地球観測推進部会 全球地球観測システム作業部会(第16回) 議事録

1.日時

平成24年11月14日(水曜日) 16時~18時

2.場所

文部科学省18F研究開発局第1会議室

3.議題

  1. 地球観測に関する政府間会合(GEO)第9回本会合及び第26回執行委員会の対処方針案について
  2. 地球観測に関する政府間会合(GEO)活動評価及びモニタリングワーキンググループ(M&E WG)の会合結果報告
  3. その他

4.出席者

委員

小池主査、柴崎、瀧澤、佃、深澤、福島、福田、藤谷、山形、渡辺各委員

文部科学省

大竹審議官、清浦研究開発局環境エネルギー課環境科学技術推進官、他

オブザーバー

岩崎 内閣府総合科学技術会議事務局参事官、他

5.議事録

【小池主査】  それでは、ただいまから科学技術・学術審議会 研究計画・評価分科会の地球観測推進部会 全球地球観測システム作業部会の第16回の会合を開催します。大変お忙しい中、お集まりいただき、ありがとうございます。まず、事務局から資料の確認をお願い致します。
【事務局(平川)】  お手元の資料を確認します。座席表、全球地球観測システム作業部会の議事次第です。資料類として、資料1、地球観測に関する政府間会合第9回本会合対処方針(案)、資料2、同じくGEOの26回執行委員会の対処方針(案)です。資料3、GEOのモニタリング及び評価ワーキンググループ、及び評価チーム合同会合の結果ついて、をお手元に配布しています。参考資料として、参考資料1、GEO Post-2015 Working Group Interim Report、参考資料2、Global Forest Observation Initiative Task Force Progress Reportを配りしています。以上です。
【小池主査】  どうもありがとうございました。では、事務連絡をお願いします。
【清浦推進官】  事務局より事務連絡です。本作業部会は地球観測部会運営規則に基づきまして公開とします。会議内容も公開となり、後日、議事録は文科省公式ウエブページにて掲載します。本日の出席の委員は10名で、過半数にて、会議は成立してございます。
【小池主査】  この10月に着任した清浦推進官から挨拶をお願いいたします。
【清浦推進官】  10月1日付で前任の福井推進官の後を継ぎ、着任いたしました清浦と申します。本日はお忙しい中、お集まりいただきましてありがとうございます。
 来週からブラジル・イグアスにてGEO第9回本会合が開催され、2015年以降のGEOSSについてどのように活動を発展させていくかという点について、複数の選択肢が提示される予定になっています。
 着任以降、色々お話を聞きましたが、我が国の地球観測戦略そのものもレビューする時期に来ているという認識を持っており、本日も、そのような視点も踏まえつつ、GEOSSを今後どういう方向性に持っていくか、我が国としてどういう貢献するべきか、ということについて、委員の皆様に御意見をいただきたいと思っていますので、どうぞよろしくお願いいたします。
【小池主査】  どうもありがとうございました。
 それでは、議題に入りたいと思います。議題1は、来週の水曜日がGEOの執行委員会で、木・金と第9回GEO本会合になっており、この対処方針案について議論をしたいと思います。その後、深澤先生、及び森山さんから、GEO評価・モニタリングワーキンググループの会合結果の報告をお願いしたいと思っています。
 それでは、まず、本会合と執行委員会の対処方針について、事務局から説明をお願い致します。

 

