情報科学技術委員会 次世代スーパーコンピュータ作業部会(第1回) 議事録

1.日時

平成19年12月26日(水曜日) 10時~12時15分

2.場所

国立情報学研究所 12階 1208会議室

3.出席者

委員

 土居主査、有川委員、加藤委員、川添委員、吉良委員、坂内委員、佐藤委員、知野委員、表具委員、福山委員、松田委員、松本委員、宮内委員、山根委員

文部科学省

 徳永研究振興局長、藤木大臣官房審議官、勝野情報課長、関根スーパーコンピュータ整備推進室長、井深学術基盤整備室長、中井課長補佐

オブザーバー

(科学官)
 西尾科学官

4.議事録

【関根スーパーコンピュータ整備推進室長】
 定刻でございますので、会議を始めさせていただきたいと思います。
 私、文部科学省研究振興局情報課でスーパーコンピュータの担当をさせていただいております関根と申します。今日はよろしくお願いいたします。本日はお忙しいところ、また、年の瀬ということも含めまして、お集まりいただきまして、どうもありがとうございました。
 本日、第1回目ということでございますので、はじめに、主査の指名についてご報告をさせていただきたいと思います。
 この件につきましては人事案件ということでございますので、科学技術・学術審議会研究計画・評価分科会情報科学技術委員会運営規則第4条第1号に基づきまして、現時点では会議を非公開という形で進めさせていただいております。
 本作業部会の主査につきましては、科学技術・学術審議会研究計画・評価分科会情報科学技術委員会運営規則第2条第3項に基づきまして、情報科学技術委員会のもとにある作業部会ということでございますので、情報科学技術委員会の主査が指名をするということになってございます。
 情報科学技術委員会の主査であります土居主査より、本作業部会の主査は土居委員みずからがお引き受けいただけますということでございましたので、ご報告をさせていただきたいと思います。
 それでは、以後の議事進行につきましては、土居主査からお願いいたします。どうぞよろしくお願いいたします。

【土居主査】
 土居でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 親のほうに当たります情報科学技術委員会の主査は第1期から仰せつかっているというような関係もございますものですから、お引き受けしたというようなことでございますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
 それでは、最初に、情報科学技術委員会の運営規則第2条7項に基づきまして、主査代理を置くことになっておりますので、私から指名させていただきたいと思います。
 坂内委員に主査代理をお願いいたしたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。先生、よろしゅうございましょうか。

【坂内委員】
 はい。

【土居主査】
 それでは、以降の議事につきましては公開とさせていただきます。
 傍聴希望者いらっしゃいましたら、入室していただければと思います。

(傍聴希望者入室)

【土居主査】
 よろしいでしょうか。
 本日は最初の会合でもありますので、私から一言ごあいさつを。まあ、ごあいさつというほどのことではないんですが、お願い方々、ごあいさつさせていただきたいと思います。
 科学技術・学術審議会のもとに研究計画・評価分科会というのがございます。そのもとに、重点分野4分野に加えて防災等々の委員会が置かれているわけですが、重点4分野の1つでございます、情報科学技術につきましては当初より委員会が置かれておりまして、第1期から主査を仰せつかっておるわけでございますが、本作業部会につきましては、去る11月7日に開催されましたこの委員会におきまして設置が認められたものでございます。
 この作業部会は、平成24年の次世代スーパーコンピュータの完成に向けまして、山積しております政策的課題をご検討いただくための中核的な場として設置されたものでございます。
 当面の課題は、次世代スーパーコンピュータを中核とした教育研究のグランドデザインということでございますが、これは後ほどご検討、ご議論いただく予定でございますけれども、次世代スーパーコンピュータの利活用のあり方とか、あるいは、共用の方法をどうするか、利用促進をどうするか、人材育成をどうするかといったようなこと、及び、その拠点としてのCOEの形成をどうするかというようなこと等々、大変重要な検討課題がございますので、委員各位のご知見をおかりしながら有意義な検討の場としていきたいと思いますので、何とぞ、どうぞよろしくお願い申し上げます。
 続きまして、主査代理をお願いいたしました坂内先生から、一言ごあいさつをお願いできればと思いますが。

【坂内委員】
 突然、主査代理を仰せつかりました坂内でございます。
 このプロジェクトは、日本はやはり研究開発で生きていくと。そういう意味の極めてシンボリックなプロジェクトだと理解しております。スーパーコンピュータ、ぜひ成功させなきゃいけないということはさることながら、これを機に、大学や研究機関や産業界が、未来の武器を持って研究開発をアクティベートしていく、そういうことが一番大事ではないかということで、この作業部会自身が利活用やもろもろの課題を検討する。
 スーパーコンピュータを世界一のものにすることと並んで、極めて重要なミッションだと思っておりますので、土居先生のサポートをさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

【土居主査】
 どうもありがとうございました。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 本来ですと、ここで徳永局長からごあいさつをお願いする予定なんですが、局長、まだご到着になっておりませんので、ご到着になり次第いただくことにして、先に進ませていただきたいと思います。
 それでは、本日は初回の会合ですので、事務局から委員の方々のご紹介をお願いできればと思います。よろしくお願いいたします。

【関根スーパーコンピュータ整備推進室長】
 それでは、本作業部会の委員にご就任をいただきました方々をご紹介させていただきたいと思います。
 名簿につきましては、資料1を配付させていただいているとおりでございます。この名簿順にご紹介させていただきたいと思います。
 まず、主査をお務めいただきます中央大学理工学部の教授でいらっしゃる土居先生でございます。

【土居主査】
 よろしくどうぞ。

【関根スーパーコンピュータ整備推進室長】
 九州大学理事、副学長、附属図書館長の有川委員。

【有川委員】
 有川でございます。よろしくお願いします。

【関根スーパーコンピュータ整備推進室長】
 武田薬品工業株式会社医薬研究本部検索研究センターのリサーチマネージャーでいらっしゃいます加藤委員でございます。

【加藤委員】
 加藤です。よろしくお願いいたします。

【関根スーパーコンピュータ整備推進室長】
 東北大学金属材料研究所教授で、情報シナジーセンター長でもいらっしゃいます川添委員でございます。

【川添委員】
 川添でございます。よろしくお願いします。

【関根スーパーコンピュータ整備推進室長】
 財団法人高輝度光科学研究センター理事長でいらっしゃる吉良委員でございます。

【吉良委員】
 吉良です。よろしくお願いします。

【関根スーパーコンピュータ整備推進室長】
 情報・システム研究機構国立情報学研究所長の坂内委員でございます。

【坂内委員】
 坂内でございます。よろしくお願いします。

【関根スーパーコンピュータ整備推進室長】
 独立行政法人海洋研究開発機構の地球シミュレータセンター長でいらっしゃる佐藤委員でございます。

【佐藤委員】
 佐藤です。よろしくお願いします。

【関根スーパーコンピュータ整備推進室長】
 読売新聞東京本社の編集委員でいらっしゃる知野委員でございます。

【知野委員】
 知野です。よろしくお願いします。

【関根スーパーコンピュータ整備推進室長】
 兵庫県の産業労働部長でいらっしゃる表具委員でございます。

【表具委員】
 よろしくお願いいたします。

【関根スーパーコンピュータ整備推進室長】
 東京理科大学理学部の教授でいらっしゃる福山委員でございます。

【福山委員】
 福山です。どうぞよろしくお願いします。

【関根スーパーコンピュータ整備推進室長】
 三菱化学株式会社の理事でいらっしゃる松田委員です。

【松田委員】
 松田でございます。よろしくお願いいたします。

【関根スーパーコンピュータ整備推進室長】
 京都大学理事で副学長でいらっしゃいます松本委員でございます。

【松本委員】
 松本でございます。どうぞよろしくお願いします。

【関根スーパーコンピュータ整備推進室長】
 メディアスティック株式会社代表取締役社長でいらっしゃる宮内委員でございます。

【宮内委員】
 よろしくお願いいたします。

【関根スーパーコンピュータ整備推進室長】
 ノンフィクション作家でいらっしゃいます山根委員でございます。

【山根委員】
 よろしくお願いします。

【関根スーパーコンピュータ整備推進室長】
 それから、科学官として、大阪大学の西尾先生でございます。

【西尾科学官】
 よろしくお願いいたします。

【関根スーパーコンピュータ整備推進室長】
 また、本日ご欠席でいらっしゃいますけれども、東京大学の生産技術研究所の教授でいらっしゃる大島委員、早稲田大学の総長でいらっしゃいます白井委員、東京大学の副学長でいらっしゃいます平尾委員、独立行政法人国立環境研究所の理事でいらっしゃいます安岡委員が、本作業部会の委員に就任をいただいております。
 以上でございます。

【土居主査】
 ありがとうございました。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 それでは、事務局より、本日の配付資料につきまして確認をお願いいたします。

【事務局(及川)】
 それでは、お手元の議事次第に従いまして、照らし合わせまして、資料のご確認をお願いいたします。
 まず、資料1でございます。「次世代スーパーコンピュータ作業部会委員名簿」。
 資料2、「次世代スーパーコンピュータ作業部会の設置について」。
 資料3、「『次世代スーパーコンピュータの開発・利用』プロジェクトの進捗状況について」。
 資料4、「当面ご議論いただきたい事項について(案)」。
 資料5、「本作業部会の今後の議論の進め方について(案)」。
 本日の議論の参考とするために、席上に次世代スーパーコンピュータ作業部会参考資料集を置いておりますので、適宜ご参照いただければと思います。欠落等ございましたら、事務局までお申しつけ願います。
 本日の議事進行上、席上にマイクを配置してございますので、発言の際には4番を押していただき、終了した際には5番を押して終了していただければと思います。
 以上です。

【土居主査】
 どうもありがとうございました。よろしいでしょうか。また、欠落等ございましたら、その都度おっしゃっていただければと思います。
 それでは、お手元の議事次第に従って、先へ進ませていただきたいと思います。
 議題(2)ですが、「次世代スーパーコンピュータ作業部会について」に入らせていただきます。事務局から、ご説明お願いいたします。

