FPCC42における欧州ロードマップの議論、及び核融合エネルギー実現に向けてのロードマップ(EFDA)について、これは高津先生からお願いします。

【髙津委員】  どうもありがとうございます。先週、FPCCが開かれまして、山田先生などと出席させていただきました。その中で、ヨーロッパの人がロードマップを検討してきた結果を報告しておりましたので、その報告という形で紹介させていただきます。
 1枚の紙と、それからパワーポイントの横長の資料と、それから机上に準備いただいた厚い報告書原文そのものもございますので、とても全てをリファーしながら説明するわけにはいかないのですけれども。
 1枚の紙を見ていただきまして、欧州委員会の求めに応じて、EFDAがアドホック委員会を構成してロードマップの検討を行ってきました。この委員会は、昨年末に最終報告書を欧州委員会に提出しており、今回のFPCCでこの委員会の議長だったロマネリさんから報告書の概要が紹介されました。それがこのパワポの資料です。なお、御案内のとおり、この報告書は、欧州の第8次フレームワークプログラムの基礎となると理解しております。
 ざっとポイントを見ると、ロードマップの検討では、当然ITERがかなりの部分の大事なところを占めているということで、その成功が鍵である。それから、ITERと並行してIFMIFが必要である。それから、原型炉というのは、ITERから商用炉までの唯一の中間ステップである。途中でいろんな装置が要るというふうには判断していない。それから、2050年までに核融合は電力市場に参入する、こういった基本的なポジションを最初の方に、今までのいろんなレビュー委員会の結論を受けているわけですけれども、それに基づいて、チャレンジングではあるがyet realistic、まだリアリスティックであるというロードマップを検討したということです。
 検討の中では、八つの重要項目、ミッションにブレークダウンして検討していまして、その八つの項目について、何をやるべきか、どんな試験施設が要るか、あるいはどこでやるのだと。それから、想定される資源、PPYといったものとか、何とかミリオンユーロと、そういったことが書かれています。それからあと、年度展開。最終的にはロードマップの形で示されています。
 八つのミッションというのは、まずプラズマのオペレーション、熱除去、ダイバータのことだと思うのですが。それから材料、ブランケット、安全性、原型炉設計、低コスト化、ステラレーターという項目に分かれていまして、今回の作業部会の検討とも大分似ているのですけれども、超伝導とかそういう項目はあまりなくて、低コスト化の文章のところで、将来、いい超伝導コイルができればコストが下がるとか、そういったところに少し含まれているだけですけれども、おおむね検討のプロトコルといいますか、似ている感じがしました。
 今回、ロマネリさんの発表で強調されたのは幾つかあるのですけれども、私の理解しているところでは、プラズマ運転では研究開発は主にITERでやることになる。でも、ITERでは原型炉を見据えてリスクがあるので、JETとSAを利用してリスクミティゲーションをしますという説明でした。
 それから、ダイバータの熱については、ITERの今考えているシナリオでは、やはりかなりピンポイントで将来についてはリスクが高いということで、リスクミティゲーションが要る。その具体的な案としては、やはりダイバータのあたりの熱を散らすということで、ヌル点近傍の磁場配意の工夫が必要であって、その有効性を実証するために、やはりある程度の大型装置、中型装置というのですか、が要るということで、Joint Divertor Tokamak Experiment Facilityという名前のものを国際競争で準備すべきではないかという提案をしています。
