防災科学技術委員会(第57回) 議事録

1.日時

令和4年12月22日(木曜日)15時00分~17時00分

2.場所

オンライン会議にて開催

3.議題

  1. 分野別研究開発プログラムについて
  2. 研究開発課題の進捗状況について
  3. その他

4.出席者

委員

上村主査、小原主査代理、大湊委員、奥見委員、小室委員、鈴木(靖)委員、中北委員、永松委員、前田委員、三隅委員、目黒委員、森岡委員

文部科学省

原大臣官房審議官(研究開発局担当)、小林研究開発局地震・防災研究課長、大榊研究開発局地震・防災研究課長補佐、川畑研究開発局地震・防災研究課地震調査研究企画官、吉田研究開発局地震・防災研究課防災科学技術推進室長、山田研究開発局地震・防災研究課防災科学技術推進室長補佐 他

5.議事録

【山田防災科学技術推進室長補佐】  それでは定刻となりましたので、ただいまより、防災科学技術委員会第57回を開催いたします。
 このたびは、委員の皆様におかれましては、お忙しいところ御出席いただきありがとうございます。
 本日は、委員16名中、現時点で11名、御出席いただいておりますので、定足数を満たしております。
 ウェブ会議となっておりますので、会議資料につきましては、お手元の資料、PCで御参照ください。また、議事録作成の都合上、御発言の際は前回同様、冒頭にお名前をおっしゃっていただきますようお願いいたします。
 それでは、以降の議事の進行は上村主査にお願いいたします。
【上村主査】  皆さん、こんにちは。
 いきなりの大雪に見舞われておりまして大変苦労しておりますが、この後のクリスマス寒波はかなり全国の広い範囲で影響が出るという予報も出ておりますので、皆様も気をつけてお過ごしいただければと思います。
 それでは、会議に入っていきたいと思います。
 本日の議題は、「分野別研究開発プログラムについて」と、「研究開発課題の進捗状況について」ということでございまして、特段、非公開とすべき事項はないかと思いますので、これ以降の議事につきましては公開することとしたいと思いますが、よろしいでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
【上村主査】  ありがとうございます。それでは公開とさせていただきます。
 傍聴される方がおられる場合には事務局のほうで接続の手続をお願いいたします。
【山田防災科学技術推進室長補佐】  かしこまりました。
(傍聴者入室)
【山田防災科学技術推進室長補佐】  傍聴者の入室が完了いたしました。
【上村主査】  それでは、本日の配付資料及び審議の進め方について、事務局より説明をお願いします。
【山田防災科学技術推進室長補佐】  ありがとうございます。
 資料の画面共有を開始いたします。少々お待ちください。
 議事次第になります。
 それでは、本日の取り進め方といたしまして、最初に分野別研究開発プランに関しまして、資料1のプログラム評価(案)を御説明した後、資料2-1、2-2、2-3を説明します。最初に「防災対策に資する南海トラフ地震調査プロジェクト」、次に「情報科学を活用した地震調査研究プロジェクト」、3つ目に「南海トラフ海底地震津波観測網の構築」です。従来の中間評価に代わる評価として、毎年度、本委員会において、実施状況に関する資料の提出、そして質疑の時間を設けることをもって、中間評価の実施に代わることができるものです。その進捗状況について御審議いただければと考えております。
 また、参考資料2-1と2-2ですが、これは、前回9月30日の委員会では、「当面の科学技術政策のあり方に関する提言」が参考資料2-1、概要が参考資料2-2について御審議していただきました。これについては本委員会のホームページにて掲載しておりますので、参考資料につけさせていただきました。
 事務局からは以上になります。
【上村主査】  ありがとうございました。
 ただいまの事務局の説明について御質問等ございましたらお願いいたします。
 よろしいでしょうか。進め方と資料の確認ということでございますので、これから審議に入ってまいりましたら、随時、御質問、御意見等、頂ければと思います。
 本日はこの段取りに沿って審議を進めることといたします。
 それでは、議題1に入ります。初めに、事務局より資料1について説明をお願いします。
【山田防災科学技術推進室長補佐】  説明いたします。画面に表示してあります資料1として、「防災科学技術分野研究開発プログラムの進捗状況把握によるプログラム評価(令和4年度)(案)」になります。今日はこれについて御審議していただきたいと考えております。
 これは、防災科学技術分野研究開発プランに基づいてプログラム評価をするといったことになりまして、今回のプログラム評価につきましては、評価の試行を、今期、11期で、1回実施するといったことがミッションとしてあります。また、このプログラム評価自体は2年に1回、実施する予定と聞いております。今回はこの評価の試行をするために、今日の委員会で御審議していただきたいと考えております。
 事前に資料自体は送付しておりますけれども、若干、振り返りとさせていただきたいと思っております。それは、参考資料1-1、こちら、この間、1年半以上前からプランに関しては御審議していただいて、資料も添付したものでございます。これについては、プログラムは2つあります。それは、プログラム達成目標2と3といったものは政策体系の達成目標2と3になります。これに対して、それぞれ対象となる研究開発課題というのが、先ほどの「防災対策に資する南海トラフ地震調査研究プロジェクト」、そして「情報科学を活用した地震調査研究プロジェクト」、そして3つ目が「次世代火山研究・人材育成総合プロジェクト」になります。ただし、次世代火山研究プロジェクトに関しては、前回9月30日の委員会で中間評価を実施したものでございます。また、2つ目のプログラムですけれども、達成目標1がありまして、その内容は、地震調査研究を推進し、成果を活用するとしており、「南海トラフ海底地震津波観測網の構築」が対象となります。これら大きく2つのプログラムに関してプログラム評価をするといったことになります。
 そして、次のページを見ていただくと、これが線表になっています。プログラム2-1、1つ目のプログラムの中に、それぞれのプロジェクトが入っているものになりますし、また2-2で、達成目標1ですけれども、こちらに「南海トラフ海底地震津波観測網の構築」が入っていると。こちらの内容が令和4年8月の時点で決定されたものになっております。
 そして、資料1に戻らせていただきまして、このプログラムを評価するに当たっての、まずは達成目標2-2に関しての評価になっております。これは、プログラム全体を把握するためということが一番大きな目標で、その進捗を本委員会で確認していくといったものになっております。また、このプログラムの指標、つまり、今どういった状況であるかというのを、1つはアウトプット指標といったものがありまして、例えば、後で説明しますが、行政事業レビューなど、そういった既存資料からの指標を用いる。それによって作業量を少なくする。屋上屋を架さないといったことがありましたので、そういったことで、既存資料からのこういったアウトプット指標であり、またアウトカム指標を記載して、そしてその進捗を見ていただくといったことがあります。ただし、行政事業レビューとか、そういったことで、なかなか指標が合わないものも実はありまして、そういったものは改めてプロジェクトごとに追加することも可能であるといったことがあります。
 また、指標だけでは、なかなか数字だけでは難しいので、今回は備考欄に、現在までの進捗状況を記載させていただいております。若干分かりづらいですけれども、それぞれのプロジェクト、ここでは3つのプロジェクトが入っておりますけれども、今の状況を記載させていただいております。
 また、補足ですけれども、今回プログラム評価の中では添付資料として、事前分析表、行政事業レビュー、そして、現在の進捗状況を記載した資料、そういった進捗状況を付け加えることができます。今、画面表示している事前分析表は政策評価に基づくものでして、これ自体は毎年、各省が政策目標と政策効果といったものを、その実績値を記入していく。そして、目標もあります。こういったものも、取組状況を把握するものとして公表されていますので、これ自体もプログラム評価の添付資料として付け加えているものでございます。例えば達成1というのがそれぞれ書いてあります。以下、達成1、2、3といった形で記載があります。
