地球観測推進部会 全球地球観測システム作業部会(第11回) 議事録

1.日時

平成23年10月28日(金曜日) 13時~15時

2.場所

経済産業省別館10階1031会議室

3.議題

  1. 2015年以降のGEOSSの検討とRio+20への対応について
  2. 第8回GEO本会合と第23回GEO執行委員会への対応について
  3. その他

4.出席者

委員

小池主査、柴崎委員、梶井委員、瀧澤委員、高薮委員、二宮委員、深澤委員、藤谷委員、山形委員、渡辺委員

文部科学省

加藤審議官、福井環境エネルギー課 環境科学技術推進官、他

5.議事録

【小池主査】  それでは、定刻になりましたので、科学技術・学術審議会研究計画・評価分科会地球観測推進部会の下に置かれております全球地球観測システム作業部会の第11回会合を開催いたします。大変お忙しいところありがとうございます。

【福井推進官】  本作業部会は、地球観測部会運営規則に基づき公開します。会議内容も公開となりまして、後日、議事録は文部科学省公式ウエブページに掲載します。本日10名の委員の方ご出席をいただいておりますので、過半数なので、会議は成立です。以上です。

【小池主査】  最初にGEOの日本のプリンシパルでいらっしゃいます加藤審議官からごあいさつをいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

【加藤審議官】  加藤です。

 本日はありがとうございます。資料の中でごらんいただいたように、10月の中旬にGEOの本会議がございまして、ここでGEOSSの今後の10年を議論するためのワーキンググループ設置をするということで、これから本格的に議論が始まりますので、今日皆様からご提案いただいた資料がありますが、その議論をますます深めていきたいと考えてです。

 もう一点は、リオ+20で、今やっていますGEOSSの活動をやはりアピールすることが重要だと思います。こちらについてもご議論いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

【小池主査】  どうもありがとうございました。今、審議官からもご案内がありましたように、2015年以降のこのGEOSSのあり方をどう考えるかという議論が、来月半ばから具体的に始まります。

 その前に執行委員会もあり、本会合でおそらくそういう作業部会を立ち上げるということが合意される予定です。

 よって、今作業部会では、皆さんから事前にご準備いただきましたペーパーにも基づきながら、今後の10年どう考えるかということを議論して、できますれば、執行委員会のときに、日本としてはこういうことを考えています、というより具体的なポジションペーパーを出せればと思いおります。本日はその中身の議論になりますので、どうぞよろしくお願いいたしたいと思います。

 今、審議官からありましたように、来年の6月にリオ20周年の会議があり、そのアジア太平洋地域会合も開催されたところです。そのテーマがグリーン経済と貧困の根絶というような文脈、それから持続可能な開発という文脈の中で、そのグリーン経済、あるいはグリーン成長というのを言われていますが、それをどう実現していくかということが、議論されるというわけです。

 その中で、この地球観測、あるいはデータの統合化や、利用がどういう役割を担うかということも、この2015年以降のGEOを考える上でも非常に重要であると、そういう認識で皆さんこれまで議論してきていただいたわけです。ですから今後のGEOということと、来年開催されるリオ+20に向けての対応ということが、ある車の両輪のような形で、国内でも、また国際的にも議論が進んでいるところです。

 議題1がその両方をマージした形で、今後の対応、我が国としてはどんなことを考えていくかということの議論です。ここに時間のかなりの部分を充て、議事を進めたいと思いますので、協力をよろしくお願いいたします。

 それでは議題に入りたいと思います。最初にそのリオ+20の関する動きについて、事務局のほうからお願いいたします。

議題1 2015年以降のGEOSSの検討とRio+20への対応について

【福井推進官】  小池主査から説明のあったリオ+20は、1992年にリオデジャネイロで開催された国連環境開発会議から20年になるという機会に開催します。2012年6月4日から6日までの3日間、リオデジャネイロで開催します。テーマとしては持続可能な開発及び貧困根絶の文脈におけるグリーン経済、持続可能な開発のための制度的な枠組みということがテーマ、各国からのインプットというのを11月までに提出するということになっております。現在、ほぼ国内調整がついておるというところです。

日本のインプットの概要にまとめたものです。リオ+20では、日本としては経済、社会、環境の3要素すべてをバランスよく満たす世界の構築に向けた政治的なコミットメントの表明を図るということでございまして、グリーン経済への移行と、持続可能な開発のガバナンス強化に向けた力強いメッセージが世界に伝わるようなものにしたいということです。

 この成果文書は、一応その総論と持続可能な開発及び貧困削減の文脈におけるグリーン経済、あと持続可能な開発のための制度的枠組みの3部構成という形になってです。

 この1ページ目は、現状認識として、左側にありますように、国際社会の主体の多様化、人口増加等の地球の限界、あるいは格差が拡大、自然災害が増加しているというようなことが言われておるのだと思います。

 その中で、大きな柱としてグリーン経済への移行というものと、持続可能な開発の実現、ポストミレニアム・ディベロップメント・ゴールの策定に向けた道筋というようなことを謳っておるところです。

 グリーン経済への移行については、政策ツールボックスを共有したいということで、グリーンイノベーションを推進していく、ここに書いてありますようなスマートグリッドシステム等の再生可能エネルギー研究開発や省エネ等の手段があるのではないか、これをさまざまな指標や経験を各国が共有するということです。各国がグリーン経済戦略、グリーン経済の意義と申しますのは、自然界からの資源や、生態系から得られる便益を適切に保全活用しつつ、経済成長と環境を両立するということで人類の福祉を改善しながら、持続可能な成長を推進する経済システムと意義づけているところですが、グリーン経済戦略を策定するための仕組みを構築することです。

 右側の新しい国際開発戦略の策定は、21世紀型のビジョンを示す戦略や、ポストミレニアム・ディベロップメント・ゴールズの具体的な目標の制定など、GDP以外の豊かさの基準として、「幸福度」を提案というようなことを考えておるということです。

 この持続可能な開発実現に向けて、日本としては9つの日本提案というものをしたいということでございまして、資料の裏側ですが、9つ、防災、エネルギー、食料安全保障、水、環境未来都市、持続可能な開発のための教育、地球観測システム、技術革新とグリーンイノベーション、あとは生物多様性という、これは各省、我々も外務省と相談しながらつくってきたこの提案です。こういう9つの提案を持続可能な社会の実現のために必要ではないかということで、日本から提案をしていくということです。

 GEOSS作業部会でご紹介申し上げるということですので、我々地球観測システムの重要性ということについて、各省、国土交通省等とも連携しながら、何や、この9つの提案の中の一つとして入ったということです。地球観測システム、地球観測ネットワークの強化ということでして、気候変動、大規模災害等の地球規模課題の解決に適切に対処するためには、地球に関するデータの正確な把握、分析、それの国際社会での共有が重要ということをうたっております。この提案書の中では、例えば人工衛星「だいち」、GOSATの観測の重要性、なども中にはうたっています。また、GEOSSの10年実施計画と、その10年実施計画によるいわゆる9つの社会分野での政策決定に必要な情報を提供していくことが重要というような記述も載せておるところでです。

 我が国としましては、今後地球全体をカバーする水、地形等の基盤的な地理空間情報を整備し、GEOSSを通じた地球観測体制ネットワークを一層強化するということを提案するということも記述しているところです。

 後ほど、小池主査のほうから説明があると思いますが、アジアでの準備会合というものも先週開催されました。これを、その準備会合に出し、各国からの成果文書のインプットの提出を受けまして、あとは非公式会合を重ねながら、最終的な政治的文書を作成していくというプロセスになっていくわけです。以上です。

【小池主査】  どうもありがとうございました。続けてですが、資料2、今、推進官からもご説明のありました、このリオ+20のアジア太平洋会合が先週19、20とソウルで開催されました。文部科学省はご都合でご出席できなくて、私が代理ということで出席させていただきました。

 それで、この資料2をご覧下さい。これはESCAP、アジア太平洋域の経済社会委員会と、韓国政府がホストで、この頭に書いてありますが、UNEPとアジア開発銀行がかなりサポートして、出席者のサポート等もしておりました。

 実は、このステートメントの案文というのが10日ぐらい前にまず来て、そして4日ぐらい前にもう一度これをこの会議でまとめたいというようなアナウンスが来たんですが、冒頭インド政府と中国政府のほうから、まだこの議論が未熟であり、ステートメントをまとめる段階ではなかろうという提案がございました。実はそのステートメントには、日本の今お話しいただいた地球観測や、それから災害に関することや、このような日本ならでは、という案もちゃんと入れ、日本案としては対処方針として持ってはいましたが、冒頭そんな議論になり、とてもステートメントをまとめてという形ではないということで、小人数から成るビューローミーティングが組織されました。その中には日本の全体の代表でいらっしゃいます外務省の担当課長が入り、並行して、別室でビューローミーティングをやるというような状況でした。

 その結果、インド・中国から、議長サマリーで報告したらどうかというような提案もあったのですが、何とか、まとめたのがこの3枚目にSeoul Outcomeです。これは、なくともこの地域、アジア太平洋地域会合でまとまったものであるという認識で国連本部のほうに出されます。

 非常に短い文章ですので、後で読んでください。1日半ぐらいビューローミーティングでもんで、2日目の午後、中ごろにようやく出てきたものです。

 2番目に、我々の認識はアジアは最も経済成長の高いところであるし、世界の貧困層の最も大きな部分が、このアジア太平洋沖にいるということ。それから3番目に、その中でもsmall islandとhigh mountainとland-lock statesということです。land-lock statesは、それ以上広がっていけないというような意味だと思いますが、そういうような地域にあるということです。

 それから5番目で、非常に強く望むのは、2行目のとおり、political commitment for sustainable developmentであるが、それからリオ+10のAgenda 21からPlan of implementationとこう来ているが、やはりギャップが大きいというのを認識しているということです。

 6番に、では、リオ+20に向けて、どんなことが大事かというのが、全部で6項目ですが、書かれています。Action-oriented、それからInclusiveというようなキーワードがこの中に入っております。

