防災科学技術委員会(第56回) 議事録

1.日時

令和4年9月30日(金曜日)10時00分~11時30分

2.場所

オンライン会議にて開催

3.議題

  1. 防災科学技術政策の現状等について
  2. 次世代火山研究・人材育成総合プロジェクト中間評価について
  3. その他

4.出席者

委員

上村主査、小原主査代理、大原委員、大湊委員、熊谷委員、小室委員、鈴木(博)委員、鈴木(靖)委員、関口委員、中北委員、永松委員、前田委員、三隅委員、目黒委員、森岡委員

文部科学省

原大臣官房審議官(研究開発局担当)、小林研究開発局地震・防災研究課長、井上地震火山専門官、吉田研究開発局地震・防災研究課防災科学技術推進室長、山田研究開発局地震・防災研究課防災科学技術推進室長補佐 他

オブザーバー

環境防災総合政策研究機構
藤井環境・防災研究所長

5.議事録

【山田防災科学技術推進室長補佐】  定刻となりましたので、ただいまより第56回防災科学技術委員会を開会いたします。このたびは、委員の皆様におかれましてはお忙しいところ御出席いただき、ありがとうございます。
 本日は、委員16名中、現時点で14名御出席いただいており、定足数を満たしております。
 最初に、文部科学省に人事異動があり、9月1日付で千原研究開発局長、8月15日付で吉田防災科学技術推進室長が着任しております。また、前回の委員会にて御紹介いたしましたとおり前阪委員に代わり、奥見委員に御就任いただいております。
 Web会議となっておりますので、会議資料につきましてはお手元のPCで御覧ください。また、議事録作成の都合上、発言の際は、前回同様、冒頭にお名前をおっしゃっていただきますようお願いいたします。
 それでは、以降の議事の進行は、上村主査にお願いいたします。
【上村主査】  皆さん、おはようございます。いよいよ秋になってまいりましたけれども、よろしくお願いいたします。
 本日の議題は防災科学技術政策の現状等について、及び次世代火山研究・人材育成総合プロジェクト中間評価についてでございまして、特段非公開とすべき事項はないものと思います。これ以降の議事につきましては公開とすることにしたいと思いますけれども、よろしいでしょうか。
 御異議ある方は特におられないようですので、それでは、公開で進めさせていただきます。
 それでは、傍聴される方がおられる場合には、事務局にて接続の手続をお願いします。
【山田防災科学技術推進室長補佐】  完了いたしました。
【上村主査】  議事に先立ちまして、冒頭、御紹介がありましたけれども、防災科学技術推進室の室長として吉田様が着任されたということですので、一言御挨拶をお願いいたします。
【吉田防災科学技術推進室長】  御紹介ありがとうございます。文部科学省防災科学技術推進室長を拝命しました吉田と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
【上村主査】  ありがとうございます。
 では、本日の配付資料及び審議の進め方等について、事務局より説明をお願いします。
【山田防災科学技術推進室長補佐】  ありがとうございます。
 それでは、御説明いたします。本日の取り進め方といたしましては、防災科学技術政策の現状等について、そして2つ目に、次世代火山研究・人材育成総合プロジェクト中間評価についての2点になります。
 最初に、防災科学技術政策の現状等につきましては、情報提供として、防災科学技術分野における来年度の概算要求、防災科研の事業評価、そして、研究開発プランを御紹介した後、前回4月の防災科学技術委員会で御議論いただきました「当面の科学技術政策のあり方に関する提言(案)」に関しまして、委員のコメントをいただきました。そして、主査預かりとなっていましたので、本日はその確定版として御紹介いたします。
 次に、次世代火山研究・人材育成総合プロジェクトの中間評価(案)につきまして、御審議いただきたいと考えております。
 それぞれ事務局より御説明し、御意見をいただければと考えております。
 事務局からは以上になります。
【上村主査】  ありがとうございます。
 ただいまの事務局の説明について御質問等ございましたら、よろしくお願いいたします。
 よろしいでしょうか。ありがとうございました。
 それでは、本日はこの段取りに沿って審議を進めることにいたします。
 早速ですが、議題(1)に入っていきたいと思います。事務局より、資料1から3について説明をお願いします。
【山田防災科学技術推進室長補佐】  ありがとうございます。
 それでは、最初に資料1から御覧いただければと思います。資料1は、地震・防災研究課の来年度の概算要求になります。こちらの個々の事業につきましては、特に御説明は控えさせていただきますが、次の2ページ目を御覧ください。
 こちらが、要求の全体概要になっております。自然災害に対する強靱な社会に向けた研究開発の推進ということで、来年度の概算要求の全貌になります。この中で見ていただくのは、2つの大きな「拡充」という言葉がございます。まず1つは、海底地震・津波観測網の構築・運用に関しての拡充、昨年度より増要求になります。また、基礎・基盤的な防災科学技術の研究開発の推進、こちらも拡充で、増要求をしております。詳細については御覧いただいて、文字の色が青色になっている、例えば南海トラフの新たに開発・整備と、また、DONETの運用の経費を増要求となります。そして、研究開発に関しても、デジタル技術を活用して研究開発といった内容になっております。
 以降のページにつきましては、詳細、それぞれの施策が書いてありますけれども、説明を省略させていただきます。
 次に、資料2を御覧いただきたいと思います。資料2は、独立行政法人通則法に基づきまして、国立研究開発法人の業務の評価になります。防災科学技術研究所の業務の評価をいたしております。こちらは、その概要を記載したものになります。
 まず、見ていただくと、8月末に文部科学大臣から大臣評価が出されたものになります。今年度は2つの評価を実施しております。1つは、防災科研の令和3年度における業務の実績に関する評価になります。2つ目は、防災科研の現行の第4期の中長期目標期間である平成28年度から令和4年度までの7年間のうちの、その期間終了時に見込まれる業務の実績といたしまして、見込評価を実施しております。
 その結果は、この資料の今見ていただいている1ページ目に、まず、令和3年度の主務大臣年度評価になりますけれども、主務大臣の評価として総合評定はAとなっております。評定Aというのは、少し細かく書いてありますが、「研究開発成果の最大化」に向けて顕著な成果の創出や将来的な成果の創出の期待等が認められるものとしてA評価となります。標準がBですが、A評価をいただいたものになります。これは、令和2年度の年度評価と同様の結果となっております。
 それぞれの項目ごとに評価がされておりまして、総合評定に関してはお示ししております。以降、細かく項目があります。
 9ページを見ていただきたいと思います。9ページは、先ほど説明した見込評価の結果になっておりまして、主務大臣評価で総合評定はAになります。見込評価を今年実施していますが、結果としてはA評定となっております。
 そして、詳細につきましては、お手元の参考資料2と3です。既に公開されている資料になっておりまして、そちらを御覧いただければと思います。これが業務実績の評価になっております。
 次に、資料3-1を御覧ください。こちらは4月22日、前回の防災科学技術委員会で御議論いただきまして、その後も委員からコメントをいただきまして、それを主査預かりとして反映させていただいたものになります。委員の先生方からいただいたコメントを概ね反映した形になっておりまして、日付を9月30日として、本日の委員会で確定版としたいと思い、(案)を取った形でお示ししております。資料自体が直前の送付になってしまい、申し訳ありません。改めて読んでいただければと思います。
 また、資料3-2を御覧ください。資料3-2は、前回の委員会で、概要的なものが必要ではないかというコメントをいただきましたので、この提言の概要をそれぞれのキーワード、項目ごとに並べまして、代表的な文言をこちらで記載して、こういったそれぞれの、例えば「基本的な考え方」から「防災のデジタル化や情報の取り扱い」、そして「多様な主体との連携や人材養成の支援のあり方」等々、それぞれの項目ごとに、御発言いただき、また記載いただいた内容をこちらにまとめた形になっておりまして、こういった概要を、今回初めて作成いたしております。
 以上、提言に関しての御説明になります。
 次に、大変恐縮ですけれども、研究開発プランについて簡単に御説明いたします。参考資料4になります。こちらは4月22日の防災科学技術委員会でもお示ししたものでして、そのときは(案)になっておりました。内容はほぼ一緒になっております。これは、4月に御審議いただきまして、そして、8月の計画・評価分科会において決定され(案)が取れたものです。本委員会以外でも、それぞれのプランが8月に決定されました。防災科学技術分野研究開発プランとして(案)が取れ、それぞれこういった形になっております。これによって、今後、これに基づいて研究開発課題を評価していただくことになります。