 また、なじみがないかもしれませんけれども、行政事業レビューというのが、国の取組で、国の事業の中では決められておりまして、国の全ての事業について、各府省が毎年、点検、見直しを行うものです。内容は、今回のプロジェクト、なかなか見づらいですけれども、南海トラフ調査プロジェクト、情報科学を活用するプロジェクトといったものが、行政事業レビューに含まれております。そして、この中には予算の執行状況もありますし、指標が、例えば南海トラフ調査プロジェクトに関しては地域研究会等の開催数といったものもアウトプット指標として、行政事業レビューでもあります。こういったものも活用して良いとしてありますので、添付させていただいております。
 行政事業レビューでは、一部こういった指標もありますけれども、後半にいきますと、例えば事業の執行の状況、あと資金の流れ、あと契約者が誰であるかといったものも記載されておりますので、こういったものも今回のプログラム評価では活用させていただいて、添付資料としたものになります。
 資料1ですが、ここは全体を書かせていただいておりまして、何度も言いますが、丸1 といったことで、南海トラフ調査プロジェクトがここでの記載事項になっておりますし、丸2 として、情報科学を活用したプロジェクトの予算の状況とか、あと活動の指標とか、そういったものを記載させていただいております。また3つ目は、丸3 では次世代火山研究プロジェクトになります。こういったものをプログラム評価として記載いたしまして、委員会では、例えばこのプログラムの現状について何かコメントがあれば、委員会でのコメントを追加するといったことも可能になっております。これがプログラム評価の全体になっております。
 また、8ページ以降ですけれども、南海トラフ海底地震津波観測網の構築に関して言えば、研究開発という側面もありますが、観測網の整備ということでインフラ整備の一面もあることが一番の大きなところです。御存じのとおり、整備の途中でありますので、例えばアウトプット指標とかアウトカム指標といったところではなかなか書きづらい、記載できないところもあります。そういったところもありまして、ここでは、行政事業レビューでは記載されていない指標を、例えば、学会等での、N-netについて公表した回数とか、そういったものをここでは記載したものになりますし、備考欄では、整備状況を、簡単ですけれども説明した文言を追加したといったことになります。
 また、若干もう一つ補足しますと、N-netの整備は、当初計画は令和5年度までの整備計画になっております。ただ、令和4年8月に期間の延長を公表しまして、令和6年度までに期間が延長されております。このプログラム評価では、それを踏まえた上で、令和6年度までの整備といったことで記載しております。
 他方、プランの方をご覧いただきますと、プランのN-netの整備は、令和5年度までの線表になっておりまして、こちらは本委員会、研究計画・評価分科会にて審議いただいた後、令和6年度の記載に変更を行う必要がございます。こちらに関しては、担当者より説明もあるかと思いますので、詳細は省かせていただきますが、本委員会にて改めて御審議いただき、プランの変更について御意見いただきたいと思っております。プランにつきましては、予定では例年8月ぐらいに他委員会等も含めて見直しの時期があると伺っておりますので、そういったものも考慮しながら、本委員会にてプランの見直しを御審議いただき研究計画・評価分科会に提出していくといったことを、事務局としては考えております。こちらの資料や今後につきまして、そういった予定でおりますので、御了解いただければと考えております。
 事務局からは以上になります。
【上村主査】  ありがとうございました。なかなか説明を聞いても理解が難しいかなというところもあろうかと思いますけれども、御質問、御意見等ございましたらよろしくお願いいたします。
 では、私のほうで少し補足させていただきます。参考資料1-1の2ページ目を表示していただけないでしょうか。
 こちらを、全体が見えるようにしていただけますでしょうか。ありがとうございます。
 こちらはいつも御覧いただいている図でございます。こちらが、全体の見通しをよくするという意味で非常にいい図になっておりますので、こちらを見ながら補足させていただきたいと思いますけれども、見出しが、「防災科学技術分野研究開発プラン/プログラム」と書いてございます。「計評」と何度か説明の中で出てきておりますのは、研究計画・評価分科会という、この防災科学技術委員会の親委員会という位置づけになりまして、そちらで、どういう評価をするかということの見直しをずっと実施してきていると。それで、ある程度、形になりまして、このやり方でやっていこうというところが見えてまいりましたので、それに沿ってこの評価というところが具体的に進められていると。
 このプランというのがこの紙全体を表しておりまして、プログラムというのが、緑色と黄色の四角の枠2つです。これが2つのプログラム。プランの中にプログラムが2つあって、さらにそのプログラムの中に、矢印の中に書き込まれた、こういったプロジェクトが並んでいます。そのプロジェクトの矢印のところを見ていただいて、さらに2022年の薄い紫色の枠と重なるところを御覧いただけると、「防災対策に資する南海トラフ地震調査研究プロジェクト」というのがちょうどそこにかかっている。それから2番目が、「情報科学を活用した地震調査研究プロジェクト」というのがかかっていて、一番下の、「南海トラフ海底地震津波観測網の構築」というのがかかっています。要するに今年度の今のタイミングで、この3つのプロジェクトが進んでいて、これを我々が進捗を見ながら意見を述べていくということになります。その3つのプロジェクトについて、現在の進捗状況が資料1になります。
 プランというのは先ほどの全体像を表すものでして、その中にプログラムが2つあって、さらにプロジェクトが3つ、今年見るべきものがあるということです。資料1に戻っていただいて、下のほう、「アウトプット指標」と書かれたものが、「丸1 より」、それから「丸2 より」、「丸3 より」というふうに分けられて項目になっておりますけれども、これは後ろに資料がついておりますが、丸1 というのが先ほどのプロジェクトの一番上のプロジェクト、丸2 が2番目のプロジェクト、丸3 が3番目のプロジェクトということで、プロジェクト全体の進捗状況を一覧表として見られるようになったというところが、今回非常に大きな変更かと思います。
 それと、中間評価を各プロジェクトでやっていかなければいけないのですけれども、前回に火山の中間評価をやらせていただきましたけれども、この中間評価というものが非常に負担になっているという声がありました。そこで中間評価に代えて、資料1の一番上を見せていただけますでしょうか。「防災科学技術分野研究開発プログラムの進捗状況把握によるプログラム評価」という、進捗状況を把握することによるプログラム評価を導入しました。それが、この一覧表です。補足になりましたでしょうか。
 ということで、そのほか行政事業レビューとか、資料を出しておりますけれども、これは税金を使っているプロジェクトということで、行政の側のサイドでの評価、研究者の側というより行政の側での評価のレビューを参考としてつけさせていただいたということです。お金の内訳とか流れみたいなものもしっかり、こういう形で公開されているんだというところを御認識いただければよろしいかなと思います。
 すみません。長々と説明いたしましたが、何か御質問、御意見等いかがでしょうか。
 鈴木さん、お願いします。
【鈴木(靖)委員】  気象協会の鈴木です。今の上村先生の御説明を聞いて大体理解したのですが、この資料1の位置づけをお聞きします。進捗状況把握を整理したということで、最後に「プログラム評価」という文言があり、この文書の中に評価がどこかに書かれているかと思って見ていたのですが、今のところは書かれていないようです。そこは今後、何か評価に相当する文言を記載されていくということなのでしょうか。
【上村主査】  これは事務局、いかがでしょうか。
【山田防災科学技術推進室長補佐】  ありがとうございます。先生が御指摘のとおりでありますけれども、例えばここは、私が今お示ししています、プログラム現状についてのコメント(任意)とありまして、委員会でこのプログラムの進捗状況について何かコメントがあれば、ここに記載する箇所がありまして、こういったところで、委員の先生方のお考えとか意見とか、そういったことが、ここで書けるところがあります。