 それから7番にGreen Economyというのが初めて出てくるわけですが、これがリオ+20の非常に大きな課題です。黒ポツで幾つかまとめられていますが、私の正直な感じは、だれもまだGreen Economyというものを具体的に語られる方はいないという印象を持ちました。各国のステートメントをできるだけ詳しく聞きましたが、皆さんばらばらで、何か統一感を持ったもので語れるというものではない。このままいくと、政策関与できる段階のところまで行くのかというのがちょっと心配になるというような形です。

 黒ポツを簡単に申し上げますが、例えばこれGreen Economyって2つ目のポツで、Be one of means to achieve and promote sustainable development、要するにこれが一つの手段であると言っております。

 それから、Facilitate trade opportunities。要するに商業、私企業との連携の部分を、かなり入れていく必要性ということで、実はこういった機会を、特に開発途上国も持っているんだという、あるいは持っているのでそれを促進しないといけないというようなことが述べられています。

 それから4つ目の最後にありますが、in a comprehensive, coordinated。どこかで聞いたような言い回し、synergetic and balanced mannerというものを実現していこうということ。

 それから次のページを見ていただきまして、さっきのInclusiveというのがありましたが、一つ飛ばして、Promote the inclusion of vulnerable sections of the society, women and youthとありますが、その次にInvolve all stakeholders、それからFacilitate technological innovationです。最後にIncrease the resilience to natural disastersが書かれていて、ちょっと私は自分の色眼鏡で見ているせいかもしれませんが、GEOやGEOSSでずっと議論してきたことが書かれているわりに、この各国ステートメントの中で地球観測、予測、あるいはデータ、情報のシェア、分野を超えてそういうものをやりとりしなきゃいけないということを言ったのが日本だけでした。どうやってこれ実現するのだろうかと考えています。概念的なものは、語られるのですが、それを実現するということに付言した意見は、なかなか聞けませんでした。

 韓国は会議をホストしただけのことはあって、幾つかのプロジェクトが進んでいます。sustainable developmentに関する国連オフィスを延世大学に設立するといったことが、会議の中でも発表され、大きな関心を呼びました。

 8番ですが、IFSDというのは、Institutional Framework on Sustainable Developmentのことで、このフレームワークは、United Nationsの中で幾つかのセクターがあります。このUNSCD、UN Commission for Sustainable Developmentもそうですし、UNEPもそうですし、そういう幾つかのセクターがどういう役割をもって進めなくてはいけないのか、という点は、ずっと議論されているのですが、それがちゃんと進んでいません。これがもう一つの大きな観点です。

 以上が要点で、その次にDraft Chair's Summaryというのが書かれているのですが、この中に、日本から主張した、地球観測という文言が出ていないんですね。各セクターの話は一切しないということになって、こういう文書になっているのですが、外務省の担当課長がこれじゃだめだと言い、4ページのところにGEOSSというのを促進することが必要だということを議長サマリーの中に必ず入れるということで、議長と掛け合いました。GEOSSという言葉が、この議長サマリーの中には入ってくるんだと思います。

 それから、最後5ページ、6ページのところに、先ほど申しましたInstitutional Framework on Sustainable Developmentに関する記載があります。以上がアジア太平洋地域会合の報告です。具体的なものを皆さんがまだ描き切れていないというのが、私の印象です。以上です。

 皆さんのほうからご質問等ございましたら、どうぞお願いいたします。これを最初に議題の最初に持ってきたのは、我々が議論してきたことはおそらくリオ+20の骨格になるような議論だと思うからです。しかし、それをドライブする場である会議において、多くの国の共通意識にはまだなっていないということをご理解いただいて、地球観測のコミュニティーからも、あるいは各国からもそれを推していくことが必要なんだろうと思ったからで

 では、2015年以降のGEOSSについて、皆さんから大変お忙しい中、ペーパーをまとめていただいております。委員に順番に説明いただき、短い質問はお受けするとして、質問等を含め基本的に各委員の説明の後、それを取りまとめる議論をさせていただきます。

 梶井委員からお願いいたします。

【梶井委員】  今後のGEOへの日本の貢献のあり方ということでまとめましたので、ご報告します。JAXAはCEOSに参加しておりまして、そこのCEOSの活動を通じて見たGEOの現状、それから今後日本はこうしたらいいのでは、ということについてまとめました。

 現状を3つ挙げております。一つはデータ共有原則の合意。これは政治的に非常に大きな成果だろうとみんな認識していると思います。現在はその共有原則のフォローアップ体制ができており、共有原則の中でデータコアという一番理想的な国際的に使いやすいデータというものを広げていく報告にあります。また、GCOSの包括観測要求ように要求をドキュメント化しているところが重要かなと思います。GCOSは気候変動ですが、今後は炭素、それから水といったものこういうやり方が出てくるだろうと考えます。

 またGCIの整備。今は一段落していて、ツールとしてはできています。今後は各国にデータシステムが分散しているわけですが、それをつなぐということになるかなと思います。

 そんな状況を踏まえて、今後の貢献のあり方ですが、一つはデータ原則への対応ということで、データポリシーの話ですが、気候変動では、何か特定の衛星を使った解析というよりは、いろんなデータを組み合わせて使います。そういういろんな組み合わせる衛星データと共通のポリシーを持っていないと、このデータ使えませんよ、ということになってしまうというのが、今は非常に大きな問題だと考えます。

 JAXAは有償配布や、再配の布制限のような、著作権に準じた考えでやっているのですが、現在のGEOに対応するため、ウェブ経由はただ(=無償)、あるいは著作権に準じた権利は非行使といったことを検討中です。一方でその地球観測データ方策というのは、日本の場合、宇宙戦略本部が所掌しており、政府レベルでぜひこういう考えが実現するように調整いただきたいということを申し述べます。

 また、データ利用体制の充実ということで、ある種ユーザーコミュニティーが、国際的なコミュニティーがドキュメントをつくって、ある種の要求、包括的な観測要求をつくっていくと。そういう中に日本の研究者も入っていただいて活躍していただかないと、なかなか成果にまでつながらないというようなことがCEOSから見ていると感じられるので、そこをぜひやっていただきたいと。

 最後に、GEOSS Common Infrastructureは、ある種一段落するんでしょうが、やはりその時に、本当にデータをウエブで交換し合うような、データシステムのネットワーク化みたいなものが出来、それは単純に技術的な問題だけじゃないと思いますので、技術的、政策的な国際調整が出現すると思われるので、そういう中で日本も、DIASを開発していることや、世界にも自慢できるようなGSMaPのような成果もありますので、そういうものの開発の経験を踏まえた経験をもって、積極的にやっていくべきだというのが意見です。ちょっとまとまりのない話で失礼しました。

【小池主査】  どうもありがとうございます。データに関する統融合推進のための政策とドキュメントの構築と、それから交換システムということですね。どうもありがとうございました。

 では、柴崎委員、お願いします。

【柴崎委員】  私の内容は、全体的な情報の流通や、利用や、今後のありそうな展開を中心にまとめてあります。

 キーワードは「民間」「階層化」「ソリューション」の3つです。なぜ民間が出てくるかといいますと、GEO、あるいはGEOSSのおそらく一番大きな歴史的インパクトは、みんなが何となく統合するといいよねと思いついたことで、どのぐらいほんとうに形になる成果が出たかはいろいろあるにしても、こういう潮流を起したことです。それが世界中ですごく受け入れられて、大きな波紋を呼んでいる。例えばEye On Earthのような民間主導のプロジェクトが始まっていることに見受けることができます。

そういう意味で、GEOは政府主導、公共セクター中心で始まったんですが、それを受けて、民間主導の大きなイニシアチブも始まるようになってきて、今後も進んでいくと思います。

 今後、何が起きるかというと、階層化とソリューション。ビジネスと言っていいのかもしれませんが、階層化というのは、最上位、第2階層、第3階層、第4階層とありますが、やはりデータをお互いに流通、交換、統合して、よりよい研究もあるでしょうし、ソリューションもあると思います。こういったものに出していこうとすると、今のGEOでやっているようなある種、非常に平等なやり方というのはうまくいかないんですね。なぜかというと、一番技術レベルの低いところに焦点を合わさざるを得ない。今のGCIというのはそういう仕様になっています。

 それで満足できないデータセンターや、システムが必ず出てきて、例えばDIASでいえば、DIASと例えばマックス・プランク研究所を直結して、その結果、こんなのが出ますという研究活動を世界中どこも一緒にやろうよって、それはちょっとあり得ない話です。むしろそういうトップレベルの世界をリードするグループと、中間階層、ボトム層に分かれ、中間階層は、おそらくグーグルのようにウエブをぱっと見て、コピーするだけではとれない、奥にあるデータベースのデータを共有化するという格好にある、あるいはクリアリングハウスでダウンロードできる、そういうことになるのでしょうが、そのトップ階層とボトム階層の間に幾つか違うステージが出てくるでしょう、ということです。

 その中で、ソリューションとして出てくるものは、データを統合するからには役に立たないとだめで、その包括的観測というぐらいでは、おそらく満足しません。世界が満足しないだろうと思います。大きなトップレベルの機関が協力する時には、必ずこのようなターゲットを設けないと動かないので、そういうターゲットを作り、ソリューション的な話を始めるでしょうと考えます。

 こうなった時に、日本のやるべきことは、まず一つに、今動かしているDIASをコアにして、トップ階層を走る集団を形成するというのが一つあるのではないかと考えます。巨大なアーカイブではなくて、データを統合して、ある種のソリューションを生み出すという仕掛け、あるいはそのコンセプトという意味では、世界の中でもトップをいっているためです。

 もう一つは、民間主導の流れも束ねて、世界的にもっと大きなネットワークをつくっていきましょうというようなことをやっていくべきということです。GEOは、公共セクター等にちゃんと根差した、そういう意味で各国政府と非常に緊密に連携できる組織なんですね。例えばマイクロソフトが一生懸命やっても、やっぱりそれはしょせんアメリカの企業主導で、お金を出したりする国もあるかもしれませんが、やはり非常に限定されるだろうと。金銭的には、民間主導のところはものすごく膨大な予算を投入できるので、ただのデータ統合という言い方をすると勝ち目はないと思います。そこをいかにリードしていくか。

