第6期 環境エネルギー科学技術委員会(第6回) 議事録

1.日時

平成24年5月31日(木曜日)10時00分~12時00分

2.場所

中央合同庁舎第7号館金融庁12階 共用第2特別会議室

3.議題

  1. 環境・エネルギー領域における研究開発方策について
  2. 環境エネルギー分野における平成24年度予算の概要及び政策動向について
  3. 平成24年度の研究評価計画について
  4. その他

4.出席者

委員

安井主査、安岡委員(主査代理)、阿部委員、江守委員、沖委員、河宮委員、柴崎委員、杉山委員、関委員、高尾委員、中村委員、堀尾委員、松橋委員、安成委員、山地委員

文部科学省

大竹大臣官房審議官、篠崎環境エネルギー課長、福井環境科学技術推進官、今村課長補佐、岡本課長補佐、畑山地球観測推進専門官、原子力科学技術委員会事務局、ライフサイエンス委員会事務局、情報科学技術委員会事務局、ナノテクノロジー・材料科学技術委員会事務局、航空科学技術委員会事務局、先端研究基盤部会事務局

5.議事録

【安井主査】  皆様、おはようございます。時間でございますので、第6期科学技術・学術審議会研究計画・評価分科会の第6回環境エネルギー科学技術委員会を始めさせていただきたいと思います。お忙しい中、お集まりいただきましてありがとうございます。
 まず、この4月に篠崎課長が着任されましたので、御挨拶をいただきたいと思います。

【篠崎環境エネルギー課長】  おはようございます。先月から前任の田口より引き継ぎまして、この担当の環境エネルギー課長になりました篠崎と申します。よろしくお願いいたします。
 この委員会では、文部科学省の環境あるいはグリーンイノベーションの政策をいろいろと議論していただく、御審議いただくというミッションをお願いしております。御承知のように、このグリーンイノベーションの話というのは、数年前からいろいろ重要だということで議論が進んでいるわけでございますが、昨年の震災あるいは原発事故を受けて、より社会的な期待が高まっている分野だと思っております。
 この中で、今後どういうふうに研究開発を進めていくかということにつきまして、皆様とともに議論しながら、我々なりにいろいろと考えていきたいと思っておりますので、よろしく御指導いただければと思います。よろしくお願いいたします。

【安井主査】  ありがとうございました。
 まだお見えでございませんが、もうお一方、大竹審議官がお見えになりましたら、後ほど御挨拶をいただきたいと思います。
 それでは、事務局より、本日の出席状況につきまして御報告いただきたいと思います。

【今村課長補佐】  本日の出席状況でございますが、遅れている委員もいらっしゃいますが、お見えになっている委員が14名で、過半数に達しておりますので、委員会は成立となります。
 また、本委員会は、委員会運営規則により公開とさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

【安井主査】  ありがとうございました。成立の確認がとれました。
 それでは、続きまして本日の資料の確認をお願いしたいと思います。

(配布資料の確認)

【安井主査】  いかがでございましょうか。過不足ございましたら、事務局までお願いいたします。
 さて、本日でございますけれども、お手元の議事次第にございますように、3議題プラスその他という議題の構成になっております。最初は、環境・エネルギー領域における研究開発方策についてでございまして、ここから始めさせていただきたいと思います。
 この議題に関しましては、まず、事務局から簡単に御説明をいただいて、その審議をさせていただきたいと思いますので、説明をお願い申し上げます。

【福井環境科学技術推進官】  資料1-1と参考資料2を御覧いただければと思っております。この環境エネルギー科学技術委員会は研究計画・評価分科会に属しているわけでございますが、計評分科会と言わせていただきますけれども、計評分科会においては第4期科学技術基本計画に基づいて研究開発を推進していくということで、計評分科会における審議事項について、具体的な推進計画を策定することになっております。
 その方針に基づきまして、これまで参考資料2にありますライフサイエンス以下、様々な各委員会において、その研究開発の推進方策の検討が行われてきたところでございますが、重要課題の領域を俯瞰した形で課題対応型の研究開発方策を取りまとめることとしているところでございます。当委員会におきましても、昨年、御議論いただいて、環境エネルギー科学技術に関する推進方策の中間取りまとめについて、議論させていただいたところでございます。
 資料1-1の2ポツでございますが、その課題対応型の研究開発方策について、計評分科会といたしましては、課題領域1から4まで、その課題領域ごとに審議を行うということでございます。その課題領域1から4というのは2ページ以降についていますが、環境・エネルギー、医療・健康・介護、安全かつ豊かで質の高い国民生活、科学技術基盤の4分野で行うということでございます。この検討に当たっては、各委員会との連携もさることながら、他府省の事業との連携も念頭に置いて行うということでございます。
 課題領域1から4というのは、それぞれ分かれているところでございますが、課題領域1の環境・エネルギー分野におきましては、この環境エネルギー科学技術委員会が中心となって行うということでございます。
 2ページ目をめくっていただければと思います。環境・エネルギー分野の概要が書いてございますが、以下のような課題、研究開発対象等が考えられます。これは、第4期科学技術基本計画のグリーンイノベーションのところに書かれているとおりでございますが、安定的なエネルギー供給と低炭素化の実現、エネルギー利用の高効率及びスマート化、社会インフラのグリーン化といった3分野を環境・エネルギーとして取りまとめるということです。
 検討体制のところですが、環境エネルギー科学技術委員会において、先ほど申し上げました3点の課題を念頭に置きつつ、具体的な研究開発課題や課題解決・課題達成型の研究開発方策を取りまとめるに当たって、昨年はこの環境エネルギー科学技術委員会だけに関係するところを議論したわけですけれども、計評分科会から、関係する主な五つの委員会の主査あるいは専門家の参加を求めて、環境・エネルギー分野ということで、関係する委員会を含めた研究開発方策を取りまとめるというミッションがおりてきたというところでございます。
 以上でございます。

【安井主査】  以上のような状況でございまして、先日行われました計評分科会において、本日の宿題がおりてきたということでございます。
 今、御説明いただきましたように、第4期科学技術基本計画がそうなっているからだと思いますが、要するに我々のところはグリーンイノベーション、ほかのところとしてライフあるいは復興再生、それから基盤と、多分四つにまとめなければいけないということになって、我々のところは1番目を担当することになったということだと思います。
 これをまとめるに当たりまして、事務局と相談させていただいた結果が資料1-2に書かれておりまして、そこのゴシック体のところを御覧いただけるとよろしいかと思いますが、先ほどの説明の中でもございましたように、昨年9月に出しました、この委員会の中間報告がたたき台になるだろうということです。それが検討スケジュール案の(1)に書いてございます。
 (2)として、各委員会からお話を伺うこととしており、とりあえず最初は事務局からお話を伺って、検討状況を少し共有しようというやり方でいかがかということでございます。
 (3)でございますが、先ほど申しました中間報告をたたき台としながら、2の事務局からの御報告、さらに、場合によりましては主査の方においでいただくこともありかなという気もいたしますので、ほかにやり方があるかどうかということにつきましても、皆様に御意見を伺いながら、この1、2、3ぐらいのやり方で進めたらどうだろうかと思います。
 非常に急いでやらないと間に合わないものですから、本日既に(2)に関しては準備ができ上がっておりまして、各委員会から事務局にお見えいただいているという状況でございます。
 まず、ここで若干御議論いただきたいのは、このほかにも何かしなければならないことがあるかどうか、また、資料1-2のとおりに時間的に厳しいスケジュールでございますが、このような形で進めさせていただいてよろしいかどうか、御意見があればいただきたいと思います。何かほかにいいアイデア等あれば、ぜひお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
 なかなか忙しいので、走りながら考えるというやり方もありますが、それをやっていると間に合わないので、とりあえずこうやって進めさせていただきたいと思いますけれども、よろしゅうございますか。反対でなければ、このような形で進めさせていただきたいと思います。いかがでしょうか。よろしゅうございますか。
 それでは、この方針でやらせていただくことにいたしますが、大竹審議官がちょうどお見えになりましたので、御挨拶をいただきたいと思います。

【大竹大臣官房審議官】  遅くに参りまして申しわけございません。実はこの後、春の叙勲の関係がありまして、こんな格好をしておりますが、途中で退室することをお許しください。
 環境・エネルギーに関しまして、環境エネルギー科学技術委員会でいつも大変お世話になります。非常に複合的かつ重要なテーマであるため、グリーンイノベーションや国際的な観点でも非常に重要なことが出てくると思っております。そういう意味で、分野融合、複合型の研究の代表として大変重要でございますので、ぜひ皆様の英知をお集めいただいて、推進方策ほかすぐれたものをおまとめいただければと思う次第でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。

【安井主査】  ありがとうございました。
 さて、それでは、進め方を御了解いただけたということにさせていただきまして、各事務局から現状の検討状況について御報告をいただきたいと思います。先ほどの資料1-1の2ページに、課題領域1、環境・エネルギー、いわゆるグリーンイノベーションがらみでございますが、そこに関係する主な委員会として、環境エネルギー科学技術委員会のほか、5個の委員会が挙げられております。その順番でまいりたいと思います。
 それでは、環境・エネルギー科学技術に関する研究開発の推進方策についてからお願いします。