【鈴木(靖)委員】  それは、コメントとして記載するということですね。評価としてまとめた文言を記載する欄はないということなのでしょうか。
【上村主査】  質問の補足をさせていただくと、「評価」という言葉を使う以上は、何かしらの評価があるのではないかという理解をするのが普通です。これまで我々がやってきた中間評価とか、プロジェクト終了後の評価では、「十分に達成している」とか、そういった文言で締めくくっており、明確な結論があるということになっています。それに対して、中間評価に代わる進捗状況評価というのは、評価はないんですかという質問ですよね。
【鈴木(靖)委員】  はい、そのとおりです。
【上村主査】  これは私の認識が違っていたら申し訳ありませんが、いわゆる我々が考える評価というようなものはないと私は理解しております。というのは、良いの悪いのという具体的な結論を出すというよりは、今の進捗状況を委員の皆さんで共有しまして、自由に意見を述べ、それを取りまとめるというよりは、こんな御意見があったということで評価に代えるというふうなものだと理解しております。事務局、いかがでしょうか。
【山田防災科学技術推進室長補佐】  ありがとうございます。上村先生が言われたとおり、そのように認識しております。確かに評価の項目はないですけれども、これらの進捗状況を踏まえて、先生方の御意見、そういったことを踏まえ、こういったプロジェクトがうまく進むように、また担当者もいただいたご意見を聞きますので、そういうところがあるかと思います。ありがとうございます。
【鈴木(靖)委員】  分かりました。ありがとうございます。
【上村主査】  御質問のおかげで皆さんの理解も深まったと思います。ありがとうございます。
 それでは中北先生、お願いします。
【中北委員】  ありがとうございます。先ほどの主査の補足等含めて、かなり理解できたと思います。どうもありがとうございます。
 これも、中身そのものというよりは、注文というかお願いなのですけれども、今回の資料はやっぱり、全体が分かったとしても、分かりにくいです。なので、パワポのスライドみたいな形で要点を本来まとめていただいて、それを説明いただくのがいいと思うんです。この委員会の場で全体、予習したとしてもなかなか難しいところがあって、事情も分からない中で拝見したのですけれども、できたら今後そういうふうな、お示しの仕方を工夫いただけたらいいなと。ちょっと大変だと思うのですけれども、御配慮いただければと思います。
【上村主査】  おっしゃるとおりだと思います。なかなかこれを理解するのは、この時間の中でというのは難しいと思います。事務局と相談しながら、次回以降、今日の会議での論点、それから重要な説明すべきポイントなど、簡単にまとめたものをお出しできるように、相談しながら進めてまいります。事務局、それでよろしいでしょうか。
【山田防災科学技術推進室長補佐】  ありがとうございます。
 上村先生、御指摘ありがとうございます。そういった方向で進めたいと思いますので、ご指摘いただきありがとうございます。
【中北委員】  恐れ入りますが、大変だと思いますけど、どうぞよろしくお願いします。
【上村主査】  ありがとうございました。そのほか、いかがでしょうか。単純に、よく分からないという御質問でも結構です。今、御指摘いただいたように、非常に分かりにくい話になっておりますので、御質問いただくことで皆さんの理解も深まりますので、もしよろしければお願いいたします。小室先生、お願いします。
【小室委員】  ありがとうございます。主査の御説明、それから皆様の御質問で、少しずつ理解を今深めているところでございます。ありがとうございます。
 そして、今、資料1を画面に共有いただいているのですが、赤字部分が大事なところかなと思って読んでみているのですが、そうでもなさそうですよね。この赤字は、特に私たちが理解をするために大事なことというよりも、別のメッセージと理解してよろしいでしょうか。赤字の意図を御説明いただけたらありがたいです。
【上村主査】  ありがとうございます。では事務局、お願いします。
【山田防災科学技術推進室長補佐】  赤字のところですけれども、事務局が記載するときの注意事項として記載しております。
【上村主査】  不親切で本当に恐縮です。研究計画・評価分科会という親委員会から、こういうフォーマットに従ってプログラムの進捗状況の把握をしなさいと頂いているのですけれども、そのときに、この欄にはこういうことを書きなさいということの注釈だと私は理解しております。委員の皆様にこういう資料を出すと、赤字のところが大事だと思うのが普通との御意見はおっしゃるとおりです。そのため、赤字の記載を斜め読みすると大体全体が分かるだろうと思いご確認いただくと、何も書いていないということになってしまいますので、その辺が不親切な部分はありますが、書式にどう書くかというインストラクションだと御理解ください。ありがとうございます。
【小室委員】  ありがとうございます。
【上村主査】  そのほか、いかがでしょうか。
【小原委員】  小原ですけど、よろしいですか。
【上村主査】  お願いします。
【小原委員】  資料1の8ページに記載のN-netの構築についてです。アウトプット指標として、N-netについて学会等で発表した回数とあって、もちろん整備途中なので、そういった数が少ないのは当然といえば当然なのですけれども、そもそも、何というか、研究プロジェクトであれば、こういった学会での発表数というのをアウトプット指標として挙げるのは適切かとは思うのですが、このプロジェクトについては、あくまでもネットワークの構築、観測網の構築という、整備という部分なので、そこには研究要素は、もちろんないということもないのですが、基本的には整備事業なので、そういった意味で、アウトプット指標としてこれを挙げるのが適切なのかどうかというのは、少しよく分かりませんでした。
【上村主査】  事務局、いかがでしょうか。
【大榊地震・防災研究課長補佐】  担当しております地震課の大榊と申します。よろしくお願いいたします。
 小原先生が御指摘のところはおっしゃるとおりでございまして、本事業については、基本的にはN-netをしっかり整備・運用していくという目標の下に実施しているものでございます。一方で、やはり文科省の事業であることも鑑みて、本事業は研究要素がないわけではなく、やはり研究開発のプロジェクトとして実施しているという面も多分にございます。なので、研究プロジェクトとして実施するためにN-netを整備していくというロジックになってございますので、今回のプログラム評価については、その研究要素の部分を強く評価するという前提で御評価いただくという趣旨でございますので、一応、指標上は、つまり一対一対応しづらいという御指摘はおっしゃるとおりですが、今般、研究開発要素を強めたアウトプット指標とさせていただいたという趣旨でございます。
【小原委員】  そういうことですか。それは分からないではないのですけれども、ただ事業としては、研究開発要素の部分よりは、やはりインフラ整備という部分が非常に多いので、何というか、契約された内容を、各年度でちゃんと100%達成したかとか、そういった指標もあってしかるべきかなと思いました。以上です。
【上村主査】  ありがとうございます。非常に重要な御議論だと思います。そもそもの目的は観測網の整備だということを考えますと、アウトプット指標というのは複数の指標を掲げているところもありますので、むしろこれがどうというよりは、追加するというのが妥当なような気がするのですが、いかがでしょうか。何かしらの観測網の整備の進捗に関するアウトプット指標を追加すると。小原先生、いかがでしょう。
【小原委員】  なかなか数字として挙げにくいのは分かるのですけれども、100%なのかとか。
【上村主査】  入れ方はまた検討させてもらいますけれども、むしろアウトプット指標として、事業の目的に合う何かしらの指標を追加する方向で検討するというのではいかがでしょうか。事務局、どうですか。
【山田防災科学技術推進室長補佐】  事務局として異論はございません。
【上村主査】  検討のお時間いただければと思います。先生の御指摘は非常におっしゃるとおりでございますので、事務局と相談しながら進めてまいります。
【小原委員】  よろしくお願いします。
【上村主査】  ありがとうございます。
【山田防災科学技術推進室長補佐】  1点だけ、こちらの指標に関しては委員会でも備考欄がありまして、ここで、定性的ですけれども、状況等を記載していくとありますので、そういったところで、指標だけではなくて現状を定性的なところで書いていくといったこともあります。