 そういう意味で、例えば日本国内でも、そういうことに関心を持つ日本企業を巻き込んで、このGEOの委員会に、民間の代表もたくさん顔を出せる、といったこともあるのではないかと考えます。Green Economyのいろいろな話も、この中に入ると思います。

 国内の色々なデータセンターも、こういう階層の中にうまく位置づけられないと、情報発信能力が非常に落ちるので、むしろそういうところに入っていないところは、もうそのグーグルの検索に引っかからないウエブサイトなんて存在しないのも一緒ということもあり得るというか、今あるわけですが、それと似たような事態が起きる可能性があるのではないかと思います。

【小池主査】  質問があるんですが、企業を束ねるって、OGC(The Open Geospatial Consortium)のようなイメージでしょうか。

【柴崎委員】  はい。OGCは非常にうまく束ねている例です。ただ、アクションの内容としてはスタンダードをつくって、それを実験するというレベルです。今動いている民間主導は、まだまだ萌芽期ですが、おそらくそういう方向へ行くと思います。そうではないと、民間がやる意味がない。やっていくというと言い方は変ですが、うまく組織化していく、調整していくということが必要だと思います。

【小池主査】  どうもありがとうございます。高薮委員、お願いいたします。

【高薮委員】  私は、主に自分の専門の分野についてお話しさせていただきます。GEOの役割というのは、地球観測というものが、世界の人々の最低限の基本的人権をどのように保障していけるかというところに、どう関わっていけるかということだと思います。私の分野から言いますと、一つは気候変動のモニタリングの重要性です。特に専門から言いまして、衛星による気候モニタリングの今後についてお話しいたします。

 衛星観測は継続的に行われるようになってから30年程度が経過し、やっと気候の長期的傾向についても統計的に観測できるようになったという段階にあります。これまでモニタリングという意味よりも、どちらかというと日本の低軌道衛星などは、さまざまな観測項目が増えました。非常に多くの科学的情報を得てきましたが、どちらかというと実証衛星的な要素が多かったと思います。これまで得た成果を、今後はモニタリング、人間生活に関わる現象をいかにモニターしていけるかというところで新しい視点での観測システムの構築ということが重要ではないかと思います。

それに関しては、極端現象の検知できるような観測も行っていかなければならない。長期で均質なデータの観測の、長期で均質なモニタリングの重要性、その長期観測から初めて言えることですが、極端現象というものが非常に人間生活に大きなインパクトを与えるということを私たちは最近非常に印象づけられています。

 気候の変化というのは、今回の例えばタイの洪水を見てもわかりますように、人間社会側の変化による要素が、人間生活への影響という分野で重要だということが認識できるわけです。それを、人の住み方、人間の住み方などの社会的情報に組み合わせて利用していくという仕組みを、さらに強くつくっていくということが重要だと考えています。

 衛星観測モニタリングと、人間の社会的な在り方というものを繋ぐ情報共有の場というのを供給していく、それから情報のかけ橋となる人間や組織というのを作っていく、構築していく、ということが重要だと思います。

 衛星観測は、利用者への迅速な情報配信、それからその際に必ずデータの質についての情報も発信できるような体制が重要だと考えております。以上です。

【小池主査】  ありがとうございました。では、瀧澤委員、お願いします。

【瀧澤委員】  他先生方の内容と比べ、少し初歩的な内容になるかもしれませんが、GEOSSの存在意義がまず基本的にどこにあるのかということを考えてみました。今までになかった枠組みで、必要とされて、10年経過した後もこれから強化していかなければいけないというのは、やはり科学的な根拠に基づいた政策決定を国際社会が行っていくために、どのようにGEOSSが生かされていくかということではないかと思います。

先ほどのリオ+20のアジアの小池先生のご指摘もありましたように、いろんな政治的な各国の利害関係がありまして、実際には科学的な情報というものが、今の世界の中では最大限に利用されているとは言えないのではないかと考えています。様々な決定をする中で、高度なデータ、情報をいかに活用していくか、それを共有して、色々なことを決定していくという成功例を各国政府が自ら行なうことに、まず意義があるだろうと考えたのが1ページ目です。

 そういう共有認識に立った上で、今後、さらにこのGEOSSを発展させるために、その対象を例えば3つに分けて、おのおのの対象者についてGEOSSというものをもっと理解していただく必要があるのではないかと考えています。2ページ目は主に国内向けのことを考えて書いたのですが、データを計測し、そのデータを供する科学者に対してどのような利用する価値を導き出すかということ。各委員がおっしゃられたように、科学者自身にとっても新たな知の発見につながるような、そういう場となっていくことが望ましい、そのための仕組みづくりが必要だと私も考えます。

 政策決定者に対しては、今回の紀伊半島台風被害などでもありましたように、観測データが、中央政府だけではなくて、都道府県や地方自治体などが対策を行っていく中で重要になってくることが非常に増えるのではないかと思います。地方までも含めた政策決定者の方々にどういった情報をうまく届けていくのか、というのが一つは重要な点ではないかと考えています。

 それから、東日本大震災では津波警報の気象庁からの初期の発表値が過小評価されたものであったという話がありました。地震そのものの継続時間が長かったため、データ収集と計算のタイミングが合わなかったということです。結果的には、時間の経過と共に正しい値に修正され、発表されたのですが、住民の側には津波警報の値が時々刻々修正される種類のものであるという認識がもともとなかったため、最初の予測数値だけを聞いた人が逃げ遅れたという問題があったと聞いています。

 もちろん、これは極めて短期的な情報伝達のあり方に主な問題があることですが、より定常的な情報を発信する場面においても、似たようなことはあり得ると思います。データがいろんな分野で活用されることは望ましいと思いますが、データだけが独り歩きしてしまいますと、そのデータが持っている情報の方向性というか、背景がわからないままに誤った判断につながるおそれがあると考えます。不確定性の情報が一緒に供給されるような仕組みが必要です。またそういった時に、被害を最小限にとどめるような工夫をしておくという設計(フェールセーフ)の政策判断が行えるような情報提供の仕方が必要ではないかと考えます。

 最後に一般国民への説明ですが、一般的に言われていることですが、科学に関心のある一般国民、政策を担う若者を触発し、科学と政策が連携するような世の中をつくっていきましょうということ、何かそういう理解の機会に資するものになるのではないかと考えました。

 日々のニュースの中で頻繁に目につくほど、観測データというものがいかに政策決定に生かされていくかというような情報発信をしていくことは非常に望ましいことではないかと考えました。

【小池主査】  どうもありがとうございます。私は実は前々回に資料を配付させていただき、Shared Securityということで提案させていただきました。よって、次は、二宮委員お願いします。

【二宮委員】  私の資料は農業ということにかなり特化し、なるべく物を具体的に考えようということで、衛星観測もされてるJAXAの皆さん等と相談しながら作成させていただきました。

背景として、明らかに食料の安定供給に対しての危惧が広がっています。その最大の理由というのは、むしろここで議論されている気候変動ではなくて、農業のあり方そのものです。20世紀、ものすごく化学物質の多投型で大成功しましたが、もはやそれが許されない状況の中、どう最適化していくかというのが、農業にとって最大の課題になっています。農業は、既にグリーン産業ではなく、むしろ温暖化原因になっていると言っても過言ではないような農業になっていました。そこをどうやって解決するかということが、この21世紀の大きな課題になっています。

 その中で、一番きちんとやらなくてはいけないことは、当然のことながらモニタリングということになってくるわけです。何でモニタリングする必要があるかという理由は2つあり、全球レベルの需給バランスをとるために、大きい視野でのモニタリングというのは当然必要ですから、それは衛星等を使いながら、地球レベルの戦略を決めていくことは必要です。食料の再配分の問題や、いろんなことがあると思います。もう一つは、実際の農業生産というのを考えたとき、大きくトップダウンでやるのは現実問題として非常に困難で、結局は一個一個の農場が、ある種の意識を持ってやってもらわないと、これは成立しないわけですね。そのボトムアップの統合として、前述の最適化された農業というのは初めて実現するわけです。大規模の衛星観測と同時に、やはり何かしらの形で地上観測というのを留意してやらないと、前述の最適化された農業、今、農場レベルで我々は、スマートファームという言葉と使い出しているのですが、要するに最適化された、先ほど言った持続性を最大限実現できるような農場のことをスマートファームと呼んでいますが、そういうようなものを実現するには、やはり衛星だけでは不十分で、地上観測も必要です。

 最終的には、そういう中で一体何をやっていくかということなのですが、今までの農業分野でも、データ統合の重要性というのは非常に言われてきましたが、我々としては、やはり地上観測、あるいは統計データというものと衛星リモセンのデータの統合、具体的な提案として、それらをシームレスに統合することによって、かなり使えるものになるだろうということです。ぜひぜひ具体的な問題としてそういうものを作っていったらなと考えているところです。

 かなり細かく書いてありますが、次期に、実際にそういうデータも使い、具体的な意思決定支援、それは先ほど言ったスマートファームを実現する、ファームレベルの意思決定支援も、全球レベルの需給バランスを調整するような意思決定、その両側面ありますが、両方が重要になってくるだろうと言えますから、ぜひやらなきゃいけないというのが我々の考えです。以上です。

【小池主査】  どうもありがとうございました。これは地上観測を強化しなくてはいけないと。

【二宮委員】  といいますか、現行としてあるものでもいいですし、実は今、いろいろなセンサーネットワーク等で安価にできるものも増えています。ここに、具体的に書いていないのですが、我々が最近使ってるのは、子供達をセンサー網として、ベトナムでやっているプロジェクトがあります。子供達に温度計を渡しておくと、ちゃんと測ってくれるんですね。携帯電話をインセンティブにしているのです。それでメールで送ってもらうと、たちまちある一切気象ロボットがなかった村のデータが1年分集まって、それを見ると、我々意思決定支援ができるということです。高いお金を使わなくても、結構その観測網というのは広げることができ、人間センサーという話が、たしかどこかほかの先生のところにあったような気がしますが、そういったものもとりわけ途上国では可能性が広がっているかなという感じがします。以上です。