 次のページを御覧ください。こちらも4月の委員会でもお示ししましたが、本日は次世代火山のプロジェクトの中間評価、2回目の中間評価を実施していくといったことで示しております。また、今年度末の予定ですけれども、首都圏を中心としたレジリエンス総合力向上プロジェクトの事後評価を予定しております。また、それ以外のそれぞれのプロジェクトは、文字が小さくて申し訳ありませんが、防災対策に資する南海トラフ地震調査研究プロジェクト、あと、情報科学を活用した地震調査研究プロジェクト等があります。今年度、評価に向けてやっていきたいと思っております。参考資料5を御覧ください。
 これは、参考資料5になりまして、7月に研究計画・評価分科会から依頼をされたものになっております。先ほどのプランがありまして、その下のプログラムの評価を今年度、試行すると、実際にやってみるということを依頼されております。今年度中にプログラム評価の、4月にもお示ししましたけれども、様式がありまして、フォーマット表がありまして、それを事務局でたたきをつくりまして、御審議していただく……。今、御覧いただいているこういった様式を、4月にもお示ししましたけれども、4月の段階でも我々のプランを記載した案がありましたけれども、これに基づいてプログラム評価をしてみるといったことで、今年度、準備をしたいと思っております。
 そして、参考資料6を御覧ください。本日、中間評価がございますが、この参考資料6は、令和4年3月に改定したもので、これも4月にはお示ししておりますけれども、改めて今回の火山プロジェクトの中間評価に基づく様式に関しまして、これに基づいて、準拠するような形で、本日準備した形になっております。事前評価、中間評価、事後評価とそれぞれの形式になっておりまして、前回の令和元年度と比べ、若干の修正が入っている形になります。ただし、今年度はこれに基づいて実施していくことになりますので、御覧いただければと思います
 以上、情報提供と、提言の取りまとめについて説明させていただきました。私からは以上になります。
【上村主査】  ありがとうございました。
 盛りだくさんの資料でございまして、なかなか難しいかなと思いますけれども、資料1が概算要求の防災科学技術関係という動きでございます。資料2が、防災科学技術研究所の見込評価ということでございます。資料3が、長い時間をかけて皆様から御議論いただきました提言です。最終案ということで、本日をもってこの(案)を取りたい、それと3-2の資料の概要版を皆さんにお示ししたということでございます。
 参考資料4、5につきましては、この委員会の親委員会に当たります研究計画・評価分科会から、こういう考え方で評価をしなさいと、こういう書式に従って報告を上げなさいという書式がメインでございますので、そのあたりについては、事務局のほうでしっかりとこの会の議論を取りまとめる際に、留意して上げていくようになりますので、それほど細かなところまで御理解をいただく必要はないかなとは思いますが、こういう形で、こういう観点で評価をするということについて一通りのお目通しをいただければと思います。
 それでは、今の事務局の御説明に関連して御質問、御意見等、いかがでしょうか。
 小原先生よろしくお願いします。
【小原委員】  小原です。ありがとうございます。
 質問は、資料2の外部評価、見込評価についてですけれども、私、ほかのところで外部評価をやっているので、ちょっと気になったところがあるので教えていただきたいのですが、中長期目標の後半のほうです。総合評定で結果としてAになっていますけれども、法人の自己評価としてはS。これがワンランク下がったということの理由としては、そこには、「社会実装への道筋が十分に明確化されていない事業が一部みられる」と、それで、「なお一層の努力が求められることから、A評定とした」と書かれていますが、その下の細かい項目を見ていくと、自己評定から1ランク下がっているのは1つだけで、人材育成ですかね。そこの人材育成のところがワンランク下がった評定となっていて、先ほどのメインの文章にあった、社会実装への道筋が十分に明確化されていないということと、ちょっと違うのかなと思いましたので、そのあたり、どこを見たらワンランク下がった評定の理由が書かれているかというのを、教えていただきたいと思いました。
【上村主査】  事務局、いかがでしょうか。
【山田防災科学技術推進室長補佐】  事務局です。ありがとうございます。
 先生の御指摘、まさにそうなっておりますけれども、この評定に関しては、防災科研部会で御議論をいただいておりました。ここに書かれた総合評定のところで、「なお」以降、「期間を通じて多くの顕著な成果の創出が認められるものの、社会実装への道筋が明確化されていない事業が一部みられる」といったことで記載しております。また、先生が御指摘いただいた人材育成のところは、SからAとなっております。
 これに関しても、評価ですので、この場で細かくは説明ができませんが、この評価自体、全体の評価をする際に、やはり部会での御議論が結構ありました。ただし部会としては、部会の御意見の中では、今後への期待というのが非常に大きくて、そして、今回は法人の自己評価はSですけれども、部会としての審議の結果としてはAといったことで、今後に期待ということでAとした次第になります。また、それが大臣評価の段階で決定に至るわけですけれども、その中でも、親の委員会での御審議がありましたので、今後の期待を込めてこのAの結果であったと、事務局は理解しております。
 確かに記載の文言が足りないというのは先生がおっしゃるとおりで、そこの部分はもう少し、こちらも説明を記載すべきところはあったと考えております。
【上村主査】  小原先生、いかがでしょうか。
【小原委員】  ありがとうございます。実際には部会から法人に対しては、言葉で詳細な説明があったものと理解していますけれども、それで法人のほうは納得したものと思いますけれども、この文章だけ見ると、これだけで自己評定から下がるということが、かなり納得しにくいと思いましたので、できればこういった文面でもそれが明らかになるようにすると、いろんな方々が理解できるのかなと思いました。
 以上です。
【山田防災科学技術推進室長補佐】  ありがとうございます。
【上村主査】  ありがとうございます。この委員会で評価しているわけではないので、なかなか難しいところはありますが、ここの総合評価の文章ですね。これがSからAになるということについての納得できる記述については、要望するということかなと思います。ありがとうございました。
 中北先生、よろしくお願いします。
【中北委員】  どうもありがとうございます。おはようございます。
 1つは、今、小原先生が御質問されたのと同じことをお伺いしようと思いました。ありがとうございます。
 もう一つは、資料3-2で、あり方に関する提言のところで、まずはお礼なんですけれども、「気候変動分野と防災分野の研究開発の効果的な連携のあり方」を取り上げていただいて、大きな物の考え方も入れていただいて、非常にありがたいと思いました。
 まだこれからになるのかな、また相談もさせていただければと思うんですけれども、今の時点で少し具体的なところ、何かイメージされているところがもしありましたら、コメントをいただくことができればと思いました。またこれから考えていかれるところだと思いますけれども、もしありましたらよろしくお願いいたします。
【上村主査】  ありがとうございます。この部分について、事務局として今後という部分ですね、何か予定があればという御質問かと思います。よろしくお願いします。
【山田防災科学技術推進室長補佐】  ありがとうございます。先生、御指摘いただいてありがとうございます。
【中北委員】  こちらこそありがとうございます。
【山田防災科学技術推進室長補佐】  確かに、ここの気候変動分野と防災分野の研究開発の効果的な連携、非常に大事だとは認識しております。ただ、具体的には、明確には答えられず、申し訳ないと思いますが、ここは大事と思っております。今後、ご教示いただきながら連携をさせていただきたいと思っております。引き続き、検討していきたいと考えております。
【中北委員】  ありがとうございます。のりしろがたくさんあるということで、また一緒にディスカッションをさせていただければと思います。どうもありがとうございました。
【山田防災科学技術推進室長補佐】  ありがとうございます。
【上村主査】  ありがとうございました。
【中北委員】  どうもありがとうございました。
【上村主査】  それでは、気象協会の鈴木さん、よろしくお願いします。
【鈴木(靖)】  ご説明ありがとうございます。私からはこの資料3-2と3-1について、少しコメントと情報共有をしたいと思います。
 この資料3-2、概要を作っていただき、非常にありがとうございます。とはいえ、ざっと確認しますとやはり非常に文字が多くて、もう少し減らせないものかと感じています。例えば、ここにアンダーラインが引いてあるところが、重要なポイントとして強調しているという位置づけだと思うのですが、できるだけアンダーラインのところだけを残すような工夫をして、文字を減らしたほうが、分かりやすいのではないかと思います。
 また、資料3-1ですけれど、確定版ということでよろしいのですが、これに関して情報共有が1つあります。こちらの98行目のところです。そこに、「サイバー空間を活用するなど、一人一人へ「これから何が起こるのか」を具体的に想定できるような情報提供の仕組みを構築する」とありますが、これに関連したような議論が、総務省の研究会でも行われています。