議題1.地球観測に関する政府間会合(GEO)第9回本会合及び第26回執行委員会の対処方針案について
【事務局(平川)】  では、担当から簡単に説明を致します。
 まず、資料1、第9回の本会合の対処方針です。お手元の参考資料1及び2も適宜、参照下さい。
 第一日目から説明します。冒頭には、通常どおり、開催国のブラジル及び共同議長からの挨拶があります。その後、事務連絡や、アジェンダの承認を経て、新規参加国の承認、新規参加国からの発言、そして参加機関の認証という形で続きます。GEOに参加する機関、国の認証というのは1年に1回、この本会合のタイミングで実施します。今回はコート・ボジアールを新規参加国として認証する予定です。また、四つの新しい参加機関も認証する予定です。
 次のページ、2ページ目になります。事務連絡の続きで、本会合の議題1.8として、前回の本会合の報告レポートが了承される予定です。その後、休憩時間の開始と同時に、展示がオープンします。今回の展示は、例年とおり、GEOSSの構築に参画する国内の関係機関に参加いただきました。具体的には、JAMSTEC、JAXA、そして国土地理院と文科省がGEO Japanという連合体で出展します。複数機関をまとめる役割は、今回はJAMSTECに尽力いただいており、この場を借りて御礼を申し上げます。
 本会合の議題2.に参ります。去年より開始している2012年-2015年期の作業計画、以降、2012-2015ワークプランと言いますが、進捗の説明がある予定です。一昨年前の北京での本会合で採択されましたGEOの戦略目標に向かい、GEOSSを2015年までに完成させていくために、ワークプラン上で分野ごとに整理されているそれぞれのタスクが、完遂に向けてどの程度活動が進んでいるかというところをピラミッドの形を用いて、かつ、目標に対する、進捗そして成果を出している進捗、そしてタスクという日々の活動で行っている進捗を階層ごとに整理したうえで、進んでいる状況を、緑、黄色、赤で整理しました、というものが説明される予定です。かつ、二つ目のポツになりますが、その2012-2015ワークプランのタスク別にも進捗状況を色で識別するという形で説明する作業が行われた報告が含まれています。これは前回のGEO執行委員会から多少の経緯・背景がありまして、GEOも2015年まで残すところ3年となり、作業計画の進捗をGEOの事務局自体、あるいは2012-2015ワークプラン計画管理運営委員会、あるいは次の議題に関係しますが、モニタリング・評価ワーキンググループ、略称をM&Eワーキンググループが、その、何というのでしょうか、三つの主体がそれぞれに進捗を管理し、整理をしてきたわけですが、それぞれに整理している進捗を、誰かが一つにまとめて整理する必要があるのではないか、そのまとまった情報を2015年までのGEOSSの構築に向け、生かしていくべきでないかという議論が前回の執行委員会でありました。それ対応の一環として行われたものです。このように一つにまとめる作業は、GEO事務局が主体となり、M&Eワーキンググループ等と相談しながら進めていると聞いていたのですが、このような三角形の図を用いて整理することにした、との報告を聞くのは本会合の場が初めてになりますので、GEO事務局の説明を、よく情報収集してきたいと考えています。
 次、本会合議題の2.2といたしまして、M&Eワーキンググループの評価活動報告がある予定です。評価の結果概要は、前回の執行委員会の対処方針及び執行委員会の結果報告として、この作業部会の場でも説明をしていますので、詳細は省略しますが、評価の対象となった農業、生物多様性、生態系分野に関しては、評価の方は、もうちょっと頑張らないと、特に生態系に関してはかなり頑張らないと2015年までの完遂が難しそうだと、目標に対しての完遂が難しそうだという結果が出たわけですが、そのような報告がなされます。我が国は、執行委員会のメンバーになっているので、先行して当結果を聞いているわけですが、GEOの一般の参加国にとっては、この結果を聞く、最初の場になりますので、全参加国及び参加機関に対し、報告するという意味で、大きく議題化されています。今回、このM&Eワーキンググループが評価した結果に関し、先ほどの進捗の管理とも関連しますが、執行委員会としても、2012年-2015年ワークプランの活動にどのように生かしていくべきかという方向づけをコメントとして出すべきであろう、ということが、前回の執行委員会の議論であり、宿題として残っておりましたので、そのコメントが入ったものがあわせて示される予定です。また、M&Eワーキンググループ自身も、評価の結果をフォローアップするため管理表を使って管理していきたい、ということが提案される予定となっています。
 本件の対応としては、評価の結果をフォローアップしていくということは非常に大切な作業になりますので、何か我が国に問われた場合、重要性に賛同したうえで、この報告内容を了承する、ということを考えています。また、ここの議題の報告の中で、既に始まっていますが、災害、エネルギー、健康を対象にした今期の評価、すなわち第四次評価の作業の着手に関する報告もありますため、一応参考として我が国は、例年どおり文部科学省の清浦推進官、深澤委員及びJAMSSから森山主任技師に当評価作業に加わっていただいてることを参考に記載しています。
 次の議題では、2012-2015ワークプランの進捗として、そのタスク構造の中で中分類として分野を分けているコンポーネントというものがありますが、これを実際に作業計画を走らせてみて、統廃合するべきものが出てきました、という報告がされる予定です。我が国の関係機関に関連するところとしては、統廃合するタスクの中で一つ目、DI-01-03津波早期予告とハザード評価、に関してはJAMSTECに、また、次のDI-01-C4 全球原野火災情報システム、に関しましてはJAXAに参画していますので、現在、この対処方針を省庁照会にかけているので、その過程で問題がないかという点を、確認してもらっています。
 次の議題では、今後、立ち上がる可能性のあるイニシアチブとして、二つ、新たな活動の可能性というのが報告される予定です。しかし、一つ目の碧い惑星イニシアチブについては、資料の展開がなく、どのようなものか、というのが情報が少ないのですが、おそらく海洋関係であろうと予測しています。もう一つはAfriGEOSSという名前がついていますが、アフリカ地域において、ステークホルダー、研究所、各機関が各種行っている取り組みを地球観測というキーワードで一つにまとめていきましょう、ということを目的としたイニシアチブを立ち上げたい、という提案がGEO事務局からある予定です。我が国は、小池主査がタスクのリードを務めているアフリカ水循環イニシアチブが、アフリカ地域の活動として、非常に力を入れているものですので、これの紹介をしつつ、このイニシアチブに賛同を示す予定です。
 一つ目としては全球森林観測イニシアチブ(GFOI)の進捗が報告される予定です。本件は、担当としても1年間で大分進捗があったという印象を持っており、特に4ページの下ですが、地球観測衛星委員会(CEOS)でも、GFOIへの貢献を専門的に担当するSDCGというコーディネーショングループが立ち上がったというような報告、あるいは、4ページの三つ目の項目の一番下になりますが、実際にGFOIにより対象国に支援又は支援策を提供する際の方法・手法論となりますGFOI Method and Guideline Documentationの作成に着手しており、当分書の専門家レビューが始まっているとい宇報告も含まれる予定です。
 また、5ページの項目、三つあるうちの一番下になります。GEO事務局の中にGFOIのコーディネーションを行う専門のオフィスが立ち上がり、ここのコーディネーター職も、公募しており、いよいよこの活動が本格化するところまで来ました、というような内容が報告される予定です。当議題の資料は、参考資料2としてお配りしていますので、適宜、参照下さい。大きく進捗があったイニシアチブとなり、具体的な部分をよく聞いて、情報収集してくる予定です。
 もう一つ、報告があるものとして、GEO全球農業モニタリング、GEO-GLAMといいますが、こちらも進捗はあるのですが、GFOIより、ステップが一つ手前でございまして、現在、内容を具体化している実行計画案、これは前回の執行委員会でも報告されていますので、内容は割愛しますが、こちらが報告されます。前回の執行委員会でも、アジアの稲作モニタリングというのを日本がリードしているということは口頭で説明されましたが、実際にこの活動に御協力いただいているのはJAXAなのですが、JAXAのリードによるという言葉が今回は、一言入っていますので、対処方針としては、今年、GCOM-W(しずく)という水に関する衛星が打ち上がったこと、当衛星の活用を通じたGEO-GLAMへの貢献を表明してくる予定です。
 次の議題は、公的機関や私企業との連携について、です。プライベートセクターという言葉を使っていますが、この連携がどうあるべきか、いう議題です。GEO事務局が整理した内容が報告されますが、どうやるか論よりは、連携する時にどのようなことを基本姿勢とするか、というガイドラインを整理しました、という報告になります。ガイドラインの骨子は5ページ目の下から6ページの上の1から7まで整理をしてあるのですが、ポイントとしましては1ポツ目、GEOのデータ共有原則ですね。基本的に、無償あるいは複製実費、安価な値段で利用できるようにオープンにしましょうということを、プライベートセクターとの連携でも尊重しましょうと。あと、2ポツ目としては、プライベートセクターにも、できれば2012-2015ワークプランに参加していただくこと。そして、3ポツ目として、私企業というのはどうしても契約行為に関する透明性や、競争性という部分を考えなくてはいけないので、それに関しては相手方の考えを尊重するということ。あと、4、5、6ポツはその連携強化のためにGEO自体も、GEOの参加国も色々イベントを行うことにすることや、参加を推奨するといった努力をしましょう、ということ。かつ、最後に、ガイドラインがここで決められるわけですが、実際に入っていただく場合の諸条件の整理は今後事務局が行う、ということです。こちらに関しても、GEO事務局の考えを聞くという基本姿勢ですが、実際にこのガイドライン諸条件をいつ頃までに整理して、そしていつ頃から各参加国がプライベートセクターの参加を推奨していくのか、というマイルストーンに関する情報は我が国にとっても重要なことですので、情報収集していきたいと思います。
 次に、そのまま6ページ、続きますが、議題3に、2015年以降のGEOについて、です。この議題は、今回のハイライトになります。簡単に、どのような内容が報告されるか、説明し、後に、小池主査から補足いただきます。
 お手元の参考資料1を参照いただくのがよろしいかと思います。前回の本会合から立ち上がった2015年以降のGEOSSの継続を検討するワーキンググループが検討した結果という形でこのレポートが報告されます。参考資料1の2ページ目、3ページに基本的にGEOは継続するべきであろう、という結論がまとめられています。その継続するべき理由というのは、地球規模の課題に対応するべき任務を負っていること、持続的開発のための手段として、リオ+20でもGEOSSの重要性が言及されましたが、それに呼応する必要があること、また、あるいはGEOSSそのものをもっと完成させていく必要性があるべきと、その三つの理由からGEOは継続するべきということが提案されます。
 次に、継続するに当たって、では、どういう方向性で進むべきであるか、というのが、参考資料1の4ページ目の下のISSUES AND OPTIONS FOR GEO AND GEOSS POST-2015という項です。5ページ目の上の方のA、B、C、Dということで、進むべき選択肢が書いていますが、こちら、ちょっと日本語の資料1に戻りまして、選択肢A、基本的には今とほとんど同等の形で続けるというものと、選択肢B、GEOのシステム自体を少し強固にして、その分、リソースの拡大というのが必要になるので、何か適切なリソースにコミットしていくことが必要であろう、というもの。財政モデルの検討も必要であろうというのが選択肢Bになります。選択肢Cは、現状維持。選択肢Aと選択肢Bの内容が前提になりますが、現状維持に加えてアプリケーションやサービスを生み出し、各種イニシアチブや、ほかの協力体との連携を維持していくと。例としては、先ほど議題で説明しましたGEO-GLAMや、GFOIのように、ユーザーに必要とされているイニシアチブを生み出していくことが、アプリケーション、サービスを生み出す、というようなイメージで考えていただくのがよろしいかと思います。そういうものを生み出すところまで、GEOがやりますと。ただし、活動を広げることになるので、財政のモデルの拡大化が要件だというのが選択肢Cです。選択肢Dは、更にもう少し大きなところを目指そうというもので、国際的な優先づけを前提にした、運用的アプリケーションとサービスの継続性を確立していくと。例えば、国連として進むべき道とか、そういったもう少し大きなテーマに沿ったものをやっていこうという案です。
 ワーキンググループとしては選択肢Cを提案しますという提案をする予定です。
