原子力科学技術委員会(第32回) 議事録

1.日時

令和5年2月10日(金曜日) 10時00分~12時00分

2.場所

新型コロナウィルス感染症の拡大防止の観点からオンライン開催

3.議題

  1. 原子力科学技術を取り巻く最近の状況について
  2. 各作業部会における検討状況について
  3. その他

4.議事録

【竹之内課長補佐】  定刻となりましたので、ただいまより第32回原子力科学技術委員会を開催いたします。
 本日はお忙しいところお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。
 今回もオンラインでの開催となっております。これに関連しまして確認事項などもございますので、議事に入る前に事務局にて進行させていただきます。
 まずオンライン開催に際しての留意事項を御説明いたします。
 委員の皆様におかれましては、現在、遠隔会議システムWebex上で映像及び音声が送受信できる状態となっております。御発言を予定される場合には挙手ボタンを押していただくと、画面の左上に挙手マークが表示されますので、順番に主査から御指名をいただきます。もう一度ボタンを押しますと挙手マークが消えますので、御発言をいただいた後は挙手ボタンを押して手を下ろしてください。
 会議中にビデオ映像及び音声が途切れている場合にその時間帯は御退席をされているものとみなします。遠隔会議システムの接続の不具合等が生じた際は、随時事務局宛てにお電話にてお知らせください。
 傍聴される方におかれましては、ビデオ映像及び音声をオフとしてください。
 議事進行の妨げとなる行為を確認した場合は遠隔会議システムから御退席いただきます。
 議事録につきましては事務局にて会議を録音し、後日文字起こしをいたします。事務局以外の方の会議の録画及び録音はお控えください。
 以上が本日の進行に当たっての留意事項となります。
 続いて、本日の配付資料の確認をさせていただきます。
 今回は、委員の皆様及び傍聴の登録をされている方々宛てに事前に配付資料をお送りさせていただいております。会議中遠隔会議システム上においても資料を表示する予定でございます。
 お手元に議事次第を配付しておりますが、本日の議題は3点ございます。1点目が原子力科学技術を取り巻く最近の状況について、2点目が各作業部会における検討状況について、最後3点目その他となってございます。
 配付資料といたしましては資料を八つと参考資料を二つ用意してございます。事前にお送りしているところで議事次第が資料0、それから資料1、あと資料の2-1から2-7、参考資料1、2となっております。
 それぞれ議事次第に書かれているとおりですが、お手元に資料がないようでございましたら事務局までお知らせいただければと思います。また何かありましたら随時お申しつけください。
 本日の議題は今申し上げたとおりでございまして、時間は12時までを予定してございます。
 委員の皆様方の御出席状況につきましては開始前に事務局にて確認をさせていただいております。本日は委員11名全員に御出席いただいております。運営規則の第3条に規定されております定足数の過半数を満たしておりますので御報告申し上げます。
 続きまして、事務局の参加者について御連絡いたします。文部科学省からは、大臣官房審議官の林、原子力課長の新井、私、原子力課課長補佐の竹之内が出席しております。また、関係する作業部会の事務局からも参加をしております。
 それでは、これから議事に入らせていただきますが、運営規則の第5条に基づきまして本会議は公開とさせていただきます。また、第6条に基づき本日の議事録につきましてはホームページに掲載いたします。
 事務局からは以上でございます。
 ここからは出光主査に議事の進行をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
【出光主査】  それではこれから出光のほうが司会進行を務めさせていただきます。皆様よろしくお願いいたします。
 本日の議題ですが、お手元にございますように議事次第に議題の1から議題3までございます。12時までを予定しておりますのでよろしくお願いいたします。
 それでは、本日の最初の議題になりますが、原子力科学技術を取り巻く最近の状況についてということで、事務局より説明をお願いいたします。
【新井原子力課長】  原子力課長の新井でございます。おはようございます。本日はよろしくお願いいたします。
 まず、私のほうから原子力科学技術を取り巻く最近の状況ということで御説明をさせていただきます。
 政府から三つ、原子力関係の重要な文書が出ております。この御説明をまずした後に、我々文科省の原子力関係の政府の予算案が出ておりますのでその御紹介ということでございます。
 政府の文書についてでありますけれども、実は今12月に関係の会議で議論の後、パブリック・コメントを1か月程度しております。今その結果を踏まえて調整を関係部署でしてきた状況でございますので本日の資料は最終版ではございません。ただ、今12月に各会議で出された文書ということで御紹介をしたいと思います。
 三つの文書がございますけど、まず1個目が、GX実行会議で議論されていますGX実現に向けた基本方針でございます。
 4ページにまず飛んでいただければと。
 GXについてはエネルギーの安全保障、それから脱炭素、カーボンニュートラルの実現、それから経済発展、これは全て今後実現するという目標の下でGXを進めていくということで、様々なエネルギーの政策の進め方について盛り込まれているわけであります。原子力関係については、原子力政策の今後の進め方ということで幾つかのアイテムについて盛り込まれているところであります。
 一つは青いところでカラーになっておりますけれども、既存の商用原発の再稼働を進めるというのが一つのカテゴリーです。
 それからオレンジのところ、今後、再稼働の先の展開を見据えた対応ということで、次世代革新炉の開発・建設の取組、それから既存の原発の運転期間に関する新たな仕組みの整備等、それから予見性の確保というところで、最終処分の実現の取組に向けた国主導での取組の抜本強化、こういったアイテムについて盛り込まれているということでございます。
 1ページにお戻りいただきまして、こちらに今の関連のアイテムについて記載がございますが、特に文科省関係は三つ目の段落のところであります。
 将来にわたって持続的に原子力を活用するということで、「新たな安全メカニズムを組み込んだ次世代革新炉の開発・建設に取り組む」といったことが書かれているということでございます。
 それから数行下ですけれども「研究開発や人材育成、サプライチェーン維持・強化に対する支援を拡充する」といったことも記載されているということでございます。
 3ページに飛んでいただきまして、次世代革新炉の開発・建設に取り組むといったところで、これは五つの革新炉がこのGX実行会議の基本方針の参考資料で記載されております。
 革新軽水炉、小型軽水炉、高速炉、高温ガス炉、核融合ということで、タイムラインが2023年から2040年代にかけて、それぞれ革新軽水炉であれば商用炉、それから小型軽水炉、高速炉、高温ガス炉については実証炉、核融合は原型炉、これに向けたロードマップのイメージというものが書かれているところです。
 その下にGX投資というところがありますが、GXを実現するために官民投資を集めて進めていくということであります。GXの基本方針では、今後10年で官民投資150兆円を目指すということになっております。そのために政府としてGXの経済移行債を発行して20兆円の先行投資をするといったことについても記載されているわけでありますけれども、原子力関係では、GX投資のところで、高温ガス炉、高速炉の実証炉の開発・建設・運転等ということで、今後10年間で約1兆円への投資ということが記載されております。この研究開発の基盤の整備等についても取り組むといったことについて、この投資のところにも記載されているところでございます。
 二つ目の文書ですけれども、5ページになります。
 二つ目の文書は、原子力関係閣僚会議のほうで議論されているものでございます。今後の原子力政策の方向性と行動指針ということでありますけれども、原子力のエネルギー利用を主に念頭に置いた政策措置についてまとめているものであります。
 こちらは冒頭申し上げましたとおり、パブコメに付した後に、今、内閣官房のほうで整理をしているというステータスのものであります。
 先ほどGX実行会議でそのアイテムがあるということで、再稼働、それから既設炉の最大限活用、革新炉の開発・建設、バックエンドプロセスといったところがGXのほうでも盛り込まれているところでありますけれども、さらにこちらでは、サプライチェーンの維持・強化、それから国際的な共通課題の解決への貢献、こういったことなどについても盛り込まれているということであります。
 文科省関係は、主には左から三つ目の次世代革新炉の開発・建設というところで、この下の部分ですけれども、次世代革新炉の開発・建設に向けた基盤インフラ整備、それから人材育成の取組というところを取り組んでいくといったことが盛り込まれているということであります。
 関係の文書は6ページに記載されていますが、ここは割愛させていただきます。
 7ページでございます。
 こちらは原子力委員会のほうで議論をされております原子力利用に関する基本的考え方ということでそのポイント案になります。