【上村主査】  そうですね。両方かなという気がします。どうしても、こういう数字が一覧表になっていると非常に目立ってしまうということもありますし、目的達成を把握するには、それだけでは足りないと思われる指標しかないというのも、少しバランスが悪いように思いますので、また検討していきます。
 ありがとうございました。中北先生、手が挙がっておりますが。
【中北委員】  ありがとうございます。今の小原先生と少し近い質問なのですけれども、今の観測ネットワークのお話ですけれども、事業の目的は整備するということなので、アウトカムはなくてもいいのかもしれないのですけれども、やはりこれの意義として、アウトカムとしてこういうものもあり得るというのは、評価のためというよりは、よりこれが活用されているというようなものをアピールするためにあったほうがいいんじゃないかなと思うんですけどね。このネットワークを利用した研究の発表の数とか、項目の数でもいいのですけれども。それで、昨日もうちで発表させていただいた内容を使って、津波の動きとか波高を出そうという試みとかもやっていますので、思いのほか役に立っているというようにしていただいたらいいかなと思いました。それで、整備されている方も、そういうのを意識しながらやるほうが楽しいと思いますので、ぜひここに御配慮いただければと思いました。
【上村主査】  ありがとうございます。今、お二方から、すごくいい議論をしていただいたと思っているのですが、何をもって評価をするかという、アウトプット指標、それからアウトカム指標に何を入れるかということ自体が、この委員会で議論すべきことだと思っております。こういう指標を検討せよ、あるいはこういう指標をぜひ入れたらどうだと、そういう御意見を頂いて、資料1がどんどんいい形になっていくというのが望ましいことかなと思います。どんどん御意見いただければと思います。ありがとうございました。
 そのほか、いかがでしょうか。小室先生。
【小室委員】  再びありがとうございます。今、2ページ目を見ているのですが、アウトプットの指標に出てくるものよりも、下に出てくる備考のところが、私は非常に重要なことが書いてあるように思いました。備考の真ん中から下に、小さくなってしまいました、「現在までの達成状況・実績」とございまして、そこにいろいろ細かく書いてございます。これらは例えば、一行目に「予測の確立」とか書いてあります。それはもう確立されて、出来上がったということなのでしょうか。ここにいろんな、とてもいいこれをやっていただけたらと思うようなことが書いてあり、それが確立は終わったのか、あるいは進捗状況の途中なのかなというのが明確にわかりません。アウトカムの指標を数字で出すのはもちろん大事でもちろん分かりやすいのですが、ここの書いてある事柄もすごく大事ないいことが書いてございます。こうした進捗状況こそ知りたいと感じます。もしかしたら、これは数字にはなりにくいとおっしゃるかもしれませんが、その辺りをどのようにこれから発展させていただけるのか、何か腹案があれば教えてください。
【上村主査】  事務局のほう、コメントはございますでしょうか。
【山田防災科学技術推進室長補佐】  こちらに記載しておりますのは、それぞれのプロジェクトで現状取りかかっているものでございます。実施が完了したわけではなく、現在実施している状況を記載させていただいております。
【小室委員】  小室ですけれども、もしそうでしたら、それこそ、それを目指して、何年間の計画で、何が半ばまで来たみたいな、それこそが進捗状況ではないかなと、素人的には思いました。以上、コメントです。
【上村主査】  ありがとうございます。すごく大事な御指摘で、やはり備考欄をしっかり読みなさいということもあるし、備考欄そのものの中に、終わったのか、途中なのか、取り組んでいるのかという、この辺りのニュアンスをもう少ししっかり書き込んだほうがいいと。それで、あわよくば、上のアウトプット・アウトカム指標に入れられるようなものが、この中から出てくるかもしれないと。そんな目でこれを見直しながら、より評価しやすいように、見やすいようにということで、やっていけという理解でよろしかったでしょうか。きれいにまとまるかどうかというのはまた難しいところではありますが、頂いた御意見を踏まえて、この辺りのところを丁寧にまとめていくように、事務局と相談していきたいと思います。ありがとうございました。
 そのほか、いかがでしょうか。
 では、時間もございますので、また後で戻って御指摘いただいても結構ですが、ひとまずは次の議題のほうに入っていきたいと思います。
 それでは、議題2に入っていきます。時間の都合上、順番が前後いたしますが、最初に資料2-2、それから2-3についての説明を事務局よりお願いしたいと思います。
【大榊地震・防災研究課長補佐】  それでは、地震・防災研究課の大榊でございます。資料2-2を御覧いただければと思います。
 情報科学を活用した地震調査研究プロジェクト、これは略称STAR-Eと呼んでございますが、このプロジェクトの進捗状況について御説明させていただきます。
 ページをおめくりいただきますと、まず概要でございますけれども、今、地震学、特に地震調査研究の成果で、多様な大規模データというのが出てきているわけでございますけれども、必ずしも十分にそれを活用しているというわけではないという状況でございます。昨今ですと、ITですとかビッグデータ、AI解析といったようなものが、かなり情報科学の分野が発達してきてございまして、従来からの地震調査研究に、こうした情報科学の最新・最先端の知見を取り入れて、地震学にこうした革新的な知見をもたらす新しい手法開発をしていくということを目指すような事業でございます。併せて、こういう分野ですので、若手の研究者がかなり入ってまいりますので、そういった方の育成も視野に入れまして、こうしたプロジェクト内外の研究者に対して広報とか周知を図るという副反応的なものも視野に入れたようなプロジェクトとしているところでございます。なので、プロジェクトの実施体制につきましても、トップに北川先生、情報系の先生を置きまして、その下がアドバイザーという形で、地震学の先生、情報系の先生、それぞれを入れるという体制で事業を実施しているところでございます。
 今、採択課題が、左下にございますように5件ございまして、東大、産総研、東北大、防災科研、統数研ということで、これも情報系の分野と地震関係の分野、それぞれ融合領域を選択されているような先生方が中心に研究を進められているという状況でございます。
 3枚目を御覧いただければと思いますが、今の進捗状況でございますが、実はこれは令和3年度、去年度から開始いたしまして、本年度が2年目でございます。去年も大分遅い時期から開始いたしまして、今、研究の進捗につきましては、随時、論文ですとか発表等がなされているところでございますが、ちょっと上のほうを読ませていただきますと、まさにチャレンジングなプロジェクトでございまして、先ほどもお話しさせていただいたように、若い研究者が割と入っているということで、代表研究者が平均大体40歳ぐらいというところでございます。このプロジェクトは外部有識者の評価を行ってございまして、進捗状況を採択機関から報告。それを評価して、次の研究方針、次年度にこういう研究をしなさいとか、研究の方向性はこうするべきだというような意見具申を致しまして、それをフォローアップしていくということで、丁寧なフォローをしているという事業でございます。
 左下にございます成果でございますが、令和3年度に実施いたしました結果では、例えば人工知能学会とか地震学会という、情報系とか地震系の学会それぞれで、幾つも発表等を実施しているというところでございまして、具体的な数字は読み上げませんが、下に書かせていただいているところでございます。サイエンスも含めた論文創出というのも実施してきているところでございます。
 併せまして、情報系の事業でございますので、ソフトウエアのコード開発とか、そのコードを広く共有いたしまして、地震研究の発展につなげるといったようなことも実施してございまして、例えば、深部の低周波微動を検出するようなコードを開発した、あるいは、いろんな地震活動に適合するような地震予測とか、シミュレーションコードの開発というのを行ってきて、それを内外に展開するということをやってございます。
