資料2-4 今後取り組むべき研究課題および調査内容について

1.人体への影響を考慮しない実験

 実際の人間やダミー人形によらない有効な実験とはどのようなものか。E-ディフェンスを使用すべき実験及び使用しなくても可能な実験は何か。

<実験例>

(1) 住居の室内(居間、台所、寝室等)での退避行動の安全性の実証実験

○ 地震動の揺れの大きさや周期により、電気製品や机・家具類がどのように動くのか定量的な実験

○ 家具類が倒れても人間が生存できる空間は確保されるのか定量的実験

○ 人間は、大きな地震動によりしゃがむこと等が想定されるが、しゃがむまでの時間とある条件下における家具類が倒れてくるまでの時間とを比較し、人体への影響が少ない配置を定量的に選定する実験

○ 家具等の固定等種々の事前の対策により被害がどの程度軽減されるのか定量的な実験(気休めの対策から効果的な対策まで定量的に洗い出すため)

(2) 学校及び職場での退避行動の安全性の実証実験

1) 一般教室、理科室、家庭科室、保健室、音楽室、職場の執務室、会議室等

○地震の揺れの大きさや周期、建物の高さや耐震性により、教室内の机や備品等がどのように動くのかの定量的な実験

○室内の備品等の固定等種々の事前の対策により被害がどの程度軽減されるのか定量的な実験(気休めの対策から効果的な対策まで定量的に洗い出す)

2) 体育館

○ 地震の揺れの大きさや周期により、天井の落下及び天井からの落下物または倒壊等について、体育館を想定した定量的な検証

(3) 百貨店や劇場などの不特定多数の人々が集合する空間にいる場合での退避行動の安全性の実証実験

○ 地震の揺れの大きさや周期、建物の高さや耐震性等により、商業空間内の商品や陳列棚等がどのように動くのかの定量的な実験

2.人体への影響を考慮する実験

 実際の人間やダミー人形を用いた有効な実験とはどのようなものか。E-ディフェンスを使用すべき実験及び使用しなくても可能な実験はどのようなものか。

○ダミー人形を使用した有効な実験とはどのようなものか

(例)各所にセンサー等を付けた種々の体勢の(静的な状況での)ダミー人形の上に家具類を倒したり、激しく動く家具類を衝突させたり、天井を落としたり、天井から何かを落下させたりして、人体のどの部分にどの程度の損傷を与えるかを検証する定量的な実験

・E-ディフェンスを使用しない実験とは何か
 →これで何が分からないのか、何が限界なのか
 →詳細な地震動が再現できない起震車等で人体が受ける損傷の検証がどこまで可能か(地震動は正確でなくても家具類の倒れ方を類似させることは可能か)

・E-ディフェンスを使用すべき実験とは何か

○ 実際の人間が参加して行う有効な実験とはどのようなものか(実際の人間でなければできない実験とは何か)

・E-ディフェンスを使用しない実験とは何か
 →これで何が分からないのか、何が限界なのか
 →詳細な地震動が再現できない起震車等で地震時の実際の人間の行動の検証はどこまで可能か(地震動は正確でなくても大きな揺れに対する人間の行動は大きくは異ならないのではないか)

・E-ディフェンスを使用すべき実験とは何か

 ※ 実際の人間が参加して行う実験については、安全性の観点から、E-ディフェンスに載せる方向で検討を進めているところ

<実験例>

(1) 住居の室内(居間、台所、寝室等)での退避行動の安全性の実証実験

○ 以下の条件を変化させて人体(ダミー人形)への影響の変化を定量把握する実験

・地震動の揺れの大きさや周期

・家具類の配置や固定等の事前対策の状況

・火器や熱湯等の状態

・ダミー人形の状態(人数、居場所、成人または子供、立位または座位または臥位、健常者または災害弱者等)

※成人と子供ではできることが違うか要検討

○ 実際の人間により、地震の揺れの大きさや周期により、どのように退避することが可能か否か定量的実験

(2) 学校及び職場での退避行動の安全性の実証実験

1) 一般教室、理科室、家庭科室、保健室、音楽室、職場の執務室、会議室等

○ 実際の人間により、地震の揺れの大きさや周期により、机下に退避することが可能か否か定量的実験

○ 机下に退避した場合、人体(ダミー人形)への被害がどの程度軽減できるのかについて定量的な実験

○ 机下に退避できない場合、低い姿勢に構える等他の退避方法の有効性について、人体(ダミー人形)への被害の定量的把握による検証

○ 室内の備品等の固定等事前の対策により、人体(ダミー人形)への被害がどの程度軽減されるのか定量的な実験

2) 体育館

○ 実際の人間により、地震の揺れの大きさや周期により、適切な場所に退避することが可能か否か定量的実験

○ 体育館を想定し、天井の落下及び天井からの落下物または倒壊等の条件を設定し、人間の居場所により実際に人体(ダミー人形)の被害の状況を把握する実験

(3) 百貨店や劇場などの不特定多数の人々が集合する空間にいる場合での退避行動の安全性の実証実験

○ 実際の人間により、地震の揺れの大きさや周期により、適切に退避することが可能か否か定量的実験

○ 以下の条件を変化させて人体(ダミー人形)への影響の変化を定量把握する実験

 ・地震動の揺れの大きさや周期

 ・商品や陳列棚等の配置や固定等の事前対策の状況

 ・食品売り場等における火器や熱湯等の状態

 ・ダミー人形の状態(人数、居場所、成人または子供、立位または座位、健常者または災害弱者等)

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研究開発局地震・防災研究課防災科学技術推進室

(研究開発局地震・防災研究課)