 先ほどの原子力関係閣僚会議のほうはエネルギー利用のほうをメインにしておりますけれども、エネルギー利用のほかに、医療、あるいはその医療への応用といったいろんな幅広い分野、それから原子力の平和利用、こういったものも念頭に置いた原子力利用の基本理念についてまとめている政策文書ということであります。
 1ポツの基本的考え方ということになりますけれども、政府としての長期的方向性を示す羅針盤となるものを整理しましたということで、従前は原子力委員会のほうで長期計画、あるいは大綱といったものを定めておりましたけれども、現在はこういった羅針盤を示す、基本的考え方を示すということで、原子力委員会で決定後、政府として尊重する閣議決定をすると、そういったステータスの文章であります。
 これは平成29年、前回の考え方を出しておりますけれども、今回5年たったということで見直し、改定をするということでございます。
 3ポツに、原子力を取り巻く現状と環境変化ということで幾つかあります。エネルギーの安定供給の不安、地政学リスクの高まり、それからカーボンニュートラルに向けた動きの拡大、こういった様々な動きを踏まえた上での今回の改定になるということであります。
 2ポツに本基本的考え方の理念ということでありますけれども、原子力利用についてということで、エネルギーの利用のみならず、様々、工業、医療、農業分野における放射線利用、幅広い分野において人類の発展に貢献し得るといったところ。
 一方で、三つ目にありますけれども、使い方を誤ると核兵器の転用や甚大な原子力災害をもたらし得るということを意識することが必要ということで、原子力のプラス面、マイナス面を正しく認識した上で、安全面での最大限の注意を払いつつ原子力を賢く利用することが重要となるということが理念として書かれているということでございます。
 重点的な取組ということで、4ポツの①から⑨で記載をされておりますけれども、文科省関係では⑧イノベーション創出に向けた取組、⑨人材育成の強化、それから⑦放射線・ラジオアイソトープ(RI)の展開、こういったところを主に我々の施策に関係が深い記載がなされているということでございます。
 ここまでが政府の関連の文書の動きということでございます。
 次のページ以降が文科省の令和5年度の予算案、12月に出て、今、国会で審議中のもの、これから審議をしていくというものでありますけれども、これの御紹介になります。
 この8ページが総括的なこの予算の見取図ということになっておりまして、9ページ以降がその補足といいますか、少し詳細に記載したものになりますが、8ページを中心に御説明をしたいと思っております。
 まず、右肩のところに予算の額が書いてあります。令和5年度予算額の案ということで、1,470億円ということで、これは対前年同の数字になっております。
 それから令和4年度第2次補正予算額というのが数行下に書いてありますけれども、補正予算で163億円、これは昨今エネルギー価格の高騰もありますけれども、研究の継続性をしっかり担保するといったところの予算についても計上されているところでございます。
 1,470億円の予算のうち文科省関係、原子力の研究開発機関、原子力機構JAEAの予算が1,302億円程度ということで、大部分の予算はJAEAの予算ということになっております。
 下のほうに参りますと、それぞれ四角で囲ってあるところでカテゴリーになっております。左上、まずは革新的な技術開発、カーボンニュートラルに貢献をしていくということで、ここでは高温工学試験研究炉(HTTR)、高温ガス炉、これを活用して研究を進めていくということで、水素製造の実現に向けた技術開発も行っていくということで、これは資源エネルギー庁とも連携をしながら実施をしていく取組を行っていく関連の予算を計上しております。
 それからその囲いの中で、高速炉・核燃料サイクル、こちらについても予算を計上ということで、特に高速実験炉、高速炉の技術開発の基盤となる炉ということで、「常陽」の運転再開に向けた準備を着実に進めるということであります。こちらについては令和5年度の予算に加えて加速して進めていくということで、今年度の補正予算でも関連経費が計上されているということでございます。
 それから左側の二つ目の囲いですけれども、多様な原子力イノベーションということで医療用RIの製造技術の開発も含めてやっていくということでその取組と、あとは人材育成基盤維持関係の事業というところ、そこには、「もんじゅ」サイトの新試験研究炉の設計の取組を盛り込まれているところでございます。
 左側の三つ目は、東電福島第一原発の廃止措置等研究開発の加速プラン実現ということで、これも着実に実施をしていくということでございます。
 右側に参りますとバックエンド対策、これも着実に推進していくということで、特に原子力機構の大きな施設、「もんじゅ」、「ふげん」、東海再処理施設、こちらの廃止措置をしっかり進めていくという所要の関連の経費が計上されております。
 その下は原子力の安全性向上に向けた研究ということで、軽水炉を含めた原子力施設の安全性向上に必要必須な様々なデータの取得や安全評価手法の検討ということで、これは規制庁と連携してされているような経費について計上したということでございます。
 予算のあらかたの御説明は以上でございます。
 事務局からの説明は以上です。よろしくお願いいたします。
【出光主査】  御説明ありがとうございました。
 それでは、ただいまの御説明に対しまして、御意見、あるいは質問等をお伺いしたいと思います。
 委員におかれましては、オンラインの挙手機能を使いましてリクエストしていただければと思います。どなたかございますでしょうか。
 特にございませんでしょうか。
 予算等の話もございますが、何か御意見等ございませんか。
 早田さん、どうぞ。
【早田委員】  電気事業連合の早田と申します。
 すいません。今御説明いただきましたスライド8でコメントを2点申し上げたいと思います。
 まず一つ目なんですけれども、高速炉につきましては資源の有効活用とか、やはり高レベル放射性廃棄物の減容化・有害度低減に寄与するということでございまして、原子燃料サイクルを推進する上でも重要な炉形と認識しております。戦略ロードマップに基づいて高速炉開発を進めていくためにも、ぜひ常陽の再稼働に向けた取組を着実に進めていただくことを期待申し上げます。それが1点目でございます。
 2点目なんですけれども、同じスライド8にある予算の内訳を見ますと、多くの予算がバックエンド対策の推進に投入されていると読めます。安全かつ合理的な廃止措置の取組について検討いただいているところかと思いますけれども、産業界にも廃止措置プラントは数多く存在いたしますので、互いの知識とか経験、そういったものを共有、活用しながら、より安全、合理的に廃止措置が進められるように連携して進めていただくことを期待申し上げます。
 私からのコメントは以上2点でございます。
【出光主査】  早田様、御意見ありがとうございました。
 ただいまの2点につきまして、事務局のほうから何か追加の説明等ございますでしょうか。常陽の再稼働と……、どうぞ。
【新井原子力課長】  新井です。コメントありがとうございました。
 まず1点目の高速炉開発の関係のコメントをいただきましたけれども、今御指摘がありましたとおり、高速炉の戦略ロードマップについても着実に高速炉開発を進めていくということで、12月の原子力関係閣僚会議の関係の会議で新しい戦略ロードマップが出ておりますけれども、そこの中でも基盤的な研究開発ということで、常陽の研究開発についても期待されているということが記載されているところでございます。
 我々としてもしっかり、そのロードマップに沿って貢献できるように、まずは常陽の運転再開に向けた取組というのを着実に進めていきたいと思います。
 それからバックエンドの関係の御指摘もございました。廃止措置、これから我々の研究機関のほうも原子力機構のほうの廃止措置もございますし、商用原発のほうの廃炉というものも進んでいくという中で、当然、この連携というのが大事になってくると我々も認識をしております。
 今回の原子力関係閣僚会議も今後の方向性のペーパー二つ目に報告をしたものでございますけれども、こちらについても関係機関の連携といったところについての記載もあると承知をしておりますので、我々としてもしっかり連携していきたいと思います。ありがとうございました。
【出光主査】  ありがとうございます。
 ほかにございますでしょうか。
 よろしゅうございますか。竹内さん、どうぞ。
【竹内委員】  竹内でございます。ありがとうございます。
 御説明いただきましてありがとうございました。
 私も2点コメントさせていただこうと思っていたんですが、1点目は、早田様のコメントとかぶっておりまして、バックエンドの部分につきましては、まさに事業者の皆さんの現場の進展とよく連携をしてノウハウを蓄積いただければということをお願いしようと思っていたコメントですので割愛をさせていただきます。
 もう1点が、今表示していただいているスライド8の研究開発・人材育成に関する取組の部分でございますけれども、こういった部分というのは非常に長期的な見通しというか、安定性が求められるところかと思います。
 予算というのは、基本的には単年度となってこようかと思いますけれども、安定的に政府のコミット、このプロジェクトの遂行というところが見込まれるということがないとなかなか人材というものが入ってこない、育っていかないということになってしまう。