【関根スーパーコンピュータ整備推進室長】
 それでは、お手元に配付させていただいております資料2に基づきまして、ご説明させていただきたいと思います。
 資料2に、「次世代スーパーコンピュータ作業部会の設置について」という資料をお配りさせていただいております。これは、親の委員会でございます情報科学技術委員会で、11月7日にお決めいただいたものでございます。
 趣旨の部分でございますけれども、ご案内のとおり、私どもで次世代スーパーコンピュータの開発・利用プロジェクトというものを進めてございます。これは、世界最先端・最高性能の次世代のスーパーコンピュータをまず開発・整備するということとともに、これを最大限に利活用するソフトウエア、アプリケーションの開発を行う。さらに、大学・研究機関のスーパーコンピュータとの連携による柔軟な計算環境を提供させていただいたり、または、スーパーコンピューティングの研究教育拠点の形成を行うといったようなプロジェクトでございます。
 これまで、平成18年のプロジェクトの開始以来、例えば、共用に関する法律の制定ですとか、今年の3月には立地地点の決定、さらには、ハードウエアのシステム構成の決定など、このプロジェクトについては着実に進展を見せているところでございます。
 その一方で、今年9月に総合科学技術会議のプロジェクトの評価というものを受けてございますが、その過程で、例えば、今後、このプロジェクトを円滑に推進するという観点では、ソフトウエアの開発、産業界との連携、人材育成、共用のあり方など、ハードウエアなどができた後、どういった利活用をしていくかといった視点についての具体的な検討が必要であろうという指摘、また、我々としてもそういう認識を持っております。
 こういう背景をもとに、今回、スーパーコンピュータのプロジェクトを円滑に進めていくという観点で、いろいろとご議論いただき、また、調査、審議をいただくといったような場として、この作業部会を設置いただいたものでございます。
 2.の「検討の体制」でございますけれども、まさにこの委員会が作業部会本体ということで、特に、今後、議論の進捗によって、専門性が高かったり、また、より詳細な検討を要するような事項が発生した場合には、必要に応じて、この作業部会のもとに検討の場を設置したり、または、ほかの検討の場との合同審議ですとか、いろんな形でご検討を効率よく進めていただきたいと考えております。
 主な検討の課題といたしましては、次世代スパコンプロジェクトの今後の推進方策について。それから、このプロジェクトに係る評価について。加えまして、その他、このプロジェクトに係る諸課題についてということでございます。冒頭、主査のお話にございましたとおり、このスパコンプロジェクトに関する政策的な諸課題につきまして、広くご議論いただく場と考えております。
 一方、当面のご検討いただく課題といたしましては、次世代スパコンを中核とした教育研究のグランドデザインというようなことを予定してございます。
 まず、このグランドデザインを考えるに当たっての基本的な考え方ですとか、次世代スパコンを中核とした研究開発機能、人材育成、さらにはユーザー、利用者の支援。それから、産学連携ですとか理解増進など、こういった視点で、どういった機能が求められるのか、または、その具体化といったところのご検討をしていただければと考えております。加えまして、これらの機能を整備するための役割分担といったようなことも、ご議論いただければと考えております。
 4.「スケジュール」でございますけれども、当面の検討課題であります教育研究のグランドデザインにつきましては、平成20年、来年の6月ごろを目途に基本的な考え方を取りまとめていただければと考えています。
 神戸市、または兵庫県など、地元の自治体、または関係の諸機関における検討も進んでございますので、そういった検討と整合性をとるという観点も含めまして、必要に応じまして、審議経過といったようなものも作成したいと考えております。
 この議論の過程で、より詳細な議論が必要であったり、より深掘りした議論が必要だといったような検討課題につきましては、基本的な考え方を踏まえながら、平成20年度以降、このプロジェクトの進捗状況なども見ながら、随時、作業部会において検討を行っていきたいと考えております。
 その例としては、例えば、共用のあり方。登録機関といいますけれども、次世代スーパーコンピュータを運用するに当たって、利用者の支援ですとか、課題の選定を行う機関を登録機関といっておりますが、そういった機関の果たすべき機能、役割。さらには、大学等の有しています既存のスーパーコンピュータとの連携。さらには、このプロジェクトの評価といったようなことも、今後、この作業部会のスコープに入れつつ、検討を進めていただきたいと考えております。
 3ページ目以降に、参考資料といたしまして、情報科学技術委員会の運営規則というものをつけさせていただいております。
 関連の部分といたしまして、例えば、3ページ目の第2条に「作業部会」という項がございます。あと、第3条に「議事」というのがございます。第4条に「会議の公開」というのがございます。特に、「会議の公開」のところ、第4条の第3項でございますけれども、例えば、個別利害に直結する事項に係る案件ですとか、審議の円滑な実施に影響が生じるものとして、委員会等において非公開とすることが適当であると認める案件につきましては、非公開にすることができるという規定もございます。
 例えば、次世代スーパーコンピュータにつきましては、現在開発中ということもございまして、必要に応じて、機微な情報を扱う必要が生じた場合には、事前にこの会議で諮らせていただき、非公開とさせていただくということもあろうかと思いますが、あらかじめご承知いただければと思います。
 5ページ目に、参考資料といたしまして、親部会であります情報科学技術委員会の委員名簿をつけさせていただいております。
 次のページに、参考といたしまして、審議会全体の組織図がございます。この審議会、かなり大きい審議会でございまして、今、次世代スーパーコンピュータの作業部会につきましては、情報科学技術委員会の下でございます。ただ、この情報科学技術委員会の親部会が、研究計画・評価分科会。さらに、その上位組織が科学技術・学術審議会本体という構造でございます。
 以上でございます。

【土居主査】
 どうもありがとうございました。
 ただいま、整備推進室長から、この作業部会の設置についてのご説明がありましたとおり、先ほどもちょっと申し上げましたが、政策的な課題をこの場で検討していただくということが主でございますが、とにかく盛りだくさんなことでございますので、いろいろな点でお願いいたしたいと思いますが、その意味におきましては、必要に応じて、このもとに検討の場を設置するということも、幾つかの場を設置するようなことも出てこようかとも思いますが、それはまたその時々に応じて、ご検討いただければと思います。
 何かご質問等、あるいは、ご意見をいただければと思いますが、いかがでしょうか。
 よろしいでしょうか。
 ありがとうございました。このようなことでさせていただきますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
 ここで、徳永局長がご登場ですので、一言ごあいさつをいただければと思います。お願いいたします。

【徳永研究振興局長】
 文部科学省の徳永でございますけれども、先生方には、まず、この委員会の委員をお引き受けいただいたこと、ありがたく思っています。
 次世代スーパーコンピュータについては、今年、予算年度的にはいよいよ20年度の3年度目ということでございますけれども、幸い、先日、閣議決定されました20年度予算案では、145億円。それに加えて、補正予算が四十数億円つきましたので、全体として187億円という予算規模が確保されることになりました。
 これは、意気込みとして、頑張るんだという意気込みで要求しましたら、財政当局の、あるいは関係の先生方のご理解を得て、ほとんど満額回答以上のことになったわけでございます。
 そういうことで、私どもとすれば、これから国会で予算をご審議いただくことになりますけれども、いわば、こういう国民の負託を受けて、次世代スーパーコンピュータの実現というものをきちっとやり遂げていかなければいけない。そういう行政上の責任を負うことになるわけでございます。
 そういう意味では、私ども、文部科学省の中には、藤木審議官をトップとする次世代スーパーコンピュータの推進本部というのを設置したわけでございますし、一方で、幅広くご意見をお聞きしながら、実質的にさまざまな関係する方々との協働のもとに作業を進めていく場として、この作業部会をつくったということでございます。
 この作業部会は、一方では、あくまでも審議会の一部の機関ではありますけれども、多分に、審議会でご意見を伺うというよりは、先生方に作業をお願いし、あるいはまた、この場が関係機関の意思連絡の場となるようなことになるかと思っております。
 ぜひこの場がこれから活発に機能していただくこと、土居主査以下、先生方のご努力をお願いしたいわけでございますが、私ども、今、整備推進室長から当面のこと、お話をいたしましたけれども、ぜひ先生方にはご理解を賜りたいのは、今年の3月に、神戸市に次世代スーパーコンピュータを設置するということを決定したわけでございますが、今日、兵庫県の労働部長もご出席賜っておりますけれども、ただ、あくまでも次世代スーパーコンピュータは国家プロジェクトでございまして、オールジャパン、やはり人材養成も東京、あるいは東北、北大、九大、こういったことを当然念頭に置いたオールジャパンで、基本的には人口集積の多い東京ということもかなり重点を置いて展開をしていかなければいけないと思っております。
 そういう意味でいうと、また、次世代スーパーコンピュータと、そのほか関連をしているさまざまな情報施策、そういったものも一体的に進めていかなければいけませんので、私ども、あくまでも、これはオールジャパンの国家プロジェクトを推進するんだということで進めてまいります。そういう意味では、それぞれ、大学ではこういう研究をしたい、あるいは、こういう大学院をつくりたい、あるいは、地元ではこんなことをしたいというご要望、お考えもありますが、そういうそれぞれの関係機関におけるさまざまなご努力、あるいは自主的な試みといったことについては、私どもとしても、それは多とするところでございますが、そういったことと関係を持ちつつも、やはりここは国家プロジェクトとして一体的に進めていく、そういった格好で次世代スーパーコンピュータの作業をやり遂げていきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

【土居主査】
 どうもありがとうございました。
 ご質問を引き受けてもよろしいんですが、そうもいかないでしょうから、適宜、何かございましたら、ご質問等々をいただければと思います。
 次の議題に移らせていただきたいと思います。
 「次世代スーパーコンピュータプロジェクトについて」ということで、そもそもの背景及びこれまでの経緯を含めて、ご説明いただければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