 それから、材料は2020年までに基本材料を決めて、その後、もっと魅力ある材料を模索しようと。2020年代の終わりぐらいに原型炉の設計を固めて建設段階に入るには、それまでにある程度のレベルの照射材料のクオリファイされたデータが要る。そうすると、IFMIFの建設を待つのは現実的にはなかなか難しいので、EVEDAからの展開、成果物を利用して、それを組み合わせて中性子源として利用する、near-term neutron sourceといいましたか、そういうものを考えていくのが現実的で、かつ効率的だという言い方をしていました。
 それから、ブランケットは、今、ITER、TBMには、ヨーロッパは先ほど話題になったヘリウム冷却で固体増殖か、ヘリウム冷却でリチウム鉛という二つのコンセプトに絞って開発しているのですけれども、原型炉ではヘリウム冷却でいけるかどうかはまだ検討が要る。言い方としては、水冷却の可能性も考慮しますと。
 そんな発表でして、横長の資料を御覧いただくと、いろいろ検討のキーポイントが書いてあるのですけれども、紙を3枚めくっていただくと横長のロードマップの絵がございます。これが今の八つの項目をスケマティックに並べて、大体どういう展開になっているかということを示したものです。2030年ぐらいにDEMO decisionとあって、そこで建設に入りたいということで、それまでにPlasma operationであればITERとJETとSAでいろいろ探索していく。Heat exhaustではダイバータの熱負荷を下げるような実験装置が要るだろうと。Materialsは、何となくぼやかしてあるのですけれども、IFMIFのポンチ絵みたいなのがありまして、線引きはずらっと長くなっているというので、ここは文章を見ないとちょっと分かりづらいのですけれども。それから、Tritium breedingはTBMがメインになるだろうと。
 それ以外に、各国でいろいろ検討されている案も、もし実現するのだったら国際協力で相乗りしたいということで、Tritium breedingの下の方に書いてありますけれども、中国の概念で何か実現していくのだったら協力したい、それからアメリカでFNSというものが本当に作られるのだったら協力したいとか、そういうことが書かれています。
 ずっといって、最後、ステラレーターはトカマクでショーストッパーがあって、もうどうしようもなくなったときの選択肢として魅力ある概念に持っていきたいということで、並行して進めていくという位置づけです。
 これがポンチ絵ですけれども、厚い資料の方を御覧いただくと、最後から2枚目、1枚めくっていただいて、後ろの方にエクセルの細かい、小さくて見づらいのですけれども、一応各項目について何をどういうふうにやっていくかという年表が書かれているので、御覧いただければと思います。
 そういうことで、2050年に電力に、グリッドに参入するということで、2030年には原型炉の建設を開始したい。そのために何をしていかなくてはいけないかということで、今の八つの項目について整理をしたのがこの報告書で、特に重点が置かれているのは2014年から2020年までに何をしなくてはいけないか。少し精度がよく書かれていて、2020年から2030年までは、もう少し粗く書いてあって、2030年から先はさらに粗く書いてありますけれども、大体2020年までにいろんな仕込みもやっておくべきだろうという感じで重点的に書かれておりまして、それが想像するにはフレームワークプログラムの内容に対応させる、今、予算申請しているようですけれども、それに合うような内容になっているのだろうと思われます。
 その中には、当然ITERの利用が最大の項目ですけれども、SAの共同利用も計画に含まれて、たしか予算的なことも書いてあったと思いますし、それからIFMIFはなかなか難しいのでEVEDAの成果物を利用した中性子源というものに投資するのが一番安いという書き方で具体的な評価が書いてございます。ざっとそういうことです。
 今回のFPCCでは、最後の方に2020年までに基本材料を決められるのかという質問が、これはヨーロッパから出ていましたね。それから、先ほどの議論と似ているのですが、2020、30年の間に必要となるトリチウムはどこから入手するのか。何と答えたか、ちょっと記憶がないのですけれども、山田先生、記憶ございますか。

