資料1 「文部科学省における研究及び開発に関する評価指針」(改定案)に対して一般から寄せられた意見

「文部科学省における研究及び開発に関する評価指針」(改定案)に関する意見募集の実施について

平成25年12月27日
科学技術・学術政策局企画評価課

 第4期科学技術基本計画において、科学技術イノベーションを促進する観点から、PDCAサイクルの実効性を確保するために研究開発評価システムの改善・充実が必要であるとされた趣旨を踏まえ、平成24年12月に「国の研究開発評価に関する大綱的指針」(以下「大綱的指針」という。)が新たに内閣総理大臣決定されたことに伴い、科学技術・学術審議会研究計画・評価分科会研究開発評価部会において、これまで「文部科学省における研究及び開発に関する評価指針」(改定案)(別添)について審議を重ねてまいりました。本改定案は、大綱的指針のみならず研究開発評価のあり方に係る多くの重要な提言等についても、盛り込むことに努めてまとめられております。
 つきましては、「文部科学省における研究及び開発に関する評価指針」(改定案)について御意見がございましたら、下記の要領にて御提出ください。皆様からお寄せいただいた御意見につきましては、今後審議の参考とさせていただきます。
 なお、御意見に対して個別には回答致しかねますので、その旨ご了承ください。

【1.案の具体的内容】
→別添「文部科学省における研究及び開発に関する評価指針」(改定案)参照

【2.意見の提出方法】

  1. 提出手段  郵送・FAX・電子メール(電話による意見の受付は致しかねますので、御了承ください)
  2. 提出期限  平成25年1月26日必着
  3. 宛先
    住所:〒100-8959 東京都千代田区霞ヶ関3-2-2
    文部科学省科学技術・学術政策局企画評価課評価・研究開発法人支援室宛
    FAX番号:03-6734-4175
    電子メールアドレス:rd-hyoka@mext.go.jp
    (判別のため、件名は【「文部科学省における研究及び開発に関する評価指針」(改定案)への意見】として下さい。また、コンピューターウィルス対策のため、添付ファイルは開くことができません。必ずメール本文に御意見を御記入下さい)

【3.意見提出様式】
 「「文部科学省における研究及び開発に関する評価指針」(改定案)への意見」

  • 氏名
  • 性別、年齢
  • 職業(在学中の場合は「高校生」「大学生」など在学する学校段階を表記。)
  • 住所
  • 電話番号
  • 意見

※複数の論点について御意見をお寄せいただく場合には、とりまとめの都合上、論点毎に別様としてください。(1枚1意見、1メール1意見としてください。)

【4.備考】

  1.  御意見に対して個別には回答致しかねますので、あらかじめ御了承願います。
  2.  御意見については、氏名、住所、電話番号を除いて公表されることがあります。なお、氏名、住所、電話番号については、御意見の内容に不明な点があった場合の連絡以外の用途では使用しません。

(科学技術・学術政策局企画評価課評価・研究開発法人支援室)

 

「文部科学省における研究及び開発に関する評価指針」(改定案)に対して一般から寄せられた意見

番号

 いただいた御意見

 御意見に対する考え方

1

 本件改定案1.4.1.(a)は、「「自己評価」が基本かつ重要であり」としています。
 しかし、2.4.2及び2.7.2は、評価者と研究者が別であることを前提にしていると思われます。
 また、3.1.3.1、3.2.1.3.1、3.2.2.3及び3.3.3は、外部評価や第三者評価により評価を行うとし、自己評価は、これらによる評価のために副次的に活用するに過ぎないものとして記述されているように思います。
 このため、本件改定案は、外部評価や第三者評価をどのようにすべきかについての指針は示していますが、自己評価をどのようにすべきかにつては、ほとんど指針を示していないと思います。
 更に、自己評価が基本かつ重要であるとしながら、「本指針における用語について」では、外部評価と第三者評価の項目はありますが、自己評価についてはありません。
 したがって、自己評価が基本かつ重要であるというのであれば、自己評価をどのように行うかの指針をもっと詳細に示すなど、それにふさわしい記述に改めるべきだと思います。

 本指針においては、特段の記述がなされていない限り、全般として自己評価についても適用・参照されることが想定されており、また、例えば、自己評価について以下のような記述があります。自己評価の更なる詳細など運用上の取り扱いにつきましては、今後の検討課題とさせていただきますが、自己評価は各自の責任で行われることが基本であり、その正当性等を第三者評価等で評価していくことも重要だと考えております。

