防災科学技術委員会(第58回) 議事録

1.日時

令和5年1月20日(金曜日)10時00分~11時30分

2.場所

オンライン会議にて開催

3.議題

  1. 防災科学技術政策の現状等について
  2. 首都圏を中心としたレジリエンス総合力向上プロジェクト事後評価について
  3. その他

4.出席者

委員

上村主査、小原主査代理、大湊委員、熊谷委員、小室委員、鈴木(博)委員、鈴木(靖)委員、関口委員、中北委員、永松委員、前田委員、三隅委員、目黒委員、森岡委員

文部科学省

小林研究開発局地震・防災研究課長、吉田研究開発局地震・防災研究課防災科学技術推進室長、山田研究開発局地震・防災研究課防災科学技術推進室長補佐 他

オブザーバー

国立研究開発法人防災科学技術研究所
平田参与

5.議事録

【山田防災科学技術推進室長補佐】  定刻となりましたので、ただいまより、第58回防災科学技術委員会を開催いたします。
 このたびは、委員の皆様におかれましては、お忙しいところ御出席いただき、ありがとうございます。
 本日は、委員16名中、現在14名、御出席いただいております。大原先生、奥見先生が、本日は欠席と伺っております。定足数を満たしております。本日は防災科研がオブザーバーで参加いたします。
 また、ウェブ会議となっておりますので、会議資料につきましては、お手元のPCで御参照ください。議事録作成の都合上、御発言の際は、前回同様、冒頭にお名前をおっしゃっていただきますよう、お願いいたします。
 それでは、以降の議事進行は、上村主査にお願いいたします。
【上村主査】  皆さん、おはようございます。本年も、どうぞよろしくお願いいたします。昨年の暮れにお会いしたばかりのような気がしますけれども、頻繁にお集まりいただいておりまして、大変恐縮です。引き続きよろしくお願いいたします。
 本日の議題ですけれども、防災科学技術政策の現状等についてということと、「首都圏を中心としたレジリエンス総合力向上プロジェクト」の事後評価についてということでございまして、特段、非公開とすべき事項はないものと思いますので、これ以降の議事につきましては公開としたいと思いますけれども、よろしいでしょうか。
【上村主査】  ありがとうございます。特に御異論ないようですので、この後は公開ということで進めさせていただきます。
 それでは、傍聴される方がおられる場合には、事務局のほうで接続手続をお願いします。
【山田防災科学技術推進室長補佐】  かしこまりました。少々お待ちください。
                     (傍聴者入室)
【山田防災科学技術推進室長補佐】  傍聴者が入室されました。
【上村主査】  それでは、本日の配付資料及び審議の進め方等について、事務局より説明をお願いします。
【山田防災科学技術推進室長補佐】  ありがとうございます。
 それでは、本日の進め方を御説明いたします。2つありまして、1つ目は防災科学技術政策の現状等につきまして、2つ目が「首都圏を中心としたレジリエンス総合力向上プロジェクト」の事後評価についてです。最初に、防災科学技術政策の現状等につきましては、防災科学技術分野における来年度の予算案について、御説明いたします。次に、本日のメインとなる、「首都圏を中心としたレジリエンス総合力向上プロジェクト」の事後評価(案)につきまして、御審議いただきたいと考えております。それぞれ事務局より御説明いたしまして、意見交換をいただければと考えております。
 事務局からは、以上です。
【上村主査】  ありがとうございました。
 ただいまの事務局の説明について御質問等ございましたら、よろしくお願いいたします。
 よろしいでしょうか。議題が二つございますので、説明をいただきながら、意見交換をしていければというふうに思います。
 それでは、早速ですけれども、議題(1)に入っていきたいと思います。初めに、事務局より、資料1について説明をお願いします。
【山田防災科学技術推進室長補佐】  今、資料1を表示させていただいております。御覧ください。防災科学技術分野における、令和5年度予算案についてです。こちらは、個々の事業につきましては、特に御説明は控えさせていただきますが、次のページが予算額の全体概要になります。次のページを表示します。
 これが予算の全体を示すものでして、「自然災害に対する強靱な社会に向けた研究開発の推進」といったことで、令和5年度予算額(案)は、111億円と、前年度と同額といったことになっております。ただし、令和4年度第2次補正予算額については、59億が積まれております。
 これは、この一つ目で言いますと、「海底地震・津波観測網の構築・運用」のところで、令和4年度の補正、第2次補正が、約44億の予算になります。内容に関しましては、南海トラフ海底地震津波観測網(N-net)の開発・整備といったところで、補正でやっていきたいといったところになっております。また、リアルタイム海底地震・津波観測網、いわゆるDONETとかS-netですが、DONETのところにも補正予算がついております。
 また、2つ目、「基礎・基盤的な防災科学技術の研究開発の推進」ですが、これも令和4年度第2次補正については、約13億の予算を頂いております。これも、実際、地震・津波観測網の機能強化といったところで、例えば、回線の更新とか、そういったところで補正を計上いただいております。細かくは次のページから書いておりますが、例えば、最後のページで言いますと、こういったところで令和4年度の第2次補正でどういったことをやるか。例えば、強震観測網のISDN回線の更新とか、そういったところでの補正がついているといったことになっております。
 予算に関しては、私からは以上になります。
【上村主査】  ありがとうございました。これでよろしいですかね。
 今、御説明いただきました内容について御質問等ございましたら、よろしくお願いいたします。
【中北委員】  中北です。
【上村主査】  お願いいたします。
【中北委員】  本年もよろしくお願いします。
 簡単な質問なんですけど、火山のところで、火山研究人材の育成についてです。 横に長いところですけども、批判とか、そういった意味ではなく、もう既に前に御説明あったかもしれないのですが、次年度、どういう具体的な動きを計画されていらっしゃるのでしょうかということで、桜島も含めて火山の研究、防災研としても非常に大事なものとして認識して、これからももっと盛り上げていきたいと思っていますので、その絡みでお教えいただければと思いました。よろしくお願いします。
【上村主査】  事務局のほうで、いかがでしょうか。
【吉田防災科学技術推進室長】  御質問ありがとうございます。火山の人材育成プロジェクト、非常に今、火山に関して研究開発や人材育成に対する要望は強まっておりますので、我々としても、この事業、引き続きしっかりと取り組みたいということで、額としては同額ですけれども、昨年度同様、必要な経費を要求して、お認めいただいたということであります。
 事務局からは、以上です。
【上村主査】  若い人に火山研究に興味をもっと持っていただくような活動とか、あるいは、若い人が入れるような、テンポラリーも含めてポジションを考えるとか、そういう具体的なイメージは何かございませんでしょうか。いかがでしょう。
【小林地震・防災研究課長】  地震・防災研究課長の小林です。今までやってきたことを引き続きしっかりとやっていくということでございますけれども、大学における専門講座を受けていただくであるとか、あるいは、例えば、火山に関する特別なセミナーを火山に近い場所で自治体と協働してやるとか、あるいは気象庁であるとか防災科学技術研究所におけるインターンシップなども今までやってきているところでございますので、この事業の最終年度は令和7年度ですが、そこに向けて、今、確実に人材が育ってきておりますので、それを引き続きしっかりと継続して、育成事業として実施してまいりたいというふうに思っております。
 以上でございます。
【中北委員】  ありがとうございました。
【上村主査】  コメント、ありがとうございます。
【中北委員】  引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。