 広報活動の関係でございますが、右にございますように、定期的に研究フォーラムを開催しておりますとか、あるいは若手向け・学生向けのイベントを実施するということでもって、プロジェクト内外の研究者の方を取り込んでいくということを実施してございまして、令和3年度については、これらを実施したところでございますが、4年度についても、論文あるいは研究成果というのをさらに展開していっているという状況でございます。
 次のページをおめくりいただきますと、次のページ以降に、それぞれの分野の令和3年度の成果が灰色の点で示されてございます。個別に読み上げは致しませんけれども、例えば防災科学技術研究所の研究成果で申し上げますと、真ん中の、令和3年度の主な成果を御覧いただければと思いますが、部分的な情報データなどの場合に予測精度の向上を図るための研究ですとか、あるいは従来の方法では難しかった観測点ごとの特性を示すとか、あるいは東大地震研の成果でありますと、地震研究者の目で微動であると、すなわち今まで手動で実施していたような地震波形の画像データから、AIによって微動の様子を確認することができるようになったというような成果がありまして、こうした成果が着実に進展しているということを、外部評価の委員会でも指摘を頂いたというところでございます。
 簡単でございますが、以上でございます。
【上村主査】  ありがとうございました。
 今の説明につきまして、何か御質問、御意見等ございましたら、よろしくお願いします。
 鈴木先生、よろしくお願いします。
【鈴木(靖)委員】  言葉遣いに関してですけれども、資料の3ページ、4ページに、、「予測」という言葉が使われています。私は気象の出身ですが、気象学では「予測」という言葉はestimationという意味ではなくて、predictionとかforecastという意味で「予測」を使っています。ここに書いてある言葉の中身を拝見すると、恐らく時間方向の「予測」ではなくて、どちらかというと「推定」、estimationに近い使い方をしているように思います。地震の方に配布する資料であればいいのですが、私のような、分野外の者から見ると、「予測」が地震予知みたいな感じに見えてしまうので、その辺の言葉遣いに気をつけられたほうがいいのではないかということをコメントします。
【上村主査】  ありがとうございます。この辺りのターミノロジーはすごく大事になってくるかと思います。これは、事務局からそれぞれの研究者に、こういうコメントがあったということのフィードバックをかけていただいて、それぞれの分野で使い慣れた言葉もあると思いますし、誤解を与えかねないという部分であれば、うまく注釈を入れていただくとか、その辺りに御配慮いただくというところでいかがでしょうか。
【鈴木(靖)委員】  それでいいと思います。
【上村主査】  ありがとうございます。この辺りは本当に、違う分野から見ると全然違う内容になってしまうということはよくありますので、少し配慮するようにいたします。ありがとうございました。
 そのほか、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 では、ひとまず、また先に進ませていただいて、それからまた御質問、御意見を承りたいと思います。
 それでは、資料2-3についての説明をお願いします。
【大榊地震・防災研究課長補佐】  引き続きまして、大榊が説明させていただきます。南海トラフ海底地震津波観測網、N-netの構築でございまして、先ほど資料1-1でも議論になった点でございます。
 概要を簡単に御説明いたしますが、まさに南海トラフ地震の想定震源域のうち西側の部分、高知県沖から日向灘でございますが、ここに、ケーブル式の海底地震・津波観測システムを構築するということでございます。結果的に、このケーブル式の海底地震・津波観測システムでございますが、令和元年度から、当初予定では令和5年度を想定して、5か年の計画で実施しようとしておりましたけれども、後ほど御説明いたします事情によりまして、令和6年度にかけて延長するという状況でございます。
 概要でございますけれども、地震計と水圧計を組み込んで地震および津波を観測できるようなシステムでございまして、こうしたマルチセンサーを備えたようなリアルタイム観測可能なネットワークシステムというものをこの海域に敷設するということで、右側に図がございますけれども、沖合システムと沿岸システムという2方向に分かれてございます。2種類ございまして、物は同じですけれども、沖合のほうと沿岸のほう、それぞれに2系統整備して、遠くの津波、近くの地震・津波をそれぞれ観測することができるということでございます。
 これによりまして、津波の早期検知、例えば津波であれば、場所によりますが、例えば最大20分程度早く津波を直接検知するということもできるようになるというようなシステムでございまして、これが将来的には気象庁の、例えば緊急地震速報などに活用されており、例えばここで、この海域で起きたような大きな地震についても、これを早期に検知する、観測するということができるようになることも期待されているところでございます。これは防災科研のほうに補助金として出させていただいておりまして、防災科研にて整備が進められているという状況でございます。
 もう1ページ、先に進めていただきますと、この整備計画の進捗の状況でございますが、令和5年度に整備完了予定でございましたところ、計画の進捗等を踏まえまして、5年度から6年度にかけて段階的に整備するという方向に変更してございます。
 左下、右下のほうに吹き出しがそれぞれございますが、まさにシステム開発とか検証の段階の中で、新開発の耐圧性能の高い水圧計の安定性を確保するために、当初予定していなかった、実機に近いような、深海を模擬したような環境で模擬試験をするということを実施いたしましたほか、ここに「観測機器の追加試験」と書かせていただいておりますけれども、機器製作の期間短縮を図る一方で、システムの長期安定性のために追加試験を実施するというところでございまして、やはり長期間にわたって継続的に監視すると、かなり海の深いところに沈めて使うものでございますので、長期間にわたって安定的に運用ができるような形に、機器をしっかりロバストな状態にするというために追加の試験等を実施しておりますほか、やはり新型コロナウイルス等の感染症等の影響もございまして、様々、部品等調達等の遅れ等もございましたので、令和5年度に終了予定ではございましたけれども、これを1年ずらしまして、令和5年度、6年度にかけて整備するという形に変更させていただいたところでございます。
 右下にございますように、先ほど申し上げたとおり、沖合と沿岸システムが2つ分かれてございますが、このうち沖合のほうを優先して整備することにいたしまして、沖合のデータを先行して取得して、これを必要に応じて気象庁等にも提供していくような仕組みを考えるということでございまして、なるべく遅れとか影響が少なくなるように配慮しているというところでございます。
 簡単でございますが、こちらも以上でございます。
【上村主査】  ありがとうございました。これについて、御質問、御意見等いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 前田さん、よろしくお願いします。
【前田委員】  NTTの前田です。
 今の5年から6年にかけて段階的に整備というのが、私、企業の人間からすると、かなり緩い計画に見えるんですけど、敷設事業なので、工事を含めて、もっと精査されているべきものかなと思うんですけど、この絵だけ見ると、ちょうど2年後に終わるようなイメージかなと思うんですけど、結構緩い計画で大丈夫なんですかというのが質問です。
【上村主査】  いかがでしょうか。
【大榊地震・防災研究課長補佐】  ありがとうございます。実態を申し上げますと、これは令和5年度から6年度と、図はかなり簡易に書いてございますけれども、防災科研と実施事業者との間で、極めて密に情報共有、情報交換をして、スケジュールの線表はかなり詳細に引いているところでございます。今まさに追加試験等の実施なども順次実施してございまして、その設計結果を基に、ずれがないように、それは実施しているところでございます。特に海洋敷設のところについては、要請の関係等もございますので、スケジュールにずれとか遅れが生じると、それだけ影響が大きくなってまいりますので、その点、ぶれがないように、かなり詳細をしっかり詰めて実施しているところでございますので、そこは御安心いただければと思います。
【前田委員】  分かりました。では、精査中ということで理解しました。ありがとうございます。
【上村主査】  ありがとうございます。そのほか、いかがでしょうか。