【福井環境科学技術推進官】資料1-3の丸1、丸2を参照していただければと思います。
 これは昨年議論いただきまして、昨年の夏にまとまった中間報告でございます。おさらい程度ということになるかと思いますが、資料1-3の丸1を御覧いただければと思っております。
 この環境エネルギー科学技術委員会は、計評分科会の下では今期、地球環境科学技術委員会を改めましてできた委員会で、そういう意味で特にエネルギー分野の科学技術を推進していくべきであるということに基づいてできたところであります。さらに、この科学技術委員会ができて、その後に不幸にも東日本大震災が発生したため、一層エネルギー問題あるいはエネルギー問題を解決する再生可能エネルギー等の研究開発が重要であると言われてきたということでございます。
 その他、この委員会ができた大きなきっかけの一つは、第4期科学技術基本計画においてグリーンイノベーションの推進が三つの大きな柱の一つになったということでございます。
 このような中で昨年、御議論いただきまして、文部科学省が推進すべき研究開発課題として大きく五つ掲げているところでございます。1ポツは、特に大震災後、太陽光、バイオマス、風力といった再生可能エネルギーの研究開発が重要であること、あるいは、再生可能エネルギーの導入を拡大していくことを国際的にも日本は言っているわけでございますので、このような研究開発課題が重要であるということでございます。
 2ポツは、火力や原子力で大規模に発電するよりは、地域、地方に密着した形での分散型エネルギー、そのために必要な蓄電池やコストの低い超伝導送電技術、あるいは燃料電池の開発が重要ということも言われているわけでございます。
 3ポツは、エネルギーをつくることも重要ですけれども、新しいものをつくりだすことが難しいという際には、今使っているエネルギーを少なくすることも大変重要でございまして、材料技術開発でありますとか、あるいは触媒技術、あるいはエネルギーマネジメントみたいな、スマートグリッドという省エネルギーに資するエネルギー利用の高効率化の研究開発も必要ということも言われているわけでございます。
 4ポツは、これは震災前からもずっと議論されているわけでございますが、世界的にCO2の削減をしていかなければいけない、そのためには社会に受容されるようなシナリオも研究していく必要があるということが書かれているわけでございます。
 5ポツ目は、この環境エネルギー科学技術委員会ができる前から、特に環境の分野、気候変動予測、地球観測というところは文部科学省で従来、力を入れていたところでございますが、気候変動予測を実際、都市計画とか農業といった社会に実装できるように、地球環境予測あるいはそのデータ統合を進めていくことが重要であるということが書かれてございます。以上の課題が、文部科学省が推進すべき研究開発課題として中間報告で挙げたものでございます。
 その他、研究開発を推進するに当たっての重要事項ということで、下に書いてございますが、例えば人材育成が重要でありますとか、環境でいいますとIPCCとかUNFCCCのCOPでの取組といった国際的な関係が重要でありますとか、自然科学分野を中心にこれまで進めたきたわけですけれども、社会実証等を考えると、特に社会科学の先生が入ってくるとか、あるいはもっとユーザーの声を取り入れた形で研究開発をやっていくべきということを重要事項として挙げさせていただいております。
 先ほど申し上げましたように、環境・エネルギー分野での推進方策をまとめていくわけですが、これから説明いただきます他委員会のものも入れた形でまとめていくことになろうかと思っております。
 資料1-4で、この後関係する委員会の方々から状況を報告いただきますが、五つの委員会の概要を1枚にまとめたものが1-4でございますので、これも御参照いただければと思います。
 以上でございます。

【安井主査】  ありがとうございました。
 これに関しましては、特にもしあれば全体的な御議論の中でいただければと思います。今日の進め方でございますけれども、各事務局から御説明を5分ぐらいでしていただき、それからまとめて質疑応答という形にさせていただきたいと思います。多分11時頃になってしまうかと思いますが、そのような進め方でやらせていただきたいと思います。
 それでは、関係の委員会から御報告をいただきたいと思います。最初に原子力科学技術委員会から御説明いただきたいと思います。

【原子力科学技術委員会事務局】  それでは、お手元の資料1-4-1を御覧いただければと思います。1枚おめくりいただきまして、横の表で概要というのをお付けしておりますので、そちらを御覧いただければと思います。
 原子力科学技術委員会でも、昨年末にこの推進方策を取りまとめさせていただいたところでございますけれども、御案内のとおり、原子力政策につきましては、昨年の事故を踏まえまして現在、原子力の在り方についての議論が行われておりまして、原子力委員会でまず、新原子力政策大綱の策定に向けた検討が現在行われているとともに、エネルギー・環境会議におきましても、その革新的エネルギー環境戦略の策定に向けた検討が進められておりますので、そのような状況を踏まえまして、原子力科学技術委員会では当面の間、一、二年程度ですけれども、重点的に取り組むべき課題と、またその政策の方向性を踏まえながら検討を要する課題、特に高速増殖炉サイクル技術等について分けて議論しましょうということで、分けて議論させていただいたところでございます。
 この概要の4ポツのところでございますが、一、二年の間、重点的に取り組む課題ということで、六つの領域に分けて御議論いただきました。この六つの課題領域でございますが、もちろんながら相互に関係するものは非常にございますけれども、特に最も関係の深い領域に分類するということで、このような形で分類させていただきまして、課題領域の丸2は、環境・エネルギーというところに核融合研究開発、そして、高温ガス炉研究開発を分類させていただいております。
 また、これらのそれぞれの領域を検討いただくに当たりましては、特にどういう視点で検討すべきかということも御議論いただきまして、やはり国際競争力や技術基盤の維持の観点、あるいは国際約束に基づくもの、あるいは国際社会において責任を持って取り組むべきものというところについても留意しながら御検討を進めていただいたところでございます。
 この課題領域の丸2に位置付けさせていただいたものを、この会議では御説明させていただきたいと思いますが、数枚おめくりいただきまして、5ページ目以降に、課題領域2に位置付けさせていただきました核融合等を記載させていただいております。
 まず、核融合研究開発でございますけれども、ITER計画、まず初めといたしまして、現在、国際協力の枠組みで進めさせていただいているものがございますので、こちらについては着実に進めていきます。そして、我が国が国際協力の中で分担しております調達活動を積極的に行う必要があるということを、この中でもまとめさせていただいております。
 1枚おめくりいただきまして、それ以外にも様々な核融合研究開発ということで、レーザー方式ですとかトカマク方式とか、いろいろな方式がございますけれども、それらについても引き続き推進していく必要があるということで御議論いただいたところでございます。
 また、核融合とは別の技術でございますが、高温ガス炉研究開発というもので、こちらにつきましては、ヘリウムガスを冷却材として約950度ぐらいの熱を取り出すことができる次世代の原子力システムと言われているものでございますが、現在、それの基盤的な研究開発を進めております。こちらにつきましては、水素製造も可能ということで、そういう観点からも環境エネルギーの分野にも資するものということ、あるいは国際的にも、特にカザフスタン等は我が国の研究開発動向に非常に注目しておりますので、そういったことにも留意しながら、今後引き続きやっていく必要があるということを御議論いただきましたので、それをこのような形でまとめさせていただいております。
 ほかの領域につきましては、この場では省略させていただきたいと思いますが、原子力科学技術委員会ではこのような取りまとめをさせていただいたところでございます。
 以上でございます。

【安井主査】  ありがとうございました。
 それでは、続きましてライフサイエンス委員会からの御報告をいただきたいと思います。お願いいたします。

【ライフサイエンス委員会事務局】  本日は、ライフサイエンス委員会における研究開発方策の取りまとめに関する議論の状況について御報告させていただきます。資料1-4-2を御覧いただければと思います。
 ライフサイエンス委員会におきましては、ライフサイエンス分野の研究開発方策を取りまとめるために現在議論を進めているところですけれども、そのもとになる報告書といたしまして、資料1-4-2の下の四角囲いにあります「新たなライフサイエンス研究の構築と展開(中間取りまとめ)」という報告書を、ライフサイエンス委員会において平成21年12月に取りまとめておりましたので、この内容をもとに現在議論を進めているところです。
 この報告書の環境・エネルギー領域に関する分野といたしましては、そこに書かせていただいておりますとおり、この報告書の中でライフサイエンス分野における今後の重要研究課題といたしまして三つ選定をしているところで、三つ目といたしまして「地球規模課題の解決:低炭素社会の実現に資する生物利用研究の推進」というところで取り上げさせていただいております。
 具体的には、環境保全と修復に資する生態系の理解であるとか、高い光合成能や生産効率を上げるための悪環境抵抗性を持つ植物の作出研究、食料資源との競合を避けるバイオマス利活用を促進する技術開発などに今後取り組んでいくべきであるというふうに取りまとめられておりまして、こちらの報告書をもとに現在、ライフサイエンス委員会で議論を進めているところでございます。
 2枚目の資料につきましては、現在、理化学研究所におきまして植物科学研究事業という事業を実施しておりますので、こういった低炭素社会の実現に資する生物利用研究の推進の具体例ということでつけさせていただきましたので、御参考までに御覧いただければと思います。
 ライフサイエンス委員会の状況については以上でございます。

【安井主査】  ありがとうございました。
 それでは、続きまして、情報科学技術委員会から御報告をお願いいたします。

【情報科学技術委員会事務局】  1-4-3に基づきまして、情報科学技術委員会分を説明させていただきます。
 1枚おめくりいただきまして、こちらに概要を示しておりますが、情報科学技術に関する推進方策として昨年度、中間報告をまとめております。
 その中で、下の2ポツ目が第4期科学技術基本計画に基づきまして情報科学技術分野でまとめたものでございますが、大きく七つございまして、そのうちの一つ目に「環境・エネルギー問題への対応」ということで掲げてございます。
 情報科学技術分野に関しましては、ほかの様々な研究開発分野の基盤となるようなものでございますので、ほかにもライフサイエンス、災害等対応等、横串でまとめているところでございます。
 その環境・エネルギー分野についてまとめたものを以下、御説明させていただきます。2ページおめくりいただいて、4ページに具体的なことが書いてございます。
 まず、1が前提条件になりますが、情報が社会の隅々まで浸透するにつれて、今年でいうと、情報分野ではビッグデータがキーワードとなっております。例えば、ソーシャルメディアとかスマートフォンですとか防犯カメラといった社会基盤から得られる情報が非常に膨大となっておりまして、その結果としてIT機器ですとかデータセンターとかで消費する電力量が膨大になっておりまして、これをどうするかというのが喫緊の課題となっているところでございます。
 そこで具体的に何をするかというのが2ポツ目でございまして、丸1としまして、情報科学技術分野で何が貢献できるかということで、一つはスーパーコンピュータによってシミュレーションを高度化することによって、例えば素子レベルでの太陽光発電や燃料電池の性能向上に資するための取組を行います。
 丸2としましては、社会システムの高効率化のためのIT統合システムの構築ということで、ここ一、二年はスマートグリッドについてもキーワードだったかと思いますが、それに限らず、交通分野で言えばITSによる交通量の最適化というのがありますし、個別の最適化システムはできていますが、複数のほかの人の行動の最適化などというパラメータを集めて、社会全体としてどう効率化するかということがまだできていない技術でございますので、それを情報科学技術を使ってどういうことがなし得るかという研究が必要だということを記載しております。
 ページをおめくりいただきまして、5ページ、丸3は、先ほど申したITシステム自体の抜本的な省エネ化が必要だということで、半導体素子では、CMOSに変わる、待機時に消費電力がかからないようなシステムを今後検討していこうということを記載しているところでございます。
 説明は以上になります。