【関根スーパーコンピュータ整備推進室長】
 それでは、お手元に配付させていただいております資料3をごらんいただければと思います。
 「『次世代スーパーコンピュータの開発・利用』プロジェクトの進捗状況について」という、少し厚目の資料がございます。少しお時間をちょうだいいたしまして、このプロジェクトの概要と進捗状況につきましてご説明させていただきたいと思います。
 まず、1ページをお開きいただければ、右下に1ページと書いてある部分でございますが、ご案内のとおり、平成18年3月に、第3期科学技術基本計画というものができております。これは、いわゆる科学技術基本法に基づく基本計画ということで、我が国の科学技術政策の根幹をなす計画でございます。この計画をまとめるに当たって、基本姿勢ですとか、政策目標を明確にして基本計画をつくっていくというのがございます。
 特に、政策目標として、6つの大目標と、さらにそれをブレークダウンした形の12の中目標という形で、体系立てて科学技術政策を考え、推進していくといったようなことが述べられております。その6つの大目標なりが、1ページの下に書いてございます。
 例えば、理念として、人類の英知ですとか、国力の源泉、健康と安全といったような視点で、それぞれ、科学技術をどういった視点で進めるべきかといったようなことが、6つの大目標に書かれている。
 例えば、大目標の1というのは、いわゆる基礎研究の推進。大目標の2というのが、人類の夢への挑戦と実現ということで、国家プロジェクトによる科学技術の牽引といったようなことが述べられております。
 2ページ目をお開きいただきたいんですが、今申し上げました科学技術基本計画におきます6つの政策目標と、次世代スパコンの関係を端的にあらわした図がこちらでございます。
 一言で申し上げると、この6つの目標にすべからく関係している、いわゆる基盤的な技術ということが言えると思います。特に、この次世代スーパーコンピュータの開発によって、直接的に影響を受けるような、ここに書いてございます緑の部分。ソフトウエアの開発ですとか汎用CPUの開発、ネットワークなど、直接的なところのみならず、例えば、アプリケーションの活用によって、いろいろなことが可能となる、いろいろなブレークスルーが期待できるといったようなものかと思っております。
 3ページ目をお開きいただきたいんですけれども、科学技術基本計画におきましては、国家の総合的な安全保障の観点ですとか、世界最高の研究機能の実現といったような観点から、国家的目標と長期的な戦略を明確にして研究開発を推進すべきといったような技術を、国家基幹技術といったような形で指定をしてございます。その国家基幹技術というのが、この3ページ目に書いてある5つの技術ということになってございます。
 次世代スーパーコンピュータにつきましては、この5つの国家基幹技術のうちの1つということでございまして、第3期の基本計画の期間中に集中的な投資を行って研究開発を推進するものといったような位置づけになってございます。
 国家基幹技術としての考え方でございますけれども、4ページ目をお開きいただきたいと思います。
 先ほどもご説明をさせていただいたように、次世代スーパーコンピュータの1つの視点として、極めて用途が広い、また、波及効果が高いといったような、非常に広範囲な研究開発基盤という考え方ができるかと思います。
 特に、世界最高性能、最高水準のスーパーコンピュータということで、これまで不可能であったようなシミュレーション、これらが可能になってくるだろうということが期待できます。
 特に、例えば、ここの4ページ目に例示をさせていただきましたように、ナノテクノロジー、ライフサイエンスはもとより、ものづくりですとか、原子力、地球環境への貢献、期待といったようなものができるかと考えております。
 もう一つの視点といたしましては、5ページ目をお開きいただきたいんですが、スーパーコンピュータ技術そのものの価値ということでございます。スーパーコンピュータにつきましては、実は、世界的に見ますと、いわゆるチップ、CPUのレベルから、スーパーコンピュータすべてを開発できる能力というのは、我が国とアメリカ、この2国が有してございます。そういう意味では、5ページ目に書いてございます、我が国のスパコン開発の歴史といたしまして、平成元年から開発を始め、平成5年に運用開始した今のJAXA(ジャクサ)、昔の航空宇宙技術研究所が開発した、数値風洞と言われるようなスーパーコンピュータ、さらには、筑波大学が中心となって開発をいたしましたCP-PACS、さらには、海洋科学技術センター、JAMSTEC、現在の海洋研究開発機構が有しております地球シミュレータといったようなものが、いわゆるナショナルプロジェクトとして開発され、おのおの、その当時の世界第1位を獲得してございます。この後、開発に携わった開発メーカーが、おのおのの技術を有し、さらに自社の製品開発へと波及させたといった歴史的経緯もございます。
 では、現状、一体どういう状況かと申しますと、6ページをお開きいただきたいんですが、例えば、平成16年6月に地球シミュレータというスーパーコンピュータが世界第1位を獲得してございましたが、現状、最新の情報によりますと、19年11月というのがございますが、今、日本で最速のスーパーコンピュータと言われているものが東工大の有しておりますTSUBAMEというもの。その次が、地球シミュレータということになってございます。ただ、いずれも16位、30位ということで、上位が米国のベンダーといいますか、開発メーカーがつくったスーパーコンピュータで占められているといったような状況でもございます。
 ちなみに、スパコンTOP500というのは、ある一定のベンチマークでスーパーコンピュータの速さを測定したもので、必ずしも、このベンチマークが唯一無二の指標であるわけではございませんし、走らせるアプリケーションによりましても非常に差が出るものではございますが、1つ、こういった指標でのランキングというのもございます。
 さらには、7ページをお開きいただきたいんですけれども、先ほど申し上げましたように、スパコンの開発能力を有している国というのが日本と米国ということでございまして、特に、米国におきます開発プロジェクトというものを図示させていただいたものが、この表でございます。
 特徴的なのは、左のほうに黄色く書いてございますが、スパコンの開発プロジェクトというのが、複数の省庁において重層的に行われているといったようなことが特徴かと思います。
 例えば、アメリカのエネルギー省におきましては、ASC計画。これは、いわゆる核実験にかわる核反応のシミュレーションを行うためのスーパーコンピュータの開発でございますが、そういった視点のプロジェクト。
 それから、NLCFと書いてございますが、これは、どちらかというと科学技術の分野における基盤整備といったような視点でのスパコンの整備計画などもございます。
 さらには、国防省ですとか米国科学財団なども、国家の安全保障上の観点ですとか、学術研究の基盤としてのスーパーコンピュータの整備といったようなものを、それぞれ行っているといった状況でございます。
 左側に図をかいてございますけれども、これはスーパーコンピュータのピーク性能を縦軸にとり、横軸には年次変化をとったものでございます。2011年ころには、次世代スパコンが世界のトップの性能を有すると期待してございます。
 ここで、アメリカのプロジェクトについてプロットをさせていただいておりますのが、実は、アメリカの政府の公式レベルの計画でございます。
 例えば、政府の公式な計画といたしましては、図示させていただきましたように、次世代スパコンの計画を超えるようなものは今のところございませんが、例えば、米国の開発メーカーでありますIBMですとか、クレイといったようなメーカーでは、我が国のプロジェクトなども念頭に置きつつ、2010年、11年ころに10ペタ、20ペタといったようなスーパーコンピュータの開発計画を有しているとも言われております。我々としては、このプロジェクトを着実に推進するとともに、情報収集など、適切、適格な対応をとっていきたいとは考えております。こういったような背景をもとに、このプロジェクトが開始され、進められているところでございます。
 8ページ目から、このプロジェクトの概要の説明をさせていただきたいと思います。
 まず、この次世代スーパーコンピュータの開発、利用プロジェクトにつきましては、平成18年から24年のプロジェクトで、総経費が1,154億円のプロジェクトでございます。来年度の政府原案、予算案でございますが、先ほど、徳永局長からご紹介ありましたとおり、予算案としては145億円、19年度の補正予算としては42億円を計上させていただいたところでございます。
 このプロジェクトの概要につきましては、8ページ目の2.に書いてございますが、先ほど申し上げましたとおり、ハードウエアの開発、あわせまして、ソフトウエア、アプリケーションの開発、それから、これらを活用した教育研究拠点(COE)の形成、これを一体的に実施していくというプロジェクトでございます。
 ハードウエアの開発につきましては、ポテンシャルを有しております理化学研究所を中心といたしまして、産学官の密接な連携体制を構築し、今、プロジェクトを進めているところでございます。
 9ページ目をごらんいただきますと、全体スケジュール、特に開発部分の全体スケジュールを書かせていただいております。縦軸にシステム、いわゆるハードウエアの部分とソフトウエア、アプリケーションの部分、それから、ハードウエアなどを格納する建屋、施設の部分を書かせていただいております。
 今、平成19年度の4分の3が経過したぐらいのところかと思いますが、まず、システム、ハードウエアにつきましては概念設計を終え、詳細設計をしている段階でございます。詳細設計というものを平成20年度いっぱいまで行い、さらに、21年度から、いよいよ製作、据えつけ、評価、そういった段階に入っていくことになってございます。
 平成22年度末に、一部の整備が済んだ段階で稼働、動かすということを計画し、平成23年度末、平成24年にはフルスペックでの完成といったスケジュールを考えております。
 あわせまして、ソフトウエアにつきましては、後ほどご説明をさせていただきますけれども、2つの大きな分野、次世代のナノテクノロジーを中心としたシミュレーションソフトウエアの開発、それから、生命体、ライフサイエンスの分野におきますシミュレーションソフトウエアの開発といったようなことを進めてございます。
 前者のナノの分野につきましては、岡崎にございます分子科学研究所が中心となった研究開発体制。さらには、生命体のほうにつきましては、理化学研究所を中心とした研究開発体制を構築し、ハードウエアの進捗に合わせ研究開発を進めているところでございます。
 施設の部分につきましては、大きく、計算機をおさめる計算機棟と、次世代スーパーコンピュータを活用し、研究を行うための研究棟、研究スペース、大きくこの2つの建設を考えております。ともに現段階では設計段階でございますけれども、計算機棟につきましては、平成19年度末、来年の3月以降、本格的な工事に着手していく予定でございます。
 10ページをお開きいただきたいと思います。まず、次世代スパコンの立地地点でございます。立地地点につきましては、理化学研究所が科学的な観点から検討を行った結果、15の候補地から、神戸のポートアイランドに立地が決まってございます。これは平成19年3月、今年の3月でございます。
 航空写真と地図をつけさせていただいておりますけれども、神戸空港にも近く、さらには、新神戸、三宮といった新幹線、JRとの接続性も非常によい環境でございます。さらには、この次世代スパコンが立地する地域の近傍には、神戸市などが中心となって推進している神戸医療産業都市構想といったような、いわゆる産学の集積性も極めて高い地域でございます。現在、この地域を中心に、いろんな検討も行われてございます。
 11ページをお開きいただきたいと思います。ハードウエアについてのご説明でございます。ハードウエアにつきましては、大きく3つの特徴を有していると思っております。
 まず、世界最速のシステムということで、1秒間に1京回の計算性能を有するスーパーコンピュータということ。それから、科学技術・産業、広い分野で多様なアプリケーションが実行可能な、いわゆる汎用性といったような視点、この汎用性が極めて高いシステムということでございます。
 それから、先端技術の積極的導入により、画期的な省電力や省スペースといったような革新的なシステム。特に、理化学研究所を中心とした日本のメーカー3社の共同開発体制で、日本の技術力の総力を結集して開発を進めるといったようなことでもございます。
 このシステム構成の決定の経緯でございますけれども、開発主体である理化学研究所が、平成19年9月にシステム構成、どういったシステムにすべきかといったようなことを正式に決定しておりますが、その前段階といいますか、前提として、平成19年、今年の6月から9月にかけまして、総合科学技術会議でも集中的なご審議、評価をいただいております。さらには、その前の今年の春には、文部科学省といいますか、情報科学技術委員会の下に作業部会を設置させていただき、概念設計の評価を行っております。こういったプロセスを踏まえ、システム構成が決定されております。
 具体的なシステム構成のイメージでございますが、12ページをお開きいただきたいと思います。
 ポンチ絵をかかせていただいておりますが、特徴といたしましては、スーパーコンピュータの種類といたしまして、スカラとベクトルといったようなものがございます。例えば、スカラという設計の仕方につきましては、世界的な主流になっている技術でございます。
 一方、科学技術計算に特化したような設計思想を持っているベクトルといった部分につきましては、我が国が従前から強みを持っている技術ということが言えるかと思います。そのスカラとベクトル、両方の部分からなる複合汎用システムということでございます。
 例えば、スカラ部につきましては、このポンチ絵にかいてございますように、ナノデバイスの構造解析ですとか、遺伝子の相同性検索などでは非常に強みを発揮する部分でございます。
 一方、ベクトル部、地球シミュレータも、このベクトルという方式でございますけれども、大気や海洋の大循環や空力計算といったようなものとしては非常に強みを発揮する技術ということでございます。
 こういった2つの部から構成されるシステムを構築することにより、両方の部を活用したシミュレーションソフトも含め、あらゆるソフトウエアに対応できるといったようなことを考えてございます。
 さらには、高い拡張性、つけ足しができるという部分ですとか、さらには、将来的には、大学や研究機関に、サイズなり機能をより絞り込んだ形で展開する、そういった展開性。さらには、ベクトル、スカラ両技術を確保することによって、我が国の技術力の強化、さらには、国際競争力の向上といったような視点でも有用なシステムと考えております。
 13ページ目をお開きいただきたいと思います。スーパーコンピュータのもう一つの特徴といたしまして、ネットワークといったことがあるかと思っております。当然、世界最高水準、最高性能のスーパーコンピュータでございますけれども、ネットワークを介してリモート、遠隔からも利用が可能だと考えております。現在、全国の大学ですとか研究機関等を結ぶネットワークがございます。これは、学術情報ネットワーク、SINET3といっておりますけれども、坂内先生のいらっしゃる国立情報学研究所が主たる運営機関として運営されております。現在、700機関以上が、このネットワークに加入をしてございます。
 例えば、将来的には、こういったネットワークと連携することによって、1つは、遠隔からの利活用、さらには、大学ですとか研究機関の有している既存のスーパーコンピュータとの連携、そういったことも視野に入れた活用というものを考えていきたいと考えております。
 14ページ目をお開きいただきたいんですけれども、アプリケーションでございます。私ども、グランドチャレンジアプリケーションといっておりますけれども、世界最高性能のハードウエア、この能力を最大限に引き出すためのソフトウエアというものを同時並行で開発しております。
 現在、開発中の分野、先ほど申し上げたように、ナノテクノロジーとライフサイエンスの分野で、おのおのアプリケーションの開発を行っております。これにつきましては、2回目以降、お時間をまたちょうだいいたしまして、より詳細にご説明させていただきたいと思います。
 15ページ目以降に、次世代スーパーコンピュータの活用例ということで、少し例示させていただいております。例えば、スーパーコンピュータができると、こういう活用なり、こういう成果が得られるといったようなものの例示でございます。
 例えば、原子・電子レベルのシミュレーションができることによって、ナノレベルの電子デバイスの開発が非常に容易になる。特に、今、2,000原子程度のシミュレーションしかできないものが、10万原子程度。さらには、導線と基板ですとか、導線と電極、こういった相互作用などもより詳細に分析・検討ができるようなシステムの実現ということでございます。
 16ページ目が、ライフサイエンス分野、例えば、創薬の分野での利活用でございます。薬剤候補物質の絞り込みですとか、絞り込んだ後の薬剤候補物質がどういった形で、たんぱく質などと影響を及ぼし合うのか、そういったもののシミュレーションが容易にできるようになるだろうということでございます。
 17ページが、地球科学技術分野。例えば、防災の分野での利活用でございます。より細かな、また複雑な、より不均質な地下構造でのシミュレーションなども可能になるだろうと考えております。
 18ページ目は、気象ですとか地球環境の分野への応用ということで、全球を対象とした気象シミュレーション。これは非常にメッシュが細かくできるということと、さらには、より詳細な解析ができるということで、気候変動に伴う台風ですとか、集中豪雨などの極端現象の予測ですとか解析、こういったものにも応用が可能になるのではないかと考えております。
 19ページ目、20ページ目につきましては、いわゆる産業界、製造業での利活用ということで、例えば、自動車ですとかエンジン、ガスタービンなどの開発に、こういうシミュレーションを応用することにより、開発期間の短縮ですとか、開発コストの短縮、そういったものが可能になると考えております。
 21ページ目は、このスーパーコンピュータ施設の整備ということでございます。イメージ図をつけさせていただいておりますが、計算機をおさめる計算機棟に隣接して、研究者の利用に供するための研究棟といったものの整備を考えてございます。研究棟のあり方などは、ここでぜひご議論いただきたい事項になろうかとも思っております。
 22ページ目につきましては、プロジェクトの推進体制でございます。大きく分けまして、4つのパートがございます。
 まず、文部科学省におきます体制といたしましては、藤木審議官を本部長といたしますスーパーコンピュータ整備推進本部というものが文部科学省に設置してございます。ここで、プロジェクトの総合調整ですとか、予算、さらには、法律に関する事項などを取り扱っていくことになってございます。
 それから、ハードウエアの部分につきましては、理化学研究所が開発主体ということで、野依理事長を本部長とする次世代スーパーコンピュータ開発実施本部というものが設置されております。
 プロジェクト全体の実質的な統括をいただくプロジェクトリーダーということで、渡辺貞プロジェクトリーダーがその任に当たっているところでございます。
 理化学研究所の開発実施本部を中核として、日本の開発メーカー、富士通、NEC、日立製作所が共同開発の体制をとっているところでございます。
 アプリケーションにつきましては、ナノとライフそれぞれが分子科学研究所、それから、理化学研究所の和光研究所を研究開発拠点ということで研究開発を進めており、ハードウエアの開発と密接な連携を保ちつつ、シミュレーションソフトウエアの開発を行っているところでございます。
 産業界との連携という観点で、後ほどご説明させていただきますスーパーコンピューティングの技術産業応用協議会というのがございます。こことの連携も密接にとりながら、プロジェクトを進めております。
 産応協と呼んでおりますが、産業応用協議会につきまして、23ページ目をお開きいただければと思います。この協議会というのは、一昨年の12月に、産業界がこのスーパーコンピュータの産業利用を促進、推進するという観点でおつくりいただいたものでございます。当然、次世代スーパーコンピュータについては、産業界の方々も大きなユーザーということでございますので、我々といたしましても、こういった協議会のご意向ですとかご要望なども適宜お伺いしながらプロジェクトを進めているところでございます。ちなみに、この産業応用協議会には、真ん中辺に書いてございますが、現在、174の機関がご参加されておられると伺っております。
 24ページ目に、立地地域におきます動向という形で、少し資料をまとめさせていただいております。立地地域であります兵庫県、さらには神戸市におきましては、いろいろご検討が進んでいるところでございます。
 その大きな部分といたしまして、財団法人計算科学振興財団の設立というものがございます。これは、次世代スーパーコンピュータの活用促進ですとか技術支援といったことを行う中核的な機関ということで、県と市が中心となって設置を予定しているものでございます。
 主な事業といたしましては、特に、産業界の活用促進などを念頭に置いた高度計算科学研究支援センターの設置、さらには、共同利用の支援ですとか、産業利用の支援、普及啓発事業などを中核的に行っていく財団ということで、来年の1月に設立を予定していると聞いてございます。
 今申し上げた高度計算科学研究支援センターに加えまして、例えば、神戸大学ですとか、兵庫県立大学などにおきましては、全国の主要大学と協力、連携しながら、新たな教育研究組織のあり方について、有識者による委員会などを設置し、検討しているところでございます。
 こういった人材育成についても、神戸大学、さらに兵庫県立大学、県、市などが中心となって検討も進んでいるといったような状況でございます。
 26ページ目をお開きいただきたいと思います。ここでは、共用の枠組みといったようなものについて少し触れさせていただいております。
 実は、次世代スーパーコンピュータというのは、特定先端大型研究施設の共用の促進に関する法律といった法律に基づいて整備をされております。これは端的に申しますと、SPring-8(大型放射光)の施設と同様に、国として大きなものを1つ整備し、そこを皆さんに共用の施設としてお使いいただくといったような法律スキームでございます。
 大きな法律の枠組みといたしましては、1.に書いてあります基本方針。これは、文部科学大臣といいますか、国が基本的な方針を定め、基本的な方針の中身につきましては、1から5に書いてあるとおりでございますが、さらに、ポテンシャルを有している理化学研究所が設置主体、開発主体としてハードウエアなりを整備し、さらには、利用段階においては、公正かつ効率的な共用を促進するということで、開発主体、設置者である理化学研究所ではなくて、第三者である、登録機関と言っていますけれども、登録機関と言われるところが、利用者の選定ですとか、利用者の支援を行う。こういった構造をとることにより、開発主体である理化学研究所も1ユーザーとして使っていく。さらには、ほかの機関と同等の立場で、公正かつ効率的な共用を進めていくといったようなことになってございます。今後、こういう登録機関のあり方といったことなども、この場でぜひご検討いただきたいと考えております。
 今申し上げたような法律のスキームが、27ページに書いてございます。設置主体としては理化学研究所でございますけれども、利活用の部分、特に利用者の選ぶ部分と、利用者を支援する部分については、登録機関というところが業務を行うことができるという規定になってございます。28ページ目、29ページ目には、先ほど申し上げた、国が定めるべき基本的な方針といったものの概略を書かせていただいております。
 実は、この法律、昨年の7月に施行されておりますので、スーパーコンピュータについては、まだ物ができておりませんけれども、基本的な方針については、昨年の7月の段階でおまとめいただいております。その概要が、28ページ目、29ページ目に書いてございます。
 ごく簡単にご紹介申し上げますと、1.「基本的な方針」でございますけれども、あらゆる分野の研究者に共用していただくということ。それから、利用者にとって使いやすい環境整備を行うというのが大きな基本方針でございます。
 個別具体的な事項として、施設利用研究に関しては、研究分野とか計算規模に留意した計算資源の配分ですとか、また、課題選定などは、手続の透明性を確保しなさいといったようなこと。それから、国際交流ですとか、利用者に対する適時・適切な支援をしなさい。さらには、成果の取り扱い、理解増進などについて述べられております。
 29ページ目におきましては、施設の運営ですとか配慮事項といったようなことが書かれております。施設の運営につきましては、例えば、地理的に離れた計算資源を連携して利用できるということですとか、利用者に対する窓口の一本化、手続の簡素化、いわゆる使いやすい運営というのを留意すべきということ。
 それから、配慮事項として、この施設と大学研究機関等とのスーパーコンピュータをはじめとする計算環境との適切な役割分担、または有機的な連携の重要性といったようなことが書かれてございます。
 この基本方針につきましては、本来であれば、スーパーコンピュータの運用後を念頭に入れて策定すべきものということになってございますので、現在、基本方針については、学会ですとか研究機関等に対しまして意見募集を行ってございます。これは、来年の3月までの意見募集期間でございまして、この意見募集の結果なども踏まえながら、来年度以降、基本方針の改定作業ということにも着手していきたいと考えております。
 30ページ、最後のページでございますが、これまでのこのプロジェクトに関係いたします検討状況というのをまとめさせていただいたものでございます。
 ご案内のとおり、このプロジェクト、平成18年からプロジェクト自体が開始されておりますが、プロジェクトの開始に当たりまして、計算科学技術推進ワーキンググループといったようなものが設置されております。これは、情報科学技術委員会のもとに設置されております。
 ここでは、計算機システムの要件ですとか開発推進体制、アプリケーションの普及ですとか、人材育成などについての検討が行われ、この報告書がまとめられております。
 平成18年度に入りまして、線表の下のほうにございますけれども、共用ワーキンググループというのがつくられてございます。これは、福山委員に主査をお務めいただき、おまとめいただいたものでございますけれども、共用に関する基本的な考え方というのをおまとめいただき、この検討結果をもとに、文部科学省において基本方針を作成させていただいたといった経緯がございます。
 さらには、今年の3月から6月にかけまして、土居主査に主査をお願いし、スーパーコンピュータの概念設計の評価といったこともさせていただきました。
 このプロジェクトの進捗に合わせて、下の段にございますが、総合科学技術会議におきます評価というのも適時に受けてございます。非常に大きいプロジェクトということもございまして、平成17年の事前評価、18年のフォローアップ、今年にかけて行われました大きな評価といったようなものを受けてございます。
 今般、本作業部会を設置させていただき、これまでの検討結果なども踏まえながら、次世代スパコンを中核とした教育研究のグランドデザインの検討をしていただき、その議論の過程で、より深掘りすべき事項ですとか、今後、より詳細に検討すべき事項などにつきましては、新たに場を設置することも含めて、検討の場を考えていく。
 特に、現時点では、基本方針の見直しですとか、共用のあり方、登録法人の果たすべき機能などについて、将来的にはご審議をしていただきたいとも考えてございます。
 長くなりましたが、以上でございます。