【小池主査】  柴崎委員が類似のことをバングラデシュでやっておられたことを、後ほどご紹介ください。

【柴崎委員】  わかりました。

【小池主査】  では、深澤委員、お願いいたします。

【深澤委員】  私はGEOSSの10年間の実施計画が実現できたとして、という前提で書いてあります。2015年以降のGEOSSの形として、特に気候、海洋に関して書きました。IPCCが、GEOSSの気候分野に関して最大の社会的な出口でありますが、この10年間で、特に変動の予測に対するニーズの変化が、警告から、緩和と適合にさらに役に立つものにすべきという、非常に大きな変化がありました。

 当然、GEOSSとしての観測の方向性の変換が必要になってくる。先ほどから、長期の観測が必要で、増やさなくてはいけないというお話があり、さらに緩和や、融合に適するというのは、時空間的に限定した気候変動情報を加えなければ、その役には立たなくなります。

 GCOSのフレームワークというのもあるわけでして、ある意味で空間、時空間的に均一な観測の実現については、今のところでも頑張っており、不十分な部分は海洋部には、残っているのですが、ほぼ完成している。

GEOSS的なセンスから考える場合、重要なことは、GCOSフレームワークの中で少なくともデータデモクラシーはかなり十分考慮されているということです。つまり、データデモクラシーの定義はファシリティーが共有できるかということ、データが周知・広報されているかということ、それらのデータを使う能力開発と教育がなされるかということですが、かなり十分考慮されているのではないかと思います。

 さらに適合と緩和に関する時空間を限定したという話になった時、どういうことが必要になるかというと、これは言うのは簡単なのですが、例えば地域的に強化された気候因子観測の展開というのがある。これは、衛星で全部できるかというと、もちろんある部分は出来るのですが、かなりの先進国であることと、そのデータ引き渡しということについて重要な部分が出てくるでしょう。また、先ほどからお話があるように、現場観測というのは、先進国事業としての関与が必要となるでしょう。少なくとも、適合に対する情報が必要な開発途上国には、とてもとても手が出る話ではなくなるでしょう。

 次に観測結果の公開についての新たな政策が必要になるということです。これはどういうことかというと、仮に非常に地域的なものであっても、そこでの適用策を考えるには、その周辺のすべてのデータが必要になります。例えば、アジアの冬は、といった範囲になった瞬間に、あっという間に1万4,000キロ離れたところの海のモニターが必要になるのが現状ですから、つまり、要は地域的なことであっても、かなりの地域的なデータそのものが公開され共有される必要があります。

 一方で、「国益」というのがある。それを解決するには、多分今のGEOSSの下に、さらに地域的に数カ国での観測結果をまとめていくような、あるいはそこで戦略を組むようなそういう論理が必要になってくるのではないかなという気がします。

 そして、予測結果や、あるいは統合した結果の出口について、社会利益という観点からは、フリーアクセス、かつオープンアクセスということがとても大事になってきます。例えば、科学教育には必要だという話がありました。教育がきちんとできていないと、不必要な騒動を招く可能性があるような結果も、実はたくさんの予測結果には出ています。

 さらに、それを適用策として政策決定者に伝える際、国によって、出口は違うわけですね。ですから、地域的に統合されたデータや地域的な予測の結果についてはフリーオープンとし得るのか、あるいはしないのだとしたらどのような方法があるのか、という点も新たな議論をしなくてはいけないのだと思います。

 全体をまとめますと、今のGEOSSから、どこをどのように変えるか、特に現在の気候というという観点では、全球の気候モニター観測に地域的な観測を含め、充実させるような方向性がまず必要と考えます。そのためには、データの引き渡しや観測戦略について、数カ国程度の地域的な広がりを持つ意思決定と実務を行い得る窓口が、GEOの下に必要になるのではないかと思います。つまり、GEOの下にEuro GEOSSがあるというイメージではなく、GEOの下に、例えば西アフリカと東アフリカ、中央アフリカという集合体の意思と戦略を決定し、それらがまとめて一つの大きな地域になっていくような、正確な意味ではちょっと違いますが、ボトムアップ的な構造がこの先は必要になってくるのではないかというのが私の感想です。以上です。

【小池主査】  ありがとうございます。実は、今のGEOSS10年実施計画の策定の折に、深澤委員のおっしゃった地域グループ化というのを入れようとしましたが、最後の折衝の段階で、削除されてしまいました。

【深澤委員】  では、もう一回入れないと。この先同じことを何度も何度も繰り返すGEOSSになりますね。

【小池主査】  はい。アジア太平洋でこれAPシンポジウムをやり、アジアや、アフリカで水循環をやっていますが、共有できる感覚・ニーズがある者で集まり、そこから情報を共有できるような共同体制のようなものが本来あるんですよね。しかし、今のGEOは全球でやろうということから始まったので、それはちょっと新たな考え方です。

【深澤委員】  先ほど申し上げたのは、10年実施計画がかなりの部分でき上がったという仮定のうえですが、もともとできていないんだとしたら、もう一回10年計画からやりましょうねという話になりかねないですね。

【小池主査】  私も大変大事なことだと思います。どうもありがとうございました。

 それでは、藤谷委員、お願いいたします。

【藤谷委員】  ちょっと文書が間に合いませんでしたので、口頭でインプットいたします。長期継続観測、データレスキュー、データアーカイブの重要性というのを訴えたいと思います。毎年、地球温暖化観測推進事務局主催でワークショップを開催しておりますが、今年も12月2日にデータアーカイブ・データレスキュー・長期継続観測をどのように実現するかというテーマで、ワークショップを行います。ワークショップの取りまとめ用の文書をつくりまして、例年どおり推進部会に提出しようと思っております。経済状態が非常によくないときには、多分これまでやってきたような長期継続観測や、データレスキューのような地道なことがだんだんやれなくなるのではないかと思っており、そのことの重要性について訴えたいと思っております。以上です。

【小池主査】  どうもありがとうです。そうしましたら、山形委員、お願いします。

【山形委員】  私が今ここで検討に加わらせていただいております森林炭素については、今、ポスト京都の交渉自体もちょっと不透明な状態ですが、2015年という時間を考えますと、交渉もまたその森林炭素のモニタリングシステムも実際もうテークオフしているのかなという見通しのもとに、ちょっと今日はもう少し幅広の提案ということで、地球環境変動リスク管理に向けた陸域変動強化システムというものをちょっと提言させていただきたいと思います。

 それで、小池先生のほうからもレジリエントな社会ということが話題になっていると思うんですが、持続可能性を考えるときに、緩和策よりも、むしろ適用策のほうが非常に重要性が出てくるのかなということで、必ずしも気候変動だけではなくて、いろいろな環境変動があり得ますので、その環境変動に対してぽきっと折れないと、この前小池先生おっしゃっていましたが、そういう適応力をつける社会をつくるために、じゃ、どういう観測が必要かということで考えてみました。

 それで、これはいろんな要素が、気候、水、エネルギー、食料、生態系、都市や、が、結局のところ、我々が今関心を持って見ているところでは、陸域生態系や、土地利用に相互作用して、環境が変動していくということがありますので、こういう変動をきちんと見ておいて、どこかでクリティカルな変動というものがあるだろうと。線形で徐々に来るものじゃなくて、非線形で我々ティッピングポイントというような言い方をしますが、クリティカルに来る変化があるだろうと。そこの、じゃ、どこでそのターニングポイントを超えるかというのは、実際に過ぎてみないとわからない面は多いんですが、それがある程度研究でわかるとすれば、それを早期に観測して、それが実際に発生して、不可逆な状態になる前に対処するようなシステムというのが非常に必要なのかなと。そういうものがあれば、実際、事前に対処できますから、適用できるということですよね。

 それで、いろいろ考えられるんですが、その細かい項目はおいておくとして、GEOSSの本来の趣旨でありますデシジョンサポートツールをつくるということの中で言えば、そういう一種の早期警戒システムのデシジョンを国際機関、国、NGO、場合によっては企業や市民が手にするために必要な観測は何かというのを考えたらどうかなという提案です。以上です。

【小池主査】  ありがとうです。今、山形委員がおっしゃったことは、多分文科省は今考えておられるグランドチャレンジという、イクスといいますか、地球環境研究の大きな変化の中でも語られていて、予測や、観測から、その中ではスレッショルドという言葉が使われていますが、クリティカルな部分を明らかにして、それを社会に出すことによって、社会からのレスポンスが起こる。それとそういうものに対応するイノベーティブな科学技術が発展すると、そういうものを回していこうというのを考えて、そのクリティカルや、ティッピングポイントや、、それからスレッショルドや、いうのは非常に大きなキーワードかなと思います。どうもありがとうです。

 どうもありがとうです。それでは渡辺委員、お願いいたします。

【渡辺委員】  先ほどちょっと小池先生がおっしゃっていただいたんですが、私はちょっと宿題の意図を少し勘違いしたところがありまして、前回、小池先生が配られたShared securityと、それからGreen growth with blueという資料がございまして、それに対するコメントという形で書いております。今3分の間で、このコメントについては非常に簡単にお話しして、多分私は健康に関することを少し言わなければいけないので、その部分に関して、今まで考えていることを簡単に述べたいと思います。

 このコメントのほうなんですが、小池先生のお書きになられたShared securityという概念は、これは私の勘違いでなければ、おそらく分野を超えたというところが一番重要だと、そういうふうに理解したんですが、おそらく、もしそうだとすると、そのShared securityという概念ではなくて、むしろいろんな分野がインテグレートして、human securityですが、それを実現するんだという、そういうことをおっしゃられていると思うので、少しそこは言葉を変えたほうがいいのではないかなというのがこの私のコメントの趣旨です。

 そして、その後で書いてある中で、一番下のところですが、一番下の米印がありますが、Shared securityというのは概念提示で、Green with Blueというのは、その実践策のように私は読んだんですが、このような実践策ですね、水というものをキーとして、プラットフォームとして実現していくという、そういうやり方というのは非常に重要で、やはりこういうことをいかに重要かとわかってもらうためには、そういう中心となるプラットフォームがあるということで、それがキーだという意味で、これは非常に私としては賛成したい考え方だということでです。