 そういった中で、文科省さんにこれは伺うことでもないのかもしれませんけれども、やっぱり長期的な形でのコミットというようなところをこの分野に安心して人が入ってこられるようにお願いをしたいと思うところでございますので、もし何かそういったところにつきまして、文科省さんとして取り組んでおられるところがございましたらちょっと補足をいただければと思います。
 以上でございます。
【出光主査】  ありがとうございました。
 それでは、二つ目の人材育成について、事務局のほうから何か回答ございますでしょうか。
【新井原子力課長】  事務局でございます。
 先生御指摘のとおり、国の予算は単年度主義ということでありますけれども、我々の様々な取組というのは当然、複数年の取組というところでプロジェクトを組んだ上で財政当局にも説明をして予算を認められているといったところであります。
 特に人材育成について申し上げますと、資料でいうと10ページに補足資料がありますが、この下に人材のところがありますが、(2)の①に大学や研究機関等が組織的に連携した拠点形成による原子力人材育成の推進ということで、これは大学でまさに長期的観点に立って教育研究、人材育成をされているわけですけれども、大学等の取組をネットワーク化して継続的な取組をさらに後押ししていくような、そういった予算というのを原子力課のほうで計上しています。こうした長期的な観点に立った取組を引き続き推進していきたいと思っております。
 以上です。
【竹内委員】  ありがとうございます。
 ごめんなさい。追加で1点なんですけれども、今お示しいただいているスライド10のところは非常に重要なところだと思うんですけれども、これは私よりも中島先生等のほうがお詳しいと思うんですが、大学が研究炉を抱えるということがもう非常に難しくなっている、こういった状況を当然、文科省さんも把握されていると思います。
 規制対応の部分等で本当にこの横断的かつ国がバックアップしないと研究機関に持ってくれと、人材育成をこれで進めてくれというような形で言い続けるというのはちょっと無理があると認識をしております。この問題についてもこの予算の中で対応されるということでしょうか。
【出光主査】  事務局のほう、よろしくお願いいたします。
【新井原子力課長】  試験研究炉の維持そのものの必要な経費というものはそれぞれの大学、あるいは研究機関の予算の中で計上されていることは基本ですけれども、大学等における取組をより支援するといったところでの一部の補助というものをしているところであります。
 ただ、財政事情が厳しい中、あるいは規制の対応とか、そういったところの課題があるというのも我々承知をしておりますので、大学の先生方の御意見を伺いながら、どういった形で継続的にそういう基盤を維持していくことができるか、どういった取組が必要かというものは引き続き議論していきたいと思っております。
【竹内委員】  ありがとうございます。
 もうこれはほかの先生からも御発言いただければと思いますけれども、大学の研究炉というものを維持する上では議論している時間というのはもうないと私も認識をしております。
 ぜひ急いでいただいて、当然、大学の設備ですから、基本的な維持のコストを大学が持つというのが当然としても、規制対応ですとか共通化するコストについてぜひ政府のきちんとした支援、対応というところをお願いできればと思います。
 以上でございます。
【出光主査】  ありがとうございました。
 中島委員からは後で議題2のほうで説明いただきますので、八木委員、お願いいたします。
【八木委員】  今の竹内委員とのやり取りである程度私もちょっと重複したところがあるんですけれども、同じところでちょっと注目しておきたいのが、スライドの6枚目のところに、わざわざ朱書きされていますけれども、「「単年度主義」や「縦割り」に陥らない長期間・分野横断の予算配分」と書かれていて、やはりこれがもう一番大事なんだと思うんですね。人材育成しかりですし、今議論に出ていた研究炉の維持もそうですけれども、単年度云々って話もあるんですけれども、やっぱり先が見通せないからそこに十分に大学側も資源が投資できてない状況というのもたくさんありますし、それが何となくぼんやりしたゴールだけが設定されて、数年ごとにいろんな形で制度が変わったりとかシステム変わったりすることに振り回されている感はすごくあると思うので、ここは強くそういうふうな朱書きにされているような内容も含めて、皆さんのほうでも積極的に発言していただきたいと思うところです。よろしくお願いいたします。
【出光主査】  ありがとうございます。
 縦割りにならないということで、事業化のほうは経産省のほうで、それから基盤のところは文科省絡みで実施していくということにはなっておりますが、連携も必要だということで理解いたしました。
 そしたら、北田先生どうぞ。
【北田委員】  北田です。
 皆様と少し重なるところではございますけれども、結果的に人材の育成ということがうたわれてはいますが、そもそも5ページにも挙げられているような再稼働が実際に実現できる、進んでいく、次世代の革新炉の開発なり建設が進む、バックエンドのところでの最終処分が進むという見えてくるとおのずと人材というのは育っていくところでもございますので、その辺り、実際の企業での活動がどんどん伸びていく。それに合わせて、当然、志望する学生が増えてくるというようなところにもつながってきますので、結局、もともととすれば実際、原子力事業を発展させるというよりはもっと活性化させるというところ、その部分のところというものをしっかりと進めていただければと思う次第です。
 すいません。同じような意見ですけれども以上です。
【出光主査】  ありがとうございました。
 ほかございますでしょうか。よろしければ、次の議題の2のほうに進んで……。どうぞ。
【遠藤委員】  よろしいですか。ありがとうございます。
 皆様が仰せのとおりの点につきましては割愛させていただいて、とにかく今日閣議決定がなされて原子力政策の方向転換、しっかり前進するということが確認されました。
 今年度の予算はそういった意味では以前からのものが続いているということになると思うんですが、この通常国会を経てから法令、法案通りましたら、これからまさしく次世代革新炉のR&Dのところはしっかり文科省、JAEA中心にやっていくことになると思います。大学もそこに参画をしていくということになると思います。
 そういう意味では、そういう基礎研究のところにしっかりと力を注ぐ。そのためにはやはり資金を投入していくということになりますので、その辺りの手当も含めて引き続き邁進していただきたいと思います。
 以上です。
【出光主査】  遠藤委員、ありがとうございました。
 それでは、次の議題のほうに移らせていただきます。
 議題の2ですが、各作業部会における検討状況についてということで、まずは事務局のほうから説明いただきまして、その後委員の皆様に御議論いただければと思います。
 それではまず、最初の説明について、事務局のほうからお願いいたします。
【新井原子力課長】  原子力課長の新井でございます。
 今期の委員会ですけれども、本委員会の下に三つの作業部会を設置しております。各検討事項について議論を行ってまいりました。
 各作業部会においては、報告書の取りまとめ等をいただいておりますので、まず事務局のほうから部会の報告をしたいと思います。
 バックエンド作業部会のほうは、出光主査に主査をお務めいただいておりますので、出光先生のほうからお願いしたいと思います。
 その後、今、主査のほうからお話がありましたけれども、委員の先生方に意見交換をいただければと思いますので、その参考になるような論点案についても後ほど御説明したいと思います。
 それではまず、今資料出ておりますけれども、人材作業部会のほうの報告になります。こちらですけれども、今「試験研究炉を取り巻く現状・課題と今後の取組の方向性について(中間まとめ)」というのがお示しされていますけれども、この作業部会は実は8回開催をしております。
 この報告書以外にも、我々原子力課の事業である人材育成の事業、あるいは原子力システム開発の事業、それから「もんじゅ」サイトの新試験研究炉の関係の進捗状況の確認、それから原子力機構の第4期の中長期目標・中長期計画、こちらに向けた御提言の検討等いただいております。この一連の議論の中で一つありましたのは、原子力機構の材料試験炉のJMTRが廃止措置になっているということで、原子力機構のほうで後継炉検討委員会も開催されておりましたが、これの報告も受けた上で、この人材育成、あるいは研究活動の基盤たる試験研究炉を取り巻く現状を踏まえた上で今後どうしていく必要があるのかということを御議論いただいて、中間まとめに至っているというものでございます。
 上のほうに二つポツがありますけれども、我が国の官民の原子力基盤研究、人材育成に広く資する試験研究炉について、特に照射炉・ビーム炉を効果的・効率的に活用する観点から、議論を行い、論点整理を行ったということでございます。
 ただ、二つ目のポツですけれども、そのGX実行会議等で次世代革新炉の開発・建設に関する検討など、いろいろ原子力政策の方向性に関する検討というのが非常に今大きく動いているという状況の下で、必要な見直しも行いつつ、適切な時期に最終的な取りまとめを行っていくということで、この部会としては12月に中間まとめをまとめていただいたということでございます。
 試験研究炉を取り巻く現状と課題ということですけれども、今は試験研究炉、国内の炉というのはかなり運転停止になってきているということで、現在、昔は20ぐらいあったものが6施設にとどまっているということで、潜在的なユーザーニーズを十分にカバーできるだけの環境というのが確保できていない状況があるという課題があります。