【土居主査】
 どうもありがとうございました。
 本日は、初回でもありますので、この後の資料4及び資料5の説明も先にやっていただいてから、ご意見、あるいはご感想、ご質問を受け、進めさせていただきたいと思いますので、ご説明お願いできますか。

【関根スーパーコンピュータ整備推進室長】
 続きまして、資料4、資料5を続けてご説明させていただきたいと思います。
 資料4が、「当面ご議論いただきたい事項について」ということでございます。当面といいますのは、グランドデザインの検討する期間、どういった視点でご議論いただきたいかという、ある意味、事務局のたたき台というイメージでございます。
 まず、大きく4つ書いてございますが、1.が、次世代スーパーコンピュータそのものの関係でございます。
 2.が、スーパーコンピュータを中心とした、それ以外の機関などとの関係。
 3.が、教育及び人材。
 4.が理解増進といったような点でまとめさせていただいております。
 1.の、「次世代スーパーコンピュータの利活用のあり方」でございますが、(1)といたしましては、まず、次世代スパコンを活用した研究開発の推進についてということでございます。
 まず、どういった観点で次世代スパコンを活用した研究開発の活性化を図ったらよいのかといった視点ですとか、次世代スパコンを活用するに当たって、アプリケーションというのが1つ大きな視点かと思っております。こういったアプリケーションの開発ですとか利用の促進のために、どのような対策、方策を講じるべきかといった視点でのご議論があろうかと思います。
 (2)で、「共用の基本的考え方及び利用促進について」ということで、そもそも、共用施設としてお使いいただく次世代スパコンを、いろんな方にいろんな目的でお使いいただくということが重要かと思いますので、どういった考え方、理念で共用していただくべきか。特に、産業界ですとか大学の研究機関など、あらゆる機関がお使いいただくので、どういった環境の整備を図っていくべきか、そういった視点があるかと思います。
 さらには、非常に高度なシステムということもありますので、利用者への支援といったようなことが不可欠かとも思っております。どういった視点で、どういったサービス、支援をしていくべきかといったようなことも、ご議論いただければと思います。こういった対策、方策を講じるに当たっての関係機関の役割分担、連携、そういったものも重要かと思っております。
 2.で「スーパーコンピュータに係る全国ネットワークの形成・活用」というのがございます。大学等の有する既存のスーパーコンピュータと次世代スーパーコンピュータとの連携。先ほどご説明したような視点と、さらには、次世代スーパーコンピュータ、非常に性能の高い施設でもございますので、ある意味、段階的な利活用を図っていくといった視点でも、既存のコンピュータとの連携、役割分担というのが、次世代スパコンの利活用を促進する上でも重要かとも思っております。
 ある意味、ネットワーク、リモートでどういうふうにお使いいただくかという視点と、一方で、全国ネットワークの中核として、次世代スーパーコンピュータの立地地域に集積すべき機能というのがあるだろうといったものをどういうふうに考えるのか。さらには、我が国でも非常に大きなポテンシャルを有しております地球シミュレータとの連携、こういったものも考えていく必要があるのではないかと思っております。
 3.の「教育及び人材育成」ということでございますけれども、次世代スーパーコンピュータを活用した教育、または、人材養成をどのように展開すべきか。特に、教育または人材養成の主たる担い手というのは大学等になるかと思いますが、大学等がどのような役割、活動を期待するのかといったようなこと。加えまして、関係機関の連携、役割分担といったようなことをご議論いただければと思っております。
 それから、「理解増進」として、大規模投資、非常に大きな規模の投資をいたしますので、国民に対する持続的な理解の獲得といった観点で、どのような方策を講じたらよいか。さらには、次世代スパコンの利活用を広めていくといった視点でも、理解増進というのは重要かと思いますので、そういった視点で、どういうことをしていくべきかということがあると思っております。
 例えば、こういったような視点、ポイントを念頭に置いていただきながら、今後の議論展開をしていただければどうかなというのが、事務局としてのご提案でございます。
 それから、資料5も続けてご説明させていただきたいと思います。
 第1回、本日、プロジェクトの概要説明ですとか、今後の議論の進め方などについてご議論をしていただいた上で、20年6月ぐらいまでの予定で、月1回程度と書いてございますが、可能な限り、こういった程度で開催を考えております。
 先ほどご説明した資料4の、「当面ご議論いただきたい事項」に沿って、これまで情報科学技術委員会、または、そのもとに設置されましたワーキンググループでも関連の議論が行われておりますので、そういった議論を適宜、事務局で整理させていただいた議論のたたき台、それから、有識者の方や関係機関からの意見など、ヒアリングを絡めながら、毎回ご議論いただくような進め方ではどうかと考えております。最終的には、平成20年6月ごろに議論の取りまとめを行わせていただきたいと思っております。
 6月以降につきましては、その議論の過程で抽出された、より具体的な検討を行うべき課題につきまして、必要に応じて、別途、検討の場を設置するなどして検討を深めていただくといったことを考えております。
 以上でございます。