 確実にするために、少し期間が延長になってしまうということでございましたが、これはしっかりと安定して信頼できるデータが確保できるようになるということが大事かと思いますので、しっかり進めていただければと思います。ありがとうございました。
 そのほか、よろしいでしょうか。
 それでは、資料2-1について、2-1に戻りまして説明をお願いいたします。
【川畑地震・防災研究課企画官】  地震・防災研究課の川畑でございます。防災対策に資する南海トラフ地震調査研究プロジェクトの進捗について説明させていただきます。
 2ページ目でございますが、このプロジェクトの概要をポンチ絵的に表したものでございます。この事業に関しては3つのサブ課題を用意いたしましてやっていく体制になってございます。
 サブ課題1は、南海トラフでどのような地震活動があるか、地殻活動があるかということを把握して、それがどういうふうに推移していくかを予測するといった研究をするもの。2つ目のサブ課題が、例えば南海トラフで地震あるいは津波が起こった場合に、命を守るため、あるいは社会を守るために、どういう情報発信をしたり、仕組みをつくったらいいかということを研究するためのもの。3番目が、こういった研究成果について、どのように地域に情報発信をしていけばいいかということを検討するための研究をするものでございまして、そういった情報について、国、自治体や企業等に対して、南海トラフ地震の防災対策に貢献するような情報を提供していくことを目的としたプロジェクトでございます。
 次のページに、各課題の役割等を書いてございます。少し詳細を述べさせていただくと、例えばサブ課題1においては、まず、自然現象として何が起こるかということを把握するということをやっておりまして、例えば最新の地下構造モデルを作成して、それを基にして、地震活動がどういったものかを把握したり、あるいはプレートの固着状況を把握するようなシステムをつくったり、あるいは、そういった地殻の状況がどういうふうに推移していくかということをシミュレーションしたり、そういったことをやっているのがサブ課題1でございます。
 サブ課題2に関しては、そういった自然科学でどういうふうに起こったかということを基にしながら、どういった南海トラフの地震が起こるか、いろんな南海トラフの起こり方がありますので、そういったものをシミュレーションして、それを情報基盤という形でデータベース化して、それを基に、どういったシナリオが社会の在り方で起こるかということを想定していくということがサブ課題2でございます。例えば津波避難に関し、命を守るためにはどういった避難行動をすればよいかということを検討するための研究をすること、あるいは南海トラフ地震が起きたときに、企業が事業活動を停止したりして社会が止まってしまうといったことがないように、地域産業を守るためにどうすればいいかということを研究するもの、あるいは、例えば大都市のエレベーターであるとか、そういったものが止まったときに非常に影響が大きいので、そういった大都市の機能を守るために何をすればいいかということを、社会の中でどういったことが起こるかを研究して、それで、どうすればいいかということを検討するための研究をしているということでございます。
 最後のサブ課題3でございますけれども、そういった理学・工学・社会科学の研究成果を、地域にどういうふうに発信していけばよいかということを研究するためのものでございます。地域の防災上、どういった課題があるかということをシミュレーションで示したり、あるいはそういった情報について情報発信検討会という形で地域に発信して、それでいろんな課題を認識していくとか、そういったことの活動をしていくということをやってございます。
 次のページでございますけれども、事業の実施体制としては、こういった形でやっているものでございまして、研究代表者といたしましては、海洋研究開発機構の小平氏が代表者になっております。それ以外にも、例えば防災科研や東北大学、あとは京都大学、名古屋大学、東京大学というような各大学の方々や、地元の香川大学、徳島大学なども参加する体制でやっていくということでございます。
 5ページ以降は、今まで成果を掲げたものでございまして、全てを読み上げるわけにはいかないところがございますので、ざっと簡略に申し上げます。5ページ目に関しましてはサブ課題1ということで、自然科学で何が起こるかを把握するということでございます。
 例えば右側にありますとおり、どこで地震が起こったか、自動的に地震源の位置を決定するためのシステムを開発しているというところでございます。右の図は、1月に起こった日向灘地震でどういった余震活動があったかということを、精度よく位置を決めるためのシステムをつくっているということでございます。
 その下の図は、いわゆるプレートの固着ということで、地震が起きたとき、どういう滑りが起こったかなどということを推定するためのものでして、断層のモデルの不確定性を含めた上での推定を行うということを研究しているものでございます。
 最後の図は、これはまだシミュレーションを行う途中段階のものですけれども、例えば南海トラフの半割れが起こった場合に、どの部分がどういうふうに時間推移していくかということをシミュレーションするためのモデルを今つくっているということです。
 次のページでございますけれども、7ページにまたがって、サブ課題2の状況を説明したものでございます。例えば一番右上の図でございますけれども、津波からの避難に関しまして、今、逃げトレという、避難訓練のツールがございますけれども、個人の避難訓練ツールの情報を集合的に集めまして、例えばどの地域で、どういった人が、逃げ遅れる人がどれぐらい多いかということを、視覚的に把握するシステムをつくっているということでございます。
 その次の、下の図は、例えば南海トラフ地震が起こったときに、どれぐらい断水が発生するかということを予測して、断水の復旧という、時間的な復旧のタイムスケジュールも加味した上で、どういった被害が起こり得るか、経済的損失がどれぐらいかということを算出するためのモデルをつくっているということでございます。
 その右下の図でございますけれども、これは、いわゆる災害が起こったときに、どういった事象が因果関係としてあり得るかということを把握するためのシステムでございまして、例えば新聞記事などで、地震が起こったときに、どういった社会的現象が因果関係としてできているかということをデータベース化して、それで何が起こるかということを予測するためのシステムをつくっているということでございます。
 次のページの上のほうが、サブ課題2の最後の課題でございます。どういう地震が起こるかというシナリオをシミュレーションしまして、そういったシミュレーションの結果を格納して、いろんなパターンの地震が起こるということをつかめるようにするものをつくっているということでございます。右の図ですけれども、これは南海トラフで、いわゆる西側の半割れが起こった、その後に、次にどういった地震が起こるかということをシミュレーションしたものでして、どれぐらいの揺れなのかを確率的に評価したものでございます。
 最後のサブ課題3でございますけれども、これは先ほど申したような結果を、要は地元、地域に還元していくものでございます。例えば右の図にあるのは、情報発信検討会というものを地元でやっておりまして、そういった中で、いろんな情報を発信していくことをやっているということでございます。
 最後のページは、今回のプロジェクトのこれまでの成果を、論文数や、検討会の開催についてまとめたものでございますけれども、令和2年度と比べて3年度は増加傾向にあるということで、今年度も引き続きやっていくということでございます。
 以上、簡単ではございましたけれども、プロジェクトの進捗状況は以上でございます。
【上村主査】  ありがとうございました。今ほど、資料2-1について御説明いただきました。
 中北先生、手が挙がっております。よろしくお願いします。
【中北委員】  御説明ありがとうございました。すごく面白い内容というのでお伺いしました。特に2-1の関連で少しお伺いします。最後のほうの、地方自治体、企業と、非常に大事なところ、面白いところをやられているのですが、これは今、河川の堤防の脆弱性の話を取り入れていただいたということで、同時に、同じような理由で、ジオハザードといいますか、斜面崩壊とかも地震で起きますよね。北海道ですごいのがありましたけど、あの辺りは南海トラフ関連で影響を受けるエリアでは重要ではないでしょうかという質問をさせていただいてよろしいでしょうか。お願いします。