 文科省の方は御存じかもしれませんが、委員の中には御存じない方も居られると思いますのでお話しします。総務省に「Web3時代に向けたメタバース等の利活用に関する研究会」というのがあります。この間、9月16日に第2回目が開かれました。後ほどこのリンク先をチャットでお送りしますが、ここではメタバースを使った教育やシミュレーター訓練という話がされています。その中に東大の雨宮先生が、メタバースでしかできないこととして、リアルを超える効果があるということとか、あるいは低頻度・高リスク事象の再現ができるということなどが書かれています。これからまさに極端な自然災害によるリスクに備えるに当たって、それを、実際に現実として起きる前に仮想的な疑似体験をして防災訓練とか避難訓練をする、そういうことが今後求められていくことが書かれています。
 そのようなサーバー空間を活用した研究を、防災科研でもしっかりやっていただければよいと思います。
 以上です。
【上村主査】  ありがとうございました。
 まず、1点目の3-2のほうの文章量を減らすということですが、これも非常によい御提案かと思いますけれども、事務局のほうで、これをもう少しアップデートするという時間的余裕といいましょうか、可能性というのはありますでしょうか。
【山田防災科学技術推進室長補佐】  御指摘ありがとうございます。確かに先生おっしゃるとおり文字が多いと。申し訳ございません。修正をしたいと思いますので、お時間をいただければと思います。完成しましたらまた先生方に共有するといった形にしたいと考えでいます。
【上村主査】  ありがとうございます。
【鈴木(靖)】  よろしくお願いします。
【上村主査】  そうすると、流れとしましては、3-1までは、今日ぜひ皆さんの御了解をいただきたいと。3-2についてはもう少しお時間をいただいて、もう少し練り上げたものにしたいということかなと思います。
 それから、2点目ですけれども、情報提供をありがとうございます。本当にすばらしい情報をいただきまして、リアルを超える時代が来るのかというすばらしい、夢もありますし、非常にその可能性もありますし、そのあたりもぜひ今後のプログラムの計画立案という段階で、考慮させていただければいいのかなと思います。ありがとうございました。
 これに関して事務局、何かコメントありますか。
【山田防災科学技術推進室長補佐】  総務省の検討会の件、こちらは全く承知しておらず、大変ありがたいと思っております。情報共有していただきまして、ありがとうございます。
【鈴木(靖)】  チャットでお送りしましたので、皆さん御覧ください。
【山田防災科学技術推進室長補佐】  ありがとうございます。
【上村主査】  ありがとうございました。
 それでは、永松先生、よろしくお願いします。
【永松委員】  ありがとうございます。資料3-1と2に関連してですけれども、非常によくまとめていただきまして、感謝を申し上げたいと思うんですけれども、これはどういう形で公開されるのかというところを少し確認させてください。例えばこの委員会のページが、ウェブサイトにあるのでしょうが、そこに提言として出るということなのでしょうか。この概要の部分だけを見ていると、これは一体誰が作ったのかとか、何のために作ったのかということが、この資料だけでは出てきません。改めてこの資料というのが一体何なのかというのを私なりに整理をすると、この委員会は、単に事務局から出てきた議案を審議して、いい、悪いを述べるだけではなくて、もう少し今後の防災科学技術政策の方向性みたいなものにコミットしていきたいという思いの表れだと理解しているのですけれども、それが伝わるような公開の仕方をして頂きたく、この点についてどのようにお考えなのかということを、質問させていただきたいと思います。
【上村主査】  ありがとうございます。これは事務局に聞いたほうがいいかな。よろしくお願いします。
【山田防災科学技術推進室長補佐】  ありがとうございます。まず、この公開の仕方ですけれども、今考えておりますのは、この防災科学技術委員会のホームページ上に掲載することになります。また、概要は資料3-2の、こちらの誰が書いたとか、そういった位置づけだとか、確かにこれ一つだけが出ていくと、何か分からないといったところもありますので、事務局としましては、資料3-1と3-2をワンセットでホームページ上に公開していきたいと考えております。
 また、その活用の仕方は、確かに先生がおっしゃるとおりの御指摘があります。やはり去年1年間をかけ、そして、これまでの1年半になりますけれども、先生方にいただいたコメントをこのようにまとめることになりまして、それを防災科学技術政策に活かすことが非常に重要なところで、こちらでできることは、例えば文科省で言えば予算要求や、防災科研であれば、それぞれの研究の内容を、これを参考にしながら、先生方の御意見を踏まえながら研究を進めていくとか、また他の機関、これを作るに当たっては環境省や内閣府防災に照会をかけて作っていきましたので、そちらにも参考に見ていただくとか、より連携が広がるかと思っております。以上になります。
【永松委員】  ありがとうございました。よく理解できました。
【上村主査】  ありがとうございます。省庁のいろんなこういう文書関係は、ホームページに載せていくという形になろうかと思います。多くの場合はというか、普通は、こういう提言と概要版と並べて掲載しますので、そんなに突拍子もないところにということはないですが、3-2だけが確かに流通するという可能性も否定できません。ですから、誰が、誰に向けて、何のためにかというのはある程度しっかりと、3-2だけでも読み取れるように、これは改定の時間をいただけるようですので、もう少し検討してみたいと思います。ありがとうございました。
 それでは、大原先生、お願いします。
【大原委員】  大原です。取りまとめいただきまして、ありがとうございます。資料3-2についてコメントさせていただきます。
 3-2だけを見ていますと、どれぐらいの将来の時間スパンを視野に入れた提言なのかが、ぱっと見て分からないのを少々気にしております。重要と書かれていることを、数年以内にやろうとしているのか、10年以内にやろうとしているのか、数十年以内にやろうとしているのか、この資料だけからだと少し分かりづらいのかなと思っています。
 また、基本的な考え方の4行目の「中長期的な持続性を維持していく」という記述における中長期という言葉も、長期とは10年と思っている人もいれば、30年と思っている人もいるので、そういう視点で見ますと、資料をこれだけ見たときに、時間スパンがイメージできるような補足をいただけるといいと思います。
 以上です。
【上村主査】  ありがとうございます。全く御指摘のとおりだと思います。どれぐらいのスパンでの目指す目標なのかというところ、もう1回全体を精査しまして、また皆さんに御提案をするときに御確認いただいて、仕上げていくということにしたいと思います。
 事務局、それでよろしいでしょうか。
【山田防災科学技術推進室長補佐】  ありがとうございます。先生方のおっしゃるとおりでありますので、イメージできるような内容にしたいと思います。ありがとうございます。
【上村主査】  ありがとうございました。
 そのほか、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 ありがとうございました。
 特に御質問等が出なかったところではありますが、参考資料4と5、ここら辺に関わることもありますが、この分野別研究開発プランについては、8月の研究計画・評価分科会で決定している内容になりますので、今まで評価指標としておりました研究開発計画は廃止。議題2の中間評価より、この参考資料にあるプランに沿って事業評価を実施していくことになります。この部分についても御了解いただければと思います。
 ここについて、何か御質問、御意見等いかがでしょうか。
 この次のページを見せていただいてよろしいですか。なかなか、何度回説明を聞いても、いま一つぴんとこないという方も多いんじゃないかと思うんですけれども、この紙全体がプランで、下に緑色、それから黄色で囲われた大きな枠、これがプログラム、その中にプロジェクトが入っているという構造になっております。プラン、プランと言っているのは全体ということになります。
 御質問等いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 ありがとうございます。
 それでは、これに沿って進めていきたいと思います。
 では、次の議題に参ります。議題2につきまして、事務局より説明をお願いします。
【山田防災科学技術推進室長補佐】  ありがとうございます。お手元の委員限りの資料を御覧ください。画面に表示させておりません。
 次世代火山研究・人材育成総合プロジェクトと委員の関係についてです。案がついております。お手元で御覧いただければと思います。
 委員の名簿の下に丸印をつけております。つけさせていただいている委員は、委員の御本人もしくはその所属機関が課題に参画しているという条件で、詳細につきましては、下の参考に書かれております①から④に該当する方になっております。公平・中立性の確保のため、当該委員におかれましては、委員会としての評価決定に加わらないものとするということになっております。他方、該当委員におかれましては、質疑応答の場面、また、説明資料、中間評価案の事実関係の確認という意味で、評価に関わらない部分に関しては、御発言いただいても一向に構いません。