【上村主査】  前回、この辺りについて、しっかり御議論いただきまして、火山学ということではなく、火山防災学というふうに広がりを見せているという成果が出てきているという報告を受けております。本当にそこは重要で、研究計画・評価分科会にもその旨を報告しまして、まさに「総合知」という方向に向かっているというところは、高く評価いただいているところでございます。よい取組を継続してしっかりやっていただくということかと思います。この委員会で、中北先生からも、ほかの委員からも、そういう御意見が出ていたということを踏まえて、また引き続き頑張ってもらえればよろしいかなというふうに思っております。
【中北委員】  すみません、再度の質問みたいになってしまいまして。
【上村主査】  いえいえ、とんでもないです。すごく重要なところです。ありがとうございました。
【中北委員】  ありがとうございました。
【上村主査】  そのほか、いかがでしょうか。
 よろしいでしょうか。端的に言ってしまいますと、来年度も今年度と同額の予算をお願いしているというところの御報告だったかと思います。よろしいでしょうか。
 ありがとうございました。それでは、次の議題(2)に入りたいと思います。まず、事務局より説明をお願いします。
【山田防災科学技術推進室長補佐】  ありがとうございます。事前にお送りしました、お手元の委員限りの資料を御覧ください。画面には表示しておりません。「首都圏を中心としたレジリエンス総合力向上プロジェクト」と、委員の関係についてです。事務局が把握している内容で、(案)がついております。
 委員の名簿の下に丸印をつけさせていただいております。永松委員と目黒委員におかれましては、委員御本人もしくはその所属機関が課題に参画等をしているという条件で、事務局が把握しております。詳細につきましては、下の参考に書かれております、マル1からマル4に該当する方になっております。公平・中立性の確保のため、当該委員におかれましては、委員会としての評価・決定に加わらないものとすることになっております。他方、当該委員におかれましては、質疑応答の場面、また、説明資料、事後評価(案)の事実関係の確認という意味で、評価に関わらない部分に関しては、御発言いただいても一向に構いません。
 以上、補足させていただきました。
【上村主査】  ありがとうございます。
 ただいま説明ありましたとおり、本議題における審議につきましては、委員会としての評価・決定に加わらない者に該当する委員は、永松委員、目黒委員というふうに事務局で確認しているということでございます。
 そのほかの委員で該当する方はいらっしゃらないということでよろしかったでしょうか。
 大丈夫ですかね。それでは、本議題については、そのように進めることといたします。
 初めに、研究担当者であります平田先生より、プロジェクトについて御報告いただければと思います。
 それでは、平田先生、よろしくお願いします。
【平田参与】  研究代表を務めさせていただきました、平田でございます。それでは、画面を共有させていただいて、御説明をしたいと思います。
 2017年度(平成29年度)から2021年度(令和3年度)まで5か年計画で進められた本プロジェクト、先ほど文科省のほうから御説明いただいた、「首都圏を中心としたレジリエンス総合力向上プロジェクト」と言うのですが、大変長い名前なので、首都レジプロジェクトというふうに言わせていただきます。この研究代表者を務めさせていただきました、平田でございます。今日は、このプロジェクトの目的と成果の概要について、簡単ではございますが、御説明させていただきます。
 首都圏というのは、言うまでもなく我が国の首都でございまして、都市機能・人口が集中し、政治、経済、社会、文化、ある意味全ての中枢になっておりまして、我が国の頭脳と言ってもいいと思います。また、マグニチュード7程度以上の大きな地震が発生する可能性も極めて高く、一旦大きな地震が発生すると、その暴露量が多いということによって、甚大な被害が発生するということが恐れられております。本プロジェクトでは過去の地震災害や将来の被害想定を基に研究を進めましたが、本プロジェクトの実施期間の間に発生いたしました地震や気象災害に対しても、臨機応変に研究計画を修正し、取り入れ、実施してまいりました。例えば、平成30年(2018年)の大阪府北部の地震の教訓、災害の教訓なども、このプロジェクトには取り入れられております。
 この研究では、最終的には社会のレジリエンス力を強化するということでございますけれども、まず、学術の研究といたしましては、災害への対応力向上を目指す社会科学、災害の予測力を向上することを目指す理学(特に地震学)、それから、予防力の向上を目指す工学(特に耐震工学)、この三つの学術研究を学際的に進めるということが、一つ、中心でございます。さらに、これだけではなくて、次に申し上げます「デ活」という仕組みをつくりまして社会との連携を進めるということに注力し、結果として、社会の災害への防災力、ここではレジリエンス力と言っていますけれども、これを高める方策を提示するということをこの研究の目的といたしました。
 ここで言っている「デ活」というのは、データ利活用協議会という組織でございますが、産官学民、この図の左側にある「学」は、先ほど申し上げましたように、社会科学、理学、工学の「学」と、右側にある、「産」というのは、産業界――企業ですね。それから、「官」というのは行政組織など、「民」というのはNPO等の民間の組織、それらを結びつける仕組みをつくって、ここでは、データの利活用をするということで、それを中心にして結びつけました。この「デ活」の設置と運営と活動の実施というのがこの研究の非常に重要な要素だということで、ここについては後で詳しく申し上げます。
 まず、三つの学術について、簡単に御説明いたします。最初に、災害への対応力の向上を目指す社会科学の研究としては、ここに示すようなスキームで研究を実施いたしました。これは、災害がどのように起きるかという実績、何が起きているかを把握する。それから、将来どういうことが起きるかということを想定して、被害を推定する。実際に起きたこととの差を検証して、次にフィードバックする。そういう仕組みを考えました。こういう研究のスキームを開発すると同時に、実際に起きた災害での対応ということも進めてきたわけでございます。例えば、2019年の山形県沖の地震のときには、村上市の被害状況をドローンによる空撮や高解像度の可視光衛星画像を、AI、機械学習を使って判別するというような手法を開発して、これを防災害対応の意思決定に使うというようなこと。それから、2018年の大阪府北部の地震での災害状況の把握を整理して、この状況をある意味教訓として、川崎市で訓練をすることができました。もちろん、大阪府北部の地震の被災地と川崎市とでは、人口も違いますし、都市構造も大変違うわけでございますので、こういった都市の規模による違いであるとか、災害時に発生する事象についての共通性や相違性というものを整理して、迅速に被害を把握して対応する仕組みをつくるということに、私たちとしては成功したというふうに考えております。
 次の研究といたしましては、2番目の理学の研究でございます。これは基本的には地震学でございますが、この理学の研究は二つの構成要素から成っております。官民連携の超高密度観測データを収集するという仕組みと、それから、収集したデータを適切に解析したり、運用したり、使ったりする、そういうマルチデータインテグレーションシステムを開発するという、二つの要素をやりました。
 まず最初に、官民連携の超高密度観測データの収集ということについて、御説明いたします。ここで一番重要なのは、連携をするということも重要でございますが、防災科研が運用している首都圏地震観測網(MeSO-net)というものを安定に運用して、それによるデータを収集して公開するということが、本プロジェクトの非常に重要な要素でございました。実は、MeSO-netというのは平成19年度からの「首都直下地震防災・減災特別プロジェクト」及び平成24年度から開始した「都市の脆弱性が引き起こす激甚災害軽減化プロジェクト」という、本プロジェクトの前のプロジェクトとその前のプロジェクトで設置された地震観測網でございますが、10年以上たちました観測網を安定的に運用してデータを収集し、かつ、それを適切に公開して研究に使うということにしたことが、このプロジェクトの中で大きな成果というふうに考えられております。具体的には、ホームページを整備したり、それから、DOIというデータ利活用に便利なような識別子をつけたりというようなことも実施いたしました。