 次に、このような戦略的方向性をとるに当たって、今の九つの社会利益分野はどうあるべきかという選択肢が提示されるわけですが、英語の参考資料1の6ページの上の方のA、B、Cというところになりますが、Aが現状維持、Bが持続可能な開発のテーマに応じ今のものをもう一度並べ替える、Cは、完全に再編する、という選択肢で、ワーキンググループは、Bを提案する予定です。
 そして、最後にガバナンスですが、英語の参考資料1、6ページの下、2.3、GovernanceというところのA、B、Cになります。選択肢Aは、現状維持。ボランタリーベースで法人格も持たず、フレキシブルな活動を推進する、というものです。選択肢Bは、現状維持は現状維持なのですが、ほかの組織と一緒に協働作業をすることで、不足分のリソースを補うことを考えよう、というのが選択肢B。選択肢Cは、よりフォーマリティーを持った公式な政府間組織として、もう一度体制構築。これは国連の中に組織化することを含めてですが、組織のフォーマリティーをとろう、というのが選択肢Cです。
 ワーキンググループは選択肢のBを提案する予定です。ワーキンググループの作業には実は、文部科学省と、小池主査と、JAXAの方に協力をいただき、この議論には参加してきていますので、基本的に我が国としてはこの提案に対し反対する予定はございません。ただ、もう少し各論的なところは整理する必要があると考えていますので、特にGEOSSに対するユーザーの要求を的確に収集して、それをユーザーに還元していくことの必要性については、一言述べることを対処として考えています。
 以上が一日目の議題になりまして、8ページ目から二日目になります。比較的事務的な内容が多く、議題3に続き、議題4が、次の本会合及び2013年の閣僚級会合について。これはカナダで開催される予定ですが、その準備に関する報告、議題5.がGEOの参加国、我が国も説明いたしますが、1年間どのような活動をしてきたか、という報告がされる予定です。そして、議題6.では、GEOの事務局から1年間各国の拠出金額の確定の報告があり、次年度の運営予算の紹介、がある予定です。また、議題7.は、1年間の執行委員会の議論状況を報告。毎回、本会合の折に、各地域ごとに執行委員会を三か国なり四か国なり選出しており、その各地域から選出されている執行委員が継続でよいかどうか、交代するべきか、という議論を休憩時間を使って行います。我が国もアジア太平洋コーカスというところに所属していますので、その会合に出るわけですが、その結果が報告されるのが議題8.です。そして、議題9.に関しては、GEOの運営手続規則の更新が報告される予定です。
少し戻りますが、議題5.で我が国から紹介する活動の報告としては、GEOSSの構成要素となる地球観測衛星の計画を紹介します。今年、水循環に関する「しずく」を打ち上げたこと、また、来年以降に、GCOMという気象・気候変動問題への貢献が期待されている衛星の打ち上げ計画があることを紹介します。これまでの地球観測活動として、海洋も含めまして、現場観測を継続していることや、DIASの紹介も発言する予定です。
 以上が本会合の対処方針になります。
 続きまして、執行委員会対処方針です。資料2です。実は本会合と重なっているところが非常に多いので、こちらはポイントのみ説明します。最初の議題では、いつもアジェンダの採択や、1年間の事務局の報告が紹介される予定です。議題3では、翌日の本会合で議論されることが、前日の執行委員会で議論されることになります。先ほど説明した2015年のGEOについても、執行委員会としての意見を事前に協議するという形でここで話し合われる予定です。
 本会合では、ユーザーの要求が大事ということを発言する予定ですが、執行委員会では、基本的に政策に近いステークホルダーの要求というのを聞いていく必要があるのではないかということや、GEOの今後の戦略の方向性で、現状維持プラスアルファで活動を広げていく際に、財政面での貢献の在り方というのをよく考えるべきと、無駄に増やすわけではなく、国際協力で補うオプションも一つですし、拠出金をどんどん増やしていくというのは各国の予算事情においてはなかなか非現実的なので、どのような選択肢があり得るかということを議論するべき、ということを我が国から提案することを考えています。議関し先ほど執行委員会から1年間の執行委員会報告を本会合にて行うと説明しましたが、その事前確認をするというのが議題4になります。議題5は、本会合と内容は重なるはずなのですが、来年、閣僚級会合はカナダで予定されていますので、その準備状況がおそらくカナダから執行委員会のメンバーに報告される予定です。議題6は、その他。事生物多様性条約という、生態系、生物多様性の関係のところに関連してくるものですが、こちらの事務局とGEOの共同で生物多様性イニシアチブを立ち上げたいという提案が来ているようで、こちらは適宜情報収集させていただき、必要があれば関係の機関、省にフィードバックさせていただくという形にしたいと思います。
 以上が、対処方針の説明になります。主査から2015年以降のGEOSS等々の補足があればお願い致します。
【小池主査】 本会合の議事次第と、それからそれぞれに対する対処方針を説明いただきましたが、全体について、質疑があったら、最初に受け、その後に、おそらく今回の注目すべき点になると思いますが、2015年以降のワーキンググループのレポートについて議論させていただきます。その後、委員の皆様の方から各分野等で色々動きがあると思いますので、情報提供いただきながら議論を進めたいと思います。この中で、モニタリングと評価については、時間をとらせていただいて、深澤委員と森山さんに色々報告いただきます。
 ということで、まず、最初に、今説明いただいた議事の流れ、それから対処方針について、全般的な御質問、御意見がありましたら、どうぞお願い致します。
 よろしいでしょうか。
 では資料1、これ、非常にコンパクトにまとめていただいていますので、わかりやすいのですが、6ページから7ページと、参考資料1を、御覧いただきながら議論したいと思います。このテーマはもうこの作業部会でもずっと議論させていただいて、思えば1年以上ですね。去年の今頃、今回の本会合へ向けて、日本のノンペーパーを作成し、執行委員会に提出したのが、この2015年以降の議論の出発点になります。その中で、渡辺先生のご提案だったと思いますが、integrated human securityということを日本は掲げてやってはどうかと。GEOが発足して以降も、様々な地球規模の変化、災害とか、食糧問題も起こっていると。そういう色々な地域規模の問題にこの地球観測のグループがこれから対応していくのだと、チャレンジしていくのだ、というようなことを作業部会でまとめて、それが出発点になっています。今の参考資料1を御覧いただくとよくわかるのですが、その考え方が非常に基本となった文章になっています。作業部会での議論がうまく反映された形で国際的に合意が得られようとしている、ということをまず最初に申し上げます。
 それから、これもこの作業部会の委員の皆さんの大きな力添えで、今年の6月のリオ+20で、持続可能な開発に地球観測がいかに必要であるかということを主張してきたわけですが、これもこの中に非常に色濃く書いています。参考資料1の3ページをちょっと御覧いただきますと、3ページの1.2というところに、なぜGEOが2015年以降も引き続きやっていかなければいけないのか、ということについて、その合理性が三つ書いてあります。
 1.2.1、1.2.2、1.2.3なのですが、1.2.1を読んでいただきますと、urgent global challengesに言及しないといけない、ということがございまして、この第2段落目の頭に、To meet these diverse but interrelated challenges, decision-makers need access to timely, integrated and actionable data and information、と、書いてあって、こういう多様でしかも相互に関連のある色々な地球規模の問題に対応しなければいけないというのが、これが急務であるという書き方がされています。これは私どものノンペーパーの第2節でも、こういう書き方をしていたわけですね。
 1.2.2にSupport for Sustainable Development。ここでリオ+20の成果文書のパラグラフ274を引用しています。このワーキンググループが中心になって進めた成果がここで披露されつつ、その下ですが、下の引用文の次のパラグラフの頭のところ、Facilitatingから始まるところです。will require comprehensive, multidisciplinary global Earth observationsとかですね、次の文章になりますが、GEOSS is expected to play a crucial role in providing a data to the policy、最初にここ、policyが来るのですね、research and professional communities responsible for assessments and decisions related to environmental sustainability; data that interlinks environmental phenomena and predictions with other areas, such as socio-economic sectorsと、この辺もリオ+20と関連づけて、私ども文章化していたものですが、こういったところが色濃く反映されています。Inerlinks、あるいはinterlinkageというような言葉が鍵かなと思います。あと、そのポータルの話がございまして、その最後ですね、4ページになりますが、Recommendationと、こう来るわけですね。ここの中に先ほどのfor improvementがあるということで、それはurgency of the global challenges faced by humanityと。言葉は簡略になっていますが、このようなことを書いています。こういった合理性のもと、GEOは2015年以降も続けなければいけない、ということを主張しています。
 第2章では、Strategic Directionです。1から5がございます。この中、最初がStrengthening observation networksで、ここは大分議論がありました。particularly in-situが強調されていたのですが、でも、やはり、space-basedとairborneの観測、地球観測衛星がきちっと必要、ということを声高に日本から申し上げました。ちょっとページをめくっていただいて、8ページに、それぞれのstrategic direction、一つ一つに、これAnnexにまとめてあるわけですが、その1.が今、説明した観測のネットワークの強化になります。ここにspace-basedというのが本文の中にも色濃く出るよう、JAXAからも文案を一緒に考えていただきながら作業部会事務局でまとめてもらったものです。それから、このdirectionの中のcapacity buildingというのが4番目にあります。Building capacity to collect and use Earth observations。このAnnex Iの9ページを見ていただきますと、BUILDING CAPACITYの説明がございますが、ここにこの作業部会で議論してきましたregionalの考え方が色濃く入りました。この9ページの第2、一番下の段落ですね。In this context, a regional approach is useful to deepen the understanding of natural phenomena that are unique to the region。それからもう一つ。作業部会で議論したことですが、it enables neighboring countries to share common needs, ideas and approaches。この辺もここの議論をかなり強く主張して、こういうregional cooperationというのをやっぱり強化しなければいけない。ただ、まずは、capacity buildingのところから、という形で、この中に入っています。そういうことで、strategic directionがあって、では、これをどういうふうな形で進めていけばいいのかということは、5ページに戻ります。A、B、C、Dとございます。これも実は、2015年以降のGEOSSを検討するワーキンググループでは単調に記述していたのですね。日本の当ワーキンググループ参加メンバーから、何かキャプションをつけないとわかりにくいという指摘をしまして、この黒字、それぞれA、B、C、Dがどんな意味があるのかというのを強調してボールドで示すことによってこのA、B、C、Dの違いが一目でわかるようにしました。ここで推奨されているのは、incubate specific applications and services、そういうインキュベーターとしてのGEOSSの役割というものをもっとこれから強化していかなければいけないということがここで述べられ、そしてそれがrecommendされているということです。この話もノンペーパーのときに、これ、柴崎先生に随分リードしていただいて、こういう議論をしていただきましたが、それが中にうまく入っています。