 事務局から補足させていただきました。以上となります。
【上村主査】  ありがとうございます。今、事務局から説明がありましたとおり、本議題における審議につきましては、「委員会としての評価決定に加わらない者」という者に該当する委員は、大湊委員のみと事務局では確認しておりますが、その他の委員で該当する方はいらっしゃらないということでよろしかったでしょうか。
 ありがとうございます。
 それでは、本議題については、そのように進めることといたします。
 初めに、研究担当者である藤井先生より、プロジェクトについて御報告いただきます。
 それでは、藤井先生、よろしくお願いします。
【藤井所長】  プロジェクトリーダーの藤井でございます。資料4に基づいて御説明をさせていただきます。
 この次世代火山研究・人材育成総合プロジェクトは、御嶽山の噴火災害を契機に作成されたプログラムであります。2ページ目を御覧になっていただきたいのですが、次世代火山研究推進事業というものと、火山研究人材育成コンソーシアム構築事業という2つの事業から成り立っております。この事業の内容につきましては10ページ以降の資料で御説明いたしますが、事業の目的・目標というのは、その下段に書いてある3つのことです。直面する火山災害への対応、火山噴火の発生確率を提示する、それから、広い分野での広範な知識と高度な技能を有する火山研究者を育成すると、こういう3つの目標がございます。
 次のページに移らせていただきますが、このプロジェクトの実施体制でございますけれども、先ほど申し上げた次世代火山研究推進事業、それから、人材育成コンソーシアム構築事業ですけれども、それぞれの中に火山研究運営委員会、あるいは人材育成運営委員会が形成されておりまして、それぞれの運営委員会で有識者を含めた会議が開かれ、意見交換、あるいは情報の共有というものが行われると同時に、この2つの事業が、人の交流も含めて連携して進められております。
 この事業の総括をする部分に総合協議会というものがありますが、2つの事業の一体的な運営方針について協議をいたします。この中に、これまで火山噴火緊急観測部会というものを置いておりました。それは、噴火の予兆が把握されたときや、あるいは噴火が発生したときに、直ちに専門家を派遣したり、あるいは緊急観測の実施を検討するための部会でありましたけれども、今、文部科学省のほうで火山機動観測実証研究事業というものが動き始めましたので、こちらのほうに吸収する形で、この部会は令和3年度の末に廃止をしております。
 このプロジェクト全体に関して、外部の有識者から成る評価会が、右上のほうに書いてありますがつくられまして、毎年、研究実績のフォローアップと、それから、中間評価を行っております。先月に、7年目の中間評価会が開かれております。
 次のスライドを使って、具体的な研究推進事業の実施内容についてお話をいたします。
 次世代火山研究推進事業は、1つは左側に書いております「先端的な火山観測技術の開発」、これは課題Bと呼んでおりますが、この中で、そこの下に4つほど項目が書いてあります。1つは、宇宙線によって生成される素粒子ミュオンを用いて、火山透視技術を開発すること。2つ目が、リモートセンシングを利用して火山観測技術を開発すること。3番目が、噴火に先立って先行することの多い火山ガスを観測あるいは分析することによって、火山活動の始まりや、あるいは推移の把握技術を開発する。それから、4番目が、多項目・精密観測、機動的観測によって火山内部構造・状態把握技術等を開発するということにしております。今の4番目についてはまた後ほど、もう少し詳しくお話をいたします。
 それから、そのほかに火山観測に必要な新たな観測技術の開発ということで、これは、火山観測ではいつも雷による被害というものが、どの火山観測においても問題となっておりますが、雷に対して強い位相シフト光干渉法というものを用いて、電気回路を持たない火山観測方式を検討・開発するということを進めております。
 それから、真ん中の上のほうになりますが、火山噴火の予測技術の開発ということ、これは課題Cと呼ばれておりますけれども、3つのグループから成ります。火山噴出物の分析によって、火山事象がどういうふうに分岐するのか。爆発的な噴火になるのか、あるいは溶岩流を出すような噴火になるのかといった、そういう事象の分岐を予測するための手法を開発するということをやっております。それから、真ん中の部分が、これは火山噴火の噴火履歴、あるいは推移を解明するために、過去の噴出物をボーリング、あるいはトレンチ調査、あるいは、これまでと同じような地表調査等を組み合わせて調査をするという方向で進んでおります。これについては、また後ほどもう少し御説明します。それから、3番目に書いてあるのは、上に書いたようなことから得られた事象に至るプロセスを数値シミュレーションで再現する、それによって火山ハザードの予測をするという研究を進めております。
 それから、右側の火山災害対策でありますけれども、これは、噴火発生時の状況をリアルタイムで把握することを主要な目的として、ドローン等を使った研究を進めております。それから、主に自治体の防災担当者に向けて、火山防災対策のための情報ツールを開発しております。それから、このDグループとしての3番目ですが、リアルタイムの火山灰放出量の把握と、それから、火山灰の堆積状況の予測手法というものの開発を行っております。
 今の3つのグループで得られた観測データを、一元化したプラットフォーム上でグループ間で共有するネットワークの構築というものが、課題Aとして成立しておりますが、これについては次のスライドで御説明をいたします。
 各種観測データの一元化というタイトルの下に、JVDNと我々は呼んでおりますが、火山観測データの共有システムを既に開発して、平成31年から運用を開始しております。この中に登録されているデータは、中段の真ん中を見ていただくと分かりますけれども、我が国の火山研究、観測研究を行っているほとんどの大学のデータと、研究機関、あるいは気象庁、それから自治体の研究機関のデータからなり、我が国の火山観測データの殆どがこの中で既に共有される状態になっております。ほかにも、先ほどのCグループのボーリング試料のデータなども、ここを通じて共有するということを行っております。もう一つ重要なのが、その右下のほうに書いてありますが、噴火が起こったときに火山灰がどこにどのように降り積もっているかというデータの共有です。噴火時は、いろんな機関、あるいは研究者によって、即時に火山灰調査がなされるのですが、そのデータの共有ということがこれまでほとんどできておりませんでした。昨年10月の阿蘇山噴火の際に降灰状況の調査が、国交省、あるいは大学の研究者を含めて様々な機関によって行われましたが、それをこのJVDNシステムを使って共有するという、言わば実証実験を行いまして、実際にうまく働くということが証明されております。現在、登録ユーザーがどういう人かというのは、そこに円グラフにありますけれども、研究者だけでなく一般からのアクセスも可能になっております。
 それでは、次に参ります。先ほどの課題Bのうちから、複数の火山での機動的な観測、あるいは様々な観測によって、特に御嶽山の噴火で問題になった、これまで火山噴火の中でも非常に解明が難しいとされてきた水蒸気噴火が卓越するような様々な火山について、構造探査等の研究を行いました。それが左というか、下の段に書いてありますが、例えば草津白根、箱根、あるいは霧島、ほかにも蔵王山とか倶多楽とかで行い、その結果、それぞれの火山の地下構造の詳細が分かってまいりました。
 これらを比較することによって、こういう水蒸気噴火が卓越するような火山における地下構造の特徴が、非常に明確になっております。右側の部分に従来のモデルと書いてありますけれども、非常に定性的なモデルで、これまで水蒸気噴火というものを理解していたのですが、更新されたモデルというところにあるように、今の水蒸気噴火が卓越するような火山では、どういうふうな構造になっていて、またどの部分の圧力が高まって、地殻変動を起こしたり、あるいは地震を起こす場がどこにあるのかということが、非常に明確に分かるようになってきました。このモデルに従って噴火の切迫性を評価する手順というものを、今提案しているところでありまして、今後の水蒸気噴火が新たに起こるような場所での適用が、試されると思っております。
 次に、課題Cの中のトレンチ調査やボーリング調査等による噴火履歴の解明という部分について、御説明をいたします。これまでの火山の調査というのは、個々の研究者が山を歩き回って、露頭といいますが、崖を見つけて、そこの記載から噴火履歴を読み取るという作業が、いろんなところで行われてきました。今回このプロジェクトによって、ボーリングを行ったり、あるいは重機によるトレンチを行うことができるようになりましたので、日本の主要な火山に多くの研究者が集まって、こういう手法を活用して噴火履歴の研究を行っております。
 それによって、新しい事実が幾つも発見されておりますけれども、それらを統合することによって、各火山で右下にあるような噴火事象系統樹、過去にどういうことが起こってきたのかということが分かっておりまして、これは活動の推移予測に使えるようになります。それから、各噴火によってどの程度の量のマグマが放出されたのかということを表すような、時間-積算噴出量階段図というものが作られておりますので、これによって中長期的な予測が可能な状態になっています。