 次に、マルチデータインテグレーションシステムの開発です。マルチデータというのは、MeSO-netのようなプロの使う観測網、それから防災科研は基盤的地震観測網としてMOWLASというものを運用しておりますが、それに、民間が持っている大量なデータ、しかし、地震観測の専門家が使うにはデータの品質が少し落ちるデータ、ただし、大量のデータがあるものをうまく統合するという仕組みをつくってまいりました。たくさんデータがあるということによって、例えば、揺れの空間的な分布が非常に正確に把握されるというようなことが実施できました。このデータを集めるということをしたわけですけれども、その基礎となったMeSO-netの観測網というのは、実は20メートルの竪穴の底に設置されてる観測網なので、防災上の観点からは地表の揺れに変換する必要がございます。その手法を開発して、272点の観測点、20メートルの底の観測点のデータを地表に持ってくるということができるようになりました。さらに、例えば、個人が持つスマホのような機器に入っているMEMSの加速度センサーで室内の揺れを推定する仕組みであるとか、それから、企業さんが持っているデータを集めるということを試みました。MeSO-netのデータというのは首都圏に約300か所ございますけれども、場所が数百メートル変わる揺れが違うということを考慮するためには、将来的には観測点の数を増やす必要がございます。このために、このプロジェクトでは、極めて低消費電力、単1の乾電池で数年動かすことのできるような仕組みを開発して、プロトタイプを完成させました。それから、このデータを集めるだけではなくて、もちろん地震学的な研究をして、地震波速度異方性を考慮した新しいトモグラフィーの手法で首都圏のフィリピン海プレートの形状を推定するというようなことも進められました。もう一つ重要なことは、MeSO-netのデータを使うことで、将来、首都圏で起きる地震の揺れを具体的に予測する。ここでは経験的グリーン関数法というのを用いたわけですけれども、直接、首都圏の揺れを予測して、これを次に御紹介するE-ディフェンスの震動実験の入力データにするということを行いました。
 三つ目の工学的な研究でございますが、ここで重要なのは、非構造部材を含む構造物の崩壊余裕度に関する実験研究ということが重要でございます。5か年のプロジェクトで、4回の実験を行いました。ここにございますように、一般住宅を模した木造住宅の耐震震動実験。これは、免震の木造と耐震の木造家屋を比較して、構造上の弱点や改善策について提案しました。それから、防災拠点となる役所・市役所などの鉄筋コンクリート、RC造の震動実験を2番目に行い、さらに病院などの医療施設を模したS造の実験を行いました。最終年度には、室内空間の機能維持実験ということで、つまり、これは実物大だけではなくて、非構造部材というのは、内装であるとか、家具であるとか、例えば病院の中の医療機器などを実際に設置して、その揺れに対する耐震性能や崩壊余裕度を評価するということができました。例えば、病院、医療施設では、病院からCTスキャナーなどのような医療設備をお借りしてきて、これに対してどのような対策を取れば地震のときに被害が少なくなるかというような研究が進められ、これは民間との連携として非常に重要な成果だというふうに考えられています。この実験の成果については、ガイドラインをつくって、今後とも使っていただけるようなことができました。
 以上が三つの学術研究の成果の概略でございますが、これは学際的な研究としては十分な成果が上がったと思いますけれども、社会のレジリエンス力を向上させるためには民間との連携が非常に重要でございます。そこで、データの利活用を中心として、データ利活用協議会というものを設置しました。これを略称「デ活」というふうに申し上げております。この「デ活」について、御説明いたします。
 「デ活」には、産業界、行政組織(官)、民間、NPO等の組織に参画していただいて、それぞれのセクターがお持ちのデータや必要なデータについての整理をして、どのような方法で、データの利活用、研究の成果の利活用ができるかということを進めてまいりました。ここに三角でピラミッドのようなものをつくっておりますのは、年とともにだんだん参画団体が増えてきて、研究が社会に少しずつ理解されてきたということを示すものでございます。最初のうちは始まっただけですけれども、基本的には理事会という組織をきちんとつくりまして、参加されている団体の主立った会社さんや役所の方に来ていただいて、学だけではなくて、産、官、民の力を結集したというようなことで、研究を進めてまいりました。この研究は、オープンな場でのシンポジウムと、それから、私たちは分科会活動と言っておりますけれども、次に示すような分科会活動で、ここでは基本的には秘密保持契約を結んだクローズドの研究会と、その成果をオープンにすることができるものとを合わせたような形で進めてまいりました。この成果は、今後、防災科研の中で共創へのステージを進めていくということに効果があるというふうに考えております。
 さて、今、動画が映っていると思うのですけれども、ちょっと時間がございませんので、この動画については、皆さん、後で御覧になっていただきたいと思いますので、その次のところに進みます。
 このようなデータ利活用協議会を進めるということで私たちは研究を進めていたのですけれども、現在は、社会を取り巻く状況というものが、デジタル庁ができたり、SDGsの理解が進んだりということで、ある意味、私たちの活動がその布石になったというふうに、僣越ながら自負しております。しかし、実際にこの研究を進めてみて非常に重要だと思いましたのは、新たな課題が見つかってまいりました。それは、総論としてはリアルタイムでデータを利活用するということは皆さん賛成するのですが、実際にこれをやってみると、一番重要なのは、データの目的外利用ということについての制約があって、これを災害時に共有するためには平時でも共有する必要があるという理念から私たちは共通価値の創出ということで進めてまいったわけですけれども、これについてはまだ端緒についたばかりというふうに思っております。
 以上で、簡単ではございますが、私のほうからの御説明は終わりますので、御質問を受けたいと思います。
 平田のほうからは、以上でございます。
【上村主査】  平田先生、ありがとうございました。
 それでは、今の御説明について質問等ございましたら、お願いいたします。いかがでしょうか。
 三隅さん、お願いします。
【三隅委員】  日本大学の三隅と申します。御説明、ありがとうございました。全体として、大変質の高い成果が上がっているというふうに理解しました。私が気にしているのは、このプロジェクト終了後のデータ利活用協議会、今、どういうふうになっているのかということなんですけれども、これだけの70以上の企業を入れた大きな協議会ができて、現在はどういう形で継続されているのかというところを、もしよろしかったら教えていただければと思います。
【上村主査】  平田先生、お願いします。
【平田参与】  この首都レジプロジェクトが運営しているデータ利活用協議会というのは残念ながら、プロジェクトの終了と共に、2021年度の終わり、つまり2022年の3月で終了いたしました。けれども、防災科研としては、この仕組み、防災のために、防災科研と民間産業界の方との連携、行政関係者との連携を進めるということで、共創の場というものをつくりました。もしよろしかったら、防災科研の関係者で、これについて一言御説明いただけますか。
【上村主査】  いかがでしょう。どなたが御説明くださいますか。
【平田参与】  郡司さん、お願いします。
【佐藤防災科学技術研究所企画課長】  防災科研企画課の佐藤と申します。今、平田先生からもありましたように、「デ活」自体はもちろん終了しているのですが、その後、その成果を活用しまして防災科研の中で研究会を設置しておりまして、それに移行といいますか、そこに我々としては引き継いでといいますか、活用を図っているところであります。
【上村主査】  防災科研のほかの方、何か補足とかあれば。
【平田参与】  郡司さん、もう少し具体的に言ってください。