【安井主査】  ありがとうございました。
 それでは、続きまして、ナノテクノロジー・材料科学技術委員会からお願いいたします。

【ナノテクノロジー・材料科学技術委員会事務局】  資料1-4-4に基づきまして御説明させていただきます。
 ナノテクノロジー・材料科学技術委員会におきまして、昨年7月でございますけれども、このような報告書を取りまとめさせていただいてございます。
 1枚おめくりいただきまして、ポンチ絵に基づきまして御説明させていただきたいと思います。まず、左上の現状認識ということで、ここでナノテクノロジー・材料科学技術の位置付けについて記載してございます。ナノテクインサイドという言葉がございますように、ナノテクノロジー・材料技術といいますのは、環境・エネルギー分野以外にも情報通信、バイオテクノロジー、医療など、いろいろな分野に貢献する新しい材料デバイス、革新的なシステムの提供が可能な技術ということでございまして、上の四角に書いておりますように、「科学技術の新たな可能性を切り拓き、先導する役割を担うとともに、複数の領域に横断的に用いられ、広範かつ多様な技術分野を支える基盤的な役割を果たす『先導的基盤技術』」ということでございます。
 また、第4期科学技術基本計画におきましても、ナノテクノロジー・材料につきましては、共通基盤技術でありますとか、領域横断的な科学技術といった位置付けを与えていただいているところでございます。
 その下の緑色の大きい四角が、課題解決に向けたナノテクノロジー・材料技術の重点研究開発課題ということでございまして、大きく四つ柱がございます。これは第4期科学技術基本計画の柱にほぼ沿っているものでございます。まず左上、課題領域「環境・エネルギー」ということでございます。右側を御覧いただきまして、課題領域「医療・健康・介護」、その下が「科学技術基盤」、これは環境・エネルギーとか医療とかいろいろな分野を支えるというものでございます。四つ目が「震災からの復興・再生」でございますけれども、記載の部分を御覧いただければおわかりのとおり、ナノテクノロジー・材料というのは環境・エネルギーに特に大きく貢献できるということで、記載も一番充実したものとなってございます。
 これもまた大きく三つに分かれてございます。これも第4期科学技術基本計画の柱に沿ったものとなってございますけれども、一つ目が「安定的なエネルギー供給と低炭素化の実現」でございます。電池など電気エネルギーの生成、変換、貯蔵技術、その下が高温超電導材料等を用いた低損失で安定な電力供給を実現するための技術やシステム、太陽エネルギーを化学エネルギーに変換する技術、これは人工光合成などでございます。その下が、身の回りの未利用エネルギーを電気エネルギーに変換する技術、エネルギーハーベスト、さらには、放射能とか環境中の汚染物質などの高感度、高選択な環境用センサーが、一つ目の安定的なエネルギー供給と低炭素化の実現でございます。
 その下の「エネルギー利用の高効率化及びスマート化」として掲げられている課題でありますけれども、省エネ材料、バイオマス燃料、及び、化石資源を代替する化成品原料の創成、バイオファイナリー、画期的な触媒材料、環境浄化技術、省エネ、低環境負荷の製造プロセス、エレクトロニクスの省エネ化、多機能化でございます。
 最後に、「社会インフラのグリーン化」ということで、上の三つは再掲で同じことが書いてございますけれども、一番下でございますが、元素の役割を解明し、全く新しい材料合成につなげる元素戦略でありますとか、レアアースやレアメタルを使わない希少元素代替材料といったものが、ナノテクノロジー・材料技術が環境・エネルギーに対して重点化すべき課題として記載されているところでございます。
 以上でございます。

【安井主査】  ありがとうございました。
 それでは、続きまして、航空科学技術委員会からお願いいたします。

【航空科学技術委員会事務局】  航空科学技術に関する研究開発の推進方策におけますグリーンイノベーション領域の研究開発についてお話しいたします。
 第4期科学技術基本計画では、今後の科学技術政策の基本方針の一つとして、科学技術イノベーション政策の一体的展開が示されています。科学技術イノベーション政策については、さらに、我が国の将来にわたる成長と社会の発展を実現するための主要な柱の一つとしてグリーンイノベーションの推進が掲げられておりまして、高効率輸送機器、その中には次世代自動車、鉄道・船舶・航空機といったものや、モーダルシフト等の物流効率化に関する研究開発、導入を推進することとされています。
 これを受けまして、航空科学技術に関する研究開発の推進方策におきましては、航空分野におきましても、現在よりもさらに低燃費で低環境負荷の高効率な航空機が求められていることに対応するために、当推進方策の中にあります2ポツの「今後の研究開発の方向性」の中で、環境に係る研究を重点化いたしまして、環境負荷低減に資する研究開発として、航空輸送におけるエネルギー利用の高効率化及びスマート化を図るための機体の軽量化に資する炭素繊維複合材に係る研究開発や、排出ガスの少ないエンジンの研究開発などを中心として行うことを示しております。
 その下に航空科学技術に関する研究開発の推進方策を抜粋しておりまして、2の「今後の研究開発の方向性」を示しておりますが、第4期科学技術基本計画における研究開発につきましては、特に以下の考え方、丸1、出口志向の研究開発プロジェクト、丸2、戦略的な基礎・基盤研究、丸3、人材育成、これらの考え方を主眼に置きまして、JAXAにおける先端的・基盤的な研究開発、関連施設・設備整備及び推進策の戦略的重点化を図ることは適当であると考えられております。
 特に2.1の「出口志向の研究開発プロジェクト」の中で、第4期科学技術基本計画におきまして国の重点施策として定められているグリーンイノベーションの推進、豊かで質の高い国民生活の実現に資する航空科学技術の研究開発を行うとしておりまして、その中でも、独立行政法人の事務・事業の見直しの基本方針を踏まえまして、特に環境及び安全に係る研究開発を重点化するとしております。
 そして、2.1.1で「環境負荷低減に資する研究開発」を挙げておりまして、大きくは世界最先端の低炭素社会の実現に向けて環境・エネルギー技術の一層の革新を促す研究開発の推進を行うこととしております。
 次のページに環境負荷低減に関する研究開発について具体に挙げております。世界最先端の低炭素社会の実現に向けて、環境・エネルギー技術の一層の革新を促す研究開発の推進が求められております。さらに、航空機の環境性能向上技術は、航空機産業の国際競争力に直結する差別化技術でございます。
 そのため、本研究開発では、国が先導して高性能化、差別化に係る技術を開発し、民間に技術移転することによって世界最先端の低炭素化社会を実現するとともに、航空機産業の国際競争力強化を図ることを目的としております。
 具体的には、航空輸送におけるエネルギー利用の高効率化・スマート化を図るため、機体の軽量化に資する炭素繊維複合材に係る研究開発や排出ガスの少ないエンジンの研究開発等を中心とします。
 さらに、将来増大する航空需要に対応する際に問題となることが予想される騒音問題を緩和するため、現行、次世代の航空機の騒音低減に資する研究開発についても推進する必要があるとしておりまして、研究例として、複合材を用いた機体軽量化に係る研究開発、低環境負荷エンジンに係る研究開発、航空機の低騒音化に資する研究開発を行うこととしております。
 以上でございます。

【安井主査】  ありがとうございました。
 それでは、続きまして先端研究基盤部会からお願いいたします。

【先端研究基盤部会事務局】   クリップどめの資料1-4-6を用いて説明させていただきます。恐縮ですがクリップを外していただきまして、後ろに四つ資料が続くと思います。「研究開発プラットフォーム」構築に向けた論点整理、その後ろに1枚のポンチ絵、また、先端計測プログラムの基本方針という報告書、その後ろに2枚組のポンチ絵がございます。こちらを用いて説明いたします。
 環境・エネルギー分野にかかわります先端研究基盤部会の議論といたしましては、大きく分けまして、施設・設備の共用というものと新たな計測機器の開発といった二つの議論がございます。
 まず最初が、研究開発プラットフォームの構築に関する議論でございます。横長1枚の「国際水準の研究環境及び基盤の充実・強化」というポンチ絵で説明したいと思います。
 研究基盤に関連する取組といたしましては、例えば真ん中にありますようなSPring-8、SACLA、京などの大型研究施設の整備ですとか、あるいは共用といった取組を進めております。
 また、右下にあるように、もう少し中規模、小規模の施設について産学官への共用を進めるような、例えば右下にあります先端研究施設共用促進事業のように、ある程度中規模の施設の共用を進めるとか、あとはナノテクノロジープラットフォームのように、個々の施設間のネットワークを強化するといったような取組がございます。
 また、左下にあるように、領域横断的に必要となる計測機器あるいは基盤技術の開発といった取組を含めて、現在国において基盤の取組を進めているといった状況でございます。
 第4期科学技術基本計画に書かれました科学技術イノベーションあるいは重要課題の達成につなげていく上では、個別の研究開発プロジェクトを推進していくことはもちろん重要でございますが、その一方で、こういった日本の強みともいえる基盤というものをいかに有効に、今後戦略的に使っていくかということも検討する必要があるということで、先端研究基盤部会あるいはその下の研究開発プラットフォーム委員会におきまして、現在こういった全体の基盤を包括的に戦略的にどう進めていくかといった議論を行っていただいているところでございます。
 一つ資料を戻りまして、「研究開発プラットフォーム構築に向けた論点整理」という報告書を昨年12月に一度この部会で取りまとめていただいております。2ページ目以降に、例えば先端研究基盤をめぐる現状と課題を整理していただいたり、基本的考え方は3ページに、また、4ページ目、5ページ目に、具体的にどのような取組が今後必要になるかといったことを整理していただいております。
 現在も検討を進めているところですが、これまで主にこういった取組は分野別の委員会等で議論されておりましたが、この先端研究基盤部会におきましては、まさに横ぐし的な観点から議論を行っていただいておりまして、科学技術イノベーションの達成あるいは課題の達成に向けて、産業界も含めた、あるいは若手研究者も含めた多くの研究者に研究基盤を有効に使ってもらって、すぐれた成果あるいは製品を生み出していけるように、システム改革の部分も含めて12月をめどに提案していただく予定にしております。
 次に、もう一つの話題に移りまして、三つ目に「先端計測分析技術・機器開発プログラム基本方針」という資料がございますが、先端研究基盤部会の中にJSTが実施している先端計測分析技術・機器開発プログラムの毎年度の実施方針あるいは公募方針を検討するための委員会が設置されてございます。
 この基本方針の説明は割愛させていただきますが、最後のポンチ絵2枚組の資料を御覧下さい。このようなものづくり技術、計測分析技術・機器の開発をJSTの競争的研究資金の事業として実施しておりまして、要素技術の段階から機器開発あるいは実証実用化段階とステップアップするような形で産学連携の開発を進めております。
 この中でも、やはりターゲット志向で領域を設定しないといけないということで、重点開発領域というものを設定しておりまして、グリーンイノベーションですとか放射線計測といったものを新たな領域として設定しているところでございます。
 グリーンイノベーションに関しましては、CSTPのアクションプランからの要請も踏まえまして、蓄電技術、太陽光発電のための性能向上、低コスト化を実現する技術・機器という分野に絞って、平成23年度から新規公募、平成24年度もまさに今、公募の真っただ中でございますが、公募を実施しているところでございます。
 ここを進めるに当たって、重点開発領域ごとにしっかりと領域全体をマネジメントできる総括を置く体制にしておりまして、推進ユーザーあるいは関係省庁から参画してもらいながら今後も開発を推進してまいる予定としております。
 以上でございます。