 健康分野のほうから、この地球観測というものを見た場合、幾つか考える点があるんですが、一つは先ほど高薮先生のほうからもご指摘があったように、こういう地球観測というのは全球的にやっているわけで、健康分野の話というのは、やはりかなりローカルに進むことが多いと。その間をつなぐシステムというのをどうするかというのが、ずっと課題であって、おそらくこれからも課題であり続けるだろうと。だから、ここにどういう見通しを持っていくかということで、先ほど、もう帰られてしましたが、二宮先生がおっしゃったような、ああいう人間センサー的な考え方というのは、結構健康分野でも有効に使えるということです。実際にもうそういうアクティビティーが始まっているところがあるということです。

 それから2番目のポイントとして、全球の観測と、それからいろんな健康実証を組み合わせた場合に、むしろ健康を研究している側からは、こういう全球観測のデータってあまり使われることがないので、今までに知られていなかった新しい事実が見つかる可能性というのは一つあると思います。ただ実際には健康事象って相当ローカルな条件に縛られますので、むしろやはり新しい発見としては、そういうローカルな観測と、それから全球からやってくる観測というものの組み合わせで行える場合が多いと。

 そうした場合に、もしそういうものを組み合わせることによって新しい成果が生まれてくるとしたら、それをいかにほかのところにプロパゲートしていくかという、そのシステムをつくっていくということが非常に重要であると思います。ですからこれは、全体としては観測システムの議論なんだと思うんですが、その中に観測システムという概念をどこまで広げるかですが、そういうローカルなシステムとつないだ、そのアウトプットを外にプロパゲートしていくシステムと、そういうものについても考えておく必要があるだろうということを考えました。

 それから3番目なんですが、これは全体に、おそらく先生方がいろいろお考えになっていることだと思うんですが、観測システムの透明性を確保するというのが非常に重要だと感じます。それは、観測システムだから、ある意味では非常に説得力が強いわけで、そうすると、逆にいうと、そのデータのマニピュレーションをすれば、いろんなことができてしまうというそういう危険性も反対側には持っているわけで、それをどういうふうに防ぐかですね。観測する側から、これはいかにオブジェクティブにやられているものかということを納得してもらうような、そういう出し方の工夫ですね。そこは必要じゃないかと思います。以上です。

【小池主査】  どうもありがとうございました。それから、今のよろしいでしょうか。

 あと、矢原先生からいただいておりまして、大きく2つに分かれていて、生物多様性・生態系分野というのはおくれてスタートしておると。ただ、陸域、陸水、海洋をカバーした地域ネットワーク、先ほどの地域、地域というキーワードですが、これができているのはAP-BONだけで、EUはまだ海洋をカバーしていないというような現状にあるということで、こういう地域の取り組みを強化していき、全体像をつくっていくというのが大事だろうというような一つのトーンかなと思います。

 それから物理システム・社会システムの観測との連携強化ということで、炭素や、水というような物理環境、あるいは農林水産業、河川管理という社会システム、こういうものとの関連が、インテグレーションが必要であるということで、そのリンクを強化していくということが主張されています。

 それで、どうもありがとうございました。今、何か腕まくりしながら、何をやっていたかというと、皆さんにご発言……、一応一通り、私、事前にお送りいただいたものを読ませていただいておりまして、どういうふうにまとめたらいいのかなと思い、なかなか悩ましく、きのうからずっと考えていたんですが、おそらくこういう計画案を考えるとすると、大きく3つあって、一つは計画のビジョン、どんな範囲までやるスコープ、目的、そういうものを書く部分があると。それからもう一つは、特にこれ地球観測ですので、テクニカルというか、構造的というか、そういうアーキテクチャー、そういう、どうやってユーザーをインボルブするかと、その辺も入りますが、能力開発の部分と、そういう部分があると。

 3番目は、おそらくガバナンスで、どんな体制でそれを組織し、ファンディングがきちんと、どんなコミットメントをきちんと得るかという、3つぐらいの大きな枠組みかなと思うんですね。

 今、ずっとお話の中で、ガバナンスや、ファンディングのことはまだどなたもお話しになっていなくて、それはなぜかというと、その前の2つが決まらないと、どんなガバナンスをつくったら、それがうまく回せるかということがわからないので、その前の2つですね、目的や、スコープや、そういうものをまとめ、かつそれにテクニカル、あるいはキャパシティービルディングだや、、ユーザーインボルブメントや、とどういうふうにしたら、今日もお話あったように民間をどう入れるや、、そういうことの2つをまずはまとめて、こういう議論でまず中身を議論していって、じゃ、それを回すにはどんなガバナンスが必要というふうに議論をリードするのが多分妥当だと思うんです。最初からUNの何や、かんや、で、実は執行委員会の議論が始まっているのですが、私はちょっとどうかなと思います。やはり何をやるのかということを、まず皆さんで議論して、そこからそれを回すガバナンスということになると、今皆さんからお話がありましたように、最初の部分をまとめていくということが大事かなと思います。

 それで、そうすると、最初の部分、1番目の部分というのは、幾つかの項目があって、ビジョンですね、どんなビジョンで臨むか。それから目的ですね。それから、私、最初こういうのをやるとき、目的と区別がなかなかつきにくかったスコープ、どの範囲までをやるのかというスコープというのをやはりある程度議論する必要があると思うんです。それからだれを対象とするのかと。ターゲット。それからそういうものから、どんなベネフィットが得られるんだというのをまとめておく必要があると思うんですね。それがひとくくりかなという気がします、まずは。

 それからもう一つは、これはなかなか難しいのは、テクニカルや、アーキテクチャーや、データや、そういうようなアプローチを整理しておく必要があって、それは、今議論もありましたように、観測をどうするかや、、データをどうするか、それから、今日、柴崎委員からもお話があった階層化というのが非常に大事だと思います。そのアーキテクチャーをどうするか。

 それから最後に矢原委員と、それから山形委員からもありましたし、皆さんいろいろお話あったんですが、インテグレーターといいますか、ものをつないでいって、そこから価値を生み出すというような部分ですね。アーキテクチャーになるんだと思いますが、そういう部分をまとめると。あとは能力開発ということで、実は今日能力開発は、ほとんどの方、あまり触れられていなくて、高薮委員が少し触れられて、あと、瀧澤委員が、能力開発という意味ではなくて、そういう情報を提供する必要があるという意味で触れられたようには私は思いますが。ですからそんな項目になるのかなというのを、今、項目を見ながら皆さんのおっしゃったのを、私なりにまとめておりました。

 それで、最初にそれをちょっとご紹介した上で、その上で皆さんも意見交換をして、どういうふうにまとめましょうかということにしたいと思いますが。まずビジョンはどなたもお話しにならなくて、おそらくこれはビジョンは、皆さん、実はGEOSSのビジョンというのは、これは10年実施計画を書いたときに、かなり議論して、10年実施計画で2行だけある文章なんですが、人類の行動や、デシジョンが調整されて、包括的で持続的な地球観測と情報によって決定されると。そういう社会をつくろうというのがビジョンです。現行のGEOSSの。おそらく、それは何か皆さんそれと違うことをおっしゃっている方がどなたもいらっしゃらなかったように思いますので、ビジョンはこのままでいいような気もします。

 その次に目的なんですが、目的は、これは渡辺委員のが好きです、こういう言葉。Integrated Human Securityということですね。安全、安心、豊かさみたいなことだと思いますが、健康な、こう含んだ、こういうIntegrated Human Securityというのと、もう一つ、これはスコープに本来入るんだと思うんですが、スコープの中に語られる話ですが、それをどういうふうに表現するかがまだわかりませんが、柴崎委員がおっしゃった民間を使うと。要するにコマーシャルな部分をしっかり入れ込んでいくというところがパーパスに今までなかったんですね、必ずしも。で、この議論は執行委員会でも毎回議題にはなるんですが、なかなかうまくいかないというところですが、それと先ほどちょっとリオ+20で議論したようなGreen Economyや、、Green Growthというようなコンテクストとつなげると、多分パーパスになりそうな気がします。

 だから、Integrated Human SecurityをサポートするGEOSSというのと、Green GrowthをサポートするGEOSSというのは、あるいはGreen Economyでもいいですが、そういうものをサポートするGEOSSというのはパーパスになるのかなという気がします。

 で、スコープなんですが、これは山形委員がお話しになった、私は非常に大事だと思いますが、そういうIntegrated Human Securityをやるには、地球環境変動リスク管理が必要で、そういう、それは非常に広い範囲に入るわけですが、そういう変動のリスクですから、変動が健康に与える影響なんかももちろん入ってくるし、変動が農業に与える影響も出てくるし、これは別にやわらかい地球だけじゃなくて、かたい地球もあるわけですね、広く見ると。そうすると、こういうものがスコープになるのかなと。

 今までは、むしろ個別のものになっていたんですが、こういう包括的なものというのが一つ。それからもう一つスコープは、これは柴崎委員がはっきりおっしゃったように企業を束ねて、各国政府や国際機関と緊密に連携を持って、ソリューションを出すということをプロモーションするようなこと、そういうのが次のGEOSSではやはり大事かなという気がします。

 ターゲットなんですが、もうターゲットは大体出ていて、各国政府のコミットメントが必要で、これは瀧澤委員から、こうお話し。別な言葉で言うと、合っていないかもしれないけど、各国政府の中のメーンストリームにこういうものがなるということが大事だということですね。

 地球観測がどうしてメーンストリームになるのかというと、さっきのように考えたとき、その健康にも食料にも災害にもとこうなってくると、やはりそれを支える、それを実施する意思決定を支える基盤であるということになると、多分メーンストリームになるんですね。個別だと多分メーンストリームになかなかならないんですが、そんなことだと。あとは科学者、ポリシーメーカー、一般国民と、瀧澤委員まとめていただいて、こういうものに柴崎委員からあった民間というのが多分加わるんだと思います。