6ページになりますが、これを現在、九つのSocietal Benefit Areasでやっているわけです。これはそれなりにうまく動いているのですね。それを考えつつ、どうしようかということが議論になりました。Recommendation 3、を見ていただくとおわかりですが、Given the historical background、これが今、九つのSocietal Benefit Areasが実質的に動いているということを意味しているのですが、それを踏まえつつ、どんなことをしたらいいかということで、Bは、Sustainable Economies、Resilient Societyと、Vibrant Planetというキーワード、2005年の持続可能な開発の会議が開かれた時の三つのキーワードと聞いていますが、これに沿い、九つのSocietal Benefit Areasを再配列してはいかがか、という議論でまとまりました。
 ガバナンスに関しては、なかなか難しくて、意見を出しにくかったわけですが、基本的にはvoluntaryでnon-juridicalを保とうということになりました。flexibilityは、作業部会でも議論してきたことです。B、6ページの2.3のBですが、このcurrent GEO governance structure will be maintained (voluntary, non-juridical and flexible)で、additionallyで、これもここで議論したことですが、linkages with other relevant Earth-observation organizations, including the private sector, should be improved and resources to sustain key components of GEOSS should be identifiedというような形で、文章がまとまり、この案を推奨しています。
 以上が、私からの補足説明です。この作業部会で議論されてきたことを、その都度、2015年以降のGEOSSを検討するワーキンググループにインプットしていったのですが、ほとんど全部受け入れられており、それが骨子になってこうった文章ができ上がっているということで、大変ありがたく思っています。
 私の方から、説明は以上です。
 まず、ポスト2015年GEOSSの在り方、GEOの在り方に関するドキュメントについて、皆さんの御意見、御質問等ございましたら、どうぞお願い致します。
【柴崎委員】  戦略的な方向性の選択肢Cですが、本会合の対処方針の6ページ目の日本語の文章で、アプリケーションとサービスを生み出す、と書いてしまうと、何かGEOそのものが開発に乗り出すように見えてしまいます。Incubateというのは。
【大竹審議官】  育てるとか、そんな感じですよね。
【柴崎委員】  だから、もうちょっと何か別の言葉よいのではないでしょうか。
【小池主査】  そうですね。生み出すより生み出す側。しかし、Incubateが日本語になかなかならないので難しいのですが。
【事務局(平川)】  創出の方がいいですかね。
【大竹審議官】  まあまあ、難しいですね。
【柴崎委員】  育てる、も変です。
【大竹審議官】  育てるだけじゃない。やっぱり、刺激して。
【柴崎委員】  そうですね。
【大竹審議官】  生み出して、育てていく、という、そんな感じだと思うのですよね。しかし、日本語にちょうど合う語句がなかなか見つけるのが難しいですね。
【小池主査】  ないのです。
【大竹審議官】  ちょっとは何か工夫して、今言ったようなことを少し長くなってもいいでしょうから、Incubatorをわかりやすい日本語で書くことにしましょう。
【事務局(平川)】  はい。わかりました。
【小池主査】  ちょっと言葉を変えていただいてもいいですね。どうもありがとうございます。
【大竹審議官】  日本語を書いて、括弧を付けてインキュベーターと書いておくのもよいですね。
【柴崎委員】  なるほど。確かに。とりあえずは片仮名、仕方がない。
【大竹審議官】  生み育てる、生み育てるそういう条件を整えるとか、そういうことを表す言葉ですよね。自分自身が生み育てるかどうかって言ったらインキュベーターだ。
【深澤委員】  養護して育てる感じですね。
【大竹審議官】  そうそう。ですから、必要な条件を生み育てる。
【小池主査】  揃えるということ。
【大竹審議官】  何か環境を作るみたいな、そういう世界だと思うのですよね。
【小池主査】  いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
【大竹審議官】 日本の執行委員として会議に出席している立場から補足をします。最初の戦略的方向性は、ちょっと欲を出してみたというのは事実なのです。私も着任してから1年弱で、皆さんより経験は全然少ないのですが、どうも色々なレポートを聞いていますと、やはりGEO-GLAMとかですね、GFOIとか、非常に、ある種アクティビティーが育ってきているということもあるので、全てが全て同じように伸ばすことはできないし、まさにインキュベーターとは、そういうことをやっていくことができるのではないかと。それから、そういう中身ごとの話もそうですが、先ほどお話ししていたregionalな話ですよね。実は、GEO Pacificイニシアチブという案が、ニュージーランドの提案で、立ち上がりのペースは非常にゆっくりですが、そういうアクティビティーも出てきています。ですから、一律というのはなかなか難しいものの、そういう、非常に緊急的なテーマとか、熱心な地域協力を育てるというところで、少し欲を出してやってみようということで、この最初の戦略方向性はCとなりました。
 ただ、ここにありますとおり、当然新しいことをやりますから、お金がかかり、財政モデルをどうするか考えないといけません。この点は、GEO執行委員会の方で少し発言してみようと思っています。新しいことをやるとなると、今は、とにかくGEO事務局からお金を出して、そのようなアクティビティーを支えているのですが、もうちょっと、関心のある参加国や機関が拠出できような形とか。それから、新規参加国も入ってくるでしょうから、そういったところから薄く広く拠出してもらうやり方とか。最終的に皆で拠出をしましょうということですが、大きく拠出金を出している国は、日欧米ですが、現在は、概ね経済危機でお金がないものですから、その辺りを、今後どう考えていくかという工夫も含めて検討するべき、ということではないかと。
 また、社会利益分野が九つもあると、私も時々覚えられなくて困ったなと思うので、もう少し上位概念のもとに整理しておくと、人にアピールする時に、わかりやすいだろう、とのように思っています。
 最後の組織をどうするか、という話は、これは本当に色々な御意見もあるでしょうが、私、前に前回の、前々回かな、作業部会で申し上げていますが、私自身の経験では、国際機関の形を、先に整えようとし過ぎて頑張ってしまうと、国際機関の中の力学というのが先に来て、組織の良さが失われることがあります。よって、もう少し、この形でやってみたらどうかと。もちろん、そうでない、とお考えの委員もいらっしゃると思いますが。色々な形で連携を強めていって、何というのでしょうか、存在が消えるような方向ではなくて、むしろアクティビティーも保ちながら、認識が深まる方向でやっていきたい。ただ、私もこの間、前のGEO執行委員会の戦略セッションに参加して思いましたが、やっぱり各国、意見が違うのですね。組織の形から入りたいということを述べる国もあります。やっぱり、ブラジルであるとか、非常に環境問題を意識して、非常に熱心にやってくれそうなところも多いと思ったので、私自身もフレキシビリティーとボランタリーベースをもう少し進めてはどうだろうか、ということを申し上げた次第です。補足でした。
【小池主査】  大竹審議官がおっしゃった、GEO執行委員会の戦略セッションは、執行委員のみの会で、同行者は出席できませんでしたが、審議官には、議論の中で、非常にリーダーシップをとっていただいたそうで、私は、ほかの執行委員から、いや、日本のはっきりした主張というのがよくわかった、と聞きました。
2015年以降のGEOSSの検討に関しては、何か補足事項がございましたら。どうぞ。
【柴崎委員】 公的機関、私企業との連携の議論は、2015年ターゲットではないのですが、ありますよね。
【小池主査】  はい。
【柴崎委員】  ある特定なアプリケーションというのは、ある特定の地域に非常に便益をもたらします。洪水は、東南アジアやアフリカなど雨が多い場所。一方で、全然関係ない国もありますよね。そういった場合、広く薄く、と集めてきた拠出で、特定の取組みをインキュベートする、という議論がある可能性があるのと同時に、民間企業にGEOの看板を使ってもらって、あくまで例ですが、Googleのような企業から拠出をもらって、GEOの看板のもとで、Googleのリソースも使いながら、こういうサービスをやりたいというのってあり得ると思うのです。マイクロソフト財団でもいいかもしれません。そういうような連携も、この公的機関、私企業との連携ということの範囲に入り得るイメージで議論されたのでしょうか。それとも、ここは本当にデータ共有原則とか、そういう意味の、原理原則の確認、という雰囲気のものでしたでしょうか。このような議論は、おそらくこの2015年以降のGEOSSの財政に関し、結構インパクトがある話だと思うのです。
【小池主査】  私の理解は、そういう検討や議論をこれから進めるための第一段階として、今回本会合に報告される骨子案があるということです。だから、連携してシンポジウムをやる、ワークショップをやる、ということが書かれており、環境作りをしていこう、という段階が今の段階、とのように理解しています。
【大竹審議官】  主査、よろしいですか。今、非常に重要なことをおっしゃって、私も先ほどちょっと申し上げたときに関心のある参加者が拠出できような形というのがあるだろうなと。要するに、今の、薄く広く、の部分は、どちらかというと、誤解を恐れずに言えば、基本料金みたいな。
【小池主査】  インフラ部分ですよね。
【大竹審議官】  やはり、ここのところが関心があると言えば、拠出できる形にする、というのがあるでしょう。こういった際に、おっしゃるような地域的な活動の部分のイニシアチブも設ける。あとは、セントラルファンディングみたいなところがそうなのですが、あとは、やはりボランタリーベースの一番いいところは持ち寄りで色々なものが出てくるので、おっしゃるような工夫というのを、どう取り入れるか、というのは、まずGEOSSの活動の全体的なリソースをどうするのかという時に考えるのだと思います。
 それから、二つ目は、これはちょっと別のことなのですが、例えば、データ共有原則みたいな話というのは、GEOSSの考え方では、一つなのですが、別の意見も世の中にあることはあって、今、我々の文部科学省の立場というのはやはり研究開発に使うものというのは、地球規模問題でやっているのですから、グローバルには共有されるべしと思っています。ただし、個々の色々なデータに関しては、それぞれの国なり機関が、それをプロデュースするために、それなりにリソースを出しているので、とにかく課金すべきという意見が日本国内にあるのも事実です。その辺りを、どうこれからどう考えていくかという点は、単にGEOSSだけの問題ではなく、国内の問題でもある。国際的にも今の両方の立場があって、やはり、例えば、アメリカにおいても宇宙に関しては、この間、NASAの地球科学部長がいらっしゃいましたが、彼はまさにGEOSSの考え方なのです。そこをどうするか。やはり、プライベートセクターが入ってくるということは、もし、それで、今、先生がおっしゃるような寄付をしてくれるような、社会奉仕事業としてやってくるところは、大いに結構なのですが、当然、ビジネスチャンスが出てくる場合もあり、ビジネスをすることも妨げるべきではないと思うのです。それで暴利を稼いで、アフリカで困っている人から利を貪るようなことをするというのは大問題なのですが、そうではなく、そういうことで、新しいビジネスができることは、排除できません。では、その時には、こういったことに関しては提供されるデータは無償なのだろうか、ということは、多分議論が出てくるでしょう。
 ただ、今の段階では、GEOSSのフレームワークはどちらかというと、やはり「持続的な地球」のために、みたいな話を考えているわけです。まだ、研究のベースですから、そこでは研究開発の中で、今のGEOSSのポリシーを継続していくのだと。ただ、今後そういうことが出てくる可能性があることは意識してもらわないといけないと考えます。
【小池主査】  いえいえ。どうもありがとうございます。
【深澤委員】  今の大竹審議官の話の中で、例えば、地域的な活動が非常に重要だということと、それからデータ共有原則というのは結構大事な話なのですが、僕らみたいな気候をやっている者から見ると、例えば、気候に関しては、かなりうまくいっており、かなり昔から、WMOもあるし、それから海洋の枠組も。それが今、例えば、アジア太平洋で去年から非常に重要になってきたのが海洋のソサエティで、沿岸域のマネジメントをどうするか、というのが、今、ものすごく大きな問題になっていて、今度もアジア太平洋地域でそれを一つの主題とするのですが、そうすると、必ずセキュリティーの問題がある。