【郡司防災科学技術研究所調査役】  防災科研の郡司と申します。画面を共有させていただきます。皆さん、これを見ていただけていますでしょうか。「デ活」のシンポジウム、これのレガシーを引き継ぐという形で、災害レジリエンス共創研究会というものを年4回開いております。ここにも書いてありますけれども、企業や自治体、地域の事業継続マネジメント(BCM)の向上や新たな防災ビジネスの創出を目指して、様々なステークホルダーと防災科研及び大学・研究機関等の研究者が協働して、今回は、首都直下地震のみではなく、「マルチハザード」をキーワードに情報プロダクツによる災害レジリエンスの向上に向けた産学官民共創の種を生み育てる仕組みを構築していくということで、これが第2回目でございまして、9月に実施したものであります。タイトルは、「企業データ×防災科研気象データ重ね合わせで何ができるか」ということで、大雨のまれさに関する研究発表とか、それから、この堀江さんというのは、「デ活」の会員でもありまして、MS&ADインターリスク総研の方なんですけれども、保険の費用の支払いについて、防災科研のハザードデータ等々と自分たちが今まで支払ってきたデータをうまく重ね合わせることによって、次回の災害に対するBCMに役立てることができるのではないかというような形で、第2回目の共創の場を持たせていただきました。このセミナーは年4回やる予定でおりまして、次回は3月14日に開催する予定でございます。
 私からは、以上でございます。
【上村主査】  ありがとうございました。「デ活」という形ではないのだけれども、発展的に次のステージでやられているということかなと思います。
 三隅さん、よろしかったでしょうか。
【三隅委員】  どうもありがとうございます。高い成果が上がっているプロジェクトで、後継課題というのがあまりはっきりしていなかったので気にしていたところですが、順調に成果が引き継がれているというふうに理解いたしました。ありがとうございました。
【上村主査】  ありがとうございました。
 それでは、たくさん手が挙がっておりますので、順番にお願いいたします。
 鈴木靖さん、お願いします。
【鈴木(靖)委員】  気象協会の鈴木です。御丁寧な説明、ありがとうございました。全般に地震のほうではすごい成果が上がっていると理解しておりますが、最初のスライドで、気象災害まで、マルチハザードまで含めたというお話をされていまして、そのことを具体的に聞きたいと思っています。今、郡司さんから御説明があった災害レジリエンス共創研究会で、気象データを使った、いろいろ民間との、保険での利用などのお話しをされていましたが、主に、気象災害まで含めた研究というのは、そういう社会実装部分での研究が進展したということなのでしょうか。それとも、もう少し違った面での研究成果があれば、少し教えていただきたいのですが、よろしくお願いします。
【上村主査】  平田先生、お願いします。
【平田参与】  平田から、御説明いたします。実は、学術の研究としては、理学は地震学しか入ってございませんので、そういう意味では気象学固有の研究の成果はございません。ただし、災害の対応をするという観点からは、ハザードは違っても社会への対応としては共通の部分が多いわけです。役所の対応も共通の部分、それから、民間の産業界や会社の対応も多いようです。例えば、このプロジェクトの間では、房総半島の台風でライフラインが非常に影響を受けた、風が強くて電柱が倒れてというようなことがございました。そのときに各社さんは自社の、例えば電気やガスや水道の復旧をどういうふうにするかというところで、一つの産業の復旧状況だけではなくて、例えば道路がどういうふうに通れるようになったかということを把握することが社会全体としての復旧に非常に重要であるという認識がございましたので、これは、学術の研究というよりは、「デ活」の一つの分野で、実は一番重要なインフラ分科会という「デ活」の分科会がございまして、ここに参加されている皆さんからデータの共有を図って、ガスや電気や水道がどのように復旧してきたかということを議論しました。実際のリアルの災害時にはまだ残念ながらできていないわけですけれども、もしみんなでデータが共有できたらばこんなにいいことがあるんだと、そういう共通認識を得ることができたと思っております。今日は時間の都合でその絵はお見せできなかったのですけれども、特に、GIS(地理情報システム)を使って、いろいろなインフラの被害状況と復旧状況を時々刻々と示していって、意思決定に利用する仕組みのプロトタイプをつくるというところまではこの「デ活」でできたと思いますので、これを学術的に検証するということと社会で実装するということを進める必要がありますが、これは防災科研が引き続きやっていくことかなというふうに思っております。
 以上です。
【鈴木(靖)委員】  分かりました。ありがとうございます。社会のいろいろな企業、民間などでの災害対応という面では地震も気象災害も一緒で、それに対する危機管理やBCPなどに「デ活」を通して活用が図られたと理解しました。
【平田参与】  ありがとうございます。
【鈴木(靖)委員】  それに関連して、もう1点だけ。自治体でも同じような災害対応は必要だと思うのですが、自治体も「デ活」に参加されて、いろいろ活動されているという理解でよろしいのでしょうか。
【平田参与】  はい。一言だけしか申し上げられなかったのですけれども、一番重要なのは、川崎市さんに参加していただいて、川崎市では防災訓練の机上訓練をやったのですね。その机上訓練のときに、2018年の大阪府北部の地震で茨木市の、茨木市に比べると川崎市は極めて大きいので完全に同じにはできないのですけれども、それを理学的に、例えば地震の大きさを大きくして揺れの場所を大きくしたときに、実際に例えば、消防や警察にどういう通報があって役所がどういう対応を取ったかというのを、大阪府北部の地震で茨木市のデータというのが、実証データがございますので、それを川崎市に転用すると言うと言い方が変ですけれども、スケールを少し大きくして、川崎市で実際に首都直下地震が起きたときにどういうことが起きて、市役所の皆さんや自主防災組織がどう行動するかということについての訓練をしました。これは単なるマニュアルに沿って防災訓練をするのではなくて、臨機応変にいろいろやらなきゃいけないので、地理情報システムを使って画面上に情報を示して、それに対して市役所の職員が具体的にどう対応すべきか、あるいは、どう対応できなかったかということを後で検証するというようなことで、川崎市さんからは大変有益だったという評価をいただいております。一つの例はそれでございます。
【鈴木(靖)委員】  御説明、どうもありがとうございました。
【上村主査】  ありがとうございました。
 たくさん手が挙がっておりますので、順番にお願いいたします。
 小原先生、お願いします。
【小原委員】  私は、地震観測研究を専門としていますので、MeSO-netについて、特にプロジェクトが終了した後のMeSO-netの運用についてお伺いしたいと思うのですが、先ほどの平田先生の御説明にもありましたように、MeSO-netはこのプロジェクトにおいて非常に大きな成果を上げられたということで、具体的には、フィリピン海プレートの形状が非常に高精度化されたであるとか、経験的グリーン関数を用いて地震動予測を行ったと。そういった結果についても、今後、データをさらに蓄積して解析を進めることによって、どんどん高精度化されていくというふうに思います。また、何より実際に震災が発生したときにMeSO-netのデータは防災・減災という意味で非常に重要な役割を果たすと思いますけれども、将来的に安定的に運用する必要があるというふうに思いますが、その辺りの維持・運用についてはどのようになっているかということをお伺いしたいと思います。
【平田参与】  実は、私は防災科研を退職してしまったので、今日のためには非常勤で雇っていただいていますけれども、あまり言うことはできないのですが、この首都レジプロジェクトの後継プロジェクトというのは、残念ながらできませんでした。しかし、MeSO-netの運用については防災科研に予算を措置していただいて、運用ができる体制にはなったというふうに理解しています。今日の予算の説明のところにも小さく書いてあったのですけれども、これは文科省から説明していただいたほうがいいと思います。ただ、MeSO-netはもともと文科省の委託事業で進められてきたということがあって、かつ、もう既に10年以上もたって、大分老朽化してきた、更新する必要もあるということを考えると、引き続き防災科研がほかの基盤観測と同じように維持する努力をしていただかないと、うまくいかないかなと思います。このデータは日本の地震研究者だけではなくて世界の地震研究者にも公開されて大変成果が上がっているところでございますので、防災科研としては引き続き努力してこれを運用する必要があるというふうに私は思っておりますが、もし防災科研の企画のほうで何か御発言があれば、お願いします。