【上村主査】  いかがでしょうか。
【川畑地震・防災研究課企画官】  ありがとうございます。今の段階でそういう斜面崩壊をやっているということを、私のほうで把握はしておりませんけれども、そういったことも重要であることはプロジェクトの担当者にも伝えて、検討いただくようにしたいと思います。
【中北委員】  ありがとうございます。気候変動絡みも含めて、雨で地面がぬれている機会も高くなってくるということを考えると、複合災害として結構大事なものとして、気候変動絡みの人間としては取り上げてきているところですので、またその方向性も御検討いただいたらいいかなとは思いました。どうぞよろしくお願いします。
【上村主査】  ありがとうございます。まさにこのプロジェクトの進捗評価という、先ほどの説明の延長で、具体的なお話を説明していただいておりますので、中北先生のコメントのような形で、こういう視点も大事ではないかというようなことを御自由に御発言いただいて、それをフィードバックしていくというのは非常に重要かと思いますので、中北先生、ありがとうございます。すごくいいコメントのサンプルになったような気がしますので、ほかの委員の先生方からも、こういう感じでコメントを頂ければと思います。よろしくお願いします。いかがでしょうか。
 小室先生、いかがでしょうか。
【小室委員】  小室です。サブ課題2あるいはサブ課題3のあたりで、従来からいろいろ出てきたと思うのですが、総合知、文理の融合というところが、このサブ課題2・3のところで、ようやく出てきたように感じました。ですので、ここの辺りも進捗しているということですので、今後も、どうぞこのまま順調に進捗していただくよう期待したいと思います。
【上村主査】  ありがとうございます。応援を頂いたということかと思います。ありがとうございます。そのほか、いかがでしょうか。
 永松先生、お願いします。
【永松委員】  まさに今、小室先生におっしゃっていただいた部分というのは、すごく社会科学の面目の立つ部分で、すごく期待しているところがあるのですけれども、少し細かい話になって恐縮なのですが、6枚目の資料の2(d)なんですけど、言わば、ここで言うビッグデータというのは、避難訓練を繰り返してというようなことかと思います。ただ果たして訓練のデータを使って、実際の災害時に、避難が要・不要の判断というのはできるようになるのだろうかというのは、率直な、一体どうやってこれをやるのだろうかという実現可能性も含めて、疑問に思ったところがございます。
 以上です。
【上村主査】  ありがとうございます。直接、研究者に語りかけられる委員会ではないので、介在してしまいますけれども、事務局のほうからこういうコメントがあったということでフィードバックをかけていくことになるかなと思います。事務局、何かコメントがありますか。
【川畑地震・防災研究課企画官】  ありがとうございます。こちらにつきましては、先ほど申し上げた、いわゆる逃げトレというもので訓練をして、その訓練のデータを集合的に集めて、どこで誰が、どういう人が逃げ遅れたかということを判断するというようなツールになってございます。名前が、「要不要診断ツール」と書いてありますけれども、実際の使い方としても、例えば自治体で、どういう属性の人が逃げ遅れが多かったとか、ではそういうときにどういう対策をすれば、それをもう少し減らせるとか、そういった使い方のほうが一番多いかと思います。どちらかというと、いわゆる自治体あるいは住民の方が例えば避難に対しての意識を高めたり、自治体の方がどういう対策をすればいいかということを判断するためのツールとして使うということを、主には想定しているところでございます。
【上村主査】  起きてしまったときのリアルな動きというのを本当に予測するというのは至難だとは思うんですけど、インプットデータとして、ちゃんと妥当で実効性のあるアウトプットが出てくるのかというのは、本当に永遠の課題のような部分もあろうかとは思いますが、やはり出口として実効性のあるアウトプットにつながるようなことを期待するという意味でも、有効なアプローチをしてもらいたいということかと思います。永松先生、補足がありますか。もう少ししっかり伝えておきたいという補足があれば。
【永松委員】  いえ、研究しておられる方もよく存じておりますので、いい加減な研究ではないだろうという信頼はあるのですけれども、この文章を読むと、逃げていい、いけないという判断をどうやってするのだろうかと疑問に思いました。むしろ、恐らくここで言っているのは、先ほど説明があったように、訓練をやっていく中で、このエリアだったら何分で逃げられるみたいなことが経験的に分かってくる中で、そういったものを判断の材料にしようということなのだろうなとは理解したのですけれども。
一応、この書きぶりに少し違和感があったものですから。以上です。
【上村主査】  そうですよね。しっかり、訓練というところを踏まえてフィードバックして、よりよくしていくというプロセスをちゃんとやってくれよということも含むわけですね。ありがとうございます。
 それでは、鈴木さん、手が挙がっております。よろしくお願いします。
【鈴木(靖)委員】  私も、サブ課題1から3までのそれぞれのテーマについて、もう少し詳しく中身を知りたいと思います。今日の時点では難しいと思いますので、できれば委員会の附属資料として、各テーマの研究代表者から、パワポを整理したものを添付資料としてつけていただければ、皆さんの委員の理解も深まったのではないかと思います。次回以降、配慮されたほうがいいと思います。
【上村主査】  ありがとうございます。進捗状況を報告していただくということなのだけれども、過度にまとめ過ぎずに、もう少し生な結果みたいなものを資料として出していただけるほうが理解しやすいだろうということでしょうか。
【鈴木(靖)委員】  そうです。
【山田防災科学技術推進室長補佐】  目黒先生、手が挙がっていますので、どうぞ。
【目黒委員】  では、よろしいでしょうか。
 今ちょうど画面に映し出していただいているものの、2(f)などがその典型だと思うんですけど、災害時の都市の機能を維持するというようなモデルというか、そういう研究をするということで、一番右側の「主な成果」で掲げられているものの丸ポチの2つ目とかが、エレベーターの障害から復旧に至るまでのシミュレーションというのが唐突に書かれている印象がありますけど、エレベーターの障害の問題が重要ではないと言うつもりは全くないんですけど、この問題が、都市の、しかも大都市の機能の維持とか復旧のために、最初に取り上げられるということからすると、かなりずれているんじゃないかなと。もっと大きな都市の機能というのは、エレベーターで支配されているとは思えないですよね。もっと大きなフレームワークというか、都市の機能は何で維持しているのかとか、そういうのが、それが最初の丸ポチでどれぐらい分析されているのか、今のここでは見えないので、何とも言えないですけど、目的にきちんと合致しているような研究活動が、やっぱりこの緑色のところには、主な成果として、ある程度のプライオリティーがついて書いてあったほうが、評価したり見たりする側にとっては分かりやすいのではないかなという印象を持ちました。
 以上です。
【上村主査】  ありがとうございます。掲げたテーマが非常に大きいですから、その中で、重要度の高い順にしっかりやっていくべきではないかということでしょうか。あと、成果の部分もあれですね。重要度の高い順に整理をして、まとめるべきではないかということでよろしいでしょうか。
【目黒委員】  結構です。
【上村主査】  ありがとうございます。それでは、また事務局でその辺りを記録していただいて、フィードバックをかけていただければと思います。ありがとうございました。
 先ほど、大変失礼しました。
 そのほか、いかがでしょうか。
 よろしいでしょうか。先ほど御説明いただいた資料2-2あるいは2-3に戻っていただいてコメントを頂いても構いませんが、いかがでしょうか。
 三隅さん、お願いします。
【三隅委員】  日本大学、防災科研の三隅です。
 STAR-Eですか、若手研究者を登用して研究代表者にしているということで、大変結構なのですけれども、一般的に、研究課題代表者になると自分では研究できなくなるというのが私の経験なのですが、質問としては、こういう研究代表者、若手研究者が研究に専念できるような環境といいますか、研究に専念できるような何か工夫をしているのかどうかということと、あと、これは課題を募集する段階で、何か年齢制限みたいなものを設けてそうしたのかということを、ちょっと教えていただきたいのですが。