 それで二つ目ですけれども、試験研究炉の減少というのは、研究開発・人材育成基盤の確保というところが大きな課題であるということで、大学等における持続的な人材育成・養成に必要な教育基盤が揺らいでいるという課題認識ということ。
 次世代革新炉の開発・建設に向けて、そういったところへの基盤インフラ整備への期待、それからエネルギーだけではなくて経済安全保障の観点からも国産化の期待が高まっている医療用RI製造をはじめとする産業利用への貢献、こういった期待に対して、人的・物的基盤強化する取組が大事ではないかという御指摘でございます。
 照射・ビーム利用の多様なニーズについては、真ん中辺に三つありますけれども、かなり幅広く、学術・教育利用、産業利用、原子炉燃・材料、こういったところのニーズに対応していくと。
 学術については、当然いろんな基礎基盤、それから福島の廃止措置までいろんな照射炉・ビーム炉の試験研究炉のニーズがあるということだと思います。それから原子炉物理の研究・教育にも不可欠であるということ。
 産業利用については、医療用RI、それから半導体とか、モビリティイノベーションに資する新素材開発、これにも需要があるといったところでございます。
 原子炉燃・材料については、事故時の破損抵抗性に優れた事故耐性燃料、それから既存の軽水炉のさらなる長期運転のための照射試験のニーズがあるのではないかということだと思います。それから今後の次世代革新炉の開発においても、新規材料の適用性確認のための照射試験のニーズがあるのではないかということで、多様なニーズがあるということだと思います。
 三つ目の下のほうですが、今後の取組の方向性ということで、短期的対応、中期的対応、長期的対応ということでおまとめいただいております。
 短期的対応は、現時点で実施中のものをしっかり進めていくということで、今、国内の試験研究炉は限られているということでありますけれども、限られたもの、JRR-3であるとかHTTRであるとか、そういった運転中の研究炉を最大限に活用していくということ。
 それから、海外照射場、それから海外プロジェクトの戦略的活用ということも併せて考えていく必要があるだろうということで、そういった取組を通じて国内の照射技術の継承・発展に努めるということです。
 それから人材育成等の原子力研究開発を下支えする取組、これは今も取り組んでおりますけれども、これをしっかり引き続き進めていくということ。これは短期的な対応ですべきことということであります。
 中期的対応、これは対応としては着手済みなんですけれども、まだしかかりであるものが中期的対応のカテゴリーになります。「もんじゅ」サイトで設計が進んでいます新試験研究炉、こちらについても着実に進展させること。
 それから高速実験炉「常陽」の早期運転再開に向けた取組を加速すること、これが中期的対応として掲げられております。
 長期的対応、これは今後10年以内を目途に着手を検討していくようなものということで、一つは次世代革新炉開発、これに必要研究開発課題を進める、それから基盤インフラの整備を検討していくこと。
 それからJAEA、これが国内の唯一の研究機関ということで、人材育成、あるいは国内の研究開発を進めていく上で、知の集約拠点となるようなそういった形態というものの取組を検討していくことが大事ではないかと。
 それから、将来的な高出力照射機能、これについては様々な利用ニーズの分析とそれから既設炉、あるいはその海外照射とか代替可能なものは代替する。ただ、代替困難性というのはどういうところにあるのかを考慮しながら、政府の全体の原子力政策の方向性を踏まえてさらに検討していく必要があるということで、それなりのリソース、人材、資金が必要になってくるということで、そういった配分の優先順位の中で、取組を総合的にこれからも検討していくということで中間まとめをいただいているところであります。
 本文のほうは資料の次にありますけれども、こちらは後ほど御参照いただければと思います。
 この人材作業部会については以上でありまして、次に二つ目のバックエンド作業部会については出光主査にお願いできればと思います。
【出光主査】  ありがとうございました。あとまとめて説明して、その後議論に移りたいと思います。
 それでは、バックエンドの方は私のほうから説明いたします。
 資料の2-3、今出ております。バックエンド作業部会ですけれども検討をいろいろ行いました。今ここに出ております四つの項目が挙がっておりますが、まずバックエンド作業部会で何を議論しているかというと、研究機関等の廃止措置、それを安全に行うために必要な事項ということで廃止措置そのものもありますし、発生する廃棄物の処理・処分を確実に行うための方策について調査・検討を行うということが目的となっております。
 四つ大きく分けておりますが、そのうち左上にございますのは研究施設等廃棄物の埋設事業の推進ということで、こちらはJAEAが研究所廃棄物、いわゆる研廃と呼ばれておりますが、こちらの廃棄物処分の実施主体ということに選ばれております。これにつきまして事業を進めていくということで、検討がいろいろ行われております。この事業ですが、平成20年からスタートしておりまして、現在、JAEAは第4期中長期計画期間に入っております。第1期では20年から21年、それから第2期が平成22年から5か年で26年まで、それから第3期が平成27年から令和3年まで行われておりました。令和4年度から第4期ということになっております。現在どのような段階にあるかといいますと、あらかたどういう施設が必要で、どういう方法で評価等を行っていくかと、そういったところを検討しておりまして、第4期では処分場の基本設計を行っていくということと、そのための受入れ基準を明確にしていくということを一つ大きなテーマにしております。それと公募方式も含めた方策等についても検討していくような方向に向けていこうということにはなっております。いろんな状況がありますので、次の段階にどうやって進んでいくかというところを慎重に検討しながらいこうということにはなっております。これらの研究施設等廃棄物の埋設事業についてのものです。
 それから、その隣、右側の上のほうですが、原子力機構のバックエンド対策を推進していくということで、研廃の実施主体でもある原子力機構ですけれども、原子力機構そのものも多数の施設を持っておりまして、それの半数近くが廃止措置をしていかなきゃいけないと。今後50年という期間で、非常に膨大な予算もかかりますし、期間もかかるということで、それについて計画的に実施をしていくということが、今検討されているところでございます。それに合わせて、長期の事業でありますので、人材育成等も含めて知識、そういったものも次の世代に受け継がせていきながらやっていくということで、その検討を行っているというところでございます。これにつきましては、ロードマップを作成してそれに従ってといいますか、それを実施できるようにということで、個別の項目を立てて進んでいくということで実施しているところでございます。
 それから左下のほうになりますが、JAEA以外の大学等の廃止措置を推進していくということで、大学等も多数の施設を持っておりますが、これもだんだん老朽化していきまして廃止措置の話が出てまいります。これにつきましては、先ほどの意見で少し出ていたと思いますけれども、知識の集約化、そういったものを行ってバックエンドといいますか、廃止措置をより効率的に行っていくと、そういったことが必要になっていくということで、それに関する検討、それからこれも人材育成が関わってきますので、そういったことについて検討が行われてきております。各大学の状況等も見ながらどういうふうにやっていくかということで、下に書いてございます原子力委員会から出ている考え方等も踏まえながら、実際にどうやっていくかということを検討していくということになっております。
 あと最後になりますが、JAEAがIAEAのほうからピアレビューをいただいておりましてそれが出てまいりまして、その回答につきまして、今、中身を精査して助言についてどのように入れていくかといったことを検討している段階にございます。21項目の提言と17項目の助言を受けて、それぞれについて検討しているという状況でございます。
 これが資料2-3になりますが、2-4のほうにはその内容につきまして簡単に具体的に文字で起こしてございますので後で見ていただければと思います。ただいま説明した内容の概略がこちらのほうに書いてございます。
 バックエンドの分科会につきましての説明は私からは以上でございます。
【新井原子力課長】  出光先生、ありがとうございました。
 最後に核不拡散・核セキュリティ作業部会のほうから説明をいたします。
【佐藤原子力課企画官】  原子力課の佐藤と申します。
 お手元に資料2-5があると思います。これで説明させていただきます。
 昨年5月19日、核不拡散・核セキュリティ作業部会において、「今後の核不拡散・核セキュリティ分野における人材育成について」を取りまとめいただきました。この作業部会には、五十嵐委員と中島委員に御参画いただいております。
 では、早速御説明いたします。
 1ポツ、はじめにですけれども、近年、我が国では核不拡散・核セキュリティ分野の専門人材の高齢化などの理由によりまして、同分野を担う人材の確保及び育成が急務となってきております。本作業部会では、この分野における人材育成の実態把握やキャリアパスの見える化などを課題として、有識者にプレゼンをいただくとともに集中的な議論を行い、特に将来この分野の担い手となる学生や、若手研究者を対象とした人材育成について課題と今後の対応を取りまとめたところであります。