 このときに大事なのが不確定性情報を組み合わせるということと、情報を日常化していくというコンテクストで瀧澤委員がおっしゃったと思います。

 それからベネフィットなんですが、これはもう明確に柴崎委員がおっしゃったソリューション、役立つことを実現する。今まではこのbenefit of GEOSSというと、農業では何々、水では何々と書いてあったんですが、おそらくこの役立つことというのは、インテグレートされたようなものも全部入った、要するにソリューションを出すんだということが明確に出るようなメッセージと、それから具体的意思決定に使われるような枠組みがきちんとできている。これはいろんな方がおっしゃった。

 皆さんがお話しになったことを、ちょっと私なりに無理に当てはめていくと、そんな感じなんですね。これは自分はそんな意味で言ったんじゃないというのがあると思いますので、おっしゃっていただければ。

 それからテクニカルのほうは、まず観測は高薮委員や、藤谷委員からお話があったように、現象をモニタリングする観測システムの構築とその長期継続運用。それから全球モニターとローカルモニターの組み合わせの充実、それからそれを拡張していく戦略と。それからもっとローカルという話で、人間センサーや、個別意思決定のための地上観測の強化、それから深澤委員からお話のあった地域意思決定を行い得るフォーカルポイントのこういう組織化というようなのも、組織的なデータ、これはデータというのか、これはもしかしたらガバナンスになるのかもしれません。深澤委員がおっしゃったのは。

 それからデータについては、梶井委員から、データインテグレーションの推進で、ポリシーを見直さなきゃいけない、再配布制限などをいかにクリアするかや、利用者のドキュメントを明確にするや、、データの交換システム、それから藤谷委員がおっしゃったデータレスキューというような考え方というのをきちんと明示する必要があると。

 アーキテクチャーは、新しいのはやっぱり柴崎委員がおっしゃった階層化だと思うんですね。トップ階層をリードするのと、各階層を割り当てて、そこで活性化するというようなのが大事だと。インテグレートは、私のGreen growth with blueを引用していただきましたが、こういうアジェンダにしていくということが大事で、その一つの役割がインテグレーターかなと思いますし、矢原委員がお話しになっている、この2番目にあります物理システム・社会システムと生物多様性・生態系分野の統合化していくというようなことが大事というのも、それに入るかと思います。

 勝手に割り振らせていただいたんですが、そんなことをちょっとして、あまり時間ありませんが、あと15分ぐらいいいですよね、推進官。

【福井推進官】  もっと大丈夫だと思います。

【小池主査】  もうちょっと大丈夫ですか。

【福井推進官】  あとは、これにいっぱい使っていただいても大丈夫だと思います。

【小池主査】  はい。まあそんなサマリーというか、私なりの整理なんですが、皆さんのほうからいろいろご意見をいただければありがたいと思いますが。

【深澤委員】  ちょっといいですか。

【小池主査】  どうぞ。

【深澤委員】  ビジョンとしてこれは変わらないというのは、それはそれで一つの見解なんですが、それで2015年でGEOSSをやめない理由というのが、私には見えてこない。つまり逆に言うと、2015年まで10年間のインプリメンテーションプランで、インプリメントした結果、その最初のビジョンのうちのビジョンを実現するというのは難しいんだけど、そのうちの何が一体できたのか、何ができなかったのかというアナリシスがあって、それを改善するには、新たなこういうオブジェクティブを立てて、スコープを立てて、ターゲットをという形がとれれば、ほんとうはいいと思うんですね。それがとれないと、実は今、評価委員をやっているでしょう。それですごく困るのは、何を評価していいかわからないんですよ。つまり逆にいうと、これはこれをやるためにやって、この例えばスコープだのターゲットだのオブジェクティブが出てきたときに、そのオブジェクトが、あとはもうほんとうの普通の科研費の審査と同じで、要はインパクトとフィージビリティーの問題が出てくるわけですが、それの位置づけがすごく見えない。ですから、できたらどんな、シンプルなものでもいいんですが、あるいは2015年までの実施計画が完全にできたとして、そして今の現状から何が足りないのか、だからこういうような新たなオブジェクティブやビジョンが出てくるという部分がどこかにあると、非常に力強い提言になるんじゃないかなという気がしました。

【小池主査】  おっしゃるとおりでありまして、実をいうと、皆さんから大体1ページ目にそういうサマリーをお書きいただいているのですね。で、その後半に大体何が必要というのをお書きいただいていて、今、その前半は飛ばしていますので、前半の、今このグループで考えたときはこんなものということはありますが、そういうものが多分2015年以降の実施計画を考えていく中では非常に核になるところです。

【深澤委員】  よろしくお願いします。

【小池主査】  それは日本のポジションペーパーの中にも、実はそれを書いているのですね。これは最初に出したやつ、それをきちんとやって、それを反映する必要があるという。ありがとうです。

【深澤委員】  はい。

【小池主査】  ただビジョンというのは、10年でビジョンが実現していなくても、これは感覚的なものですが……。

【深澤委員】  だからそこは難しくて、ビジョンというのは基本的には変わらなくてもいいんですよ。何でかというと、ビジョンというのは、どう言ったらいいんだろう、こうだ。ちょっとジェスチャークイズで申しわけありません。こうだから変わらなくてもいいんですがね。

【小池主査】  パーパスなり、オブジェクティブなりが、どこまで実現されたか。

【深澤委員】  多分パーパスの部分は変わるんでしょうけどね。そのビジョン実現は、その段階に応じて、パーパスやオブジェクティブは変わってくるんだという気がします。

【小池主査】  ですから、先ほどのパーパスに対して、先ほどちょっと私言ったのは、Integrated Human SecurityというのとGreen Growthというのは、今のものとは明らかに違いますので、そういう形になるのかなと。

【深澤委員】  そうですね。

【小池主査】  あと、渡辺委員も、今日ちょっとお早く……。

【渡辺委員】  はい、すみません。

【小池主査】  何か最後、行かれる前にありましたら。

【渡辺委員】  こっちは後発分野ですので、多分全体を見ても、世界でもそういうことになっていると思いますが、今から5年ぐらいというのがある種の勝負どころかなとは考えておりますが、どこまでできるか貢献したいと思いいます。すみません、ちょっとお先に失礼します。

【小池主査】  どうぞ、皆さんのほうからご意見。どうしましょうか、五、六分ずつということで、最初のビジョンや、パーパスや、スコープ、ターゲット、benefit of GEOSS、このあたりでご意見いただけるとありがたいんですが。

【瀧澤委員】  先ほどの柴崎先生のバングラデシュの事例なんですが質問させていただいてもよろしいですか?

【小池主査】  人間センサー。

【瀧澤委員】  あと、経済のソリューションや、その辺について、新しい考え方についてちょっとお伺いできればと思うんですが。

【柴崎委員】  何か、そういうあまり具体的な突っ込みが来ることを予想していたら、ああいう大ぶろしきは広げないんですけど。人間センサーの話でいうと、実は東大とアジア開発銀行とJAXAで一緒にバングラデシュでプロジェクトを、バングラデシュだけじゃないんですが、始めていて、これがある種GEOSSのソリューション的な話なんですね。コアはGSMaPで雨が降るのがわかると。バングラのように、川の河口の中州にある国みたいなのは、自分のところだけ一生懸命雨をはかっているのはだめで、上でいっぱい降っているわけですよね。で、衛星で見ているとわかるよねと。それで洪水が来るのができます。その辺のテクノロジーは実はほんとうに小池先生の話で、地上のキャリブレーションをしながら、洪水予報をやりますと。洪水予報をやった後どうするかというと、バングラみたいな最貧国でももう三十何%、みんな携帯を持っているので、そこに流しましょうというのまでが最低ミッションなんですが。プラスアルファで、一つは携帯の通話のログから、どこにどのぐらい人がいるかわかれば、エバキュエーションなんかのプランなんかにもすごく使えるし、そもそもそういう情報がないので、それがあるとすごくいいというのと、同時に現地の情報も人間センサー的に集められますよねというのがどのぐらいまで行くか、これはあまり高い目標を掲げちゃうと、後でアジア開発銀行からとっちめられるので、ぼわーっと書いてあるんですが、そういうのをしています。

 それってだから、ある意味でデータ統合して、雨の降り方がわかりますよや、、例えばデータをどこかとつなげて、細かくいろんなことを予測、予測とまでいかなくてもできますよというのがあったときに、要するに地上はもうみんなやっぱり小型コンピューター、無線つきの、持って歩いているので、どこの国でも。だからそれと連携させることで非常によい。

 それから今度はデータが上がってくると、まだそこまでバングラは行っていませんが、日本国内のいろんなのはあって、3月11日の震災のときに、みんながどう動いているかや、って、携帯で全国で70万人ぐらい、もうデータあるんですね、5分間隔。それもやっぱり処理しようとすると、結構すごい大変で、そういう意味では、やはりビッグデータや、、データ統合や、いうインフラがあると、最初にやったデータ統合で洪水だや、いう話が、またぐっと広がるんですね、携帯も入れることで。そういうのができた。

 それはやっぱり非常に重要なんです。それで横展開、非常に簡単にできるであろうと。衛星はどこでもやっているし、もちろん水のプロセスは結構、いや現地でとあると思うんですが、小池先生のプレゼンテーションのセールストークをそのまま素直に考えると、いや、もうモデルもいろんな物理過程ちゃんと入っているし、地上での観測はもうかなり最小限になりつつあると。携帯はどこにでもあるよねと。いった瞬間に、あるところでできたものは、次へ行く。

 そのディスカッションの過程で、やはり非常に重要だというふうに出てきたのは、そういう予報を日本のテクノロジーなり日本なりがやれてしまうということは、その国にとって、政治的にも非常に大きなインパクトがあるでしょう。なぜかというと、普通の民主主義国家では、大きな災害対応を間違えると、政府が倒れるんですよね。今回のバンコクでもそうですが、政府発表よりずっと日本からいろんな情報が来て、そっちを信じていたほうがいいよといった瞬間に、日本のプレゼンスが上がるだけじゃないし、現地政府的に見てみると、それくれないかと。それくれないと、いつまでもタイの政府は何をやっているのって言われ続けると、政府もたないというようなインパクトすらあるんだなと思いいて、だから、さっきの、これからそういう一回データ統合で道をつけると、そういう事実が出てきたときに、もうそれはどんどん行きますねと。タイはお金がないから、政府がなかなか導入しないや、いうそういうレベルでは、セキュリティーに関していくと、もうないんじゃないかと。それでここからどーっと行くのではないだろうかという、何となく感触を持っている、そんなところです。