 下の分岐に関しては、先ほど申し上げたように、C1グループとC3グループがシミュレーション等、あるいは物質科学的な解析によって、この分岐の条件というのは地下におけるどういう現象に相当するかということを、求められるようになりつつあります。
 課題のDの災害対策技術の開発でありますけれども、この中で、桜島を中心とした火山灰の把握のことを御紹介いたします。左上には、XバンドMPレーダーを火山に配置すると、噴煙のダイナミクスがこれによって把握できるようになることを示しています。噴煙の到達高度なども瞬時に分かるようになっております。桜島ではしょっちゅう噴火が起こっていますが、その時に火山灰がどういうふうに、どのくらいの量、どこまで分布するかということが、社会にとっては非常に重要なわけですけれども、それを把握するための手法として、今の噴煙高度の観測から求めるとともに、あるいは、噴火に至るまでの地殻変動の量と地震活動のエネルギーに着目した火山灰噴出率経験式というものをつくり上げました。
 これと、実際に桜島にディスドロメータという降灰量を観測する装置を展開し、実測を行いまして、これとの整合性が非常によいということはそのグラフに書かれています。そのことを確認しましたので、今では、これらを使って、噴火が始まった途端に、次にどういうふうに火山灰が分布し、どのくらいの量がたまるということが予測できるようになっております。
 今、申し上げたのは、ブルカノ式噴火という、桜島でしょっちゅう起こっているような噴火に対する火山灰のシミュレーションですが、連続的に火山灰放出が続く噴火の場合においても、これと同じように予測ができるシステムが、今年度中には多分完成するだろうと思います。
 それから、最後に、人材育成コンソーシアム構築事業の御紹介をいたします。それぞれの大学にいる火山研究者というのはごく少数なので、その下で火山研究者を育成するというのは、分野的に非常に限られたことになるのですけれども、この研究人材育成コンソーシアムを構築することによって、受講生が所属する大学の専門分野にとどまらない、広い分野での火山学を系統的に学ぶ環境を整えることができました。やっていることはそこに書いてありますが、火山セミナー等の座学のほかに、国内外のフィールド調査に行って、分野の違う研究者からの授業を受ける、あるいは研修を受けるということを進めております。
 コンソーシアムの参加機関としては、その下に書いてありますが、これまで火山観測に携わってきた大学だけでなく、火山地質の研究や、火山地形学の研究をやってきた大学も協力機関として加わって、非常に多くの大学が関係して、広い分野での火山学を学べる環境が整っております。
 最後に、どういうふうにこの人材育成プログラムで人材が出てきているかということを簡単に書いてありますが、研究関連で11名、それから、国・地方自治体が21名というふうに、かなりの数が研究や防災分野のほうに進んでいるという結果が得られております。それから、左下のほうに、火山研究を行っている大学院生の数を書いておりますけれども、このプログラムが開始後、博士課程、修士課程の学生数も増加し、特に顕著だったのは、このプログラム開始とほぼ同時に、日本火山学会の学生会員というものが急増いたしました。それが、真ん中のオレンジ色で書いてあるものなのですが、右下にちょっと下がっている、3年間下がっているのは、コロナ禍のために対面での学会がなかなか開かれなかったことなどが影響して、減っているのだと思いますが、多分すぐに復元するだろうと思われます。
 以上が、火山人材育成プログラムの進捗状況でございますけれども、これは先ほど申し上げたように、8月に評価会による評価を受けております。それについては、事務局から簡単に説明があると思いますので、お願いします。
【井上地震火山専門官】  事務局でございます。皆様のお手元に、委員限り資料としまして、火山プロジェクトの中の評価会で行っております令和4年度の中間評価について、その結果をお配りしております。こちらはまだ未公表の資料になっておりますので、取扱いには御注意をお願いいたします。こちらでは、各課題、サブテーマに関する評価結果を、1枚目にお示ししております。
 各評価の基準につきましては、2枚目に評点の意味などを書いておりますけれども、評価結果につきましては、それぞれAが所期の計画と同等の取組、Sが所期の計画を超えた取組ということになりますけれども、各課題はSあるいはAとして、それぞれ高く評価をいただいているところですので、参考までご報告いたします。
 以上です。
【上村主査】  ありがとうございました。
 ただいまの事業説明について、御質問等ありましたらお願いします。
 小室先生、お願いします。
【小室委員】  小室でございます。御説明ありがとうございました。素人の私でも何か少し分かったような気になるような御丁寧な御説明、ありがとうございました。
 私からの質問の観点は、総合知に関するものです。今日も事前の、前の部分での説明で、当面の防災科学技術政策のあり方に関する提言の中で、総合知というのをうたっておりました。そして、今見せていただいた資料の中でも、2ページ目の一番右下に、「理学にとどまらず工学・社会科学等の」というふうに、総合知につながるような記述がございました。
 ただいまの御説明の中で、一番最後の火山研究・人材育成コンソーシアムのお話の中では、他分野の学生も、院生も入ってきているということがございました。ただ、課題AとかBとかC、そのあたりのところでは、この幅広い分野の研究者、あるいは研究というところがどのように反映されているか、もしお分かりでしたら御説明いただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
【上村主査】  いかがでしょうか。
【藤井所長】  課題Aに関して申し上げますと、先ほど言いましたように、例えば一般からの参加、あるいは登録をすれば、課題Aを通じて各研究課題の成果を見ることができるように、あるいは、データを共有することができるようになっております。実際に、一般の方も既に登録をされております。
 社会科学等の教育に関しては、今おっしゃったとおり、コンソーシアムの中では、社会科学などの講義もありますし、それから、インターンシップとして自治体への業務内容の研修ということも行っておりますが、ほかの研究課題そのものに関しては、やはり火山学を中心としたものが主体となっていますので、ここでほかの分野の方が多く参加するというような形にはなっておりません。ということで、御質問に答えたことになりますかね。
【小室委員】  ありがとうございます。よく分かりました。
【上村主査】  ありがとうございます。この火山プロジェクトが、2016年度から2025年度までというかなり長期のプロジェクトになっておりまして、今回、2回目の中間評価のタイミングになっているということでございます。
 この総合知という言葉が出始めたのが昨年からということですので、総合知という表現は、まだ当時はなかったということではあるんですけれども、こういった「社会科学等も含めた」という記述にはなっておりまして、とはいえ、この防災科学技術委員会としては、昨今の状況としては、総合知というキーワードを非常に大切にしていこうという流れになっておりますので、今後には、ぜひそういう期待を含めてメッセージを送るということでもいいのかなという気がします。ありがとうございました。
 そのほか、三隅先生、よろしくお願いします。
【三隅委員】  日本大学の三隅でございます。御説明ありがとうございました。
 火山研究者の絶対数が少ないというのが大きな問題だということは、私も20年ぐらい前から聞いておりまして、まさにその問題を解消するのが、このプロジェクトの大きな目標の1つかなと思いました。
 学生の教育プログラムを充実させることによって火山を専攻する学生さんがかなり増えてきたというのは、大変結構なんですけれども、一方で、そういった教育を受けた学生さんの受入先のポストといいますか、それは研究職はもちろんですけれども、民間企業も含めて、そういった火山の専門家が活躍できる場所が増えていかないと、当初の火山研究者の絶対数が少ないという問題がなかなか解消できないのかなと思うんですけれども、その受入先のほうを増やすような努力といいますか、あるいは結果といいますか、その辺を少し教えていただければと思いました。お願いいたします。
【上村主査】  ちょうど資料を出していただいておりますので、このあたり、御説明いただければと思います。
【藤井所長】  当初はこの人材育成プログラムは、大学の修士課程を対象に、基礎コースと応用コースというものから成っておりましたが、4年ほど前から博士課程にも発展コースというものをつくりまして、そこの卒業生がもう既に出始めたところであります。そういう研究者が、これは令和3年度までですけれども、研究関連分野に11名が就職をしていまして、大学の研究所、あるいは防災科技研といった研究機関、こういうところに行っております。
 それから、もう一つは、国・地方自治体21名と書いてありますけれども、この中に例えば山梨県というところがありますが、これは、山梨県が火山行政職という新たな行政職をつくりまして、そこにこの人材育成プログラムの卒業生が既に採用されております。それ以外に、山梨県には富士山科学研究所というのがあって、そこで研究者の定員を今増加しているところでありまして、かつては2名しかいなかったんですが、今、任期付も含めて9名の火山研究者を擁しておりますから、そういう受入先も今、拡大をしつつあります。
