地球観測推進部会 全球地球観測システム作業部会(第6回) 議事録

1.日時

平成22年3月19日(金曜日) 15時~17時

2.場所

文部科学省 18F 宇宙開発委員会会議室

3.議題

  1. アクションアイテムの進捗確認
  2. 第6回GEO本会合の結果について
  3. 第4回GEOSSアジア太平洋シンポジウムについて
  4. 第5回地球観測サミットへの対応について
  5. その他

4.出席者

委員

小池主査 梶井委員 柴崎委員 高木委員 滝澤委員 佃委員 福島委員 藤谷委員

文部科学省

森本審議官 谷谷環境科学技術推進室長 他

5.議事録

 小池主査の開会挨拶の後、事務局より、本部会の成立(過半数以上の8名参加)、並びに資料の確認の後、議題に沿って議論が行われた。

議題(1)アクションアイテムの進捗について

事務局より資料1に基づき説明を行った。

1.日本版GEOホームページ

リンクの拡充を行っていく予定である。

2.政策決定のための地球観測利用CFP

大きな動きはなし。GEO事務局での作業が遅れているとのこと。

3.タスク進捗状況

わが国の取組の進捗を確認していくこととなっていたもの。

4.モニタリング及び評価

前回枠組みについてご紹介。わが国も積極的に参加していきたいということで、評価チームメンバーとして東大の中山教授を推薦。

5.第3回GEOSSシンポジウムについて

議題(3)で議論。

6.サミットタスクフォース

議題(4で議論。

7.GEOポータル

サミットに向けてデータの登録を促進すべく、文科省からも関係者にお願いした。データ共有原則の議論が行われており様子見のところがある。長期運用に向けたGCI調整チームを立ち上げることが第6回GEO本会合で承認されており、同チームに産総研からご参加いただいている。

議題(4)にて議論予定。

8.データ共有タスクフォース

第4回作業部会で川本氏から議論の状況を説明いただいた。再配布、再利用制限のあるデータについて技術的な提案をすべく調整を進めるとのことで次回作業部会で状況の報告をいただきたいと考えている。

9.Earthzine

前回柴崎先生から紹介があったEarhtzine投稿の件。

小池主査:英語版HPはいつか。

谷:具体的な計画をお示しして進めていきたい。

小池:データ登録について、DIASは今年度完成予定。追って、コンポーネント、サービスを登録する。

議題(2)第4回GEOSSアジア太平洋シンポジウムの結果

事務局より資料2を基に説明。

中国からの参加がなかったのは残念だったものの日本からの貢献を打ち出せたと認識とのコメントがあった。

小池主査:スハルナ研究技術大臣は筑波大学、大臣の特別補佐官は静岡大学で12年研究をされたとのことで、シンポジウム前日にGEO事務局を含め、会食したが、GEOが初めてとのことで詳しく説明する機会があった。LAPAN(インドネシア航空宇宙機関)の対応は大変すばらしかった。前回シンポジウムで、LAPANとBPPT(科学技術応用評価庁)が一緒にやることで引き受けたのだが、LAPANが頑張りすぎたせいか、BPPTが最終的に下りることとなった。BPPTの活躍の場を作れずこのような形になったことは残念であるが、次回に生かして行きたい。

議題(3)第12回構造及びデータ委員会の結果について

事務局より資料3を基に説明。

タスク毎の成果を明確にし、戦略目標とどう関連するのか整理する作業を始める。

アーキテクチャの改善、タスクシンポジウム-タスク間の連携のみならず、シナジー効果を期待し開催された。比較的規模の大きなあものにいたってもデータ登録が進んでない状況。

小池主査:ADCはGEOのトップを牽引している。2点、ロードマップの改訂についてはJAXAが力を入れていると理解。個別のタスクをみて全体をよくするという観点で不可欠と認識している。M&Eプロセスとロードマップを介して個々のタスクとリンクさせて行ってほしい。2点目は、プレトリアの会議は、分野3つずつ位でシナジー効果を生もうというもの。昨年のAPシンポで試みたものをGEOでもやろうというもの。今後のGEOSSの構築に重要な会議のため、事務局からも参加を呼びかけていただきたい。

