資料1　地球環境科学技術に関する研究開発について－第4期科学技術基本計画の策定に向けて－（骨子案）

1．地球環境科学技術を巡る基本認識

（1）地球環境科学技術を巡る国際的な動向

• 平成19年（2007年）11月　気候変動に関する政府間パネル（IPCC）第4次評価報告書を策定、公表
• 平成19年（2007年）11月　第4回地球観測サミット開催
• 平成20年（2008年） 7月　G8北海道洞爺湖サミット開催
• 平成21年（2009年） 3月　第5回世界水フォーラム開催
• 平成22年（2010年）10月　生物多様性条約第10回締約国会議（COP10）名古屋で開催

（2）地球環境科学技術を巡る国内の動向

（気候変動関係）

• 平成19年 6月　「21世紀環境立国戦略」を閣議決定
• 平成20年 5月　「環境エネルギー技術革新計画」及び「科学技術外交の強化に向けて」を策定（総合科学技術会議）
• 平成20年 7月　「低炭素社会づくり行動計画」を閣議決定

（水分野関係）

• 平成21年 1月　「水の安全保障戦略機構」設立及び「チーム水・日本」形成

（生物多様性関係）

• 平成19年11月　「第三次生物多様性国家戦略」を策定

（3R関係）

• 平成20年 3月　「第2次循環型社会形成推進基本計画」を閣議決定

（バイオマス関係）

• 平成18年 3月　「バイオマス・ニッポン総合戦略」（改定）を閣議決定
• 平成21年 6月　「バイオマス活用推進基本法」成立

2．次期科学技術基本計画における地球環境科学技術について

（1）基本理念

• 安全保障問題としての地球環境問題
• 温暖化をはじめとする地球環境問題は、人類の存続に関わる安全保障問題
• 地球環境科学技術は、国際社会の安定へも貢献

• 循環・持続型社会、低炭素社会を実現する科学技術
• 循環・持続型社会の構築への積極的な貢献
• 世界の規範となる低炭素社会づくりに必要

• 経済社会システムの変革と地球環境科学技術
• 経済成長との両立、持続型社会実現に向けた要請に応える成果を創出
• 地球環境科学技術が経済社会システムを変革
• 社会の未来可能性やシナリオを提示

• 分野横断、異分野融合、そして統合の科学技術
• 地球環境の課題解決に向けて分野を横断して様々な学を総動員
• ナノテク・材料、ライフサイエンス、情報、エネルギー等の科学技術を統合

• 長期的・基礎的視点に基づく科学技術
• PDCAサイクルを内在した長期の取り組み
• 中長期的に持続型社会を支える基礎・基盤研究

（2）推進に当たって配慮すべき事項

• 分野連携、府省等連携、産学連携
• 人文社会科学までを包含する幅広い異分野間の融合や関係府省、地方自治体等との連携の促進
• 環境技術の社会への導入による負の側面も含む人間活動の諸要素を総合的に考慮　　

• 基盤整備等推進体制
• 社会ニーズに基づき、観測、予測や社会・経済分野に関わるデータ等の整備、またその活用を可能とする共通プラットフォームの整備

• 人材育成
• 次世代の地球環境科学技術を担う人材の育成
• 国際協力における能力開発の推進

• 科学技術外交
• アジア太平洋地域等における途上国の自立促進と共生の推進
• 各地域固有の文化の尊重と保護

3．次期科学技術基本計画における地球環境科学技術分野の重要課題

◎気候変動研究領域

• 温暖化総合モニタリング研究
• 気候変動プロセス研究
• 温暖化将来予測・温暖化データベース研究
• 温暖化影響・リスク評価・適応策研究
• 地球規模水循環変動研究
• 温暖化抑制政策研究
• 温暖化対策技術研究

◎水・物質循環と流域圏研究領域

• 水・物質循環と流域圏の観測と環境情報基盤の構築
• 水・物質循環変動と流域圏・都市のモデリング
• 対策・管理のための適正技術
• 健全な水・物質循環と持続可能な流域圏・都市の保全・再生・形成

◎生態系管理研究領域

• 生態系の構造・機能の解明と評価
• 生物資源利用の持続性を妨げる要因解明と影響評価
• 生態系保全・再生のための順応的管理技術
• 生物資源の持続可能な利用のための社会技術

○化学物質リスク・安全管理研究領域

• 有害性評価、曝露評価、環境動態解析
• リスク評価管理、対策技術

○3R技術研究領域

• 資源循環型生産・消費システムの設計・評価・支援技術
• 有用性・有害性からみた循環資源の管理技術
• リサイクル・廃棄物適正処理処分技術

○バイオマス利活用研究領域

• バイオマスエネルギー技術
• バイオマス材料利用技術
• バイオマス利活用システム研究