【松室防災科学技術研究所企画部長】  企画部長をしている、松室と申します。MeSO-netにつきましては、先ほど平田先生から御指摘がありましたように、文科省様のほうから運用のための補助金をいただいておりまして、防災科研が有しますMOWLASと共に、ネットワークセンターのほうで引き続きしっかりと運用させていただくということで進めさせていただいております。今後とも、よろしくお願いしたいと思います。
【小原委員】  ありがとうございます。そういうことでしたら、文科省さんにも安定的に予算をつけていただいて、防災科研さんのほうではそれをきちっと維持・運用に使っていただきたいというふうに思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
【平田参与】  よろしくお願いします。
【上村主査】  ありがとうございました。
 それでは、中北先生、お願いします。
【中北委員】  簡単にさせていただきます。気象災害、マルチハザードと書いていただいた、1ページ目のところの質問です。既に三隅委員と鈴木靖委員にお答えいただいていますので大体了解したのですが、ここで言うマルチハザードというのは、いろんなハザードがあって、その共通点として大事なところを拾っていくというイメージ、あるいは住民の方へもそういうメッセージを出すということでお話あったのですけども、いわゆる、複合災害、同時災害、生起という意味ですね。最近、気候変動ではそこが大事、地震も入れながらということが出てきているのですけれども、そこらはもともと範疇ではなかったのかどうかだけ、お伺いしてよろしいですか。
【平田参与】  私の頭の中にはあるんですけれども、プロジェクトの発足時には、基本は地震でした。ただし、例えば、首都圏で今問題になっているように、寒くてスリップしたりとか、雪が降ったりなんていうことは、実際には地震がなくても同じような災害になってしまうということは十分あるので、防災をするという一般の方、産業界や民間の方から見るとあまり区別はないという、そういう観点で進めさせていただいていますが、これは今後の課題でございますので、先生のおっしゃるとおりでございますが、まだそれはできてないというところです。
【中北委員】  分かりました。どうもありがとうございます。
【上村主査】  ありがとうございました。
 それでは、大湊先生、お願いします。
【大湊委員】  私が質問したかったことは、気象協会の鈴木さんが同じことを質問して、それに対する答えもあったので解消したのですが、その説明と、それから防災科研の郡司さんの説明とかを聞くと、マルチハザード対応というのは、このプロジェクトの中というよりも、次にこういうことをすべきだよという意味づけのほうがどうも大きいような気がしたので、そうだとすると、今回、評価するに当たって、この部分はどの程度の重みで評価したらいいかというのは、多分、平田さんというよりも、事務局のほうが判断すべきかと思うので、この辺りはどうしたらいいのでしょうかという質問です。
【上村主査】  これはもしかすると次の議題になるかと思いますが、この後、事後評価票というのを皆さんに御覧いただきながら最終的な事後評価というところの文章を決定していくプロセスになりますけれども、これは、事務局がどうとかいうよりは、委員のみんなで事後評価の文章を考えるというか、決めていかなければいけないかなと思いますが、そちらでの議論ということではいかがでしょうか。
【平田参与】  平田から、一言よろしいですか。
【上村主査】  はい。
【平田参与】  プロジェクトが始まったときは、地震を主として考えておりました。ですが、やってみると、社会が地震に対する対応をするということと、地震以外の災害、ハザードに対する対応には非常に共通点があるということも、研究の途中で分かってきました。そんなことは最初から分かっていると言われると困るのですが。なので、研究の途中からマルチハザードということを強調してまいりましたが、狭い意味で評価していただきたいのは、地震災害に対して学術(理学、工学、社会科学)と社会との連携という四つの観点で評価していただければ、私としては幸いでございます。これが私の気持ちです。どうもありがとうございます。
【上村主査】  大湊先生、いかがでしょう。
【大湊委員】  了解しましたけど、一つだけ。今、平田さんもおっしゃいましたけれども、実際に防災に対応をする、例えば自治体の方々からすると、地震に対してはこうだよとか、私は火山ですが、火山に対してはこうだよと、それぞれのハザードごとに対応を教えられても、自治体側の担当者ってどんどん替わるので、むしろ、どんな災害でも同じようなことができるという仕組みをつくって、それは、地震であろうが、気象であろうが、どれが来ても大丈夫みたいな、そういう仕組みをつくらないと、地震に特化したような仕組みとか、どれかハザードに特化した仕組みをつくっても、実際は役に立たないということが多分多いと思うので、次とか、将来、そういうものに発展していけばいいのかなという印象を持っています。
 以上です。
【平田参与】  ありがとうございます。「デ活」というのは基本的にそういう発想で進めましたので、学術の研究としては、理学は地震学、対応の工学は耐震工学しか今は入ってませんでしたのでこういう結果になってしまいましたけれども、社会科学的な対応策についてはおっしゃるとおりで、ハザードを区別せずにやるべきであるというのは、私もそのように思います。ありがとうございました。
【上村主査】  プロジェクトのスタートの計画という部分についてはしっかりとやっていただいて、むしろ途中でそういった知見が非常に積み重なってクリアになってきたというところかなと思います。この辺り、また事後評価の議論の中でも皆さんの御意見をいただければと思います。ありがとうございます。
 小室先生、お願いします。
【小室委員】  小室です。ありがとうございます。私、まずコメントとして、官民協働ということと、ビッグデータをつなぎ合わせるということ、そして、それが「デ活」ということで非常に大きな成果を出しているという御報告、大変よく理解できたと思います。
 私からは二つ質問があります。一つは、今日の御説明の中で、サブプロジェクトのa、b、cとあって、社会科学、理学、工学というふうに分類して御説明いただきました。今日の御説明は、社会科学では1枚、理学で8枚、工学で1枚、「デ活」で5枚という御説明なんですが、これは端的に言って、研究の量、あるいは研究のアウトプット、成果を反映してこういうふうな1、8、1みたいなことになるのでしょうかというのが、一つ目の質問です。
 そして、二つ目の質問は、資料2の4ページの左側に、学術の中でも、社会科学、理学、工学とあるのですね。もちろん「デ活」は社会科学の延長かとも私は思うのですが、でも、「デ活」以外にも左側に学術の中でa、b、cとあって、aの社会科学というのがございます。その社会科学について評価をするには、少し補足をいただきたいと思っております。例えば、社会科学の中で産学官民の協働はどのように行われたのか、それから、ここからの継続課題は何かあったのか、その辺りを学術の社会科学のところで少しだけ補足いただければと思いました。
 質問として、大きく二つございます。以上、よろしくお願いいたします。
【平田参与】  三つの学術の間で枚数の違いがあるのは、私が理学なのでしゃべりやすいからということで、ほかのほうをいっぱいにするとぼろが出るので、枚数が少なくなる。これは大変申し訳ございませんでした。もちろん、成果報告書というのと成果報告会というのをやりまして、同じ分量で全ての成果が出版されておりますし、それから、成果報告会で同じ時間を費やしてお話をしました。今日、10分のところでさっと言えるのは、私の専門分野のところは言えるけど、ほかはということで、これは私の能力不足でございます。