 昨今のロシアによるウクライナの侵攻を契機に、核セキュリティ強化の重要性を主張する機運が高まってきています。この作業部会では平時の備えとして人材育成を実施するのみならず、想定外の新たな脅威にも柔軟に対応できる人材育成について取組を推進することが重要ということで議論がなされてきたところであります。
 さて、これまでの取組としては、JAEAにあります核不拡散・核セキュリティ総合支援センター(ISCN)において様々な人材育成が行われてきたところであり、また一部の大学においても特色ある学位取得プログラムが展開されているところであります。こういった取組があるなかで、どのような課題があるのかということについて本部会で議論をいただきました。
 3ポツ、課題について、大きく分けて三つにカテゴライズされております。
 一つが、継続的な教育機会を確保する必要があるということ、もう一つが、他分野との融合領域を発展する必要があるということ、最後に、核不拡散・核セキュリティ文化の醸成が必要であるということが課題としてまとめられています。
 まず初めの継続的な教育機会の確保について、この分野というのは原子力関連分野の中でも具体の学習内容やキャリアパスがイメージしづらいというような御意見がありました。学生や若手研究者をはじめ社会全体にその重要性ですとか魅力が十分に伝わっていないのではないかという課題が出てきております。指導できる教員も不足しており、学生が継続的かつ系統的に学ぶ機会が十分ではないという課題が指摘されています。
 二つ目の他分野の融合領域の発展について、この分野というのはやはり情報の秘密性の保護が極めて重要であります。よって、他分野に公開できる情報が限定的であり、他分野との融合領域の発展が進みにくいという課題も出てきております。特に、サイバーセキュリティの強化のための対応は急務であります。
 三つ目の核不拡散・核セキュリティの文化の醸成についても、社会全体としてこの分野の重要性を共有し、共感を得ながら継続的な理解増進に取り組むことが必要という意見がありました。
 これらの課題に対する今後の対応策について、二つに分けて記載しております。
 短期的な視点で可能な限り速やかに対応すべき事項と、中・長期的な視点で継続的に取り組むべき事項というふうに分けて対策策を示しております。
 初めに、継続的な教育機会の確保、先ほどの課題の一つ目に対する対応策としては、限られた教育資源で効率的かつ効果的に教育を行うために、JAEAのISCNが大学との連携を推進する拠点となり、本分野の重要性や魅力に関する知識、認識を促すことで、学生の受講ニーズに応じた学習機会を充実させるべきというような対応策が示されております。
 また、このような連携のときには、大学や研究機関等の既存のネットワークを活用しつつ、民間企業、関連学会等、幅広いステークホルダーとの横のつながりを深化させるべきだというような対応策が示されています。
 二つ目の他分野の融合領域の発展について、先ほども申し上げましたけれども、サイバーセキュリティやAIなどの高度な専門性を持った人材を引き入れて、今後も各分野の機密性を鑑みながらさらに検討していく必要があるというようなことが示されております。
 二つ目、中・長期的な視点で継続的に取り組む事項としては、核セキュリティ文化の醸成が大事であるということで、柔軟性及び適用性を備えた人材の育成についてこれも継続的に検討していく必要があるとまとめております。
 本分野の重要性に関する広報活動の推進ですとか、リスクコミュケーションの充実など社会全体を対象として取組を継続して実施していくことが有効であるということでまとめております。
 最後に、昨今の国際動向を踏まえれば、いつ何どき想定外の事態が発生するかは予測不可能な状況であります。今般のロシアによるウクライナ侵攻は本分野においても平時の備えのみならず、想定外の事態に備えることの必要性を改めて考える契機となりました。
 核不拡散や核テロの脅威に対する安全・安心な社会の構築をミッションとするISCNにおいて、ドローンやAI検知技術を用いたトレーニングコースを新設したり、事案発生後の対策に備えた演習強化、核物質防護実習フィールドの拡充等について早急に検討したりする必要があるということで取りまとめいただきました。
 文科省としてもすぐできるところはやっていきましょうということで、最後に申し上げました核物質防護実習フィールドの拡充については予算措置を行い、ISCNにおいてこれまで以上の人材育成ができるように体制を整えていこうとしているところであります。
 説明は以上です。
【新井原子力課長】  資料2-7を御覧いただければと思います。
 ただいま3部会から状況について御報告をしたところでございますけれども、今期の最後の委員会という状況の中で今後も議論を続けていく論点としてどういうものが考えられるかというものを参考に記載させていただいておるペーパーでございます。
 一つ目の黒丸ですけれども、今期の原子力科学委員会においては、この原子力分野の研究開発プログラム評価、こういった新しい手法についても中心に議論を行ってきたということでございます。研究計画・評価分科会の下で、原子力分野の評価の在り方ということで御審議をいただきました。
 それから前回でありますけれども、「もんじゅ」サイトの試験研究炉の概念設計についても着実に進展しているということを確認いただいたところでございます。
 それから、今ございました各部会における調査・検討ということで、幾つかチェックで書いております。一つ目は、原子力機構の新中長期計画の策定の提言の検討でありますとか――これは人材作業部会のほうですけれども、二つ目のところも人材作業部会ですが、「もんじゅ」サイトの関係の話、それから人材育成イニシアティブ事業、それから原子力システム研究開発事業の実施方針の検討等。
それから三つ目が、バックエンド関係ですけれども、内外の動向等も踏まえた原子力機構のバックエンド対策、国際的なピアレビューの確認、研究施設等廃棄物の埋設事業等について検討していただいたと。
 それから核拡散・セキュリティ関係については体制の強化ということで、将来担い手となる学生や若手研究者を対象とする人材育成について課題であるとか、今後の対応策について御審議をいただいたり、ロシアのウクライナ侵略を契機とした想定外の新たな脅威への対応を視野に入れた取組の検討をいただいた状況でございます。
 三つ目の黒丸ですけれども、現在、原子力についての状況ということでありますけれども、脱炭素、カーボンニュートラルの実現、そしてエネルギー安全保障の確保への貢献とかいったところ、それから非エネルギー分野での放射線利用拡大への期待といったところが現状あるかと思います。
 原子力を取り巻く状況変化等を踏まえて、政府ではGX実行会議、それから原子力委員会、原子力関係閣僚会議、こういった会議において原子力政策に関する議論がなされているということです。文科省もこの原子力科学技術委員会、それから関連部会はその基盤的な部分について担当しているということでありますけれども、こういった状況の中で議論をしていくということだと思います。
 一つ目のチェック、論点ですけれども、次世代革新炉開発、そして幅広い放射線利用を推進するための人材育成、研究開発方策はどうあるべきかといったところ、原子力機構と大学等の研究機関における研究開発・人材育成機能の役割分担とか連携がどうあるべきかといった論点があるかと思います。
 次のページにいきますと、試験研究炉の国内の状況を踏まえた今後の取組というのはどういったものが重要になってくるかというのも一つの論点かと思います。
 次のバックエンド関係では、研究施設等の廃棄物の埋設事業の推進をどういうふうに進めていくか、原子力機構のバックエンド対策の着実な推進、大学等廃止措置を推進、IAEAのピアレビューのフォローといった中期的、長期的な課題も含めた引き続きの検討をどういうふうにしていくところが大事ではないかという点があります。
 それから核不拡散・核セキュリティ関係では、ISCNと大学との一層の連携、それから幅広いステークホルダーとのつながりを進化させながら学習機会を充実する方策はどうあるべきかということ。それから、新たな脅威に対応するという観点からの、サイバーセキュリティ等の新規トレーニングの開発・提供、それから事案発生後の対応に備えた演習評価等の検討をどうしていくかといったところの論点があるかと思います。
 それから評価の委員会ということで、我々の担当する原子力科学技術を効果的・効率的に推進していくための評価の在り方というのはどうあるべきかと。これはこれからも論点はいろいろあるかと思いますけれども、例えばこういうことを引き続き検討していく必要があるだろうということで書かせていただいたところであります。
 事務局からは以上です。
【出光主査】  ありがとうございました。
 それでは、今期の内容につきまして各部会のほうから説明ございましたので、委員の皆様と今後のことも含めまして少し議論していきたいと思いますが。
 中島先生、よろしくお願いいたします。
【中島主査代理】  ありがとうございます。先ほど竹内委員からもお名前を挙げていただきまして、私ども大学で研究用原子炉の維持管理もやっております。
 先ほど来、今後の政策の変更で新たな研究開発が必要であるとか、原子力の人材を育成すべきであるというところで、それを担うのが大学だとは思っておりますけれども。やはり先ほどもありましたけれども、研究炉については現状の規制の下、あるいは体制の下では大学で今後も継続的に研究用原子炉を維持管理するというのは非常に難しい状況にはなっているというところでございます。