【安井主査】  ありがとうございました。
 以上、それぞれの委員会から御説明していただきました。
 まず、御議論いただくことになりますが、最初、できましたら各委員会の検討状況につきましての御質問からいただいて、その後、そういった各関係委員会の検討状況の報告を踏まえまして、環境・エネルギー領域の研究開発方策に加えるべき新たな視点とか、更に検討すべき点等があるかどうかについて、御議論をいただければと思っております。
 時間は、十分にある感じでございますので、御自由に御質問いただきたいと思います。何かございましたらお願いします。
 いろいろ資料があって、まだ勉強中ですけれども、私から、ナノテクノロジー・材料科学技術委員会に御質問申し上げます。ほかの領域と違って、技術あるいはシステムと書いてありますけれども、この委員会として、技術というのは材料技術と置きかえるべき言葉なのかどうか、ちょっとよくわからないところがあります。そのあたりを御説明いただければと思います。システムというのは、どういうものでしょうか。

【ナノテクノロジー・材料科学技術委員会事務局】  例えば、緑色の左側のダイヤの「安定的なエネルギー供給と低炭素化の実現」の二つ目のポツに「技術及びシステム」と記載がございますけれども、場合によっては中間取りまとめの該当部分を御覧いただいたほうがいいかもしれません。これは、高温超電導材料を使った送電技術そのものもございますけれども、こういった技術を組み合わせたシステムも対象としているという記載でございます。
 4ページを御覧いただければと思います。下から二つ目の見出しの「低損失で安定的な電力供給を実現するための技術及びシステム」、ここは両方並んでございますが、読み上げますと、「高温超電導材料を利用する送電技術や数種類の発電、貯蔵システムを有機的に連携することにより、低損失で安定的な電力供給を実現するための技術及びシステム開発が重要である」ということで、個々の技術の開発もございますし、また、これらを組み合わせたシステムの開発も重要であるということで、この二つを並べているという形になってございます。

【安井主査】  そうだろうと思いますが、情報科学技術委員会の方で、2番目当たりがそうかどうかよくわかりませんが、例えばIT統合システムというものとの関係をどのように理解したらいいのかなという質問です。
 ですから、両方の特性を生かすとしたら、材料というキーワードを全部つけておいたほうがいいのかなという気もします。そのあたり、どこまで広がっているのかなという問題意識です。

【ナノテクノロジー・材料科学技術委員会事務局】  失礼いたしました。この報告書自体はナノテクノロジー・材料科学技術委員会で作成したものでございますので、全て材料の切り口から御議論いただいたものでございますけれども、一つ一つきちんと、所要なものとして書かれているという視点から見ると、見づらくなっているということかもしれません。

【安井主査】  ありがとうございました。
 それでは、安岡委員、お願いします。

【安岡主査代理】  全体のところで議論したほうがいいのかもしれませんが、関係する主な委員会からの出力を我々が受ける、そして最後に、環境エネルギー科学技術委員会として、環境・エネルギーの課題領域でどういう出力をするのかというイメージがいまひとつわきません。

【安井主査】  イメージは合わせておいたほうがいいと思います。

【安岡主査代理】  皆さんから今日御説明いただいたのは、それぞれの委員会でどういうことをやられるのかということで、この委員会としては、それを受けて、全体の俯瞰のようなことをするということになるのでしょうか。

【福井環境科学技術推進官】  資料1-3の丸2に、昨年御議論いただきました「環境エネルギー科学技術に関する推進方策(中間報告)」がございます。本日、ほかの委員会からいろいろなインプットをいただきまして、こういった分野も必要ではないかという御意見をいただきます。その御意見を中間報告に載せる形にして、次回、これに見え消しの形で入っていくかと思いますが、そういう意味で、この環境エネルギー科学技術委員会の中間報告に他委員会のものを含めるという形で、当委員会が中心となって全体を俯瞰した環境エネルギーに関する推進方策をまとめるという形になります。

【安岡主査代理】  そうすると、推進方策の報告書がありますが、ここの中に研究開発方策、推進方策と開発方策というのがどういうふうに関係するかという、文言の話とは多分ちょっと違ってきます。中身の話になるだろうと思いますけれども、推進方策の報告書の中に、特に研究開発方策としてどういうことをすべきかという俯瞰したものが入ると考えてよろしいですか。

【福井環境科学技術推進官】  そうです。そういう意味では、1-3-2の目次を御覧いただきますと、2ポツに文部科学省が推進すべき研究開発課題というところがございますが、ここに他委員会から説明いただきましたことを含めて書き込まれる形になると思います。
 あと、1ポツの国際的な動向とか、各委員会におきましても3ポツの研究開発を推進するに当たっての重要事項がございますから、それぞれインプットして、1ポツの動向についてはアップデートしなければいけないところがあるかと思いますが、中心的には2ポツのところに他委員会のものを含めて入ってくるのではないかというイメージを我々は抱いております。
 この箇所に他委員会のものを含めたものを、次回6月25日に議論していただき、7月20日に取りまとめたいと思っております。

【安井主査】  よろしゅうございましょうか。文書としては全く新たなものができますが、この中間報告をたたき台にしてこれを膨らませる格好で行うという形です。膨らませる資料としては、今日の報告をもとにするということでございます。
 沖委員、どうぞ。

【沖委員】  こういうふうに分野横断的なものは非常にいいと思って感激しておりますが、情報のところについて御質問させてください。情報科学技術で、社会インフラの情報化、効率化というのがあって、これはエネルギーだけではなくて、おそらくスマートシティーとか、スマートグリッド、スマートエネルギーシステムの先の水とかごみ、環境に関係するところも全部効率化していこうというのがあると思いますが、そういうキーワードは入らないのでしょうか。

【情報科学技術委員会事務局】  社会全体を効率化するということで、確かに水というように特出ししては書いていませんが、エネルギー以外についても含まれているということで、今後おまとめいただく際に、そういったものを追加で具体的に書き加えてもいいのではないかと思っております。

【沖委員】  ありがとうございます。
 もう一点よろしいでしょうか。これは全体に関してですが、環境・エネルギーという中で、やはりエネルギーをいかに安定して供給して、いかに需要を減らして需給を維持していくか、しかもCO2の排出を減らすかというところに重点があると思いますが、環境・エネルギー分野としては、ほかに例えば生態系というのがあって、これはあまりほかの委員会とは関係ないということになるのかなと、今日、他の委員会からのお話を聞いていて、他の委員会からの主な研究課題が省エネルギーとか新エネルギーの話であるということであれば、環境・エネルギー分野では、最初の中間報告に書いた生態系分野について特段の注意を払っておかないと埋もれてしまうのではないかと感じました。
 以上です。

【安井主査】  先ほどの御報告の中でも、植物に関してはちょっとありましたが、そこ以外はなかったかなという感じは確かにいたします。
 松橋委員から挙がっていますので、それでは、松橋委員、お願いします。

【松橋委員】  先ほど安井主査、沖委員からもお話が挙がったところで、情報基盤技術の社会システムの高効率化のためのIT統合システムは、私も非常に関心を持っているところですが、現状の進捗といいますか、今全く何もないということなのか、ある程度検討といいますか、研究が進んでいるということであれば、その内容を少し具体的に教えていただければありがたいところです。つまり、社会システムの高効率化のためのIT統合システムの構築というのがありますね。情報科学技術の資料1-4-3の2ページ目ポンチ絵で言えば、一番左上の黄緑色の中の(1)の丸2です。これで具体的に今どういう検討なり、研究が進められているのかということを教えていただければと思っています。

【安井主査】  何か答えがいただけますか。もしなければ後でということですか。委員会の方から御回答いただけますか。

【情報科学技術委員会事務局】  情報科学技術委員会から説明いたします。
 今、これに関しては各府省がそれぞれ取り組んでいるところで、例えばスマートグリッドで言えば経済産業省が中心となっているところでございます。現在の動きとしては、パラメータが一つ、単に電力を最適化するということであれば、そのためのシステムというのはつくられつつありますが、他のパラメータも複数統合したときに、そのための最適化処理がまだできていないところでございます。アルゴリズムですとかソフトウェアとかいった観点から、そういう社会全体の最適化のためのシステムの研究開発を今後進めることとしておりまして、今年度から公募をかけまして研究開発を進めるところでございます。

【松橋委員】  要するにこれから行うという認識でよろしいわけですね。ありがとうございます。

【福井環境科学技術推進官】  補足になりますが、スマートグリッドとかエネルギーマネジメントについての制御という観点から研究開発を進めていくということにつきましては、本年度、環境エネルギー課からエネルギーマネジメントシステムに関する戦略目標を立てまして、現在公募審査中であり、CRESTで行うというようなことも本年度から進めております。補足でございます。
 以上です。

【安井主査】  ありがとうございました。
 それでは、江守委員からお願いします。

【江守委員】  各委員会と環境・エネルギーの分野のクロスカッティングな部分はどこかという認識に関して、質問というよりコメントになるかと思いますが、今の御説明でクロスカッティングだと、特に示された部分はちょっと狭いのではないかと感じた部分が幾つかあったので、指摘させていただきたいと思います。
 一つは、原子力科学技術に関してですけれども、特に環境・エネルギーということで書いてあるのは、資料1-4-1の2枚目のポンチ絵でいいますと、核融合研究開発と高温ガス炉研究開発が特に挙がっているわけですが、環境・エネルギーのこちらの委員会で議論する内容の中で、低炭素社会の実現に向けた社会シナリオ研究というのが含まれているということを考えると、より広い原子力科学技術に関する検討というのが環境・エネルギー分野課題領域にクロスカッティングしてくると認識したほうがいいのではないかなと思いました。
 例えば、「政策の方向性を踏まえながら検討を要する課題」に含まれているものや、「社会との関係・コミュニケーションの深化」ですとか「原子力安全研究の推進」といったものも、おそらく環境・エネルギーと関連させて議論するべきではないかと思いました。
 あと1点ですけれども、情報科学技術に関する推進方策の方で、こちらは単純な指摘ですけれども、資料1-4-3の2枚目のポンチ絵でいいますと、下の方の(3)の「災害等に強い安全安心な社会の実現」に「全地球的な長期気候変動予測等のシミュレーションの高度化」が入っておりまして、これも環境エネルギー科学技術委員会の方で議論する内容に含まれているものですから、「環境・エネルギー問題への対応」の四角に入っていませんけれども、ここもクロスカッティングの部分として認識していただく必要があると思いました。以上です。