 社会科学については、幾つかございますけれども、1枚にまとめた理由は、そもそも「デ活」というのをどういう仕組みでやるのがいいのか、それから、「デ活」をどう具体的に運用していくかということを社会科学的に定式化して、それを進めてきて実践したというところが一番多いので、「デ活」はaの社会科学の成果というふうにお考えいただいていいと思います。実際に、事務局は社会科学のチームがやりました。社会科学といっても非常に広くて、法律とか経済は入ってませんので、基本的には対応策をここでは社会科学の手法を使って考えました。対応というのは、発災したときに何が起きているかを理解して、ちょっと先にどんなことがあるかを予測して、それに対応して、その対応が予測したものと合ってなかったら、それを直していくという、そういうフィードバックをする仕組みをつくるということで、例えば、地震で被災した方の罹災証明書を発行して建物・住宅の再建をするというようなことが災対法で決まっているわけですけれども、それが実際にはなかなか現場ではうまくいかない理由を社会科学的に検討して、一つの方法を提案する。例えば、ドローンを使って写真を撮って、屋根にブルーシートがあることを使っていち早く罹災証明に結びつけるなんていうことを具体的には提案しました。そういったことが社会科学としては大きく成果があったのですが、私の能力不足でたった1枚だったのは大変恐縮でございますけれども、成果としては十分上がっているというふうに思っております。
【小室委員】  ありがとうございます。今のお話の中でも、産学官民の協働作業ということも伺うことができました。ありがとうございました。
【平田参与】  時間があったら、ぜひ動画を見ていただくと、「デ活」と三つの学術がどう連携しているか。それから、E-ディフェンスの震動実験についても非常に大きな成果が上がっているのですけど、私が一言で言うにはあの程度になっちゃいましたが、これはもちろん、論文の数も含めて大きな成果が上がっております。大変失礼いたしました。
【小室委員】  ありがとうございました。
【上村主査】  パワーポイント、200メガぐらいありますので何かなと思っていたのですが、動画が非常に重要なコンテンツになっているかと思いますので、ぜひ御覧ください。ありがとうございました。
 時間が厳しくなってまいりましたので、今、手が挙がっております鈴木博人さんのところまでで、一旦、質問を終わりにさせていただきたいと思います。
 鈴木さん、お願いします。
【鈴木(博)委員】  たくさん成果が上がっていることをお伺いし、非常に良い成果がいっぱい出たと思っています。
 質問は、データ利活用の部分の官民連携の地震データについて、今回説明いただいたのは、非常に個人に近いところのデータです。ブレーカーとか、スマートフォンとかを活用するということで、持っている人がものすごくたくさんいますのでデータとしてはものすごく密なデータということで、利用する価値は非常に高いとは思いました。ただ、当初、データ利活用が始まったときに、ライフラインとか、通信とか、交通とか、そういった民間企業が持った、ブレーカーやスマートフォンよりも、レベルの高い地震計のデータも一緒に集めるという様にもお伺いしたのですが、そういったデータを集めて活用するよりも、今回説明いただいた個人が持っているようなデータの質は落ちるかもしれないけども、データがいっぱいあるようなものを狙った方が、最後の活用という部分では有利ということなのか、そもそも、そういった個人が持っているようなものが狙いだったのか、その辺、教えていただければと思って、質問させていただきました。
【平田参与】  ありがとうございました。これも、私の力不足というか、時間が10分しかなかったのではしょりましたが、一番大きな地震データのソースは、東京ガスが持っている、SUPREMEという、首都圏に約4,000点のデータがあるんです。これを使うと、MeSO-netは300点ですから、1桁以上の高密度で揺れの分布が分かって災害対応に有効です。例えば、東京ガスさんは消防庁との連携をしていて、火災とガスというのは非常に密接な関係がございますので連携をしているのですけれども、私どもとしては、これを地域の防災に役立てる仕組みをつくりたいということで、東京ガスさんからデータをいただいて、それを統合する仕組みというのはつくりました。それからもう一つは、エレベーターですね。エレベーターも揺れを感知してエレベーターを止めるという仕組みがございますので、あるエレベーター会社さんと、東芝なんですけど、データをいただくということもやりました。データがあると、揺れの分布を理解するためにどんなにいいかということを示すところまではできました。それから、データを統合する仕組みまでできたのですけれども、最後にこれを一般に、地域に対して公開できるかというところが最大のネックになりました。というのは、東京ガスさんの4,000点の地震計が置いてあるのは、東京ガスの敷地か、あるいは東京ガスが借地で御自身の権利を持っているところなんですけど、その周りにいる人たちが、東京ガスが設置している地震計で震度が幾つになったということを公にすることについて、顧客対応の観点でご配慮・躊躇されてるわけですね。国の地震観測点というか、気象庁の地震観測点、自治体の地震観測点というのは消防署だとか学校だとかに置いてあって、それは公開されているのですが、これと個人の建物に非常に近いところの揺れの大小の公表には限界がございまして、プロジェクトの中で学術の研究として使う分にはそのデータは使えるのだけれども、それを一般に公開するというところについてはまだコンセンサスができてないというのが、私としては限界だというふうに思っています。これについては、東京ガスさんとは今でもお付き合いがございまして、いろいろな条件、特に目的外使用ということが一番重要になっておりますので、個人のプライバシーの問題というか、住環境の開示と目的外使用ということをうまく解決するということが本質的な重要性かなというふうに思いました。今日のご説明資料には入れませんでしたが、実はSUPREMEの統合による揺れの分布も絵としては出てきているのですけれども、あんまり強調することはできませんでした。申し訳ございませんでしたが、個人のものではなくて、産業界が持っているデータというのは非常に重要なものというふうに認識しております。
 以上でございます。
【鈴木(博)委員】  企業側の問題というよりも、公開された側のほうの問題のほうが大きいということなんでしょうか。
【平田参与】  顧客に対するおもんぱかりが企業にはあるので、簡単には公開できないということです。
【鈴木(博)委員】  分かりました。
【上村主査】  学術研究としてはすばらしいところまで行っているのだけれども、社会実装となるといろんなハードルがあると。法律の問題、ルールの問題、御理解いただけるかとか、社会通念だとか、いろんなハードルを越えていかなければいけないのですけれども、そこは何とか乗り越える知恵をみんなで出し合っていくということかなと思います。ありがとうございました。
【平田参与】  ありがとうございます。
【上村主査】  本当に活発な御議論いただきまして、まだまだ尽きないようにも思うのですけれども、時間が来ておりますので、ここまでとしたいと思います。
 平田先生、本当にどうもありがとうございました。
【平田参与】  いえ、どういたしまして。
【上村主査】  質、量ともにすばらしい成果が上がっているからこそ、プロジェクト後のコメントがたくさんいただけたのかなというふうに思っております。本当にお疲れ様でした。引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。
【平田参与】  ありがとうございました。
 それでは、私はこれで失礼してもよろしいでしょうか。
【上村主査】  事務局のほう、いかがでしょうか。
【平田参与】  評価の議論に私は加わってはいけないと思いますので、これで退出しますが、よろしいですか。
【山田防災科学技術推進室長補佐】  結構です。
【上村主査】  ありがとうございました。
【平田参与】  今日は、お時間を取っていただきまして、ありがとうございました。これで退出いたします。失礼します。
【山田防災科学技術推進室長補佐】  ありがとうございます。
【上村主査】  それでは、事後評価票(案)について、事務局から説明をお願いします。
【山田防災科学技術推進室長補佐】  画面を共有いたしますので、少々お待ちください。