 これは研究炉を代表で一番大きいものとして挙げておりますけれども、多分それ以外の核燃料施設とかRI施設に関しても、多分、今一つの大学でそれなりの規模のものを維持するのは難しいということで、今、原子力学会等の会合の中でも施設の集約化とかを今後考えていかなくちゃいけないかというようなことを議論しているところですし、実際に大学においては既に核燃料の使用を取りやめるというようなところも幾つか出てきているところでございますので、そういったところに対して、今後基盤としてのそういった研究用原子炉、あるいは核燃料RIを取り扱える施設というのをどういうふうに国内で維持管理していくかというところは当然、ここの委員会の中でしっかりと考えていかなくてはいけないのではないかと思っております。
 あと研究炉に関して言いますと、先ほど来出ておりますが、「もんじゅ」サイトに新たに設置する新試験研究炉というのが、原子力機構が、一応、運転管理、維持管理を主体としてやっていただいて、我々京都大学、あるいは福井大学は利用側として参入するといった形を今考えておりますので、こういったのが多分ある程度大規模の試験研究施設、研究基盤の今後の施設維持管理の在り方にもなるのかなと思っております。
 ちょっと懸念しておりますのは、管理を一生懸命徹底して、規制対応をどんどんやって、何か施設はできたけれども使いにくいものになると、大学にとって非常に使いづらいものになるということを一番懸念はしておりますが、そこは今後のこの「もんじゅ」サイトの研究炉の中でも我々もしっかりとコミットして、そういったことにならないようにしていきたいと思っております。
 あと核燃RIについても拠点化してある程度となると、原子力機構さんが一番大きな施設を持っておりまして、そこにみんなで使いに行くというのも一つの在り方かとは思いますけれども。ただ、教育ということを考えると、やっぱりある程度の規模のものは近くにあるというところが学生にとっては便利かなと思っておりますので、何でもかんでも1点集中とか、あるいは東西二極集中型で集約すればいいというものではないかなと思っておりますので。そういったことも含めて今後の議論の中でやっていただければいいかなと思っております。
 あとはやっぱり一番大事なのは、ある程度こういった議論をして、いつもこうあるべきだという提言とかを出すのはいいんですけれども、じゃあ、それをいつまでに、どのぐらいのものがどこにいるんだって、多分もうちょっと具体化した議論が次期の中でできればいいんじゃないかなと思っておりますので、そこはよろしくお願いしたいと思います。
 以上でございます。
【出光主査】  ありがとうございました。
 「もんじゅ」サイトについての議論については、引き続き具体化を進めていっていただければと思います。
 あと、すいません。私のほうからちょっと追加ですけど、今、革新炉に関しては文部科学省研究開発局長の下の検討会が動いておりますけれども、そこではちょっと先の話になりますが、高速炉場での照射ができるような炉が必要であろうという議論が進められているところでございます。ちょっと追加でございました。
 そうしましたら、五十嵐委員のほうから手が挙がっておりましたので、まず五十嵐委員、お願いいたします。
【五十嵐委員】  ありがとうございます。五十嵐です。
 私は先ほど御紹介いただきましたが、1番目の研究開発基盤と人材育成の作業部会と、あと3番目の核不拡散・核セキュリティの作業部会に参加させていただいて参りましたので、今後の議論についてのお願いというか、申し上げたいと思います。
 1つ目の議題にありましたように、国の原子力をめぐる政策が大きく転換する中で、これまで以上に大きな人や予算が動いていくことになるかと思いますが、その中で御説明にもございましたが、研究開発と人材育成という部分は文部科学省がしっかりと手綱を持って進めていただかなくてはいけない部分であり、また御意見も出ていたように、非常に時間がかかる部分かと思いますので、大きな流れがある中でも、それにただ流されることなく、しっかりやっていただきたいというのが希望です。
 いろいろなことは次期以降の議論になるかと思いますが、これまで議論した中で人材育成については多様な視点を持った方を育てていく必要があるという御意見がたくさん出ました。そういった方々に広い知識を持って国内外でいろいろなことに貢献していただきたいと希望しております。研究開発については、今、中島委員からも御意見ございましたけれども、器を作るというだけでなくて、ぜひ、現場の研究者の皆さんが希望される、本当に研究しやすいものができるように、しっかりと今後も議論を進めていただきたいと思います。
 また、これまでもしつこく申し上げてまいりましたが、そういった議論については、ぜひ公開をして、広く意見を求めて、他分野との交流なども進めていただくことをお願いしたいと思います。今後、ますますそうしたことが重要になってくるかと思いますので、よろしくお願いいたします。
 以上です。
【出光主査】  ありがとうございました。
 それでは、新井委員、お願いいたします。
【新井委員】  ありがとうございます。
 ちょっと各論に入ってしまって恐縮なんですが、資料2-2なんですけれども、ざっと見て、もちろん全体の方向性は異論なくこのとおりだと思うんですけれども、11ページの上から3分の1ぐらいですか、高出力照射量の将来計画のところの①のところで、その①の段落の後半部分に「なお、以下に示す対応によって代替が可能であるニーズの多くは産業界による利用によるものであることにも留意が必要である」と書いてあって、この部分はちょっと何か違和感を持ったんですけど。
 この「留意が必要である」という留意というのは何に留意するのかというのが質問なんですけれどもそれが一つと、それからここで言っている産業界というのは、①の最初の行に書いてあるニーズを学術教育利用と産業利用と原子炉燃・材料の観点から分類しているわけですけれども、ここで言っている産業利用と同じ分野だと考えればいいということでしょうか。ちょっと細かいんですけど、その2点分からなかったので質問させていただきます。
【出光主査】  ありがとうございます。
 これは事務局でしょうか。それとも中島委員でしょうか。
【新井原子力課長】  まず事務局、原子力課のほうから御回答した上で、もし補足があれば中島委員にお願いしたいと思います。
 11ページにあります留意が必要であるという意味ですけれども、今後の方向性について様々分析をしているわけですけれども、最後のところに12ページ、13ページ、今後の検討についてということで、一番最後に「こうした原子力を取り巻く全体験状況踏まえつつ、人材、資金のリソース配分の優先順位の中での取組の方向性について総合的視点から検討していく」と記載しております。
 実際に様々な政策的アクションを行っていくという中で、実際には例えば文科省の予算で進めていくもの、それから文科省と他省庁との連携で進めていくものもあるかと思いますし、あるいは産業界と産と官の連携の中で進めていくような取組もいろいろ総合的に検討していく必要があるのではないかと我々としては考えております。
 様々な取組をしていくときに、受益者が中心がどこなのかとか、そういったところも検討の中では必要になってくるのではないかと考えているところです。
 その関係で、11ページに戻っていただきますと、特に①のところの商用炉である既設軽水炉の長期運転に関しての照射のニーズとか、事故耐性燃料の開発等のニーズが現状あるのではないかということをいろいろ意見を部会でいただきましたので、「多くは産業界による利用によるものであることにも留意が必要である」という記載をなお書きでまとめていただいたということでございます。
 事務局からは以上です。
【出光主査】  ありがとうございます。
 中島委員、何か補足意見ございますでしょうか。
【中島主査代理】  大体、今、新井課長が言われたことかとは思いますけれども、多分、まず、今出ている産業利用の後に原子炉燃・材料ということでちょっと分けて書いてあって、これはちょっと私の個人的な考えですけど、ここで言っている産業利用というのは例えば上にあるような半導体の製造とか、あるいは医療用RIの製造とかそういったところかなと。原子炉利用、発電炉のための産業利用という意味では、多分分けて原子炉燃・材料と書いてあるのかなと思っています。
 原子炉燃・材料というと、また今度は新たに先の研究開発基盤的なところもあるから、そこは必ずしも産業利用と多分、基礎的な研究開発、大学等も参入するようなことがあるので分けて書いてあるのかなと思っております。
 あとはその下にある「産業界による利用であるものについては留意が必要」というのは多分、新井課長がおっしゃられたように、どこのお財布からお金を出すのかなというところの議論のときにはそういったことも考える必要があるかなということかなと理解しております。
 以上でございます。
【出光主査】  追加説明ありがとうございました。
 それで、ほかにどなたかございますでしょうか。
【新井委員】  すいません。ありがとうございました。分かりました。
 産業界というものが、1行目の産業利用とまた別で、広い意味だということは分かりました。
 留意に関しては、先ほど文科省さんから説明があったとおり、13ページの終わりのところに記載があったり、それから5ページのところにも、一番最後に「資金負担に関する在り方を検討していくことも重要である」と書いてありますので、私はここは特に不要かなとは思ったんですけれども、ここは作業部会のほうでまとめられた、クレジットが作業部会ということですので一つの私の意見ということで述べさせていただきます。すいません。ありがとうございました。