【大竹審議官】 それはあります。
【深澤委員】  そのセキュリティーをどうやって乗り越えるか、というのがもちろんあるので、意外とその、特に海の場合には難しい。
【大竹審議官】  おっしゃるとおりです。
【深澤委員】  それこそアルゴでも何でもいいのですが、やった瞬間に海の水深がわかってしまう。そうすると、国が金を出している以上は、オープンにできない。実は沿岸の観測のほとんど、九割がそういう観測ですね。だから、それをどういう具合にやって、乗り越えるか、というのは、多分きっと地域的な連携を強めるために大事になってきて、それをどういうフレームワークにやっていくか、というのはやっぱり多分GEO本会合とかその辺りでどのくらい強く発言できるかというところですか。
【大竹審議官】  実は、今のプライベートセクターだけではなくて、セキュリティーの問題も実はあります。要するに、人間、やり方は二つあるわけですね。逆にセキュリティーの問題をベースにして、ここがコアだから、見せないよというやり方と、コアなものが入っているから、なるべく広く見せないよというやり方がありますから、そこのところもやはり同様の議論があるのは事実です。だから、そこもちょっと考えていかなければならないし、また、おっしゃるとおりで、残念ながら、国境紛争があるところでは、非常に難しいところがあるので、今、そういう意味では、大きな形で、大きなエリアで見ていく分には、はっきり言えば宇宙から言えば解像度が低ければどうでもいいだろうという議論が出てきますが、そんなもの、どこでも出ているではないかと。そこのところはちょっと使い分けていかなければいけないとか、色々、知恵を出さなければいけないでしょうと。
 もう一つ挙げると、執行委員会戦略セッションに出たときに感じたことは、あそこに来ている人の中にやっぱり大きく二つのカテゴリーがあるのですね。気象の関係機関、研究機関の代表が来ている側、私みたいに行政、又はそれを包括した行政のサイドから来ている例があって、そうすると、やっぱりどうしても立場が違うのですよね。今の議論というのは、もちろん、具体名を挙げて恐縮ですが、例えば、中国であれば、気象庁が来ていても、気象庁は軍が一番管轄するから、そういう意味では厳しく統制されるに決まっているので、同じ答えが出てきます。自由主義国家でも色々あるが、そういうセキュリティーセクションから遠いところの人が考えるのと、軍の関係機関が考えるのとでは、なかなか議論が噛み合わない。そうすると、今おっしゃることがだんだんシリアスになってしまい、今はGEOSSの執行委員会の議論ですが、閣僚級会合にもっていくべきという議論になります。そのようなことが、課題にまずなって、そこでどうするか。さっき言いましたが、少し機密が入っているから、全部だめよというのか、では、ここまでなら出せるが、どうするかと、というようなことが発生するが、どうするか、と。ただ、今の段階まで、そこまで、GEOSSの中では発生した場合、ある意味で活動のフレキシビリティーを損なうか損なわないかでちょっと悩んでいると思う。それで、あえて先ほどはコマーシャルな話で止めた次第です。
【深澤委員】  ちょっとごめんなさい。長くなって。要は、海の場合にそういう経験というのはこれまで、かなりされてきていて、今、Coastal GOOS、Global Ocean Observing Systemの沿岸観測活動の部分というのがあるのですが、やっぱり、それがうまく、あるいは地域的連携活動ができないというのは、国連の下にあるから、そういう形になってしまうのですね。それで、僕はこのGEOSSがどこまで行けるかわからないから、夢物語かもしれないが、その一番重要なのは、要するにintegrated human securityという考え方。これをどのように、我々のような科学をやるほうから、データ共有ができるとintegrated human securityにどれだけ近づくか、という実例を示さなければいけないというのが実はすごく大きなこと。次のアジア太平洋地域シンポジウムの海の分科会などでは、それを中心のテーマにやっていくのですが、今度の2015年以降のGEOSSには、integrated human securityという言葉は実はもう使ってしまっているのですね、この中では。この考え方がうまく、少なくとも、あれですよね、本当にちょうど中間がつらいのですね。
【大竹審議官】  わかります。
【深澤委員】  中間が一番つらい、かたい。そこのところをどう押し開いていくかというのが大きな方向なのかなという感じがして、ぜひとも審議官には頑張っていただきたいと思うので、よろしくお願いします。
【大竹審議官】  いやいや。要するにこういう例がつぶれないようにしておかなければいけないということ。
【深澤委員】  そうですね。
【大竹審議官】  ただ、おっしゃるとおり、これで全部できるとは思えなくて、何回もよく理研理事長が言っていますが、パスツールの言葉かな。科学に国境はないが、科学者に国籍がある、と言っている。その逆も真なりなのだが、そこで両側から迫られる。どこまでか、ということは、これは単にGEOの問題ではなくて、これから色々出てくる問題だと思います。
【小池主査】  今、GEOSSアジア・太平洋シンポジウムの話が出ましたが、おそらく本会合での各国のスピーチの中で、インドから、今度の第6回がインドのアーメダバードで、2月25日から27日開催されます、というアナウンスがあると思います。ただ原稿を送ってよこすと言っていながら、まだ来ていないのですが。五つのワーキンググループができており、海と気候、生物多様性、AP-BONですね。それから、森林炭素トラッキング。これは今のGFOIのもとになったもので、山形先生にリードしていただいて、まさにここから始まっています。それから、農業、二宮先生にリードいただいて、それと水という形で、分科会の準備の議論が進んでおり、アジェンダ提案が明日の締切になっています。このような紹介がインド側からあると思います。
 関連して先ほどお話があった中で、コーカスというお話があって、これを執行委員会のメンバーもコーカス、つまり各地域から選出されているのですが、ご記憶かもしれませんが、1年間ほど、日本は執行委員会から外れたことがあります。日本が外れてしまった後、GEOSSが回らないという話があって、アジア太平洋域だけ執行委員会の枠を一つ増やして、翌年、日本が執行委員に戻った経緯があります。ですから、私たちはやっぱり責任を持ってこれを進めていく立場にあるのだな、ということで、アジア太平洋のシンポジウムもその象徴的なもので、これはシンポジウムをやっているだけではなくて、分科会を作って日々議論しながらやっていますので、そういうことをやっぱり各分野でも主張していただいて、アジア全体で、やっぱり日本がよくやりながらGEOSSが進んでいるというのを皆さんと実感を持って共有していただきたいと思います。そういうものがその次の2015年以降のGEOSSにもつながっていくと思います。
 それから、深澤委員、この「碧い海のイニシアチブ」について、情報をお持ちでしょうか。
【深澤委員】  これはOceanのコミュニティオブプラクティスです。海の分野の研究者の集まりであるコミュニティオブプラクティスをリードしているのがPartnership of Observation of the Global Oceans、POGOです。このPOGOそのものというところというのは、いわゆる色々な研究所長の集まりで、実はあまりうまく動かないのですよ。ただし、そういう性格のところですから、能力開発については得意なのですね。何かの実行計画というのはPOGOそのものも持っているのですが、実際にGEOSSのデータ共有のような、まさにGEOSSの本質の部分というのはあまり強くない。その部分というは、Research Communication Network、RCNで、2年ほど前に全米科学財団、NSFの助成がとれまして、今、やっているのがパールマンって、昔、電気電子技術者協会、IEEEにいた方です。僕はその一つの委員なのですが、そちらの方でデータ共有、それからデータ普及ワーキンググループを6カ月ずつつくって動いています。その中で、今度の、ちょうど本会合の前日まで、イリアナ島かな、何かその、要するにブラジルの中の北の方でシンポジウムがあり、うちの河野がシンポジウムに登壇することになっています。そのシンポジウムで、多分、何かのまとめをして、それが本会合で紹介されることになるのではないかと思います。ですから、むしろ文章を出すとすると、先ほど言ったRCNの方がはるかにまともなものが出せるのですが、一応それは海のコミュニティオブプラクティスとは違う活動ということになっているので、こちらも難しいということですね。
【小池主査】  では、海のコミュニティオブプラクティスとPOGOが協力するような形でこの「碧い海のイニシアチブ」が出てくるということでしょうか。
【深澤委員】  そうです。ですから、「碧い海のイニシアチブ」の、海のコミュニティオブプラクティスそのものがPOGOが主催しているということがあることには、あるのですけどね。
【小池主査】  ありがとうございます。それから、柴崎委員にちょっとお伺いしたいのですが、この対処方針の資料12ページ目に、僕も初めて資料で拝見したのですが、ターゲットとデモンストレーションとタスクという三層のピラミッド構造になって、それぞれ赤、黄色、緑の信号色がついて、どれぐらい進んでいるかというのが表示されて、これは計画管理運営委員会では議論されていますか。
【柴崎委員】  議論されていないはずです。
【柴崎委員】  計画管理運営委員会では、各タスクの状況が、これは黄色だとか緑だとかというのは議論がありましたが、三角のものは議論していません。
【小池主査】  絵にしたのはGEO事務局でしょうか。
【柴崎委員】  おそらく。
【小池主査】  わかりました。実はその表もついていて、表には、各色が記述されたものはあるのですが、そうですね。ああいう絵があって、水の分野は、大体グリーンになっているとかですね。
【深澤委員】  それの議論は後ほど紹介しますが、GEO計画・評価モニタリングワーキンググループ、M&Eで議論されたことなのです。
【大竹審議官】  そうか。M&Eですね。
【小池主査】  では、あとでご紹介いただきたいと思います。それから、全体的なところでは、将来のイニシアチブでAfriGEOSSというのがあります。これは今年の2月にリーブルヴィルというガボンの首都で、アフリカ水循環イニシアチブの第3回シンポジウムというのを開催したときに、アシャシェ前GEO事務局長が、これを進めるのだ、という話になり、そのような形で出てきたものです。我が国としては、来年6月1日から3日に、アフリカ開発会議、TICADがありますので、何らか、ある意味でイニシアチブをとれるような形で動いていくといいな、と、思っています。
 あとはよろしいでしょうか。佃委員には、産総研の方から、GEO事務局に出向者を派遣していただいていまして、どうも色々ありがとうございます。佃委員の方から何かありますか。
【佃委員】  出向者本人から、直接は聞いていないですが、やっと業務に慣れ始めたという雰囲気でひて、ぜひうまく使っていただければ、と思っていまして、我々も色々コンタクトしており、ポジションとしては当然GEO事務局の人間として、ちゃんと働いてもらわないといけないのですが、我々としては情報源としてちゃんとやってもらわないといけない。その辺はちょっと十分コントロールできていないところもあるのですが、うまく事務局と連絡して使っていただければありがたいと。もちろん何かありましたら、言っていただければ、少し何とかやります。
【小池主査】  どうもありがとうございます。アジア太平洋会合電話会議も間野さんが全部準備していただいて、うまく進んでいます。
 それから、福田さんの方から衛星関係で何かありますか。
【福田委員】  いえ、特段ないのですが、たまたま今週は熱帯降雨観測衛星、TRMMの15周年のシンポジウムがあり、併せて一連のサイエンスの会議もやっているところですが、当初想定していなかった当初想定していなかった15年の継続観測により成果が出ていることが、その中での議論で出ました。
【柴崎委員】  そういう外れ方はいいですよ。
【福田委員】  ええ。非常に多くの成果が出ているところです。そこは、ある意味、現在の水循環変動観測衛星、GCOM-Wにもつながってきている成果ですので、紹介していただいてもよろしいのかと思っています。あと、日米協力のいい例にもなってます。それで、NASAフレーリック地球科学部長も来日されたということです。
【小池主査】  どうもありがとうございます。
 先ほど最初に、平川さんからご紹介がありましたが、本会合の展示は、いつも私のほうでもある程度、取りまとめのお手伝いをさせていただいているのですが、今回は深澤委員に全部まとめていただいて、今、先ほどご紹介ありましたが、JAXA、JAMSTEC、地理院、それから文科省とですね、展示の協力が続いていくということは大変ありがたいということで、ご協力いただきまして、本当に有難うございます。
 では、よろしければ次の議題に行きたいと思います。
 次はGEOモニタリング・評価ワーキンググループ、M&E、の報告でございまして、まず、深澤委員、それから、その後、JAMSSの森山主幹技師からそれぞれご報告をお願いします。