【土居主査】
 どうもありがとうございました。
 それでは、資料3、資料4、資料5ということで、今、続けて事務局からご説明いただいたことに関しまして、あるいは、その他のこと、初めてこのプロジェクトに関して聞かれる方がいらっしゃると思いますので、その他のことに関しても結構でございますので、ご質問、ご意見、あるいはご感想をいただければと思います。いかがでしょうか。何からでも結構です。

【坂内委員】
 水を差すわけじゃないんですけれども、次世代スパコンを活用した研究体制のグランドデザインというのが、これは財務省への説明ではないので、非常に重要なことなんですけれども、もっと重要なことは、やはり我が国が研究体制、あるいは教育体制をどうしていくか。そのデザインがあって、その中で非常に重要な要素としてのスパコンの開発体制、利用体制がどうあるかと、こういうことを常に念頭に置かないと、スパコンのための利活用のあり方という狭い視点に陥るのではないかということですけれども、そういう階層構造のもとに、スパコンを活用した研究開発体制ということを書かれて、グランドデザインということを書かれている、そういうふうに理解させていただいてよろしいんですかね。

【徳永研究振興局長】
 それは違うんじゃないでしょうかね。大学の教育研究体制を、だれが一体グランドデザインなんかするんですか。そもそも、そういうことを文部科学省が決めていいんですか、大学の情報に関するグランドデザイン体制を。我々が、どこの大学にどういう学科をつくって、入学定員何人だと。そんなことを……。

【坂内委員】
 いや、そのレベルのグランドデザインを申し上げているわけではない。

【徳永研究振興局長】
 基本的に、そういうことはしてはいけないんです。

【坂内委員】
 私が申し上げたいのは、今、大学の研究開発、あるいは産業界も含めて、次世代の非常に大きな武器を活用した研究開発にシフトしていかなきゃいけない。これは、欧米も含めて、大きな流れであって、我が国はそれに関しては非常におくれをとっていると。スパコンも、その非常に重要な要素だと思うんですけれども、それだけではなくて、例えば、データベースを、今、統合データベースが幾つか出てきますけれども、あれをどう活用するのか。バイオの分野では、やはりスーパーコンピュータだけではなくて、データベースを高度に活用するということも必要である。あるいは、ネットワーク上で、バーチャル・オーガニゼーションと言っていますけれども、例えば、IPS細胞のプロジェクト、これ、重要だとなったんですけれども、あのネットワークを守秘義務を守りながら、閉域のネットワークで、あたかも1つの研究組織のように動かすような手段、こういったことも非常に重要で、そういったものをつくり上げていく中で、そのシンボリックなものとしてスパコンがある。そういう意味でのグランドデザインということを申し上げているんですけれども。大学でどういうテーマとか、そういうことを申し上げているんではないんです。

【徳永研究振興局長】
 いや、そうじゃなくて、基本的にそういうものを論議する場ではないし、そういったことはまた別なスキームで考えなければいけないので、あまりそういうことを、逆にそれぞれの研究者の方々は常にそういうことを言いたがるわけですよね。そういうことはほんとうに正しいことなのかどうかと。要するに、すべての分野について、1個1個について、日本は社会主義国家じゃありませんから、一々、専門分野について、どういう形で教育研究を進めていくのか。そういったことについて、グランドデザインがなければ進んでいかないということではないので、やはり私どもとすれば、ある特定の具体的な与えられたテーマに関してはきちっと論議をする。しかし、ほかのところについては、あるいは、混沌とした中で、競争的原理、あるいは、さまざまな大学間の切磋琢磨によって、おのずから姿が見えてくる、そういったことに対して、一定の方向を提言するということがあっても、グランドデザインがなければいけないというような考え方は、私はとりたくないです。

【坂内委員】
 わかりました。

【土居主査】
 よろしいですか。確かに、ご心配の向きはあるかと思うんです。常々申し上げているように、我が国に関しまして、科学技術に関しては、いわゆる戦略がない。ないんだけれども、それをどうするかということに関して、今の局長がお話しされたような見解もございますが、いわゆる、どこがどのようにしてストラテジックに全体としての道筋といいますか、大枠を立てるかということに関しまして、我が国、総合科学技術会議も遠慮されているようですし、いろんなところが遠慮されておりますので、日本学術会議が取り上げることになりまして、今から進めますが、少なくとも、もう行き当たりばったりでやるという時代でないことだけは確かなので、あるところを見越してやらなければいけないことですが、何かに縛られて、がちがちの中でやるようなことではないと思いますので、その点は、それぞれ、皆さん方のお考えのもとにご意見をいただければと思います。よろしくお願いいたします。
 ほかには何か。

【宮内委員】
 今回議論することとは全く違うと思うんですけれども、世界ナンバーワンのすばらしいもので、国家プロジェクトとして進んでいくということで、いろいろお話を伺っていて、すごいなと思って、すごく期待を持ったんです。
 そうすると、期待を持てば持つほど、今、世の中で何が起きるかわからないので、脅威ということを頭のどこかに置いておかないといけないのかなと思って。例えば、ネットワーク化されるということですので、情報セキュリティーとか漏えいとか、そのあたりの対策であるとか、あるいは、地震だとか自然のことの研究にも使われるということですけれども、立地されるもの自体の地震に対する対応ですね。急遽、何かあったときにどうするかということであるとか、それから、最近、社会的な、テロが起きたり、スパイがあったりとか、何が起きるかわからないという状況の中で、せっかくすばらしいものができると、世界から注目されますので、何かあったときの対応というか、脅威に対する対応というのがちょっと頭の隅にあったら、もちろん考えていらっしゃると思うんですけれども、そんなふうに感じました。

【土居主査】
 ありがとうございます。極めて重要な話だと思いますので、ぜひ検討させていただきたいと思います。
 ほかにはいかがでしょう。

【山根委員】
 私もほとんど素人なんですけれども、今の地球シミュレータが、例えば、今回のIPCCの第4次報告書にものすごく貢献したと言われていますけれども、一般には、どの程度の貢献であったのかというようなことが、例えば、第3次報告書のときと格段の違いがあったと思うんですけれども、私も佐藤先生に随分お話を伺っているんですが、伺ったのはちょうど始まるころだったと思うんです。今まで運用してきて、何位とかいうのはそんな問題ではなくて、ソフトウエアは非常につくれると思うんですけれども、地球シミュレータで期待して、期待以上にできたこと、あるいは、世界に誇るべき成果がこういうものであったことと、期待してできなかったことというのは何で、その原因が何だったかという、当然ながら、地球シミュレータというものはほんとうに我々の誇りだったわけですから、これは今も変わらないと思いますけれども、それの上に、あっ、なるほどということで、どこに力を入れるべきかが見えてくるんだろうと思うんです。多分、皆さんはご存じだと思うんですけれども、意外と、地球シミュレータのすごいという話だけで、実際にどうだったかという、評価ということじゃないんですね。その辺のところをお教えいただきたいと思うんですけれども。

【土居主査】
 ありがとうございます。積み重ねの上に成り立っているところも多々あると思いますので、その点に関しましては、佐藤先生、どうしましょう。今というよりか、私がちょっと考えておりますのが、先ほど、事務局の説明がございましたが、今まで、情報科学技術委員会のもとでWGをつくって、福山先生が主査を務められた次世代スーパーコンピュータ共用WGだとか、いろんなところで検討していただいたものがありますので、それらをまとめてもらおうと思っているんです。それで、この場に出してもらおうと思っておりますので、佐藤先生からもそういうような形のものを、ある程度のところでよろしいんだと思うんですが。

【山根委員】
 多分、細かなハードウエア、あるいはソフトウエアについて、皆さん、実はもう相当できているんだろうと思うんですけれども、例えば、SPring-8なんか拝見していると、24時間食事ができる場所があるとか、意外とそういうことが大事で、そういう面での研究者の皆さんが苦労しないような設備があるのかどうか。SPring-8では、食事をするカフェテリアみたいなものを充実させたので、観光でやってくる見学の方たちがそこで非常に喜ばれて、レストラン8とかいうんですか、そういうことを聞きましたけれども。そのレストランが動いていることによって、研究者の人たちが食事にも困らずに、夜中でも仕事ができるとか、そういう相乗効果があると聞いているんです。そういうことが、まあ、横浜ですから、食べるところはいくらでもあるかもしれませんが、実際に動き出すと、そういうことが一番深刻なんじゃないかと思うんですけれども、そういうことも含めての期待していたことと足りなかったことというのが何かというのを伺いたい。

【土居主査】
 佐藤さん、何か。

【佐藤委員】
 今の山根委員のご質問は、当然、ここのところで何らかの形でそういうものは示していかなきゃいけないだろう。今、話し出しますと時間がありませんので、今日は遠慮させていただきますが、先ほども少し、それに関連した形で、今、坂内先生のほうから言われた、私も実は同じような考えを持っているんですが、今、局長から言われましたので、それに関してはわかりましたけれども、もう少しブレークダウンしたところ、例えば、地球シミュレータというものが、現在、どういう形でとらえられて、そして、今後どうしていくかという問題に関しても、正直言いまして、昨日、24日の予算のところでは、地球シミュレータは日本のフラッグシップとしての役割は終えたと。だから、新しい形で海洋研究に特化したようなレンタルの形に変えると。そういったようなことが総務省から意見として出たわけで、そういうことを多分ご存じない方が多いのではないか。
 そうしますと、やはりこういった情報がどこで決められて、どうなったかというのは非常に重要な、今後のスパコンをどうしていくかに関しても重要な問題で、非常に大きなグランドデザインに関しては先ほどの話でわかったんですが、これに関した形でも、例えば、地球シミュレータというものの行方に関して、どこかでほんとうに議論されたのだろうか。そういうことなしに、総務省の行革のほうからそういう答えが出てくるというのは、もしそういうような形ならば、ここで一生懸命議論していても、違うところで別の結論が出てきたのでは、せっかく議論したことが必ずしも生きないのではないか。そういう意味で多分、もう少し大きい意味で坂内先生は言われたんだろうと思うんですが、個々の具体的な、例えば地球シミュレータの問題にしても、そういった問題が起こり得るという。したがって、もう少し次世代シミュレータに関してでも、それに関連するようなところの範囲内で、ある程度、現状がどういうところでどういう形で決まっていくのかというようなことがわからないと、ここにも、地球シミュレータとの連携をどう考えるかということも1つの項目に出ているわけですけれども、この辺のところは当然、海洋の考え方というものも重要だろうし、そういったところとのすり合わせをどこでやるのかということも、ここでせいと言うんじゃなくて、そういう情報がないとなかなか進まない部分もあるんじゃないか。真剣に議論できない部分もあるんじゃないかという、少しそういった点の、今の山根委員の話と関連して、ちょっとコメントさせていただきました。

【土居主査】
 ありがとうございました。
 したがいまして、佐藤先生、次回までに、何か形でおまとめいただいたものをお出しいただきたいと思いますので、事務局と相談させていただいた上で、お願いできますか。