 それから、気象庁にかなりの数のこのプログラムの卒業生が、これは公務員試験を受けてということでありますけれども、入っているという実態がございます。
 そういう意味で、研究者の育成がこのプログラムの目標でありますけれども、プログラムを終了した方が火山に関わる分野に就職しているということで、それなりに人材の確保に結びついていると思いますが、大学の中のポストは決して増えることがございませんので、その分はほかの分野で何とか確保するしかないかなと思っております。
 以上です。
【三隅委員】  どうもありがとうございました。着実に成果が上がっているということで、了解いたしました。
【上村主査】  かなり順調と見ていい数字かなという気はします。ありがとうございました。
 それでは、前田さん、お願いします。
【前田委員】  前田でございます。御説明ありがとうございました。
 火山分野は私も素人なので、少し教えていただきたいんですけれども、御説明いただいた中では、技術に関する説明はかなり網羅されているかと思うんですが、私が知っているところでは、今観測されている火山というのは、全部ではないと把握しています。要は観測されていない火山もたくさんありますし、あと海中ですね、海の中の火山、また未知の火山もあると思うんですが、こういったところへのアプローチというのは、今回の説明にはほとんど触れられていなかったんですが、どういった考えをお持ちなのか、少し教えていただければと思います。よろしくお願いします。
【上村主査】  藤井先生、お願いします。
【藤井所長】  日本の中には、今おっしゃったように、たくさんの火山があります。一応気象庁で、最近1万年間に噴火したことのある火山は、将来的に噴火するだろうということで活火山と認定して、111ございます。そのうちで、気象庁が発足以来観測をして異常現象を捉えたことのある火山を中心に、50の火山を選んでおります。それは、過去100年ぐらいの間に異常現象が起こったということは、今後100年ぐらいのうちに噴火活動につながる可能性が高いと認定して、気象庁が24時間体制で観測をしております。
 その中には、確かに海底火山については含まれていないんですね。これは一つのネックでありますが、含まれていないというか、そこの海底火山に観測装置がつけられておりませんが、近くの火山島での観測で把握することも考えられます。例えば軽石が沖縄にたどり着いて問題になった、昨年の福徳岡ノ場ですね、これは硫黄島にある観測装置でモニターをしておりますし、それなりに把握できているところはあります。もちろんほかにもたくさんの海底火山があって、直接観測ができていないところは多くあります。今のところ、まだそういう観測手法が火山観測として採用されていないですけれども、別の島に別の目的で設置していたハイドロフォンによる観測を通じて噴火を把握するというようなことも、我が国ではやっておりますので、そういう手法を使うことはありうるかと思います。この間トンガで起こった噴火についても、我が国の観測装置でトンガ噴火の発生を把握したり、推移を人工衛星を使ってきちんと明確にするということも、今のプロジェクトに参加している機関の中で行っております。
 観測装置は、気象庁と、それから各大学が保有する観測装置によって行われていますが、大学のほうは、御存じのようになかなか観測の維持や何かが厳しくなっておりまして、今後、もっと別な形での観測を広げる必要があるかと思います。
【前田委員】  ありがとうございます。御説明いただいた中で、新しい観測技術で素粒子ミュオンを使ったとかありましたけど、こういうのができれば海底火山も観測できるようになる、このような理解でよろしいですか。
【藤井所長】  ミュオンというのは、あくまでも山体の比較的浅い部分しか分からないですね。それから、観測装置が海底に置けるかどうかというのは、私はまだ把握できていません。海底でミュオンの測定装置は不可能ではないと思いますが、そのときに、水の深さによると思いますけれども、そういうものを設置できるかどうかは分からないし、通常の火山でも、大体山頂部から数百メーター程度まではミュオンが通過できますが、それより深い場所、我々がマグマだまりと言っているようなものは、例えば数キロから10数キロの深さにありますが、そういうところを見ることはできないですね。だから、そういう点では仕分をしていかないと、どういう役割分担をするかということを考えていかないといけないとは思っております。
【前田委員】  状況はよく分かりました。ありがとうございました。
【上村主査】  ありがとうございました。
 時間が少し厳しくなってまいりましたので、今手が挙がっている中北先生、それから目黒先生、お二方からの御質問をお受けして、次に進みたいと思います。
 まず、中北先生、簡潔にお願いします。
【中北委員】  どうもありがとうございます。このプロジェクトでやはり大きなのは、火山災害対策というのが入った。すなわち火山学だけじゃなくて火山防災まで入っているというところが、僕はすばらしいところだと思っています。桜島もそういうような形で進めておられ、防災研の桜島もそういう形で進めているんですけど、レーダー水文学、レーダー気象学、あるいは土石流の専門家であったり、それから、ドローンの観測だと、例えば気象協会のうちの寄附講座がそこに参加しているとか、裾野がすごく広がっているということを評価したいと思います。
 今回の人材育成の貢献のところに、いわゆる旧火山学のコミュニティーが増えるというのも大事だし、その裾野が増えることというのもすごい大事なので、そこの裾野が増えた部分の評価も見えるようにしていただくと、このプロジェクトの価値がより世間にも分かるようになると思いましたので、もしそこが十分でなければ、ぜひ御考慮いただければと思いました。
 以上です。
【上村主査】  かなり積極的な応援のメッセージと受け止めました。
【中北委員】  はい、そうです。
【上村主査】   藤井先生、いかがでしょうか。
【井上地震火山専門官】  すみません、御質問いただいたかと思うんですけれども、少しこちら、音声が一部切れておりましたので、上村主査から藤井先生にどうでしょうかといただいた部分を、もう一度お願いできないでしょうか。
【上村主査】  中北先生、どうも音が伝わっていなかったようですので、もう一回応援をいただきたいということです。
【中北委員】  分かりました。今回の火山災害対策がこのプロジェクトに入っているというのはすばらしいことで、単語としては火山防災という言い方もできると思うんですけれども、いわゆる今までの火山学だけじゃなくて、レーダーで言うと、レーダー水文学、気象学、それから、あるいは土石流の関係性が火山の降灰、何というんですかね、火砕流の研究とか、いろんなものが総合化されてきているということで、そこがこのプログラムの成果の大きな一つだと思いますので、先ほど出たコミュニティーが増えていっているというところに、いわゆる火山学の枠内での、もちろん増えるのも大事ですけれども、裾野が広がることによるコミュニティーの増加も、どんどん積極的にカウントして訴えていっていただければと思います。というのが応援のメッセージでございますので、どうぞよろしくお願いします。
 京大の防災研の中でも、火山防災の連携研究ユニットができております。これも、このプロジェクトの流れの中でこういうふうな動きになっていると思いますので、ぜひ火山防災を積極的に進めていただければと思います。よろしくお願いします。
【上村主査】  いかがでしょうか。
【藤井所長】  どうもありがとうございます。応援をありがとうございました。
 実際に今お見せしている図でも、これまでの狭い火山学だけではなくて、気象災害とか、そういう分野も含めた形で今研究を進めておりますので、そういう裾野が広がっているということも含めて、今後ちゃんとアピールをしていきたいと思います。よろしくお願いいたします。
【中北委員】  ぜひよろしくお願いします。どうもありがとうございました。
【上村主査】  人材育成の出口側のほうでもまさに広がりがあって、社会に人材が還元されていくという、非常に大きな期待も含めてという御意見と受け止めました。ありがとうございました。
 それでは、目黒先生、お願いします。
【目黒委員】  よろしいでしょうか。藤井先生、どうもありがとうございます。
 今お示しいただいているスライドの左下のグラフを理解したいので、少し御説明をいただきたいんですけど、この図を見ると、プロジェクトが始まった平成28年から人数が増えているということで、修士で言うと、そのときに60人いるので、2年間の時間を考えると定員30人ぐらい、日本全体で修士が30人ぐらいいたのが、今これが80人ちょっとになっているので、40人プラスアルファぐらいに増えたと、そういうふうに理解しているんですけど、それが正しいのかというのと、それから、修士と博士を足した人数と火山学会の学生会員を見たときに、これは何というんでしょう、このプロジェクトの始まる前は、修士や博士の大学院で火山学を専攻している学生も、火山学会には入っていなかったんだけど、それが、このプロジェクトによってみんなが火山学会に入って、活動が活発になったと。一方で、COVID-19が発生して、火山学会での発表とかをするときに会員である必要性とかが問われるけど、それがなくなったりしたもんだから、みんなが学会員になるインセンティブがなくなって減ったというような理解でいいのか。それから、博士も同様にして言うと、プロジェクトが始まるときに、これは30人ですから、3年間とすると10人ぐらいだったものが、今は11人とか12人とか、それぐらいになっているというような理解でいいのかというの、これが1点。