 

議題2. 地球観測に関する政府間会合(GEO)活動評価及びモニタリングワーキンググループ(M&E WG)の会合結果報告
【深澤委員】  承知しました。それでは、M&E、深澤の方からまず説明します。開催日時は9月24日から2626日です。ジュネーブのWMOにて、日本からの出張者は私と、それからあと森山さん。これは、合同会議で、これはM&Eの下にある、評価チーム、ETとの合同会議でした。実は、これはアジェンダがなかなか決まらなかったのですが、管理運営委員会の人間を呼ぶということがあったためです。結局、合同会議参加者は、M&E、ET、IB、それからGEO事務局と書いてありますが、全部で18人でした。基本的にはM&E、IB、GEO事務局というグループと、別にET、と二つに分かれ、場所を変えて議論をしていることが多かったです。新GEO事務局長のバーバラ・ライアンが非常に張り切っており、最初から最後の日までずっと出っぱなしでして、なかなか頑張ってくれました。
 さて、主な議題として、もともと予定されていたのは、第四次評価の計画です。ETからの報告ということになります。第四次評価の計画のレビューと変更の提案というのは、ETから提案があって、そのインプットに対する全体での議論。それから、次には、大物の評価、2014年には第五次評価があるわけですが、それに関する議論です。
 資料には、議論の要点のみ記述してあります。2.です。後から森山委員からも報告がありますが、議題のbでは、少しお話ししましたが全ての計画運営管理委員会のレポートが提出されていない状況でしたので、計画運営管理委員会メンバーとしてはエネルギー分野と健康分野ですね、それからGCOSと気候分野のみが参加しての議論でした。雰囲気としては、地球観測という観点からはデータユーザーと、データを見つけてくる側の両者の参加という認識がGEO事務局側でも強かったのですが、そういうものではないだろうというのがあって、GEOSSのビジョンというのはデータユーザーと、データを見つけてくる側、両方一緒にして、要するに「データ・インテグレーター」としてみずから自覚するというような、そういう話が重要であるという感じでした。この後、計画運営管理委員会のレポートを書く際にも、それを頭の中にたたき込んで、そういうような方向での形を作ってほしいというのが、少なくともそこに出ているIBメンバーとそれからほかのIBメンバーへのレポートというか、指示というか、要請ですね。要請となっています。
 それで、この中で一番最後の段落なのですが、この後の第五次評価がありまして、GCOSの事務局長から、第五次評価の方法を一体どうするのだ、という発言がありました。これまでに色々評価がされているのだが、その実効性はどうなのか、特に2015年までにタスクを完了するということについての議論をどうするか、ということが、かなりこの辺りで議論されました。その結果が、実は今日の作業部会の議題1で話があったとおり、M&Eから管理表にして提出するということを本会合に報告します、ということです。本会合の各国の代表に、こういったものがあるので、それを注意してくださいという形で、本会合に提出することになっています。
 それで、議題のcは、これは後ほど森山委員からの報告の中にほとんど入るので、ここは飛ばします。
 そ重要なのは議題のdのところです。第五次評価です。これに関する議論が、実は口角泡を飛ばす議論でした。さすがに色々な人がいて、今度、第五次評価というのは、水分野と気候分野と気象分野が対象ですね。それぞれのGEO事務局の分野担当専門家から各社会利益分野の進捗状況というのが説明されたのです。それで、全説明を通して、現在採用されている個々のタスクに対してのシグナル色ですね。それが示されて、赤があったり、青があったり、まさに先ほど小池先生もおっしゃったように、水はほとんど緑ですよという話だったのですが、要するに、私が、これ、特に僕はどうもへそ曲がりなのかな、色々なのを見ていて、個々のタスクのシグナルの色というのが社会利益分野の戦略目標の実現に本当に結びつくのか、と言いまして、そういう形になっているのかどうか、そのためには、それだけでは無理だろうと言いました。例えば、そのための表を、実は、今回添付した、6ページなのですが、これは、その場で作ってもらったのですね。これは14項目掛ける26項目のマトリックスで、上が各タスクです。それで左側が社会利益分野と、あとそれから、横断的分野ですね。例えば、この内容、左で気候分野というところを見ると、その気候分野に非常に関係あるタスクが幾つあるかというと、例えば、ここだと六つあるのですね。かつ、この六つの進み具合で最終的にこの気候分野の戦略目標を実現するためには、この六つのタスクがそれぞれ独立にやるのでは無理です。例えば、一つのタスクは「うちはよくやっているのだが、ほかのところはあとやってくれれば大丈夫だよ」という時に、緑になるのですよ。
 そうすると、この中に例えば、一つでも赤があると、全体としての戦略目標の達成が危なくなる可能性がある。それで、要はそういう形の評価をしていくと、全部、緑と評価したのだが、最後は赤になるという可能性が一番怖い。だから、とても危険だ、という話をしました。それではどうしたらいいのだろうか、ということになり、GEO事務局長のライアンが一生懸命ホワイトボードを持ってきて、ほら、こうすればいいのよって書いたのが実は三角表なのです。それで、要するにタスクの上位に社会利益分野を置いて、そこでは鍵となる課題のみではなくて、戦略目標へ向けた合理性、特性云々、全部含めておこうという案が提出されていました。これもGEO事務局長のライアンが言ったのですが、これ、あくまでもボランティアベースでやっているというのは良くも、悪くもあって、各タスクにロードマップがあるわけではないのですよね。僕なんかもそれ、大丈夫かなと思うのは、1年ごとにこうやって、最終的にはこう、というロードマップがあるわけではない。だから、何がいつ行われるかわからない部分があり、それぞれのタスクの間では共有されているわけではないので、評価の完全性のみが目指す結果になり、それも嫌だなという気がしましたね。確かに、今年はこれ、今年はこれというのが決まっているわけではないということと、それをどう取り入れていくのか、というのがちょっと気になった部分で、これから先、M&E ワーキンググループの責任になりますが、例えば、それをどういう具合に、ETが評価する際に考慮に入れてもらうか、あるいはそれらを提言としてどう本会合に出していくか、というのが、これから先、といっても、2015年迄の、M&E ワーキンググループの大事な仕事になるのでしょうね、というのが全員の共通の認識、何というか、これは何とかしなければいけないねという認識です。特にGEO事務局長が、私は何とかしたいのよ、という認識がありました。それと、最後に次の五次評価について、3ページ目ですが、GCOS事務局長が来ていましたが、これ、実はGCOSは気候分野のうちの一つのタスクのリーダーなのですが、5年から7年ごとに、外部評価を独自に受けているのですね。それで、それに従ってGCOSの実施計画が作成されて、実施されて、また、評価を受けてという形をやっているので、GEOの社会利益分野の一つとしての気候分野の評価と、現行の評価との整合性確保が難しいのではないか、というような話が出たのですね。これについては、また議論が必要となったのですが、私の私見、GCOS事務局長とも話をしたのですが、要はGEOの気候分野とGCOSが、ちょっと違うのは、GEOの気候分野の戦略目標には予測という言葉が入ってくるのですね。GCOSはもちろん予測をしないわけです。予測というのはどこにやらせているかというと、World Climate Research Programme、つまりWCRPに入ってくる。だから、GEOの気候分野とか海と社会分野には予測が明記されているので、WCRPとか、International Geosphere-Biosphere Programme、つまりIGBP、GOOSや、Global Terrestrial Observing System、つまりGTOS、WMO Integrated Global Observing System 、つまりWIGOS、と書いてありますが、そういう固い国際的なフレームワークで行われている評価との整合性というのは、多分それがパーツパーツになれば、全体としての評価が可能なのだが、ただ、もし、それぞれに、そういう評価をする際には、少なくともWCRPとか、そういう構造を知っている人がある程度含まれていて、それぞれの整合性が確保されないとつらいよね、という話は出てきました。それは、固い国際的なフレームワークは、全部がすごく長い歴史を持っているし、すごいインターナショナルで広いので、これについては、もう実は、GEO事務局もお手上げ状態、という感じでした。私の感覚的な印象ですが。それで、GEO事務局長やM&Eの共同議長も、なあ、お前、どうしたらいいと思う、というので、少なくともGCOSとWMOは入れなくてはだめでしょう、と。資料には書いてありませんが、それぞれの形が評価をされているから、もっとユーザー対応の部分を含めるとか。例えば、これをやるのに水循環の専門家が出てきても悪いことはない。そういう形でユーザーサイドの人をもっと含めた形で次のETを組もうよ、という提案はその場で話をしてきました。ただ、まだ決まっていません。このETへのノミネーションの着手は、まだまだ先の話です。森山さんの評価が終わるのが、来年の6月なので、6月に終わった直後に次の募集が始まるという形です。僕はそういう意味ではちょっと今までと違って、ユーザーをETに入れた形にできたらいいかな、というのが私の意見です。
【小池主査】  どうもありがとうございます。そうしますと、ETの報告を森山さんから続けてお願い致します。
【森山主幹技師】  ETに日本からボランティアベースで参加をしまして、結構大変な作業がいっぱいありまして、短期間に色々やらないといけない作業が山ほどあり、引き受けてみたものの意外と大変だなと。私自身はGEOが始まった当時から気候分野のタスクリードをやっていましたので、ある程度そういうバックグラウンドがありましたから、そう大変な作業ではないのかな、と思ったのですが。実際、ETのメンバーと8月にキックオフをしたのですが、皆さん、ボランティアで、たかだか5名。カナダ、ノルウェー、イギリス、イタリア、そして日本、ドイツから集っています。今のところ、隔週で電話会議をやり、できるだけ風通しを良くして、情報共有して進めているのですが、結構大変な作業です。
 では、資料を見ていただき、先ほど、深澤さんが説明されたところ以外で要点を簡単に説明いたします。まず4.の(1)の第一日目のパラグラフの下のですが、4ページです。先ほどから、GEOの戦略目標の達成度評価ということで、進捗度合いのシグナルという話も出ているのですが、この時に、私から発言したのは、そもそもGEOの社会利益分野のステークホルダーは、Community of Practice、いわゆるCoPというのができているのですね。実際にこのCoPというのがユーザーの集まりであるし、特に私のやっていた気候のタスクでは、GCOSとか、Integrated Global Observing Strategy、つまりIGOSとか、それこそ気候の大御所とか、あるいは気候・気象関係の研究者・科学者がいっぱい入っている。ですので、本来、GEOSS10年計画で、これまでやってきた災害、健康、エネルギー、この三つの分野の成果と、それから2015年までの戦略目標に対するタスクの妥当性、それを正しく評価できるのは、本当はCoPのメンバーではないかという発言をしました。実は、我々タスクチームの中で今回450名ぐらい、もう既にリストアップしたのですが、その中にはタスクの関係者と一般ユーザーが入っていますが、幅広く評価情報を集めるために、CoPのメンバーの人たちも今回取り入れたということです。
 全体のスケジュールのお話ですが、既に今、11月の半ばですが、今月中にはこの評価のためのレビューシートが完成させます。今日はドラフトを添付しています。そのシートをこちらで指定したURLに掲載し、先ほどの450名に、いや、もっと増えるかもしれませんが、メールを送ってアクセスしていただいて、回答してもらいます。大体40項目ぐらい、資料がついていますが、このGEOという表紙のあるところですね。これまでの評価は、ほとんどが記述式だったのですが、時間もかかるし、大体、皆さん答えてくれない、回収率が悪いということで、今回からは可能な限り、ほとんど選択式にしました。ユーザー向け、GEOのタスク関係者向け、と二つに分けて、質問の内容も多少違います。主だった人には直接インタビューをします。ETメンバーの5人がそれぞれのテリトリーで手分けし、私の場合はアジアと北米です。作業部会委員の中では、福島さんだとか山形さんだとか、直接お伺いして、インタビューさせていただきますので、よろしくお願い致します。そういう三つのやり方で、これから評価情報を集めるということになります。その作業が、概ね今年いっぱいで終わりまして、来年、おおよそ2月までに中間取りまとめをします。GEOSSのアジア太平洋シンポジウムと重なってしまうのですが、2月26日からイタリアで中間取りまとめの作業をし、4月下旬に最終的な取りまとめを行い、5月、6月にはGEO執行委員会に上げられるようにしようという、スケジュールで進めています。
 4ページ目に戻ります。ETの作業の、少し細かなところなのですが、今回は三つのタスクを対象にしています。その中で、これ、全部についてそれぞれ人脈とか経験とかをバックグラウンドにして、広く網かけしないといけないので、私の場合には、今まで災害関係をやっていたこともありますので、特に災害について、アジア全域とそれから北米について、日本の分担ということでやることにしています。特に災害は、ご存じのように国際災害チャーターや、センチネル・アジアのように、既に実運用に供せられるような世界的なシステムが稼働しています。こういうオペレーショナルなシステムがある中で、GEOがどういう貢献をしていくのか、というところが一つのポイントになってきます。もう既に公開されているデータを、単にGEOのポータルに画像を載せて公開する、ということをやっているだけでは、GEOの成果としての評価はなかなか高くはならないので、その辺りを重点的にちょっと見ていこうかなと思っています。
 それから、2012年10月に、つい2週間前ですが、Committee on Earth Observation Satellites 、つまりCEOS、地球観測衛星委員会ですが、CEOSの本会合がインドでありました。そこにGEO事務局長も参加しており、相談したのですが、CEOSのメンバーにも一応、幅広くお願いをしようと。ただ、CEOSは宇宙機関だけではなくて、ユーザー機関がいっぱい入っています。European Centre for Medium-Range Weather Forecasts 、つまりECMWF、や、United Nations Economic and Social Commission for Asia and the Pacific 、つまりUNESCAPや、WMOですね。ですから、そういうところの中で、GEOのユーザーとGEOの参加機関と、少し仕切り分けをしてお願いをしようということにしました。
 それから、12月にはクアラルンプールで19回のアジア・太平洋地域宇宙機関会議が、APRSAFです、APRSAFがあります。これは主にアジアの色々なユーザーが集まりますから、アジアの、特に私の場合には災害に関するインタビューをこの機会にやらせていただこうかなと思っています。
 5ページ目ですが、会議二日目にもう少し細かな話をしています。当初、インタビューシートは記述式を中心にすることを、この時点では考えていたのですが、現在、先ほど御覧になっていただきましたようにほとんど選択式に変更いたしました。現在、そのシートの内容を、一昨日に開催したテレコンで確認しまして、我々の身内の関係者にこういう内容で答えられるか聞いて、内容が良いかどうか、ということを内部評価していただいています。その結果を今週末に一応取りまとめて、来週ぐらいに、さきほどの450名に宛て、eメールでお願いをして、そろそろレビューシートを展開していこうということになります。
 並行して、もう一つ大変なのがGEOの関連文書を全部レビューをして、それからGEOに関連する研究成果、公表論文、文献、報告書等含め、これも調査をしないいけません。こういった客観的な成果からGEOの活動がどのくらい使われているか、ということ、あるいは、評価がどうか、ということを推し量るデータにしていくわけです。