【上村主査】  事務局、いかがでしょうか。
【大榊地震・防災研究課長補佐】  担当の大榊でございます。御質問ありがとうございます。
 まず1点目の、研究の専念のところでございますけれども、御指摘のとおり、やはり比較的若手の先生方でいらっしゃいますので、お時間があまりないということもございます。なので、なるべく定型的な、よしあしはあると思いますけれども、定型的な成果報告等にして、あまり先生方に御負担にならないような課題進捗管理というのをやらせていただくということを、1つは目標にしているところでございます。
 併せまして、研究フォーラムなどのイベントがございますが、そちらへの参画も必須には必ずしもしてございません。一方で、こういうイベントとかに参加されることで、横のつながりとか連携も深まりますので、そこは先生の御発案に基づいて御参加いただけるような形を取っているというところでございます。
 もう一点目のご質問でございますが、年齢制限のほうは特にかけてございませんが、やはり分野の状況に鑑みて、情報科学と地震学という、比較的、地震を扱っている先生で、情報系にも御関心の高い先生となると、比較的年齢層が若くなっていく傾向にございますので、制限はかけてございませんが、結果的に、採択した結果、比較的若い先生が研究代表になられたというところでございます。
【上村主査】  三隅先生、よろしいでしょうか。
【三隅委員】  どうもありがとうございました。了解いたしました。
【上村主査】  マネージャーとプレーヤーと両方やるというのはとても大変ですので、過度の負担にならないようにうまく配慮しながらやっていくということで、引き続きよろしくお願いいたします。
 そのほか、いかがでしょうか。
 先ほど説明しましたように、「評価」という言葉を使ってはおりますけれども、進捗状況を委員の皆様に共有して、率直な御意見を頂いて、それをフィードバックをかけていくということで評価に代えるという趣旨かと思いますので、遠慮なくコメントを頂いて、それの個別によしあしだとか、みんなで意見を統一してだとか、そういうプロセスはございませんので、頂いた意見を、フィードバックをかけていくということでいきたいと思います。御発言、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 予定よりもまだかなり早くて、時間がかなり残っておりますが、全体を通して何か御質問、御意見等ある方は御発言をお願いいたします。目黒先生、お願いします。
【目黒委員】  評価指標についてなのですけれども、小原先生からも御指摘がありましたけど、私も少し違和感があったので補足させていただきたいんですけど、プロジェクトが研究そのものを扱っているのであれば、研究成果の発表というのは当然重要だと思うのですが、研究のための様々なデータを取る環境の整備とか、あるいは体制を整えるというようなタイプの研究というかプロジェクトもあると思うんですけど、その際に同じような指標で評価すると、やっぱり質が違うものを同じ物差しで評価するというのは少し違和感があるんです。ですから、例えばデータを取るような環境を整備するというものに関しては、データがちゃんと取れましたというところまでは、そのプロジェクトの関係者がきちんとやるべきことなので、これはデータが取れましたよというところまで、それを発表するのはカウントしてあるべきだと思うんですけど、そこから後の研究までを環境整備する人たちに問うのは、少し酷だと思います。
 それをやってしまうと、広く多くの人たちに使ってもらうということに、むしろ阻害というか弊害が起こることもあるので、やっぱり評価すべきは、そこで取れましたという。あとは、それをどんどんオープンにして、その取れたデータを使った研究が、これぐらい世の中に、何というんですか、出回ったというか、パブリケーションとしてそれが使われているというエビデンスがこんなにありますとかというほうに、やっぱり重きを置いていくべきだと思うんです。なので、そういう指標がちょっと、今のままだと、プロジェクトによっては不足ぎみなのかなという印象です。
 それから、あと環境を整備するというようなタイプのものは、整備されたことによって今までと違ったような活動が生まれたというのを説明することのほうが、やっぱり本来の目的からいっても大切なことなので、そういうのを酌み取れるようなパラメーター設定ですとかインデックスづくりだとか、そういうことをぜひされると、それに関わっている方々が、本来の目的に集中して仕事をしていただけるのではないかなという、そんな印象を持ちました。
 以上です。
【上村主査】  ありがとうございます。全くそのとおりだと思います。そもそものプロジェクトの目指すべきところと、目的、目標に合致する形での指標設定を見直していくと。これはもう随時、見直して追加して、また議論して追加してということでいいような気がするんです。事務局、いかがでしょう。
【山田防災科学技術推進室長補佐】  ありがとうございます。おっしゃるとおり、まだまだ今回、試行で始まったものですので、やはり今後とも引き続き検討しながらブラッシュアップしていく。それが必要と感じておりますので、引き続き、ご教示いただければと思っております。我々事務局、検討してまいりたいと思っております。ありがとうございます。
【目黒委員】  よろしくお願いします。
【上村主査】  ぜひ、目黒先生はじめ委員の皆様からも、こんな指標を入れたらというアイデアも含めて頂けるとありがたいと思います。ありがとうございました。
 毎回この議論をするときには、こういう指標で測ってみてはいかがかということは継続して議論していきたいと思います。目黒先生、また御指導をよろしくお願いします。
【目黒委員】  1点追加しますけど、影響というのはプロジェクトの時間内で出てこないケースも多いので、それもちゃんと考えていただきたいんですよね。そうしないと、それを出さなきゃいけないというと、誰でも考えるようなことを、誰よりもちょっとだけ早く出そうみたいな話になっちゃって、あまり研究として本当に意味あるものが出てこないようなことに誘導してしまっているような気もするし、なおさらそこに若手が関わると、若手の人たちは、落ち着いて一生懸命考えて、深い研究をするということからすると、もう全く逆の方向に進めてしまっているようなところもあるので、評価の時間、タイミングというのもちゃんと考えていただかないと、ミスリードするような気がします。以上です。
【上村主査】  ありがとうございます。足の早い研究にみんなが走ってしまっては本当に本末転倒ですので、やっぱり意味のあるしっかりした成果を出して、それで、我々自身もこの評価の数字がどういうタイミングで出てくるのかということを、やっぱり冷静に見極めながら評価していかなくてはいけないなと改めて思いました。ありがとうございました。
 そのほか、いかがでしょうか。
 すごく重要なコメントをたくさん頂いたと思います。この指標の議論は継続してやっていきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。
 全体を通して、どなたかコメント等いかがでしょうか。
 ちょっと珍しくといいますか、今日は予定よりもかなり早く進んでおりますが、特に御意見がなければ、今日の委員会はここまでとしたいと思いますが、よろしいでしょうか。
 それでは、事務局から何か連絡等ございましたら、よろしくお願いします。
【山田防災科学技術推進室長補佐】  ありがとうございます。本日御審議していただいたプログラム評価は研究計画・評価分科会に提出する必要もあります。ただ、なかなかこれから、先ほど言いましたように、継続してブラッシュアップしていくといったことがありますので、まだ試行の段階です。引き続き、その辺をもう少し追加して修正していくといった形になるかと思っております。令和5年1月に予定がありますので、それに向けて、こちらで調整していきたいと思っております。
 また、次回の委員会は令和5年1月に予定しておりまして、それは改めて御連絡したいと思っております。
 事務局からは以上になります。
【上村主査】  ありがとうございます。
 最後になりますが、各委員から何か御発言はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、以上をもちまして本日の委員会を閉会といたします。どうもありがとうございました。
 
―― 了 ――

 

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