【山田科学官】  いや、はっきり答えられなかったですね。

【髙津委員】  それから、ブランケットで冷却剤が水かヘリウムか迷っているということを言っているのですけれども、それよりダイバータの冷却の方が難しいので、ヘリウムで考えているみたいだけど、そんなことでリアリティーがあるのかという意味で質問したら、いや、ダイバータは水ですと答えられたので、行く行くの将来はヘリウム冷却ダイバータだけど、DEMOはもう水ですと答えていたので、私も知らなくてびっくりしたのですけど。
 それからあと、原型炉でも発電単価も目標にするのかという質問があって、原型炉は目標ではない。いろいろ考慮はして、打つべき手は打つけれども、原型炉の発電単価が何か俎上に載せるわけではないという答えをされていました。こんな質問がありました。
 ざっと以上ですので、何か御質問等ございましたら答えられる範囲で。

【小森主査】  ありがとうございました。何か御質問ございますか。どうぞ、戦略官。

【坂本戦略官】  質問ではないのですが、今回おまとめいただきました報告書というものは、この欧州のロードマップと非常に強い関係をこれから持っていくのかと考えています。といいますのは、私もにわか勉強ですけれども、ロードマップをざっと読んで、改めて、原型炉というかDEMOは、商用炉までの唯一のステップであるということと、プラス、2050年にグリッドに組み込むという非常に野心的なゴールを持ち、かつ現実性を失わないロードマップの検討というものを相当苦心されている、まだまだはっきり言うと途上ではあると思いますけれども、そこのバランスというか、どうとるかというところを結構踏み込んでいるなという印象を受けました。
 例えば、今日お配りしたコピーの中に書いてありますけれども、個々の課題について、ダイバータにしてもそのほかの安全性の問題にしても、究極のオプションを追求したら無限に時間がかかるということで、プラグマティックなソリューションが要ると書いてあって、プラグマティックなソリューションというものを、ヨーロッパではSETプランですか、あるいは2008年に行われたファシリティーレビューであるとか、さまざまな形でずっと議論を積み重ねてきているというところがございます。
 さらには、さっき高津先生の方から国際協力の話がございましたけれども、例えば高津先生のメモに書かれてある先進材料にしても、他の、フュージョン以外の分野の先進的な材料開発プログラムとのシナジーというものが何回か繰り返し出てくるのです。さらには、IFMIF、EVEDAの展開もございます。
 このロードマップの中でIFMIF、EVEDAの拡充にいくか、それとも欧州で独自に段階的なIFMIFの開発、それの初期段階としてのIFMIFというものを別にやるのかというところで、当然彼らはIFMIF、EVEDAの拡充というのをここに書いてあります、第1オプションとしてはですね。要は、経営的な観点、マネジメント的観点で自分たちはどういうリソースを持っていて、それは国際協力という意味も含めてですね。それをどううまく使い尽くすか。限られた資源量の中でいかに最適解を作っていくかということを突っ込んで考え始めているということは見て取れます。
 こういった議論を是非今回、ここでおまとめいただいた技術基盤構築の進め方で出てきた課題について、全体を俯瞰しつつ現実的な解、しかし野心的な目標を達成するというところの、本当の解をどう作っていくかということを是非コミュニティーの先生方に考えていただきたいということを、このロードマップを見ても改めて感じましたので、是非そういったところを先生方に御指導をお願いしたいですし、若い方にはそれを是非頑張っていただきたいと思っております。

【小森主査】  どうもありがとうございました。
 続きまして、参考資料4「今後の原子力研究開発の在り方について(見解)」について、事務局より御説明願います。

【坂本戦略官】  この見解につきましては、もう既に御覧になった先生方も多いかと思いますが、予算編成の過程でもございましたし、今後の研究開発の進め方について、原子力委員会が見解を取りまとめたというところでございますけれども、ちょっと説明をしておいた方がいいなと思いましたのは、9ページを御覧いただきますと、核融合、量子ビームテクノロジーに関する研究開発について、原子力委員会の見解がまとめられております。
 核融合については、三つ目のパラグラフというか、一番下、最後から2行目のところからですけれども、核融合の研究開発はということで、最終的にエネルギー利用を目標とするものであるがということで、ITER計画等における核融合装置というのは、現段階では高温のプラズマと強力な磁場による核融合反応の発生というプラズマ物理にかかわる現象解明・制御のための実験を行うもの。また、慣性核融合につきましても、高機能のレーザー装置やエネルギー技術を生み出して高エネルギー密度物理の展開に寄与している。さらに、こういった装置開発、あるいは実験の成果はグリーンイノベーション、あるいはライフイノベーション、例えば医療、MRIのさらなる高精度化でありますとか、そういった幅広い科学技術に展開すること、産業分野へ応用・普及させることが期待されているということが言えます。
 したがいまして、当面はプラズマ物理にかかわる現象解明・制御、及びそれに付随して開発される先端技術を産業競争力強化に向けて幅広い科学技術へ展開する基礎的・基盤的な研究開発として着実に進めることが適切であるという見解を示していただいています。
 これは、もともと文部科学省から原子力委員会に原子力政策大綱の議論、その後、いろいろ政策大綱についてはとりまとめにならないとか、方針の変更がございましたけれども、あるいは原子力関係経費の見積もりというものを毎年、原子力委員会は行われていますけれども、そういった予算の計上の仕方というものをどう考えるかというときに、これは昨年からそういった議論はずっと続いておったと我々は理解しておりますけれども、旧民主党政権の中で、脱原発という流れがある中で、そういった政策的な流れ、それの対象となる原子力エネルギーといいますか、そういったものとは区別して核融合というものを扱っていただく必要があるだろうという問題意識を原子力委員会にも御説明しておりました。その結果がこういった文章に反映されているということを御説明させていただきたいということでございます。
 以上です。