 最後に、その他、のところ。これは会議の後、進捗した部分なのですが、先ほど申しましたウエブサイトといいましょうか、URLを作っていますので、関係者の方にはこちらにアクセスをしてもらって、質問書に答えていただくということです。約40項目ぐらい、10分ぐらいで回答することができるようにしています。11月下旬をめどにアップを完了して、できれば来週ぐらいにやりたいのですが、そういう作業を始めるということです。
 GEOの本会合が今月末、ブラジルでありますので、そこでサーベイシートを事前評価用として配布して、紙の状態で回収をして、少し必要であれば、ETのメンバーで修正等の作業をしたいと考えています。これもGEOの事務局長が了承しています。
 アンケートの配布先の約450名は、もちろん、追加できればもっともっとサンプルを増やしていきたいなと思っています。
 それから、ETのメンバーなのですが、4名で基本的には動いているのですが、その後、イタリアから2名、特にこれは健康とエネルギー分野の担当ですね。ちょっと僕らは健康とエネルギーの人脈があまりないので、こちらの方で少し助けてもらえるということで、2名追加してもらっています。それから、私は、ちょっと経緯はわからないのですが、宇宙空間科学研究委員会、Committee on Space Research、つまりCOSPARを代表して、佐賀大の新井康平さんが参加をされるということのようです。まだ、彼はテレコンに出てきていないのでわかりませんが、どの分野を分担してもらうか、相談をしようかなと思っています。
 それから、あとは紙ベースで少し幅広にユーザーの声を集めたいので、日本リモートセンシング学会、それから写真測量学会、それから今月末にタイで開かれますが、アジアリモートセンシング会議、この三つの会長、それから事務局長と相談をして、このレビューに協力をしていただけるということで、メンバーリストをいただいて、そちらの方にも協力依頼をしようかなと考えています。
 説明は以上です。
 それから、絵が1枚ついていますので、これ、ついでにこのスケジュールの件、先ほど申しましたように、今月末ですね、赤い印の塊が左上にありますが、今月末までにサーベイシートを展開して、対象者リストにeメールで依頼をすると。それから、その次の赤いところの塊なのですが、これは実際に調査を実施して、2013年2月の末にオンラインでのサーベイを、それから文献調査ですね、これを完了させて、2月26日から一応関係者が集まって、中間評価をやると。それから、最後、5月末に最終評価の取りまとめをしてGEO執行委員会に報告をすると。こんなようなスケジュールです。
 以上です。
【小池主査】  どうも。本当にお忙しい中、ボランティアで御苦労いただき、ありがとうございます。今回のこの第四次は災害とエネルギーと健康。第五次が、気候と気象と水ということになっていて、今度の予定も含め、色々情報をいただきました。皆さんの方から御質問、御意見等ございましたら。
【深澤委員】  ちょっといいですか、森山さんに。米国も入っていますよね、
【森山主幹技師】  ええ。後から入りました。
【深澤委員】  米国海洋大気局が全部引いてしまって。でも、入ったのですよね。アメリカ、入っていますよね。
【森山主幹技師】  そうです。後から入りました。ただ、彼、テレコンには出てこないので。ちょっとメールベースでしかやりとりしていませんが。後から入りました。
【小池主査】  米国海洋大気局が撤退するといってGEO執行委員会でも問題になりまして、それで、なかなか大変だと、ボランティアでやるのは。
【森山主幹技師】  そうなんです。大変なんです。
【小池主査】  ということで大変、本当にありがとうございます。
【森山主幹技師】  後ろを振り返っても助けてくれる人は誰もいませんから。
【深澤委員】  僕、心配なのは450の、でも、あれかな、これ、記述式ではないからできるのかな。いや、すごい、これリソースがかかって、多分、GEO事務局がかなり大変だと思う。
【小池主査】  ただ、面接も結構大変で、あと、今年は山形委員、渡辺委員、福島委員のお名前が挙がっています。
【森山主幹技師】  これからインタビューに回らせていただきます。よろしくお願い致します。評価ツールはカナダの空軍出身のメンバーが、Figure of Meritとかいってですね、かなりこなれた評価ツールがあるので、まあ半自動で、処理ができるシステムを、一応、動かすことができます。
【深澤委員】  それは聞きました。それで、大丈夫か、という話だったのだけれどもね。
【小池主査】  渡辺委員、健康分野の評価が進んでいるのですが、何かありますか。
【渡辺委員】  特に今はありませんが、450名の中で、この三つの分野というのは大体どういうふうに分かれるのですか。
【森山主幹技師】  大体、均一になっていますが、エネルギー関係が少なめです。GEOのコンポーネントとかタスクの関係者、全部網羅していますから、漏れなく入っています。
【小池主査】 第五次評価の設計が大変ですね。
【深澤委員】 第五次評価、大変なのですよ、本当に。気象、気候と、全部すごく密接に関係してしまっているので。僕はM&Eに長い間いるから、今までのようにきれいに三つに分けたらできないのではないか、という感覚がありまして。もちろん今まで三つずつやることになっているのですが、評価方式そのものを、具体的にはこういう方針でいいのですが、それぞれかなりの評価は受けているから、今度はGEOSSの本質として、もっとユーザーからの評価を表に出してはどうだろうねという話はしているのですがね。
【大竹審議官】  素人があまり言ってはいけないのかもしれませんが、ここのところで先ほど、データユーザーとデータを見つけてくる側がやっぱり区別されるべきものではなく、という点、よくわかるのですが、今、色々な具体的なプログラムをやっている時は、まさにこうではなくてはいけないと思うのですね。情報を出さないが、使っているだけよ、というのはあんまりお仲間として好ましくないと。だが、どこかのフェーズで、多分色々とフェーズが変わる時に、新しい人が入ってくるほうが、よりこういうものがアクティビティーとおっしゃるような相互関連性が出てくるから、何というのでしょうか、お試しではないが、入っていらっしゃいという、そういう意味でのユーザーというものの認識が、やっぱり重要なのではないかな、と思うのですよ。
【深澤委員】  それは審議官のおっしゃるとおりです。その時の議論というのは、つまり、社会利益分野の中で例えば、気候と健康というと、気候はデータを見つけてくる側で、健康はそれを使う側だというのです。そうではなくて、例えば、ある気候のもとでアフリカの、例えば、デング熱の分布はどうなっているか、なんていう時は、両方がデータを見つけてくる側ではないと無理だろうという話がありました。
【小池主査】  藤谷委員、来年、気象と気候ですが、何かこう、こういうふうにやるとうまくいくとか、こういうコミュニティーと協力するとうまくいくとか何かありますか。
【藤谷委員】  ちょっと今、すぐは思いつかないですが。
【小池主査】  水は、今、アジアとかアフリカにコミュニティーができつつありますので、そういうところ今の話を展開すると、途上国から発展している国・地域までデータを揃えることができるのではないかと思いますが。
【深澤委員】  多分第五次評価の一番最初の質問は「あなたはGEOSSを知っていますか」から始まるのではないかなという気が。
【小池主査】  でも、そういうコミュニティーだけでやるといけないのです。
【大竹審議官】  いや。でも、それすごく重要なことですよ。
【深澤委員】  大事なのですよ。
【大竹審議官】  全然別の話で、でも、近いところの話題ですが、宇宙の話を今、色々やっているのですが、リモセンをどうするか、というと、やっぱり、今までのリモセンユーザーだけだと、決まったことしかできない、という話が出ています。多分、先ほどどのTRMMの話もそう。TRMMから、GCOM-Wもそうだが、予想外の展開というか、予想外に色々なところで使える、ということが出てくるから、どうやってそのユーザーを広げるか。それで、広がってくるところのユーザーというのは、今は知識がないから、そういう人が入りやすいようにして、うまくやっていかないと、そういうコミュニティーがちゃんと拡大していかない。で、多分に何か、こんなことを言ったら失礼ですが、やっぱり地球関係の問題というのは、何か第一原理を誰かがわかっていて、これに基づいて解けばいいや、という世界ではなくて、多分色々な人の経験とか知恵が非常に要るし、おっしゃるとおり、逆に変な話だが、さっきの病気の蔓延度合いを見ていると、何か別の気候の変化がわかってくるとか、どっちが原因で、どっちが結果かというのは難しいところだと思うのですね。そういうところがインタラクションがあり得るから、そういう意味では、おっしゃるような広げ方というのは、あまり。そうすると、コミュニティーが広がっていくばかり、インフレの世界ではないか、というのだが、宇宙もインフレで広がっているからいいのではないですかというのもあります。
【深澤委員】  多分、やっぱりユーザードライバーというのを表に打ち出した瞬間にはそういう考え方をしないと、やっていけないですよね。
【大竹審議官】  それがさっきのインテグレーションとか、それがそのことにもつながってくるのかなと。
【深澤委員】  まさにそうです。
【大竹審議官】  広がってしまうと、手が焼けるのですが、おもしろい側面もあるので、よろしくお願いしますということで。
【深澤委員】  頑張りましょう。
【小池主査】  このモニタリング・評価は、GEOを作るときにも一番大事というふうに設定したのですが、本当に忙しくてですね。大変な実作業を伴うので、本当に面倒をおかけしていますが、どうぞよろしくお願い致します。
【深澤委員】  よろしくお願いします。これ、僕の方からもよろしくお願いします。
【小池主査】  ありがとうございます。全体、GEOの総会、それから執行委員会、それから、今、モニタリング及び評価のワーキンググループの、それから評価チームの報告をいただきましたが、皆さんの方から御意見とか御質問等ございましたら、どうぞ。瀧澤委員、いかがですか。全体的に。何となく動いているという感じがしますが。
【瀧澤委員】  そうですね。常々思っているのですが、やっぱりこの中で議論されていることが、ボランタリーに色々知恵を出し合っているという状況なのに、なかなか閉じてしまっていて、もったいないなという気がします。
【小池主査】  もったいない。なるほど。
【瀧澤委員】  世間一般の、その辺を歩いているおじさん、おばさんに知ってもらう必要は、当面ないかもしれないですが、少なくとも研究者でデータを使ったり提供したりという人たち、あるいはほか省庁の方々とか、そういう人たちにはもっと興味を持っていただくほうが。
【小池主査】  あれ、ホームページはどうなったのでしたっけ。
【大竹審議官】  そうそう。ホームページという話が出て。
【事務局(平川)】  ホームページは、あります。
【小池主査】  一応あるのですよね。
【事務局(平川)】  はい。
【小池主査】  だから、こういう情報がやっぱりアップデートされないといけないのですよね。
【瀧澤委員】  そうですね。進捗が見えると少し一体感みたいなものが。
【小池主査】  それはちょっと。いや、いつも言われることです。
【大竹審議官】  それは、ちゃんとお金をつけないと。あれ、ホームページだけで、ボランタリーでやっていると、絶対追いつかないのですよね。
【小池主査】  私が聞くようではだめなのですね。どうなっていましたっけ、って。
【渡辺委員】  一つよろしいですか。やっぱり健康とか、あるいはこれから先、社会的なものが入ってくるとすると、やっぱりデータが個人につくわけですね。それで、個人、普通、例えば、健康のものを表に出すときというのは、個人情報を当然削除して、病気や何だ、というようなことのみを出すわけです。逆に、そういうのがこのGEOみたいな仕組みとくっついてくると、こっちで個人情報を切っておいても一緒に出されてしまうのではないか、という心配が実はちょっとなくもないのですが。そういうところというのは、今、全体のGEOのレベルで色々な議論になったりすることがあるのでしょうか。
【小池主査】  これは柴崎委員に聞かないと。
【渡辺委員】  個人情報というのは基本的に名前と場所だけなのですよね。それは人、例えば、この間、それこそ柴崎先生とお話しさせていただいた時に、要するにもう人の動きみたいなのを見ていくと、誰がどこにいたか、というのがわかってしまうのです。だから、それは悪意で使われるとどういうことが起きるかわからない、というリスクがどこかにあるかもしれない、ということは話題になっているのかな、ということを、お聞きしたかったのです。
【柴崎委員】  今のところ、全くそういうのは。
【小池主査】  ないですね。
【柴崎委員】  出てきていないです。やっぱり、健康分野に関する議論がそんなに深まっていないし、HDSS(Health and Demographic Surveillance system 仮訳:人口登録・動態追跡調査システム)のように、ずっとパネルで同じ人を追跡調査する、みたいなデータがこのGEOの枠の中に挙ってきていないです。というか、議論になっていないですよね。
【小池主査】  WHOのディレクターをやっておられた方が、かなり活動されて、WHOとGEOSSの協力関係が随分強まり、WHOとWMOが近いこともありますが、今、計画運営管理委員会の代表として、WHOの健康分野の代表の方が、報告に来たりしています。そういう雰囲気はできてきたので、健康もこれから活動をより促進していただきたいですね。
【柴崎委員】  渡辺先生と、別件でお話しさせていただいた感触では、WHOとやっていれば健康分野の活動はカバーできる、と思っているのが何かちょっと間違っている気がして。やっぱり個別に伺うと、いや、ケニアで何十万人とか、そういうデータってやっぱりあるコミュニティーでちゃんと作られていて、そういうものとのリンクというのを考えていかないと、新しい展開がない感じがします。だから、気象って、WMOとだけ話をしておけばいいというのも、まずWMOは、WMO Information System 、つまりWISとか持っていて、それなりに情報がしっかりマネジメントされています。一方、WHOはよくわからないですね。もうちょっと下のレベルの個別の話をだんだん取り込んでいくというというか、コミュニケーションしていく、とのようにした方が本当は良さそうな感じがします。
【深澤委員】  あれ、日本では、気候というか、気候変動との間では、そういう動きがあったのですよ。だから、例えば、これは、文科省ではなくて、環境省だったかな。課題3かなんかで、気候変動と、それからあと、感染症研究所がその中に一つ持っていましたよね。要は、気候の、いわゆるそういう変化の予測と今までのデータと、それから感染症研究所ですから、特に昆虫系を扱ってどういう具合になっているか、なんていうのを意外とやっていたりして、そういう意味では結構頑張っているなという印象をその時に持ちました。それはもちろん、個人情報というのは、まあ昆虫ですから、ほとんど出てこないのですが。
【小池主査】  今、気候変動適応研究 推進プログラムで中島先生と渡辺先生が、まさに気候の変化と健康をやっていただいているし、グリーン・ネットワーク・オブ・エクセレンス事業では、データ・統合解析システム、つまりDIAS、と渡辺先生のところでそういうことが始まっているので、これもやっぱり日本のこういう特性を生かしながらアピールしていければと思います。
【大竹審議官】  今おっしゃったことは、コホートですよね、まさにそこまで行ってしまうのですよね。そのレベルのものが果たして、GEOSSの健康のところで出てくるかどうかというのがあるのだろうか、と思う。ただ、おっしゃるように、びっくりするほど科学が進歩して、コホートはゲノムベースだから、これはもっとシリアスなのですが、多分そこまでおやりにならないので、人の動きと何とかでという話になった時に、確かにある国がとてもベタベタになっているよ、というと、色々な人がそこへ、例えば、経済活動をしに行かなくなるとか、そういう影響が出ることは、あり得ますよね。だから、そういう意味で、どうするかということを考える必要があるかもしれない。個人情報のリスクと、どの程度まで研究で踏み込めるか、というのは、やはりある種、全体を見られる方が警告を発していただかないと。一番心配なのは、おっしゃるとおり、研究者が熱心にやって、あるところまで行ったら、知らないところにリンクして、とてつもない利用をされていたということになるとまずいなという気が多少します。また、これまでのところでは、契約書や何かは随分吟味して交わすようになってきたのですが、これから本当に重要になる視点を提起いただいたと、忘れないようにしないといけないと思いました。