 資料3、事後評価結果(案)になります。最初に概要等の記載がありますけども、そこは省略させていただきまして、事後評価票の本文をご覧ください。
 まず初めに、分野別研究開発プランや上位施策との関係ですが、本プロジェクトは、「安全・安心の確保に関する課題への対応」(施策目標9-4)といったことで対応しておりまして、それが大目標になっております。また、「防災科学技術分野研究開発プログラム」の達成目標2、3に該当するものでございます。
 続きまして、関係する指標ですが、本課題、アウトプット指標に関しましては、データ公開の充実、災害に強いまちづくりへの寄与、そして、査読つき論文の数といったことが、アウトプット指標になっております。また、アウトカムに関しては、建築物・インフラの耐災害性の向上、二つ目が自然災害の不確実性と社会の多様性を踏まえたリスク評価手法の確立といったことになっております。これらの各指標につきましては、過去3年程度の状況を表のとおり記載しております。御覧になっていただければと思います。
 続きまして、次のページで、評価結果になります。課題の達成状況です。社会の対応力(社会科学)、予測力(地震学)、予防力(耐震工学)の3つのサブプロジェクトにおいて、首都圏を中心としたレジリエンス総合力向上に資するデータ利活用に関する連携体制の構築、つまり「デ活」とか、また、官民連携による超高密度地震動観測データの収集・整備、そして3つ目が非構造部材を含む構造物の崩壊余裕度に関するデータ収集・整備の研究が進められておりました。そしてまた、これら研究を進めまして、社会の対応力、予測力、予防力の向上に貢献し、安全・安心を確保してレジリエントな社会を構築する手法を開発しております。また、先ほどありましたデータ利活用協議会(「デ活」)ですけれども、その運用を通じた研究開発、そして、社会実装に向けた検討を行っておりますので、本プロジェクトの必要性、有効性、効率性の観点からの評価を踏まえまして、課題の所期の目標は達成されたものと考えております。そういった評価(案)としております。
 続きまして、各観点、つまり3つの観点がありますので、それについて御説明いたします。事前評価、中間評価、事後評価、この評価項目は変わらず、記載しております。では、どういったことかといいますと、まず、必要性についてです。必要性については、人工的なノイズが高く、基盤的地震観測点の少ない首都圏で、MeSO-netを維持して、高品質な連続データを生産し続けたことや、MOWLASの地震動データとともに一般に公開し、また、民間が保有する観測機器と統合したマルチデータインテグレーションシステムの開発等を行っておりますので、その成果の社会実装に向けて取り組んだことは革新性が高いと評価しております。
 続いて、有効性になります。有効性については、建物の崩壊余裕度に関するデータを収集。E-ディフェンスを用いて、4種類の実大型の実験を実施した。そして、構造体・非構造部材に関する損傷をセンサーによって定量的に把握する手法を開発いたしまして、そういったもので社会や行政のレジリエンス向上につながるもので、有効性は高いという評価(案)としております。
 続いて、効率性についてです。効率性については、次のページを御覧いただくと、産学官民が連携して、本プロジェクトの活動を実施するための仕組み(「デ活」)を提案・運営しまして、産学官民のそれぞれの役割の下、「デ活」で設置した分科会の議論を踏まえまして、研究を進めております。これら産学官民連携による実施体制と運営体制は、それぞれの役割を生かす点で妥当であり、効率性が認められるといった評価(案)を記載していただいております。
 続きまして、(2)科学技術・イノベーション基本計画等の上位施策への貢献状況になります。これは、それ以下に丸で4つほど記載しております。これらは項目ごとに記載しておりますが、取組においてレジリエントで安全・安心な社会の構築に貢献するものとして評価しております。
 続きまして、(3)中間評価結果時の指摘事項とその対応状況でございます。御覧のとおり、マル1からマル4まで、指摘事項がありました。それぞれに対応する対応状況を御覧のように記載しております。中間評価時で指摘していただいたことを踏まえまして、その後、プロジェクトでは取り組みまして、それぞれ適切に対応したといったことを記載しております。
 次に、(4)総合評価です。社会の対応力、予測力、予防力といった、それぞれの観点で書いておりますけれども、本プロジェクトにおいては、社会の対応力、予測力、予防力がお互いに連携して、それぞれが向上に貢献したことは高く評価できると。そして、「デ活」の取組や議論により、首都圏のみならず、他の地域においても安全・安心を確保してレジリエントな社会を構築する、そういった観点からも意義があったと評価できると、記載しております。
 (5)今後の展望になります。このプロジェクトは5年間の取組でしたが、「企業も強くなる首都圏も強くなる」といったコンセプトに基づきまして、社会の対応力、予測力、予防力の3つのサブプロジェクトにおいて実施した目標は、概ね達成されたと言えます。今後は、得られた成果をさらに高度化・深化して、成果の社会還元に引き続き取り組むことが重要であると、この評価(案)では記載させていただいております。
 以上になります。
【上村主査】  ありがとうございました。
 今御説明いただいた資料は事後評価票ということになりまして、昨年度末まで5か年間進められてきました、先ほど御説明のあったプロジェクトに関しての最終評価ということになります。これについては、本委員会の総意としてこの文書について御承認をいただくという流れになりますので、誠に時間のない中で恐縮ですけれども、文言等、細かなところまで踏み込んでいただいて結構ですので、率直な御意見をいただければと思います。いかがでしょうか。
 前田さん、よろしくお願いします。
【前田委員】  NTTの前田です。1点だけ言葉で気になるところがございまして、10ページの3の評価結果の(1)のところの「研究開発・社会実装を行うことができた」という文言なんですが、先ほどの話ですと、これは継続して防災科研さんのほうの共創の場で引き継がれるということだったので、「社会実装を行うことができた」と書いてしまうと、もう完成して、既に、ビジネスじゃないですけど、動き出しているようなイメージになるので、「社会実装に取り組むことができた」のような書き方のほうがいいかなと思いましたので、御検討いただければと思います。
【上村主査】  ありがとうございます。おっしゃるとおりですね。研究開発はもちろんできていますけれど、社会実装につながるところまで、あるいは社会実装のトライアル的なところまでができたというニュアンスの文言に変えたほうがいいのではないかということでしょうか。ありがとうございます。
 前田さん、文言としてはどうでしょうか。事務局と主査にお任せいただくということでよろしいでしょうか。
【前田委員】  お願いします。
【上村主査】  ありがとうございます。
 それでは、鈴木靖さん、お願いします。
【鈴木(靖)委員】  大まかな内容に関することが一つと、あと、細かな「てにをは」のことがありますが、それはまた後ほど話します。
 まず、内容に関して、15ページの評価概要のところの途中に、先ほど大湊先生や中北先生からもコメントがあったように、ここに、マルチハザードの対応によって社会実装に資するアウトプット、研究成果の活用が図られたみたいな文言をどこかに入れてほしいと思って文章を先ほど見ていました。具体的な入れる場所としては、中ほどの「「デ活」会員の関心テーマに応じて、分科会やワーキンググループを立ち上げることで、」の後に、例えば、「マルチハザードに対する社会実装を図り、復旧作業の効率化や経済損失の軽減に関する」というような、今思いついた文章なので練り上げられてないのですが。
【上村主査】  今、打っていただいてもいいような気がしますが、事務局のほう、打てませんか。
 打てないようですので、メモを取らせていただいて、御提案の内容を入れるようにしようかと思いますが。
【鈴木(靖)委員】  この「、」の辺りに、そこは主査に一任しますけれども、そんな文言を入れていただければいいかと思います。
【上村主査】  ありがとうございます。そこはキーワードを入れておいたほうがいいですね。おっしゃるとおりです。
【鈴木(靖)委員】  はい。