【小森主査】  ありがとうございました。何か御質問等ございましたらお願いします。
 どうぞ。

【髙津委員】  1点だけ教えていただけますでしょうか。原子力委員会は第三段階基本計画というのを平成4年だったかに出していただいているわけですけれども、それが別になくなったわけではないですね。

【坂本戦略官】  ないです。

【髙津委員】  それはそのままキープされて、でもここに書かれている言葉が非常に、プラズマとか、応用、波及のようなことで、エネルギーを志向するというトーンが非常に、目標とするものではあるがということで、非常に留保的なのですけれども、その辺はどういうことなのですか。

【坂本戦略官】  それは両方ですね。追求というか、社会に対して両方の、核融合研究開発の意義とは何かという意義の多面性とまで言わないにしろ、幾つかの側面があるということは、それぞれ説明していく必要があるという認識の裏返しと御理解いただけたらいいと思います。
 はっきり言いますと、旧民主党政権のエネルギー・環境戦略は、2030年代の電源構成というものを相当議論されていたわけです。そのスパンでは、はっきり言うと核融合は入らないです。ただ、是非そこは長期的なエネルギー戦略というものを国として作る必要があるだろうというのは、これは多分一方で出てきている問題意識だと思いますし、そこには核融合というのは乗せられるべきだと思いまして、それは我々行政的に頑張りたいと思いますけれども、そういったタイムフレームの問題がある中で、エネルギーというものが議論の表舞台に出てこないことがあっても、そういった先端技術を切り開く、そういう側面もあるということをしっかりと強調して国民に説明するということが、今現時点で相当多額の公的投資がこのITER計画、あるいはBA、そのほかの核融合研究開発になされているわけですので、そういった説明責任を果たすために重要である。
 今、もう行われている投資で出てくる価値と、その先にある、将来もっと得られる価値というものを両方説明していくという必要があるということで、今は当面、生じてくるであろう価値の方を注目し、また説明をするような、そういったものとして捉えようという書き方になっているということでございます。

【小森主査】  よろしいでしょうか。
 それでは、今日は以上となります。事務局から何かございますか。

【飯嶋専門官】  事務局から特にはございませんが、今期第6期の核融合研究作業部会、本日が最後でございますので、今回の期をもって退任される、ちょっと今日、当初御出席というお話でしたけれども、欠席されている石塚先生、平山先生、森先生が今回退任されるということでございますので、最後ですので一言ずつ何かあれば、コメントをいただければと思いますが。

【小森主査】  では、平山先生。

【平山委員】  この委員会、かなり長い期間、多分核融合コミュニティーとちょっと違う立場で参加させていただいて、どれだけ貢献できたか分かりませんけれども、今日の取りまとめでもまだまだ本当にいろんな課題があって大変だと思います。我々の学生のころから核融合は実現できるという話をずっと聞いてきましたけれども、その実現に向けて是非コミュニティー一丸となって頑張っていただきたいと思います。どうも長い間、ありがとうございました。

【小森主査】  どうもありがとうございました。

【森委員】  私の方は、今年になって前任者から引き継ぎましてこの委員を仰せつかったわけですけれども、来年、また次の期に入るということで、原子力機構の中でもいろいろ検討しまして、最善の布陣で臨むということで、私とは違う人がまたなるということになります。よろしくお願いいたします。

【小森主査】  それでは、これで第36回の作業部会を閉会します。
 私、今期から座長になり、非常に拙かったですけれども、皆さんのおかげで何とかまとめることができました。どうもありがとうございました。またどうぞよろしくお願いいたします。

【坂本戦略官】  どうもありがとうございました。第7期につきましては、また任命がおりまして、いつ開催するかというのは事務局からまた御案内させていただきますので、その際はよろしくお願いいたします。

お問合せ先

研究開発戦略官付(核融合・原子力国際協力担当)

齊藤
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