 

【小池主査】  どうも有難うございました。大体、御意見をいただいたと思います。特に瀧澤委員から、もうちょっと広報をちゃんとやらないといけないと、久しぶりにご指摘いただいて、うん、そうだと思いました。これはちょっとやっぱりアクションとして考えていきたいと思います。GEOの中では大きな発言力を保ってきて、ある程度かじ取りをしているような役割を果たしていますので、今、指摘いただいたようなことはぜひ考えていきたいと思いますし、また、渡辺委員からお話があったような、また、今、審議官からもありましたが、ちょっとあまり気づいていないような分野に、新たな地球観測活動が出ていくと、問題も引き起こす可能性がある、ということも気をつけながら進めていきたいと思います。今日いただいた意見をもとに、大竹審議官と清浦推進官と私、それから柴崎委員深澤委員もが、来週ブラジルへ参りまして、また、戻ってまいりましたら、作業部会を開催して、報告の機会があると思いますので、よろしくお願い致します。
 それでは、最後に事務局からありますでしょうか。
【清浦推進官】  本日の議事録は事務局からメールで各委員の先生方に送りますので、修正があれば、指摘をお願いします。最終的には文科省のホームページに掲載いたしますので、了解下さい。
 それから、最後に事務的な連絡ですが、旅費、委員手当の確認のための1枚紙をお手元に配付しています。必要事項を記載又は確認いただきまして、事務局まで提出願います。以上です。
【小池主査】  どうもありがとうございました。
 それでは、これをもちまして、第16回作業部会を閉会いたします。どうもありがとうございました。

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