【安井主査】  ありがとうございました。次の議論の過程というか、情報交換の中でそういうことに注意するということかと思います。
 続きまして、杉山委員、その次に堀尾委員ということで、杉山委員からお願いします。

【杉山委員】  ナノテクノロジー・材料のところに関係しますが、ひょっとしたらどこかにあるのかもしれないですが、省エネルギーでITとかエレクトロニクス技術というのはいろいろなところで言われていて、ここでも随分推進されるみたいですけれども、これでほんとうに安全保障としての問題はないかという議論があって、エネルギーは減るけれどもレアメタル依存はずっと増えるでしょうと言われています。
 レアメタルの資源保有国はどういう国であるかとか、そこの供給に安定性はあるかという問題は当然あって、元素戦略という言葉はナノテクノロジーの方でおっしゃっていて、元素の様々な要素を探すとか、代替的な元素を探すという点では一つ重要な作戦だと思いますが、ただ、もっと全体を広く考える必要はないのかなと思っていて、レアメタルは一体どういうものがあって、どういう国から輸入していますか、どこに資源保存量がありますかという基礎的な調査から始まって、あとはそれをいかにどうやって多様化していくかとか、量を確保するかという戦略があって、そういったものが政府内の幾つか関連する部署があって、経済産業省にもあるしJOGMECのようなところもあるし、こちらにもあるしということになります。
 文部科学省側の役割として私が大事だなと思って、まだキーワードとして聞いていない気がするのは、リサイクルに当たっての基礎的な技術とか、あるいは低品位の鉱山、パーセンテージが少なくても有用なレアメタルがある場合にそれを効率よく回収する技術というものは、触媒とか回収する新しい素材とか、まさに材料でいいものがあれば解決する部分もありますし、材料じゃなくてプロセスの工夫もあるのかもしれないですけれども、ただ、国の戦略としてそういったレアメタルを確保していくということをきちんと考えて、それのための必要な基礎研究というものは投資しておかないと、一生懸命省エネをやって国の安全を保障しているつもりでいたら、実は全然違うところで落とし穴に入ってしまうということがないかなという気がしています。
 そのあたりについて、ナノテクノロジー・材料開発推進室の方でお考えになっておられるのか、ほかの政府のところで考えているのか、その辺を御説明いただければと思います。

【ナノテクノロジー・材料科学技術委員会事務局】  元素戦略につきましては、先ほどの都市鉱山の話もそうでございますけれども、経済産業省と連携しながら今行っております。元素戦略も今年度から新しい事業をスタートするわけでございますけれども、例えば磁石の場合であれば、中国から主にディスプロシウムを輸入して、それが不可欠になっているわけでございまして、経済産業省でもそういったモーターのための磁石を開発するという事業を行うわけですけれども、文部科学省は、経済産業省に基礎研究の成果をお渡しできるように基礎的な研究を行うこととしています。また、経済産業省が実用化に近いところで研究をやってきて科学的な課題が出たときには、文部科学省が更に深掘りするということで、出口は最終的には経済産業省の実用段階になってくるわけでございますけれども、両省で合同の会議を開いて戦略的に行うという形で、これから仕組みをつくっていくことを考えているところでございます。
 もう一つ、磁石は一例でございますけれども、電子材料とかほかの分野も同様で、触媒も都市鉱山もそうでございます。こちらは、ちょうど今年から、復興関係のプロジェクトでございますけれども、東北発素材先導プロジェクトということで、東北大学を中核として都市鉱山のプロジェクト、これはまさに電子、分子が出てきたレアメタル、レアアースの回収技術の開発を行っていくことを予定しておりまして、これもやはり文部科学省だけでやってもあまり出口がはっきりしないということになってございますから、これは経済産業省ともよく話をしながら、車の両輪で回るようにと考えているところでございます。

【安井主査】  ありがとうございました。
 それでは、堀尾委員、お願いします。

【堀尾委員】  私は、全体の資料1-3の丸1と各委員会についてちょっとだけ発言させていただきます。バイオマスとか水素とか、あるいは高温ガス炉というような部分で、社会的にはかなりの意見対立があるのではないかと認識しているんですが、そういうものについては施策の妥当性が明確にわかるように打ち出していただく必要があるのではないかという気がいたします。
 まず、バイオマスについては、例えばナノテクノロジー・材料科学技術委員会におきましてもバイオ燃料という言葉、それから、資料1-4でもバイオ燃料という言葉が出ておりますが、いわゆるEVが出てきている時代に内燃機関の燃料としてバイオ燃料を使用するということの、温暖化対策としての意味が非常に低くなってきていますから、そういう点についてどういうふうにお考えなのでしょうか。
 航空用燃料についてはどうしようもないということで、中長期的にはバイオ燃料ということは当然あり得ると思いますので、例えばそういうことを明確に示唆していただくなり、何らかの対応が必要なのではないかと思います。
 それから、バイオマスにつきましては、いろいろな植物分野も含めて開発の計画があるわけでございますけれども、やはり国内外的に、森林の維持管理とか社会的な問題についてもう少し目を配っていきませんと、非常に混乱に拍車がかかるような状態に今なっておりますので、その辺、もう少し広い位置付けが必要なのではないかと思います。
 水素につきましても同じで、少なくとも都市の交通を考える場合に、燃料電池車というものが必要なのかどうかということについては、当然技術開発をやっておられる方、あるいは国の方策にもこれまで水素ということはちゃんと掲げられてはきているわけですけれども、状況はかなり変わってきておりまして、水素がどうしても必要なのかどうかということについては、研究開発の段階としては結構ですけれども、社会実装ということになりますとかなり問題が発生するのではないかと思いますので、そういう点についてもわかるようにしていただきたいと思います。
 もう一つは全然違う切り口で、全体の資料1-3でも重要事項と言われております「自然科学と人文・社会科学の連携」、あるいはローマ数字の2の4の「低炭素社会の実現にむけた社会シナリオ研究」云々のところにもある社会的な要因についてでございますが、例えば資料1-3のローマ数字の2の4を見ますと、あくまでもそこで言われていることが「技術開発の課題のみならず、実用化に向けた社会的課題を抽出し」という意味では、技術の実用化という視点からの記述が非常に強いですけれども、例えば情報科学分野で、資料1-4-3の資料3-2の右下の「情報化社会の進展への対応」というところで「法制度上生ずる問題への対応」ということも言われているわけでございますが、当然、低炭素社会につきましても法制度のような問題はたくさんございまして、例えばそのような問題ですとか、あるいは担い手の人材育成だとか、あるいはこれまでの社会的な慣習についての対応といったことをもう少し重視していく必要があるのではないかと思いまして、その辺はどういうふうに考えていったらいいか、お聞きしたいと思っております。
 以上でございます。

【安井主査】  そのあたりは、なかなか難問ですね。また全体の文章の中でちょっとブラッシュアップしていかなければいけない基本的な問題だと思います。社会的に全部の合意がとれているわけではないというところにも、いろいろと言及していかなければいけないわけでございます。
 それでは安岡委員、お願いします。

【安岡主査代理】  これも全体的な話になってしまいますが、ほかの委員会の方々から新しい研究課題が出されて、それを環境エネルギー委員会として全体を考えるときに、一つ大きな要因は、いろいろな分野で行われている新たな開発が環境にどういうリスクを及ぼすかという話をやはり考えなければならない。それがクロスカッティングの一つの大きな領域だと思います。
 今日、お話を伺っていて、こういうことをやったらいいというのはよく出てきますが、例えばナノテクノロジーとか材料というのは、新しいものをつくったときに必ずマイナスの面がある可能性があって、それを環境エネルギー委員会としてこういうふうなことに気をつけてほしいということをお戻しするということでしょうか。それをこの推進方策のところに書き込むのがいいのか、こういう会議で一たんフィードバックして、そちらで検討していただくのがいいのか、クロスカッティングの一つの領域としてどういうふうに実現していったらいいのかなというのが、まだ解決策は見い出せないですが、この報告書に書くことはできると思います。

【福井環境科学技術推進官】  先ほどのスケジュールのところにも書いてございますが、次回は関連する委員会の委員の方あるいは主査の方に来ていただいて議論していただくということなので、安岡委員がおっしゃっていることはそこで議論していただければという形を考えております。その結果を踏まえて書いていくということです。
 具体的にどの委員会でどのようなことを検討してもらいたいというのはないかと思いますが、まとめる段階で各委員会の委員の方とのインタラクションは、次回、考えていきたいと思っています。

【安岡主査代理】  そうすると、例えば今日いただいたいろいろな資料の中に、具体的にはイメージとしてまだ持っていませんが、こういうリスクがあるかもしれないというのをテーマとして書き込んでもらうとなると、まさに具体的なフィードバックになってしまいます。それがこの段階でできるかどうか、その辺がよくわかりませんでした。

【福井環境科学技術推進官】  もし、本日、委員の方々から、そういった観点から各委員会の考えを聞かせてほしいということがありましたら、今日、留意いたしまして、事務局同士で相談とか、あるいはこういうことについて聞かれましたのでお願いしますということで、次回報告してもらうことはできるかと思います。

【安岡主査代理】  なぜこういうことを申し上げたかというと、研究開発方策ということで、いろいろな委員会にまたがる、先ほど江守さんがクロスカッティングという言葉を使われましたけれども、非常にいいことだと思います。それの具体的な成果みたいなものがこの委員会から出て行けば、研究開発方策の中に書き込まれれば非常にいいなという気がして質問しました。
 以上です。

【安井主査】  とにかく、今度つくります研究開発方策というのは計評分科会としての文章になりますよね。ですから、そこまでは書かなければいけない。視野がそこでいいのかどうかは非常に難しくて、さき程の社会実装する場合、他省庁との連携とか、その辺もどこまで書くのか、ちょっとわからない部分がいっぱいあって、クレジットは計評分科会の文章になると思いますが、一体どこまで書けるのか、なかなか難しい問題が確かにあるということですね。ありがとうございました。
 ぜひ、事務局側には、ある程度留意しておいていただきたいと思います。
 それでは、山地委員、お願いします。