 それから、もう一つは、先ほど中北先生のお話もありましたけど、全体としての広がりを考えるのであれば、火山研究者とか火山学の分野だけではなくて、火山防災に関わるような人材が、例えば関連の、周辺の自然災害学会だとか、災害情報学会だとか、地域安全学会だとか、そういった中で増えているようなデータももしあれば、それも併せてこのプロジェクトの成果としての波及効果というふうにお示しになったほうが、よりプロジェクトの成果が分かりやすいんじゃないかなという印象を持ちました。
 以上です。
【上村主査】  ありがとうございます。藤井先生、このあたりのところ、いかがでしょうか。分かる範囲で簡単にお答えいただければと思いますが。
【藤井所長】  今、数の推移に関しては、目黒委員のおっしゃったことがほぼたしかでございます。ただ、28年度以降と28年度以前の「修士+博士」、これは傾きが若干変わっておりまして、少し急になっているということはお分かりだと思います。COVID-19の影響はかなりひどいですね。例えばフィールドに出ることすらままならないということがあって、学生の中にも一部、大学の中でも学生が減っていくということはございましたので、その影響は確実に出ております。そのあたりは、今後どこまで回復するかということを期待したいと思います。
 それから、災害情報学会とか自然災害学会、あるいは地域安全学会というようなことの資料については、まだ統計を取っておりませんので、今後、そういう部分の調査をした上で、どの程度関連分野が広がっているのか、あるいは学生が広がっているのかということは、きちんと把握するように努めたいと思います。現状ではちょっと今、分かりません。
 以上です。
【目黒委員】  よろしくお願いします。
【上村主査】  非常に重要な御指摘をいただいたと思っております。火山研究人材、プラス火山防災研究人材というところの把握も、ぜひよろしくお願いいたします。
【藤井所長】  はい。
【上村主査】  ありがとうございました。
 目黒先生までと思っていたんですが、せっかく手が挙がっておりますので、熊谷さん、お願いします。
【熊谷委員】  すみません、簡単に。今、目黒先生からも火山防災というお話があったんですけれども、私たちも、火山防災とか火山の対策というところにはなかなかなじみがないところなんですけれども、具体的に火山が噴火した場合、どのような災害が起きるか、そういう被害想定のようなものも御一緒に研究されているのかというところを、お伺いしたいと思います。
 以上です。
【上村主査】  藤井先生、いかがでしょうか。
【藤井所長】  先ほど、グループCというところで、火山の噴火履歴の調査ということをやっておりましたが、その結果は、それぞれの火山でのハザードマップの作成に適用されております。それに基づいてどういう現象が起こるのか、影響範囲がどうなるのか、あるいは、それぞれの現象への分岐はどうなるのかという研究も含めて、このプロジェクトの中で行っておりまして、それぞれが、実際のいろんな火山のハザードマップに着実に反映されております。ここの研究の結果、例えば富士山のハザードマップが一昨年に改定されましたけれども、その中にもかなりの部分が反映されるようになっております。
 それでお答えになっていますでしょうか。
【上村主査】  ありがとうございます。これは、火山灰のハザードマップということでよろしいですか。
【藤井所長】  火山周辺の火砕流、溶岩流、あるいは融雪型の泥流とか、そういうものを含めて、火山に関するあらゆるタイプの現象に関するマップの作成というものに、このプログラムの研究成果が使用されております。
【上村主査】  なるほど、ありがとうございます。かなりハザードマップとしては整備されてきていて、そういう学術的知見も反映されているということかなと思います。
 熊谷さん、よろしいでしょうか。
【熊谷委員】  ありがとうございます。火山灰が降ってきたとき何が起きるかとか、そういうことがなかなか私たちにまで少しまだ分からないところだったので、またそういう具体的なことが分かりましたら教えてください。ありがとうございます。
【上村主査】  御質問ありがとうございました。
 それでは、かなり時間を使って御説明、それから質疑応答をさせていただきました。
 これに続きまして、中間評価票(案)について、事務局から説明をお願いします。
【井上地震火山専門官】  事務局でございます。中間評価票について、資料5を順に説明させていただきたいと思います。
 まず、3ページ目から7ページ目にかけまして、プロジェクトの概要になります。こちらでは、平成27年の事前評価における必要性等の評価結果や、予算の変遷などが記載されておりますので、適宜御参照いただければと思います。
 続きまして、8ページ目以降が中間評価票になります。
 まずは、2ポツ目につきましては、関係する研究開発プランとの関係等になります。火山プロジェクトは、こちらにお示ししております「安全・安心の確保に関する課題への対応」を大目標としまして、防災科学技術分野研究開発プログラムの達成目標の2と3の対象事業になっております。
 関係するアウトプット指標につきましては、「火山データの一元化」と「査読付きの論文数」、関係するアウトカム指標につきましては、「被害の軽減につながる予測手法の確立」となります。こちらでは、各指標に関する過去3年程度の状況を記載しておりまして、「火山データの一元化」につきましては、課題AのJVDNシステムによる成果が該当いたします。平成31年のシステムの運用開始以降、各種データの登録と、インターネットでの公開が進んでいるということを記載しております。また、「査読付き論文数」につきましては、各課題におきまして各年度数十件以上ということで、多数の論文が掲載されているという状況です。
 アウトカム指標につきましては、2つのポツで説明を記載しております。「被害の軽減につながる予測手法の確立」としまして、1ポツ目につきましては、課題Bにおける火山内部構造・状態把握技術の開発により、各火山においてその内部構造の解明が進められて、噴火の切迫性評価が進められているということを記載しております。
 2ポツ目につきましては、こちらは課題Cにおける噴出物等の調査として、各火山においてトレンチ調査等による噴出物の調査や分析が進められておりまして、中長期予測等に関する知見の蓄積と噴火事象系統樹の作成など、予測に資する研究の蓄積が進んでいるということを記載しております。
 それから、9ページの下段の3以降は、3.評価結果になります。
 まず、(1)進捗状況につきまして、こちらでは、本プロジェクトにおいて観測・予測・対策の一体的な火山研究が着実に進展しておりまして、各課題の成果が得られていることに加え、それぞれの課題については後半年度に入ってきておりますので、設計・開発フェーズから実用試験ないし実用化フェーズに移行していて、課題間の連携もなされているという評価としております。
 2パラグラフ目につきましては、課題A、B、C、及びDにおける主な成果を幾つか列記しております。
 それから、人材育成事業の進捗につきましては、先ほど御説明にもありましたように、受講生の順調な受入れの下、各種セミナー、実習が継続的に行われているということ、それから、その結果、修了生の約75%が火山研究や防災などの職に就職をされていることなどから、人材育成が着実に進んでいるという評価としております。
 また、先ほど紹介させていただきましたけれども、プロジェクトの中での外部評価である評価会においても、高く評価されているということを記載しております。
 続いて(2)は、各観点の再評価になります。各観点の評価項目と評価基準につきましては、前回の事前評価、それから、令和元年度の中間評価の際の基準から、妥当性が引き続きあると見ておりますので、変更の必要はなしという記載としております。
 まず、必要性に関しましては、事前評価時から変わるものではないと考えておりますので、まずは事前評価結果を引用させていただくとともに、昨今の事情としまして、先ほど話にもありました福徳岡ノ場やトンガなどにおいて大規模な噴火が発生していることを踏まえ、火山研究や人材育成に関する社会的な要請は大きいということで、評価を記載しております。
 続きまして、有効性に関しまして、各課題の技術開発の成果は、噴火の切迫性の評価や火山活動の推移予測の高度化を行うものであり、こういった研究の成果は、自治体の防災対策を検討する上での科学的なバックグラウンドを提供するもので、気象庁における噴火警報の判断への活用や、地元説明会等における住民の理解の向上にもつながるなどとして、社会の防災力の向上に資するという評価とさせていただいております。
 また、人的基盤の拡大に関しましては、人材育成事業により、研究者の育成として直接的に貢献するだけではなく、関連分野の研究者との連携や、セミナーへの自治体職員の参加による相互の連携強化などが行われておりまして、人的基盤の拡大に資するという評価としております。