福島委員:南アやブラジルなどは中々参加しにくいのでweb会議などでモニターできると有り難い。

谷室長:GEO事務局に依頼したい。

森本:比較的規模の大きなものというのは如何。

柴崎:G-DEMやフォレストカーボンなど、GEOが力を入れている取り組みが登録されてない現状。

小池:イベントなど企画して、データ登録を加速する必要がある。

深澤:APでチェアをやって感じたのは、気候データは測っているが、公開していないというケースが多い。まずはポータルに登録するよう呼びかけたいところ。参加者の間で共有できたと思う。

小池:水は少し進んでおり、データ登録のポータルを作っており、関係者が登録をしている。今回AWCIでメタデータ登録のデモを行い、その場でタイなど登録を完了した。

深澤:Climate分野の戦略目標の先、防災、気候、とらわれないものをもたないといけない。プレトリアの会合を注目している。

議題(4)GEOSS共通基盤(GCI)調整チームの活動状況について

事務局より資料4を基に説明。

小池主査:詳しいレポートをご用意いただいた。何か質問等あればお願いします。

審議官:私企業の取り扱いは如何。GoogleがFCTをサポートすると言った際に、どう考えるべきか。情報システムとしては、無料ならよいのか。成熟度が高いものがユーザーには使い勝手はいいところだが。

小池:ADCで常に議論をしてきている。意志決定が必要。高木委員からご意見があればお願いします。

高木:ビジネスチャンスがあれば良いが、手を引いた際に、代替手段がないというのはまずい。

小池:私企業撤退時の代替手段の準備が必要。防災は人命に関わるがどのように取りくんでいるか。

本蔵:防災は長い歴史と実績があり、私企業に依頼する必要性を感じていない。Googleがやれば楽であろうが。慎重に扱う必要がある。防災コミュニティでは考えていない。

小池:防災と農業が対極にあると考える。農業はビジネスになるが、防災は公共性が高い。水は中間にあり、フランスを中心に、オランダもそうだが水をビジネスとしてやっている。日本は公共事業。これをGEOの中でどう割り振るかこれからの問題である。

本蔵:Googleは中国の問題が生じている。中国からそれについてコメントはあるのか。

小池:特に聞いていないが、被害を受けたGoogleが撤退するとのこと。高木委員のポイントが第1点であり、分野によって扱いが異なっている。

議題(5)データ共有原則タスクフォースの活動状況について

JAXA川本氏より資料5に基づき説明を行った。

小池主査:データ共有の実行にあたり、明確な方向性が打ち出されてきたと認識。

深澤:完全という言葉の意味は如何。

川本:Full & OpenのFull。完全に制約のないデータ。

小池:同意制約、第三者配布制限などない。TFでどのようなものが出てくるかサーベイしているのか。

川本:JAXAで言えば、ALOSの50mモザイク、シーバース、LANDSAT等。完全に制約のないデータというのは中々難しい。GCIには制約付きのデータものせていく。

小池:元々GCIを作った時、Full&Openアクセスのデータを載せるということだったが。

川本:GEO-6で、制約付きのデータの扱いの議論があった。カナダ等から提案があった。

深澤:WMOのデータや、50mのモザイク画像等がそれにあたるのか。

小池:WMOのデータは第三者配布は禁止されている。Data COREは全くのオープンのものを想定。そもそもGCIの目的だったが何が載るのか危惧された。全くのオープンのデータも少ないがあることを示すいい機会と考える。