【山地委員】  どういうふうに付言するか迷って、説明を受けていると、何か整理されていない印象があって、もう少し、環境・エネルギー分野の研究開発方策もまとめの仕方を少し考えたほうがいいかなと思って、しかし、いい代案ができなくて苦慮しています。印象的なことをちょっと言いますと、原子力科学技術委員会から出ている核融合、高温ガス炉、要するに熱分解水素、時間軸から言うとだいぶ遠いですね。これがほかのところと一緒にあると非常に違和感があります。だから、時間軸上の整理も必要ではないかなと思いました。
 それから、構成要素から考えて、ほかの場で議論されていたこともありますけれども、水素とか、あるいは水素にかわるエネルギーキャリアの問題は、実は研究開発では重要で、かなり文部科学省が対象とする基礎基盤のところにかかわりますが、そういうのがこの中には十分あらわれてきていないです。それをどうやって取り上げたらいいのかと思いました。
 もう一つは、今話題になっているクロスカッティングですか、社会シナリオ研究と実証研究の推進という中に入るかもしれませんが、ちょっとおさまりが悪くて、よくいう技術評価、その中にリスク評価もあるわけですけれども、そういうクロスカッティング的な評価というのは、技術評価になると時間軸との関係もありますが、そういう整理軸も必要だと思いました。
 一方で、実用化分野、アプリケーション分野で、いきなり航空科学技術委員会において、機体軽量化が必要とありますがこれは省エネ共通の問題ですね。自動車もそうだし、エンジンもそうだし、何となく成り立ちがあるから理解はしているつもりですけれども、環境エネルギーの委員会として、今言った時間軸とかクロスカッティングとか、あるいはエネルギー環境の取り組むべき基礎基盤の中でちょっと抜けているものとか、あと、アプリケーション分野で特定のところだけが取り上げられるよりも、もう少しまんべんなく整理できないかなと思いました。

【安井主査】  おっしゃるとおりで、この環境エネルギーの委員会の事務局の技量が相当問われてしまいますね。それはそのとおりで、例えば時間軸の整理、それから、いわゆるコモンターゲットみたいなものをどうやって、例えば先ほどの軽量化などはほんとうにコモンターゲットですけれども、そういうものを一体どういうふうに扱うかとか、クロスカッティングイシューもそうですし、社会に実装するときに、例えば地熱の利用について反対する方は随分います。そういう反対する方に対するある意味のコミュニケーションをどうやって行うかみたいな話も多分コモンイシューだけれども、そのようなことをどうやって書いていくかは、結構大変で、先ほど中間報告をすればすぐできるみたいなことを言っていますけれども、容易ではないなという感じはしております。
 事務局にぜひ頑張ってほしいとしか言いようがないですけれども、皆様になるべく早くできた段階で、といっても、なかなか作業が大変なため、次回6月25日までに御意見をいただけるかどうか、難しいのではないかなと思われます。

【福井環境科学技術推進官】  スケジュールは先ほどの資料のとおりですが、各事務局とうまく連携して、なるべく早く資料ができればと思っています。
 山地委員御指摘の時間軸は確かにそのとおりですので、それもうまく整理した形でできればと思っています。
 エネルギーキャリアの話は、前回の中間報告ではあまりありませんでしたが、問題意識は我々もすごく持っていますので、そこは今回、最終報告にするときに書き加えていきたいと思っております。
 以上です。

【安井主査】  エネルギーキャリアにつきましては、後ほど紹介し説明されるシンポジウムにおいて、話題提供される予定です。
 それでは、河宮委員、お願いします。

【河宮委員】  情報科学技術のまとめについて質問します。2枚目のポンチ絵でいうとどこになるのでしょうかという話ですが、グリーンイノベーションの方で、地球環境情報が重要な社会インフラの一つであるという話があって、それと関連して、先ほどビッグデータの取扱いが話題になっているという話がありました。地球環境に関するビッグデータをどう配信していくか、利用者にわかりやすい形でどのように配信していくかというのは、大きな研究課題になってきているところです。そういうのはここのどこに入るのでしょうか。強いて言えば(3)の丸4とかに入ってくるものなのでしょうか、それとも、あまり検討されていないのでしょうか。

【情報科学技術委員会事務局】  お答えします。こちらは昨年まとめたもので、実はビッグデータというキーワードがはやり出したのはこれをまとめ終わった後でございまして、この中で、すとんと落ちるところが確かにあるわけではないですが、先ほどの項目ですとか、(1)の丸2とかにも含め得るのかとは思っているところです。
 現在、情報課の方で何をしようとしているかということですが、ビッグデータに関しては、アカデミッククラウドに関する検討会というものを先月設置いたしまして、その中で、先ほど御指摘いただいたようなデータを集めてそれをどう可視化するかという技術も必要だということで、その検討も進めるということと、個別に地球観測用のデータもあれば、ライフ分野のデータもあるなど、データがもろもろあり、システムも別々にできているので、それをどう統合するかというデータ連携の議論を進めているところでございます。

【河宮委員】  どうもありがとうございます。とすれば、先ほどの資料4の関連委員会における検討課題という資料にも、その辺のところを反映させていただければと思います。

【安井主査】  それでは、柴崎委員、お願いします。

【柴崎委員】  今、情報の話が出たので、短く、補足的質問というかコメントですが、いろいろな分野の話をつなぐときに情報の話って気になることは間違いなくて、情報科学技術委員会が全部のところに顔を出している状態だと思います。ただ、情報の研究をしている人からすると、研究として最先端でやるべきことと、いろいろなところをつなぐために要求されている話には若干の乖離があって、両者がほんとうに完全にいつも一致していればとても楽なのですが、今の配信の話ですと、例えば画像性能のいい圧縮技術ができますということと、実際に配信が行われるところの間にはものすごく距離があります。でも、ほかの分野では、それが行われないと研究が進まないという状況にあります。
 ですから、そういう意味で、情報科学技術委員会なり、あるいはこちらの環境エネルギー科学技術委員会でまとめるときの書きぶりとして、最先端のITを研究開発するという側面と、それをもう少し広げて開発するという側面の両方があって、それをいかにうまくつないでいくか、開発だけだと研究者はモチベーションないですし、研究だけだとパーツパーツができて組み合わせればできるよと言われても、組み合わせてみたらそのとおりには動かないということもよくあります。だから、そこら辺のところが、まとめるときには実はもう一つ大きな切り口かなと思います。

【安井主査】  ありがとうございました。
 それでは、安成委員、お願いします。

【安成委員】  今、他の委員会からの報告もありましたが、環境エネルギー科学技術に関する推進方策について、この委員会が出された中間報告に基づいて具体的にどういうテーマでどういうことをすべきかということで関連の委員会にも声をかけていると思っていますが、一つ、山地委員が言われたことは大事だと思っておりまして、具体的に当面何年ぐらいの目標として何をすべきかというのが当然あって、それによって優先事項も当然変わってきます。そうすると、ほかの関連委員会とは何をどういう形で連携するかということも当然変わってくると思うので、そこのところをまずこの委員会として議論すべきかと思います。
 それに関連しますが、「環境・エネルギー」か「環境エネルギー」か知りませんが、実は、環境とエネルギーの両方とも大変な問題です。その両方を考えるということは、簡単に言えば持続可能な社会をどういう形に持っていくかということです。それに関連して、環境とエネルギーをどういう形に持っていくか考えることだと思います。
 この中間報告そのものを見ると、そういう意味で環境とエネルギーがかなり別々にとらえられている面があるかなと思います。もちろんイントロに全体を俯瞰することは書かれていますが、今後どういう形の持続的社会ということを考える必要があるか、それに関連して環境及びエネルギーというものをどういう形でとらえていくか、そこで時間軸というものをかなり考えておかないと、いろいろな長期的な話と短期的な話など、両方ありますので、これは大変な問題になると思うので、少し整理したほうがいいのではないかなという気がいたします。
 そういう意味で、一番最後に自然科学と人文・社会科学の連携ということも書かれていますが、多分ここで一番必要なのはどういう社会を今後考えるべきか、まさにそこで自然科学と人文・社会科学の連携というところが出てくるのではないかなと思っています。この中間報告を、もう少しある意味で、バージョンアップするという過程で少し整理をする必要があるかなというのが私の印象です。

【安井主査】  コメントというか、そういう作業を行うことになると思いますので、よろしくということかと思います。おっしゃるとおりであろうと思います。
 それでは、江守委員、お願いします。

【江守委員】  先ほど、社会実装関係で幾つか議論があったと思いますが、それに関して感じたことを申し上げたいと思います。
 ここは文部科学省の委員会なので、各委員会の報告を拝見していると、全般的に要素技術の開発が話題の中心であるという印象を持っています。その中に、たまにぽつりぽつりと社会との云々というのが出てくる感じです。原子力に関して言えば、真ん中辺に「社会との関係・コミュニケーションの深化」ということがぽつりと出てきたり、ナノテクノロジーのポンチ絵の一番下の方に、「新規物質の有用性を強調するだけでなく、その安全性・不確実性についても云々」、リスク評価を社会に提供するということが出てきたりしていますけれども、あんこの部分というか、中身のほとんどは要素技術の開発の推進ということをまとめていらっしゃるのかなという気がしています。
 その中で、先ほど安岡委員からお話があったように、この委員会から他の委員会に向けて、その技術を社会実装するときには社会的にこういう論点があるのではないかみたいなことを戻していくことが、どれぐらいこの枠組みの中で本格的にやるべきことなのかどうかということがちょっとよくわからないという感じがしています。
 おそらく、要素技術の議論をする上で、社会実装をする上での社会的な論点に関して論じたり、意識したりしておくことは重要だと思いますが、この委員会でそれを全部行おうとするのは大変かなという気がします。
 つまり、ほかでテクノロジーアセスメント的な、個々の技術を社会実装するときには、ほんとうに社会が受け入れるのかとか、どういう問題があるのかとか、どう克服するのかということを実施する場所は別途存在していて、それはそれできちんと行うけれども、この中でも個々の要素技術の議論に付随してそういう議論をするというのが適切ではないかという感想を持ちました。
 以上です。