3.2.1.5.7 自己点検・評価の活用
 評価への被評価者等の積極的な取り組みを促進し、また、評価の効率的な実施を推進するため、研究開発の特性や規模に応じて、被評価者が、自ら研究開発課題の計画段階において明確な目標とその達成状況の判定指標等の明示に努め、課題実施中には、随時、目標の達成状況や問題点、今後の発展見込み等について自己点検・評価を行い、評価者はその内容を評価に活用する。

2

 なお、1.4.1.だけなぜか最後に「.」がありますが、これを空白に改めるべきだと思います。

 御指摘を踏まえ、修正いたします。

3

 おって、同(a)に記述されている「書面審査」と「書面による方法を採用した評価」は、何が違うのでしょうか?後者は、「会議を経ない評価」という意味なのでしょうか?

 御指摘を踏まえ、1.4.1(a)の後段を以下のように修正いたします。

「・・・質の高い自己評価をベースとした第三者評価(巻末(16)参照。以下同じ。)、外部評価(巻末(17)参照。以下同じ。)については、例えば、それぞれの研究開発段階での自己評価の正当性の観点から行うことや、会議形式での評価と書面形式での評価を適切に組み合わせるなど、多様な評価手法を検討し、評価対象や目的に応じて柔軟に合理的な評価手法を設定する。

4

 「4.2.2.3研究者の業績評価」中の「各大学等においては、例えば、…競争的資金の獲得実績も活用して個々の研究者の業績を評価し…」との記述に以下の四点から違和感を持っております。
 第一に、研究費の配分を受けた段階では、学術の発展や社会の課題解決等といった研究の目的に対する寄与は未だ全くありませんので、競争的資金の獲得自体は、英語のAchievementに相当する「業績」には当たりません。
 第二に、殆どの競争的資金の原資が公的資金であることと、研究者の業績評価がその待遇に反映されるべきことを合わせると、競争的資金の獲得実績で業績評価を行うことは、税金をより多く使った者の待遇を向上させることを意味しますが、これは、政府の財政が危機的な状況の中、納税者に受け入れられる論理には到底なり得ません。
 第三に、論文関係の数値(1.1.1)と同様に、競争的資金の獲得実績も客観的・定量的な評価指標であり得ますが、研究費関係の数値だけに頼り安易にこれらの数値を上げること自体を目標化することは適当ではなく、必ずしも競争的資金獲得至上主義に偏重しすぎないようにする必要があります。現に、所属機関等から既に十分な額の研究費を配分されている研究者が、評価の向上のみを目的として不必要に競争的資金への申請を行い、その結果として過度な研究費の集中が起こっているとの弊害も耳にしております。
 第四に、評価相互の有機的な連携・活用(2.3)の観点からは、研究費の獲得実績は研究開発課題の事前評価として活用対象になり得ますが、研究開発課題の評価には、事前評価だけではなく、中間・事後・追跡評価もあり、特に事前評価のみを取り上げて業績評価に用いる理由はありません。大綱的指針の対応箇所(ローマ数字3  研究者等の業績の評価)では、「このような研究者等の業績の評価に当たっては、当該研究者等が関連する競争的資金制度における研究開発課題や国の実施する研究開発課題の評価の結果などを適切に活用して効率的に実施する」とあることとの対応も考慮して、本評価指針中の上記該当箇所における「競争的資金の獲得実績」は「当該研究者が関連した研究開発課題の評価」と改め、かつ先述の理由から、中間評価以降の評価を重点的に用いることが適当であると考えます。」

 第4章では、前章までの記述に加えて、機関や研究開発の特性に応じた配慮事項が整理されています。4.2.2.3の部分についても、「3.4 研究者等の業績評価」に記述に加えて、大学等における研究者の業績評価に際しての配慮事項が整理されたものですが、「学会等を通じた研究者間の相互評価」や「競争的資金の獲得実績」は、「例えば」と、研究者の業績評価を行うにあたって考慮すべき事項としての例示として挙げられています。本指針における以上のような構成とご指摘を踏まえ、また、競争的資金の獲得実績についても一定の評価を受けて採択された結果であることにも鑑み、以下のように修正いたします。

「各大学等においては、例えば、学会等を通じた研究者間の相互評価、当該研究者が関わる研究開発課題の評価の結果、競争的資金の審査・採択実績等も適切に活用して、個々の研究者の業績を評価し、その結果を大学等の組織運営に活かす。なお、研究者の業績評価については、大学等における自己点検・評価の一環として実施することも考慮する。」

 

 

 

 

お問合せ先

科学技術・学術政策局企画評価課評価・研究開発法人支援室

(科学技術・学術政策局企画評価課評価・研究開発法人支援室)