【出光主査】  新井委員、ありがとうございました。
 そうしましたら、ほかの……。
 小栗委員、どうぞ。
【小栗委員】  私も細かい話になりますが、やはり私も研究炉というか、試験研究炉として京都大学とか、あるいは昔の武蔵工大炉だとか、あるいは原研のTCAとか、教員としてあるいは学生として参加させていただいて、やはり人材育成の立場からその物に触れて実際に制御して運転するという意味では、これは非常に極めて重要なものだと思っておりますので、これは非常に大事ですね。
 ただ一方で、試験研究炉は見方を変えると中性子源でありますので、その辺はやはり強度とかあるいはスペクトルの点で炉としてつくるべきなのか、あるいは加速器でやってしまったほうがいいのかとかそういうことは当然考えなきゃいけないわけで、特に産業利用ですとか、あるいは研究でもかなりモノクロの中性子が必要なイメージングとか、中性子回折とか、具体的な話になりますが、そういうところでしたら十分枠もありますけれども。
 そういったことですね。とにかくこういった試験研究炉をこれから進めていくために、スペックですとか、在り方ですとか、そういったものをとにかく最適化する意味で、常に加速器中性子源につきましては、担当の部署の垣根を越えて縦割りにならないで連絡を取り合って進めていかれたほうがいいのかなとは思っております。
 以上です。
【出光主査】  ありがとうございました。
 中性子源利用という意味で加速器も含めてという御意見だったと思います。ありがとうございます。
 ほかにございますでしょうか。
 
 北田委員。
【北田委員】  すみません。資料2-3のところの左下、大学等の廃止措置に多分関係するかと思いますが、実際、施設・設備ということでここでは取り上げられているんですれども、先ほど中島委員も言われましたけれども、結局、その中に格納されているような核燃料だとかRIだとか、そのようなところというものの管理運営、実際には管理というところが大きいと思うんですが、そちらのほうに対してもかなり苦労されているところが実情、ほかのいろんな大学なりがそのような状況になっていると私は認識しております。
 ですので、施設そのものの維持管理という話だけではなくて、その中で実際に管理されている核燃料、そういうところについても、実際にはもう研究でほぼ使われていないようなものでもずっと管理されているというようなところがたくさんあると認識しておりますので、その辺りについても今後の道筋というものをちゃんとつけていっていただくような、そういうようなところでも考えていただければなと思った次第です。
 これはバックエンドの作業部会の所掌になるのかどうかよく分からなかったんですが、全体を通して見たときになかなかそういうふうなところを所掌している部会が出てこなかったので、そこのところとしての意見として上げさせていただきました。
 以上です。
【出光主査】  北田委員、ありがとうございます。
 バックエンド作業部会ではそこまでの話はしていなかったんですが、次世代革新炉検討会において、人材育成や原子力機構が大学と産業界の間の橋渡し機能を果たすことの重要性などが議論されています。集約化、これも一応、検討の議題に入っております。
 バックエンド作業部会のほうではそこまで細かい話が出ておりませんが、一応、文科省系列の中ではどこかで議論はされているということで御理解ください。事務局の方から何か追加ございますか。
【新井原子力課長】若干補足となりますけれども、バックエンド作業部会の方は所掌が廃止措置についてということでありますので、今回おまとめいただいたポンチ絵のほうでもそこに特化したことについて書かれているということであります。
 大学等における核燃であるとかRIの維持といいますか、管理といいますか、そういった事柄についての様々な課題、これは我々も認識をしておりまして、一義的には核燃料物質、あるいはRIを使って教育、研究している機関、大学がしっかり管理をするということが重要だと、必須だということだとは思いますけれども、その上で様々な課題があるのであればそれをどうするかといったところは政策的議論が必要だということであります。
 この原子力科学委員会の下の基盤・人材作業部会のほうで1月に部会をやっておりますけれども、そこでもこの課題を取り上げて、今後議論していこうではないかということで始めております。
 その中では、もともとといいますか、これは我々の基盤・人材作業部会のほうで議論するところの関係の文書としては、原子力委員会で議論されている原子力利用に関する基本的考え方の中でも、それぞれの研究機関が有する教育研究と人材育成の機能と連携協働集約化を適宜議論をして研究環境を充実させていくことが求められているというところです。特に核燃の管理とか、どういった形で効果的に管理するというのがいいのかといったところ、JAEAの施設設備を最大限活用するとか、そういったところもどういうやり方がいいのかとか、これから議論していく必要があるということで部会でも議論をしているというところであります。
 出光主査が今おっしゃいました次世代革新炉の検討というのは、この審議会の外で公開の形で研究開発局長の私的懇談会で検討されているものであります。
 革新炉に向けた実証炉の開発の検討の中で、文科省として基盤的にその研究開発、あるいは人材育成で貢献するためにどういう取組が必要なのかというところの議論もしておりまして、その中で関連の少し議論というものもなされておりますけれども、本原子力科学技術委員会の下の部会でもそこで議論していく予定であるということも補足ということで申し上げさせていただきます。
【出光主査】  どうもありがとうございました。
 先ほどの北田委員の質問に関連するところで、さっき私のバックエンド作業部会の報告でちょっと飛ばしていたんですけれども、いわゆる研廃の処分に関しては実施主体がJAEAでありますが、そこにJAEAが持っている廃棄物もありますけれども、それ以外に各大学とかそういったところからRIの廃棄物というのはアイソトープ協会が引き受けていて、アイソトープ協会のほうである程度処理をして、減容して、それがJAEAのほうに渡されて処分されると、そういう流れになっております。
 RIのほうはそういう形で幾らか進んでいるんですけれども、核燃については、一応、所掌する機関としましてランデックという機関がございますが、まだ核燃廃棄物の集荷には至っておりません。
 今どのような形にするかというところが検討されているという状況で、その後、各大学と研究所にあります核燃廃棄物を集荷して減容していくとか、その処理方法の検討をしている段階で実際の集荷が始まってないというのが現状でございます。
 これにつきましても多少難しいところがありまして、規制庁の規制の考え方とかそういったところにうまく合致させていくというところがなかなか難しいところがありますので、そういったところも見ながら最終的にどういう形で集荷して、JAEAのほうに、実際の処分のほうに払い出していくかと、そういったところが検討されているという状況でございます。
 先ほどの説明のところでここの部分を省いておりましたので追加させていただきました。
 遠藤委員、どうぞ。
【遠藤委員】  すいません。燃料の話が出ましたが、現状のサイクルの問題を一つ飛び越えて、次世代の革新炉のほうの燃料につきましてはどのような体制で臨むべきかという議論をどこに置いて行うのかというのがいろいろとあると思います。
 こちらは恐らくアメリカとの連携とかそういった実行が必要になってくると思うのですが、その検討は文科省のほうにリードをしていただくのがよいのかなと思っております。
 また核不拡散の議論を一方でやらなければということだったので、これは濃縮度の高い燃料についての核不拡散の議論も、もしかするとこちらの場の中に一つ加えていただくのがいいのかなと思いました。あくまでちょっとそういった観点もあるかなと思った次第です。
 以上です。
【出光主査】  ありがとうございました。
 私のほうで理解している中身でいきますと、いわゆる現在の軽水炉の延長上にあるような炉については開発要素という意味ではもう事業者といいますか、産業界のほうでやられると思いますので、文化省管轄で行われるものとしてはその先のもの、例えば先ほど来出ておりましたが高温ガス炉であるとか、高速炉であるとか、要は高速中性子を使ったような炉系ですね、そういったものについても基盤的なところを進めていこうという今後の考え方になっているかと思います。
 委員御指摘の次世代燃料ということでいきますと、もうずっと先になるかと思いますが、マイナーアクチノイドを入れたような燃料であるとかそういったものについては、現在の先ほど話が出ておりました革新炉に関する検討会のほうでどういうふうに進めていくかというのが議論されているところでございます。
 そういったものが将来こちらの中にブレークダウンされてくると議題として入ってくるかと理解しておりますが、事務局のほうから何か追加ありますでしょうか。
【新井原子力課長】  ありがとうございます。今、革新炉の関係、特に高速炉の関係につきましては、経産省の革新炉ワーキンググループのほうで高速炉の技術ロードマップの検討もなされていて、高速炉の戦略ロードマップも先般新しいものが決まったところでありますけれども、この数年かけて高速炉の実証炉を造っていくための燃料検討というのを進めると。どういった燃料にするのかということを決めていくというタイムラインがあるかと思います。