【安井主査】  それでは、松橋委員、どうぞ。

【松橋委員】  あまり時間を使いすぎるとよくないですが、今、江守委員のおっしゃったことも非常に重要な論点なので、一つだけ申し上げたいと思います。先ほど御説明があった文部科学省と経済産業省の合同検討会というのが、全てを網羅するということではなくて、江守委員がおっしゃったように、どちらかというと基礎技術に近いところを文部科学省が担当していて、出口に近いところを経済産業省がエネルギーに関しては行っているという観点からしますと、そういう合同検討会を実施していく中でお互いの役割分担がだんだん見えてきて、山地委員がおっしゃった時間軸ということも、これは非常に遠い技術である、あるいは近い技術である、あるいは出口で法制度を変えないとうまくいかないものであるといったことが徐々には見えてきて、その中で文部科学省が各委員会でやることというのは、少し整理されてくるのではないかという期待も持ちますので、完全にそこでパーフェクトにソリューションが出るとは思いませんが、こういった合同の委員会というのは非常にいいことではないかと私は思っております。
 今後予算が厳しくなる中では、かえって効率化が促されてくると思います。それから、もちろん社会的、法制度的なことも、私も実はシナリオに自分自身関与しておりますので、決してここでは考えないということではなくて、そういったことも踏まえながら、合同の委員会の結果も踏まえながら、日本全体として力を発揮できるようにやっていけばいいのではないかということで、ちょっとコメントさせていただきました。
 以上です。

【安井主査】  ありがとうございました。
 それでは、阿部委員、お願いします。

【阿部委員】  今回は文部科学省の会議ですけれども、環境・エネルギー問題への対応は、経済産業省、環境省などでも行っていると思うので、そちらとのつながりが見えにくくて、環境・エネルギー問題に関して文科省としてどうするかというのを判断しかねる部分があるので、全体像をどういうふうにして議論していらっしゃるのか、あるいはもう既に議論された上での文言なのかということを、資料あるいは情報として教えていただかないと、議論は難しいと思いました。

【安井主査】  今のお話でございますが、堀尾委員、それから、同じことでコメントが安岡委員からもあるようでございます。それでは、安岡委員、お願いします。

【安岡主査代理】  松橋委員からお話があった文部科学省と経済産業省の合同検討会について補足情報ですが、その合同検討会でも初めは要素技術を中心に想定していましたが、環境エネルギー課が非常に努力されて、要素技術を最後の出口まできっちり押さえるためのシステム的なものが必要ということをしっかりと文章として入れられました。合同検討会でも皆さんが言われて、もちろん環境エネルギー課の努力もあったと思いますが、確かに非常にいいことだと思っています。
 ですから、最後の出口まで、社会実装や技術の国際展開も含めてですが、それが合同検討会の中では書き込まれていますので、そこへの配慮はあると思います。ただ、それがここの推進方策の中にどう書き込まれるかというのは、私もちょっとわかりませんけれども、3節の「研究開発を推進するに当たっての重要事項」当たりに一つ項目を加えるという形で書き込まれるのではないかと思っています。
 以上です。

【安井主査】  それでは、堀尾委員、お願いします。

【堀尾委員】  今、いろいろな御議論がありましたが、やはり私は社会的な要素の問題を小さくしていくべきではないと思います。第4期科学技術基本計画の中でもそういう方向は強調されてきているわけであって、どうアプローチするかをむしろ考えなければいけない。だから、文部科学省と経済産業省だけのコラボレーションではなくて、例えば総務省なり、いろいろなコラボレーションの可能性がまだございますので、これからぜひ検討、議論していただきたいと思います。

【安井主査】  そのあたり、かなりテクニカルにも難しいような問題もあるかもしれないので、なるべく積極的にいろいろなことをまずは書いてみて、それから対応を検討するのかなと思いますので、御協力をお願いしたいと思います。
 ちょっと時間がオーバー気味でございまして、次の議題に移らせていただきたいと思います。議題の2でございますが、環境エネルギー分野における平成24年度予算の概要及び政策動向についてということで、主として御報告事項でございます。
 事務局からお願いします。

【福井環境科学技術推進官】  まず、資料2-1から資料2-5を簡単に説明します。
 資料2-1は、文部科学省のグリーンイノベーションについて、平成24年度の予算としてまとまったものをつけさせていただいております。これが文部科学省におけるグリーンイノベーション予算ということでございます。
 めくっていただきますと、昨年、委員の皆様に事前評価していただきました予算要求案の一つは、東北復興次世代エネルギー研究開発プロジェクトという形で成就しておりますという御報告でございます。1ポツのところは、産総研と共同で、福島県で高効率太陽光電池の研究開発を行うということで、研究総括として東工大の小長井先生にお願いして、事業の推進を科学技術振興機構にお願いして今実施しているところでございます。
 下段の東北復興のためのクリーンエネルギー研究開発の推進ですが、波力等の海洋再生可能エネルギーや微細藻類等のエネルギー利活用の視点に加え、モビリティの観点に着目した研究開発を現在公募している段階でございまして、施策としては進めることができたということでございます。
 次をめくっていただきまして、これも事前評価していただきました、21世紀気候変動予測革新プログラムの後継ということで、気候変動リスク情報創生プログラムです。特にリスクマネジメントに資する情報提供ができるような気候変動予測の研究開発も、平成24年から引き続きバージョンアップして始めることができまして、現在、事業のスタートに向けて最終的な詰めを行っているところでございます。
 資料2-2は、総合科学技術会議の動きでございますが、総合科学技術会議におきましても第4期科学技術基本計画の策定後、大きな3本の柱については戦略協議会というものができたということでございます。グリーンイノベーションもグリーンイノベーション戦略協議会ができたということで、ここでは、昨年度もやっておりましたアクションプラン等をまとめることになっておりますので、本委員会での議論の成果などをこの戦略協議会にインプット、提供していきたいと考えているところでございます。後ろには名簿がついてございます。
 資料2-3は、政府全体としてのエネルギー・環境についての流れということで、国家戦略会議の下部委員会としてエネルギー・環境会議が設定されてございます。構成員は1ページ目に書いてあるとおりでございまして、文部科学大臣も入っているところでございます。ここで、この夏に向けて革新的エネルギー・環境戦略をまとめるということです。
 2ページ目を御覧いただきまして、スケジュールでございます。本日、御出席されている委員の方々には様々な委員会で御活動いただいているかと思いますが、2ページの「今後の進め方」のところで、昨年12月に基本方針が決定されまして、それは3ページに書いてございますので後で御覧いただければと思います。それに基づいて、現在、国民的議論に資する選択肢の提示へ向けての議論を、エネルギーミックスについては総合資源エネルギー調査会、原子力政策については原子力委員会、地球温暖化については中央環境審議会で審議しているというところでございます。
 国民的議論に資する選択肢の提示をエネルギー・環境会議で取りまとめまして、その後、各地で国民的議論を進め、この夏には革新的エネルギー・環境戦略が決定されるということで、環境エネルギー科学技術委員会の活動もこの戦略の中で行っていくことになろうかと思います。
 その中でも中央環境審議会で議論されており、特に気候変動予測に関する活動として、適応策への取組の方向性についてまとめたものが資料2-4でございます。取組の必要性はここに書いてあるとおりでございますが、具体的な中身は、今後の具体的なステップに書いてあるとおり、まずは我が国における温暖化の影響に関する最新の科学的知見の取りまとめを平成24年度中に行うということです。2009年に一度、出版物にしたものがありますが、それの改訂版的な形かと思います。
 重要なのはその次の丸2でございまして、政府全体として将来の気候変動とその影響を予測・評価する方法を検討し、政府オーソライズ版の気候変動予測とその影響を策定するということでございます。丸3は、その結果に基づいて、防災計画とか、農作物の品種改良とか、先ほど議論がありました生態系とか、分野・課題別の気候変動に伴う適応策を関係府省において立案し、これを政府全体の総合的な取組として取りまとめるというものでございます。 また、この取組については、5年ごとに見直すという方向性が議論されております。
 文部科学省としましては、特に丸2のところで、先ほど省庁連携の話がございましたが、環境省や気象庁とも連携して進めているところでございます。
 資料2-5でございますが、6月20日から22日までリオデジャネイロで、国連持続可能な開発会議リオ+20が開催されます。これは、本年が、環境と開発に関するリオ宣言が出た1992年から20年目ということで、サステナビリティ関連では大きな会議でございます。文部科学省といたしましても、持続可能に資する教育とか、特に環境エネルギー課としましては地球観測の重要性をいろいろな開発会議の成果文書にもインプットするよう取り組んでいるところでございまして、リオ+20の会場では、この地球観測の取組の展示を日本パビリオンで行ったり、あるいはそれに関連するパネルディスカッション等を行う予定にしております。
 以上でございます。