 続きまして、効率性につきましては、分野間の連携による共同研究や研究集会などを通じて、各課題間において、お互いの成果の活用などの連携が進められており、効果的・効率的な取組がなされているという評価としております。
 また、一元化、JVDNシステムの開発につきましては、これらの成果の活用、共有などが行われておりますけれども、その開発に当たっても、ユーザーとの議論を踏まえて行うなど、利活用の促進に向けて適切に実施体制が組まれているという評価をしております。
 人材育成事業につきましては、学際的な火山学を学ぶというところだけではなくて、工学、社会科学等のセミナーや、自治体の実務者等との議論、インターンシップなどが行われておりまして、適切に行われているという評価とさせていただいております。
 続きまして、(3)科学技術・イノベーション基本計画への貢献状況になります。本プロジェクトは、こちらに引用させていただいております「レジリエントで安全・安心な社会の構築」に関連して、ハザードに関する情報やシミュレーション、情報ツールなども含めまして、そういった各項目の取組により、同計画が掲げる社会の実現に貢献するものという評価としております。
 続きまして、(4)は省略をさせていただいて、(5)の研究開発の方向性につきましては、ここまで御説明いたしました進捗状況や、必要性、有効性、効率性などの評価を踏まえ、本課題は「継続」という評価としております。
 最後に(6)その他につきましては、こちらは研究開発を進める上での留意事項としまして、ここでは、各課題の成果は順調に出ておりますので、成果を共有して、さらなる連携の強化をするであるとか、あるいは、事業終了も近くなってきておりますので、終了時の利活用なども含めた開発を行うことなどを、留意事項として記載しております。
 以上です。
【上村主査】  ありがとうございました。
 すみません。チャットを見落としておりましたが、先ほどの議論の関連で、永松先生から「関連の学会で火山防災に関わる研究者がどれだけ増えているかについて取りまとめるべきだという目黒先生のご意見に賛同します」とのコメントをいただいております。限られた時間での審議でございますので、こういった形でチャットにコメントをいただくということでも、非常にありがたいと思いますので、もしよろしければ御活用いただければと思います。
 永松先生、ありがとうございました。
 それでは、この中間評価結果というところの議論に入っていきたいと思うんですが、繰り返し何度か説明させていただいているとは思うんですが、この防災科学技術委員会の1つの重要な業務が、こういったプログラム、プロジェクトの評価ということになります。今回、この火山のプロジェクトに関しては2回目の中間評価ということで、この資料を次のページへ進めていただくとお分かりいただけるように、この委員会のメンバーの委員の名前が載りまして、この委員の総意でこの評価結果を承認するというところの流れになっております。ということで非常に重要な案件になりますので、皆様からしっかりと御議論いただければと思います。
 それでは、御説明いただいた内容について、皆様から御意見をいただければと思います。いかがでしょうか。
 中北先生。
【中北委員】  中北です。何度もすみません。
 評価、書いてある内容そのものは多く網羅されていて、いいと思っているんです。特に先ほど目黒先生のお話も、私の意見でもありました。コミュニティーの広がりに関してとか、それから、成果の対象がより防災として広くなっているというところ、それぞれ断片的というか、異なる場所で書いていただいているんですけれども、提案としては、もう少しメタ的なイメージで、さっきから言っている火山防災、あるいは火山災害対策というところを含むことによって、こういうコミュニティーがより増えたとか、単にコンソーシアムができたから増えたという、何か物理的なというよりも、スペクトルを広げることによって、枠というか、仲間が増えていると、あるいは成果の広がりもあるというような、そういう書き方を工夫していただいたらどうかなと思いました。
 コンソーシアムでどうこうというのもあるんですけれども、このプロジェクト自体がそういう枠組みをつくられたことそのものの大きな貢献によって、今、そういうコミュニティーが広がっているという、何か文章の中で少し火山防災とかいうキーワードを上手に入れていただくことで、構造が見えやすいようにしていただいたほうが、評価の構造が見えやすいようにしていただいたほうがいいかなと思いました。
 一意見です。どうぞよろしくお願いします。
【上村主査】  そうですね。まさに有効性というところのセクションの中で、むしろ「火山研究人材育成、火山研究人材のみならず、火山防災の研究者の広がりも見られ」とか何か、そういうことをうまく織り込めということでしょうかね。
【中北委員】  はい、そうです。僕の頭では逆のところもあるんですけど、逆というのは、火山防災という視野もあったので、よりこのコンソーシアムの力が発揮できたとか、何かそういうイメージがぴったりかなと思いました。
【上村主査】  なるほど。
【中北委員】  御高配をお願いいたします。
【上村主査】  事務局では、実はここでもう承認を取って、文言まで直して確定させたいというのが本音なんですけれども。
【中北委員】  それでは、委員長がおっしゃっていただいたような文言を入れていただくというだけでも結構です、今日決めるというのであれば。よろしくお願いします。
【上村主査】  こちらで預からせていただいて、今の議論の趣旨について、事務局と相談をしながら、この有効性のところの文言を修正していくということで、お許しいただけますでしょうか。
【中北委員】  はい。よろしくお願いいたします。どうもありがとうございます。
【上村主査】  ありがとうございます。
 そのほか、いかがでしょうか。
 今ほど御指摘いただいたところの、まさにこのあたりが非常に重要になるんですが、必要性、有効性、効率性という11ページから13ページあたりのところ、このあたりが、重要な結論となりますが。
【山田防災科学技術推進室長補佐】  小室先生が手を挙げられています。
【上村主査】  小室先生、よろしくお願いします。
【小室委員】  小室です。ありがとうございます。
 私も先ほど来、永松先生、それから中北先生、皆さんがおっしゃっているとおり、防災というところまで、火山学だけじゃなくて防災まで広げていただくことによって、先ほど来申し上げてきた総合知までカバーできると思いますので、ぜひとも今の観点をよろしくお願いいたします。
【上村主査】  ありがとうございます。この委員会の意見としてすごく方向性がそろっていて、非常に重要な流れになるような気がしております。ありがとうございます。
 ということで、そのあたり、文言としてぜひ追加をする方向で検討させていただいて、ほか、御異論があるという方がおられれば、ぜひ承りたいと思いますけれども。
 ということで、先ほど少し話しかけましたけれども、必要性、有効性、効率性、このあたりの文言を丁寧に見ていただいて、これらを受ける形で、最後の15ページの今後の方向性ということで、本課題を継続とするというところが非常に重要な結論ということになろうかと思います。
 いかがでしょうか。
 事務局のほう、先ほど私のほうで少し勝手に仕切ってしまいましたけれども、今、先生方から力強くいただいた火山防災人材というところについて、事務局、主査預かりで修正をさせていただくという手続で、事務局、大丈夫ですか。
【井上地震火山専門官】  事務局でございます。こちらとしましても、防災に含めて裾野の広がりであるとか、そういった観点は重要だと思っておりますので、ぜひ主査と文言調整させていただければと思います。
【上村主査】  ありがとうございます。
 そのほか、御意見等いかがでしょうか。
 よろしいでしょうか。
 それでは、中間評価につきましては、先ほどいただいた御意見を踏まえた修正を入れるということを前提に、この案について皆様から御承認をいただきたいと思いますけれども、よろしいでしょうか。
【上村主査】  特に御異議等なさそうですので、ありがとうございます。進めさせていただきたいと思います。
 文言の最終案のところについては、事務局、それから主査のほうで預からせていただいて、確定させていただきたいと思っております。どうか御了解ください。
 少々予定した時間をオーバーしてしまいました。進行の不手際で誠に申し訳ございません。
 最後に、皆様から何か一言、追加しておきたいということがございましたら、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、事務局にお渡ししますので、連絡事項等をお願いいたします。
【山田防災科学技術推進室長補佐】  ありがとうございます。
 次回の委員会の日程ですが、後日、事務局から改めて御連絡させていただきます。
 こちらからは以上になります。
【上村主査】  ありがとうございます。
 今度こそ最後ですが、皆様から何かコメント等、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、以上をもちまして、本日の委員会を閉会といたします。どうもありがとうございました。
 
―― 了 ――

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