本蔵:そんなに限られたデータのためにこのようなものを作る必要があるのか。

小池:ICSUがワシントンで提案し採択された。よいアイデア。GCIでは、制約付きのデータをまとめ、あわせて載せていくとのこと。

本蔵:むしろ、制限付きのデータが多すぎるので、無制限データを増やそうというメッセージが含まれているのではないか。

小池:データを公開していこうというムーブメント的な意味もあり重要と考える。

議題(6) 第3回モニタリング及び評価WG、評価チーム合同会合の結果について

事務局より資料6に基づき説明を行った。

議題(7)第5回地球観測サミットの準備状況について

事務局より資料6及び机上配布資料に基づき説明を行った。

小池:タスクフォースメンバーとして重要な案件を進めていただき有り難うございます。宣言文、ショーケースであろうと思う。展示については是非、関係機関に参加いただき、GEO-VIに続きとりまとめていただきたい。まず、宣言文について、ご意見をいただきたい。来週の執行委員会で議論されるとのこと。原案は平たく書かれている。5年に焦点を当てるべきである。これまでの5年で何をやって、今後5年で何をやるか。GEOSS10年実施計画は10年でGEOSSを作るとしている。この5年で何が出来たのか、出来たものをハイライトし、今後5年フォーカスすべきことを明確にする。10年で出来たGEOSSをどう使うか明確にしないと行けない。事務局が準備された論点はよい方向性と思う。プレアンブル、この5年で出来たこと、今後の5年で何をするか。

深澤:この5年で何が出来たかという議論はM&Eでもやっている。GEOSSが出来て、この5年で何が変わったか。

小池:正直、まだ変わっていない。出来たのはインフラ(フレームワーク、データポリシー、GCI等)であり、System of systemsのインフラを5年で作ったところ。それを使ってこんなことが出来るというのを示していく必要がある。

深澤:何が変わったか示さないと厳しいと考える。

小池:ショーケースで示されるが、まだまだ足りない。

高薮:理想論的なことを言うと、論点の能力開発はこれからやっていくこととの説明があったがこれまで作ってきたインフラを使って、能力開発をしっかりやっていくべきだということを書くべき。途上国の能力開発はGEOSS構築にとって重要。今後の方向性に意味が出てくる。

藤谷:今後の方向性の3つの課題(気候変動、生物多様性、砂漠化防止)はそれぞれフェーズが違う。それぞれに対して具体的な行動計画を示した方が閣僚にPRできる。

小池:mitigationのためのデータを出す、適応策を推進するための観測計画を出すなど。能力開発は、シーバスなどあるが、まだ足りない。APシンポで、NOAAのサーストンから話があったが、インド洋と太平洋をつなぐ観測システムがGEOSSによって出来てきた。

深澤:GEOSSの中にIGOSが入ったのが大きい。IOCを含めGEOSSに入ったことが大きいと考えている。インド洋に対して総合的に取組むことが出来るようになった。

小池:GOSATやカーボントラッキングもそうだが、足りない部分が形になるとよいが。ロードマップ、M&E、タスクチーム会合、ADCでタスク毎の管理等の話があったが、GEOSSの推進管理体制はまだ出来ていない状況。これらについて方向性を示すことも重要。

審議官:中国がどういう宣言文を出すのが分からないが、閣僚級が集まる会合の場でポジティブなメッセージが出せるよう議論したい。

瀧澤:中国のAP欠席は残念。ショーケースでの議論等、戦略を変えないと行けないのか。

谷:交渉毎なので、相手あってのこと。向こうの出方次第でもあるが、ショーケースについては実力勝負であり、豪州もサポートしてくれている。アジア水循環イニシアティブ(AWCI)は中国も参加しており、中国を立てながら進めて行きたい。他方中国はデータが中々出てこない国。フルオープンなデータ共有の議論を中国で行うことは意味がある。中国がそのような方向に向かっていくよう努力したい。

小池:中国は面子を重んじる国のため慎重に対応したい。

議題(8)第12回GEO執行委員会の対処方針について

事務局より資料8及び机上配布資料に基づき説明を行った。

小池:ショーケースの話をしなかったが、中国の対案について、水を出していただいた。執行委員会の議場外で是非他のメンバーと打ち合わせしてから臨んでいただきたいと考える。

審議官:中国のFENGYUNG Castは如何。

小池:気象衛星シリーズであり、GEOSSに貢献しているもの。

谷室長:旅費等に関する事務手続きを依頼。次回は日程調整の上開催させていただきたい。

(終了)

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