【佐藤委員】
 はい、わかりました。

【知野委員】
 今との関連なんですけれども、やはりスパコン開発で競争を続けているということは、一般の人たちもかなり知っていて、地球シミュレータというのは非常に有名だったわけです。今度、大きなものをつくっても、いずれ競争が来て、またその後もさらに新しいものが必要になってくるのではないかと思っているわけです。
 この間、実は某所で雑談をしていたときに、地球シミュレータというものをぽんと捨てるらしいという、そういう話が話題になりました。大規模投資に持続的な理解ということになりますと、前にやっていたものも含めて、今後どのようにしていくんだという関連性を含めた検討や説明をきちんとしていかないと、納得してもらえないのではないかと思っています。

【土居主査】
 ありがとうございました。

【松本委員】
 私は、ちょうど大学を出たのが四十何年前ですけれども、電子計算機が世の中に出たころに、学生時代の仕事を始めました。それ以来、スーパーコンピューティングということにも興味を持ちまして、仕事柄、大学共同利用センター、大型センター、あれを利用させてもらいながら、いろんな分野の研究者と交流しながら、シミュレーションというものの魅力をエンジョイさせていただきました。
 そういった意味で、現在、地球シミュレータを経て、次世代のスーパーコンピュータというような、国にとって、あるいは研究社会にとっても大きなものになったという考えを強くしているところでございますが、先ほど、局長からもお話がございましたように、こういうものは、これやるから研究しなさいと言って、すぐ研究者は飛びつきません。魅力があるから飛びつくわけでして、そういう意味で、1つ、大変重要だと思いますのは、地球シミュレータセンターでも若干お手伝いをさせていただいたことはあるんですけれども、いろんな分野でシミュレーションというものが武器になってございます。ほんとうに広い分野で。これ、オールジャパンで、いろんな方々がされていることはよくご存じだと思いますけれども。問題は、リソースがいくら速くなったといっても有限で、シミュレーションをやる人は、無限に欲望がでかいんです。ほとんど無限大です。そういう意味で、必ず利用者の調整、あるいは時間の配分ということが大きな問題になるだろうという意味で、最後に登録機関という話が出てまいりましたが、これは現在、神戸地区で、兵庫県でスタート、研究を始めておられますけれども、冒頭に話が出ましたように、これ、日本全体の、しかも、あらゆる分野の方々の意見をうまくくみ上げる仕組みが、この委員会をベースに、ぜひスタートしていただきたい。これ、強い思いを持っております。
 特に人材育成に関しまして、当然、地元は地元で大いにやられますが、やはり人材といいますのは、これやれと言ってできるものじゃございませんので、いろんな大学、あるいは産業機関においてやられるような体制を支援するという仕組みを、ぜひこの委員会で議論していただきたい。特に人材育成に関して、既に兵庫県も努力しておられますので、これは支援をしたいと思いますが、関西地区のみならず全国版でやるということは大変重要だろうと、そういうご指摘だと思っておりますので、この委員会に期待しているところでございます。

【土居主査】
 どうもありがとうございます。ぜひ、そういうようなことを含めて、この場で議論していただければと思います。
 審議官、何かありましたか。

【藤木大臣官房審議官】
 ありがとうございます。先ほどの知野先生のご指摘があったものですから、ちょっとコメントさせていただきたいと思いまして。
 地球シミュレータ、いずれ撤去するというお話でございましたけれども、こういったスパコンというのは、いずれ寿命があると理解しています。過去の世界一になったスパコンであります数値風洞とか、あるいはCP-PACSも、やはり技術の進歩に伴って、あの大きさ、あの速さでは、もはやコンピュータとして世界に残っていけないという状況になったときに、既に撤去されております。地球シミュレータも、オリジナルの性能では、今、世界30位ですから、まだコンピュータとしての力は十分残っていると思いますけれども、ただ、先端研究をやるという性格上、まだ十分競争に勝てるという状況ではないという状況になれば、それはやはり別のものに進化していくという段階にならざるを得ないということで、今、地球シミュレータがその段階に差しかかりつつあるんだと理解しています。
 だから、そういう意味で、形上は地球シミュレータの寿命が尽きたとしても、それはスーパーコンピュータというものの性格上、そういう時期はいずれ来ると理解しておりまして、次世代スパコンにつきましても、もちろん四、五年後に完成した暁には、もちろんトップになるということでやっているわけですけれども、それからまた数年たっていくと、必然的に世界でもっとすごい機械が出てくるだろうということですから、我々、やはりこのスパコン政策というのは、単発の政策ではなくて、持続的政策だと理解しておりまして、たまたま地球シミュレータから、今回の次世代スパコンの間はかなり時間があいてしまっているということもあって、地球シミュレータがその間に、世界的に見ると随分順位を落としてきたというのがあると思いますので、持続的だということを考えると、次世代を考えつつも、さらにその将来、次々世代は一体どういう姿なのかということも場合によっては念頭に置きながら、スパコン政策を考えていかなきゃいけないのではないかと思います。そういう個々の機械を見れば寿命が尽きていくんだけれども、スパコン政策全体としては、絶えず最先端を走っていくという、そういう持続的政策だと思っておりますので、過去のスパコンについて、一定のところで寿命が尽きていくというのは、これはやむを得ないことではないかと理解しておりますので、先ほど、知野先生、なくなってしまうと国民の理解が得られないんじゃないかというご指摘あったと思うんですけれども、我々は絶えず、この世界は上昇していく世界なんだということを前提に、国民の理解を得ていかなくては、実態と合わないのではないかという気がいたしますので、それもよく議論していただければと思いますので、ぜひよろしくお願いいたします。

【松本委員】
 審議官の言われたことはそのとおりだと思いますが、重要なポイントで、多分認識しておられると思うんですけれども、シミュレーション科学、スパコンを利用したいろんな科学技術の進歩の中で、一番大きなものは、箱の進歩、ハードウエアの進歩以外に、ソフトウエアというか、知的財産の蓄積ということは大変重要でございまして、そういう意味では、昔でいうと大型センターの周辺に集まった研究者たちのノウハウ、各分野でございますけれども、地球シミュレータで蓄積された科学の進め方、技術の進め方のノウハウ、これが続いていくんだということを世の中に強く言っていただいたほうがいいと思うんです。速さだけで勝負するんじゃなくて、遅くとも成果は世界一ということはいくらでもあるわけで、多少遅くても、時間積分すれば、これはトップになれるわけですし、何よりも中身が重要でして、ソフトウエアの蓄積というものが我が国は大変あるんだというポイントを、知野さんのポイントに関して、ぜひこの委員会としても発信していただきたいと思います。

【坂内委員】
 私も直接関連して。
 さっき申し上げたことと、今、松本先生がおっしゃったことが非常に一致しているんですけれども、やはりシンボリックな次世代スパコンをベースに、過去のソフトウエアだけではなくて、データベースとか、やはりスパコンのシミュレーションの結果自身をためて、我が国、あるいは世界が活用できるような仕掛けを念頭に置いて、ぜひやっていただきたいと思いますので、そういう意味では、地球シミュレータの知見というのも非常に大事で、それをどう継承していくか。ハードウエアの問題は別として、次世代スパコンを機に、我が国をそういうふうな研究のスタイルに持っていきたいなというのが私の最初の意見でございました。

【土居主査】
 ありがとうございました。

【川添委員】
 さっきからの話の中で、スパコンは、実はハードじゃなくて、計算機として機能を借りている。普通、僕ら、大型計算機センターとおっしゃるやつは、基本的にレンタルしているんですね。レンタルしているのは、物じゃなくて機能だという理解なんですね。機能といったものの、実際は物がついていますから、5年ぐらいたつと、大体10分の1ぐらいのエネルギーで同じ機能が出せるんですね。10分の1のエネルギーで済むものに10倍エネルギーかけるのかという環境問題のほうを考えないと、僕らの自慢しているシミュレーションというのは、実験をやるよりも環境に優しく設計できますと言っているのに、実験やったほうがいいんじゃないかという話になってしまいますので、環境を深く考えないといけないので、スパコンの一番の問題は電気代であるということを認識していただかないと、ハードの値段を取り上げる人が多いんですけれども、そういう問題じゃないですね。機能の問題を提供している、計算されたのはたくさんあるんですけれども、先ほど、松本さんがおっしゃったように、利用者のほうは無限に速さを要求してきます。
 今、大きな計算機を1台入れる話で、ここで話をすることになっているんですけれども、議論すべき内容というのを見ますと、みんなが使えると思っちゃうようなことがあって、実は、1台は、大きくても小さくても1台で、パソコン1台で済む人も、超巨大なもの1台をパソコンに使う人もいるんですね。パーソナルコンピュータとしてスパコンを使うという話になっちゃうんです。すごく大きいんだけれども、100倍大きいから100倍大きい計算ができるわけじゃなくて、僕らみたいな計算ですと、2倍くらい大きなシステムを扱うと、100倍ぐらい計算機能が増えちゃったりするんです。そのために、要するに、大きな計算機をたくさんの人がシェアして使うのかという問題もあって、情報基盤センター分としては、先ほど局長がおっしゃったように、皆さん、研究者は自分のやりたいことをご自由にお使いくださいというスタンスでずっとやってきていたんですけれども、大きな計算機を、皆さんご自由にお使いくださいというのは、ここに書いてあるように、要するに、支援するのをどうするかとか、ちゃんと機能を発揮できるようにできるのかというと、とても難しくて、そこら辺のものも、ここで何か考えていかないと、みんなで、どういうことをどう使うかというシェアリングの問題で、先ほどから、佐藤先生がおっしゃるような、ネットワークを使って、みんなで日本にあるリソースをどうやって使うかということのほうが問題なんですね。その機能はみんなで発揮させないと、1台の問題ではないんですね。
 確かに、昔々、1993年にベンチマークレポートが始まったころは、日本の計算機、山ほど上にいたから、こんな問題起こらなかったんですけれども、今、ほとんどいなくなって、10番にも入ってないという状況で、1台だけというので、社会問題になりかねないぐらい目立っていますけれども、問題はそうじゃないんです。日本中にある計算機ソフトをどうやって使うか。それから、そこをみんなでうまくやるためにどうするかということを考えていかないと、特化してしまって、そこだけやると、すごく間違ってしまう。
 それから、今言ったエネルギー問題なんかについても、先ほど、すごいストラクチャーで委員会をやり、1台、何に使うということだけに集中されると、問題が違うことになっちゃうと思うので、情報基盤センター分としても、皆さんがちゃんとお使いになれるようにしますけれども、こういうところも含めて、パソコンも含めて、みんながリソースをちゃんとシェアするということだと思いますので、その辺でよろしくお願いします。

【土居主査】
 ありがとうございます。

【吉良委員】
 私、コンピュータは素人ですけれども、私はSPring-8から来ました。SPring-8というのは大きな機械で、みんなで使うという精神でつくられて、矛盾しているところは、世界一の高性能を持ったのを、みんなして平等に使いなさいという精神で運営して出発したというところだったと私は思っています。やはりそれなりの使い方をしなくちゃいけないと思います。
 何かというと、2つあって、機械は世界一だというのは、これは1つのマークになるわけです。だけども、それがもつのは数年であって、その機械を使って何をやったというのが次の問題で、コンピュータなら当然それを言われるわけで、そこの設計がないとだめで、SPring-8はハードが非常に難しかったものですから、ハードのほうに人もエネルギーも割き過ぎて、ソフトを立ち上げるのに10年近くかかってしまいました。
 ですから、コンピュータのソフトの事情というのは知りませんけれども、特に、SPring-8は、今、改めて申し上げますけれども、10年間、世界一なんです。コンピュータは、さっきまでの話によると、3年から4年ぐらいしかもたないらしいですから、その間に輝かしい成果が出るようなシステムをつくるというのが非常に大事なポイントで、支援の体制をそういうふうにする必要があると思います。
SPring-8の場合、何が問題かというと、つくるほうに力が入り過ぎていて、支援体制が弱かった。要するに、従来のプロ中のプロが使えるような支援体制しか持たなかったということです。
 ずぶの素人、コンピュータの場合、素人と玄人の区別がわかりませんけれども、そういう人がいいテーマを持っていて、ほんとうにいい成果を出してくれるような人が使えるような体制というのをまずつくることが大事で、もし、一般の人にあまねく使わせるというのが指針に入っているんだったら、そこのところと、ほんとうにいい仕事をやるのをどう仕分けるかというのをもし持つんだったら、それを考えないと批難ごうごうで、その対策で三、四年、日が暮れますので、そんなことのないようにするのが大事かと思います。