【篠崎環境エネルギー課長】  それでは、資料2-6と2-7の説明をしたいと思います。
 今まで福井が説明したのが、本年度どういう事業をやるかということと、予算がどうなったかということと、それから、来年度に向けて今、周辺環境はどうなっているかという現状の御報告をさせていただきました。釈迦に説法ですが、この環境・エネルギー分野は日々刻々と変わっておりまして、いろいろな問題が発生しておりますし、さらに案件も、我々だけの話ではなくて、社会的あるいは政治的にも大問題になっていますから、今後もいろいろな話が起こってくるかと思います。
 その中で、今後、我々が一体何をしないといけないか、何をすべきかということについて、我々なりに考えていることを、問題意識としてこのようなものがあるのかなという視点をまとめたものが資料2-6です。この紙自身は、別に何か決めるという話でもありませんし、これをどこかでオーソライズするという話ではありません。あくまでも今後、次年度以降に向けて文部科学省でいろいろな施策なり予算を考えていく必要があるわけですけれども、そのときに、どういうことを視点として持ったらいいのかということについての、ラフな、事務局の今持っている問題意識をまとめたものだと思っていただければと思います。
 1、2、3、4、5とありますが、先ほどの環境・エネルギーの推進方策の表題のところにあるものでして、それに対してどういうことを我々が問題意識として持っているかということをまとめたものです。
 最初の黒丸のところを御覧ください。これは釈迦に説法ですが、去年の秋に一定の方策をまとめましたが、その後、いろいろな形で社会の期待が加速的に高まっているということを考えると、もちろん文部科学省ですから、いろいろな分野を明示していただきまして、それを網羅的に俯瞰しまして、いろいろな独創的なアイデアを酌み上げていくという従来の手法を否定するものではありませんし、それは当然やっていく必要があると思っています。
 ただ、他方、それに加えて、今の加速的な社会からの期待なり要請に我々としてどう答えていかないといけないかということを見据えたときに、従前の基盤的・基礎的な研究だけにとどまらずに、特に今日も御議論ありましたけれども、出口側とどうやって連携していくかというようなことをしっかりと見せる必要があるのではないかということです。
 具体的な取組については、先ほどからも合同検討会という話で出てきておりますけれども、そういうものを活用しながら、より議論を深めていきたいと思っています。
 二つ目の黒丸ですけれども、これは、先ほど説明しましたように、特に復興事業ということで、本年度、太陽光発電の方の拠点の形成を始めることになっております。ただ、これだけでいいのか。特に急いでやるようなものがないかどうか。今の世界に置かれている日本の状況を見たときに、日本としてどういうものをキーテクノロジーとして世界に売り込むことができるだろうかという観点で、分野を少しシャープにしていく必要があるのではないかというような問題意識です。
 その関係が、下の黒丸のところにもありますけれども、2番目の黒丸とあわせて、貯蔵や運搬あるいは熱の有効利用というような視点をもう少ししっかりととらえるべきではないかなという問題意識を持っているということです。
 4、5については、4については両方にまたがる話ですし、5については観測の関係あるいは環境の関係がメーンかと思いますけれども、先ほどからもいろいろ出てきておりますように、社会科学をどういうふうに見るかという話です。従前から技術開発なり研究開発をしっかり進めるというのが文部科学省のミッションであったわけですけれども、そのアプローチだけでいいのかということ、特に、出てきた成果をどうやって社会に実装していくか、いい技術ができたからといって社会がそれを受け入れるかどうかわからないわけでして、その辺をいかににらんでいくかということについて、場合によってはそういうことを研究するような分野も必要ではないかなという問題意識です。
 最後については、先ほどもちょっと御紹介がありましたけれども、気候変動については、文部科学省だけでは見えないという話もありましたので、特に環境省や気象庁としっかりと連携して、経済産業省とは合同検討会ということでいろいろな具体的な取組を始めておりますけれども、この気候変動 の分野については、環境省や気象庁と特に連携をしながら、どういうことをやっていくべきかということをこれからしっかりと受けとめて、考えていきたいという問題意識を持っているということです。
 こういう問題意識をにらみながら、具体的な施策の検討を文部科学省としても始めたいと思いますし、今日はいろいろな御意見なり御示唆をいただいて、そういうことも踏まえながらいろいろとブラッシュアップをしていきたいと思っています。
 資料2-7は、その一環として、先ほどの経済産業省との合同検討会が、今まで中でいろいろなディスカッションをしてきたわけですけれども、外に議論を展開していく一つの試みであると御認識いただければと思います。従前から、国の事業なり予算を作成していく過程では、策定のプロセスであまり外とのコミュニケーションなり議論をしなかった、これは我々も反省しないといけないところだと思いますが、そういうことをもう少ししっかりとやるべきではないかという問題意識で、ここにあるようなシンポジウムを企画しているということでございます。
 以上です。

【安井主査】  御報告ありがとうございました。
 ちなみに、最後のシンポジウムでございますが、一応主催に経済産業省が入ってくれるはずですけれども、今のところ、その手続が遅れています。
 何か御質問などがございますか。議事進行を早めたいと思いますので、質問は簡潔にお願いします。報告事項に近いことでございますが、もう一つ議題がありますので。江守委員、どうぞ

【江守委員】  ちょっとしつこくてすみません。出口の話がまた出てきたので、話は戻りますが、先ほどの発言で私の言い方が下手で、社会との関係は小さくていいのではないかと聞こえてしまったとしたら申しわけありません。私は、その問題は非常に重要なのでちゃんとやるべきだと思っていて、だからこそこの場でだけやったことにすると、むしろその問題を過小評価してしまうのではないかという意味で、多くの皆さんが御指摘されたように、省庁横断の体制の中できちんと位置付けて、そういう議論をするべきであると私も思っています。
 一つ目の黒丸で「経済産業省や企業等と連携し、出口を見据えて」ということが書いてありますが、おそらくここでいう出口というのは、社会で実用化する、例えばマーケットに乗るとかいう意味での出口なのかなという気がしまして、そうではなくて、技術が持つリスクを社会が受け入れるかどうかといった面も考慮すると、おそらく経済産業省以外のいろいろな省庁とも連携していかなくてはいけないということを、皆さん、認識していらっしゃるかもしれませんけれども、改めて強調したいと思います。
 環境省なのかというと、環境省がテクノロジーアセスメントをしっかりとやっているのかというと、あまりそうとも言えないのかもしれませんが、何しろここは、きちんとした省庁横断の検討が必要だと思いますので、今後どこで具体的にそういう検討ができるのかということを明らかにしていただきたいと思います。
 以上です。

【安井主査】  なかなか難しい問題ですので、何かアイデアがございましたら、いただけたらと思います。
 ほかに何か御質問はありますか。それでは、松橋委員、どうぞ。

【松橋委員】  手短に申し上げます。要するに、エネルギーの問題で一番難しいのは、複数のステークホルダーが絡んでいるようなことです。先ほど山地委員がおっしゃった水素の話も、例えば業界といってもガス業界があり、石油業界があり、電力業界も関係していて、そして自動車業界が絡んでいます。。非常に多くのステークホルダーがいる中で何らかの意思決定をしなければいけないときに、産業界はどうしても行政の方を見ているわけですけれども、そこに明確な意思というものがなくて、つまり要素技術の開発だけをやるということになるとお見合いの状態になって、一切先に進まないというようなことが過去からずっと続いてきたのではないかと思います。
 エネルギーの問題で一番難しいことはそこなので、省庁横断、今回、文部科学省と経済産業省をとっかかりとして、江守委員がおっしゃった環境省も、全く別の例ですけれども、環境省と経済産業省でJ-VERと国内クレジットが統合されるという日本にとっても非常にうれしいニュースもあるわけでして、省庁の壁を越えた例も出てきていますので、そうした中で複数のステークホルダーが絡んで難しい問題をどこかで最終的には行政としての意思が示せるような形にもっていけば、行政の意思決定のリスクを産業界は見ていますから、うまくやれば一気に社会が動いていくということが起こるのではないかと思います。
 そういった点は、ここで研究していくということですから、それはそれで難しいことですが、結構なことではないかと思います。

【安井主査】  それでは、堀尾委員、お願いします。

【堀尾委員】  大変小さいことなのかもしれませんが、資料2-1で、先ほど山地委員がおっしゃった時間軸との関係で、核融合実験炉の話がかなり左上に大きく、金額が大きいのでそこに置かれるのは仕方がないのかもしれないけれど、いわゆるグリーンイノベーションの概念から言うとちょっと違うのではないかと思います。若干、火中の栗に近いものですから、そこはうまく注意して表現されたほうがいいのではないかと思います。

【安井主査】  ありがとうございました。
 それでは、安岡委員、まとめをお願いします。

【安岡主査代理】  今、篠崎課長から説明があった資料2-6、いろいろな含みがあるものだと思います。各省庁との連携をとる、それから、今、松橋委員がおっしゃったステークホルダーとの連携をとることも非常に重要です。ただ、どこに焦点を合わせてやるか、全部が全部やれるわけではないので、これをどうするかというのはちょっと考えなければいけません。
 それと、我々アカデミアの方も、ややもすると縦割りのところがあって、霞が関よりもっと縦割りの部分があるかもしれませんので、我々も反省しつつ前向きに考える必要があるのではないかと思います。

【安井主査】  常に自己批判をしつつ、我々も縦割りを排除しつつやらなければならないということかと思いますので、ぜひよろしくお願いいたします。
 それでは、最後の議題に移らせていただきたいと思います。これは平成24年度研究評価計画、我々のノルマがどうなっているかという話でございます。御説明をお願いします。

【福井環境科学技術推進官】  我々は、いろいろな研究開発プログラムを進めているわけですが、本委員会として、そのプログラムについてしっかり評価していただくというのが非常に重要なミッションであるかと思っております。
 資料3は、今年度の評価についての予定でありまして、委員の方々にお願いすることになるものでございます。本日、御了解いただければ、こういった形で評価をお願いしたいと思っております。
 まず、2ポツ、評価対象課題ということで、平成25年度の新規予算要求の事前評価を8月ごろに行っていただきます。先ほど篠崎課長が申し上げた点が具体的な予算要求案として出てくるかと思いますので、御審議をお願いしたく思っております。
 2番目の中間評価でございますが、気候変動適応研究推進プログラムの中間評価がございます。
 もう1ページめくっていただきまして、事後評価としては、先ほども申し上げましたが、平成23年度で終了した21世紀気候変動予測革新プログラムがございます。
 8ページと9ページを御覧いただければと思いますが、8ページは、RECCA事業の中間評価調整グループで環境エネルギー科学技術委員会の中からこの5名の方に委員をお願いし、また、21世紀気候変動予測革新プログラムは9ページの事後評価調整グループを構成する8名の方に委員をお願いして、それぞれグループとしての評価原案をまとめていただくということでございます。委員の皆様におかれましては、お手数をおかけいたしますが、よろしくお願いいたします。
 この調整グループでおまとめいただきました評価原案は本委員会で評価され、その結果が本委員会の中間評価や事後評価として確定するということでございます。
 以上でございます。

【安井主査】  ありがとうございました。
 中間評価調整グループ、事後評価調整グループの両方にお入りになる委員は御苦労さまでございます。
 何か御質問などございますでしょうか。よろしゅうございましょうか。我々のノルマでございますので、しっかりやらなければならないと思います。
 もしよろしければ、大体ちょうどいいぐらいの時間に戻りましたので、一応議事はこれまでとさせていただきますが、次回の第7回は先ほど来の議論のとおりでございまして、研究開発方策につきましての議論を行わせていただきたいと思います。
 それでは、事務局で何かございましたら、補足をお願いします。

【岡本課長補佐】  本日はいろいろと御議論ありがとうございました。本日の議事録は、後日事務局でまとめさせていただきまして、委員の皆様にお送りさせていただきますので、修正等があれば御指摘のほどお願いしたいと思います。最終的には文部科学省のホームページに掲載させていただきますので、よろしくお願いいたします。
 さらに、旅費、委員の手当について、机の上に一、二枚お配りしておりますので、確認いただきまして机の上に置いていただければと思います。
 次回の会合は、6月25日の月曜日、午後3時から2時間ほどを予定しておりますので、スケジュールの中に入れていただければと思います。よろしくお願いします。
 事務局からは以上でございます。

【安井主査】 次回、2時間で終わるかどうか、ちょっと疑問かもしれないので、場合によっては少し長めの時間を確保していただいたほうがいいかもしれないという気もいたします。
 それでは、以上をもちまして本日閉会とさせていただきます。大変ありがとうございました。

―― 了 ――

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