 その上で今、出光主査がおっしゃった我々はさらに先を見た高速炉の燃料開発、MA含有燃料であるとか、より経済性向上を目的としたような燃料開発というものを視野に入れた検討というのを今、局長の私的懇談会であります次世代革新炉の検討会といったところでも議論をしているところであります。
 そういった一連の検討を行っていく中で、核不拡散・核セキュリティの新しいアクションを行っていくに当たっての対応した取組が必要であることを我々としても認識しておりまして、そこも含めた議論をしていきたいと思っております。
 以上です。
【出光主査】  ありがとうございました。
 それでは、ほかに追加質問、コメント等ございますでしょうか。よろしゅうございますでしょうか。
 よろしければ、最後の議題のほうに入っていきたいと思います。今回我々の委員会は最後となりますが、次期の委員会の議論につなげていくということでさらに追加で皆様からコメントがあればいただきたいと思います。
 既に今までの議論の中で次につなげるような話というのは出てきたかと思いますが、そういったものに追加して、こういったことも検討するべきではないかという、そういった御意見ございましたらお願いいたします。
 本委員会、今期で積み残しているようなところも多々あるかと思いますので、そういったものは当然続けて検討いただくということにはなるかと思いますが。追加といいますか、先ほどの革新炉の委員会のようなところから流れてくる話も含まれると思いますけれども、皆様のほうでこういったところ、追加なり、あるいはもっと具体的にこうしたほうがいいとかいう御意見ございましたらお願いいたします。
【新井原子力課長】  事務局です。今、先生がおっしゃったところの補足でありますけれども、次世代革新炉の研究開発基盤の検討を行っているということについて、実は前回の委員会でもこういった検討を行っているという御紹介はしたところであります。
 今その検討会の議論の論点整理等を行っておりますけれども、そこで今、研究開発局としてその検討案というものを我々が認識した後に、それを原子力科学技術委員会のほうにも報告をしてといった段取りを、これは次の期になるかと考えておりますけれども思っておりますので御紹介ということでございます。
【出光主査】  ありがとうございました。
 皆様から特に、ほかに御意見ございませんでしょうか。
【中島主査代理】  繰り返しになっちゃうかもしれませんけれども、今までもいろいろ各作業部会等で議論してきているわけですが、やっぱり私が入っていた基盤と人材の作業部会でも、始まった頃の議論としては、そもそも日本にとってどんな研究開発基盤が今後必要なのかということ、それは人材育成と研究開発にとってということですね。そこをやっぱりしっかりと議論していかないといけないねということで、当然ながらいろんなコミュニティの意見を聞くと、照射だったらこういう炉が必要だとか、中性子利用でこんなのが必要だとか、核燃も多分こんな施設が必要だというのはいろんな意見が出てくるとは思うんですけれども。やっぱり限られたリソースの中で分配しながらやっていかなくちゃいけないので。やっぱりそういったもうちょっと広い視点に立って全体を見渡した上で、あるいは海外との協力も含めた上で、日本にとって研究開発基盤施設としてどんなものが今後必要で、それをいつ頃までにつくらなくちゃいけないかというところをロードマップというところまでいくかどうか分かりませんけれども、やっぱりそういったところがここの委員会の中、あるいはその下の作業部会の中でしっかりと議論する必要があるんじゃないかなと思っております。
 以上でございます。
【出光主査】  ありがとうございました。
 竹内委員、どうぞ。
【竹内委員】  ありがとうございます。既に資料にも記載していただいておりますし、今までの御議論でも触れられていると思うので簡単にコメントだけさせていただきますけれども、これからの原子力利用に当たりまして、やはり原子力損害賠償制度というのは一つ大きなネックになってこようと思います。
 ここにおいては、やはり文科省さんの果たされる役割というのは非常に大きいと認識をしておりますので、その検討というようなところ、これも原子力というものの国の利用の覚悟を問う制度だと私は思っております。国がこれを必要だと認めて利用するということをGX実行会議でもうたい、そして本日閣議決定される法案でもそれを打ち出すということであれば、その利用に伴うリスクが全部自由化市場で戦う民間事業者が負うということはやはりちょっとバランスを失している。この状態ではどんなに技術等、人材の育成等を図っても実際の利用におちていかないということになりかねませんので、こういった部分の検討を進めるというところは強く御認識をいただいて取り組んでいただきたいと思います。
 私からは以上でございます。
【出光主査】  ありがとうございます。
 この件、事務局から何かコメントございますでしょうか。
【新井原子力課長】  ありがとうございます。
 原子力損害賠償については、原子力損害賠償に関する法律に基づいて、あるいは原子力損害賠償・廃炉等支援機構法に基づいて、東電の賠償等についても今まさにその賠償が進んでいるということでありますけれども、この法律は定期的な見直しということも行われているわけでございます。そういった中で、そのときの政策課題、状況も踏まえてどういった法の在り方が必要なのかということも議論がなされると理解をしております。
 原子力事業者と国の役割分担の在り方というのも論点の一つと考えておりまして、様々な観点があるので慎重な検討が必要であるという論点だとは思いますけれども、この点について、今回、今取りまとめ中の原子力委員会の基本的考え方、今日、途中状況を御報告した文書でも記載がなされているところでありますので、文科省としても必要な検討、内閣府とも連携して今後行っていくというつもりでございます。
【竹内委員】  ありがとうございます。
 定期的な見直しというのは補償の準備の額等に関わるもので、定期的に検討することが義務づけられているものをおっしゃっていると思いますけれども、それを待つというようなことは結局10年に1回は待つというような感じでもございますので、もっと積極的に根本的な議論をするといったようなことで御認識をいただければありがたいと思います。よろしくお願いいたします。
【出光主査】  御意見ありがとうございました。引き続きこの検討は必要かと思います。
 そうしましたら、ほかに何か御意見ございますでしょうか。よろしゅうございますでしょうか。ありがとうございます。
 少し時間早くなっておりますが、皆様からいただきました議論を基にしまして次の委員会のほうにつなげていければと思います。
 それでは、事務局のほうにお返しいたします。
【竹之内課長補佐】  ありがとうございます。
 事務局でございます。
 委員の皆様には、御協力いただきましてありがとうございました。
 この会議が、第11期の原子力科学技術委員会の最後の開催となりますので、最後に大臣官房審議官の林から御挨拶をさせていただきたいと思います。
【林大臣官房審議官】  ただいま紹介ありました研究開発局担当の審議官をしています林でございます。今回が第11期最後の開催となりますので、一言御挨拶申し上げます。
 まず初めに、出光主査をはじめ委員の皆様におかれましては、大変御多忙の中、本委員会に御参加いただき厚く御礼を申し上げます。
 今期におきましては、書面審議を含めて委員会を合計7回開催し、分野別研究開発プランの策定や研究開発プログラムの評価の試行など、文部科学省における原子力科学分野の評価に関する取組、「もんじゅ」サイトに設置する新たな試験研究炉などに関して御審議をいただいたところです。
 御承知のとおり、原子力については昨今のエネルギー価格の高騰や国際情勢の不安定化などその取り巻く状況が一層複雑化する中、2050年カーボンニュートラルや脱炭素社会の実現、エネルギー安全保障の確保に対する期待、さらには医療用RIなど非エネルギー分野への貢献など多様な社会的課題への貢献が期待されております。
 特にこの2年間の国内外の大きな状況変化を踏まえ、政府内では、GX実行会議や原子力委員会、また原子力関係閣僚会議において原子力政策に係る議論がなされているところです。こうした原子力に対する期待にしっかり取り組みながら、本分野を将来にわたって活性化、さらに発展させていくためには基礎基盤的な研究開発やこの分野における人材育成の推進というのが極めて重要です。文部科学省としても今後とも本委員会の幅広い御議論を踏まえてしっかりとこの分野の施策を進めてまいりたいと思っております。
 最後になりましたけれども、委員の皆様方のこれまでの御尽力に感謝を申し上げますとともに、皆様方の益々の御活躍を祈念させていただき、お礼の挨拶とさせていただきます。どうもありがとうございました。
【竹之内課長補佐】  ありがとうございます。
 最後に1点御連絡となりますが、本日の議事録につきましては、議事録案が出来次第、皆様にメールにて御確認をいただきたいと思います。その後、ホームページに掲載をさせていただきますので御了承いただければと思います。
 事務局からは以上でございます。
【出光主査】  それでは、皆様長らく議論いただきましてありがとうございました。
 では、本委員会はこれで閉じさせていただきたいと思います。ありがとうございました。
 
―― 了 ――

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