【土居主査】
 ありがとうございます。

【有川委員】
 手元の資料の2のところの最後にございますけれども、研究環境基盤部会というのが、これは学術分科会のもとにあるんですが、その下に、学術情報基盤作業部会というのがございまして、そこで、主に3つのことを扱っているんですが、これに関することとしましては、コンピュータとネットワークということで、特に、それを急いで議論するということで、有識者にお話を伺ったりしているところでございます。
 今、ちょうどお二方から出ましたようなことなどを中心に議論している状況だとご理解いただいてもよろしいかと思うんですが、つまり、古く言いますと、大型計算機センターというのが全国共同利用でございまして、今、それが情報基盤センターとなっていますし、それは7つあるわけですが、それから、今日も出ました、今、日本で最高速度のTSUBAMEとか、筑波とか、実質的に全国共同利用のセンターになっているようなところがあるわけですね。そうした、いわゆるスーパーコンピュータを皆さんで使える状況にあるものが10個程度ある。そして、研究所等で自前で持っていらっしゃるのはもちろんあるんですけれども、坂内先生がいらっしゃいますけれども、それは高速ネットワークでつないで使える状況にあるということがございます。
 ですから、今回の次世代スパコンが、ただ1つ、ぼんと、しばらく世界トップを走るのがあるというだけではなくて、そういった階層構造が既に形成されているんだと。しかも、そこはソフトの蓄積も技術的な蓄積も相当あるわけですね。そして、非常に幸いなことに、それのほとんどが情報基盤センターとなったときに、人的な増強を相当やっているわけです。そういったものを使いながら、これとタイアップしていく、バックアップするというようなことは、今後、十分考えていけるんではないかと思っています。ですから、単独で1つすごいのがあって、それを更地にできるという状況ではないんだということは理解しておいていただいていいのではないかと思います。

【土居主査】
 ありがとうございます。

【福山委員】
 今までいろいろご議論あったこと、従来の計算機支援、国が長い間投資してきて、蓄積がある。それの上に、今度、次世代をどう位置づけるか。それと同時に、次の世代の人材育成をどうするか。この委員会で議論すべきテーマは大変多くて重いと思うんですけれども、タイムスケジュールを確認したいんですけれども、これから6月までに、いろいろ大きな問題を議論する。その際に、実はパブリックコメントが今されていて、それにいろんな意見が出てくると想像しているんです。既に出ているかもしれません。
 実は、昨年、ワーキンググループとして随分いろんな議論をして、問題のありかを大分整理して、それはレポートになっているんですけれども、それをもとに、さらに、例えば、私の属している物質科学の分野では、計算機科学の連絡会というのをつくっているんです。そこでもいろいろ議論を深めていて、そこの中で、今までいろいろ伺わせていただいた意見、議論されていて、そういうのはパブリックコメントに出てくるだろうと思うんです。
 それのデッドラインが、たしか3月の末なので、ここの委員会の進行の度合いと整合性をうまくとれますかね。つまり、パブリックコメントの意見も、こういうところでの議論の対象になる。いい意見がいろいろ出てくるんだろうと思います。例えば、人材育成に関して、大学院教育、オンサイトと、全国にある大学院の関係をどうするかとか、計算機資源に関してもそうです。パソコンから始まって、大学の計算機センター。それの上に、次世代はどう位置づけられる。それに関して、随分いろんな議論をしました。そういうのを、せっかくですから活用していただくと、時間の有効利用、議論が深められると思うんです。パブリックコメントのデッドラインが3月末だとすると、この委員会のほうが先に議論することになりますけれども、そこをどう考えたらよろしいですか。

【勝野情報課長】
 パブリックコメントとの関係についてなんですけれども、一応、今、福山先生からお話がございましたように、来年の3月までということで、先ほど説明申し上げました基本的な方針ということについてのパブコメをやっているわけなんですけれども、いろいろな形で、基本的な意見から、具体的な施設の活用とか、あるいは、利用成果の扱いとか、かなり各論的な意見まで、さまざまな意見というのが予想されると思います。
 ですから、この委員会の中で、ある程度、3月までの段階で、この委員会の議論として参考にしていただけるような意見というものが出てまいりますれば、それは議論の参考に供していきたいと思っておりますけれども、より各論的なご意見等につきましては、先ほどご説明しましたように、ここは6月までに基本的なグランドデザイン、あり方についての議論をしていただいて、より深めていただく各論的な議論は、それ以降の検討という形で、いわば2段階の整理でやっていきたいと思っておりますので、その辺の議論を整理して、各論的なご意見はむしろ後ろの段階の議論に供していくというようなことも、そこは十分あり得るんじゃないかと思っておりますので、できるだけいただいた各研究コミュニティー等からのご意見は、全体としてこれからの議論に反映されるように、事務局としても工夫していきたいと考えております。

【徳永研究振興局長】
 若干、委員の先生方に失礼な言い方になるかもしれませんけれども、先ほど、私、冒頭にあいさつ申しましたとおり、ここは審議会のご意見を伺うということよりは、私どものお願いで作業していただきたいということでございまして、一方で、また21年度に向けて概算要求をしていく。また、今後、スパコンをやっていくために、さまざまな施策を展開していく。そういったことの中で、我々としても、先生方からさまざまなお知恵を出していただいて、あるいは、具体的な作業をお願いして、そういったことを具体の施策ということ、あるいは、そういったパブリックコメントを求めていくような政策形成の中のいろんなことに役立てていきたいという部分がありますので、ある意味では、文部科学省の、先ほど、藤木審議官をキャップにしました次世代スーパーコンピュータ整備推進本部といわば一体の形となって、そういったことについてさまざまな知恵袋としてご意見をどんどん出していただいて、そのことが、ある段階ではオフィシャルな形でオーソライズされる場もあるでしょうし、あるいは、そうではなくて、それが行政内部の手続として、どんどん次に進めていくための作業の場、そういう場でございますから、あまり他の場合でのオーソライゼーション手続と、そんなに厳密に考えていただく必要はないんじゃないかと思います。

【土居主査】
 よろしいですか。もっとも、3月末が、この資料5にありますように、まずの取りまとめが6月を目途と、こういうことですので、主だったものというのは、ある段階でこちらにインプットされるというような理解でよろしいですよね。

【福山委員】
 申し上げたかったのは、今日、いろいろ伺った意見、ほとんど前に、我々が議論したことで、メモにもまとめてあって、そういうのが具体的な内容まで含めたような提案が、パブリックコメントとしてかなりいいご意見が出てくるんじゃないかと想像して、そういうのをぜひ有効活用していただければという、それだけの趣旨です。

【土居主査】
 今、福山先生がおっしゃられたように、先ほど申し上げましたが、今までのWGで何が、参考資料集の中には入っているわけですが、あるいは、総合科学技術会議の評価の結果も入っているわけですけれども、これはかなりの量になりますので、その辺のWGでやってきていただいたことを、それなりに整理していただくことを事務局にお願いしようと思っているんです。
 それで、先ほど、地球シミュレータ、佐藤先生にお願いしたものを含めて、次回あたりのこの場に出していただいて、それでまた、それをたたき台にして議論していただこうということを考えておりますが、今日はともかくも第1回で、今まで、このプロジェクトに関する情報を一切お持ちになっていらっしゃらない方もいらっしゃるものですから、これは自由にご質問、あるいはご意見を賜ればということを考えたので、重複している部分は多々あると思います。

【加藤委員】
 次世代スーパーコンピュータ作業部会のアウトプットとして、ナノテクノロジーとライフサイエンスと書いてあります。そこで、ライフサイエンスのほうからコメントをさせていただきます。
 16ページに書いてあるとおり、期待される具体的なアウトカムとして、「新薬候補物質を高精度かつ高速に探索すること」とすばらしい内容が書かれています。ただ、1点気になりますのは、内容はハードウエア、あるいは、現状のソフトウエアが持っているポテンシーに合わせて考えられたのではないだろうか。実際に、ライフサイエンスが求めているニーズに合っているのだろうかという議論をもう一度やっていただきたいと思います。
 100万、あるいは150年かかる計算を6カ月でという数値、これは多分、既にワーキンググループで議論されていると思いますが、100万化合物という数は、ライフサイエンスベースで考えますと、非常に少ない数です。実は、ケミカルスペースという観点から、理論的には10の60乗個の化合物があると言われています。そこから考えていくべきもので、100万というのは矮小な数です。そういうわけで、実際にニーズに合った数から議論を起こしていただきたいと思います。
 もう1点、計算に6カ月という期間が書かれていますが、これは、医薬品を開発する上では非常に長いと考えております。できれば、これを1時間あるいは1日ぐらいで終わる仕組みをつくっていかないと、世界の医薬品会社と競っていく上では難しいと思います。「できることから」ではなくて、「ニーズは何なのか」という議論を、ぜひとも今後の部会でお願いしたいと思います。

【土居主査】
 ありがとうございました。
 ここに至るまでは、いろいろな経緯がございまして、情報科学技術委員会の下の計算科学技術推進WGでアプリケーションの絞り込みをされ、それを受けて、ブレークスルーをというようなことで、この2つのものが一応絞られたというのがございます。
 さらに、それを受けて、理化学研究所と分子研が拠点となって、もともとのところから、これに向けての絞り込みをやっているということがございますので、当初からこれではないということは確かなんですが、今のようなことで、先を見越したような検討は極めて大事だと思います。

【藤木大臣官房審議官】
 大変大事なお話、ご指摘いただいたと思います。先ほどからもお話に出ておりますとおり、これ、機械をつくるプロジェクトではございませんので、実際にそこでどのようなシミュレーションなり計算ができるかということが大事でありますので、ご指摘のような、まさにライフサイエンスだったらライフサイエンスの本流は何か、一番求められているのは何かという、そこに対応するようなソフトウエアが開発されていかなければいけないと思います。
 今、ライフサイエンスについて申しますれば、アプリケーションの開発拠点は理化学研究所でございますけれども、そちらのほうで開発しようとしているアプリケーションがほんとうに求められているものなのか、学術的観点、産業界の観点、いろんな観点があると思いますけれども、今、ほんとうに大事なものなのか。そういう点から、今、理化学研究所の中で、みずからまず評価、点検をしていただいておりますので、その評価結果がある程度まとまりましたら、この場にも適宜報告させていただいて、ご議論をお願いするという場面が出てくると思いますので、そこの時点で、ほんとうに必要かどうかという議論をぜひやっていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

【土居主査】
 お願いいたします。

【川添委員】
 この話の中にもう一つあって、大事なのは、下方展開という言葉がありましたよね。大きなのをつくるんだけれども、計算機も大きなのをつくったという技術があって、F1の車をつくったら普通の車をつくれるという意味の話をしていたと思うんですけれども、計算機はそういうことができる話がたくさんあるんですけれども、プログラムの話、ソフトウエア、今、お話に出ていることからいくと、計算機、山ほどある。先ほど申し上げたパソコンからPCクラスタで使っている多くのプログラムというのは、今、日本の場合、残念ながら、アメリカのプログラム、ライフサイエンス系は特にそうだと思うんですけれども、材料系でも相当の部分が欧米系のプログラムなんですね。日本のプログラムでオリジナルのがなかったのかというと、そんなことはなくて、たくさんいろんなことをやっている。
 それから、プログラムだけじゃなくて、定式から何から全部日本でやっていたというのがあるんですけれども、それを世界的に広めていくレベルのことというのは、ちょっとサポートが足らなかった。ここの中に書いてある言い方ですと、支援とか人材育成というところですが、どうしてもそちらのほうに、研究者である僕らがやると、なかなかつらいんですよね。オリジナルなことをやっても、人に使えるレベルまで持っていくというのはただごとじゃないんですね。今回、絞り込みと今おっしゃった、平尾先生とかやっていらっしゃるところでそういうことがなされているときに、ほんとうにオリジナルがこの後出てくるときに、どうやってやっていくかという話というのは、ほんとうは一番大事で、次世代、次々世代と続いていくといったときに、先ほど申し上げた機能という意味で、計算機で何をするかというときに、そこのところの人材育成も含めて、日本の国で、今、現状、ほんとうに驚くべきことです。地球シミュレータのほうはオリジナルのプログラムなんですけれども、一般に研究室その他で使っているプログラムって、日本製はほとんどなくなっちゃって、ワープロやるのがなくなったのと同じレベルで、ほんとうに科学技術計算用のプログラムというのは驚くべき状態ですから、そこは絶対ここで改善していくという意味の、ほんとうに上でつくったけれども、大きな計算機だけで動くプログラムを頑張ってつくるという意味ではまずいと思うんです。そこは、ここできちんと決めていただきたいと思います。