【小池主査】  どうもありがとうございました。今、観測、それからデータ配信、インテグレートされた情報は、隅々まで配信される。かつそれがセンサーになるという。センサーのほうは、ユビキタスという概念とは違うんですか。

【柴崎委員】  ユビキタスというのは、まあどこにでもセンサーが……、どこに置いたセンサーからもデータが取れます。どこにでもセンサーを置けます。という意味で、非常に抽象度の高いテクノロジーの話で、具体的にそれをどう現場に大きい、一体どう動かすかというのはさっきの子供の話であったり、今のようなバングラデシュの話であったりということなので、基本テクノロジーはそういうところから来ています。

 ただ、やっぱりユビキタスネットワークや、ああいうので出てきたのは、データをやはり集めるところに主眼があって、統合して、じゃ、そこから何を言うのかということに関しては、やはりあまり十分は研究されていないんですね。というのは、そこから先はいわゆるITの話ではないんですよ、必ずしも。気象データの統合って、すごい計算機を使うけど、ではそれは計算機屋さんが考えられるかというと、それは考えられない。やっぱり一緒にやらなきゃだめなんですね。

【深澤委員】  今、柴崎さんが言ったのは、例えば民間の気象予報会社というのはお天気モニターというのでまさに使っていますよね。日本全国に、言ってみればアメダスが何千万あるような感じでしょう。そういうのとよく似ていますよね。

【柴崎委員】  それは、即そのまま海外へ展開できるようなということですね。それを考えるのはおもしろいんじゃないかというのももう一つ何か副産物としてある。

【小池主査】  どうもありがとうございました。どうぞ。

【瀧澤委員】  お金の流れとして、今お伺いしていた範囲では、ハイテクインフラストラクチャー、例えば世界銀行みたいなところがお金を出して、そういう発展途上国にやっていって、そこに日本のメーカーなり何なりも参入できるよというようなイメージでとらえたんですが、逆にそのGEOSSみたいなものを使って、そこで企業がお金の流れを逆にするというか、稼ぐような展開というのもあり得るんですかね。

【柴崎委員】  そこら辺はもうちょっとちゃんと考えないといけないんですが、企業はおそらく基本的には個別のテクノロジーはいっぱい持っているのですね。それを今みたいにインテグレートし、そこにファンドを出してくる人を探し、そこのそのコーディネーター、プロデューサーと言っていいと思いますが、そういう役割が今非常に不足しているかなと思うんですね。

 GEOって意外とそういうことをやろうと思えば、自分はお金を持っていなくても、知識と経験と人脈があると、プロデューサーってある程度できるので、場合によっては、今みたいなのは、もっと民間に入ってもらって、大々的にやったほうが、でも今回携帯はもちろんグラミンフォンや、入るので、まさにそこは民間なんですが。研究レベルでも、やはりGEOでこんな研究をやっぱりやるとソリューションになるよと言われたら、GEOでそう言っているんだったらって、マイクロソフト財団がそこにぼっと金を出すというのでも構わない。そこはやはりそこのプロデューサーなりコーディネーターなりの評判とみんなの信頼、置けているかと、あとは見識や、、根回しの上手さや、あって、そこでGEOは非常に有利なポジションにあるのかなと思うんですね。

【小池主査】  ありがとうです。藤谷委員にお聞きしたいんですが、一般に気象関連のデータのコマーシャルユースは禁止されているわけですよね。例えば、これはGreen Growthを回すために気象データが必要だと。そういうときに、民間がそれを使うという何かやり方ってあるんでしょうか。

【藤谷委員】  私もよく分かりませんが、基本的には気象データに関してはWMOでデータポリシーがありまして、基幹データについては、一応フリーとなっています。ただし、その加工したデータについては、例えば第三者に提供するときは有償と決めていますので、もともとのデータのどこまでを基幹のデータとするか、そこはWMOの決めるところです。

【小池主査】  そこは逆に有償で出しているものを民間が使うのは全然問題ない。

【藤谷委員】  それは問題ないわけです。

【小池主査】  そうですね、ああ、そうですね。

【藤谷委員】  そこは全然問題ないです。ただそれは、いわゆるほんとうのコピー的なコストだけじゃなくて、プラスアルファがありますから。

【深澤委員】  あと、気象の予報だと、それをやって出てきた後は無償でオープンじゃだめなんですよね、たしか。相手が決まるんですよね。そのデータを使った後で、今、統合したり、それで出てきたプロダクトに関しては、どこかに提供する形じゃないといけないんでしょう。つまり、完全にオープンにするという形ではないんですよね。特殊業務法に引っかかっちゃうでしょう。

【藤谷委員】  だから、提供するのは気象庁の場合はあくまで、いわゆる国民に提供する。

【深澤委員】  そういうことですね。

【藤谷委員】  そこから先の、だからほかのデータを使って、あるいは統合してやるのは、それは民間ベースで、それはお金の世界ですね。

【深澤委員】  お金の世界ですね。だから……。

【小池主査】  そのときに、今、深澤委員の質問は、それを特定の顧客にだけしかオープンにできないのか、一般にオープンできるのか。

【深澤委員】  間に挟めばいいんでしょう。

【藤谷委員】  特定の顧客の世界ですね、今、気象会社がやっているのは。気象データや、を……。

【小池主査】  それは商売だからそうですが、今もうちょっと突っ込んで聞くと、それは一般にはオープンにしちゃいけないんですか。してもいいんですか。もちろんもうかるから売るんですが……。

【藤谷委員】  いけなくはないです。

【小池主査】  いけなくはないですね。

【藤谷委員】  いけなくはないですよね。

【小池主査】  いけなくはない。

【深澤委員】  だから、会社が例えば無償でやればいいんだが、そうじゃなくて、基本的にある契約に基づいて、例えばテレビ局ならテレビ局にプロダクトを出す。どこかからの要請に基づいて、プロダクトを出すというのは、それは構わないんですよね。ただ、例えばそいつをブロードキャストの定義はちゃんと決まっていたと思いますが、自分のところでやったやつを気象庁のようにブロードキャストしてはいけないんです。

【小池主査】  それはそうですね。

【深澤委員】  そうです、そういう形です。

【小池主査】  わかりました。

【深澤委員】  それだけなんです。

【小池主査】  わかりました。山形委員、先ほどのこのスレッショルドでクリティカルのところなんですが、地球環境変動リスク管理で、こういうクリティカルなものというのは、いろんな分野に多分あると。これは、ここで出されたのは陸域を中心に書かれたんですが、こういうクリティカルなものをいろんな分野で出していって、統合的に利用しようというようにまとめてもよろしいですか、いただいたご意見は。

【山形委員】  そうですね、これは観測だけでは成り立たないと思うんですけど、いろいろな研究に基づいた知見で、例えば森林生態でいうと、木をだんだん減らしてきますよね、間引いていきます。40%ぐらいまでは森林として成長しても、そこから1本切ると、森林として崩壊するというか、そういう非線形なところあるわけですね、生態系のダイナミクスの中で。土地利用でも同じで、どんどん間引かれていって、都市化が進んでいくと、あるところから何か一気に、日本はまだそこまで行っていないかもしれないですが、スラム化するや、、何かいろいろそういうのがあるので、多分どの分野にもそういう現象があるんじゃないかなと思いまして、そういうのを知見を積み上げていくと、そのターニングポイントといいますか、そのスレッショルドがつかまるかなと。その前に何か対処するということができればいいのかなという。

【小池主査】  これはほんとうに先ほど紹介しましたように、グランドチャレンジというベルモントフォーラムで考えている案と非常に一致しているので、私は一つの柱になるんじゃないかなという気はしております。ありがとうです。

 高薮委員、このお示しいただいた、現象をモニタリングするということは、まあ具体的にいうと、例えばGPMが今後そうなる、そういう役割を担うようになると思うんですが、実験衛星的に上げていたものでは、時間と空間のカバレッジができないので、現象を世界的にモニタリングするようなシステムをつくるという、それを長期運用化していくということだと思うんですが、雨以外で、これというのがありますか。

【高薮委員】  雨以外ですか。まあ、例えば風速、強風もあります。あと、現象をというのは、雨、風というばらばらなものをばらばらにモニタリングするのではなくて。

【小池主査】  統合的に。

【高薮委員】  ええ、そうですね。例えば、ある地域には台風が非常に大きな影響を及ぼし、ある地域には温帯低気圧が非常に大きな影響を及ぼすわけで、そのローカルな現象に何をはかったら、もちろん要素としては、雨だや、風だや、そういうものをはかるんですが、それをその各地域の人間生活に影響するようなそれぞれの現象をモニターできるように統合的に使えるようなことを意識した観測をしていく必要があるのではないかということです。要素としては、やはり風の強さというのは重要な要素だと思います。

【小池主査】  柴崎さんね、MODISというのは、そういうようなイメージで上がったセンサーと考えられますか。

【柴崎委員】  そういうような……。

【小池主査】  社会の土地利用や、、今、要するに社会現象をある意味でモニターしていくような。

【柴崎委員】  そういうふうに使えていますね。そういう意図で上がっているかどうかって、あまりよくわからないんですが、ただ、あのレゾリューション、あの観測頻度で、しかもフリーにとれて、アーカイブからもとり放題だし、結果的にはそういうのに使える一番ベーシックなというか、一番ボトムラインのセンサーですよね。

【高薮委員】  そこをどう組み上げていくかというのは、科学者の仕事だと思うんですが。

【小池主査】  統合化していくんですね。

【高薮委員】  はい。

【小池主査】  もう時間がないんですが、梶井委員、先ほど逆のお立場で、人間センサーや、、地上観測なんかをいろいろな委員からも出されているのですが、衛星の観点からは、これはどういうふうに考えるというか、どういうふうにこれと組み合わせていくというか、衛星のほうからありますか。