 あと、細かなところはどうしましょうか。いっぱいあるのですが、今話すと時間がかかるので。
【上村主査】  そうですね。たくさんあるようでしたら、メール等で御指摘いただけるとありがたいです。
【鈴木(靖)委員】  そうですね。細かな助詞とかの修正の話なので、後で事務局にメールをお送りします。
【上村主査】  すみません。ありがとうございます。
【鈴木(靖)委員】  失礼します。
【上村主査】  小原先生、お願いします。
【小原委員】  ありがとうございます。最後の今後の展望のところなんですが、それの2段落目の真ん中辺です。MeSO-netはここで「我が国にとっての財産であり」というふうに書かれていて、その後、「その利活用方法等については」という文章があるのですけれども、その間に、その利活用をするに当たってはMeSO-netを継続的・安定的に運用するということが非常に重要なので、そういった文章を入れるべきではないかなというふうに思いました。具体的には、例えば、「我が国にとっての財産であり、関係機関においては今後も安定的な運用を図るとともに、その利活用方法等については議論する必要がある」と、そういった文章があると流れ的にもスムーズになるというふうに思います。
【上村主査】  継続的・安定的という、そういうキーワードをしっかり埋め込むと。
【小原委員】  はい。関係機関がきちっとそれを努力するといった文言があるといいと思います。
【上村主査】  ありがとうございます。では、そのキーワードを入れて文章を整えるということで対応させていただきます。
【小原委員】  お願いいたします。
【上村主査】  ありがとうございました。
 鈴木博人さん、いかがでしょうか。
【鈴木(博)委員】  さっきの質問とも関連しますが、東京ガスさんのSUPREMEとかは、コンセンサスが得られなくて最後は使えなかったということですが、この評価票だと、うまくいったということはいっぱい書いてはあるのですけども、SUPREMEみたいなものが使えなかった、コンセンサスが得られなかったということも、うまくいかなかったことかもしれないですが、非常に重要な成果というか、そういった課題が得られたという成果も非常に重要なことだと思います。そういったことはこの評価票の中では特に触れないで、それは別の形で課題として残すとか、そういうことなんでしょうかという質問です。
【上村主査】  ありがとうございます。すごく議論にもなりましたし、重要な御指摘で、こんなにいいものができたのに結局できないのかと、すごくもやもやした感じが残りますので、どういう言い方がいいのか。すごくうまくいったけど、ただ、データの社会実装に当たっては、データの目的外使用という言い方が出ていましたけれども、少し課題が見えてきたと。そんなのをどこかに挟めるかどうか。多分、たくさんは書けないのですけれども、入れられないかどうか、少し検討してみます。それでよろしいですか。
【鈴木(博)委員】  このような評価票の書き方は良く分からないですが、少なくとも何かの形で記録として、このような評価の中で残すのか、あるいは防災科研さんの方で別のものとして残すのか、その辺は良く分からないですが、少なくとも何らかの形で残しておいた方が良いのではないかなと思います。
【上村主査】  そうですね。当然、この委員会の議事録は残りますし、公開もされますので、そういう意味ではしっかり残ってはいくのですけれども、こういう文書のほうがしっかり皆さんに見ていただけますので、先ほどのようなニュアンス、非常に重要な課題がクリアになったということを何とかどこかににおわせることができないかというのを少し検討させてください。それでよろしいでしょうか。
【鈴木(博)委員】  よろしくお願いします。
【上村主査】  ありがとうございました。
 それでは、大湊先生。
【大湊委員】  MeSO-net関係のことで、10ページの達成状況の最後の3行のところに「地震観測網を維持して、高品質な連続データを生産し続けたことは革新性が高い」という文章があるのですが、観測網を維持したことは革新性が高いというのはかなり違和感があるので、今日の平田さんのプレゼンにもあったように、MeSO-netは、維持も重要だったのですけれども、気象観測と組み合わせて気象の震動も評価できるようにしたという話があったと思うので、例えば、そういう内容にすると革新性という言葉と親和性がいいかなと思うのですが、いかがでしょうか。
【上村主査】  連続的にデータを生産し続けたことが革新じゃなくて、地表面の震動を精密に推定できるようになったとか。
【大湊委員】  これ自体、大事なことはそうなんですけれども、維持と革新性という言葉が少し合わないなという印象を私は持つので、これに加えて、新しいことができたという意味のことがないと革新性という文言と合わないと思うので。
【上村主査】  では、維持したことの意義は高いということと、それから、先ほど御指摘いただいたようなことの革新性もあったという、2点に分けたほうがいいですかね。
【大湊委員】  はい。その辺り、お願いします。
【上村主査】  二つの文章に分けるという方向で調整してみます。
【大湊委員】  お願いします。
【上村主査】  ありがとうございました。
 そのほか、いかがでしょうか。
 鈴木靖さん、いかがでしょう。
【鈴木(靖)委員】  もう1か所、よろしいでしょうか。
【上村主査】  お願いします。
【鈴木(靖)委員】  14ページの下から10行目ぐらいのところに「地震動を詳細かつ高精度に把握するため」云々とあるのですが、その後ろに出てくる文章を読むと小型地震計とかスマホによるたくさんのデータを使ったことに対する修飾語なので、そうすると、小型地震計は決して高精度ではないので、ここに「高精度に把握するため」と書いたのと後ろのほうに書いてあることが合わないなという感想を持ちました。
【上村主査】  なるほど。
【鈴木(靖)委員】  ですから、「高精度」と書くのではなくて、先ほどの平田先生の話だと、面的に非常に細かな地震データの分布を取得するためにスマホとかを使っているということなので、そういうニュアンスの書きぶりにしたほうがいいかと思います。
【上村主査】  「面的分布を把握するため」みたいな話でいいのですかね。
【鈴木(靖)委員】  「面的に詳細な分布を把握するため」とかですね。
【上村主査】  「面的に詳細な」ですね。時間的にというよりは、「面的に詳細な分布を把握するために」と。
【鈴木(靖)委員】  そうですね。
【上村主査】  分かりました。ありがとうございます。
 そのほか、いかがでしょうか。先ほどのプレゼンのニュアンスを文字だけで落とし込むのは大変な作業になりますけれども、全体としては非常にすばらしい成果が上がったプロジェクトだったかと思いますので、書かれている内容については、大体、皆さん御納得いただいているかなと思います。
 そのほか、いかがでしょうか。
 よろしいでしょうか。それでは、大体、意見も出尽くしたかなと思いますので、先ほどいただいた御指摘に合わせた形で事務局と主査のほうで文言を整理いたしまして、最終的な評価票の確定につきましては主査に預からせていただきたいというふうに思いますが、よろしいでしょうか。
 特に御異議ないようでございますので、事務局と調整しながら、確定させていきたいと思います。どうもありがとうございました。
 それでは、事務局から連絡事項等ありましたら、お願いいたします。
【山田防災科学技術推進室長補佐】  ありがとうございます。本日、御審議いただいた事後評価につきましては、研究計画・評価分科会に報告し、審議いただく予定になっております。
 次回の委員会の日程につきましては、改めて御連絡・御相談させていただきたいと考えておりますが、事務局といたしましては、基本的には、本年度における本委員会の開催は今回をもって終了とさせていただき、次回の開催は次年度に入った段階で検討させていただきたいと考えております。
 事務局からは、以上になります。
【上村主査】  ありがとうございます。次回は次年度ということですね。ありがとうございました。
 そのほか、各委員から、ちょっと言い忘れたとかいう御発言があれば、お願いいたします。
 よろしいでしょうか。それでは、以上をもちまして、本日の委員会を閉会といたします。どうもありがとうございました。
 
―― 了 ――

 

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