【土居主査】
 ありがとうございます。今の下方展開というのが、もともとの考え方としてあるわけで、F1なんていう話は、私が持ち出したような記憶もありますが、要は、F1をつくり、これをずっとつくり続けるということが、先ほど、審議官のお話もございましたが、あったと同時に、それを下方展開して、要するに、高級車をつくる、一般大衆車をつくる、あるいは小型をつくるという方向で展開していき、我が国の研究だけでなく、産業を支えるというところまで持っていく必要があるのではないでしょうかということで、もちろんソフトウエアを込みにしたもので考えているわけですが、そんなようなことで、今の川添先生のようなご意見で、これも極めて大事だと思うんです。

【山根委員】
 今、タスクですよね。だから、どういう成果を出すかということが、せっかくこれだけのものをつくるには、日本が世界に誇れる成果を出さなくちゃいけない。そうすると、必ず成果というのは、何年以内でやるかということを決めなくちゃいけない。
 どうも先ほどから伺っていると、地球シミュレータが2002年3月に動き出して、3年目には7位になって、5年で30位になって、大体8年で次の世代にかわるということを考えますと、次のスパコンは寿命を何年と考えるかというところがありますよね。ハードとしては、それが更新しなければいけないとなると、神戸のポートアイランドというのは、8年後になくなるのかということも含めて、どういう計画でいらっしゃるか。そんなに寿命が短いか。しようがないですね、コンピュータ、そういうものですから。それはもうしようがないんですけれども、という見通しですね。それは多分、神戸側の皆さんにとっては非常に不安なことではないかということが1つ。
 それから、8年なら8年、5年でもいいんですけれども、その中で、5年でこれだけのことをやろうというようなタスク設定があっていいんじゃないかなという気がするんです。そこで、やっぱり世界に誇れるソフトウエアをつくり上げようということが多分大事で、それをつくり上げることによって、次の世代のコンピュータにもそれが使われていくということがいいのかな。
 国として、国の予算を使うから、民間で皆さんで使えるようにと文科省として気を使っていただくのはいいんですけれども、国の仕事ってものすごくあるじゃないですか。例えば、防災のほうとか、E-Defenseがすぐ近くにあるんですけれども、これにはどうも入っているみたいですけれども、こちらにはE-Defenseの話はなくて、SPring-8だけの話でしたよね。例えば、防災系がどんなふうにリクエストを持っていらっしゃるか。実際にあそこで物を壊してシミュレーションをやっているわけですから、それと組み合わせるということは、地震を経験した神戸にとっては大事な研究ではないかという気もしますし、あるいは、ITSで何とか日本が今、イニシアチブをとろうとしているときに、巨大な都市全体の交通をリアルタイムでシミュレートしながら交通管制していくような、そういうものも日本から世界に出そうとか、もう少し遠慮しないで国益ということを出されてもいいのかなという気はするんですが、お考えを伺いたい。

【徳永研究振興局長】
 基本的に、次世代スーパーコンピュータは、一番最後にご説明しましたように、特定先端大型研究施設の共用の促進に関する法律に基づいて、産業共用ということを前提につくられているものなんです。ですから、そこは、もちろん情報科学の進歩、これによって、ハードウエア、ソフトウエアに関して、情報科学を進展させていくという側面ももちろんありますけれども、法律上の基本にあるのは、産業界、学術界共用のツールとしての高速計算機をつくるというところが、いわば基本構想にあるわけでございます。
 したがって、それぞれの分野で、もちろんツールを使う立場としては国というものもありますから、それぞれの立場で、防災の観点、あるいはさまざまなセキュリティーの観点から、それをツールとして活用するということは当然考えられますが、私どもがここで、文部科学省の研究振興局としてこのプロジェクトを進めていくというのは、このことによって、ハードウエア、ソフトウエア両面にわたる情報科学の進展と同時に、ツールをつくっていくということが、初めから二重成果としてございます。ですから、そこのところはぜひわかっていただきたい。
 先ほど、吉良先生のおっしゃったSPring-8、私の局で所管しているわけですけれども、SPring-8も、10年前につくる段階では、世界最高の性能の高輝度、高エネルギーの放射光をつくったわけでございますが、今、そういったものは、新しいX線自由電子レーザーというものに置きかわっている。しかし、それであれば、SPring-8は現在、もう要らないのかということではなくて、むしろSPring-8は産業のツールとしては、これからが旬であるということも言えるわけでございまして、当然、そんな先のことを、私が今、断言できるわけではありませんけれども、例えば、神戸というものを中心に、今後、次世代スーパーコンピュータを使って、さまざまなシミュレーションをしていく。そういうCOEといったものが形成されていけば、仮に次世代スーパーコンピュータそのものは8年ぐらいで世界ランキング上の寿命は尽きるとしても、当然、現在、数値風洞についても、CP-PACSについても、それにかわるスパコンを入れて、レンタルの形で使っているわけでございますから、その意味では情報科学のフロンティアではないかもしれませんが、スパコンを使って、ツールとしてさまざまな産業応用、学術利用していく意味での拠点であることには変わりないわけでございまして、そういう意味では、当然、地球シミュレータもある段階では、ベンダーからレンタルするということになると思いますが、だからといって、撤去するということは、今使っているものは撤去しますけれども、そのかわりのスパコンがないというわけではないわけで、そういう意味で、これは多分の話ですから、ここでお約束ではございませんが、神戸を中心に、スーパーコンピュータを使って、さまざまなシミュレーションをしていく。そういったものは、仮にレンタルしたスパコンを使ってもあり得るだろうと思っております。
 そういう意味で、この委員会、大変難しいのは、情報科学にわたることの具体的な発展に資する具体的な方策ということを検討しながら、一方で、先ほど、吉良先生から出ましたように、正直申しまして、担当者というのは、まずは開発マインドを持っておりますから、世界最高のものをつくるというマインドは当然先行するわけですけれども、実際、そういったものが効能を発するのは、いわばそれをツールとして使う。そういう意味では、支援ソフトウエアというものをどうやってつくっていくのかということについても、十分議論していただく。
 私も、予算が終わって少し気楽な立場で申しますと、今、私なんか、ピュアサイエンス上の大きな宿題が、インターナショナル・リニア・コライダーという、1兆円近くかかる加速器をつくれみたいな話があって、私からすれば、そういうものを、先ほど、土居主査もおっしゃいましたけれども、これから全部実験でしていくのかと。私からすれば、そういう大規模な加速器実験なんかも、将来はシミュレーションである程度代替していただく。そうでないと、いくら研究開発が国の最重要課題で予算が増え続けるとしても、やはり全分野の先生が必要と思われるようなライフサイエンス研究、あるいは数物系の研究も、どんどん予算を無限に拡大していくことはできませんので、やはりある意味で、シミュレーションというものを研究の1つの正式な実験、観察と並ぶような意味での研究手法として確立していくということが、その次の科学技術政策につながるものだと思っておりますので、私からすると、狭い意味でのソフトウエアだけではなくて、スーパーコンピュータを使って研究するというマインドの確立でございますとか、そういったものをどう支援していくのか。そういったことを、具体的に検討を進めていただければと思っております。

【土居主査】
 ありがとうございました。

【表具委員】
 地元として、一言だけ。徳永局長にほとんど言っていただいたんですけれども、オールジャパンの視点で、我々として、ぜひ皆さん方の期待に添えるような地元での支援をしていきたいと思っています。
 計算科学振興財団、2月6日に第1回の理事会を開いて、立ち上げることにしております。我々の役目、大きく見て、3つあるかなと。
 先ほど、局長も言われましたけれども、産業界とスパコンとのマッチング。特に、今度の財団には、関経連、経団連の方も入っていただくようにしておりますので、そのあたりで、産業界とのマッチングをしっかりやりたい。
 2つ目は、やはり地元として、スパコン本体があるところで、一般、青少年向けの普及啓発ということも非常に重要な課題かなと思っています。
 3点目は、先ほど来、最初に出ていましたけれども、研究者というのは、アメニティーの提供といいますか、海外からもおそらく相当な方が来られると思いますし、全国からいろんな研究者の方が来られると思います。神戸、非常にオープンな地ではありますので、そういった意味で、研究者へのアメニティーの提供、そういったことも頑張っていきたいなと思っています。
 今日、私がこの委員会に出ている趣旨、ある意味、皆さん方の意見を聞いて、それを地元に持ち帰って、しっかりした支援体制をつくっていくというところに私の役割があるかと思っていますので、よろしくお願いいたします。

【土居主査】
 ありがとうございました。
 今、最後におっしゃっていただきました件に関しては、資料2のスケジュールのところでも、先ほど、整備推進室長から説明がありましたが、関係機関や地元自治体等における検討に資するため必要に応じて審議経過を作成するということで、地元等で熱心にご検討いただいていることと齟齬を来さないように進めていく。要するに、国として一体化を保つためにも重要なことだと思いますので、そういうことをさせていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
 まだまだご意見等をお持ちだろうと思うんですが、予定時間を15分過ぎておりますので、ご意見等は、できましたらメール等で事務局にお寄せいただき、次回の審議でそれを活用させていただきたいと思いますので、それはぜひお願いしたいと思います。
 最後になりましたが、先ほど、整備推進室長から、進めるに当たって、場合によってヒアリングをしたりしなければいけないという発言がありましたが、これは必要に応じて行うということですけれども、その都度その都度お諮りすることもできないこともあり得ますので、その点に関しましては、私に一任していただきたいと思いますが、よろしゅうございますでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

【土居主査】
 ありがとうございます。
 それでは、先ほど、宿題を事務局にも佐藤先生にもお願いいたしましたが、議論に資するために、これまでの議論の経緯と、佐藤先生からは、地球シミュレータに関して、先ほど、山根さんからのご質問に答えていただける程度の資料をご用意いただくということで、ぜひお願いいたしたいと思います。
 本日の議題は以上ですが、何か事務局からございますか。

【事務局(及川)】
 次回以降の日程について、ご連絡いたします。
 第2回及び第3回の作業部会の開催につきまして、来年1月から3月までのご都合をお伺いするメールをお送りいたしまして、今後、日程調整を進めたいと思っておりますので、次回以降の開催日程につきましては、調整後、事務局より別途ご連絡申し上げます。
 何名かの委員の先生には、委員手当等の受け取りの意向の確認の書類を席上に配付しておりますので、ご記入いただきまして、事務局へご提出いただければと思います。
 あわせまして、旅費の支給に関する書類、今から事務局で回りまして、お渡しいたしますので、こちらもご提出していただければと思います。
 それから、本日、席上に配付しております参考資料集でございますけれども、こちら、次回以降も本作業部会で使用する資料でございますので、席上にそのままお残しいただきたいと思っております。
 ただし、ご自宅等でご参照されるためにお持ち帰りいただいても構いませんので、その際には、事務局へご一報いただければと思います。よろしくお願いします。
 以上です。

【土居主査】
 ありがとうございました。
 特段、何か、ご意見等ございますでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、ちょっと時間をオーバーして大変失礼いたしましたが、これで終わらせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。

-了-

お問合せ先

研究振興局情報課スーパーコンピュータ整備推進室

(研究振興局情報課スーパーコンピュータ整備推進室)