【梶井委員】  我々の衛星というか、特にGEOに関していうと、JAXAの観測分野というのは気候、それから災害、あともう一つ何でしたっけ、水ですか、ということで、その分野で貢献しようということで、来年打ち上げが始まるGCOMシリーズという、6機の衛星で15年間にわたって観測しますというのを立ち上げたんですね。これは予算的にはまだ来年上がる衛星だけぐらいしか多分認めていないので、ぜひその15年計画が何か実現するようなことになってほしいと思いますし、そういう意味では、ここのつくっていただくビジョンの中でも、先ほどいろいろ出てきた長期観測、やっぱりそういうものの重要性というのをやっぱりどんどん強調していただく必要があるのかなと思いいます。

【小池主査】  どうもありがとうございました。先ほどおまとめした大きなくくりで2つあるという、目的や、ベネフィットや、そういう部分と、テクニカルや、アーキテクチャーという部分を、皆さんからいただいたインプットで、大体2ページ物ぐらいにまとめて、週明けぐらいに皆さんにドラフトをごらんいただいて、来週いっぱい、そのドラフトをアップデートというか、修正しながら、来週末ぐらいに文案を固めて、それが固まるようであれば、それを英語化して、ポジションペーパーに何や、持っていけるようにしたいと思うんですが。ちょっと今日はほんとうは映像をしながら書いておくと、中身がよくわかったんですが、ちょっと頭の中でなかなか整理されないかもしれません。私のメモはすぐお送りしますので、それでこれが足りないや、いうのがあったら、どんどん入れていただいて、土日のホームワークで文章を2ページ物ぐらいのをつくって、で、月曜日ぐらいから皆さんに見ていただくということで、そういう作業をして、来週、再来週末ぐらいに……、末ぐらいでないと間に合わないですね。英語ができていないといけないというわけですから。そういうもので、ある程度このワーキンググループとして、こういうものなら出せるというものを皆さんに合意いただいたら、文科省のほうでそれを日本の提案として、その検討をいただいて、出すには、どれぐらいのスケジュールが必要でしょうかということの質問なんですが。

【福井推進官】  次回のプレナリーが11月16、17ですので。

【小池主査】  執行委員会に出さないといけないので、15ですよね。あるいは14のNext GEOを考える会議で出すとすると、ですから……。

【福井推進官】  だから、そういう意味では、11月の第2週までにはおまとめになって。

【小池主査】  もちろんそうですが、それでよろしいですか。例えば水曜日ぐらいにまとめて、何か対処方針を出されるときに一緒に入れないといけないや、いうのはありますか。

【福井推進官】  ちょっと考えさせてください。

【加藤審議官】  つくって、持っていかないといけないんでしょう。向こうで印刷できるかどうか知らない。

【福井推進官】  それはだから向こうでまくという形……。

【加藤審議官】  だから、それまでに完璧というか、最終版を持っていかなきゃいけないんだから、逆算して、いつぐらいまでにまとめたらいいかというご質問だったんですよね。前の週の水曜日で間に合うかどうか。

【福井推進官】  じゃ、前の週の月曜日。

【小池主査】  前の週の月曜日。

【福井推進官】  はい。

【小池主査】  そうすると、ちょっと早いスケジュールになりますが、木曜日ぐらいまでに日本語をフィクスして、英語バージョンをさっとつくって、週末見ていただくということですね。これは忙しいですね、結構。英語バージョンはその次の週、土日かなと思いいたんですが。

【福井推進官】  では日本語バージョンは7日にしておきましょうか。

【小池主査】  それで後はよろしいですか。では来週末、日本語バージョンを、あまりくどくど書かなくて、わりとすっきりした、要するに変なふうに誤解されないような文章にしたものを、ただ趣旨は通るというものをぜひつくりたいと思います。よろしいでしょうか。ご協力よろしくお願いいたします。

 今日のメーンは実はこれでしたので、皆さんにご協力いただきまして、そういう形で日本の考えをまとめて、外に出していきたいと思います。

 続きまして、資料4に沿って、推進官のほうからご紹介をお願いいたします。

【福井推進官】  資料4でです。リオ+20で、日本から出しているGEO事務局経費に基づいて、イベントができないかということでです。1ポツ、2ポツはもう既にリオの説明しているところですので、2ポツの(1)サイドイベントというところですが、できれば閣僚クラスで、その考えている場所は日本のブースで、GEOSSの活動、リオ+20のテーマに沿った形でこういうそのグリーン経済の実現や、そういうものに対して、GEOSSが何ができるかということをパネルディスカッションしてみたいということでです。

 日程、これは外務省や、も調整しなきゃいけませんが、開催初日の6月4日ぐらいで90分程度ということで、参加者というのはGEO事務局や、GEOSSに参加している国でリオ+20に参加している方々を呼び集めて、パネルディスカッションできればと考えています。

 GEOSSに関連する展示も、この開催期間中4日から6日の間に行いたいということでございまして、これまでGEOSSのプレナリーや、そういうところでは展示してきましたが、そういう形でリオ+20でもGEOSSの活動を紹介できればと、日本イニシアチブでということでです。こういった提案を次回の執行委員会にも何か提案していければなと思いいます。以上です。

【小池主査】  どうもありがとうです。こういうような提案が、国内では外務省を通じて先ほどの文章の中に入っていくや、、それから最初はイニシアチブも4つだったのが、増えて9つになって、その中に地球観測がきちんと入るや、、そういうドライバーになっていると思います。それから、私はたまたまこの8月の末から9月にヨーロピアン・コミッションとUSの政府のほうにお邪魔したときに、こういう案を日本の中では考えているんだけどという打診をしましたところ、米国もECも大変乗り気で、ぜひこういうものを進めていこうと。まあここでは「(閣僚級)」ということになっていますが、そういうクリティカルなコミットメントが発揮できるような形にしたいということは、各自おっしゃっていますので、今度の執行委員会でこういうことを審議官のほうからご発言いただいて、全体で合意がとれて、進められればいいと思いおります。ありがとうございました。

 これについて、何かご質問ありますでしょうか。よろしいでしょうか。

 そうしましたら、議題2ですが、今度のGEO総会についての、あとは執行委員会への対応について、事務局のほうからお願いいたします。

議題2 第8回GEO本会合と第23回GEO執行委員会への対応について

【福井推進官】  資料が5でして、あとは参考資料の1でです。もう時間もありませんので、配付してですので読んでいただくというところで、一つだけワークプランのところですが、資料5の7ページで、参考資料でいいますとDocument 20と書いてあるところの2ページ目ですが、これまでワークプランをいろいろ議論して、前回の作業部会でもいろいろご意見をいただいたり、あと関係各機関の皆様にはインプットしていただいたという形でです。

 最終的な変更点というのは、この7ページのところにも書いてですし、資料20の2というところに書いてです。基本的に我々がインプットしたものはすべて反映されておりますので、これを今度のプレナリーで承認してくるということになるかと思います。

 あと、マネジメントについても前回ご意見いただきましたが、マネジメントについてはDocument 21というところに書いてございまして、マネジメントの委員会の構成は4ページにも書いてですが、あとは資料5のほうでは8ページですが、運営委員会については、3つの運営委員会を設置するということで、「インフラストラクチャー」計画運営委員会、あと「制度及び開発」計画運営委員会、あと社会……、social benefits implementation boardということでございまして、ワークプランのその3つのカテゴリーに基づいて、委員会を設置するということでです。

 それぞれ構成や、人数は違いますが、8ページのところに書いてですので、そこをごらんいただければと思います。

 あとそれと、最後に資料5のほうですと、9ページの真ん中の2015年以降のGEOについてということで、あと参考資料1ですと、一番後ろのページ、裏からめくっていただくとDocument 25ということですが、ここで2015年以降のGEOSSについての検討ワーキンググループを設置ということでございまして、その後、4月に向けて、次回の執行委員会に向けて議論していくということです。日本としても、このワーキンググループに参加していきたいということでですので、今日の議論も踏まえながらやっていこうと思いいます。

 このポストワーキンググループの議論については、11月14日の月曜日に最初の議論をしていくということになってです。以上でです。

【小池主査】  どうもありがとうございました。私のほうから1点補足させていただきますと、このGEOのプレナリーには、多くの機関がエキシビションに協力してご参加いただいておりまして、文部科学省、JAXA、JAMSTEC、国土地理院、産総研、RESTEC、それから本学東大があって、日本ブースというのをつくりまして、普通は、今までは鶏小屋みたいに並んでいたのを全部一体化しまして、しかも昼にレクチャー、ショートレクチャーができるというようなつくりにしております。皆さんで、文科省を中心にずっと議論してまいりまして、皆さん非常に熱心に協力していただいて、ちょっと今までにないエキシビションができるんじゃないかなと思いおります。いろんな方にご協力をいただいて、そういうことが初めてできるということでご紹介させていただきます。

 このGEOのプレナリー並びに執行委員会の対応についてご質問等ございましたら、どうぞお願いいたします。よろしいでしょうか。今日はメーンの議題、このNext GEOに向けての皆さんからのペーパーでインプットいただきまして、それからちょっと私、下手なりにまとめさせていただいたもので、次のアクション、来週の7日までということになりますが、どうぞご協力いただいて、これをぜひまとめるのにご協力いただきたいと思います。今日はほんとうに有意義な議論をありがとうございました。

【福井推進官】  いつものことですが、議事録については、事務局で後ほど委員各位にお送りしますので、修正があれば、ご指摘をお願いします。最終的には文部科学省のウエブページに掲載いたします。

 あと、これもいつものことですが、旅費、委員手当確認のための紙をお手元にお配りしておりますので、恐縮ですが、ご記入いただきまして、事務局のほうにお帰りの際に提出していただければと思います。

【小池主査】  それでは、これをもちまして、第11回の作業部会を閉会いたします。おそらく次回は3月に執行委員会がありますので、その前に開催させていただくということで進めたいと思います。本日はどうもありがとうございました。

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